WO2013114984A1 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

フィッシュマウス現象を防止することができるとともに、リテーナの軽量化を図ることができるエアバッグ装置を提供する。 エアバッグカバー5は、板状部51とインナーケース52と保持孔53と係止孔54とを有し、リテーナ4は、略平板形状に形成された支持体41と、支持体41に形成された係止孔54に係止可能なフック42と、を有し、エアバッグ2は、保持孔53に挿通されるとともに支持体41に取り付けられて環状に形成される帯状体21を有し、プロテクタクロス6は、保持孔53に挿通される前の帯状体21を保持する保持部61を有し、帯状体21は、エアバッグ2及びインフレータ3が支持体41に接続されたエアバッグモジュール11をエアバッグカバー5に組み付ける際に、保持孔53から引き出し可能となるように保持部61に保持されている。

Description

エアバッグ装置
 本発明は、エアバッグ装置に関し、特に、エアバッグ装置の軽量化を図ることができるエアバッグ装置に関する。
 自動車等の車両には、衝突時等の緊急時にエアバッグを車内で膨張展開させて乗員に生ずる衝撃を吸収するためのエアバッグ装置が搭載されることが一般的になってきている。かかるエアバッグ装置は、一般に、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、前記エアバッグを被覆するエアバッグカバーと、を有する。
 そして、車両衝突時等の緊急時には、前記インフレータから前記エアバッグにガスが供給されて前記エアバッグが膨張し、前記エアバッグカバーが開裂して前記エアバッグが車内に放出されて膨張展開する。特に、助手席用エアバッグ装置の場合には、インストルメントパネル、ウインドシールド(フロントガラス)及び乗員により囲まれた空間に前記エアバッグが膨張展開される。
 ところで、前記リテーナは、エアバッグの膨張展開時又は乗員のエアバッグ衝突時における衝撃に耐え得るように金属素材により構成されることが多い(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたエアバッグ装置では、板金製のリテーナがインストルメントパネルの一部に取付ボルトにより固定されている。
 また、リテーナの軽量化を図るために、リテーナの一部を合成樹脂製としたものも既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載されたエアバッグ装置では、インフレータを保持するリテーナロワーを金属製とし、エアバッグを保持するリテーナアッパーを合成樹脂製としている。リテーナロワーはボルトによりリテーナアッパーに固定され、リテーナアッパーは突起をエアバッグカバー(リッド)に嵌合することにより固定されている。かかる構成により、リテーナアッパーで軽量化を図り、リテーナロワーで衝撃を吸収するようにしている。
 上述したように、リテーナは、インストルメントパネルやエアバッグカバーに対して、リベットやボルト等の締結具により固定されたり、突起を嵌合させることにより固定されたりして位置決めされることが多かったが、近年では、特許文献3に記載されたように、リテーナに配置されたフックをエアバッグカバー(リッド)に形成された開口部に相対移動可能に係合させることによって、リテーナをフローティング状に位置決めするものが増加している。かかる構成により、エアバッグの衝撃を緩和するとともに、組付作業性を向上させている。
特開2001-97162号公報 特開2000-326813号公報 特許第3822578号公報
 上述したリテーナは、上部が開口した矩形の箱型形状を有し、底部にインフレータ及びエアバッグが固定されている。したがって、エアバッグの膨張展開時には、インフレータからガスが供給されたエアバッグは、リテーナの底部側から膨張展開し、リテーナの側壁部を押圧することとなる。その結果、リテーナ上部の開口部が略円形に変形してしまう。また、エアバッグカバー(リッド)は、一般に、合成樹脂により成形されていることから変形しやすく、リテーナの側壁部をエアバッグカバー(リッド)で囲ったとしてもリテーナ上部の開口部の変形を抑制するには至らない。
 一般に、このリテーナの変形を「フィッシュマウス現象」と称し、リテーナの設計においては、フィッシュマウス現象対策が必要となる。従来の金属製のリテーナでは、フィッシュマウス現象対策として、板厚を厚くしたり、補強部材を追加したり、溶接点数を増加したりして、リテーナの強度や剛性を高めていた。しかしながら、かかるフィッシュマウス現象対策は、リテーナの重量を増加させることとなり、エアバッグ装置の軽量化を阻害するという問題があった。
 また、軽量化のために、樹脂製や曲げ・絞り加工のみの金属製のリテーナを採用することも検討されているが、フィッシュマウス対策を考慮した場合、これらのリテーナでは強度不足となり、実用化が困難であるという問題があった。
 本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、フィッシュマウス現象を防止することができるとともに、リテーナの軽量化を図ることができるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
 本発明によれば、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、前記エアバッグを収容するエアバッグカバーと、前記エアバッグの折り畳み状態を保持するプロテクタクロスと、を有するエアバッグ装置において、前記エアバッグカバーは、車両内装面を構成する板状部と、該板状部の背面に配置され前記エアバッグの膨張展開路を構成するインナーケースと、該インナーケースに形成され前記リテーナを保持可能な複数の保持孔と、を有し、前記リテーナは、略平板形状に形成された支持体を有し、前記エアバッグは、前記保持孔に挿通されるとともに前記支持体に取り付けられて環状に形成される帯状体を有し、前記プロテクタクロスは、前記保持孔に挿通される前の前記帯状体を保持する保持部を有し、前記帯状体は、前記エアバッグ及び前記インフレータが前記支持体に接続されたエアバッグモジュールを前記エアバッグカバーに組み付ける際に、前記保持孔から引き出し可能となるように前記保持部に保持されている、ことを特徴とするエアバッグ装置が提供される。
