WO2013154045A1 - 注射剤用組成物 - Google Patents
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Abstract
活性薬剤としてのピラルビシン及び添加剤を含有する注射剤用組成物であって、ピラルビシンがピラルビシン塩酸塩であり、添加剤がマルトース及び白糖から選ばれるいずれか1種もしくは2種である、組成物が開示される。
Description
本発明はアントラサイクリン系制癌剤の注射剤用組成物に関し、より具体的には、該制癌剤としてのピラルビシンの溶解性の改善された注射剤を提供するための組成物に関する。
現在販売されているピラルビシン製剤(賦形剤:乳糖)は、アントラサイクリン系制癌剤の注射剤であり、生理食塩水に対する溶解性がよくない。そのため注射用蒸留水に溶解した上で投与されているが、生理食塩水に比べて疼痛、膀胱への刺激が強いというマイナス面がある。このマイナス面を改善する目的で、生理食塩水への溶解性を高める工夫が試みられている(特許文献1、特許文献2、参照)。具体的には、前者は、製剤の溶解性を改善するために製剤の製造に際し、活性薬剤の塩の水溶液に水溶性有機溶媒を添加した後に凍結乾燥することを提案し、後者は、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍抗生物質に対して配合禁忌でないとされるニコチン酸アミド、イソニコチン酸アミドまたはゲンチジン酸アミドを溶解補助剤として使用することを提案している。
先行技術によると、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍抗生物質を含有する注射剤の溶解性を改善するとの所定の目的は達成されている。しかし、特許文献2によると、特許文献1(特開平7-76515号に相当する)に記載の発明はハンドリングの問題から実施されていない状況にあると述べられている。一方、特許文献2の発明では、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍抗生物質に対して配合禁忌でないというものの、いずれも一定の生理活性を有する化合物を溶解補助剤として使用するものである。仮に、このような化合物を用いることなく所期の目的が達成できるなら、それに勝るものはない。したがって、本発明の目的はアントラサイクリン系制癌剤の中でも特に生理食塩水に対する溶解性の劣るピラルビシンを含有する注射剤において、特定の生理活性を示す化合物を使用することなくピラルビシンの溶解性が向上した注射剤を提供することにある。
本発明者等は、当該技術分野で、通常、賦形剤として使用されることの多いマルトースまたは白糖を、ピラルビシン塩酸塩に対して一定割合以上配合すると、こうして調製される組成物は急激に生理食塩水への溶解性が向上することを、今ここに、見出した。マルトースまたは白糖は特許文献1及び2のいずれにも賦形剤として使用することすら記載も示唆もされていないことから、上記の知見は驚くべきことである。
したがって、上記課題を解決する手段として、活性薬剤としてのピラルビシン及び添加剤を含有する注射剤用組成物であって、活性薬剤としてのピラルビシンがピラルビシン塩酸塩であり、添加剤がマルトース及び白糖から選ばれるいずれか1種もしくは2種である注射剤用組成物が提供され、当該組成物は、以下のa)からc)までのいずれかの条件を満たすことを特徴とする。
a)ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:少なくとも22であること。
b)ピラルビシン塩酸塩対白糖の重量比が1:少なくとも22であること。
c)ピラルビシン塩酸塩対白糖とマルトースの合計の重量比が1:少なくとも22であること。
a)ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:少なくとも22であること。
b)ピラルビシン塩酸塩対白糖の重量比が1:少なくとも22であること。
c)ピラルビシン塩酸塩対白糖とマルトースの合計の重量比が1:少なくとも22であること。
このような組成物は、25℃において、生理食塩水に対して30秒以内に溶解し、かつ、凍結乾燥品の貯蔵安定性は、賦形剤として乳糖を含有する現在臨床使用されているピラルビシンの注射剤用凍結乾燥品のそれに優るとも劣らない。
以下、本発明を詳細に説明する。
注射剤用組成物にいう、注射剤は、患者の体内に注入される製剤であれば、その投与経路、投与部位、投与様式等により何ら制限されないが、就中、静脈内、動脈内、膀胱内へ投与される製剤を意図している。
