JP6785078B2 - 複合キャップ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、頂板にICタグが埋め込まれたキャップが開示されている。
しかるに、容器本体にICチップを設けるときには、アンテナ及びICチップとアンテナとを接続するリード線は、容器とは別体のキャップに設けることとなるが、このような構成は実施不可能といってよい。即ち、アンテナ及びICチップがリード線で接続されているICタグをキャップに設け、キャップを容器口部に装着した後に、ICチップの部分のみを容器側に張り付けるという手段が採用されることとなるが、ICチップが垂れ下がっている状態でキャップを容器口部に装着しなければならず、その作業(キャッピング)が極めて困難となるし、キャッピング時にICチップの破損やリード線の破断を生じ易い。さらに、キャップから垂れ下がったICチップの容器への貼り付けも容易ではない。
また、開封時にキャップから切り取られるタンパーエビデントバンド(TEバンド)にICチップが設けられるような場合には、TEバンドへのICチップの装着が困難であると同時に、ICチップとアンテナとを結ぶリード線の破断による開封証明を十分に発揮することができない。即ち、かかる態様では、ICタグの破断は、TEバンドの切り離しを示すものであり、TEバンドの切り離しはキャップの開封履歴を示す。このことから理解されるように、ICタグの破断による開封履歴証明がなくとも、TEバンドの切り離しによりキャップの開封履歴は証明されてしまうからである。
かかる複合容器蓋は、外蓋を開放するための開封作業に伴ってICタグが破壊され、ICタグのICチップに保存されていた情報が読み取り不能となることにより、開封の事実を知ることができるのであり、外蓋の開封作業も容易に行うことができるという利点がある。
また、このような複合容器蓋は、開封作業は、一旦、外蓋を押し下げて外蓋を開栓方向に回転させることにより行われるため、ICタグが装着されていない場合においても、例えばチャイルドレジスタンス用の蓋としても期待される。
このような構造では、外蓋を開栓方向に回転させたとき、上部環状体は外蓋と一体に開栓方向に回転して上昇するが、下部環状体の上昇は規制されているため、上部環状体は外蓋と一体に容器口部から取り除かれるが、下部環状体は、上部環状体と切り離されて容器口部に残ることとなる。従って、一般の消費者は、下部環状体が切り離されていることを見て、この容器蓋が、一旦開封されたものであるとの事実を認識することができるわけである。
また、外蓋を無理矢理引っ張り上げることにより、取り外しが可能となってしまい、ICタグが上部環状体に取り付けられているような構造の複合容器蓋では、ICタグを破壊せずに取り出すことができてしまうこととなり、各種の情報が記憶されたICタグが流用されてしまうおそれがある。
本発明の他の目的は、ICタグを備えており、外蓋の開封履歴がICタグからの情報読み取りによって証明することができる、しかもICタグの流用を有効に防止することが可能な複合容器蓋を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、既にキャップが装着されている既存の包装容器に容易に装着して使用することもでき、しかも、内容物の詰め替えなどの不正使用を容易に防止することが可能な複合容器蓋を提供することにある。
前記内蓋は、下部環状体と、該下部環状体の上端に破断可能なブリッジを介して連結されている上部環状体とからなり、前記内蓋の下部環状体の内面には、容器顎部と係合して該下部環状体の上昇を規制する係合突起が形成されており、該内蓋の上部環状体の上端面及び前記外蓋の内面には、互いに係合して両者を開栓方向に一体に回転させ得る第1の係合機構が設けられている構造を有している複合容器蓋において、
前記下部環状体及び前記上部環状体には、閉栓状態において、上下に対面しての水平面同士の係合により該上部環状体の該下部環状体に対する上昇を規制するが、前記外蓋の開栓方向への回転によって該上部環状体が開栓方向に回転し、これにより、該水平面同士の対面係合が解除される構造の第2の係合機構が設けられていることを特徴とする複合容器蓋が提供される。
