WO2015046340A1

WO2015046340A1 - 電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置

Info

Publication number: WO2015046340A1
Application number: PCT/JP2014/075449
Authority: WO
Inventors: 義伸石井
Original assignee: 京セラ株式会社
Priority date: 2013-09-25
Filing date: 2014-09-25
Publication date: 2015-04-02
Also published as: US9632439B2; US20160195824A1

Abstract

　内部に温度調節部材を設置可能であり、かつ円筒状基体と接合部の有する軸との回転軸を高精度に調整可能な電子写真感光体を提供する。本発明の実施形態に係る電子写真感光体１は、円筒状基体１０と、円筒状基体１０の端部に位置しており軸２０ｃを有する接合部２０と、円筒状基体１０の外周面１０ａ上に形成された感光層１１とを備え、接合部２０は、円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って配置される温度調節部材３０を出し入れ可能な、円筒状基体１０の軸方向に沿った貫通孔２０ｄを有する。

Description

電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置

　本発明は、電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。

　従来、電子写真方式の複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、印刷機などの画像形成装置における電子写真感光体は、例えば特許文献１に記載されているように円筒状などの基体の表面に感光層が形成されて、この基体の内部に加熱部材が設置されたものが採用されている。このように基体の内部に加熱部材が設置された電子写真感光体では、いわゆる画像流れが生じることを抑制することができる。

　一方、電子写真感光体は、電子写真感光体の周方向に回転する外部からの回転駆動力が与えられ、回転しながら記録媒体に画像を形成する。よって、良好な画像や印字を得るためには、電子写真感光体の円筒軸を回転軸としてブレのない高精度の回転が要求されるため、例えば特許文献２に記載されているように、基体とフランジとが一体的に形成された電子写真感光体が使用されている。また、基体の端部にフランジを取り付ける場合には、基体にフランジを取り付けた後に基体とフランジの有する軸または軸受けとの回転軸を高精度に調整した電子写真感光体が使用されている。

　しかしながら、このような電子写真感光体では、基体の内部に加熱部材を配置することができないという問題、仮に基体の内部に加熱部材を配置できたとしても、加熱部材の断線などによってメンテナンスが必要となった場合に、基体の内部から加熱部材を取り出せないという問題、または基体からフランジを取り外して基体の内部から取り出せたとしても、加熱部材の修理後または交換後などに基体の内部に再度配置して、基体とフランジの有する軸または軸受けとの回転軸を高精度に再調整する必要があるという問題があった。

特開２００７－１７１８０５号公報特開平７－７２６４１号公報

　そこで、内部に温度調節部材を設置可能であり、かつ基体とフランジの有する軸または軸受けとの回転軸を高精度に調整可能な電子写真感光体が求められていた。

　本発明の実施形態に係る電子写真感光体は、円筒状基体と、前記円筒状基体の端部に位置しており軸または軸受けを有する接合部と、前記円筒状基体の外周面上に形成された感光層とを備え、前記接合部は、前記円筒状基体の内周面に沿って配置される温度調節部材を出し入れ可能な、前記円筒状基体の軸方向に貫通した貫通孔を有する。

　本発明の実施形態に係る画像形成装置は、上記の電子写真感光体と、電子写真感光体に挿入された温度調節部材とを備える。

　本発明の実施形態に係る電子写真感光体は、円筒状基体と、円筒状基体の端部に位置しており軸または軸受けを有する接合部と、円筒状基体の外周面上に形成された感光層とを備え、接合部は、円筒状基体の内周面に沿って配置される温度調節部材を出し入れ可能な、円筒状基体の軸方向に貫通した貫通孔を有する。これによれば、電子写真感光体の内部に温度調節部材が設置可能であり、かつ基体と接合部の有する軸または軸受けとの回転軸を高精度に調整可能な電子写真感光体を実現することができる。

（ａ）は本発明の電子写真感光体の第１の実施の形態の例を示す断面図である。（ｂ）は（ａ）に示す電子写真感光体の拡大側面図である。（ｃ）は（ａ）に示す電子写真感光体の内側に用いられる温度調節部材を説明する図である。（ａ）は本発明の電子写真感光体の第１の実施の形態の他の例を示す断面図である。（ｂ）は（ａ）の拡大側面図である。（ｃ）は（ａ）に示す電子写真感光体の内側に配置される温度調節部材を説明する図である。（ａ）は本発明の電子写真感光体の第２の実施の形態の例を示す断面図である。（ｂ）は（ａ）に示す電子写真感光体の側面拡大図である。（ｃ）は（ａ）に示す電子写真感光体の内側に位置する温度調節部材を説明する図である。本発明の画像形成装置の断面図である。（ａ）は図１に示した電子写真感光体の変形例を示す断面図である。（ｂ）は（ａ）に示す電子写真感光体の拡大側面図である。

