WO2014126045A1

WO2014126045A1 - 電線圧接構造

Info

Publication number: WO2014126045A1
Application number: PCT/JP2014/053049
Authority: WO
Inventors: 哲朗 ▲高▼▲崎▼
Original assignee: 矢崎総業株式会社
Priority date: 2013-02-14
Filing date: 2014-02-10
Publication date: 2014-08-21
Also published as: DE112014000823T5; US20150351270A1; JP2014157669A

Abstract

　電線圧接構造（１）は、電線（３，３）を保持する電線ホルダ（５）と、圧接刃（７，７）を有するバスバ（９，９）が収容されたハウジング（１１）とを備える。ロック部（１３，１３）は、電線ホルダ（５）に設けられた被係止部（３５，３５）と、ハウジング（１１）に設けられた係止部（３３，３３）とからなる。電線ホルダ（５）は、各保持溝（１５）において、電線（３）を押圧して圧接刃（７）に圧接させる凸部（１９，１９）と、凸部（１９，１９）の押圧によって電線（３）に屈曲部（２１）を形成させる凹部（２３）とを有する。凸部（１９，１９）の頂部と凹部（２３）の底部との間の長さ（Ｌ１）は、被係止部（３５，３５）が係止部（３３，３３）に遊嵌された状態での、各ロック部（１３）における、電線ホルダ（５）がハウジング（１１）から離脱する側の被係止部（３５）と係止部（３３）との隙間（Ｌ２）より長く設定される。

Description

電線圧接構造

　本発明は、電線圧接構造に関する。

　電線を保持する電線ホルダと、電線が圧接される圧接刃を有する端子（バスバ）が収容されたカバー（ハウジング）を備え、電線ホルダにカバーを嵌合することにより電線が圧接刃に圧接され、電線の両端側が嵌合方向の反対側に向けてカバーの外部に引き出される電線圧接構造が知られている（例えば、特許文献１参照）。

　この電線圧接構造は、電線ホルダに設けられた被係止部と、カバーに設けられた係止部とからなるロック部を有する。電線ホルダの被係止部は、カバーの係止部に遊嵌されて、カバーに電線ホルダを保持させる。電線ホルダには、電線を保持する保持溝と、圧接刃が挿入される圧接刃進入スリット（挿入溝）が設けられている。

　電線ホルダにカバーを嵌合させることにより、カバー内に収容された端子の圧接刃が圧接刃進入スリットに進入し、圧接刃と電線の導体とが接続される。このとき、電線ホルダの被係止部がカバーの係止部に遊嵌される。この状態で、電線に引張力が加わったとしても、電線ホルダの被係止部が、カバーの係止部の、電線ホルダがカバーから離脱する側の側面に係止されるので、電線ホルダがカバーから離脱しない。

特開２０１２－１０９１６３号公報

　特許文献１の電線圧接構造では、電線ホルダの被係止部とカバーの係止部とからなるロック部において、被係止部が係止部に遊嵌された状態で、電線ホルダがカバーから離脱する側の被係止部と係止部との間に隙間が形成されている。このため、電線に引張力が加わると、この隙間分だけ、電線ホルダがカバーから離脱する方向に移動してしまう。

　特許文献１の電線圧接構造では、電線ホルダがカバーから離脱する方向に移動すると、電線ホルダに保持された電線も電線ホルダと一緒に離脱方向に移動する。これにより、電線の圧接刃に対する圧接位置がずれてしまい、電線とバスバとの接続信頼性が低下する可能性があった。

