JP2010057321A - 静電アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

静電アクチュエータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外力の有無にかかわらず自身の形状を維持可能な静電アクチュエータおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】二つの帯状の電極の両面をそれぞれ誘電体皮膜で覆って形成される電極テープを交差させ、互い違いに重ね合わせて折り畳むことで二つの電極を交互に積層させた積層電極と、積層電極において二つの電極が対向している領域ごとに設けられ、電極テープよりも高い剛性を持つ板状部材と、二つの電極テープの折り目部分であって、積層電極において交互に積層された二つの電極間に電極の積層方向に伸縮する空隙をそれぞれ形成するヒンジ部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層された電極間の電位差によって発生する静電引力に応じて伸縮する静電アクチュエータおよびその製造方法に関する。
静電アクチュエータは、軽量でありながら大きな駆動力を得ることができるため、磁力を利用したモータなどに代わるものとして期待されている。
静電アクチュエータの一例としては、多数の電極スリットを備えた2枚の電極シートの一方を固定して他方を可動とし、これらの電極シートにそれぞれ位相の異なる交流電圧を印加することにより、電極スリットに垂直な方向に電極シートを移動させる構成が提案されている(非特許文献1参照)。また、らせん状の電極を用い、このらせん状の電極を保持する構造自体を蛇腹状に収縮させる構成も提案されている(非特許文献2参照)。
また、多数の電極を積層し、積層された電極と電極の間の空間を電界に応じて伸縮させる構成の積層型静電アクチュエータも提案されている。積層型静電アクチュエータは、積層する電極の数に応じて、可動範囲を拡大させることが可能であり、また、アクチュエータの動作方向に摩擦などの抵抗が働かないため、アクチュエータの動作により物を動かすなどの仕事をさせることが可能である。
T. Niio, S. Egawa and T. Higuchi "High-power and high-efficiency electrostatic actuator", Micro Electro Mechanical System (1992) 122 K. Minami, H. Morishita and M. Esashi "A bellows-shape electrostatic micro actuator", Sen. Actuators A (Phys) 72 (1999) 269-276
ところで、従来の積層型静電アクチュエータは、積層数に応じた可動範囲と強い作用力が期待できる反面、電極間の空間を伸縮させる構成であるために、外力が加わった場合などには容易に伸びてしまう場合があり、アクチュエータの構造自体で形状を維持することが難しかった。
本発明は、外力が働いた場合でも、自身の形状を維持可能な静電アクチュエータおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的は、以下に開示する静電アクチュエータによって達成することができる。
この静電アクチュエータの特徴は、二つの帯状の電極の両面をそれぞれ誘電体皮膜で覆って形成される電極テープを交差させ、互い違いに重ね合わせて折り畳むことで二つの電極を交互に積層させた積層電極と、積層電極において二つの電極が対向している領域ごとに設けられ、電極テープよりも高い剛性を持つ板状部材と、二つの電極テープの折り目部分であって、積層電極において交互に積層された二つの電極間に電極の積層方向に伸縮する空隙をそれぞれ形成するヒンジ部とを備える点にある。
このように構成された静電アクチュエータでは、上述した積層電極において対向する二つの電極ごとに設けられた板状部材の剛性により、積層している個々の電極の変形が抑制される。したがって、ヒンジ部によって形成された空隙により、対向する二つの電極間に印加される電界に応じた伸縮により可動範囲が確保される一方、外力が働いた場合でも、静電アクチュエータ自身の外形を維持することができる。
上述した目的は、以下に開示する静電アクチュエータの製造方法によって達成することができる。