 前記帯状体は、先端が前記保持孔の位置に配置されるように前記保持部に折り畳んだ状態で保持されていてもよい。また、前記保持部は、前記プロテクタクロスに形成されたスリットにより形成されていてもよいし、前記プロテクタクロスの表面に両端部が縫合されたベルト部材により形成されていてもよいし、前記プロテクタクロス及び前記帯状体を接着可能な接着部材により形成されていてもよい。
 前記エアバッグモジュールを前記エアバッグカバーに組み付ける際に前記エアバッグモジュールの位置決めを行う仮留め手段を有していてもよい。さらに、前記仮留め手段は、前記インナーケースに形成された係止孔及び前記支持体に形成された前記係止孔に係止可能なフックにより構成されていてもよいし、前記インナーケースに形成された切欠部及び前記支持体に形成された前記切欠部に挿通可能なボス部により構成されていてもよいし、前記エアバッグカバーの内側に形成され前記エアバッグモジュールに係止可能なリブにより構成されていてもよい。
 前記帯状体は、エアバッグに使用される基布により構成されてもよいし、シートベルトに使用されるウェビングにより構成されてもよいし、薄板状金属により構成されてもよいし、前記エアバッグの膨張展開により生じる力及び衝撃に耐え得る強度を有する繊維素材若しくは樹脂素材により構成されてもよい。
 前記帯状体は、つまみ部を構成するタブを有し、該タブは前記帯状体の先端から突出する方向に形成されていてもよいし、前記帯状体の先端から折り返した方向に形成されていてもよい。また、前記保持孔は、前記タブの延出方向に切り欠かれた拡張部を有していてもよい。
 上述した本発明に係るエアバッグ装置によれば、リテーナを略平板形状の支持体により構成したことにより、フィッシュマウス現象の原因となるリテーナ側壁部が存在せず、フィッシュマウス現象の発生を防止することができる。また、リテーナは、側壁部を有しておらず、インフレータや帯状体の取り付けに必要な最低限の面積を有していればよいことから、リテーナの軽量化を図ることができ、延いてはエアバッグ装置の軽量化を図ることができる。
 また、保持孔に挿通される前の帯状体(すなわち、組み付け前の帯状体)を保持する保持部をプロテクタクロスに形成したことにより、エアバッグカバーに組み付ける前のエアバッグモジュールから帯状体が垂れ下がることがなく、帯状体が汚れたり、引っ掛けたり、下敷きになったりすることがなく、エアバッグモジュールをコンパクトな荷姿にすることができるとともに、エアバッグモジュールを取り扱いやすくすることができる。さらに、帯状体が保持孔から引き出し可能に形成されていることから、エアバッグモジュールをエアバッグカバーに組み付ける際の作業性を向上させることもできる。
 また、帯状体の先端が保持孔の位置に配置されるように折り畳んで保持することにより、帯状体を折り畳まれたエアバッグに密着させつつ帯状体の先端を位置決めすることができ、エアバッグモジュールをコンパクトな荷姿にすることができるとともに、帯状体を保持孔から引き出しやすくすることができる。
 また、係止部をスリット、ベルト部材又は接着部材により形成することにより、容易に係止部を形成することができる。
 また、エアバッグモジュールの仮留め手段を配置したことにより、帯状体を保持孔から引き出し可能な位置に容易に配置することができるとともに、エアバッグモジュールをエアバッグカバーに組み付ける際の作業性を向上させることができる。
 また、仮留め手段を、フック、ボス部又はリブを利用して形成することにより、容易に仮留め手段を形成することができ、エアバッグモジュールをエアバッグカバーに容易に仮留めすることができる。
 また、帯状体を基布、ウェビング等の所定の素材により構成することにより、エアバッグの膨張展開により生じる力及び衝撃に耐え得る強度を有する帯状体を容易に形成することができる。
 また、帯状体にタブを形成することにより、帯状体を保持孔から引き出しやすくすることができる。さらに、保持孔に拡張部を形成することにより、保持孔とタブとの先端部との隙間を大きくすることができ、タブをつまみやすくすることができる。
本発明の第一実施形態に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。 図1に示したエアバッグ装置の部分詳細図であり、(A)はエアバッグと帯状体の接合部、(B)はエアバッグ装置の下面図、(C)はリテーナの平面図、である。 図1に示したエアバッグ装置のエアバッグモジュールを示す側面図であり、(A)は帯状体の保持前の状態、(B)は帯状体の保持後の状態、を示している。 エアバッグモジュールの組付工程を示す図であり、(A)は第一工程、(B)は第二工程、(C)は第三工程、を示している。 本発明の第二実施形態に係るエアバッグ装置のエアバッグモジュールを示す側面図であり、(A)は帯状体の保持前の状態、(B)は帯状体の保持後の状態、を示している。 本発明の第三実施形態に係るエアバッグ装置のエアバッグモジュールを示す側面図であり、(A)は帯状体の保持前の状態、(B)は帯状体の保持後の状態、を示している。 本発明の第四実施形態に係るエアバッグ装置を示す図であり、(A)はエアバッグモジュールの側面図、(B)はエアバッグ装置の下面図、を示している。 本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置を示す図であり、(A)は第五実施形態、(B)は第六実施形態、を示している。 本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置の帯状体を示す図であり、(A)は第七実施形態、(B)は第八実施形態、(C)は第九実施形態、(D)は第十実施形態、を示している。 本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置のエアバッグカバーを示す図であり、(A)は第十一実施形態、(B)は第十二実施形態、を示している。
 以下、本発明に係るエアバッグ装置の実施形態について、図1~図10を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。図2は、図1に示したエアバッグ装置の部分詳細図であり、(A)はエアバッグと帯状体の接合部、(B)はエアバッグ装置の下面図、(C)はリテーナの平面図、である。図3は、図1に示したエアバッグ装置のエアバッグモジュールを示す側面図であり、(A)は帯状体の保持前の状態、(B)は帯状体の保持後の状態、を示している。