　以下、本発明の電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置の実施の形態の例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の例は本発明の実施の形態を例示するものであって、本発明はこれらの実施の形態の例に限定されるものではない。

　（電子写真感光体の第１の実施の形態）
　図１に示した電子写真感光体１は、円筒状基体１０と、円筒状基体１０の端部に位置しており軸２０ｃを有するフランジ（接合部）２０と、円筒状基体１０の外周面１０ａ上に形成された感光層１１とを備えている。本例の電子写真感光体１は、画像形成装置に組み込まれて使用されて、光情報を紙の画像へと変換する役割を担っている。なお、本例ではフランジ２０は軸２０ｃを有しているが、軸２０ｃに代えて外部の駆動機構が有する軸を挿入する軸受け２０ｃを有していてもよい。

　感光層１１は、アモルファスシリコン（ａ－Ｓｉ）系材料ならびにＳｅ－ＴｅあるいはＡｓ２Ｓｅ３などのアモルファスセレン（ａ－Ｓｅ）系材料などからなる無機感光層および有機感光層であり、本例では、アモルファスシリコン（ａ－Ｓｉ）系材料からなる無機感光層を採用している。

　円筒状基体１０は、感光層１１の支持体となるものであり、少なくとも表面に導電性を有するものとして形成される。この円筒状基体１０は、例えばアルミニウム（Ａｌ）、亜鉛（Ｚｎ）、銅（Ｃｕ）、鉄（Ｆｅ）、チタン（Ｔｉ）、ニッケル（Ｎｉ）、クロム（Ｃｒ）、タンタル（Ｔａ）、スズ（Ｓｎ）、金（Ａｕ）および銀（Ａｇ）などの金属材料あるいはこれら例示した金属材料を含む例えばステンレス（ＳＵＳ）鋼などの合金材料によって、全体が導電性を有するものとして形成されている。円筒状基体１０は、樹脂、ガラスあるいはセラミックスなどの絶縁体の表面に、例示した金属材料ならびにＩＴＯ（Indium Tin Oxide）あるいはＳｎＯ_２などの透明導電性材料による導電性膜を被着したものであってもよい。例示した材料のうち、円筒状基体１０を形成するための材料としては、アルミニウム（Ａｌ）およびこれを含む合金材料を用いるのが最も好ましく、また円筒状基体１０の全体をアルミニウム（Ａｌ）系材料で形成するのが好ましい。そうすれば、電子写真感光体１を軽量かつ低コストで製造可能であり、その上、感光層１１をアモルファスシリコン（ａ－Ｓｉ）系材料で形成する場合には、感光層１１と円筒状基体１０との間の密着性が高くなって信頼性を向上させることができる。本例の円筒状基体１０はアルミニウム（Ａｌ）で形成されている。

　フランジ２０は、円筒状基体１０の端面１０ｃに当接するフランジ部２０ａと、内周面１０ｂに当接する嵌合部２０ｂと、円筒状基体１０、すなわち電子写真感光体１の回転軸上に配置される軸２０ｃと、円筒状基体１０の軸方向に沿って貫通している貫通孔２０ｄとを有している。フランジ部２０ａおよび嵌合部２０ｂは円板状である。フランジ２０の材質は特に問わないが、アルミニウム（Ａｌ）、亜鉛（Ｚｎ）、銅（Ｃｕ）、鉄（Ｆｅ）、チタン（Ｔｉ）、ニッケル（Ｎｉ）およびクロム（Ｃｒ）などの金属材料、あるいはこれら例示した金属材料を含む例えばステンレス（ＳＵＳ）鋼などの合金材料、あるいはポリカーボネート、ポリアミド樹脂にカーボン繊維を混合した樹脂材料またはポリフェニレンサルファイドもしくはポリフタルアミドにカーボンブラックを配合した樹脂材料などで形成される。ポリカーボネートなどの樹脂であれば、低コストで作製でき、また軽量化の面で好ましい。本例のフランジ２０の材質は、ポリカーボネートである。フランジ２０は、円筒状基体１０の両端の開口に嵌合部２０ｂが圧入されて円筒状基体１０の端部に配置されている。つまり、本例のフランジ２０は円筒状基体１０に着脱可能である。