この静電アクチュエータの製造方法の特徴は、二つの帯状の電極をそれぞれ所定の厚みを持つ誘電体で挟み込んで二本の電極テープを形成し、二本の電極テープを形成している誘電体双方に電極テープの幅に相当する幅ごとに1辺が電極テープの幅と同等の長さを持つ矩形のプラトー部を残して誘電体が持つ厚みの少なくとも4倍の幅の溝部を繰り返し形成し、二本の電極テープをプラトー部を重ね合わせて交差させ、各電極テープに形成された溝部で折り曲げて、プラトー部を交互に重ね合わせて折り畳むことで、二つの電極をプラトー部が重ねあわされた領域において対向させて積層させる点にある。
このように構成された静電アクチュエータの製造方法では、帯状の電極を挟み込んだ誘電体に上述したような溝部を形成することで、矩形のプラトー部で挟まれた剛性の高い部分と誘電体の厚みが削られたために折り曲げが容易な溝部とが規則的に並んだ電極テープが形成される。このように形成された二本の電極テープを剛性の高いプラトー部の一つで重ね、上述した溝部で折り曲げて互い違いにプラトー部を重ね合わせることにより、プラトー部によって剛性が保たれた電極を対向させて積層した静電アクチュエータを形成することができる。
上述した基本構成の静電アクチュエータによれば、ヒンジ部により電界に応じて伸縮する空隙が確保して、電界の印加により収縮する動作領域では静電アクチュエータを小さいばね定数を持つばねとして動作させる一方、対向している電極部分が変形しにくくしたことにより、動作範囲以外では伸びにくい硬いばねとして動作させることができる。これにより、電極を積層させた方向に伸縮する積層型静電アクチュエータの動作範囲の大きさと、電極に電界を印加していない状態での形状の安定性とを両立させることができる。
また、動作範囲外でののびを抑制し、電界を印加していない状態での負荷などによる変形を防ぐことにより、電界を印加した際に、積層させた電極間で作用する静電気力の大きさの均一性を維持し、安定した動作特性を実現することができる。
このように形成された積層型の静電アクチュエータは、磁性体など重量の大きい部品を必要としないため、軽量でありながら強い作用力と大きな動作範囲を実現できる。しかも、希土類などの高価な素材を必要としないので、安価に提供することができる。
また、上述した静電アクチュエータの製造方法によれば、周期的にプラトー部が形成された二本の電極テープを用意し、プラトー部をこれらの電極テープを重ねて折り畳むことで、プラトー部によって剛性が高められた電極部分を対向して積層させた静電アクチュエータを容易に製造することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に、静電アクチュエータの一実施形態を示す。
図1に示した静電アクチュエータにおいて、極性の異なる電界が印加される2つの電極構造体それぞれは、1辺の長さがLで厚みt1を持つ2枚の板状の電極保持部11によって電極テープ13を挟んで形成される複数の積層電極部12と、これらの積層電極部12を結合するヒンジ部14とから構成されている。これらの電極構造体を交差させて組み合わせ、2つの電極テープ13にそれぞれ極性の異なる電圧を印加することで、対向する積層電極間それぞれに電界が印加される。また、図1に示すように、電極テープ13は、金属膜を誘電体膜で挟んで形成されており、積層電極部12では、上述した電極保持部11の剛性によって、板状の形状が維持されている。
図1に示したヒンジ部14は、図2(a)に示すように、電極テープ13を電極保持部11で挟んでそれぞれ形成された積層電極部12を相互に結合する部分の電極テープ13そのものを撓ませることで形成されている。ヒンジ部14によって結合された2つの積層電極部12は、図2(b)に示すように、ヒンジ部14を形成するこの電極テープ13自体の長さによって、外力が働いている状態でも所定の距離を保つように保持される。そして、2つの電極構造体の積層電極部12を交互に重ねあわせるように電極テープ13の部分を湾曲させてヒンジ部14を形成することで、図2(b)に示すように、2つの電極構造体に属する積層電極部12が所定の間隔で交互に重ねあわされた構造が形成される。なお、図2(b)において、一方の電極構造体に属する積層電極部12は白抜きの矩形で示し、太い実線で示した電極テープ13によって互いに結合されている様子を示した。また、図2(b)において、他方の電極構造体に属する積層電極部12は網掛けを付した矩形で示した。一方、これらを互いに結合する電極テープ13は図示した構造の手前側と奥側とでそれぞれ2つの積層電極部12に太い破線で示した位置で接続されている。
