WO2015087481A1

WO2015087481A1 - 農業用ハウス、開閉装置

Info

Publication number: WO2015087481A1
Application number: PCT/JP2014/005542
Authority: WO
Inventors: 尚史児玉; 谷澤　孝欣; 郁雅岸副; 太一濱塚; 伸也広田; 淳坂口
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2013-12-09
Filing date: 2014-11-04
Publication date: 2015-06-18

Abstract

　カーテンの隙間からの入射光を遮光することができる農業用ハウスおよび、これに用いられる開閉装置を提供する。ハウス本体（２）は、互いに対向する一対の側壁（２１，２２）と、一対の側壁（２１，２２）の上端同士を繋ぐ屋根（２３）とがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。第１のカーテン（５）は、ハウス本体（２）の内側に屋根（２３）に沿って設けられ、Ｙ軸方向に延長されている支持部（６）に支持され、Ｙ軸方向に沿って開閉する。第２のカーテン（８）は、上端部が第１のカーテン（５）の下端部と重なり、下端部が第１のカーテン（５）の下端部よりも下に位置する。

Description

農業用ハウス、開閉装置

　本発明は、農作物の栽培に用いられる農業用ハウス、および農業用ハウスに設けられたカーテンを開閉する開閉装置に関するものである。

　一般的に、この種の農業用ハウス（ビニールハウス）は、室内の気温、湿度等を維持して外界とは異なる農作物の栽培に適した環境を実現する（たとえば文献１［日本国公開特許公報第平８－７０７１０号］参照）。文献１に記載の農業用ハウスは、ハウス内の温度、湿度を一定に保つために、開閉可能なカーテン（樹脂フィルム等）が設けられている。

　しかし、カーテンを開閉可能に構成した場合、移動するカーテンがハウス内の構造物と干渉することを防止するために、カーテンと構造物との間に隙間が生じ、この隙間から太陽光が入射するおそれがあった。

　本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーテンの隙間からの入射光を遮光することができる農業用ハウス、およびこれに用いられる開閉装置を提供することにある。

　本発明の農業用ハウスは、互いに対向する一対の側壁と一対の前記側壁の上端同士を繋ぐ屋根とが奥行方向に延長されたハウス本体と、前記ハウス本体の内側に前記屋根に沿って設けられ、前記奥行方向に延長されている支持部に支持され、前記奥行方向に沿って開閉する第１のカーテンと、上端部が前記第１のカーテンの下端部と重なり、下端部が前記第１のカーテンの下端部よりも下に位置する第２のカーテンとを備えることを特徴とする。

　本発明の開閉装置は、互いに対向する一対の側壁と一対の前記側壁の上端同士を繋ぐ屋根とが奥行方向に延長されたハウス本体の内側に前記屋根に沿って設けられ、前記奥行方向に延長されている支持部に支持され、前記奥行方向に沿って開閉するカーテンを開閉する開閉装置であって、前記カーテンを前記奥行方向に移動させる無端の第１の紐体と、前記奥行方向の一端側に配置され、前記第１の紐体が掛け回される第１の回転ドラムと、前記奥行方向の他端側に配置され、前記第１の紐体が掛け回される折返し部と、前記第１の回転ドラムと前記第１の紐体との間に摩擦力を付与する摩擦力付与部とを有し、前記第１の回転ドラムおよび前記折返し部は前記屋根に沿って配置され、前記カーテンは、前記奥行方向の一端が固定され、前記奥行方向の他端が前記第１の紐体に結合され、前記第１の回転ドラムの回転方向に応じて前記第１の回転ドラムから前記第１の紐体が引き出され、前記カーテンの他端が前記奥行方向に移動することを特徴とする。

　本発明の開閉装置は、互いに対向する一対の側壁と一対の前記側壁の上端同士を繋ぐ屋根とが奥行方向に延長されたハウス本体の内側に前記屋根に沿って設けられ、前記奥行方向に延長されている支持部に支持され、前記奥行方向に沿って開閉するカーテンを開閉する開閉装置であって、前記カーテンの前記奥行方向の一端である自由端に結合された第２の紐体を巻き取ることにより、前記自由端を奥行方向に移動させる第２の回転ドラムと、前記第２の回転ドラムと前記自由端との間で前記第２の紐体が掛け回される第１滑車と、前記第２の回転ドラムと前記第１滑車との間で前記第２の紐体が掛け回される第２滑車とを有し、前記第２の回転ドラムおよび前記第１滑車は前記屋根に沿って配置されており、前記第２滑車は、前記第２の回転ドラムおよび前記第１滑車の下方に配置されていることを特徴とする。

　本発明では、カーテンの隙間からの入射光を遮光することができるという効果がある。

実施形態１の農業用ハウスの概略構成を示す斜視図である。図２Ａ、図２Ｂは、実施形態１の農業用ハウスの概略構成図である。図２Ａは正面図、図２Ｂは平面図である。図３Ａ、図３Ｂは、実施形態１の農業用ハウスにおける第１のカーテンの支持状態を示す図である。図３Ａは正面図、図３Ｂは側面図である。実施形態１の農業用ハウスにおける支持部の取付け状態を示す側面図である。実施形態１の農業用ハウスにおける支持部の取付け状態を示す一部拡大図である。実施形態１の農業用ハウスにおける支持部の取付け状態を示す側面図である。実施形態１の農業用ハウスにおける支持部の取付け状態を示す側面図である。実施形態１の農業用ハウスにおける補強部材の取付け状態を示す側面図である実施形態１の農業用ハウスにおける補強部材の取付け状態を示す拡大図である。実施形態１の農業用ハウスにおける補強部材の取付け状態を示す拡大図である。実施形態１の農業用ハウスにおける第２のカーテンの取付け状態を示す図である。実施形態１の農業用ハウスにおける第２のカーテンと側カーテンの取付け状態を示す図である。実施形態１の農業用ハウスにおける一体カーテンの取付け状態を示す図である。実施形態１の農業用ハウスにおける端支持部の設置位置を示す概略構成図である。実施形態１の農業用ハウスにおける端支持部、吊下げ部材の概略構成図である。実施形態１の農業用ハウスにおける端支持部、吊下げ部材の変形例の概略構成図である。実施形態１の農業用ハウスにおける端支持部、吊下げ部材の変形例の概略構成図である。実施形態１の農業用ハウスにおける開閉装置の概略構成図である。実施形態１の農業用ハウスにおける開閉検知部の外観斜視図である。実施形態１の農業用ハウスにおけるケースを取り外した開閉検知部の外観斜視図である。実施形態１の農業用ハウスにおけるケースを取り外した開閉検知部の平面図である。図２２Ａ、図２２Ｂは、実施形態１の農業用ハウスにおける開閉検知部の変形例の概略構成図である。図２２Ａは平面図、図２２Ｂは正面図である。実施形態１の農業用ハウスにおける開閉検知部の変形例の構成を示す斜視図である。図２４Ａ、図２４Ｂは、実施形態１の農業用ハウスにおける開閉検知部の変形例の概略構成図である。図２４Ａは平面図、図２４Ｂは正面図である。実施形態１の農業用ハウスにおける開閉検知部の変形例の概略構成図である。実施形態２の農業用ハウスにおける開閉装置の概略構成図である。図２７Ａ、図２７Ｂは、実施形態３の農業用ハウスの概略構成図である。図２７Ａは正面図、図２７Ｂは上面図である。実施形態３の農業用ハウスの概略構成を示す斜視図である。図２９Ａ、図２９Ｂは、実施形態３の農業用ハウスにおけるカーテンの支持状態を示す図である。図２９Ａは正面図、図２９Ｂは側面図である。実施形態３の農業用ハウスにおける水配管の取付け状態を示す側面図である。実施形態３の農業用ハウスにおける別構成による水配管の取付け状態を示す斜視図である。実施形態３の農業用ハウスにおける第２の支持部の取付け状態を示す側面図である。実施形態３の農業用ハウスにおける第２の支持部の取付け状態を示す一部拡大図である。実施形態３の農業用ハウスにおける開閉装置の概略構成図である。実施形態３の農業用ハウスにおける要部を示す正面図である。実施形態３の農業用ハウスにおける折返機構の動作説明図である。図３６Ａは折返機構の定常状態、図３６Ｂは折返機構の折返状態を示す概略構成図である。実施形態４の農業用ハウスの概略構成を示す斜視図である。実施形態４の農業用ハウスにおける要部の正面図である。実施形態４の農業用ハウスにおける要部の斜視図である。実施形態４の農業用ハウスにおける要部の別構成の正面図である。土壌の水分特性曲線の一例である。土壌の水分特性曲線の一例である。実施形態５の農業用ハウスの概略構成を示す斜視図である。実施形態５の農業用ハウスにおける要部の正面図である。実施形態５の農業用ハウスにおける要部の正面図である。実施形態５の農業用ハウスにおける要部の別構成の正面図である。実施形態５の農業用ハウスにおける要部の別構成の正面図である。

　（実施形態１）
　本実施形態の農業用ハウス１は、室内の気温、湿度等を維持して外界とは異なる農作物の栽培に適した環境を実現する。以下では、主として軟弱野菜（ほうれん草、小松菜等）の栽培に用いられる農業用ハウス１を例として説明するが、農業用ハウス１の用途を限定する趣旨ではない。

　本実施形態の農業用ハウス１の概略構成図を図１に示す。本実施形態の農業用ハウス１は、ハウス本体２と第１のカーテン５と第２のカーテン８とを備える。なお、図１に示したＸ軸方向（農業用ハウス１の幅方向）、Ｙ軸方向（農業用ハウス１の奥行方向）、Ｚ軸方向（農業用ハウス１の高さ方向）を用いて説明する。

　ハウス本体２は、互いに対向する一対の側壁２１，２２と、一対の側壁２１，２２の上端同士を繋ぐ屋根２３とがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。第１のカーテン５は、ハウス本体２の内側に屋根２３に沿って設けられ、Ｙ軸方向に延長されている支持部６（図２Ａ，図２Ｂ参照）に支持され、Ｙ軸方向に沿って開閉する。第２のカーテン８は、上端部が第１のカーテン５の下端部と重なり、下端部が第１のカーテン５の下端部よりも下に位置する。

　以下に、図１，図２Ａ，図２Ｂを用いて、本実施形態の農業用ハウス１について詳細に説明する。

　ハウス本体２は、互いに対向する一対の側壁２１，２２と、一対の側壁２１，２２の上端同士を繋ぐ屋根２３とがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成されている。また、本実施形態では、ハウス本体２はＹ軸方向の両端部に妻壁２４を有しており、この妻壁２４には図示しない出入口が設けられている。

　具体的には、ハウス本体２は、アルミニウム等の金属製のフレーム（骨組）３と、透光性を有しフレーム３に保持される被覆材２０とを備えている。被覆材２０は、ハウス本体２の略全体を覆うように設けられている。被覆材２０は、たとえば太陽光を殆ど遮らずに雨風を凌ぎ、且つハウス本体２内の保温、保湿を実現すべく透明なビニルシートやガラス製であってもよいし、通気性を考慮して部分的に網（防虫網など）で構成されていてもよい。

　フレーム３は、アーチ状を成しＹ軸方向（奥行方向）に複数本並ぶアーチ部３１と、各々がＹ軸方向に延長され複数本のアーチ部３１を連結する複数本の連結部材３２とを有している。複数本のアーチ部３１の各々は、Ｚ軸方向（高さ方向）に沿う一対の壁片３１１，３１２と、これら一対の壁片３１１，３１２の上端同士を繋ぐ屋根片３１３とで構成されている。

　つまり、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１１およびこれらの壁片３１１間に設けられた被覆材２０が側壁２１を構成し、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１２およびこれらの壁片３１２間に設けられた被覆材２０が側壁２２を構成する。また、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の屋根片３１３およびこれらの屋根片３１３間に設けられた被覆材２０が屋根２３を構成する。ここで、各アーチ部３１は、屋根片３１３がＸ軸方向（幅方向）の中央部ほど高くなるように上方に凸となる形、たとえば半円状や三角形状に形成される。そのため、屋根２３は、たとえば半円柱状や三角柱状に形成されることになる。

　複数本の連結部材３２は、少なくともＹ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１１の上端（屋根片３１３との連結点）同士を連結する肩部３２１と、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１２の上端（屋根片３１３との連結点）同士を連結する肩部３２２とを含んでいる。つまり、ハウス本体２の側壁２１，２２と屋根２３とは、肩部３２１，３２２によって区切られている。さらに、複数本の連結部材３２は、肩部３２１，３２２の他、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の屋根片３１３の頂部同士を連結する棟部３２３を含んでいる。

　また、ハウス本体２のフレーム３は、Ｙ軸方向の両端部に、Ｙ軸方向に直交する平面（図１のＸ－Ｚ平面）に沿って配置されており少なくとも屋根２３を支持する梁３３をさらに有している。梁３３は、Ｙ軸方向の両端に位置する各アーチ部３１の内側に設けられている。つまり、Ｙ軸方向の両端の各アーチ部３１および梁３３と、これら各アーチ部３１の内側に設けられた被覆材２０とが妻壁２４を構成する。

　ハウス本体２のＹ軸方向の両端に位置する各妻壁２４にはファン２４１が設けられている。ファン２４１は、妻壁２４におけるＸ軸方向の中央部であって、且つ上端部の近傍に設けられ、梁３３に支持されている。したがって、この農業用ハウス１は、ファン２４１を作動（回転）させることでハウス本体２内に強制的に空気流が生じ、ハウス本体２の内部空間の換気（空気の入れ替え）を行うことができる。

　また、本実施形態の農業用ハウス１は、図１に示すように散水を行うための散水装置１１をさらに備えている。散水装置１１は、ハウス本体２内に設けられた水噴射部１１１と、水噴射部１１１に水を供給するタンク１１２とを有している。水噴射部１１１は、Ｙ軸方向に沿って各側壁２１，２２際に設けられたパイプまたはチューブからなり、タンク１１２から供給される水をハウス本体２内に噴射するように、その側面に適当な間隔で孔またはノズル（図示せず）が形成されている。ここで、散水装置１１は、各側壁２１，２２の上端部と下端部とのそれぞれに対応する位置に水噴射部１１１が設けられている。側壁２１，２２の上端部に設けられた水噴射部１１１のノズルからはミスト状の水を噴射（噴霧）し、側壁２１，２２の下端部に設けられた水噴射部１１１の孔からは水が噴出（散水）する。

　ところで、本実施形態の農業用ハウス１においては、第１のカーテン５は、上述したように構成されるハウス本体２の内側に屋根２３に沿って設けられている。この第１のカーテン５は、Ｙ軸方向（奥行方向）に延長されている支持部６（図２Ａ，図２Ｂ参照）にて支持され、支持部６に沿ってＹ軸方向に開閉するように構成されている。ここでは一例として、第１のカーテン５は、遮光率が６５～７５％程度の減光用のカーテンであって、全閉状態では屋根２３を通してハウス本体２内に照射する太陽光（日射）の一部を遮る機能を持つ。軟弱野菜などにおいては、ハウス本体２内に照射する光が強過ぎると光合成の効率が悪くなるが、農業用ハウス１は、このような減光用の第１のカーテン５を有することで、ハウス本体２内への日射量を調節して農作物の栽培に適した環境を実現できる。

　以下に、第１のカーテン５および支持部６の具体的な構成について図２Ａ，図２Ｂおよび図３Ａ，図３Ｂを参照して説明する。

　支持部６は、ハウス本体２のＹ軸方向の両端間、つまり一対の妻壁２４間に張られた複数本の線状部材からなる。ここでいう線状部材はたとえばワイヤやロープなどである。本実施形態では、支持部６は梁３３（図１参照）に固定されている。つまり、上述したようにハウス本体２のＹ軸方向の両端に位置する妻壁２４には少なくとも屋根２３を支持する梁３３が設けられているので、本実施形態の農業用ハウス１は、この梁３３を支持部６の両端部を固定するための部材として兼用している。第１のカーテン５は、支持部６に吊り下げられる形で支持部６にて支持される。

　支持部６は、一対の側壁２１，２２の対向方向であるＸ軸方向（幅方向）に３本以上並べて設けられている。本実施形態では、支持部６は、各肩部３２１，３２２（図１参照）の近傍と、棟部３２３（図１参照）の近傍との各位置に１本ずつ設けられている。これら計３本の支持部６はＸ軸方向（幅方向）に略等間隔で設けられている。ここで、これら複数本（本実施形態では３本）の支持部６は、側壁２１（または側壁２２）から離れるほど第１のカーテン５の高さが高くなるように、側壁２１（または側壁２２）からの距離に応じてカーテンを支持する高さが異なっている。言い換えれば、複数本の支持部６は、図２Ｂに示すようにＸ軸方向の中央に近い支持部６ほど高い位置に配置されており、これにより第１のカーテン５はＸ軸方向の中央部が最も高くなるように屋根２３の形状に沿って支持される。

　また、本実施形態の変形例として、支持部６の端部は地面付近に配置された構成であってもよい。図４，図５に示すように、妻壁２４に柱３３１を設け、支持部６の端部は、柱３３１の上方に設けられたアイボルト３３２のリング部を介してターンバックル３３３の一端に固定される。ターンバックル３３３の他端は、柱３３１の地面付近に設けられたアイボルト３３４に固定される。したがって、ユーザは、ターンバックル３３３の胴体部を回転することによって、地面から近い位置で支持部６のテンション（張力）を調整することができ、作業性が向上する。また、高所での作業が減少するので安全性も向上し、施工費も削減することができる。なお、アイボルト３３２，３３４の代わりにアイナットを用いてもよい。

　また、図６に示すように、ターンバックル３３３と支持部６の端部との間にコイルばね３３５を設けた構成でもよい。コイルばね３３５を設けることによって、張力測定器を用いることなく、コイルばね３３５の長さに基づいて支持部６の張力（テンション）を把握することができる。例えば、施工時またはメンテナンス時において、コイルばね３３５が所定の長さとなるようにターンバックル３３３の胴体部を回転させることによって、支持部６のテンションが所定値となるように容易に調整することができる。

　さらに別の変形例として、図７に示すように、支持部６の端部におもり３３６を吊り下げた構成でもよい。おもり３３６を所定の重量とすることで、張力測定器を用いることなく、支持部６のテンションが所定値となるように容易に設定することができる。また、おもり３３６を用いることによって、支持部６が伸びた場合であっても、支持部６のテンションを所定値に維持することができる。

　また、上述したようにハウス本体２は、一対の妻壁２４間には複数の支持部６が張られ、さらに風を受けるので、妻壁２４に大きな負荷がかかる。そこで、本実施形態では、ハウス本体２（妻壁２４）の歪みを防止するために、補強部材３４を設けている（図８，図９参照）。

　図９に示すように、柱３３１は具体的には角柱状に形成されており、アイボルト３３２が設けられる上端部３３１１は押し潰されて平板状に形成されている。補強部材３４は、奥行方向に延長された金属製のパイプで構成されており、一方の端部が柱３３１の上端部３３１１に接触した状態で複数のアーチ部３１に固定部材３４１によって固定されている。これにより、妻壁２４が受ける負荷が、補強部材３４を介して複数のアーチ部３１にも分散され、ハウス本体２（妻壁２４）の歪みを防止することができる。また、平板状に形成された柱３３１の上端部３３１１を貫通するようにボルト３４２が取り付けられている。補強部材３４は、柱３３１の上端部３３１１から突出したボルト３４２に挿し込まれた状態で固定されることによって、補強部材３４の位置ずれを防止することができる。

　また、本実施形態の変形例として、図１０に示すように、妻壁２４を構成するアーチ部３１と柱３３１の上端部３３１１とを接続する断面Ｕ字状の接続金具３４３がボルト３４２によって固定され、補強部材３４は、ボルト３４２に挿し込まれた状態で固定される。これにより、ボルト３４２は、接続金具３４３の固定と、補強部材３４の位置ずれ防止とを兼用することができる。

　また、各支持部６には、図３Ａ，図３Ｂに示すように、その長手方向（Ｙ軸方向）に並ぶように滑車７１が複数個ずつ取り付けられており、これらの滑車７１は、各々、支持部６に沿って支持部６上を移動自在に構成されている。そのため、同一の支持部６上においてＹ軸方向に隣接する滑車７１間の間隔は変化する。各滑車７１には、各々第１のカーテン５を保持するためのクランプ７２が吊り下げられる形で連結されている。

　第１のカーテン５は、たとえば合成樹脂製であって、開閉自在とするのに十分な可撓性を持つ。第１のカーテン５は、各滑車７１に連結されたクランプ７２に各部が挟まれる形で保持され、Ｘ軸方向の複数箇所において各支持部６に吊り下げられるようにして、複数本の支持部６にて支持される。これにより、第１のカーテン５のうちクランプ７２に保持された各部位は、滑車７１の移動に伴い支持部６に沿ってＹ軸方向に移動する。ただし、第１のカーテン５のＹ軸方向の一端部を保持するクランプ７２は、支持部６の長手方向（Ｙ軸方向）の一端部から移動しないように、ハウス本体２のフレーム３（梁３３）に対して固定されている。

　上記構成によれば、滑車７１が支持部６に沿って支持部６上を移動すると、滑車７１に連結されているクランプ７２は第１のカーテン５と共にＹ軸方向に移動するので、結果的に、第１のカーテン５が開閉する。つまり、第１のカーテン５は、Ｙ軸方向の一端を固定端、他端を自由端として、固定端を定位置に固定しつつ、滑車７１の移動を伴って自由端をＹ軸方向に移動させることで、支持部６に沿ってＹ軸方向に開閉する。そのため、第１のカーテン５は、自由端が固定端に最も近づいた状態で全開状態となり、自由端が固定端から最も離れた状態で全閉状態となる。なお、全閉状態にある第１のカーテン５は、ハウス本体２における屋根２３の略全域を覆うことになる。