　本発明は、電線とバスバとの接続信頼性を向上することができる電線圧接構造の提供することを目的とする。

　本発明の第１の態様によれば、電線を保持する電線ホルダと、前記電線を圧接する圧接刃を有するバスバが収容されたハウジングと、を備え、前記電線ホルダを前記ハウジングに嵌合することにより、前記電線が前記圧接刃に圧接され、前記電線の両端側が嵌合方向の反対側に向けて前記ハウジングの外部に引き出され、前記電線ホルダと前記ハウジングのうちの一方には係止部が設けられ、前記電線ホルダと前記ハウジングのうちの他方には被係止部が設けられ、ロック部は、前記係止部と前記被係止部とからなり、前記被係止部を前記係止部に遊嵌することにより、前記ロック部は、前記ハウジングに前記電線ホルダを保持させ、前記電線ホルダは、前記電線を保持する保持溝と、前記保持溝の底部側に設けられ、前記圧接刃が挿入される挿入溝と、前記挿入溝の開口側から突設されて、かつ、前記圧接刃が前記挿入溝に挿入された状態において、前記圧接刃を挟んで対向して配置され、前記電線の一部を押圧して前記圧接刃に圧接させる一対の凸部と、前記凸部間に設けられ、前記凸部の押圧によって前記電線に屈曲部を形成させる凹部と、を有し、前記凸部の頂部と前記凹部の底部との間の長さは、前記被係止部を前記係止部に遊嵌した状態での、前記ロック部における、前記ホルダが前記ハウジングから離脱する側の前記被係止部と前記係止部との隙間より長く設定されていることを特徴とする電線圧接構造を提供する。

　本態様に係る電線圧接構造では、電線ホルダが、挿入溝の開口側から突設されて、かつ、圧接刃が挿入溝に挿入された状態において、圧接刃を挟んで対向して配置され、電線の一部を押圧して圧接刃に圧接させる一対の凸部と、凸部間に設けられ、凸部の押圧によって電線に屈曲部を形成させる凹部と、を有する。それゆえ、電線が圧接刃により圧接された圧接位置において、電線の屈曲部を形成させることができる。

　本態様に係る電線圧接構造では、凸部の頂部と凹部の底部との間の長さは、ロック部の係止方向の隙間より長く設定されている。それゆえ、電線の屈曲部の長さをロック部の係止方向の隙間より長く形成させることができる。

　このため、電線に引張力が加わって電線ホルダが離脱方向に移動したとしても、圧接位置に形成された屈曲部によって、電線ホルダの移動による電線の移動を吸収することができる。結果として、電線の圧接刃に対する圧接位置の位置ずれを大幅に抑制することができる。

　本態様に係る電線圧接構造では、凸部と凹部とによって形成された電線の屈曲部により、電線の圧接刃に対する圧接位置の位置ずれを抑制でき、電線とバスバとの接続信頼性を向上することができる。

　本発明の第２の態様によれば、前記凸部と前記凹部とは、前記挿入溝に対して対称に設けられている。

　本態様に係る電線圧接構造では、凸部と凹部とが挿入溝に対して対称に設けられている。それゆえ、ハウジングの外部に引き出された電線の両端側のどちらに引張力が加わったとしても、均等に圧接位置における電線ホルダの移動による電線の移動を吸収することができる。

　本発明によれば、電線とバスバとの接続信頼性を向上することができる電線圧接構造を提供することができる。

図１Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の分解斜視図である。図１Ｂは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の斜視図である。図２Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の側面図である。図２Ｂは、図２ＡのＹ－Ｙ断面図である。図３Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の上面図である。図３Ｂは、図３ＡのＸ－Ｘ断面図である。図４Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダの斜視図である。図４Ｂは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダを背面側から見た斜視図である。図４Ｃは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダと電線の斜視図である。図５Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダの正面図である。図５Ｂは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダの側面図である。図５Ｃは、図５ＢのＺ－Ｚ断面図である。図６は、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造のアウタハウジングとレンズの斜視図である。図７は、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造のバスバの斜視図である。図８は、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造のバスバとインナハウジングと電子部品との斜視図である。図９は、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造のＬＥＤユニットの斜視図である。図１０は、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダに電線を保持したときの斜視図である。図１１Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダをハウジングに嵌合する前の、図２ＡのＹ－Ｙ断面図である。図１１Ｂは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダをハウジングに嵌合する前の、図３ＡのＸ－Ｘ断面図である。図１２Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダをハウジングに嵌合し、圧接が開始されたときの図２ＡのＹ－Ｙ断面図である。図１２Ｂは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダをハウジングに嵌合し、圧接が開始されたときの図３ＡのＸ－Ｘ断面図である。図１３Ａは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダをハウジングに嵌合し、圧接が完了したときの図２ＡのＹ－Ｙ断面図である。図１３Ｂは、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造の電線ホルダをハウジングに嵌合し、圧接が完了したときの図３ＡのＸ－Ｘ断面図である。図１４Ａは、図１３Ａの状態から電線に引張力が加わったときの図２ＡのＹ－Ｙ断面図である。図１４Ｂは、図１３Ｂの状態から電線に引張力が加わったときの図３ＡのＸ－Ｘ断面図である。

