WO2014208502A1

WO2014208502A1 - 組み付け構造及び車両用内装品並びに車両用内装品の取り付け方法

Info

Publication number: WO2014208502A1
Application number: PCT/JP2014/066576
Authority: WO
Inventors: 哲久山本; 貴之猪瀬; 直樹大園
Original assignee: テイ・エステック株式会社
Priority date: 2013-06-24
Filing date: 2014-06-23
Publication date: 2014-12-31

Abstract

組み付け構造は、内装部材１２０と、内装部材１２０に凹んだ状態に設けられた収容凹部１２３と、保持孔１２６の上において立てた状態に保持され、その裏面１４０ａ側へ倒伏することで収容凹部１２３に嵌め込まれるキャップ部材１４０と、立てた状態のキャップ部材１４０の下端部に設けられ、キャップ部材１４０を立てた状態に保持するとともに、キャップ部材１４０が表面４０ｂ側へ倒伏することを規制する規制部１４１と、を備える。

Description

組み付け構造及び車両用内装品並びに車両用内装品の取り付け方法

　本発明は、組み付け構造及び車両用内装品並びに車両用内装品の取り付け方法に関し、特にキャップ部材を内装部材に仮組みする技術に関する。

　特許文献１に記載のように、上面が開口した有底箱状のポケット部材（４）が車両用内装品（１）に取り付けられ、通孔（４ｃ）がそのポケット部材（４）の底に形成され、ネジ（４ｄ）が通孔（４ｃ）を通って車両用内装品（１）に締め付けられ、ポケット部材（４）がそのネジ（４ｄ）によって車両用内装品（１）に固定されている。ポケット部材（４）の底の見栄えを良くするために、通孔（４ｃ）及びネジ（４ｄ）がキャップ部材（６）によって覆われている。

　また、車両用内装品（１）を自動車の車室内に取り付ける前は、キャップ部材（６）がポケット部材（４）に仮組みされている。具体的には、キャップ部材（６）がポケット部材（４）の底に立てた状態に設けられ、通孔（４ｃ）がキャップ部材（６）によって塞がれていない。車両用内装品（１）を自動車の車室内に取り付ける段階で、ネジ（４ｄ）を締め付け、その後キャップ部材（６）によって通孔（４ｃ）を塞ぐ。
　また、キャップ部材（６）の下端部と係合片（５ａ）の前端部とをそれらよりも薄いヒンジ部（５ａ－１）によって連結することによって、キャップ部材（６）と係合片（５ａ）によってＬ字型を形作り、凹部（４ｂ）の立壁面に形成された係合孔（４ｂ－１）に係合片（５ａ）を差し込むことによってキャップ部材（６ａ）を立てた状態に保持する。このキャップ部材（６）を倒すと、ヒンジ部（５ａ－１）が大きく曲げられ、キャップ部材（６）を伏せた状態で凹部（４ｂ）に嵌め込むことができる。

　特許文献１に記載の技術は、キャップ部材（６）とポケット部材（４）の仮組を工夫して、キャップ部材（６）がその裏面側へ倒れて閉じることを防止したものである。

　しかしながら、特許文献１に記載の技術は、キャップ部材が開く方向に倒れることを考慮したものではない。また、特許文献１にキャップ部材やポケット部材が振動することによってキャップ部材が倒れてしまう虞がある。仮にキャップ部材を立った状態を堅固に保持することができたものとしても、ネジの締結後にキャップ部材を容易に倒して閉じることが望まれる。

　また、特許文献１に記載の技術は、ヒンジ部（５ａ－１）の厚みが薄く、ヒンジ部（５ａ－１）の強度が低いため、キャップ部材（６）が仮組状態であっても倒伏状態であっても、ヒンジ部（５ａ－１）が変形してしまうことがある。また、仮組み状態のキャップ部材（６）の安定性が低く、キャップ部材（６）ががたついたり、倒れたりする虞がある。

　また、特許文献１に記載の技術は、ヒンジ部（５ａ－１）の厚みが薄いために、その部分の剛性が低下してしまう。他方、剛性を高めるべくヒンジ部（５ａ－１）を厚くしてしまうと、キャップ部材のスムーズな移動を阻害してしまう。

特開２０１１－４２３２７号公報

　本発明が解決しようとする課題は、キャップ部材が立った状態を堅固に保持して、キャップ部材が表面側へ倒れることを抑制し、更に簡単な作業でキャップ部材を閉じることができるようにすることである。

　以上の課題を解決するために、組み付け構造は、内装部材と、前記内装部材に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、前記保持孔の上において立てた状態に保持され、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、立てた状態の前記キャップ部材の下端部に設けられ、前記キャップ部材を立てた状態に保持するとともに、前記キャップ部材が表面側へ倒伏することを規制する規制部と、を備える。

　キャップ部材が立った状態に保持され、キャップ部材がその表面側へ倒れることも抑制することができる。また、キャップ部材が振動又は衝撃等によって倒れることを抑制することができる。

本発明の実施形態に係る車両用内装品の分解斜視図である。同実施形態に係る車両用内装品に設けられる内装部材の平面図である。同実施形態に係る車両用内装品に設けられるキャップ部材の正面図である。キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態のIV－IV断面図である。キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態の平面図である。キャップ部材が閉じた状態のIV－IV断面図である。キャップ部材を内装部材に組み付ける過程を示した正面図である。本発明の実施形態に係る車両用内装品の分解斜視図である。同実施形態に係る車両用内装品に設けられる内装部材の斜視図である。同実施形態に係る組み付け構造の分解斜視図である。同実施形態に係る車両用内装品に設けられる内装部材の外面を示した斜視図である。同実施形態に係る組み付け構造の表側の斜視図である。同実施形態に係る組み付け構造の裏側の斜視図である。キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態のXIV－XIV断面図である。キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態のXV－XV断面図である。キャップ部材が内装部材に仮組みされた状態のXVI－XVI断面図である。キャップ部材が内装部材に本組みされた状態のXIV－XIV断面図である。キャップ部材が内装部材に本組みされた状態のXV－XV断面図である。キャップ部材が内装部材に本組みされた状態のXVI－XVI断面図である。キャップ部材が倒れ始めた状態の表側を示した斜視図である。キャップ部材が倒れ始めた状態の裏側を示した斜視図である。キャップ部材が倒れ始めた状態のXIV－XIV断面図である。キャップ部材が倒れ始めた状態のXV－XV断面図である。キャップ部材が倒れ始めた状態のXVI－XVI断面図である。キャップ部材が図２０に示す状態よりも更に倒れた状態の表側を示した斜視図である。キャップ部材が図２１に示す状態よりも更に倒れた状態の裏側を示した斜視図である。キャップ部材が図２２に示す状態よりも更に倒れた状態のXIV－XIV断面図である。キャップ部材が図２３に示す状態よりも更に倒れた状態のXV－XV断面図である。キャップ部材が図２４に示す状態よりも更に倒れた状態のXVI－XVI断面図である。キャップ部材が図２６に示す状態よりも更に倒れた状態の裏側を示した斜視図である。キャップ部材が図２７に示す状態よりも更に倒れた状態のXIV－XIV断面図である。キャップ部材が図２８に示す状態よりも更に倒れた状態のXV－XV断面図である。キャップ部材が図２９に示す状態よりも更に倒れた状態のXVI－XVI断面図である。キャップ部材が図３０に示す状態よりも更に倒れた状態の裏側を示した斜視図である。キャップ部材が図３１に示す状態よりも更に倒れた状態のXIV－XIV断面図である。キャップ部材が図３２に示す状態よりも更に倒れた状態のXV－XV断面図である。キャップ部材が図３３に示す状態よりも更に倒れた状態のXVI－XVI断面図である。キャップ部材が図３５に示す状態よりも更に倒れた状態のXIV－XIV断面図である。キャップ部材が図３６に示す状態よりも更に倒れた状態のXV－XV断面図である。キャップ部材が図３７に示す状態よりも更に倒れた状態のXVI－XVI断面図である。本実施形態に係る車両用内装品の分解斜視図である。本実施形態に係る収容凹部を第一内装部材の内側から示す斜視図である。図４２の収容凹部を第一内装部材の外側から示す斜視図である。本実施形態に係るキャップ部材の概略構成を示す側面図である。本実施形態に係るキャップ部材の裏面側の構成を示す正面図である。図４５の一部分を拡大した背面図である。本実施形態に係る第一内装部材に対してキャップ部材を取り付ける直前の状態を示す斜視図である。本実施形態に係る第一内装部材に対してキャップ部材を取り付けた直後の状態（起立状態）を示す斜視図である。図４８に示す起立状態の一部を拡大した破断斜視図である。本実施形態に係る起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材の一段階での状態を示す断面図である。本実施形態に係る起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材の二段階での状態を示す断面図である。本実施形態に係る起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材の三段階での状態を示す断面図である。本実施形態に係る起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材の四段階での状態を示す断面図である。本実施形態に係る起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材の五段階での状態を示す断面図である。本実施形態に係る起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材の六段階での状態を示す断面図である。

　以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が以下の実施形態に付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。

［第１の実施の形態］
　図１は、車両用内装品１０１の分解斜視図である。本実施形態では、この車両用内装品１０１がドアトリムであるものとして、車両用内装品１０１の説明を行う。但し、本発明に係る車両用内装品はドアトリム以外の内装品にも適用することができる。

　車両用内装品１０１は内装品本体１１０、内装部材１２０、キャップ部材１４０及び規制部１４１等を備える。

　内装品本体１１０は、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲、係止爪その他の留め具によって自動車のドア本体の車室内側の面に取り付けられる。内装品本体１１０は樹脂成形品であって、射出成形法、モールドプレス法、複数色成形法、モールド成形法その他の成形法によって成形されたものである。内装品本体１１０は、別々に成形された樹脂成形品を組み立てることによって作られた複合品であってもよい。

　内装品本体１１０の上部には、ドアノブが収まる穴１１１が形成されている。
　内装品本体１１０の上端と下端の間の中間部には膨出部１１５形成されている。この膨出部１１５が車室の内側へ膨らんでおり、膨出部１１５の裏側に空洞が形成されている。この膨出部１１５は穴１１１の下において前後方向に延在する。膨出部１１５の上面には取付穴１１７が形成されている。その取付穴１１７は膨出部１１５の裏側の空洞に通じている。

　この取付穴１１７には、内装部材１２０とキャップ部材１４０を仮組した組み付け構造が設けられている。この組み付け構造は内装部材１２０及びキャップ部材１４０等を備えるものである。組み付け構造の構成について以下に詳細に説明する。

　内装部材１２０は、自動車のドアを閉める際に利用される。つまり、人差し指、中指、薬指及び小指を取付穴１１７から内装部材１２０の中空１２１に入れて、内装部材１２０及び膨出部１１５を掴んで、車両用内装品１０１ごとドア本体を引く。そうすると、ドアを閉じることができる。つまり、内装部材１２０は把手部である。

　図２は内装部材１２０の平面図である。図１及び図２に示すように、内装部材１２０はポケット状の部材である。つまり、内装部材１２０が箱形に形成されているとともに中空１２１を有し、内装部材１２０の上面が開口して、中空１２１の上側が開放されている。この内装部材１２０が膨出部１１５の裏側の空洞に納められており、内装部材１２０の上面開口が取付穴１１７に重なり、内装部材１２０の中空１２１が取付穴１１７を通じて膨出部１１５の上側に開放されている。内装部材１２０は留め具によって内装品本体１１０に固定されている。この留め具は例えばボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲又は係止爪である。

　内装部材１２０の内側の底面１２２の中央部には、矩形状の第一収容凹部１２３が凹んだ状態に形成されている。第一収容凹部１２３の底面１２３ｅの中央部には、円形状の第二収容凹部１２４が凹んだ状態に形成されている。第二収容凹部１２４の底面の中央部には円形状の通孔１２５が形成され、その通孔１２５が内装部材１２０の下面１２２ａ（図１及び図３等参照）まで貫通する。この通孔１２５と第二収容凹部１２４が同心状に配置されている。

　第一収容凹部１２３の底面１２３ｅには保持孔１２６と２つの係合孔１２７が形成されており、これら保持孔１２６及び係合孔１２７は内装部材１２０の下面１２２ａまで貫通する。

　保持孔１２６は、第一収容凹部１２３を囲う立壁１２３ａ～１２３ｄのうち立壁１２３ａ寄りに形成されている。保持孔１２６を上から見ると、保持孔１２６が矩形状に形成されており、その一辺の縁１２６ｂが立壁１２３ａに沿っている。そして、保持孔１２６は、第一収容凹部１２３の底面１２３ｅと立壁１２３ａとの間の角部から立壁１２３ａの外面にまで貫通する。また、保持孔１２６の４辺の縁１２６ｂ～１２６ｅのうち立壁１２３ａと反対側の縁１２６ｃの中央部には、凸部１２６ａが形成されている。

　係合孔１２７は、立壁１２３ａに相対する立壁１２３ｂ寄りに形成されている。係合孔１２７は、立壁１２３ｂに沿って形成されて、第一収容凹部１２３の底面１２３ｅと立壁１２３ｂとの間の角部から立壁１２３ｂの外面及び内装部材１２０の下面１２２ａにまで貫通する。

　矩形板状のキャップ部材１４０は、内装部材１２０の中空１２１に収容されている。図３、図４及び図５に示すように、このキャップ部材１４０は、規制部１４１によって、内装部材１２０の中空１２１の底面１２２、具体的には第一収容凹部１２３の底面１２３ｅに対して立てられた状態で保持されている。ここで、図３は、キャップ部材１４０が内装部材１２０に保持された状態のキャップ部材１４０の正面図であり、図４は、図２及び図３に示すIV－IVに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。図５は、キャップ部材１４０が内装部材１２０に保持された状態で内装部材１２０の中空１２１の底面及びキャップ部材１４０を示した平面図である。

　このキャップ部材１４０が倒伏可能である。車両用内装品１０１がドア本体に取り付けられる前には、図３及び図４に示すようにキャップ部材１４０が立った状態に保たれ、車両用内装品１０１がドア本体に取り付けられた後には、図６に示すようにキャップ部材１４０が倒伏されて、キャップ部材１４０が第一収容凹部１２３の底面１２３ｅに伏した状態で第一収容凹部１２３に嵌め込まれる。なお、図６は、キャップ部材１４０が倒伏した状態の場合の図４に相当する断面図である。

　図３及び図４に示すように、立った状態のキャップ部材１４０の下端１４０ｃには、保持孔１２６に圧入された規制部（圧入部）１４１が設けられている。この規制部１４１が保持孔１２６の縁を挟持するとともに保持孔１２６の縁に圧接し、キャップ部材１４０が閉じる方向α及び開く方向βへ倒れることが規制部１４１によって規制される。規制部１４１は、支持片１４２、ノッチ１４４、圧接片１４６、第一引掛部１５０、第二引掛部１５５及び係合凹部１５９等を有する。まず、支持片１４２、ノッチ１４４及び圧接片１４６について詳細に説明する。

　支持片１４２は、キャップ部材１４０の下端１４０ｃの裏面１４０ａに設けられている。この支持片１４２は、立った状態のキャップ部材１４０の下端１４０ｃの中央部から下方へ延出している。また、支持片１４２は、キャップ部材１４０と略平行となるような板状に設けられている。支持片１４２の先端（下端）１４３の中央部には、その先端１４３からキャップ部材１４０の下端１４０ｃに向かって切り欠いたノッチ１４４が形成されており、そのノッチ１４４によって支持片１４２が二股に分岐する。ノッチ１４４はＵ字型であり、ノッチ１４４の両側の縁が略平行であり、ノッチ１４４の底１４５が凹状の円弧型に形成されている。

　支持片１４２の厚さが一様であり、支持片１４２のうち二股に分かれた部位とそれよりもキャップ部材１４０側の部位は厚さが等しい。そのため、支持片１４２のうちノッチ１４４の底１４５からキャップ部材１４０の下端１４０ｃまでの部位の剛性を確保することができる。

　支持片１４２の裏面１４２ａには、板状（リブ状）の２つの圧接片１４６が凸状に形成されている。これら圧接片１４６はノッチ１４４の両側にそれぞれ配置され、これら圧接片１４６の間にノッチ１４４がある。図４に示すように、圧接片１４６を側方から投影視すると、圧接片１４６が台形状に形作られている。圧接片１４６の突端部１４７が台形の上底を構成し、圧接片１４６の上縁部１４８及び下縁部１４９が台形の脚を構成する。圧接片１４６の突端部１４７が支持片１４２の裏面１４２ａ及び表面（おもてめん）１４２ｂに対して平行であり、上縁部１４８及び下縁部１４９が圧接片１４６の裏面に対して傾斜する。傾斜角について詳細に説明すると、上縁部１４８と突端部１４７の成す内角が９０°を超えて１８０°未満であり、下縁部１４９と突端部１４７の成す内角が９０°を超えて１８０°未満であり、上縁部１４８と支持片１４２の裏面１４２ａが成す外角は１８０°を超えて２７０°未満であり、下縁部１４９と支持片１４２の裏面１４２ａが成す外角は１８０°を超えて２７０°未満である。

　圧接片１４６の上端（上縁部１４８と支持片１４２の裏面１４２ａの成す角部）の上下方向の位置と、ノッチ１４４の底１４５の上下方向の位置との関係は、以下の（１）～（３）の何れかである。
（１）　図３に示すように、圧接片１４６の上端の上下方向の位置がノッチ１４４の底１４５の上下方向の位置に揃っている。
（２）　図３に示す場合よりもノッチ１４４が浅いか、或いは圧接片１４６の上下方向の長さが長く、圧接片１４６の上端がノッチ１４４の底１４５よりも上に位置している。そうすれば、支持片１４２の強度がノッチ１４４によって低下しても、その低下分を圧接片１４６によって補強することができる。
（３）　図３に示す場合よりもノッチ１４４が深いか、或いは圧接片１４６の上下の長さが短く、圧接片１４６の上端がノッチ１４４の底１４５よりも下に位置している。そうすれば、支持片１４２のうち二股に分かれた部位の間隔を広げたり、狭めたりするように弾性変形させやすい。

