WO2013179390A1

WO2013179390A1 - 車両用表示装置

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Publication number: WO2013179390A1
Application number: PCT/JP2012/063772
Authority: WO
Inventors: 岸本雄也; 松本善行; 橋本敏宏; 村山尚
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2012-05-29
Filing date: 2012-05-29
Publication date: 2013-12-05
Also published as: EP2857942A4; JPWO2013179390A1; EP2857942A1; JP5759625B2; CN104350452A; US20150121274A1

Abstract

　操作時間を短縮可能であると共に、ドライバディストラクションを防ぐことが可能な車両用表示装置を提供することを目的とする。車両用表示装置（１２）では、接触部（４０、５６）への接触により階層（例えば、上位層、中位層又は下位層）を選択する。また、接触部（４０、５６）への接触状態を保ちつつ接触位置を移動させるジェスチャにより、選択した階層に含まれる複数のメニューを遷移させて仮選択を可能とする。さらに、接触部（４０、５６）に対する乗員の接触が終了したとき、その時点で仮選択されているメニューの選択を確定し、選択が確定したメニューに対応する車載機器（２０、２２）の機能又は処理を実行する。

Description

車両用表示装置

　この発明は、車両に搭載され、少なくとも１つの車載機器の操作に関する複数の階層に含まれる複数のメニューを表示する車両用表示装置に関する。

　特開２０１２－０２２３９３号公報（以下「ＪＰ２０１２－０２２３９３Ａ」という。）には、車載機器の操作に関する階層化させた複数のメニューのうち、選択対象とする所望のメニューを表示する車両用表示装置が開示されている（請求項１）。

　より具体的には、ＪＰ２０１２－０２２３９３Ａでは、最上位層である第１階層のメニュー４１において、カーソル４８により特定のメニューを選択すると、第１階層よりも下層であり且つ選択された第１階層のメニューについての第２階層のメニュー４２が表示される。第２階層のメニュー４２において、カーソル４８により特定のメニューを選択すると、第２階層よりも下層であり且つ選択された第２階層のメニューについての第３階層のメニュー４３が表示される（図４及び図８）。階層の異なるメニューを表示するためには、十字キーであるステアリングスイッチ８０の一部に対する長押し操作又はダブルクリック操作を要する（［００８０］、［００８７］）。

　また、ＪＰ２０１２－０２２３９３Ａでは、第１～第３階層のメニュー４１、４２、４３が表示されている状態で、表示されている第１階層のメニュー４１に隣接する第１階層のメニュー４１にカーソル４８を移動可能とする。これにより、第１階層のメニュー４１に戻る際、ステアリングスイッチ８０を複数回操作する必要がなく、１回の操作で第１階層のメニュー４１に戻ることができるとされている（要約、段落［００１５］）。

　ＪＰ２０１２－０２２３９３Ａにおける操作手段では、第１階層（最上層）以外の操作をするためには、ステアリングスイッチ８０の長押し又はダブルクリックしなければならず、操作に時間がかかる。

　加えて、例えば、第３階層を操作したいときには、第１階層のメニューを選択し、その後、第２階層のメニューを選択し、さらに、第３階層のメニューを選択しなければならない。このため、操作に時間がかかることになり、ドライバディストラクション（driver distraction）を引き起こしてしまう。

　この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、操作時間を短縮可能であると共に、ドライバディストラクションを防ぐことが可能な車両用表示装置を提供することを目的とする。

　この発明に係る車両用表示装置は、車両に搭載され、少なくとも１つの車載機器の操作に関する複数の階層に含まれる複数のメニューを表示するものであって、前記車両の乗員が操作することにより車載機器の機能又は処理を実行可能とする操作子と、前記操作子に対するジェスチャを判定するジェスチャ判定手段と、前記複数の階層それぞれの前記複数のメニューを並べて表示する又は前記乗員が前記操作子に接触したとき接触位置に対応する特定階層の前記複数のメニューを表示する表示手段とを備え、前記操作子は、前記乗員の接触を判定する接触部を有し、前記ジェスチャ判定手段は、前記接触部に前記乗員が接触したとき、前記複数の階層のうち接触位置に対応する前記特定階層を選択し、前記接触部への接触状態を保ちつつ接触位置を移動させるジェスチャにより、選択した前記特定階層に含まれる前記複数のメニューを遷移させて仮選択し、前記接触部に対する前記乗員の接触が終了したとき、その時点で仮選択されているメニューの選択を確定し、選択が確定したメニューに対応する前記車載機器の機能又は処理を実行することを特徴とする。

　この発明によれば、接触部への接触により特定階層（例えば、上位層、中位層又は下位層）を選択する。また、接触部への接触状態を保ちつつ接触位置を移動させるジェスチャにより、選択した特定階層に含まれる複数のメニューを遷移させて仮選択を可能とする。さらに、接触部に対する乗員の接触が終了したとき、その時点で仮選択されているメニューの選択を確定し、選択が確定したメニューに対応する車載機器の機能又は処理を実行する。

　これにより、「触れる・移動する・離す」（touch, move and detach）の１回の一連の動作だけで、階層の選択、メニューの仮選択及びメニューの選択確定が可能となる。従って、階層及びメニューの選択を簡素化し、操作時間を短縮することが可能となる。加えて、操作時間の短縮に伴って、ドライバディストラクションを防ぐことが可能となる。

　前記接触部は、前記複数の階層のうち少なくとも前記表示手段に表示可能な階層の数の領域に分割して連続して配置され、前記ジェスチャ判定手段は、前記特定階層に含まれる前記複数のメニューの遷移を、前記乗員が前記接触部に非接触となるまで継続させてもよい。これにより、例えば、複数の階層と接触が開始された領域とを対応付け且つ各領域が連続して配置されている場合でも、接触部への接触状態を保っている限り、仮選択されている階層は切り替わらないこととなる。このため、仮選択中の階層に関するジェスチャの自由度が増えることで、操作時間を短縮させ、ドライバディストラクションを低減することが可能となる。

　前記操作子が、前記車両のステアリングハンドルに配置されるステアリングスイッチである場合、前記接触部は、少なくとも前記階層の数の領域に前記ステアリングスイッチの外周側に分割して配置され、前記表示手段は、前記ステアリングスイッチの形状に対応した意匠を表示すると共に、前記複数の階層それぞれに含まれる前記複数のメニューを前記意匠の周囲若しくは前記意匠内に並べて表示し、又は前記特定階層に含まれる前記複数のメニューを、前記乗員が前記ステアリングスイッチに接触したときに表示し、前記乗員が前記ステアリングスイッチの外周側に沿って前記接触部に触れながら移動するジェスチャにより前記複数のメニューの遷移を可能としてもよい。

　これにより、操作子がステアリングスイッチであったとしてもステアリングスイッチの形状に対応した意匠が表示手段に表示され、その意匠の周囲に階層のメニューが表示される。このため、乗員にとって操作が理解し易く、ドライバディストラクションを低減することが可能となる。

　前記表示手段は、前記複数のメニューを表示する領域を、前記意匠の中心付近を中心として所定角度毎に且つ前記階層毎に割り当て、前記ジェスチャ判定手段は、前記接触位置と前記複数のメニューを表示する領域とを対応させて前記階層を選択してもよい。

　これにより、ステアリングスイッチの形状と接触部の接触位置に対応して意匠の周囲に複数の階層毎にメニューを表示する。このため、どの領域に触れたらどの階層を選択することになるかを乗員は容易に理解することが可能となり、操作時間を短縮させ、ドライバディストラクションを低減することが可能となる。

　前記表示手段は、前記ジェスチャ判定手段が前記ジェスチャを判定したときに、前記複数のメニューを前記意匠の周辺に前記ジェスチャの動きに沿うように遷移させると共に、前記階層が、文字列から形成される情報のメニューからなる階層である場合、該メニューに対応する前記階層の表示位置を、前記乗員から見て前記意匠に対して左側又は右側に配置してもよい。文字列から形成される情報のメニューが、意匠の周囲に沿って遷移する場合、その配置を意匠に対して左側又は右側とすることで表示領域を小さくすることが可能となる。

　前記接触部は、前記乗員から見て少なくとも上下左右のうち３方向の領域に分割され、前記表示手段は、前記乗員から見て左右を長手方向とする長方形形状をなしていると共に、前記意匠の周囲に前記階層毎の複数のメニューを、該意匠に対して少なくとも前記３方向に３つの階層を表示し、前記３つの階層のうち最上位の第１階層に含まれる前記複数のメニューを前記上下左右の上に配置して表示し、前記３つの階層のうち次に上位の第２階層に含まれる前記複数のメニューを前記上下左右の下に配置して表示し、前記３つの階層のうち最も下位の第３階層の前記複数のメニューを前記上下左右の左又は右に配置して表示してもよい。

　最も下階の第３階層のメニューとして、例えば、詳細情報を表示する文字列が表示される場合、その文字列を意匠の左側又は右側とすることで表示手段を小さくすることが可能になると共に、見易くすることができる。さらに、最上位の第１階層を意匠の上側へ配置することで直感的な操作が可能となり、ドライバディストラクションの低減につながる。

　前記接触部は、円運動からなるジェスチャをしたときに、前記複数のメニューが遷移する移動量毎に切込みを有してもよい。これにより、対応した切込みがステアリングスイッチにあるため、ユーザは、ジェスチャ時の移動量を理解することが可能となる。

