WO2013054407A1 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Abstract

 電子制御装置は、機関駆動式のポンプを備える内燃機関に適用され、内燃機関の駆動力を利用して潤滑油を循環させるとともに、潤滑油の需要が小さいときに潤滑油の循環量を制限する低圧制御を実行して内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減する。また、所定の自動停止条件が成立したときに機関運転を自動停止するとともに、当該自動停止中に所定の再始動条件が成立したときに内燃機関を再始動する。また、イグニッションスイッチの操作に伴う内燃機関の始動時には低圧制御の実行を禁止する一方、内燃機関の再始動時には低圧制御の実行を許容する。

Description

内燃機関制御装置
 本発明は、機関駆動式のポンプを備える内燃機関に適用され、内燃機関の駆動力を利用して潤滑油を循環させるとともに、潤滑油の需要が小さいときに潤滑油の循環量を制限する低圧制御を実行して内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減する内燃機関制御装置に関する。
 従来、内燃機関は機関駆動式のポンプを備えており、同ポンプを駆動することで内燃機関の各部に潤滑油を循環させるようにしている。
 また、例えば特許文献1には、潤滑油の供給通路にリリーフ圧を変更することのできるリリーフ弁を備え、潤滑油の需要が小さいときにリリーフ弁のリリーフ圧を低くすることにより、潤滑油の循環量を制限する低圧制御を実行する構成が開示されている。こうした構成によれば、低圧制御を実行することにより内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減することができ、ひいては内燃機関の燃料消費量を抑制することができる。
 ところで、内燃機関の始動時は、それまでの機関停止中に供給通路内の潤滑油が流れ出てしまうことによって、供給通路内に潤滑油が残っていない状況となる。そこで、内燃機関の始動時には、低圧制御の実行を禁止することで、機関始動直後に供給通路内の潤滑油の圧力を高い状態にして供給通路の末端まで速やかに潤滑油を行き渡らせることができるようにしたものも提案されている。
 また従来、機関運転中において、例えば車速が所定速度以下であり、且つアクセルペダルが踏み込まれていないといった所定の自動停止条件が成立したときに機関運転を自動停止する制御、所謂アイドリングストップ制御を行なうことで、内燃機関の燃料消費量を抑制する技術が周知である。尚、当該自動停止中において、例えばアクセルペダルが再び踏み込まれたといった所定の再始動条件が成立したときに内燃機関が再始動される。
特開2010―116890号公報
 ところで、上述した内燃機関の自動停止再始動制御を行なう制御装置に対して、内燃機関の始動時に低圧制御の実行を禁止する上記技術を適用すると、内燃機関の再始動の頻度が増大するために、低圧制御の実行が頻繁に禁止されることとなる。そのため、低圧制御の実行機会が大きく制限されてしまい、内燃機関の燃料消費量を抑制する上では尚、改善の余地を残すものとなっている。
 本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関始動時に潤滑油の供給不足が発生してしまうことを抑制する一方で、内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減することのできる内燃機関制御装置を提供することにある。
 以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
 上記目的を達成するため、本発明に従う内燃機関制御装置は、機関駆動式のポンプを備える内燃機関に適用され、前記内燃機関の駆動力を利用して潤滑油を循環させるとともに、潤滑油の需要が小さいときに潤滑油の循環量を制限する低圧制御を実行して前記内燃機関に作用する前記ポンプの駆動負荷を低減する制御装置であって、機関始動時に前記低圧制御の実行を制限する内燃機関制御装置において、所定の自動停止条件が成立したときに機関運転を自動停止するとともに、当該自動停止中に所定の再始動条件が成立したときに内燃機関を再始動するものであり、内燃機関の再始動時には前記低圧制御の実行制限を緩和することをその要旨としている。
 上記態様によれば、内燃機関の自動停止後の再始動時には、低圧制御の実行制限が緩和されるようになるため、再始動直後には他の始動時に比べて潤滑油の循環量が制限されるようになる。ここで、内燃機関の再始動時は、直前に機関運転が停止されてからの経過時間が短い場合が多い。この場合、機関停止中に供給通路内の潤滑油が流れ出てしまう前に機関始動が行なわれることとなる。このため、上記発明によれば、機関始動直後には潤滑油の循環量を制限しながらも供給通路内の潤滑油の圧力がある程度、高い状態に保持されるようになる。
 したがって、上記請求項1に記載の発明によれば、機関始動時に潤滑油の供給不足が発生してしまうことを抑制する一方で、内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減することができるようになる。