 本発明の第一実施形態に係るエアバッグ装置1は、図1~図3に示したように、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグ2と、エアバッグ2にガスを供給するインフレータ3と、エアバッグ2及びインフレータ3を固定するリテーナ4と、エアバッグ2を収容するエアバッグカバー5と、エアバッグ2の折り畳み状態を保持するプロテクタクロス6と、を有し、エアバッグカバー5は、車両内装面を構成する板状部51と、板状部51の背面に配置されエアバッグ2の膨張展開路を構成するインナーケース52と、インナーケース52に形成されリテーナ4を保持可能な複数の保持孔53と、インナーケース52に形成された係止孔54と、を有し、リテーナ4は、略平板形状に形成された支持体41と、支持体41に形成された係止孔54に係止可能なフック42と、を有し、エアバッグ2は、保持孔53に挿通されるとともに支持体41に取り付けられて環状に形成される帯状体21を有し、プロテクタクロス6は、保持孔53に挿通される前の帯状体21を保持する保持部61を有し、帯状体21は、エアバッグ2及びインフレータ3が支持体41に接続されたエアバッグモジュール11をエアバッグカバー5に組み付ける際に、保持孔53から引き出し可能となるように保持部61に保持されている。
 前記エアバッグ装置1は、例えば、助手席用エアバッグ装置であり、助手席の前面に配置されているインストルメントパネル(図示せず)に装着される。したがって、エアバッグカバー5(板状部51)の表面はインストルメントパネルの一部を形成し、車両内装面の一部を構成する。また、エアバッグ装置1は、ボルト・ナット等の締結具により、リテーナ4の下面に固定されるエアバッグ固定用ブラケット7を有している。かかるエアバッグ固定用ブラケット7を、リインフォースメント等の車内構造物に固定することにより、エアバッグ装置1が車体に固定される。なお、図2(B)において、説明の便宜上、板状部51及びエアバッグ固定用ブラケット7の図を省略してある。
 前記インフレータ3は、図2(B)に示したように、エアバッグ2に供給されるガスを発生させるガス発生器であり、例えば、略円板形状の外形をなしている。インフレータ3は、リテーナ4を構成する支持体41の略中央部に形成された開口部に嵌め込まれ、フランジ部31とエアバッグ2の内側に配置されるバッグリング(図示せず)とにより支持体41を挟持し、ボルト・ナット等の締結具32によりリテーナ4に固定される。締結具32の一部(例えば、ボルト)はバッグリングに一体に形成されていてもよい。なお、ここでは、ディスク型のインフレータ3の場合を図示しているが、略円柱形状の外形をなしたシリンダ型のものを使用してもよい。
 また、インフレータ3は、図示しないECU(電子制御ユニット)に接続されており、加速度センサ等の計測値に基づいて制御される。ECUが車両の衝突や急減速を感知又は予測すると、インフレータ3はECUからの点火電流により点火され、インフレータ3の内部に格納された薬剤を燃焼させてガスを発生させ、エアバッグ2にガスを供給する。
 前記エアバッグ2は、図2(A)及び(B)に示したように、インフレータ3を挿通する開口部22を有し、バッグリングとリテーナ4を構成する支持体41との間に挟持され、締結具32によりリテーナ4に固定される。エアバッグ2の開口部22の外周には、締結具32を挿入する小孔23が形成されている。なお、図2(A)において、説明の便宜上、エアバッグ2は、基端部(インフレータ3との接続部)の近傍のみを図示し、他の部分を省略している。また、エアバッグ2は、通常時は折り畳まれた状態でリテーナ4に固定されており、プロテクタクロス6(ラッピングシートやラッピングクロスとも称する)によりエアバッグ2の折り畳み状態が保持されている。
 前記プロテクタクロス6は、例えば、図3(A)及び(B)に示したように、折り畳まれたエアバッグ2の表面を覆うように配置されている。プロテクタクロス6は、例えば、エアバッグ2を固定する締結具32の一部に一端を係止させて、折り畳まれたエアバッグ2の表面を覆い、他端を締結具32の一部に係止させることにより固定される。プロテクタクロス6は、折り畳まれたエアバッグ2の外周面(周側面)のみを覆う形状であってもよいし、折り畳まれたエアバッグ2の外周面及び両端面を覆う形状であってもよい。また、プロテクタクロス6は、エアバッグ2の外周面の全体を覆うことができる平板形状に限定されるものではなく、エアバッグ2の外周面の一部のみを覆うことができる二本のベルト状の部材により構成されていてもよい。
 前記エアバッグカバー5は、図1及び図2(B)に示したように、板状部51とインナーケース52とを一体に形成した樹脂成形品である。板状部51及びインナーケース52は、射出成形により一体に形成されていてもよいし、板状部51の背面にインナーケース52を溶着することにより一体に構成するようにしてもよい。なお、エアバッグカバー5の構造及び形状は、図示したものに限定されず、従来から使用されているものを適宜使用することができる。
 板状部51は、例えば、インストルメントパネル等の車両内装面の一部を構成する部材である。板状部51のインナーケース52の内側に位置する領域には、エアバッグ2の膨張展開時に開裂させたい形状に合わせて、薄肉に形成されたテアライン(図示せず)が形成されている。テアラインは、例えば、略H字形状に形成され、板状部51は、一対の扉部に開裂し、ヒンジ部(図示せず)を中心に観音開きする。なお、テアラインは、例えば、一枚の扉部が片開きとなるように略コ字状に形成してもよい。
 また、エアバッグカバー5は、車両のインストルメントパネルと別体に形成されてインストルメントパネルに固定されるように構成されていてもよいし、車両のインストルメントパネルと一体に形成されていてもよい。エアバッグカバー5をインストルメントパネルに対して嵌め込み型とした場合には、板状部51の外周は、インストルメントパネルの開口部に装着可能に形成されるとともに、インストルメントパネルに固定するためのピンや係合片が配置される。また、エアバッグカバー5をインストルメントパネルに対して一体型とした場合には、板状部51がインストルメントパネルを構成することとなる。このように、エアバッグカバー5を嵌め込み型又は一体型とすることにより、種々のエアバッグ装置の形式に対応することができる。