　前記ジェスチャ判定手段は、前記ステアリングスイッチの物理的な回転操作を前記ジェスチャとして判定してもよい。これにより、実際にステアリングスイッチが回転するため、ユーザは、回転量を認識し易くなると共に、回転量とメニューの遷移とを結びつけ易くなる。従って、操作性を高めることが可能となる。

この発明の一実施形態に係る車両用表示装置（以下「表示装置」ともいう。）を搭載した車両のブロック構成図である。前記車両の内部の様子を簡略的に示す図である。前記実施形態に係るステアリングスイッチの外観斜視図である。前記実施形態に係る前記ステアリングスイッチの一部の分解斜視図である。内部機構の一部を省略した前記ステアリングスイッチの断面図である。図５において、ユーザ（運転者）の指で前記ステアリングスイッチに触れている状態を示す断面図である。前記実施形態において、左右の側方画像を表示パネルに表示した状態の一例を示す図である。前記実施形態において、オーディオ装置を操作する際のユーザ（運転者）の操作手順の一例を示すフローチャートである。前記実施形態において、操作対象機器として前記オーディオ装置が選択され且つ音源としてＡＭ放送が選択されている状態で前記オーディオ装置を操作する際に前記表示パネルに表示される基本画面と、ステアリングスイッチの上下左右の各部に対する操作を示す表示と、各操作に対応して追加的に表示される画面とを示す図である。前記実施形態において、操作対象機器として前記オーディオ装置が選択され且つ音源としてハードディスクドライブ（ＨＤＤ）が選択されている状態で前記オーディオ装置を操作する際に前記表示パネルに表示される基本画面と、前記ステアリングスイッチの上下左右の各部に対する操作を示す表示と、各操作に対応して追加的に表示される画面とを示す図である。前記実施形態における前記オーディオ装置の操作に関する階層構造を、ステアリングスイッチの部分に対応させて示す図である。前記表示パネルにおける各表示領域と図１１の各階層との対応関係を簡略的に示す図である。前記実施形態におけるカメラシステムの操作に関する階層構造を、前記ステアリングスイッチの部分に対応させて示す図である。前記実施形態において、前記表示パネルにおける各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、対象カメラが側方カメラである場合の画角の表示例を簡略的に示す図である。前記実施形態において、前記表示パネルにおける各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、前記対象カメラが側方カメラである場合の案内パターンの表示例を簡略的に示す図である。前記実施形態において、前記表示パネルにおける各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、前記対象カメラが後方カメラである場合の画角の表示例を簡略的に示す図である。前記実施形態において、前記表示パネルにおける各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、前記対象カメラが後方カメラである場合の案内パターンの表示例を簡略的に示す図である。前記実施形態において、前記オーディオ装置を操作対象機器として選択する場合の操作を示す図である。前記実施形態において、前記カメラシステムを操作対象機器として選択する場合の操作を示す図である。本実施形態に係る表示装置による一般的な制御の第１フローチャートである。本実施形態に係る表示装置による一般的な制御の第２フローチャートである。第１変形例に係るステアリングスイッチの斜視図である。第２変形例に係るステアリングスイッチを配置したステアリングハンドルの外観正面図である。図２３のＡ－Ａ線における断面図である。第３変形例に係るステアリングスイッチを配置したステアリングハンドルの外観正面図である。

Ａ．一実施形態
１．構成
［１－１．車両１０の全体構成］
　図１は、この発明の一実施形態に係る車両用表示装置１２（以下「表示装置１２」ともいう。）を搭載した車両１０のブロック構成図である。図２は、車両１０内部の様子を簡略的に示す図である。車両１０は、車両用表示装置１２に加え、車載機器群１４を有する。車載機器群１４には、オーディオ装置２０及びカメラシステム２２が含まれる。なお、車両１０は、いわゆる左ハンドル車である。

［１－２．車両用表示装置１２］
（１－２－１．表示装置１２の全体構成）
　表示装置１２は、ステアリングスイッチ３０（以下「スイッチ３０」ともいう。）と、表示パネル３２と、表示電子制御装置３４（以下「表示ＥＣＵ３４」という。）とを有する。

（１－２－２．ステアリングスイッチ３０）
　図３は、ステアリングスイッチ３０の外観斜視図である。図４は、ステアリングスイッチ３０の一部の分解斜視図である。図５は、内部機構の一部を省略したステアリングスイッチ３０の断面図である。図６は、図５において、ユーザ（運転者）の指６４でステアリングスイッチ３０に触れている状態を示す断面図である。

　図２に示すように、スイッチ３０は、ステアリングハンドル３６に設けられ、ユーザの指６４による操作が可能である。図１に示すように、スイッチ３０は、接触開始位置の検出及び直線運動の検出に用いられるタッチパネル４０と、円運動検出手段としての回転センサ４２とを有する。タッチパネル４０は、例えば、静電容量式又は抵抗膜式であり、ユーザの指６４の動き（ジェスチャ）を検出する。

　図４及び図５に示すように、タッチパネル４０は、タッチパネルマウント５０に設けられる。また、タッチパネルマウント５０は、スライダ５２に固定される。スライダ５２は、メインマウント５４に固定される。スライダ５２とメインマウント５４との間には、ロータリノブ５６（以下「ノブ５６」ともいう。）が回転可能に配置される。ロータリノブ５６の回転量（回転角度）は、ロータリエンコーダ５８（図１）により検出され、表示ＥＣＵ３４に出力される。ノブ５６とロータリエンコーダ５８は、回転センサ４２を構成する。ロータリノブ５６の周囲には、ケース６０が配置される。

　図６に示すように、ケース６０の上面６２の位置（高さ）は、ユーザの指６４が上面６２に触れているとき、タッチパネル４０及びロータリノブ５６に触れない位置に配置されている。また、指６４がタッチパネル４０に触れながらケース６０の内面６６に触れていると、指６４がロータリノブ５６に触れるようにロータリノブ５６の断面は高低差を付けた曲線構造としている。

（１－２－３．表示パネル３２）
　図２に示すように、表示パネル３２は、インスツルメントパネル７０内に設けられ、表示ＥＣＵ３４からの出力信号（表示信号Ｓｄ）に基づき各種の表示を行う。本実施形態の表示パネル３２は、車幅方向に比較的長い（例えば、運転席と同等の幅を有する。）。このため、表示パネル３２において比較的多くの表示を同時に表示することができる。

（１－２－４．表示ＥＣＵ３４）
　表示ＥＣＵ３４は、ステアリングスイッチ３０からの出力信号（スイッチ信号Ｓｓ）に基づき車載機器群１４及び表示パネル３２を制御する。図１に示すように、表示ＥＣＵ３４は、入出力部８０、演算部８２及び記憶部８４を有する。

　入出力部８０は、車載機器群１４、ステアリングスイッチ３０及び表示パネル３２との間の信号の送受信に用いられる。

　演算部８２は、表示装置１２が行う各種制御を実行するものであり、スイッチ操作判定機能９０（以下「ＳＷ操作判定機能９０」ともいう。）、表示制御機能９２及び車載機器制御機能９４を含む。

　ＳＷ操作判定機能９０は、ステアリングスイッチ３０に対するユーザ（運転者）の操作（ジェスチャ）を判定する機能である。表示制御機能９２は、表示パネル３２の表示を制御する機能である。車載機器制御機能９４は、車載機器群１４に含まれる各車載機器を制御する機能である。

　記憶部８４は、演算部８２が用いる各種のプログラム及びデータを記憶する。

［１－３．複数の車載機器群１４］
（１－３－１．オーディオ装置２０）
　オーディオ装置２０は、各種のオーディオ制御を実行する。例えば、オーディオ装置２０は、ラジオ放送（ＦＭ放送及びＡＭ放送を含む。）の受信及び出力、並びにハードディスクドライブ１００（以下「ＨＤＤ１００」という。）又はＵＳＢドライブ（以下「ＵＳＢＤ１０２」という。）に接続されたＵＳＢメモリ（図示せず）に記録されたオーディオコンテンツの再生を行う。

（１－３－２．カメラシステム２２）
　カメラシステム２２は、車両１０の周囲の画像に関する各種処理を行うものであり、左側方カメラ１１０Ｌ、右側方カメラ１１０Ｒ、後方カメラ１１２及びカメラ電子制御装置１１４（以下「カメラＥＣＵ１１４」という。）を有する。

　カメラシステム２２では、左側方カメラ１１０Ｌからの画像（以下「左側方画像」という。）と、右側方カメラ１１０Ｒからの画像（以下「右側方画像」という。）と、後方カメラ１１２からの画像（以下「後方画像」という。）とを、表示ＥＣＵ３４を介して表示パネル３２に表示することができる。その意味で、表示パネル３２及び表示ＥＣＵ３４は、表示装置１２に加え、カメラシステム２２にも含まれるともいえる。表示ＥＣＵ３４を介さずにカメラシステム２２から表示パネル３２を直接制御してもよい。また、表示パネル３２とは別の表示パネルに左右側方画像及び後方画像を表示してもよい。

　図７には、左右の側方画像を表示パネル３２に表示した状態の一例が示されている。側方画像は、図示しないサイドミラーに映るのと同様の視野についての画像であり、例えば、車両１０の側方（及び後方）における別の車両の動きの確認に用いる。

　後方画像は、主として、車両１０が後進する際（例えば、駐車時）に用いる。後方画像の表示位置は、例えば、図７における右側方画像と同じ位置とすることができる。

２．表示装置１２における制御（車載機器の操作方法）
　次に、表示装置１２における制御を説明する。理解を容易化するため、オーディオ装置２０の具体的な操作方法の例について説明した後、オーディオ装置２０に関する表示装置１２の具体的制御に言及する。また、カメラシステム２２の具体的な操作方法について言及した後、カメラシステム２２に関する表示装置１２の具体的制御に言及する。その後、一般化した表示装置１２の制御について説明する。