 この場合、内燃機関の再始動時に、直前の自動停止継続時間が所定時間以上であるときには前記低圧制御の実行制限の緩和を無効化して同低圧制御の実行を制限するといった態様が好ましい。
 内燃機関の自動停止後の再始動時であっても、直前に機関運転が停止されてからの経過時間が長いことがある。この場合、機関停止中に供給通路内の潤滑油が流れ出てしまい、機関始動時には供給通路内に潤滑油が多くは残っていない状況となる。そのため、こうした場合にまで、内燃機関の再始動時であることをもって低圧制御が実行されると、機関始動直後に供給通路の末端まで潤滑油を行き渡らせるのに多くの時間を要することとなる。この点、上記態様によれば、内燃機関の再始動時であっても、直前の自動停止継続時間が所定時間以上であるときには低圧制御の実行制限の緩和が無効化されて低圧制御の実行が制限されるようになる。このため、直前の自動停止継続時間が長いことに起因して機関始動直後に供給通路の末端まで速やかに潤滑油を行き渡らせることができないといった上記不都合の発生を好適に抑制することができるようになる。
 またこの場合、内燃機関の再始動時に、直前の自動停止中における機関温度が高いときほど前記所定時間を短く設定するといった態様が好ましい。
 上記所定時間を極力長い時間に設定することが低圧制御の実行機会を増加させて内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減するようにする上では望ましい。ただし、直前の自動停止継続時間が同一であっても、機関停止中に供給通路内から流れ出る潤滑油の量は潤滑油の粘度が低いときほど多くなる。このため、仮に粘度が高く供給通路内の潤滑油が流れ出しにくい状況を想定して上記所定時間を極力長い固定値に設定すると、以下の問題が生じるおそれがある。すなわち、直前の自動停止継続時間が上記所定時間未満であっても、粘度が低く供給通路内の潤滑油が流れ出しやすい状況にあっては、機関停止中に供給通路内の潤滑油が流れ出てしまい、機関始動時には供給通路内に潤滑油が残っていない状況となるおそれがある。
 この点、上記態様によれば、内燃機関の再始動時に、直前の自動停止中における機関温度が高いときほど所定時間が短く設定されるようになる。このため、潤滑油の粘度に高い相関を有する機関温度に応じて所定時間を的確に設定することができる。したがって、機関始動時に潤滑油の供給不足が発生してしまうことを的確に抑制する一方で、内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減して内燃機関の燃料消費量を的確に抑制することができるようになる。
 また、潤滑油の供給通路にはリリーフ圧を変更することのできるリリーフ弁が設けられ、前記低圧制御にあっては、前記リリーフ弁のリリーフ圧を低くすることにより、潤滑油の循環量を制限するといった態様が好ましい。
 潤滑油の循環量を制限することにより、ポンプの駆動負荷を低減するための構成としては、上記態様によるように、潤滑油の供給通路にリリーフ圧を変更することのできるリリーフ弁を設ける構成を採用することができる。こうした構成を採用すれば、リリーフ弁のリリーフ圧を低くすることにより、低圧制御を実行することができるようになる。
本発明の一実施形態における内燃機関制御装置について、当該内燃機関の油圧供給システムの概略構成を示す模式図。 同実施形態における油圧供給システムの高リリーフ圧状態における動作態様を説明する模式図。 同実施形態における油圧供給システムの低リリーフ圧状態における動作態様を説明する模式図。 同実施形態における機関始動時の油圧制御の処理手順を示すフローチャート。 (a)~(e)同実施形態における機関始動時の油圧制御が実行された際の各種パラメータの推移の一例を示すタイミングチャート、(f),(g)従来の機関始動時における油圧制御が実行された際の各種パラメータの推移の一例を示すタイミングチャート。
 以下、図1~図5を参照して、本発明に係る内燃機関制御装置を、車両に搭載される内燃機関を統括的に制御する電子制御装置として具体化した一実施形態について説明する。図1に、本実施形態における内燃機関の油圧供給システムの概略構成を示す。
 本実施形態における油圧供給システムは、内燃機関10の図1に破線で示す出力軸11に連結された機関駆動式のポンプ20を備えている。油圧供給システムは、内燃機関10の駆動力を利用してこのポンプ20を駆動し、オイルパン22に貯留された潤滑油をポンプ20で圧送することにより、被潤滑部である内燃機関10の各部に潤滑油を供給するものである。
 図1に示されるように、ポンプ20には供給通路21が接続されており、オイルパン22に貯留された潤滑油を供給通路21を通じて被潤滑部に供給する。尚、内燃機関10の被潤滑部に供給されて潤滑に供された潤滑油は、内燃機関10の内部を伝い落ちて内燃機関10の下部に取り付けられたオイルパン22に再び貯留されるようになっている。図1に示されるように供給通路21におけるポンプ20よりも下流側の部分には、リリーフ弁30が設けられている。このリリーフ弁30には、供給通路21におけるポンプ20よりも上流側の部位に接続する還流通路23が接続されている。尚、オイルパン22からポンプ20に向かう方向を、供給通路21を流れる潤滑油の流れ方向とし、ポンプ20とオイルパン22の間の供給通路21の部位が、供給通路21におけるポンプ20よりも上流側の部位である。