　フランジ２０に有する貫通孔２０ｄは、フランジ部２０ａと嵌合部２０ｂとを連続的に貫通しており、円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って配置される温度調節部材３０を出し入れするための挿入・排出口として機能する。貫通孔２０ｄの大きさ・形状は、特に限定されるものではなく、温度調節部材３０を出し入れ可能な大きさ・形状であればよい。本例の貫通孔２０ｄは、図１（ｂ）に示すように円筒状基体１０の軸方向に垂直な断面形状がアーチ形状となっており、フランジ２０を円筒状基体１０の軸方向に向かって平面視して、フランジ２０の外周（フランジ部２０ａの外周、嵌合部２０ｂの外周、円筒状基体１０の外周および内周）に沿って同一円状に同形状の３つの貫通孔２０ｄが整列して配置されている。なお、貫通孔２０ｄを覆うような蓋体を別途設けても良い。これによれば、貫通孔２０ｄを通じて熱が出入りすることを抑制することができ、温度調節部材３０による温度調節をより精度良く行なうことが可能となる。それに加えて、蓋体を用いることで、貫通孔２０ｄを通じた熱の出入りを抑制できることから、温度調節の精度を確保しつつ貫通孔２０ｄをより大きく設定することが可能となる。その結果、温度調節部材３０をより容易に出し入れすることができる。蓋体は、その開閉あるいは取付け／取外しが軸精度に影響を及ぼさない位置に配置すればよい。なお、蓋体は、ボルト等で開閉あるいは取付け／取外しができるような構成にしてもよい。また、蓋体と温度調節部材３０とを接合あるいは一体化させてもよく、これによれば、温度調節部材３０の出し入れ、取付け／取外し、並びに位置決めを、簡易にあるいは精度良く行なうことが可能となる。本例の温度調節部材３０は、円筒状基体１０の外周面１０ａ上に形成された感光層１１を加熱することができるものであり、必要に応じて感光層１１を冷却することもできる。温度調整部材３０の例としてはヒーターがあげられ、ペルチェ素子を用いることができる。本例の電子写真感光体１には、例えば図１（ｃ）に示したような、面状の温度調節部材３０が円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って配置される。ここで、温度調節部材３０は、円筒状基体１０の中心軸から離れて内周面１０ｂに近接した位置に設置されていればよく、内周面１０ｂに接していても接していなくてもよい。また、温度調節部材３０は、円筒状基体１０の内周面１０ｂからの距離を一定にすればよい。すなわち、温度調節部材３０が、一つの場合は部位によらず、複数存在する場合には相互に、上記距離を一定にすればよい。これによれば、円筒状基体１０の外周面１０ａ上に形成された感光層１１に対して効果的かつ均等に熱を伝えることが可能となる。図１（ｃ）に示した面状の温度調節部材３０の長手方向に垂直な断面形状は、貫通孔２０ｄと相似なアーチ形状であり、貫通孔２０ｄを介して電子写真感光体１の内側（円筒状基体１０の内周面１０ｂで囲まれた空間）に面状の温度調節部材３０を挿入・排出可能なように縮小したものである。ここで、面状の温度調節部材３０として、所定の弾力性を有し、且つ曲面の曲率半径を円筒状基体１０の曲率半径よりも大きく設定することができる。これによれば、円筒状基体１０の内周面１０ｂに対して温度調節部材３０の外周面が反発するように両者を当接させることができ、その結果として両者間の固定を図ることができる。

　なお、貫通孔２０ｄの形状や数はこれに限定されるものではない。例えば図２（ａ）および（ｂ）のように円筒状基体１０の軸方向に垂直な断面形状が円形状となっており、フランジ２０を円筒状基体１０の軸方向に向かって平面視して、フランジ２０の外周（フランジ部２０ａの外周、嵌合部２０ｂの外周、円筒状基体１０の外周および内周）に沿って同一円状に同形状の８つの貫通孔２０ｄが整列して配置されていてもよい。本例の電子写真感光体１には、例えば図２（ｃ）に示したような、棒状の温度調節部材３０が円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って配置される。図２（ｃ）に示した棒状の温度調節部材３０の長手方向に垂直な断面形状は、貫通孔２０ｄと相似な円形状であり、貫通孔２０ｄを介して電子写真感光体１の内側（円筒状基体１０の内周面１０ｂで囲まれた空間）に棒状の温度調節部材３０を挿入・排出可能なように縮小したものである。

