WO2015053288A1

WO2015053288A1 - 容器蓋の外付け部材

Info

Publication number: WO2015053288A1
Application number: PCT/JP2014/076855
Authority: WO
Inventors: 黒沢　高博; 俊行荒井
Original assignee: 東洋製罐株式会社
Priority date: 2013-10-08
Filing date: 2014-10-07
Publication date: 2015-04-16
Also published as: EP3056450B1; EP3056450A1; US10266323B2; JP6458735B2; KR101922312B1; JPWO2015053288A1; CN105612109A; US20160244227A1; KR20160067949A; EP3056450A4; CN105612109B

Abstract

　容器蓋に装着される情報伝達部材付きの外付け部材（外蓋材）について、容器蓋の開栓と情報伝達部材の破壊とを一連の操作で行うこと。　開閉カバー（３）と外カバー（４）との相対的回転移動により、開閉カバー（３）を上昇させてＩＣタグ（４０）の所定の部位を破壊するとともにタンパーエビデント裾部（３８）を切り離して外カバー（４）を開閉カバー（３）から外し、開閉カバー（３）を横開きすることによって開閉カバー（３）を容器蓋から脱離可能にした。

Description

容器蓋の外付け部材

　本発明は、容器内の内容物の製品情報などを知らせるＩＣタグなどの情報伝達部材を、後付けによって容器蓋に取付けが可能である容器蓋の外付け部材に関する。

　最近では、ＩＣタグを用いた情報表示の技術が利用されるようになってきた。ＩＣタグとは、ＲＦＩＤ(Radio　Frequency　Identification)とも呼ばれるものであり、所定の情報が記憶されたＩＣチップを無線アンテナとともに樹脂やガラス等の誘電体材料に埋め込んでタグ（荷札）状に形成した超小型の通信端末である。このようなＩＣタグは、無線通信により、ＩＣチップに記憶された製品情報を読取るものであり、例えばＩＣチップのメモリには、数百バイトのデータを記録することができ、生産者情報や多くの製品情報を記録できるという利点がある。また、作業者は、非接触で記録された情報をＩＣタグから読取ることができ、ＩＣタグは接触による摩耗などの問題もなく、さらには、商品の形態に併せた形状に加工したり、小型化、薄型化なども可能であるという利点がある。
　例えば、特許文献１には、容器口部に装着される容器蓋を覆う外付けの外蓋材に連結された上蓋を開封した時、外蓋材に設けられているアンテナ回路が切断され、これにより、開封の事実を認識できることが開示されている。この特許文献１は、ＩＣタグから生産者情報や製品情報を読取ったり、ＩＣタグの回路が切断されているという事実を外部読取り装置により検知することにより、開封の事実を認識したりするものであるが、未だ解決すべき課題が残されている。

特開２０１１－２１３３７８号公報

　特許文献１の手段では、容器口部をシールしている容器蓋とは別個に設けられた外蓋材にＩＣタグが設けられている。外蓋材の開封操作は、該外蓋材の上蓋を開封しＩＣタグの破壊操作を行ってから、さらに、外蓋材の外周壁に形成されたスコアを破断して容器蓋から外蓋材を取り除く必要がある。このように、特許文献１の手段では、容器蓋を表面に露出させるまでの動作が複雑であり、外蓋材の開封に手間がかかり、開封操作を詳しくユーザーに知らせしめる必要もある。こうした欠点を補うため、さらなる改善が求められている。
　また、特許文献１の外蓋材は、容器口部に装着される容器蓋と対になって用いるものであり、容器蓋の径や高さが異なると外蓋材はそのような容器蓋に適合するものでない。また、情報伝達部材を備えていない一般の容器蓋に、情報伝達部材を備えている外蓋材を後付けできるようにすれば、購買者などが製品情報などを知ることができ便利である。
　なお、情報表示用や真贋判定用などの情報伝達部材は、ＩＣチップやホログラムなどがある。

