WO2013132809A1 - 制御システム、制御システムの制御方法、および、記録装置 - Google Patents

Abstract

　制御システム１は、入力情報を読み取って出力する入力デバイスと、入力デバイスに接続されたプリンター１１と、プリンター１１に接続されたタブレット端末１０と、を有し、プリンター１１は、入力デバイスから入力情報が出力された場合に、入力元の入力デバイスを識別し、入力情報をタブレット端末１０に出力する。

Description

制御システム、制御システムの制御方法、および、記録装置

　本発明は、入力デバイスに接続された記録装置と、この記録装置に接続された情報処理装置とを備える制御システム、当該制御システムの制御方法、および、当該記録装置に関する。

　従来、バーコード入力部が接続された記録装置としてのＰＯＳ本体と、この記録装置に接続されたＰＯＳコントローラーとを備えるシステムがあった（例えば、特許文献１参照）。特許文献１記載のシステムは、記録装置とＰＯＳコントローラーが協働して、各種処理を実行し、ＰＯＳシステムとして動作する。このようなシステムでは、一般に、ＰＯＳコントローラー等の情報処理装置に、記録装置の制御用のプリンタードライバーのほか所定のアプリケーションがインストールされる。そして、アプリケーションおよびプリンタードライバーの機能により、バーコードスキャナー等の入力デバイスから入力された情報の処理等が実行される。

特開平５－７３７６９号公報

　例えば、特許文献１記載のシステムにおいて、情報処理装置に専用のアプリケーションがインストールされず、情報処理装置がアプリケーションを提供するサーバーにアクセスして、サーバー上のアプリケーションの機能を利用して各種処理を実行する場合を想定する。この場合、情報処理装置として、記録装置の制御用のソフト的もしくはハード的に特化した専用品ではなく、少なくともサーバーにアクセスする機能を有する汎用品を使用でき、利便性の向上が期待できる。このように、記録装置を介して情報処理装置に入力デバイスから情報が入力された場合に、情報処理装置のＯＳの機能をなるべく利用しないで、入力デバイスに応じた処理を適切に実行できれば、ＯＳの種類、バージョンの影響をなるべく受けないで、各種端末を情報処理装置として利用できる。つまり、情報処理装置として汎用品を使用するメリットを効果的に活用できる。

　また、特許文献１に記載されたようなＰＯＳシステムでは、バーコードスキャナー等の各種の入力デバイスが用いられ、入力デバイスが接続される装置には各入力装置に対応したデバイスドライバーがインストールされる。このため、入力デバイスの数や種類が多くなるにつれて必要なデバイスドライバーも多くなり、デバイスドライバーのインストールなど、管理の手間が増えるという問題があった。この問題を解消するためには、汎用のデバイスドライバーを利用することが考えられる。しかしながら、一般的な汎用のデバイスドライバーは、汎用性を確保するため、制御対象のデバイスを同種のデバイスとして制御する。ＰＯＳシステムでは、商取引に係る各種のデータを正確に処理するために、データを出力した出力元の入力デバイスを区別する必要がある。このため、ＰＯＳシステムのようなシステムでは、異なる種類の入力デバイスを種類毎に制御する必要があり、入力デバイスの種類毎にデバイスドライバーを用意しなければならず、汎用のデバイスドライバーを利用してもメリットがない。

　本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、情報処理装置のＯＳの機能をできるだけ利用することなく、記録装置に接続された入力デバイスから入力があった場合に、入力デバイスに応じた処理をできるようにすることを目的とする。
　また、本発明は、異なる種類の複数の入力デバイスを備えたシステムにおいて入力デバイスを制御するデバイスドライバーの管理の手間を軽減し、効率よく入力デバイスを制御できるようにすることを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明の制御システムは、入力情報を読み取って出力する入力デバイスと、前記入力デバイスに接続され、前記入力情報を入力された場合に、前記入力情報を出力した入力デバイスを識別し、前記入力情報に係わるデータを出力する記録装置と、前記記録装置に接続されて、前記記録装置が出力した前記データを取得する情報処理装置と、を有することを特徴とする。
　この構成によれば、入力デバイスから入力情報が出力された場合に、記録装置は、入力情報を出力した入力デバイスを識別し、当該入力情報を情報処理装置に出力する。このため、情報処理装置が入力デバイスを識別することなく、入力デバイスに対応した入力情報の処理を実行できる。これにより、情報処理装置のＯＳの機能をできるだけ利用することなく、記録装置に接続された入力デバイスに応じた処理を実行できる。

　また、本発明の制御システムにおいて、ネットワークを介して前記情報処理装置と接続されるサーバーを有し、前記記録装置は、前記データに、前記入力デバイスを識別する識別情報を付加して、前記情報処理装置に出力し、前記情報処理装置は、前記記録装置が出力した前記識別情報が付加されたデータに含まれる前記識別情報に基づいて前記入力デバイスを識別し、前記データに対して前記入力デバイスに対応した処理を実行してもよい。
　この場合、記録装置は、入力デバイスから入力情報が入力された場合に、入力元の入力デバイスを識別する識別情報を入力情報に付加して情報処理装置に出力する。情報処理装置は、入力情報に付加された識別情報に基づいて入力元の入力デバイスを識別し、入力元の入力デバイスに対応した処理を実行する。このため、情報処理装置のＯＳの機能を利用することなく、記録装置と情報処理装置とが連係して入力デバイスの識別、および、入力デバイスに応じた処理を実行できる。

　また、本発明の制御システムにおいて、前記情報処理装置は、前記データに基づいた情報を表示する表示部を備え、前記サーバーにアクセスして、前記データに基づいた情報を表示する表示用ファイルを取得し、ウェブブラウザーを用いて、前記表示用ファイルに基づくユーザーインターフェイスを表示し、前記識別情報に基づく前記入力デバイスの識別、および、前記入力デバイスに対応した処理の実行を、前記表示用ファイルに実装されたプログラムにより実行してもよい。
　この場合、情報処理装置がユーザーインターフェイス表示用の表示用ファイルを取得する機能を活用して、表示用ファイルに実装されたプログラムの機能により、ＯＳの機能を利用することなく、入力デバイスの識別、および、入力デバイスに応じた処理を実行可能である。

　また、本発明の制御システムにおいて、前記入力デバイスは、バーコードスキャナー、もしくはカードリーダーであってもよい。
　一般的なＰＯＳシステムでは、記録装置にバーコードスキャナーやカードリーダーが接続され、バーコードスキャナーによって商品のバーコードを読み取り、読み取り結果に応じた処理を行い、同様に、カードリーダーによって会員カード等の各種カードを読み取り、読み取り結果に応じた処理を行う。この種のＰＯＳシステムに本発明を適用すれば、情報処理装置のＯＳの機能を使わずに、入力された情報の入力元がバーコードスキャナーであるかカードリーダーであるかを容易に識別できる。

　また、本発明の制御システムにおいて、前記情報処理装置は、前記データを処理するＰＯＳアプリケーションを動作させ、前記記録装置は、前記入力デバイスと接続して前記入力情報が入力される入力部、前記入力情報に基づく力データを生成するデバイスドライバーを実行させるとともに前記データを出力した入力デバイスを識別する識別情報を取得するフィルタードライバーを動作させて取得した前記識別情報を前記データに付加する制御部、前記フィルタードライバーで取得されたデータを前記情報処理装置に出力する出力部、及び印刷を実行する印刷部を有し、前記情報処理装置の制御に基づいて前記印刷部で印刷を実行してもよい。
　この場合、デバイスドライバーにより入力データが生成され、この入力データに対応する入力デバイスがフィルタードライバーによって特定される。このため、入力データを入力デバイスの種類に基づいて処理できるので、制御システムにおいて入力データを適切に処理できる。そして、入力デバイスを特定するデータをデバイスドライバーが処理する必要がないので、汎用のデバイスドライバーを利用できる。従って、デバイスドライバーの管理の手間を軽減し、効率よく入力デバイスを制御できる。

　また、本発明の制御システムにおいて、前記情報処理装置は、前記ＰＯＳアプリケーションを動作させるウェブページに基づく画面を生成するウェブブラウザー、および前記ウェブブラウザーで生成された画面を表示する表示部を備えていてもよい。
　この場合、ウェブページに基づくウェブブラウザーを利用してＰＯＳアプリケーションを動作させ、取引情報を処理できる。

　また、本発明の制御システムにおいて、前記入力デバイスにより出力される入力情報は取引情報であり、前記ＰＯＳアプリケーションは前記取引情報に係わるデータを前記識別情報に基づいて処理してもよい。
　この場合、入力デバイスが出力する入力情報に基づきＰＯＳアプリケーションを動作させ、取引情報を処理することができる。

　また、本発明の制御システムにおいて、前記フィルタードライバーは、前記デバイスドライバーで前記データが生成されたのち、前記ＰＯＳアプリケーションで指定された条件に該当するデータを取得してもよい。
　この場合、ＰＯＳアプリケーションの機能によって、フィルタードライバーが取得する入力データに関する条件を指定できる。このため、情報処理装置や記録装置がフィルタードライバーを管理する機能を持たなくてもよい。従って、汎用的な装置を情報処理装置として使うことができる。また、例えば、異なる入力デバイスを使い分ける場合に、フィルタードライバーが動作する条件をＰＯＳアプリケーションによって変更できるので、入力デバイスの管理がより容易になる。

