JP5765772B2 - 部品実装機 - Google Patents

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Description

本発明は、部品実装機の稼働中にいずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、その部品切れ又は異常のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダに切り替えて部品実装を継続する部品実装機に関する発明である。
従来より、特許文献1(特開2004−63940号公報)に記載されているように、部品実装機の稼働率向上を目的として、部品実装機に装着する複数のフィーダの中に、他のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダを装着して、部品実装機の稼働中にいずれかのフィーダが部品切れになったときに、その部品切れのフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダに切り替えて部品実装を継続するようにしたものがある。
また、特許文献2(特開2001−15995号公報)では、部品実装機の稼働中に、生産する部品実装基板の種類が切り換えられたときに、部品実装機に搬入する回路基板の停止位置を、当該回路基板に実装する部品を供給するフィーダに近接した位置に変更するようにしている。
特開2004−63940号公報 特開2001−15995号公報
上記特許文献1では、部品実装機の稼働中に、いずれかのフィーダが部品切れになったときに、その部品切れのフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダに切り替えて、当該予備フィーダから供給される部品を吸着ノズルで吸着して回路基板に実装することになるが、部品実装機に搬入する回路基板の停止位置は、予備フィーダに切り替える前と同じ位置であるため、回路基板の停止位置と予備フィーダの位置との間の距離が長くなる場合があり、その結果、吸着ノズルの移動時間(移動距離)が長くなって生産性が低下する場合があった。
また、上記特許文献2には、予備フィーダに関する記載がないため、部品実装機の稼働中に、いずれかのフィーダが部品切れになると、部品実装機を一時的に停止して、部品切れのフィーダの取り替えや部品の補給を行う必要があり、生産性が低下する欠点がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに予備フィーダに切り替えて部品実装を継続する場合の生産性を向上できる部品実装機を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、回路基板を搬入するコンベアと、前記コンベアに沿って配列された複数のフィーダと、前記フィーダから供給される部品を吸着して前記回路基板に実装する吸着ノズルとを備え、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、その部品切れ又は異常のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダに切り替えて部品実装を継続する部品実装機において、前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に前記コンベアにより搬入する回路基板の停止位置を、前記部品切れ又は異常のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダの位置に応じて変更する制御手段を備え、前記制御手段は、前記コンベアにより回路基板を搬入する前に、当該回路基板への部品実装途中における前記フィーダの部品切れの有無を予測して当該フィーダの部品切れが発生すると予測したときに当該フィーダの位置と前記予備フィーダの位置と当該回路基板上の部品装着位置とを考慮して前記コンベアにより搬入する回路基板の停止位置を変更するようにしたものである。この構成では、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板の停止位置を予備フィーダの位置に応じて変更するため、回路基板の停止位置と予備フィーダの位置との間の吸着ノズルの移動時間(移動距離)を短くすることが可能となり、生産時間を短くできる。しかも、コンベアにより回路基板を搬入する前に、当該回路基板への部品実装途中におけるフィーダの部品切れの有無を予測して当該フィーダの部品切れが発生すると予測したときに、当該フィーダの位置と予備フィーダの位置と回路基板上の部品装着位置とを考慮してコンベアにより搬入する回路基板の停止位置を変更するようにしたので、回路基板への部品実装途中でフィーダの部品切れが発生すると予測した場合は、当該フィーダの位置と予備フィーダの位置と回路基板上の部品装着位置との間の吸着ノズルの移動時間(移動距離)が短くなるように回路基板の停止位置を変更することができ、回路基板への部品実装途中でフィーダの部品切れが発生する場合にも対応できる。