　従って、本発明の目的は、容器蓋に被される情報付きの外付け部材（外蓋材）について、汎用性があり、多少の容器蓋若しくは容器の寸法が異なっていても、後付けが可能であり、また、容器蓋までの開栓と情報伝達部材の破壊が回転動作のみの一連の操作で簡単かつ容易に行うことを可能とする容器蓋の外付け部材を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明の容器蓋の外付け部材は、容器蓋の上面と外周面を覆い、横方向への横開きが可能であり、閉じ状態にあるとき前記容器蓋若しくは容器に係合して上方への移動が規制される係止部を内周面に形成した開閉カバーと、該開閉カバーの上面と外周面の少なくとも上部側を覆い、前記開閉カバーが閉じ状態にあるとき、前記開閉カバーの規制部に係止されるタンパーエビデント裾部を有する外カバーと、前記開閉カバーと前記外カバーのいずれかに取付けられる情報伝達部材とを設け、前記開閉カバーと前記外カバーとの回転移動により、前記タンパーエビデント裾部を切り離して外カバーを開閉カバーから外し、前記開閉カバーを横開きすることによって該開閉カバーを前記容器蓋から脱離可能にした。
　上記容器蓋の外付け部材の前記情報伝達部材は前記開閉カバーの天板の上面に設けられ、前記外カバーの頂板の下面にはカッターが設けられ、前記開閉カバーを前記頂板側に上昇させて前記カッターによって前記情報伝達部材の所定の部位を破壊することができる。
　上記容器蓋の外付け部材の前記開閉カバーは、容器蓋の上面を覆う天板と、該天板の外周部から降下し容器蓋の周面を覆う周壁とを備え、該周壁の一周壁部には上下に延びるヒンジ部を形成し、該ヒンジ部によって前記開閉カバーを横開き可能にすることができる。
　上記容器蓋の外付け部材の前記開閉カバーの周壁には、該開閉カバーを上下に分離する分離部を形成し、前記開閉カバーの外周面と前記外カバーの内周面には、前記回転移動を介して前記分離部を破断して前記開閉カバーを上下に分離するとともに、分離された開閉カバーの間隔を上下方向に拡げる分離手段を形成し、上下に分離された前記開閉カバーが該分離部の間隔を拡げることによって、前記タンパーエビデント裾部を切り離すことができる。
　上記容器蓋の外付け部材の前記分離手段は、前記開閉カバーの破断前に、前記天板と前記頂板との間隔を相対的に近接させることによって、前記カッターが前記情報伝達部材を破壊することができる。
　上記容器蓋の外付け部材の前記分離手段は、前記外カバーの内周面に形成された突部と、前記開閉カバーの外周面に形成されたガイド面であって、該ガイド面は前記突部の位置から前記開閉カバーの周方向の下側へ傾斜若しくは湾曲するように形成できる。
　上記容器蓋の外付け部材の前記開閉カバーの分離部には、前記回転移動に伴って前記分離手段と協働して、前記開閉カバーの分離部の間隔を拡げる案内部を形成することができる。
　上記容器蓋の外付け部材の前記真贋判定部材がＩＣタグ又はホログラムであることが好ましい。
　また、本願発明の容器蓋の外付け部材は、容器蓋の上面を覆う天板と、該天板の外周部から降下し容器蓋の周面を覆う周壁とを備え、該周壁の一周壁部には上下に延びるヒンジ部を形成することによって、該ヒンジを回転中心として横開きが可能な開閉カバーであって、該開閉カバーが閉じ状態にあるとき、前記容器蓋若しくは容器に係合する係止部を前記周壁の内周面に形成した。
　なお、開閉カバーの横開きとは、ヒンジを設けて横開きする場合と、開閉カバーを２分割して横開きする場合を含む。

　本発明の容器蓋の外付け部材は、情報伝達部材を備えていない容器の容器蓋にＩＣタグを装着した外付け部材を、製品完成後に後付けできる。外付け部材は外カバーと開閉カバーを相対的に逆回転させる１動作にて、ＩＣタグの任意の部位を破壊するとともに、外カバー及び開閉カバーを外すことができる。また、外カバーと開閉カバーのみの構成によるので、部品点数の削減が可能である。

本発明の実施形態による容器蓋の外付け部材を装着した容器の全体正面図である。図１の容器蓋を取付けた容器とから外付け部材を外した状態を示す正面図である（ただし、外カバーは断面図で開閉カバーはヒンジを切断した状態を示す）。図１の容器蓋の外付け部材を開閉カバー、ＩＣタグ、外カバーに分解した状態の斜視図である。図３の開閉カバーの上部側を斜め下方から見た斜視図である。容器蓋の外付け部材が開閉カバーに外カバーを装着した状態であって、外カバーを断面とした状態の外付け部材の正面図である。図３の開閉カバーを横開きした状態の斜め上方から見た状態の斜視図である。図３の開閉カバーの上体を斜め上方から見た斜視図である。図２の外カバーを斜め下方から見た状態の斜視図である。図３の実施例によるＩＣタグの斜視図である。図５の容器蓋の外付け部材のＩＣタグが破壊される状態の正面図（外カバーは断面である）である。図１０の容器蓋の外付け部材の分離部（橋絡部）が破断された状態の正面図（外カバーは断面である）である。本発明の容器蓋における外付け部材の変形例としての外カバー及び開閉カバーを上方から見た斜視図であり、Ａはカッターとカッターが差し込まれる長孔を逆に形成した例、Ｂはカッターを外カバーの中心に配置した例、Ｃはカッターを開閉カバーの中心に配置した例の斜視図である。本発明の容器蓋の外付け部材の情報伝達部材をホログラムにした例の分解斜視図である。図１３の容器蓋の外付け部材を側面方向から見た断面図である。