　また、上記目的を達成するために、本発明の制御システムの制御方法は、入力デバイスで入力情報を読み取って出力し、前記入力デバイスに接続された記録装置で、前記入力デバイスから前記入力情報を入力した場合に、前記入力情報を出力した前記入力デバイスを識別し、前記入力情報に係わるデータを、前記記録装置に接続された情報処理装置に出力すること、を特徴とする。
　この構成によれば、入力デバイスから入力情報が出力された場合に、記録装置は、入力情報を出力した入力デバイスを識別し、当該入力情報を情報処理装置に出力する。このため、情報処理装置が入力デバイスを識別することなく、入力デバイスに対応した入力情報の処理を実行できる。これにより、情報処理装置のＯＳの機能をできるだけ利用することなく、記録装置に接続された入力デバイスに応じた処理を実行できる。

　また、本発明の制御システムの制御方法において、前記記録装置は、識別した前記入力デバイスの識別情報を前記データに付加して情報処理装置に出力し、前記情報処理装置は、前記識別情報が付加されたデータに含まれる識別情報に基づいて前記入力デバイスを識別し、前記データに対し、前記入力デバイスに対応した処理を実行してもよい。
　この場合、記録装置が、入力元の入力デバイスを識別する識別情報を入力情報に付加して情報処理装置に出力する。情報処理装置は、入力情報に付加された識別情報に基づいて入力元の入力デバイスを識別し、入力元の入力デバイスに対応した処理を実行する。このため、情報処理装置のＯＳの機能を利用することなく、記録装置と情報処理装置とが連係して入力デバイスの識別、および、入力デバイスに応じた処理を実行できる。

　また、本発明の制御システムの制御方法において、前記入力デバイスで読み取られる前記入力情報は取引情報であり、前記記録装置は、前記取引情報に基づいて生成されたデータを前記情報処理装置に出力し、前記情報処理装置は、ＰＯＳアプリケーションを実行して、前記取引情報に基づいて生成されたデータを処理してもよい。
　また、前記ＰＯＳアプリケーションで処理されたデータを前記記録装置に出力し、前記記録装置は、前記ＰＯＳアプリケーションで処理されたデータを印刷してもよい。
　この場合、デバイスドライバーにより入力データが生成され、この入力データに対応する入力デバイスがフィルタードライバーによって特定される。このため、入力データを入力デバイスの種類に基づいて処理できるので、制御システムにおいて入力データを適切に処理できる。そして、入力デバイスを特定するデータをデバイスドライバーが処理する必要がないので、汎用のデバイスドライバーを利用できる。従って、デバイスドライバーの管理の手間を軽減し、効率よく入力デバイスを制御できる。

　また、上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、入力デバイスから出力された入力情報が入力される入力部と、前記入力情報に基づくデータを生成するとともに、前記入力情報を出力した前記入力デバイスを識別する制御部と、前記データを送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
　この構成によれば、入力デバイスから入力情報が出力された場合に、記録装置が、入力情報を出力した入力デバイスを識別し、当該入力情報を情報処理装置に出力する。このため、情報処理装置が入力デバイスを識別することなく、入力デバイスに対応した入力情報の処理を実行できる。これにより、情報処理装置のＯＳの機能をできるだけ利用することなく、記録装置に接続された入力デバイスに応じた処理を実行できる。

　また、本発明の記録装置において、前記制御部は、識別された前記入力デバイスの識別情報を前記データに付加し、前記送信部は、前記識別情報が付加されたデータを送信してもよい。
　この場合、記録装置が、入力デバイスから入力情報が入力された場合に、入力元の入力デバイスを識別する識別情報を入力情報に付加して情報処理装置に出力する。このため、情報処理装置は、入力情報に付加された識別情報に基づいて入力元の入力デバイスを識別できるので、情報処理装置のＯＳの機能を利用することなく入力デバイスの識別、および、入力デバイスに応じた処理を実行できる。

　また、本発明の記録装置において、前記制御部は、前記入力情報に基づくデータを生成するデバイスドライバー及び前記入力デバイスを識別して識別情報を取得するフィルタードライバーを動作させてもよい。
　この場合、記録装置が、デバイスドライバーが生成した入力データをフィルタードライバーによって取得し、入力データに対応する入力デバイスを特定するので、情報処理装置は、入力データを入力デバイスの種類に基づいて処理できる。これにより、ＰＯＳシステムにおいて入力データを適切に処理できる。そして、入力デバイスを特定するデータをデバイスドライバーが処理する必要がないので、汎用のデバイスドライバーを利用できる。従って、デバイスドライバーの管理の手間を軽減し、効率よく入力デバイスを制御できる。

第１の実施形態に係る制御システムの概略構成を示す図である。 制御システムの機能的構成を示すブロック図である。 タッチパネルに表示された専用ユーザーインターフェイスを示す図。 制御システムの各装置の動作を示すフローチャートである。 第２の実施形態に係る制御システムの機能的構成を示すブロック図である。 制御システムのソフトウェア構成を模式的に示す図である。 プリンターの動作を示すフローチャートである。

［第１の実施形態］
　以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
　図１は、第１の実施形態に係る制御システム１の概略構成を示すブロック図である。
　制御システム１は、ショッピングセンターや、百貨店等の店舗に適用され、店舗における商品の販売の状況や、商品の在庫の状況、売り上げの状況等を管理するいわゆるＰＯＳシステムの一部であり、少なくとも、店舗に複数設けられたレジカウンターＬにおいて、顧客が購入した商品に応じた会計をする機能、および、顧客の代金の支払いに応じてレシートを発行する機能を有している。

　制御システム１が適用された店舗では、複数のレジカウンターＬのそれぞれに、タブレット端末１０（情報処理装置）と、このタブレット端末１０に接続されたプリンター１１（記録装置）とが設置されている。タブレット端末１０と、プリンター１１とは、イーサネット（登録商標）の規格に準拠した無線ＬＡＮ５（ネットワーク）を介してデータ通信可能に接続されている。
　タブレット端末１０は、タブレット型（板状）のコンピューターである。図２および図３に示すように、タブレット端末１０は、前面のほぼ全域にタッチパネル１０ａ（表示部）が設けられ、各種情報の入力操作等はタッチパネル１０ａに対するタッチ操作によって行われ、外付けのキーボードや表示パネル等が接続されていない。

　プリンター１１は、少なくともレシートを発行する機能を有している。プリンター１１には、各種の外部デバイスが接続されている。外部デバイスには、図２に示すように、バーコードスキャナー１２（入力デバイス）、カードリーダー１３（入力デバイス）、キャッシュドロワー１４、カスタマーディスプレイ１５等がある。バーコードスキャナー１２は、商品や、商品の包装に付されたバーコードを読み取る。カードリーダー１３は、顧客の会員カード等を読み取る。キャッシュドロワー１４は紙幣や、貨幣、金券等を収納する。カスタマーディスプレイ１５は、会計に関する情報を顧客に提示する。これらの外部デバイスのうち、バーコードスキャナー１２は、プリンター１１との間で、Bluetooth（登録商標）規格に準拠した近距離無線通信を行う。また、カードリーダー１３は、ＵＳＢケーブル等の通信ケーブルによってプリンター１１に接続され、プリンター１１との間で、所定の通信規格に準拠したデータ通信を行う。
　無線ＬＡＮ５には、ＰＯＳサーバー１７（サーバー）が接続されている。ＰＯＳサーバー１７は、各種のデータベースを備え、これらデータベースを利用して制御システム１全体を統括的に管理する。ＰＯＳサーバー１７が備えるデータベースは、商品を管理するデータベースや、売り上げを管理するデータベース、在庫を管理するデータベース等である。ＰＯＳサーバー１７と、タブレット端末１０との関係については、後に詳述する。

　図２は、タブレット端末１０、プリンター１１、および、ＰＯＳサーバー１７の機能的構成を模式的に示すブロック図である。
　図２に示すように、プリンター１１は、プリンター側制御部２０と、プリンターユニット２１と、無線通信部２２と、有線通信部２４と、プリンター側インターフェイス２３（Ｉ／Ｆ）と、を備えている。
　プリンター側制御部２０は、プリンター１１の各部を中枢的に制御する。プリンター側制御部２０は、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、その他の周辺回路等を備えている。プリンター１１には、少なくとも、プリンターユニット２１を制御するプリンタードライバー、および、タブレット端末１０との間で所定の規格に準拠して通信を行う通信ドライバーがインストールされている。プリンター側制御部２０は、機能ブロックとして、プリンタードライバーを実行するプリンタードライバー実行部２０ａと、通信用ドライバーを実行する通信用ドライバー実行部２０ｂとを有している。これら機能ブロックの動作については後述する。

　プリンターユニット２１は、ロール紙に画像を記録して切断することによりレシートを発行する。プリンターユニット２１は、各機構を制御する制御回路を備えている。また、プリンターユニット２１は、ロール紙を所定方向に搬送する搬送機構や、記録ヘッドによってロール紙に画像を記録する記録機構、ロール紙を切断する切断機構等を備えている。プリンター側制御部２０（特に、プリンタードライバー実行部２０ａ）と、プリンターユニット２１とが協働して、「情報処理装置から送信された情報に基づいて印刷を行う印刷部」として機能する。
　無線通信部２２は、入力デバイスのうち、少なくともバーコードスキャナー１２との間でBluetoothの規格に準拠した近距離無線通信を行う。無線通信部２２は、例えば、リンクマネージャーや、リンクコントローラー、高周波回路、アンテナ等を有する。
　プリンター側制御部２０が備える機能ブロックの１つである通信制御部２０ｃは、Bluetoothハードウェアを制御するための、いわゆるBluetooth Driver Stackを読み出して実行する。そして、通信制御部２０ｃは無線通信部２２を制御して、バーコードスキャナー１２との間で近距離無線通信を行う。無線通信部２２と、通信制御部２０ｃとが協働して「入力デバイスから送信された入力情報を受信する受信部」として機能する。