　さらに、この構成において、第１のカーテン５を支持する複数本の支持部６には同数の滑車７１が取り付けられており、且つ、第１のカーテン５が全閉状態にあるとき、これら複数本の支持部６に支持されたクランプ７２はＸ軸方向に沿った同一直線上に位置する。言い換えれば、第１のカーテン５は、異なる支持部６に吊り下げられた複数個のクランプ７２にてＹ軸方向の同一位置が保持される形で、支持部６に支持される。したがって、第１のカーテン５は、全閉状態から全開状態になる際、Ｙ軸方向においてクランプ７２にて保持された部位の間が垂れ下がるようにして折り畳まれる。つまり、全開状態にある第１のカーテン５は、クランプ７２にて保持された部位で山折りとなるように折り畳まれることになる。

　ここで、Ｙ軸方向に沿って開閉する第１のカーテン５が、ハウス本体２内のフレーム３等と干渉することを防止するために、第１のカーテン５のＸ軸方向の両端とフレーム３（各肩部３２１，３２２）との間に隙間が生じている。そのため、各肩部３２１，３２２付近において、第１のカーテン５と各肩部３２１，３２２との隙間を通して太陽光がハウス本体２内に入射するおそれがある。そこで、本実施形態の農業用ハウス１は、上記の隙間を塞ぐ第２のカーテン８を備える。

　第２のカーテン８は、遮光性（減光性）を有する合成樹脂性であり、各肩部３２１，３２２の付近において、Ｙ軸方向におけるハウス本体２の一端から他端に亘って屋根２３に沿うように設けられている（図１参照）。具体的には、図１１に示すように、第２のカーテン８は、複数の固定部材８１を用いて、下端部が各肩部３２１，３２２に適当な間隔で固定され、上端部が屋根片３１３に固定されている。固定部材８１は、断面がＣ字状の筒体で構成され、第２のカーテン８を挟み込んだ状態で肩部３２１，３２２および屋根片３１３がはめ込まれることで、第２のカーテン８を固定する。また、第１のカーテン５が開いているときに第２のカーテン８によって遮光される面積を減らすために、本実施形態では、第２のカーテン８は、上端部が第１のカーテン５の下端部と重なる寸法に形成されている。なお、図１１の矢印は、太陽光の照射を示している。

　すなわち、第２のカーテン８は、上端部が第１のカーテン５の下端部と重なり、下端部が第１のカーテン５の下端部よりも下側に位置している。したがって、第２のカーテン８によって、第１のカーテン５と屋根２３との隙間が塞がれ、この隙間を通して太陽光がハウス本体２内に入射することを防止することができる。

　さらに、本実施形態の農業用ハウス１は、各側壁２１，２２の内側に設けられた第１の側カーテン１３（第３のカーテン）と、各側壁２１，２２の外側に設けられた第２の側カーテン１４とを備えていてもよい（図１参照）。ここでは一例として、第１の側カーテン１３は第１のカーテン５と同じ素材からなり遮光（減光）性を有し、第２の側カーテン１４は透明である。第１の側カーテン１３と第２の側カーテン１４とは、いずれも上端部が肩部３２１，３２２の近傍に固定されており、Ｚ軸方向（上下方向）に開閉自在に構成されている。

　具体的には、第１および第２の側カーテン１３，１４は、その上端を固定端、下端を自由端として、地面からの自由端の高さ位置が変化することにより、Ｚ軸方向に開閉する。ここで、第１の側カーテン１３と第２の側カーテン１４とでは開閉のための構成は同一であるので、以下では、第１の側カーテン１３を例として、その詳しい構成について図１２を参照して説明する。なお、図１２の矢印は、太陽光の照射を示している。

　側カーテン１３は、図１２に示すように、上端部は第２のカーテン８の下端部と重ね合わされた状態で固定部材８１を用いて肩部３２１，３２２に固定され、下端部に棒状の芯材１３１を有している。ここで、側カーテン１３を開閉するための開閉装置１５は、各側壁２１，２２の上端部に固定された定滑車１５１と、定滑車１５１にて巻取可能な紐体１５２とを有している。ここでいう紐体１５２はたとえばロープやワイヤなどである。紐体１５２は、その一部に側カーテン１３の自由端が結合されている。さらに本実施形態では、側カーテン１３は、紐体１５２との結合部位のＺ軸方向の延長線上に、フック等の引掛具（図示せず）を複数個有しており、これらの引掛具に紐体１５２が挿通されている。

　これにより、開閉装置１５は、定滑車１５１を回転させることにより、紐体１５２が移動して、側カーテン１３の自由端を芯材１３１ごとＺ軸方向に移動させることができる。開閉装置１５は、側カーテン１３を開くときには、芯材１３１が上昇するように紐体１５２を移動させ、側カーテン１３を閉じるときには、芯材１３１が下降するように紐体１５２を移動させる。

　ここで、開閉装置１５は、定滑車１５１および紐体１５２の組み合わせを２組有しており、側カーテン１３の自由端に設けられた芯材１３１の両端部に各組の紐体１５２を結合している。そのため、開閉装置１５は、定滑車１５１を回転させて両方の紐体１５２を同時に移動させることにより、側カーテン１３の自由端に設けられた芯材１３１のＹ軸方向の両端部を同時に移動させることができる。これにより、側カーテン１３は、自由端がＹ軸方向の両端間に亘ってＺ軸方向に一斉に移動するので、Ｙ軸方向の全域に亘り一斉に開閉する。したがって、このような構成の農業用ハウス１によれば、側カーテン１３の自由端の位置をＹ軸方向の両端間に亘って揃えることができ、Ｙ軸方向において側カーテン１３の開度のばらつきを抑制できる。

　また、このように側カーテン１３をＹ軸方向の全域に亘り一斉に開閉する場合、開閉装置１５は、２組の定滑車１５１が同時に回転するように、定滑車１５１同士がシャフト（図示せず）にて連結されていることが望ましい。これにより、開閉装置１５は、一方の定滑車１５１が回転すると、この回転力がシャフトを介して他方の定滑車１５１に伝達され、両方の紐体１５２が同時に移動するので、Ｙ軸方向において側カーテン１３の開度のばらつきを抑制できる。

　また、開閉装置１５は、モータなどの駆動源（図示せず）を備え、駆動源の発生する駆動力により定滑車１５１を回転させて側カーテン１３を開閉する構成でもよいし、ユーザが手動で定滑車１５１を回転させて側カーテン１３を開閉する構成であってもよい。いずれの構成であっても、上述したように定滑車１５１同士がシャフトで連結されている場合、開閉装置１５は、一方の定滑車１５１のみを回転させることで側カーテン１３を開閉できる。

　なお、上記では、第２のカーテン８と第１の側カーテン１３（第３のカーテン）とを別体に構成しているが、本実施形態の変形例として、第２のカーテン８の下端部と第１の側カーテン１３の上端部とが連続して一体に形成された構成であってもよい。なお、第２のカーテン８と第１の側カーテン１３とが一体に形成されたものを一体カーテン８０と称して説明する。

　本変形例の一体カーテン８０は、側壁２１，２２と屋根２３の一部とに沿って設けられている。そして、図１３に示すように、上端部が第１のカーテン５の下端部と重なるように固定部材８２で屋根片３１３に固定され、中間部が固定部材８１で各肩部３２１，３２２に固定されている。固定部材８２は、Ｙ軸方向に沿って形成された溝を有する長尺状の取付部材８２１と、取付部材８２１の溝にはめ込まれ、取付部材８２１の溝の側面に付勢するばね状の弾性部材８２２とで構成されている。取付部材８２１は、各屋根片３１３を連結するようにＹ軸方向に沿って設けられており、取付部材８２１の溝の側面と弾性部材８２２とで一体カーテン８０が挟み込まれることで一体カーテン８０が屋根片３１３に固定される。一体カーテン８０は、肩部３２１，３２２より上方が第２のカーテン８と同様の機能を有し、肩部３２１，３２２より下方が第１の側カーテン１３と同様の機能を有する。なお、図１３の矢印は、太陽光の照射を示している。

　本変形例では、第２のカーテン８と第１の側カーテン１３とが一体化されている。したがって、図１２における第２のカーテン８と第１の側カーテン１３との重なりがなくなるので、材料費を削減することができる。また、肩部３２１，３２２に取り付けられる固定部材８１は、１つの部材（一体カーテン８０）のみを挟み込むので、固定部材８１が外れることが抑制される。また、材料をカットして第２のカーテン８と第１の側カーテン１３とを形成する行程が不要となり、施工費も削減される。また、一体カーテン８０は、固定部材８１によって、各肩部３２１，３２２に固定されることによって、一体カーテン８０と第１のカーテン５とが干渉することを防止され、一体カーテン８０によって第１のカーテン５の移動が阻害されることが防止される。

　ここで、上述した支持部６は、第１のカーテン５全体の荷重を支える必要があるので、第１のカーテン５の端部を支持することが困難であった。そのため、第１のカーテン５の端部が垂れ下がり、第２のカーテン８、第１の側カーテン１３との隙間から太陽光が入射するおそれがあった。そこで、隙間からの入射光を低減するために、上述した支持部６に加えて、第１のカーテン５のＸ軸方向（幅方向）における端部を支持する端支持部６１を備えた構成であってもよい（図１４参照）。

　端支持部６１は、一対の妻壁２４間において、屋根２３のＸ軸方向（幅方向）における両方の端部それぞれに沿って設けられている。この端支持部６１は、ワイヤ、エステル線などの線状部材で構成されており、第１のカーテンのＸ軸方向における端部を吊り下げる吊下げ部材６２が複数設けられている（図１５参照）。吊下げ部材６２は、リング状に形成されており、端支持部６１と、第１のカーテン５の端部に設けられたハトメ５３とに通されることで、第１のカーテン５の端部を端支持部６１に吊り下げている。そして、吊下げ部材６２は、端支持部６１に沿って奥行方向に移動自在であり、第１のカーテン５の開閉にともなって移動する。

　上記構成の端支持部６１、吊下げ部材６２によって、第１のカーテン５のＸ軸方向における端部が第１の側カーテン１３と近い位置で吊り下げられる。これにより、第１のカーテン５と第１の側カーテン１３との隙間が低減されるので、第１のカーテン５と第１の側カーテン１３との隙間からの入射光を低減することができ、上述した第２のカーテン８の幅も小さくすることができる。

　また、端支持部６１は、第１のカーテン５の端部のみを支持しているので、端支持部６１および妻壁２４への負荷が小さく、安価な線状部材を端支持部６１に用いることができる。なお、端支持部６１の張力は、２５ｋｇｆ以下に設定することが望ましい。

　また、吊下げ部材６２の変形例として、図１６に示すように、端支持部６１上をＹ軸方向（奥行方向）に移動自在である滑車６２１を備え、ハトメ５３に掛けられるフック６２２を用いて第１のカーテン５の端部を保持する構成でもよい。吊下げ部材６２が滑車６２１を備えることによって、吊下げ部材６２と端支持部６１との摩擦が低減され、吊下げ部材６２の移動をスムーズにすることができる。

　また、端支持部６１、吊下げ部材６２の変形例として、図１７に示すように、端支持部６１をパイプ６１１とカーテンレール６１２で構成し、吊下げ部材６２をランナー６２３で構成してもよい。パイプ６１１は、一対の妻壁２４間に設けられており、撓まないよう複数のアーチ部３１に固定されている。カーテンレール６１２は、パイプ６１１に沿って固定されている。ランナー６２３は、カーテンレール６１２に沿ってＹ軸方向（奥行方向）に沿って移動自在であり、第１のカーテン５の端部を保持するためのフック６２４を備えている。このように、端支持部６１を、パイプ６１１とカーテンレール６１２で構成し、吊下げ部材６２をランナー６２３で構成することによって、第１のカーテン５の荷重による端支持部６１の垂下を防止することができる。

　また、本実施形態の農業用ハウス１は、ユーザが第１のカーテン５の開閉を比較的容易に行えるように、滑車７１を移動させて第１のカーテン５を開閉するための開閉装置９（第１の開閉装置）を備える。

　以下に、開閉装置９の構成について、図１８を用いて説明する。開閉装置９は、ロープ９１（第１の紐体）と、回転ドラム９２（第１の回転ドラム）と、滑車９３と、滑車９４（折返し部）とを備える。

　滑車９３は、定滑車で構成され、ハウス本体２のＹ軸方向の一端側における屋根２３付近に配置されている。滑車９４は、定滑車で構成され、ハウス本体２のＹ軸方向の他端側における屋根２３付近に配置されている。回転ドラム９２は、ハウス本体２のＹ軸方向の一端側における滑車９３近傍に配置されている。滑車９３と滑車９４とは、略同じ高さに配置されており、回転ドラム９２は、滑車９３よりやや低く、かつやや他端側の位置に配置されている。ロープ９１は、端が無いループ形状（無端）に形成されており、屋根２３に沿ってＹ軸方向の両端に配置された回転ドラム９２と滑車９４とに掛け回され、第１のカーテン５をＹ軸方向に移動（開閉）させる。なお、ロープ９１の代わりにワイヤ等を用いてもよい。

　また、第１のカーテン５は、滑車９４側にあるＹ軸方向の一端部（固定端）が、支持部６のＹ軸方向の一端部から移動しないように梁３３に対して固定され、滑車９３側にあるＹ軸方向の他端部（自由端）が、ロープ９１の一部に結合されている。

　すなわち、無端のロープ９１は、回転ドラム９２と滑車９４とで折り返されるように掛け回され、滑車９３を支点としてロープ９１の移動方向が変更される。なお、本実施形態では、ロープ９１は、回転ドラム９２と滑車９４とに掛け回された１本の無端の紐体であるが、回転ドラム９２と滑車９４との間には見かけ上、２本のロープが架かっている。以下では説明の便宜上、第１のカーテン５の自由端が結合された一方のロープ９１を第１のロープ９１１と呼び、他方のロープ９１を第２のロープ９１２と呼ぶ。

　したがって、回転ドラム９２が図１８の矢印Ａ（実線）の向きに回転した場合、回転ドラム９２に第１のロープ９１１が引き込まれ、回転ドラム９２から第２のロープ９１２が引き出される。一方、回転ドラム９２が図１８の矢印Ｂ（点線）の向きに回転した場合、回転ドラム９２から第１のロープ９１１が引き出され、回転ドラム９２に第２のロープ９１２が引き込まれる。すなわち、ロープ９１（第１のロープ９１１，第２のロープ９１２）は、回転ドラム９２によって、つるべ式に動作する。なお、滑車９３は、それぞれが独立して回転する２個の滑車を有する２連滑車からなり、一方の滑車に第１のロープ９１１が掛け回され、他方の滑車に第２のロープ９１２が掛け回される。

　第１のロープ９１１には第１のカーテン５の自由端が結合されており、回転ドラム９２を回転させることにより、第１のカーテン５の自由端をＹ軸方向に移動させて第１のカーテン５を開閉することができる。第１のカーテン５を閉じる場合、回転ドラム９２を図１８の矢印Ａ（実線）の向きに回転させる。これにより、回転ドラム９２に第１のロープ９１１が引き込まれ、第１のカーテン５の自由端が滑車９３側に手繰り寄せられて第１のカーテン５の自由端が固定端から離れる向きに移動し、第１のカーテン５が閉じられる。一方、第１のカーテン５を開ける場合、回転ドラム９２を図１８の矢印Ｂ（点線）の向きに回転させる。これにより、回転ドラム９２から第１のロープ９１１が引き出される（回転ドラム９２に第２のロープ９１２が引き込まれる）。そして、第１のカーテン５の自由端が滑車９４側に手繰り寄せられて第１のカーテン５の自由端が固定端に近づく向きに移動し、第１のカーテン５が開けられる。なお、本実施形態では、第１のカーテン５の固定端が滑車９４側、自由端が回転ドラム９２（滑車９３）側に設けられているが、第１のカーテン５の固定端が回転ドラム９２（滑車９３）側、自由端が滑車９４に設けられた構成でもよい。

　さらに、本実施形態の開閉装置９は、回転ドラム９２の空回りを防止するために、回転ドラム９２とロープ９１との間に摩擦力を付与する摩擦力付与部として弾性部材９５を備えている。弾性部材９５は、コイルばねで構成されており、梁３３と滑車９４との間に固定される。そして、弾性部材９５は、コイルばねの復帰力により滑車９４を梁３３側に引っ張ってロープ９１に張力を与えることで、回転ドラム９２とロープ９１との間に摩擦力を付与する。この弾性部材９５によって、回転ドラム９２とロープ９１との間の摩擦力が大きくなり、回転ドラム９２は、ロープ９１を複数回巻き付けることなくロープ９１の引き込み・引き出しが可能となる。回転ドラム９２にロープ９１を複数回巻き付ける必要がないので、フリートアングルも考慮する必要がなくなり、回転ドラム９２およびロープ９１の全長も短くすることができる。また、開閉装置９は、屋根２３付近に設けられるので、ハウス本体２内における圃場の有効利用面積が拡大する。

　なお、本実施形態では、回転ドラム９２とロープ９１との間に摩擦力を付与する摩擦力付与部として弾性部材９５を用いているが、弾性部材９５以外を用いてもよい。例えば、回転ドラム９２やロープ９１を摩擦係数が大きくなるように構成し、摩擦力付与部としての機能を兼用させてもよい。

　また、第１のカーテン５は、Ｙ軸方向の各端部において、少なくともＸ軸方向の両端間を連結する芯材５１，５２（図２Ｂ参照）を有しており、芯材５１が支持部６に沿ってＹ軸方向に移動することにより開閉する。そのため、開閉装置９は、ロープ９１と回転ドラム９２と滑車９３，９４と弾性部材９５との組み合わせを２組有しており、第１のカーテン５の自由端に設けられた芯材５１の両端部に各組のロープ９１を結合している。つまり、開閉装置９は、両方の回転ドラム９２を回転させて両方のロープ９１を同時に移動させることにより、第１のカーテン５の自由端に設けられた芯材５１のＸ軸方向の両端部を同時に移動させることができる。

　さらに、本実施形態の開閉装置９は、図１９に示すように、シャフト９６とモータ９７と開閉検知部９８とを備える。第１のカーテン５をＸ軸方向の全域に亘り一斉に開閉させるために、２組の回転ドラム９２が同時に回転するように、回転ドラム９２同士がシャフト９６によって連結されている。このシャフト９６によって両方の回転ドラム９２が同様に回転し、両方のロープ９１が同時に移動するので、Ｘ軸方向における第１のカーテン５の開度のばらつきを抑制できる。また、モータ９７は、発生する駆動力によりシャフト９６を回転させることで、２つの回転ドラム９２が回転し、第１のカーテン５が開閉する。

　開閉検知部９８は、一方の回転ドラム９２とモータ９７との間に設けられており、モータ９７（回転ドラム９２）の回転量に基づいて、第１のカーテン５の全開・全閉状態を検知する。開閉検知部９８は、梁３３に取付けられた板状の固定板９８１１に固定されており、矩形箱状のケース９８１２に収納されている。ケース９８１２を取り外した状態を図２０，図２１に示す。開閉検知部９８の構成について図２０，図２１を用いて説明する。

　開閉検知部９８は、底板９８２と一対の側板９８３とシャフト９８４とガイド９８５と移動ブロック９８６と一対のスイッチ固定部９８７と一対のマイクロスイッチ９８８とを備える。

　底板９８２は、矩形板状に形成され、図示しないビス等を用いて固定板９８１１に固定される。一対の側板９８３は、Ｘ軸方向に対向するように固定板９８１１の側面に取り付けられる。なお、一対の側板９８３のうち、モータ９７側に取り付けられる側板９８３を第１側板９８３１と呼び、回転ドラム９２側に取り付けられる側板９８３を第２側板９８３２と呼ぶ。

　シャフト９８４は、丸棒状に形成され、一対の側板９８３を貫通し、かつ回転自在となるように一対の側板９８３に設けられている。第１側板９８３１から突出したシャフト９８４の一端には、モータ９７の回転軸が接続され、第２側板９８３２から突出したシャフト９８４の他端には、シャフト９６の端部が接続されている。すなわち、シャフト９８４は、モータ９７の回転軸と、回転ドラム９２が設けられるシャフト９６とをＸ軸方向に連結しており、モータ９７の回転軸に連動して、シャフト９８４およびシャフト９６が同様に回転する。また、一対の側板９８３間におけるシャフト９８４の胴体部には、ネジ溝が形成されている。ガイド９８５は、丸棒状に形成され、一対の側板９８３間に設けられている。

　移動ブロック９８６は、本体部９８６１と第１挿通孔９８６２と第２挿通孔９８６３と板バネ９８６４とを備える。本体部９８６１は、矩形体状に形成される。第１挿通孔９８６２は、本体部９８６１に形成され、シャフト９８４が挿通する。また、第１挿通孔９８６２の内面にはネジ溝が形成されており、このネジ溝と、シャフト９８４の胴体部に形成されたネジ溝とが螺合される。第２挿通孔９８６３は、ガイド９８５が挿通する。なお、第２挿通孔９８６３の径は、ガイド９８５の径よりもやや大きく形成されており、本体部９８６１は、ガイド９８５に沿って移動自在に構成される。板バネ９８６４は、本体部９８６１から突出するように、一端が本体部９８６１に固定されている。そして、移動ブロック９８６は、シャフト９８４の回転方向に応じてガイド９８５に沿って移動し、その移動量は、シャフト９８４の回転量によって決定される。

　一対のスイッチ固定部９８７は、底板９８２上における一端側と他端側とに設けられており、上部にマイクロスイッチ９８８が固定される。なお、一対のスイッチ固定部９８７のうち、モータ９７側に設けられたスイッチ固定部９８７を第１スイッチ固定部９８７１と呼び、回転ドラム９２側に設けられたスイッチ固定部９８７を第２スイッチ固定部９８７２と呼ぶ。