　以下、本発明の実施形態における容器蓋の外付け部材について図面を参照しながら説明する。
　図１は、容器６の容器蓋５に外付け部材２が被せられた状態の正面図、図２は、容器６から外付け部材２を外した状態の分解正面図（開閉カバー３を２つに切断した状態にしている）、図３は、開閉カバー３を閉じた状態の外付け部材２とＩＣタグ４０の分解斜視図、図４は開閉カバー３の上部側を斜め下方から見た斜視図、図５は外カバーを断面とした状態の外付け部材の正面図である。
　本発明に係る容器蓋の外付け部材２は、容器に被せられている容器蓋５の外側に装着されるものであり、真贋判定や情報表示に用いられる情報伝達部材としてのＩＣタグ４０、若しくはホログラム４１（図１３、図１４参照）などを容器蓋５に後付けするために用いることができる。
　図１～図５を参照にして、合成樹脂からなる外付け部材２は、開閉カバー３と外カバー４とからなる。開閉カバー３は、容器蓋５に被せられたときに容器蓋５の上面を覆う天板９と、該天板９の外周部から降下し容器蓋の周面を覆う周壁１０を備えている。そして、図６に示すように、開閉カバー３はヒンジ１７によって横開きに開閉可能であるが、最初は閉じた状態で説明する。

　開閉カバー３の天板９は円板形状であり、半径方向のほぼ中間位置に下方に窪む長円孔１２が３箇所に形成されている。３つの長円孔１２は長円形状であって、周方向に１２０度間隔で形成されている。この長円孔１２は貫通孔であってもよいし、有底の溝形状であってもよい。
　天板９の外周部には位置決め溝２２、嵌入溝１８、ストッパ部１９とが形成されている。位置決め溝２２は、後述する外カバー４（図８参照）の内周面に形成されている突部３５を位置決めするものであり、嵌入溝１８は、外カバー４に形成されているスペーサ３２を嵌入するものである。
　なお、スペーサ３２、突部３５の詳細については後述する。

　特に図５を参照にして、開閉カバー３の周壁１０は円筒形状であり、その上部側には、開閉カバー３を上方側の上体部Ａと下方側の下体部Ｂに分離する脆弱部である分離部１４を形成している。これらの上体部Ａと下体部Ｂは柱状の複数の橋絡部１５（図４，図５参照）によって連結され、橋絡部１５間はスリットになっている。よって、上下（若しくは斜め）方向の外力を負荷することによって橋絡部１５は切断される。
図７は、分離部１４が切断された開閉カバー３の上体部Ａのみを示している。上体部Ａの周壁１０側は下方に突出する凸部２０ｂとそれらの間に凹部２０ａが形成されている凹凸形状である。凸部２０ｂの先（下）端側の左右両端部には、凸部２０ｂの中央側へ向かって下側に傾斜するように切欠部２０ｃが形成されている。
　また、上体部Ａには、肉厚のガイド部２１が３箇所に１２０度間隔で形成され、ガイド部２１の間には位置決め溝２２が形成されている。このガイド部２１は、周壁１０の外周面側の基準面から半径方向外側に突出している。詳しくは、ガイド部２１は逆台形形状であって、凸部２０ｂの周方向中心位置に対して左右対称である。ガイド部２１の斜辺は位置決め溝２２から周壁１０の周方向へ斜め下方に傾斜（若しくは湾曲）する下向きガイド面２１ａとなっている。このような、ガイド面２１ａは位置決め溝２２の周方向の左右両端側に６箇所形成されている。

　下体部Ｂは、上端側に上方へ突出する凸部２３ｂを等間隔で３箇所形成し、隣り合う凹部２３ｂの間に凹部２３ａが形成されている凹凸形状を有する。凸部２３ｂは、上体部Ａの凹部２０ａの内部に位置し、凹部２３ａの内部に凸部２０ｂが位置し、上述した橋絡部１５で連結されている。凸部２３ｂの上部側の左右両端部には、湾曲した案内部２３ｃが形成されている。
　下体部Ｂの外周部には、半径方向の外側へ突出する環状の規制部２５が形成され、規制部２５には、外カバー４のタンパーエビデント裾部３８に形成されているフラップ３９（図５、図８参照）が係止される。開閉カバー３の規制部２５よりも下側は、徐々に減径するように形成している。