　本例の電子写真感光体１は、上述のように円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って温度調節部材３０を配置することが可能であり、温度調節部材３０で円筒状基体１０の外周面１０ａ上に形成された感光層１１を加熱することによって、電子写真感光体１が繰り返し使用することで感光層１１の表面が湿度に敏感となって水分を吸着しやすくなることを抑制することができる。ひいては感光層１１の表面抵抗が下がり、表面電荷が横方向に移動して画像流れが生じるのを抑制することが可能となる。

　また、本例の電子写真感光体１は、円筒状基体１０にフランジ２０を装着したままで温度調節部材３０の出し入れが可能である。よって、一度円筒状基体１０とフランジ２０の有する軸２０ｃとの回転軸を高精度に調整した後で温度調節部材３０を円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って配置することが可能であるばかりか、温度調節部材３０の断線などによって温度調節部材３０を交換する必要性が生じた場合であっても、円筒状基体１０とフランジ２０とを装着したままで温度調節部材３０の交換が可能である。よって、円筒状基体１０とフランジ２０の有する軸２０ｃとの回転軸を高精度に調整した状態を維持することが可能となる。

　（電子写真感光体の第２の実施の形態）
　次に、本発明の電子写真感光体の第２の実施の形態の例を説明する。図３（ａ）～（ｃ）は本発明の第２の実施の形態の例である電子写真感光体２を示す図である。なお、温度調節部材３０が円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って配置されていること以外は、本例の電子写真感光体２の構成は第１の実施の形態の例である電子写真感光体１と同様である。以下、第１の実施の形態の例と同様の構成については、同一の符号を付すなどして説明を省略することがある。

　温度調節部材３０は、電子写真感光体２（感光層１１）の温度調節が可能であれば特に限定されるものではない。図示はしないが温度調節部材３０に接続された、例えばスリップリングなどを介して外部の電源から電力供給を受けて温度調節部材３０は所定温度に加熱・冷却される。必要であれば電子写真感光体２（感光層１１）の表面温度をモニターするセンサーを取り付けて、電子写真感光体２の表面温度を所定温度で維持できるように制御してもよい。

　温度調節部材３０は、図示はしないが円筒状基体１０の内周面に沿って配置されて固定されている。固定方法はどのような方法を採用してもよいが、貫通孔２０ｄから温度調節部材３０を挿入した際に容易に固定できる方法が好ましい。例えば、面状の温度調節部材３０の長手方向、つまり円筒状基体１０の軸方向に沿った両端面と、貫通孔２０ｄと反対側に位置する端面の少なくともそれぞれ１箇所を板ばねで挟み込むことによって固定する構造とすればよい。ここで、板ばねは、貫通孔２０ｄから挿入されて円筒状基体１０の内部で広がることによって、面状の温度調節部材３０の両端部を円筒状基体１０の内周面１０ｂに押さえつける役割を有する。このように固定された面状の温度調節部材３０を取り出す際は、貫通孔２０ｄから挿入した部材によって板ばねの一部を掴んで引っ張り出した上で、面状の温度調節部材３０を取り出せばよい。なお、本例の電子写真感光体２では、円筒状基体１０の内周面１０ｂと温度調節部材３０とは所定間隔を空けて配置されているが、当接するように配置してもよい。温度調節部材３０によって、感光層１１を均一に効率よく加熱するのが好ましいため、温度調節部材３０は円筒状基体１０の内周面１０ｂにできるだけ近くに均等に配置するのが好ましい。

　本例の電子写真感光体２は、上述のように円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って温度調節部材３０が配置されており、円筒状基体１０の外周面１０ａ上に形成された感光層１１を加熱することによって、電子写真感光体２が繰り返し使用することによって感光層１１の表面が湿度に敏感となって水分を吸着しやすくなることを抑制することができる。ひいては感光層１１の表面抵抗が下がり、表面電荷が横方向に移動して画像流れが生じるのを抑制することが可能となる。

　また、本例の電子写真感光体２は、円筒状基体１０にフランジ２０を装着したままで温度調節部材３０の出し入れが可能である。よって、一度円筒状基体１０とフランジ２０の有する軸２０ｃとの回転軸を高精度に調整した後、温度調節部材３０を円筒状基体１０の内周面１０ｂに沿って配置することが可能であるばかりか、温度調節部材３０の断線などによって温度調節部材３０を交換する必要性が生じた場合であっても、円筒状基体１０とフランジ２０とを装着したままで温度調節部材３０の交換が可能となる。よって、円筒状基体１０とフランジ２０の有する軸２０ｃとの回転軸を高精度に調整した状態を維持することが可能となる。