このように構成された静電アクチュエータでは、組み合わせられた2つの電極構造体をそれぞれ構成する積層電極部12の形状が、電極テープ13を挟んで保持している電極保持部11の剛性によって維持され、また、これらの積層電極部12を結合するヒンジ部14の弾性によって積層電極部12間に間隙を設けた構造が維持されている。
この静電アクチュエータを構成する2つの電極構造体の電極にそれぞれ極性の異なる電圧が印加され、対向する各組の積層電極部12それぞれに電界が印加されると、対向する各組の積層電極部12それぞれの間に電界に応じた静電気力が作用する。この静電気力によって、対向する各組の積層電極部12間の間隙を収縮させることにより、静電アクチュエータは、各電極構造体において電極が積層されている方向に収縮し、この収縮時の力を作用させることができる。
以下、上述したように構成された静電アクチュエータにより、大きな動作範囲およびこの動作範囲における適切なばね特性の実現と、動作範囲を超えた変形への耐性の実現とを両立する方法について説明する。
図2(b)において白抜きの矩形で示した一方の電極構造体に属する積層電極部12の電極(図2において太い実線で示した)と、網掛けを付した矩形で示したもう一方の電極構造体に属する積層電極部12の電極(図2において太い破線で示した)との間に作用する単位面積あたりの静電気力の大きさは、これらの電極間の距離d1の2乗に反比例する。したがって、静電アクチュエータによって大きな作用力を得るためには、2つの電極構造体の積層電極部12を互いに近接して組み合わせる必要がある。
しかしながら、大きな動作範囲を確保するためには、対向する積層電極間の距離d1からそれぞれの電極保持部11の厚さt1の2倍と電極テープ13の厚さt2を差し引いた隙間の幅d2を確保する必要がある。また、積層電極部12の形状を維持し、図3に示すような外力による変形を防ぐためには、電極保持部11の厚みt1も一定の厚み以上にして、動作範囲外では極めて硬いばねとして振舞わせる必要がある。
本発明者は、1辺の長さL(例えば、100μm)の電極保持部11の厚みt1を変えてモデル化した静電アクチュエータについてのシミュレーションを行った結果に基づいて、電極保持部11のサイズLと電極保持部11の厚みt1とが満たすべき関係を特定している。
シミュレーション対象の静電アクチュエータのモデルでは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムで銅の帯状電極を挟んで形成された厚さt2(例えば1μm)の電極テープ13を、厚みt1のPET樹脂の板で挟んで積層電極部12が形成され、電極テープ13を撓ませて形成されるヒンジ部14により、対向する各組の積層電極間に電極保持部11の厚さt1と同等の幅d2の間隙が形成されている。このような静電アクチュエータのモデルについて、本発明者は、図3(b)に矢印で示すように積層電極部12の積層方向に、電極構造体を引き伸ばす方向の外力が加えられたときの平均の間隔δをシミュレーションによって求めた。
図4に、電極保持部11の厚みt1をそれぞれ5μm、10μm、15μm、20μmとしたモデルについて、上述したような外力を加えたときのシミュレーション結果を、それぞれ細い実線、太い破線、太い一点鎖線および太い実線で示す。図4から、100μm四方の正方形の電極保持部11を設けた場合に、この電極保持部11の厚みを1辺の長さの1/10に当たる10μm以上とすれば、外力の作用にかかわらず、静電アクチュエータの変形量を非常に小さい値に抑制できることが分かる。なお、変形量の抑制効果は、電極保持部11の厚みを1辺の長さの1/20に当たる5μm程度でもある程度は期待できる。その一方、電極保持部11の厚みを1辺の長さの15パーセントに当たる15μmでも20パーセントに当たる20μmでも、変形量抑制効果はほぼ同等であることが分かる。
このことと、静電気力の性質とをかんがみて、本発明者は、図1のように、正方形の電極保持部11を備えて静電アクチュエータを構成する場合には、電極保持部11のサイズLと厚みt1とが満たすべき関係を式(1)のように特定した。
5×t1≦L≦20×t1 ・・・(1)