　図６を参照にして、下体部Ｂの内周面には段差が設けられた係止部２６が形成され、係止部２６を境にして上方側が薄肉となって、下方側が厚肉となっている。係止部２６が形成される箇所は、容器蓋５の円筒壁の下向きの下端面４３（図２参照）の直下に係止部２６の上向きの段差面が位置するように形成する。若しくは、容器側にいわゆるネックリングと呼ばれる環状リングがある場合は、環状リングの下面に係止部２６が位置するようにしてもよい。
　このような開閉カバー３は横開きが可能である。すなわち、周壁１０の係止部２６よりも上部から天板９よりも下部の周壁１０にわたって薄肉部からなるヒンジ１７が形成されている。そして、開閉カバー３のヒンジ１７の下部、天板９の中心とヒンジ１７を結ぶ天板９の直径方向、及びヒンジ１７に対して天板９の直径方向に対向する周壁１０の上下方向に切断部を形成し、ヒンジ１７を回動中心として開閉カバー３は横開きが可能である。

　図８に示すように、外カバー４は、円板形状の頂板３０と該頂板３０の外周部から降下するスカート壁３１を備えている。外カバー４は、開閉カバー３の閉塞状態で開閉カバー３の上部側を覆うものであり、外カバー４の頂板３０とスカート壁３１の内周面との境界部分には、スペーサ３２が形成されている。スペーサ３２は、頂板３０の周方向に等角度間隔で６箇所形成され、頂板３０の下面よりも下方側に突出している。したがって、外カバー４を開閉カバー３に被せたときにスペーサ３２の厚さ分だけ天板９と頂板３０との間に隙間を形成する。
　外カバー４の頂板３０の下面にはカッター３３が、頂板３０の周方向に３箇所形成されている（図８では１箇所のみ示す）。カッター３３は、開閉カバー３の天板９に形成されている長円孔１２（図３）の位置に対応させて設けられ、カッター３３をは長円孔１２に挿入して、ＩＣタグ４０（図３）の破壊が可能である。

　外カバー４の内周面には、半径方向内側に突出する突部３５を周方向に等間隔で３箇所形成している。突部３５は、位置決め溝２２に差し込み可能であり、突部３５を形成する高さが重要である。すなわち、外カバー４が開閉カバー３に被せられた状態で、ガイド面２１ａ（図４）の上端位置と同じ高さに位置させ、外カバー４の回転時に突部３５がガイド面２１ａに案内される必要がある。なお、このガイド面２１ａと突部３５で分離部１４を破断する分離手段を形成する。
　外カバー４のスカート壁３１の下部には、周方向にスリット３６が形成され、スリット３６間にはブリッジ３７が形成されている。スリット３６よりも下部には、タンパーエビデント裾部３８が形成されている。そして、スカート壁３１の下部には段差部３１ａが形成され、段差部３１ａよりも下部は、外カバー４の内径が僅かに拡径されている。タンパーエビデント裾部３８の内周面側の下端部には、下端から上方へ延び、先端部がやや半径方向内側へ突出するフラップ３９が多数形成されている。図５に示すように、フラップ３９は外カバー４が開閉カバー３に被せられたときに、開閉カバー３の規制部２５を乗り越えるときに垂直方向に曲げられ、それを乗り越えたときにフラップ３９の先端が弾性力で内方側へ戻されて規制部２５の下面に当接する。

　図９は、開閉カバー３の天板９の上面に貼り付けられるフィルム状のＩＣタグ４０を示す。ＩＣタグ４０は、円形状の厚さの薄い樹脂製のフィルム基材４０ａ、記録媒体を有するＩＣチップ４０ｂ，ＩＣチップ４０ｂに接続されている情報送受信用のアンテナ４０ｃ、同じくＩＣチップ４０ｂから引き出されたリード線４０ｄを備えている。
　このようなＩＣチップ４０ｂには、既に述べた通り、包装容器に充填されている内容物に関する情報（例えば生産者、製造業者、生産年月日、出荷日時など）や容器、キャンペンに関する情報などが入力されている。また、後から情報を書き換えたり、書き換えを禁止するものなどがある。
　ＩＣタグ４０は、アンテナ４０ｃを破壊した場合は、読取器側と送信が不通となるが、リード線４０ｄを切断したような場合は、アンテナ４０ｃによって送信ができるので、リード線４０ｄの切断前と切断後にＩＣチップ４０ｂ内にて電気的変化を生じさせることによって、記録データを変更したり、記録データの一部のみ送信可能にさせることもできる。
　例えば、前者のアンテナ４０ｃを切断させるときは、アンテナ４０ｃの位置と、カッター３３の位置を一致させ、リード線４０ｄを切断させるときは、リード線４０ｄの位置とカッター３３の位置を一致させる。

