WO2014188933A1

WO2014188933A1 - コネクタ

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Publication number: WO2014188933A1
Application number: PCT/JP2014/062853
Authority: WO
Inventors: 晋司兒玉; 寿典山本
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2013-05-20
Filing date: 2014-05-14
Publication date: 2014-11-27
Also published as: CN107123883B; CN105247741B; CN105247741A; CN107123883A

Abstract

　コネクタ（１）は、複数の接触部（３）とこの複数の接触部（３）を一体に連結する連結部（５）とを有するバスバー（７）と、バスバー（７）の連結部（５）が内部に圧入され複数の接触部（３）が内部に配置される第１嵌合部（１１）を有する合成樹脂からなる第１ハウジング（１３）と、バスバー（７）の接触部（３）に接触される被接触部（１５）をそれぞれ有する複数の端子（１７）と、第１ハウジング（１３）の第１嵌合部（１１）に嵌合可能な第２嵌合部（１９）とこの第２嵌合部（１９）の内部に設けられ複数の端子（１７）の被接触部（１５）をそれぞれ収容する複数の端子収容室（２１）とを有する合成樹脂からなる第２ハウジング（２３）とを備える。端子（１７）の被接触部（１５）と端子収容室（２１）の内壁との隙間（Ｃ）は、バスバー（７）と第２ハウジング（２３）との熱衝撃の差による端子（１７）の被接触部（１５）の移動量以上に設定される。

Description

コネクタ

　本発明は、コネクタに関する。

　従来例のコネクタとして、並列に配置された複数の接触部とこの複数の接触部を一体に連結する連結部とを有するバスバーと、このバスバーの連結部に設けられた係止部が内部に圧入され複数の接触部が内部に配置される第１嵌合部としての開口部を有する合成樹脂からなる第１ハウジングとを備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

　この従来例のコネクタでは、上記の部材の他に、第１ハウジングに収容されたバスバーの接触部に接触される被接触部をそれぞれ有する複数の端子と、第１ハウジングの開口部に嵌合可能な第２嵌合部とこの第２嵌合部の内部に設けられ複数の端子をそれぞれ収容する合成樹脂からなる第２ハウジングとを備えている。

　そして、第１ハウジングの開口部と第２ハウジングの第２嵌合部とを嵌合させることにより、接触部と被接触部とが接触され、バスバーと複数の端子とが電気的に接続される。

特開平７－７３９３８号公報(JP H07-073938 A)

　従来例のコネクタでは、第１ハウジングの第１嵌合部と第２ハウジングの第２嵌合部とが嵌合した状態で、著しい温度変化などによって各部材に熱衝撃が与えられることがある。

　この熱衝撃が与えられると、バスバーの複数の接触部はバスバーの連結部の熱膨張或いは熱収縮に追従して第１ハウジングの第１嵌合部内を動き、複数の端子の被接触部は第２ハウジングの端子収容室の熱膨張或いは熱収縮に追従して第２ハウジングの第２嵌合部内を動く。

　しかしながら、バスバーと第２ハウジングとは、異なる材料で形成されているので、それぞれ固有の熱膨張係数が異なり、熱膨張或いは熱収縮の量に違いが生じ、バスバーの接触部と端子の被接触部との移動量に差が生じてしまう。このような移動量に違いを生じる熱衝撃を繰り返すと、接触部と被接触部との間が摩耗し、抵抗が上昇する恐れがある。

　そこで、本発明は、熱衝撃によるバスバーの接触部と端子の被接触部との間の抵抗上昇を抑制することができるコネクタの提供を目的としている。

　本発明の第１の態様に係るコネクタは、並列に配置された複数の接触部とこの複数の接触部を一体に連結する連結部とを備えたバスバーと、バスバーの連結部が内部に圧入され複数の接触部が内部に配置される第１嵌合部を備えた合成樹脂からなる第１ハウジングと、バスバーの接触部に接触される被接触部をそれぞれ備えた複数の端子と、第１ハウジングの第１嵌合部に嵌合可能な第２嵌合部とこの第２嵌合部の内部に並列に設けられ複数の端子の被接触部をそれぞれ収容する複数の端子収容室とを備えた合成樹脂からなる第２ハウジングとを備える。端子の被接触部と端子収容室の内壁との隙間は、バスバーと第２ハウジングとの熱衝撃の差による端子の被接触部の移動量以上に設定されている。

　端子の被接触部と端子収容室の内壁との隙間がバスバーと第２ハウジングとの熱衝撃の差による端子の被接触部の移動量以上に設定されているので、熱衝撃によりバスバーと第２ハウジングとが熱膨張或いは熱収縮しても、端子の被接触部と端子収容室の内壁との隙間によって端子収容室の内壁と端子の被接触部とが接触することがなく、端子収容室内における端子の被接触部の配置位置が変動されることがない。

