WO2014083618A1 - 部品実装機 - Google Patents
部品実装機 Download PDFInfo
- Publication number
- WO2014083618A1 WO2014083618A1 PCT/JP2012/080643 JP2012080643W WO2014083618A1 WO 2014083618 A1 WO2014083618 A1 WO 2014083618A1 JP 2012080643 W JP2012080643 W JP 2012080643W WO 2014083618 A1 WO2014083618 A1 WO 2014083618A1
- Authority
- WO
- WIPO (PCT)
- Prior art keywords
- axis
- mounting
- imaging
- speed
- control means
- Prior art date
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K13/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or adjusting assemblages of electric components
- H05K13/04—Mounting of components, e.g. of leadless components
- H05K13/0404—Pick-and-place heads or apparatus, e.g. with jaws
- H05K13/0413—Pick-and-place heads or apparatus, e.g. with jaws with orientation of the component while holding it; Drive mechanisms for gripping tools, e.g. lifting, lowering or turning of gripping tools
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K13/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or adjusting assemblages of electric components
- H05K13/08—Monitoring manufacture of assemblages
- H05K13/085—Production planning, e.g. of allocation of products to machines, of mounting sequences at machine or facility level
- H05K13/0853—Determination of transport trajectories inside mounting machines
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Operations Research (AREA)
- Supply And Installment Of Electrical Components (AREA)
Abstract
本発明は、基板保持装置と、部品供給装置と、部品移載装置と、第2軸方向において基板保持装置と部品供給装置との間に並設されたカメラ装置と、装着ノズルの第1軸方向の移動速度を制御する第1軸制御手段ならびに装着ノズルの第2軸方向の移動速度を制御する第2軸制御手段ならびに連係制御手段を含む制御装置と、を備えた部品実装機であって、連係制御手段は、装着ノズルが吸着位置から撮像位置まで移動する間で第1軸制御手段の制御による第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸制御手段の制御による第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測できる場合に、第1軸制御手段の制御を先行させて装着ノズルを第1軸方向に始動し、第2軸制御手段の制御を後行させる。これにより、電子部品の吸着から撮像を経て基板への装着までに要する実装タクトタイムを従来よりも短縮できる。
Description
本発明は、基板に電子部品を装着する部品実装機に関し、より詳細には、部品装着作業を行う装着ノズルの移動速度の制御に関する。
多数の電子部品が実装された基板を生産する設備として、はんだ印刷機、部品実装機、基板検査機、リフロー機などがあり、これらを基板搬送装置で連結して基板生産ラインを構築することが一般的になっている。このうち部品実装機では、まず、基板搬送装置が基板を搬送経路に沿って搬入し、基板保持装置により基板を位置決め保持する。次に、部品移載装置の装着ノズルが電子部品を吸着し、カメラ装置まで移動して吸着状態が撮像確認されると、当該の電子部品を基板に装着する。所定種類の所定数の電子部品の装着が終了すると、基板搬送装置が基板を搬出する。これで、電子部品実装の1タクトが終了し、次の基板の搬入に移る。
上記した部品移載装置は、電子部品を吸着および装着する装着ノズルと、装着ノズルを水平なXY平面内で移動させるX軸駆動機構およびY軸駆動機構とを備えるのが一般的である。装着ノズルは、部品供給装置の吸着位置からカメラ装置の撮像位置を経由して、基板の装着位置へと移動する。装着する電子部品の種類によって吸着位置および装着位置は変化するので、毎回の部品装着作業でX軸駆動機構およびY軸駆動機構の駆動動作が変化する。近年、実装タクトタイムを短縮するために、装着ノズルが高速で移動されるようになってきている。さらに、装着ノズルがカメラ装置の上方を停止することなく移動して、移動しながらの撮像を行うオンザフライ撮像( On The Fly 撮像)も広まりつつある。
特許文献1の電子部品実装機は、オンザフライ撮像を行う装置の一例である。特許文献1では、移載ヘッドに特定の一定速度の直線移動をさせつつ撮像を行うにあたって、一定速度に到達するまでに要する準備距離よりも移載ヘッドが遠い位置に有れば、一旦停止することなく移載ヘッドを駆動させて撮像を行う。また、移載ヘッドが近い位置に有れば、一定速度への加速が可能な所定の撮影移動開始位置まで移載ヘッドを移動して一旦停止させ、この後の加減速により一定速度に到達してから撮像を行う。これにより、搭載タクトを向上できる(実装タクトタイムを短縮できる)、と記載されている。
ところで、特許文献1では、一定速度や所定の撮影移動開始位置などの固定的な条件を用いているため、実装タクトタイムの短縮効果が限定的になっている。逆に言えば、電子部品の種類によって変化する吸着位置および装着位置の組み合わせに対応して、装着ノズルの移動速度および移動経路を個別に制御してやることで、より一層の実装タクトタイムの短縮が期待できる。また、従来のX軸駆動機構およびY軸駆動機構による制御では、装着ノズルのX軸速度とY軸速度とを関連付ける制御が必ずしも合理化されていない。例えば、装着ノズルがカメラ装置の撮像位置を通過する際に、特定の軸方向の位置や速度の制約から他の軸方向の途中停止や途中減速が必要になる場合があり、移動所要時間の短縮効果が減殺されていた。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、電子部品の吸着から撮像を経て基板への装着までに要する実装タクトタイムを従来よりも短縮できる部品実装機を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る部品実装機の発明は、基板を位置決め保持する基板保持装置と、前記基板に装着する複数種の電子部品を、第1軸方向に並設された複数の吸着位置にそれぞれ供給する部品供給装置と、前記複数の吸着位置から前記電子部品を吸着して保持された基板の装着位置に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを前記第1軸方向に移動させる第1軸駆動機構、および前記装着ノズルを前記第1軸方向と直角な第2軸方向に移動させる第2軸駆動機構を有する部品移載装置と、前記第2軸方向において前記基板保持装置と前記部品供給装置との間に並設され、前記装着ノズルに吸着された電子部品を撮像位置で撮像するカメラ装置と、前記第1軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第1軸方向の移動速度成分である第1軸速度を制御する第1軸制御手段、前記第2軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第2軸方向の移動速度成分である第2軸速度を制御する第2軸制御手段、ならびに前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段を関連付けて制御し前記装着ノズルを前記吸着位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させる連係制御手段を含む制御装置と、を備えた部品実装機であって、前記連係制御手段は、前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で、前記第1軸制御手段の制御による前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸制御手段の制御による前記第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測できる場合に、前記第1軸制御手段の制御を先行させて前記装着ノズルを前記第1軸方向に始動し、前記第2軸制御手段の制御を後行させる。
請求項2に係る部品実装機の発明は、基板を位置決め保持する基板保持装置と、前記基板に装着する複数種の電子部品を、第1軸方向に並設された複数の吸着位置にそれぞれ供給する部品供給装置と、前記複数の吸着位置から前記電子部品を吸着して保持された基板の装着位置に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを前記第1軸方向に移動させる第1軸駆動機構、および前記装着ノズルを前記第1軸方向と直角な第2軸方向に移動させる第2軸駆動機構を有する部品移載装置と、前記第2軸方向において前記基板保持装置と前記部品供給装置との間に並設され、前記装着ノズルに吸着された電子部品を撮像位置で撮像するカメラ装置と、前記第1軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第1軸方向の移動速度成分である第1軸速度を制御する第1軸制御手段、前記第2軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第2軸方向の移動速度成分である第2軸速度を制御する第2軸制御手段、ならびに前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段を関連付けて制御し前記装着ノズルを前記吸着位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させる連係制御手段を含む制御装置と、を備えた部品実装機であって、前記連係制御手段は、前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で、前記第1軸制御手段の制御による前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸制御手段の制御による前記第2軸方向の移動所要時間が大きいと予測でき、かつ、前記装着ノズルが前記撮像位置から前記装着位置まで移動する間で、前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測できる場合に、前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で前記撮像位置から前記装着位置に向かう方向の反対側にオーバーランし、かつ前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときに前記撮像位置から前記装着位置に向かう方向の撮像時第1軸速度を有するように前記第1軸制御手段を制御する。