　各スイッチ固定部９８７の上部には、マイクロスイッチ９８８が固定されており、ガイド９８５に沿って移動する移動ブロック９８６の板バネ９８６４が接触する。各マイクロスイッチ９８８には、モータ９７を制御する制御回路９９（図１９参照）が接続されており、板バネ９８６４が接触すると、制御回路９９に検知信号を出力する。なお、第１スイッチ固定部９８７１に固定されるマイクロスイッチ９８８を第１マイクロスイッチ９８８１と呼び、第２スイッチ固定部９８７２に固定されるマイクロスイッチ９８８を第２マイクロスイッチ９８８２と呼ぶ。

　そして、モータ９７によってシャフト９８４が図２０の矢印Ａ（実線）の向きに回転した場合、移動ブロック９８６は、シャフト９８４の回転量に応じた移動量分だけ第１側板９８３１に近づく向きに移動する。さらに、回転ドラム９２も図１８の矢印Ａ（実線）の向きに回転し、回転ドラム９２の回転量に応じた移動量分だけ第１のカーテン５の自由端が固定端から離れる向きに移動し第１のカーテン５が閉じられる。一方、モータ９７によってシャフト９８４が図２０の矢印Ｂ（点線）の向きに回転した場合、移動ブロック９８６は、シャフト９８４の回転量に応じた移動量分だけ第２側板９８３２に近づく向きに移動する。さらに、回転ドラム９２も図１８の矢印Ｂ（点線）の向きに回転し、回転ドラム９２の回転量に応じた移動量分だけ第１のカーテン５の自由端が固定端に近づく向きに移動し第１のカーテン５が開けられる。シャフト９８４と回転ドラム９２の回転量は同一であるので、第１のカーテン５の自由端の移動量と移動ブロック９８６の移動量とが比例関係となる。

　そこで、本実施形態では、移動ブロック９８６の位置を、第１のカーテン５が全閉状態である場合に板バネ９８６４が第１マイクロスイッチ９８８１に接触する位置に設定する。また、移動ブロック９８６の位置を、第１のカーテン５が全開状態である場合に板バネ９８６４が第２マイクロスイッチ９８８２に接触する位置に設定する。なお、図２１において、第１のカーテン５が全閉状態である場合における移動ブロック９８６の位置を実線で示し、第１のカーテン５が全開状態である場合における移動ブロック９８６の位置を破線で示す。また、図２１の矢印は、移動ブロック９８６の移動方向を示す。

　上記構成により、第１のカーテン５の自由端が移動して第１のカーテン５が全閉状態になると、移動ブロック９８６の板バネ９８６４が第１マイクロスイッチ９８８１に接触する。そして、第１マイクロスイッチ９８８１から第１のカーテン５の全閉状態を示す検知信号が制御回路９９に出力される。一方、第１のカーテン５の自由端が移動して第１のカーテン５が全開状態になると、移動ブロック９８６の板バネ９８６４が第２マイクロスイッチ９８８２に接触する。そして、第２マイクロスイッチ９８８２から第１のカーテン５の全開状態を示す検知信号が制御回路９９に出力される。制御回路９９は、第１マイクロスイッチ９８８１または第２マイクロスイッチ９８８２から検知信号が出力されるとモータ９７を停止させる。これにより、第１のカーテン５のオーバーランを防止することができる。

　このように、本実施形態の開閉検知部９８は、モータ９７（回転ドラム９２）の回転量に基づいて第１のカーテン５の自由端の位置を検出し、第１のカーテン５の全開・全閉状態を検知することができる。したがって、第１のカーテン５の全開時における自由端の位置と、第１のカーテン５の全閉時における自由端の位置それぞれに検知スイッチを設ける必要がなく、１つの開閉検知部９８を用いて、第１のカーテン５の全開状態と全閉状態とを検知することができる。また、開閉検知部９８は、モータ９７の近傍に設けられるので、電気系統を１箇所にまとめることができ、電気配線も短くすることができるので、施工性，信頼性が向上し、施工費，材料費も削減することができる。

　また、底板９８２に対する第２スイッチ固定部９８７２の位置が調整可能に構成されており、第１のカーテン５が全開・全閉状態である場合に、板バネ９８６４がマイクロスイッチ９８８に接触するよう調整することができる。

　なお、上記構成では、第１，第２マイクロスイッチ９８８１，９８８２から検知信号が出力された際に制御回路９９がモータ９７を停止するように構成されているが、制御回路９９を省略した構成であってもよい。例えば、モータ９７は第１の入力端子、第２の入力端子、共通端子を有し、駆動電源から導出される第１の電力線を第１の入力端子に接続し、第２の電力端子を第２の入力端子に接続し、共通電力線を共通端子に接続する。モータ９７を図２０の矢印Ａ（実線）の向きに回転させる場合、第１の電力線と共通電力線を用いてモータ９７に電力を供給し、モータ９７を図２０の矢印Ｂ（点線）の向きに回転させる場合、第２の電力線と共通電力線を用いてモータ９７に電力を供給する。そして、第１マイクロスイッチ９８８１をｂ接点型のスイッチで構成して第１の電力線に介挿し、板バネ９８６４が接触すると第１の電力線をオープン状態にしてモータ９７への供給電力を遮断し、モータ９７を停止させる。また、第２マイクロスイッチ９８８２をｂ接点型のスイッチで構成して第２の電力線に介挿し、板バネ９８６４が接触すると第２の電力線をオープン状態にしてモータ９７への供給電力を遮断し、モータ９７を停止させる。

　このように第１，第２マイクロスイッチ９８８１，９８８２に板バネ９８６４が接触した際に、第１，第２マイクロスイッチ９８８１，９８８２がモータ９７への供給電力を直接遮断するように構成することで、制御回路９９が不要となり、構成が簡略化される。

　なお、開閉検知部９８の構成は上記に限定せず、開閉検知部９８の変形例である開閉検知部４の概略図を図２２Ａ，図２２Ｂに示す。本変形例の開閉検知部４は、ロープ９１の移動量に基づいて、第１のカーテン５の開閉状態を検知する。開閉検知部４は、滑車９３の近傍における滑車９３と滑車９４との間に設けられており、閉検知スイッチ４１と開検知スイッチ４２を備える。また、ロープ９１のうち、第１のカーテン５の自由端が結合された一方の第１のロープ９１１と一体に第１の接触部材４３が取り付けられ、他方の第２のロープ９１２と一体に第２の接触部材４４が取り付けられる。第１の接触部材４３および第２の接触部材４４は、ロープ９１の周面から突出するように取り付けられる構造物であり、本実施形態では、円筒状に形成されている。

　図２３，図２４Ａ，図２４Ｂを用いて開閉検知部４の具体的な構成について説明する。

　開閉検知部４は、閉検知スイッチ４１と開検知スイッチ４２と第１の接触部材４３と第２の接触部材４４とを備える。閉検知スイッチ４１は、押しボタン型のスイッチであり、接点を反転させることで第１のカーテン５の閉状態を検知する。開検知スイッチ４２は、押しボタン型のスイッチであり、接点を反転させることで第１のカーテン５の開状態を検知する。閉検知スイッチ４１および開検知スイッチ４２は、曲げ加工された金属板で構成される土台４０の先端部に取り付けられており、土台４０は妻壁２４を構成する梁３３に固定されている。

　閉検知スイッチ４１は、接点を収納し土台４０に固定される本体４１１と、本体４１１に設けられる第１の操作部４１２を備える。第１の操作部４１２は、本体４１１から突出し接点を反転させる第１の押しボタン４１３と、第１の押しボタン４１３を操作する第１のレバー４１４を備える。第１のレバー４１４は、本体４１１に固定された下端を支点とし、上端が本体４１１に近づく方向に力を加えられることで第１の押しボタン４１３を押すレバー本体４１５と、レバー本体４１５を上方向に延長するように設けられる弾性部材４１６を備える。弾性部材４１６は、コイルばねで構成されており、ロープ９１の移動方向に沿った方向（奥行き方向）に弾性を有し、第１の接触部材４３と接触可能に構成される。

　第１の接触部材４３は、ロープ９１の移動方向に沿った方向（奥行き方向）に弾性を有する弾性部材（例えばゴムなど）で構成されており、第１のカーテン５が閉状態となる位置で閉検知スイッチ４１の第１の操作部４１２に接触して接点を反転させる。具体的には、第１の接触部材４３が弾性部材４１６に接触し弾性部材４１６が大きく撓むことで、レバー本体４１５が第１の押しボタン４１３を押し込み接点が反転する。これにより、閉検知スイッチ４１は、第１のカーテン５の閉状態を検知する。そして、閉検知スイッチ４１は、第１のカーテン５の閉状態を検知すると、モータ９７の動作を制御する制御回路９９（図１９参照）に検知信号を出力する。制御回路９９は、閉検知スイッチ４１から検知信号が出力されるとモータ９７の回転を停止させ、第１のカーテン５の閉動作を停止させる。これにより、第１のカーテン５のオーバーランを防止することができる。

　次に、開検知スイッチ４２は、閉検知スイッチ４１と同様の構成であり、接点を収納し土台４０に固定される本体４２１と、本体４２１に設けられる第２の操作部４２２を備える。第２の操作部４２２は、本体４２１から突出し接点を反転させる第２の押しボタン４２３と、第２の押しボタン４２３を操作する第２のレバー４２４を備える。第２のレバー４２４は、本体４２１に固定された下端を支点とし、上端が本体４２１に近づく方向に力を加えられることで第２の押しボタン４２３を押すレバー本体４２５と、レバー本体４２５を上方向に延長するように設けられる弾性部材４２６を備える。弾性部材４２６は、コイルばねで構成されており、ロープ９１の移動方向に沿った方向（奥行き方向）に弾性を有し、第２の接触部材４４と接触可能に構成される。

　第２の接触部材４４は、ロープ９１の移動方向に沿った方向（奥行き方向）に弾性を有する弾性部材（例えばゴムなど）で構成されており、第１のカーテン５が開状態となる位置で開検知スイッチ４２の第２の操作部４２２に接触して接点を反転させる。具体的には、第２の接触部材４４が弾性部材４２６に接触し弾性部材４２６が大きく撓むことで、レバー本体４２５が第２の押しボタン４２３を押し込み接点が反転する。これにより、開検知スイッチ４２は、第１のカーテン５の開状態を検知する。そして、開検知スイッチ４２は、第１のカーテン５の開状態を検知すると、モータ９７の動作を制御する制御回路９９（図１９参照）に検知信号を出力する。制御回路９９は、開検知スイッチ４２から検知信号が出力されるとモータ９７の回転を停止させ、第１のカーテン５の開動作を停止させる。これにより、第１のカーテン５のオーバーランを防止することができる。

　本変形例においても、第１のカーテンの全開時および全閉時における自由端の位置それぞれに検知スイッチを設ける必要がなく、１つの開閉検知部４を用いて、第１のカーテンの閉状態、開状態を検知することができる。また、開閉検知部４は、モータ９７の近傍に設けられるので、電気系統を１箇所にまとめることができ、電気配線も短くすることができるので、施工性，信頼性が向上し、施工費，材料費も削減することができる。

　また、閉検知スイッチ４１の第１の操作部４１２および開検知スイッチ４２の第２の操作部４２２は、弾性を有しており、第１，第２の接触部材４３，４４に接触した瞬間ではなく、弾性部材４１６，４２６が撓まされた際に接点が反転するように構成されている。これにより、第１のカーテン５の開閉動作が停止された際における反発（跳ね返り）によって第１，第２の接触部材４３，４４が第１，第２の操作部４１２，４２２から離れ、接点が再反転する（検知状態が解除される）チャタリングを防止することができる。さらに、第１，第２の接触部材４３，４４も奥行方向に弾性を有するので、チャタリングをより防止することができる。また、第１，第２の接触部材４３，４４は、第１，第２の操作部４１２，４２２を大きく撓ませることがきるよう、奥行方向に対して比較的長い形状に形成されている。これにより、第１，第２の接触部材４３，４４は、チャタリングを防止し、接点をより確実に反転せることができる。

　さらに、第１，第２の接触部材４３，４４が弾性部材４１６，４２６と接触した際の反発による跳ね返りを防止するために、第１，第２の跳ね返り防止部材４５，４６を設けてもよい（図２４Ａ参照）。第１の跳ね返り防止部材４５は、磁石で構成されており、第１の接触部材４３における弾性部材４１６と接触する部位に設けられている。弾性部材４１６は、金属製のコイルばねで構成されている。したがって、第１の跳ね返り防止部材４５は、第１の接触部材４３が閉検知スイッチ４１（弾性部材４１６）から離れる方向に所定以上の力が加えられるまで、第１の接触部材４３と閉検知スイッチ４１との接触状態を保持することができる。また、第２の跳ね返り防止部材４６は、磁石で構成されており、第２の接触部材４４における弾性部材４２６と接触する部位に設けられている。弾性部材４２６は、金属製のコイルばねで構成されている。したがって、第２の跳ね返り防止部材４６は、第２の接触部材４４が開検知スイッチ４２（弾性部材４２６）から離れる方向に所定以上の力が加えられるまで、第２の接触部材４４と開検知スイッチ４２との接触状態を保持することができる。このように、第１，第２の跳ね返り防止部材４５，４６を用いることによって、第１，第２の接触部材４３，４４が弾性部材４１６，４２６と接触した際の反発による跳ね返りを防止することができ、チャタリングを防止することができる。なお、弾性部材４１６，４２６を非磁性体で構成する場合、弾性部材４１６，４２６にも磁石または金属部材を設けることで跳ね返りを防止することができる。なお、第１，第２の跳ね返り防止部材４５，４６の変形例として、第１，第２の接触部材４３，４４と弾性部材４１６，４２６とに設けた面ファスナーで構成してもよい。

　また、制御回路９９（図１９参照）は、閉検知スイッチ４１、開検知スイッチ４２から検知信号が出力され、モータ９７（回転ドラム９２）の回転を停止後、回転ドラム９２を逆回転させる指示が入力されるまで回転ドラム９２の回転を停止するように構成される。これにより、第１のカーテン５の開閉動作が停止された際に、閉検知スイッチ４１、開検知スイッチ４２の検知状態が解除されるチャタリングが発生した場合であっても、第１のカーテン５の開閉動作停止を維持することができる。

　また、上述した開閉検知部９８と同様に、制御回路９９を省略し、閉検知スイッチ４１が閉状態を検知した際または開検知スイッチ４２が開状態を検知した際に、モータ９７への供給電力を直接遮断するように構成してもよい。これにより、制御回路９９が不要となり、構成が簡略化される。

　また、第１，第２の接触部材４３，４４は、円筒形状に形成されているので、他の構成部材との干渉を防止することができる。

　また、モータ９７は、過負荷状態となった場合に停止するように構成されている。開閉検知部４の故障や断線が発生した場合、第１，第２の接触部材４３，４４が弾性部材４１６，４２６を通過して滑車９３で止められることによってモータ９７が過負荷状態となり停止する。これにより、滑車９３などの構成部材の破損を防止することができる。また、第１，第２の接触部材４３，４４は、弾性を有するので滑車９３に接触した際の衝撃を低減し破損を防止することができる。

　また、図２３に示すように、土台４０には閉検知スイッチ４１、開検知スイッチ４２とともに滑車９３も固定されている。これにより、閉検知スイッチ４１および開検知スイッチ４２は、滑車９３に対して定位置に固定されるので、ロープ９１と弾性部材４１６，４２６との間隔が一定となり、開閉状態の検知精度を向上させることができる。

　なお、本実施形態では、滑車９３の近傍に開閉検知部４が設けられているが、滑車９４（折返し部）の近傍に開閉検知部４を設けた構成でもよい。

　また、上記変形例の開閉検知部４は、滑車９３の近傍における滑車９３と滑車９４との間に設けられているが、図２５に示すように、滑車９３と回転ドラム９２との間に設けられた構成であってもよい。

　上記実施形態から明らかなように、本発明に係る第１の形態の農業用ハウス１は、ハウス本体２と、第１のカーテン５と、第２のカーテン８とを備える。ハウス本体２は、互いに対向する一対の側壁２１，２２と一対の側壁２１，２２の上端同士を繋ぐ屋根２３とがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。第１のカーテン５は、ハウス本体２の内側に屋根２３に沿って設けられ、奥行方向に延長されている支持部６に支持され、Ｙ軸方向に沿って開閉するように構成される。第２のカーテン８は、上端部が第１のカーテン５の下端部と重なり、下端部が第１のカーテン５の下端部よりも下に位置する。

　第１の形態の農業用ハウス１は、上端部が第１のカーテン５の下端部と重なり、下端部が第１のカーテン５の下端部よりも下に位置する第２のカーテン８を備える。したがって、農業用ハウス１は、第２のカーテン８によって、第１のカーテン５の隙間からの入射光を遮光することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２の形態の農業用ハウス１は、第１の形態において、一対の側壁２１，２２に設けられ、上端部が第２のカーテン８の下端部と重なり、下端部が上下方向に沿って移動する第１の側カーテン１３（第３のカーテン）を備える。

　第２の形態の農業用ハウス１は、側壁２１，２２からの入射光を遮光することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第３の形態の農業用ハウス１は、第２の形態において、第２のカーテン８の下端部と第１の側カーテン１３の上端部とが連続して一体に形成される。

　第３の形態の農業用ハウス１は、第２のカーテン８と第１の側カーテン１３との重なりが不要となり、材料費を削減することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第４の形態の農業用ハウス１は、第１～第３の形態のいずれか１つの形態において、複数の端支持部６１と、吊下げ部材６２とをさらに備える。複数の端支持部６１は、屋根２３の幅方向における両方の端部それぞれに沿って設けられる。吊下げ部材６２は、第１のカーテン５の幅方向における端部を吊り下げる。

　第４の形態の農業用ハウス１は、第２のカーテン８の幅を小さくすることができるという効果がある。

　また、本発明に係る第５の形態の農業用ハウス１は、第４の形態において、端支持部６１は、線状部材で構成され、吊下げ部材６２は、端支持部６１上をＹ軸方向に移動自在である滑車６２１を有する。

　第５の形態の農業用ハウス１は、吊下げ部材６２と端支持部６１との摩擦が低減され、吊下げ部材６２の移動をスムーズにすることができるという効果がある。

　また、本発明に係る第６の形態の農業用ハウス１は、第４の形態において、端支持部６１は、カーテンレール６１２で構成され、吊下げ部材６２は、カーテンレール６１２に沿ってＹ軸方向に移動自在であるランナー６２３を有する。

　第５の形態の農業用ハウス１は、第１のカーテン５の荷重による端支持部６１の垂下を防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第７の形態の農業用ハウス１は、第１～第６の形態のうちいずれか１つの形態において、第１のカーテン５を開閉させる開閉装置９（第１の開閉装置）を備える。開閉装置９は、ロープ９１（第１の紐体）と、回転ドラム９２（第１の回転ドラム）と、滑車９４（折返し部）と、摩擦力付与部とを有する。ロープ９１は、第１のカーテン５をＹ軸方向に移動させるように構成され、無端に形成される。回転ドラム９２は、ハウス本体２のＹ軸方向の一端側に配置され、ロープ９１が掛け回される。滑車９４は、ハウス本体２のＹ軸方向の他端側に配置され、ロープ９１が掛け回される。摩擦力付与部は、回転ドラム９２とロープ９１との間に摩擦力を付与する。そして、回転ドラム９２および滑車９４は屋根２３に沿って配置される。第１のカーテン５は、Ｙ軸方向の一端が固定され、Ｙ軸方向の他端がロープ９１に結合される。そして、回転ドラム９２の回転方向に応じて、第１のカーテン５の他端がＹ軸方向に移動する。

　第７の形態の農業用ハウス１は、開閉装置９が屋根２３付近に設けられるので、ハウス本体２内における圃場の有効利用面積が拡大するという効果がある。

　また、本発明に係る第８の形態の農業用ハウス１は、第７の形態において、摩擦力付与部は、ロープ９１に張力を与えるように滑車９４を引っ張る弾性部材９５で構成される。

　第８の形態の農業用ハウス１は、回転ドラム９２にロープ９１を複数回巻き付けることなくロープ９１の引き込み・引き出しが可能となり、回転ドラム９２およびロープ９１の全長も短くすることができるという効果がある。

　また、本発明に係る第９の形態の農業用ハウス１は、第７または第８の形態において、閉検知スイッチ４１と、開検知スイッチ４２と、第１の接触部材４３と、第２の接触部材４４とを備える。閉検知スイッチ４１は、第１のカーテン５の閉状態を検知するように構成される。開検知スイッチ４２は、第１のカーテン５の開状態を検知するように構成される。第１の接触部材４３は、ロープ９１と一体に設けられ、第１のカーテン５が閉状態となる位置で閉検知スイッチ４１の第１の操作部４１２に接触して接点を反転させる。第２の接触部材４４は、ロープ９１と一体に設けられ、第１のカーテン５が開状態となる位置で開検知スイッチ４２の第２の操作部４２２に接触して接点を反転させる。

　第９の形態の農業用ハウス１は、第１のカーテン５のオーバーランを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１０の形態の農業用ハウス１は、第９の形態において、第１の接触部材４３および第２の接触部材４４は、ロープ９１の移動方向に沿った方向に弾性を有する。

　第１０の形態の農業用ハウス１は、第１の接触部材４３、第２の接触部材４４が他の構造物に接触した際の衝撃を低減し破損を防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１１の形態の農業用ハウス１は、第９または第１０の形態において、閉検知スイッチ４１の第１の操作部４１２、および開検知スイッチ４２の第２の操作部４２２は、ロープ９１の移動方向に沿った方向に弾性を有する。