　図４に示すように、キャップ部材１４０が立てられ、支持片１４２がキャップ部材１４０から下へ垂下する。そして、図４及び図５に示すように、キャップ部材１４０及び支持片１４２の表面（おもてめん）１４０ｂ，１４２ｂが立壁１２３ａ側に向けられ、キャップ部材１４０及び支持片１４２の裏面１４０ａ，１４２ａが立壁１２３ｂ側に向けられている。そして、圧接片１４６及び支持片１４２が保持孔１２６に差し込まれ、圧接片１４６及び支持片１４２が保持孔１２６の縁に圧接され、凸部１２６ａが２つの圧接片１４６の間に配置されている。つまり、支持片１４２の表面１４２ｂが保持孔１２６の４辺の縁１２６ｂ～１２６ｅのうち立壁１２３ａ側の縁１２６ｂに押し付けられ、圧接片１４６の突端部１４７がその反対側の縁１２６ｃに押し付けられ、保持孔１２６が圧接片１４６及び支持片１４２によって弾性的に押し広げられ、圧接片１４６及び支持片１４２が保持孔１２６の縁１２６ｂ，１２６ｃによって弾性的に圧縮されている。これによりキャップ部材１４０及び支持片１４２が支えられ、キャップ部材１４０及び支持片１４２が立った状態に保たれる。よって、キャップ部材１４０が閉じる方向α及び開く方向βに倒れることが支持片１４２及び圧接片１４６によって抑制される。

　図４に示すように、圧接片１４６の突端部１４７が支持片１４２の表面１４２ｂに対して平行であるため、圧接片１４６の突端部１４７が保持孔１２６の縁１２６ｃに押し付けられる力の向きはその境界面に対してほぼ垂直となり、支持片１４２の表面１４２ｂが保持孔１２６の縁１２６ｂに押し付けられる力の向きがその境界面に対して垂直となる。そのため、圧接片１４６及び支持片１４２が保持孔１２６の縁１２６ｂ，１２６ｃに対して滑りにくく、圧接片１４６及び支持片１４２が振動等の外部荷重によって保持孔１２６から抜けてしまうことを抑制することができる。
　なお、支持片１４２及び圧接片１４６によってキャップ部材１４０が立てられている状態では、支持片１４２が第一収容凹部１２３から上方に突き出ており、キャップ部材１４０が第一収容凹部１２３の立壁１２３ａ及び保持孔１２６の上に配置される。

　続いて、第一引掛部１５０、第二引掛部１５５及び係合凹部１５９について詳細に説明する。図３に示すように、第一引掛部１５０、第二引掛部１５５及び係合凹部１５９は支持片１４２の側面に形成されている。第一引掛部１５０及び第二引掛部１５５は支持片１４２の側面から側方へ突出した突起であり、支持片１４２の側面を基準とした第二引掛部１５５の突出高さが第一引掛部１５０の突出高さよりも高い。これら引掛部１５０，１５５がこれらの間に間隔を置いて上下に並べられ、第二引掛部１５５が第一引掛部１５０よりも支持片１４２の側面の先端１４３寄りに配置されている。これら引掛部１５０，１５５の間に係合凹部１５９が窪んだ状態に設けられている。図３に示す例では支持片１４２の一方の側面に設けられた第一引掛部１５０と第二引掛部１５５の間隔が他方の側面に設けられた第一引掛部１５０と第二引掛部１５５の間隔に等しい。但し、一方の第一引掛部１５０と第二引掛部１５５の間隔が他方の第一引掛部１５０と第二引掛部１５５の間隔と相違するものとしてもよい。

　第二引掛部１５５の上縁１５６が支持片１４２の側面に対して垂直に切り立っている。第二引掛部１５５の下縁１５７の法線が下斜め側方に延びており、その下縁１５７が支持片１４２の側面に対して傾斜する。そして、第二引掛部１５５の上縁１５６と下側の下縁１５７の成す内角は鋭角である。

　第一引掛部１５０は正面から見て三角形の山型に形成されている。第一引掛部１５０の上縁１５１の法線が上斜め側方に延びており、その上縁１５１が支持片１４２の側面に対して傾斜する。第一引掛部１５０の下縁１５２の法線が下斜め側方に延びており、その下縁１５２が支持片１４２の側面に対して傾斜する。

　係合凹部１５９と圧接片１４６は上下方向の位置が揃っている。詳細には、圧接片１４６の突端部１４７と係合凹部１５９の上下方向の位置が揃っている。また、ノッチ１４４の底１４５が係合凹部１５９よりも上に位置し、ノッチ１４４の底１４５が第一引掛部１５０よりも上に位置している。また、第一引掛部１５０の上縁部１４８と支持片１４２の側面との間の角部の上下方向の位置が圧接片１４６の上縁部１４８に上下方向の位置にラップする。

　支持片１４２が第一収容凹部１２３の底面１２３ｅからその裏面１２３ｆまで保持孔１２６を貫通し、第一引掛部１５０が第一収容凹部１２３の底面１２３ｅに引っ掛かり、第二引掛部１５５が裏面１２３ｆに引っ掛かり、保持孔１２６の両側の縁１２６ｄ，１２６ｅが一方の引掛部１５０，１５５及び他方の引掛部１５０，１５５によってそれぞれ把持され、縁１２６ｄ，１２６ｅが両側の係合凹部１５９，１５９にそれぞれ係合する。係合凹部１５９の上下方向の位置は圧接片１４６の上下方向の位置に揃っているので、保持孔１２６の縁１２６ｄ，１２６ｅが係合凹部１５９，１５９に入り込んだ状態では、圧接片１４６の突端部１４７が保持孔１２６の縁１２６ｃに位置決めされる。

　支持片１４２及び圧接片１４６が保持孔１２６から上へ抜けてしまうことが第二引掛部１５５によって抑制される。支持片１４２及び圧接片１４６が保持孔１２６から下へ抜けてしまうことが第一引掛部１５０によって抑制される。保持孔１２６の縁１２６ｄが第一引掛部５０と第二引掛部５５の間に挟まれ、反対側の縁１２６ｅが反対側の第一引掛部５０と第二引掛部５５の間に挟まれる。よって、キャップ部材１４０が閉じる方向α及び開く方向βに倒れることが第一引掛部１５０、第二引掛部１５５及び係合凹部１５９によって抑制される。

　キャップ部材１４０の裏面１４０ａであって上側の縁１４０ｄには２つのフック１６０が設けられ、これらのフック１６０の間には間隔が設けられている。フック１６０はキャップ部材１４０の上側の縁１４０ｄから僅かに突出する。図６に示すように、キャップ部材１４０が倒伏した状態ではフック１６０が係合孔１２７に差し込まれ、フック１６０が立壁１２３ｂの下の係合孔１２７の縁に引っ掛かる。

　キャップ部材１４０が倒伏した状態では、キャップ部材１４０によって第二収容凹部１２４の上が閉塞されている。また、圧接片１４６が保持孔１２６から第一収容凹部１２３の裏側に抜けており、支持片１４２が保持孔１２６を立壁１２３ａの裏側へ貫通し、その支持片１４２が振り上げられた状態となり、その支持片１４２が内装部材１２０の下面１２２ａに対向する。支持片１４２の表面１４２ｂが立壁１２３ａの下の保持孔１２６の縁１２６ｂに引っ掛かり、反対側ではフック１６０が引っ掛かっているので、キャップ部材１４０が第一収容凹部１２３内に止められている。

　図６に示すように、車両用内装品１０１がドア本体に組み付けられた状態では、ドア本体に設けられたブラケット１９９が膨出部１１５の裏側において第二収容凹部１２４の下に配置される。取付ネジ（締結具）１９８が通孔１２５に通され、その取付ネジ１９８がブラケット１９９の雌ネジに噛み合ってブラケット１９９に締め付けられている。更に取付ネジ１９８がブラケット１９９を貫通して、その取付ネジ１９８が膨出部１１５の下壁に締め付けられている。取付ネジ１９８の頭部が第二収容凹部１２４に収容され、その取付ネジ１９８の頭部が第二収容凹部１２４の底に締め付けられている。以上により、内装部材１２０及び内装品本体１１０がドア本体に固定される。

　続いて、車両用内装品１０１及び組み付け構造の製造方法について説明する。
　内装品本体１１０を成形するとともに、内装部材１２０も成形する。
　また、キャップ部材１４０を成形するとともに、キャップ部材１４０の成形に際して支持片１４２、ノッチ１４４、第二引掛部１５５、第一引掛部１５０及び係合凹部１５９をキャップ部材１４０と一体成形する。

　次に、内装部材１２０を内装品本体１１０の裏側から膨出部１１５の裏側の空洞に収容し、内装部材１２０の上面開口を取付穴１１７に重ねる。そして、内装部材１２０を留め具によって内装品本体１１０に固定する。

　次に、図３、図４及び図５に示すように、キャップ部材１４０及び支持片１４２の表面１４０ｂ，１４２ｂを第一収容凹部１２３の立壁１２３ａ側に向けるようにしてキャップ部材１４０を立て、支持片１４２の先端１４３を先にしてキャップ部材１４０及び支持片１４２を内装部材１２０の中空１２１に入れて、支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に差し込む。支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に差し込む際には、支持片１４２の表面１４２ｂを保持孔１２６の縁１２６ｂに接触させ、圧接片１４６を反対側の縁１２６ｃに接触させ、圧接片１４６及び支持片１４２によって保持孔１２６を押し広げるようにして圧接片１４６及び支持片１４２を保持孔１２６に押し込む。圧接片１４６の下縁部１４９が傾斜しているので、圧接片１４６及び支持片１４２を保持孔１２６に押し込みやすい。

　支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に差し込む際には、支持片１４２のうち二股に分かれた部位の間隔を狭めるようにこの二股部を挟み込む。そして、左の第二引掛部１５５と右の第二引掛部１５５が第一収容凹部１２３の底面１２３ｅからその裏面１２３ｆへ保持孔１２６の縁１２６ｅ，１２６ｄを乗り越えるようにして、支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に差し込む。第二引掛部１５５，１５５の下縁１５７，１５７が傾斜しているので、第二引掛部１５５，１５５が保持孔１２６の縁１２６ｄ，１２６ｅを乗り越えやすい。

　左右の第二引掛部１５５，１５５が保持孔１２６の縁１２６ｅ，１２６ｄを乗り越えると、左右の第一引掛部１５０，１５０が第一収容凹部１２３の底面１２３ｅに当たって、保持孔１２６の縁１２６ｄ，１２６ｅが係合凹部１５９，１５９に嵌まる。それによりクリック感が得られる。そのクリック感を得たら、支持片１４２及び圧接片１４６の圧入を止める。その状態では、圧接片１４６の突端部１４７が保持孔１２６の縁１２６ｃに押し当てられ、支持片１４２の表面１４２ｂが保持孔１２６の縁１２６ｂに押し当てられる。

　以上の説明では、キャップ部材１４０と内装部材１２０の組み付け工程が内装部材１２０と内装品本体１１０の組み付け工程の後であった。それに対して、キャップ部材１４０と内装部材１２０の工程が内装部材１２０と内装品本体１１０の組み付け工程の前であってもよいし、これらの工程が同時であってもよい。

　以上のようにキャップ部材１４０を内装部材１２０に取り付けると、キャップ部材１４０が内装部材１２０の底面１２２において立った状態に保たれる。

　その後、車両用内装品１０１を組み立て工場に搬送して、車両用内装品１０１を車室の内側（ドア本体の内側）に組み付ける。その組付け方法について以下に詳細に説明する。
　まず、内装品本体１１０をドア本体に組み付ける。つまり、内装品本体１１０の裏側面をドア本体の車室内側の面に向けて、内装品本体１１０をドア本体に貼り合わせ、内装品本体１１０を留め具によってドア本体に固定する。この際、ドア本体に設けられたブラケット１９９を膨出部１１５の裏側の空洞に挿入して、そのブラケット１９９を第二収容凹部１２４の下に位置合わせする。

　次に、取付ネジ１９８を通孔１２５に通して、その取付ネジ１９８をブラケット１９９及び膨出部１１５の下壁に共締めする。これにより、内装部材１２０をドア本体に取り付ける。
　次に、圧接片１４６及び支持片１４２を上から下へ保持孔１２６に押し込み、左の第一引掛部５０１と右の第一引掛部１５０が第一収容凹部１２３の底面１２３ｅからその裏面１２３ｆへ保持孔１２６の縁１２６ｅ，１２６ｄを乗り越えるようにする。第一引掛部１５０，１５０の下縁１５２，１５２が傾斜しているので、第一引掛部１５０，５０が保持孔１２６の縁１２６ｄ，１２６ｅを乗り越えやすい。

　第一引掛部１５０，１５０が保持孔１２６の下へ抜けると、圧接片１４６も保持孔１２６の下へ抜ける。ここで、第一引掛部１５０と支持片１４２の側面との間の角部の上下方向の位置が圧接片１４６の上縁部１４８に上下方向の位置にラップするため、第一引掛部１５０，１５０が保持孔１２６の縁１２６ｄ，１２６ｅを下へ乗り越えた時には、圧接片１４６の上縁部１４８が保持孔１２６の縁１２６ｃに押し付けられる。圧接片１４６の上縁部１４８が傾斜しているため、圧接片１４６の上縁部１４８と保持孔１２６の縁１２６ｃとの押付力が下向きの分力に分解され、圧接片１４６が保持孔１２６から下へ抜けやすい。

　次に、支持片１４２のうち保持孔１２６内の部分を支点にして、キャップ部材１４０を倒してキャップ部材１４０を第一収容凹部１２３に収容する。この際、キャップ部材１４０を下に押し込むことによって、フック１６０を係合孔１２７に押し込んで、フック１６０を立壁１２３ｂの下の係合孔１２７の縁に引っ掛けて、キャップ部材１４０を第一収容凹部１２３に嵌め込む。この際に、クリック感が得られる。

　圧接片１４６が支持片１４２の裏面１４２ａに凸設されているから、キャップ部材１４０が裏面側に倒れても、圧接片１４６が内装部材１２０の下面１２２ａに当たらない（図５参照）。

　以上の実施の形態によれば、下記のような作用効果を奏する。

（１）　キャップ部材１４０が立った状態では、支持片１４２及び圧接片１４６が保持孔１２６の縁１２６ｂ，１２６ｃにそれぞれ圧接される。そのため、支持片１４２及び圧接片１４６が保持孔１２６に対してがたつきづらい。よって、支持片１４２及び圧接片１４６が保持孔１２６にしっかり保持され、キャップ部材１４０が閉じる方向α及び開く方向βへ倒れることを抑制することができる。特に、振動又は衝撃が生じても、キャップ部材１４０が簡単には倒れない。

（２）　キャップ部材１４０が立った状態の場合に支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に押し込めば、圧接片１４６が保持孔１２６から下に外れる。そのため、簡単にキャップ部材１４０を方向αへ倒して閉じることができる。

（３）　保持孔１２６の縁１２６ｄ，１２６ｅが第一引掛部１５０と第二引掛部１５５の間に挟まれるので、これによりキャップ部材１４０の方向α及び方向βへのキャップ部材１４０の回転力が第一引掛部１５０と第二引掛部１５５から内装部材１２０に受けられ、キャップ部材１４０の倒れを抑制することができる。更に、支持片１４２の左右の側面に第一引掛部１５０及び第二引掛部１５５が設けられているので、キャップ部材１４０の横方向への傾きも抑制することができる。よって、支持片１４２及び圧接片１４６が保持孔１２６にしっかり保持され、キャップ部材１４０が立った状態にしっかり保持される。

（４）　左右の第二引掛部１５５，１５５の上縁１５６，１５６が支持片１４２の側面に対して垂直に切り立っているので、キャップ部材１４０が仮組み状態の場合には、上縁１５６，１５６が第一収容凹部１２３の底面１２３ｅの裏面１２３ｆに面接触する。そのため、キャップ部材１４０の仮組み状態が安定し、キャップ部材１４０のがたつきを抑制することができ、キャップ部材１４０の横方向への傾きも抑制することができる。

（５）　キャップ部材１４０を内装部材１２０に仮組みする際に、第一引掛部１５０がストッパとして機能し、支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に差し込みすぎることを抑制することができる。

（６）　支持片１４２にノッチ１４４が形成されているので、キャップ部材１４０を内装部材１２０に仮組みしやすく、更にキャップ部材１４０を仮組状態（図３～図５参照）から閉じやすい。

（７）　圧接片１４６の下縁部１４９及び第二引掛部１５５の下縁１５７が傾斜しているので、キャップ部材１４０を内装部材１２０に仮組みしやすい。また、第一引掛部１５０の下縁１５２が傾斜しているので、キャップ部材１４０を仮組状態から閉じやすい。

（８）　第一引掛部１５０と支持片１４２の側面との間の角部との上下方向の位置が圧接片１４６の上縁部１４８は上下方向の位置がラップし、その上縁部１４８が傾斜するので、第一引掛部１５０が保持孔１２６の下に乗り越えるだけで、圧接片１４６が保持孔１２６を下へ抜ける。

（９）　内装部材１２０が取付ネジ１９８によってドア本体に固定されるので、乗員が内装部材１２０を掴んでドアを閉じても、内装部材１２０がドア本体に対してがたつかない。

〔変形例〕
　なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下の変形例の組み合わせが可能であれば、それらを組み合わせて適用してもよい。

〔変形例１〕
　上記実施形態では、キャップ部材１４０を内装部材１２０に仮組みする際には、保持孔１２６の両側の縁１２６ｄ，１２６ｅを同時に両側の係合凹部１５９，１５９に係合させた。
　それに対して、図６に示すように、キャップ部材１４０を横に傾けた状態で、縁１２６ｄ，１２６ｅのうち一方（キャップ部材１４０が傾いた側にある方）を一方の係合凹部１５９に係合した後、キャップ部材１４０を逆に傾けて他方を他方の係合凹部１５９に係合する。こうすれば、キャップ部材１４０を内装部材１２０に簡単に仮組みすることができる。