請求項3に係る部品実装機の発明は、基板を位置決め保持する基板保持装置と、前記基板に装着する複数種の電子部品を、第1軸方向に並設された複数の吸着位置にそれぞれ供給する部品供給装置と、前記複数の吸着位置から前記電子部品を吸着して保持された基板の装着位置に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを前記第1軸方向に移動させる第1軸駆動機構、および前記装着ノズルを前記第1軸方向と直角な第2軸方向に移動させる第2軸駆動機構を有する部品移載装置と、前記第2軸方向において前記基板保持装置と前記部品供給装置との間に並設され、前記装着ノズルに吸着された電子部品を撮像位置で撮像するカメラ装置と、前記第1軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第1軸方向の移動速度成分である第1軸速度を制御する第1軸制御手段、前記第2軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第2軸方向の移動速度成分である第2軸速度を制御する第2軸制御手段、ならびに前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段を関連付けて制御し前記装着ノズルを前記吸着位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させる連係制御手段を含む制御装置と、を備えた部品実装機であって、前記連係制御手段は、前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で、前記第1軸制御手段の制御による前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸制御手段の制御による前記第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測でき、かつ、前記装着ノズルが前記撮像位置から前記装着位置まで移動する間で、前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸方向の移動所要時間が大きいと予測できる場合に、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときに前記吸着位置から前記撮像位置に向かう方向の撮像時第1軸速度を有し、かつ前記装着ノズルが前記撮像位置から前記装着位置まで移動する間で前記吸着位置から前記撮像位置に向かう方向にオーバーランするように前記第1軸制御手段を制御する。
請求項4に係る発明は、請求項1~3のいずれか一項において、前記第1軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときの撮像時第1軸速度を一定に保ち、前記第2軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときの撮像時第2軸速度を一定に保つ。
請求項5に係る発明は、請求項1を引用した請求項4において、前記第1軸制御手段は、前記撮像時第1軸速度をゼロに保つ。
請求項6に係る発明は、請求項4または5において、前記第2軸制御手段は、前記装着ノズルが前記吸着位置を始動し前記撮像位置まで移動する間で前記第2軸方向に最大限の加速を行うときの前記撮像位置における吸着側最大第2軸速度と、前記装着ノズルが前記撮像位置から移動して前記装着位置で停止する間で前記第2軸方向に最大限の減速を行うときの前記撮像位置における装着側最大第2軸速度とを比較し、小さい方を前記撮像時第2軸速度とする撮像時速度決定手段を含み、前記電子部品の種類によって変化する吸着位置および装着位置の組み合わせに対応して個別に前記撮像時速度決定手段を行う。
請求項7に係る発明は、請求項5または6において、前記撮像時速度決定手段が前記吸着側最大第2軸速度を前記撮像時第2軸速度としたときに、前記第2軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過した以降に、最大限の減速を行って前記装着位置に停止できる範囲内で前記第2軸速度を前記撮像時第2軸速度よりも大きく制御する。
請求項8に係る発明は、請求項5または6において、前記撮像時速度決定手段が前記装着側最大第2軸速度を前記撮像時第2軸速度としたときに、前記第2軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過する以前に、最大限の減速を行って前記撮像位置を前記撮像時第2軸速度で通過できる範囲内で前記第2軸速度を前記撮像時第2軸速度よりも大きく制御する。
請求項9に係る発明は、請求項4~8のいずれか一項において、前記部品移載装置は、前記第1軸駆動機構および前記第2軸駆動機構とは別に、前記電子部品を吸着した装着ノズルを移動または回転させる他軸駆動機構をさらに有し、前記制御装置は、前記他軸駆動機構を制御する他軸制御手段と、前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段の制御により前記装着ノズルが前記吸着位置を始動してから前記撮像位置まで移動するのに要する移動時間よりも、前記他軸制御手段の制御により前記他軸駆動機構が前記装着ノズルを移動または回転させるのに要する動作時間が大きい場合に、前記装着ノズルの始動時期を前記他軸駆動機構の動作開始時期から待機時間だけ遅らせる他軸待機手段と、をさらに有する。
請求項10に係る発明は、請求項9において、前記他軸待機手段は、前記動作時間から前記移動時間を減算した差時間よりも大きくなる可変の待機時間をデータベースに保持し、あるいは前記可変の待機時間を求める演算式を有する。
請求項11に係る発明は、請求項9または10において、前記他軸駆動機構は、前記第1軸方向および前記第2軸方向に直角な第3軸方向に前記装着ノズルを移動させる第3軸駆動機構、前記装着ノズルを前記第3軸の周りに回転させるノズル回転駆動機構、および複数の装着ノズルを保持したノズルホルダを前記第3軸の周りに回転させるホルダ回転駆動機構の少なくとも一つを含む。
請求項1に係る部品実装機の発明では、装着ノズルが吸着位置から撮像位置まで移動する間で第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測できる場合に、第1軸制御手段の制御を先行させて装着ヘッドを第1軸方向に始動し、第2軸制御手段の制御を後行させる。上記した第1軸方向および第2軸方向の移動所要時間の大小関係は、第1軸方向において吸着位置が撮像位置から遠いという第1の特定場合を表している。第1の特定場合に本態様の制御を行うと、装着ノズルの第2軸方向の位置が第1軸方向の位置よりも先に撮像位置に一致しないように制御できる。したがって、装着ノズルが撮像位置を通過するときに、部品供給装置から基板に向かう第2軸方向にノンストップで移動でき、第2軸方向の途中停止や途中減速が不要であることを意味する。
これに対して従来制御では、吸着位置がどこであるかを問わず、装着ノズルが始動するときに第1軸速度および第2軸速度を同時に発生させていた。そして、装着ノズルの位置が先に撮像位置に一致する側の軸で、当該軸方向の速度をゼロに落としていた。上記した第1の特定場合に従来制御を行うと、装着ノズルの第2軸方向の位置が先に撮像位置に一致し、第1軸方向の位置が後から撮像位置に一致する。したがって、装着ノズルが撮像位置を通過するときに第2軸速度はゼロに落ちており、撮像位置を通過した後に第2軸方向に大きな加速が必要になる。これは、装着ノズルが撮像位置で屈折した移動経路を通り、かつ、装着ノズルが部品供給装置から基板に向かう第2軸方向で途中停止して再加速することを意味する。
したがって、本発明によれば、吸着位置から撮像位置までの移動所要時間に余裕のある第2軸方向の制御を第1軸方向よりも後行させることで、装着ノズルを第2軸方向にノンストップで移動できる。これにより、装着ノズルが吸着位置から装着位置まで移動するのに要する総移動時間を従来よりも短縮できる。つまり、従来よりも実装タクトタイムを短縮できる。
請求項2に係る部品実装機の発明では、装着ノズルが吸着位置から撮像位置まで移動する間で第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸方向の移動所要時間が大きく、かつ、装着ノズルが撮像位置から装着位置まで移動する間で第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸方向の移動所要時間が小さい場合に、装着ノズルが吸着位置から撮像位置まで移動する間で撮像位置から装着位置に向かう方向の反対側にオーバーランし、かつ装着ノズルが撮像位置を通過するときに撮像位置から装着位置に向かう方向の撮像時第1軸速度を有する。上記した第1軸方向および第2軸方向の移動所要時間の大小関係は、第1軸方向において吸着位置が撮像位置に近く、かつ第1軸方向において装着位置が撮像位置から遠いという第2の特定場合を表している。第2の特定場合に本発明の制御を行うと、装着ノズルは、吸着位置を始動した後に装着位置から離れるように大回りしながら撮像位置に到達する。さらに、装着ノズルは、装着位置に向かう方向の撮像時第1軸速度を有して撮像位置を通過する。
これに対して、第2の特定場合に従来制御を行うと、装着ノズルが大回りすることはない。つまり、装着ノズルが撮像位置を通過するときに第1軸速度はゼロになり、通過後に第1軸方向に大きく加速する必要が生じる。このため、本発明では、装着ノズルが撮像時第1軸速度を有して撮像位置を通過する分だけ、撮像位置から装着位置までの移動時間を従来よりも短縮できる。また、吸着位置から撮像位置までの間では、第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸方向の移動所要時間が大きいので、装着ノズルが第1軸方向に大回りしても時間的なロスは生じない。したがって、本発明によれば、装着ノズルの吸着位置から装着位置までの総移動時間を従来よりも短縮して、従来よりも実装タクトタイムを短縮できる。
請求項3に係る部品実装機の発明では、装着ノズルが吸着位置から撮像位置まで移動する間で第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸方向の移動所要時間が小さく、かつ、装着ノズルが撮像位置から装着位置まで移動する間で第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸方向の移動所要時間が大きい場合に、装着ノズルが撮像位置を通過するときに吸着位置から撮像位置に向かう方向の撮像時第1軸速度を有し、かつ装着ノズルが撮像位置から装着位置まで移動する間で吸着位置から撮像位置に向かう方向にオーバーランする。上記した第1軸方向および第2軸方向の移動所要時間の大小関係は、第1軸方向において吸着位置が撮像位置から遠く、かつ第1軸方向において装着位置が撮像位置に近いという第3の特定場合を表している。第3の特定場合に本発明の制御を行うと、装着ノズルは、吸着位置を始動した方向の撮像時第1軸速度を有して撮像位置を通過し、かつ撮像位置を通過した後に吸着位置から離れるように大回りしながら装着位置に到達する。
これに対して、第3の特定場合に従来制御を行うと、装着ノズルが大回りすることはない。つまり、装着ノズルが撮像位置を通過するときの第1軸速度はゼロとなり、吸着位置から撮像位置まで移動する間に大きく減速する必要が生じる。このため、本発明では、装着ノズルが撮像時第1軸速度を有して撮像位置を通過できる分だけ、吸着位置から撮像位置までの移動時間を従来よりも短縮できる。また、撮像位置から装着位置までの間では、第1軸方向の移動所要時間よりも第2軸方向の移動所要時間が大きいので、装着ノズルが第1軸方向に大回りしても時間的なロスは生じない。したがって、本発明によれば、装着ノズルの吸着位置から装着位置までの総移動時間を従来よりも短縮して、従来よりも実装タクトタイムを短縮できる。