 これにより、供給通路21内の潤滑油の圧力がリリーフ圧以上になったときには、リリーフ弁30が開弁し、供給通路21内の潤滑油の一部が、還流通路23を通じて供給通路21におけるポンプ20よりも上流側の部位に還流されるようになっている。
 リリーフ弁30は、後述するように、油圧切替え弁40を制御することによってリリーフ圧を2段階に変更することができるように構成されている。尚、油圧切替え弁40は、内燃機関10を統括的に制御する電子制御装置100からの駆動指令に基づいて駆動される。
 電子制御装置100は、内燃機関10の制御に係る演算処理や、油圧切替え弁40の制御を通じた潤滑油の圧力制御に係る演算処理等を実行する中央演算処理装置(CPU)を備えている。また、電子制御装置100は、演算処理のための演算プログラムや演算マップ、そして各種のデータが記憶された読み出し専用メモリ(ROM)、演算の結果を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。
 電子制御装置100には、出力軸11の回転角に基づいて機関回転速度NEを検出するクランク角センサ101と、内燃機関10の内部に形成されたウォータジャケット内を循環する機関冷却水の水温(以下、冷却水温ThW)を検出する水温センサ102とが接続されている。また、電子制御装置100には、車速Vを検出する車速センサ103、内燃機関10に導入される吸入空気量GAを検出するエアフロメータ104、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルポジションセンサ105も接続されている。また、電子制御装置100には、運転者によるブレーキの踏み込み状態を検出するブレーキセンサ106、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサ107、イグニッションキーの操作位置を検出するイグニッションスイッチ108等も接続されている。
 電子制御装置100は、これら各種センサ101~108から出力される信号を取り込み、取り込まれた信号に基づいて燃料噴射量Qや点火時期の制御等にかかる各種の演算を実行するとともに、潤滑油の循環量を制御すべく供給通路21を通じて内燃機関10に供給される潤滑油の圧力及び循環量を制御するために油圧切替え弁40を操作する。
 また、電子制御装置100は、所定の自動停止条件が成立したときに燃料噴射を停止することで機関運転を自動停止する。本実施形態では、例えば車速Vが所定速度以下であり、アクセルペダルの操作量が「0」であり、且つブレーキが踏み込まれていることをもって所定の自動停止条件が成立する。更に、当該自動停止中に所定の再始動条件が成立したときにスタータモータを駆動するとともに燃料噴射及び混合気への点火を開始することで内燃機関10を再始動する。本実施形態では、例えばブレーキの踏み込みが解除されること、或いはアクセルペダルの操作量が増大することをもって所定の自動停止条件が成立する。
 以下、本実施形態における油圧供給システムのリリーフ弁30の構成並びに動作について、図2及び図3を参照して更に詳しく説明する。尚、図2及び図3は本実施形態における油圧供給システムのリリーフ弁30の構成を示す模式図であり、図2はリリーフ弁30が高リリーフ圧状態にあるときの状態を示しており、図3はリリーフ弁30が低リリーフ圧状態にあるときの状態を示している。
 上述したように供給通路21におけるポンプ20よりも下流側の部分には、リリーフ弁30が設けられている。図2に示されるようにリリーフ弁30にあっては、そのハウジング30a内に、円筒状のスリーブ31が軸方向に摺動可能に収容されている。詳しくはスリーブ31は、供給通路21と環流通路23とに連通するようにハウジング30aに形成された弁収容空間30bに収容されている。そして、このスリーブ31の側壁には、同側壁を径方向に貫通するリリーフポート32が形成されている。リリーフポート32は環流通路23に連通している。また、スリーブ31の内部には、このリリーフポート32を開閉するようにスリーブ31の軸方向、すなわち図2における上下方向に摺動可能な有底円筒状の弁体35が収容されている。
 リリーフ弁30のハウジング30aの図2における下方の底面には支持部材37が固定されている。そして、この支持部材37と弁体35との間には圧縮されたスプリング36が収容されている。これにより、弁体35は、スプリング36によって図2における上方、すなわちリリーフポート32を閉塞する方向に常に付勢されている。
 これにより、リリーフ弁30にあっては、供給通路21を流れる潤滑油の圧力が増大することで弁体35に作用する潤滑油の圧力が増大したときに、矢印で示されるように弁体35がスプリング36の付勢力に抗して図2における下方に変位するため、リリーフポート32が開口するようになっている。
 図2の右側に示されるようにリリーフポート32は、還流通路23内に開口するように形成されている。そのため、弁体35が開弁位置、すなわちリリーフポート32が開口される位置まで変位することにより、リリーフポート32を介して供給通路21と還流通路23とが連通されるようになる。