　第１１の形態の農業用ハウス１は、第１のカーテン５の開閉動作が停止された際における閉検知スイッチ４１、開検知スイッチ４２のチャタリングを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１２の形態の農業用ハウス１は、第９～第１１の形態のうちいずれか１つの形態において、閉検知スイッチ４１の第１の操作部４１２、および開検知スイッチ４２の第２の操作部４２２は以下のように構成される。閉検知スイッチ４１の第１の操作部４１２は、第１の押しボタン４１３と、第１のレバー４１４とを備える。第１の押しボタン４１３は、接点を反転させるように構成される。第１のレバー４１４は、第１の接触部材４３と接触可能に構成され、ロープ９１の移動方向に沿った方向に弾性を有し第１の押しボタン４１３を操作するように構成される。開検知スイッチ４２の第２の操作部４２２は、第２の押しボタン４２３と、第２のレバー４２４とを備える。第２の押しボタン４２３は、接点を反転させるように構成される。第２のレバー４２４は、第２の接触部材４４と接触可能に構成され、ロープ９１の移動方向に沿った方向に弾性を有し第２の押しボタン４２３を操作するように構成される。

　第１２の形態の農業用ハウス１は、第１のカーテン５の開閉動作が停止された際における閉検知スイッチ４１、開検知スイッチ４２のチャタリングを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１３の形態の農業用ハウス１は、第９～第１２の形態のうちいずれか１つの形態において、制御回路９９を備える。制御回路９９は、閉検知スイッチ４１が第１のカーテン５の閉状態を検知した場合、または開検知スイッチ４２が第１のカーテン５の開状態を検知した場合、回転ドラム９２の回転を停止させて第１のカーテン５の開閉動作を停止させる。また、制御回路９９は、回転ドラム９２の回転停止後、回転ドラム９２を逆回転させる指示が入力されるまで回転ドラム９２の回転停止を継続する。

　第１３の形態の農業用ハウス１は、第１のカーテン５の開閉動作が停止された際に、閉検知スイッチ４１、開検知スイッチ４２にチャタリングが発生した場合であっても、第１のカーテン５の開閉動作停止を維持することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１４の形態の農業用ハウス１は、第９～第１３の形態のうちいずれか１つの形態において、第１の跳ね返り防止部材４５と、第２の跳ね返り防止部材４６とを備える。第１の跳ね返り防止部材４５は、第１の接触部材４３が閉検知スイッチ４１から離れる方向に所定以上の力が加えられるまで、第１の接触部材４３と閉検知スイッチ４１との接触状態を保持する。第２の跳ね返り防止部材４６は、第２の接触部材４４が開検知スイッチ４２から離れる方向に所定以上の力が加えられるまで、第２の接触部材４４と開検知スイッチ４２との接触状態を保持する。

　第１４の形態の農業用ハウス１は、第１，第２の接触部材４３，４４が弾性部材４１６，４２６と接触した際の反発による跳ね返りを防止することができ、チャタリングを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１５の形態の農業用ハウス１は、第１４の形態において、第１の跳ね返り防止部材４５および第２の跳ね返り防止部材４６は、磁石で構成される。

　第１５の形態の農業用ハウス１は、簡易な構成で第１，第２の接触部材４３，４４が弾性部材４１６，４２６と接触した際の反発による跳ね返りを防止することができ、チャタリングを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１６の形態の農業用ハウス１は、第９～第１５の形態のうちいずれか１つの形態において、開閉装置９は滑車９３を備える。滑車９３は、回転ドラム９２の上方または下方に配置され、ロープ９１が掛け回され、ロープ９１の移動方向を変更させる。そして、閉検知スイッチ４１および開検知スイッチ４２は、滑車９３と滑車９４（折返し部）との間に設けられる。

　第１６の形態の農業用ハウス１は、開閉検知部４の故障や断線が発生した場合でも、第１，第２の接触部材４３，４４が滑車９３で止められることで第１のカーテン５の開閉動作を停止させることができるという効果がある。

　また、本発明に係る第１７の形態の農業用ハウス１は、第１６の形態において、閉検知スイッチ４１および開検知スイッチ４２は、滑車９３または滑車９４（折返し部）に対して定位置に固定される。

　第１７の形態の農業用ハウス１は、ロープ９１と閉検知スイッチ４１、開検知スイッチ４２との間隔が一定となり、開閉状態の検知精度を向上させることができるという効果がある。

　上記実施形態から明らかなように、本発明に係る第１の形態の開閉装置９は、以下のように構成され、第１のカーテン５（カーテン）を開閉する。ハウス本体２は、互いに対向する一対の側壁２１，２２と、一対の側壁２１，２２の上端同士を繋ぐ屋根２３とがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。第１のカーテン５は、ハウス本体２の内側に屋根２３に沿って設けられ、Ｙ軸方向に延長されている支持部６に支持され、Ｙ軸方向に沿って開閉するように構成される。そして、開閉装置９は、ロープ９１（第１の紐体）と、回転ドラム９２（第１の回転ドラム）と、滑車９４（折返し部）と、摩擦力付与部とを有する。ロープ９１は、第１のカーテン５をＹ軸方向に移動させるように構成され、無端に形成される。回転ドラム９２は、ハウス本体２のＹ軸方向の一端側に配置され、ロープ９１が掛け回される。滑車９４は、ハウス本体２のＹ軸方向の他端側に配置され、ロープ９１が掛け回される。摩擦力付与部は、回転ドラム９２とロープ９１との間に摩擦力を付与する。そして、回転ドラム９２および滑車９４は屋根２３に沿って配置される。第１のカーテン５は、Ｙ軸方向の一端が固定され、Ｙ軸方向の他端がロープ９１に結合される。そして、回転ドラム９２の回転方向に応じて、第１のカーテン５の他端がＹ軸方向に移動する。

　第１の形態の開閉装置９は、屋根２３付近に設けられるので、ハウス本体２内における圃場の有効利用面積が拡大するという効果がある。

　また、本発明に係る第２の形態の開閉装置９は、第１の形態において、摩擦力付与部は、ロープ９１に張力を与えるように滑車９４を引っ張る弾性部材９５で構成される。

　第２の形態の開閉装置９は、回転ドラム９２にロープ９１を複数回巻き付けることなくロープ９１の引き込み・引き出しが可能となり、回転ドラム９２およびロープ９１の全長も短くすることができるという効果がある。

　（実施形態２）
　本実施形態の農業用ハウス１は、第１のカーテン５を開閉するための開閉装置９０の構成が実施形態１の農業用ハウス１が備える開閉装置９と相違する。図２６を用いて、本実施形態の開閉装置９０について説明する。なお、実施形態１と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。

　本実施形態の開閉装置９０（第２の開閉装置）は、ロープ９１０（第２の紐体）と、ロープ９１０を巻き取る回転ドラム９２０（第２の回転ドラム）と、第１滑車９３０と、第２滑車９４０と、折返し滑車９５０とを有している。ロープ９１０は、実施形態１のロープ９１（図１８参照）と同様に、一部に第１のカーテン５の自由端が結合されている。なお、ロープ９１０の代わりにワイヤ等を用いてもよい。第１滑車９３０には、回転ドラム９２０と第１のカーテン５の自由端との間でロープ９１０が掛け回され、第２滑車９４０には回転ドラム９２０と第１滑車９３０との間でロープ９１０が掛け回される。

　第１滑車９３０と折返し滑車９５０とは、ハウス本体２のＹ軸方向の両端部に固定された定滑車からなり、ハウス本体２の屋根２３に沿って、つまり屋根２３付近に配置されている。回転ドラム９２０は、ハウス本体２の屋根２３に沿って配置されている。ここでは、回転ドラム９２０は、Ｙ軸方向において第１滑車９３０と折返し滑車９５０との間の位置であって、第１滑車９３０の近傍に配置されている。さらに、第１滑車９３０と折返し滑車９５０とは略同じ高さに配置されており、回転ドラム９２０は、第１滑車９３０および折返し滑車９５０よりやや低い位置に配置されている。

　第２滑車９４０は、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方に配置されている。ここでは、第２滑車９４０は、地面（地表）付近の定位置に固定された定滑車からなり、回転ドラム９２０の真下に配置されている。

　本実施形態では、ロープ９１０は、両端が回転ドラム９２０に保持された１本の紐体であるが、折返し滑車９５０を折り返し点として折り返されているため、回転ドラム９２０からは見かけ上、２本のロープが引き出されている。以下では説明の便宜上、回転ドラム９２０と第１のカーテン５の自由端との間に架かった一方のロープ９１０を第１のロープ９１１０と呼び、他方のロープ９１０を第２のロープ９１２０と呼ぶ。つまり、回転ドラム９２０からは第１のロープ９１１０と第２のロープ９１２０との２本のロープ９１０が引き出されている。これら第１のロープ９１１０と第２のロープ９１２０とは、先端（回転ドラム９２０と反対側の一端）同士が繋がっている。

　ここで、第２のロープ９１２０は、その先端が折返し滑車９５０で折り返されて第１のロープ９１１０に繋がっている。そのため、第１のカーテン５の自由端は、第１のロープ９１１０が巻き取られると折返し滑車９５０から離れる向きに移動し、第２のロープ９１２０が巻き取られると折返し滑車９５０に近づく向きに移動する。

　第１のロープ９１１０および第２のロープ９１２０は、いずれも回転ドラム９２０と第１のカーテン５の自由端との間で第１滑車９３０に掛け回されており、さらに、回転ドラム９２０と第１滑車９３０との間で第２滑車９４０に掛け回されている。言い換えれば、第１のロープ９１１０および第２のロープ９１２０は、いずれも回転ドラム９２０から引き出された部分が第２滑車９４０で一旦折り返された後、第１滑車９３０を介して第１のカーテン５の自由端に繋がっている。第１滑車９３０および第２滑車９４０は、それぞれ独立して回転する２個の滑車を有する２連滑車からなる。

　回転ドラム９２０は、回転軸方向において２区画に等分されており、一方の区画を第１のロープ９１１０の巻き取りに使用し、他方の区画を第２のロープ９１２０の巻き取りに使用する。ただし、第１のロープ９１１０と第２のロープ９１２０とでは巻き取りの向きが反対に構成されている。回転ドラム９２０が図２６の矢印Ａ（実線）の向きに回転したときには第１のロープ９１１０が巻き取られ、矢印Ｂ（点線）の向きに回転したときには第２のロープ９１２０が巻き取られる。第１のロープ９１１０と第２のロープ９１２０とは先端同士が繋がっている。したがって、第１のロープ９１１０が巻き取られると第２のロープ９１２０が回転ドラム９２０から引き出され、第２のロープ９１２０が巻き取られると第１のロープ９１１０が回転ドラム９２０から引き出されることになる。

　これにより、開閉装置９０は、回転ドラム９２０を回転させることにより、ロープ９１０が移動して、第１のカーテン５の自由端をＹ軸方向に移動させることができる。開閉装置９０は、第１のカーテン５を閉じるときには、回転ドラム９２０を図２６の矢印Ａ（実線）の向きに回転させ、第１のロープ９１１０にて第１のカーテン５の自由端を第１滑車９３０側に手繰り寄せる。これにより、第１のカーテン５の自由端が固定端から離れる向きに移動し第１のカーテン５が閉じられる。一方、開閉装置９０は、第１のカーテン５を開くときには、回転ドラム９２０を図２６の矢印Ｂ（点線）の向きに回転させ、第２のロープ９１２０にて第１のカーテン５の自由端を折返し滑車９５０側に手繰り寄せる。これにより、第１のカーテン５の自由端を固定端に近づく向きに移動し第１のカーテンが開けられる。

　以上説明した構成の農業用ハウス１によれば、屋根２３付近に配置されている回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方に配置された第２滑車９４０によって、回転ドラム９２０と第１滑車９３０との間でロープ９１０が折り返されることになる。したがって、農業用ハウス１は、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の上方に空間的な余裕がなくても、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方の空間を利用して回転ドラム９２０から第２滑車９４０までの距離を稼ぐことができる。つまり、農業用ハウス１は、ハウス本体２の高さを上げることなく、ハウス本体２内部の空間を有効利用して、回転ドラム９２０から第２滑車９４０までの距離を比較的大きく確保できる。回転ドラム９２０は、第２滑車９４０までの距離を大きくすることで、フリートアングルが小さくなって、ロープ９１０をきれいに巻き取ることができる。

　さらにまた、本実施形態では、図２６に示すように回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方には、第２滑車９４０およびロープ９１０の周囲を囲むように柵９６０が設けられており、第２滑車９４０は柵９６０に固定されている。柵９６０は、Ｙ軸方向に直交する断面が略正方形状となる角筒形状であって、その内側における下端部に第２滑車９４０を固定している。これにより、回転ドラム９２０と第２滑車９４０との間のロープ９１０および第１滑車９３０と第２滑車９４０との間のロープ９１０の周囲が柵９６０で囲まれることになる。

　なお、柵９６０は、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方において、ロープ９１０への巻き込みを防止するために設けられており、その各面はたとえばポリカーボネートのような透光性の部材で構成されていてもよいし、網などで構成されていてもよい。

　農業用ハウス１は、このような柵９６０が設けられていることにより、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方に第２滑車９４０を設けながらも、ロープ９１０への巻き込みを防止することができる。しかも、第２滑車９４０は柵９６０に固定されているので、第２滑車９４０を固定するための部材を新たに設置する必要がない。さらに、第２滑車９４０は柵９６０への固定位置がＺ軸方向において調整されることにより、ロープ９１０にかかるテンション（張力）調整することも可能である。

　開閉装置９０の他の構成は、実施形態１の開閉装置９と同様であり、実施形態１のシャフト９６，モータ９７，開閉検知部９８（開閉検知部４）も備え、同様の効果を得ることができる。

　上記実施形態から明らかなように、本発明に係る第１８の形態の農業用ハウス１は、第１～第６の形態のうちいずれか１つの形態において、第１のカーテン５を開閉させる開閉装置９０（第２の開閉装置）を備える。開閉装置９０は、回転ドラム９２０（第２の回転ドラム）と、第１滑車９３０と、第２滑車９４０とを有する。回転ドラム９２０は、第１のカーテン５のＹ軸方向（奥行方向）の一端である自由端に結合されたロープ９１０（第２の紐体）を巻き取ることにより、自由端をＹ軸方向に移動させるように構成される。第１滑車９３０は、回転ドラム９２０とカーテン５の自由端との間でロープ９１０が掛け回される。第２滑車９４０は、回転ドラム９２０と第１滑車９３０との間でロープ９１０が掛け回される。そして、回転ドラム９２０および第１滑車９３０は、屋根２３に沿って配置されており、第２滑車９４０は、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方に配置されている。

　第１８の形態の農業用ハウス１は、ハウス本体２の高さを上げることなく、ハウス本体２内部の空間を有効利用して、回転ドラム９２０から第２滑車９４０までの距離を比較的大きく確保できるという効果がある。

　また、本発明に係る第１９の形態の農業用ハウス１は、第１８の形態において、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方には、第２滑車９４０およびロープ９１０の周囲を囲むように柵９６０が設けられており、第２滑車９４０は柵９６０に固定されている。

　第１９の形態の農業用ハウス１は、ロープ９１０への巻き込みを防止することができるという効果がある。

　上記実施形態から明らかなように、本発明に係る第３の形態の開閉装置９０は、以下のように構成され、第１のカーテン５（カーテン）を開閉する。ハウス本体２は、互いに対向する一対の側壁２１，２２と、一対の側壁２１，２２の上端同士を繋ぐ屋根２３とがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。第１のカーテン５は、ハウス本体２の内側に屋根２３に沿って設けられ、Ｙ軸方向に延長されている支持部６に支持され、Ｙ軸方向に沿って開閉するように構成される。そして、開閉装置９０は、回転ドラム９２０（第２の回転ドラム）と、第１滑車９３０と、第２滑車９４０とを有する。回転ドラム９２０は、第１のカーテン５のＹ軸方向（奥行方向）の一端である自由端に結合されたロープ９１０（第２の紐体）を巻き取ることにより、自由端をＹ軸方向に移動させるように構成される。第１滑車９３０は、回転ドラム９２０とカーテン５の自由端との間でロープ９１０が掛け回される。第２滑車９４０は、回転ドラム９２０と第１滑車９３０との間でロープ９１０が掛け回される。そして、回転ドラム９２０および第１滑車９３０は、屋根２３に沿って配置されており、第２滑車９４０は、回転ドラム９２０および第１滑車９３０の下方に配置されている。

　第３の形態の開閉装置９０は、ハウス本体２の高さを上げることなく、ハウス本体２内部の空間を有効利用して、回転ドラム９２０から第２滑車９４０までの距離を比較的大きく確保できるという効果がある。

　（実施形態３）
　次に、実施形態３の農業用ハウスについて説明する。

　一般的に、この種の農業用ハウス（ビニールハウス）は、室内の気温、湿度等を維持して外界とは異なる農作物の栽培に適した環境を実現する（たとえば文献１参照）。文献１に記載の農業用ハウスは、ハウス内の温度、湿度を一定に保つために、開閉可能なカーテン（樹脂フィルム等）が設けられている。

　また、農業用ハウス内には、散水を行うために水配管が設けられている。水配管には、内部に流れる水を噴出させる吐出部が適当な間隔で設けられている。また、農業用ハウスの幅方向両端を連結する水配管支持用のフレーム（支持部）が頭上に設けられており、このフレームは農業用ハウスの奥行方向に複数本並べられている。そして、水配管は、各フレームに取付けられることで、農業用ハウスの奥行方向に沿って設けられ、天井付近から水を噴出する。

　しかし、農業用ハウス内で立って作業するユーザの邪魔にならないよう、水配管支持用のフレームを例えばアーチ状に形成し、高さを確保する必要があった。そのため、カーテンが天井に沿って開閉する際に水配管支持用のフレームと干渉し、カーテンの移動を阻害するおそれがあった。

　本実施形態は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーテンと、水配管が取り付けられる支持部との干渉を抑制することができる農業用ハウスを提供することにある。

　以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。

　本実施形態の農業用ハウス１Ａは、室内の気温、湿度等を維持して外界とは異なる農作物の栽培に適した環境を実現する。以下では、主として軟弱野菜（ほうれん草、小松菜等）の栽培に用いられる農業用ハウス１Ａを例として説明するが、農業用ハウス１Ａの用途を限定する趣旨ではない。

　本実施形態の農業用ハウス１Ａの概略構成図を図２７Ａ，図２７Ｂ，図２８に示す。本実施形態の農業用ハウス１Ａは、ハウス本体２Ａと第１の支持部６Ａとカーテン５Ａと第２の支持部８３Ａと水配管８１Ａと取付部材８４Ａとを備える。なお、図２８に示したＸ軸方向（農業用ハウス１Ａの幅方向）、Ｙ軸方向（農業用ハウス１Ａの奥行方向）、Ｚ軸方向（農業用ハウス１Ａの高さ方向）を用いて説明する。

　ハウス本体２Ａは、互いに対向する一対の側壁２１Ａ，２２Ａと、一対の側壁２１Ａ，２２Ａの上端同士を繋ぐ屋根２３ＡとがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。第１の支持部６Ａは、Ｙ軸方向に延長された形状に構成される。カーテン５Ａは、ハウス本体２Ａの内側に屋根２３Ａに沿うように第１の支持部６Ａに支持され、Ｙ軸方向に沿って開閉するように構成される。第２の支持部８３Ａは、Ｙ軸方向に延長された形状に構成される。水配管８１Ａは、Ｙ軸方向に延長された管状に形成され、内部に流れる水を噴出させる吐出部８１３Ａを有する。取付部材８４Ａは、第２の支持部８３Ａに取り付けられる第１の取付部８４１Ａおよび、水配管８１Ａが取り付けられる第２の取付部８４２Ａを有する。

　以下に、本実施形態の農業用ハウス１Ａについて詳細に説明する。

　ハウス本体２Ａは、互いに対向する一対の側壁２１Ａ，２２Ａと、一対の側壁２１Ａ，２２Ａの上端同士を繋ぐ屋根２３ＡとがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成されている。また、図２８の例では、ハウス本体２ＡはＹ軸方向の両端部に妻壁２４Ａを有している。この妻壁２４Ａには一対の柱３３１Ａが設けられており、一対の柱３３１Ａ間にハウス本体２Ａ内への人の出入りのための出入口２４２Ａが設けられている。

　具体的には、ハウス本体２Ａは、アルミニウム等の金属製のフレーム（骨組）３Ａと、透光性を有しフレーム３Ａに保持される被覆材４Ａとを備えている。被覆材４Ａは、ハウス本体２Ａの略全体を覆うように設けられている。被覆材４Ａは、たとえば太陽光を殆ど遮らずに雨風を凌ぎ、且つハウス本体２Ａ内の保温、保湿を実現すべく透明なビニルシートやガラス製であってもよいし、通気性を考慮して部分的に網（防虫網など）で構成されていてもよい。

　フレーム３Ａは、アーチ状を成しＹ軸方向（奥行方向）に複数本並ぶアーチ部３１Ａと、各々がＹ軸方向に延長され複数本のアーチ部３１Ａを連結する複数本の連結部材３２Ａとを有している。複数本のアーチ部３１Ａの各々は、Ｚ軸方向（高さ方向）に沿う一対の壁片３１１Ａ，３１２Ａと、これら一対の壁片３１１Ａ，３１２Ａの上端同士を繋ぐ屋根片３１３Ａとで構成されている。

　つまり、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１１Ａおよびこれらの壁片３１１Ａ間に設けられた被覆材４Ａが側壁２１Ａを構成し、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１２Ａおよびこれらの壁片３１２Ａ間に設けられた被覆材４Ａが側壁２２Ａを構成する。また、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の屋根片３１３Ａおよびこれらの屋根片３１３Ａ間に設けられた被覆材４Ａが屋根２３Ａを構成する。ここで、各アーチ部３１Ａは、屋根片３１３ＡがＸ軸方向（幅方向）の中央部ほど高くなるように上方に凸となる形、たとえば半円状や三角形状に形成される。そのため、屋根２３Ａは、たとえば半円柱状や三角柱状に形成されることになる。