［２－１．オーディオ装置２０に関する制御］
（２－１－１．オーディオ装置２０の操作手順及び関連制御）
　図８は、オーディオ装置２０を操作する際のユーザ（運転者）の操作手順の一例を示すフローチャートである。各ステップＳ１～Ｓ９の左側には、ステアリングスイッチ３０の操作を示す表示を簡易的に示している。

　ここでは、ＡＭ放送の放送局Ｘａ１が放送している番組Ｐａ１－２が起動時に選択されている状態から、ＨＤＤ１００に記録されている複数のアルバムＡｈ１～Ａｈ１０のうちアルバムＡｈ３における曲Ｔｈ３－３を選択して再生する場合について説明する。

　なお、オーディオ装置２０を操作するに際しては、操作対象の車載機器（以下「操作対象機器」又は「対象機器」という。）をオーディオ装置２０に設定しておく必要がある。操作対象機器の設定又は選択方法については、後述する。

　図９は、操作対象機器としてオーディオ装置２０が選択され且つ音源としてＡＭ放送が選択されている状態でオーディオ装置２０を操作する際の表示パネル３２の表示画面の一例（以下「基本画面１２０」という。）と、ステアリングスイッチ３０の上下左右の各部に対する操作を示す表示と、各操作に対応した追加的な表示を含む画面の一例（以下「上側画面１２２」、「中央画面１２４」及び「左側画面１２６」という。）とを示す図である。

　なお、図９では、基本画面１２０と上側画面１２２を離して示しているが、実際には、上側画面１２２は、基本画面１２０の一部に対応している。例えば、基本画面１２０中のアイコン１４０と、上側画面１２２におけるアイコン１４０は、表示パネル３２において同じ位置に表示される。基本画面１２０と、中央画面１２４及び左側画面１２６との位置関係も同様である。

　図１０は、操作対象機器としてオーディオ装置２０が選択され且つ音源としてＨＤＤ１００が選択されている状態でオーディオ装置２０を操作する際の表示パネル３２の表示画面の一例（以下「基本画面１３０」という。）と、ステアリングスイッチ３０の上下左右の各部に対する操作を示す表示と、各操作に対応した追加的な表示を含む画面の一例（以下「上側画面１３２」、「中央画面１３４」、「右側画面１３６」及び「左側画面１３８」という。）とを示す図である。

　なお、図１０では、基本画面１３０と上側画面１３２を離して示しているが、実際には、上側画面１３２は、基本画面１３０の一部に対応している。例えば、基本画面１３０中のアイコン１４０と、上側画面１３２におけるアイコン１４０は、表示パネル３２において同じ位置に表示される。基本画面１３０と、中央画面１３４、右側画面１３６及び左側画面１３８との位置関係も同様である。

　ユーザがスイッチ３０の操作を開始する前は、例えば、図９の基本画面１２０が初期画面として表示パネル３２に表示されている。基本画面１２０には、起動時点において選択されている放送局名（ここでは、放送局Ｘａ１）及び番組名（ここでは、番組Ｐａ１－２）が表示される。加えて、基本画面１２０には、スイッチ３０の正面形状と同じ円形の意匠表示（以下「スイッチアイコン１４０」又は「アイコン１４０」という。）が含まれる。アイコン１４０は、ステアリングスイッチ３０を示す。ステアリングスイッチ３０を図形的に示すことができるものであれば、図９に示す以外の形状であってもよい。

　なお、表示装置１２において省力モードを適用する場合、表示パネル３２に基本画面１２０を表示させず、ユーザがスイッチ３０のいずれかの部分に触れると、基本画面１２０を表示させるものであってもよい。

　基本画面１２０が表示されている状態で、ユーザは、スイッチ３０の上側部分１５０に指６４を接触させる（図８のＳ１）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して当該接触を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、選択可能な複数の音源（又は最上位層若しくは第１選択肢群）の表示を含む上側画面１２２をアイコン１４０の上側に表示させる。

　音源としては、例えば、ＡＭ放送、ＦＭ放送、ＨＤＤ１００及びＵＳＢメモリを挙げることができる。或いは、オーディオ装置２０が、図示しないコンパクトディスクドライブ（ＣＤＤ）を有している場合、当該ＣＤＤに挿入されたコンパクトディスク（ＣＤ）を音源とすることもできる。或いは、ＡＭ放送及びＦＭ放送以外のラジオ放送（例えば、ＸＭ放送）を音源とすることも可能である。

　ここでは、起動時に選択されている音源として、ＡＭ放送が選択されているため、上側画面１２２において「ＡＭ」の文字が強調表示（ここでは拡大表示）される。

　音源をＡＭ放送からＨＤＤ１００に切り替える場合、ユーザは、スイッチ３０の上側部分１５０に指６４を接触させた後（Ｓ１）、指６４をスイッチ３０に接触させたままの状態で、スイッチ３０の外周に沿って指６４を円運動させ、ロータリノブ５６を回転させる（Ｓ２）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、ロータリエンコーダ５８を介して当該回転（すなわち、円運動）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、上側画面１２２における音源の選択肢を順次切り替えさせる。すなわち、その時点で暫定的に又は仮に選択されている音源（仮選択中の音源）を上側画面１２２において相対的に大きく表示させる。

　なお、この時点では、選択が確定していない状態（すなわち、仮選択中の状態）であるため、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、オーディオ装置２０に対して音源の切替えを実行させない。

　ＨＤＤ１００を仮選択中の状態で、ユーザは、指６４をスイッチ３０から離す（Ｓ３）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して、指６４がスイッチ３０から離れたこと（非接触）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、音源の選択を確定し、オーディオ装置２０に対して音源をＡＭ放送からＨＤＤ１００に切り替えさせる。また、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、図９の上側画面１２２を非表示にさせると共に、図９の基本画面１２０を図１０の基本画面１３０に切り替えさせる。

　ＨＤＤ１００について起動時点において選択されていた内容（初期設定）は、複数のアルバムＡｈ１～Ａｈ１０のうちアルバムＡｈ１における曲Ｔｈ１－５であるものとする。この場合、音源がＡＭ放送からＨＤＤ１００に切り替わった時点でオーディオ装置２０は、曲Ｔｈ１－５の再生を開始する。

　上記のように、音源がＡＭ放送からＨＤＤ１００に切り替わると、図１０の基本画面１３０が表示される。基本画面１３０には、起動時点において選択されているアルバム名（アルバムＡｈ１）、ジャンル名（例えば、カントリミュージック）、実演家名（図１０中では、「ＸＸＸ」）及び曲名（曲Ｔｈ１－５）が表示される。加えて、図９の基本画面１２０と同様、基本画面１３０には、スイッチ３０の正面形状と同じ円形の意匠表示（スイッチアイコン１４０）が含まれる。アイコン１４０は、ステアリングスイッチ３０を示す。アイコン１４０の中央には、選択中のアルバム（アルバムＡｈ１）のジャケット表面の画像が表示される。

　次いで、ユーザは、アルバムＡｈ１～Ａｈ１０の中からアルバムＡｈ３の選択を行う。具体的には、音源としてＨＤＤ１００が選択されていることを示す基本画面１３０が表示されている状態で、ユーザは、スイッチ３０の下側部分１５２に指６４を接触させる（図８のＳ４）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して当該接触を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、選択可能な複数のアルバムＡｈ１～Ａｈ１０（又は中位層若しくは第２選択肢群）を含む中央画面１３４をアイコン１４０内及びその周囲に表示させる。

　ここでは、起動時に選択されているアルバムとして、アルバムＡｈ１が選択されているため、アイコン１４０の中央にはアルバムＡｈ１を示す表示（例えば、アルバムＩのジャケット表面の画像）が表示される。

　アルバムＡｈ１をアルバムＡｈ３に切り替えるため、ユーザは、スイッチ３０の下側部分１５２に指６４を接触させた後（Ｓ４）、指６４をスイッチ３０に接触させたままの状態で、スイッチ３０の外周に沿って指６４を円運動させ、ロータリノブ５６を回転させる（Ｓ５）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、ロータリエンコーダ５８を介して当該回転（すなわち、円運動）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、アルバムＡｈ１～Ａｈ１０の選択肢を順次切り替えさせる。

　この際、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、その時点で暫定的に又は仮に選択されているアルバム（仮選択中のアルバム）を示す表示（例えば、ジャケット表面の画像）をアイコン１４０内において相対的に大きく表示させる。すなわち、アルバムＡｈ１～Ａｈ１０の選択肢を切り替える度に、各アルバムを示す表示をスクロールさせる（表示領域の関係上、全てのアルバムを表示できない場合、一部のアルバムの表示のみを表示させる。）。

　なお、この時点では、選択が確定していない状態（すなわち、仮選択中の状態）であるため、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、オーディオ装置２０に対してアルバムの切替えを実行させない。

　アルバムＡｈ３を仮選択中の状態で、ユーザは、指６４をスイッチ３０から離す（Ｓ６）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して、指６４がスイッチ３０から離れたこと（非接触）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、アルバムの選択を確定し、オーディオ装置２０に対して選択中のアルバムをアルバムＡｈ１からアルバムＡｈ３に切り替えさせる。これを受けて、オーディオ装置２０は、アルバムＡｈ３の最初に収録されている曲（曲Ｔｈ３－１）の再生を開始する。また、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、中央画面１３４を非表示にさせると共に、基本画面１３０には、アルバムＡｈ３の名称並びにアルバムＡｈ３の最初に収録されている曲（曲Ｔｈ３－１）のジャンル名、実演家名及び曲名を表示させる（なお、図１０では、曲Ｔｈ３－１を選択している状態を示していない。）。