この場合、請求項のように、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板の停止位置を変更する際に、予備フィーダから供給される部品の吸着位置と前記回路基板上の部品装着位置との間の吸着ノズルの移動時間が最短となるように回路基板の停止位置を変更するようにすると良い。このようにすれば、部品の吸着位置と前記回路基板上の部品装着位置との間の吸着ノズルの移動時間を最短とすることができ、生産時間を最短にすることができる。
或は、請求項のように、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板の停止位置を変更する際に、予備フィーダから供給される部品の吸着位置と回路基板上の部品装着位置との間の吸着ノズルの移動距離の重心位置を回路基板の停止位置とするようにしても良い。
ところで、部品実装機は、吸着ノズルに吸着した部品をカメラで撮像して、部品の吸着位置や吸着姿勢等を画像認識する機能を備えているが、このカメラの位置が部品実装機本体側に固定されていると、吸着部品の撮像位置(カメラの位置)と部品吸着位置(フィーダの位置)と回路基板上の部品装着位置の三者を考慮して回路基板の停止位置を設定する必要があり、予備フィーダの位置に応じて回路基板の停止位置を変更する効果が小さくなる。
そこで、請求項のように、吸着ノズルを保持する装着ヘッドに、該吸着ノズルに吸着した部品を撮像するカメラを保持させるようにすると良い。このようにすれば、部品吸着位置と回路基板上の部品装着位置との間を装着ヘッドが一直線で移動できると共に、その移動中に吸着ノズルに吸着されている部品の吸着位置や吸着姿勢等をカメラで撮像して認識することができる。
但し、本発明は、吸着ノズルに吸着した部品を撮像するカメラを部品実装機本体側に設けた構成としても良い。この場合には、請求項のように、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板の停止位置を変更する際に、前記カメラの位置と回路基板上の部品装着位置との間の吸着ノズルの移動時間(移動距離)が最短となるように回路基板の停止位置を変更するようにすれば良い。このようにしても、生産時間を短くできる。
また、回路基板への部品実装途中でいずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、予備フィーダの位置に応じて部品実装途中の回路基板の停止位置を変更することが考えられるが、部品実装途中の回路基板の停止位置の変更に要する時間の方が、その停止位置変更後に短縮される実装時間の短縮分よりも長くなる場合があり、部品実装途中の回路基板の停止位置を変更しない方が良い場合もある。
そこで、請求項のように、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、部品実装途中の回路基板の停止位置の変更に要する時間と、その停止位置変更後に短縮される実装時間の短縮分とを比較して、実装時間の短縮分の方が大きい場合は、当該回路基板への部品実装を中断して当該回路基板の停止位置を変更してから当該回路基板への部品実装を再開するようにしても良い。このようにすれば、回路基板への部品実装途中でフィーダの部品切れ又は異常が発生したときに、予備フィーダの位置に応じて回路基板の停止位置を変更した方が生産時間を短縮できる場合のみ、部品実装途中の回路基板の停止位置を変更することができる。
一般に、部品実装機では、吸着ノズルを保持する装着ヘッドは、コンベアの搬送方向であるX方向とその直交方向であるY方向に同時に駆動可能な2軸ロボットに保持されている。この構成では、装着ヘッドをフィーダと回路基板との間をY方向に駆動するのと同時にX方向にも駆動できるため、部品切れ又は異常のフィーダと予備フィーダとの間のX方向距離が比較的短ければ、Y方向駆動中にX方向への駆動が終了してしまい、回路基板の停止位置を変更する必要がない。
この点を考慮して、請求項のように、吸着ノズルを保持する装着ヘッドが2軸ロボットに保持されている場合は、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、当該部品切れ又は異常のフィーダと前記予備フィーダとの間を前記装着ヘッドがX方向に移動するのに要するX方向移動時間と、当該予備フィーダと前記回路基板上の部品装着位置との間を前記装着ヘッドがY方向に移動するのに要するY方向移動時間とを比較して、Y方向移動時間の方が大きい場合は、前記回路基板の停止位置を変更しないようにしても良い。このようにすれば、回路基板の停止位置を変更して生産時間を短縮できる場合のみ、回路基板の停止位置を変更することができる。