　特に、一方の引掛部１５０，１５５の間隔が他方の引掛部１５０，１５５の間隔よりも広い場合には、以下のように行うことが好ましい。つまり、図６に示すように、係合凹部１５９，１５９のうち幅の狭い係合凹部１５９が設けられた側へキャップ部材１４０及び支持片１４２を傾けて、支持片１４２の先端１４３を保持孔１２６に差し込む。こうして、幅の狭い係合凹部１５９の下にある第二引掛部１５５が保持孔１２６の縁１２６ｅを乗り越えるようにして、その係合凹部１５９にその縁１２６ｅを係合させる。次に、キャップ部材１４０及び支持片１４２を反対に傾けて、幅の広い係合凹部１５９の下にある第二引掛部１５５に保持孔１２６の縁１２６ｄを乗り越えさせて、その係合凹部１５９にその縁１２６ｄを簡単に係合させることができる。

〔変形例２〕
　上記実施形態では、引掛部１５０，１５５が支持片１４２の左右の側面に設けられていたが、引掛部１５０，１５５が支持片１４２の片側の側面にだけ設けられていてもよい。但し、引掛部１５０，１５５が支持片１４２の左右の側面に設けられている方が、キャップ部材１４０の姿勢が安定性が向上する。

〔変形例３〕
　支持片１４２の側面に引掛部１５０，１５５が設けられていなくてもよい。但し、支持片１４２の側面に引掛部１５０，１５５が設けられている方が、支持片１４２及び圧接片１４６が保持孔１２６から抜けにくい。

〔変形例４〕
　支持片１４２に圧接片１４６が設けられていなくてもよい。但し、支持片１４２に圧接片１４６が設けられている方が、キャップ部材１４０の倒れを効率的に抑制することができる。

〔変形例５〕
　ノッチ１４４が支持片１４２に形成されていなくてもよい。ノッチ１４４が形成されていないと、キャップ部材１４０を裏表逆にした状態で支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に差し込もうとしても、支持片１４２が凸部１２６ａに当たってしまう。そのため、キャップ部材１４０を裏表逆にした状態で、支持片１４２及び圧接片１４６を保持孔１２６に差し込んでしまうことを抑制することができ、キャップ部材１４０を誤った向きで内装部材１２０に組み付けてしまうことを抑制することができる。

〔変形例６〕
　キャップ部材１４０の中心が保持孔１２６の中心から左又は右にずれて、片側の係合凹部１５９内における縁１２６ｄから支持片１４２の側面までの隙間の幅が反対側の係合凹部１５９内における縁１２６ｅから支持片１４２の側面までの隙間の幅と等しくなくてもよい。そうすれば、両側の第一引掛部１５０，１５０のうち隙間の幅の広い方の第一引掛部１５０を保持孔１２６の裏側へ押し込んだ後、他方の第一引掛部１５０を保持孔１２６の裏側へ押し込めば、これらの第一引掛部１５０，１５０の係合を簡単に解除することができる。

〔第１の実施の形態の概要〕
　上述した第１の実施の形態及びその変形例についての記載から把握されるとおり、第１の実施の形態及びその変形例についての記載には、次の第１項から第１５項の発明に加えて多様な技術的思想の開示が含まれる。

〔第１項〕
　箱形に設けられ、上面が開口した内装部材（１２０）と、
　前記内装部材（１２０）の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部（１２３）と、
　前記収容凹部（１２３）の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔（１２５）と、
　前記収容凹部（１２３）の底面を貫通した保持孔（１２６）と、
　前記保持孔（１２６）の上において立てた状態に保持され、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部（１２３）に嵌め込まれるキャップ部材（１４０）と、
　立てた状態の前記キャップ部材（１４０）の下端部に設けられ、前記キャップ部材（１４０）を立てた状態に保持するとともに、前記キャップ部材（１４０）が表面側へ倒伏することを規制する規制部（４１）と、を備える、
組み付け構造。

〔第１項の発明の効果〕
　キャップ部材が立った状態に保持され、キャップ部材がその表面側へ倒れることも抑制することができる。また、キャップ部材が振動又は衝撃等によって倒れることを抑制することができる。

〔第２項〕
　前記規制部（４１）が、
　立てた状態の前記キャップ部材（１４０）の下端から延出した支持片（１４２）と、
　前記支持片（１４２）の裏面に凸状に設けられた圧接片（１４６）と、を有し、
　前記支持片（１４２）及び前記圧接片（１４６）が前記保持孔（１２６）に差し込まれ、前記支持片（１４２）の表面及び前記圧接片（１４６）が前記保持孔（１２６）の相対する縁にそれぞれ押し付けられている、
第１項の組み付け構造。

〔第２項の発明の効果〕
　支持片及び圧接片が保持孔の縁に押し付けられることによって、キャップ部材が立った状態に保持されるとともに、振動又は衝撃等によって支持片及び圧接片が保持孔に対してがたつきにくい。そのため、キャップ部材がその裏面側或いはその表面側に倒れて閉じることを抑制することができる。
　支持片及び圧接片を保持孔に押し込めば、圧接片が保持孔から収容凹部の底面の裏側へ抜け、キャップ部材と支持片の付け根部分を中心にしてキャップ部材を裏面側へ倒して、キャップ部材を収容凹部に嵌め込むことができる。よって、キャップ部材を閉じる作業が容易である。

〔第３項〕
　前記規制部（４１）が、
　前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第一引掛部（１５０）と、
　前記第一引掛部（１５０）から前記支持片（１４２）の先端側へ離れた位置の前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第二引掛部（１５５）と、を更に有し、
　前記第一引掛部（１５０）が前記保持孔（１２６）の縁において前記収容凹部（１２３）の底面に引っ掛かり、
　前記第二引掛部（１５５）が前記保持孔（１２６）の縁において前記収容凹部（１２３）の底面の裏面に引っ掛かる、
第２項の組み付け構造。

〔第４項〕
　前記規制部（４１）が、
　立てた状態の前記キャップ部材（１４０）の下端から延出した支持片（１４２）と、
　前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第一引掛部（１５０）と、
　前記第一引掛部（１５０）から前記支持片（１４２）の先端側へ離れた位置の前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第二引掛部（１５５）と、を更に有し、
　前記支持片（１４２）が前記保持孔（１２６）に差し込まれ、
　前記第一引掛部（１５０）が前記保持孔（１２６）の縁において前記収容凹部（１２３）の底面に引っ掛かり、
　前記第二引掛部（１５５）が前記保持孔（１２６）の縁において前記収容凹部（１２３）の底面の裏面に引っ掛かる、
第４項の組み付け構造。

〔第３項及び第４項の発明の効果〕
　保持孔の縁が第一引掛部及び第二引掛部によって挟まれ、これによりキャップ部材がその裏面側及び表面側へ倒れる際のキャップ部材の回転力が第一引掛部及び第二引掛部から内装部材に受けられる。よって、キャップ部材がその表面側及び裏面側へ倒れることを抑制することができる。
　支持片を保持孔に押し込めば、第一引掛部が保持孔の縁を収容凹部の底面からその裏側へ乗り越えるので、これによりキャップ部材を裏面側へ倒して閉じることができる。

〔第５項〕
　前記規制部（４１）が、前記支持片（１４２）の先端から前記キャップ部材（１４０）側へ切り欠くように前記支持片（１４２）に形成されたノッチ（１４４）を更に有する、
第５項の組み付け構造。

〔第５項の発明の効果〕
　支持片にノッチが形成されているので、ノッチの両側の部位がノッチを閉じる方向に撓みやすい。そのため、支持片を保持孔に差し込む際には、第二引掛部が保持孔の縁を収容凹部の底面からその裏側へ乗り越えやすく、キャップ部材を内装部材に組み付けやすい。また、キャップ部材を内装部材に組み付けた状態から支持片を保持孔に押し込む際には、第一引掛部が保持孔の縁を収容凹部の底面からその裏側へ乗り越えやすく、キャップ部材を閉じる作業が容易になる。

〔第６項〕
　前記規制部（４１）が、前記支持片（１４２）の先端から前記キャップ部材（１４０）側へ切り欠くように前記支持片（１４２）に形成されたノッチ（１４４）を更に有し、
　前記ノッチ（１４４）はその底が前記圧接片（１４６）よりも前記支持片（１４２）の先端側になるように切り欠いている、
第３項の組み付け構造。

〔第６項の発明の効果〕
　ノッチの両側の部位を圧接片によって補強することができる。

〔第７項〕
　前記ノッチ（１４４）はその底が前記第一引掛部（１５０）よりも前記キャップ部材（１４０）側になるように切り欠いている、
第５項又は第６項の組み付け構造。

〔第７項の発明の効果〕
　ノッチの両側の部位がより撓みやすいので、第５項の発明の効果がより効果的になる。

〔第８項〕
　前記第一引掛部（１５０）及び前記第二引掛部（１５５）が前記支持片（１４２）の両側の側面にそれぞれ設けられ、
　前記支持片（１４２）の一方の側面に設けられた前記第一引掛部（１５０）と前記第二引掛部（１５５）との間隔が、前記支持片（１４２）の他方の側面に設けられた前記第一引掛部（１５０）と前記第二引掛部（１５５）との間隔よりも短い、
第３項から第７項の何れかの組み付け構造。

〔第８項の発明の効果〕
　保持孔の縁を第一引掛部と第二引掛部の間に係合させやすい。

〔第９項〕
　前記支持片（１４２）のうち前記ノッチ（１４４）の両側の部位と、前記ノッチ（１４４）の底から前記キャップ部材（１４０）の下端までの部位は厚さが等しい、
第５項から第７項の何れかの組み付け構造。

〔第９項の発明の効果〕
　支持片のうちノッチの底からキャップ部材の下端までの部位の剛性を確保することができる。

〔第１０項〕
　上面が開口した箱形に設けられた内装部材（１２０）の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部（１２３）の底面を貫通した保持孔（１２６）の上において立てられた状態に保持されるとともに裏面側へ倒伏することで前記収容凹部（１２３）に嵌め込まれるキャップ部材（１４０）の下端から延出した支持片（１４２）と、前記支持片（１４２）の裏面に凸状に設けられた圧接片（１４６）とを前記保持孔（１２６）に圧入して、前記支持片（１４２）の表面及び前記圧接片（１４６）を前記保持孔（１２６）の相対する縁にそれぞれ押し付けることで、前記キャップ部材（１４０）を立った状態に保持するとともに、前記キャップ部材（１４０）が表面側へ倒伏することを規制する、
組み付け構造の製造方法。

〔第１０項の発明の効果〕
　第１０項の発明の効果は第２項の発明の効果と同様である。

〔第１１項〕
　上面が開口した箱形に設けられた内装部材（１２０）の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部（１２３）の底面を貫通した保持孔（１２６）の上において立てられた状態に保持されるとともに裏面側へ倒伏することで前記収容凹部（１２３）に嵌め込まれるキャップ部材（１４０）の下端から延出した支持片（１４２）を前記保持孔（１２６）に差し込むことによって、前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第一引掛部（１５０）を前記保持孔（１２６）の縁において前記収容凹部（１２３）の底面に引っ掛け、前記第一引掛部（１５０）から前記支持片（１４２）の先端側へ離れた位置の前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第二引掛部（１５５）に前記保持孔（１２６）の縁を乗り越えさせて、前記第一引掛部（１５０）と前記第二引掛部（１５５）との間に前記保持孔（１２６）の縁を挟む込むことで、前記キャップ部材（１４０）を立った状態に保持するとともに、前記キャップ部材（１４０）が表面側へ倒伏することを規制する、
組み付け構造の製造方法。

〔第１１項の発明の効果〕
　第１１項の発明の効果は第３項の発明の効果と同様である。

〔第１２項〕
　取付穴（１１７）が形成された内装品本体（１１０）と、
　上面が開口した箱形に設けられ、その開口が前記取付穴（１１７）に重なるように前記内装品本体（１１０）に取り付けられた内装部材（１２０）と、
　前記内装部材（１２０）の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部（１２３）と、
　前記収容凹部（１２３）の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔（１２５）と、
　前記収容凹部（１２３）の底面を貫通した保持孔（１２６）と、
　前記保持孔（１２６）の上において立てた状態に設けられ、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部（１２３）に嵌め込まれるキャップ部材（１４０）と、
　立てた状態の前記キャップ部材（１４０）の下端から延出した支持片（１４２）と、
　前記支持片（１４２）の裏面に凸状に設けられた圧接片（１４６）と、を備え、
　前記支持片（１４２）及び前記圧接片（１４６）が前記保持孔（１２６）に差し込まれ、前記支持片（１４２）の表面及び前記圧接片（１４６）が前記保持孔（１２６）の相対する縁にそれぞれ押し付けられている、
車両用内装品。

〔第１２項の発明の効果〕
　第１２項の発明の効果は第２項の発明の効果と同様である。

〔第１３項〕
　第１２項に記載の車両用内装品を自動車の車室内に取り付ける方法において、
　前記内装品本体（１１０）を車室の内面に組み付ける工程と、
　その後、前記通孔（１２５）に取付具を通して前記取付具を前記車室内に固定して、前記内装部材（１２０）を前記車室内に取り付ける工程と、
　その後、前記支持片（１４２）及び前記圧接片（１４６）を前記保持孔（１２６）に押し込むことによって前記圧接片（１４６）を前記保持孔（１２６）から前記収容凹部（１２３）の底面の裏側へ外す工程と、
　その後、前記キャップ部材（１４０）を裏面側に倒伏して前記キャップ部材（１４０）を前記収容凹部（１２３）に嵌め込む工程と、を備える、
車両用内装品の取り付け方法。

〔第１３項の発明の効果〕
　支持片及び圧接片を保持孔に押し込むだけで、キャップ部材を簡単に閉じることができる。

〔第１４項〕
　取付穴（１１７）が形成された内装品本体（１１０）と、
　上面が開口した箱形に設けられ、その開口が前記取付穴（１１７）に重なるように前記内装品本体（１１０）に取り付けられた内装部材（１２０）と、
　前記内装部材（１２０）の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部（１２３）と、
　前記収容凹部（１２３）の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔（１２５）と、
　前記収容凹部（１２３）の底面を貫通した保持孔（１２６）と、
　前記保持孔（１２６）の上において立てた状態に設けられ、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部（１２３）に嵌め込まれるキャップ部材（１４０）と、
　立てた状態の前記キャップ部材（１４０）の下端から延出した支持片（１４２）と、
　前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第一引掛部（１５０）と、
　前記第一引掛部（１５０）から前記支持片（１４２）の先端側へ離れた位置の前記支持片（１４２）の側面に凸状に設けられた第二引掛部（１５５）と、を備え、
　前記支持片（１４２）が前記保持孔（１２６）に差し込まれ、
　前記第一引掛部（１５０）が前記保持孔（１２６）の縁において前記収容凹部（１２３）の底面に引っ掛かり、
　前記第二引掛部（１５５）が前記保持孔（１２６）の縁において前記収容凹部（１２３）の底面の裏面に引っ掛かる、
車両用内装品。

〔第１４項の発明の効果〕
　第１４項の発明の効果は第３項の発明の効果と同様である。

〔第１５項〕
　第１４項の車両用内装品を自動車の車室内に取り付ける方法において、
　前記内装品本体（１１０）を車室の内面に組み付ける工程と、
　その後、前記通孔（１２５）に取付具を通して前記取付具を前記車室内に固定して、前記内装部材（１２０）を前記車室内に取り付ける工程と、
　その後、前記支持片（１４２）を前記保持孔（１２６）に押し込むことによって前記第一引掛部（１５０）に前記保持孔（１２６）の縁を乗り越えさせる工程と、
　その後、前記キャップ部材（１４０）を裏面側に倒伏して前記キャップ部材（１４０）を前記収容凹部（１２３）に嵌め込む工程と、を備える、
車両用内装品の取り付け方法。

〔第１５項の発明の効果〕
　支持片を保持孔に押し込むだけで、キャップ部材を簡単に閉じることができる。

［第２の実施の形態］
　図８は、車両用内装品１の分解斜視図である。本実施形態では、この車両用内装品１がドアトリムであるものとして、車両用内装品１の説明を行う。但し、本発明に係る車両用内装品はドアトリム以外の内装品にも適用することができる。

　車両用内装品１は内装品本体１０、内装部材２０、キャップ部材４０及び仮止め部４１等を備える。

　内装品本体１０は、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲、係止爪その他の留め具によって自動車のドア本体の車室内側の面に取り付けられる。内装品本体１０は樹脂成形品であって、射出成形法、モールドプレス法、複数色成形法、モールド成形法その他の成形法によって成形されたものである。内装品本体１０は、別々に成形された樹脂成形品を組み立てることによって作られた複合品であってもよい。

　内装品本体１０の上部には、ドアノブが収まる穴１１が形成されている。
　内装品本体１０の上端と下端の間の中間部には膨出部１５形成されており、この膨出部１５が車室の内側へ膨らんでおり、膨出部１５の裏側に空洞が形成されている。この膨出部１５は、穴１１の下において前後方向に延在する。膨出部１５の上面には、取付穴１７が形成されている。その取付穴１７は膨出部１５の裏側の空洞に通じている。

　この取付穴１７には、内装部材２０とキャップ部材４０を仮組した組み付け構造が設けられている。この組み付け構造は内装部材２０及びキャップ部材４０等を備えるものであり、組み付け構造の構成について以下に詳細に説明する。

　内装部材２０は、自動車のドアを閉める際に利用される。つまり、人差し指、中指、薬指及び小指を取付穴１７から内装部材２０の中空２１に入れて、内装部材２０及び膨出部１５を掴んで、車両用内装品１ごとドア本体を引くことで、ドアを閉じることができる。つまり、内装部材２０は把手部である。