請求項4に係る発明では、装着ノズルが撮像位置を通過するときの撮像時第1軸速度および撮像時第2軸速度が一定に保たれる。つまり、装着ノズルは撮像位置を斜行するが、移動速度が一定となり、オンザフライ撮像に適した良好な撮像条件が満たされる。このため、加減速により装着ノズルの先端部が振れたりすることが生じない。したがって、カメラ装置は適正な撮像タイミングで鮮明な撮像データを安定的に得て、部品吸着状態を高い精度で判定できる。
請求項5に係る発明では、装着ノズルが撮像位置を通過するときの撮像時第1軸速度がゼロに保たれ、撮像時第2軸速度が一定に保たれる。つまり、装着ノズルの移動速度が第2軸方向のみの一定速度となり、オンザフライ撮像に適した極めて良好な撮像条件が満たされる。したがって、カメラ装置は鮮明な撮像データを確実に得て、部品吸着状態を高い精度で確実に判定できる。
請求項6に係る発明では、第2軸制御手段は、吸着側最大第2軸速度と装着側最大第2軸速度とを比較して小さい方を撮像時第2軸速度とする撮像時速度決定手段を含み、電子部品の種類によって変化する吸着位置および装着位置の組み合わせに対応して個別に撮像時速度決定手段を行う。つまり、装着する電子部品の種類に応じて実現可能な最大の第2軸速度を個別に決定する。これにより、電子部品の種類に対応して、それぞれで第2軸方向の移動時間を短縮でき、従来よりも実装タクトタイムを短縮できる。
仮に、本態様で決定した撮像時第2軸速度を超える過大速度を設定しても、実際の制御が追従せずに不具合が発生する。つまり、装着ノズルが吸着位置を始動し撮像位置まで移動する間で最大限の加速を行っても設定した過大速度まで到達できない不具合、あるいは、装着ノズルが設定した過大速度で撮像位置を通過すると最大限の減速を行っても装着位置で停止できずに通り過ぎてしまう不具合が発生する。一方、本態様で決定した撮像時第2軸速度よりも小さな過小速度を設定すると、速度が減少した分だけ実装タクトタイムが延びる。
請求項7に係る発明では、吸着側最大第2軸速度を撮像時第2軸速度としたときに、第2軸制御手段は、装着ノズルが前記撮像位置を通過した以降に、第2軸速度を撮像時第2軸速度よりも大きく制御する。つまり、撮像時第2軸速度が吸着側の加速の制限条件によって決定されたときには、装着側では速度制御に余裕が生じているので装着ノズルをさらに一層高速で移動できる。これにより、実装タクトタイムをさらに一層短縮できる。
請求項8に係る発明では、装着側最大第2軸速度を撮像時第2軸速度としたときに、第2軸制御手段は、装着ノズルが撮像位置を通過する以前に、第2軸速度を撮像時第2軸速度よりも大きく制御する。つまり、請求項7とは逆に、撮像時第2軸速度が装着側の減速の制限条件によって決定されたときには、吸着側では速度制御に余裕が生じているので装着ノズルをさらに一層高速で移動できる。これにより、実装タクトタイムをさらに一層短縮できる。
請求項9に係る発明では、装着ノズルが吸着位置を始動してから撮像位置まで移動するのに要する移動時間よりも、他軸制御手段の制御により他軸駆動機構が装着ノズルを移動または回転させるのに要する動作時間が大きい場合に、装着ノズルの始動時期を他軸駆動機構の動作開始時期から待機時間だけ遅らせる。装着ノズルが撮像位置に到達したときに他軸駆動機構によって駆動されている途中であると、カメラ装置は鮮明な撮像データを得られない。本態様では待機時間を設けているので、装着ノズルが撮像位置に到達したときに既に他軸駆動が終了しており、カメラ装置は鮮明な撮像データを得られる。また、装着ノズルは、撮像位置で停止して他軸駆動が終了するまで待つ必要がなく、撮像位置をノンストップで通過して途中停止や途中減速を避けることができる。したがって、実装タクトタイムを短縮でき、加えて省電力効果が生じる。
請求項10に係る発明では、他軸待機手段は、可変の待機時間をデータベースに保持し、あるいは可変の待機時間を求める演算式を有している。他軸駆動機構の動作時間は、各種の要因によって変化し得るものである。一方、装着ノズルの移動時間も吸着位置および装着位置により変化する。このような変化に対応した待機時間をデータベースあるいは演算式を用いて正確に推定し最適化することで、請求項9の効果が顕著になる。
請求項11に係る発明では、他軸駆動機構は、第3軸駆動機構、ノズル回転駆動機構、およびホルダ回転駆動機構の少なくとも一つを含んでいる。装着ノズルが撮像位置に到達したときに他軸駆動機構のいずれかが駆動途中であると、カメラ装置は鮮明な撮像データを得られない。待機時間を設けた本態様では、装着ノズルが撮像位置に到達したときに既に全ての他軸の駆動動作が終了しており、カメラ装置は鮮明な撮像データを得られる。
本発明の第1実施形態の部品実装機1について、図1~図11を参考にして説明する。図1は、第1実施形態の部品実装機1の装置構成を示した斜視図である。図1には共通ベース90上に並設された2台の部品実装機1が示されており、以降では1台分について説明する。部品実装機1は、基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、カメラ装置5、制御コンピュータ6(図2示)などが機台91に組み付けられて構成されている(符号は右手前側の部品実装機1のみに付してある)。図1の右上のXYZ座標軸に示されるように、部品実装機1の水平幅方向(図1の紙面左上から右下に向かう方向)をX軸方向、部品実装機1の水平長手方向(図1の紙面左下から右上に向かう方向)をY軸方向、鉛直高さ方向をZ軸方向とする。X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、本発明の第1軸方向、第2軸方向、および第3軸方向に相当する。
基板搬送装置2は、部品実装機1の長手方向の中間辺りに設けられている。基板搬送装置2は、第1搬送装置21および第2搬送装置22が並設された、いわゆるダブルコンベアタイプの装置である。第1および第2搬送装置21、22は、2枚の基板Kを並行操作してX軸方向に搬入し、位置決めし、搬出する。第1および第2搬送装置21、22はそれぞれ、機台91上に離隔してX軸方向に平行に並設された一対のコンベアレール(符号略)を有している。各コンベアレールは、搬送経路を形成しており、コンベアベルト(図示省略)が輪転可能に装架されている。コンベアベルトは、輪転することにより、載置された基板Kを搬送する。また、第1および第2搬送装置21、22はそれぞれ、部品実装位置まで搬送された基板Kを機台91側から押し上げて位置決め保持する基板保持装置(図示省略)を有している。基板Kの表面には、電子部品の種類ごとに異なる装着位置P3が設定されている。
部品供給装置3は、フィーダ方式の装置であり、部品実装機1の長手方向の前部(図1の左前側)に設けられている。部品供給装置3は、機台91上に複数のカセット式フィーダ31がX軸方向に並設されて構成されている。各カセット式フィーダ31は、機台91に離脱可能に取り付けられた本体32と、本体32の後部(部品実装機1の前側)に回転可能かつ着脱可能に装着された供給リール33と、本体32の先端(部品実装機1の中央寄り)に設けられた部品供給部34とを備えている。供給リール33は電子部品を供給する媒体であり、多数の電子部品を一定の間隔で保持したキャリアテープ(図示省略)が巻回されている。このキャリアテープの先端が部品供給部34まで引き出され、キャリアテープごとに異なる種類の電子部品が供給される。電子部品が供給される位置は、本発明の吸着位置P1に相当する。複数の吸着位置P1はX軸方向に並設されており、電子部品の種類が異なれば吸着位置P1も異なる。
部品移載装置4は、X軸方向およびY軸方向に移動可能ないわゆるXYロボットタイプの装置である。部品移載装置4は、部品実装機1の長手方向の後部(図1の右奥側)から前部の部品供給装置3の上方にかけて配設されている。部品移載装置4は、ヘッド駆動機構41、実装ヘッド45などにより構成されている。ヘッド駆動機構41は、実装ヘッド45をX軸方向に駆動するX軸駆動機構42(図2示)、および実装ヘッド45をY軸方向に駆動するY軸駆動機構43(図2示)を含んでいる。X軸駆動機構42およびY軸駆動機構43は、本発明の第1軸駆動機構および第2軸駆動機構に相当する。X軸駆動機構42およびY軸駆動機構43として、例えばリニアモータ機構やボールねじ送り機構などを用いることができる。
実装ヘッド45の下方には、ノズルホルダ46が設けられている。ノズルホルダ46は、負圧を利用して部品を吸着および装着する装着ノズルを複数個下向きに保持している。実装ヘッド45は、Z軸の回りにノズルホルダ46を回転駆動するR軸回転駆動機構47(図2示)を有している。実装ヘッド45は、さらに、選択した装着ノズルをZ軸方向下向きに延伸動作およびZ軸方向上向きに縮退動作させるZ軸駆動機構48(図2示)、および選択した装着ノズルをZ軸の回りに回転駆動するθ軸回転駆動機構49(図2示)を有している。R軸回転駆動機構47、Z軸駆動機構48、およびθ軸回転駆動機構49は、本発明の他軸駆動機構に相当する。これらの他軸駆動機構47~49は、例えば、駆動源にサーボモータを用いて構成できる。
カメラ装置5は、装着ノズルに吸着された電子部品を下方から撮像する。カメラ装置5は、Y軸方向において基板搬送装置2の基板保持装置と部品供給装置3との間に並設されている。具体的に、カメラ装置5は、部品供給装置3の部品供給部34付近の機台91に上向きに配設されている。カメラ装置5の上方空間に撮像位置P2が設定されている。
制御コンピュータ6は、基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、およびカメラ装置5と通信ケーブルによって接続されている。制御コンピュータ6は、各装置2~5から必要な情報を入手して演算や判定などを行い、適宜指令を発して各装置2~5の動作を制御する。オペレータが制御コンピュータ6から出力された情報を確認し、さらには必要な操作や設定を行うために、上部のカバー92の前側上部に表示操作装置93が配設されている。
第1実施形態の部品実装機1において、電子部品の吸着から装着に至る一連の部品装着作業は次のように行われる。すなわち、まず、部品移載装置4のヘッド駆動機構41は、装着する電子部品が供給されるカセット式フィーダ31の部品供給部34の上方まで実装ヘッド45を移動する。次に、装着ノズルは、吸着位置P1で負圧を利用して下方の先端部で電子部品を吸着する。次に、ヘッド駆動機構41は、カメラ装置5の上方の撮像位置P2まで実装ヘッド45を移動する。カメラ装置5は、装着ノズルが電子部品を吸着している状態を下方から撮像して、部品吸着状態を確認する。次に、ヘッド駆動機構41は、位置決めされた基板Kの上方まで実装ヘッド45を移動する。次に、装着ノズルがZ軸方向下向きに延伸動作し、電子部品が基板Kの装着位置P3に当接し負圧が解消されて装着される。なお、他軸駆動機構47~49についての詳細な説明は省略しているが、これらも適宜動作する。
上述した部品装着作業は、本発明の制御装置に相当する制御コンピュータ6によって実行制御されている。図2は、制御コンピュータ6(制御装置)の部品装着作業に関連する制御機能を説明する機能ブロック図である。制御コンピュータ6は、X軸制御手段61、Y軸制御手段62、および連係制御手段63を含んでいる。X軸制御手段61は、本発明の第1軸制御手段に相当し、X軸駆動機構42を制御して装着ノズルのX軸方向の移動速度成分であるX軸速度Vxを制御する。Y軸制御手段62は、本発明の第2軸制御手段に相当し、Y軸駆動機構43を制御して装着ノズルのY軸方向の移動速度成分であるY軸速度Vyを制御する。連係制御手段63は、X軸制御手段61およびY軸制御手段62を関連付けて制御し、装着ノズルを吸着位置P1から撮像位置P2を経由して装着位置P3まで移動させる。
また、制御コンピュータ6は、R軸回転駆動機構47を制御するR軸制御手段64、Z軸駆動機構48を制御するZ軸制御手段65、およびθ軸回転駆動機構49を制御するθ軸制御手段66を含んでいる。R軸制御手段64、Z軸制御手段65、およびθ軸制御手段66は、本発明の他軸制御手段に相当する。さらに、制御コンピュータ6は、装着ノズルが撮像位置P2を通過する撮像タイミングを見計らってカメラ装置5に撮像を行わせるオンザフライ撮像制御手段67を含んでいる。