　熱衝撃によるバスバーと第２ハウジングとの熱膨張或いは熱収縮によって端子の被接触部の配置位置が変動されることがないので、バスバーの接触部と端子の被接触部との間の摩耗を抑制することができ、熱衝撃によるバスバーの接触部と端子の被接触部との間の抵抗上昇を抑制することができる。

　バスバーの接触部と端子の被接触部とは、複数の端子の配列方向と直交する方向に接触され、端子は、端子収容室内で複数の端子の配列方向と直交する方向の移動が規制され、端子の被接触部と端子収容室の内壁との隙間は、端子の被接触部における複数の端子の配列方向の両側と、端子収容室の内壁における複数の端子の配列方向の両側壁との間に設けられていることが好ましい。

　バスバーの接触部と端子の被接触部とが複数の端子の配列方向と直交する方向に接触され、端子が端子収容室内で複数の端子の配列方向と直交する方向の移動が規制されているので、端子収容室内で端子の被接触部が複数の端子の配列方向と直交する方向にガタつくことがなく、バスバーの接触部と端子の被接触部との接触を安定させることができる。

　また、端子の被接触部と端子収容室の内壁との隙間は、端子の被接触部における複数の端子の配列方向の両側と、端子収容室の内壁における複数の端子の配列方向の両側壁との間に設けられているので、バスバーの接触部と端子の被接触部との接触を確保しつつ、熱衝撃によるバスバーの接触部と端子の被接触部との間の摩耗を抑制することができる。

　本発明の第２の態様に係るコネクタは、複数の接触部とこの複数の接触部を一体に連結する連結部とを備えたバスバーと、バスバーの連結部が内部に圧入される挿入口とこの挿入口と連通し接触部が内部に配置される第１嵌合部とを備えた第１ハウジングと、バスバーの接触部に接触される被接触部をそれぞれ備えた複数の端子と、第１ハウジングの第１嵌合部に嵌合可能な第２嵌合部とこの第２嵌合部の内部に設けられ複数の端子をそれぞれ収容する複数の端子収容室とを備えた第２ハウジングと、第１ハウジングの第１嵌合部と第２ハウジングの第２嵌合部との間に配置され、バスバーの複数の接触部が挿通される複数の挿入孔を備え第２ハウジングと同材料で形成されているプレートとを備える。

　バスバーの複数の接触部が挿通された複数の挿入孔を有するプレートが複数の端子をそれぞれ収容する複数の端子収容室を有する第２ハウジングと同材料で形成されているので、熱衝撃によるプレートと第２ハウジングとの熱膨張或いは熱収縮の量を同等とすることができる。

　このため、第１ハウジングの第１嵌合部と第２ハウジングの第２嵌合部とが嵌合した状態で、プレートの熱膨張或いは熱収縮に追従して動くバスバーの接触部の移動量と、第２ハウジングの熱膨張或いは熱収縮に追従して動く端子の被接触部の移動量とを同等することができる。

　従って、熱衝撃の繰り返しによるバスバーの接触部と端子の被接触部との間の摩耗を抑制することができ、熱衝撃によるバスバーの接触部と端子の被接触部との間の抵抗上昇を抑制することができる。

　バスバーの接触部は、可撓部を介して連結部と一体に連結されていることが好ましい。

　バスバーの接触部が可撓部を介して連結部と一体に連結されているので、可撓部によって接触部がプレートの熱膨張或いは熱収縮に追従して動き易くなり、バスバーの接触部と端子の被接触部との間の摩耗をさらに抑制することができる。

　第１ハウジングは、第２ハウジングと同材料で形成され、プレートは、両側面が第１ハウジングの第１嵌合部と第２ハウジングの第２嵌合部とのいずれか一方の内壁面に当接されていることが好ましい。

　第１ハウジングと第２ハウジングとプレートとが同材料で形成され、プレートの両側面が第１ハウジングの第１嵌合部と第２ハウジングの第２嵌合部とのいずれか一方の内壁面に当接されているので、プレートの熱膨張或いは熱収縮を第１ハウジング又は第２ハウジングの熱膨張或いは熱収縮に同期させ易くなり、バスバーの接触部と端子の被接触部との間の摩耗をさらに抑制することができる。

　本発明の第１の態様と第２の態様に係るコネクタによれば、熱衝撃によるバスバーの接触部と端子の被接触部との間の抵抗上昇を抑制することができるコネクタを提供することができるという効果を奏する。