　次いで、ユーザは、アルバムＡｈ３に含まれる曲Ｔｈ３－１～Ｔｈ３－１０の中から曲Ｔｈ３－３の選択を行う。具体的には、基本画面１３０が表示されている状態で、ユーザは、スイッチ３０の右側部分１５４に指６４を接触させる（図８のＳ７）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して当該接触を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、選択可能な複数の曲Ｔｈ３－１～Ｔｈ３－５（又は下位層若しくは第３選択肢群）を含む右側画面１３６をアイコン１４０の右側に表示させる。

　ここでは、アルバムＡｈ３が選択された後、曲Ｔｈ３－１の再生が開始されるため、アイコン１４０の右側の真ん中には曲Ｔｈ３－１の曲名が表示されている。

　なお、図１０では、各曲を記号Ｔｈ３－１～Ｔｈ３－５で示しているが、これらの記号は、曲名を簡略的に示すものとして用いている。このため、実際には、図１０において曲Ｔｈ３－１～曲Ｔｈ３－５と記載されている箇所には、各曲の曲名が表示される。一般的に、曲名は、音源の名称又はアルバム名より比較的長い文字列で表されることがあるが、本実施形態では、アイコン１４０の右側にこれらの曲名が表示される。このため、表示パネル３２における基本画面１３０の表示領域のバランスが良くなると共に、表示領域を小さくすることが可能となる。

　曲Ｔｈ３－１を曲Ｔｈ３－３に切り替えるため、ユーザは、スイッチ３０の右側部分１５４に指６４を接触させた後（Ｓ７）、指６４をスイッチ３０に接触させたままの状態で、スイッチ３０の外周に沿って指６４を円運動させ、ロータリノブ５６を回転させる（Ｓ８）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、ロータリエンコーダ５８を介して当該回転（すなわち、円運動）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、曲Ｔｈ３－１～Ｔｈ３－１０の選択肢を順次切り替えさせる。

　この際、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、その時点で暫定的に又は仮に選択されている曲（仮選択中の曲）の曲名の表示色を反転表示させる。すなわち、曲Ｔｈ３－１～Ｔｈ３－１０の選択肢を切り替える度に、各曲名をスクロールさせる（表示領域の関係上、全ての曲名を表示できない場合、一部の曲名のみを表示させる。）。

　なお、この時点では、選択が確定していない状態（すなわち、仮選択中の状態）であるため、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、オーディオ装置２０に対して曲の切替えを実行させない。

　曲Ｔｈ３－３が仮選択中の状態で、ユーザは、指６４をスイッチ３０から離す（Ｓ９）。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して、指６４がスイッチ３０から離れたこと（非接触）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、曲Ｔｈ３－３の選択を確定し、オーディオ装置２０に対して選択中の曲を曲Ｔｈ３－１から曲Ｔｈ３－３に切り替えさせる。これを受けて、オーディオ装置２０は、選択された曲Ｔｈ３－３の再生を開始する。また、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、右側画面１３６を非表示にさせると共に、基本画面１３０には、アルバムＡｈ３の名称並びに選択中の曲（曲Ｔｈ３－３）のジャンル名、実演家名及び曲名を表示させる。

　なお、上記操作手順はあくまで一例であり、ユーザは、音源の選択（Ｓ１～Ｓ３）、アルバムの選択（Ｓ４～Ｓ６）及び曲の選択（Ｓ７～Ｓ９）を、必要に応じて別々に行うことも可能である。例えば、ユーザが曲の選択のみを行いたい場合、ステップＳ７～Ｓ９の操作のみを行えばよい。すなわち、ステップＳ１～Ｓ６の操作なしに曲を切り替えることができる。また、ユーザがアルバムの選択のみを行いたい場合、ステップＳ４～Ｓ６の操作のみを行えばよい。すなわち、ステップＳ１～Ｓ３の操作なしにアルバムを切り替えることができる。

　さらに、ユーザは、スイッチ３０を操作することにより、オーディオ装置２０の出力音量を調整することができる。具体的には、任意の時点で、ユーザは、スイッチ３０の左側部分１５６に指６４を接触させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して当該接触を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、音量レベルを示す目盛りを含む左側画面１３８をアイコン１４０の左側に表示させる。

　音量を大きくする場合、ユーザは、スイッチ３０の左側部分１５６に指６４を接触させた後、指６４をスイッチ３０に接触させたままの状態で、スイッチ３０の外周に沿って時計回りに指６４を円運動させてロータリノブ５６を回転させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、ロータリエンコーダ５８を介して当該回転（すなわち、円運動）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、オーディオ装置２０に対し、ノブ５６の回転量に応じて音量を増大させる。また、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、左側画面１３８において音量レベルを示す目盛りを増加させる。

　音量を小さくする場合、ユーザは、スイッチ３０の左側部分１５６に指６４を接触させた後、指６４をスイッチ３０に接触させたままの状態で、スイッチ３０の外周に沿って反時計回りに指６４を円運動させてロータリノブ５６を回転させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、ロータリエンコーダ５８を介して当該回転（すなわち、円運動）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、オーディオ装置２０に対し、ノブ５６の回転量に応じて音量を減少させる。また、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、左側画面１３８において音量レベルを示す目盛りを減少させる。

（２－１－２．オーディオ装置２０の操作に関する階層構造）
　図１１は、オーディオ装置２０の操作に関する階層構造を、ステアリングスイッチ３０の部分に対応させて示す図である。

　図１１に示すように、本実施形態では、オーディオ装置２０の操作に関する階層が、上位層、中位層及び下位層に分かれる。

　上位層は、音源（第１選択肢群）に関する層であり、この上位層には、ＡＭ放送、ＦＭ放送、ＨＤＤ１００及びＵＳＢメモリが含まれる。中位層は、ＡＭ放送及びＦＭ放送であれば、放送局（第２選択肢群）に関する層であり、ＨＤＤ１００及びＵＳＢメモリであれば、アルバム（第２選択肢群）に関する層である。従って、この中位層には、ＡＭの放送局Ｘａ１、Ｘａ２、Ｘａ３等と、ＦＭの放送局Ｘｆ１、Ｘｆ２、Ｘｆ３等と、ＨＤＤ１００に記憶されているアルバムＡｈ１、Ａｈ２、Ａｈ３等と、ＵＳＢメモリに記憶されているアルバムＡｕ１、Ａｕ２、Ａｕ３等とが含まれる。

　下位層は、ＨＤＤ１００及びＵＳＢメモリであれば、曲（第３選択肢群）に関する層である。従って、この下位層には、ＨＤＤ１００に記憶されている曲Ｔｈ１－１、Ｔｈ１－２、Ｔｈ１－３等と、ＵＳＢメモリに記憶されているＴｕ１－１、Ｔｕ１－２、Ｔｕ１－３等が含まれる。本実施形態では、ＡＭ放送及びＦＭ放送については下位層に含まれる内容がないが、例えば、任意のタイミングで番組を再生可能なラジオ（双方向ラジオ）であれば、下位層は、番組（第３選択肢群）に関する層としてもよい。

　図１１に示すように、本実施形態では、ステアリングスイッチ３０の上側部分１５０に音源（上位層又は第１選択肢群）が割り当てられ、スイッチ３０の下側部分１５２に音源より下位の階層の放送局及びアルバム（中位層又は第２選択肢群）が割り当てられ、スイッチ３０の右側部分１５４に放送局及びアルバムより下位の階層の番組及び曲（下位層又は第３選択肢群）が割り当てられている。

　従って、例えば、既に音源が選択されている状態であれば、音源の選択なしに、放送局又はアルバムを選択することが可能となる。また、既に放送局又はアルバムが選択されている状態であれば、放送局又はアルバムの選択なしに、番組又は曲を選択することが可能となる。

　なお、音量調整については、上位層及び下位層の区別がないため、図１１の階層構造には含まれない。

（２－１－３．オーディオ装置２０の操作に関する表示領域）
　図１２は、表示パネル３２における各表示領域と図１１の各階層との対応関係を簡略的に示す図である。

　表示パネル３２において、オーディオ装置２０の操作に関する表示が行われる領域を「表示領域１６０」という。表示領域１６０は、基本画面１２０、１３０を表示する領域である。

　上位層（第１選択肢群）に含まれる「音源」が表示される領域（以下「第１領域１６２」という。）は、表示領域１６０の上側に位置する。中位層（第２選択肢群）に含まれる「放送局」及び「アルバム」が表示される領域（以下「第２領域１６４」という。）は、表示領域１６０の下側に位置する。

　下位層（第３選択肢群）に含まれる「曲」が表示される領域（以下「第３領域１６６」という。）は、表示領域１６０の右側に位置する。階層構造に含まれない「音量」が表示される領域（以下「第４領域１６８」という。）は、表示領域１６０の左側に位置する。

　なお、図１２における表示領域１６０の各位置は、ステアリングスイッチ３０の各部分（上側部分１５０、下側部分１５２、右側部分１５４及び左側部分１５６）との対応関係で示している。このため、表示領域１６０の各位置と基本画面１２０、１３０における各位置は厳密には対応していないことに留意されたい。