　図９は、内装部材２０の斜視図である。図８及び図９に示すように、内装部材２０は上面が開口したポケット部材である。つまり、内装部材２０が箱形に形成されているとともに中空２１を有し、内装部材２０の上面が開口して、中空２１の上側が開放されている。この内装部材２０が膨出部１５の裏側の空洞に収められて、内装部材２０の上面開口が取付穴１７に重なり、内装部材２０の中空２１が取付穴１７を通じて車室内に開放される。内装部材２０は留め具によって内装品本体１０に固定されている。この留め具は例えば、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲又は係止爪である。

　図１０は、内装部材２０の内側から側板２２を示した分解斜視図である。図９及び図１０に示すように、内装部材２０の側板２２の内面２２ａには第一収容凹部２３が凹んだ状態に形成されている。第一収容凹部２３が矩形状に形成され、第一収容凹部２３を囲う４つの立壁面２３ａ～２３ｄが第一収容凹部２３の底面２３ｅに対して立てられている。なお、第一収容凹部２３が形成される位置は内装部材２０の内面であれば、底板、前板或いは後板の何れでもよい。

　第一収容凹部２３の底面２３ｅには、第二収容凹部２４が凹んだ状態に形成されている。第二収容凹部２４には円形状の通孔２５が形成され、その通孔２５が内装部材２０の内面２２ａの裏側の面まで貫通する。車両用内装品１がドア本体に組み付けられた状態では、取付ネジ（締結具）９８が通孔２５に通され、その取付ネジがドア本体に締め付けられ、その取付ネジの頭部が第二収容凹部２４の底に締め付けられている。以上により、内装部材２０及び内装品本体１０がドア本体に固定される。

　第一収容凹部２３の底面２３ｅには保持孔２６と係合孔２７，２８が形成されており、これら保持孔２６及び係合孔２７，２８は内装部材２０の外側の面まで貫通する。
　係合孔２７，２８は、第一収容凹部２３の立壁面２３ａ～２３ｄのうち立壁面２３ｂ寄りに形成されている。係合孔２７，２８は、立壁面２３ｂに沿って形成されて、第一収容凹部２３の底面２３ｅと立壁面２３ｂとの間の角部を通じて第一収容凹部２３の裏側まで貫通する。

　保持孔２６は、立壁面２３ｂに相対する立壁面２３ａ寄りに形成されている。保持孔２６は平面視で矩形状に形成されており、その一辺の縁２６ｂが立壁面２３ａに沿っている。そして、保持孔２６は、第一収容凹部２３の底面２３ｅからその裏側の面まで貫通する。保持孔２６を囲う４辺のうち立壁面２３ａと反対側の縁２６ｃの中央部には、台座部２６ａが凸状に設けられている。台座部２６ａの前面と上面の間の角部が丸面取りされている（図１０並びに後述の図１１及び図１４等参照）。
　立壁面２３ａとその反対側の縁２６ｃの面とは互いに平行に設けられている。立壁面２３ａと縁２６ｃの面は平面状である。

　立壁面２３ａに矩形状のガイド孔２９が形成され、そのガイド孔２９が立壁面２３ａの裏側面まで貫通する。このガイド孔２９は第一収容凹部２３の底面２３ｅに沿って形成され、ガイド孔２９の下端が保持孔２６の後端に続いて、ガイド孔２９と保持孔２６が一体の空間を構成する。ガイド孔２９の幅は保持孔２６の幅よりも狭い。

　以下の説明では、保持孔２６が第一収容凹部２３の底面２３ｅを貫通する方向を上下方向とし、ガイド孔２９が立壁面２３ａを貫通する方向を前後方向とし、ガイド孔２９及び保持孔２６の幅方向を左右方向とする（図１０に示す矢印参照）。第一収容凹部２３が内装部材２０の側板２２の内面２２ａに形成されているので（図８参照）、図１０に示す上下方向は車両の左右方向に相当し、図１０に示す左右方向は車両の上下方向に相当する。つまり、内装部材２０とキャップ部材４０を仮組した組み付け構造を説明するために、保持孔２６の貫通方向を上下方向と定めるが、その上下方向は鉛直方向や車両の上下方向を必ずしも指すものではない。

　続いて、図１１を参照して第一収容凹部２３の裏側について詳細に説明する。図１１は、第一収容凹部２３の裏側を示した斜視図である。図１１に示す矢印の向きは図１０に示す矢印の向きに倣う。
　第一収容凹部２３の底面２３ｅの裏側面（内装部材２０の外面）であって保持孔２６の左右両側には、係合面３１，３２がそれぞれ形成されている。更に、摺動面３３，３４も保持孔２６の左右両側に形成されている。これら係合面３１，３２は、第一収容凹部２３の底面２３ｅに対して平行である。係合面３１，３２は平面状である。

　立壁面２３ａの裏側の面であってガイド孔２９の左右両側には、裏側立壁面３５，３６がそれぞれ形成されている。裏側立壁面３５，３６は立壁面２３ａに対して平行である。

　係合面３１と裏側立壁面３５との間の角部が面取りされており、その角部には摺動面３３が形成されている。この摺動面３３が係合面３１の後端から立壁面２３ａの裏側へ向かって延びる。摺動面３３が係合面３１の後端から裏側立壁面３５の下端まで続き、摺動面３３が係合面３１及び裏側立壁面３５のどちらに対しても傾斜し、摺動面３３の法線が後ろ斜め下へ延びる。摺動面３３は平面状に形成されているか、曲率半径の大きな凸柱面状に形成されている。

　係合面３１の後ろ側が摺動面３３の前下側に連なり、係合面３１の後ろ側のエッジ及び摺動面３４の前下側のエッジには、係合面３１と摺動面３４によって成す出隅３７が形成される。その出隅３７が丸められており、出隅３７の曲率半径は摺動面３４の曲率半径よりも小さい。

　係合面３２と裏側立壁面３６との間の角部も面取りされて、摺動面３４が形成されている。更に、係合面３２と摺動面３４によって成す出隅３８も形成されている。

　ガイド孔２９の上縁２９ａには、２つの突起２２ｃ，２２ｃが形成されている。更に、内装部材２０の側板２２の外面２２ｂであってガイド孔２９から後方へ離れた位置には、突起２２ｄが形成されている。

　続いて、図１２～図１６を参照して、キャップ部材４０及びそれに設けられた仮止め具５０について詳細に説明する。図１２は、キャップ部材４０を内装部材２０に仮止めした状態を内装部材２０の内側から示した斜視図である。図１３は、キャップ部材４０を内装部材２０に仮止めした状態を第一収容凹部２３の裏側から示した斜視図である。図１４は、図１３に示すXIV－XIVに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。図１５は、図１３に示すXV－XVに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。図１６は、図１３に示すXVI－XVIに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。

　図１２～図１６に示すように、キャップ部材４０が矩形板状に設けられている。このキャップ部材４０が内装部材２０の中空２１に収容され、仮止め具５０によってキャップ部材４０が内装部材２０の中空２１に仮止めされている。より具体的には、仮止め具５０が保持孔２６に装着されることによって、キャップ部材４０が第一収容凹部２３の底面２３ｅに対して立てられた状態で保持されている。

　このキャップ部材４０が倒伏可能である。車両用内装品１がドア本体に取り付けられる前には、図１２～図１６に示すようにキャップ部材４０が立った状態に保たれ、車両用内装品１がドア本体に取り付けられた後には、図１７～図１９に示すようにキャップ部材４０が倒伏されて、キャップ部材４０が第一収容凹部２３の底面２３ｅに伏した状態で第一収容凹部２３に嵌め込まれる。なお、図１７～図１９は、キャップ部材４０が倒伏した状態の場合の図１４～図１６にそれぞれ相当する断面図である。

　立った状態のキャップ部材４０の上端４０ｄの前面４０ｂ寄りには、２つのフック７１，７２がこれらの間に間隔をおいて設けられている。フック７１，７２はキャップ部材４０の上端４０ｄから僅かに突出する。フック７１，７２は側面視で三角状に形成されており、フック７１，７２の前面には、前下がりに傾斜した第一傾斜面７１ａ，７２ａがフック６０形成され、フック７１，７２の後面には、後ろ下がり傾斜した第二傾斜面７１ｂ，７２ｂが形成されている。

　図１２～図１６に示すように、立った状態のキャップ部材４０の下端４０ｃには、規制部としての仮止め具５０が設けられており、キャップ部材４０が閉じる方向（前方向）α及び開く方向（後ろ方向）βへ倒れることが仮止め具５０によって規制される。仮止め具５０は、支持片５１、ノッチ５２（図１０参照）、左右一対のガイド兼ストッパ５３，５４、左右一対の引掛部５５，５６、左右一対の当接片５７，５８及び左右一対の傾斜面６１，６２（図１０参照）等を備える。

　支持片５１及びノッチ５２について詳細に説明する。
　支持片５１がキャップ部材４０と一体に成形されたものである。この支持片５１はキャップ部材４０の下端４０ｃの前面４０ｂ側に設けられている。この支持片５１は、立った状態のキャップ部材４０の下端４０ｃの中央部から延出しているとともに、キャップ部材４０と平行となるような帯板状に設けられている。支持片５１の左右の幅はガイド孔２９の左右の幅以下である。支持片５１の後面５１ａ及び前面５１ｂが平面状に形成され、これらの面５１ａ，５１ｂが互いに平行である。

　支持片５１の先端（下端）の中央部には、その先端からキャップ部材４０の下端４０ｃに向かって切り欠いたＵ字型のノッチ５２が形成されており、そのノッチ５２によって支持片５１が二叉に分岐する。ノッチ５２の底５２ａが丸面取りされている（主に図１０及び図１４等参照）。

　傾斜面６１，６２について詳細に説明する。
　支持片５１の前面５１ｂには、傾斜面６１，６２が形成されている。これら傾斜面６１，６２はノッチ５２の両側にそれぞれ配置され、これら傾斜面６１，６２の間にノッチ５２がある。図１５に示すように、傾斜面６１，６２が支持片５１の後面５１ａ及び前面５１ｂに対して傾斜し、傾斜面６１，６２の下端が支持片５１の前面５１ｂに交差し、側方から見て、支持片５１の前面５１ｂと傾斜面６１，６２の成す内角が９０°以上１８０°未満である。傾斜面６１，６２から支持片５１の後面５１ａまでの厚さは下から上に向かって漸増する。そして、傾斜面６１，６２から支持片５１の後面５１ａまでの厚さは傾斜面６１，６２の上端において最大をとり、その最大の厚さは立壁面２３ａから縁２６ｃの面までの距離に等しい。

　ガイド兼ストッパ５３，５４について詳細に説明する。
　ガイド兼ストッパ５３，５４は支持片５１と一体に成形されたものである。ガイド兼ストッパ５３，５４は、支持片５１の前面５１ｂであって傾斜面６１，６２の上側において凸状に形成されている。これらガイド兼ストッパ５３，５４は、リブ状（薄板状）に形成されている。ガイド兼ストッパ５３，５４はノッチ５２の両側にそれぞれ配置され、これらガイド兼ストッパ５３，５４の間にノッチ５２がある。図１２に示すように、ガイド兼ストッパ５３，５４は側面視で台形を基調とした形状に形作られており、ガイド兼ストッパ５３，５４の下面（転動面５３ａ，５４ａ）及び上面（滑り面５３ｃ，５４ｃ）が台形の脚を構成し、ガイド兼ストッパ５３，５４の前端面（ガイド面５３ｂ，５４ｂ）が台形の上底を構成する。

　ガイド兼ストッパ５３，５４の下面には、凸円柱面状の転動面５３ａ，５４ａが形成されている。転動面５３ａ，５４ａが支持片５１の前面５１ｂから、特に傾斜面６１，６２の上端から前へ立ち上がる。転動面５３ａ，５４ａと傾斜面６１，６２との成す内角が９０°以上であり、転動面５３ａ、５４ａと支持片５１の前面５１ｂとの成す内角も９０°以上である。転動面５３ａ，５４ａと傾斜面６１，６２の成す角部の上下方向の位置は、ノッチ５２の底５２ａの上下方向の位置に揃っている。

　ガイド兼ストッパ５３，５４の前端面（突端面）には平面状のガイド面５３ｂ，５４ｂが形成されている。ガイド面５３ｂの下端が転動面５３ａの前端に滑らかに連なっており、転動面５３ａとガイド面５３ｂが連続した面となっており、転動面５３ａがガイド面５３ｂの下端から後ろへ湾曲し、ガイド面５３ｂが転動面５３ａの前端から上に延びる。ガイド面５４ｂと転動面５３ａについても同様である。
　ガイド面５３ｂ，５４ｂが支持片５１の後面５１ａに対して僅かに傾斜し、支持片５１の後面５１ａを基準としたガイド兼ストッパ５３，５４の突出高さ（ガイド面５３ｂ，５４ｂから支持片５１の後面５１ａまでの厚さ）は上に向かって漸減する。なお、ガイド面５３ｂ，５４ｂが支持片５１の後面５１ａに対して平行であってもよい。

　ガイド兼ストッパ５３，５４の上面には、凸楕円柱面状の滑り面５３ｃ，５４ｃが形成されている。ガイド面５３ｂの上端が滑り面５３ｃの前端に滑らかに連なっており、ガイド面５３ｂと滑り面５３ｃが連続した面となっており、側面視して滑り面５３ｃがガイド面５３ｂの上端から後ろへ湾曲する。滑り面５４ｃとガイド面５４ｂについても同様である。

　引掛部５５，５６及び当接片５７，５８について詳細に説明する。
　引掛部５５，５６及び当接片５７，５８は支持片５１と一体に成形されたものである。引掛部５５，５６は支持片５１の左右の側面にそれぞれ形成されている。引掛部５５，５６は支持片５１の側面から側方へ突出した突起であり、引掛部５５，５６の上縁５５ａ，５６ａが支持片５１の側面に対して垂直に切り立っている。引掛部５５，５６の側縁５５ｂ，５６ｂの法線が下斜め側方に延びており、側縁５５ｂ，５６ｂが支持片５１の下端側において支持片５１の側面に交差するように側縁５５ｂ，５６ｂが支持片５１の側面に対して傾斜する。そして、引掛部５５，５６の上縁５５ａ，５６ａと側縁５５ｂ，５６ｂの成す内角は鋭角である。また、引掛部５５，５６の前面５５ｃ，５６ｃは支持片５１の前面５１ｂと面一になっている。

　引掛部５５，５６の上縁５５ａ，５６ａの前側には、当接片５７，５８がそれぞれ凸状に設けられている。当接片５７，５８の左右幅（支持片５１の側面を基準とした当接片５７，５８の突出高さ）は引掛部５５，５６の左右幅よりも短く、引掛部５５，５６の上縁５５ａ，５６ａの先端部には当接片５７，５８が形成されていない。当接片５７，５８の前側の面は、引掛部５５，５６の前面５５ｃ，５６ｃ及び支持片５１の前面５１ｂと面一になっている。

　一方の引掛部５５の左右幅が他方の引掛部５６の左右幅と異なり、一方の当接片５７の左右幅が他方の当接片５８の左右幅と異なる。これは、キャップ部材４０が右ドア用のものであれば、そのキャップ部材４０を左ドア用の内装品本体１０及び内装部材２０と組み合わせてしまうことを抑制するためである。

　続いて、キャップ部材４０を内装部材２０に仮組みした状態について説明する。
　図１２～図１６に示すように、キャップ部材４０が立てられ、支持片５１がキャップ部材４０から下へ垂下し、キャップ部材４０及び支持片５１の後面４０ａ，５１ａが立壁面２３ａ側に向けられ、キャップ部材４０及び支持片５１の前面４０ｂ，５１ｂが立壁面２３ｂ側に向けられている。そして、支持片５１が保持孔２６の上から保持孔２６に差し込まれ、台座部２６ａがノッチ５２に差し込まれ、支持片５１の二叉に分かれた部位が台座部２６ａを跨いで、ノッチ５２の底５２ａが台座部２６ａの上面に当接する（主に図１２及び図１３参照）。支持片５１の二叉部位が台座部２６ａを跨いでいるので、キャップ部材４０が左右に傾くことを抑制することができる。

　ガイド兼ストッパ５３，５４が保持孔２６の縁２６ｃ近傍において第一収容凹部２３の底面２３ｅに引っ掛かっている（主に図１２及び図１５参照）。具体的には、ガイド兼ストッパ５３，５４の転動面５３ａ，５４ａが保持孔２６の縁２６ｃ近傍において第一収容凹部２３の底面２３ｅに当接する。これにより、支持片５１が更に下方へ保持孔２６に挿入されることを抑制することができる。なお、転動面５３ａ，５４ａが凸円柱面状に形成されているので、転動面５３ａ，５４ａが第一収容凹部２３の底面２３ｅに線接触する（図１５参照）。そのため、その線接触部を中心とした鋭角が転動面５３ａ，５４ａと第一収容凹部２３の底面２３ｅとの間に形成され、転動面５３ａ，５４ａと第一収容凹部２３の底面２３ｅとの間の隙間が前側で拡開する。

　引掛部５５，５６が保持孔２６を上から下へ突き抜けており、引掛部５５，５６が係合面３１、３２に引っ掛かって、引掛部５５，５６の上縁５５ａ，５６ａが係合面３１，３２に当接する（主に図１３及び図１６参照）。これにより、支持片５１が保持孔２６から上へ抜けてしまうことを抑制することができる。

　キャップ部材４０が転動面５３ａ，５４ａと第一収容凹部２３の底面２３ｅとの接触部を支点として方向αへ倒れようとしても、引掛部５５，５６が出隅３７，３８に引っ掛かって出隅３７，３８に圧接し、キャップ部材４０の回転モーメントが引掛部５５，５６から出隅３７，３８に受けられる。これにより、引掛部５５，５６が出隅３７，３８を乗り越えられず、キャップ部材４０が方向αへ倒れることを抑制することができる。