 そして、こうしてリリーフポート32を介して供給通路21と還流通路23とが連通されると、供給通路21を流れる潤滑油の一部が還流通路23を通じてポンプ20の上流側に還流されるようになる。
 要するに、このリリーフ弁30にあっては、スプリング36の付勢力の大きさによってリリーフ圧が決定されている。すなわち、供給通路21を流れる潤滑油が弁体35を図2における下方に付勢する付勢力が、スプリング36の付勢力よりも大きくなったときにリリーフポート32が開口されることによって、供給通路21を流れる潤滑油の一部がポンプ20の上流側に還流されるようになる。
 図2の下方に示されるようにスリーブ31の底面31aと、支持部材37が固定されているハウジング30aの底面との間には背圧室38が形成されている。この背圧室38には、供給通路21を流れる潤滑油の一部が分岐通路41及び背圧通路42を順に通じて選択的に導かれるようになっている。
 上述したようにスリーブ31は、リリーフ弁30のハウジング30a内において、その軸方向に摺動可能に収容されている。これにより、このリリーフ弁30にあっては、スリーブ31の底面31aに作用する油圧に起因して同スリーブ31を図2における上方へ付勢する付勢力と、スリーブ31の頂面31bに作用する油圧に起因して同スリーブ31を下方へ付勢する力との大小関係に応じて、スリーブ31がハウジング30a内で上下方向に変位するようになっている。
 尚、スリーブ31の形状は、背圧室38内の油圧が作用する底面31aの面積が、供給通路21を流れる潤滑油の圧力が作用する頂面31bの面積よりも大きくなるように設計されている。そのため、背圧室38が分岐通路41及び背圧通路42を通じて供給通路21と連通されることによって、スリーブ31の底面31a及び頂面31bに等しい油圧が作用するようになったときには、底面31aの受圧面積が頂面31bの受圧面積よりも大きい分だけスリーブ31を上方に付勢する力が大きくなる。
 その結果、スリーブ31が上方に変位し、図3に示されるようにハウジング30a内の上方に位置するようになる。図3の状態でもリリーフポート32は、環流通路23に連通している。
 図2の左側に示されるように供給通路21に接続されている分岐通路41と、背圧室38に接続されている背圧通路42との間には油圧切替え弁40が設けられている。この油圧切替え弁40には、更にドレン通路43が接続されており、油圧切替え弁40は、図3に示されるように分岐通路41と背圧通路42とを連通する状態と、図2に示されるように背圧通路42とドレン通路43とを連通する状態とを切替えることができるようになっている。
 ドレン通路43は供給通路21におけるポンプ20よりも上流側の部位に接続されており、油圧切替え弁40が背圧通路42とドレン通路43とを連通する状態に切替えられているときにドレン通路43は背圧室38内の潤滑油を供給通路21におけるポンプ20よりも上流側の部分に還流させる。
 本実施形態の油圧供給システムは、油圧切替え弁40を操作することにより、背圧室38内の油圧を制御し、その結果としてハウジング30a内におけるスリーブ31の位置を変更することによってリリーフ圧を変更する。
 具体的には、図3に示されるように分岐通路41と背圧通路42とを連通するように油圧切替え弁40を操作することで、供給通路21内の潤滑油の一部を背圧室38に導入するようにした場合には、スリーブ31の底面31aに供給通路21内の潤滑油の圧力と等しい油圧が作用するようになる。
 その結果、スリーブ31の底面31aに作用する油圧に起因してスリーブ31を図3における上方に付勢する力が、スリーブ31の頂面31bに作用する油圧に起因してスリーブ31を図3における下方に付勢する力よりも大きくなると、スリーブ31が上方に変位して図3に示されるようにリリーフ弁30のハウジング30aにおける上方に位置するようになる。
 一方で、図2に示されるように背圧通路42とドレン通路43とを連通するように油圧切替え弁40を操作した場合には、背圧室38内の潤滑油がドレン通路43を通じて供給通路21におけるポンプ20よりも上流側の部分に還流されるようになるため、背圧室38内の油圧が低下する。
 その結果、スリーブ31の頂面31bに作用する油圧に起因してスリーブ31を図2における下方に付勢する力が、スリーブ31の底面31aに作用する油圧に起因してスリーブ31を図2における上方に付勢する力よりも大きくなると、スリーブ31が下方に変位して図2に示されるようにリリーフ弁30のハウジング30aにおける下方に位置するようになる。
 このようにスリーブ31がハウジング30a内において下方に位置している場合には、スリーブ31が図3に示されるように上方に位置している場合よりも、弁体35が開弁位置まで変位させたときのスプリング36の圧縮量が多くなる。すなわち、図2のようにスリーブ31が下方に位置するときには、図3のようにスリーブ31が上方に位置している場合と比較して弁体35がスプリング36から受ける付勢力が大きくなる。このため、リリーフポート32が開口するときの供給通路21内の潤滑油の圧力、すなわちリリーフ圧が高くなる。