次に、制御コンピュータ6による部品装着作業時の装着ノズルの移動制御方法について説明する。なお、説明を簡明にするために、以降ではノズルホルダ46に保持された装着ノズルは1個であるとし、第1搬送装置21上の基板Kを考える。図3は、第1実施形態の部品実装機1のうちで部品装着作業に関係する一部分を模式的に示した平面図である。図3には、部品供給装置3の吸着位置P1、カメラ装置5の撮像位置P2、および第1搬送装置21に保持された基板Kの装着位置P3が示されている。吸着位置P1および装着位置P3は電子部品の種類に応じて位置変化し、撮像位置P2は固定位置である。
図3の右方向を+X軸方向、その逆の左方向を-X軸方向、部品供給装置3から基板Kに向かう上方向を+Y軸方向、その逆の下方向を-Y軸方向とする。また、図示されるように、吸着位置P1から撮像位置P2までの第1X軸距離Dxおよび第1Y軸距離Dyとし、撮像位置P2から装着位置P3までの第2X軸距離Lxおよび第2Y軸距離Lyとする。装着ノズルは、電子部品の吸着から装着までの間に+X軸方向および-X軸方向に移動し、かつX軸方向の移動に重畳して+Y軸方向に移動し、-Y軸方向には移動しない。もちろん、装着ノズルは、電子部品の装着を終えた後には、-Y軸方向に移動して次の電子部品の吸着に向かう。
本第1実施形態で、制御コンピュータ6は、3種類の特定場合に従来制御と異なる新しい移動制御を行う。第1の特定場合は、装着ノズルが吸着位置P1から撮像位置P2まで移動する間でX軸方向の移動所要時間よりもY軸方向の移動所要時間が小さいと予測できる場合である。ここで、例えばX軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が同等の場合には、移動所要時間の大小関係は移動距離の大小関係に置き換えて考えることができる。つまり、次の不等式(1)が成立すると第1の特定場合に該当する。
(第1X軸距離Dx)>(第1Y軸距離Dy)……………(1)
また、X軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が異なる場合であっても、移動距離があらかじめ定まっているので、X軸方向およびY軸方向の移動所要時間を予測できる。これにより、第1の特定場合に該当するか否かを判定できる。
(第1X軸距離Dx)>(第1Y軸距離Dy)……………(1)
また、X軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が異なる場合であっても、移動距離があらかじめ定まっているので、X軸方向およびY軸方向の移動所要時間を予測できる。これにより、第1の特定場合に該当するか否かを判定できる。
第1の特定場合に、連係制御手段63は、X軸制御手段61によるX軸駆動機構42の動作を先行させて装着ヘッドを吸着位置P1からX軸方向に始動し、Y軸制御手段62によるY軸駆動機構43の動作を後行させる。図4は、第1実施形態の第1の特定場合における装着ノズルの移動制御方法を模式的に説明する平面図である。
図4では、不等式(1)が成立しており、第2X軸距離Lx=0の場合が例示されている。図4で、太い実線は第1実施形態の制御による装着ノズルの移動経路Tr1を示し、中太の破線は従来制御による装着ノズルの移動経路Tr2を示している。また、図5は第1実施形態の第1の特定場合の制御に用いる速度時間特性図であり、図6は第1の特定場合の従来制御に用いる速度時間特性図である。図5および図6で、横軸は共通の時間軸tであり、図4に示された装着ノズルの位置P1、P2、P3、Q1、Q2が併記されている。
図5に示される第1実施形態の制御では、時刻t1に装着ノズルが吸着位置P1から始動するときにX軸速度Vxのみが発生する。装着ノズルは、図4の移動経路Tr1に示されるように、吸着位置P1から+X軸方向に移動する。装着ノズルが途中位置Q1に達した時刻t3には、Y軸速度Vyが重畳される。すると、装着ノズルの移動経路Tr1は、屈曲しながら撮像位置P2の方向に向かう。装着ノズルが撮像位置P2に近づくと、X軸速度Vxが減速される。装着ノズルは、時刻t4にY軸速度Vyのみを有して撮像位置P2を+Y軸方向に通過する。また、通過するタイミングで、装着ノズルはカメラ装置5によって撮像される。以降、装着ノズルは+Y軸方向に直進し、装着位置P3に近づくとY軸速度Vyが減速される。時刻t5に、装着ノズルは装着位置P3に到達して停止する。
一方、図6に示される従来制御では、時刻t1に装着ノズルが吸着位置P1から始動するときにX軸速度VxおよびY軸速度Vyが同時に発生する。装着ノズルは、移動経路Tr2に示されるように、吸着位置P1から斜めに移動する。装着ノズルのY軸方向位置が撮像位置P2に近付くと、Y軸速度Vyが減速される。時刻t2に途中位置Q2で装着ノズルのY軸方向位置が撮像位置P2に一致した後、装着ノズルは、X軸速度Vxのみを有して+X軸方向に移動する。装着ノズルが撮像位置P2に近づくと、X軸速度Vxが減速される。時刻t4に装着ノズルが撮像位置P2に到達すると瞬間的に停止状態となる。また、このタイミングで、装着ノズルはカメラ装置5によって撮像される。以降、装着ノズルは、Y軸速度Vyが加速されて+Y軸方向に直進する。装着ノズルが装着位置P3に近づくとY軸速度Vyが減速される。時刻t6に、装着ノズルは装着位置P3に到達して停止する。
図5と図6を比較すると、X軸速度Vxの時間特性は一致しており、吸着位置P1から撮像位置P2までの移動時間(t1~t4)も変わらない。しかしながら、図6の従来制御では、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときのY軸速度Vy=0であり、通過後の加速が必要である。これに対して、図5の第1実施形態の制御では、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときにY軸速度Vyを有し、Y軸方向で途中減速していない。したがって、第1実施形態の制御によれば、図6に破線のハッチングH1で示される移動距離相当分だけ、従来制御よりも装着ノズルが先行する。この先行分に相当して、装着ノズルが装着位置P3に到達する時刻t5が早められている(t5<t6)。
第1実施形態の第1の特定場合には、吸着位置P1から撮像位置P2までの移動所要時間に余裕のあるY軸方向の制御をX軸方向よりも後行させることで、装着ノズルを+Y軸方向にノンストップで移動させることができる。これにより、装着ノズルが吸着位置P1から装着位置P3まで移動するのに要する総移動時間を従来よりも短縮できる。つまり、従来よりも実装タクトタイムを短縮できる。さらに、図6の従来制御ではY軸方向で途中停止しているのに対し、図5の第1実施形態の制御ではY軸方向の途中停止や途中減速が不要になる。したがって、Y軸方向に関して、減速時の駆動エネルギーの浪費が抑制されて省電力効果が生じる。
次に、第2の特定場合は、装着ノズルが吸着位置P1から撮像位置P2まで移動する間でX軸方向の移動所要時間よりもY軸方向の移動所要時間が大きく、かつ、装着ノズルが撮像位置P2から装着位置P3まで移動する間でX軸方向の移動所要時間よりもY軸方向の移動所要時間が小さい場合である。ここで、例えばX軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が同等の場合には、移動所要時間の大小関係は移動距離の大小関係に置き換えて考えることができる。つまり、次の不等式(2)および(3)が共に成立すると第2の特定場合に該当する。
(第1X軸距離Dx)<(第1Y軸距離Dy)……………(2)
(第2X軸距離Lx)>(第2Y軸距離Ly)……………(3)
また、X軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が異なる場合であっても、移動距離があらかじめ定まっているので、X軸方向およびY軸方向の移動所要時間を予測できる。これにより、第2の特定場合に該当するか否かを判定できる。
(第1X軸距離Dx)<(第1Y軸距離Dy)……………(2)
(第2X軸距離Lx)>(第2Y軸距離Ly)……………(3)
また、X軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が異なる場合であっても、移動距離があらかじめ定まっているので、X軸方向およびY軸方向の移動所要時間を予測できる。これにより、第2の特定場合に該当するか否かを判定できる。
第2の特定場合に、連係制御手段63は、装着ノズルが吸着位置P1から撮像位置P2まで移動する間で撮像位置P2から装着位置P3に向かう方向の反対側にオーバーランさせる。かつ、連係制御手段63は、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときに撮像位置P2から装着位置P3に向かう方向の撮像時第1軸速度(X軸速度Vx)を有するように制御する。図7は、第1実施形態の第2の特定場合における装着ノズルの移動制御方法を模式的に説明する平面図である。
図7では、不等式(2)および(3)が共に成立しており、第1X軸距離Dx=0の場合が例示されている。図7で、太い実線は第1実施形態の制御による装着ノズルの移動経路Tr3を示し、中太の破線は従来制御による装着ノズルの移動経路Tr4を示している。また、図8は第1実施形態の第2の特定場合の制御に用いる速度時間特性図であり、図9は第2の特定場合の従来制御に用いる速度時間特性図である。図8および図9で、横軸は共通の時間軸tであり、図7に示された装着ノズルの位置P1、P2、P3、Q3、Q4、Q5が併記されている。
図8に示される第1実施形態の制御では、連係制御手段は、時刻t11に装着ノズルが吸着位置P1から始動するときに、Y軸速度Vyと+X軸方向のX軸速度Vxとを同時に発生させる。ここで、+X軸方向のX軸速度Vxは、撮像位置P2から装着位置P3に向かう-X軸方向の反対側である。装着ノズルは、図7の移動経路Tr3に示されるように、吸着位置P1から装着位置P3の反対側の方向に斜めにオーバーランし、装着位置P3から離れるように大回りする。そして、時刻t12に装着ノズルが吸着位置P1と撮像位置P2との中間付近の途中位置Q3に到達すると、X軸速度Vxが-X軸方向に変化する。これ以降には反対側のオーバーランが徐々に減少して、装着ノズルは撮像位置P2に向かう。そして、時刻t13に装着ノズルが撮像位置P2に到達するまでにオーバーランが解消される。すなわち、図8のX軸速度Vxの時間特性で、ハッチングH2の面積(移動距離に相当)とハッチングH3の面積とが等しくなる。
装着ノズルは、時刻t13に-X軸方向のX軸速度VxおよびY軸速度Vyを有して撮像位置P2を斜めに通過する。また、装着ノズルは、通過するタイミングにカメラ装置5によって撮像される。このときの-X軸方向のX軸速度Vxは、本発明の撮像時第1軸速度に相当する。以降、装着ノズルは斜めに移動する。装着ノズルのY軸方向位置が装着位置P3に近付くと、Y軸速度Vyが減速される。時刻t14に途中位置Q4で、装着ノズルのY軸方向位置が装着位置P3に一致した後、装着ノズルはX軸速度Vxのみを有して-X軸方向に移動する。装着ノズルが装着位置P3に近づくとX軸速度Vxが減速される。装着ノズルは、時刻t15に装着位置P3に到達して停止する。
一方、図9に示される従来制御では、装着ノズルが大回りすることはない。つまり、時刻t11に装着ノズルが吸着位置P1から始動するときに、Y軸速度Vyのみが発生する。装着ノズルは、移動経路Tr4に示されるように、吸着位置P1から+Y軸方向に移動する。装着ノズルは、時刻t13に撮像位置P2を+Y軸方向に通過する。また、装着ノズルは、通過するタイミングにカメラ装置5によって撮像される。装着ノズルは、撮像位置P2を通過した直後から-X軸方向に加速され、徐々に斜めに向きを変えながら移動する。装着ノズルのY軸方向位置が装着位置P3に近付くと、Y軸速度Vyが減速される。時刻t14に途中位置Q5で装着ノズルのY軸方向位置が装着位置P3に一致した後、装着ノズルはX軸速度Vxのみを有して-X軸方向に移動する。途中位置Q5は、第1実施形態の途中位置Q4と比較して、装着位置P3から離れている。装着ノズルが装着位置P3に近づくとX軸速度Vxが減速される。装着ノズルは、時刻t16に装着位置P3に到達して停止する。