図１は、第１実施形態に係るコネクタの正面図である。図２は、図１のＡ－Ａ断面図である。図３は、図１のＢ－Ｂ断面図である。図４（ａ）は第１実施形態に係るコネクタのバスバーの斜視図であり、図４（ｂ）は第１実施形態に係るコネクタのバスバーの正面図であり、図４（ｃ）は図４（ｂ）のＣ－Ｃ断面図である。図５は、第１実施形態に係るコネクタの第１ハウジングの斜視図である。図６は、本第１実施形態に係るコネクタの第１ハウジングの正面図である。図７は、図６のＤ－Ｄ断面図である。図８は、図６のＥ－Ｅ断面図である。図９（ａ）は第１実施形態に係るコネクタの端子の斜視図であり、図９（ｂ）は第１実施形態に係るコネクタの端子の正面図であり、図９（ｃ）は図９（ｂ）のＦ－Ｆ断面図である。図１０は、第１実施形態に係るコネクタの第２ハウジングの斜視図である。図１１は、第１実施形態に係るコネクタの第２ハウジングの正面図である。図１２は、図１１のＧ－Ｇ断面図である。図１３は、図１１のＨ－Ｈ断面図である。図１４は、第２実施形態に係るコネクタの正面図である。図１５は、図１４のＡ－Ａ断面図である。図１６は、図１４のＢ－Ｂ断面図である。図１７は、図１５の要部拡大図である。図１８は、図１６の要部拡大図である。図１９（ａ）は第２実施形態に係るコネクタのバスバーの斜視図であり、図１９（ｂ）は第２実施形態に係るコネクタのバスバーの正面図であり、図１９（ｃ）は図１９（ｂ）のＣ－Ｃ断面図である。図２０は、第２実施形態に係るコネクタの第１ハウジングの斜視図である。図２１は、第２実施形態に係るコネクタの第１ハウジングの正面図である。図２２は、図２１のＤ－Ｄ断面図である。図２３は、図２１のＥ－Ｅ断面図である。図２４（ａ）は第２実施形態に係るコネクタの端子の斜視図であり、図２４（ｂ）は第２実施形態に係るコネクタの端子の正面図であり、図２４（ｃ）は図２４（ｂ）のＦ－Ｆ断面図である。図２５は、第２実施形態に係るコネクタの第２ハウジングの斜視図である。図２６は、第２実施形態に係るコネクタの第２ハウジングの正面図である。図２７は、図２６のＧ－Ｇ断面図である。図２８は、図２６のＨ－Ｈ断面図である。図２９は、第２実施形態に係るコネクタのプレートの斜視図である。図３０は、第２実施形態に係るコネクタのプレートの正面図である。図３１は、図３０のＩ－Ｉ断面図である。図３２は、図３０のＪ－Ｊ断面図である。

（第１実施形態）
　図１―１３を用いて、第１実施形態に係るコネクタ１について説明する。

　第１実施形態に係るコネクタ１は、並列に配置された複数の接触部３とこの複数の接触部３を一体に連結する連結部５とを有するバスバー７と、バスバー７の連結部５が内部に圧入され複数の接触部３が内部に配置される第１嵌合部１１を有する合成樹脂からなる第１ハウジング１３と、バスバー７の接触部３に接触される被接触部１５をそれぞれ有する複数の端子１７と、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１に嵌合可能な第２嵌合部１９とこの第２嵌合部１９の内部に並列に設けられ複数の端子１７の被接触部１５をそれぞれ収容する複数の端子収容室２１とを有する合成樹脂からなる第２ハウジング２３とを備えている。

　端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の内壁との隙間Ｃは、バスバー７と第２ハウジング２３との熱衝撃の差による端子１７の被接触部１５の移動量以上に設定されている。

　バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５とは、複数の端子１７の配列方向と直交する方向に接触される。端子１７は、端子収容室２１内で複数の端子１７の配列方向と直交する方向の移動が規制される。端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の内壁との隙間Ｃは、端子１７の被接触部１５における複数の端子１７の配列方向の両側と、端子収容室２１の内壁における複数の端子１７の配列方向の両側壁２０，２０との間に設けられている。

　バスバー７は、銅合金などの導電性材料からなり、薄板状に形成された母材を切り抜き加工などを施すことによって、複数の接触部３と、連結部５とが連続する一部材で形成されている。

　複数の接触部３は、バスバー７の一端側に並列に配置され、それぞれがタブ状に形成されている。複数の接触部３は、バスバー７の他端側で連結部５と連続する一部材で一体に形成されている。

　複数の接触部３は、連結部５が第１ハウジング１３の挿入口９に圧入された状態で、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１の内部に並列に配置される。