　例えば、中位層に関する第２領域１６４（図１２）は、表示領域１６０の下側に配置されているが、同じ中位層に関する中央画面１３４（図１０）は、アイコン１４０内及びその周囲に表示され、アイコン１４０の下方には表示されない。但し、中央画面１３４は、上側画面１３２に対して下方にあるため、実質的に、表示領域１６０の下側に配置されていると捉えることも可能である。もちろん、中央画面１３４に表示している内容（中位層に関する選択肢）をアイコン１４０の下方に表示してもよい。

［２－２．カメラシステム２２に関する制御］
（２－２－１．カメラシステム２２の操作手順）
　オーディオ装置２０について説明したように、本実施形態では、記憶部８４において、上下関係のある複数の階層又は選択肢群を、ステアリングスイッチ３０の各部分（上側部分１５０、下側部分１５２、右側部分１５４及び左側部分１５６）に対応させておく。そして、スイッチ３０のいずれかの部分に指６４を接触させた後、指６４を円運動させてロータリノブ５６を回転させることで、当該階層（選択肢群）に含まれる選択肢（メニュー）を仮選択する。その後、スイッチ３０のタッチパネル４０から指６４を離すことにより、選択を確定させ、選択された選択肢に対応する機能又は処理を実行する。

（２－２－２．カメラシステム２２の操作に関する階層構造）
　図１３は、カメラシステム２２の操作に関する階層構造を、ステアリングスイッチ３０の部分に対応させて示す図である。

　図１３に示すように、本実施形態では、カメラシステム２２の操作に関する階層が、上位層、第１下位層及び第２下位層に分かれる。第１下位層と第２下位層は、いずれも上位層との間で上下関係があるものの、第１下位層と第２下位層との間に上下関係はなく、相互に独立している。第１下位層及び第２下位層の一方を他方の下位の層として関連付けてもよい。

　上位層は、対象カメラ（第１選択肢群）に関する層であり、この上位層には、側方カメラ１１０Ｌ、１１０Ｒ及び後方カメラ１１２が含まれる。対象カメラには、図示しない前方カメラ等のカメラを含んでもよい。第１下位層は、画角（第２選択肢群）に関する層であり、この第１下位層には、側方カメラ１１０Ｌ、１１０Ｒ用のノーマル、スポーツ及びワイドと、後方カメラ１１２用のノーマル、平面視及びワイドが含まれる。画角の詳細は、図１４及び図１６を参照して後述する。

　第２下位層は、補助線を用いた案内パターン（第３選択肢群）に関する層であり、この第２下位層には、側方カメラ１１０Ｌ、１１０Ｒ用の案内パターン１－１（補助線なし）、１－２（第１補助線）及び１－３（第２補助線）と、後方カメラ１１２用の案内パターン２－１（補助線なし）、２－２（第１補助線）及び２－３（第２補助線）が含まれる。案内パターンの詳細は、図１５及び図１７を参照して後述する。

　図１３に示すように、本実施形態では、ステアリングスイッチ３０の上側部分１５０に対象カメラ（上位層又は第１選択肢群）が割り当てられ、スイッチ３０の下側部分１５２に対象カメラより下位の階層の画角（第１下位層又は第２選択肢群）が割り当てられ、スイッチ３０の右側部分１５４に対象カメラより下位の階層の案内パターン（第２下位層又は第３選択肢群）が割り当てられている。

　従って、例えば、既に対象カメラが選択されている状態であれば、対象カメラの選択なしに、画角又は案内パターンを選択することが可能となる。

　なお、ユーザは、スイッチ３０を操作することにより、表示パネル３２の明度を調整することができる。具体的には、任意の時点で、ユーザは、スイッチ３０の左側部分１５６に指６４を接触させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して当該接触を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、明度を示す目盛りを含む左側画面（図示せず）をアイコン１４０の左側に表示させる。

　明度を大きくする場合、ユーザは、スイッチ３０の左側部分１５６に指６４を接触させた後、指６４をスイッチ３０に接触させたままの状態で、スイッチ３０の外周に沿って時計回りに指６４を円運動させてロータリノブ５６を回転させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、ロータリエンコーダ５８を介して当該回転（すなわち、円運動）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、表示パネル３２に対し、ノブ５６の回転量に応じて明度を増大させる。また、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、左側画面１３８において明度を示す目盛りを増加させる。

　明度を小さくする場合、ユーザは、スイッチ３０の左側部分１５６に指６４を接触させた後、指６４をスイッチ３０に接触させたままの状態で、スイッチ３０の外周に沿って反時計回りに指６４を円運動させてロータリノブ５６を回転させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、ロータリエンコーダ５８を介して当該回転（すなわち、円運動）を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、表示パネル３２に対し、ノブ５６の回転量に応じて明度を減少させる。また、表示ＥＣＵ３４（表示制御機能９２）は、左側画面１３８において明度を示す目盛りを減少させる。

　なお、明度の調整については、上位層及び下位層の区別がないため、図１３の階層構造には含まれない。

（２－２－３．カメラシステム２２の操作に関する表示領域及び表示例）
　図１４は、表示パネル３２における各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、対象カメラが側方カメラである場合の画角の表示例を簡略的に示す図である。図１５は、表示パネル３２における各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、対象カメラが側方カメラである場合の案内パターンの表示例を簡略的に示す図である。

　図１６は、表示パネル３２における各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、対象カメラが後方カメラである場合の画角の表示例を簡略的に示す図である。図１７は、表示パネル３２における各表示領域と図１３の各階層との対応関係を簡略的に示すと共に、対象カメラが後方カメラである場合の案内パターンの表示例を簡略的に示す図である。

　表示パネル３２において、カメラシステム２２の操作に関する表示が行われる領域を「表示領域１７０」という。上位層（第１選択肢群）に含まれる「対象カメラ」が表示される領域（以下「第１領域１７２」という。）は、表示領域１７０の上側に位置する。第１下位層（第２選択肢群）に含まれる「画角」が表示される領域（以下「第２領域１７４」という。）は、表示領域１７０の下側に位置する。

　第２下位層（第３選択肢群）に含まれる「案内パターン」が表示される領域（以下「第３領域１７６」という。）は、表示領域１７０の右側に位置する。階層構造に含まれない「明度」が表示される領域（以下「第４領域１７８」という。）は、表示領域１７０の左側に位置する。

　側方カメラの画角に関し、図１４に示すように、ノーマルであるときと比べて、スポーツであるときの画角は狭くなり、ワイドであるときの画角は広くなる。

　側方カメラの案内パターンに関し、図１５に示すように、案内パターン１－１は、補助線がなく、案内パターン１－２は、１本の補助線（第１補助線）が示され、案内パターン１－３は、３本の補助線（第２補助線）が示される。なお、図１５では、画角がスポーツである場合を示しているが、画角がノーマル及びワイドの場合も同様である。

　後方カメラの画角に関し、図１６に示すように、ノーマルであるとき、通常の後方画像であり、平面視であるとき、車両１０の後方が平面視で示され、ワイドであるとき、ノーマルのときよりも画角が広くなる。

　後方カメラの案内パターンに関し、図１７に示すように、案内パターン２－１は、補助線がなく、案内パターン２－２は、第１パターンの補助線（第１補助線）が示され、案内パターン２－３は、第２パターンの補助線（第２補助線）が示される。なお、図１７では、画角が平面視である場合を示しているが、画角がノーマル及びワイドの場合も同様である。

　なお、図１２の表示領域１６０と同様、図１４～図１７における表示領域１７０の各位置は、ステアリングスイッチ３０の各部分（上側部分１５０、下側部分１５２、右側部分１５４及び左側部分１５６）との対応関係で示している。このため、図１４～図１７の第１～第４領域１７２、１７４、１７６、１７８は、実際の表示画面においても基本画面（図９及び図１０の基本画面１２０、１３０参照）又はアイコン１４０の上側、下側、右側及び左側に表示することができる一方、表示領域１７０の各位置と基本画面又はアイコン１４０に対する各位置は厳密には対応していなくてもよい。

　また、図１４の第２領域１７４における画角は、図１４におけるように選択肢を文字（「ノーマル」、「スポーツ」及び「ワイド」）で示すことができる一方、図１４に示すような実際の画像（映像）を表示するものであってもよい。図１６の第２領域１７４における画角、並びに図１５及び図１７の第３領域１７６における案内パターンも同様である。

［２－３．各車載機器の選択］
　図１８は、オーディオ装置２０を操作対象機器として選択する場合の操作を示す図であり、図１９は、カメラシステム２２を操作対象機器として選択する場合の操作を示す図である。

　図１８に示すように、オーディオ装置２０を操作対象機器として選択する場合、ユーザは、ステアリングスイッチ３０の下側部分１５２に指６４を接触させた後、接触状態を保ったまま、指６４を上側に直線運動させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して当該接触及び直線運動を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、操作対象機器をオーディオ装置２０に切り替える。

　図１９に示すように、カメラシステム２２を操作対象機器として選択する場合、ユーザは、ステアリングスイッチ３０の左側部分１５６に指６４を接触させた後、接触状態を保ったまま、指６４を右側に直線運動させる。表示ＥＣＵ３４（ＳＷ操作判定機能９０）は、タッチパネル４０を介して当該接触及び直線運動を検出する。そして、表示ＥＣＵ３４（車載機器制御機能９４）は、操作対象機器をカメラシステム２２に切り替える。

［２－４．一般的な制御］
　上述したオーディオ装置２０及びカメラシステム２２に関する制御を踏まえ、以下では、車載機器を一般化した場合の表示装置１２の制御について説明する。