 一方で、図3に示されるようにスリーブ31がハウジング30a内において上方に位置している場合には、スリーブ31が下方に位置している場合よりも、弁体35を開弁位置まで変位させたときのスプリング36の圧縮量が少なくなる。すなわち、図3のときには、スリーブ31が下方に位置している場合と比較して弁体35がスプリング36から受ける付勢力が小さくなり、リリーフ圧が低くなる。
 このように本実施形態の油圧供給システムによれば、油圧切替え弁40を操作することで背圧室38内の油圧オイルを制御し、その結果としてスリーブ31をスプリング36の伸縮方向に変位させることにより、リリーフ圧が高くなる高リリーフ圧状態(図2に示される状態)と、リリーフ圧が低くなる低リリーフ圧状態(図3に示される状態)とを切替えることができる。
 さて、本実施形態では、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて内燃機関10における潤滑油の需要の大きさを推定し、機関回転速度NEが低く且つ機関負荷KLが低いときのように潤滑油の需要がそれほど大きくないときには、油圧切替え弁40を操作することで低リリーフ圧状態を実現(切替)する低圧制御を実行するようにしている。また、機関回転速度NEが高いときや機関負荷KLが高いときのように潤滑油の需要が大きいときには、油圧切替え弁40を操作することで高リリーフ圧状態を実現(切替)する高圧制御を実行するようにしている。
 ところで、前述したように、内燃機関10の始動時は、それまでの機関停止中に供給通路21内の潤滑油が流れ出てしまっていることから、供給通路21内に潤滑油が残っていない状況となる。そこで、内燃機関10の始動時には低圧制御の実行を禁止することによって高圧制御を実行することで、機関始動直後に供給通路21内の潤滑油の圧力を高い状態にし、その結果として供給通路21の末端まで速やかに潤滑油を行き渡らせるようにすることが考えられる。
 ところが、内燃機関10の自動停止再始動制御が行なわれると、内燃機関10の再始動の頻度が増大するため、低圧制御の実行が頻繁に禁止されることとなる。そのため、低圧制御の実行機会が大きく制限されてしまう。
 こうした問題に対して、本実施形態では、イグニッションスイッチ108の操作に伴う内燃機関10の始動時には低圧制御の実行を禁止する一方、内燃機関10の再始動時には低圧制御の実行禁止を解除するようにしている。これにより、機関始動時に潤滑油の供給不足が発生してしまうことを抑制する一方で、内燃機関10に作用するポンプ20の駆動負荷を極力低減することで内燃機関10の燃料消費量を抑制するようにしている。
 次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の作用について説明する。
 図4は、本実施形態における機関始動時の油圧制御の処理手順を示すフローチャートであり、電子制御装置100により内燃機関10の始動が開始されたときに実行される。
 図4に示すように、この一連の処理では、まず、ステップS1において、当該内燃機関10の始動がキー操作による始動であるか否かを判断する。すなわち、イグニッションスイッチ108の操作による機関始動であるか、前述した所定の再始動条件の成立による機関始動であるかを判断する。ここで、キー操作による機関始動である場合(ステップS1:「YES」)には、次に、ステップS2に進み、低圧制御の実行を禁止する。こうして低圧制御の実行が禁止され、高圧制御を実行すると、次に、ステップS3に進み、第1の停止条件が成立しているか否かを判断する。ここで、第1の停止条件は高圧制御を停止するためのものであり、例えば機関始動開始から第1の判定時間Δt1が経過したことをもって成立する。尚、この第1の判定時間Δt1は、機関停止中に供給通路21内の潤滑油が流れ出てしまい、供給通路21内に潤滑油がほとんど残っていない状況から、内燃機関10の始動に伴い低圧制御の実行を禁止した場合に供給通路21の末端まで潤滑油が行き渡るまでに要する時間の最大値とされており、予め実験等を通じて設定された値である。
 上記ステップS3において第1の停止条件が成立していない場合(ステップS3:「NO」)には、同条件が成立するまでステップS3の判断処理を所定期間毎に繰り返し実行する。一方、ステップS3において第1の停止条件が成立している場合(ステップS3:「YES」)には、次に、ステップS4に進み、低圧制御を実行し、この一連の処理を終了する。
 また、ステップS1において、当該内燃機関10の始動がキー操作による始動ではない場合(ステップS1:「NO」)、すなわち自動停止後の再始動である場合には、次に、ステップS5に進み、直前の自動停止継続時間Δtstpが所定時間Δtth以下であるか否かを判断する。この所定時間Δtthは、直前の自動停止中における冷却水温ThWに応じて可変設定される判定値であり、詳しくはマップを参照して同冷却水温ThWが高いときほど短く設定される。このように所定時間Δtthを冷却水温ThWに応じて可変設定する理由については後に詳述する。
 さて、先のステップS5において直前の自動停止継続時間Δtstpが所定時間Δtth以下である場合(ステップS5:「YES」)には、次に、ステップS4に進み、低圧制御を実行し、この一連の処理を終了する。これは、直前の機関停止中において供給通路21内の潤滑油が流れ出てしまう前に機関始動が行なわれたため、潤滑油の循環量を制限しながらも供給通路21内の潤滑油の圧力がある程度、高い状態に保持されると判断したことによるものである。