　支持片５１が立壁面２３ａにもたせかけられ、支持片５１の後面５１ａが立壁面２３ａに面接触する（主に図１４～図１６参照）。また、傾斜面６１，６２の上端が保持孔２６の縁２６ｃに接触する（主に図１５参照）。これにより、キャップ部材４０が方向βへ倒れることを抑制することができる。

　当接片５７，５８が保持孔２６内に配置され、当接片５７，５８が保持孔２６の縁２６ｄ，２６ｅにそれぞれ当接する（主に図１３参照）。そのため、キャップ部材４０及び支持片５１のがたつきを抑制することができる。

　続いて、内装部材２０とキャップ部材４０を仮組した組み付け構造の製造方法について説明するとともに、車両用内装品１の製造方法について説明する。

　内装品本体１０を射出成型法等によって成形する。
　また、内装部材２０を射出成型法等によって成形する。内装部材２０の成形により、収容凹部２３，２４、通孔２５、保持孔２６、ガイド孔２９、係合面３１，３２、摺動面３３，３４、裏側立壁面３５，３６、出隅３７，３８及び突起２２ｃ，２２ｃ，２２ｄ等も形成される。
　また、キャップ部材４０を射出成型法等によって成形するとともに、キャップ部材４０の成形に際して支持片５１、ノッチ５２、ガイド兼ストッパ５３，５４、引掛部５５，５６、当接片５７，５８及び傾斜面６１，６２等をキャップ部材４０と一体成形する。

　次に、内装部材２０を内装品本体１０の裏側から膨出部１５の裏側の空洞に収容し、内装部材２０の上面開口を取付穴１７に重ねる。そして、内装部材２０を留め具によって内装品本体１０に固定する。

　次に、キャップ部材４０及び支持片５１を内装部材２０の中空２１に入れる。そのキャップ部材４０及び支持片５１の後面４０ａ，５１ａを第一収容凹部２３の立壁面２３ａ側に向けるようにして、キャップ部材４０及び支持片５１を側板２２の内面２２ａ及び第一収容凹部２３の底面２３ｅに対して立てる。そして、支持片５１の先端を先にして、支持片５１及び引掛部５５，５６を保持孔２６に差し込む。この際、支持片５１の前面５１ｂを立壁面２３ａに当接させて、支持片５１を立壁面２３ａに沿ってスライドさせる。

　支持片５１及び引掛部５５，５６を保持孔２６に差し込んでいる際、引掛部５５，５６の側縁５５ｂ，５６ｂを保持孔２６の左右の縁２６ｄ，２６ｅに押し当て、引掛部５５，５６が保持孔２６の左右の縁２６ｄ，２６ｅによってノッチ５２側へ押される。これにより、支持片５１のうち二叉に分かれた部位を撓ませて、その部位の間隔を狭め、引掛部５５，５６に第一収容凹部２３の底面２３ｅからその裏側の係合面３１，３２へ保持孔２６の縁２６ｄ，２６ｅを乗り越えさせる。引掛部５５，５６の側縁５５ｂ，５６ｂが傾斜しているので、引掛部５５，５６が保持孔２６の縁２６ｄ，２６ｅを乗り越えやすい。

　以上のようにして引掛部５５，５６に保持孔２６の縁２６ｄ，２６ｅを乗り越えさせることによって、引掛部５５，５６を係合面３１，３２に引っ掛けて、引掛部５５，５６の上縁５５ａ，５６ａを係合面３１，３２に当接させる。

　以上のように支持片５１を保持孔２６に差し込むことによって、支持片５１の二叉に分かれた部位を台座部２６ａに引っ掛けて、ノッチ５２の底５２ａを台座部２６ａの上面に当接させる。更に、ガイド兼ストッパ５３，５４を保持孔２６の縁２６ｃ近傍の第一収容凹部２３の底面２３ｅに引っ掛けて、ガイド兼ストッパ５３，５４の転動面５３ａ，５４ａと第一収容凹部２３の底面２３ｅによって鋭角を成すように転動面５３ａ，５４ａを底面２３ｅに当接させる。従って、支持片５１を差し込み過ぎることを抑制することができる。

　以上のように支持片５１を保持孔２６に差し込むことによって、当接片５７，５８も保持孔２６内に配置して、当接片５７，５８を保持孔２６の縁２６ｄ，２６ｅにそれぞれ当接させる。

　以上の説明では、キャップ部材４０と内装部材２０の組み付け工程が内装部材２０と内装品本体１０の組み付け工程の後であった。それに対して、キャップ部材４０と内装部材２０の組み付け工程が内装部材２０と内装品本体１０の組み付け工程の前であってもよいし、これらの工程が同時であってもよい。

　以上のようにキャップ部材４０を内装部材２０に取り付けると、キャップ部材４０が内装部材２０の内面２２ａにおいて立った状態に保たれる。その後、車両用内装品１を組み立て工場に搬送して、車両用内装品１を車室の内側（ドア本体の内側）に組み付ける。その組付け方法について以下に詳細に説明する。

　まず、内装品本体１０をドア本体に組み付ける。つまり、内装品本体１０の裏側面をドア本体の車室内側の面に向けて、内装品本体１０をドア本体に貼り合わせ、内装品本体１０を留め具によってドア本体に固定する。

　次に、取付ネジ（留め具）９８を通孔２５に通して、その取付ネジ９８をドア本体に締め付けることによって内装部材２０をドア本体に固定する。

　次に、キャップ部材４０を前に押し倒す。この際、キャップ部材４０を軽く前に押すだけで、図１２～図１６及び図２０～図３７に示すようにキャップ部材４０が自然に倒れて、図３８～図４０に示すようにキャップ部材４０が第一収容凹部２３に嵌まり込む直前で止まる。ここで、キャップ部材４０の倒れる動きを図１２～図１６の状態、図２０～図２４の状態、図２５～図２９の状態、図３０～図３３の状態、図３４～図３７の状態、図３８～図４０の状態の順に示す。図１２、図２０及び図２５は内装部材２０の内側を示した斜視図である。図１３、図２１、図２６、図３０及び図３４は第一収容凹部２３の裏側を示した斜視図である。図１４、図２２、図２７、図３１、図３５及び図３８は、図１３に示すXIV－XIVに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。図１５、図２３、図２８、図３２、図３６及び図３９は、図１３に示すXIV－XIVに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。図１６、図２４、図２９、図３３、図３７及び図４０は、図１３に示すXVI－XVIに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。

　キャップ部材４０を前に押すと、キャップ部材４０がガイド兼ストッパ５３，５４の転動面５３ａ，５４ａと第一収容凹部２３の底面２３ｅとの接触部を支点として方向αへ倒れ始める（図２０～図２４参照）。この際、転動面５３ａ，５４ａが底面２３ｅ上を前方に転がり、転動面５３ａ，５４ａと底面２３ｅとの接触部が前へ変位する（図２０及び図２３参照）。

　一方、第一収容凹部２３の裏側では、キャップ部材４０を前に押す荷重によって引掛部５５，５６が係合面３１，３２から摺動面３３，３４へ出隅３７，３８を乗り越える。その際に、引掛部５５，５６が弾性変形して、引掛部５５，５６の変形によるクリック感が得られる。引掛部５５，５６が出隅３７，３８を乗り越えるのに抵抗が生じるのは、キャップ部材４０が前に倒れる際に、転動面５３ａ，５４ａと底面２３ｅとの接触部が前へ変位するためである。引掛部５５，５６が出隅３７，３８を乗り越えることによって、支持片５１が後ろへ振り上げられ、支持片５１がガイド孔２９の下からガイド孔２９に入り込む。なお、図２０～図２４は、引掛部５５，５６が出隅３７，３８を乗り越えた直後の状態を示す。

　引掛部５５，５６が係合面３１，３２から出隅３７，３８に移動したまさにその時が、引掛部５５，５６が最も大きく弾性変形する。そして、引掛部５５，５６が出隅３７，３８から摺動面３３，３４に移動すると、出隅３７，３８から引掛部５５，５６への反力が解消され、引掛部５５，５６が復元する。引掛部５５，５６が復元する際に生じる動的荷重が支持片５１、キャップ部材４０及びガイド兼ストッパ５３，５４に掛かる。その動的荷重の向きは、引掛部５５，５６と摺動面３３，３４の接触部における摺動面３３，３４の法線の向きである。引掛部５５，５６が出隅３７，３８を乗り越えた直後に、引掛部５５，５６の復元による動的荷重によって転動面５３ａ，５４ａが底面２３ｅから浮くこともあるし、そのような動的荷重によっても転動面５３ａ，５４ａが底面２３ｅに接していることもある。なお、ノッチ５２の底５２ａが丸面取りされ、台座部２６ａの後面と上面の間の角部が丸面取りされているので、キャップ部材４０がスムーズに前へ倒れる。

　その後、キャップ部材４０を前に押した荷重の慣性によって転動面５３ａ，５４ａが底面２３ｅ上を転動し、キャップ部材４０が更に前に倒れ（図２５～図２９参照）、支持片５１が更に後ろに振り上げられる。引掛部５５，５６の復元による動的荷重はキャップ部材４０の倒れに寄与する。一方、引掛部５５，５６は、復元しながら、摺動面３３，３４に沿って出隅３７，３８側から裏側立壁面３５，３６側へスライドする（図２５及び図２９等参照）。この際、引掛部５５，５６の復元による動的荷重によって支持片５１、キャップ部材４０及びガイド兼ストッパ５３，５４が引掛部５５，５６と摺動面３３，３４の接触部における摺動面３３，３４の法線の向きへ引かれる。そのため、転動面５３ａ，５４ａと底面２３ｅとの間に滑りが生じ、転動面５３ａ，５４ａが転動しながら底面２３ｅに沿って後方へスライドする。そして、転動面５３ａ，５４ａが保持孔２６の縁２６ｃに至る時には、引掛部５５，５６が摺動面３３，３４の裏側立壁面３５，３６側の端部に至る（図２５～図２９参照）。このように、転動面５３ａ，５４ａが第一収容凹部２３の底面２３ｅ上を転動する上、引掛部５５，５６が摺動面３３，３４に沿って案内されるので、キャップ部材４０及び支持片５１の軌跡が安定する。

　その後、キャップ部材４０が更に倒れるとともに支持片５１が更に振り上げられると、引掛部５５，５６が摺動面３３，３４から上に離れる。その時には、ガイド兼ストッパ５３，５４と保持孔２６の縁２６ｃの接触部が転動面５３ａ，５４ａからガイド面５３ｂ，５４ｂに移り変わるとともに、支持片５１の後面５１ａがガイド孔２９の上縁２９ａに接触する。そうすると、引掛部５５，５６の復元による動的荷重の慣性力によってガイド面５３ｂ，５４ｂが保持孔２６の縁２６ｃに対して後方へ滑るとともに、支持片５１の後面５１ａがガイド孔２９の上縁２９ａに対して後方へ滑る。よって、キャップ部材４０が更に前に倒れ、支持片５１が更に振り上げられつつ、支持片５１及びガイド兼ストッパ５３，５４が後方へスライドしてガイド孔２９に差し込まれていく（図３０～図３３参照）。また、ガイド面５３ｂ，５４ｂが支持片５１の後面５１ａに対して僅かに傾斜しているので、支持片５１及びガイド兼ストッパ５３，５４がガイド孔２９の上縁２９ａと保持孔２６の縁２６ｃとの間に挟まれる力によって後方への分力が発生し、この分力によって支持片５１及びガイド兼ストッパ５３，５４が後方へスライドする。保持孔２６の縁２６ｃとガイド面５３ｂ，５４ｂが接すると共に、支持片５１の後面５１ａとガイド孔２９の上縁２９ａが接していると、支持片５１及びガイド兼ストッパ５３，５４が後方へスライドしやすいので好ましいが、どちらかが離れていてもよい。なお、ガイド面５３ｂ，５４ｂが支持片５１の後面５１ａに対して平行であると、後方への分力が殆ど発生しないが、それでも、引掛部５５，５６の復元による動的荷重の慣性力によって支持片５１及びガイド兼ストッパ５３，５４が後方へスライドする。

　キャップ部材４０が更に倒れつつ、支持片５１、ガイド兼ストッパ５３，５４及びキャップ部材４０が後方へ移動すると、ガイド兼ストッパ５３，５４と保持孔２６の縁２６ｃの接触部がガイド面５３ｂ，５４ｂから滑り面５３ｃ，５４ｃに移り変わる。その時、支持片５１の後面５１ａがガイド孔２９の上縁２９ａから下に離れる。

　キャップ部材４０が更に倒れつつ、支持片５１、ガイド兼ストッパ５３，５４及びキャップ部材４０が後方へ移動する時には、滑り面５３ｃ，５４ｃと保持孔２６の縁２６ｃとが滑って、ガイド兼ストッパ５３，５４が保持孔２６に入り込む（図３４～図３７）。滑り面５３ｃ，５４ｃが凸面状に形成されているから、ガイド兼ストッパ５３，５４が滑らかな動きで保持孔１６に入り込むので、キャップ部材４０の軌跡が安定するとともに、異音の発生を抑えることができる。ガイド兼ストッパ５３，５４が保持孔２６に落ち込む際には、キャップ部材４０の下端４０ｃが立壁面２３ａ寄りにおいて第一収容凹部２３に入り込む。

　更に、キャップ部材４０が更に倒れると、フック７１，７２が第一収容凹部２３の立壁面２３ｂ側の縁に当たって、キャップ部材４０の倒れが止まる（図３８～図４０参照）。フック７１，７２の第一傾斜面７１ａ，７２ａが第一収容凹部２３の縁に衝突することで、第一傾斜面７１ａ，７２ａが第一収容凹部２３の縁によって後方へ押される。これにより、キャップ部材４０及び支持片５１が後方へ移動し、キャップ部材４０の下端４０ｃが立壁面２３ａに近づく。

　キャップ部材４０が第一収容凹部２３に嵌まり込む直前で止まったら、キャップ部材４０の後面４０ａを第一収容凹部２３に押し込むと、キャップ部材４０が第一収容凹部２３に嵌まる（図１７～図１９参照）。この際、第一傾斜面７１ａ，７２ａが第一収容凹部２３の縁によって後方へ押されることで、キャップ部材４０の下端４０ｃが立壁面２３ａに近づく。そして、第一傾斜面７１ａ，７２ａが第一収容凹部２３の縁を乗り越えることで、フック７１，７２が係合孔２７，２８に嵌まって係合する。また、支持片５１の後面５１ａが内面２２ａの裏側面全体に当たるのではなく、突起２２ｃ，２２ｃ，２２ｄに当たる。そのため、支持片５１の衝突音を軽減することができる。

　以上のように、キャップ部材４０を倒して第一収容凹部２３に嵌め込むに際して、大きく変形する部分が無いので、強度の高い組み付け構造及び車両用内装品１を提供することができる。

　続いて、図１７～図１９を参照して、キャップ部材４０が倒伏した状態について説明する。
　キャップ部材４０が前に倒伏した状態では、キャップ部材４０の前面４０ｂが下に向けられ、キャップ部材４０の後面４０ａが上に向けられ、キャップ部材４０が伏せた状態で第一収容凹部２３内に収容されている。支持片５１が後ろに振り上げられており、その支持片５１が保持孔２６から外れている。そして、支持片５１がガイド孔２９を前後に貫通する。引掛部５５，５６が立壁面２３ａの裏側に配置されている。ガイド兼ストッパ５３，５４がガイド孔２９から立壁面２３ａの裏側に抜けている。

〔第２の実施の形態の概要〕
　上述した第２の実施の形態及びその変形例についての記載から把握されるとおり、第２の実施の形態及びその変形例についての記載には、次の第１項から第１２項の発明に加えて多様な技術的思想の開示が含まれる。
　なお、以下に項立てした発明が解決しようとする課題は、キャップ部材が立った状態を堅固に保持するとともに、強度の高い組み付け構造等を提供することである。

〔第１項〕
　箱形に設けられ、上面が開口した内装部材（２０）と、
　前記内装部材（２０）の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部（２３）と、
　前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）を貫通し、取付具（９８）が挿入される通孔（２５）と、
　前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）を貫通し、前記収容凹部（２３）の立壁面(２３ａ）に沿って形成された保持孔（２６）と、
　前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）を貫通し、前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に沿って形成され、前記保持孔（２６）と一体となったガイド孔（２９）と、
　前記収容凹部（２３）の裏側の前記内装部材（２０）の外面のうち前記保持孔（２６）の側方に形成された係合面（３１）と、
　前記収容凹部（２３）の裏側の前記内装部材（２０）の外面のうち前記保持孔（２６）の側方に形成され、前記係合面（３１）から前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）の裏側に向かって延び、前記係合面（３１）との間に出隅（３７）を形成するように前記係合面（３１）に対して傾斜した摺動面（３３）と、
　前記保持孔（２６）の上において立てた状態に保持され、前に倒伏することで前記収容凹部（２３）に嵌め込まれるキャップ部材（４０）と、
　立てた状態の前記キャップ部材（４０）の下端から延出して、前記保持孔（２６）に差し込まれた支持片（５１）と、
　前記支持片（５１）の前面に凸状に設けられ、前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に相対する前記保持孔（２６）の縁近傍において前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に引っ掛かったガイド兼ストッパ（５３）と、
　前記支持片（５１）の側面に凸状に設けられ、前記収容凹部（２３）の裏側において前記係合面（３１）に引っ掛かった引掛部（５５）と、を備える、
組み付け構造。