　有線通信部２４は、入力デバイスのうち、少なくともカードリーダー１３、および、カスタマーディスプレイ１５との間で所定の通信規格に準拠した有線通信を行う。有線通信部２４は、物理ポートに接続されたネットワークカード等を含んでいてもよい。プリンター側制御部２０の通信制御部２０ｃは、有線通信部２４を制御して、カードリーダー１３およびカスタマーディスプレイ１５との間で有線通信を行う。有線通信部２４と、通信制御部２０ｃとが協働して、「入力デバイスから送信された入力情報を受信する受信部」として機能する。
　通信制御部２０ｃは、識別情報付加部２０ｄを備えている。識別情報付加部２０ｄについては後述する。
　プリンター側インターフェイス（Ｉ／Ｆ）２３は、プリンター側制御部２０の制御の下、タブレット端末１０と通信規格に準拠した通信を行う。プリンター側制御部２０（特に、通信用ドライバー実行部２０ｂ）と、プリンター側インターフェイス２３とが協働して、「制御部で識別情報が付加された入力情報を情報処理装置に送信する送信部」として機能する。

　図２に示すように、タブレット端末１０は、端末側制御部２６と、タッチパネル１０ａと、端末側インターフェイス（Ｉ／Ｆ）２７と、を備えている。
　端末側制御部２６は、タブレット端末１０の各部を制御する。端末側制御部２６は、ＣＰＵや、ＲＯＭ、ＲＡＭ、その他の周辺回路等を備え、所定のブラウザーを実行する機能ブロックであるブラウザー実行部２６ａを備えている。
　タッチパネル１０ａは、端末側制御部２６の制御の下、液晶表示パネル等の表示パネルに各種情報を表示する。また、タッチパネル１０ａは表示面に対するタッチ操作を検出し、端末側制御部２６に出力する。
　端末側インターフェイス２７は、端末側制御部２６の制御の下、プリンター１１、および、ＰＯＳサーバー１７と通信規格に準拠した通信を行う。

　ＰＯＳサーバー１７は、図２に示すように、サーバー側制御部３０と、サーバー側記憶部３１と、サーバー側インターフェイス（Ｉ／Ｆ）３２と、を備えている。
　サーバー側制御部３０は、ＰＯＳサーバー１７の各部を制御する。サーバー側制御部３０は、ＣＰＵや、ＲＯＭ、ＲＡＭ、その他の周辺回路等を備え、さらに、ハードディスクやＥＥＰＲＯＭ等の、各種データを書き換え可能に記憶する不揮発性メモリーを備えている。サーバー側インターフェイス３２は、サーバー側制御部３０の制御の下、タブレット端末１０との間で通信規格に準拠した通信を行う。
　サーバー側記憶部３１には、Ｗｅｂアプリケーション３５がロード可能に記憶されている。そして、サーバー側制御部３０のアプリケーション実行部３０ａは、Ｗｅｂアプリケーション３５を実行する機能ブロックである。Ｗｅｂアプリケーション３５の機能については、後述する。

　次に、制御システム１の各装置が協働して会計に係る処理を行うときの動作を説明する。
　会計に係る処理が行われる前に、タブレット端末１０は、以下の処理を実行する。
　レジの担当者、その他の作業に従事する者が、タブレット端末１０のブラウザーを起動し、タッチパネル１０ａへの専用ユーザーインターフェイスＵＩ（ユーザーインターフェイス。図３参照。）の表示を指示する操作を行う。この指示に応じて、端末側制御部２６のブラウザー実行部２６ａは、ＰＯＳサーバー１７上の所定のアドレスにアクセスし、専用ユーザーインターフェイスＵＩ表示用のＨＴＭＬファイル（表示用ファイル）を取得し、当該ファイルに基づいて専用ユーザーインターフェイスＵＩを表示する。このＨＴＭＬファイルには、ＰＯＳサーバー１７のアプリケーション実行部３０ａと協働して会計に係る各種処理（後述）を実行する機能を有するプログラムが、所定のスクリプト言語によって実装（記述）されている。

　図３は、タッチパネル１０ａ上に表示された専用ユーザーインターフェイスＵＩの一例を示す図である。
　専用ユーザーインターフェイスＵＩにおいて、左上部には、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、および、商品の数量が一覧表示される一覧表示エリア３９が表示されている。一覧表示エリア３９の右方には、顧客が購入した商品の合計金額、会計に際して顧客から預かった金銭の金額、顧客に渡すべきお釣りの金額、および、会計に適用される割引の態様を示す情報がそれぞれ入力され表示される入力フィールドである金額入力フィールド４０が表示されている。
　一覧表示エリア３９の下方には、バーコードスキャナー１２によって読み取られたバーコードが表す情報（以下、「バーコード情報」という。）が入力され表示される入力フィールドであるバーコード情報入力フィールド４１が形成されている。バーコード情報は、基本的には、商品の種類毎に一意に割り当てられた識別情報である。
　バーコード情報入力フィールド４１の下方には、カードリーダー１３によって顧客の会員カードが読み取られた場合に、当該読み取りによって取得される会員番号が入力され表示される入力フィールドである会員番号入力フィールド４２が表示されている。
　バーコード情報入力フィールド４１、および、会員番号入力フィールド４２の右方には、ソフトウェアテンキー４３が表示されている。専用ユーザーインターフェイスＵＩに形成された入力フィールドのそれぞれに対しては、このソフトウェアテンキー４３を介して情報を入力することが可能となっており、ソフトウェアテンキー４３は、情報を入力するために必要な全てのキーを有している。
　専用ユーザーインターフェイスＵＩの上端部には、アクセス先のアドレスが表示されるアドレス入力フィールド４４が表示されている。

　制御システム１の各装置が協働して会計に係る処理を行うときの動作について、図４のフローチャートを参照して説明する。図４のフローチャートは、一例として、顧客がある１つの商品を購入する場合の動作を示している。なお、図４のフローチャートでは、説明の便宜のため、各ステップの処理を行う主体が同一ではない。
　なお、以下の説明の前提として、顧客は、会員カードを保有しており、レジカウンターＬにおける会計に際し、レジの担当者に会員カードが渡されると仮定する。会員カードには、カードリーダー１３によって読み取り可能な態様で会員番号が記録されていて、例えば、会計処理において会員番号に応じた割引が行われる。

　レジカウンターＬにおいて、レジの担当者は、カードリーダー１３によって顧客の会員カードを読み取る（ステップＳＡ１）。プリンター側制御部２０の通信制御部２０ｃは、有線通信部２４を介して、カードリーダー１３の読み取り結果を示すデータを取得し、当該データに基づいて、会員番号を示すデータを生成する（ステップＳＡ２）。次いで、通信制御部２０ｃの識別情報付加部２０ｄは、会員番号を示すデータ（入力情報）に、カードリーダー１３を識別する識別情報を付加する（ステップＳＡ３）。本実施形態では、識別情報付加部２０ｄが、「受信部で受信された入力情報を送信した入力デバイスを識別し、識別情報を入力情報に付加する制御部」として機能する。
　識別情報は、例えば、カードリーダー１３固有のベンダーＩＤや、プロダクトＩＤ等を利用できる。また、例えば入力デバイスの種類毎に接続されるポートが固定である場合は、識別情報として、ポートを示す情報を利用できる。いずれの情報を識別情報として利用する場合であっても、その情報が、Ｗｅｂアプリケーション３５においてカードリーダー１３を示す識別情報として管理されているデータや値（後述する専用スクリプトにおいて、カードリーダー１３を示す識別情報として管理されているデータや値）と、同一である。本実施形態では、ＰＯＳサーバー１７において、Ｗｅｂアプリケーション３５が参照可能な設定ファイルに、入力デバイスの種類と、識別情報との対応付けが記述されている。また、設定ファイルに記述された識別情報の値は、所定のユーザーインターフェイスを介して変更可能であり、プリンター１１に新たに入力デバイスが接続される毎に、作業者により設定ファイルの内容が書き換えられる。Ｗｅｂアプリケーション３５、および、後述する専用スクリプトにおいて１の入力デバイスの種類に対応付けられた識別情報と、識別情報付加部２０ｄによって当該１の入力デバイスの入力情報に付加される識別情報との同一性が担保される。