　連結部５は、バスバー７の他端側に連続した一部材で薄板状に形成されている。連結部５には、等間隔で並列に配置された複数の係止孔３１が設けられている。連結部５の両側面には、大小２つの係止突起３３，３５がそれぞれ突設されている。

　連結部５は、バスバー７が第１ハウジング１３の第１嵌合部１１の内部に挿入されることにより、第１嵌合部１１の底部に設けられた挿入口９に挿入される。連結部５の挿入口９への挿入より、係止突起３３，３５が挿入口９の内部に圧入され、バスバー７が第１ハウジング１３に固定される。

　第１ハウジング１３は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、筐体状に形成され、挿入口９と、第１嵌合部１１とを備えている。

　挿入口９は、第１ハウジング１３の一端側の内部に設けられ、第１嵌合部１１の底部側が開口されている。挿入口９の底部側には、圧入部３７と、係止突部３９とが設けられている。

　圧入部３７は、挿入口９の底部側の両側面に段差状にそれぞれ設けられている。圧入部３７は、バスバー７の連結部５が挿入口９内に挿入されることにより、バスバー７の係止突起３３，３５が圧入される。

　係止突部３９は、挿入口９の底部側で圧入部３７，３７間にバスバー７の複数の係止孔３１と対応するように並列に複数突設されている。複数の係止突部３９は、バスバー７の係止突起３３，３５が圧入部３７に圧入された状態で、バスバー７の複数の係止孔３１にそれぞれ係止され、連結部５の挿入口９からの抜け止めを行う。

　挿入口９にバスバー７の連結部５が圧入された状態では、バスバー７の複数の接触部３が第１嵌合部１１の内部に並列に配置された状態となる。

　第１嵌合部１１は、挿入口９の開口側を底部とし、第１ハウジング１３の他端側に向けて開口するようにフード状に形成されている。第１嵌合部１１の上面には、第２ハウジング２３のロック部５３が挿入される溝部４１が設けられる。溝部４１内の端部には、ロック部５３が係止される被ロック部４３が突設されている。

　第１嵌合部１１には、内周側に第２ハウジング２３の第２嵌合部１９が嵌合される。第１嵌合部１１と第２嵌合部１９との嵌合により、第１嵌合部１１内に配置されたバスバー７の複数の接触部３と、第２嵌合部１９内に収容された複数の端子１７の被接触部１５とが接続される。

　複数の端子１７は、銅合金などの導電性材料からなり、箱状の被接触部１５を有する雌型端子となっている。また、複数の端子１７は、それぞれ電源や機器などに接続された電線（不図示）の端末部に圧着部４５が圧着されて電気的に接続されている。

　複数の端子１７の被接触部１５には、それぞれ弾性片４７が設けられている。弾性片４７は、基端側が被接触部１５の底壁から連続する一部材で形成され、自由端側が被接触部１５の上壁に向けて折り曲げ形成され、被接触部１５内に撓み可能に設けられている。

　弾性片４７の自由端側には、バスバー７の接触部３との接点となるように折り曲げ形成された接点部４９が設けられている。接点部４９は、被接触部１５の開口からバスバー７の接触部３が挿入されることにより、複数の端子１７の配列方向と直交する方向に弾性片４７の付勢力によって接触部３に接触され、バスバー７と複数の端子１７とが電気的に接続される。

　バスバー７の接触部３と端子１７の接点部４９との接触方向への端子１７の移動は、端子１７の被接触部１５の下面に突設された規制突部５０と、端子収容室２１の内壁の上面との当接によって規制されている。

　端子収容室２１内における端子１７の移動規制により、端子収容室２１内で端子１７の被接触部１５がバスバー７の接触部３と端子１７の接点部４９との接触方向にガタつくことがなく、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との接触を安定化させることができる。

　複数の端子１７は、被接触部１５側が第２ハウジング２３の開口から内部に挿入され、被接触部１５が第２嵌合部１９側に位置するように第２ハウジング２３内の複数の端子収容室２１にそれぞれ収容される。このとき、端子１７の被接触部１５には、端子収容室２１内に撓み可能に設けられた係止ランス５１が係止され、第２ハウジング２３からの抜け止めがなされる。

　第２ハウジング２３は、合成樹脂などの第１ハウジング１３と同じ絶縁性材料からなり、筐体状に形成され、第２嵌合部１９と、複数の端子収容室２１とを備えている。

　第２嵌合部１９は、第２ハウジング２３の外形部分において、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内に収容される部分となっている。第２嵌合部１９の上面には、ロック部５３が撓み可能に設けられている。