 インナーケース52は、板状部51の背面に矩形に立設された筒状の壁面により構成されている。具体的には、インナーケース52は、車両の略前後方向に対峙する一対の第一壁面52aと、車両の略左右方向に対峙する一対の第二壁面52bと、を有する。一般に、第一壁面52aは、インナーケース52の長手方向を構成する一対の壁面であり、第二壁面52bは、インナーケース52の短手方向を構成する一対の壁面である。
 ヒンジ部は、板状部51とインナーケース52との連接部により構成され、例えば、インナーケース52の一部を薄肉に形成した部分により構成される。ヒンジ部の外周には、図1に示したように、複数の薄肉の補強部材55を配置するようにしてもよい。このように、補強部材55を配置することにより、板状部51が開裂したときの扉部の飛散を抑制したり、開裂時の衝撃を緩和したりすることができる。なお、インナーケース52を板状部51に溶着し、板状部51の一部(扉部)を開裂させて展開させる場合には、インナーケース52の溶着部分に形成された略U字形状部によりヒンジ部を構成するようにしてもよい。
 インナーケース52は、図1に示したように、リテーナ4を保持するための複数の保持孔53を有する。インナーケース52を構成する一対の第一壁面52aには、例えば、二つずつの保持孔53が形成される。また、インナーケース52を構成する一対の第二壁面52bには、例えば、一つずつの保持孔53が形成される。すなわち、保持孔53は、車両の略前後方向に対峙する又はインナーケース52の長手方向を構成する一対の第一壁面52a及び車両の略左右方向に対峙する又はインナーケース52の短手方向を構成する一対の第二壁面52bに形成されている。
 保持孔53は、挿通される帯状体21の形状に合わせて、例えば、左右方向長孔に形成される。また、保持孔53は、帯状体21を遊嵌状に保持可能な形状を有する。具体的には、保持孔53は、帯状体21の肉厚方向に遊びを有する。この遊びを形成することにより、帯状体21(すなわち、リテーナ4)をエアバッグ2の膨張展開方向に移動させることができ、エアバッグ2の膨張展開時における衝撃を緩和することができる。
 また、インナーケース52は、図1に示したように、リテーナ4を遊嵌状に係止する係止孔54を有する。かかる係止孔54は、エアバッグモジュール11の仮留め手段の一部を構成し、支持体41に形成されたフック42が係止される。係止孔54は、例えば、第一壁面52aに形成された保持孔53の中間部に形成される。係止孔54の遊びは、例えば、保持孔53の遊びと略同等の大きさに形成される。かかる遊びを形成することにより、フック42をエアバッグ2の膨張展開方向に移動させることができ、帯状体21及び支持体41によるフローティング機能を阻害しないようにすることができる。なお、エアバッグモジュール11の組み付け時に仮留め手段が不要な場合には、係止孔54を省略するようにしてもよい。
 前記リテーナ4は、図2(A)~(C)に示したように、略平板形状の支持体41を有する。支持体41は、例えば、インナーケース52の開口部内に収容可能な面積を有する平板形状に形成されており、中央部にインフレータ3を挿通するインフレータ用開口部43と、インフレータ用開口部43の外周に形成されたインフレータ3を固定するインフレータ用固定孔44と、両端部に形成された帯状体21を固定する帯状体用固定孔45と、を有する。支持体41は、長丸形状であってもよいし、矩形形状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、その他の多角形状であってもよい。なお、支持体41は、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよいが、軽量化のためには樹脂製とする方が好ましい。
 図2(B)に示したように、インフレータ用開口部43には、インフレータ3が挿入され、インフレータ用固定孔44にはインフレータ3のフランジ部31に固定される締結具32が挿通される。また、帯状体用固定孔45には、帯状体21を支持体41に固定する締結具46(例えば、ボルト・ナット、リベット等)が挿通される。なお、帯状体21の固定方法は、図示した方法に限定されず、例えば、支持体41の下面に帯状体21を係止可能な突起部を形成し、帯状体21を突起部に挿通した後、エアバッグ固定用ブラケット7等の板状部材を突起部に挿通して抜け留めをするようにしてもよい(図8参照)。
 図2(C)及び図3に示したように、支持体41の長手方向の側面部(車両前後方向の端部)には一対のフック42が立設されている。フック42は、例えば、支持体41の一部を支持体41の上面よりも上方に延長し、その先端部を下方に向かってUターンさせることによって形成される。フック42の深さは、インナーケース52の係止孔54との位置関係によって設定される。フック42は、例えば、支持体41と一体に形成されており、樹脂製の場合は射出成形により形成され、金属製の場合はプレス成形により形成される。かかるフック42は、エアバッグモジュール11の仮留め手段の一部を構成するものであるため、従来の係合フックよりも強度的に弱い構成にすることができ、軽量化を図ることができる。なお、エアバッグモジュール11の組み付け時に仮留め手段が不要な場合には、係止孔54と同様に、フック42を省略するようにしてもよい。
 帯状体21は、図2(A)に示したように、二本の腕部21a及び一本の脚部21bを備えた略T字形状を有し、腕部21a及び脚部21bが帯状に形成されている。ただし、かかる構成は単なる一例であり、支持体41の形状、保持孔53の配置、帯状体21の強度等の条件によって適宜変更できるものであり、帯状体21は、腕部21a及び脚部21bが分離した三本のベルト状部材によって構成されていてもよい。
 腕部21aは、第一壁面52aに形成された保持孔53に挿通され、脚部21bは、第二壁面52bに形成された保持孔53に挿通されるように配置されている。このように帯状体21を第一壁面52a及び第二壁面52bに連結することにより、第一壁面52a及び第二壁面52bにおけるリテーナ4とエアバッグカバー5(インナーケース52)との隙間を低減することができ、エアバッグ2の膨張展開時におけるエアバッグ2の外部へのはみ出しを抑制することができる。