　通信制御部２０ｃは、カードリーダー１３の識別情報が付加された会員番号を示すデータ（以下、「識別情報付会員番号データ」という）を、通信用ドライバー実行部２０ｂに出力する（ステップＳＡ４）。
　プリンター１１にインストールされている通信用ドライバーには、タブレット端末１０のブラウザー実行部２６ａに、識別情報付会員番号データを出力する機能が実装されている。この機能を利用して、通信用ドライバー実行部２０ｂは、識別情報付会員番号データを、ブラウザー実行部２６ａに出力する（ステップＳＡ５）。
　識別情報付会員番号データが入力されると、ブラウザー実行部２６ａは、専用ユーザーインターフェイスＵＩに係るＨＴＭＬファイルに実装されたプログラム（以下、「専用スクリプト」という。）の機能により、識別情報付会員番号データに付加された識別情報（この場合は、カードリーダー１３を識別するための識別情報）に基づいて、当該データの入力元の入力デバイスが、カードリーダー１３であることを識別する（ステップＳＡ６）。
　ステップＳＡ６の処理は以下のようにして行われる。すなわち、専用スクリプト上には、識別情報と、入力デバイスの種類との対応関係が記述されており、識別情報に基づいて、入力デバイスの種類を特定する機能が実装されている。ブラウザー実行部２６ａは、当該機能を利用して、識別情報付会員番号データに付加された識別情報に基づいて、当該データの入力元の入力デバイスが、カードリーダー１３であることを識別する。
　入力元の入力デバイスがカードリーダー１３であることを識別した後、ブラウザー実行部２６ａは、入力元がカードリーダー１３であるため、識別情報付会員番号データが示す情報（＝会員番号）は、会員番号入力フィールド４２に入力すべき情報であることを判別し、会員番号を、会員番号入力フィールド４２に入力する（ステップＳＡ７）。これにより、専用ユーザーインターフェイスＵＩの会員番号入力フィールド４２に顧客の会員番号が表示された状態となる。

　カードリーダー１３からの出力値に基づいて生成される会員番号を示すデータそのものには、入力デバイスを示す情報が付加されていないので、このデータに基づいてデータの入力元の入力デバイスの種類を判別することはできない。このため、プリンター１１からタブレット端末１０に会員番号を示すデータが入力された場合、端末側制御部２６は、入力元の入力デバイスを判別するために、タブレット端末１０のＯＳに実装された周辺機器や接続機器を検出する機能を利用することが考えられる。
　一方で、本実施形態に係る制御システム１では、当該システムの各機器が協働することによって実現される上記の手段により、タブレット端末１０は、入力デバイスの種類を識別し、当該種類に対応した処理を行う。このため、入力デバイスの判別にあたり、タブレット端末１０のＯＳの機能を利用する必要がない。そして、タブレット端末１０のＯＳの機能を利用することなく、入力デバイスを識別し、種類に応じた処理を実行するので、ＯＳの種類、バージョンにできるだけ影響を受けることなく、各種端末をタブレット端末１０として利用することができ、タブレット端末１０として汎用品を使用できることのメリットを効果的に活用できる。
　特に、本実施形態では、タブレット端末１０は、専用スクリプトの機能により、入力元の入力デバイスの種類の識別を行う。これにより、専用ユーザーインターフェイスＵＩのＨＴＭＬファイル（表示用ファイル）を取得する、という特性を好適に活かして、表示用ファイルに実装されたプログラムの機能により、ＯＳの機能を利用することなく、入力デバイスの識別、および、入力デバイスに応じた処理を実行可能である。

　さて、ステップＳＡ６において、ブラウザー実行部２６ａは、入力元の入力デバイスの種類がカードリーダー１３であることを識別するが、この識別結果に基づいて、ブラウザー実行部２６ａは、アプリケーション実行部３０ａに対して、識別情報付会員番号データが示す会員番号の顧客について、会計において施すべき割引の態様（例えば、１０％オフ）を問い合わせる（ステップＳＡ８）。当該問い合わせを受けたアプリケーション実行部３０ａは、当該会員番号をキーとして、所定のデータベースにアクセスし、会計に際して、当該会員に対して施すべき割引の態様（例えば、１０％オフ）を特定し、応答する。後に明らかとなるとおり、ここで特定された割引の態様に応じて割引が行われることとなる。

　次いで、レジの担当者は、バーコードスキャナー１２によって、会計の対象となる１の商品に付されたバーコードを読み取る（ステップＳＡ９）。プリンター側制御部２０の通信制御部２０ｃは、無線通信部２２を介して、バーコードスキャナー１２の読み取り結果を示すデータを取得し、当該データに基づいて、バーコード情報を示すデータを生成する（ステップＳＡ１０）。次いで、通信制御部２０ｃの識別情報付加部２０ｄは、バーコード情報を示すデータ（入力情報）に、バーコードスキャナー１２を識別する識別情報を付加する（ステップＳＡ１１）。この識別情報の値は、上述したように、Ｗｅｂアプリケーション３５、および、専用スクリプトによってバーコードスキャナー１２の識別情報として管理されているデータや値と同一である。
　次いで、通信制御部２０ｃは、バーコードスキャナー１２の識別情報が付加されたバーコード情報を示すデータ（以下、「識別情報付バーコード情報データ」という）を、通信用ドライバー実行部２０ｂに出力する（ステップＳＡ１２）。通信用ドライバー実行部２０ｂは、識別情報付バーコード情報データを、ブラウザー実行部２６ａに出力する（ステップＳＡ１３）。
　識別情報付バーコード情報データが入力されると、タブレット端末１０の端末側制御部２６のブラウザー実行部２６ａは、専用スクリプトの機能により、識別情報付バーコードデータに付加された識別情報（この場合は、バーコードスキャナー１２を識別する識別情報）に基づいて、当該データの入力元の入力デバイスが、バーコードスキャナー１２であることを識別する（ステップＳＡ１４）。当該識別は、ステップＳＡ６と同様の手段により行われる。

　入力元の入力デバイスがバーコードスキャナー１２であることを識別した後、ブラウザー実行部２６ａは、入力元がバーコードスキャナー１２であるため、識別情報付バーコード情報データが示す情報（＝バーコード情報）は、バーコード情報入力フィールド４１に入力すべき情報であることを判別し、バーコード情報を、バーコード情報入力フィールド４１に入力する（ステップＳＡ１５）。これにより、専用ユーザーインターフェイスＵＩのバーコード情報入力フィールド４１にバーコード情報が表示された状態となる。
　次いで、ブラウザー実行部２６ａは、専用スクリプトの機能により、ＰＯＳサーバー１７のアプリケーション実行部３０ａと通信し、バーコード情報が示す商品の商品名称、単価を問い合わせる（ステップＳＡ１６）。当該問い合わせを受けたアプリケーション実行部３０ａは、Ｗｅｂアプリケーション３５の機能により、適宜、データベースにアクセスし、必要な情報を取得し、取得した情報をタブレット端末１０のブラウザー実行部２６ａに出力する（ステップＳＡ１７）。ここで、Ｗｅｂアプリケーション３５には、いわゆるＰＯＳアプリケーションに通常実装されている機能、例えば、商品検索や、売り上げの管理、在庫管理等の機能が実装されている。すなわち、本実施形態における制御システム１では、タブレット端末１０に、いわゆるＰＯＳアプリケーションが実装されているわけではなく、店舗内に設置された各タブレット端末１０は、それぞれ、必要に応じてＰＯＳサーバー１７にアクセスし、Ｗｅｂアプリケーション３５の機能により、ＰＯＳシステムに関する各種処理を実行する。これにより、各タブレット端末１０が実行するアプリケーションの同一性を維持できると共に、例えば、アプリケーションのバージョンアップに際し、各タブレット端末１０に対して、バージョンアップに係る作業を行う必要が無くなり、メンテナンス性が向上する。また、タブレット端末１０には、特別な機能を実装する必要も、特別な外付けの機器を接続する必要もなく、タブレット端末１０として、少なくともブラウザーがインストールされた汎用品を使用できる。

　次いで、タブレット端末１０のブラウザー実行部２６ａは、専用スクリプトの機能により、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、および、商品の数量を一覧表示エリア３９に表示すると共に、金額入力フィールド４０の所定の欄に、顧客が購入した商品の合計金額を表示する（ステップＳＡ１８）。
　次いで、レジの担当者によって、ソフトウェアテンキー４３を介して会計すべき商品を確定する旨の操作が行われる。当該操作をトリガーとして、ブラウザー実行部２６ａは、専用スクリプトの機能により、顧客が支払うべき合計金額を算出する（ステップＳＡ１９）。合計金額の算出は、以下のようにして行われる。すなわち、専用スクリプトには、ステップＳＡ８で特定した割引の態様を踏まえて、合計金額を算出する機能が実装されている。ブラウザー実行部２６ａは、専用スクリプトに実装された当該機能を利用して、合計金額を算出する。
　合計金額の算出後、ブラウザー実行部２６ａは、専用スクリプトの機能により、算出した合計金額、および、会計に適用される割引を示す情報を金額入力フィールド４０の適切な欄に入力すると共に、顧客から代金の預かり、および、お釣りの返却に応じて、適宜、金額入力フィールド４０の適切な欄に適切な情報を表示する（ステップＳＡ２０）。
　次いで、ブラウザー実行部２６ａは、専用スクリプトの機能により、プリンターユニット２１によって発行させるべきレシートに関する情報（以下、「印刷の情報」という。）を生成する（ステップＳＡ２１）。当該印刷の情報には、レシートに記録すべき文字のデータや、ロゴマークの画像データ、文字や画像の位置、文字の修飾に関する情報、その他の文字や、画像を記録しレシートを発行するために必要な情報が不足なく含まれている。
　次いで、ブラウザー実行部２６ａは、所定のプロトコルに準拠して、生成した印刷の情報を、プリンター１１の通信用ドライバー実行部２０ｂを介して、プリンタードライバー実行部２０ａに出力する（ステップＳＡ２２）。プリンタードライバー実行部２０ａは、入力された印刷の情報に基づいて、プリンターユニット２１のコマンド体系に準拠した制御コマンドであって、プリンターユニット２１にレシートの発行に係る各種処理を行わせる制御コマンドを生成し、プリンターユニット２１の制御回路に出力する（ステップＳＡ２３）。プリンターユニット２１の制御回路は、制御コマンドに基づいて、各種機構を制御し、レシートを発行する（ステップＳＡ２４）。