図8と図9を比較すると、Y軸速度Vyの時間特性は一致しており、吸着位置P1から撮像位置P2までの移動時間(t11~t13)も変わらない。しかしながら、図9の従来制御では、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときのX軸速度Vx=0であり、通過後の加速が必要である。これに対して、図8の第1実施形態の制御では、撮像位置P2を通過するときに-X軸方向のX軸速度Vxを有している。したがって、第1実施形態の制御によれば、図9に破線のハッチングH4で示される移動距離分だけ、従来制御よりも装着ノズルが先行する。この先行分に相当して、装着ノズルが装着位置P3に到達する時刻t15が早められている(t15<t16)。
第1実施形態の第2の特定場合には、装着ノズルが-X軸方向のX軸速度Vxを有して撮像位置P2を通過する分だけ、撮像位置P2から装着位置P3までの移動時間を従来よりも短縮できる。また、吸着位置P1から撮像位置P2までの間では、X軸方向の移動所要時間よりもY軸方向の移動所要時間(t11~t13)が大きいので、装着ノズルがX軸方向に大回りしても時間的なロスは生じない。したがって、装着ノズルの吸着位置P1から装着位置P3までの総移動時間を従来よりも短縮して、従来よりも実装タクトタイムを短縮できる。
次に、第3の特定場合は、装着ノズルが吸着位置P1から撮像位置P2まで移動する間でX軸方向の移動所要時間よりもY軸方向の移動所要時間が小さく、かつ、装着ノズルが撮像位置P2から装着位置P3まで移動する間でX軸方向の移動所要時間よりもY軸方向の移動所要時間が大きい場合である。ここで、例えばX軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が同等の場合には、移動所要時間の大小関係は移動距離の大小関係に置き換えて考えることができる。つまり、次の不等式(4)および(5)が共に成立すると第3の特定場合に該当する。
(第1X軸距離Dx)>(第1Y軸距離Dy)……………(4)
(第2X軸距離Lx)<(第2Y軸距離Ly)……………(5)
また、X軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が異なる場合であっても、移動距離があらかじめ定まっているので、X軸方向およびY軸方向の移動所要時間を予測できる。これにより、第3の特定場合に該当するか否かを判定できる。
(第1X軸距離Dx)>(第1Y軸距離Dy)……………(4)
(第2X軸距離Lx)<(第2Y軸距離Ly)……………(5)
また、X軸駆動機構42とY軸駆動機構43とで速度性能が異なる場合であっても、移動距離があらかじめ定まっているので、X軸方向およびY軸方向の移動所要時間を予測できる。これにより、第3の特定場合に該当するか否かを判定できる。
第3の特定場合に、連係制御手段63は、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときに吸着位置P1から撮像位置P2に向かう方向の撮像時第1軸速度(X軸速度Vx)を有するように制御する。かつ、連係制御手段63は、装着ノズルが撮像位置P2から装着位置P3まで移動する間で吸着位置P1から撮像位置P2に向かう方向にオーバーランさせる。図10は、第1実施形態の第3の特定場合に行う装着ノズルの移動制御方法を模式的に説明する平面図である。
図10では、不等式(4)および(5)が共に成立しており、かつ、吸着位置P1、撮像位置P2、および装着位置P3の配置が図4に示される第1の特定場合と同じになっている。図10で、太い実線は第3の特定場合の制御による装着ノズルの移動経路Tr5を示し、中太の破線は第1の特定場合の制御による装着ノズルの移動経路Tr1を再表示している。また、図11は第1実施形態の第3の特定場合の制御に用いる速度時間特性図である。図11で、横軸は共通の時間軸tであり、図10に示された装着ノズルの位置P1、P2、P3、Q6、Q7が併記されている。
図11に示される第1実施形態の第3の特定場合の制御では、連係制御手段63は、時刻t21に装着ノズルが吸着位置P1から始動するときにX軸速度Vxのみを発生させる。装着ノズルは、図10の移動経路Tr5に示されるように、吸着位置P1から+X軸方向に移動する。装着ノズルが途中位置Q6に達した時刻t22には、Y軸速度Vyが重畳される。図示されるように、途中位置Q6は第1の特定場合の途中位置Q1よりも吸着位置P2に近い。つまり、Y軸速度Vyが重畳される時刻t22は、第1の特定場合の時刻t3よりも早い(t22<t3)。装着ノズルの移動経路Tr5は、屈曲しながら撮像位置P2の方向に向かう。装着ノズルが撮像位置P2に近づいても、第1の特定場合と異なって、X軸速度Vxは減速されない。装着ノズルは、時刻t23にX軸速度VxおよびY軸速度Vyを有して撮像位置P2を斜めに通過する。また、通過するタイミングで、装着ノズルはカメラ装置5によって撮像される。このときのX軸速度Vxは、本発明の撮像時第1軸速度に相当する。
以降、装着ノズルは、撮像位置P2から装着位置P3まで移動する間で、+X軸方向にオーバーランして、吸着位置P1から離れるように大回りする。そして、時刻t24に装着ノズルが撮像位置P2と装着位置P3との中間付近の途中位置Q7に到達すると、X軸速度Vxが-X軸方向に変化する。これ以降にはオーバーランが徐々に減少して、装着ノズルは装着位置P3に向かう。そして、装着ノズルが装着位置P3に近づくと、X軸速度VxおよびY軸速度Vyが減速される。装着ノズルは、時刻t25に装着位置P3に到達して停止する。
図11を図5と比較すると、Y軸速度Vyの時間特性の台形形状は一致しているが、図11では台形形状の位置が図5よりも時間的に先行している。つまり、装着ノズルが装着位置P3に到達する時刻t25が一層早められている(t25<t5)。この効果は、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときのX軸速度Vxの有無に起因して発生している。これを図11上で説明するために、第1の特定場合に装着ノズルが撮像位置P2を通過する時刻t4を図11に転記する。この通過時刻t4は、X軸速度Vxを減速した分(破線示)だけ第3の特定場合の通過時刻t23よりも遅れている。したがって、第3の特定場合では、この差分Δt(=t4-t23)だけ、Y軸速度Vyを重畳させる時刻t22を早めることができる。結果として、装着ノズルの吸着位置P1から装着位置P3までの総移動時間は、第1の特定場合よりも差分Δtだけ短縮される。
第1実施形態の第3の特定場合には、装着ノズルがX軸速度Vxを有して撮像位置P2を通過できる分だけ、吸着位置P1から撮像位置P2までの移動時間を従来制御や第1の特定場合よりも短縮できる。また、撮像位置P2から装着位置P3までの間では、X軸方向の移動所要時間よりもY軸方向の移動所要時間が大きいので、装着ノズルがX軸方向に大回りしても時間的なロスは生じない。したがって、装着ノズルの吸着位置P1から装着位置P3までの総移動時間を従来制御や第1の特定場合よりもさらに一層短縮して、実装タクトタイムをさらに一層短縮できる。加えて、図11に示されるように、Y軸方向に関して、Y軸速度Vyが途中減速されず、減速時の駆動エネルギーの浪費が抑制されて省電力効果が生じる。
なお、ノズルホルダ46に保持された複数の装着ノズルにより複数の電子部品の装着作業をまとめて行う場合にも、第1実施形態による装着ノズルの移動制御を実施できる。この場合には、部品供給装置3で最後に電子部品を吸着する吸着位置P1、および基板K上で最初に電子部品を装着する装着位置P3を考慮すればよい。また、第1実施形態における装着ノズルの速度時間特性は、一定加速度の加速期間、定速度期間、および一定減速速度の減速期間からなる台形形状で図面に例示されているが、これに限定されない。すなわち、X軸速度VxおよびY軸速度Vyの時間的性は、装着する電子部品の吸着位置P1と装着位置P3の組み合わせに応じて、適宜可変に制御できる。また、吸着位置P1と装着位置P3の組み合わせが3種類の特定場合に該当しないときには、従来の制御方法を用いることができる。
ところで、図5、図8および図11に示されるように3種類の特定場合でそれぞれ、装着ノズルのY軸速度Vyの時間特性は一つの台形形状となっており、途中停止や途中減速の必要が無い。Y軸駆動機構の加速性能および減速性能が極めて高ければ、このような制御を行えて、定速度期間中に一定の上限速度を維持できる。しかしながら、実際には吸着位置P1と装着位置P3との距離は限定されており、加速性能および減速性能の限界によってY軸速度Vyの時間特性が制約されがちである。このため、定速度期間中に撮像位置P2を通過することが難しくなる。装着ノズルが加速しているときや減速しているときに撮像を行うと、鮮明な撮像データを得られなくなるおそれが生じる。例えば、加速中や減速中には装着ノズルに応力が発生するので、これによってノズル先端部が振れたりして、撮像データの精度が低下しがちになる。また、装着ノズルの加速中や減速中では撮像タイミングの取り方が難しく、駆動機構とカメラ装置との間で同期を保てなくなるおそれが生じる。
また、装着ノズルが撮像位置P2に到達したときに他軸駆動機構47~49によって駆動されている途中であると、カメラ装置5は鮮明な撮像データを得られない。このときに、装着ノズルは撮像位置P2で停止し、他軸駆動の終了を待ってカメラ装置5が撮像を行い、その後に装着ノズルが再始動することになる。この結果として、装着ノズルの移動時間が延びてしまうおそれが生じる。
第2実施形態の部品実装機は、上述したおそれを解消する。第2実施形態の部品実装機について、図12~図20を参考にして説明する。第2実施形態の部品実装機の装置構成は第1実施形態と同じであり、制御コンピュータ6の制御機能が異なる。図12は、第2実施形態の制御コンピュータ6A(制御装置)の部品装着作業に関連する制御機能を説明する機能ブロック図である。第2実施形態の制御コンピュータ6Aは、第1実施形態の各手段61~67を含むことに加えて、Y軸制御手段62内に撮像時速度決定手段68を含み、さらに他軸待機手段69を含んでいる。
図13は、第2実施形態の撮像時速度決定手段68の機能を説明する第1例のY軸速度時間特性図である。図13で横軸は時間軸t、縦軸はY軸速度Vyを示している。撮像時速度決定手段68は、カメラ装置5の撮像中心位置PMの周りに所定範囲を有した撮像位置P2を設定する。そして、撮像時速度決定手段68は、撮像位置P2の範囲内で撮像時Y軸速度VyS(撮像時第2軸速度)を一定に保つ。
図13で、撮像時速度決定手段68は、まず、時刻t51に装着ノズルが吸着位置P1を始動して時刻t52に撮像位置P2の始端まで移動する間で、Y軸方向に最大限の加速を行うときの撮像位置P2の始端における吸着側最大Y軸速度Vya(吸着側最大第2軸速度)を演算する。この演算は、装着する電子部品によって定まる第1Y軸距離DyとY軸駆動機構43の加速性能に基づいて行う。撮像時速度決定手段68は、次に、装着ノズルが時刻t54に撮像位置P2の終端から移動して装着位置P3で停止する間で、Y軸方向に最大限の減速を行うときの撮像位置P2の終端における装着側最大Y軸速度Vyd(装着側最大第2軸速度)を演算する。この演算は、装着する電子部品によって定まる第2Y軸距離LyとY軸駆動機構43の減速性能に基づいて行う。撮像時速度決定手段68は、三番目に、吸着側最大Y軸速度Vyaと装着側最大Y軸速度Vydとを比較し、小さい方を撮像時Y軸速度VySとする。図13の第1例では、吸着側最大Y軸速度Vyaが撮像時Y軸速度VySとされている。
これにより、Y軸制御手段62の第1例におけるY軸速度時間特性が決まる。すなわち、Y軸制御手段62は、時刻t51に装着ノズルが吸着位置P1を始動した直後から最大限の加速を行う。装着ノズルは、時刻t52に撮像時Y軸速度VySまで加速されてちょうど撮像位置P2の始端に到達する。その後、Y軸制御手段62は撮像位置P2の範囲内で撮像時Y軸速度VySを一定に保ち、装着ノズルは時刻t53に撮像中心位置PMを通過する。このタイミングで、装着ノズルはカメラ装置5に撮像される。撮像が終了した後もY軸制御手段62は撮像時Y軸速度VySを一定に保ち、装着ノズルは時刻t54に撮像位置P2の終端に到達する。この後、Y軸制御手段62は概ね一定の減速度で減速し、装着ノズルは時刻t55に装着位置P3に到達して停止する。