〔第１項の発明の効果〕
　ガイド兼ストッパが収容凹部の底面に引っ掛かり、その反対側では引掛部が係合面に引っ掛かっているので、支持片が保持孔から抜けることを抑制することができ、キャップ部材が立った状態に保たれる。
　キャップ部材がガイド兼ストッパと収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒れようとしても、引掛部が係合面と摺動面との間の出隅に引っ掛かって、その引掛部が出隅を乗り越えられないので、キャップ部材が前に倒れることを抑制することができる。
　キャップ部材を前に押せば、引掛部が出隅を乗り越えて、キャップ部材を前に倒すことができる。この際、引掛部が係合面から摺動面へ出隅を乗り越えると、引掛部が摺動面に沿って案内されるので、キャップ部材がガイド兼ストッパと収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒れる際のキャップ部材の軌跡が安定する。そのため、キャップ部材が前に倒れると、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態となる。よって、キャップ部材が前に倒れた後に、キャップ部材の位置を大きく調整しなくても、キャップ部材を収容凹部に嵌め込むことができる。
　また、引掛部が出隅を乗り越えた後、引掛部の弾性変形が復元する際の力が摺動面に作用し、その力がキャップ部材の倒れに寄与する。
　また、キャップ部材を倒すのに際し、大きく変形させる部分が無いので、強度の高い組み付け構造及び車両用内装品を提供することができる。

〔第２項〕
　前記ガイド兼ストッパ（５３）の下面に凸柱面状に形成された転動面（５３ａ）と、
　前記ガイド兼ストッパ（５３）の前端面に平面状に形成され、前記転動面（５３ａ）の前端から上に延びたガイド面（５３ｂ）と、を備え、
　前記転動面（５３ａ）が前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に相対する前記保持孔（２６）の縁近傍において前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に接触し、その接触部を中心とした鋭角が前記転動面（５３ａ）と前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）との間に形成される、
第１項の組み付け構造。

〔第２項の発明の効果〕
　キャップ部材を前に押すと、キャップ部材がガイド兼ストッパと収容凹部の底面との接触部を支点として前に倒れる際に転動面が収容凹部の底面上を転動するから、キャップ部材が倒れる際の軌跡が安定するとともに、キャップ部材の倒れに対する抵抗が発生しづらい。
　キャップ部材が大きく倒れると、ガイド面が保持孔の縁に接触するから、ガイド面がキャップ部材の前後の動きの抵抗にならない。そのため、引掛部の弾性変形が復元する際の力によってガイド兼ストッパが後ろにスライドし、これによりキャップ部材も後ろに移動し、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態にすることができる。よって、キャップ部材が前に倒れた後に、キャップ部材の位置を大きく調整しなくても、キャップ部材を収容凹部に嵌め込むことができる。

〔第３項〕
　前記ガイド面（５３ｂ）が前記支持片（５１）の後面に対して平行であるか、又は前記ガイド面（５３ｂ）が前記支持片（５１）の後面に対して傾斜するとともに、前記支持片（５１）の後面から前記ガイド面（５３ｂ）までの厚さが上に向かって漸減する、
第２項の組み付け構造。

〔第３項の発明の効果〕
　キャップ部材が大きく倒れて、支持片の後面がガイド孔の上縁に当接すると、支持片及びガイド兼ストッパがガイド孔の上縁と保持孔の縁との間に挟まれる。そうであっても、ガイド面が支持片の後面に対して平行であるか、又は傾斜するから、支持片の後面及びガイド面がキャップ部材の前後の動きの抵抗にならない。そのため、引掛部の弾性変形が復元する際の力によってガイド兼ストッパが後ろにスライドし、これによりキャップ部材も後ろに移動し、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態にすることができる。

〔第４項〕
　前記ガイド兼ストッパ（５３）の上面に形成され、前記ガイド面（５３ｂ）の上端から後方へ凸面状に湾曲した滑り面（５３ｃ）を更に備える、
第２項又は第３項の組み付け構造。

〔第４項の発明の効果〕
　キャップ部材が前に大きく倒れた後にキャップ部材が後方へ移動すると、ガイド兼ストッパと保持孔の縁との接触部がガイド面から滑り面に移り変わる。そのため、ガイド兼ストッパが保持孔に入り込んで、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態にすることができる。その際、滑り面が凸面状に形成されているから、ガイド兼ストッパが滑らかな動きで保持孔に入り込むので、キャップ部材の軌跡が安定するとともに、異音の発生を抑えることができる。

〔第５項〕
　前記支持片（５１）の後面が前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に当接する、
第１項から第４項の何れかの組み付け構造。

〔第５項の発明の効果〕
　キャップ部材が後ろに倒れることを抑制することができる。

〔第６項〕
　前記支持片（５１）の先端から前記キャップ部材（４０）側へ切り欠くように前記支持片（５１）に形成されたノッチ（５２）と、
　前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に相対する前記保持孔（２６）の縁に凸状に設けられた台座部（２６ａ）と、を更に備え、
　前記支持片（５１）のうち前記ノッチ（５２）によって二叉に分かれた部位が前記台座部（２６ａ）を跨いで、前記台座部（２６ａ）が前記ノッチ（５２）の底（５２ａ）に当接する、
第１項から第５項の組み付け構造。

〔第６項の発明の効果〕
　キャップ部が左右に傾くことを抑制することができる。

〔第７項〕
　前記ノッチ（５２）の底（５２ａ）が丸面取りされ、前記台座部（２６ａ）の上面と後面の間の角部が丸面取りされている、
第６項の組み付け構造。

〔第７項の発明の効果〕
　キャップ部材を立った状態からスムーズに前へ倒すことができる。

〔第８項〕
　前記キャップ部材（４０）が前記ガイド兼ストッパ（５３）と前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）との接触部を支点として前に倒されることによって、前記引掛部（５５）が弾性変形して前記係合面（３１）から前記摺動面（３３）へ前記出隅（３７）を乗り越え、前記引掛部（５５）が前記摺動面（３３）に沿ってスライドしながら前記支持片（５１）が前記保持孔（２６）から前記ガイド孔（２９）へ振り上げられる、
第１項から第７項の何れかの組み付け構造。

〔第９項〕
　前記支持片（５１）の後面が前記ガイド孔（２９）の上縁に当接するまで前記支持片（５１）が振り上げられると、前記ガイド兼ストッパ（５３）及び前記支持片（５１）が記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に相対する前記保持孔（２６）の縁と前記ガイド孔（２９）の上縁とに挟まれた状態で、前記キャップ部材（４０）が前に倒れながら前記ガイド兼ストッパ（５３）及び前記支持片（５１）が前記引掛部（５５）の弾性変形からの復元力によって後方へスライドする、
第８項の組み付け構造。

〔第１０項〕
　上面が開口した箱形に設けられた内装部材（２０）の内面に収容凹部（２３）を形成し、取付具（９８）が挿入される通孔（２５）を前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に貫通させ、保持孔（２６）を前記収容凹部（２３）の立壁面(２３ａ）に沿わせつつ前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に保持孔（２６）を貫通させて、ガイド孔（２９）を前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に沿わせつつ前記収容凹部（２３）の立壁面(２３ａ）に貫通させて、前記ガイド孔（２９）と前記保持孔（２６）を一体にして、前記収容凹部（２３）の裏側の前記内装部材（２０）の外面のうち前記保持孔（２６）の側方に係合面（３１）を形成して、前記収容凹部（２３）の裏側の前記内装部材（２０）の外面のうち前記保持孔（２６）の側方に摺動面（３３）を形成し、前記摺動面（３３）を前記係合面（３１）に対して傾斜させ、前記摺動面（３３）を前記係合面（３１）から前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）の裏側に向かって延在させて、前記摺動面（３３）と前記係合面（３１）との間に出隅（３７）を形成し、
　キャップ部材（４０）の下端から支持片（５１）を延出させて、前記支持片（５１）の前面にガイド兼ストッパ（５３）を凸状に設け、前記支持片（５１）の側面に引掛部（５５）を凸状に設け、
　前記支持片（５１）の後面を前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に向けた状態で前記キャップ部材（４０）を立てて、前記内装部材（２０）の内側から前記支持片（５１）を前記保持孔（２６）に差し込むことによって、前記引掛部（５５）に前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）から前記係合面（３１）まで前記保持孔（２６）の縁を乗り越えさせて、前記引掛部（５５）を前記係合面（３１）に引っ掛けるとともに、前記前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に相対する前記保持孔（２６）の縁近傍において前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に前記ガイド兼ストッパ（５３）を引っ掛ける、
ことを特徴とする組み付け構造の製造方法。

〔第１１項〕
　取付穴（１７）が形成された内装品本体（１０）と、
　上面が開口した箱形に設けられ、その開口が前記取付穴（１７）に重なるように前記内装品本体（１０）に取り付けられた内装部材（２０）と、
　前記内装部材（２０）の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部（２３）と、
　前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）を貫通し、取付具（９８）が挿入される通孔（２５）と、
　前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）を貫通し、前記収容凹部（２３）の立壁面(２３ａ）に沿って形成された保持孔（２６）と、
　前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）を貫通し、前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に沿って形成され、前記保持孔（２６）と一体となったガイド孔（２９）と、
　前記収容凹部（２３）の裏側の前記内装部材（２０）の外面のうち前記保持孔（２６）の側方に形成された係合面（３１）と、
　前記収容凹部（２３）の裏側の前記内装部材（２０）の外面のうち前記保持孔（２６）の側方に形成され、前記係合面（３１）から前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）の裏側に向かって延び、前記係合面（３１）との間に出隅（３７）を形成するように前記係合面（３１）に対して傾斜した摺動面（３３）と、
　前記保持孔（２６）の上において立てた状態に保持され、前に倒伏することで前記収容凹部（２３）に嵌め込まれるキャップ部材（４０）と、
　立てた状態の前記キャップ部材（４０）の下端から延出して、前記保持孔（２６）に差し込まれた支持片（５１）と、
　前記支持片（５１）の前面に凸状に設けられ、前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に相対する前記保持孔（２６）の縁近傍において前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）に引っ掛かったガイド兼ストッパ（５３）と、
　前記支持片（５１）の側面に凸状に設けられ、前記収容凹部（２３）の裏側において前記係合面（３１）に引っ掛かった引掛部（５５）と、を備える、
車両用内装品。

〔第８項から第１１項の発明の効果〕
　第８項から第１１項の発明の効果は第１項の発明の効果と同様である。

〔第１２項〕
　第１１項の車両用内装品を自動車の車室内に取り付ける方法において、
　前記内装品本体（１０）を車室の内面に組み付ける工程と、
　その後、前記通孔（２５）に取付具（９８）を通して前記取付具（９８）を前記車室内に固定して、前記内装部材（２０）を前記車室内に取り付ける工程と、
　その後、前記ガイド兼ストッパ（５３）と前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）との接触部を支点として前記キャップ部材（４０）を前に倒すことによって、前記引掛部（５５）に前記係合面（３１）から前記摺動面（３３）へ前記出隅（３７）を乗り越えさせて前記引掛部（５５）を弾性変形させ、前記引掛部（５５）を前記摺動面（３３）に沿ってスライドさせながら、前記支持片（５１）の後面が前記ガイド孔（２９）の上縁に当接するまで前記支持片（５１）を前記保持孔（２６）から前記ガイド孔（２９）へ振り上げて、前記ガイド兼ストッパ（５３）及び前記支持片（５１）を前記収容凹部（２３）の前記立壁面（２３ａ）に相対する前記保持孔（２６）の縁と前記ガイド孔（２９）の上縁とに挟んだ状態で、前記キャップ部材（４０）を前に倒しながら前記ガイド兼ストッパ（５３）及び前記支持片（５１）を前記引掛部（５５）の弾性変形からの復元力によって後方へスライドさせる工程と、
　その後、前記キャップ部材（４０）を前記収容凹部（２３）の底面（２３ｅ）へ押して前記キャップ部材（４０）を前記収容凹部（２３）に嵌め込む工程と、を備える、
車両用内装品の取り付け方法。

〔第１２項の発明の効果〕
　キャップ部材を前に押すだけで、キャップ部材が収容凹部にほぼ嵌まった状態にすることができる。取付具をキャップ部材によって隠すことができ、車両内装品の見栄えが良くなる。また、内装部材と車両の取り付け強度が取付具によって向上する。

［第３の実施の形態］
　図４１は、車両用内装品１００１の分解斜視図である。本実施形態では、この車両用内装品１００１がドアトリムであるものとして、車両用内装品１００１の説明を行う。但し、本発明に係る車両用内装品はドアトリム以外の内装品にも適用することができる。

　車両用内装品１００１は内装品本体１０１０、第一内装部材１０２０及びキャップ部材１０４０等を備える。

　内装品本体１０１０は、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲、係止爪その他の留め具によって自動車のドア本体の車室内側の面に取り付けられる。内装品本体１０１０は樹脂成形品であって、射出成形法、モールドプレス法、複数色成形法、モールド成形法その他の成形法によって成形されたものである。内装品本体１０１０は、別々に成形された樹脂成形品を組み立てることによって作られた複合品であってもよい。

　内装品本体１０１０の上部には、ドアノブが収まる穴１０１１が形成されている。
　内装品本体１０１０の上端と下端の間の中間部には膨出部１０１５形成されており、この膨出部１０１５が車室の内側へ膨らんでおり、膨出部１０１５の裏側に空洞が形成されている。この膨出部１０１５は、穴１０１１の下において前後に延在する。膨出部１０１５の上面には、取付穴１０１７が形成されている。その取付穴１０１７は膨出部１０１５の裏側の空洞に通じている。

　この取付穴１０１７には、第一内装部材１０２０とキャップ部材１０４０を仮組した組み付け構造が設けられている。この組み付け構造は第一内装部材１０２０及びキャップ部材１０４０等を備えるものであり、組み付け構造の構成について以下に詳細に説明する。

　第一内装部材１０２０は、車両のドア本体に取り付けられており、車両のドアを閉める際に使用される。つまり、人差し指、中指、薬指及び小指を取付穴１０１７から第一内装部材１０２０の中空１０２１に入れて、第一内装部材１０２０及び膨出部１０１５を掴んで、車両用内装品１００１ごとドア本体を引くことで、ドアを閉じることができる。つまり、第一内装部材１０２０は把手部である。
　第一内装部材１０２０の内壁をなす一壁部には、収容凹部１０３０が設けられている。この収容凹部１０３０は第一内装部材１０２０の内面に窪んだ状態に設けられている。

　図４２は収容凹部１０３０を第一内装部材１０２０の内側から示す斜視図である。図４３は収容凹部１０３０を第一内装部材１０２０の外側から示す斜視図である。図４２及び図４３に示すように、収容凹部１０３０は段状の凹部となっている。具体的には、第一内装部材１０２０の内面が窪んだ状態に設けられることによって矩形状の凹部１０３０ａが第一内装部材１０２０の内面に形成され、矩形状の凹部１０３０ａの底面が窪んだ状態に設けられることによって凹部１０３０ｂが凹部１０３０ａの底面に形成されている。凹部１０３０ｂが凹部１０３０ｂの前側の壁部１０３１、後側の壁部１０３２、下側の壁部１０３３及び上側の壁部１０３４によって規定され、凹部１０３０ｂがこれら壁部１０３１，１０３２，１０３３，１０３４によって囲われている。

　凹部１０３０ｂは、前後方向に沿う略三角柱状の窪みとなっている。つまり、前側壁部１０３１及び後側壁部１０３２が凹部１０３０ｂの底において交差し、下側壁部１０３３及び上側壁部１０３４が略三角柱状の柱面を構成する。後側壁部１０３２が下側壁部１０３３及び上側壁部１０３４の後端から右方へ立ち上がって凹部１０３０ａの底に至る。前側壁部１０３１が下側壁部１０３３及び上側壁部１０３４の前端から右方へ立ち上がって凹部１０３０ａの底に至る。よって、前後方向に見ると、前側壁部１０３１が略三角形状の外形になっており、後側壁部１０３２が略三角形状の外形になっている。下側壁部１０３３及び上側壁部１０３４は凹部１０３０ａの底面に対して傾斜する。つまり、下側壁部１０３３は前側壁部１０３１及び後側壁部１０３２の下側の一辺に沿って上方に行くに連れて左側に寄る傾斜面となっている。上側壁部１０３４は前側壁部１０３１及び後側壁部１０３２の上側の一辺に沿って下方に行くに連れて左側に寄る傾斜面となっている。

　下側壁部１０３３には、貫通孔１３３１が形成されている。この貫通孔１３３１は、第一内装部材１０２０が取り付けられる第二内装部材１０２２（図４５参照）に対して第一内装部材１０２０を固定するためのものである。具体的には、例えば図示しないネジ等の固定具（締結具）１０９８を貫通孔１３３１内に挿入し第二内装部材１０２２に形成されたネジ穴に螺合することで、第一内装部材１０２０と第二内装部材１０２２とを固定するようになっている。

　凹部１０３０ａの底面の後部に穴（保持孔）が形成され、その穴が凹部１０３０ａの底面の裏側（第一内装部材１０２０の外面）まで貫通し、その穴の中に空間Ｓが形成されている。その穴の開口は、凹部１０３０ａの底面の後部からその手面と後側壁部１０３２の角部にまで及んでいる。

　後側壁部１０３２には、左右方向に延在した台座部１３２１が設けられている。具体的には、後側壁部１０３２のうち空間Ｓを縁取る部分からスリット１３２３，１３２４が左方に切り欠かれ、これにより台座部１３２１が後側壁部１０３２に設けられている。台座部１３２１の左側の端部が上側壁部１０３４に一体的に形成されている。台座部１３２１は、上側壁部１０３４の後端から右側に延出して、後側に向かって屈曲する。台座部１３２１の右側の端部が当接部１３２２であり、当接部１３２２が屈曲部から後側に延出する。台座部１３２１の左側の端部が上側壁部１０３４に一体的に形成されている。

　起立状態となったキャップ部材１０４０が台座部１３２１に支持される。台座部１３２１の当接部１３２２がキャップ部材１０４０に当接する。その当接部１３２２が後側に向かって屈曲している。キャップ部材１０４０から当接部１３２２を介して台座部１３２１に力が作用すると、台座部１３２１が左側の端部を略中心として前後方向に撓むこととなる。また、当接部１３２２のうち収容凹部１０３０の内側に臨む面には、第一凸部１３２６が右方に向けて突出するように形成されている。第一凸部１３２６が形成された部分がキャップ部材１０４０に当接する。