 一方、ステップS5において直前の自動停止継続時間Δtstpが所定時間Δtthよりも長い場合(ステップS5:「NO」)には、次に、ステップS6に進み、低圧制御の実行を禁止する。こうして低圧制御の実行が禁止され、高圧制御を実行すると、次に、ステップS7に進み、第2の停止条件が成立しているか否かを判断する。ここで、第2の停止条件は高圧制御を停止するためのものであり、例えば機関始動開始から第2の判定時間Δt2が経過したことをもって成立するものとされている。この第2の判定時間Δt2は第1の判定時間Δt1よりも小さい値に設定されている。これは、自動停止継続時間Δtstpが上記所定時間Δtthよりも長いとはいえ、内燃機関10の再始動時にはキー操作による最初の始動時に比べて供給通路21内に潤滑油が多く残っているので、供給通路21の末端まで潤滑油を行き渡らせるのに要する時間が短くて済むためである。尚、第2の判定時間Δt2は、内燃機関10の自動停止が長く行なわれたことによって供給通路21内に潤滑油がほとんど残っていない状況から、内燃機関10の再始動に伴い高圧制御を実行した場合に供給通路21の末端まで潤滑油が行き渡るまでに要する時間の最大値とされており、予め実験等を通じて設定された値である。
 ステップS7において第2の停止条件が成立していない場合には、同条件が成立するまでステップS7の判断処理を所定期間毎に繰り返し実行する。一方、ステップS7において第2の停止条件が成立している場合には、次に、ステップS4に進み、低圧制御を実行し、この一連の処理を終了する。
 ここで、ステップS5の処理に先立ち、上述したように所定時間Δtthを冷却水温ThWに応じて可変設定する理由について説明する。
 低圧制御の実行機会を増加させることによって内燃機関10に作用するポンプ20の駆動負荷を低減する上では上記所定時間Δtthを極力長い時間に設定することが望ましい。ただし、直前の自動停止継続時間Δtstpが同一であっても、機関停止中に供給通路21内から流れ出る潤滑油の量は潤滑油の粘度が低いときほど多くなる。このため、仮に粘度が高く供給通路21内の潤滑油が流れ出しにくい状況を想定して上記所定時間Δtthを極力長い固定値に設定すると、以下の問題が生じるおそれがある。すなわち、直前の自動停止継続時間Δtstpが上記所定時間Δtth未満であっても、粘度が低く供給通路21内の潤滑油が流れ出しやすい状況にあっては、機関停止中に供給通路21内の潤滑油が流れ出てしまい、供給通路21内に潤滑油が残っていない状況となるおそれがある。そこで、内燃機関10の再始動時に、直前の自動停止中における冷却水温ThWが高いときほど所定時間Δtthを短く設定することで、潤滑油の粘度に高い相関を有する冷却水温ThWに応じて所定時間Δtthを的確に設定するようにしている。
 図5は、機関始動時における油圧制御が実行された際の各種パラメータの推移の一例を示したタイミングチャートである。
 図5に示すように、本実施形態における油圧制御では、タイミングt1においてイグニッションスイッチ108がON操作されることによって(a)、機関始動が開始されると(c)、リリーフ弁30のリリーフ圧が高リリーフ圧とされることで(d)、低圧制御の実行が禁止され、高圧制御が実行される(e)。尚、この高圧制御は、タイミングt1から第1の判定時間Δt1が経過するタイミングt2まで継続される。
 イグニッションスイッチ108の操作に伴う内燃機関10の始動時は、直前に機関運転が停止されてから当該始動までの経過時間が長い場合が多い。この場合、機関停止中に供給通路21内の潤滑油が流れ出てしまい、機関始動時には供給通路21内に潤滑油が残っていない状況となる。ここで、本実施形態によれば、イグニッションスイッチ108の操作に伴う内燃機関10の始動時には、低圧制御の実行が禁止され、高圧制御が実行されるようになるため、機関始動直後には循環量が制限されずに潤滑油が循環されるようになる。このため、機関始動直後には供給通路21内の潤滑油の圧力が、低圧制御を実行した場合と比較して高い状態に保持されるようになる。その結果、供給通路21の末端まで速やかに潤滑油を行き渡らせることができるようになる。
 その後のタイミングt3において所定の自動停止条件が成立すると(b)、これに伴い機関運転が停止される(c)。そして、タイミングt4において所定の再始動条件が成立することで(b)、内燃機関10が再始動される(c)。ここで、直前の自動停止継続時間Δtstp1は所定時間Δtth以下であるため、タイミングt4以降においてリリーフ弁30のリリーフ圧が低リリーフ圧とされ(d)、低圧制御が実行される(e)。
 その後のタイミングt6において所定の自動停止条件が成立すると(b)、これに伴い機関運転が停止される(c)。そして、タイミングt7において所定の再始動条件が成立することで(b)、内燃機関10が再始動される(c)。ここでも、直前の自動停止継続時間Δtstp2が所定時間Δtth以下であるため、タイミングt7以降においてリリーフ弁30のリリーフ圧が低リリーフ圧とされ(d)、低圧制御が実行される(e)。