　ロック部５３は、第２嵌合部１９を第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内に嵌合させることにより、第１ハウジング１３の溝部４１内に挿入され、第１嵌合部１１と第２嵌合部１９との正規嵌合状態で、溝部４１内の被ロック部４３に係止する。

　ロック部５３の端部には、第１嵌合部１１と第２嵌合部１９との正規嵌合状態で、溝部４１の外部に露出され、押圧操作されることにより、ロック部５３を撓ませてロック部５３と被ロック部４３との係止を解除可能な操作部５５が設けられている。

　第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内に嵌合可能な第２嵌合部１９内には、複数の端子収容室２１が設けられている。

　複数の端子収容室２１は、第２ハウジング２３の幅方向にバスバー７の複数の接触部３と対応するように並列に第２嵌合部１９の内部に設けられている。端子収容室２１は、一端側が端子１７の被接触部１５を挿入可能なように開口され、他端側がバスバー７の接触部３を挿入可能なように開口されている。

　複数の端子収容室２１には、一端側の開口からそれぞれ端子１７の被接触部１５が挿入され、他端側の開口と被接触部１５の開口とが同位置となるように収容配置される。

　このように、端子収容室２１に端子１７が収容された第２ハウジング２３の第２嵌合部１９を第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内に嵌合させることにより、端子収容室２１の開口からバスバー７の接触部３が挿入され、端子１７の被接触部１５内に挿入されて接点部４９と接触され、バスバー７と複数の端子１７とが電気的に接続される。

　このように構成されたコネクタ１では、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１と第２ハウジング２３の第２嵌合部１９とが嵌合した状態で、著しい温度変化などによって第１ハウジング１３と第２ハウジング２３とバスバー７とに熱衝撃が与えられることがある。

　このような熱衝撃が与えられると、バスバー７と第２ハウジング２３とは、銅合金や合成樹脂などのように異なる材料で形成されているので、それぞれ固有の熱膨張係数が異なり、熱膨張或いは熱収縮の量に違いが生じる。

　ここで、複数の端子１７が第２ハウジング２３の複数の端子収容室２１内において、例えば、端子１７の被接触部１５の両側面が端子収容室２１の両側壁２０，２０に当接されている場合には、第２ハウジング２３に熱衝撃が与えられると、端子１７の被接触部１５が第２ハウジング２３の端子収容室２１の熱膨張或いは熱収縮に追従して第２ハウジング２３の第２嵌合部１９内を動く。

　一方、バスバー７の複数の接触部３は、バスバー７の連結部５の熱膨張或いは熱収縮に追従して第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内を動く。

　このため、端子１７の被接触部１５の両側面が端子収容室２１の両側壁２０，２０に当接されている場合には、コネクタ１に熱衝撃が与えられると、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との移動量に差が生じてしまう。

　バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との移動量に差が生じる熱衝撃を繰り返し与えると、バスバー７の複数の接触部３と、複数の端子１７の被接触部１５、詳細には被接触部１５内の接点部４９との間に、摩耗が生じ、接触部３と被接触部１５との間の抵抗上昇を引き起こす可能性があった。

　そこで、コネクタ１では、端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の内壁との隙間Ｃが、バスバー７と第２ハウジング２３との熱衝撃の差による端子１７の被接触部１５の移動量以上に設定されている。

　詳細には、隙間Ｃは、端子１７の被接触部１５の両側面が端子収容室２１の両側壁２０，２０に当接されている場合において、第２ハウジング２３の熱衝撃による端子収容室２１の熱膨張或いは熱収縮に追従して移動される端子１７の被接触部１５の移動量以上に設定されている。

　このため、隙間Ｃは、端子１７の被接触部１５における複数の端子１７の配列方向の両側と、端子収容室２１の内壁における複数の端子１７の配列方向の両側壁２０，２０との間に設けられている。隙間Ｃは、バスバー７の連結部５の中心側から両側面に向かうに従って、広くなるように設定されている。

　これは、例えば、バスバー７が熱膨張したとすると、連結部５の中心より外側に位置する接触部３は、連結部５の中心部分の熱膨張による移動量に加えて、自身が位置する部分の連結部５の熱膨張による移動量を考慮する必要があるためである。

　このように、端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の内壁との隙間Ｃを設定することにより、熱衝撃によりバスバー７と第２ハウジング２３とが熱膨張或いは熱収縮しても、端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の両側壁２０，２０とが接触することがなく、端子収容室２１内における端子１７の被接触部１５の配置位置が変動されることがない。