　次に、外付け部材２の容器（又は容器蓋）への装着について説明する。
　外付け部材２の容器への装着は、開閉カバー３の容器蓋（容器）への取付けと外カバー４の開閉カバー３への打栓がある。まず、開閉カバー３の装着について説明する
［開閉カバーの装着］
　容器６には容器蓋５が被せられ、これらの容器６と容器蓋５にはいずれも、ＩＣタグなどの情報伝達部材などは、装着されていない。
　外付け部材２を容器蓋付き容器６に装着させるには、開閉カバー３をヒンジ１７を軸にして横開きに開いて（図６の状態）、容器６の側面方向から、開閉カバー３を被せる（図２のように、開閉カバー３を２分割に切断しない）。このとき、開閉カバー３の係止部２６（図６）を容器蓋５の円筒壁の下端部４３（図２）の下に位置させて、開閉カバー３を閉じる。すると、係止部２６が容器蓋５の下端部４３に規制されて、開閉カバー３の上方への移動は規制され、下方への移動は、天板９が容器蓋５の天面に規制され、開閉カバー３が閉塞した状態では開閉カバー３が抜けることがない。なお、本実施形態では示していないが、開閉カバー３が閉塞状態になったとき、接合部の一方に爪を形成し、他方に凹部を形成し爪を凹部に引っかけて、開閉カバー３の閉塞状態を維持させてもよい。
　次に、開閉カバー３を閉塞した状態で、ＩＣタグ４０を天板９の表面に貼着する。ＩＣタグ４０は、開閉カバー３の天板９において、半割の片方側にのみ貼着し、ＩＣタグ４０の片側はフリー状態であってもよい。この場合は、開閉カバー３を容器６に装着させる前にＩＣタグ４０を天板９に装着できる。

　［外カバーの打栓］
　次に、外カバー４の打栓を行う。
　図３，図５，図８を参照にして、打栓をするにあたり、先ず、外カバー４を開閉カバー３の所定位置に位置合わせする。詳しくは、外カバー４の内周面にある３箇所の突部３５を位置決め溝２２の上部側にくるように位置合わせをして、そのまま外カバー４を下げる。すると、各突部３５は位置決め溝２２に入り込むようにして、外カバー４を開閉カバー３に装着できる。そして、外カバー４のタンパーエビデント裾部３８が開閉カバー３の規制部２５に達すると、フラップ３９の先端側が外側（外カバーの内周面側）に開く。フラップ３９の先端が規制部２５を乗り越えると、フラップ３９の先端側が内側に閉じ、フラップ３９の先端が環状の規制部２５の下部に係止される。こうして、外カバー４は開閉カバー３から外れることが防止されるとともに、開閉カバー３が横開きすることが防止される。

　この開閉カバー３に外カバー４が被せられた状態では、上述したように３箇所の突部３５が位置決め溝２２に位置させている。一方、外カバー４が被せられ、規制部２５の肩部が外カバー４の段差部３１ａに当接すると、外カバー４の下方への移動が規制され、天板９と頂板３０との間に隙間Ｓ１（図５参照）が形成される。この隙間Ｓ１が形成されることによって、それらの間に配設されているＩＣタグ４０が破損することがない。また、この打栓状態では、外カバー４のカッター３３がそれぞれ対応する長円孔１２（及びＩＣタグ４０）の直上方に位置し、カッター３３の先端とＩＣタグ４０との隙間は小さい。
　こうして、容器蓋の外付け部材２は、容器６（または容器蓋５）に装着される。よって、販売者はＩＣタグが取付けられていない容器について、後付けによって、ＩＣタグ４０を装着できる。そして、販売者は販売前及び販売時に、購入者は購入時及び購入後に読取り装置などで、ＩＣチップ４０の情報を読取ることができる。

　次に、外付け部材２の容器６（または容器蓋５）からの取り外しについて説明する。
　外付け部材２の容器６からの取り外しは、開閉カバー３と外カバー４を周方向へ相対的に回転させて取り外しができる。その１つの回転動作で、ＩＣタグ４０の破壊、上体部Ａと下体部Ｂとの間における分離部１４の破断、タンパーエビデント裾部３８の破断を連続動作で行うことが本発明の作用効果における重要な特徴である。