　複数本の連結部材３２Ａは、少なくともＹ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１１Ａの上端（屋根片３１３Ａとの連結点）同士を連結する肩部３２１Ａと、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１２Ａの上端（屋根片３１３Ａとの連結点）同士を連結する肩部３２２Ａとを含んでいる。つまり、ハウス本体２Ａの側壁２１Ａ，２２Ａと屋根２３Ａとは、肩部３２１Ａ，３２２Ａによって区切られている。さらに、複数本の連結部材３２Ａは、肩部３２１Ａ，３２２Ａの他、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の屋根片３１３Ａの頂部同士を連結する棟部３２３Ａを含んでいる。

　また、ハウス本体２Ａのフレーム３Ａは、Ｙ軸方向の両端部に、Ｙ軸方向に直交する平面（図２８のＸ－Ｚ平面）に沿って配置されており少なくとも屋根２３Ａを支持する梁３３Ａをさらに有している。梁３３Ａは、Ｙ軸方向の両端に位置する各アーチ部３１Ａの内側に設けられている。つまり、Ｙ軸方向の両端の各アーチ部３１Ａおよび梁３３Ａと、これら各アーチ部３１Ａの内側に設けられた被覆材４Ａとが妻壁２４Ａを構成する。

　ハウス本体２ＡのＹ軸方向の両端に位置する各妻壁２４Ａにはファン２４１Ａが設けられている。ファン２４１Ａは、妻壁２４ＡにおけるＸ軸方向の中央部であって、且つ上端部の近傍に設けられ、梁３３Ａに支持されている。したがって、この農業用ハウス１Ａは、ファン２４１Ａを作動（回転）させることでハウス本体２Ａ内に強制的に空気流が生じ、ハウス本体２Ａの内部空間の換気（空気の入れ替え）を行うことができる。

　ところで、本実施形態の農業用ハウス１Ａにおいては、カーテン５Ａは、上述したように構成されるハウス本体２Ａの内側に屋根２３Ａに沿って設けられている。このカーテン５Ａは、Ｙ軸方向（奥行方向）に延長されている第１の支持部６Ａ（図２７Ａ，図２７Ｂ参照）にて支持され、第１の支持部６Ａに沿ってＹ軸方向に開閉するように構成されている。ここでは一例として、カーテン５Ａは、遮光率が６５～７５％程度の減光用のカーテンであって、全閉状態では屋根２３Ａを通してハウス本体２Ａ内に照射する太陽光（日射）の一部を遮る機能を持つ。軟弱野菜などにおいては、ハウス本体２Ａ内に照射する光が強過ぎると光合成の効率が悪くなるが、農業用ハウス１Ａは、このような減光用のカーテン５Ａを有することで、ハウス本体２Ａ内への日射量を調節して農作物の栽培に適した環境を実現できる。

　以下、カーテン５Ａおよび第１の支持部６Ａの具体的な構成について図２７Ａ，図２７Ｂおよび図２９Ａ，図２９Ｂを参照して説明する。

　第１の支持部６Ａは、ハウス本体２ＡのＹ軸方向の両端間、つまり一対の妻壁２４Ａ間に張られた複数本の線状部材からなる。ここでいう線状部材はたとえばワイヤやロープなどである。本実施形態では、第１の支持部６Ａは梁３３Ａ（図２８参照）に固定されている。つまり、上述したようにハウス本体２ＡのＹ軸方向の両端に位置する妻壁２４Ａには少なくとも屋根２３Ａを支持する梁３３Ａが設けられているので、本実施形態の農業用ハウス１Ａは、この梁３３Ａを第１の支持部６Ａの両端部を固定するための部材として兼用している。カーテン５Ａは、第１の支持部６Ａに吊り下げられる形で第１の支持部６Ａにて支持される。

　第１の支持部６Ａは、一対の側壁２１Ａ，２２Ａの対向方向であるＸ軸方向（幅方向）に３本以上並べて設けられている。本実施形態では、第１の支持部６Ａは、各肩部３２１Ａ，３２２Ａ（図２８参照）の近傍と、棟部３２３Ａ（図２８参照）の近傍との各位置に１本ずつ設けられている。これら計３本の第１の支持部６ＡはＸ軸方向（幅方向）に略等間隔で設けられている。ここで、これら複数本（本実施形態では３本）の第１の支持部６Ａは、側壁２１Ａ（または側壁２２Ａ）から離れるほどカーテン５Ａの高さが高くなるように、側壁２１Ａ（または側壁２２Ａ）からの距離に応じてカーテンを支持する高さが異なっている。言い換えれば、複数本の第１の支持部６Ａは、図２７Ｂに示すようにＸ軸方向の中央に近い第１の支持部６Ａほど高い位置に配置されており、これによりカーテン５ＡはＸ軸方向の中央部が最も高くなるように屋根２３Ａの形状に沿って支持される。

　各第１の支持部６Ａには、図２９Ａ，図２９Ｂに示すように、その長手方向（Ｙ軸方向）に並ぶように滑車７１Ａが複数個ずつ取り付けられており、これらの滑車７１Ａは、各々、第１の支持部６Ａに沿って第１の支持部６Ａ上を移動自在に構成されている。そのため、同一の第１の支持部６Ａ上においてＹ軸方向に隣接する滑車７１Ａ間の間隔は変化する。各滑車７１Ａには、各々カーテン５Ａを保持するためのクランプ７２Ａが吊り下げられる形で連結されている。

　カーテン５Ａは、たとえば合成樹脂性であって、開閉自在とするのに十分な可撓性を持つ。カーテン５Ａは、各滑車７１Ａに連結されたクランプ７２Ａに各部が挟まれる形で保持され、Ｘ軸方向の複数箇所において各第１の支持部６Ａに吊り下げられるようにして、複数本の第１の支持部６Ａにて支持される。これにより、カーテン５Ａのうちクランプ７２Ａに保持された各部位は、滑車７１Ａの移動に伴い第１の支持部６Ａに沿ってＹ軸方向に移動する。ただし、カーテン５ＡのＹ軸方向の一端部を保持するクランプ７２Ａは、第１の支持部６Ａの長手方向（Ｙ軸方向）の一端部から移動しないように、ハウス本体２Ａのフレーム３Ａ（梁３３Ａ）に対して固定されている。

　上記構成によれば、滑車７１Ａが第１の支持部６Ａに沿って第１の支持部６Ａ上を移動すると、滑車７１Ａに連結されているクランプ７２Ａはカーテン５Ａと共にＹ軸方向に移動するので、結果的に、カーテン５Ａが開閉する。つまり、カーテン５Ａは、Ｙ軸方向の一端を固定端、他端を自由端として、固定端を定位置に固定しつつ、滑車７１Ａの移動を伴って自由端をＹ軸方向に移動させることで、第１の支持部６Ａに沿ってＹ軸方向に開閉する。そのため、カーテン５Ａは、自由端が固定端に最も近づいた状態で全開状態となり、自由端が固定端から最も離れた状態で全閉状態となる。なお、全閉状態にあるカーテン５Ａは、ハウス本体２Ａにおける屋根２３Ａの略全域を覆うことになる。

　さらに、この構成において、カーテン５Ａを支持する複数本の第１の支持部６Ａには同数の滑車７１Ａが取り付けられており、且つ、カーテン５Ａが全閉状態にあるとき、これら複数本の第１の支持部６Ａに支持されたクランプ７２ＡはＸ軸方向に沿った同一直線上に位置する。言い換えれば、カーテン５Ａは、異なる第１の支持部６Ａに吊り下げられた複数個のクランプ７２ＡにてＹ軸方向の同一位置が保持される形で、第１の支持部６Ａに支持される。したがって、カーテン５Ａは、全閉状態から全開状態になる際、Ｙ軸方向においてクランプ７２Ａにて保持された部位の間が垂れ下がるようにして折り畳まれる。つまり、全開状態にあるカーテン５Ａは、クランプ７２Ａにて保持された部位で山折りとなるように折り畳まれることになる。

　ところで、本実施形態の農業用ハウス１Ａは、図２８に示すように散水を行うための散水装置８Ａをさらに備えている。

　散水装置８Ａは、内部に水が流れる水配管８１Ａと、水配管８１Ａに水を供給（給水）するタンク８２Ａとを有している。タンク８２Ａは、ハウス本体２Ａ内における妻壁２４Ａ付近に設置されており、上方に設置された水配管８１Ａの一端とタンク８２Ａとを連結する給水管８２１Ａを介して水配管８１Ａに給水する。また、本実施形態では、Ｙ軸方向に沿って設けられた水配管８１ＡがＸ軸方向に並べて配置されており、互いの水配管８１Ａの端部同士が図示しない接続管で接続されることで、タンク８２Ａから両方の水配管８１Ａに給水される。なお、接続管を省略し、水配管８１Ａごとにタンク８２Ａが設けられる構成であってもよい。また、タンク８２Ａを省略し、例えばハウス本体２Ａの内部または外部に設けられた水道設備（図示なし）を用いて水配管８１Ａに給水する構成であってもよい。

　以下に、水配管８１Ａの取付けについて図３０を用いて説明する。

　図３０に示すように、水配管８１Ａは、Ｙ軸方向に沿って設けられた直線形状からなる複数本のパイプ８１１Ａと、パイプ８１１Ａ同士をＹ軸方向に連結する連結部材８１２Ａとで構成されている。連結部材８１２Ａは、Ｔ字状に形成されており、水配管８１Ａ内部に流れる水をミスト状に噴出（噴霧）する吐出部８１３Ａを備える。この水配管８１Ａは、一対の妻壁２４Ａ間に張られたワイヤやロープなどの線状部材からなる第２の支持部８３Ａに、取付部材８４Ａを用いて取り付けられる。なお、第２の支持部８３Ａは、カーテン５Ａよりも低い位置に張られている。取付部材８４Ａは、第２の支持部８３Ａに取り付けられる第１の取付部８４１Ａと、水配管８１Ａが取り付けられる第２の取付部８４２Ａとを有する。本実施形態の取付部材８４Ａは、第１の取付部８４１Ａと第２の取付部８４２Ａとが一体化した結束バンドで構成されており、水配管８１Ａと第２の支持部８３Ａとを一体に束ねる。すなわち、水配管８１Ａは、第２の取付部８４２Ａに吊り下げられる形で取付けられる。

　このように、本実施形態では、水配管８１Ａは、Ｙ軸方向に張られた第２の支持部８３Ａに吊り下げられるように取り付けられる。したがって、従来、水配管を取り付けるために必要だった、農業用ハウスの幅方向に沿って設けられる複数の水配管支持用のフレームが不要となる。そして、第２の支持部８３Ａは、Ｙ軸方向に沿って設けられているので、Ｙ軸方向に移動するカーテン５Ａへの干渉が防止され、カーテン５Ａの移動を阻害することが抑制される。また、複数本のフレームが不要となるので、材料費および施工費も削減することもできる。

　また、本実施形態の取付部材８４Ａは、吐出部８１３Ａの近傍に設けられている。したがって、吐出部８１３Ａからの噴霧時に発生する圧力による水配管８１Ａの変動やブレが軽減され、第２の支持部８３Ａの緩みを小さくすることができる。

　また、取付部材８４Ａは、第２の支持部８３Ａと水配管８１Ａとを強く締め付けておらず、第２の支持部８３Ａおよび水配管８１Ａに対してＹ軸方向に移動させることができる。さらに、取付部材８４Ａは、樹脂等の比較的柔らかい軟性材質で構成されている。これにより、熱による水配管８１Ａ，取付部材８４Ａの伸縮や、第２の支持部８３Ａの緩みが発生した場合でも、水配管８１Ａ，第２の支持部８３Ａ，取付部材８４Ａへのストレスを軽減することができる。

　次に、取付部材８４Ａの変形例を図３１に示す。図３１に示す取付部材８４Ａは、フック状に形成された第１の取付部８４１Ａと、丸孔状に形成された第２の取付部８４２ＡがＺ軸方向に３つ並んで設けられた板材８４３Ａとで構成される。フック状の第１の取付部８４１Ａは、第２の支持部８３Ａに引っ掛けられることで第２の支持部８３Ａに取り付けられ、下部には板材８４３Ａが取り付けられる。板材８４３Ａに形成された丸孔状の第２の取付部８４２Ａのいずれかには、水配管８１Ａが貫通することで水配管８１Ａが取付けられる。なお、第２の取付部８４２Ａを、一部が開口したＣ字状に形成していもよい。これにより、第２の取付部８４２Ａの開口近傍を撓ませることで、水配管８１Ａの取り外しを容易に行うことができる。

　そして、３つの第２の取付部８４２Ａは、Ｚ軸方向に並んで設けられている。したがって、水配管８１Ａを取り付ける第２の取付部８４２Ａを変更することで、水配管８１Ａが取り付けられた第２の取付部８４２Ａと第１の取付部８４１Ａとの間の距離を変動させることができる。すなわち、第２の支持部８３Ａと水配管８１Ａとの間の距離を調整することができる。これにより、熱による水配管８１Ａ，取付部材８４Ａの伸縮や、第２の支持部８３Ａに緩みが発生した場合でも、水配管８１Ａの高さ位置のばらつきを軽減することができる。なお、取付部材８４Ａを上述した結束バンドで構成する場合、締め付け具合を調整することでも、水配管８１Ａの高さ位置のばらつきを軽減することができる。

　また、本変形例においても、取付部材８４Ａは、第２の支持部８３Ａおよび水配管８１Ａに対してＹ軸方向に移動自在に構成されている。したがって、熱による水配管８１Ａ，取付部材８４Ａの伸縮や、第２の支持部８３Ａの緩みが発生した場合でも、水配管８１Ａ，第２の支持部８３Ａ，取付部材８４Ａへのストレスを軽減することができる。なお、取付部材８４Ａは、第２の支持部８３Ａに対する第１の取付部８４１ＡのＹ軸方向の位置と、水配管８１Ａに対する第２の取付部８４２ＡのＹ軸方向の位置とのうち、少なくとも一方が可変に構成されていれば、上記効果を得ることができる。

　なお、取付部材８４Ａの形状は、上記に限定せず他の形状（例えば紐等）であってもよい。

　また、第２の支持部８３Ａの端部は、妻壁２４Ａに設けられた柱３３１Ａに固定されている。具体的には、図３２，図３３に示すように、第２の支持部８３Ａの端部は、柱３３１Ａの上方に設けられたアイボルト３３２Ａのリング部を介してターンバックル３３３Ａの一端に固定されている。ターンバックル３３３Ａの他端は、柱３３１Ａの地面付近に設けられたアイボルト３３４Ａに固定されている。したがって、ユーザは、ターンバックル３３３Ａの胴体部を回転することによって、地面から近い位置で第２の支持部８３Ａのテンション（張力）を調整することができ、作業性が向上する。なお、アイボルト３３２Ａ，３３４Ａの代わりにアイナットを用いてもよい。

　また、本実施形態の農業用ハウス１Ａは、ユーザがカーテン５Ａの開閉を比較的容易に行えるように、滑車７１Ａを移動させてカーテン５Ａを開閉するための開閉装置９Ａ（図３４参照）をさらに備えている。

　開閉装置９Ａは、図３４に示すようにカーテン５ＡのＹ軸方向の一端からなる自由端に結合された紐体９１Ａと、紐体９１Ａを巻き取る回転ドラム９２Ａと、第１滑車９３Ａと、第２滑車９４Ａと、折返し滑車９５Ａとを有している。ここでいう紐体９１Ａは、たとえばロープやワイヤなどであり、その一部にカーテン５Ａの自由端が結合されている。第１滑車９３Ａには、回転ドラム９２Ａとカーテン５Ａの自由端との間で紐体９１Ａが掛け回され、第２滑車９４Ａには回転ドラム９２Ａと第１滑車９３Ａとの間で紐体９１Ａが掛け回される。

　第１滑車９３Ａと折返し滑車９５Ａとは、ハウス本体２ＡのＹ軸方向の両端部に固定された定滑車からなり、ハウス本体２Ａの屋根２３Ａに沿って、つまり屋根２３Ａ付近に配置されている。回転ドラム９２Ａは、ハウス本体２Ａの屋根２３Ａに沿って配置されている。ここでは、回転ドラム９２Ａは、Ｙ軸方向において第１滑車９３Ａと折返し滑車９５Ａとの間の位置であって、第１滑車９３Ａの近傍に配置されている。さらに、第１滑車９３Ａと折返し滑車９５Ａとは略同じ高さに配置されており、回転ドラム９２Ａは、第１滑車９３Ａおよび折返し滑車９５Ａよりやや低い位置に配置されている。

　第２滑車９４Ａは、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方に配置されている。ここでは、第２滑車９４Ａは、地面（地表）付近の定位置に固定された定滑車からなり、回転ドラム９２Ａの真下に配置されている。

　本実施形態では、紐体９１Ａは、両端が回転ドラム９２Ａに保持された１本の紐体であるが、折返し滑車９５Ａを折り返し点として折り返されているため、回転ドラム９２Ａからは見かけ上、２本の紐体が引き出されている。以下では説明の便宜上、回転ドラム９２Ａとカーテン５Ａの自由端との間に架かった一方の紐体９１Ａを第１の紐体９１１Ａと呼び、他方の紐体９１Ａを第２の紐体９１２Ａと呼ぶ。つまり、回転ドラム９２Ａからは第１の紐体９１１Ａと第２の紐体９１２Ａとの２本の紐体９１Ａが引き出されており、これら第１の紐体９１１Ａと第２の紐体９１２Ａとは、先端（回転ドラム９２Ａと反対側の一端）同士が繋がっている。

　ここで、第２の紐体９１２Ａは、その先端が折返し滑車９５Ａで折り返されて第１の紐体９１１Ａに繋がっている。そのため、カーテン５Ａの自由端は、第１の紐体９１１Ａが巻き取られると折返し滑車９５Ａから離れる向きに移動し、第２の紐体９１２Ａが巻き取られると折返し滑車９５Ａに近づく向きに移動する。

　第１の紐体９１１Ａおよび第２の紐体９１２Ａは、いずれも回転ドラム９２Ａとカーテン５Ａの自由端との間で第１滑車９３Ａに掛け回されており、さらに、回転ドラム９２Ａと第１滑車９３Ａとの間で第２滑車９４Ａに掛け回されている。言い換えれば、第１の紐体９１１Ａおよび第２の紐体９１２Ａは、いずれも回転ドラム９２Ａから引き出された部分が第２滑車９４Ａで一旦折り返された後、第１滑車９３Ａを介してカーテン５Ａの自由端に繋がっている。第１滑車９３Ａおよび第２滑車９４Ａは、それぞれ独立して回転する２個の滑車を有する２連滑車からなる。

　回転ドラム９２Ａは、回転軸方向において２区画に等分されており、一方の区画を第１の紐体９１１Ａの巻き取りに使用し、他方の区画を第２の紐体９１２Ａの巻き取りに使用する。ただし、第１の紐体９１１Ａと第２の紐体９１２Ａとでは巻き取りの向きが反対であって、回転ドラム９２Ａが図３４の矢印Ａ（実線）の向きに回転したときには第１の紐体９１１Ａが巻き取られ、矢印Ｂ（点線）の向きに回転したときには第２の紐体９１２Ａが巻き取られる。第１の紐体９１１Ａと第２の紐体９１２Ａとは先端同士が繋がっているので、第１の紐体９１１Ａが巻き取られると第２の紐体９１２Ａが回転ドラム９２Ａから引き出され、第２の紐体９１２Ａが巻き取られると第１の紐体９１１Ａが回転ドラム９２Ａから引き出されることになる。

　これにより、開閉装置９Ａは、回転ドラム９２Ａを回転させることにより、紐体９１Ａが移動して、カーテン５Ａの自由端をＹ軸方向に移動させることができる。開閉装置９Ａは、カーテン５Ａを閉じるときには、回転ドラム９２Ａを図３４の矢印Ａ（実線）の向きに回転させ、第１の紐体９１１Ａにてカーテン５Ａの自由端を第１滑車９３Ａ側に手繰り寄せてカーテン５Ａの自由端を固定端から離れる向きに移動させる。一方、開閉装置９Ａは、カーテン５Ａを開くときには、回転ドラム９２Ａを図３４の矢印Ｂ（点線）の向きに回転させ、第２の紐体９１２Ａにてカーテン５Ａの自由端を折返し滑車９５Ａ側に手繰り寄せてカーテン５Ａの自由端を固定端に近づく向きに移動させる。

　また、カーテン５Ａは、Ｙ軸方向の各端部において、少なくともＸ軸方向の両端間を連結する芯材５１Ａ，５２Ａ（図２７Ｂ参照）を有しており、芯材５１Ａが第１の支持部６Ａに沿ってＹ軸方向に移動することにより開閉する。そのため、開閉装置９Ａは、紐体９１Ａと回転ドラム９２Ａと第１滑車９３Ａと第２滑車９４Ａと折返し滑車９５Ａとの組み合わせを２組有しており、カーテン５Ａの自由端に設けられた芯材５１Ａの両端部に各組の紐体９１Ａを結合している。つまり、開閉装置９Ａは、両方の回転ドラム９２Ａを回転させて両方の紐体９１Ａを同時に移動させることにより、カーテン５Ａの自由端に設けられた芯材５１ＡのＸ軸方向の両端部を同時に移動させることができる。

　このようにカーテン５ＡをＸ軸方向の全域に亘り一斉に開閉する場合、開閉装置９Ａは、２組の回転ドラム９２Ａが同時に回転するように、回転ドラム９２Ａ同士がシャフト（図示せず）にて連結されていることが望ましい。これにより、開閉装置９Ａは、一方の回転ドラム９２Ａが回転すると、この回転力がシャフトを介して他方の回転ドラム９２Ａに伝達され、両方の紐体９１Ａが同時に移動するので、Ｘ軸方向においてカーテン５Ａの開度のばらつきを抑制できる。