　そして、台座部１３２１の上下の両側には、左右方向に切り欠かれたスリット１３２３，１３２４が設けられている。ここで、下側のスリット１３２３は、上側のスリット１３２４よりも長く形成されている。また、台座部１３２１の外側面には、後方に向かって突出した補強用のリブ１３２５が左右方向に沿って延在している。このリブ１３２５は、台座部１３２１の両側のスリットのうち、長い方のスリット１３２３側に寄って配置されている。

　また、凹部１０３０ａの底面と後側壁部１０３２との間の角部には開口１３２７，１３２８が形成されている。開口１３２７は凹部１０３０ａの底面と後側壁部１０３２との間の角部を空間Ｓから下側に切り欠くように形成され、凹部１０３０ａの底面と後側壁部１０３２との間の角部を空間Ｓから上側に切り欠くように形成されている。そして、開口１３２７，１３２８が後側壁部１０３２の裏側及び凹部１０３０ａの底面の裏側（第一内装部材１０２０の外面）まで貫通する。

　上下方向に延在する開口１３２７，１３２８は、後側壁部１０３２における台座部１３２１よりも右側の領域に設けられている。下側の開口１３２７は、上側の開口１３２８よりも短く形成されている。
　そして、収容凹部１０３０の後側部分に挟持部１３２９，１３３０が設けられている。挟持部１３２９，１３３０は凹部１０３０ａの底面の後部を構成しており、挟持部１３２９，１３３０が開口１３２７，１３２８の後側に配置され、開口１３２７，１３２８の後縁が挟持部１３２９，１３３０によって規定される。この挟持部１３２９，１３３０が台座部１３２１の当接部１３２２に略平行である。なお、挟持部１３２９と挟持部１３３０の間の領域が空間Ｓとなっており、その空間Ｓは当接部１３２２の後側にある。そして、開口１３２７が空間Ｓから下に続き、開口１３２８が空間Ｓから上に続き、スリット１３２２が空間Ｓ及び開口１３２７から左側に続き、スリット１３２２が空間Ｓ及び開口１３２８から左に続く。

　また、挟持部１３２９，１３３０の外側面には、キャップ部材１０４０の倒れを規制する凸状の係止爪１３３２，１３３３が設けられている。係止爪１３３２，１３３３の前側の面（その前側の面は空間Ｓを通じて凹部１０３０ｂ側に向く）に傾斜面１３３２ａ，１３３３ａが形成されており（図４９参照）、傾斜面１３３２ａ，１３３３ａが挟持部１３２９，１３３０の外側面に対して傾斜する。具体的には、係止爪１３３２，１３３３の前側の面が左向きに傾斜することによって傾斜面１３３２ａ，１３３３ａが形成され、挟持部１３２９，１３３０の外側面を基準とした傾斜面１３３２ａ，１３３３ａの高さは開口１３２７，１３２８から傾斜面１３３２ａ，１３３３ａに沿って後ろに離れるに連れて漸増する。

　図４４は、キャップ部材１０４０の概略構成を示す側面図である。図４５は、キャップ部材１０４０の裏面側の構成を示す正面図である。図４６は、図４５の一部分を拡大した背面図である。
　なお、図４５及び図４６においては第一内装部材１０２０に対して起立した状態で係合したキャップ部材１０４０を示している。
　図４４～図４６に示すように、キャップ部材１０４０には、収容凹部１０３０をカバーする本体部１０４１と、本体部１０４１を回転させるための回転支持部１０４２とが一体的に備えられている。

　本体部１０４１が矩形板状に形作られている。具体的には、前後方向に本体部１０４１を向かって見ると、本体部１０４１の輪郭が第一内装部材１０２０の内面に沿った凹部１０３０ａの縁の形状に形作られている。そして、本体部１０４１が凹部１０３０ａに嵌まる形状に形作られ、その本体部１０４１が凹部１０３０ａに嵌め込まれるようになっている。

　本体部１０４１の一端部に回転支持部１０４２が設けられている。また、本体部１０４１における回転支持部１０４２が設けられた側とは反対側の他端部には案内爪１０４５が設けられている。案内爪１０４５は、本体部１０４１の他端部からわずかに突出した形状となっており、この案内爪１０４５の外面は滑らかに湾曲した曲面となっている。キャップ部材１０４０が起立状態から倒れる際には、案内爪１０４５が凹部１０３０ａのエッジに当たって摺動するので、キャップ部材１０４０が案内爪１０４５によって凹部１０３０ａ内に案内される。

　回転支持部１０４２は、キャップ部材１０４０の起立状態時に台座部１３２１に当接する台座当接部１０４３と、当該台座当接部１０４３と本体部１０４１を連結する連結部１０４４とを備えている。

　連結部１０４４は、本体部１０４１の一端部の裏面から延出して、左右方向に延在する。連結部１０４４の裏面には、左右方向に延在する一対の凸条１４４１，１４４２が設けられている。この凸条１４４１，１４４２の左側端部の表面は、第一湾曲面１４３６に連続して凸状に湾曲した第二湾曲面１４４３となっている。この第二湾曲面１４４３は、キャップ部材１０４０が起立状態からカバー状態へと切り替わる際の初期段階後の所定の段階以降に台座部１３２１に摺動することになる。
　また、凸条１４４１，１４４２の第二湾曲面１４４３よりも右側の部分は右に行くに連れ徐々に後方へと傾く傾斜面１４４４となっている。つまり、凸条１４４１，１４４２の高さは台座当接部１０４３側から本体部１０４１側に向けて徐々に低くなっている。

　このように、第一湾曲面１４３６及び第二湾曲面１４４３は、キャップ部材１０４０が起立状態からカバー状態へと切り替わる際に、台座部１３２１を摺動することでキャップ部材１０４０をカバー状態となる方向に案内する案内面である。

　台座当接部１０４３は連結部１０４４の先端（図４４を参照すると左端）に設けられている。台座当接部１０４３には第二凸部１４３１，１４３２が設けられ、第二凸部１４３１，１４３２が台座当接部１０４３の先端面（図４４を参照すると左端面）から突出する。第二凸部１４３１，１４３２は、キャップ部材１０４０の起立状態時にスリット１３２３，１３２４に進入する。台座当接部１０４３の先端面には、凹部１４３３が形成されている。この凹部１４３３は、第二凸部１４３１，１４３２の間に配置されている。この凹部１４３３には、台座部１３２１の第一凸部１３２６が収容される。

　また、台座当接部１０４３の両側には、延在部１４３４，１４３５が設けられている。延在部１４３４，１４３５は、台座当接部１０４３から連結部１０４４の延在方向と略直交する方向（図４を参照すると上下方向）へ突出する。そして、台座当接部１０４３が台座部１３２１に当接した状態では、延在部１４３４，１４３５が台座部１３２１から上下にはみ出ている。そして、延在部１４３４，１４３５は、台座部１３２１よりも外側に延在している。一対の延在部１４３４，１４３５のうち、下側の延在部１４３４は、収容凹部１０３０の下側の開口１３２７に対応した長さとなっている。他方、上側の延在部１４３４は、収容凹部１０３０の上側の開口１３２８に対応した長さとなっている。これら一対の延在部１４３４，１４３５が開口１３２７，１３２８に係合することで、キャップ部材１０４０が起立状態となる。つまり、開口１３２７，１３２８が一対の延在部１４３４，１４３５に係合する本発明に係る係合口である。

　ここで、台座当接部１０４３及び一対の延在部１４３４，１４３５における台座部１３２１に当接する部分は凸状に湾曲した第一湾曲面１４３６となっている。この第一湾曲面１４３６は、キャップ部材１０４０が起立状態からカバー状態へと切り替わる際の初期段階に台座部１３２１に摺動することになる。

　次に、本実施形態の作用について説明する。
　まず、第一内装部材１０２０に対してキャップ部材１０４０を取り付ける手順について説明する。
　図４７は、第一内装部材１０２０に対してキャップ部材１０４０を取り付ける直前の状態を示す斜視図である。図４８は、第一内装部材１０２０に対してキャップ部材１０４０を取り付けた直後の状態（起立状態）を示す斜視図である。図４９は、図４８に示す起立状態の一部を拡大した破断斜視図である。

　取り付け前においては、作業者は図４７に示すように、キャップ部材１０４０の回転支持部１０４２を収容凹部１０３０内に入れて、一対の延在部１４３４，１４３５と収容凹部１０３０の一対の開口１３２７，１３２８とを位置合わせする。このとき、下側の延在部１４３４と開口１３２７同士が対応した長さに形成されており、上側の延在部１４３５と開口１３２８同士が対応した長さに形成されているので、対応したもの同士を合わせないと組み付けができなくなっている。

　位置合わせ後、キャップ部材１０４０を後方に移動させて空間Ｓ内に進入させると、一対の延在部１４３４，１４３５が開口１３２７，１３２８内に進入する（図４８及び図４９参照）。このとき、台座当接部１０４３が台座部１３２１に干渉したとしても、台座部１３２１自体が後方に撓むためにキャップ部材１０４０を押し込むことができる。通過後においては台座部１３２１が弾性的に復帰して、元の状態に戻る。これにより、台座当接部１０４３の凹部１４３３内に、台座部１３２１の第一凸部１３２６が収容される。
　また、位置合わせ後、キャップ部材１０４０を後方に移動させる際には、一対の延在部１４３４，１４３５は、係止爪１３３２，１３３３の傾斜面１３３２ａ，１３３３ａに沿いながら移動し、傾斜面１３３２ａ，１３３３ａを乗り越えることで、係止爪１３３２，１３３３によって係止されることになる。

　また、キャップ部材１０４０が起立状態である場合、スリット１３２３，１３２４内に第二凸部１４３１，１４３２が進入しており、これらの係合によってキャップ部材１０４０の位置ズレが規制されている。
　また、キャップ部材１０４０が起立状態である場合、延在部１４３４，１４３５に挟持部１３２９，１３３０が当接することになる。これにより、台座部１３２１とともに挟持部１３２９，１３３０が回転支持部１０４２を挟んで、起立状態を維持することになる。

　次に、起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材１０４０の動作について説明する。
　図５０～図５５は、起立状態からカバー状態に切り替わる際のキャップ部材１０４０の各段階での状態を示す断面図である。

　図５０に示すように起立状態にあるキャップ部材１０４０を倒すように作業者はキャップ部材１０４０に対して力を付与する。それにより、台座部１３２１の当接部１３２２と、台座当接部１０４３との接点を回転中心としてキャップ部材１０４０は回転する。具体的には、図５０の状態から図５１の状態までの回転の初期段階においては、台座部１３２１の当接部１３２２がキャップ部材１０４０の第一湾曲面１４３６に対して摺動する。この摺動時の接点が初期段階におけるキャップ部材１０４０の回転中心となる。

　そして、キャップ部材１０４０の回転時においては、収容凹部１０３０がキャップ部材１０４０の連結部１０４４に当接するために、連結部１０４４から作用する反力によってキャップ部材１０４０が台座部１３２１を押圧する。これにより、台座部１３２１が矢印γの方向へ弾性変形する。弾性変形中においては台座部１３２１が常に弾性復帰しようとするため、この復元力がキャップ部材１０４０の回転支持部１０４２に対して閉じる方向に付勢することになる。つまり、台座部１３２１が本発明に係る付勢手段である。台座部１３２１からの付勢力によって、キャップ部材１０４０はカバー状態へとスムーズに移行することとなる。

　次いで、回転の初期段階後の所定段階、つまり図５１に示す状態以降においては、キャップ部材１０４０の回転に伴って台座部１３２１の当接部１３２２がキャップ部材１０４０の第二湾曲面１４４３に対して摺動する。
　ここで、凸条１４４１，１４４２の高さが台座当接部１０４３側から本体部１０４１側に向けて徐々に低くなっているために、キャップ部材１０４０が回転し傾倒していくことで、収容凹部１０３０の外側へと案内されることになる（図５２～図５４参照）。
　このときにおいても台座部１３２１からの付勢力が回転支持部１０４２に作用しているために、キャップ部材１０４０はカバー状態へとスムーズに移行する。

　そして、図５４に示すように、本体部１０４１が収容凹部１０３０の凹部１０３０ａに収まる直前の状態になると、台座部１３２１は元の状態に復帰するため、台座部１３２１からの付勢力はキャップ部材１０４０に作用しない。その後、作業者が本体部１０４１を収容凹部１０３０内に押し込むことで、キャップ部材１０４０は図５５に示すカバー状態となる。
　なお、本体部１０４１を収容凹部１０３０内に押し込む際には、案内爪１０４５の外面によって本体部１０４１が収容凹部１０３０内に案内される。

　以上のように、本実施形態によれば、第一内装部材１０２０の収容凹部１０３０の内面をなす一つの後側壁部１０３２に、キャップ部材１０４０の回転支持部１０４２に対して閉じる方向に付勢する付勢手段（台座部１３２１）が設けられているので、従来のようにキャップ部材に薄肉のヒンジ部を設けなくともキャップ部材１０４０に対して閉じる方向への力を付勢することができる。これにより、キャップ部材１０４０の剛性低下を抑制し、なおかつキャップ部材１０４０の円滑な移動を可能とすることができる。

　また、付勢手段である台座部１３２１の両側にスリット１３２３，１３２４が形成されているので、台座部１３２１を弾性変形しやすくするとともにその弾性変形による反力をキャップ部材１０４０に対する付勢力として作用させることができる。

　また、台座部１３２１の外側面に補強用のリブ１３２５が設けられているので、当該リブ１３２５によって台座部１３２１を強固なものにすることができる。
　ここで、台座部１３２１の両側のスリット１３２３，１３２４のうち、一方のスリット１３２３が他方のスリット１３２４よりも長い場合、台座部１３２１が長い側の一方のスリット１３２３に寄って撓むことになる。しかしながら、本実施形態のように補強用のリブ１３２５が一方のスリット１３２３側に寄って配置されていれば、台座部１３２１を均一に撓ませることが可能となる。

　また、収容凹部１０３０における台座部１３２１を備える後側壁部１０３２とは異なる壁部（下側壁部１０３３）に、第二内装部材１０２２と第一内装部材１０２０とを固定するための貫通孔１３３１が設けられているので、台座部１３２１と貫通孔１３３１が同じ壁部に設けられた場合よりも強度低下を分散させることができる。

　また、台座部１３２１を摺動することでキャップ部材１０４０をカバー状態となる方向に案内する案内面が回転支持部１０４２に設けられているので、キャップ部材１０４０をスムーズにカバー状態とすることができる。
　そして、キャップ部材１０４０がカバー状態となる方向に回転する際の初期段階では台座部１３２１が第一湾曲面１４３６を摺動し、初期段階後の所定段階では台座部１３２１が第二湾曲面１４４３を摺動するので、初期段階及び所定段階のそれぞれのキャップ部材１０４０の動作に適した曲面を個別に設定することができる。これにより、起立状態からカバー状態までの動作をより円滑に行うことができる。

　また、キャップ部材１０４０の回転支持部１０４２の凹部１４３３に台座部１３２１の第一凸部１３２６が収容されるので、凹部１４３３と第一凸部１３２６との係合によってキャップ部材１０４０の位置規制が可能となる。
　また、第一凸部１３２６が、スリット１３２３，１３２４に挟まれた台座部１３２１に形成されているので、スリット１３２３，１３２４による剛性低下を第一凸部１３２６によって抑制することができる。

　また、キャップ部材１０４０の起立状態時にスリット１３２３，１３２４内に進入する第二凸部１４３１，１４３２が回転支持部１０４２に形成されているので、スリット１３２３，１３２４と第二凸部１４３１，１４３２との係合によってキャップ部材１０４０の位置ズレを規制することが可能となる。

　また、起立状態におけるキャップ部材１０４０の台座当接部１０４３に当接する台座部１３２１とともに、延在部１４３４，１４３５に当接することで、回転支持部１０４２を挟む挟持部１３２９，１３３０が第一内装部材１０２０に設けられているので、キャップ部材１０４０の起立状態を維持することができる。これにより、仮組みの確実性を高めることができる。

　また、一対の延在部１４３４，１４３５に係合してキャップ部材１０４０の倒れを規制する係止爪１３３２，１３３３が、挟持部１３２９，１３３０に設けられているので、仮組み時におけるキャップ部材１０４０の倒れを抑制することができる。

　また、互いに長さの異なる一対の延在部１４３４，１４３５のそれぞれに長さに対応した係合口（開口１３２７，１３２８）に、一対の延在部１４３４，１４３５が係合するので、キャップ部材１０４０が反転している場合には一対の延在部１４３４，１４３５は係合口内に係合されなくなる。したがって、キャップ部材１０４０の誤組を防止することができる。

　また、凹部１０３０ａの縁に摺動してキャップ部材１０４０自体を開口内に案内する案内爪１０４５がキャップ部材１０４０の本体部１０４１に設けられているので、収容凹部１０３０内にスムーズにキャップ部材１０４０を嵌め込むことができる。

　また、本実施形態で例示したキャップ部材１０４０であればアンダーカット形状を廃止することもでき、スライドを用いずに成型することも可能となり、金型構造の簡略化も図ることができる。

〔第３の実施の形態の概要〕
　上述した第３の実施の形態及びその変形例についての記載から把握されるとおり、第３の実施の形態及びその変形例についての記載には、次の第１項から第９項の発明に加えて多様な技術的思想の開示が含まれる。
　なお、以下に項立てした発明が解決しようとする課題は、キャップ部材の剛性低下を抑制したとしても、キャップ部材の円滑な移動を可能とすることである。