　（画像形成装置）
　図４に示す画像形成装置は、画像形成方式としてカールソン法を採用したものであり、電子写真感光体１、帯電器１１１、露光器１１２、現像器１１３、転写器１１４、定着器１１５、クリーニング器１１６および除電器１１７を備えている。

　帯電器１１１は、電子写真感光体１の表面を負極性に帯電する役割を担うものである。帯電電圧は、例えば２００Ｖ以上１０００Ｖ以下に設定される。本実施形態において帯電器１１１は、例えば芯金を導電性ゴムあるいはＰＶＤＦ（ポリフッ化ビニリデン）によって被覆して構成される接触型帯電器が採用されているが、これに代えて、放電ワイヤを備える非接触型帯電器（例えばコロナ帯電器）を採用してもよい。

　露光器１１２は、電子写真感光体１に静電潜像を形成する役割を担うものである。具体的には、露光器１１２は、画像信号に応じて特定波長（例えば６５０ｎｍ以上７８０ｎｍ以下）の露光光（例えばレーザ光）を電子写真感光体１に照射することによって、帯電状態にある電子写真感光体１の露光光照射部分の電位を減衰させて静電潜像を形成する。露光器１１２としては、例えば複数のＬＥＤ素子（波長：６８０ｎｍ）を配列させてなるＬＥＤヘッドを採用することができる。

　もちろん、露光器１１２の光源としては、ＬＥＤ素子に代えてレーザ光を出射可能なものを使用することもできる。つまり、ＬＥＤヘッドなどの露光器１１２に代えて、ポリゴンミラーを含んでなる光学系を使用してもよい。あるいは、原稿からの反射光を通すレンズおよびミラーを含んでなる光学系を採用することによって、複写機の構成の画像形成装置とすることもできる。

　現像器１１３は、電子写真感光体１の静電潜像を現像してトナー像を形成する役割を担うものである。本例における現像器１１３は、現像剤（トナー）Ｔを磁気的に保持する磁気ローラ１１３Ａを備えている。

　現像剤Ｔは、電子写真感光体１の表面上に形成されるトナー像を構成するものであり、現像器１１３において摩擦帯電する。現像剤Ｔとしては、例えば、磁性キャリアおよび絶縁性トナーを含んでなる二成分系現像剤と、磁性トナーを含んでなる一成分系現像剤とが挙げられる。

　磁気ローラ１１３Ａは、電子写真感光体１の表面（現像領域）に現像剤を搬送する役割を担うものである。磁気ローラ１１３Ａは、現像器１１３において摩擦帯電した現像剤Ｔを一定の穂長に調整された磁気ブラシの形で搬送する。この搬送された現像剤Ｔは、電子写真感光体１の現像領域において、静電潜像との静電引力によって電子写真感光体１の表面に付着してトナー像を形成する（静電潜像を可視化する）。トナー像の帯電極性は、正規現像によって画像形成が行なわれる場合には電子写真感光体１の表面の帯電極性と逆極性とされ、反転現像によって画像形成が行なわれる場合には電子写真感光体１の表面の帯電極性と同極性とされる。

　なお、現像器１１３は、本例においては乾式現像方式を採用しているが、液体現像剤を用いた湿式現像方式を採用してもよい。

　転写器１１４は、電子写真感光体１と転写器１１４との間の転写領域に供給された記録媒体Ｐに、電子写真感光体１のトナー像を転写する役割を担うものである。本例における転写器１１４は、転写用チャージャ１１４Ａおよび分離用チャージャ１１４Ｂを備えている。転写器１１４では、転写用チャージャ１１４Ａにおいて記録媒体Ｐの背面（非記録面）がトナー像とは逆極性に帯電され、この帯電電荷とトナー像との静電引力によって、記録媒体Ｐ上にトナー像が転写される。また、転写器１１４では、トナー像の転写と同時的に、分離用チャージャ１１４Ｂにおいて記録媒体Ｐの背面が交流帯電され、記録媒体Ｐが電子写真感光体１の表面から速やかに分離させられる。

　転写器１１４としては、電子写真感光体１の回転に従動し、且つ、電子写真感光体１とは微小間隙（通常、０．５ｍｍ以下）を介して配置された転写ローラを用いることも可能である。この転写ローラは、例えば直流電源により、電子写真感光体１上のトナー像を記録媒体Ｐ上に引きつけるような転写電圧を印加するように構成される。転写ローラを用いる場合には、分離用チャージャ１１４Ｂのような転写分離装置は省略することもできる。