　図１Ａ～図１４Ｂを参照して、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造について説明する。

　本実施の形態に係る電線圧接構造１は、電線３，３を保持する電線ホルダ５と、電線３，３を圧接する圧接刃７，７を有するバスバ９，９が収容されたハウジング１１と、を備える。電線ホルダ５をハウジング１１に嵌合することにより、電線３，３が圧接刃７，７に圧接される。電線３，３の両端側が嵌合方向の反対側に向けてハウジング１１の外部に引き出される。

　電線圧接構造１は、電線ホルダ５に設けられた被係止部３５，３５と、ハウジング１１に設けられた係止部３３，３３とからなるロック部１３，１３を有する。ロック部１３，１３において、電線ホルダ５の被係止部３５，３５は、ハウジング１１の係止部３３，３３に遊嵌されて、ハウジング１１に電線ホルダ５を保持させる。被係止部３５と係止部３３の構成については、後述する。

　電線ホルダ５は、電線３，３を保持する保持溝１５，１５を有する。各保持溝１５は、挿入溝１７と、凸部１９，１９と、凹部２３を有する。挿入溝１７は保持溝１５の底部側に設けられる。圧接刃７が挿入溝１７に挿入される。凸部１９，１９は、挿入溝１７の開口側から突設し、圧接刃７を挟んで対向して配置され、電線３を押圧して圧接刃７に圧接させる。凹部２３は、凸部１９，１９の間に設けられて、凸部１９，１９の押圧によって電線３に屈曲部２１を形成させる。

　各保持溝１５において、凸部１９，１９の頂部と凹部２３の底部との間の長さＬ１（図１３Ｂ）は、被係止部３５，３５が係止部３３，３３に遊嵌された状態での、各ロック部１３における、電線ホルダ５がハウジング１１から離脱する側の被係止部３５と係止部３３との隙間Ｌ２（図１３Ａ）より長くなるように設定されている。

　凸部１９，１９と凹部２３は、挿入溝１７に対して対称に設けられている。

　図１Ａ～図１４Ｂに示すように、電線ホルダ５は、筐体状に形成されている。電線ホルダ５には、外周面に略Ｕ字状の保持溝１５，１５が設けられている。なお、保持溝の数は２より多くてもよい。保持溝１５，１５には、導体が絶縁被覆によって被覆された電線３，３がそれぞれ略Ｕ字状に配置されて、電線３，３の両端側が保持溝１５，１５から引き出される。電線３，３の両端には、例えば、端子が接続されて、電線３，３はコネクタなどを介して電源や機器などに電気的に接続される。

　電線ホルダ５の保持溝１５，１５の底部側には、バスバ９，９に設けられた圧接刃７，７が挿入される挿入溝１７，１７が設けられている。電線ホルダ５をハウジング１１に嵌合すると、挿入溝１７，１７には圧接刃７，７が挿入される。挿入溝１７，１７に挿入される圧接刃７，７によって電線３，３の絶縁被覆が剥がされる。これにより、圧接刃７，７が電線３，３の導体に接触して、電線３，３はバスバ９，９に導通される。