図1は本発明の一実施例における部品実装機の側面図である。 図2は部品実装機の主要部の平面図である。 図3は回路基板停止位置決定処理ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図4は吸着開始位置取得ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図5は吸着完了位置取得ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図6は装着開始位置取得ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図7は装着完了位置取得ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1及び図2に基づいて部品実装機の構成を説明する。
部品実装機のベース台11上には、回路基板12を搬送するコンベア13が設けられている(以下、このコンベア13による回路基板12の搬送方向をX方向とする)。このコンベア13を構成する2本のコンベアレール13a,13bとコンベアベルト14a,14bを支持する支持部材15a,15bのうち、一方の支持部材15aを、一定位置に固定し、その反対側の支持部材15bのY方向位置を送りねじ機構等によってガイドレール16に沿って調整することで、コンベア13の幅(コンベアレール13a,13bの間隔)を回路基板12の幅に合わせて調整できるようになっている。
また、ベース台11上のコンベア13の側方には、部品供給装置20がY方向に着脱可能にセットされている。この部品供給装置20は、複数のフィーダ23を搭載したデバイスパレット22を、パレットベース21を介してベース台11上に取り付けた構成となっている。
この部品実装機の2軸ロボットのX方向に移動するXスライド31には、装着ヘッド33が取り付けられ、この装着ヘッド33には、吸着ノズル34に吸着した部品を撮像するカメラ35が取り付けられている。2軸ロボットのXスライド31は、Yスライド(図示せず)にY方向にスライド可能に支持され、装着ヘッド33をフィーダ23と回路基板12との間をY方向に駆動するのと同時にX方向にも駆動できるようになっている。この装着ヘッド33に保持されたカメラ35のレンズ側には、吸着ノズル34に吸着した部品を下方から撮像するためのプリズム36が設けられている。
この装着ヘッド33は、回転可能なノズルホルダ39に複数本の吸着ノズル34を円周方向に組み付けたロータリ型ヘッド(リボルバ型ヘッド)であり、各吸着ノズル34が個別に上下動し、部品を吸着した吸着ノズル34の位置がノズルホルダ39の回転によりカメラ35の撮像位置に近付くほど、当該吸着ノズル34がカム機構等により上昇するように構成されている。
本実施例では、部品供給装置20のデバイスパレット22には、複数のフィーダ23が搭載されていると共に、いずれかのフィーダ23が部品切れになったときに、その部品切れのフィーダ23と同じ部品を供給する複数の予備フィーダ24が搭載されている。
部品実装機の制御装置(制御手段)は、部品実装機の稼働中に、いずれかのフィーダ23が部品切れになったときに、その部品切れのフィーダ23と同じ部品を供給する予備フィーダ24に切り替えて部品実装を継続する。
従来は、予備フィーダ24への切り替え後も、コンベア13により搬入する回路基板12の停止位置は、予備フィーダ24に切り替える前と同じ位置であるため、回路基板12の停止位置と予備フィーダ24の位置との間の距離が長くなる場合があり、その結果、装着ヘッド33の移動時間(移動距離)が長くなって生産性が低下する場合があった。
そこで、本実施例では、部品実装機の稼働中に、いずれかのフィーダ23が部品切れになったときに、それ以降にコンベア13により搬入する回路基板12の停止位置を、部品切れのフィーダ23と同じ部品を供給する予備フィーダ24の位置に応じて変更するようにしている。具体的には、予備フィーダ24から供給される部品の吸着位置と回路基板12上の部品装着位置との間の装着ヘッド33の移動時間(移動距離)が最短となるように回路基板12の停止位置を変更するようにしている。
更に、本実施例では、コンベア13により回路基板12を搬入する前に、当該回路基板12への部品実装途中におけるフィーダ23の部品切れの有無を予測して当該フィーダ23の部品切れが発生すると予測したときに、当該フィーダ23の位置と予備フィーダ24の位置と回路基板12上の部品装着位置とを考慮してコンベア13により搬入する回路基板12の停止位置を変更するようにしている。
本実施例では、コンベア13により回路基板12を搬入する際に、次のような手順で、回路基板12の停止位置を決定する。この場合、装着ヘッド33に複数本の吸着ノズル34が保持されているため、装着ヘッド33を部品供給装置20側へ移動させる毎に、複数本の吸着ノズル34に順番に部品を吸着した後、装着ヘッド33を回路基板12の上方へ移動させて、複数本の吸着ノズル34に吸着されている複数の部品を回路基板12に順番に実装するという一連の動作を繰り返して部品実装基板を生産する。以下、複数の部品の吸着から実装するまでの一連の動作を「PP」と表記する。
(1) 部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの吸着開始位置(最初の吸着ノズル34の吸着位置)を取得する。
各PPの最初の吸着ノズル34で、正規のフィーダ23から部品を吸着できる場合は、正規のフィーダ23の吸着位置を取得し、正規のフィーダ23が部品切れになって予備フィーダ24に切り替えられた場合は、予備フィーダ24の吸着位置を取得する。尚、1PP目の吸着開始位置は、装着ヘッド33の移動距離の計算に使用しない。
(2) 部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの吸着完了位置(最後の吸着ノズル34の吸着位置)を取得する。
各PPの最後の吸着ノズル34で、正規のフィーダ23から部品を吸着できる場合は、正規のフィーダ23の吸着位置を取得し、正規のフィーダ23が部品切れになって予備フィーダ24に切り替えられた場合は、予備フィーダ24の吸着位置を取得する。
(3) 部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの装着開始位置(最初の吸着ノズル34の装着位置)を取得する。
(4) 部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの装着完了位置(最後の吸着ノズル34の装着位置)を取得する。尚、最終PPの装着完了位置は、装着ヘッド33の移動距離の計算に使用しない。
(5) 吸着位置と装着位置に関して、装着位置から見た各PPの装着ヘッド33の移動距離を計算する。
(6) 全てのPPの装着ヘッド33の移動距離の重心(平均)を計算する。
装着ヘッド33の移動距離が最短となる装着位置は、全てのPPの装着ヘッド33の移動距離の重心位置となる。
(7) 回路基板12の停止位置を重心位置に変更する。
以上説明した本実施例の回路基板12の停止位置決定処理は、部品実装機の制御装置(制御手段)によって図3乃至図7の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
[回路基板の停止位置決定処理]
図3の回路基板停止位置決定処理ルーチンは、コンベア13により回路基板12を搬入する直前に実行され、特許請求の範囲でいう制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、図4の吸着開始位置取得ルーチンを実行して、部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの吸着開始位置(最初の吸着ノズル34の吸着位置)を取得する。
この後、ステップ102に進み、図5の吸着完了位置取得ルーチンを実行して、部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの吸着完了位置(最後の吸着ノズル34の吸着位置)を取得する。
この後、ステップ103に進み、図6の装着開始位置取得ルーチンを実行して、部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの装着開始位置(最初の吸着ノズル34の装着位置)を取得する。
この後、ステップ104に進み、図7の装着完了位置取得ルーチンを実行して、部品実装基板の生産完了までに必要な各PPの装着完了位置(最後の吸着ノズル34の装着位置)を取得する。
この後、ステップ105に進み、各PPの吸着位置と装着位置に関して、装着位置から見た各PPの装着ヘッド33の移動距離を計算する。そして、次のステップ106で、全てのPPの装着ヘッド33の移動距離の重心位置を計算して、ステップ107に進み、重心位置を回路基板12の停止位置として決定して、本ルーチンを終了する。
[吸着開始位置取得]
図4の吸着開始位置取得ルーチンは、前述した図3の回路基板停止位置決定処理ルーチンのステップ101で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、2PP目の吸着開始位置(最初の吸着ノズル34の吸着位置)を確認する。尚、1PP目の吸着開始位置は、装着ヘッド33の移動距離の計算に使用しない。
この後、ステップ202に進み、正規のフィーダ23から部品を吸着可能か否か(部品切れでないか否か)を判定し、正規のフィーダ23から部品を吸着可能と判定されれば、ステップ203に進み、正規のフィーダ23の吸着位置を取得する。
これに対し、上記ステップ202で、正規のフィーダ23から部品を吸着可能でない(部品切れである)と判定されれば、ステップ204に進み、予備フィーダ24の吸着位置を取得する。
この後、ステップ205に進み、最終PPの吸着開始位置を取得したか否かを判定し、まだ最終PPの吸着開始位置を取得していなければ、ステップ206に進み、次のPPの吸着開始位置を確認してから、ステップ202に戻る。これにより、各PPの吸着開始位置を取得する処理を繰り返す。その後、最終PPの吸着開始位置を取得した時点で、ステップ205で「Yes」と判定されて本ルーチンを終了する。
[吸着完了位置取得]
図5の吸着完了位置取得ルーチンは、前述した図3の回路基板停止位置決定処理ルーチンのステップ102で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、1PP目の吸着完了位置(最後の吸着ノズル34の吸着位置)を確認する。
この後、ステップ302に進み、正規のフィーダ23から部品を吸着可能か否か(部品切れでないか否か)を判定し、正規のフィーダ23から部品を吸着可能と判定されれば、ステップ303に進み、正規のフィーダ23の吸着位置を取得する。
これに対し、上記ステップ302で、正規のフィーダ23から部品を吸着可能でない(部品切れである)と判定されれば、ステップ304に進み、予備フィーダ24の吸着位置を取得する。
この後、ステップ305に進み、最終PPの吸着完了位置を取得したか否かを判定し、まだ最終PPの吸着完了位置を取得していなければ、ステップ306に進み、次のPPの吸着完了位置を確認してから、ステップ302に戻る。これにより、各PPの吸着完了位置を取得する処理を繰り返す。その後、最終PPの吸着完了位置を取得した時点で、ステップ305で「Yes」と判定されて本ルーチンを終了する。
[装着開始位置取得]
図6の装着開始位置取得ルーチンは、前述した図3の回路基板停止位置決定処理ルーチンのステップ103で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まずステップ401で、1PP目の装着開始位置(最初の吸着ノズル34の装着位置)を確認する。
この後、ステップ402に進み、装着開始位置を取得し、次のステップ403で、最終PPの装着開始位置を取得したか否かを判定し、まだ最終PPの装着開始位置を取得していなければ、ステップ404に進み、次のPPの装着開始位置を確認してから、ステップ402に戻る。これにより、各PPの装着開始位置を取得する処理を繰り返す。その後、最終PPの装着開始位置を取得した時点で、ステップ403で「Yes」と判定されて本ルーチンを終了する。
[装着完了位置取得]
図7の装着完了位置取得ルーチンは、前述した図3の回路基板停止位置決定処理ルーチンのステップ104で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まずステップ501で、1PP目の装着完了位置(最後の吸着ノズル34の装着位置)を確認する。
この後、ステップ502に進み、装着完了位置を取得し、次のステップ503で、「最終PP−1」の装着完了位置を取得したか否かを判定し、まだ「最終PP−1」の装着完了位置を取得していなければ、ステップ504に進み、次のPPの装着完了位置を確認してから、ステップ502に戻る。これにより、各PPの装着完了位置を取得する処理を繰り返す。尚、最終PPの装着完了位置は、装着ヘッド33の移動距離の計算に使用しない。その後、「最終PP−1」の装着完了位置を取得した時点で、ステップ503で「Yes」と判定されて本ルーチンを終了する。
以上説明した本実施例によれば、部品実装機の稼働中に、いずれかのフィーダ23が部品切れになったときに、それ以降にコンベア13により搬入する回路基板12の停止位置を、部品切れのフィーダ23と同じ部品を供給する予備フィーダ24の位置に応じて変更するため、回路基板12の停止位置と予備フィーダ24の位置との間の装着ヘッド33の移動時間(移動距離)を短くすることが可能となり、生産時間を短くできる。
尚、本発明は、部品実装機の稼働中に、いずれかのフィーダ23が異常(故障)となったときに、それ以降にコンベア13により搬入する回路基板12の停止位置を、部品切れのフィーダ23と同じ部品を供給する予備フィーダ24の位置に応じて変更するようにしても良い。このようにすれば、部品実装機の稼働中に、いずれかのフィーダ23が異常となったときに、その異常のフィーダ23と同じ部品を供給する予備フィーダ24に切り替えて部品実装を継続する場合でも、部品切れの場合と同様に、回路基板12の停止位置と予備フィーダ24の位置との間の装着ヘッド33の移動時間(移動距離)を短くすることが可能となり、生産時間を短くできる。
ところで、部品実装機は、吸着ノズル34に吸着した部品をカメラ35で撮像して、部品の吸着位置や吸着姿勢等を画像認識する機能を備えているが、このカメラ35の位置が部品実装機本体側に固定されていると、吸着部品の撮像位置と部品吸着位置(フィーダ23の位置)と回路基板12上の部品装着位置の三者を考慮して回路基板12の停止位置を設定する必要があり、予備フィーダ24の位置に応じて回路基板12の停止位置を変更する効果が小さくなる。
そこで、本実施例では、吸着ノズル34を保持する装着ヘッド33に、該吸着ノズル33に吸着した部品を撮像するカメラ35を保持させるようにしている。このようにすれば、部品吸着位置と回路基板12上の部品装着位置との間を装着ヘッド33が一直線で移動できると共に、その移動中に吸着ノズル34に吸着されている部品の吸着位置や吸着姿勢等をカメラ35で撮像して認識することができる。
但し、本発明は、吸着ノズル34に吸着した部品を撮像するカメラを部品実装機本体側に設けた構成としても良い。この場合には、いずれかのフィーダ23が部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板12の停止位置を変更する際に、前記カメラの位置と回路基板12上の部品装着位置との間の装着ヘッド33の移動時間(移動距離)が最短となるように回路基板12の停止位置を変更するようにすれば良い。このようにしても、生産時間を短くできる。
また、本実施例では、コンベア13により回路基板12を搬入する前に、図3の回路基板停止位置決定処理ルーチンを実行することで、当該回路基板12への部品実装途中におけるフィーダ23の部品切れの有無を予測して当該フィーダ23の部品切れが発生すると予測したときに、当該フィーダ23の位置と予備フィーダ24の位置と回路基板12上の部品装着位置とを考慮してコンベア13により搬入する回路基板12の停止位置を変更することができるため、回路基板12への部品実装途中でフィーダ23の部品切れが発生すると予測した場合は、当該フィーダ23の位置と予備フィーダ24の位置と回路基板12上の部品装着位置との間の装着ヘッド33の移動時間(移動距離)が短くなるように回路基板12の停止位置を変更することができ、回路基板12への部品実装途中でフィーダ23の部品切れが発生する場合にも対応できる。
ところで、回路基板12への部品実装途中でいずれかのフィーダ23が部品切れになったときに、予備フィーダ24の位置に応じて部品実装途中の回路基板12の停止位置を変更することが考えられるが、部品実装途中の回路基板12の停止位置の変更に要する時間の方が、その停止位置変更後に短縮される実装時間の短縮分よりも長くなる場合があり、部品実装途中の回路基板12の停止位置を変更しない方が良い場合もある。
そこで、いずれかのフィーダ23が部品切れになったときに、部品実装途中の回路基板12の停止位置の変更に要する時間と、その停止位置変更後に短縮される実装時間の短縮分とを比較して、実装時間の短縮分の方が大きい場合は、当該回路基板12への部品実装を中断して当該回路基板12の停止位置を変更してから当該回路基板12への部品実装を再開するようにしても良い。このようにすれば、回路基板12への部品実装途中でフィーダ23の部品切れが発生したときに、予備フィーダ24の位置に応じて回路基板12の停止位置を変更した方が生産時間を短縮できる場合のみ、部品実装途中の回路基板12の停止位置を変更することができる。
また、本実施例の部品実装機では、吸着ノズル34を保持する装着ヘッド33は、コンベア13の搬送方向であるX方向とその直交方向であるY方向に同時に駆動可能な2軸ロボットに保持されている。この構成では、装着ヘッド33をフィーダ23と回路基板12との間をY方向に駆動するのと同時にX方向にも駆動できるため、部品切れのフィーダ23と予備フィーダ24との間のX方向距離が比較的短ければ、Y方向駆動中にX方向への駆動が終了してしまい、回路基板12の停止位置を変更する必要がない。
この点を考慮して、吸着ノズル34を保持する装着ヘッド33が2軸ロボットに保持されている場合は、いずれかのフィーダ23が部品切れになったときに、当該部品切れのフィーダ23と予備フィーダ24との間を装着ヘッド33がX方向に移動するのに要するX方向移動時間と、当該予備フィーダ24と回路基板12上の部品装着位置との間を装着ヘッド33がY方向に移動するのに要するY方向移動時間とを比較して、Y方向移動時間の方が大きい場合は、回路基板12の停止位置を変更しないようにしても良い。このようにすれば、回路基板12の停止位置を変更して生産時間を短縮できる場合のみ、回路基板12の停止位置を変更することができる。
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、部品実装機の両側にフィーダを配置した構成としたり、複数本のコンベアを設けた構成としても良く、また、装着ヘッドに吸着ノズルを1本のみ取り付けるようにしても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
11…ベース台、12…回路基板、13…コンベア、20…部品供給装置、23…フィーダ、24…予備フィーダ、31…Xスライド、33…装着ヘッド、34…吸着ノズル、35…カメラ、36…プリズム

Claims (7)

  1. 回路基板を搬入するコンベアと、前記コンベアに沿って配列された複数のフィーダと、前記フィーダから供給される部品を吸着して前記回路基板に実装する吸着ノズルとを備え、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、その部品切れ又は異常のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダに切り替えて部品実装を継続する部品実装機において、
    前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に前記コンベアにより搬入する回路基板の停止位置を、前記部品切れ又は異常のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダの位置に応じて変更する制御手段を備え
    前記制御手段は、前記コンベアにより回路基板を搬入する前に、当該回路基板への部品実装途中における前記フィーダの部品切れの有無を予測して当該フィーダの部品切れが発生すると予測したときに当該フィーダの位置と前記予備フィーダの位置と当該回路基板上の部品装着位置とを考慮して前記コンベアにより搬入する回路基板の停止位置を変更することを特徴とする部品実装機。
  2. 回路基板を搬入するコンベアと、前記コンベアに沿って配列された複数のフィーダと、前記フィーダから供給される部品を吸着して前記回路基板に実装する吸着ノズルとを備え、いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、その部品切れ又は異常のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダに切り替えて部品実装を継続する部品実装機において、
    前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に前記コンベアにより搬入する回路基板の停止位置を、前記部品切れ又は異常のフィーダと同じ部品を供給する予備フィーダの位置に応じて変更する制御手段を備え、
    前記吸着ノズルを保持する装着ヘッドは、前記コンベアの搬送方向であるX方向とその直交方向であるY方向に同時に駆動可能な2軸ロボットに保持され、
    前記制御手段は、前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、当該部品切れ又は異常のフィーダと前記予備フィーダとの間を前記装着ヘッドがX方向に移動するのに要するX方向移動時間と、当該予備フィーダと前記回路基板上の部品装着位置との間を前記装着ヘッドがY方向に移動するのに要するY方向移動時間とを比較して、Y方向移動時間の方が大きい場合は、前記回路基板の停止位置を変更しないことを特徴とする部品実装機。
  3. 前記制御手段は、前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板の停止位置を変更する際に、前記予備フィーダから供給される部品の吸着位置と前記回路基板上の部品装着位置との間の前記吸着ノズルの移動時間が最短となるように前記回路基板の停止位置を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装機。
  4. 前記制御手段は、前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板の停止位置を変更する際に、前記予備フィーダから供給される部品の吸着位置と前記回路基板上の部品装着位置との間の前記吸着ノズルの移動距離の重心位置を前記回路基板の停止位置とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装機。
  5. 前記吸着ノズルを保持する装着ヘッドには、該吸着ノズルに吸着した部品を撮像するカメラが保持されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の部品実装機。
  6. 前記吸着ノズルに吸着した部品を撮像するカメラが部品実装機本体側に設けられ、
    前記制御手段は、前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、それ以降に搬入する回路基板の停止位置を変更する際に、前記カメラの位置と前記回路基板上の部品装着位置との間の前記吸着ノズルの移動時間が最短となるように前記回路基板の停止位置を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装機。
  7. 前記制御手段は、前記いずれかのフィーダが部品切れ又は異常になったときに、部品実装途中の回路基板の停止位置の変更に要する時間と、その停止位置変更後に短縮される実装時間の短縮分とを比較して、実装時間の短縮分の方が大きい場合は、当該回路基板への部品実装を中断して当該回路基板の停止位置を変更してから当該回路基板への部品実装を再開することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の部品実装機。
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