 また、腕部21a及び脚部21bの端部には、固定用孔21cが形成されている。腕部21a及び脚部21bの端部は、保持孔53に挿通された後、各固定用孔21cが支持体41の帯状体用固定孔45と一致するように重ね合わされて、締結具46により連結される。かかる処理により、帯状体21は、保持孔53に挿通された環状部を構成し、支持体41をインナーケース52(エアバッグカバー5)に保持させることができる。また、帯状体21(腕部21a及び脚部21b)の一端(先端)には、タブ21dが形成されている。タブ21dは、エアバッグモジュールの組付作業時に、保持孔53の外側から帯状体21を引き出すためのつまみ部を構成する。
 帯状体21は、例えば、エアバッグ2に使用される基布、シートベルトに使用されるウェビング、薄板状金属又はエアバッグ2の膨張展開により生じる力及び衝撃に耐え得る強度を有する繊維素材若しくは樹脂素材により構成される。すなわち、帯状体21は、環状に形成できる程度の柔軟性を有し、エアバッグ2の膨張展開により生じる力及び衝撃に耐え得る強度を有する。一般に、エアバッグ2に使用される基布やシートベルトに使用されるウェビングであれば、これらの条件を容易に満足し、入手が容易である。これらの基布やウェビング等の織物や繊維素材に場合には、複数枚を重ねて一枚の帯状体21を形成するようにしてもよい。
 特に、帯状体21は、乗員の目に触れるものではないことに鑑みれば、エアバッグやシートベルト装置の製造過程において発生した基布やウェビングの切れ端や不良品(例えば、見栄えが悪いもの、端部が解れているもの等)を流用することができ、廃棄物の発生量を低減することもできる。
 また、帯状体21は、図2(A)に示したように、エアバッグ2に縫合されている。具体的には、エアバッグ2の基端部には、帯状体21が縫合部21eにより接続されている。帯状体21の集結部には、締結具46が挿通されるため、締結具46を避けるように縫合部21eを形成する必要がある。ここでは、帯状体21の集結部で縫合するようにしているが、腕部21a及び脚部21bごとにエアバッグ2に縫合するようにしてもよい。
 このように、帯状体21(腕部21a及び脚部21b)の一端をエアバッグ2に接続することにより、エアバッグ装置1の製造時にエアバッグ2と帯状体21とを一部品として取り扱うことができ、支持体41への組付作業を容易に処理することができる。なお、上述した帯状体21のエアバッグ2への接合方法は、単なる一例であり、縫合に代えて接着剤により接合してもよい。
 また、リテーナ4(支持体41)の背面には、図1に示したように、リテーナ4を図示しない車内構造物(例えば、リインフォースメント等)に固定するためのエアバッグ固定用ブラケット7が装着される。エアバッグ固定用ブラケット7は、例えば、インフレータ3と一緒に締結具32により、リテーナ4(支持体41)に固定される。エアバッグ固定用ブラケット7は、左右別体に形成されていてもよいし、左右一体に形成されていてもよい。なお、エアバッグ固定用ブラケット7は、図示された構造及び形状に限定されるものではなく、リテーナ4の大きさ、素材、接続される車内構造物との位置関係等の条件によって適宜変更されるものである。
 上述したエアバッグ装置1は、製造工程において、図3に示したように、少なくとも、リテーナ4(支持体41)にエアバッグ2及びインフレータ3を固定した状態であるエアバッグモジュール11が製作される。このとき、エアバッグ2の折り畳み状態を維持するために、プロテクタクロス6がエアバッグ2の表面に被せられる。プロテクタクロス6は、保持孔53に挿通される前の帯状体21を保持する保持部61を有し、保持部61はプロテクタクロス6に形成されたスリット62により形成されている。なお、エアバッグモジュール11は、エアバッグ固定用ブラケット7を有していてもよい。
 図3(A)に示したように、帯状体21の保持前の状態では、帯状体21がエアバッグモジュール11から垂れ下がった状態となっている。したがって、このままの状態で、搬送や組付作業を進めると、帯状体21が汚れたり、引っ掛けたり、下敷きになったりする原因となってしまう。また、エアバッグカバー5にエアバッグモジュール11を組み付ける際に、垂れ下がった帯状体21を保持孔53に挿通しなければならず、作業性が低下する原因となってしまう。
 そこで、本実施形態では、図3(B)に示したように、プロテクタクロス6のスリット62に帯状体21の一部を折り畳んで挿入し、帯状体21を保持部61に保持させるようにしている。このとき、帯状体21は、タブ21dが保持孔53の位置に配置されるように保持部61に折り畳んだ状態で保持部されるようにしてもよい。かかる構成により、エアバッグモジュール11から帯状体21が垂れ下がることがなく、コンパクトな荷姿にすることができ、エアバッグモジュール11を取り扱いやすくすることができる。
 ここで、図4は、エアバッグモジュールの組付工程を示す図であり、(A)は第一工程、(B)は第二工程、(C)は第三工程、を示している。各図において、発明の内容を理解しやすくするために、帯状体21を塗り潰して図示している。また、説明の便宜上、エアバッグカバー5の板状部51の図を省略してある。
 図4(A)に示した第一工程は、エアバッグモジュール11をエアバッグカバー5に仮留めする工程である。具体的には、エアバッグモジュール11をインナーケース52の内部に挿入し、リテーナ4のフック42を係止孔54に係止させる。このとき、保持部61に係止された帯状体21は、図示したように、先端(タブ21d)が保持孔53に臨む位置に配置される。
 図4(B)に示した第二工程は、保持孔53から帯状体21を引き出す工程である。具体的には、保持孔53の外側から帯状体21のタブ21dをつまみ、インナーケース52の外側に引き出す。このように、本実施形態では、帯状体21が保持孔53から簡単に引き出し可能に形成されていることから、エアバッグモジュール11をエアバッグカバー5に組み付ける際の作業性を向上させることができる。