電極保持部11の厚さt1に比べて電極テープ13の厚さt2が十分に小さい場合には、式(1)に示した条件を満たす正方形の電極保持部11を備えて積層電極部12の剛性を高め、外力の作用による変形を抑制し、静電アクチュエータの形状を維持できるようにしたことにより、積層構造に不均一が生じることを防ぎ、静電アクチュエータ全体の均一な伸縮を保証することができる。
特に、上述したモデルで電極保持部11の厚みを10μmとした場合と同等の厚みとサイズの関係を満たしている場合は、変形量の抑制効果と大きな動作範囲とを実現した上で、対向する積層電極部12に印加した電界によって発生する静電気力により、十分な作用力を得ることができる。
なお、上述したように、2つの電極構造体を交差させて組み合わせる構成は、対向する積層電極部の形状が正三角形である場合にも可能である。この場合には、正三角形の電極保持部によって補強された積層電極部をヒンジ部で結合して構成された2つの電極構造体を組み合わせた構造自体に、電極の積層方向に作用する外力による変形を抑制する作用がある。このため、正三角形の電極保持部を採用した構成では、上述した式(1)で示される電極保持部のサイズLの上限よりも大きいサイズの積層電極部を実現し、静電アクチュエータの作用力の増大を図ることができる。
また一方、電極保持部の厚みt1を例えば静電アクチュエータの一方の端からの距離に応じて変化させたり、電極保持部の厚みが大きい積層電極部からなる層と厚みが小さい積層電極部からなる層とを混在させたりすることもできる。
このように、厚みが異なる電極保持部を備えた積層電極を混在させることにより、対向する各対の積層電極部間に印加する電界を変化させたときに、例えば、厚みが小さい電極保持部を備えた積層電極が対向している部分を先に収縮させ、他の部分を強い電界が印加されてから収縮させるといった応答を実現することができる。
このように、電界の強さに応じて静電アクチュエータが動作する長さや発生力を任意に制御することができるので、印加される電界に対応して複雑な応答を示す静電アクチュエータを実現することができる。
ここで、上述したような電極保持部を設けて個々の積層電極部の剛性を高めた構造を持つ静電アクチュエータでは、対向する各対の積層電極部間の間隔は、電界を印加したときに発生する静電気力を確実に作用させられる間隔以下に保たれる。したがって、上述したように、電極保持部の厚みt1を変化させた場合にも、厚みt1と電極保持部のサイズLとが上述した式(1)で示される関係を満たしている限りは、対向する各対の積層電極部間の間隔は、電界を印加したときに発生する静電気力を確実に作用させられる間隔以下に保たれ、静電アクチュエータを安定して動作させることができる。
また、図5に示すように、静電アクチュエータを並列に並べた構成の集合アクチュエータを直列に結合して集積アクチュエータを構成することもできる。
このような集積アクチュエータでは、静電アクチュエータを並列に並べたことによる作用力の増大効果と、直列に結合したことによる可動範囲の拡大効果との両方を得ることができる。
特に、図1に示したような構造を持つ静電アクチュエータを微細化し、この微細化した静電アクチュエータを、上述したようにして集積して集積アクチュエータを形成すれば、非常に大きな作用力を実現することができる。
次に、上述した基本構成を持つ静電アクチュエータの製造方法について詳細に説明する。
まず、電極テープの製造方法について説明する。
図6に、電極テープの製造方法の一例を説明する図を示す。
図6(a)に示すように、銅薄膜をPETフィルムで挟んで電極シートを作成し、この電極シートを図6(b)において太い破線で示すように帯状に切断する。
次いで、帯状に切断された電極シートの切断面(図6(c)に矢印で示す)をエッチングして、切断面に露出している銅薄膜を除去した後に、両側のPETフィルムを接合させることで(図6(d)参照)、図6(e)に示すように、帯状の電極を誘電体膜で包み込んだ電極テープを生成することができる。
図6(b)に示した工程で、電極シートを切断する際に、切断面をエッチングすることで電極の幅が最終的に必要とされる幅Wとなるように、所定のマージンαを見込んでおくことにより、図6(e)に示すように、幅Wの帯状の電極を備えた電極テープを生成することができる。
次に、図7を用いて、電極保持部の形成方法の一例を説明する。