組成物は当該技術分野で常用される意味で使用されており、2種以上の物質の混合物を意味する。したがって、組成物には、上記の活性薬剤と添加剤に加え、本発明の目的に沿うものであるなら、当該技術分野で常用されている、他の賦形剤、緩衝剤またはpH調節剤、浸透圧調節剤、防腐剤、抗酸化剤等を含むことができる。
ピラルビシンまたはピラルビシン塩酸塩は、特開昭54-30146号公報、特開昭60-16998号公報、特開昭62-116591号公報または特開平1-19091号公報に記載の方法により調製することができる。
本発明に必須の成分であるピラルビシン塩酸塩は疎水性が高いため、従来の乳糖を添加剤または賦形剤に用いて調製した製剤を生理食塩水に溶解しようとすると、相当量の乳糖を用いても原薬が溶解不良を起こす場合がしばしばであった。ところが、理論に拘束されるものでないが、賦形剤として例えば、マルトースを用いると、原薬の疎水性がマルトースにより打ち消されるため、例えば、原薬1に対してマルトースを22以上添加したところで溶解性に劇的な変化が起こり、原薬が生理食塩水へもスムーズに溶解するようになったものと理解できる。また、白糖もマルトースと同様な挙動を示す。したがって、ピラルビシン塩酸塩と添加剤としてのマルトースまたは白糖は、上述した重量比で含まれておれば、理論上添加剤の含有量に上限はない。しかし、かような組成物は、通常、凍結乾燥された形態で提供されることを考慮すると、以下の1)および2)の効果を奏するため、添加剤の濃度が135mg/mLを越えないようにすることが好ましい。
1)凍結乾燥処理が円滑に実施できる。
2)処理後に取得できる凍結乾燥ケーキがバイアル中で2層になったり、下部がやせたりした外観にならない。
1)凍結乾燥処理が円滑に実施できる。
2)処理後に取得できる凍結乾燥ケーキがバイアル中で2層になったり、下部がやせたりした外観にならない。
したがって、限定されるものではないが、本発明の組成物の好ましい態様として、活性薬剤としてのピラルビシン及び添加剤を含有する注射剤用組成物であって、活性薬剤としてのピラルビシンがピラルビシン塩酸塩であり、添加剤がマルトース及び白糖から選ばれるいずれか1種もしくは2種であり、かつ、以下のa)からc)までのいずれかの条件を満たすことを特徴とする組成物を挙げることができる。
a)ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:22~41であること。
b)ピラルビシン塩酸塩対白糖が1:22~41の重量比であること。
c)ピラルビシン塩酸塩対白糖とマルトースの合計の重量比が1:22~41であること。
a)ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:22~41であること。
b)ピラルビシン塩酸塩対白糖が1:22~41の重量比であること。
c)ピラルビシン塩酸塩対白糖とマルトースの合計の重量比が1:22~41であること。
さらに、好ましい態様としては、a)では、ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:25~38であり、b)では、ピラルビシン塩酸塩対白糖の重量比が1:25~38であり、c)では、ピラルビシン塩酸塩対マルトースと白糖の合計の重量比が1:25~38である。
これらの組成物は、上記活性薬剤の粉末と添加剤の粉末(特に、日局マルトースまたは日局白糖(スクロース)のいずれか1種または2種)を機械的に混合することによって調製することができる。しかし、一般に、注射剤として用時溶解して用いることが望ましいことを考慮すると、活性薬剤及び添加剤をそれぞれ個別に水に溶解させた後、両者を混合するか、また、いずれか一方の水溶液に他方の固形物を添加溶解した溶液を凍結乾燥させて調製してもよい。以上の溶解処理は0℃~室温(例えば、20℃~30℃)で行うことができる。
凍結乾燥は薬液を-40℃~-80℃に冷却して完全に凍結させた後、減圧下乾燥を行うことで実施することができる。
こうして得られる組成物は、活性薬剤10mg含有組成物として調製し、凍結乾燥後のケーキを25℃において10mLの生理食塩水(例えば、日局生理食塩液)に振とう溶解させたとき30秒以内に溶解し、しかも凍結乾燥後のケーキは均質の外観を呈し、あたかも局所的に圧縮粘着したような外観や2層になったり、下部がやせたりした外観は呈さない。さらに、このような凍結乾燥品は、40℃や60℃の苛酷貯蔵環境下においたとき、乳糖を用いた製剤に匹敵する活性薬剤の貯蔵安定性を示す。本明細書において「溶解する」とは、一定期間振とうし、静置したときの目視により内容物が完全に溶解し終わることを意味する。