 図4(C)に示した第三工程は、帯状体21を支持体41に固定する工程である。具体的には、帯状体21の固定用孔21cを締結具46に挿通して固定する工程である。例えば、図4(A)に示したように、エアバッグ2の内側から支持体41にボルト46a(締結具46)が挿通されている場合には、図4(C)に示したように、帯状体21の先端部を掛け回してボルト46aに固定用孔21cを挿通し、ナット46b(締結具46)をボルト46aに螺合させることにより、帯状体21を支持体41に固定する。
 上述した第一実施形態に係るエアバッグ装置1によれば、リテーナ4を略平板形状の支持体41により構成したことにより、フィッシュマウス現象の原因となるリテーナ側壁部が存在せず、フィッシュマウス現象の発生を防止することができる。また、リテーナ4は、側壁部を有しておらず、インフレータ3や帯状体21の取り付けに必要な最低限の面積を有していればよいことから、リテーナ4の軽量化を図ることができ、延いてはエアバッグ装置1の軽量化を図ることができる。
 次に、本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置1について、図5~図8を参照しつつ説明する。ここで、図5は、本発明の第二実施形態に係るエアバッグ装置のエアバッグモジュールを示す側面図であり、(A)は帯状体の保持前の状態、(B)は帯状体の保持後の状態、を示している。図6は、本発明の第三実施形態に係るエアバッグ装置のエアバッグモジュールを示す側面図であり、(A)は帯状体の保持前の状態、(B)は帯状体の保持後の状態、を示している。図7は、本発明の第四実施形態に係るエアバッグ装置を示す図であり、(A)はエアバッグモジュールの側面図、(B)はエアバッグ装置の下面図、を示している。図8は、本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置を示す図であり、(A)は第五実施形態、(B)は第六実施形態、を示している。なお、各図において、上述した第一実施形態のエアバッグ装置1と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
 図5(A)及び(B)に示した第二実施形態は、保持部61が、プロテクタクロス6の表面に両端部が縫合されたベルト部材63により形成されたものである。このようにベルト部材63をプロテクタクロス6の表面に配置することによっても、垂れ下がった帯状体21を折り畳んで挿入する隙間を形成することができる。第一実施形態では、スリット62の内部にエアバッグ2が存在していることから、エアバッグ2の折り畳み形状によっては、帯状体21を挿入しにくい場合が考えられる。一方、第二実施形態では、プロテクタクロス6とベルト部材63との間に帯状体21を挿入するようにしていることから、エアバッグ2の折り畳み形状等に影響されず、容易に帯状体21を挿入することができる。
 また、第二実施形態において、ベルト部材63の両端部に加えて上部を縫合して、帯状体21を挿入する空間をポケット状に形成してもよい。この場合、ポケットの深さを調節することにより、帯状体21を奥まで挿入するだけで、タブ21dが保持孔53の位置に配置されるようにすることができ、作業の効率化を図ることができる。
 図6(A)及び(B)に示した第三実施形態は、保持部61が、プロテクタクロス6及び帯状体21の表面に配置された面ファスナー64により形成されたものである。具体的には、図6(A)に示したように、プロテクタクロス6の表面には第一面ファスナー64aが配置されており、帯状体21の内面には第二面ファスナー64bが配置されている。第一面ファスナー64a及び第二面ファスナー64bは、接続可能となるように、いずれか一方が雄型、他方が雌型に構成されている。かかる面ファスナー64(第一面ファスナー64a及び第二面ファスナー64b)により、帯状体21をプロテクタクロス6の表面に保持することができる。なお、面ファスナー64は、接着剤によって接合してもよいし、縫合によって接合してもよい。
 さらに、帯状体21は、帯状体21の外面に配置された第三面ファスナー64c及び第四面ファスナー64dを有していてもよい。第三面ファスナー64c及び第四面ファスナー64dは、接続可能となるように、いずれか一方が雄型、他方が雌型に構成されている。上述した面ファスナー64(第一面ファスナー64a及び第二面ファスナー64b)だけでは、先端部のタブ21dの位置が安定せず、フック42を係止孔54に係止させたときに、タブ21dが保持孔53に現れない場合があり得る。かかる場合には、第三面ファスナー64c及び第四面ファスナー64dを配置して、帯状体21の先端部を帯状体21の一部に固定することによって、タブ21dの位置を安定させることができる。
 なお、上述した面ファスナー64は、プロテクタクロス6及び帯状体21を接着可能な接着部材の一例であり、面ファスナー64に替えて、引き剥がし可能な接着力を有する接着剤や粘着テープ等を使用するようにしてもよい。
 図7(A)及び(B)に示した第四実施形態は、帯状体21及びフック42の配置を変更したものである。具体的には、図7(A)に示したように、帯状体21は、支持体41の長手方向の側面部(車両前後方向の端部)に配置されており、フック42は、支持体41の短手方向の側面部(車両左右方向の端部)に配置されている。換言すれば、図7(B)に示したように、保持孔53は、車両の略前後方向に対峙する一対の第一壁面52a(すなわち、インナーケース52の長手方向を構成する一対の壁面)に形成され、係止孔54は、車両の略左右方向に対峙する一対の第二壁面52b(すなわち、インナーケース52の短手方向を構成する一対の壁面)に形成されていることとなる。
 かかる第四実施形態によれば、フック42を係止孔54に係止させることによってエアバッグモジュール11を仮留めし、帯状体21を保持孔53から引き出して支持体41に固定することができ、上述した第一実施形態に係るエアバッグ装置1と同様の効果を奏する。また、第一壁面52aにおけるリテーナ4とエアバッグカバー5(インナーケース52)との隙間を帯状体21で低減することができ、第二壁面52bにおけるリテーナ4とエアバッグカバー5(インナーケース52)との隙間をフック42で低減することができ、エアバッグ2の膨張展開時におけるエアバッグ2の外部へのはみ出しを抑制することもできる。
 なお、上述した第四実施形態では、保持部61として、第一実施形態に示したスリット62を採用したが、第二実施形態に示したベルト部材63や第三実施形態に示した面ファスナー64によって保持部61を構成するようにしてもよい。