図7(a)に網掛けを付して示すように、帯状の電極を厚さt1+βのPETフィルムで挟んだ構成の電極テープのPETフィルム部分を所定の間隔で幅Lのプラトー部を残して幅Dにわたって除去することにより、図7(b)に示すように、幅Lのプラトー部と幅Dの溝部とが交互に現れる構造を形成することができる。
上述したプラトー部の幅Lと電極テープの幅とを一致させ、プラトー部と上述した溝部とを交互に形成することにより、対向する積層電極部を保持する正方形の板状の電極保持部(プラトー部)と積層電極部を互いに結合するヒンジ部(溝部)とを一体に形成することができる。
このように電極保持部とヒンジ部とを一体に形成する方法は、リソグラフィー技術を利用して微細な静電アクチュエータを製造する場合に特に有効である。
上述した溝部の幅Dおよび溝部において残されるPETフィルムの厚さβを、例えば、プラトー部におけるPETフィルムの厚さt1に基づいて決定することにより、この溝部を撓ませてヒンジ部を形成し、図2(b)に示したように、上述したプラトー部によって実現される電極保持部で帯状電極を挟んで形成された積層電極部を対向させて保持する構造を実現することができる。
例えば、図1に示したように、2つの電極構造体を交差させて組み合わせた構成において、各積層電極部の間に上述した電極保持部の厚さt1と同等の間隙を確保する場合は、この電極保持部の厚さt1の6倍に、ヒンジ部の撓み分を考慮したマージンを加えて幅Dを決定すればよい。また、溝部でのPETフィルムの厚さβは、強度的に許される限り薄くして、できるだけ小さい弾性力を実現するように決定すればよい。
なお、図7に示した電極保持部の形成方法は、帯状の電極を厚さt1のポリイミドフィルムやその他の樹脂フィルムで挟んだ構成の電極テープにプラトー部と溝部とを形成する場合にも適用することができる。また、電極テープに用いられる樹脂の種類にかかわらず、電極テープは、図6に示した方法によって容易に製造することができる。
また、帯状の電極を薄い絶縁体フィルムで覆って形成された電極テープに、図8(a)に示すように、上述した間隔Dをおいて1辺の長さLを持つ正方形の板状の部材を接合することにより、図8(b)に示すように、電極保持部とヒンジ部とを交互に形成することもできる。
このように、電極テープに別の部材を組み合わせて電極保持部を形成する場合には、電極テープにおいて銅などの金属膜を覆う絶縁体のフィルムとは異なる材質の板状部材で電極テープを挟んで電極保持部を形成することができる。
例えば、シリカ(SiO)などのようにPETなどの樹脂に比べて剛性の高い物質からなる板状部材を上述した電極テープに接合して電極保持部を形成する構成では、PETなどの樹脂を用いて電極保持部を形成した場合に比べて、電極保持部の厚みを薄くすることができる。これにより、対向する積層電極部間の距離を短くして、静電アクチュエータの作用力の増大を図ることができる。
また、ガラス繊維を混ぜて硬くした樹脂からなる板状部材を上述したようにして接合することもできるし、一方、電極テープの両面に間隔Dをおいて配置された1辺の長さLを持つ正方形の領域に紫外線硬化樹脂を塗布し、これを硬化させることで電極保持部を形成することもできる。また、電極テープの両面全体に紫外線硬化樹脂を塗布し、上述した領域についてのみ紫外線を照射して硬化させることで電極保持部を形成することもできる。
以上に説明した基本構成を備えた静電アクチュエータは、小型で動作範囲が大きく、しかも、大きな作用力を実現することができるので、家庭用電化製品の可動部分を動かすアクチュエータをはじめとして、ロボットの関節などを動かすアクチュエータとして利用することが可能である。
また、上述したように構成された静電アクチュエータを圧力センサとして利用することも可能である。
静電アクチュエータの一実施形態を示す図である。 電極保持部とヒンジ部との関係を説明する図である。 電極構造体の変形を説明する図である。 電極保持部の厚みと変形量との関係の例を示す図である。 静電アクチュエータの別実施形態を示す図である。 電極テープの製造方法の一例を説明する図である。 電極保持部の形成方法の一例を説明する図である。 電極保持部の別の形成方法を説明する図である。
符号の説明
11 電極保持部
12 積層電極部
13 電極テープ
14 ヒンジ部

Claims (8)

  1. 互いに逆極性の電圧が印加される二つの帯状の電極をそれぞれ誘電体テープで挟み込んで形成される電極テープを交差させ、互い違いに重ね合わせて折り畳むことで前記二つの電極を交互に積層させた積層電極と、