〔第１項〕
　収容凹部（１０３０）が形成された第一内装部材（１０２０）と、
　前記収容凹部（１０３０）の内壁に対して係合し、起立状態から、前記収容凹部（１０３０）をカバーするカバー状態まで回転するキャップ部材（１０４０）とを備える組み付け構造において、
　前記キャップ部材（１０４０）は、
　前記収容凹部（１０３０）をカバーする本体部（１０４１）と、
　前記本体部（１０４１）を回転させるための回転支持部（１０４２）と、を備え、
　前記収容凹部（１０３０）の内面をなす一つの壁部には、前記キャップ部材（１０４０）の回転支持部（１０４２）に対して閉じる方向に付勢する付勢手段（１３２１）が設けられていることを特徴とする組み付け構造。

〔第１項の発明の効果〕
　第一内装部材の収容凹部の内面をなす一つの壁部に、キャップ部材の回転支持部に対して閉じる方向に付勢する付勢手段が設けられているので、キャップ部材に薄肉のヒンジ部を設けなくともキャップ部材に対して閉じる方向への力を付勢することができる。これにより、キャップ部材の剛性低下を抑制し、なおかつキャップ部材の円滑な移動を可能とすることができる。

〔第２項〕
　第１項の組み付け構造において、
　前記付勢手段（１３２１）は、前記キャップ部材（１０４０）が起立状態である場合に前記回転支持部（１０４２）を支える台座部（１３２１）であり、
　前記台座部（１３２１）の両側にはスリット（１３２３，１３２４）が形成されていることを特徴とする組み付け構造。

〔第２項の発明の効果〕
　付勢手段である台座部の両側にスリットが形成されているので、台座部を弾性変形しやすくするとともにその弾性変形による反力をキャップ部材に対する付勢力として作用させることができる。

〔第３項〕
　第２項の組み付け構造において、
　前記台座部（１３２１）の外側面には、補強用のリブ（１３２５）が設けられ、
　前記台座部（１３２１）の両側のスリット（１３２３，１３２４）のうち、一方のスリット（１３２３，１３２４）が他方のスリット（１３２３，１３２４）よりも長い場合、前記リブ（１３２５）は、前記一方のスリット（１３２３，１３２４）側に寄って配置されていることを特徴とする組み付け構造。

〔第３項の発明の効果〕
　台座部の外側面に補強用のリブが設けられているので、当該リブによって台座部を強固なものにすることができる。
　ここで、台座部の両側のスリットのうち、一方のスリットが他方のスリットよりも長い場合、台座部が長い側の一方のスリットに寄って撓むことになる。しかしながら請求項３記載の発明のように、補強用のリブが一方のスリット側に寄って配置されていれば、台座部を均一に撓ませることが可能となる。

〔第４項〕
　第２項又は第３項の組み付け構造において、
　前記回転支持部（１０４２）には、前記台座部（１３２１）を摺動することで前記キャップ部材（１０４０）を前記カバー状態となる方向に案内する案内面（１４３６，１４４３）が設けられ、
　前記案内面（１４３６，１４４３）は、凸状に湾曲した第一湾曲面（１４３６）と、当該第一湾曲面（１４３６）に連続して凸状に湾曲した第二湾曲面（１４４３）とを備え、
　前記キャップ部材（１０４０）が前記カバー状態となる方向に回転する際の初期段階では前記台座部（１３２１）が前記第一湾曲面（１４３６）を摺動し、初期段階後の所定段階では前記台座部（１３２１）が前記第二湾曲面（１４４３）を摺動するように、前記第一湾曲面（１４３６）及び前記第二湾曲面（１４４３）が配置されていることを特徴とする組み付け構造。

〔第４項の発明の効果〕
　台座部を摺動することでキャップ部材をカバー状態となる方向に案内する案内面が回転支持部に設けられているので、キャップ部材をスムーズにカバー状態とすることができる。
　さらに、キャップ部材がカバー状態となる方向に回転する際の初期段階では台座部が第一湾曲面を摺動し、初期段階後の所定段階では台座部が第二湾曲面を摺動するので、初期段階及び所定段階のそれぞれのキャップ部材の動作に適した曲面を個別に設定することができる。これにより、起立状態からカバー状態までの動作をより円滑に行うことができる。

〔第５項〕
　第２項から第４項の何れかの組み付け構造において、
　前記台座部（１３２１）における前記回転支持部（１０４２）が当接する部分には第一凸部（１３２６）が形成されていて、
　前記回転支持部（１０４２）には前記第一凸部（１３２６）が収容される凹部（１４４３）が形成されていることを特徴とする組み付け構造。

〔第５項の発明の効果〕
　キャップ部材の回転支持部の凹部に台座部の第一凸部が収容されるので、凹部と第一凸部との係合によってキャップ部材の位置規制が可能となる。
　また、第一凸部が、スリットに挟まれた台座部に形成されているので、スリットによる剛性低下を第一凸部によって抑制することができる。

〔第６項〕
　請求項２～５のいずれか一項に記載の組み付け構造において、
　前記回転支持部（１０４２）には、前記キャップ部材（１０４０）の起立状態時に前記スリット（１３２３，１３２４）内に進入する第二凸部（１４３１，１４３２）が形成されていることを特徴とする組み付け構造。

〔第６項の発明の効果〕
　キャップ部材の起立状態時にスリット内に進入する第二凸部が回転支持部に形成されているので、スリットと第二凸部との係合によってキャップ部材の位置ズレを規制することが可能となる。

〔第７項〕
　第２項から第６項の組み付け構造において、
　前記回転支持部（１０４２）における前記台座部（１３２１）に当接する台座当接部（１０４３）には、前記台座部（１３２１）よりも外側に延在した一対の延在部（１４３４，１４３５）が備えられていて、
　前記第一内装部材（１０２０）には、起立状態における前記キャップ部材（１０４０）の前記台座当接部（１０４３）に当接する前記台座部（１３２１）とともに、前記延在部（１４３４，１４３５）に当接することで前記回転支持部（１０４２）を挟む挟持部が、前記延在部（１４３４，１４３５）の上方に設けられていることを特徴とする組み付け構造。

〔第７項の発明の効果〕
　起立状態におけるキャップ部材の台座当接部に当接する台座部とともに、延在部に当接することで、回転支持部を挟む挟持部が第一内装部材に設けられているので、キャップ部材の起立状態を維持することができる。これにより、仮組みの確実性を高めることができる。

〔第８項〕
　第７項の組み付け構造において、
　前記挟持部には、前記一対の延在部（１４３４，１４３５）に係合して、前記キャップ部材（１０４０）の倒れを規制する係止爪が設けられていることを特徴とする組み付け構造。

〔第８項の発明の効果〕
　一対の延在部に係合してキャップ部材の倒れを規制する係止爪が、挟持部に設けられているので、仮組み時におけるキャップ部材の倒れを抑制することができる。

〔第９項〕
　第１項から第８項の組み付け構造を備える車両用内装品であって、
　前記第一内装部材（１０２０）は車両のドア本体に取り付けられ、
　前記第一内装部材（１０２０）が取り付けられる第二内装部材を備え、
　前記収容凹部（１０３０）における前記付勢手段（１３２１）を備える壁部とは異なる壁部に、前記第二内装部材と前記第一内装部材（１０２０）とを固定するための貫通孔が設けられていることを特徴とする車両用内装品。

〔第９項の発明の効果〕
　収容凹部における付勢手段を備える壁部とは異なる壁部に、第二内装部材と第一内装部材とを固定するための貫通孔が設けられているので、台座部と貫通孔が同じ壁部に設けられた場合よりも強度低下を分散させることができる。

［付記］
　２０１３年６月２４日に出願された日本国特許出願第２０１３－１３１２７６号、２０１３年７月２３日に出願された日本国特許出願第２０１３－１５２１９１号及び２０１４年４月２５日に出願された日本国特許出願第２０１４－０９１３６４号の明細書、請求の範囲、図面、要約を含む全ての開示は、ここに引用によって組み込まれる。
　種々の典型的な実施の形態を示しかつ説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されない。従って、本発明の範囲は、請求の範囲によってのみ限定されるものである。

　本発明は、内装部材の特定の箇所をキャップ部材によって隠すにあたってそのキャップ部材を内装部材に仮組みすることに利用することができる。

　１０１　車両用内装品
　１２０　内装部材
　１２３　第一収容凹部（収容凹部）
　１２５　通孔
　１２６　保持孔
　１２６ｂ，１２６ｃ，１２６ｄ，１２６ｅ　保持孔の縁
　１４０　キャップ部材
　１４１　規制部
　１４２　支持片
　１４４　ノッチ
　１４６　圧接片
　１５０　第一引掛部
　１５５　第二引掛部
　１　車両用内装品
　１０　内装品本体
　２０　内装部材
　２２　側板
　２２ａ　内面
　２２ｂ　外面
　２３　第一収容凹部
　２３ａ　立壁面
　２３ｅ　底面
　２５　通孔
　２６　保持孔
　２６ａ　台座部
　２６ｃ　縁
　２９　ガイド孔
　２９ａ　上縁
　３１，３２　係合面
　３３，３４　摺動面
　４０　キャップ部材
　５１　支持片
　５１ａ　前面
　５１ｂ　後面
　５２　ノッチ
　５２ａ　ノッチの底
　５３，５４　ガイド兼ストッパ
　５３ａ，５４ａ　転動面
　５３ｂ，５４ｂ　ガイド面
　５３ｃ，５４ｃ　滑り面
　５５，５６　引掛部
　１００１　　　車両用内装品
　１０１０　　　内装品本体
　１０１１　　　穴
　１０１５　　　膨出部
　１０１７　　　取付穴
　１０２０　　　第一内装部材
　１０２１　　　中空
　１０２２　　　第二内装部材
　１０３０　　　収容凹部
　１０３１　　　前側壁部
　１０３２　　　後側壁部
　１０３３　　　下側壁部
　１０３４　　　上側壁部
　１０４０　　　キャップ部材
　１０４１　　　本体部
　１０４２　　　回転支持部
　１０４３　　　台座当接部
　１０４４　　　連結部
　１０４５　　　案内爪
　１３２１　　　台座部（付勢手段）
　１３２２　　　当接部
　１３２３，１３２４　　　スリット
　１３２５　　　リブ
　１３２６　　　第一凸部
　１３２７，１３２８　　　開口
　１３２９，１３３０　　　挟持部
　１３３１　　　貫通孔
　１３３２，１３３３　　　係止爪
　１３３２ａ，１３３３ａ　傾斜面
　１４３１，１４３２　　　第二凸部
　１４３３　　　凹部
　１４３４，１４３５　　　延在部
　１４３６　　　第一湾曲面
　１４４１，１４４２　　　凸条
　１４４３　　　第二湾曲面
　１４４４　　　傾斜面

Claims

　内装部材と、
　前記内装部材に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、
　前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、
　前記保持孔の上において立てた状態に保持され、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、
　立てた状態の前記キャップ部材の下端部に設けられ、前記キャップ部材を立てた状態に保持するとともに、前記キャップ部材が表面側へ倒伏することを規制する規制部と、を備える、
組み付け構造。
　前記規制部が、
　立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、
　前記支持片の裏面に凸状に設けられた圧接片と、を有し、
　前記支持片及び前記圧接片が前記保持孔に差し込まれ、前記支持片の表面及び前記圧接片が前記保持孔の相対する縁にそれぞれ押し付けられている、
請求項１に記載の組み付け構造。
　前記規制部が、前記支持片の先端から前記キャップ部材側へ切り欠くように前記支持片に形成されたノッチを更に有し、
　前記ノッチはその底が前記圧接片よりも前記支持片の先端側になるように切り欠いている、
請求項２に記載の組み付け構造。
　前記規制部が、
　立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、
　前記支持片の側面に凸状に設けられた第一引掛部と、
　前記第一引掛部から前記支持片の先端側へ離れた位置の前記支持片の側面に凸状に設けられた第二引掛部と、を更に有し、
　前記支持片が前記保持孔に差し込まれ、
　前記第一引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面に引っ掛かり、
　前記第二引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面の裏面に引っ掛かる、
請求項１に記載の組み付け構造。
　前記第一引掛部及び前記第二引掛部が前記支持片の両側の側面にそれぞれ設けられ、
　前記支持片の一方の側面に設けられた前記第一引掛部と前記第二引掛部との間隔が、前記支持片の他方の側面に設けられた前記第一引掛部と前記第二引掛部との間隔よりも短い、
請求項４に記載の組み付け構造。
　前記収容凹部の裏側の前記内装部材の面のうち前記保持孔の側方に形成された係合面と、
　立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出して、前記保持孔に差し込まれた支持片と、
　前記支持片の側面から突出して設けられ、前記収容凹部の裏側において前記係合面に引っ掛かった引掛部と、
　前記内装部材と前記キャップ部材の少なくともどちらか一方に形成され、前記キャップ部材に対して倒伏する方向に摺動させる摺動面と、
を備える、
請求項１に記載の組み付け構造。
　前記収容凹部の立壁面を貫通し、前記収容凹部の底面に沿って形成され、前記保持孔と一体となったガイド孔と、
　前記収容凹部の裏側の前記内装部材の面のうち前記保持孔の側方に形成された係合面と、
　前記収容凹部の裏側の前記内装部材の面のうち前記保持孔の側方に形成され、前記係合面から前記収容凹部の前記立壁面の裏側に向かって延び、前記係合面との間に出隅を形成するように前記係合面に対して傾斜した摺動面と、
　立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出して、前記保持孔に差し込まれた支持片と、
　前記支持片の前面に凸状に設けられ、前記収容凹部の前記立壁面に相対する前記保持孔の縁近傍において前記収容凹部の底面に引っ掛かったガイド兼ストッパと、
　前記支持片の側面から突出して設けられ、前記収容凹部の裏側において前記係合面に引っ掛かった引掛部と、を備える、
請求項１に記載の組み付け構造。
　前記支持片の後面が前記収容凹部の前記立壁面に当接する、
請求項７に記載の組み付け構造。
　前記支持片の先端から前記キャップ部材側へ切り欠くように前記支持片に形成されたノッチと、
　前記収容凹部の前記立壁面に相対する前記保持孔の縁に凸状に設けられた台座部と、を更に備え、
　前記支持片のうち前記ノッチによって二叉に分かれた部位が前記台座部を跨いで、前記台座部が前記ノッチの底に当接する、
請求項７又は８に記載の組み付け構造。
　前記キャップ部材は、
　前記収納凹部の開口した一面をカバーする本体部と、
　前記本体部を回転させるための回転支持部と、を備え、
　前記収納凹部の内面をなす一つの壁部には、前記キャップ部材の回転支持部に対して閉じる方向に付勢する付勢手段が設けられている、
請求項１に記載の組み付け構造。
　前記付勢手段は、前記キャップ部材が起立状態である場合に前記回転支持部を支える台座部であり、
　前記台座部の両側にはスリットが形成されている、
請求項１０記載の組み付け構造。
　前記台座部の外側面には、補強用のリブが設けられ、
　前記台座部の両側のスリットのうち、一方のスリットが他方のスリットよりも長い場合、前記リブは、前記一方のスリット側に寄って配置されている、
請求項１１記載の組み付け構造。
　前記回転支持部には、前記台座部を摺動することで前記キャップ部材を前記カバー状態となる方向に案内する案内面が設けられ、
　前記案内面は、凸状に湾曲した第一湾曲面と、当該第一湾曲面に連続して凸状に湾曲した第二湾曲面とを備え、
　前記キャップ部材が前記カバー状態となる方向に回転する際の初期段階では前記台座部が前記第一湾曲面を摺動し、初期段階後の所定段階では前記台座部が前記第二湾曲面を摺動するように、前記第一湾曲面及び前記第二湾曲面が配置されている、
請求項１１又は１２記載の組み付け構造。
　前記台座部における前記回転支持部が当接する部分には第一凸部が形成されていて、
　前記回転支持部には前記第一凸部が収容される凹部が形成されている、
請求項１１～１３のいずれか一項に記載の組み付け構造。
　前記回転支持部には、前記キャップ部材の起立状態時に前記スリット内に進入する第二凸部が形成されている、
請求項１１～１４のいずれか一項に記載の組み付け構造。
　前記回転支持部における前記台座部に当接する台座当接部には、前記台座部よりも外側に延在した一対の延在部が備えられていて、
　前記内装部材には、起立状態における前記キャップ部材の前記台座当接部に当接する前記台座部とともに、前記延在部に当接することで前記回転支持部を挟む挟持部が、前記延在部の上方に設けられている、
請求項１１～１５の何れか一項に組み付け構造。
　前記挟持部には、前記一対の延在部に係合して、前記キャップ部材の倒れを規制する係止爪が設けられている、
請求項１６に記載の組み付け構造。
　請求項１０～１７のいずれか一項に記載の組み付け構造を備える車両用内装品であって、
　前記内装部材は車両のドア本体に取り付けられ、
　前記内装部材が取り付けられる第二内装部材を備え、
　前記収納凹部における前記付勢手段を備える壁部とは異なる壁部に、前記第二内装部材と前記内装部材とを固定するための貫通孔が設けられていることを特徴とする車両用内装品。
　取付穴が形成された内装品本体と、
　上面が開口した箱形に設けられ、その開口が前記取付穴に重なるように前記内装品本体に取り付けられた内装部材と、
　前記内装部材の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、
　前記収容凹部の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔と、
　前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、
　前記保持孔の上において立てた状態に設けられ、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、
　立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、
　前記支持片の裏面に凸状に設けられた圧接片と、を備え、
　前記支持片及び前記圧接片が前記保持孔に差し込まれ、前記支持片の表面及び前記圧接片が前記保持孔の相対する縁にそれぞれ押し付けられている、
車両用内装品。
　請求項１９に記載の車両用内装品を車体側部材に取り付ける方法において、
　前記通孔に取付具を通して前記取付具を前記車体側部材に固定して、前記内装部材を前記車体側部材に取り付ける工程と、
　その後、前記支持片及び前記圧接片を前記保持孔に押し込むことによって前記圧接片を前記保持孔から前記収容凹部の底面の裏側へ外す工程と、
　その後、前記キャップ部材を裏面側に倒伏して前記キャップ部材を前記収容凹部に嵌め込む工程と、を備える、
車両用内装品の取り付け方法。