(1)前記外蓋の下端には、環状の切り取りバンドが設けられており、前記内蓋の下部環状体の外面には、該切り取りバンドの下端面との当接により該外蓋の降下を規制する周状フランジが設けられており、該切り取りバンドを切り取って該外蓋を降下させることにより、前記第1の係合機構の係合が機能し、該外蓋の開栓方向への回転により、前記内蓋の上部環状体が該外蓋と一体になって開栓方向に回転し得ること。
(2)前記内蓋における下部環状体及び上部環状体が有している筒状側壁は、中心軸線を通る軸方向面で二分され且つ互いにヒンジ連結された割型構造を有していると共に、該上部環状体の筒状側壁の上部には、2分割された筒状側壁の一方に連結された天板を有していること。
(3)前記上部環状体に設けられた天板の上面に、ICタグが載置されており、前記外蓋の内面には、該ICタグを破壊するためのカッターが設けられており、該外蓋の降下により、該カッターによって該ICタグが破壊されること。
(4)前記外蓋の内面及び前記内蓋の下部環状体の外面には、閉栓状態において、それぞれ、互いに係合して該外蓋の回転を規制する回転規制突起が設けられていること。
(5)前記内蓋の下部環状体には、該下部環状体の上端から下方に延びている切欠き部が設けられており、該切欠き部の閉栓方向側の側面下端部分には閉栓方向側に延びている突起受け入れ部が形成されており、該突起受け入れ部に前記第2の係合機構の構成要素である水平面が形成されており、前記上部環状体の下端には、該切欠き部内を下方に延びているストッパー突起が設けられており、該ストッパー突起の下端部分に閉栓方向側に延びている係合凸部が形成されており、該係合凸部の上面が、前記第2の係合機構の構成要素である水平面となっていること。
(6)前記内蓋の下部環状体の上端面と上部環状体の下端面との間には、互いに係合関係にある凹凸が形成されており、該内蓋が開栓方向に旋回したときに互いに面接触する側に位置する該凹凸の側部には、該下部環状体を下方に押し下げるように作用する傾斜面となっており、該傾斜面とは反対側に位置する側の該凹凸の側部のそれぞれに、前記第2の係合機構の構成要素である水平面が形成されていること。
(7)前記下部環状体の外面には、前記外蓋の降下及び開栓方向への回転に際しての誘導路となるカム溝が形成されており、前記外蓋の内面には、該カム溝に沿って降下し且つ開栓方向に誘導されるカムが形成されていること。
これが、本発明の複合容器蓋が有する基本的構造であり、この容器蓋が示すTE性である。
この第2の係合機構においては、閉栓状態において、上下に対面しての係合により該上部環状体の該下部環状体に対する上昇を規制するが、前記外蓋の開栓方向への回転によって該上部環状体が開栓方向に回転した状態において、該水平面同士の対面係合が解除されて該上部環状体の該下部環状体に対する上昇が可能となっている。このことから理解されるように、閉栓状態においては、上部環状体及び下部環状体に設けられている水平面同士が互いに対面しており、この状態で下部環状体の上昇は、これら水平面同士の係合により規制されている。即ち、外蓋が無理矢理上方に引っ張られた場合、水平面同士の係合により、下部環状体と上部環状体とを繋いでいるブリッジへの応力集中が緩和され、これにより、ブリッジ破断を有効に防止することができ、さらには、外蓋を無理矢理容器口部から取り外すという不正も有効に防止することができる。
しかも、上記の第2の係合手段では、互いに対面している水平面での係合を利用しており、上下方向(容器軸方向)の力に対しては抵抗を示すが、周方向(回転方向)に対しての抵抗力は示さない。即ち、外蓋を回転させて開栓を行うと、外蓋の回転に伴い、上部環状体が周方向に移動するため、水平面同士の係合が解除され、この結果、開栓力を増大させることなく(開栓性を低下させず)、有効に開栓を行うことが可能となる。
このように、第2の係合機構を採用した本発明の複合容器蓋では、開栓性を低下させることなく、TE性が向上している。
以下、これらの態様に分けて、本発明を説明する。
尚、図3の例では、容器口部80には、既にキャップ83が装着されており、この内蓋1は、キャップ83の上から被せた状態で容器口部80に装着されている。従って、この係合突起11は、内蓋1を装着する容器口部80の形態に応じて、容器口部80に装着されているキャップ83の下端に係合するものであってもよい。