一方、現在市販されているピラルビシンの注射用製剤の賦形剤として用いられている乳糖を上記添加剤に代えて調製した、ピラルビシン塩酸塩対乳糖の重量比が1:15~31である凍結乾燥製品は、最も早く溶解するものにあっては、溶解するまでに約1分にまで短縮できるが、マルトースや白糖と比較して格段に多くの乳糖を必要とする。また、当該技術分野で賦形剤として常用されているD-マンニトール、D-ソルビトール、グルコース、フルクトースを上記添加剤に代えて使用すると、D-マンニトール、D-ソルビトールは、活性薬剤の溶解性をある程度向上させるものの、貯蔵安定性に劣り、また、グルコース、フルクトースは凍結乾燥製品の調製自体が困難である。
本発明の組成物は、生理食塩水(例えば、日局生理食塩液)液に溶解することにより、注射剤とすることができるが、注射用水(例えば、日局注射用水)または5%ブドウ糖注射液(例えば、日局ブドウ糖注射液)に溶解して注射液とすることもできる。
以下、具体例を挙げながら本発明をさらに具体的に説明するが、本発明をこれらの例に限定することを意図するものではない。
例1:ピラルビシン製剤の製造例
使用原料
・ピラルビシン塩酸塩(THPともいう)は、ピラルビシン(日本マイクロバイオファーマ社製)に塩酸を添加して調製した。
・マルトース、白糖及び乳糖は、それぞれ、日局品として市販されているものをそのまま使用した。
・トレハロースは(株)林原生物化学研究所製をそのまま使用した。
使用原料
・ピラルビシン塩酸塩(THPともいう)は、ピラルビシン(日本マイクロバイオファーマ社製)に塩酸を添加して調製した。
・マルトース、白糖及び乳糖は、それぞれ、日局品として市販されているものをそのまま使用した。
・トレハロースは(株)林原生物化学研究所製をそのまま使用した。
1-1:乳糖 250mg THP10mg力価 凍結乾燥時の薬液量(薬液充填量ともいう)3mL製剤の製法
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)および乳糖2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)および乳糖2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
1-2:マルトース 290mg THP10mg力価 薬液充填量3mL製剤の製法
ピラルビシン塩酸塩840mg(力価)およびマルトース24.4gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量252mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
ピラルビシン塩酸塩840mg(力価)およびマルトース24.4gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量252mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
1-3:白糖 250mg THP10mg力価 薬液充填量3mL製剤の製法
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)および白糖2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)および白糖2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
1-4:マルトース 250mg THP10mg力価 薬液充填量2mL製剤の製法
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)およびマルトース2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量20mLにした後に無菌ろ過をおこない、2mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)およびマルトース2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量20mLにした後に無菌ろ過をおこない、2mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
1-5:トレハロース 250mg THP10mg力価 薬液充填量3mL製剤の製法
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)およびトレハロース2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)およびトレハロース2.5gを水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