また、図13では、撮像時Y軸速度VySが吸着側の加速の制限条件によって決定されているので、装着側では速度制御に余裕が生じている。したがって、第2軸制御手段の第1例のY軸速度時間特性図は、図14や図15のように変形することもできる。図14は図13の第1例のY軸速度時間特性図を変形した第1変形例であり、図15は図13の第1例のY軸速度時間特性図を変形した第2変形例である。
図14の第1変形例では、装着ノズルが時刻t54に撮像位置P2の終端に到達した以降も、Y軸制御手段62は撮像時Y軸速度VySを維持する。Y軸制御手段62は、時刻t56以降は最大限の減速を行い、装着ノズルは時刻t57に装着位置P3に到達して停止する。図15の第2変形例では、装着ノズルが時刻t54に撮像位置P2の終端に到達した直後から、Y軸制御手段62はY軸速度Vyを再加速する。この再加速は、最大限の減速を行って装着位置P3に停止できる範囲内で行う。Y軸制御手段62は、時刻t58に加速から減速へと切替え、以降は最大限の減速を行い、装着ノズルは時刻t59に装着位置P3に到達して停止する。第1変形例で、装着ノズルが装着位置P3に到達する時刻t57は、図13の到達時刻t55よりも早くなる。第2変形例で、装着ノズルが装着位置P3に到達する時刻t59は、第1変形例の到達時刻t57よりもさらに早くなる。
次に、図16は、第2実施形態の撮像時速度決定手段68の機能を説明する第2例のY軸速度時間特性図である。図16で横軸は時間軸t、縦軸はY軸速度Vyを示している。第1例と同様に、撮像時速度決定手段68は、カメラ装置5の撮像中心位置PMの周りに所定範囲を有した撮像位置P2を設定する。そして、撮像時速度決定手段68は、撮像位置P2の範囲内で撮像時Y軸速度VyS(撮像時第2軸速度)を一定に保つ。
図16で、撮像時速度決定手段68は、まず、装着ノズルが吸着位置P1を始動して時刻t62に撮像位置P2の始端まで移動する間で、Y軸方向に最大限の加速を行うときの撮像位置P2の始端における吸着側最大Y軸速度Vya(吸着側最大第2軸速度)を演算する。撮像時速度決定手段68は、次に、装着ノズルが時刻t64に撮像位置P2の終端から移動して装着位置P3で停止する間で、Y軸方向に最大限の減速を行うときの撮像位置P2の終端における装着側最大Y軸速度Vyd(装着側最大第2軸速度)を演算する。撮像時速度決定手段68は、三番目に、吸着側最大Y軸速度Vyaと装着側最大Y軸速度Vydを比較し、小さい方を撮像時Y軸速度VySとする。図16の第2例では、装着側最大Y軸速度Vydは撮像時Y軸速度VySとされている。
これにより、Y軸制御手段62の第2例におけるY軸速度時間特性が決まる。すなわち、時刻t61に装着ノズルが吸着位置P1を始動した直後から、Y軸制御手段62は最大限の加速を行う。装着ノズルは、時刻t62に撮像位置P2よりも手前で撮像時Y軸速度VySまで加速され、以降は撮像時Y軸速度VySを保つ。装着ノズルは、時刻t63に撮像位置P2の始端に到達する。その後、Y軸制御手段62は撮像位置P2の範囲内で撮像時Y軸速度VySを一定に保ち、装着ノズルは時刻t64に撮像中心位置PMを通過する。このタイミングで、装着ノズルはカメラ装置5に撮像される。撮像が終了した後も、Y軸制御手段62は撮像時Y軸速度VySを一定に保つ。装着ノズルは、時刻t65に撮像位置P2の終端に到達する。この後、Y軸制御手段62は最大限の減速度で減速し、装着ノズルは時刻t66に装着位置P3に到達し、Y軸速度がちょうどゼロになって停止する。
また、図16では、撮像時Y軸速度VySが装着側の減速の制限条件によって決定されているので、吸着側では速度制御に余裕が生じている。したがって、Y軸制御手段62の第2例のY軸速度時間特性図は、図17のように変形することもできる。図17は、図16の第2例のY軸速度時間特性図を変形した第3変形例である。
図17の第3変形例では、Y軸制御手段62は、装着ノズルが吸着位置P1を始動する時刻t67を図16の時刻t61よりも遅くして、始動直後から最大限の加速を行う。この加速は、最大限の減速を行って撮像位置P2を撮像時Y軸速度VySで通過できる範囲内で行う。装着ノズルのY軸速度Vyは撮像時Y軸速度VySを超えて加速され、Y軸制御手段62は時刻t68で加速から減速に切り替え、最大限の減速度で減速する。これにより、装着ノズルは、時刻t63に撮像時Y軸速度VySまで減速され、ちょうど撮像位置P2の始端に到達する。以降は、図16と同じY軸速度時間特性になる。第3変形例では、装着ノズルが吸着位置P1を始動する時刻t67は、図16の始動時刻t61よりも遅くなる。
第2実施形態において、Y軸制御手段62は、電子部品の種類によって変化する吸着位置P1および装着位置P3の組み合わせに対応して、個別に撮像時速度決定手段68を行う。つまり、第2実施形態のY軸制御手段62は、電子部品の種類ごとに図13~図17に例示されたY軸速度時間特性図を作成し、これに基づいて装着ノズルの移動を制御する。したがって、撮像時Y軸速度VySは、電子部品の種類ごとに異なる。
次に、撮像時速度決定手段68の効果について、従来制御と比較して説明する。図18は、従来制御に用いるY軸速度時間特性図である。図18で、電子部品の吸着位置P1によって決まる吸着側最大Y軸速度Vyaは、最大値Vya-maxから最小値Vya-minまで変化する。また、電子部品の装着位置P3によって決まる装着側最大Y軸速度Vydは、最大値Vyd-maxから最小値Vyd-minまで変化する。従来制御では、これらのうちでもっとも小さい値を撮像時Y軸速度VySーcnvとするのが一般的であった。図18の例では、吸着側の最小値Vya-minが撮像時Y軸速度VySーcnvとされている。そして、従来制御では、この撮像時Y軸速度VySーcnvを全ての電子部品に適用していた。
図18の従来制御の例では、時刻t71に装着ノズルが吸着位置P1を始動した直後から最大限の加速を行う。時刻t72に撮像位置P2よりも手前で装着ノズルが撮像時Y軸速度VySーcnvに達すると、以降は加減速せずに撮像時Y軸速度VySーcnvを維持する。そして、装着ノズルが撮像位置P2を通過しても撮像時Y軸速度VySーcnvを維持し、時刻t73以降に減速する。装着ノズルは、時刻t74に装着位置P3に到達して停止する。従来制御では、撮像位置P2の前後両方で加速できる余地があるにもかかわらず、Y軸速度Vyは一律に決められた撮像時Y軸速度VySーcnvで制限されていた。
これに対して、第2実施形態の撮像時速度決定手段68は、電子部品の種類ごとに撮像時Y軸速度VySを決めている。したがって、Y軸制御手段62は、吸着位置P1や装着位置P3が撮像位置P2から離れている場合には、従来制御よりも格段に大きな撮像時Y軸速度VySを用いることができる。これにより、電子部品の種類に対応して、それぞれで装着ノズルのY軸方向の移動時間を短縮でき、従来よりも実装タクトタイムを短縮できる。さらに、図15や図17の変形例では、Y軸制御手段62は、撮像位置P2の前後いずれかで装着ノズルのY速度Vyを撮像時Y軸速度VySよりも大きくしている。したがって、実装タクトタイムをさらに一層短縮できる。
また、第1実施形態の第1の特定場合に撮像時速度決定手段68を併用すると、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときのX軸速度Vx(撮像時第1軸速度)がゼロに保たれ、Y軸速度Vy(撮像時第2軸速度)が一定に保たれる。つまり、装着ノズルの移動速度がY軸方向のみの一定速度となり、オンザフライ撮像に適した極めて良好な撮像条件が満たされる。したがって、実装タクトタイムを短縮する効果に加えて、カメラ装置5は鮮明な撮像データを確実に得て、部品吸着状態を高い精度で確実に判定できる。
さらに、第1実施形態の第2および第3の特定場合に撮像時速度決定手段68を併用すると、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときのX軸速度Vx(撮像時第1軸速度)およびY軸速度Vy(撮像時第2軸速度)が一定に保たれる。つまり、装着ノズルは撮像位置を斜行するが、移動速度が一定となり、オンザフライ撮像に適した良好な撮像条件が満たされる。このため、加減速により装着ノズルの先端部が振れたりすることが生じない。したがって、実装タクトタイムを短縮する効果に加えて、カメラ装置5は適正な撮像タイミングで鮮明な撮像データを安定的に得て、部品吸着状態を高い精度で判定できる。
次に、他軸待機手段69について説明する。図19は、第2実施形態の部品実装機の他軸待機手段69の機能を説明する動作時間特性図である。図19で、横軸は共通の時間軸tであり、上のグラフは他軸駆動機構の動作の時間特性を示し、下のグラフはX軸速度VxおよびY軸速度Vyの時間特性Chr1を示している。他軸駆動機構は、R軸回転駆動機構47、Z軸駆動機構48、およびθ軸回転駆動機構49のいずれであってもよく、また複数であってもよい。
他軸待機手段69は、X軸制御手段61およびY軸制御手段62の制御により装着ノズルが吸着位置P1を始動してから撮像位置P2まで移動するのに要する移動時間Tmoveよりも、他軸制御手段64~66の制御により他軸駆動機構47~49が装着ノズルを移動または回転させるのに要する動作時間Tactが大きい場合に、装着ノズルの始動時期t82を他軸駆動機47~49構の動作開始時期t81から待機時間Twaitだけ遅らせる。
図19の例では、時刻t81に装着ノズルが電子部品の吸着を終了して、移動可能な状態になっている。ここで、撮像位置P2における撮像の準備として、他軸駆動機構47~49の動作によって装着ノズルを駆動する場合がある。この場合に、他軸待機手段69は、装着ノズルの移動時間Tmoveと、他軸駆動機構47~49の動作時間Tactとを大小比較する。移動時間Tmoveよりも動作時間Tactが大きい場合に、他軸待機手段69は、直ちに他軸駆動機構47~49を動作させる。そして、他軸待機手段69は、待機時間Twaitだけ遅れた時刻t82に、X軸制御手段61およびY軸制御手段62の制御を開始させる。
これにより、他軸駆動機構47~49の駆動動作の終了と、装着ノズルの撮像位置P2の始端への到達とが時刻t83で略一致する。したがって、カメラ装置5は、撮像タイミングを待つことなく鮮明な画像データを得られる。また、撮像後に装着の準備として、他軸駆動機構47~49の動作によって装着ノズルを駆動する場合がある。この場合には、装着ノズルが撮像位置P2を通過した直後の時刻t84に他軸駆動機構47~49を動作させる。時刻t85に他軸駆動機構47~49の駆動動作が終了し、時刻t86に装着ノズルが装着位置P3に到達して停止する。
ここで、他軸駆動機構47~49の動作時間Tactは、各種の要因によって変化し得るものである。例えば、動作時間Tactは、装着ノズルを交換すると変化し、複数の装着ノズルを保持したノズルホルダ46を交換しても変化し得る。さらには、複数の装着ノズルの全部が部品を吸着するのか、あるいは一部だけが部品を吸着するのかによっても動作時間Tactは変化する、また、吸着する部品の大きさや形状によって動作時間Tactが変化することも考えられる。一方、装着ノズルの移動時間Tmoveも吸着位置P1によって変化する。このような変化に対応するために、他軸待機手段69は、待機時間Twaitをデータベースあるいは演算式を用いて正確に推定し最適化する。
次に、他軸待機手段69の効果について、従来制御と比較して説明する。図20は、従来制御による他軸動作の機能を説明する動作時間特性図である。図20の表示形式は、図19に一致させてある。図20には、従来制御によるX軸速度VxおよびY軸速度Vyの時間特性Chr2が示され、かつ、図19に示されたX軸速度VxおよびY軸速度Vyの時間特性Chr1が破線で再表示されている。