また、上記の軸方向リブ17と共に、周方向に延びている周方向リブ19が、下部環状体5の上方部分に複数形成されている。この周方向リブ19は、外蓋3の上昇を規制するためのものであり、図2に示されているように、一部の軸方向リブ17の上端に一体に連なっており、全体としてT字型の突起が形成されている。
第1の周状突起21は、初期状態での外蓋3の位置を安定に保持し、外蓋3が上方にすっぽ抜けないようにするためのものである。
また、第2の周状突起23は、外蓋3を開栓する際、外蓋3と上部環状体9との係合関係を安定に保持し、外蓋3から上部環状体9が離脱してしまう不都合を回避するために設けられているものである。
このICタグ27は、例えばオレフィン系樹脂やポリエステルなどのプラスチックフィルム上に、容器内容物等に関する情報が記憶されたICチップと、ICチップからの情報の受信及びICチップへの情報の入力のためのアンテナを搭載したものであり、それ自体公知のものであってよい。
さらに、天板25の外周端面には、適当な間隔で回転伝達突起33が周方向に配列されている。これらの回転伝達突起33は、外蓋3を開栓方向に旋回させたときに、内蓋1を一体に旋回させるための第1の係合機構を構成するものであり、一方側の面(開栓方向とは反対側の面)が直立した三角形状を有している。
尚、この切り取りバンド45の外面には、切り取りバンド45を切り取るための摘み46が設けられている。
即ち、外蓋3が降下したとき、このカッター47が、リング状凹部29上に位置しているICタグ27を突き破って破壊する。リング状凹部29は、このときのカッター47を受け入れる空間として機能する。
なお、図4(c)から理解されるように、この例では、全周にわたって12個(片側半周部分で6個)の案内突起49が配置されており、これと係合する内蓋1の回転伝達突起33も全周に分布している。
また、外蓋3の内面には、内蓋1に被せられた外蓋3を保持し、その上下動を規制するための保持係合機構として機能する周状凸部51が設けられている。即ち、この周状凸部51が、前述した内蓋1に設けられている第1の周状突起21及び第2の周状突起23と係合することにより、外蓋3が内蓋1に対して上昇或いは降下することが防止される。
さらに、上記の周状凸部51の下方には、周方向に適当な間隔をおいて軸方向に延びている縦リブ53が複数(図4(c)の例では8個)設けられている。この縦リブ53は、下部環状体5の外面に設けられている軸方向リブ17と係合して外蓋3の内蓋1に対する回転を規制するためのものである。
一方、上部環状体9の下端には、下方に延びて上記の切欠き部60内に侵入しているストッパー突起65が設けられている。このストッパー突起65は、図から明らかなように、全体として鍵形形状を有しており、この下端部分には、閉栓方向側に延びている係合凸部67が形成されており、この係合凸部67は、上記の突起受け入れ部61内に入り込んでいる。即ち、この係合凸部67の上端面が、第2の係合機構の構成要素となる他方の水平面67aとなっている。
また、上記のストッパー突起65及び係合凸部67は、若干外方に張り出しており、上記凸部63により拡大された水平面61aに合わせて、水平面67aの面積が増大されたものとなっている(後述する図6参照)。
尚、上記の係合凸部67は、必要により、上部環状体9の開栓方向に移動に際して容易に破断し得る細い連結片69によって切欠き部60の壁面に連結保持されており、これにより、このストッパー突起65のガタツキを有効に防止することができる。
このような第2の係合機構は、複数形成することが望ましく、例えば、表面側及び背面側のそれぞれに第2の係合機構を設けることにより、この機能を十分に発揮させることができる。
また、この初期状態では、複数の縦リブ53の一部が開栓方向側で一部の軸方向リブ17と係合し、且つ複数の縦リブ53の一部が閉栓方向側で一部の軸方向リブ17と係合した状態となっている。従って、初期状態で、外蓋3は内蓋1に対して回転せず、しっかりと安定に保持されたものとなっている。
このようにしてICタグ27が破壊された状態では、外蓋3が内蓋1に対して降下しているため、外蓋3の周状凸部51は、上部環状体9の外面に形成されている第2の周状突起23との係合することとなり、この状態での外蓋3の内蓋1からのすっぽ抜けが防止されることとなる。