　以上説明したように、本第１の実施形態における制御システム１は、データを読み取って出力する入力デバイスと、入力デバイスに接続されたプリンター１１（記録装置）と、プリンター１１に接続されたタブレット端末１０（情報処理装置）と、を有し、プリンター１１は、入力デバイスからデータが出力された場合に、データを出力した入力デバイスを識別し、データをタブレット端末１９に出力するので、タブレット端末１０において入力デバイスを識別することなく、入力デバイスに対応した入力情報の処理を行うことができる。これにより、タブレット端末１０のＯＳの機能をできるだけ利用することなく、プリンター１１に接続された入力デバイスに応じた処理を行うことができる。
　また、制御システム１で、プリンター１１は、入力デバイスから入力があった場合、入力に係るデータに、入力元の入力デバイスを識別する識別情報を付加して、タブレット端末１０（情報処理装置）に出力する。一方、タブレット端末１０は、プリンター１１から入力デバイスからの入力に係るデータが入力された場合、当該データに付加された識別情報に基づいて入力元の入力デバイスの種類を識別し、ＰＯＳサーバー１７上で動作するＷｅｂアプリケーション３５を利用して、入力元の入力デバイスに対応した処理を実行する。これにより、タブレット端末１０のＯＳの機能を利用することなく、制御システム１を構成する各装置が連係して入力デバイスの識別、および、入力デバイスに応じた処理を実行可能である。

　また、タブレット端末１０は、各種情報を表示可能なタッチパネル１０ａを備え、ＰＯＳサーバー１７にアクセスして、Ｗｅｂアプリケーション３５に対して情報を入力する専用ユーザーインターフェイスＵＩを表示させるＨＴＭＬファイル（表示用ファイル）を取得して、所定のブラウザーの機能により、タッチパネル１０ａ上に専用ユーザーインターフェイスＵＩを表示する。そして、識別情報に基づいて入力元の入力デバイスを識別する機能、および、Ｗｅｂアプリケーション３５を利用して、入力元の入力デバイスに対応した処理を実行する機能は、ＨＴＭＬファイルに実装されたプログラム（専用スクリプト）により実現される。
　この構成によれば、専用ユーザーインターフェイスＵＩのＨＴＭＬファイルを取得する、という特性を好適に活かして、ＨＴＭＬファイルに実装されたプログラムの機能により、ＯＳの機能を利用することなく、入力デバイスの識別、および、入力デバイスに応じた処理を実行可能である。

　また、入力デバイスには、バーコードスキャナー１２、および、カードリーダー１３が含まれており、プリンター１１は、バーコードスキャナー１２、又は、カードリーダー１３から入力に係るデータが入力された場合、当該データに、バーコードスキャナー１２の識別情報、又は、カードリーダー１３の識別情報を付加して、タブレット端末１０に出力する。一方、タブレット端末１０は、識別情報が付加されたデータが入力された場合、当該識別情報に基づいて入力元の入力デバイスがバーコードスキャナー１２であるかカードリーダー１３であるかを識別し、Ｗｅｂアプリケーション３５を利用して、入力元の入力デバイスがバーコードスキャナー１２である場合は、バーコードの読み取り結果を示す情報に基づいた処理を行い、入力元の入力デバイスがカードリーダー１３である場合は、カードの読み取り結果を示す情報に基づいて処理を行う。
　ここで、制御システム１のようにＰＯＳシステムを構成するシステムにおいては、プリンター１１にバーコードスキャナー１２、および、カードリーダー１３が接続され、バーコードスキャナー１２によって商品のバーコードを読み取り、読み取り結果に応じた処理を行い、同様に、カードリーダー１３によって会員カード等の各種カードを読み取り、読み取り結果に応じた処理を行うことが一般に行われる。そして、上記構成によれば、ＯＳの機能をできるだけ利用することなく、タブレット端末１０は、入力された情報の入力元が、バーコードスキャナー１２であるかカードリーダー１３であるかを識別でき、各装置に応じた処理を実行可能である。

［第２の実施形態］
　続いて、本発明を適用した第２の実施形態について説明する。
　図５は、本発明の第２の実施形態に係る制御システム１００の機能的構成を示すブロック図である。図５は、制御システム１００を構成するタブレット端末１１０、プリンター１１８、および、ＰＯＳサーバー１１７の機能的構成を模式的に示す。
　制御システム１００は、第１の実施形態の制御システム１（図１）と同様に店舗に設置され、ＰＯＳシステムの一部として、同様の機能を担う。制御システム１００は、制御システム１のタブレット端末１０に代えてタブレット端末１１０（情報処理装置）を備え、プリンター１１に代えてプリンター１１８（記録装置）を備え、ＰＯＳサーバー１７に代えてＰＯＳサーバー１１７（サーバー）を備える。
　タブレット端末１１０およびＰＯＳサーバー１１７は、それぞれ、図６を参照して説明する機能においてタブレット端末１１０およびＰＯＳサーバー１１７と異なっているが、その他の構成は共通である。また、プリンター１１８は、後述するフィルタードライバー実行部２０ｇ、デバイスドライバー実行部２０ｆ、ＵＳＢインターフェイス２５ａ、および、シリアルインターフェイス２５ｂの機能に関して、プリンター１１と異なっている。プリンター１１８のその他の構成は、プリンター１１と共通である。
　制御システム１００を構成する各部のうち、第１の実施形態の制御システム１と共通の構成部には同符号を付す。これらの各部の説明は省略する。

　図５に示すように、プリンター１１８は、プリンター側制御部１２０、プリンターユニット２１、およびプリンター側インターフェイス２３に加え、ＵＳＢインターフェイス２５ａ（入力部）と、シリアルインターフェイス２５ｂとを備えている。
　プリンター側制御部１２０は、プリンター側制御部２０（図２）と同様にＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ、その他の周辺回路等を備えている。プリンター側制御部１２０は、プリンター１１８の各部を制御する。プリンター１１８には、プリンターユニット２１を制御するプリンタードライバー、ＵＳＢインターフェイス２５ａに接続されたバーコードスキャナー１２およびカードリーダー１３を含む機器を制御するデバイスドライバー、シリアルインターフェイス２５ｂに接続されたカスタマーディスプレイ１５を制御するデバイスドライバー、タブレット端末１１０との間で所定の規格に準拠して通信を行う通信ドライバー、および、これらのドライバープログラムの機能を利用してプリンター１１８を制御するオペレーティングシステム（ＯＳ）がインストールされている。さらに、プリンター１１８には、デバイスドライバー実行部２０ｆが実行するデバイスドライバーの機能により生成される入力データを検出して取得するフィルタードライバーがインストールされている。プリンター１１８のソフトウェア構成については図６を参照して後述する。
　プリンター側制御部１２０は、プリンタードライバー実行部２０ａ、通信用ドライバー実行部２０ｂ、フィルタードライバーを実行するフィルタードライバー実行部２０ｇ、およびデバイスドライバーを実行するデバイスドライバー実行部２０ｆを有する。

　ＵＳＢインターフェイス２５ａは、複数のＵＳＢコネクター（図示略）、および、これらのＵＳＢコネクターを介して、入力デバイスを含む各種デバイスを制御するＵＳＢホストコントローラー（図示略）を備えている。ＵＳＢインターフェイス２５ａの各ＵＳＢコネクターには、バーコードスキャナー１２およびカードリーダー１３がそれぞれ接続されている。ＵＳＢインターフェイス２５ａは、デバイスがＵＳＢコネクターに接続されたことを検出した場合に、接続されたデバイスを識別する識別情報を付与し、プリンター側制御部１２０のデバイスドライバー実行部２０ｆに対して接続検出を通知する。また、ＵＳＢインターフェイス２５ａは、バーコードスキャナー１２またはカードリーダー１３からデータ出力要求を受けた場合に、このデータ出力要求に応答してバーコードスキャナー１２またはカードリーダー１３が出力するデータを受信し、識別情報とともにデバイスドライバー実行部２０ｆに出力する。

　ＵＳＢインターフェイス２５ａに接続されるデバイス（バーコードスキャナー１２やカードリーダー１３等）の識別情報は、例えば、各デバイスが有するベンダーＩＤおよびプロダクトＩＤをＵＳＢインターフェイス２５ａが取得して、このベンダーＩＤおよびプロダクトＩＤであってもよい。また、ＵＳＢインターフェイス２５ａが備える各コネクターに固有の識別情報が付されている場合、ＵＳＢインターフェイス２５ａにデバイスが接続された場合に、そのデバイスが接続されたコネクターの識別情報を、そのデバイスの識別情報としてもよい。さらに、ＵＳＢインターフェイス２５ａによりデバイスの接続が検出され、デバイスドライバー実行部２０ｆに対し接続検出が通知された場合に、デバイスドライバー実行部２０ｆの機能によりデバイスの識別情報が付与され、付与された識別情報をデバイスドライバー実行部２０ｆおよびＵＳＢインターフェイス２５ａが記憶してもよい。