従来制御では、装着ノズルが電子部品の吸着を終了した後に他軸駆動機構47~49の動作が必要なとき、時刻t81の時期に他軸駆動機構47~49とX軸制御手段61およびY軸制御手段62とを同時に始動させていた、そして、X軸制御手段61およびY軸制御手段62は、他軸駆動機構47~49の駆動動作に合わせて装着ノズルを加速していた。つまり、図20の時間特性Chr2に示されるように、X軸制御手段61およびY軸制御手段62は、他軸駆動機構47~49の駆動動作が終了する時刻t83の時期に、装着ノズルが撮像位置P2に到達するように見計らって制御していた。このため、従来制御では、装着ノズルが撮像位置P2を通過するときの移動速度Vx、Vyが小さく、その後に再加速しても、装着ノズルが装着位置P3に到達する時刻t87は図19の到達時刻t86よりも遅れる。
さらに、従来制御では、時刻t81の時期に他軸駆動機構47~49とX軸制御手段61およびY軸制御手段62とを同時に始動させ、装着ノズルを最大限に加速することも行われていた。この場合には、他軸駆動機構47~49の駆動動作が終了する以前に装着ノズルが撮像位置P2の始端に到達する。このため、装着ノズルは、撮像中心位置PMで一旦停止して他軸駆動機構47~49の駆動動作が終了するのを持ち、カメラ装置5による撮像が終わってから再始動していた。したがって、装着ノズルの装着位置P3への到達は、図20の場合よりもさらに遅れていた。
これに対して、第2実施形態の他軸待機手段69は、待機時間Twaitを設けているので、装着ノズルが撮像位置P2に到達したときに既に他軸駆動が終了している。さらに、他軸待機手段69は、他軸駆動機構47~49の動作時間Tactおよび装着ノズルの移動時間Tmoveの変化に対応した待機時間Twaitをデータベースあるいは演算式を用いて正確に推定し最適化する。したがって、装着ノズルの撮像位置P2への到達と他軸駆動機構47~49の駆動終了とをタイミング的に一致させることができ、装着ノズルは、撮像位置P2で一時停止して他軸駆動が終了しカメラ装置5が撮像を行うまで待つ必要がなく、撮像位置P2を高速で通過することができる、これにより、実装タクトタイムを短縮する効果が顕著になる。一方、カメラ装置5は、他軸駆動が終了して一定速度で通過する装着ノズルを撮像できるので、鮮明な撮像データを得られる。
なお、第2実施形態の撮像時速度決定手段68は、演算誤差や制御誤差を考慮し、ある程度の裕度を見込んで撮像時Y軸速度VySを決定するようにしてもよい。また、他軸待機手段69は、各種の推定方法を用いて他軸駆動機構47~49の動作時間Tactおよび装着ノズルの移動時間Tmoveをそれぞれ推定し、前者Tactから後者Tmoveを減算して待機時間Twaitを求めるようにしてもよい。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
1:部品実装機
2:基板搬送装置
3:部品供給装置
4:部品移載装置
41:ヘッド駆動機構 42:X軸駆動機構
43:Y軸駆動機構 45:部品実装ヘッド
46:ノズルホルダ 47:R軸回転駆動機構
48:Z軸駆動機構 49:θ軸回転駆動機構
5:カメラ装置
6、6A:制御コンピュータ
61:X軸制御手段 62:Y軸制御手段
63:連係制御手段 64:R軸制御手段
65:Z軸制御手段 66:θ軸制御手段
67:オンザフライ撮像制御手段
68:撮像時速度決定手段 69:他軸待機手段
K:基板
P1:吸着位置 P2:撮像位置 P3:装着位置
PM:撮像中心位置 Q1~Q7:途中位置
Vx:X軸速度 Vy:Y軸速度
Tr1~Tr5:装着ノズルの移動軌跡
Tact:動作時間 Tmove:移動時間
Twait:待機時間
2:基板搬送装置
3:部品供給装置
4:部品移載装置
41:ヘッド駆動機構 42:X軸駆動機構
43:Y軸駆動機構 45:部品実装ヘッド
46:ノズルホルダ 47:R軸回転駆動機構
48:Z軸駆動機構 49:θ軸回転駆動機構
5:カメラ装置
6、6A:制御コンピュータ
61:X軸制御手段 62:Y軸制御手段
63:連係制御手段 64:R軸制御手段
65:Z軸制御手段 66:θ軸制御手段
67:オンザフライ撮像制御手段
68:撮像時速度決定手段 69:他軸待機手段
K:基板
P1:吸着位置 P2:撮像位置 P3:装着位置
PM:撮像中心位置 Q1~Q7:途中位置
Vx:X軸速度 Vy:Y軸速度
Tr1~Tr5:装着ノズルの移動軌跡
Tact:動作時間 Tmove:移動時間
Twait:待機時間
Claims (11)
- 基板を位置決め保持する基板保持装置と、
前記基板に装着する複数種の電子部品を、第1軸方向に並設された複数の吸着位置にそれぞれ供給する部品供給装置と、
前記複数の吸着位置から前記電子部品を吸着して保持された基板の装着位置に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを前記第1軸方向に移動させる第1軸駆動機構、および前記装着ノズルを前記第1軸方向と直角な第2軸方向に移動させる第2軸駆動機構を有する部品移載装置と、
前記第2軸方向において前記基板保持装置と前記部品供給装置との間に並設され、前記装着ノズルに吸着された電子部品を撮像位置で撮像するカメラ装置と、
前記第1軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第1軸方向の移動速度成分である第1軸速度を制御する第1軸制御手段、前記第2軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第2軸方向の移動速度成分である第2軸速度を制御する第2軸制御手段、ならびに前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段を関連付けて制御し前記装着ノズルを前記吸着位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させる連係制御手段を含む制御装置と、を備えた部品実装機であって、
前記連係制御手段は、
前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で、前記第1軸制御手段の制御による前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸制御手段の制御による前記第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測できる場合に、
前記第1軸制御手段の制御を先行させて前記装着ノズルを前記第1軸方向に始動し、前記第2軸制御手段の制御を後行させる部品実装機。 - 基板を位置決め保持する基板保持装置と、
前記基板に装着する複数種の電子部品を、第1軸方向に並設された複数の吸着位置にそれぞれ供給する部品供給装置と、
前記複数の吸着位置から前記電子部品を吸着して保持された基板の装着位置に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを前記第1軸方向に移動させる第1軸駆動機構、および前記装着ノズルを前記第1軸方向と直角な第2軸方向に移動させる第2軸駆動機構を有する部品移載装置と、
前記第2軸方向において前記基板保持装置と前記部品供給装置との間に並設され、前記装着ノズルに吸着された電子部品を撮像位置で撮像するカメラ装置と、
前記第1軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第1軸方向の移動速度成分である第1軸速度を制御する第1軸制御手段、前記第2軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第2軸方向の移動速度成分である第2軸速度を制御する第2軸制御手段、ならびに前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段を関連付けて制御し前記装着ノズルを前記吸着位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させる連係制御手段を含む制御装置と、を備えた部品実装機であって、
前記連係制御手段は、
前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で、前記第1軸制御手段の制御による前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸制御手段の制御による前記第2軸方向の移動所要時間が大きいと予測でき、かつ、前記装着ノズルが前記撮像位置から前記装着位置まで移動する間で、前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測できる場合に、
前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で前記撮像位置から前記装着位置に向かう方向の反対側にオーバーランし、かつ前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときに前記撮像位置から前記装着位置に向かう方向の撮像時第1軸速度を有するように前記第1軸制御手段を制御する部品実装機。 - 基板を位置決め保持する基板保持装置と、
前記基板に装着する複数種の電子部品を、第1軸方向に並設された複数の吸着位置にそれぞれ供給する部品供給装置と、
前記複数の吸着位置から前記電子部品を吸着して保持された基板の装着位置に装着する装着ノズル、前記装着ノズルを前記第1軸方向に移動させる第1軸駆動機構、および前記装着ノズルを前記第1軸方向と直角な第2軸方向に移動させる第2軸駆動機構を有する部品移載装置と、
前記第2軸方向において前記基板保持装置と前記部品供給装置との間に並設され、前記装着ノズルに吸着された電子部品を撮像位置で撮像するカメラ装置と、
前記第1軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第1軸方向の移動速度成分である第1軸速度を制御する第1軸制御手段、前記第2軸駆動機構を制御して前記装着ノズルの前記第2軸方向の移動速度成分である第2軸速度を制御する第2軸制御手段、ならびに前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段を関連付けて制御し前記装着ノズルを前記吸着位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させる連係制御手段を含む制御装置と、を備えた部品実装機であって、
前記連係制御手段は、
前記装着ノズルが前記吸着位置から前記撮像位置まで移動する間で、前記第1軸制御手段の制御による前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸制御手段の制御による前記第2軸方向の移動所要時間が小さいと予測でき、かつ、前記装着ノズルが前記撮像位置から前記装着位置まで移動する間で、前記第1軸方向の移動所要時間よりも前記第2軸方向の移動所要時間が大きいと予測できる場合に、
前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときに前記吸着位置から前記撮像位置に向かう方向の撮像時第1軸速度を有し、かつ前記装着ノズルが前記撮像位置から前記装着位置まで移動する間で前記吸着位置から前記撮像位置に向かう方向にオーバーランするように前記第1軸制御手段を制御する部品実装機。 - 請求項1~3のいずれか一項において、
前記第1軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときの撮像時第1軸速度を一定に保ち、
前記第2軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過するときの撮像時第2軸速度を一定に保つ部品実装機。 - 請求項1を引用した請求項4において、前記第1軸制御手段は、前記撮像時第1軸速度をゼロに保つ部品実装機。
- 請求項4または5において、前記第2軸制御手段は、
前記装着ノズルが前記吸着位置を始動し前記撮像位置まで移動する間で前記第2軸方向に最大限の加速を行うときの前記撮像位置における吸着側最大第2軸速度と、前記装着ノズルが前記撮像位置から移動して前記装着位置で停止する間で前記第2軸方向に最大限の減速を行うときの前記撮像位置における装着側最大第2軸速度とを比較し、小さい方を前記撮像時第2軸速度とする撮像時速度決定手段を含み、