また、この状態では、図5(b)に示されているように、外蓋3の縦リブ53と軸方向リブ17との周方向での係合が解除されており、従って、外蓋3は、下部環状体5に対して回転自由の状態となっている。
従って、下部環状体5の把持部15を握って外蓋3を開栓方向に回転させることによって、図5(c)に示されているように、上部環状体9が、下部環状体5に対して開栓方向に移動する。即ち、連結片69は容易に破断し、下部環状体5の切欠き部60内に侵入しているストッパー突起65は、切欠き部60の開栓方向側の側面60aに当接するまで移動することとなり、水平面61aと水平面67aとの対面係合は解除される。
さらに、この状態では、上部環状体9が下部環状体5に対して移動するため、これら環状体9,5を繋いでいるブリッジ7が破断し、上部環状体9は、下部環状体5から切り離された状態となっている。
即ち、各種プラスチック(例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂)を用いての射出成形及びカッティング等の後加工により下部環状体5と上部環状体9とからなる内蓋1を成形し、また、これとは別個に射出成形等により、同様のプラスチックで外蓋3を成形する。この後、内蓋1(上部環状体9の天板25)にICタグ27を装着し、かかる内蓋1を容器口部80(或いはキャップ83が装着されている容器口部80)に装着し、最後に外蓋3を被せて打栓することにより、目的とする複合容器蓋が容器口部80に装着された状態で得られ、そのまま使用に供せられる。
ICタグ27が設けられていない複合容器蓋の場合には、外蓋3にカッター47を設ける必要は無く、また、上部環状体9の天板25に、ICタグ27の破壊を容易にするためのリング状凹部29を形成する必要もない。
このような態様の複合容器蓋では、ICタグ27の機能を利用することはできないが、外蓋3に軸方向外力が加わった場合のブリッジ7の破断を有効に防止できるという特性は十分に発揮され、例えば、打栓時でのブリッジ7の破断を有効に回避することができる。
かかる態様の複合容器蓋は、特にチャイルドレジスタンスに優れた容器蓋として有効である。
例えば、図1〜4で示されている複合容器蓋における内蓋1を、割型構造とする場合、図6の斜視図に示されているような形態となる。
即ち、半型1a,1bのそれぞれに、下部環状体5の半型5a,5b及び上部環状体9a,9bの半型が形成されており、これらの半型5a,5bは、それぞれ、破断可能なブリッジ7で連結されており、第1の複合機構及び第2の複合機構も、半型5a,5bのそれぞれに形成されている。即ち、半型1a,1bを閉じたときに、前述した構造の内蓋1が形成されればよいのである。
このような構造とすることにより、この半型1a,1bを閉じて内蓋1の形態とすることなく、天板25にICタグ27をヒートシール等により固定することができ、ICタグ27の装着作業が容易となる。
図7には、第2の係合機構が設けられている内蓋1の側面が示されているが、他の部分は、基本的に、図1〜4に示されている構造の複合容器蓋と同一の構造であってよい。
図7を参照して、このタイプの第2の係合機構では、内蓋1の下部環状体5の上端面には、矩形状の傾斜凸部71が周方向に間隔をおいて複数設けられている一方で、内蓋1の上部環状体9の下端面には、上記傾斜凸部71を収容しており、且つ凸部71と同様に傾斜した矩形状の傾斜凹部73が、傾斜凸部71に対応して複数設けられている。これらの傾斜凸部71及び傾斜凹部73は、何れも、全体として下方から上方に向かって開栓方向側に傾斜した形状を有している。
具体的に説明すると、外蓋3が閉じられた閉栓状態(図5(a)に対応)では、傾斜凸部71の開栓方向側の側部は、傾斜凹部73の開栓方向側の側部に対面しており、従って、傾斜凸部71の水平面71xと傾斜凹部73の水平面73xとは、上下に対面した状態にあり、これら水平面71x,73xの対面係合により、外蓋3に軸方向外力が加わったとき、ブリッジ7に加わる応力が有効に緩和され、閉栓状態でのブリッジ7の破断を有効に防止することが可能となる。
即ち、外蓋3が無理矢理上方に引っ張られると、上部環状体9も引っ張り上げられるため、ブリッジ7に応力が集中してしまうが、上記の第2の係合機構では、下部環状体5の傾斜凸部71の水平面71xが、上部環状体9の傾斜凹部73に形成されている水平面73xと係合し、その上昇を抑制するように作用する。この結果、ブリッジ7への応力集中が緩和され、ブリッジ7の破断を有効に防止することができるわけである。