　また、開閉装置９Ａは、モータなどの駆動源（図示せず）を備え、駆動源の発生する駆動力により回転ドラム９２Ａを回転させてカーテン５Ａを開閉する構成でもよいし、ユーザが手動で回転ドラム９２Ａを回転させてカーテン５Ａを開閉する構成であってもよい。いずれの構成であっても、上述したように回転ドラム９２Ａ同士がシャフトで連結されている場合、開閉装置９Ａは、一方の回転ドラム９２Ａのみを回転させることでカーテン５Ａを開閉できる。

　以上説明した構成の農業用ハウス１Ａによれば、屋根２３Ａ付近に配置されている回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方に配置された第２滑車９４Ａによって、回転ドラム９２Ａと第１滑車９３Ａとの間で紐体９１Ａが折り返されることになる。したがって、農業用ハウス１Ａは、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの上方に空間的な余裕がなくても、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方の空間を利用して回転ドラム９２Ａから第２滑車９４Ａまでの距離を稼ぐことができる。つまり、農業用ハウス１Ａは、ハウス本体２Ａの高さを上げることなく、ハウス本体２Ａ内部の空間を有効利用して、回転ドラム９２Ａから第２滑車９４Ａまでの距離を比較的大きく確保できる。回転ドラム９２Ａは、第２滑車９４Ａまでの距離を大きくすることで、フリートアングルが小さくなって、紐体９１Ａをきれいに巻き取ることができる。

　さらにまた、本実施形態では、図３４に示すように回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方には、第２滑車９４Ａおよび紐体９１Ａの周囲を囲むように柵９６Ａが設けられており、第２滑車９４Ａは柵９６Ａに固定されている。柵９６Ａは、Ｙ軸方向に直交する断面が略正方形状となる角筒形状であって、その内側における下端部に第２滑車９４Ａを固定している。これにより、回転ドラム９２Ａと第２滑車９４Ａとの間の紐体９１Ａおよび第１滑車９３Ａと第２滑車９４Ａとの間の紐体９１Ａの周囲が柵９６Ａで囲まれることになる。

　なお、柵９６Ａは、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方において、紐体９１Ａへの巻き込みを防止するために設けられており、その各面はたとえばポリカーボネートのような透光性の部材で構成されていてもよいし、網などで構成されていてもよい。

　農業用ハウス１Ａは、このような柵９６Ａが設けられていることにより、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方に第２滑車９４Ａを設けながらも、紐体９１Ａへの巻き込みを防止することができる。しかも、第２滑車９４Ａは柵９６Ａに固定されているので、第２滑車９４Ａを固定するための部材を新たに設置する必要がない。さらに、第２滑車９４Ａは柵９６Ａへの固定位置がＺ軸方向において調整されることにより、紐体９１Ａにかかるテンション（張力）調整することも可能である。

　さらにまた、本実施形態の農業用ハウス１Ａは、各側壁２１Ａ，２２Ａの内側に設けられた第１の側カーテン１３Ａと、各側壁２１Ａ，２２Ａの外側に設けられた第２の側カーテン１４Ａとを備えている（図２８参照）。ここでは一例として、第１の側カーテン１３Ａはカーテン５Ａと同じ素材からなり遮光（減光）性を有し、第２の側カーテン１４Ａは透明である。第１の側カーテン１３Ａと第２の側カーテン１４Ａとは、いずれも上端部が肩部３２１Ａ，３２２Ａの近傍に固定されており、Ｚ軸方向（高さ方向）に開閉自在に構成されている。

　具体的には、第１および第２の側カーテン１３Ａ，１４Ａは、その上端を固定端、下端を自由端として、地面からの自由端の高さ位置が変化することにより、Ｚ軸方向に開閉する。ここで、第１の側カーテン１３Ａと第２の側カーテン１４Ａとでは開閉のための構成は同一であるので、以下では、第１の側カーテン１３Ａを例として、その詳しい構成について図３５を参照して説明する。

　側カーテン１３Ａは、図３５に示すように、下端部に棒状の芯材１３１Ａを有している。ここで、側カーテン１３Ａを開閉するための開閉装置１５Ａは、各側壁２１Ａ，２２Ａの上端部に固定された定滑車１５１Ａと、定滑車１５１Ａにて巻取可能な紐体１５２Ａとを有している。ここでいう紐体１５２Ａはたとえばロープやワイヤなどである。紐体１５２Ａは、その一部に側カーテン１３Ａの自由端が結合されている。さらに本実施形態では、側カーテン１３Ａは、紐体１５２Ａとの結合部位のＺ軸方向の延長線上に、フック等の引掛具（図示せず）を複数個有しており、これらの引掛具に紐体１５２Ａが挿通されている。

　これにより、開閉装置１５Ａは、定滑車１５１Ａを回転させることにより、紐体１５２Ａが移動して、側カーテン１３Ａの自由端を芯材１３１ＡごとＺ軸方向に移動させることができる。開閉装置１５Ａは、側カーテン１３Ａを開くときには、芯材１３１Ａが上昇するように紐体１５２Ａを移動させ、側カーテン１３Ａを閉じるときには、芯材１３１Ａが下降するように紐体１５２Ａを移動させる。

　ここで、開閉装置１５Ａは、定滑車１５１Ａおよび紐体１５２Ａの組み合わせを２組有しており、側カーテン１３Ａの自由端に設けられた芯材１３１Ａの両端部に各組の紐体１５２Ａを結合している。そのため、開閉装置１５Ａは、定滑車１５１Ａを回転させて両方の紐体１５２Ａを同時に移動させることにより、側カーテン１３Ａの自由端に設けられた芯材１３１ＡのＹ軸方向の両端部を同時に移動させることができる。これにより、側カーテン１３Ａは、自由端がＹ軸方向の両端間に亘ってＺ軸方向に一斉に移動するので、Ｙ軸方向の全域に亘り一斉に開閉する。したがって、このような構成の農業用ハウス１Ａによれば、側カーテン１３Ａの自由端の位置をＹ軸方向の両端間に亘って揃えることができ、Ｙ軸方向において側カーテン１３Ａの開度のばらつきを抑制できる。

　また、このように側カーテン１３ＡをＹ軸方向の全域に亘り一斉に開閉する場合、開閉装置１５Ａは、２組の定滑車１５１Ａが同時に回転するように、定滑車１５１Ａ同士がシャフト（図示せず）にて連結されていることが望ましい。これにより、開閉装置１５Ａは、一方の定滑車１５１Ａが回転すると、この回転力がシャフトを介して他方の定滑車１５１Ａに伝達され、両方の紐体１５２Ａが同時に移動するので、Ｙ軸方向において側カーテン１３Ａの開度のばらつきを抑制できる。

　また、開閉装置１５Ａは、モータなどの駆動源（図示せず）を備え、駆動源の発生する駆動力により定滑車１５１Ａを回転させて側カーテン１３Ａを開閉する構成でもよいし、ユーザが手動で定滑車１５１Ａを回転させて側カーテン１３Ａを開閉する構成であってもよい。いずれの構成であっても、上述したように定滑車１５１Ａ同士がシャフトで連結されている場合、開閉装置１５Ａは、一方の定滑車１５１Ａのみを回転させることで側カーテン１３Ａを開閉できる。

　ここにおいて、上記構成の農業用ハウス１Ａは、カーテン５Ａと側カーテン１３Ａとの間に隙間があると、カーテン５Ａおよび側カーテン１３Ａが閉じているときでも、この隙間を通して太陽光がハウス本体２Ａ内に入射することがある。そこで、本実施形態の農業用ハウス１Ａでは、カーテン５Ａは、図３６Ａに示すようにＸ軸方向の両端部から下方に垂れたフラップ部５３Ａを有しており、このフラップ部５３Ａにて側カーテン１３Ａとの隙間を狭めている。ただし、カーテン５Ａは、開閉時にはＹ軸方向に移動するので、フラップ部５３Ａが垂れ下がったままの状態で開閉すると、フラップ部５３Ａが側カーテン１３Ａやハウス本体２Ａのフレーム３Ａ等に干渉する可能性がある。

　そこで、本実施形態の農業用ハウス１Ａのカーテン５Ａは、Ｙ軸方向に移動する開閉時に、図３６Ｂに示すようにフラップ部５３Ａを内側に折り返す折返機構（図示せず）を具備している。折返機構は、たとえば反転ばねを用いて構成され、フラップ部５３Ａを下方に垂らした図３６Ａの定常状態と、フラップ部５３Ａを内側に折り返した図３６Ｂの折返状態とを切替可能に構成されている。折返機構は、カーテン５Ａの開閉時に自動的に定常状態から折返状態へと切り替わる構成でもよいし、ユーザが手動で定常状態と折返状態とを切り替える構成であってもよい。農業用ハウス１Ａは、このような折返機構をカーテン５Ａに有することにより、カーテン５Ａの開閉時に側カーテン１３Ａやハウス本体２Ａのフレーム３Ａ等との干渉を防止することができる。

　なお、側カーテン１３Ａ，１４Ａにおいても、カーテン５Ａと同様にＹ軸方向に開閉するように構成されていてもよい。

　上記実施形態から明らかなように、本発明に係る第２０の形態の農業用ハウス１Ａは、ハウス本体２Ａと第１の支持部６Ａとカーテン５Ａと第２の支持部８３Ａと水配管８１Ａと取付部材８４Ａとを備える。ハウス本体２Ａは、互いに対向する一対の側壁２１Ａ，２２Ａと、一対の側壁２１Ａ，２２Ａの上端同士を繋ぐ屋根２３ＡとがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。第１の支持部６Ａは、Ｙ軸方向に延長された形状に構成される。カーテン５Ａは、ハウス本体２Ａの内側に屋根２３Ａに沿うように第１の支持部６Ａに支持され、Ｙ軸方向に沿って開閉するように構成される。第２の支持部８３Ａは、Ｙ軸方向に延長された形状に構成される。水配管８１Ａは、Ｙ軸方向に延長された管状に形成され、内部に流れる水を噴出させる吐出部８１３Ａを有する。取付部材８４Ａは、第２の支持部８３Ａに取り付けられる第１の取付部８４１Ａおよび、水配管８１Ａが取り付けられる第２の取付部８４２Ａを有する。

　第２０の形態の農業用ハウス１Ａは、Ｙ軸方向（奥行方向）に延長された第２の支持部８３Ａに、水配管８１Ａが取付部材８４Ａで取り付けられる。したがって、農業用ハウス１Ａは、Ｙ軸方向に沿って開閉するカーテン５Ａと、第２の支持部８３Ａとの干渉を抑制することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２１の形態の農業用ハウス１Ａは、第２０の形態において、取付部材８４Ａは、以下のように構成される。取付部材８４Ａは、第２の支持部８３Ａに対する第１の取付部８４１ＡのＹ軸方向の位置と、水配管８１Ａに対する第２の取付部８４２Ａに対するＹ軸方向の位置とのうち、少なくとも一方が可変であるように構成される。

　第２１の形態の農業用ハウス１Ａは、熱による水配管８１Ａ，取付部材８４Ａの伸縮や、第２の支持部８３Ａの緩みが発生した場合でも、水配管８１Ａ，第２の支持部８３Ａ，取付部材８４Ａへのストレスを軽減することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２２の形態の農業用ハウス１Ａは、第２０または第２１の形態において、取付部材８４Ａは、第１の取付部８４１Ａと第２の取付部８４２Ａとの間の距離が可変であるように構成される。

　第２２の形態の農業用ハウス１Ａは、熱による水配管８１Ａ，取付部材８４Ａの伸縮や、第２の支持部８３Ａに緩みが発生した場合でも、水配管８１Ａの高さ位置のばらつきを軽減することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２３の形態の農業用ハウス１Ａは、第２０～第２２の形態のうちいずれか１つの形態において、カーテン５Ａを開閉させる開閉装置１５Ａを備える。開閉装置１５Ａは、回転ドラム９２Ａと第１滑車９３Ａと第２滑車９４Ａとを有する。回転ドラム９２Ａは、カーテン５ＡのＹ軸方向（奥行方向）の一端である自由端に結合された紐体９１Ａを巻き取ることにより、カーテン５Ａの自由端をＹ軸方向に移動させるように構成される。第１滑車は、回転ドラム９２Ａとカーテン５Ａの自由端との間で紐体９１Ａが掛け回されるように構成される。第２滑車９４Ａは、回転ドラム９２Ａと第１滑車９３Ａとの間で紐体９１Ａが掛け回されるように構成される。そして、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａは、屋根２３Ａに沿って配置されており、第２滑車９４Ａは、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方に配置されている。

　第２３の形態の農業用ハウス１Ａは、カーテン５Ａの開閉を容易に行うことができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２４の形態の農業用ハウス１Ａは、第２３の形態において、回転ドラム９２Ａおよび第１滑車９３Ａの下方には、第２滑車９４Ａおよび紐体９１Ａの周囲を囲むように柵９６Ａが設けられており、第２滑車９４Ａは柵９６Ａに固定されている。

　第２４の形態の農業用ハウス１Ａは、紐体９１Ａへの巻き込みを防止することができるという効果がある。

　（実施形態４）
　次に、実施形態４の農業用ハウスについて説明する。

　一般的に、この種の農業用ハウス（ビニールハウス）は、室内の気温、湿度等を維持して外界とは異なる農作物の栽培に適した環境を実現する（例えば文献１参照）。文献１に記載の農業用ハウスは、ハウス内の温度、湿度を一定に保つために、開閉可能なカーテン（樹脂フィルム等）が設けられている。

　しかし、ハウスの側壁を覆うカーテンにおいて、このカーテンが閉じられた状態であっても、例えば地面との間に隙間が生じるおそれがあった。そして、この隙間を通してハウスの側壁から太陽光が入射して、圃場の温度が上昇して発育不良（発芽不良）が発生するという問題があった。

　本実施形態は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、カーテンが閉じられているときに、ハウス本体の側壁を隙間なく遮光することができる農業用ハウスを提供することにある。

　以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。

　本実施形態の農業用ハウス１Ｂの概略構成図を図３７に示す。本実施形態の農業用ハウス１Ｂは、室内の気温、湿度等を維持して外界とは異なる農作物の栽培に適した環境を実現する。以下では、主として軟弱野菜（ほうれん草、小松菜等）の栽培に用いられる農業用ハウス１Ｂを例として説明するが、農業用ハウス１Ｂの用途を限定する趣旨ではない。

　ここで、例えば、ほうれん草の栽培において、背丈が２０ｃｍ以上になると収穫前までは潅水を行わないで栽培することが一般的に好ましいとされている。しかし、圃場の土質によって含むことができる水分量が異なる。一例として土質が異なる２種類の土壌（第１の土壌、第２の土壌）があり、図４１に第１の土壌の水分特性曲線、図４２に第２の土壌の水分特性曲線を示す。例えばマトリックポテンシャルが１．０ｐＦ～２．０ｐＦである場合における体積含水率が、農作物に有効な水分量とする。この場合、第２の土壌が含むことができる有効な体積含水率（水分量）が約２２％である（図４２参照）のに対し、第１の土壌が含むことができる有効な体積含水率（水分量）は約７％である（図４１参照）。したがって、水を多く含むことができない第１の土壌でほうれん草を栽培する場合、収穫前に潅水を停止した期間に水不足となり枯れてしまうおそれがある。そのため、マトリックポテンシャルが２．０ｐＦ以上になると潅水を行う必要がある。

　しかし、水を噴出させる潅水部を地面に配置した場合、収穫前の背丈が高い農作物によって潅水部から噴出する水が遮られてしまい、潅水部から遠い位置の潅水量が不十分となる問題が発生する。

　そこで、ハウス本体の壁面に沿って地面から離れた位置に潅水部を設けて、潅水部から噴出する水が農作物によって遮られないようにする構成が考えられる。しかし、ハウスの壁面に沿って開閉するカーテンは、潅水部および潅水部を取り付ける取付け部材との干渉を避けるために、潅水部よりも高い位置で開閉させる必要がある。そのため、カーテンを閉じた状態であってもカーテンと地面との間に隙間が生じ、この隙間を通じてハウス本体の側壁から太陽光が入射して、圃場の温度が上昇して発育不良（発芽不良）が発生するという問題が発生する。

　そこで、本実施形態の農業用ハウス１Ｂは、上記問題を解消するために、以下の構成を備える。本実施形態の農業用ハウス１Ｂは、ハウス本体２Ｂと潅水部８１Ｂと側カーテン６Ｂ（第１の遮光部材）と遮光シート７Ｂ（第２の遮光部材）とを備える。なお、図３７に示したＸ軸方向（農業用ハウス１Ｂの幅方向）、Ｙ軸方向（農業用ハウス１Ｂの奥行方向）、Ｚ軸方向（農業用ハウス１Ｂの高さ方向）を用いて説明する。

　ハウス本体２Ｂは、互いに対向する一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂと、一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂの上端部同士を繋ぐ屋根２３ＢとがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。潅水部８１Ｂは、Ｙ軸方向に沿って一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂそれぞれに取付け部材８２Ｂ（図３８参照）を用いて設けられており、地面よりも高く、且つ側壁２１Ｂ，２２Ｂから離れた位置に配置され、ハウス本体２Ｂ内に潅水する。側カーテン６Ｂ（第１の遮光部材）は、Ｙ軸方向に沿って一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂそれぞれに設けられ、遮光性を有する。遮光シート７Ｂ（第２の遮光部材）は、Ｙ軸方向に沿って一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂそれぞれに取付け部材８２Ｂを避けて設けられ、遮光性を有する。そして、側カーテン６Ｂは、潅水部８１Ｂよりも高い位置において、下端部が最も低い位置にある閉位置と、下端部が最も高い位置にある開位置との間で下端部が上下方向に移動する。遮光シート７Ｂは、側カーテン６Ｂの下側において側壁２１Ｂ，２２Ｂを覆っており、遮光シート７Ｂの上端部が、閉位置にあるときの側カーテン６Ｂの下端部と重なる。

　以下に、図３７～図３９を用いて、本実施形態の農業用ハウス１Ｂについて詳細に説明する。

　本実施形態のハウス本体２Ｂは、Ｙ軸方向の両端部に妻壁２４Ｂを有しており、この妻壁２４Ｂには図示しない出入口が設けられている。

　具体的には、ハウス本体２Ｂは、アルミニウム等の金属製のフレーム（骨組）３Ｂと、透光性を有しフレーム３Ｂに保持される被覆材４Ｂとを備えている。被覆材４Ｂは、ハウス本体２Ｂの略全体を覆うように設けられている。被覆材４Ｂは、例えば太陽光を殆ど遮らずに雨風を凌ぎ、且つハウス本体２Ｂ内の保温、保湿を実現すべく透明なビニルシートやガラス製であってもよいし、通気性を考慮して部分的に網（防虫網など）で構成されていてもよい。

　フレーム３Ｂは、アーチ状を成しＹ軸方向（奥行方向）に複数本並ぶアーチ部３１Ｂと、各々がＹ軸方向に延長され複数本のアーチ部３１Ｂを連結する複数本の連結部材３２Ｂとを有している。複数本のアーチ部３１Ｂの各々は、Ｚ軸方向（高さ方向）に沿う一対の壁片３１１Ｂ，３１２Ｂと、これら一対の壁片３１１Ｂ，３１２Ｂの上端同士を繋ぐ屋根片３１３Ｂとで構成されている。

　つまり、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１１Ｂおよびこれらの壁片３１１Ｂ間に設けられた被覆材４Ｂが側壁２１Ｂを構成し、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１２Ｂおよびこれらの壁片３１２Ｂ間に設けられた被覆材４Ｂが側壁２２Ｂを構成する。また、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の屋根片３１３Ｂおよびこれらの屋根片３１３Ｂ間に設けられた被覆材４Ｂが屋根２３Ｂを構成する。ここで、各アーチ部３１Ｂは、屋根片３１３ＢがＸ軸方向（幅方向）の中央部ほど高くなるように上方に凸となる形、例えば半円状や三角形状に形成される。そのため、屋根２３Ｂは、例えば半円柱状や三角柱状に形成されることになる。

　複数本の連結部材３２Ｂは、少なくともＹ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１１Ｂの上端（屋根片３１３Ｂとの連結点）同士を連結する肩部３２１Ｂと、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１２Ｂの上端（屋根片３１３Ｂとの連結点）同士を連結する肩部３２２Ｂとを含んでいる。つまり、ハウス本体２Ｂの側壁２１Ｂ，２２Ｂと屋根２３Ｂとは、肩部３２１Ｂ，３２２Ｂによって区切られている。さらに、複数本の連結部材３２Ｂは、肩部３２１Ｂ，３２２Ｂの他、棟部３２３Ｂと、基礎部３２４Ｂ，３２５Ｂを含んでいる。棟部３２３Ｂは、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の屋根片３１３Ｂの頂部同士を連結する。基礎部３２４Ｂは、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１１Ｂの下端同士を連結する。基礎部３２５Ｂは、Ｙ軸方向に並ぶ複数本の壁片３１２Ｂの下端同士を連結する。

　また、ハウス本体２Ｂのフレーム３Ｂは、Ｙ軸方向の両端部に、Ｙ軸方向に直交する平面（図３７のＸ－Ｚ平面）に沿って配置されており少なくとも屋根２３Ｂを支持する梁３３Ｂをさらに有している。梁３３Ｂは、Ｙ軸方向の両端に位置する各アーチ部３１Ｂの内側に設けられている。つまり、Ｙ軸方向の両端の各アーチ部３１Ｂおよび梁３３Ｂと、これら各アーチ部３１Ｂの内側に設けられた被覆材４Ｂとが妻壁２４Ｂを構成する。