 図8(A)に示した第五実施形態及び図8(B)に示した第六実施形態は、仮留め手段の構成を変更したものである。具体的には、第五実施形態及び第六実施形態に記載された仮留め手段は、フック42及び係止孔54と代替可能な仮留め手段に関するものである。また、第五実施形態及び第六実施形態のエアバッグ装置1は、帯状体21の留め方が第一実施形態に係るエアバッグ装置1とは異なっていることから、先に帯状体21の留め方について説明する。
 図8(A)及び(B)に示したように、リテーナ4は、支持体41の下面に形成され帯状体21の一端を係止可能な突起47を有する。突起47は、例えば、支持体41の外縁部に各帯状体21を個別に係止することができるように形成される。突起47は、射出成形により支持体41と一体に形成してもよいし、支持体41に予め貫通孔を形成しておき樹脂製又は金属製のピンを貫通孔に上面側から差し込んで固定するようにしてもよい。なお、突起47は、円柱形状に限定されるものではなく、角柱形状であってもよいし、鉤状に折れ曲がった形状であってもよい。
 また、リテーナ4は、突起47に挿通され帯状体21の抜け留めを構成する拘束板48を有している。拘束板48は、例えば、インフレータ3の左右両側に配置される一対のエアバッグ固定用ブラケット7により構成されており、エアバッグ固定用ブラケット7は締結具32により、インフレータ3とともにリテーナ4に固定されている。エアバッグ固定用ブラケット7(拘束板48)は、突起47を挿通する貫通孔71を有しており、帯状体21が挿通された突起47に貫通孔71が挿通され、締結具32によりリテーナ4に固定される。したがって、突起47に挿通された帯状体21は、支持体41及びエアバッグ固定用ブラケット7の間に挟み込まれ、エアバッグ固定用ブラケット7は、帯状体21の抜け留めとして機能する。
 なお、拘束板48の構成は、図示したものに限定されず、突起47の配置によってブラケットの形状を適宜変更してもよい、エアバッグ固定用ブラケット7と別体に構成してもよい、左右一対のブラケットを一体に形成した略U字形状のエアバッグ固定用ブラケット7により構成してもよい等、種々の変更が可能である。
 図8(A)に示した第五実施形態は、エアバッグカバー5の内側に形成されエアバッグモジュール11に係止可能なリブ56を有するものである。かかるリブ56は、エアバッグモジュール11をエアバッグカバー5に組み付ける際の仮留め手段を構成している。例えば、リブ56は、インナーケース52の内面(第一壁面52a又は第二壁面52bの内側)に形成されており、インナーケース52内に挿入されたエアバッグモジュール11のエアバッグ2と支持体41との隙間に係止可能な形状を有している。なお、エアバッグモジュール11の組付作業は、図示した状態で行ってもよいし、図の上下を反転させた状態で行うようにしてもよい。なお、図8(A)において、帯状体21を引き出す前の保持した状態を破線で示している。
 また、リブ56は、図示したものに限定されず、例えば、保持孔53の上部に配置されエアバッグモジュール11を構成するエアバッグ2の側面部に係止可能なものであってもよいし、板状部51に形成されエアバッグモジュール11を構成するエアバッグ2の頂部に当接可能なものであってもよい。
 図8(B)に示した第六実施形態は、インナーケース52に形成された切欠部57及び支持体41に形成された切欠部57に挿通可能なボス部49を有するものである。かかるボス部49及び切欠部57は、エアバッグモジュール11をエアバッグカバー5に組み付ける際の仮留め手段を構成している。ボス部49は、例えば、支持体41の外周部から側方に突出するように形成してもよいし、フック42のように支持体41の水平位置と異なる位置に段差を付けて形成するようにしてもよい。また、切欠部57は、ボス部49を切欠部57に挿通して係止させた場合に、エアバッグモジュール11に保持された帯状体21のタブ21dが保持孔53の位置と一致するような形状に形成される。
 続いて、本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置1について、図9~図10を参照しつつ説明する。ここで、図9は、本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置の帯状体を示す図であり、(A)は第七実施形態、(B)は第八実施形態、(C)は第九実施形態、(D)は第十実施形態、を示している。図10は、本発明の他の実施形態に係るエアバッグ装置のエアバッグカバーを示す図であり、(A)は第十一実施形態、(B)は第十二実施形態、を示している。なお、各図において、上述した実施形態のエアバッグ装置1と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
 図9(A)に記載した第七実施形態における帯状体21は、タブ21dの両側部を折り曲げて縫合することにより折曲部21fを形成し、タブ21dを形成するようにしたものである。かかる構成によれば、折曲部21fの張力によってタブ21dを外側に引っ張ることができ、タブ21dを立体的な形状に形成することができ、つまみやすくすることができる。なお、図9(A)~(C)において、左図は平面図、右図は側面図を図示している。
 図9(B)に記載した第八実施形態における帯状体21は、帯状体21の一部をタブ21dの形状に切り抜き、帯状体21の先端部を折り曲げて縫合することにより折曲部21fを形成し、タブ21dを形成するようにしたものである。かかる構成によれば、折曲部21fの張力によってタブ21dを外側に引っ張ることができ、タブ21dを立体的な形状に形成することができ、つまみやすくすることができる。
 図9(C)に記載した第九実施形態における帯状体21は、タブ21dを帯状体21の先端部を折り返した方向に形成したものである。タブ21dは、帯状体21と別体であってもよいし、帯状体21の先端部に形成したタブ21dを折り返して縫合するようにしてもよい。かかる構成によれば、帯状体21を保持部61に折り畳んで挿入する際に、タブ21dを保持部61(スリット62やベルト部材63)の縁部に係止させることができ、位置決めをしやすくすることができる。また、帯状体21とタブ21dとの間にプロテクタクロス6が配置されることにより、タブ21dを外側に押し出すことができ、つまみやすくすることができる。