前記電子部品の種類によって変化する吸着位置および装着位置の組み合わせに対応して個別に前記撮像時速度決定手段を行う部品実装機。 - 請求項5または6において、前記撮像時速度決定手段が前記吸着側最大第2軸速度を前記撮像時第2軸速度としたときに、
前記第2軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過した以降に、最大限の減速を行って前記装着位置に停止できる範囲内で前記第2軸速度を前記撮像時第2軸速度よりも大きく制御する部品実装機。 - 請求項5または6において、前記撮像時速度決定手段が前記装着側最大第2軸速度を前記撮像時第2軸速度としたときに、
前記第2軸制御手段は、前記装着ノズルが前記撮像位置を通過する以前に、最大限の減速を行って前記撮像位置を前記撮像時第2軸速度で通過できる範囲内で前記第2軸速度を前記撮像時第2軸速度よりも大きく制御する部品実装機。 - 請求項4~8のいずれか一項において、
前記部品移載装置は、前記第1軸駆動機構および前記第2軸駆動機構とは別に、前記電子部品を吸着した装着ノズルを移動または回転させる他軸駆動機構をさらに有し、
前記制御装置は、
前記他軸駆動機構を制御する他軸制御手段と、
前記第1軸制御手段および前記第2軸制御手段の制御により前記装着ノズルが前記吸着位置を始動してから前記撮像位置まで移動するのに要する移動時間よりも、前記他軸制御手段の制御により前記他軸駆動機構が前記装着ノズルを移動または回転させるのに要する動作時間が大きい場合に、前記装着ノズルの始動時期を前記他軸駆動機構の動作開始時期から待機時間だけ遅らせる他軸待機手段と、をさらに有する部品実装機。 - 請求項9において、前記他軸待機手段は、前記動作時間から前記移動時間を減算した差時間よりも大きくなる可変の待機時間をデータベースに保持し、あるいは前記可変の待機時間を求める演算式を有する部品実装機。
- 請求項9または10において、前記他軸駆動機構は、前記第1軸方向および前記第2軸方向に直角な第3軸方向に前記装着ノズルを移動させる第3軸駆動機構、前記装着ノズルを前記第3軸の周りに回転させるノズル回転駆動機構、および複数の装着ノズルを保持したノズルホルダを前記第3軸の周りに回転させるホルダ回転駆動機構の少なくとも一つを含む部品実装機。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2012/080643 WO2014083618A1 (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | 部品実装機 |
JP2014549670A JP6166278B2 (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | 部品実装機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2012/080643 WO2014083618A1 (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | 部品実装機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
WO2014083618A1 true WO2014083618A1 (ja) | 2014-06-05 |
Family
ID=50827294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
PCT/JP2012/080643 WO2014083618A1 (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | 部品実装機 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6166278B2 (ja) |
WO (1) | WO2014083618A1 (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001035707A1 (fr) * | 1999-11-05 | 2001-05-17 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Machine et technique pour montage de composants |
JP2001267798A (ja) * | 2000-03-17 | 2001-09-28 | Murata Mfg Co Ltd | 部品装着装置 |
JP2004079962A (ja) * | 2002-08-22 | 2004-03-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 部品実装最適化方法、部品実装最適化装置、部品実装最適化プログラム、及び部品実装装置 |
WO2004051731A1 (ja) * | 2002-12-02 | 2004-06-17 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 部品供給ヘッド装置、部品供給装置、部品実装装置、及び実装ヘッド部の移動方法 |
JP2005268408A (ja) * | 2004-03-17 | 2005-09-29 | Yamaha Motor Co Ltd | 表面実装機および部品認識方法 |
JP2007201284A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Juki Corp | 電子部品実装機 |
JP2009237710A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Murata Mach Ltd | 搬送装置のモーション制御装置 |
JP2010098016A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Yamaha Motor Co Ltd | 実装機およびヘッドユニットの駆動制御方法 |
-
2012
- 2012-11-27 JP JP2014549670A patent/JP6166278B2/ja active Active
- 2012-11-27 WO PCT/JP2012/080643 patent/WO2014083618A1/ja active Application Filing
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001035707A1 (fr) * | 1999-11-05 | 2001-05-17 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Machine et technique pour montage de composants |
JP2001267798A (ja) * | 2000-03-17 | 2001-09-28 | Murata Mfg Co Ltd | 部品装着装置 |
JP2004079962A (ja) * | 2002-08-22 | 2004-03-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 部品実装最適化方法、部品実装最適化装置、部品実装最適化プログラム、及び部品実装装置 |
WO2004051731A1 (ja) * | 2002-12-02 | 2004-06-17 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 部品供給ヘッド装置、部品供給装置、部品実装装置、及び実装ヘッド部の移動方法 |
JP2005268408A (ja) * | 2004-03-17 | 2005-09-29 | Yamaha Motor Co Ltd | 表面実装機および部品認識方法 |
JP2007201284A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Juki Corp | 電子部品実装機 |
JP2009237710A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Murata Mach Ltd | 搬送装置のモーション制御装置 |
JP2010098016A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Yamaha Motor Co Ltd | 実装機およびヘッドユニットの駆動制御方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6166278B2 (ja) | 2017-07-26 |
JPWO2014083618A1 (ja) | 2017-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5791408B2 (ja) | 電子部品実装装置 | |
JP4722714B2 (ja) | 電子部品実装機 | |
JP2001267798A (ja) | 部品装着装置 | |
US10973159B2 (en) | Component mounting machine for preventing release fail of a component | |
US10274929B2 (en) | Servo controller | |
JP6078316B2 (ja) | 基板作業装置 | |
JP6356222B2 (ja) | 部品装着装置 | |
JP5185739B2 (ja) | 部品実装装置 | |
JP6166278B2 (ja) | 部品実装機 | |
JP2011249646A (ja) | 動作時間調整方法 | |
JP2014099556A (ja) | 部品実装機 | |
JP4694516B2 (ja) | 部品実装方法および表面実装機 | |
KR20120098497A (ko) | 전자부품 실장장치 및 전자부품 실장방법 | |
JP6242478B2 (ja) | 部品装着装置 | |
WO2018146740A1 (ja) | 作業機 | |
JP2015192134A (ja) | 電子部品装着装置 | |
US10834859B2 (en) | Component mounting device | |
JP2576209Y2 (ja) | 電子部品搭載装置 | |
WO2024057433A1 (ja) | 部品実装機および部品撮像方法 | |
WO2024084703A1 (ja) | 部品装着作業機及び装着ライン | |
JP5765772B2 (ja) | 部品実装機 | |
JP3611649B2 (ja) | 実装機の駆動制御方法及び同装置 | |
JP4757953B2 (ja) | 電子部品装着装置 | |
WO2020016978A1 (ja) | 部品供給装置 | |
JPH071839Y2 (ja) | 電子部品搭載装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
Ref document number: 12889133 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |
|
ENP | Entry into the national phase |
Ref document number: 2014549670 Country of ref document: JP Kind code of ref document: A |
|
NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: DE |
|
122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 12889133 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |