WO2014076734A1 - 静電アクチュエーター、可変容量デバイスおよび静電アクチュエーターの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
簡単な構成で、固定電極から第1可動梁を引き離す際に強い引離し力を得ることができる静電アクチュエーター等を提供する。 静電アクチュエーター4は、シリコン基板2に設けられた固定駆動電極21と、相互に折り返し構造を為して連なり蛇腹状に伸縮可能に構成された第1可動梁31および第2可動梁32を有し、第1可動梁31と固定駆動電極21との間の静電気力により、両可動梁が蛇腹状に伸びて第1可動梁31が固定駆動電極21に近づくと共に、両可動梁間の静電気力により、両可動梁が蛇腹状に縮んで第1可動梁31が固定駆動電極21から離れる可動部22とを備え、両可動梁の少なくとも一方は、主体を為す絶縁体部と、絶縁体部の固定駆動電極21側の面およびこれとは反対側の面の少なくとも一方に形成された導電体層とを有する。
Description
本発明は、固定電極とこれに対向する可動梁とを有し、静電気力を利用して、固定電極に対し可動梁を離接させる静電アクチュエーター、可変容量デバイスおよび静電アクチュエーターの駆動方法に関するものである。
従来、シグナル線と、シグナル線の上方にこれと対向して設けられた電極とから成る可変容量を駆動する静電型アクチュエーターが知られている。この静電型アクチュエーターは、絶縁層を介して可変容量の電極に繋がった可動側の上部電極と、上部電極に対向する固定側の下部電極と、上部電極に接続されたばね構造部とを備えている。そして、上部電極および下部電極間にプルイン電圧を印加することで、上部電極および下部電極間に静電気力が働き、上部電極が下部電極に近づく。これにより、上部電極に繋がった可変容量の電極が下方に駆動してシグナル線上の絶縁膜と接触する。また、プルイン電圧の印加を停止すると、ばね構造部の復元力により、上部電極が下部電極から引き離され、これに伴って電極が上方に駆動してシグナル線から引き離される。このように、電極とシグナル線との間の距離を変化させることで、可変容量の容量値が変化する。
ところで、この種の静電型アクチュエーター(静電アクチュエーター)では、可変容量(可変容量素子)に電圧を印加した状態で駆動するホットスイッチング時などにおいて、下部電極(固定電極)から上部電極(第1可動梁)を引き離すときに、強い引離し力を必要とする場合がある。そのため、従来の静電型アクチュエーターでは、ばね構造部のバネ定数を高くすることが考えられるが、これでは、上部電極を下部電極に近づける際に強い静電気力を必要とするため、プルイン電圧を高くするか、上部電極と下部電極との対向面積を広くしなければならない。
これに対し、上部電極の上方に、第3の電極を上部電極と平行に設け、上部電極と第3の電極との間に静電気力を生じさせて、上部電極を下部電極から引き離す構成とすることも考えられる。しかしながら、この構成では、上部電極を下部電極から引き離す離間動作の開始時には、上部電極が下部電極に近づいた状態であり、上部電極が第3の電極から最大限離れた状態となっているため、離間動作の開始時に、上部電極と第3の電極との間に強い静電気力を作用させることができない。このため、離間動作の初動が遅く離間動作全体の動作速度が遅くなってしまい、静電アクチュエーターの動作を安定的に行うことができない。
本発明は、簡単な構成で、固定電極から第1可動梁を引き離す際に強い引離し力を得ることができる静電アクチュエーター、可変容量デバイスおよび静電アクチュエーターの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明の静電アクチュエーターは、基板に設けられた固定電極と、相互に折り返し構造を為して連なり蛇腹状に伸縮可能に構成された複数の可動梁を有する可動部と、を備え、可動部は、複数の可動梁のうち固定電極に対向する第1可動梁と固定電極との間の静電気力により、複数の可動梁が蛇腹状に伸びて第1可動梁が固定電極に近づき、相互に対向する複数の可動梁相互間の静電気力により、複数の可動梁が蛇腹状に縮んで第1可動梁が固定電極から離れ、複数の可動梁の少なくとも1本は、主体を為す絶縁体部と、絶縁体部の固定電極側の面および固定電極とは反対側の面の少なくとも一方に形成された導電体層と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、複数の可動梁が相互に折り返し構造を為して連なると共に蛇腹状に伸縮可能に構成されていることから、可動梁相互の折り返し部分近傍において、可動梁同士が常に近接して対向した状態となるため、可動梁相互間に強い静電気力を生じさせることができる。その結果、第1可動梁を固定電極から引き離す離間動作の開始時にも、強い引離し力を得ることができる。このように、簡単な構成で、固定電極から第1可動梁を引き離す際に強い引離し力を得ることができる。
なお、当該構成において、可動梁同士は非導通となるように構成されている。
なお、当該構成において、可動梁同士は非導通となるように構成されている。
この場合、第1可動梁が固定電極に近づく際、複数の可動梁の少なくとも1本が、弾性を持って変形すると共に、当該変形の復元力が、第1可動梁を固定電極から引き離す引離し力として作用することが好ましい。
この構成によれば、可動梁相互間の静電気力に加え、弾性変形した可動梁の復元力によって、第1可動梁を固定電極から引き離すため、より強い引離し力を得ることができる。
この場合、固定電極は、第1可動梁が固定電極に近づくための所要のプルイン動作電圧を印加する第1印加電源に接続され、複数の可動梁のうち第1可動梁側から数えて奇数番目の可動梁は、基準電位点に接続され、複数の可動梁のうち第1可動梁側から数えて偶数番目の可動梁は、第1可動梁が固定電極から離れるための所要のプルアウト動作電圧を印加する第2印加電源に接続されることが好ましい。
第1可動梁が固定電極に近づく近接動作の際に、可動梁相互間に電位差が生じていると、それによる静電気力が近接動作の妨げになる。また、第1可動梁が固定電極から離れる離間動作の際に、固定電極と第1可動梁との間に電位差が生じていると、それによる静電気力が離間動作の妨げになる。そのため、近接動作時には、可動梁同士が同一の電位を有していることが好ましく、離間動作時には、固定電極と第1可動梁とが同一の電位を有していることが好ましい。そのため、例えば、近接動作時には、固定電極、奇数番目の可動梁(第1可動梁を含む)および偶数番目の可動梁に対し、それぞれ、基準電圧、プルイン動作電圧およびプルイン動作電圧を印加し、離接動作時には、それぞれ、プルアウト動作電圧、プルアウト動作電圧および基準電圧を印加することが考えられる。しかしながら、この場合、固定電極、奇数番目の可動梁および偶数番目の可動梁のそれぞれに対して電位制御を行うことになるため、煩雑である。
これに対し、上記構成によれば、近接動作時には、固定電極、奇数番目の可動梁(第1可動梁を含む)および偶数番目の可動梁に対し、それぞれ、プルイン電圧、基準電圧および基準電圧を印加し、離接動作時には、それぞれ、基準電圧、基準電圧およびプルアウト動作電圧を印加すれば、近接動作時には、可動梁同士が同一の電位を有し、離間動作時には、固定電極と第1可動梁とが同一の電位を有することになる。このため、奇数番目の可動梁に対して電位制御を行う必要がなく、固定電極に対して第1可動梁を離接動作させるための電位制御を、簡易な構成で行うことができる。
これに対し、上記構成によれば、近接動作時には、固定電極、奇数番目の可動梁(第1可動梁を含む)および偶数番目の可動梁に対し、それぞれ、プルイン電圧、基準電圧および基準電圧を印加し、離接動作時には、それぞれ、基準電圧、基準電圧およびプルアウト動作電圧を印加すれば、近接動作時には、可動梁同士が同一の電位を有し、離間動作時には、固定電極と第1可動梁とが同一の電位を有することになる。このため、奇数番目の可動梁に対して電位制御を行う必要がなく、固定電極に対して第1可動梁を離接動作させるための電位制御を、簡易な構成で行うことができる。
この場合、可動部が、3本以上の可動梁を有することが好ましい。
この構成によれば、可動部が2本の可動梁を有する場合に比べ、より強い引離し力を得ることができる。
本発明の可変容量デバイスは、請求項1ないし4のいずれかに記載の静電アクチュエーターと、静電アクチュエーターを駆動源として駆動し、静電容量を可変する可変容量素子と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、簡単な構成で、固定電極から第1可動梁を引き離す際に強い引離し力を得ることができる静電アクチュエーターを備えたことで、動作安定性の高い可変容量デバイスを提供することができる。
なお、可変容量デバイスとは、可変容量コンデンサーおよび可変容量型のスイッチ等を含む概念である。
なお、可変容量デバイスとは、可変容量コンデンサーおよび可変容量型のスイッチ等を含む概念である。
この場合、静電アクチュエーターは、可変容量素子に電圧を印加した状態で、固定電極に対する第1可動梁の離接動作を行うことが好ましい。
可変容量素子に電圧を印加した状態で第1可動梁の離接動作を行う、いわゆるホットスイッチングを行うと、その印加電圧に起因して、可変容量素子を構成する対向電極間に静電引力が生じるため、固定電極から第1可動梁を引き離す際の引離し力が弱いと、固定電極に第1可動梁が貼り付いて(スティッキング)しまう場合がある。
これに対し、上記構成によれば、固定電極から第1可動梁を引き離す際に強い引離し力を得ることができる静電アクチュエーターを備えたことで、スティッキングを効果的に防止することができ、ホットスイッチングを安定的に行うことができる。
これに対し、上記構成によれば、固定電極から第1可動梁を引き離す際に強い引離し力を得ることができる静電アクチュエーターを備えたことで、スティッキングを効果的に防止することができ、ホットスイッチングを安定的に行うことができる。
本発明の静電アクチュエーターの駆動方法は、基板に設けられた固定電極と、相互に折り返し構造を為して連なり蛇腹状に伸縮可能に構成された複数の可動梁を有する可動部と、を備え、可動部は、複数の可動梁のうち固定電極に対向する第1可動梁と固定電極との間の静電気力により、複数の可動梁が蛇腹状に伸びて第1可動梁が固定電極に近づき、相互に対向する複数の可動梁相互間の静電気力により、複数の可動梁が蛇腹状に縮んで第1可動梁が固定電極から離れ、複数の可動梁の少なくとも1本は、主体を為す絶縁体部と、絶縁体部の固定電極側の面および固定電極とは反対側の面の少なくとも一方に形成された導電体層と、を有する静電アクチュエーターの駆動方法であって、固定電極に対し、第1可動梁が固定電極に近づくための所要のプルイン動作電圧を印加し、複数の可動梁のうち第1可動梁側から数えて奇数番目の可動梁を、基準電位点に接続し、複数の可動梁のうち第1可動梁側から数えて偶数番目の可動梁に対し、第1可動梁が固定電極から離れるための所要のプルアウト動作電圧を印加することを特徴とする。
この構成によれば、複数の可動梁が相互に折り返し構造を為して連なっているため、個々の可動梁に対して支持部材を設ける必要がない。また、可動部が、複数の可動梁により蛇腹状に伸縮可能に構成されていることから、可動梁相互の折り返し部分近傍において、可動梁同士が常に近接して対向した状態となるため、可動梁相互間に強い静電気力を生じさせることができる。その結果、第1可動梁を固定電極から引き離す離間動作の開始時にも、強い引離し力を得ることができる。このように、簡単な構成で、固定電極から第1可動梁を引き離す際に強い引離し力を得ることができる。さらに、奇数番目の可動梁が基準電位点に接続されていることで、固定電極に対し、近接動作時にプルイン動作電圧を印加すると共に離間動作時に基準電圧を印加し、偶数番目の可動梁に対し、近接動作時に基準電圧を印加すると共に離間動作時にプルアウト動作電圧を印加すればよいため、奇数番目の可動梁に対して電位制御を行う必要がない。したがって、固定電極に対して第1可動梁を離接動作させるための電位制御を、簡易な構成で行うことができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る静電アクチュエーターおよびこれを備えた可変容量デバイスについて説明する。本実施形態では、可変容量デバイスとして、可変容量コンデンサーを例示する。この可変容量コンデンサーは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスであり、半導体集積回路作製技術を用いて、シリコン基板などの半導体基板上に、電子回路および機械構造を作り込むことで構成されている。
図1ないし図4に示すように、可変容量コンデンサー1は、シリコン基板2と、シリコン基板2上に設けられた可変容量素子3と、シリコン基板2上に設けられ、可変容量素子3の両側に連なる一対の静電アクチュエーター4とを備えている。この可変容量コンデンサー1においては、可変容量素子3にRF(Radio Frequency)電圧が印加された状態で、静電アクチュエーター4を駆動源として可変容量素子3を駆動して静電容量を可変する、いわゆるホットスイッチングが行われる。
なお、本実施形態では、シリコン基板2の表面において、可変容量素子3に対して一対の静電アクチュエーター4が連なる方向(図2の左右方向)を左右方向とし、それに直交する方向(図2の上下方向)を前後方向とする。また、シリコン基板2の厚さ方向(図2の紙面に直交する方向)を上下方向とする。
なお、本実施形態では、シリコン基板2の表面において、可変容量素子3に対して一対の静電アクチュエーター4が連なる方向(図2の左右方向)を左右方向とし、それに直交する方向(図2の上下方向)を前後方向とする。また、シリコン基板2の厚さ方向(図2の紙面に直交する方向)を上下方向とする。
シリコン基板2の表面には、例えばSiO2(シリコン酸化膜)から成る絶縁層5が形成されており、この絶縁層5上に、可変容量素子3および一対の静電アクチュエーター4が設けられている。
可変容量素子3は、シリコン基板2上に設けられた固定容量電極11と、固定容量電極11の上方に設けられ、これに対向(対面)する可動容量電極12と、固定容量電極11の表面を覆う絶縁膜13とを備えており、可動容量電極12が静電アクチュエーター4により上下に駆動するようになっている。固定容量電極11および可動容量電極12は、Al(アルミニウム)などの導電体で構成され、絶縁膜13は、例えばSiO2で構成されている。また、固定容量電極11がグランド電極に電気的に接続されると共に、可動容量電極12が取出し部14を介してシグナル電極に接続されており、固定容量電極11と可動容量電極12との間に所定のRF電圧が印加され、RF電圧に起因した静電引力が生じる。
そして、可変容量素子3は、可動容量電極12が静電アクチュエーター4により上下に駆動し、固定容量電極11と可動容量電極12との距離が変化することで、静電容量が2段階に可変するようになっている。なお、本実施形態では、可動容量電極12は、絶縁膜13と接触するまで下方に駆動するが、絶縁膜13を設けずに、エアギャップを介して固定容量電極11と対向するようにしてもよい。
静電アクチュエーター4は、可変間隔型のものであり、シリコン基板2上に設けた固定駆動電極21と、固定駆動電極21の上方に設けられた可動部22と、シリコン基板2上に立設され、可動部22を支持する電極支持部23とを備えている。
固定駆動電極21は、Alなどの導電体で構成されている。固定駆動電極21は、第1印加電源W1に接続されており、固定駆動電極21に所要のプルイン動作電圧が印加される。なお、プルイン動作電圧とは、固定駆動電極21と可動部22の第1可動梁31(後述する)との間の静電気力(静電引力)により、第1可動梁31が固定駆動電極21と接触する状態(プルイン状態)が生じる電圧(いわゆるプルイン電圧)以上の電圧である。また、固定駆動電極21は、例えばSiO2から成る絶縁膜24で覆われており、可動部22の第1可動梁31は、絶縁膜24と接触するまで下方に引き寄せられる。
可動部22は、固定駆動電極21側(下側)から順に、第1可動梁31および第2可動梁32を有している。第1可動梁31および第2可動梁32は、絶縁体で構成された連結部34を介して、相互に折り返し構造を為して連なっている。すなわち、第1可動梁31と第2可動梁32とは、左右方向における外側(可変容量素子3側とは反対側)の端部において、連結部34を介して互いに連結(接続)されている。
第1可動梁31は、その内側の略半部(先端部)において、固定駆動電極21と対向すると共に、その外側略半部(基端部)が前後に余地を残して矩形状にくり抜いたように形成されている。また、可動部22は、第2可動梁32の内側端部に形成された前後一対の被支持部35により、電極支持部23に支持されている。そして、可動部22は、被支持部35により電極支持部23に支持された状態で、第1可動梁31および第2可動梁32が、蛇腹状(べローズ状)に伸縮可能となっている。
すなわち、可動部22は、第1可動梁31と固定駆動電極21とが離間した定常状態において、第1可動梁31と固定駆動電極21との間に静電気力が生ずると、第1可動梁31および第2可動梁32が蛇腹状に伸び、第1可動梁31が固定駆動電極21に近づく(近接動作)。このとき、第1可動梁31は、固定駆動電極21との間の静電気力により、第2可動梁32に連結された連結部34を中心に下方に回動するようにして弾性変形しながら固定駆動電極21に近づき、内側略半部が絶縁膜24と接触する。また、第2可動梁32も、電極支持部23に支持された被支持部35を中心に下方に回動するようにして弾性変形する。つまり、第1可動梁31および第2可動梁32は、連結部34を中心に横「V」字状に拡開するようにして弾性変形する。
また、可動部22は、蛇腹状に伸びて第1可動梁31が固定駆動電極21に近づいた状態で、第1可動梁31と第2可動梁32との間に静電気力が生じると、その静電気力と、弾性変形した第1可動梁31および第2可動梁32のバネ力(復元力)とにより、第1可動梁31および第2可動梁32が蛇腹状に縮み、第1可動梁31が固定駆動電極21から離れる(離間動作)。このとき、第1可動梁31および第2可動梁32は、連結部34側からファスナー状(ジッパー状)に閉じるようにして、弾性変形した状態から復元する。
以上のようにして、第1可動梁31は、固定駆動電極21に対して離接する。また、第1可動梁31は、その内側(可変容量素子3側)で、絶縁体で構成された接続部36を介して、可変容量素子3の可動容量電極12と接続している。これにより、第1可動梁31が固定駆動電極21に対して離接することに伴って、可動容量電極12が上下に駆動する。
第1可動梁31は、主体を為す第1絶縁体部31aと、第1絶縁体部31aの固定駆動電極21側の面(下面)に形成された第1下側導電体層31bおよび固定駆動電極21とは反対側の面(上面)に形成された第1上側導電体層31cとを有している。第1絶縁体部31aは、SiO2(酸化シリコン)などの絶縁体から構成されている。また、第1下側導電体層31bおよび第1上側導電体層31cは、Alなどの導電体から構成されており、基準電位点GNDに接続され、常に基準電位(グランド電位)を有している。
第2可動梁32は、第1可動梁31と同様に構成され、主体を為す第2絶縁体部32aと、第2絶縁体部32aの下面に形成された第2下側導電体層32bおよび上面に形成された第2上側導電体層32cとを有している。第2下側導電体層32bおよび第2上側導電体層32cは、取出し部37を介して、第2印加電源W2に接続されており、第2下側導電体層32bおよび第2上側導電体層32cに所要のプルアウト動作電圧が印加される。なお、プルアウト動作電圧とは、第1可動梁31と第2可動梁32との間の静電気力により、第1可動梁31が固定駆動電極21から離間する状態(プルアウト状態)が生じる電圧以上の電圧である。
電極支持部23は、第2可動梁32の前後一対の被支持部35を支持する前後一対の第1アンカー部46および第2アンカー部47を有している。一対の静電アクチュエーター4において、前方(図2の下方)の第1アンカー部46同士は、一体に形成されており、後方(図2の上方)の第2アンカー部47同士は、可動容量電極12の取出し部14を避けるように離間して別体で形成されている。
図5を参照しつつ、静電アクチュエーター4における、固定駆動電極21や第2可動梁32へのプルイン動作電圧やプルアウト動作電圧の印加による、可動部22の近接動作および離間動作について説明する。なお、上述したように、第1可動梁31(第1下側導電体層31bおよび第1上側導電体層31c)には、常に基準電圧が印加されている。
図5(a)に示すように、定常状態において、固定駆動電極21には、基準電圧が印加され、固定駆動電極21と第1可動梁31とは同一の電位を有している。同様に、第2可動梁32(第2下側導電体層32bおよび第2上側導電体層32c)には、基準電圧が印加され、第1可動梁31と第2可動梁32とは同一の電位を有している。
図5(b)に示すように、定常状態において、第1印加電源W1を制御して固定駆動電極21にプルイン動作電圧が印加されると、固定駆動電極21と第1可動梁31との間に電圧差が生じ、その電圧差で固定駆動電極21と第1可動梁31との間に静電気力が生じる。このとき、第1可動梁31と第2可動梁32とは同電位のままであり、第1可動梁31と第2可動梁32との間に静電気力は生じていない。そして、固定駆動電極21と第1可動梁31との間に生じた静電気力により、第1可動梁31および第2可動梁32が、それぞれのバネ力に抗して蛇腹状に伸び、第1可動梁31が固定駆動電極21に近づく(近接動作)。
図5(c)に示すように、近接動作の後、第1可動梁31が絶縁膜24に接触したプルイン状態となる。プルイン状態でも、引き続き、固定駆動電極21にはプルイン動作電圧が印加され、第1可動梁31および第2可動梁32は基準電位を有している。なお、プルイン状態を維持するのに必要なプルイン維持電圧は、プルイン状態にするプルイン電圧よりも低いため、プルイン状態では、固定駆動電極21に、プルイン動作電圧よりも低い電圧(ただしプルイン維持電圧以上の電圧)を印加する構成であってもよい。
図5(d)に示すように、プルイン状態において、第1印加電源W1を制御して固定駆動電極21に基準電圧が印加されると、固定駆動電極21と第1可動梁31とは同電位となり、固定駆動電極21と第1可動梁31との間の静電気力が解除される。これと共に、第2印加電源W2を制御して第2可動梁32にプルアウト動作電圧が印加されると、第1可動梁31と第2可動梁32との間に電圧差が生じ、その電圧差で第1可動梁31と第2可動梁32との間に静電気力が生じる。
ここで、特に連結部34の近傍においては、第1可動梁31が絶縁膜24に接触した状態でも、第1可動梁31と第2可動梁32との距離が短いため、強い静電気力が生じる。例えば、離間動作において、プルアウト動作電圧Vを印加した場合、第1可動梁31と第2可動梁32との間の静電気力F1は以下のようになる。すなわち、第1可動梁31の左右方向の長さをL、前後方向の長さをW、第1可動梁31の基端部(連結部34側の端部)での第2可動梁32との離間距離をG0、先端部(連結部34とは反対側の端部)での第2可動梁32との離間距離をG1、第1可動梁31と第2可動梁32との空間の誘電率をεとする。そして、第1可動梁31の基端部から先端部までにおける第2可動梁32との離間距離f(x)を、一次線形近似で計算すると、
f(x)=((G1-G0)×x/L)+G0
となる。ここで、xは、基端部をゼロとした位置座標である。これを利用して、静電気力F1を計算すると、
F1=(1/2)×ε×W×L×V2/(G0×G1)
となる。
f(x)=((G1-G0)×x/L)+G0
となる。ここで、xは、基端部をゼロとした位置座標である。これを利用して、静電気力F1を計算すると、
F1=(1/2)×ε×W×L×V2/(G0×G1)
となる。
一方、単に、第1可動梁31の上方に、第2可動梁32を第1可動梁31と平行に設けた場合には、第1可動梁31と第2可動梁32との離間距離が、第1可動梁31の先端部から基端部までの全域でG1となるため、この場合の静電気力F0を計算すると、
F0=(1/2)×ε×W×L×V2/(G1)2
となる。
G0<<G1であることから、本実施形態における静電気力F1の方が、静電気力F0よりも格段に大きい数値となる。
F0=(1/2)×ε×W×L×V2/(G1)2
となる。
G0<<G1であることから、本実施形態における静電気力F1の方が、静電気力F0よりも格段に大きい数値となる。
そして、第1可動梁31と第2可動梁32との間に生じた静電気力と、第1可動梁31および第2可動梁32のバネ力とにより、第1可動梁31が固定駆動電極21から離れ(離間動作)、プルイン状態から定常状態へと戻る。
以上のように、本実施形態の静電アクチュエーター4によれば、第1可動梁31および第2可動梁32が相互に折り返し構造を為して連なっているため、第2可動梁32を支持する電極支持部23を設ければよく、第1可動梁31および第2可動梁32それぞれに対して支持部材を設ける必要がない。また、可動部22が、第1可動梁31および第2可動梁32により蛇腹状に伸縮可能に構成されていることから、第1可動梁31と第2可動梁32との折り返し部分(連結部34)近傍において、第1可動梁31と第2可動梁32とが常に近接して対向した状態となるため、第1可動梁31と第2可動梁32との間に強い静電気力を生じさせることができる。その結果、第1可動梁31を固定駆動電極21から引き離す離間動作の開始時にも、強い引離し力を得ることができる。このように、簡単な構成で、固定駆動電極21から第1可動梁31を引き離す際に強い引離し力を得ることができる。したがって、本実施形態の可変容量コンデンサー1は、可変容量素子3においてスティッキングを効果的に防止することができ、ホットスイッチングを安定的に行うことができる。
また、第1可動梁31が固定駆動電極21に近づく際、第1可動梁31および第2可動梁32が、弾性を持って変形することで、上記の静電気力に加え、弾性変形した第1可動梁31および第2可動梁32のバネ力(復元力)によっても、第1可動梁31を固定駆動電極21から引き離すため、より強い引離し力を得ることができる。もっとも、第1可動梁31および第2可動梁32が弾性変形することなく、静電気力のみによって、第1可動梁31を固定駆動電極21から引き離す構成であってもよい。
また、本実施形態では、近接動作時には、固定駆動電極21、第1可動梁31および第2可動梁32に対し、それぞれ、プルイン電圧、基準電圧および基準電圧を印加し、離接動作時には、それぞれ、基準電圧、基準電圧およびプルアウト動作電圧を印加することで、近接動作時には、第1可動梁31および第2可動梁32が同一の電位を有し、離間動作時には、固定駆動電極21と第1可動梁31とが同一の電位を有する。このため、固定駆動電極21と第1可動梁31との間や、第1可動梁31と第2可動梁32との間に、近接動作や離間動作の妨げとなる静電気力が生ずることがない。そして、第1可動梁31に対して電位制御を行う必要がなく、固定駆動電極21に対して第1可動梁31を離接動作させるための電位制御を、簡易な構成で行うことができる。
本実施形態では、第1可動梁31および第2可動梁32を、絶縁体部と導電体層とで構成したが、特に、絶縁体部をSiO2で構成し、導電体層をAlで構成すると共に、犠牲層(図示省略)をアモルファスシリコンで構成し、XeF2(二フッ化キセノン)で犠牲層をドライエッチングすれば、その高いエッチング選択性により、導電体層(Al)や絶縁体部(SiO2)にダメージを与えることがないため、好ましい。
次に、第1可動梁31や第2可動梁32の変形例について説明する。図6に示したように、第1可動梁31に形成した第1下側導電体層31bと第1上側導電体層31cとが、ビア31dを介して相互に接続し、第2可動梁32に形成した第2下側導電体層32bと第2上側導電体層32cとが、ビア32dを介して相互に接続していてもよい。もちろん、第1可動梁31および第2可動梁32のいずれか一方のみにおいて、ビア31d或いは32dを介して導電体層同士が接続していてもよい。
また、本実施形態では、第1可動梁31の上下両面に導電体層(第1下側導電体層31bおよび第1上側導電体層31c)を形成すると共に、第2可動梁32の上下両面に導電体層(第2下側導電体層32bおよび第2上側導電体層32c)を形成したが、これに限定されるものではなく、第1可動梁31の少なくとも上下一方の面に導電体層が形成されていればよく、第2可動梁32の少なくとも上下一方の面に導電体層が形成されていればよい。例えば、上記の実施形態と比べ、第2上側導電体層32cが形成されていなくてもよく(図7(a)参照)、さらに第1上側導電体層31c或いは第1下側導電体層31bが形成されていなくてもよい(図7(b)(c)参照)。
もっとも、上記の実施形態のように、第1可動梁31や第2可動梁32の上下両面に導電体層を形成することで、導電体層に生ずる内部応力に起因して、第1可動梁31や第2可動梁32に反りが発生することを防止できる。なお、第1可動梁31や第2可動梁32の上下両面に導電体層を形成した場合、上面に形成された導電体層と下面に形成された導電体層とに別電位を与えてもよく、上下いずれか一方の導電体層を、電気的にフローティング状態としてもよい。
また、本実施形態では、第1可動梁31および第2可動梁32の双方を、絶縁体部と導電体層とで構成したが、第1可動梁31および第2可動梁32のいずれか一方の全体を、導電体で構成してもよい。すなわち、図8に示すように、第1可動梁31の全体を導電体で構成してもよく、図9に示すように、第2可動梁32の全体を導電体で構成してもよい。
第1可動梁31の全体を導電体で構成した場合、第2可動梁32には、上記の変形例と同様に、第2下側導電体層32bのみが形成されていてもよく(図8(a)参照)、第2上側導電体層32cのみが形成されていてもよい(図8(b)参照)。もっとも、図8(a)の構成は、第1可動梁31と第2可動梁32との間の静電気力が、図8(b)の構成よりも大きいため、好ましい。もちろん、第2下側導電体層32bおよび第2上側導電体層32cの双方が形成されていてもよい。
一方、第2可動梁32の全体を導電体で構成した場合、第1可動梁31には、第1下側導電体層31bおよび第1上側導電体層31cの双方が形成されていてもよく(図9(a))、第1下側導電体層31bのみが形成されていてもよく(図9(b)参照)、第1上側導電体層31cのみが形成されていてもよい(図9(c)参照)。もっとも、図9(a)の構成や図9(c)の構成は、第1可動梁31と第2可動梁32との間の静電気力が、図9(b)の構成よりも大きいため、好ましい。また、図9(a)の構成や図9(b)の構成は、固定駆動電極21と第1可動梁31との間の静電気力が、図9(c)の構成よりも大きいため、好ましい。したがって、図9(a)~(c)の構成のなかでは、図9(a)が最も好ましい。
次に、可動部22の変形例について説明する。図10に示すように、変形例の可動部22は、固定駆動電極21側(下側)から順に、第1可動梁31、第2可動梁32および第3可動梁33を有している。第1可動梁31、第2可動梁32および第3可動梁33は、連結部34を介して、相互に折り返し構造を為して連なっている。すなわち、第1可動梁31と第2可動梁32とは、相互に対向すると共に、左右方向における外側(可変容量素子3側とは反対側)の端部において、連結部34を介して互いに連結(接続)されている。また、第2可動梁32と第3可動梁33とは、相互に対向すると共に、左右方向における内側の端部において、連結部34を介して互いに連結されている。さらに、可動部22は、第3可動梁33の外側端部において、被支持部35により、電極支持部23に支持されている。そして、可動部22は、被支持部35により電極支持部23に支持された状態で、第1可動梁31、第2可動梁32および第3可動梁33が、蛇腹状に伸縮可能となっている。
第3可動梁33は、第1可動梁31および第2可動梁32と同様に、主体を為す第3絶縁体部33aと、第3絶縁体部33aの下面に形成された第3下側導電体層33bおよび上面に形成された第3上側導電体層33cとを有している。なお、第1可動梁31や第2可動梁32の変形例と同様に、第3可動梁33は、第3下側導電体層33bおよび第3上側導電体層33cの一方のみを備えていてもよく、全体が導電体で構成されていてもよい。また、第3可動梁33は、第1可動梁31および第2可動梁32と同様に、蛇腹状に伸びる際、弾性変形する。さらに、第3可動梁33(第3下側導電体層33bおよび第3上側導電体層33c)は、第1可動梁31と同様に、基準電位点GNDに接続されている。
そして、上記の実施形態と同様に、定常状態において固定駆動電極21にプルイン動作電圧が印加されると、固定駆動電極21と第1可動梁31との間に静電気力が生じる。このとき、第1可動梁31と第2可動梁32とは同電位のままであり、その間に静電気力は生じていない。また、第2可動梁32と第3可動梁33とは同電位のままであり、その間に静電気力は生じていない。そして、固定駆動電極21と第1可動梁31との間に生じた静電気力により、第1可動梁31、第2可動梁および第3可動梁が、それぞれのバネ力に抗して蛇腹状に伸び、第1可動梁が固定駆動電極21に近づく。
また、プルイン状態において、第2可動梁32にプルアウト電圧が印加されると、第1可動梁31と第2可動梁32との間に電圧差が生じ、その電圧差で第1可動梁31と第2可動梁32との間に静電気力が生じることに加え、第2可動梁32と第3可動梁33との間にも電圧差が生じ、その電圧差で第2可動梁32と第3可動梁33との間にも静電気力が生じる。そして、これらの静電気力と、第1可動梁31、第2可動梁および第3可動梁のバネ力とにより、第1可動梁31が固定駆動電極21から離れる。このように、第3可動梁33を設けることで、第2可動梁32と第3可動梁33との間にも、第1可動梁31が固定駆動電極21から離れるための静電気力が生じるため、より強い引離し力を得ることができる。
なお、本変形例では、可動部22を、3本の可動梁で構成したが、4本以上の可動梁で構成し、4本以上の可動梁を、相互に押し返し構造を為して連ねると共に、蛇腹状に伸縮可能に構成してもよい。この場合、第1可動梁31側から数えて奇数番目の可動梁(第1可動梁31を含む)は、基準電位点GNDに接続され、偶数番目の可動梁は、プルアウト動作電圧を印加する第2印加電源W2に接続される。
次に、可変容量素子3の変形例について説明する。図11に示すように、変形例の可変容量素子3は、絶縁性基板6と、絶縁性基板6上に設けられた一対の固定容量電極11と、一対の固定容量電極11の上方に設けられて、これらに対向する可動容量電極12と、絶縁性基板6に埋め込まれ、一対の固定容量電極11の下面に絶縁層5を介して対向する一対の埋込容量電極60とを備えている。一対の固定容量電極11および可動容量電極12は、静電容量が可変の2個の可変容量部61を構成し、一対の固定容量電極11および一対の埋込容量電極60は、静電容量が固定の2個の固定容量部62を構成している(図11(c)参照)。そして、一対の埋込容量電極60には、可変容量素子3の電気接点(入力端子)をそれぞれ配しており、一対の固定容量電極11、可動容量電極12および一対の埋込容量電極60は、一方の固定容量部62、2個の可変容量部61、他方の固定容量部62の順で直列した電気回路を構成している。なお、一対の固定容量電極11および可動容量電極12は、電気的にフローティング状態となっている。
本変形例の可変容量素子3によれば、2個の可変容量部61と2個の固定容量部62とを直列接続することにより、ホットスイッチング時のRF電圧が分圧されるので、第1可動梁31の引離しを妨げる静電気力、すなわち固定容量電極11と可動容量電極12との間の静電気力を全体として小さくすることができる。また、一対の固定容量電極11および可動容量電極12を、フローティング状態にすることができる。
なお、本変形例では、一対の埋込容量電極60間が非導通となるように絶縁性基板6を用いたが、絶縁性基板6に代えてシリコン基板2を用いてもよい。ただし、隣接する埋込容量電極60間の絶縁性を確保するにはシリコン基板2のPN接合では十分とは言えないので、絶縁性基板6を用いる方が好ましい。また、本変形例では、2個の可変容量部61の可動容量電極12を、一体に形成する構成であったが、2個の可変容量部61の可動容量電極12を、別体で形成する構成であってもよい。
また、以上の実施形態においては、可変容量デバイスとして、可変容量コンデンサー1を例示したが、可変容量素子3を用いた可変容量型のスイッチに本発明を適用してもよい。
なお、本実施形態においては、ホットスイッチング時におけるスティッキング対策として本発明を適用する構成であったが、ホットスイッチングを行う場合に限定されるものではなく、例えば、近接時の静電気力を低減する方策として、第1可動梁31等のバネ定数を低くしつつ(もしくはゼロにしつつ)、本発明を適用する構成であってもよい。
1:可変容量コンデンサー、2:シリコン基板、3:可変容量素子、4:静電アクチュエーター、21:固定駆動電極、22:可動部、31:第1可動梁、31a:第1絶縁体部、31b:第1下側導電体層、31c:第1上側導電体層、32:第2可動梁、32a:第2絶縁体部、32b:第2下側導電体層、32c:第2上側導電体層
Claims (7)
- 基板に設けられた固定電極と、
相互に折り返し構造を為して連なり蛇腹状に伸縮可能に構成された複数の可動梁を有する可動部と、を備え、
前記可動部は、前記複数の可動梁のうち前記固定電極に対向する第1可動梁と前記固定電極との間の静電気力により、前記複数の可動梁が蛇腹状に伸びて前記第1可動梁が前記固定電極に近づき、相互に対向する前記複数の可動梁相互間の静電気力により、前記複数の可動梁が蛇腹状に縮んで前記第1可動梁が前記固定電極から離れ、
前記複数の可動梁の少なくとも1本は、
主体を為す絶縁体部と、
前記絶縁体部の前記固定電極側の面および前記固定電極とは反対側の面の少なくとも一方に形成された導電体層と、を有することを特徴とする静電アクチュエーター。 - 前記第1可動梁が前記固定電極に近づく際、前記複数の可動梁の少なくとも1本が、弾性を持って変形すると共に、当該変形の復元力が、前記第1可動梁を前記固定電極から引き離す引離し力として作用することを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエーター。
- 前記固定電極は、前記第1可動梁が前記固定電極に近づくための所要のプルイン動作電圧を印加する第1印加電源に接続され、
前記複数の可動梁のうち前記第1可動梁側から数えて奇数番目の前記可動梁は、基準電位点に接続され、
前記複数の可動梁のうち前記第1可動梁側から数えて偶数番目の前記可動梁は、前記第1可動梁が前記固定電極から離れるための所要のプルアウト動作電圧を印加する第2印加電源に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の静電アクチュエーター。 - 前記可動部が、3本以上の前記可動梁を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の静電アクチュエーター。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の静電アクチュエーターと、
前記静電アクチュエーターを駆動源として駆動し、静電容量を可変する可変容量素子と、
を備えたことを特徴とする可変容量デバイス。 - 前記静電アクチュエーターは、前記可変容量素子に電圧を印加した状態で、前記固定電極に対する前記第1可動梁の離接動作を行うことを特徴とする請求項5に記載の可変容量デバイス。
- 基板に設けられた固定電極と、
相互に折り返し構造を為して連なり蛇腹状に伸縮可能に構成された複数の可動梁を有する可動部と、を備え、
前記可動部は、前記複数の可動梁のうち前記固定電極に対向する第1可動梁と前記固定電極との間の静電気力により、前記複数の可動梁が蛇腹状に伸びて前記第1可動梁が前記固定電極に近づき、相互に対向する前記複数の可動梁相互間の静電気力により、前記複数の可動梁が蛇腹状に縮んで前記第1可動梁が前記固定電極から離れ、
前記複数の可動梁の少なくとも1本は、
主体を為す絶縁体部と、
前記絶縁体部の前記固定電極側の面および前記固定電極とは反対側の面の少なくとも一方に形成された導電体層と、を有する静電アクチュエーターの駆動方法であって、
前記固定電極に対し、前記第1可動梁が前記固定電極に近づくための所要のプルイン動作電圧を印加し、
前記複数の可動梁のうち前記第1可動梁側から数えて奇数番目の前記可動梁を、基準電位点に接続し、
前記複数の可動梁のうち前記第1可動梁側から数えて偶数番目の前記可動梁に対し、前記第1可動梁が前記固定電極から離れるための所要のプルアウト動作電圧を印加することを特徴とする静電アクチュエーターの駆動方法。
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JP2001006928A (ja) * | 1999-06-17 | 2001-01-12 | Tokyo Keiso Co Ltd | 流量調節弁 |
JP2001268948A (ja) * | 2000-03-21 | 2001-09-28 | Keiji Saneyoshi | 静電アクチュエータおよびそれを用いた動作機構 |
JP2010057321A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Tokyo Institute Of Technology | 静電アクチュエータおよびその製造方法 |
-
2012
- 2012-11-13 WO PCT/JP2012/007289 patent/WO2014076734A1/ja active Application Filing
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