　このため、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１と第２ハウジング２３の第２嵌合部１９とが嵌合した状態で、コネクタ１に繰り返し熱衝撃が与えられたとしても、バスバー７の複数の接触部３と、複数の端子１７の被接触部１５内の接点部４９との間に生じる摩耗を抑制することができ、接触部３と被接触部１５との間の抵抗上昇を抑制することができる。

　このようなコネクタ１では、端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の内壁との隙間Ｃがバスバー７と第２ハウジング２３との熱衝撃の差による端子１７の被接触部１５の移動量以上に設定されている。このため、熱衝撃によりバスバー７と第２ハウジング２３とが熱膨張或いは熱収縮しても、端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の内壁との隙間Ｃによって端子収容室２１の内壁と端子１７の被接触部１５とが接触することがなく、端子収容室２１内における端子１７の被接触部１５の配置位置が変動されることがない。

　従って、このようなコネクタ１では、熱衝撃によるバスバー７と第２ハウジング２３との熱膨張或いは熱収縮によって端子１７の被接触部１５の配置位置が変動されることがない。このため、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との間の摩耗を抑制することができ、熱衝撃によるバスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との間の抵抗上昇を抑制することができる。

　また、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５とは複数の端子１７の配列方向と直交する方向に接触され、端子１７は端子収容室２１内で複数の端子１７の配列方向と直交する方向の移動が規制されている。このため、端子収容室２１内で端子１７の被接触部１５が複数の端子１７の配列方向と直交する方向にガタつくことがなく、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との接触を安定させることができる。

　さらに、端子１７の被接触部１５と端子収容室２１の内壁との隙間Ｃは、端子１７の被接触部１５における複数の端子１７の配列方向の両側と、端子収容室２１の内壁における複数の端子１７の配列方向の両側壁２０，２０との間に設けられている。このため、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との接触を確保しつつ、熱衝撃によるバスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との間の摩耗を抑制することができる。

　なお、第１実施形態に係るコネクタ１では、バスバー７の連結部５の両側が第１ハウジング１３の挿入口内の両側壁２０に圧入されているが、これに限らず、例えば、連結部５に係止部を設け、この係止部を挿入口内に設けられた係止孔に圧入させるなど、バスバー７と第１ハウジング１３との圧入はどのような構成であってもよい。

（第２実施形態）
　図１４―３２を用いて、第２実施形態に係るコネクタについて説明する。

　第２実施形態に係るコネクタ１は、複数の接触部３とこの複数の接触部３を一体に連結する連結部５とを有するバスバー７と、バスバー７の連結部５が内部に圧入される挿入口９とこの挿入口９と連通し接触部３が内部に配置される第１嵌合部１１とを有する第１ハウジング１３と、バスバー７の接触部３に接触される被接触部１５をそれぞれ有する複数の端子１７と、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１に嵌合可能な第２嵌合部１９とこの第２嵌合部１９の内部に設けられ複数の端子１７をそれぞれ収容する複数の端子収容室２１とを有する第２ハウジング２３とを備えている。

　第１ハウジング１３の第１嵌合部１１と第２ハウジング２３の第２嵌合部１９との間には、バスバー７の複数の接触部３が挿通される複数の挿入孔２５を有するプレート２７が配置される。プレート２７は、第２ハウジング２３と同材料で形成されている。

　バスバー７の接触部３は、可撓部２９を介して連結部５と一体に連結されている。

　第１ハウジング１３は、第２ハウジング２３と同材料で形成される。プレート２７は、両側面が第１ハウジング１３の第１嵌合部１１の内壁面に当接されている。

　バスバー７は、銅合金などの導電性材料からなり、薄板状に形成された母材を切欠加工などを施すことによって、複数の接触部３と、連結部５とが連続する一部材で形成されている。

　複数の接触部３は、バスバー７の一端側に等間隔で並列に配置され、それぞれがタブ状に形成されている。複数の接触部３は、可撓部２９を介して連結部５と一体に形成されている。可撓部２９は、接触部３よりも細く形成され、複数の接触部３のバスバー７の幅方向への移動を可能とする。

　係止突部３９は、挿入口９の底部側で圧入部３７間にバスバー７の複数の係止孔３１と対応するように並列に複数突設されている。複数の係止突部３９は、バスバー７の係止突起３３，３５が圧入部３７に圧入された状態で、バスバー７の複数の係止孔３１にそれぞれ係止され、連結部５の挿入口９からの抜け止めを行う。

　第１嵌合部１１は、挿入口９の開口側を底部とし、第１ハウジング１３の他端側に向けて開口するようにフード状に形成されている。第１嵌合部１１の上面には、第２ハウジング２３のロック部５３が挿入される溝部４１が設けられ、溝部４１内の端部には、ロック部５３が係止される被ロック部４３が突設されている。