　ハウジング１１は、アウタハウジング２５と、インナハウジング２７とを有する。アウタハウジング２５は筐体状に形成される。アウタハウジング２５の上面にはレンズ２９が組付けられる。アウタハウジング２５の一側面側には、開口３１が設けられる。アウタハウジング２５にインナハウジング２７を収容した後、電線ホルダ５が、アウタハウジング２５の開口３１を閉塞するようにアウタハウジング２５に収容される。

　アウタハウジング２５には、ロック部１３，１３の係止部３３，３３が設けられている。電線ホルダ５にはロック部１３，１３の被係止部３５，３５が設けられている。係止部３３，３３は、アウタハウジング２５の両側面に設けられた孔部からなる。被係止部３５，３５は、電線ホルダ５の両側面に設けられ嵌合方向に傾斜面を有する突部からなる。

　電線ホルダ５をアウタハウジング２５の開口３１からアウタハウジング２５に挿入すると、被係止部３５，３５が係止部３３，３３内に配置され、被係止部３５，３５が係止部３３，３に遊嵌される。これにより、電線ホルダ５がアウタハウジング２５から抜けるのを防ぎ、かつ、アウタハウジング２５内に収容されたインナハウジング２７がアウタハウジング２５から抜けるのを防ぐ。

　インナハウジング２７は、筐体状に形成され、アウタハウジング２５の開口３１からアウタハウジング２５内に収容される。インナハウジング２７の内部には、バスバ９，９が収容される収容室３７，３７が設けられている。

　各バスバ９は、導電性の薄板材に対して、打ち抜き加工と折り曲げ加工を施すことによって成形される。バスバ９，９は、左右対称に成形された状態で並列に配置される。バスバ９，９は、抵抗４３，４３が電気的に接続され、かつ、弾性接触片からなる電子部品接続部４５，４５と、二股状に形成され、かつ、電線ホルダ５に保持された電線３，３に圧接して電気的に接続される圧接刃７，７とを有する。

　バスバ９，９は、電子部品接続部４５，４５に、電源となるＬＥＤチップ３９と、ＬＥＤチップ３９を保護するツェナーダイオード４１と、抵抗４３，４３とを接続した状態で、インナハウジング２７の収容室３７，３７に収容される。そして、バスバ９，９の圧接刃７，７がアウタハウジング２５の開口３１側に位置されるように、インナハウジング２７はアウタハウジング２５内に収容される。

　なお、インナハウジング２７が、バスバ９，９の電子部品接続部４５，４５に対応する位置に開口を有する場合には、バスバ９，９のみを収容室３７，３７に収容した後に、上記の各種電子部品をインナハウジング２７の開口からバスバ９，９の電子部品接続部４５，４５に接続してもよい。

　アウタハウジング２５内にインナハウジング２７を収容すると、ＬＥＤユニットが構成される。この状態で、アウタハウジング２５の開口３１から電線ホルダ５がアウタハウジング２５内に収容される。電線ホルダ５がＬＥＤユニットに嵌合すると、電線３，３が圧接刃７，７に圧接され、電線３，３の両端側が嵌合方向の反対側、すなわち開口３１からアウタハウジング２５の外部に引き出される。

　電線ホルダ５をハウジング１１に嵌合することによる圧接刃７，７への電線３，３の圧接は、電線ホルダ５の各保持溝１５に設けられた凸部１９，１９と凹部２３とによって行われる。

　各保持溝１５において、凸部１９，１９は、保持溝１５の底部に設けられた挿入溝１７の開口側から突設される。各保持溝１５において、挿入溝１７に圧接刃７が挿入された状態で、凸部１９，１９は、圧接刃７を挟んで互いに対向するように、対称に配置されている。

　各保持溝１５において、凸部１９，１９は、電線ホルダ５をハウジング１１に嵌合させると、圧接刃７を挟んで電線３の両側を押圧し、凸部１９，１９間に位置する電線３の部位を圧接刃７に圧接させる。凸部１９，１９の基端側には、凹部２３が設けられている。