 このように本実施形態によれば、内燃機関10の自動停止後の再始動時には、低圧制御が実行されるようになるため、機関始動直後には潤滑油の循環量が制限されるようになる。ここで、内燃機関10の再始動時は、直前に機関運転が停止されてからの経過時間が短い場合が多い。この場合、機関停止中に供給通路21内の潤滑油が流れ出てしまう前に機関始動が行なわれることとなる。このため、機関始動直後には潤滑油の循環量を制限しながらも供給通路21内の潤滑油の圧力が高い状態に保持されるようになる。
 その後のタイミングt9において所定の自動停止条件が成立すると(b)、これに伴い機関運転が停止される(c)。そして、タイミングt11において所定の再始動条件が成立することで(b)、内燃機関10が再始動される(c)。ここでは、直前の自動停止継続時間Δtstp3が所定時間Δtthよりも長いため、タイミングt11以降においてリリーフ弁30のリリーフ圧が高リリーフ圧とされ(d)、低圧制御の実行が禁止され、高圧制御が実行される(e)。尚、この高圧制御は、タイミングt11から第2の判定時間Δt2(<t1)が経過するタイミングt12まで継続される。
 ところで、直前の自動停止継続時間Δtstpが長い場合、機関停止中に供給通路21内の潤滑油が流れ出てしまい、機関始動時には供給通路21内に潤滑油が多くは残っていない状況となる。そのため、こうした場合にまで、内燃機関10の再始動時であることをもって低圧制御が実行されると、機関始動直後に供給通路21の末端まで潤滑油を行き渡らせるのに多くの時間を要することとなる。この点、本実施形態では、内燃機関10の再始動時であっても、直前の自動停止継続時間Δtstpが所定時間Δtth以上であるときには低圧制御の実行禁止の解除が無効化されて低圧制御の実行が禁止されるようになる。このため、高圧制御が実行されることで、上述した不都合の発生が好適に抑制されるようになる。
 従来の油圧制御においても、本実施形態における油圧制御と同様にして、イグニッションスイッチ108の操作に伴う内燃機関10の始動時であるタイミングt1からタイミングt2までの期間においては、リリーフ弁30のリリーフ圧が高リリーフ圧とされることで(f)、低圧制御の実行が禁止され、高圧制御が実行される(g)。
 しかしながら、従来の油圧制御においては、自動停止後の再始動時であるタイミングt4からタイミングt5までの期間P1及びタイミングt7からタイミングt8までの期間P2においては、低圧制御の実行が禁止され、高圧制御が実行される。また本実施形態では、タイミングt11からタイミングt12まで高圧制御が実行されるのに対し、従来の油圧制御では、タイミングt11から第1の判定時間Δt1が経過するタイミングt13まで高圧制御が実行される。このため、従来の油圧制御においては、タイミングt12からタイミングt13までの期間P3においては、高圧制御が実行される。これらのことから、本実施形態によれば、上記期間P1,P2,P3の分だけ低圧制御の実行期間が増大されるようになる。
 以上説明した本実施形態に係る内燃機関制御装置によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
 (1)電子制御装置100は、所定の自動停止条件が成立したときに機関運転を自動停止するとともに、当該自動停止中に所定の再始動条件が成立したときに内燃機関10を再始動するようにした。また、電子制御装置100は、イグニッションスイッチ108の操作に伴う内燃機関10の始動時には低圧制御の実行を禁止する一方、内燃機関10の再始動時には低圧制御の実行禁止を解除するようにした。こうした態様によれば、機関始動時に潤滑油の供給不足が発生してしまうことを抑制する一方で、内燃機関10に作用するポンプ20の駆動負荷を極力低減して内燃機関10の燃料消費量を抑制することができるようになる。
 (2)電子制御装置100は、内燃機関10の再始動時に、直前の自動停止継続時間Δtstpが所定時間Δtth以上であるときには低圧制御の実行禁止の解除を無効化して低圧制御の実行を禁止するようにした。こうした態様によれば、直前の自動停止継続時間Δtstpが長いことに起因して機関始動直後に供給通路21の末端まで速やかに潤滑油を行き渡らせることができないといった不都合の発生を好適に抑制することができるようになる。
 (3)電子制御装置100は、内燃機関10の再始動時に、直前の自動停止中における冷却水温ThWが高いときほど上記所定時間Δtthを短く設定するようにした。こうした態様によれば、潤滑油の粘度に高い相関を有する冷却水温ThWに応じて所定時間Δtthを的確に設定することで、機関始動時に潤滑油の供給不足が発生してしまうことを的確に抑制する一方で、内燃機関10に作用するポンプ20の駆動負荷を極力低減することで内燃機関10の燃料消費量を的確に抑制することができるようになる。
 尚、本発明に係る内燃機関制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
 ・上記実施形態では、第1の判定時間Δt1および第2の判定時間Δt2が予め実験等を通じて設定された固定値とした。これに代えて、例えば第1の判定時間Δt1および第2の判定時間Δt2を機関始動時における機関温度(例えば冷却水温ThW)に応じて可変設定するようにしてもよい。すなわち、機関始動時における機関温度が高いときほど潤滑油の粘性が低く、供給通路21の末端まで潤滑油が行き渡るまでに要する時間が短くなる。したがって、上記各判定時間を機関温度に応じて可変設定することによって高圧制御の実行期間を的確に設定することができるようになる。