　第１嵌合部１１には、内周側に第２ハウジング２３の第２嵌合部１９が嵌合される。第１嵌合部１１と第２嵌合部１９との嵌合により、第１嵌合部１１内に配置された複数の接触部３と、第２嵌合部１９内に収容された複数の端子１７の被接触部１５とが接続される。

　複数の端子１７は、銅合金などの導電性材料からなり、箱状の被接触部１５を有する雌型端子となっている。複数の端子１７は、それぞれ電源や機器などに接続された電線（不図示）の端末部に圧着部４５が圧着されて電気的に接続されている。

　弾性片４７の自由端側には、バスバー７の接触部３との接点となるように折り曲げ形成された接点部４９が設けられている。接点部４９は、被接触部１５の開口からバスバー７の接触部３が挿入されることにより、弾性片４７の付勢力によって接触部３に接触され、バスバー７と複数の端子１７とが電気的に接続される。

　複数の端子収容室２１は、第２ハウジング２３の幅方向にバスバー７の複数の接触部３と対応するように等間隔で並列に第２嵌合部１９の内部に設けられている。端子収容室２１は、一端側が端子１７の被接触部１５を挿入可能なように開口され、他端側がバスバー７の接触部３を挿入可能なように開口されている。複数の端子収容室２１には、一端側の開口からそれぞれ端子１７の被接触部１５が挿入され、他端側の開口と被接触部１５の開口とが同位置となるように収容配置される。

　端子収容室２１に端子１７が収容された第２ハウジング２３の第２嵌合部１９を第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内に嵌合させることにより、端子収容室２１の開口からバスバー７の接触部３が挿入され、端子１７の被接触部１５内に挿入されて接点部４９と接触され、バスバー７と複数の端子１７とが電気的に接続される。

　嵌合可能な第１ハウジング１３の第１嵌合部１１と第２ハウジング２３の第２嵌合部１９との間には、プレート２７が配置されている。

　プレート２７は、合成樹脂などの第１ハウジング１３及び第２ハウジング２３と同じ絶縁性材料からなり、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１の内径と同等の外径を有する直方体状に形成されている。

　プレート２７には、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内に配置されたバスバー７の複数の接触部３と対応する位置に貫通孔である複数の挿入孔２５が設けられている。複数の挿入孔２５は、バスバー７が圧入された第１ハウジング１３の第１嵌合部１１内にプレート２７を収容することにより、バスバー７の複数の接触部３がそれぞれ挿通され、複数の接触部３を保持する。

　プレート２７は、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１の底壁面である位置決め部５７に当接することにより、第１嵌合部１１内での挿入位置が位置決めされる。また、プレート２７の両側面は、第１嵌合部１１の内壁面に当接され、プレート２７の第１嵌合部１１内でのがたつきが防止されている。

　第１嵌合部１１内に配置されたバスバー７の複数の接触部３をプレート２７の挿入孔２５で保持することにより、熱衝撃によるプレート２７の熱膨張或いは熱収縮に追従して複数の接触部３を移動させることができる。

　複数の接触部３は、可撓部２９を介して連結部５と一体に連結されているので、動き易くなっており、プレート２７の熱膨張或いは熱収縮に追従して容易に接触部３を移動させることができる。

　このように構成されたコネクタ１では、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１と第２ハウジング２３の第２嵌合部１９とが嵌合した状態で、熱衝撃が与えられると、プレート２７の挿入孔２５に保持されたバスバー７の複数の接触部３はプレート２７の熱膨張或いは熱収縮に追従して動き、第２ハウジング２３の複数の端子収容室２１内に収容された複数の端子１７の被接触部１５は第２ハウジング２３の熱膨張或いは熱収縮に追従して動く。

　ここで、第２ハウジング２３とプレート２７とは、同材料で形成されているので、熱衝撃によるバスバー７の複数の接触部３の移動量と、複数の端子１７の被接触部１５の移動量とが同等となる。

　このため、バスバー７の複数の接触部３と、複数の端子１７の被接触部１５、詳細には被接触部１５内の接点部４９との間に、摩耗が生じることを抑制でき、接触部３と被接触部１５との間の抵抗上昇を抑制することができる。

　コネクタ１では、バスバー７の複数の接触部３が挿通された複数の挿入孔２５を有するプレート２７が複数の端子１７をそれぞれ収容する複数の端子収容室２１を有する第２ハウジング２３と同材料で形成されている。このため、熱衝撃によるプレート２７と第２ハウジング２３との熱膨張或いは熱収縮の量を同等とすることができる。