　各保持溝１５において、凹部２３は、挿入溝１７の開口縁部に設けられる。具体的には、凹部２３は、凸部１９，１９間に、挿入溝１７に対して対称に設けられている。凹部２３は、凸部１９，１９による電線３の圧接荷重によって電線３がＭ字状となるように、電線３に屈曲部２１を形成させる。電線ホルダ５をハウジング１１に嵌合した状態で、凹部２３は屈曲部２１を収容する。

　各保持溝１５において、凸部１９，１９の頂部と凹部２３の底部との間の長さＬ１（図１３Ｂ）は、被係止部３５，３５が係止部３３，３３に遊嵌された状態での、各ロック部１３における、電線ホルダ５がハウジング１１から離脱する側の被係止部３５と係止部３３との隙間Ｌ２（図１３Ａ）より長く設定されている。このため、凹部２３に収容される電線３の屈曲部２１の長さは、ロック部１３の係止方向の隙間Ｌ２より長くなる。

　これにより、図１４Ａの矢印に示すように、ハウジング１１の外部に引き出された電線３，３に引張力が加わり、電線ホルダ５がハウジング１１から離脱する方向に、ロック部１３の係止方向の隙間Ｌ２分だけ移動したとしても、隙間Ｌ２より長い屈曲部２１によって電線ホルダ５の移動を吸収することができる。それゆえ、電線３，３の圧接刃７，７に対する圧接位置を僅かな位置ずれに抑えることができる。

　電線圧接構造１における電線３，３を圧接刃７，７に圧接させる方法は次のとおりである。まず、アウタハウジング２５にレンズ２９を組付けて、かつ、各種電子部品が組付けられたバスバ９，９をインナハウジング２７の収容室３７，３７に収容する。

　次に、アウタハウジング２５の開口３１からインナハウジング２７を挿入し、アウタハウジング２５内にインナハウジング２７を収容して、ＬＥＤユニットを構成する。そして、ＬＥＤユニットに対して、アウタハウジング２５の開口３１から、電線３，３が保持された電線ホルダ５を挿入する。電線ホルダ５の挿入により、電線３，３が圧接刃７，７の先端である電線導入部に当接し、圧接が開始される。

　次に、電線ホルダ５をアウタハウジング２５内にさらに挿入すると、電線ホルダ５の被係止部３５，３５がアウタハウジング２５の係止部３３，３３に遊嵌される。これにより、電線３，３に引張力が加わったとしても、被係止部３５，３５が、係止部３３，３３の、電線ホルダ５がアウタハウジング２５から離脱する側の側面に係止されるので、電線ホルダ５がアウタハウジング２５から離脱するのを防止し、電線ホルダ５がアウタハウジング２５に安定に保持される。

　このとき、各保持溝１５において、電線３は、電線ホルダ５の凸部１９，１９によって押圧され、挿入溝１７に挿入される圧接刃７によって圧接されながら、凹部２３によってＭ字状となるように電線３に屈曲部２１が形成される。これにより、電線３と圧接刃７との圧接が完了する。

　電線圧接構造１では、電線ホルダ５は、各保持溝１５において、挿入溝１７の開口側から突設されて圧接刃７を挟んで互いに対向して配置され、かつ、電線３を押圧して圧接刃７に圧接させる凸部１９，１９と、凸部１９，１９の間に設けられて、かつ、凸部１９，１９の押圧によって電線３に屈曲部２１を形成させる凹部２３とを有する。それゆえ、電線３，３が圧接刃７，７に圧接された圧接位置において、電線３，３に屈曲部２１，２１を形成させることができる。

　凸部１９，１９の頂部と凹部２３の底部との間の長さＬ１は、被係止部３５，３５が係止部３３，３３に遊嵌された状態でのロック部１３の係止方向の隙間Ｌ２より長く設定されている。それゆえ、電線３の屈曲部２１の長さをロック部１３の係止方向の隙間Ｌ２より長く形成させることができる。