 上述したように、帯状体21は、つまみ部を構成するタブ21dを有し、タブ21dは帯状体21の先端から突出する方向に形成されていてもよいし、帯状体21の先端から折り返した方向に形成されていてもよい。なお、図9(C)に示した第九実施形態において、図示しないが、保持部61(スリット62やベルト部材63)の縁部にタブ21dを係止させる凹部を形成するようにしてもよい。かかる凹部を形成することにより、タブ21dの位置決めを容易に行うことができる。
 図9(D)に記載した第十実施形態における帯状体21は、例えば、複数枚の基布を積層して縫合することによって帯状体21を形成する場合に、折り畳み線Lの前後で縫合線21gの位置が重複しないようにしたものである。かかる構成によれば、帯状体21を保持部61に折り畳んで挿入する際に、縫合線21gが折り畳み線Lを跨いでいないことから折り畳みやすくすることができるとともに、縫合線21gが折り重ならないことから折り畳み形状の小型化を図ることができる。なお、タブ21dは、保持部61への挿入には影響しないことから、複数枚の基布が一体となるように縫合されていれば、どのような縫合線21gであってもよい。
 図10(A)に記載した第十一実施形態におけるエアバッグカバー5は、保持孔53の一部にタブ21dの延出方向に切り欠いた拡張部53aを形成したものである。拡張部53aを形成したことにより、保持孔53は略T字形状を有することとなる。かかる構成によれば、拡張部53aを形成したことにより、保持孔53とタブ21dとの先端部との隙間を大きくすることができ、タブ21dをつまみやすくすることができる。
 図10(B)に記載した第十二実施形態におけるエアバッグカバー5は、図9(C)に示した第九実施形態におけるタブ21dに対して、第十一実施形態と同様の拡張部53aを形成したものである。かかる構成によっても、保持孔53とタブ21dとの先端部との隙間を大きくすることができ、タブ21dをつまみやすくすることができる。
 上述した実施形態では、助手席用エアバッグ装置に本発明を適用した場合について説明したが、同様の構成を採用できるエアバッグ装置であれば、運転席用エアバッグ装置、サイドエアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、歩行者用エアバッグ装置等に適用するようにしてもよい。
 本発明は上述した実施形態に限定されず、例えば、第五実施形態及び第六実施形態における帯状体21の留め方は第一実施形態に記載された留め方であってもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
 
 

Claims (8)

  1.  通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグ及び前記インフレータを固定するリテーナと、前記エアバッグを収容するエアバッグカバーと、前記エアバッグの折り畳み状態を保持するプロテクタクロスと、を有するエアバッグ装置において、
     前記エアバッグカバーは、車両内装面を構成する板状部と、該板状部の背面に配置され前記エアバッグの膨張展開路を構成するインナーケースと、該インナーケースに形成され前記リテーナを保持可能な複数の保持孔と、を有し、
     前記リテーナは、略平板形状に形成された支持体を有し、
     前記エアバッグは、前記保持孔に挿通されるとともに前記支持体に取り付けられて環状に形成される帯状体を有し、
     前記プロテクタクロスは、前記保持孔に挿通される前の前記帯状体を保持する保持部を有し、
     前記帯状体は、前記エアバッグ及び前記インフレータが前記支持体に接続されたエアバッグモジュールを前記エアバッグカバーに組み付ける際に、前記保持孔から引き出し可能となるように前記保持部に保持されている、
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2.  前記帯状体は、先端が前記保持孔の位置に配置されるように前記保持部に折り畳んだ状態で保持される、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3.  前記保持部は、前記プロテクタクロスに形成されたスリット、前記プロテクタクロスの表面に両端部が縫合されたベルト部材、又は前記プロテクタクロス及び前記帯状体を接着可能な接着部材、により形成されることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  4.  前記エアバッグモジュールを前記エアバッグカバーに組み付ける際に前記エアバッグモジュールの位置決めを行う仮留め手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  5.  前記仮留め手段は、前記インナーケースに形成された係止孔及び前記支持体に形成された前記係止孔に係止可能なフック、前記インナーケースに形成された切欠部及び前記支持体に形成された前記切欠部に挿通可能なボス部、又は前記エアバッグカバーの内側に形成され前記エアバッグモジュールに係止可能なリブ、により構成されることを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ装置。
  6.  前記帯状体は、エアバッグに使用される基布、シートベルトに使用されるウェビング、薄板状金属、又は前記エアバッグの膨張展開により生じる力及び衝撃に耐え得る強度を有する繊維素材若しくは樹脂素材、により構成されることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  7.  前記帯状体は、つまみ部を構成するタブを有し、該タブは前記帯状体の先端から突出する方向に形成されている又は前記帯状体の先端から折り返した方向に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  8.  前記保持孔は、前記タブの延出方向に切り欠かれた拡張部を有する、ことを特徴とする請求項7に記載のエアバッグ装置。
     
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