　ハウス本体２ＢのＹ軸方向の両端に位置する各妻壁２４Ｂにはファン２４１Ｂが設けられている。ファン２４１Ｂは、妻壁２４ＢにおけるＸ軸方向の中央部であって、且つ上端部の近傍に設けられ、梁３３Ｂに支持されている。したがって、この農業用ハウス１Ｂは、ファン２４１Ｂを作動（回転）させることでハウス本体２Ｂ内に強制的に空気流が生じ、ハウス本体２Ｂの内部空間の換気（空気の入れ替え）を行うことができる。

　また、本実施形態の農業用ハウス１Ｂは、上記構成のハウス本体２Ｂの内側に、屋根２３Ｂに沿って設けられる屋根カーテン５Ｂを備える。この屋根カーテン５Ｂは、ハウス本体２Ｂの一対の妻壁２４Ｂ間に張られた複数本のワイヤー（図示なし）に吊るされており、Ｙ軸方向の一端がＹ軸方向に沿って移動することで開閉するように構成されている。ここでは一例として、屋根カーテン５Ｂは、遮光率が６５～７５％程度の減光用のカーテンであって、全閉状態では屋根２３Ｂを通してハウス本体２Ｂ内に照射する太陽光（日射）の一部を遮る機能を持つ。軟弱野菜などにおいては、ハウス本体２Ｂ内に照射する光が強過ぎると光合成の効率が悪くなるが、農業用ハウス１Ｂは、このような減光用の屋根カーテン５Ｂを有することで、ハウス本体２Ｂ内への日射量を調節して農作物９Ｂの栽培に適した環境を実現できる。

　また、本実施形態の農業用ハウス１Ｂは、ハウス本体２Ｂ内に潅水を行うための潅水装置８Ｂを備えている。潅水装置８Ｂは、Ｙ軸方向に沿って各側壁２１Ｂ，２２Ｂ際に設けられる管状の潅水部８１Ｂと、潅水部８１Ｂを各側壁２１Ｂ，２２Ｂに取り付ける取付け部材８２Ｂ（図３８参照）と、潅水部８１Ｂに水を供給するタンクとを有している。図３８，図３９を用いて潅水部８１Ｂについて説明する。なお、以下の説明では、側壁２１Ｂに設けられる潅水部８１Ｂについて説明するが、側壁２２Ｂに設けられる潅水部８１Ｂも同様の構成である。

　潅水部８１Ｂは、側面に適当な間隔で複数の孔（図示せず）が形成されたホースまたはパイプで構成されており、タンクから供給される水を孔から噴出することで、ハウス本体２Ｂ内に栽培されている農作物９Ｂに潅水する。なお、図３８における点線矢印は、潅水部８１Ｂから噴出される水の放物軌跡を示している。図３８に示すように、潅水部８１Ｂからは複数方向に水が噴出されており、潅水部８１Ｂに近い位置から遠い位置まで潅水することができる。

　取付け部材８２Ｂは、固定部８２１Ｂと、アーム８２２Ｂと、保持部８２３Ｂとで構成されている。固定部８２１Ｂは、断面がＣ字状の筒体で構成されており、壁片３１１Ｂを握った状態で地面から離れた位置で壁片３１１Ｂに固定されている。アーム８２２Ｂは、一端が固定部８２１Ｂの胴体に連続するＬ字状に形成されており、他端に潅水部８１Ｂを保持する保持部８２３Ｂが設けられている。

　潅水部８１Ｂは、この取付け部材８２Ｂによって、側壁２１Ｂ（具体的には壁片３１１Ｂ）に設けられており、地面よりも高く、且つ側壁２１Ｂから離れた位置に配置されている。なお、本実施形態では、潅水部８１Ｂの地面からの高さＨ１が、収穫前の農作物９Ｂの背丈Ｈ２以上となるように、潅水部８１Ｂが配置されることが望ましい。例えば、収穫前の農作物９Ｂの背丈Ｈ２が３０ｃｍ弱である場合、潅水部８１Ｂの地面からの高さＨ１は３０ｃｍに設定されることが望ましい。

　ここで、潅水部８１Ｂから比較的遠い位置に潅水するためには、比較的低い放射角度で水を噴出する必要がある。放射角度が低いと水の到達高さが低くなるので、潅水部８１Ｂが地面の近くに配置されている場合、潅水部８１Ｂに近い農作物９Ｂに水がかかって遮られ、潅水が阻害されるおそれがある。これに対して、本実施形態の潅水部８１Ｂは、地面から離れた位置（農作物９Ｂよりも高い位置）に配置されているので、潅水部８１Ｂの近くに栽培されている農作物９Ｂによって潅水部８１Ｂから噴出される水が遮られることが防止される。したがって、潅水部８１Ｂは、潅水部８１Ｂから近い位置から遠い位置まで均一となるように潅水することができる。

　なお、上記構成では、タンクを用いて潅水部８１Ｂに給水しているが、タンクを省略し、例えばハウス本体２Ｂの内部または外部に設けられた水道施設（図示せず）を用いて潅水部８１Ｂに給水する構成であってもよい。

　また、本実施形態の農業用ハウス１Ｂは、各側壁２１Ｂ，２２Ｂを通してハウス本体２Ｂ内に照射する太陽光（日射）を遮光（減光）する側カーテン６Ｂ（第１の遮光部材）と遮光シート７Ｂ（第２の遮光部材）とを有する。側カーテン６Ｂと遮光シート７Ｂとは、Ｙ軸方向に沿って上下方向に（Ｚ軸方向）並べて各側壁２１Ｂ，２２Ｂに設けられ、遮光シート７Ｂは、各側壁２１Ｂ，２２Ｂの下端付近を覆っており、側カーテン６Ｂは、各側壁２１Ｂ，２２Ｂにおける遮光シート７Ｂの上側部分を覆っている。図３８，図３９を用いて、側カーテン６Ｂおよび遮光シート７Ｂについて説明する。なお、以下の説明では、側壁２１Ｂに設けられる側カーテン６Ｂおよび遮光シート７Ｂについて説明するが、側壁２２Ｂに設けられる側カーテン６Ｂおよび遮光シート７Ｂについても同様の構成である。

　側カーテン６Ｂは、遮光性を有する（例えば遮光率が６５～７５％程度）シート状に形成され、ハウス本体２ＢのＹ軸方向の一端から他端にわたって側壁２１Ｂの内側に設けられている。そして、側カーテン６Ｂは、潅水部８１Ｂよりも高い位置において開閉自在に構成されている。側カーテン６Ｂは、上端部が肩部３２１Ｂに固定されており、下端部にはＹ軸方向に沿って形成された円柱状または円筒状のバー６１Ｂが芯材として設けられている。そして、側カーテン６Ｂは、例えば滑車と紐体等を有する開閉装置（図示せず）によって、バー６１Ｂに巻き取られることによって下端部がバー６１Ｂと一体に上昇して開けられ、芯材から巻き戻されることによって下端部がバー６１Ｂと一体に下降して閉められる。なお、側カーテン６Ｂの開閉方法は、上記に限定せず、下端部が上下方向に移動する構成であればよい。

　そして、側カーテン６Ｂの下端部は、下限位置（閉位置）が潅水部８１Ｂよりもやや高い位置に設定され、上限位置（開位置）が肩部３２１Ｂ付近に設定されている。したがって、側カーテン６Ｂは、潅水部８１Ｂよりも高い位置において、下端部が最も低い位置にある閉位置と、下限部が最も高い位置にある開位置との間で下端部が上下方向に移動して開閉する。なお、図３８，図３９は、側カーテン６Ｂの下端部が下限位置（閉位置）にある状態を示している。

　また、本実施形態の農業用ハウス１Ｂは、側壁２１Ｂと潅水部８１Ｂとの間を通って上下方向に沿って設けられた紐状または線状の抑え部材６２Ｂを備えている。抑え部材６２Ｂは、上端が肩部３２１Ｂに固定され、下端が基礎部３２４Ｂに固定されており、Ｙ軸方向に並んで複数設けられている。この抑え部材６２Ｂは、側カーテン６Ｂの下端部に設けられたバー６１Ｂを側壁２１Ｂと挟み込むことで、バー６１Ｂが側壁２１Ｂから離れないように抑えている。また、潅水部８１Ｂは、取付け部材８２Ｂのアーム８２２Ｂによって側壁２１Ｂから離れた位置に配置されており、Ｘ軸方向（ハウス本体２Ｂの幅方向）におけるバー６１Ｂと潅水部８１Ｂとの間の距離Ｌ１がＬ１＞０となるように設定されている。

　このように、本実施形態の側カーテン６Ｂは、下端部の下限位置（閉位置）が、潅水部８１Ｂおよび取付け部材８２Ｂよりも高い位置に設定され、さらにバー６１Ｂと潅水部８１Ｂとの間の距離Ｌ１がＬ１＞０と設定されている。したがって、側カーテン６Ｂの開閉時に、潅水部８１Ｂおよび取付け部材８２Ｂが側カーテン６Ｂに干渉することを防止することができる。また、抑え部材６２Ｂによってバー６１Ｂが各側壁２１Ｂ，２２Ｂから離れないように抑えられているので、例えば風に煽られた側カーテン６Ｂが潅水部８１Ｂから噴出される水を遮ることを防止することができる。

　なお、上記構成では、抑え部材６２Ｂの下端は、側壁２１Ｂの下端である基礎部３２４Ｂに固定されているが、側カーテン６Ｂの下端部の下限位置（閉位置）よりも低い位置であればよい。例えば、図４０に示すように、抑え部材６２Ｂの下端が潅水部８１Ｂと同じ高さの位置、または、抑え部材６２Ｂの下端が潅水部８１Ｂよりも高く且つ側カーテン６Ｂの下限位置よりも低い位置に固定された構成であってもよい。これにより、抑え部材６２Ｂが短くなるので、バー６１Ｂが側壁２１Ｂから離れないように抑える力が強くなり、材料費も削減することができる。

　次に、図３８，図３９を用いて、遮光シート７Ｂについて説明する。遮光シート７Ｂは、遮光性を有する（例えば遮光率が６５～７５％程度）シート状に形成され、ハウス本体２ＢのＹ軸方向の一端から他端にわたって取付け部材８２Ｂを避けて側壁２１Ｂに設けられている。具体的には、取付け部材８２Ｂは、アーム８２２Ｂが被覆材４Ｂから離れる方向となるように壁片３１１Ｂに固定されているのに対し、遮光シート７Ｂは、被覆材４Ｂと壁片３１１Ｂとの間に設けられている。したがって、遮光シート７Ｂが取付け部材８２Ｂと干渉することがない。

　また、遮光シート７Ｂは、側カーテン６Ｂの下側において側壁２１Ｂを覆っており、遮光シート７Ｂの上端部は、潅水部８１Ｂよりも高く、側カーテン６Ｂの下端部が下限位置（閉位置）にあるときの下限部と重なり、下限部が地面と接するように配置されている。すなわち、遮光シート７Ｂは、側カーテン６Ｂでは取付け部材８２Ｂと干渉することによって覆うことができない側壁２１Ｂの下端付近（側カーテン６Ｂと地面との隙間）を覆っている。これにより、例えば太陽の高度が低い朝夕においても、遮光シート７Ｂによって、側壁２１Ｂを通してハウス本体２Ｂ内に照射される太陽光を遮光（減光）することができる。したがって、ハウス本体２Ｂの地面（圃場）の温度が上昇することが防止され、農作物９Ｂの発育不良（発芽不良）を抑制することができる。

　なお、上記構成では、遮光シート７Ｂは下限部が地面と接するように配置されているが、図４０に示すように、遮光シート７Ｂの下限部と地面との間に隙間が生じていてもよい。例えば、各側壁２１Ｂ，２２ＢからＸ軸方向に１０ｃｍ離れた位置から圃場を形成して農作物９Ｂを栽培する場合、遮光シート７Ｂの下限部と地面との間に１０ｃｍ程度の隙間が生じていても、圃場に照射される太陽光を減光することができ農作物９Ｂの発育には影響がない。

　上記実施形態から明らかなように、本発明に係る第２５の形態の農業用ハウス１Ｂは、ハウス本体２Ｂと潅水部８１Ｂと側カーテン６Ｂ（第１の遮光部材）と遮光シート７Ｂ（第２の遮光部材）とを備える。ハウス本体２Ｂは、互いに対向する一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂと、一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂの上端部同士を繋ぐ屋根２３ＢとがＹ軸方向（奥行方向）に延長された形状に構成される。潅水部８１Ｂは、Ｙ軸方向に沿って一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂそれぞれに取付け部材８２Ｂを用いて設けられており、地面よりも高く、且つ側壁２１Ｂ，２２Ｂから離れた位置に配置され、ハウス本体２Ｂ内に潅水するように構成される。側カーテン６Ｂ（第１の遮光部材）は、Ｙ軸方向に沿って一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂそれぞれに設けられ、遮光性を有する。遮光シート７Ｂ（第２の遮光部材）は、Ｙ軸方向に沿って一対の側壁２１Ｂ，２２Ｂそれぞれに取付け部材８２Ｂを避けて設けられ、遮光性を有する。そして、側カーテン６Ｂは、潅水部８１Ｂよりも高い位置において、下端部が最も低い位置にある閉位置と、下端部が最も高い位置にある開位置との間で下端部が上下方向に移動するように構成される。遮光シート７Ｂは、側カーテン６Ｂの下側において側壁２１Ｂ，２２Ｂを覆っており、遮光シート７Ｂの上端部が、閉位置にあるときの側カーテン６Ｂの下端部と重なる。

　第２５の形態の農業用ハウス１Ｂは、潅水部８１Ｂよりも高い位置で開閉する側カーテン６Ｂが設けられ、側カーテン６Ｂが閉位置にあるときの下端部に上端部が重なる遮光シート７Ｂが取付け部材８２Ｂを避けて設けられる。したがって、農業用ハウス１Ｂは、側カーテン６Ｂが閉じられているときに、遮光シート７Ｂによってハウス本体２Ｂの側壁２１Ｂ，２２Ｂを隙間なく遮光することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２６の形態の農業用ハウス１Ｂは、第２５の形態において、側カーテン６Ｂ（第１の遮光部材）および遮光シート７Ｂ（第２の遮光部材）は、シート状に形成され、側カーテン６Ｂは、下端部にＹ軸方向に沿ったバー６１Ｂを備える。

　第２６の形態の農業用ハウス１Ｂは、側カーテン６Ｂをバー６１Ｂに巻取り、巻き戻しすることで、側カーテン６Ｂを容易に開閉することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２７の形態の農業用ハウス１Ｂは、第２６の形態において、バー６１Ｂは、潅水部８１Ｂよりも側壁２１Ｂ，２２Ｂに近い位置に設けられる。

　第２７の形態の農業用ハウス１Ｂは、側カーテン６Ｂの開閉時に、潅水部８１Ｂが側カーテン６Ｂに干渉することを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２８の形態の農業用ハウス１Ｂは、第２６または第２７の形態において、側壁２１Ｂ，２２Ｂと潅水部８１Ｂとの間を通って上下方向に沿って側壁２１Ｂ，２２Ｂに設けられ、バー６１Ｂを側壁２１Ｂ，２２Ｂと挟み込む抑え部材６２Ｂを備える。

　第２８の形態の農業用ハウス１Ｂは、例えば風に煽られた側カーテン６Ｂが潅水部８１Ｂから噴出される水を遮ることを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第２９の形態の農業用ハウス１Ｂは、第２８の形態において、抑え部材６２Ｂは、下端が潅水部８１Ｂと同じ高さ、または潅水部８１Ｂよりも高い位置に取り付けられる。

　第２９の形態の農業用ハウス１Ｂは、抑え部材６２Ｂが短くなるので、バー６１Ｂが側壁２１Ｂから離れないように抑える力が強くなり、材料費も削減することができるという効果がある。

　（実施形態５）
　次に、実施形態５の農業用ハウスについて説明する。

　室内の気温、湿度等を維持して外界とは異なる農作物の栽培に適した環境を実現する農業用ハウスがある（例えば文献２［日本国公開特許第２０１０－２５２６９２号］参照）。この種の農業用ハウスの出入り口には、レール上をスライドするスライドドアが一般的に用いられている。

　しかし、レールは地面に設置されているが故に、レールに土などの異物が挟まりやすい。そして、レールに異物が挟まった場合、スライドドアの開閉が困難になるという問題があった。

　本実施形態は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物による出入り口の開閉困難を防止することができる農業用ハウスを提供することにある。

　以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。

　本実施形態の農業用ハウス１Ｃの概略構成図を図４３に示す。本実施形態の農業用ハウス１Ｃは、気温、湿度などを維持して外界とは異なる植物育成用の空間を形成し、農作物の栽培に適した環境を実現するものであり、被覆材２Ｃとフレーム３Ｃと第１のカバー４Ｃとを備える。被覆材２Ｃは、透光性を有する。フレーム３Ｃは、内部に植物育成用の空間を形成するように被覆材２Ｃを支持する。第１のカバー４Ｃは、シート状部材４０Ｃで構成され、空間の出入り口３３Ｃを開閉する。また、第１のカバー４Ｃは、シート状部材４０Ｃを折り返して形成された折返し部４３Ｃに縫い付けられる第１のファスナー４１Ｃおよび第２のファスナー４２Ｃを有する（図４４参照）。第１のファスナー４１Ｃは、出入り口３３Ｃの上部において横方向に設けられる。第２のファスナー４２Ｃは、第１のカバー４Ｃの下端から第１のファスナー４１Ｃまで縦方向に設けられる。

　以下に、本実施形態の農業用ハウス１Ｃの構成について詳細に説明する。本実施形態の農業用ハウス１Ｃは、構造材として機能する複数の金属製パイプで圃場を囲うように組み合わされたフレーム３Ｃと、フレーム３Ｃによって支持される被覆材２Ｃとで植物育成用空間を形成している。被覆材２Ｃは、透光性を有するシート状部材（例えば、合成樹脂フィルム）で構成されている。そして、被覆材２Ｃでフレーム３Ｃを覆うことで農業用ハウス１Ｃの外形は、断面が半円状の屋根１１Ｃと、屋根１１Ｃを支持し互いに対向する一対の側壁１２Ｃと、側壁１２Ｃに直交し互いに対向する一対の妻壁１３Ｃとが一体に構成され、断面が逆Ｕ字状に形成されている。なお、一対の妻壁１３Ｃ間の距離は、一対の側壁１２Ｃ間の距離に比べて十分に長く形成されており、一対の妻壁１３Ｃが対向する方向を長手方向、一対の側壁１２Ｃが対向する方向を短手方向とする。

　また、本実施形態の農業用ハウス１Ｃは、屋根１１Ｃに沿って長手方向に開閉するカーテン６Ｃが設けられている。カーテン６Ｃは、一対の妻壁１３Ｃ間に張られた複数本のワイヤー（図示なし）に吊るされており、長手方向の一端が長手方向に沿って移動することで開閉するように構成されている。カーテン６Ｃを開閉させることで、屋根１１Ｃからの外光の入射量を調整することができる。

　また、農業用ハウス１Ｃの出入り口３３Ｃは、妻壁１３Ｃにおける短手方向の中央部に設けられている。出入り口３３Ｃは、一対の側壁１２Ｃ間に設けられたフレーム３Ｃ（横フレーム３１Ｃ）と、横フレーム３１Ｃと地面との間に設けられた２本のフレーム３Ｃ（縦フレーム３２Ｃ）とで囲まれることで構成されており、被覆材２Ｃは、この出入り口３３Ｃを避けて設けられている。なお、出入り口３３Ｃは、一対の妻壁１３Ｃの両方に設けられていてもよいし、いずれか一方に設けられていてもよい。

　そして、本実施形態の農業用ハウス１Ｃは、出入り口３３Ｃを開閉する第１のカバー４Ｃおよび第２のカバー５Ｃを備える。第１のカバー４Ｃは、透光性を有するシート状部材４０Ｃ（例えば、合成樹脂フィルム）で矩形状に形成されており、出入り口３３Ｃを閉じることで農業用ハウス１Ｃ内の植物育成用の空間と外界との空気の出入りを遮断する。第２のカバー５Ｃは、メッシュ部を有するシート状部材５０Ｃ（例えば、網目状シート）で矩形状に形成されており、出入り口３３Ｃを閉じることで通気性を確保しつつ農業用ハウス１Ｃ内への虫などの侵入を防止する。そして、第１のカバー４Ｃと第２のカバー５Ｃとは、第２のカバー５Ｃが内側となるように重ね合わされた状態で、出入り口３３Ｃを覆うようにフィルム固定部材７Ｃによって横フレーム３１Ｃおよび縦フレーム３２Ｃに固定されている。フィルム固定部材７Ｃは、溝が連続して形成されたレール状の受け部材７１Ｃと、受け部材７１Ｃの溝にはめ込まれる弾性部材７２Ｃとで構成されており、受け部材７１Ｃの溝と弾性部材７２Ｃとでフィルム（シート状部材４０Ｃ，５０Ｃ）を挟み込んで固定する。なお、第２のカバー５Ｃは、第１のカバー４Ｃの外側に設けられていてもよい。

　まず、第１のカバー４Ｃの構成について説明する。第１のカバー４Ｃは、横方向に設けられた第１のファスナー４１Ｃと、縦方向に設けられた第２のファスナー４２Ｃとを備えており、第１のファスナー４１Ｃおよび第２のファスナー４２Ｃを操作することで、出入り口３３Ｃを開閉することができる。

　第１のファスナー４１Ｃは、スライドファスナーで構成されており、出入り口３３Ｃの上部において、横フレーム３１Ｃに沿って出入り口３３Ｃの幅方向（図４４における左右方向）の両端にわたって横方向に設けられている。また、第１のファスナー４１Ｃは、中央部で分割されることで一対の分割ファスナー４１１Ｃが構成されており、分割ファスナー４１１Ｃそれぞれが独立して開閉できるようにスライダー４１２Ｃを備えている。なお、各スライダー４１２Ｃが第１のファスナー４１Ｃの中央部にある場合、第１のファスナー４１Ｃが閉められた状態となり、各スライダー４１２Ｃが第１のファスナー４１Ｃの端部にある場合、第１のファスナー４１Ｃが開けられた状態となる。