　定着器１１５は、記録媒体Ｐに転写されたトナー像を記録媒体Ｐに定着させる役割を担うものであり、一対の定着ローラ１１５Ａ、１１５Ｂを備えている。定着ローラ１１５Ａ、１１５Ｂは、例えば金属ローラ上に四フッ化エチレンなどで表面被覆したものである。定着器１１５では、一対の定着ローラ１１５Ａ、１１５Ｂの間を通過させる記録媒体Ｐに対して熱および圧力などを作用させることによって、記録媒体Ｐにトナー像を定着させることができる。

　クリーニング器１１６は、電子写真感光体１の表面に残存するトナーを除去する役割を担うものであり、クリーニングブレード１１６Ａを備えている。クリーニングブレード１１６Ａは、電子写真感光体１の表面から残留トナーを掻きとる役割を担うものである。クリーニングブレード１１６Ａは、例えばポリウレタン樹脂を主成分としたゴム材料で形成されている。

　除電器１１７は、電子写真感光体１の表面電荷を除去する役割を担うものであり、特定波長（例えば７８０ｎｍ以上）の光を出射可能とされている。除電器１１７は、例えばＬＥＤなどの光源によって電子写真感光体１の表面の軸方向全体を光照射することにより、電子写真感光体１の表面電荷（残余の静電潜像）を除去するように構成されている。

　本例の画像形成装置１００では、電子写真感光体１が有する上述の効果を奏することができる。

　なお、本例の画像形成装置を構成する電子写真感光体１に代えて、電子写真感光体２を採用してもよい。

　以上、本発明の具体的な実施の形態の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。

　例えば、図５に示す変形例のように、円筒状基体１０とフランジ２０とは、フランジ２０が円筒状基体１０と一体的に形成されていてもよい。ここで、一体的とは、円筒状基体１０とフランジ２０とが着脱不可能な状態にあることをいう。円筒状基体１０とフランジ２０とを一体的に形成するには、例えばアルミニウム（Ａｌ）、亜鉛（Ｚｎ）、銅（Ｃｕ）、鉄（Ｆｅ）、チタン（Ｔｉ）、ニッケル（Ｎｉ）、クロム（Ｃｒ）、タンタル（Ｔａ）、スズ（Ｓｎ）、金（Ａｕ）および銀（Ａｇ）などの金属材料あるいはこれら例示した金属材料を含む例えばステンレス（ＳＵＳ）などの合金材料によって円筒状基体１０およびフランジ２０とを作製し、円筒状基体１０とフランジ２０とを溶接などによって接合すればよい。または、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂にカーボン繊維を混合した樹脂材料またはポリフェニレンサルファイドもしくはポリフタルアミドにカーボンブラックを配合した樹脂材料などを射出成形法などによって一体成形すればよい。このような構成とすることで、基体とフランジの有する軸または軸受けとの回転軸をさらに高精度に調整可能とすることができる。

　また、画像形成装置１００は、電子写真感光体１に加えて、電子写真感光体１に挿入された温度調節部材３０を備えていてもよい。

１　電子写真感光体
１０　円筒状基体
１０ａ　外周面
１０ｂ　内周面
１０ｃ　端面
１１　感光層
２０　フランジ（接合部）
２０ａ　フランジ部
２０ｂ　嵌合部
２０ｃ　軸
２０ｄ　貫通孔
３０　温度調節部材
１００　画像形成装置
１１１　帯電器
１１２　露光器
１１３　現像器
１１４　転写器
１１５　定着器
１１６　クリーニング器
１１７　除電器

Claims

　円筒状基体と、前記円筒状基体の端部に位置しており軸または軸受けを有する接合部と、前記円筒状基体の外周面上に位置している感光層とを備え、
　前記接合部は、前記円筒状基体の内周面に沿って配置される温度調節部材を出し入れ可能な、前記円筒状基体の軸方向に貫通した貫通孔を有する、電子写真感光体。
　前記接合部は、前記円筒状基体と一体的に形成されている、請求項１に記載の電子写真感光体。
　前記円筒状基体の内周面に沿って位置している前記温度調節部材をさらに備える、請求項１または２に記載の電子写真感光体。
　請求項１～３のいずれか１項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電可能な帯電器とを備える、画像形成装置。
　請求項１または２に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の内周面に沿って位置している温度調節部材とを備える、画像形成装置。