　図２０及び図２１は、本実施形態に係る表示装置１２による一般的な制御の第１及び第２フローチャートである。図２０のステップＳ１１において、表示装置１２は、タッチパネル４０への接触があったか否かを判定する。接触がない場合（Ｓ１１：ＮＯ）、ステップＳ１１を繰り返す。接触があった場合（Ｓ１１：ＹＥＳ）、ステップＳ１２において、表示装置１２は、接触開始位置を検出する。すなわち、接触開始位置が、ステアリングスイッチ３０の上側部分１５０、下側部分１５２、右側部分１５４又は左側部分１５６のいずれであるかを判定する。なお、接触開始位置の検出は、タッチパネル４０における具体的な領域又は座標を特定するものに限らない（詳細は、後述する。）。

　ステップＳ１３において、表示装置１２は、ステップＳ１２で検出した接触開始位置に対応する選択画面を表示パネル３２に表示する。例えば、接触開始位置がスイッチ３０の上側部分１５０である場合、アイコン１４０の上側に上側画面（上側画面１２２、１３２等）を表示する（図９及び図１０参照）。また、接触開始位置がスイッチ３０の下側部分１５２である場合、アイコン１４０の下側に下側画面を表示する。

　但し、上記のように、下側画面には、上側画面（上側画面１２２、１３２等）に対して下側にあれば、アイコン１４０に対して下側でない画面（中央画面１２４、１３４等）を含む。同様に、上側画面には、下側画面に対して上側であれば、アイコン１４０に対して上側でない画面（例えば、アイコン１４０中に選択肢が表示される画面）であってもよい。

　ステップＳ１４において、表示装置１２は、接触位置の移動があったか否かを判定する。接触位置の移動があった場合（Ｓ１４：ＹＥＳ）、ステップＳ１５において、表示装置１２は、接触位置の軌跡が直線的なものであるか否か、換言すると、指６４が直線運動中であるか否かを判定する。

　直線運動中である場合（Ｓ１５：ＹＥＳ）、ステップＳ１６において、表示装置１２は、直線運動の軌跡が特定の車載機器を選択するパターン（車載機器選択パターン）であるか否かを行うパターン判定を実行する。例えば、上記のように、接触開始位置がスイッチ３０の下側部分１５２であり、その後、上側に直線運動がされた場合、オーディオ装置２０を選択するパターンであると判定する（図１８参照）。

　続くステップＳ１７において、直線運動の軌跡が特定の車載機器選択パターンであり、操作対象機器の切替えを要する場合（Ｓ１７：ＹＥＳ）、ステップＳ１８において、表示装置１２は、操作対象機器を当該パターンに対応するものに切り替える。直線運動の軌跡が特定の車載機器選択パターンでなく、操作対象機器の切替えを要さない場合（Ｓ１７：ＮＯ）、そのまま今回の処理を終える。

　ステップＳ１５に戻り、指６４が直線運動中でない場合（Ｓ１５：ＮＯ）、図２１のステップＳ１９において、表示装置１２は、接触位置の軌跡が円形なものであるか否か、換言すると、指６４が円運動中であるか否かを判定する。本実施形態において、当該判定は、ロータリノブ５６の変位量により行う。後述するように、別の方法でも判定可能である。

　円運動中でない場合（Ｓ１９：ＮＯ）、そのまま今回の処理を終える。円運動中である場合（Ｓ１９：ＹＥＳ）、接触開始位置に対応する選択肢が、階層構造のものであれば（Ｓ２０：ＹＥＳ）、ステップＳ２１において、表示装置１２は、円運動の量（すなわち、ロータリノブ５６の変位量）を検出する。本実施形態において、当該変位量は、接触開始位置からの変位量である。或いは、前回の演算周期と今回の演算周期における変位量の差分を用いてもよい。

　ステップＳ２２において、表示装置１２は、接触開始位置及び変位量に基づいて仮選択の内容を切り替える。例えば、操作対象機器がオーディオ装置２０であり、音源としてＨＤＤ１００が選択されており且つステアリングスイッチ３０の下側部分１５２が接触開始位置である場合、ロータリノブ５６の変位量に応じてアルバムの切替えを行う（図１０参照）。

　ステップＳ２３において、表示装置１２は、指６４がスイッチ３０から離れ、タッチパネル４０に対する指６４の接触が終了したか否かを判定する。接触が終了していない場合（Ｓ２３：ＮＯ）、ステップＳ２１に戻る。接触が終了した場合（Ｓ２３：ＹＥＳ）、ステップＳ２４において、表示装置１２は、仮選択されていた選択肢（メニュー）について選択を確定する。そして、表示装置１２は、選択が確定した選択肢に対応する処理又は制御を操作対象機器に実行させる。

　ステップＳ２０に戻り、接触開始位置に対応する選択肢が階層構造のものでなければ（Ｓ２０：ＮＯ）、ステップＳ２５において、表示装置１２は、ロータリノブ５６の変位量を検出する。続くステップＳ２６において、表示装置１２は、ノブ５６の変位量に応じて制御パラメータを調整する。例えば、オーディオ装置２０が操作対象機器であり、音量に対応するスイッチ３０の左側部分１５６が接触開始位置である場合、円運動が時計回りであれば、音量を増大させ、円運動が反時計回りであれば、音量を減少させる。この場合、接触が終了していなくても、制御パラメータを調整する。

　続くステップＳ２７において、表示装置１２は、指６４がスイッチ３０から離れ、接触が終了したか否かを判定する。接触が終了していなければ（Ｓ２７：ＮＯ）、ステップＳ２５に戻る。接触が終了していれば（Ｓ２７：ＹＥＳ）、今回の処理を終了する。

　図２０のステップＳ１４に戻り、接触位置の移動がない場合（Ｓ１４：ＮＯ）、ステップＳ２８において、表示装置１２は、指６４がスイッチ３０から離れ、接触が終了したか否かを判定する。接触が終了していなければ（Ｓ２８：ＮＯ）、ステップＳ１４に戻る。接触が終了していれば（Ｓ２８：ＹＥＳ）、今回の処理を終了する。

３．本実施形態の効果
　以上のように、本実施形態によれば、タッチパネル４０（接触部）への接触により階層（例えば、上位層、中位層又は下位層）を選択する（図９、図１０及び図２０のＳ１３参照）。また、タッチパネル４０への接触状態を保ちつつ接触位置を移動させるジェスチャにより（図２１のＳ１９：ＹＥＳ）、選択した階層に含まれる複数の選択肢（メニュー）を遷移させて仮選択を可能とする（Ｓ２２）。さらに、タッチパネル４０に対するユーザの接触が終了したとき（Ｓ２３：ＹＥＳ）、その時点で仮選択されている選択肢の選択を確定し、選択が確定した選択肢対応する車載機器の機能又は処理を実行する（Ｓ２４）。

　これにより、「触れる・移動する・離す」（touch, move and detach）の１回の一連の動作だけで、階層の選択、選択肢の仮選択及び選択肢の選択確定が可能となる。従って、階層及び選択肢の選択を簡素化し、操作時間を短縮することが可能となる。加えて、操作時間の短縮に伴って、ドライバディストラクションを防ぐことが可能となる。

　本実施形態において、タッチパネル４０は、複数の階層のうち少なくとも表示パネル３２（表示手段）に表示可能な階層の数の領域に分割して連続して配置される。例えば、図１０の例であれば、表示パネル３２では、階層構造に含まれる音源（上側画面１３２）、アルバム（中央画面１３４）及び曲（右側画面１３６）の３つの領域に分割して連続して配置される。また、表示ＥＣＵ３４（ジェスチャ判定手段）は、接触開始位置に対応した階層に含まれる複数の選択肢の遷移を、ユーザがタッチパネル４０に非接触となるまで継続させる（図２１のＳ２１～Ｓ２３）。

　これにより、例えば、複数の階層と接触が開始された領域（ステアリングスイッチ３０の上側部分１５０、下側部分１５２及び右側部分１５４）とを対応付け且つ各領域が連続して配置されている場合でも、タッチパネル４０への接触状態を保っている限り、仮選択されている階層は切り替わらないこととなる。このため、仮選択中の階層に関する操作（ジェスチャ）の自由度が増えることで、操作時間を短縮させ、ドライバディストラクションを低減することが可能となる。

　本実施形態において、各車載機器の操作を行う操作子は、ステアリングハンドル３６に配置されるステアリングスイッチ３０であり、タッチパネル４０は、少なくとも階層の数（例えば、上位層、中位層及び下位層であれば、３つ）の領域にスイッチ３０の外周側に分割して配置されている（図９及び図１０参照）。また、表示パネル３２は、スイッチ３０の形状に対応したアイコン１４０を表示すると共に、接触開始位置に対応する階層に含まれる複数の選択肢（メニュー）を、ユーザがスイッチ３０に接触したときに表示し（図２０のＳ１３）、ユーザがスイッチ３０の外周側に沿ってタッチパネル４０に触れながら移動するジェスチャ（円運動）により複数の選択肢の切替えを可能とする（図２１のＳ１９：ＹＥＳ→Ｓ２０：ＹＥＳ→Ｓ２１→Ｓ２２→Ｓ２３）。

　これにより、操作子がステアリングスイッチ３０であったとしてもスイッチ３０の形状に対応したアイコン１４０が表示パネル３２に表示され、アイコン１４０の周囲に階層の選択肢が表示される。このため、ユーザにとって操作が理解し易く、ドライバディストラクションを低減することが可能となる。