　このため、電線３，３に引張力が加わって電線ホルダ５がハウジング１１から離脱する方向に移動したとしても、電線３，３の圧接位置に形成された屈曲部２１，２１によって、電線ホルダ５の移動による電線３，３の移動を吸収することができる。結果として、電線３，３の圧接刃７，７に対する圧接位置の位置ずれを大幅に抑制することができる。

　電線圧接構造１では、各保持溝１５において凸部１９，１９と凹部２３とによって形成された電線３の屈曲部２１により、電線３，３の圧接刃７，７に対する圧接位置の位置ずれを抑制でき、電線３，３とバスバ９，９との接続信頼性を向上することができる。

　各保持溝１５において、凸部１９，１９と凹部２３は、挿入溝１７に対して対称に設けられている。それゆえ、ハウジング１１の外部に引き出された各電線３の両端側のうちのどちらの側に引張力が加わったとしても、電線ホルダ５の移動による圧接位置における電線３の移動を均等に吸収することができる。

　本発明の実施の形態に係る電線圧接構造では、電線ホルダに２本の電線が保持されているが、これに限らず、１本、或いは３本以上の電線を電線ホルダに保持させてもよい。この場合、電線の本数と同数の圧接刃をバスバに設ければよい。
　また、本発明の実施の形態に係る電線圧接構造では、ハウジング１１には、ロック部１３，１３の係止部３３，３３が設けられており、電線ホルダ５にはロック部１３，１３の被係止部３５，３５が設けられている。しかしながら、これに限らず、ハウジング１１にロック部１３，１３の被係止部３５，３５を設けて、電線ホルダ５にロック部１３，１３の係止部３３，３３を設けてもよい。

　１…電線圧接構造
　３…電線
　５…電線ホルダ
　７…圧接刃
　９…バスバ
　１１…ハウジング
　１３…ロック部
　１５…保持溝
　１７…挿入溝
　１９，１９…凸部
　２１…屈曲部
　２３…凹部
　Ｌ１…凸部の頂部と凹部の底部との間の長さ
　Ｌ２…ロック部の係止方向の隙間

Claims

　電線を保持する電線ホルダと、
前記電線を圧接する圧接刃を有するバスバが収容されたハウジングと、
を備え、
前記電線ホルダを前記ハウジングに嵌合することにより、前記電線が前記圧接刃に圧接され、前記電線の両端側が嵌合方向の反対側に向けて前記ハウジングの外部に引き出され、
　前記電線ホルダと前記ハウジングのうちの一方には係止部が設けられ、
　前記電線ホルダと前記ハウジングのうちの他方には被係止部が設けられ、
　ロック部は、前記係止部と前記被係止部とからなり、
前記被係止部を前記係止部に遊嵌することにより、前記ロック部は、前記ハウジングに前記電線ホルダを保持させ、
　前記電線ホルダは、
　　前記電線を保持する保持溝と、
　　前記保持溝の底部側に設けられ、前記圧接刃が挿入される挿入溝と、
　　前記挿入溝の開口側から突設されて、かつ、前記圧接刃が前記挿入溝に挿入された状態において、前記圧接刃を挟んで対向して配置され、前記電線の一部を押圧して前記圧接刃に圧接させる一対の凸部と、
　　前記凸部間に設けられ、前記凸部の押圧によって前記電線に屈曲部を形成させる凹部と、
を有し、
　前記凸部の頂部と前記凹部の底部との間の長さは、前記被係止部を前記係止部に遊嵌した状態での、前記ロック部における、前記電線ホルダが前記ハウジングから離脱する側の前記被係止部と前記係止部との隙間より長く設定されていることを特徴とする電線圧接構造。
　前記凸部と前記凹部とは、前記挿入溝に対して対称に設けられていることを特徴とする請求項１記載の電線圧接構造。