　［ＩＣタグの破壊］
　外カバー４の開閉カバー３からの取り外しは、開閉カバー３と外カバー４を周方向へ相対的に回転させて取り外しができ、周方向であれば左右方向のいずれに回転させてもよい。
　通常時では、開閉カバー３に外カバー４を打栓させた状態（初期位置）にて、外カバー４の内周面に形成された突部３５が開閉カバー３の位置決め溝２２に配置されている。この状態では、突部３５の左右両側に厚肉のガイド部２１があるので、開閉カバー３と外カバー４を相対的に回転させると突部３５がガイド部２１に形成されたガイド面２１ａに接触する。
　このように、開閉カバー３と外カバー４を周方向へ相対的に逆回転させると、突部３５の傾斜面の先端部が左右にあるガイド部２１のいずれかのガイド面２１ａの下に入り込み、その後、ガイド面２１ａに沿って摺動する。ガイド面２１ａは周方向下側に傾斜しているので、開閉カバー３の上体部Ａ側が頂板３０側に持ち上げられ、橋絡部１５が伸びる。その際、スペーサ３２がストッパ部１９から周方向に離れて嵌入溝１８若しくは位置決め溝２２に入り込むため、天板９は頂板３０に接触するまで上昇可能となる。
　これと同時にカッター３３が長円孔１２に入り込み、ＩＣタグ４０がカッター３３によって破壊される。

［分離部（橋絡部）の破断］
　そして、開閉カバー３と外カバー４が、さらに反対方向に回転することによって、突部３５が開閉カバー３の分離部１４よりも上側の上体部Ａを上方に押し上げようとする。その一方、タンパーエビデント裾部３８のフラップ３９が規制部２５に係止されているので、それらがさらに回転することによって、上体部Ａと下体部Ｂとの間の橋絡部１５が伸び、やがて、破断する。こうして、橋絡部１５を破断することによって、上体部Ａと下体部Ｂとが分離される。
　なお、この時点では、スペーサ３２が嵌入溝１８若しくは位置決め溝２２に入り込んでいるため、外カバー４と上体部Ａは同じ方向へ回転することができる。

　［ブリッジの破断］
　橋絡部１５が破断された後、その後さらに開閉カバー３と外カバー４を周方向へ相対的に逆回転させると、切欠部２０ｃが案内部２３ｃに乗り上げて案内されることで、天板９（上体部Ａ）が頂板３０を押し上げる。長板３０を押し上げると、タンパーエビデント裾部３８のフラップ３９が規制部２５に係止されているので、タンパーエビデント裾部３８のブリッジ３７に負荷が集中し、それを破断して、外カバー４を外すことができる。
　ブリッジ３７及びタンパーエビデント裾部３８が破断されると、容器６から外カバー４を外すことができ、上体Ａが外カバー４内に収容された状態で外れる。タンパーエビデント裾部３８は、一部が外カバー４から切断されてないようにすれば、外カバー４と共に外すことができる。下体Ｂはヒンジ１７を回転中心として横開きが可能となり、容器蓋５及び容器６から容易に離脱できる。

　このように、本実施形態の容器蓋の外付け部材２は、開閉カバー３と外カバー４を相対的な回転動作のみで、外すことができる。
　なお、この状態では、上体Ａは、スペーサ３２が嵌入溝１８若しくは位置決め溝２２に嵌まり込んでいるので、上体Ａは外カバー４に対して回転することができないので、そのまま外カバー４内に収容された状態である。よって、上体Ａと外カバー４はのＩＣタグ４０を外に露出させることがない。

　上述したように、外付け部材２には、ＩＣタグ４０を取付けているので、生産者などは、容器６内の内容物の製造年月日、生産工場、消費期限などの情報をＩＣタグ４０に記録することができる。さらには、商品毎に固有の識別番号（例えば１０００番飛びの間隔などで）を入れておくとよい。例えば、不正に外付け部材を偽装されたときに、識別番号に該当しない場合（９９９／１０００の割合で偽装品を発見）、その商品が偽物であることが確認できる。また、同じ識別番号が２個以上現れたような場合は、偽物の商品が出回っていることに注意を促すことができる。特に、偽物がでやすい高級ブランデーやワインなど高級酒や香水などのブランド品の容器にとって、真贋が判断できるので有効である。
　そして、購入者などは、商品の購入時若しくは購入後に、携帯電話などの読取り装置で、種々の商品情報を確認できる。しかしながら、カッター３３によってアンテナ４０ｃを破壊したような場合は、外付け部材２の開封後は、商品情報を知ることができない。
　一方、アンテナ４０ｃを切断することなく、リード線４０ｄを切断するようにした場合では、未だアンテナ４０ｃが連結されているので、ユーザは、この先もＩＣチップ４０ｂのデータを読取ることができる。よって、ユーザに対して不必要なデータは、リード線４０ｄの切断時に電気的に除去してもよいし、その切断後に、商品の当たりくじ情報などを表示するようにしてもよい。
　特に、本願発明の外付け部材２は、容器６に容器蓋５を閉栓した後に、後付けできるので、キャンペン情報が後から決まったときや変更などがあったとき、後付けが容易にできるので、使い勝手がよい。