即ち、外蓋3を開栓方向に回転させると、上部環状体9の傾斜凹部73は開栓方向側に移動するため、傾斜凹部73の閉栓方向側の傾斜面73aが、下部環状体5の閉栓方向側の傾斜面71aに当接し、開栓方向側の側部同士が離れ、水平面71x,73xの対面係合が解除されることとなる。従って水平面71x,73xの対面係合が開栓性(上部環状体9の上昇)を損なうことはない。むしろ、この場合には、上部環状体9の傾斜凹部73の傾斜面73aが、下部環状体5の傾斜凸部71の傾斜面71aを押し下げるように働くため、ブリッジ7の破断を促進させ、開栓性を高めることとなり、この状態で外蓋3を引っ張り上げることにより、上部環状体9を下部環状体5から切り離して外蓋3と共に、容易に容器口部80から取り除くことができる。
また、この態様は、閉栓状態で外蓋3が周方向に空回りし易いので、所謂カム機構を利用した係合機構により外蓋3が内蓋1に装着される構造となっていることが好適である。
このようなカム溝100は、通常、周方向に複数個所に設けられ、図の例では、2か所に形成されている。
一方、外蓋3のスカート壁41の内面には、上記カム103の軸方向下側となる位置に補助カム205が設けられている。
このように、カム103がカム溝33の旋回案内部100bの下端に位置し且つ補助カム205が補助リブ201の下方に位置した時、この旋回案内部100b及び補助案内部203は、何れも傾斜して開栓方向側に向かって上昇しているため、カム103がカム溝100の旋回案内部100bの下端に位置し且つ補助カム205が補助リブ201の下側に位置した状態が一旦保持され、外蓋3の内蓋1に対する回転が抑止されるようになっている。
一方、外蓋3の周状凸部51は、内蓋1の上部環状体9の外面に設けられている第2の周状突起23(下部環状体5と上部環状体9とを繋いでいる破断可能なブリッジ7よりも上に形成されている)と係合しており、しかも、外蓋3の案内突起49は、開栓に伴い、内蓋1の回転伝達突起33と係合するため、上部環状体9は、外蓋3と共に回転し且つ上昇する。
この結果、カム103が旋回案内部100bに沿って上昇し且つ補助カム205が補助案内部203に沿って上昇していくと、下部環状体5と上部環状体9とを繋いでいる破断可能なブリッジ7に応力が発生し、このブリッジ7は破断し、下部環状体5と上部環状体9とは切り離される。
このようにして、図10(d)に示されているように、カム103がカム溝100の旋回案内部100bの上端に到達し且つ且つ補助カム205が補助案内部203の上端に達すると、図9に示されているように、下部環状体5の上昇が規制されているが、傾斜凸部71及び傾斜凹部73の閉栓方向側の傾斜面71a,73aが対面しており、水平面71x,73x同士の対面係合が解除されているため、カム103は、カム溝100から解放され且つ補助カム205が補助案内部203から離れ、この結果、外蓋3は、下部環状体5から切り離されている上部環状体9と共に容器口部80から取り出される。
また、上記の例では、カム103、補助カム205と、カム溝100及び補助案内部203との二重カム構造を採用しており、カムの脱線等を確実に防止する上では、このような二重カム構造を採用することが最適であるが、補助カム205及び補助案内部203を省略した単一カム構造とすることも勿論可能である。
また、外蓋3が、一旦、容器口部80から取り外されたものでは、外蓋3の切り取りバンド45が切り取られており、また、内蓋1の下部環状体5も切り離されている。このため、一旦、容器口部80から取り外された外蓋3を再び容器口部80に装着した場合には、その外観から、一旦容器口部80が取り外されたという事実を容易に認識することができるし、さらには、ICタグ27の破壊により、情報の読み取りが不可能となっていることからも開封の事実を認識することができる。
しかも、開栓に際しては、一旦切り取りバンド45を切り取る操作と外蓋3を押し込む操作が必要であるため、チャイルドレジスタンス性にも優れている。
さらに、割型構造を採用しているものは、再利用が難しく、内容物の詰め替え防止などの不正使用防止機能が極めて優れている。
さらにまた、再利用に際しては、その外観から開封履歴を容易に認識することができるため、ICタグ27が取り付けられていない場合にも、優れた開封履歴明示機能を有している。