1-6:マルトースと白糖の混合物を含むTHP10mg力価 薬液充填量3mL製剤の製法
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)とマルトースおよび白糖を水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
ピラルビシン塩酸塩100mg(力価)とマルトースおよび白糖を水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH6に調整し、全量30mLにした後に無菌ろ過をおこない、3mLずつ15mL容量のガラスバイアルに充填後凍結乾燥をして凍結乾燥製品を得た。
例2:凍結乾燥製品の生理食塩水への溶解試験
例1のようにして得られた凍結乾燥製品に生理食塩水10mLを添加して振とうし、バイアル内の固形物が完全に溶解するまでの時間を計測した。その結果を下記表1~5に示す。凍結乾燥製品を構成するピラルビシン塩酸塩10mgに対して含めた添加剤の種類及び量は、それぞれ表に示した量で使用した。
例1のようにして得られた凍結乾燥製品に生理食塩水10mLを添加して振とうし、バイアル内の固形物が完全に溶解するまでの時間を計測した。その結果を下記表1~5に示す。凍結乾燥製品を構成するピラルビシン塩酸塩10mgに対して含めた添加剤の種類及び量は、それぞれ表に示した量で使用した。
上記表1~表5の各条件で調製した試験品は、すべて問題なく凍結乾燥製品を得ることができた。
例3:凍結乾燥製品の苛酷条件下での安定性試験
例1に記載にしたがって製造した凍結乾燥製品の中で製造した注射剤(マルトース270mg含有)を60℃及び40℃環境下で保管し、表に示す保管期間におけるピラルビシンの残存率を測定した。なお対照品にはTHP10mgにつき乳糖90mgを含有する従来の製剤品を用いて同様に残存率を測定した。結果を表6に示す。
例1に記載にしたがって製造した凍結乾燥製品の中で製造した注射剤(マルトース270mg含有)を60℃及び40℃環境下で保管し、表に示す保管期間におけるピラルビシンの残存率を測定した。なお対照品にはTHP10mgにつき乳糖90mgを含有する従来の製剤品を用いて同様に残存率を測定した。結果を表6に示す。
本発明の活性薬剤としてのピラルビシン及び添加剤を含有する注射剤用組成物は、注射剤調製に際し迅速に活性薬剤を生理食塩水に溶解できるうえに、貯蔵安定性に優れているため、ピラルビシン製剤の製薬産業で利用できる。
Claims (7)
- 活性薬剤としてのピラルビシン及び添加剤を含有する注射剤用組成物であって、
活性薬剤としてのピラルビシンがピラルビシン塩酸塩であり、添加剤がマルトース及び白糖から選ばれるいずれか1種もしくは2種であり、かつ、以下のa)からc)までの条件のいずれかの条件を満たすことを特徴とする組成物。
a)ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:少なくとも22であること。
b)ピラルビシン塩酸塩対白糖の重量比が1:少なくとも22であること。
c)ピラルビシン塩酸塩対白糖とマルトースの合計の重量比が1:少なくとも22であること。 - 請求項1に記載の注射剤用組成物であって、かつ、以下のa)からc)までの条件のいずれかの条件を満たすことを特徴とする組成物。
a)ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:22~41であること。
b)ピラルビシン塩酸塩対白糖の重量比が1:22~41であること。
c)ピラルビシン塩酸塩対白糖とマルトースの合計の重量比が1:22~41であること。 - ピラルビシン塩酸塩対マルトースの重量比が1:22~41である、請求項1に記載の組成物。
- ピラルビシン塩酸塩対白糖の重量比が1:22~41である、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、凍結乾燥品の形態にある、前記組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、凍結乾燥品の形態にあり、かつ、ピラルビシン塩酸塩を10mg含有する場合、25℃において10mLの生理食塩水に30秒以内に溶解する、前記組成物。
- ピラルビシン塩酸塩が10mgまたは20mg含まれている剤形にある請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
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