　このため、第１ハウジング１３の第１嵌合部１１と第２ハウジング２３の第２嵌合部１９とが嵌合した状態で、プレート２７の熱膨張或いは熱収縮に追従して動くバスバー７の接触部３の移動量と、第２ハウジング２３の熱膨張或いは熱収縮に追従して動く端子１７の被接触部１５の移動量とを同等することができる。

　従って、コネクタ１では、熱衝撃の繰り返しによるバスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との間の摩耗を抑制することができ、熱衝撃によるバスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との間の抵抗上昇を抑制することができる。

　バスバー７の接触部３は、可撓部２９を介して連結部５と一体に連結されている。このため、可撓部２９によって接触部３がプレート２７の熱膨張或いは熱収縮に追従して動き易くなり、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との間の摩耗をさらに抑制することができる。

　第１ハウジング１３と第２ハウジング２３とプレート２７とが同材料で形成され、プレート２７の両側面が第１ハウジング１３の第１嵌合部１１の内壁面に当接されている。このため、プレート２７の熱膨張或いは熱収縮を第１ハウジング１３の熱膨張或いは熱収縮に同期させ易くなり、バスバー７の接触部３と端子１７の被接触部１５との間の摩耗をさらに抑制することができる。

　なお、第２実施形態に係るコネクタでは、プレートが第１ハウジングの第１嵌合部内に収容配置されているが、これに限らず、プレートを第２ハウジングの第２嵌合部に収容配置させてもよい。

　この場合には、例えば、第２ハウジングの第２嵌合部の嵌合方向の前側（複数の端子収容室の前側）にプレートを内部に収容可能なフード状の開口部を設け、複数の端子収容室の開口と対応する位置にプレートの挿入孔を設ければよい。

　本発明によれば、熱衝撃によるバスバーの接触部と端子の被接触部との間の抵抗上昇を抑制することができるコネクタを提供することができる。

Claims

　コネクタであって、
　並列に配置された複数の接触部と、前記複数の接触部を一体に連結する連結部とを備えたバスバーと、
　前記バスバーの連結部が内部に圧入され、前記複数の接触部が内部に配置される第１嵌合部を備えた合成樹脂からなる第１ハウジングと、
　前記バスバーの接触部に接触される被接触部をそれぞれ備えた複数の端子と、
　前記第１ハウジングの第１嵌合部に嵌合可能な第２嵌合部と、前記第２嵌合部の内部に並列に設けられ、前記複数の端子の被接触部をそれぞれ収容する複数の端子収容室とを備えた合成樹脂からなる第２ハウジングと
を備え、
　前記端子の被接触部と前記端子収容室の内壁との隙間は、前記バスバーと前記第２ハウジングとの熱衝撃の差による前記端子の被接触部の移動量以上に設定されている
ことを特徴とするコネクタ。
　請求項１に記載のコネクタであって、
　前記バスバーの接触部と前記端子の被接触部とは、前記複数の端子の配列方向と直交する方向に接触され、
　前記端子は、前記端子収容室内で前記複数の端子の配列方向と直交する方向の移動が規制され、
　前記端子の被接触部と前記端子収容室の内壁との隙間は、前記端子の被接触部における前記複数の端子の配列方向の両側と、前記端子収容室の内壁における前記複数の端子の配列方向の両側壁との間に設けられている
ことを特徴とするコネクタ。
　コネクタであって、
　複数の接触部と、前記複数の接触部を一体に連結する連結部とを備えたバスバーと、
　前記バスバーの連結部が内部に圧入される挿入口と、前記挿入口と連通し、前記接触部が内部に配置される第１嵌合部とを備えた第１ハウジングと、
　前記バスバーの接触部に接触される被接触部をそれぞれ備えた複数の端子と、
　前記第１ハウジングの第１嵌合部に嵌合可能な第２嵌合部と、前記第２嵌合部の内部に設けられ、前記複数の端子をそれぞれ収容する複数の端子収容室とを備えた第２ハウジングと、
　前記第１ハウジングの第１嵌合部と前記第２ハウジングの第２嵌合部との間に配置され、前記バスバーの複数の接触部が挿通される複数の挿入孔を備え、前記第２ハウジングと同材料で形成されているプレートと
を備えることを特徴とするコネクタ。
　請求項３に記載のコネクタであって、
　前記バスバーの接触部は、可撓部を介して前記連結部と一体に連結されている
ことを特徴とするコネクタ。
　請求項３又は４に記載のコネクタであって、
　前記第１ハウジングは、前記第２ハウジングと同材料で形成され、
　前記プレートは、両側面が前記第１ハウジングの第１嵌合部と前記第２ハウジングの第２嵌合部とのいずれか一方の内壁面に当接されている
ことを特徴とするコネクタ。