　デバイスドライバー実行部２０ｆは、マスストレージクラス、ＨＩＤ（Human Interface Device）クラス等の各デバイスクラスに対応したＵＳＢデバイスドライバーを実行可能である。デバイスドライバー実行部２０ｆは、プリンタードライバー実行部２０ａから接続検出が通知されると、接続されたデバイスのクラスを識別し、識別したクラスに対応するデバイスドライバーを実行する。例えば、デバイスドライバー実行部２０ｆは、プリンタードライバー実行部２０ａにバーコードスキャナー１２またはカードリーダー１３が接続された場合、ＨＩＤクラスに対応するＨＩＤクラスドライバーを実行する。バーコードスキャナー１２によってバーコードが読み取られた場合、或いは、カードリーダー１３によりカードが読み取られた場合に、ＵＳＢインターフェイス２５ａが入力データとともに識別情報をデバイスドライバー実行部２０ｆに出力する。デバイスドライバー実行部２０ｆは、入力された入力データおよび識別情報を取得する。ここで、デバイスドライバー実行部２０ｆは、各デバイスクラスに対応したＵＳＢデバイスドライバーを実行するので、プリンタードライバー実行部２０ａに接続された各デバイスをクラスにより分類するが、各デバイスの種類は識別しない。例えば、バーコードスキャナー１２およびカードリーダー１３は、いずれもＨＩＤクラスに属するデバイスである。このため、デバイスドライバー実行部２０ｆは、バーコードスキャナー１２およびカードリーダー１３により読み取られたデータを、ＨＩＤデバイスから入力されたデータとして同様に処理する。
　デバイスドライバー実行部２０ｆは、ＵＳＢインターフェイス２５ａから入力されたデータに、このデータを入力したデバイスの識別情報を付加して、プリンター１１８のオペレーティングシステムに出力する。

　フィルタードライバー実行部２０ｇは、ある特定の入出力デバイスを制御し、アプリケーションソフトウェアに対して抽象化したインターフェイスを提供するソフトウェアであるフィルタードライバーと称されるプログラムを実行する。ある特定の入出力デバイスとは、拡張カードや周辺機器などのハードウェアであり、例えばグラフィックディスプレイ、プリンターやイーサネット（登録商標）ボードなどである。フィルタードライバー実行部２０ｇは、デバイスドライバー実行部２０ｆがオペレーティングシステムに出力する入力データと識別情報とをフックして取得する。フィルタードライバー実行部２０ｇは、取得した識別情報が、予め指定された条件に該当する場合に、取得した識別情報と入力データとを、通信用ドライバー実行部２０ｂの機能によりプリンター側インターフェイス２３を介してタブレット端末１１０に送信する。

　また、シリアルインターフェイス２５ｂは、デバイスドライバー実行部２０ｆからカスタマーディスプレイ１５に表示する文字データが入力されると、入力された文字データをカスタマーディスプレイ１５に出力して表示を実行させる。

　プリンター側インターフェイス２３（Ｉ／Ｆ）は、プリンター側制御部１２０の制御の下、タブレット端末１１０と通信規格に準拠した通信を行う。プリンター側インターフェイス２３は、プリンター側制御部１２０の通信用ドライバー実行部２０ｂとともに、出力部として機能する。

　タブレット端末１１０は、図５に示すように、端末側制御部２６と、タッチパネル１０ａと、端末側インターフェイス２７と、を備えている。タブレット端末１１０は、端末側インターフェイス２７により、プリンター１１８、および、ＰＯＳサーバー１１７と各種データを送受信する。
　ＰＯＳサーバー１１７は、サーバー側制御部３０と、サーバー側記憶部３１と、サーバー側インターフェイス３２とを備える。ＰＯＳサーバー１１７は、サーバー側インターフェイス３２により、タブレット端末１１０との間で各種データを送受信する。

　図６は、ＰＯＳサーバー１１７、タブレット端末１１０、およびプリンター１１８のソフトウェア構成を模式的に示す図である。なお図６には各装置を構成するソフトウェアの概略構成を示しており、各装置の機能のうち図６に示していないソフトウェアにより実現される機能があってもよい。
　ＰＯＳサーバー１１７は、サーバー側制御部３０（図５）が実行するオペレーティングシステム１７１と、このオペレーティングシステム１７１上で動作するＰＯＳアプリケーションプログラム１７２とを有する。ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２はアプリケーション実行部３０ａ（図５）により実行されるプログラムであり、サーバー側記憶部３１（図５）にＷｅｂアプリケーション３５として記憶されている。

　ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２は、制御システム１００がＰＯＳを管理する処理を実行する場合に用いるプログラムである。
　ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２は、タブレット端末１１０から要求されたウェブページのデータを生成し、或いはサーバー側記憶部３１（図５）から読み出して、タブレット端末１１０に送信する。また、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２は、タブレット端末１１０から、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２の実行を要求するデータと、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２で処理するデータが送信された場合に、これらのデータをオペレーティングシステム１７１の機能により受信する。ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２は、タブレット端末１１０から送信されるデータに基づく会計処理を実行し、処理結果をタブレット端末１１０に送信する。

　タブレット端末１１０は、オペレーティングシステム１０１と、オペレーティングシステム１０１上で動作するアプリケーションプログラムであるウェブブラウザー１０２と、オペレーティングシステム１０１の制御の下にタッチパネル１０ａを制御するディスプレイドライバー１０３とを有する。オペレーティングシステム１０１、ディスプレイドライバー１０３はタブレット端末１１０の端末側制御部２６（図５）により実行され、ウェブブラウザー１０２はブラウザー実行部２６ａ（図５）により実行される。

　ウェブブラウザー１０２は、ＨＴＭＬ等のマークアップ言語やスクリプト言語で記述されたウェブページを、ＰＯＳサーバー１１７からダウンロードする。ダウンロードされたウェブページのデータは、例えば図示しないＲＡＭに記憶される。ウェブブラウザー１０２は、ダウンロードされたウェブページのデータを読み込み、このウェブページを表示する表示データを生成して、オペレーティングシステム１０１に出力する。オペレーティングシステム１０１は、ウェブブラウザー１０２が生成した表示データをディスプレイドライバー１０３に出力し、この表示データに基づいてディスプレイドライバー１０３がタッチパネル１０ａを駆動し、画面を表示する。

　また、ウェブブラウザー１０２は、ＰＯＳサーバー１１７からダウンロードしたウェブページに、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２を実行させるスクリプト等が記述されている場合には、このスクリプト等を実行して、ＰＯＳサーバー１１７のＰＯＳアプリケーションプログラム１７２を実行させる。

　オペレーティングシステム１０１は、タッチパネル１０ａへのタッチ操作を検出すると、タッチ操作の操作位置を示す座標データを取得し、このタッチ操作により入力された内容を特定し、タッチ操作による入力内容をウェブブラウザー１０２に出力する。ウェブブラウザー１０２は、オペレーティングシステム１０１から入力されたタッチ操作の入力内容に基づいて会計処理用のデータを生成し、このデータをＰＯＳサーバー１１７へ送信し、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２によって当該データに基づく処理を実行させる。ウェブブラウザー１０２は、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２の実行結果をＰＯＳサーバー１１７から受信して、受信したデータを反映した表示データを生成する。

　また、プリンター１１８に接続されたバーコードスキャナー１２がバーコードを読み取り、或いは、カードリーダー１３が磁気カードを読み取ってデータがプリンター１１８に入力されると、入力データがプリンター１１８からタブレット端末１１０に入力される。このデータには、後述するように、データを入力したデバイスの識別情報を示すデータが付加されている。オペレーティングシステム１０１は、プリンター１１８から入力された入力データと識別情報を取得して、ウェブブラウザー１０２に出力する。
　ウェブブラウザー１０２は、オペレーティングシステム１０１から入力された入力データを、識別情報とともにオペレーティングシステム１０１の機能によりＰＯＳサーバー１１７に送信する。

　ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２は、タブレット端末１１０から送信された入力データにデバイスの識別情報が付されている場合、この識別情報に基づいて、入力データを入力したデバイスの種類を特定する。本実施形態では、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２は、タブレット端末１１０から受信した入力データがバーコードスキャナー１２により入力されたデータである場合、この入力データを、顧客が購入する商品を特定する商品コードのデータとして処理する。また、タブレット端末１１０から受信した入力データがカードリーダー１３により入力されたデータである場合、このデータが、顧客の会員カードから読み取った会員番号のデータか、顧客が決済に使用するクレジットカードのデータかを判別する。会員番号のデータとクレジットカードのデータとは、データの桁数、データの先頭部分の値が特定の値、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２による会計処理の状態等に基づき判別できる。ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２は、判別結果に基づいて、タブレット端末１１０から受信した入力データを用いて会計処理を行う。

　プリンター１１８は、プリンター側制御部１２０が実行するオペレーティングシステム１１３に加え、デバイスドライバー実行部２０ｆ（図５）により実行されるＨＩＤクラスドライバー１１１と、フィルタードライバー実行部２０ｇにより実行されるフィルタードライバー１１２とを有する。また、プリンター側制御部１２０は、フィルタードライバー１１２によりデータを取得するフックデータ要求アプリケーション１１４を実行する。
　ＨＩＤクラスドライバー１１１は、ＵＳＢインターフェイス２５ａに接続されたデバイスのうちＨＩＤクラスに属するデバイスを制御し、これらのデバイスから入力される入力データを、オペレーティングシステム１１３に出力する。ＨＩＤクラスドライバー１１１は、制御対象のデバイスの種類をＨＩＤデバイスとして認識し、ＨＩＤデバイスに共通する機能について制御する。すなわち、ＨＩＤクラスドライバー１１１は、ＵＳＢインターフェイス２５ａを介して制御対象のデバイスに対して一定時間毎にポーリングを行い、制御対象のデバイスからデータ送信要求がなされた場合にデータ送信を許可して、そのデバイスから出力される入力データを取得する。本実施形態ではＨＩＤクラスドライバー１１１によりバーコードスキャナー１２およびカードリーダー１３が制御される。バーコードスキャナー１２が読み取ったバーコードのデータ、および、カードリーダー１３がカードの磁気情報を読み取った読取データは、いずれもＨＩＤデバイスからの入力データとして、オペレーティングシステム１１３の入力インターフェイスに対して出力される。この入力データは、オペレーティングシステム１１３によって、例えばプリンター１１８の機能に関する入力データとして処理される。