3:外蓋
5:下部環状体
7:ブリッジ
9:上部環状体
13:周状フランジ
15:把持部
17:軸方向リブ
19:周方向リブ
27:ICタグ
33:回転伝達突起
45:切り取りバンド
47:カッター
49:案内突起
51:周状凸部
53:縦リブ
60:切欠き部
61:突起受け入れ部(61a:水平面)
65:ストッパー突起
67:係合凸部(67a:水平面)
71:傾斜凸部(71x:水平面)
73:傾斜凹部(73x:水平面)
100:カム溝
103:カム
203:補助案内部
205:補助カム
Claims (8)
- 容器口部に装着される内蓋と、該内蓋に被せて装着される外蓋とを含む複合容器蓋であって、
前記内蓋は、下部環状体と、該下部環状体の上端に破断可能なブリッジを介して連結されている上部環状体とからなり、該内蓋の該下部環状体の内面には、容器顎部と係合して該下部環状体の上昇を規制する係合突起が形成されており、該内蓋の該上部環状体の上端面及び該外蓋の内面には、互いに係合して両者を開栓方向に一体に回転させ得る第1の係合機構が設けられている構造を有している複合容器蓋において、
前記下部環状体及び前記上部環状体には、閉栓状態において、上下に対面しての水平面同士の係合により該上部環状体の該下部環状体に対する上昇を規制するが、前記外蓋の開栓方向への回転によって該上部環状体が開栓方向に回転し、これにより、該水平面同士の対面係合が解除される構造の第2の係合機構が設けられていることを特徴とする複合容器蓋。 - 前記外蓋の下端には、環状の切り取りバンドが設けられており、前記内蓋の前記下部環状体の外面には、該切り取りバンドの下端面との当接により該外蓋の降下を規制する周状フランジが設けられており、該切り取りバンドを切り取って該外蓋を降下させることにより、前記第1の係合機構の係合が機能し、該外蓋の開栓方向への回転により、該内蓋の前記上部環状体が該外蓋と一体になって開栓方向に回転し得る請求項1に記載の複合容器蓋。
- 前記内蓋における前記下部環状体及び前記上部環状体が有している筒状側壁は、中心軸線を通る軸方向面で二分され且つ互いにヒンジ連結された割型構造を有していると共に、該上部環状体の該筒状側壁の上部には、2分割された該筒状側壁の一方に連結された天板を有している請求項2に記載の複合容器蓋。
- 前記上部環状体に設けられた前記天板の上面に、ICタグが載置されており、前記外蓋の内面には、該ICタグを破壊するためのカッターが設けられており、該外蓋の降下により、該カッターによって該ICタグが破壊される請求項3に記載の複合容器蓋。
- 前記外蓋の内面及び前記内蓋の前記下部環状体の外面には、閉栓状態において、それぞれ、互いに係合して該外蓋の回転を規制する回転規制突起が設けられている請求項1〜4の何れかに記載の複合容器蓋。
- 前記内蓋の前記下部環状体には、該下部環状体の上端から下方に延びている切欠き部が設けられており、該切欠き部の閉栓方向側の側面下端部分には閉栓方向側に延びている突起受け入れ部が形成されており、該突起受け入れ部に前記第2の係合機構の構成要素である水平面が形成されており、前記上部環状体の下端には、該切欠き部内を下方に延びているストッパー突起が設けられており、該ストッパー突起の下端部分に閉栓方向側に延びている係合凸部が形成されており、該係合凸部の上面が、前記第2の係合機構の構成要素である水平面となっている請求項1〜5の何れかに記載の複合容器蓋。
- 前記内蓋の前記下部環状体の上端面と上部環状体の下端面との間には、互いに係合関係にある凹凸が形成されており、該内蓋が開栓方向に旋回したときに互いに面接触する側に位置する該凹凸の側部には、該下部環状体を下方に押し下げるように作用する傾斜面が形成されており、該傾斜面とは反対側に位置する側の該凹凸の側部のそれぞれに、前記第2の係合機構の構成要素である水平面が形成されている請求項1〜5の何れかに記載の複合容器蓋。
- 前記下部環状体の外面には、前記外蓋の降下及び開栓方向への回転に際しての誘導路となるカム溝が形成されており、該外蓋の内面には、該カム溝に沿って降下し且つ開栓方向に誘導されるカムが形成されている請求項7に記載の複合容器蓋。
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