　本実施形態において、表示パネル３２は、複数の選択肢を表示する領域を、アイコン１４０の中心付近を中心として所定角度毎に且つ階層毎に割り当てる（図９の場合、１８０°毎、図１０の場合、９０°毎）。また、表示ＥＣＵ３４は、接触開始位置と複数の選択肢を表示する領域とを対応させて階層を選択する（図９～図１７）。これにより、ステアリングスイッチ３０の形状とタッチパネル４０の接触開始位置に対応してアイコン１４０の周囲に複数の階層毎に選択肢を表示する。このため、どの領域に触れたらどの階層を選択することになるかをユーザは容易に理解することが可能となり、操作時間を短縮させ、ドライバディストラクションを低減することが可能となる。

　本実施形態において、表示パネル３２は、表示ＥＣＵ３４が円運動を判定したときに（図２１のＳ１９：ＹＥＳ）、複数の選択肢をアイコン１４０の周辺に円運動の動きに沿うように遷移させると共に（Ｓ２１、Ｓ２２）、階層が、文字列から形成される情報の選択肢（例えば、図１０の曲）からなる階層である場合、該選択肢に対応する階層の表示位置（右側画面１３６）をユーザから見てアイコン１４０に対して右に配置する。

　文字列から形成される情報の選択肢としての「曲」（曲名）が、アイコン１４０の周囲に沿って遷移する場合に、その配置をアイコン１４０に対して右側とすることで表示領域を小さくすることが可能となる。

　図１０において、タッチパネル４０は、ユーザから見て少なくとも上下左右のうち３方向（すなわち、上下右）の領域に分割され、基本画面１３０（表示パネル３２の表示領域１６０）は、ユーザから見て左右を長手方向とする長方形形状をなしている。また、アイコン１４０の周囲に階層毎の複数の選択肢（上側画面１３２、中央画面１３４及び右側画面１３６）を、アイコン１４０に対して３方向（上下右）に３つの階層（上位層としての音源、中位層としてのアルバム及び下位層としての曲）を表示する。上位層（音源）に含まれる複数の選択肢を上側に配置して表示し、中位層（アルバム）に含まれる複数の選択肢を下側に配置して表示し、下位層（曲）の複数の選択肢を右側に配置して表示する。

　下位層（曲）の選択肢は、詳細情報を表示する文字列となっており、その文字列をアイコン１４０の右側に表示することで基本画面１３０（表示パネル３２における表示領域１６０）を小さくすることが可能になると共に、見易くすることができる。さらに、上位層をアイコン１４０の上側へ配置することで直感的な操作が可能となり、ドライバディストラクションの低減につながる。

　本実施形態において、表示ＥＣＵ３４は、ステアリングスイッチ３０のロータリノブ５６の物理的な回転操作をジェスチャとして判定する。これにより、実際にノブ５６が回転するため、ユーザは、回転量を認識し易くなると共に、回転量と選択肢の遷移とを結びつけ易くなる。従って、操作性を高めることが可能となる。

Ｂ．変形例
　なお、この発明は、上記実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。

１．搭載対象
　上記実施形態では、表示装置１２を車両１０に搭載したが、これに限らず、別の対象に搭載してもよい。例えば、表示装置１２を電車や船舶、航空機等の移動体に用いることもできる。或いは、表示装置１２を工作機械又は電化製品に適用してもよい。

２．ステアリングスイッチ３０（操作子）
［２－１．配置］
　上記実施形態では、スイッチ３０をステアリングハンドル３６に配置したが（図２参照）、車載機器を操作する観点からすれば、ステアリングハンドル３６以外の位置（例えば、ステアリングコラム又はインスツルメンツパネル）に配置してもよい。

［２－２．構成］
　上記実施形態では、ステアリングスイッチ３０は、タッチパネル４０及びロータリノブ５６を有していたが、ユーザの操作（例えば、指６４の動き）を検出する観点からすれば、それ以外の構成であってもよい。

　図２２は、第１変形例に係るステアリングスイッチ３０ａ（以下「スイッチ３０ａ」ともいう。）の斜視図である。上記実施形態のスイッチ３０は、ロータリノブ５６がタッチパネル４０から独立して回転したが、第１変形例に係るスイッチ３０ａでは、タッチパネル４０がロータリノブ５６に固定されることで、タッチパネル４０とロータリノブ５６が一緒に回転する。この場合、スイッチ３０ａは、図示しない傾斜センサを備え、当該傾斜センサにより、スイッチ３０ａの上側を常に検出する。

　これにより、上記実施形態と同様、実際にスイッチ３０ａが回転するため、ユーザは、回転量を認識し易くなると共に、回転量と選択肢（メニュー）の遷移とを結びつけ易くなる。従って、操作性を高めることが可能となる。

　図２３は、第２変形例に係るステアリングスイッチ３０ｂ（以下「スイッチ３０ｂ」ともいう。）を配置したステアリングハンドル３６ａの外観正面図である。図２４は、図２３のＡ－Ａ線における断面図である。上記実施形態のスイッチ３０及び第１変形例に係るスイッチ３０ａは、ロータリノブ５６を有していたが、第２変形例に係るスイッチ３０ｂは、タッチパネル４０ａを有するが、ロータリノブ５６を有さない。

　また、図２３及び図２４に示すように、タッチパネル４０ａには、放射状に形成された複数の切込み１８０が形成されている。切込み１８０は、指６４が円運動したときに、各選択肢が遷移する移動量毎に形成される。ここにいう「各選択肢が遷移する移動量毎」とは、隣り合う切込み１８０間の距離が、選択肢の１回の切替えに対応する場合を意味するのみならず、選択肢を１回切り替えるために、複数の切込み１８０を跨る場合をも意味する。このような切込み１８０により、ユーザは、ジェスチャ時の移動量を理解することが可能となる。また、ユーザ（運転者）は、指６４がスイッチ３０ｂに対してどのように動いているか、すなわち、円運動を行っているか又は直線運動を行っているかを容易に認識することが可能となる。

　図２５は、第３変形例に係るステアリングスイッチ３０ｃ（以下「スイッチ３０ｃ」ともいう。）を配置したステアリングハンドル３６ｂの外観正面図である。第２変形例に係るスイッチ３０ｂと同様、第３変形例に係るスイッチ３０ｃは、ロータリノブ５６を有さない。

　スイッチ３０ｃは、複数の部位に分割された接触センサ１９０を有する。接触センサ１９０は、中央部１９２、上側部１９４、下側部１９６、右側部１９８及び左側部２００を有する。

　各部１９２、１９４、１９６、１９８、２００は、指６４の接触を検出する接触部として機能する。より具体的には、各部１９２、１９４、１９６、１９８、２００は、例えば、静電容量式の接触検出センサであり、指６４の動き（ここでは、円運動）を検出する。

　上記実施形態のスイッチ３０と異なり、スイッチ３０ｃの上下左右の各部１９４、１９６、１９８、２００は、各車載機器の機能又は処理に完全に関連付けられている。例えば、操作対象機器がオーディオ装置２０である場合、上側部１９４は、音源の選択についてのみ用いられ、指６４が接触センサ１９０から離れていなくても、上側部１９４から離れ一定時間（例えば、０．５～２秒間のいずれかの値）が経過した後に、音源の選択を確定させてもよい。音源の選択を確定させたくない場合、上記一定時間内に、再度、指６４を上側部１９４に接触させて移動させればよい。

　上記実施形態及び第１～第３変形例では、いずれのスイッチ３０、３０ａ～３０ｃも、正面視において円形を基調としていたが、選択肢（メニュー）の選択の観点からすれば、円形を基調とする形状に限らない。例えば、４つの頂点が上下左右に配置される正方形状を基調としてもよい。或いは、ＪＰ２０１２－０２２３９３Ａのように十字形状を基調としてもよい。或いは、縦長又は横長の長方形状を基調としてもよい。

　上記実施形態及び第１～第３変形例では、接触を検出する部位（例えば、タッチパネル４０）自体が変形するものではなかったが、例えば、指６４で押すと引っ込むプッシュ式であり且つ押された状態のまま接触部が回転するスイッチであってもよい。

［２－３．その他］
　上記実施形態及び第１～第３変形例では、車載機器（オーディオ装置２０及びカメラシステム２２）の操作に用いる操作子として、ステアリングスイッチ３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃを用いたが、ユーザが操作することにより車載機器の機能又は処理を実行可能とする観点からすれば、操作子は、これらのステアリングスイッチでなくてもよい。例えば、操作子としてのスイッチ（ステアリングスイッチ３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃと同様の構成を有するもの）を、ステアリングコラム、インスツルメントパネル７０等の別の部位に設けてもよい。

３．車載機器
　上記実施形態では、操作対象機器として、オーディオ装置２０及びカメラシステム２２を挙げたが、ステアリングスイッチ３０による操作の観点からすれば、これに限らない。例えば、オーディオ装置２０又はカメラシステム２２のいずれかのみを操作対象機器としてもよい。或いは、ナビゲーション装置、エアコンディショナ、ヘッドアップディスプレイ、ハザードランプ、運転者用のシート、ドアミラー、後方ライト、運転席側ウィンドウ及び助手席側ウィンドウのいずれかを操作対象機器とすることもできる。