　図１２のＡ～Ｃは、容器蓋の外付け部材の変形例である。
　上記実施形態では、ＩＣタグ４０（ホログラム）を開閉カバー３の天板９に設け、該天板９に長円孔１２を形成し、外カバー４の頂板３０にカッター３３を形成した。しかしながら、これらの構成部材は、ＩＣタグ４０（若しくはホログラム）の形状や位置に合わせて適宜変更が可能である。
　図１２のＡに示すように、開閉カバー３ａの天板９ａの上面に、３つのカッター３３ａを天板９ａの周方向に等間隔で形成し、外カバー４ａの頂板３０ａの内面のカッター３３ａが対応する位置に、長円孔１２ａを形成してもよい。
　また、図１２のＢに示すように、開閉カバー３ｂの天板９ｂの上面の中心に、円形孔１２ｂを形成し、外カバー４ｂの頂板３０ｂの内面の円形孔１２ｂが対応する位置にカッター３３ｂを形成してもよい。
　図１２のＣに示すように、開閉カバー３ｃの天板９ｃの上面の中心に、カッター３３ｃを形成し、外カバー４ｃの頂板３０ｃの内面のカッター３３ｃが対応する位置に円形孔１２ｃを形成してもよい。
　図１２のＡ～Ｃの容器蓋の外付け部材のその他の構成については、上記実施形態と同じである。

　図１３、図１４は、情報開示部材としてのＩＣタグに代えて、ホログラムを装着した例を示す（同一名称のものは上記実施例と同じ符号を付す）。
ホログラム５１は、ホログラムフィルム５２にホログラム層に形成された画像領域５３が、ホログラムフィルム５２の中央部に設けられている。ホログラム層は注型、型押し、レーザ加工、フォトレジスト等の手段によって、所定の配列パターンで微細の凹部を画像領域５３に形成し、光の回析によりホログラム像を発現させている。このようなホログラム５１は、画像領域５３が破壊されることにより、ホログラム像が消失する。
　このホログラム５１を装着するため、外カバー４の頂板３０の中央部には、貫通孔である覗き孔５５を形成している。ホログラム５１は、外カバー４の頂板３０の内面に、はめ込みや接着などで取付け、覗き孔５５から画像領域５３が見えるように配設する。
一方、開閉カバー３には、天板９の表面側の中央部に上方に突出するカッター３３を形成し、外カバー４を開閉カバー３に被せた状態では、カッター３３はホログラム５１の直下に配設される。外カバー４を開閉カバー３から外すときに、上述した実施例と同様の方法によって、開閉カバー３が相対的に外カバー４側に上昇してカッター３３がホログラム５１の画像領域５３を破壊する。この破壊によって、ユーザは開封されたかの情報を得ることができる。

　以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態（及び変形例）に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
　例えば、開閉カバー３に形成したガイド部２１のガイド面２１ａは、位置決め溝２２の周方向の左右いずれの側にも形成したが、左右のいずれか一方のみに形成してもよい。この場合は、開閉カバー３の離脱は左右周方向のいずれか一方向側のみとなる。
　開閉カバー３については、ヒンジ１７によって一体的に形成したが、ヒンジ１７を省略して、２分割したものであってもよい。すなわち、図６に示す開閉カバー３のヒンジ１７の部分を削除して、図２に示すように、分割した状態で横開きできるようにしてもよい。ただし、ヒンジ結合で一体とした方が、部品点数を２つに減らすことができる利点がある（開閉カバーの形状が対象であれば、左右部品が共通で問題ないが、非対称の場合は部品点数が増える）。
　また、開閉カバー３は、上体部Ａ及び下体部Ｂによって形成し、外カバー４を開閉カバー３から外す際に、上体部Ａと下体部Ｂとを切断したが、これらの上体部Ａと下体部Ｂは切断しなくともＩＣタグ４０（ホログラム５１）を破壊することができる。ただし、このような構造にすると、外カバー４のスペーサ３２が嵌入溝１８に嵌まり込んでしまうので、外カバー４と開閉カバー３との相対的な回転ができず、それらのカバー３，４が一体になってしまい、開閉カバー３を横開きにすることができず、容器８からそれらのカバー３，４を外すことができない。そのため、開閉カバー３と外カバー４を相対的に回転できるように、スペーサ３２の底部形状に斜面を有する三角形状に形成するなどして、嵌入溝１８から回転によって抜け出させるようにすればよい。
　情報伝達部材については、本実施形態ではカッターによって破壊したが、破壊せずにそのままの状態で開閉カバーに装着し、ＩＣチップの情報を確認できるようにしてもよい。