    前記積層電極において前記二つの電極が対向している領域ごとに設けられ、前記電極テープよりも高い剛性を持つ板状部材と、
    前記二つの電極テープの折り目部分であって、前記積層電極において交互に積層された二つの電極間に前記電極の積層方向に伸縮する空隙をそれぞれ形成するヒンジ部と
    を備えたことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の静電アクチュエータにおいて、
    前記積層された二つの電極間に電界が印加されていないときに、前記各対向する電極間に対応する空隙の前記伸縮方向の間隔が前記板状部材の厚みとほぼ同等となるように、前記板状部材の厚みおよび形状と前記ヒンジ部となる電極テープの長さとを決定する
    ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  3. 請求項2に記載の静電アクチュエータにおいて、
    前記積層電極は、同一の幅を持つ前記二つの電極テープを重ねあわされる領域が正方形あるいは正三角形となるように形成されている
    ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  4. 請求項2に記載の静電アクチュエータにおいて、
    前記積層電極は、同一の幅を持つ前記二つの電極テープを重ねあわされる領域が正方形となるように形成されており、
    前記板状部材は、前記電極テープの幅と1辺の長さLが同等であり、厚みが前記1辺の長さLの1/20以上1/5以下である
    ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  5. 請求項1に記載の静電アクチュエータにおいて、
    前記積層電極において対向している前記二つの電極それぞれと前記積層電極の一方の端との距離に応じて、対応する前記板状部材の厚さが異なっている
    ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  6. 二つの帯状の電極をそれぞれ所定の厚みを持つ誘電体で挟み込んで二本の電極テープを形成し、
    前記二本の電極テープを形成している誘電体双方に前記電極テープの幅に相当する幅ごとに1辺が前記電極テープの幅と同等の長さを持つ矩形のプラトー部を残して前記誘電体が持つ厚みの少なくとも4倍の幅の溝部を繰り返し形成し、
    前記二本の電極テープを前記プラトー部の一つを重ね合わせて交差させ、
    前記各電極テープに形成された溝部で折り曲げて、前記プラトー部を交互に重ね合わせて折り畳むことで、前記二つの電極を前記プラトー部が重ねあわされた領域において対向させて積層させる
    ことを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  7. 二つの帯状の電極をそれぞれ所定の厚みを持つ誘電体で挟み込んで二本の電極テープを形成し、
    前記二本の電極テープに前記電極テープの幅に相当する幅を持つプラトー部を当該プラトー部の高さの少なくとも6倍の間隔を置いて繰り返し形成し、
    前記二本の電極テープを前記プラトー部で重ね合わせて交差させ、
    前記各電極テープに形成された前記プラトー部の間隔部分で折り曲げて、前記プラトー部を交互に重ね合わせて折り畳むことで、前記二つの電極を前記プラトー部が重ねあわされた領域において対向させて積層させる
    ことを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の静電アクチュエータ製造方法において、
    前記電極テープは、
    前記帯状の電極となる金属シートを2枚の誘電体シートに挟んで接着して電極シートを形成し、
    前記電極シートを前記電極テープにおいて必要とされる帯状の電極の幅に所定のマージンを加えた幅で帯状に切断し、
    帯状に切断された電極シートの切断面に対してエッチングを施して前記切断面に露出した金属部分を除去し、
    前記切断面において前記2枚の誘電体シートを接合させて形成する
    ことを特徴とする静電アクチュエータ製造方法。
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