　ここで、ＨＩＤクラスドライバー１１１は、ＨＩＤデバイスからデータが入力された場合に、データを入力したＨＩＤデバイスの識別情報を、入力データとともにオペレーティングシステム１１３に出力する。この識別情報は上述した通りである。
　また、ＨＩＤクラスドライバー１１１がオペレーティングシステム１１３に入力データと識別情報とを出力する場合、フィルタードライバー１１２を経由する。

　フィルタードライバー１１２は、ＨＩＤクラスドライバー１１１がオペレーティングシステム１１３に出力するデータを監視し、予め指定された条件に該当する入力データを取得する機能を有する。上記のようにＨＩＤクラスドライバー１１１がオペレーティングシステム１１３に出力するデータはフィルタードライバー１１２を経由するので、フィルタードライバー１１２は、ＨＩＤクラスドライバー１１１が出力するデータの全て、或いは、少なくともＨＩＤデバイスからの入力データを取得し、データに付されているデバイスの識別情報が指定された条件に該当するか否かを判定する。フィルタードライバー１１２は、指定された条件に該当するデバイスの識別情報が付されたデータをフックデータ要求アプリケーション１１４に出力する。
　フックデータ要求アプリケーション１１４は、フィルタードライバー１１２から入力される入力データを取得し、取得した入力データに付されている識別情報とともに、タブレット端末１１０に送信する。この入力データと識別情報は、タブレット端末１１０のオペレーティングシステム１０１により受信され、ウェブブラウザー１０２が実行するスクリプトによって会計処理に供される。
　さらに、フィルタードライバー１１２は、ＨＩＤクラスドライバー１１１が出力した入力データが指定された条件に該当するデータである場合、この入力データのオペレーティングシステム１１３への出力を停止させる。これにより、バーコードスキャナー１２やカードリーダー１３によって入力された取引情報である商品のバーコードや磁気カードの読取データが、他の用途のデータとして処理されるのを防止できる。

　図７は、プリンター１１８の動作を示すフローチャートであり、特に、バーコードスキャナー１２およびカードリーダー１３を用いてデータを入力する場合の動作を示す。図７中、（Ａ）はＨＩＤクラスドライバー１１１を実行するデバイスドライバー実行部２０ｆの動作を示し、（Ｂ）はフィルタードライバー１１２を実行するフィルタードライバー実行部２０ｇの動作を示し、（Ｃ）はフックデータ要求アプリケーション１１４を実行するプリンター側制御部１２０の動作を示す。

　この図７に示す動作に先立って、フィルタードライバー１１２がＨＩＤクラスドライバー１１１の出力データをフックする条件であるフィルタリング条件が、タブレット端末１１０によって指定される。具体的には、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２の機能によってフィルタリング条件が指定され、このフィルタリング条件がウェブブラウザー１０２からフックデータ要求アプリケーション１１４に対して指定される。
　フックデータ要求アプリケーション１１４は、フィルタードライバー１１２に対してフィルタリング条件を指定し（図７（Ｃ）のステップＳ１１）、フィルタードライバー１１２は指定されたフィルタリング条件を設定する（図７（Ｂ）のステップＳ２１）。フィルタリング条件は、例えば、プリンター１１８に接続されている入力デバイスのうち、ＰＯＳシステムで使用する取引情報を入力する入力デバイスの識別情報である。

　その後、バーコードスキャナー１２またはカードリーダー１３により読み取りが行われ、ＵＳＢインターフェイス２５ａが読取データを取得して識別情報とともにＨＩＤクラスドライバー１１１に出力すると、ＨＩＤクラスドライバー１１１は、この読取データと識別情報とを取得する（図７（Ａ）のステップＳ３１）。ＨＩＤクラスドライバー１１１は、読取データに基づいて、ＨＩＤクラスのデバイスの入力データを生成し（ステップＳ３２）、生成した入力データと識別情報とをオペレーティングシステム１１３に対して出力する（ステップＳ３３）。

　ここで、フィルタードライバー１１２は、ＨＩＤクラスドライバー１１１が生成した入力データと識別情報とを検出し（ステップＳ２２）、この識別情報をステップＳ２１で設定したフィルタリング条件と比較する（ステップＳ２３）。フィルタードライバー１１２は、識別情報がフィルタリング条件に該当するか否かを判定し（ステップＳ２４）、フィルタリング条件に該当する場合は（ステップＳ２４；Ｙｅｓ）、検出した入力データがＨＩＤクラスドライバー１１１からオペレーティングシステム１１３への入力データの出力を停止させる（ステップＳ２５）。次いで、フィルタードライバー１１２は、ＨＩＤクラスドライバー１１１から取得した入力データと識別情報とをフックデータ要求アプリケーション１１４に出力する（ステップＳ２６）。フックデータ要求アプリケーション１１４は、フィルタードライバー１１２から入力される入力データと識別情報とを取得して（ステップＳ１２）、ウェブブラウザー１０２に出力する（ステップＳ１３）。
　また、ＨＩＤクラスドライバー１１１が生成した入力データと識別情報とがフィルタリング条件に該当しない場合には（ステップＳ２４；Ｎｏ）、そのまま本処理を終了する。これにより、この入力データと識別情報はオペレーティングシステム１１３に出力される。

　この図７に示す動作によって、プリンター１１８に接続された入力デバイスのうち、取引情報の入力に使用される入力デバイスについては、入力データがウェブブラウザー１０２に入力される。
　プリンター１１８は、デバイスクラス毎の汎用のデバイスドライバーを有し、プリンター１１８に接続されている入力デバイスをデバイスクラスにより区別するが、それ以上の各デバイスの種類を区別しない。このため、ＨＩＤクラスドライバー１１１は、取引情報に関する入力データであっても、プリンター１１８の動作に係る設定データ等のプリンター１１８が処理すべき入力データであっても、同様にオペレーティングシステム１１３に出力する。本実施形態では、ＨＩＤクラスドライバー１１１が出力するデータをフィルタリングするフィルタードライバー１１２が、指定されたフィルタリング条件に基づいて入力データを検出することで、取引情報に関する入力データをタブレット端末１１０に送信するとともに、オペレーティングシステム１１３への出力を停止させる。このため、取引情報に関する入力データを確実に取得してＰＯＳアプリケーションプログラム１７２によって処理することができ、取引情報に関するデータが想定されていない処理に供されることもない。そして、この構成を、入力デバイス毎の専用のデバイスドライバーを用いることなく、汎用のＨＩＤクラスドライバー１１１を用いて実現しているので、デバイスドライバーの管理の手間を軽減できる。

　タブレット端末１１０は、タブレット端末１０と同様に図３に示す画面４ａをタッチパネル１０ａに表示する。画面４ａが表示された状態で、タブレット端末１１０を操作するユーザーは、カードリーダー１３により会員カードを読み込み、バーコードスキャナー１２により商品のバーコードを読み取り、ソフトウェアテンキー４３の操作によって金額等を入力して、ソフトウェアテンキー４３の確定キー等を操作することで、レジの会計処理業務を行う。タブレット端末１１０は、タブレット端末１０と同様に、ＰＯＳサーバー１１７からダウンロードしたウェブページのスクリプトの機能により、カードリーダー１３によって顧客の会員カードから読み取られた会員番号を示すデータ、バーコードスキャナー１２により読み取られた商品のバーコードを示すデータを取得する。そして、タブレット端末１１０は、顧客が購入した商品の名称、商品の単価、および、商品の数量を一覧表示エリア３９に表示するとともに、金額入力フィールド４０の所定の欄に、購入商品の合計金額を表示する。
　その後、ユーザーによって、ソフトウェアテンキー４３を介して会計すべき商品を確定する旨の操作が行われる。この操作に応じて、タブレット端末１１０は、ブラウザー実行部２６ａのスクリプトの機能により顧客が支払うべき合計金額を算出して、合計金額を金額入力フィールド４０の適切な欄に入力する。さらに，ブラウザー実行部２６ａは、ユーザーが顧客から代金を預かって預かり金額をソフトウェアテンキー４３により入力すると、釣り銭の金額を算出して金額入力フィールド４０に入力して表示する。次いで、ブラウザー実行部２６ａは、レシートを印刷するための印刷データを生成して、プリンター１１８に送信する。プリンター１１８のプリンタードライバー実行部２０ａは、タブレット端末１１０から入力される印刷データに従って、プリンターユニット２１を制御し、レシートを印刷する。