４．制御内容
［４－１．階層構造］
　上記実施形態では、オーディオ装置２０の操作に関する階層構造を、上位層、中位層及び下位層の３層とし（図１１）、カメラシステム２２の操作に関する階層構造を、上位層、第１下位層及び第２下位層の３層とした（図１３）。しかしながら、複数の階層それぞれの選択肢（メニュー）の表示領域（例えば、図１２の領域１６２、１６４、１６６）を、表示パネル３２又は全体的な表示領域（例えば、図１２の領域１６０）において別々に配置する観点からすれば、少なくとも上位層と下位層の２層があればよく、また、４層以上とすることもできる。

［４－２．接触開始位置の検出］
　上記実施形態では、接触開始位置が、ステアリングスイッチ３０の上側部分１５０、下側部分１５２、右側部分１５４又は左側部分１５６のいずれであるかを判定した（図２０のＳ１２）。しかしながら、接触開始時において選択対象となる階層を選択する観点からすれば、接触開始位置の検出は、タッチパネル４０における具体的な領域又は座標を特定するものに限らない。例えば、図２５に示す第３変形例に係るスイッチ３０ｃでは、上側部１９４に接触されたこと（換言すると、上側部１９４が接触開始位置であること）が検出できれば、上側画面１２２、１３２を表示することができる。このため、上側部１９４のいずれの位置が接触開始位置であるかを検出する必要はない。

［４－３．選択肢（メニュー）の選択］
　上記実施形態では、ロータリノブ５６の回転（指６４の円運動）により選択肢（メニュー）の選択を行ったが、選択肢を選択する観点からすれば、これに限らない。例えば、第１～第３変形例に係るステアリングスイッチ３０ａ～３０ｃのように、ノブ５６を用いずに選択肢を選択することもできる。或いは、選択肢の切替えを直線運動に対応させて行ってもよい。

［４－４．操作対象機器の選択］
　上記実施形態では、タッチパネル４０上における直線的な軌跡（指６４の直線運動）により操作対象機器の選択を行ったが、操作対象機器を選択する観点からすれば、これに限らない。例えば、操作対象機器の切替えを円運動に対応させて行ってもよい。また、例えば、操作対象機器が固定されており（すなわち、特定の車載機器に限られており）選択ができない場合、操作対象機器の選択は行わなくてもよい。

［４－５．画面の表示］
　上記実施形態では、指６４がタッチパネル４０に接触したとき、接触開始位置に応じた画面（図９の上側画面１２２、中央画面１２４、左側画面１２６及び図１０の上側画面１３２、中央画面１３４、右側画面１３６、左側画面１３８）を表示した（図２０のＳ１３）。しかしながら、選択肢（メニュー）を表示パネル３２に表示する観点からすれば、これに限らない。例えば、接触の有無にかかわらず、各画面を並べて表示してもよい。

　上記実施形態（図９及び図１０）では、上位層（音源）をアイコン１４０の上側に表示し、中位層（放送局又はアルバム）をアイコン１４０内及びその周囲に表示し、下位層（曲）をアイコン１４０の右側に表示したが、選択肢（メニュー）を表示パネル３２に表示する観点からすれば、これに限らない。例えば、上位層（音源）をアイコン１４０の右側に表示し、中位層（放送局又はアルバム）をアイコン１４０の下側に表示し、下位層（曲）をアイコン１４０の左側に表示してもよい。

　上記実施形態では、指６４がタッチパネル４０に接触したときの表示として、アイコン１４０の上側での表示（上側画面１２２、１３２）、アイコン１４０内及びその周囲での表示（中央画面１２４、１３４）、アイコン１４０の右側での表示（右側画面１３６）、アイコン１４０の左側での表示（左側画面１２６、１３８）を用いた（図９及び図１０）。しかしながら、選択肢（メニュー）を表示パネル３２に表示する観点からすれば、これに限らない。例えば、各表示を、直線的な配置、三角形の各辺に対応した配置等の配置としてもよい。

　上記実施形態では、表示パネル３２に一度に表示する画面は、１つの操作対象機器の操作についてのものとした（図９及び図１０参照）。しかしながら、複数の階層それぞれの選択肢（メニュー）の表示領域（例えば、図１２の領域１６２、１６４、１６６）を、表示パネル３２又は全体的な表示領域（例えば、図１２の領域１６０）において別々に配置する観点からすれば、複数の操作対象機器それぞれの複数の階層に含まれる選択肢を、表示パネル３２に一度に表示してもよい。例えば、オーディオ装置２０の音源（上位層）、放送曲及びアルバム（中位層）と、カメラシステム２２の対象カメラ（上位層）及び画角（第１下位層）とを、表示パネル３２に一度に表示してもよい。

５．その他
　上記実施形態では、各選択肢（音源、アルバム、曲等）の選択に際し、各選択肢を示す内容を表示パネル３２に表示したが、車載機器の操作に着目すれば、必ずしもそのような内容の表示は行わなくてもよい。すなわち、表示パネル３２での表示なしで、ステアリングスイッチ３０の操作のみにより車載機器を操作することも可能である。

Claims

　車両（１０）に搭載され、少なくとも１つの車載機器（２０、２２）の操作に関する複数の階層に含まれる複数のメニューを表示する車両用表示装置（１２）であって、
　前記車両（１０）の乗員が操作することにより前記車載機器（２０、２２）の機能又は処理を実行可能とする操作子（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）と、
　前記操作子（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）に対するジェスチャを判定するジェスチャ判定手段（３４）と、
　前記複数の階層それぞれの前記複数のメニューを並べて表示する又は前記乗員が前記操作子（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）に接触したとき接触位置に対応する特定階層の前記複数のメニューを表示する表示手段（３２）と
　を備え、
　前記操作子（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）は、前記乗員の接触を判定する接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）を有し、
　前記ジェスチャ判定手段（３４）は、
　前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）に前記乗員が接触したとき、前記複数の階層のうち接触位置に対応する前記特定階層を選択し、
　前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）への接触状態を保ちつつ接触位置を移動させるジェスチャにより、選択した前記特定階層に含まれる前記複数のメニューを遷移させて仮選択し、
　前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）に対する前記乗員の接触が終了したとき、その時点で仮選択されているメニューの選択を確定し、選択が確定したメニューに対応する前記車載機器（２０、２２）の機能又は処理を実行する
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。
　請求項１記載の車両用表示装置（１２）において、
　前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）は、前記複数の階層のうち少なくとも前記表示手段（３２）に表示可能な階層の数の領域に分割して連続して配置され、
　前記ジェスチャ判定手段（３４）は、前記特定階層に含まれる前記複数のメニューの遷移を、前記乗員が前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）に非接触となるまで継続させる
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。
　請求項１又は２記載の車両用表示装置（１２）において、
　前記操作子は、前記車両（１０）のステアリングハンドル（３６）に配置されるステアリングスイッチ（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）であり、
　前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）は、少なくとも前記階層の数の領域に前記ステアリングスイッチ（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）の外周側に分割して配置され、
　前記表示手段（３２）は、前記ステアリングスイッチ（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）の形状に対応した意匠（１４０）を表示すると共に、前記複数の階層それぞれに含まれる前記複数のメニューを前記意匠（１４０）の周囲若しくは前記意匠（１４０）内に並べて表示し、又は前記特定階層に含まれる前記複数のメニューを、前記乗員が前記ステアリングスイッチ（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）に接触したときに表示し、
　前記乗員が前記ステアリングスイッチ（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）の外周側に沿って前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）に触れながら移動するジェスチャにより前記複数のメニューの遷移を可能とする
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。
　請求項３記載の車両用表示装置（１２）において、
　前記表示手段（３２）は、前記複数のメニューを表示する領域を、前記意匠（１４０）の中心付近を中心として所定角度毎に且つ前記階層毎に割り当て、
　前記ジェスチャ判定手段（３４）は、前記接触位置と前記複数のメニューを表示する領域とを対応させて前記階層を選択する
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。
　請求項４記載の車両用表示装置（１２）において、
　前記表示手段（３２）は、
　前記ジェスチャ判定手段（３４）が前記ジェスチャを判定したときに、前記複数のメニューを前記意匠（１４０）の周辺に前記ジェスチャの動きに沿うように遷移させると共に、
　前記階層が、文字列から形成される情報のメニューからなる階層である場合、該メニューに対応する前記階層の表示位置を、前記乗員から見て前記意匠（１４０）に対して左側又は右側に配置する
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。
　請求項５記載の車両用表示装置（１２）において、
　前記接触部（４０、４０ａ、５６、１９０）は、前記乗員から見て少なくとも上下左右のうち３方向の領域に分割され、
　前記表示手段（３２）は、前記乗員から見て左右を長手方向とする長方形形状をなしていると共に、前記意匠（１４０）の周囲に前記階層毎の複数のメニューを、該意匠（１４０）に対して少なくとも前記３方向に３つの階層を表示し、
　前記３つの階層のうち最上位の第１階層に含まれる前記複数のメニューを前記上下左右の上に配置して表示し、
　前記３つの階層のうち次に上位の第２階層に含まれる前記複数のメニューを前記上下左右の下に配置して表示し、
　前記３つの階層のうち最も下位の第３階層の前記複数のメニューを前記上下左右の左又は右に配置して表示する
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。
　請求項３～６のいずれか１項に記載の車両用表示装置（１２）において、
　前記接触部（４０ａ）は、円運動からなるジェスチャをしたときに、前記複数のメニューが遷移する移動量毎に切込み（１８０）を有する
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。
　請求項３～６のいずれか１項に記載の車両用表示装置（１２）において、
　前記ジェスチャ判定手段（３４）は、前記ステアリングスイッチ（３０、３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）の物理的な回転操作を前記ジェスチャとして判定する
　ことを特徴とする車両用表示装置（１２）。