　第２のファスナー４２Ｃは、スライドファスナーで構成されており、出入り口３３Ｃの中心線上において、第１のファスナー４１Ｃの中央部から第１のカバー４Ｃの下端にわたって縦方向に設けられている。なお、第２のファスナー４２Ｃのスライダー４２１Ｃが下端にある場合、第２のファスナー４２Ｃが閉められた状態となり、スライダー４２１Ｃが上端にある場合、第２のファスナー４２Ｃが開けられた状態となる。

　また、第１のファスナー４１Ｃおよび第２のファスナー４２Ｃは、第１のカバー４Ｃを構成するシート状部材４０Ｃを折り返して形成された折返し部４３Ｃに縫い付けられている。これにより、第１のファスナー４１Ｃおよび第２のファスナー４２Ｃとシート状部材４０Ｃとの接合部の強度を確保することができ、シート状部材４０Ｃの破損を防止することができる。

　次に、第２のカバー５Ｃは、第１のカバー４Ｃと同様の構成であり、横方向に設けられた第３のファスナー５１Ｃと、縦方向に設けられた第４のファスナー５２Ｃとを備えている（図４５参照）。

　第３のファスナー５１Ｃは、スライドファスナーで構成されており、出入り口３３Ｃの上部において、横フレーム３１Ｃに沿って出入り口３３Ｃの幅方向（図４５における左右方向）の両端にわたって横方向に設けられている。また、第３のファスナー５１Ｃは、中央部で分割されることで一対の分割ファスナー５１１Ｃが構成されており、分割ファスナー５１１Ｃそれぞれが独立して開閉できるようにスライダー５１２Ｃを備えている。なお、各スライダー５１２Ｃが第３のファスナー５１Ｃの中央部にある場合、第３のファスナー５１Ｃが閉められた状態となり、各スライダー５１２Ｃが第３のファスナー５１Ｃの端部にある場合、第３のファスナー５１Ｃが開けられた状態となる。

　第４のファスナー５２Ｃは、スライドファスナーで構成されており、出入り口３３Ｃの中心線上において、第３のファスナー５１Ｃの中央部から第２のカバー５Ｃの下端にわたって縦方向に設けられている。なお、第４のファスナー５２Ｃのスライダー５２１Ｃが下端にある場合、第４のファスナー５２Ｃが閉められた状態となり、第４のファスナー５２Ｃのスライダー５２１Ｃが上端にある場合、第４のファスナー５２Ｃが開けられた状態となる。

　また、第３のファスナー５１Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃは、第２のカバー５Ｃを構成するシート状部材５０Ｃを折り返して形成された折返し部５３Ｃに縫い付けられている。これにより、第３のファスナー５１Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃとシート状部材５０Ｃとの接合部の強度を確保することができ、シート状部材５０Ｃの破損を防止することができる。

　そして、上記第１，第２のファスナー４１Ｃ，４２Ｃおよび第３，第４のファスナー５１Ｃ，５２Ｃを操作することで、出入り口３３Ｃを開閉することができる。第１のファスナー４１Ｃおよび第２のファスナー４２Ｃを閉めた場合、第１のカバー４Ｃによって出入り口３３Ｃが閉じられる。したがって、農業用ハウス１Ｃ内の植物育成用の空間と外界との空気の出入りを遮断することができる。このとき、第３のファスナー５１Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃは、閉められた状態でもよいし、開けられた状態でもよい。

　また、第１のファスナー４１Ｃおよび第２のファスナー４２Ｃを開け、第３のファスナー５１Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃを閉めた場合、第２のカバー５Ｃのみによって出入り口３３Ｃが閉じられる。したがって、農業用ハウス１Ｃの通気性を確保しつつ農業用ハウス１Ｃ内への虫などの侵入を防止することができる。

　また、第１，第２のファスナー４１Ｃ，４２Ｃおよび第３，第４のファスナー５１Ｃ，５２Ｃを開けた場合、出入り口３３Ｃが開放され、人、農業機械などが農業用ハウス１Ｃに出入りすることができる。

　なお、農業用ハウス１Ｃに出入りする場合、必ずしも第１，第２のファスナー４１Ｃ，４２Ｃ、第３，第４のファスナー５１Ｃ，５２Ｃすべてを開ける必要はなく、状況に応じて一部のみを開けてもよい。例えば、人のみが農業用ハウス１Ｃに出入りする場合、第２のファスナー４２Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃの一部のみを開けることで形成された第１のカバー４Ｃおよび第２のカバー５Ｃの隙間から出入りすることができる。これにより、出入り口３３Ｃが不要に開放されることがないので、出入りする際における農業用ハウス１Ｃへの空気の出入り、および虫の侵入などを防止することができる。また、比較的大きな農業機械を農業用ハウス１Ｃに出入りさせる場合、第１，第２のファスナー４１Ｃ，４２Ｃ、第３，第４のファスナー５１Ｃ，５２Ｃすべてを開けることで、出入り口３３Ｃを大きく開放させることができ農業機械を出入りさせやすくなる。

　このように、本実施形態の農業用ハウス１Ｃの出入り口３３Ｃには、スライドファスナー（第１，第２のファスナー４１Ｃ，４２Ｃ、第３，第４のファスナー５１Ｃ，５２Ｃ）を操作することによって開閉するカバー（第１，第２のカバー４Ｃ，５Ｃ）が設けられている。従来の農業用ハウス１Ｃのように出入り口３３Ｃにスライドドアを用いた場合、スライドドアをスライドさせるためのレールが地面に設置されるので、レールに土などの異物が挟まりやすかった。しかし、本実施形態では第１，第２のカバー４Ｃ，５Ｃが垂直方向に設けられているので、第１，第２のファスナー４１Ｃ，４２Ｃ、第３，第４のファスナー５１Ｃ，５２Ｃに土などの異物が挟まり難く、異物による出入り口３３Ｃの開閉困難を防止することができる。

　また、第１のカバー４Ｃおよび第２のカバー５Ｃは、フィルム固定部材７Ｃのみで固定されているので、破損した場合に容易に交換することができメンテナンス性が高い。

　また、本実施形態の変形例として、図４６に示すように、第２のファスナー４２Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃを出入り口３３Ｃの縁（縦フレーム３２Ｃ）に沿って設けるように構成してもよい。第２のファスナー４２Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃは、出入り口３３Ｃの幅方向の一端（図４６における左端）において縦方向に設けられている。そして、第２のファスナー４２Ｃは第１のファスナー４１Ｃの一端（図４６における左端）に連続し、第４のファスナー５２Ｃは第３のファスナー５１Ｃの一端（図４６における左端）に連続する。また、第１のファスナー４１Ｃおよび第３のファスナー５１Ｃは、出入り口３３Ｃの幅方向の両端にわたって連続して形成されている。第１，第３のファスナー４１Ｃ，５１Ｃのスライダーが一端にある場合、第１，第３のファスナー４１Ｃ，５１Ｃが閉められた状態となり、スライダーが他端（図４６における右端）にある場合、第１，第３のファスナー４１Ｃ，５１Ｃが開けられた状態となる。

　さらに、図４７に示すように、第２のファスナー４２Ｃが第１のファスナー４１Ｃの一端に連続するよう一体に構成し、第４のファスナー５２Ｃが第３のファスナー５１Ｃの一端に連続するよう一体に構成してもよい。第１のファスナー４１Ｃと第２のファスナー４２Ｃとが一体に構成されることによって、共通のスライダー４４Ｃで開閉させることができる。同様に、第３のファスナー５１Ｃと第４のファスナー５２Ｃとが一体に構成されることによって、共通のスライダー５４Ｃで開閉させることができる。また、第１のファスナー４１Ｃと第２のファスナー４２Ｃとの連続部分、および第３のファスナー５１Ｃと第４のファスナー５２Ｃとの連続部分が湾曲するように形成されており、スライダー４４Ｃ，５４Ｃをスムーズに移動させることができる。

　また、上記変形例では、第２のファスナー４２Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃは、図４６、図４７における左側の縦フレーム３２Ｃに沿って設けられているが、右側の縦フレーム３２Ｃに沿って設けられていてもよい。また、第２のファスナー４２Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃを、左右両側の縦フレーム３２Ｃに沿って設け、第１のファスナー４１Ｃの両端に第２のファスナー４２Ｃが連続し、第３のファスナー５１Ｃの両端に第４のファスナー５２Ｃが連続するように構成してもよい。

　また、本実施形態では、第１，第２のファスナー４１Ｃ，４２Ｃおよび第３，第４のファスナー５１Ｃ，５２Ｃは、スライドファスナーで構成されているが、面ファスナーで構成されていてもよい。

　上記実施形態から明らかなように、本発明に係る第３０の形態の農業用ハウス１Ｃは、被覆材２Ｃとフレーム３Ｃと第１のカバー４Ｃとを備える。被覆材２Ｃは、透光性を有する。フレーム３Ｃは、内部に植物育成用の空間を形成するように被覆材２Ｃを支持する。第１のカバー４Ｃは、シート状部材４０Ｃで構成され、空間の出入り口３３Ｃを開閉するように構成される。また、第１のカバー４Ｃは、シート状部材４０Ｃを折り返して形成された折返し部４３Ｃに縫い付けられる第１のファスナー４１Ｃおよび第２のファスナー４２Ｃを有する。第１のファスナー４１Ｃは、出入り口３３Ｃの上部において横方向に設けられる。第２のファスナー４２Ｃは、第１のカバー４Ｃの下端から第１のファスナー４１Ｃまで縦方向に設けられる。

　第３０の形態の農業用ハウス１Ｃは、出入り口３３Ｃの上部において横方向に設けられる第１のファスナー４１Ｃと、縦方向に設けられる第２のファスナー４２Ｃとを有する第１のカバー４Ｃで出入り口を開閉している。したがって、農業用ハウス１Ｃは、第１のファスナー４１Ｃ、第２のファスナー４２Ｃに土などの異物が挟まり難く、異物による出入り口３３Ｃの開閉困難を防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第３１の形態の農業用ハウス１Ｃは、第３０の形態において、第２のファスナー４２Ｃは、出入り口３３Ｃの中心線上に設けられ、第１のファスナー４１Ｃの中央部に連続する。

　第３１の形態の農業用ハウス１Ｃは、出入り口３３Ｃを不要に開放することなく出入りすることができ、出入りする際における農業用ハウス１Ｃへの空気の出入り、および虫の侵入などを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第３２の形態の農業用ハウス１Ｃは、第３１の形態において、第２のファスナー４２Ｃは、出入り口３３Ｃの縁に沿って設けられ、第１のファスナー４１の一端に連続する。

　第３２の形態の農業用ハウス１Ｃは、出入り口３３Ｃを不要に開放することなく出入りすることができ、出入りする際における農業用ハウス１Ｃへの空気の出入り、および虫の侵入などを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第３３の形態の農業用ハウス１Ｃは、第３０～第３２の形態のうちいずれか１つの形態において、第１のカバー４Ｃの内側または外側に設けられ、メッシュ部を有するシート状部材５０Ｃで構成される第２のカバー５Ｃを備える。第２のカバー５Ｃは、第３のファスナー５１Ｃおよび第４のファスナー５２Ｃを有する。第３のファスナー５１Ｃは、出入り口３３Ｃの上部において横方向に設けられる。第４のファスナー５２Ｃは、第２のカバー５Ｃの下端から第３のファスナー５１Ｃまで縦方向に設けられる。

　第３３の形態の農業用ハウス１Ｃは、農業用ハウス１Ｃの通気性を確保しつつ農業用ハウス１Ｃ内への虫などの侵入を防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第３４の形態の農業用ハウス１Ｃは、第３３の形態において、第４のファスナー５２Ｃは、出入り口３３Ｃの中心線上に設けられ、第３のファスナー５１の中央部に連続する。

　第３４の形態の農業用ハウス１Ｃは、出入り口３３Ｃを不要に開放することなく出入りすることができ、出入りする際における農業用ハウス１Ｃへの虫の侵入などを防止することができるという効果がある。

　また、本発明に係る第３５の形態の農業用ハウス１Ｃは、第３３の形態において、第４のファスナー５２Ｃは、出入り口３３Ｃの縁に沿って設けられ、第３のファスナー５１Ｃの一端に連続する。

　第３５の形態の農業用ハウス１Ｃは、出入り口３３Ｃを不要に開放することなく出入りすることができ、出入りする際における農業用ハウス１Ｃへの虫の侵入などを防止することができるという効果がある。

　なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。また、上述した実施形態の構成要素のいずれかを組み合わせることで本発明を実現してもよい。

Claims

　互いに対向する一対の側壁と一対の前記側壁の上端同士を繋ぐ屋根とが奥行方向に延長されたハウス本体と、
　前記ハウス本体の内側に前記屋根に沿って設けられ、前記奥行方向に延長されている支持部に支持され、前記奥行方向に沿って開閉する第１のカーテンと、
　上端部が前記第１のカーテンの下端部と重なり、下端部が前記第１のカーテンの下端部よりも下に位置する第２のカーテンとを備える
　ことを特徴とする農業用ハウス。
　一対の前記側壁に設けられ、上端部が前記第２のカーテンの下端部と重なり、下端部が上下方向に沿って移動する第３のカーテンを備える
　ことを特徴とする請求項１記載の農業用ハウス。
　前記第２のカーテンの下端部と前記第３のカーテンの上端部とが連続して一体に形成される
　ことを特徴とする請求項２記載の農業用ハウス。
　前記屋根の幅方向における両方の端部それぞれに沿って設けられる複数の端支持部と、
　前記端支持部に沿って奥行方向に移動自在であって、前記第１のカーテンの幅方向における端部を吊り下げるように構成される吊下げ部材とをさらに備える
　ことを特徴とする請求項１乃至３のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
　前記端支持部は、線状部材で構成され、
　前記吊下げ部材は、前記端支持部上を奥行方向に移動自在である滑車を有する
　ことを特徴とする請求項４記載の農業用ハウス。
　前記端支持部は、カーテンレールで構成され、
　前記吊下げ部材は、前記カーテンレールに沿って奥行方向に移動自在であるランナーを有する
　ことを特徴とする請求項４記載の農業用ハウス。
　前記第１のカーテンを開閉させる第１の開閉装置を備え、
　前記第１の開閉装置は、
　前記第１のカーテンを前記奥行方向に移動させる無端の第１の紐体と、
　前記奥行方向の一端側に配置され、前記第１の紐体が掛け回される第１の回転ドラムと、
　前記奥行方向の他端側に配置され、前記第１の紐体が掛け回される折返し部と、
　前記第１の回転ドラムと前記第１の紐体との間に摩擦力を付与する摩擦力付与部とを有し、
　前記第１の回転ドラムおよび前記折返し部は前記屋根に沿って配置され、
　前記第１のカーテンは、前記奥行方向の一端が固定され、前記奥行方向の他端が前記第１の紐体に結合され、
　前記第１の回転ドラムの回転方向に応じて、前記第１のカーテンの他端が前記奥行方向に移動する
　ことを特徴とする請求項１乃至６のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
　前記摩擦力付与部は、前記第１の紐体に張力を与えるように前記折返し部を引っ張る弾性部材で構成される
　ことを特徴とする請求項７記載の農業用ハウス。
　前記第１のカーテンの閉状態を検知する閉検知スイッチと、
　前記第１のカーテンの開状態を検知する開検知スイッチと、
　前記第１の紐体と一体に設けられ、前記第１のカーテンが閉状態となる位置で前記閉検知スイッチの第１の操作部に接触して接点を反転させる第１の接触部材と、
　前記第１の紐体と一体に設けられ、前記第１のカーテンが開状態となる位置で前記開検知スイッチの第２の操作部に接触して接点を反転させる第２の接触部材とを備える
　ことを特徴とする請求項７または８記載の農業用ハウス。
　前記第１の接触部材および前記第２の接触部材は、前記第１の紐体の移動方向に沿った方向に弾性を有する
　ことを特徴とする請求項９記載の農業用ハウス。
　前記閉検知スイッチの前記第１の操作部は、前記第１の紐体の移動方向に沿った方向に弾性を有し、
　前記開検知スイッチの前記第２の操作部は、前記第１の紐体の移動方向に沿った方向に弾性を有する
　ことを特徴とする請求項９または１０記載の農業用ハウス。
　前記閉検知スイッチの前記第１の操作部は、接点を反転させる第１の押しボタンと、前記第１の接触部材と接触可能に構成され、前記第１の紐体の移動方向に沿った方向に弾性を有し前記第１の押しボタンを操作する第１のレバーとを備え、
　前記開検知スイッチの前記第２の操作部は、接点を反転させる第２の押しボタンと、前記第２の接触部材と接触可能に構成され、前記第１の紐体の移動方向に沿った方向に弾性を有し前記第２の押しボタンを操作する第２のレバーとを備える
　ことを特徴とする請求項９乃至１１のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
　前記閉検知スイッチが前記第１のカーテンの閉状態を検知した場合、または前記開検知スイッチが前記第１のカーテンの開状態を検知した場合、前記第１の回転ドラムの回転を停止させて前記第１のカーテンの開閉動作を停止させる制御回路を備え、
　前記制御回路は、前記第１の回転ドラムの回転停止後、前記第１の回転ドラムを逆回転させる指示が入力されるまで前記第１の回転ドラムの回転停止を継続する
　ことを特徴とする請求項９乃至１２のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
　前記第１の接触部材が前記閉検知スイッチから離れる方向に所定以上の力が加えられるまで、前記第１の接触部材と前記閉検知スイッチとの接触状態を保持する第１の跳ね返り防止部材と、
　前記第２の接触部材が前記開検知スイッチから離れる方向に所定以上の力が加えられるまで、前記第２の接触部材と前記開検知スイッチとの接触状態を保持する第２の跳ね返り防止部材とを備える
　ことを特徴とする請求項９乃至１３のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
　前記第１の跳ね返り防止部材および前記第２の跳ね返り防止部材は、磁石で構成される
　ことを特徴とする請求項１４記載の農業用ハウス。
　前記第１の開閉装置は、
　前記第１の回転ドラムの上方または下方に配置され、前記第１の紐体が掛け回され、前記第１の紐体の移動方向を変更させる滑車を備え、
　前記閉検知スイッチおよび前記開検知スイッチは、前記滑車と前記折返し部との間に設けられる
　ことを特徴とする請求項９乃至１５のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
　前記閉検知スイッチおよび前記開検知スイッチは、前記滑車または前記折返し部に対して定位置に固定される
　ことを特徴とする請求項１６に記載の農業用ハウス。
　前記第１のカーテンを開閉させる第２の開閉装置を備え、
　前記第２の開閉装置は、
　前記第１のカーテンの前記奥行方向の一端である自由端に結合された第２の紐体を巻き取ることにより、前記自由端を奥行方向に移動させる第２の回転ドラムと、
　前記第２の回転ドラムと前記自由端との間で前記第２の紐体が掛け回される第１滑車と、
　前記第２の回転ドラムと前記第１滑車との間で前記第２の紐体が掛け回される第２滑車とを有し、
　前記第２の回転ドラムおよび前記第１滑車は前記屋根に沿って配置されており、
　前記第２滑車は、前記第２の回転ドラムおよび前記第１滑車の下方に配置されている
　ことを特徴とする請求項１乃至６のうちいずれか１項に記載の農業用ハウス。
　前記第２の回転ドラムおよび前記第１滑車の下方には、前記第２滑車および前記第２の紐体の周囲を囲むように柵が設けられており、
　前記第２滑車は前記柵に固定されている
　ことを特徴とする請求項１８に記載の農業用ハウス。
　互いに対向する一対の側壁と一対の前記側壁の上端同士を繋ぐ屋根とが奥行方向に延長されたハウス本体の内側に前記屋根に沿って設けられ、前記奥行方向に延長されている支持部に支持され、前記奥行方向に沿って開閉するカーテンを開閉する開閉装置であって、
　前記カーテンを前記奥行方向に移動させる無端の第１の紐体と、
　前記奥行方向の一端側に配置され、前記第１の紐体が掛け回される第１の回転ドラムと、
　前記奥行方向の他端側に配置され、前記第１の紐体が掛け回される折返し部と、
　前記第１の回転ドラムと前記第１の紐体との間に摩擦力を付与する摩擦力付与部とを有し、
　前記第１の回転ドラムおよび前記折返し部は前記屋根に沿って配置され、
　前記カーテンは、前記奥行方向の一端が固定され、前記奥行方向の他端が前記第１の紐体に結合され、
　前記第１の回転ドラムの回転方向に応じて前記第１の回転ドラムから前記第１の紐体が引き出され、前記カーテンの他端が前記奥行方向に移動する
　ことを特徴とする開閉装置。
　前記摩擦力付与部は、前記第１の紐体に張力を与えるように前記折返し部を引っ張る弾性部材で構成される
　ことを特徴とする請求項２０記載の開閉装置。
　互いに対向する一対の側壁と一対の前記側壁の上端同士を繋ぐ屋根とが奥行方向に延長されたハウス本体の内側に前記屋根に沿って設けられ、前記奥行方向に延長されている支持部に支持され、前記奥行方向に沿って開閉するカーテンを開閉する開閉装置であって、
　前記カーテンの前記奥行方向の一端である自由端に結合された第２の紐体を巻き取ることにより、前記自由端を奥行方向に移動させる第２の回転ドラムと、
　前記第２の回転ドラムと前記自由端との間で前記第２の紐体が掛け回される第１滑車と、
　前記第２の回転ドラムと前記第１滑車との間で前記第２の紐体が掛け回される第２滑車とを有し、
　前記第２の回転ドラムおよび前記第１滑車は前記屋根に沿って配置されており、
　前記第２滑車は、前記第２の回転ドラムおよび前記第１滑車の下方に配置されている
　ことを特徴とする開閉装置。