　このように、制御システム１００は、タブレット端末１１０がＰＯＳサーバー１１７からウェブページをダウンロードして、画面４ａを表示するとともにスクリプトを実行することで、Ｗｅｂアプリケーション３５の機能を用いてＰＯＳシステムとして機能する。このため、タブレット端末１１０に、いわゆるＰＯＳアプリケーションが実装されている必要がない。この構成により、各タブレット端末１１０が実行するアプリケーションの同一性を維持できると共に、例えば、アプリケーションのバージョンアップに際し、各タブレット端末１１０に対して、バージョンアップに係る作業を行う必要が無くなり、メンテナンス性が向上する。さらに、タブレット端末１１０に特別な機能を実装する必要がなく、特別な外付けの機器を接続する必要もないので、少なくともブラウザーがインストールされた汎用品のタブレット端末１１０を使用できる。

　このように、第２の実施形態における制御システム１００は、ウェブブラウザー１０２の機能により、取引情報を処理するＰＯＳアプリケーションプログラム１７２を動作させるタブレット端末１１０と、入力デバイスとしてデータを出力するバーコードスキャナー１２、カードリーダー１３と、これら入力デバイスに接続され、入力デバイスから入力されたデータが入力されるシリアルインターフェイス２５ｂ、ＵＳＢインターフェイス２５ａ、入力デバイスの出力に基づき入力データを生成するＨＩＤクラスドライバー１１１を実行させるとともに入力データと入力データに対応する入力デバイスを特定するデバイス情報を取得するフィルタードライバー１１２を動作させるプリンター側制御部１２０、フィルタードライバー１１２で取得されたデータをタブレット端末１１０に出力するプリンター側インターフェイス２３、印刷を実行するプリンターユニット２１、およびタブレット端末１１０と通信する通信用ドライバー実行部２０ｂ（通信部）を有し、タブレット端末１１０の制御に基づいてプリンターユニット２１で印刷を実行するプリンター１１８と、を備える。
　これにより、汎用のＨＩＤクラスドライバー１１１を用いて、各入力デバイスが例えばＨＩＤクラスのデバイスとして同一に処理される場合であっても、各入力デバイスの入力データを、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２が入力デバイスの種類に基づいて処理できる。これにより、取引情報に係る入力データをＰＯＳシステムとして適切に処理することができる。そして、汎用のデバイスドライバーであるＨＩＤクラスドライバー１１１を利用することで、デバイスドライバーの管理の手間を軽減し、効率よく入力デバイスを制御できる。

　また、タブレット端末１１０は、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２を動作させるウェブページをＰＯＳサーバー１１７からダウンロードして実行し、ダウンロードしたウェブページに基づく画面を生成するウェブブラウザー１０２、および、ウェブブラウザー１０２により生成された画面を表示するタッチパネル１０ａを備えるので、タブレット端末１１０がＰＯＳアプリケーションプログラムを単独で直接実行する環境が無くても、ウェブブラウザー１０２によってウェブページを処理することで、制御システム１００をＰＯＳシステムとして使用できる。

　また、プリンター１１８が備える入力デバイスの少なくとも一部、すなわちバーコードスキャナー１２およびカードリーダー１３が出力するデータは取引情報または取引情報に係るデータであり、タブレット端末１１０は、入力デバイスの出力に基づき生成された入力データと、この入力データを入力した入力デバイスの種類とに基づいて、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２によって取引情報を処理する。このため、複数の異なる種類の入力デバイスにより取引情報を入力して、ＰＯＳシステムとして取引情報を処理できる。
　さらに、フィルタードライバー１１２は、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２により指定されたフィルタリング条件に該当する入力データを取得するので、タブレット端末１１０やプリンター１１８がフィルタードライバー１１２を管理する機能を持つ必要が無い。このため、汎用の端末をタブレット端末１１０とすることができる。また、取引情報の入力に使用する入力デバイスを変更する場合、ＰＯＳアプリケーションプログラム１７２によってフィルタリング条件を変更すればよく、タブレット端末１１０やプリンター１１８のソフトウェアを変更する必要がない。このため、入力デバイスに対応したソフトウェアの管理がより一層容易になる。

　なお、上述した各実施形態は、本発明の具体的な一態様を示し、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
　例えば、上述した実施形態では、バーコードスキャナー１２、および、カードリーダー１３を例として、これら入力デバイスを識別するときの動作や、入力デバイスの種類に基づく動作を説明したが、入力デバイスの種類はこれら機器に限られない。すなわち、本発明は、記録装置に入力デバイスが接続されており入力デバイスを識別する必要があるシステムについて、広く適用可能である。
　また例えば、上述した実施形態では、識別情報を付加する機能を、プリンターユニット２１が有していたが、当該機能が実装される対象はプリンターユニット２１に限らず、プリンター１１における任意のソフト、回路に実装可能である。また例えば、上述した実施形態では、本願発明に係る制御システム１が、ＰＯＳシステムに適用された場合を例としたが、本願発明の適用対象はＰＯＳシステムに限らない。また例えば、図２、図５に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆していない。さらに、図６に示した各機器のソフトウェアを実行するハードウェアは、図５および図６の記載および上記実施形態の説明により限定されない。また、各機器は、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図４、図７のフローチャートに係る動作を含む各種動作を実行するようにしてもよい。

Claims (15)

1. 　入力情報を読み取って出力する入力デバイスと、
   　前記入力デバイスに接続され、前記入力情報を入力された場合に、前記入力情報を出力した入力デバイスを識別し、前記入力情報に係わるデータを出力する記録装置と、
   　前記記録装置に接続されて、前記記録装置が出力した前記データを取得する情報処理装置と、を有する
   ことを特徴とする制御システム。
2. 　ネットワークを介して前記情報処理装置と接続されるサーバーを有し、
   　前記記録装置は、前記データに、前記入力デバイスを識別する識別情報を付加して、前記情報処理装置に出力し、
   　前記情報処理装置は、前記記録装置が出力した前記識別情報が付加されたデータに含まれる前記識別情報に基づいて前記入力デバイスを識別し、前記データに対して前記入力デバイスに対応した処理を実行する請求項１記載の制御システム。
3. 　前記情報処理装置は、
   　前記データに基づいた情報表示する表示部を備え、
   　前記サーバーにアクセスして、前記データに基づいた情報を表示する表示用ファイルを取得し、ウェブブラウザーを用いて、前記表示用ファイルに基づくユーザーインターフェイスを表示し、
   　前記識別情報に基づく前記入力デバイスの識別、および、前記入力デバイスに対応した処理の実行を、前記表示用ファイルに実装されたプログラムにより実行する請求項２に記載の制御システム。
4. 　前記入力デバイスは、バーコードスキャナー、もしくはカードリーダーである請求項１に記載の制御システム。
5. 　前記情報処理装置は、前記データを処理するＰＯＳアプリケーションを動作させ、
   　前記記録装置は、前記入力デバイスと接続して前記入力情報が入力される入力部、前記入力情報に基づくデータを生成するデバイスドライバーを実行させるとともに前記データを出力した入力デバイスを識別する識別情報を取得するフィルタードライバーを動作させて取得した前記識別情報を前記データに付加する制御部、前記識別情報が付加されたデータを出力する出力部、及び印刷を実行する印刷部を有し、前記情報処理装置の制御に基づいて前記印刷部で印刷を実行する請求項２記載の制御システム。
6. 　前記入力デバイスにより出力される前記入力情報は取引情報であり、
   　前記ＰＯＳアプリケーションは前記取引情報に係わるデータを前記識別情報に基づいて処理する請求項５記載の制御システム。
7. 　前記フィルタードライバーは、前記デバイスドライバーで前記データが生成されたのち、前記ＰＯＳアプリケーションで指定された条件に該当するデータを取得する請求項５記載の制御システム。
8. 　入力デバイスで入力情報を読み取って出力し、
   　前記入力デバイスに接続された記録装置で、前記入力デバイスから前記入力情報を入力した場合に、前記入力情報を出力した前記入力デバイスを識別し、前記入力情報に係わるデータを、前記記録装置に接続された情報処理装置に出力すること、
   　を特徴とする制御システムの制御方法。
9. 　前記記録装置は、識別した前記入力デバイスの識別情報を前記データに付加して情報処理装置に出力し、
   　前記情報処理装置は、前記識別情報が付加されたデータに含まれる識別情報に基づいて前記入力デバイスを識別し、
   　前記データに対し、前記入力デバイスに対応した処理を実行する請求項８記載の制御システムの制御方法。
10. 　前記入力デバイスで読み取られる前記入力情報は取引情報であり、
    　前記記録装置は、前記取引情報に基づいて生成されたデータを前記情報処理装置に出力し、
    　前記情報処理装置は、ＰＯＳアプリケーションを実行して、前記取引情報に基づいて生成されたデータを処理する請求項８に記載の制御システムの制御方法。
11. 　前記ＰＯＳアプリケーションで処理されたデータを前記記録装置に出力し、
    　前記記録装置は、前記ＰＯＳアプリケーションで処理されたデータを印刷する請求項１０に記載の制御システムの制御方法。
12. 　入力情報が入力される入力部と、
    　前記入力情報に基づくデータを生成するとともに、前記入力情報を出力した前記入力デバイスを識別する制御部と、
    　前記データを送信する送信部と、
    　を備えることを特徴とする記録装置。
13. 　前記制御部は、識別された前記入力デバイスの識別情報を前記データに付加し、
    　前記送信部は、前記識別情報が付加されたデータを送信する請求項１２記載の記録装置。
14. 　前記制御部は、前記入力情報に基づくデータを生成するデバイスドライバー及び前記入力デバイスを識別して識別情報を取得するフィルタードライバーを動作させる請求項１３に記載の記録装置。
15. 　印刷データを受信する受信部と、
    　前記印刷データを印刷する印刷部を備える請求項１２記載の印刷装置。

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