 ・上記実施形態では、潤滑油の供給通路21にはリリーフ圧を変更することのできるリリーフ弁30が設けられるものとされ、低圧制御にあっては、リリーフ弁30のリリーフ圧を低くすることにより、潤滑油の循環量を制限するものについて例示した。しかしながら、低圧制御を行なうための構成はこれに限られるものではない。他に例えば、機関駆動式のメインポンプとサブポンプとを備え、潤滑油の需要が小さいときにメインポンプ及びサブポンプのいずれか一方の駆動を停止することで潤滑油の循環量を制限する構成を採用してもよい。
 ・上記実施形態では、自動停止継続時間Δtstpを判定するための所定時間Δtthを冷却水温ThWに応じて可変設定するようにしたが、これに代えて、潤滑油の温度を直接検出し、当該潤滑油の温度に応じて所定時間Δtthを可変設定するようにしてもよい。
 ・上記実施形態によるように、機関温度に応じて所定時間Δtthを可変設定することが、潤滑油の粘度に高い相関を有する機関温度に応じて所定時間Δtthを的確に設定する上で望ましい。しかしながら、本発明は機関温度に応じて所定時間Δtthを可変設定するものに限らず、所定時間Δtthを固定値とすることもできる。
 ・上記実施形態によるように、内燃機関の再始動時に、直前の自動停止継続時間が所定時間以上であるときには低圧制御の実行を禁止するようにすることが、直前の自動停止継続時間が長いことに起因して機関始動直後に供給通路の末端まで速やかに潤滑油を行き渡らせることができなくなることを好適に抑制する上で望ましい。しかしながら、本発明はこうした実施形態に限られるものではなく、内燃機関の再始動時には常に、低圧制御を実行するようにしてもよい。
 ・上記実施形態では、イグニッションスイッチ108の操作に伴う内燃機関10の始動時には低圧制御の実行を禁止する一方、内燃機関10の再始動時には低圧制御の実行禁止を解除するものについて例示した。しかしながら、本発明はこのように内燃機関の再始動時に低圧制御の実行禁止を解除するものに限られない。他に例えば、内燃機関の再始動時には、イグニッションスイッチの操作に伴う内燃機関の始動時に比べて、低圧制御の実行禁止期間を短くする等、低圧制御の実行制限を緩和するものであればよい。この場合であっても、機関始動時に潤滑油の供給不足が発生してしまうことを抑制する一方で、内燃機関に作用するポンプの駆動負荷を低減することができるようになる。
 10…内燃機関、11…出力軸、20…ポンプ、21…供給通路、22…オイルパン、23…還流通路、30…リリーフ弁、30a…ハウジング、30b…弁収容空間、31…スリーブ、31a…底面、31b…頂面、32…リリーフポート、35…弁体、36…スプリング、37…支持部材、38…背圧室、40…油圧切替え弁、41…分岐通路、42…背圧通路、43…ドレン通路、100…電子制御装置、101…クランク角センサ、102…水温センサ、103…車速センサ、104…エアフロメータ、105…アクセルポジションセンサ、106…ブレーキセンサ、107…シフトポジションセンサ、108…イグニッションスイッチ。

Claims (4)

  1.  機関駆動式のポンプを備える内燃機関に適用され、前記内燃機関の駆動力を利用して潤滑油を循環させるとともに、潤滑油の需要が小さいときに潤滑油の循環量を制限する低圧制御を実行して前記内燃機関に作用する前記ポンプの駆動負荷を低減する制御装置であって、機関始動時に前記低圧制御の実行を制限する内燃機関制御装置において、
     所定の自動停止条件が成立したときに機関運転を自動停止するとともに、当該自動停止中に所定の再始動条件が成立したときに内燃機関を再始動するものであり、
     内燃機関の再始動時には前記低圧制御の実行制限を緩和する
     ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  2.  請求項1に記載の内燃機関制御装置において、
     内燃機関の再始動時に、直前の自動停止継続時間が所定時間以上であるときには前記低圧制御の実行制限の緩和を無効化して同低圧制御の実行を制限する
     ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  3.  請求項2に記載の内燃機関制御装置において、
     内燃機関の再始動時に、直前の自動停止中における機関温度が高いときほど前記所定時間を短く設定する
     ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  4.  潤滑油の供給通路にはリリーフ圧を変更することのできるリリーフ弁が設けられ、
     前記低圧制御にあっては、前記リリーフ弁のリリーフ圧を低くすることにより、潤滑油の循環量を制限する
     請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置。
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