　２　外付け部材
　３　開閉カバー
　４　外カバー
　５　容器蓋
　６　容器
　９　天板
　１０　周壁
　１２　長円孔
　１４　分離部
　１５　橋絡部
　１７　ヒンジ
　１８　嵌入溝
　１９　ストッパ部
　２０ｂ　上体の凸部
　２１　ガイド部
　２１ａ　ガイド面（分離手段）
　２２　位置決め溝
　２３ｂ　下体の凸部
　２３ｃ　案内部
　２５　規制部
　２６　係止部
　３０　頂板
　３１　スカート壁
　３２　スペーサ
　３３　カッター
　３５　突部（分離手段）
　３７　ブリッジ
　３８　タンパーエビデント裾部
　３９　フラップ
　４０　ＩＣタグ
　Ａ　上体部
　Ｂ　下体部

Claims

　容器蓋の上面と外周面を覆い、横方向への横開きが可能であり、閉じ状態にあるとき前記容器蓋若しくは容器に係合して上方への移動が規制される係止部を内周面に形成した開閉カバーと、該開閉カバーの上面と外周面の少なくとも上部側を覆い、前記開閉カバーが閉じ状態にあるとき、前記開閉カバーの規制部に係止されるタンパーエビデント裾部を有する外カバーと、前記開閉カバーと前記外カバーのいずれかに取付けられる情報伝達部材とを設け、
　前記開閉カバーと前記外カバーとの回転移動により、前記タンパーエビデント裾部を切り離して外カバーを開閉カバーから外し、前記開閉カバーを横開きすることによって該開閉カバーを前記容器蓋から脱離可能にしたことを特徴とする容器蓋の外付け部材。
　前記情報伝達部材は前記開閉カバーの天板の上面に設けられ、前記外カバーの頂板の下面にはカッターが設けられ、前記開閉カバーを前記頂板側に上昇させて前記カッターによって前記情報伝達部材の所定の部位を破壊するようにした請求項１に記載の容器蓋の外付け部材。
　前記開閉カバーは、容器蓋の上面を覆う天板と、該天板の外周部から降下し容器蓋の周面を覆う周壁とを備え、該周壁の一周壁部には上下に延びるヒンジ部を形成し、該ヒンジ部によって前記開閉カバーを横開き可能にしてなる請求項１又は２に記載の容器蓋の外付け部材。
　前記開閉カバーの周壁には、該開閉カバーを上下に分離する分離部を形成し、前記開閉カバーの外周面と前記外カバーの内周面には、前記回転移動を介して前記分離部を破断して前記開閉カバーを上下に分離するとともに、分離された開閉カバーの間隔を上下方向に拡げる分離手段を形成し、上下に分離された前記開閉カバーが該分離部の間隔を拡げることによって、前記タンパーエビデント裾部を切り離すようにした請求項１～３のいずれかに記載の容器蓋の外付け部材。
　前記分離手段は、前記開閉カバーの破断前に、前記天板と前記頂板との間隔を相対的に近接させることによって、前記カッターが前記情報伝達部材を破壊するようにした請求項４に記載の容器蓋の外付け部材。
　前記分離手段は、前記外カバーの内周面に形成された突部と、前記開閉カバーの外周面に形成されたガイド面であって、該ガイド面は前記突部の位置から前記開閉カバーの周方向の下側へ傾斜若しくは湾曲するように形成した請求項４又は５に記載の容器蓋の外付け部材。
　前記開閉カバーの分離部には、前記回転移動に伴って前記分離手段と協働して、前記開閉カバーの分離部の間隔を拡げる案内部を形成した請求項４～６のいずれかに記載の容器蓋の外付け部材。
　前記情報伝達部材がＩＣタグである請求項１～７のいずれかに記載の容器蓋の外付け部材。
　容器蓋の上面を覆う天板と、該天板の外周部から降下し容器蓋の周面を覆う周壁とを備え、該周壁の一周壁部には上下に延びるヒンジ部を形成することによって、該ヒンジを回転中心として横開きが可能な開閉カバーであって、該開閉カバーが閉じ状態にあるとき、前記容器蓋若しくは容器に係合する係止部を前記周壁の内周面に形成したことを特徴とする容器蓋の外付け部材。