WO2013051313A1 - 薬剤分包機 - Google Patents

Abstract

　薬剤案内構造体１１４を第１及び第２の分割案内構造体１１４Ａ及び１１４Ｂによって構成しても、第１及び第２の分割案内構造体１１４Ａ及び１１４Ｂどうしの擦れ合いにより粉塵がほとんど発生しない薬剤分包機を提供する。一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２に対して設けられた一対の直動案内機構１５０，１５０の一対の案内経路、即ち固定ガイド部１５１上を可動スライド部１５２がスライドする経路の間隔が薬剤フィーダ格納ユニット１１２の引き出し方向に向かうに従って広がっている。

Description

薬剤分包機

　本発明は、各種の薬剤（玉剤やそれに準じたカプセル剤といった錠剤を含む）を収容しておき、処方箋や調剤指示に基づいた入力に応じて、薬剤を分包して自動排出する薬剤分包機に関する。

　従来の薬剤分包機について、その構造等を、図１２を参照して説明する。図１２（ａ）は、従来の薬剤分包機を左前から見た薬剤分包機１３の外観斜視図であり、図１２（ｂ）は薬剤分包機１０の内部構造を示す模式図であり、図１２（ｃ）は薬剤分包機１０を左前から見た外観斜視図であり、図１２（ｄ）は薬剤個別分配装置即ち薬剤手撒き装置（２１，２２）を備えた従来の他の薬剤分包機２０の左側面図である。

　図１２（ａ）～（ｃ）に示した薬剤分包機１０は薬剤手撒き装置の付いていないものである。このタイプの薬剤分包機は、例えば特開２００５－１９２７０２号公報（特許文献１）及び特開２００６－１０９８６０号公報（特許文献２）に開示されている。また図１２（ｄ）に示した薬剤分包機２０は、薬剤分包機１０に薬剤手撒き装置（２１，２２）が組み込まれたものである。このタイプの薬剤分包機は、例えば特開２００７－２０９６００号公報（特許文献３）に開示されている。

　薬剤手撒き装置なしの薬剤分包機１０は、複数の薬剤フィーダ１３と、薬剤収集構造（１４，１５）と、包装装置１７と、コントローラ１８（制御装置）とを備えている。複数の薬剤フィーダ１３には、玉剤等の錠剤や、カプセル剤など各種の薬剤１が、種類ごとに分けられて収容されている。薬剤収集構造（１４，１５）は、これらの薬剤フィーダ１３から排出された複数の薬剤１を収集する。包装装置１７は、この薬剤収集構造（１４，１５）から受けた複数の薬剤１を包装する。そしてマイクロプロセッサシステム等を備えて構成されたコントローラ１８（制御装置）は、複数の薬剤フィーダ１３及び包装装置１７に制御指令を出力する。コントローラ１８は、処方箋データや調剤指示データ等に応じて、これらのデータに示された薬剤が収容された薬剤フィーダ１３から必要個数の薬剤１を排出させる制御指令を該当する薬剤フィーダ１３に与える。薬剤フィーダ１３から排出された薬剤１は、薬剤収集構造（１４，１５）で収集されて下方の薬剤投入部１６（収集薬剤投入口）へ送り込まれる。コントローラ１８は、薬剤投入部１６に送り込まれた服用単位または施用単位の薬剤を区分けして包装するために、包装装置１７に制御指令を与える。包装装置１７は、服用単位または施用単位で区分された薬剤を、２枚の包装帯２（分包紙）の間に区分けして形成したポケットに充填し、その後ポケットの開口部を密封する。

　詳述すると、薬剤分包機１０の筐体１０Ａ内には、上のスペース内に薬品庫１１が設けられるとともに、下のスペース内に包装装置１７が設けられている。筐体１０Ａ内には、薬品庫１１と包装装置１７との間に、薬剤収集構造としての薬剤案内構造体１４と薬剤収集構造体１５とが配置されている。薬品庫１１には、個々にスライドしうる複数の薬剤フィーダ格納ユニット１２（薬剤収納庫）が横に並べて配設されている。それぞれの薬剤フィーダ格納ユニット１２は、薬剤フィーダ格納ケース１２Ａ［図１２（ｃ）］の内部に、数個から数十個の着脱式の薬剤フィーダ１３が縦横に並べて格納された構造を有している。

　各薬剤フィーダ１３は、多数の薬剤１を排出可能に収容する薬剤カセットと、この薬剤カセットを着脱可能に支持して、薬剤カセットから薬剤を排出するための駆動動作を行うベース部とから構成される。薬剤フィーダ１３は、コントローラ１８から指定された錠数だけ薬剤１を排出して、薬剤案内構造体１４に送り込むように構成されている。

　公知の薬剤案内構造体１４は、鉛直状態または縦置き状態で配置されたダクト等の導管と、複数の薬剤フィーダ１３の排出口にそれぞれ連通する複数の延長管路とから構成されている。薬剤案内構造体１４は、薬剤フィーダ格納ユニット１２ごとに設けられており、薬剤フィーダ格納ユニット１２と一緒に筐体１０Ａから引き出される。なお図１２（ｂ）には、図示を簡略化するために、２つの薬剤フィーダ格納ユニット１２に共通の薬剤案内構造体１４が存在しているように表示してある。また図１２（ｃ）には、薬剤案内構造体１４は図示していない。

　薬剤フィーダ格納ユニット１２は、筐体１０Ａの前方方向に水平にスライドさせることで、薬剤フィーダ格納ケース１２Ａと一緒に薬剤案内構造体１４及び薬剤フィーダ１３が、前方に引き出せるように構成されている。

　薬剤収集構造体１５は、比較的大きなホッパ状部材または漏斗状部材から構成されている。薬剤収集構造体１５は、筐体１０Ａの薬品庫１１の下のスペース内に、包装装置１７の上方に位置するように組み込まれている。薬剤収集構造体１５の上部開口は、総ての薬剤案内構造体１４の下端と対向するほどに大きく開いており、下部開口は包装装置１７の薬剤投入部１６に向けて絞られている。その結果、何れの薬剤案内構造体１４によって案内されて来た薬剤１も、薬剤収集構造体１５の下部開口へ向けて集められて、包装装置１７へと送り込まれる。したがって薬剤収集構造体１５は、総ての薬剤案内構造体１４から包装装置１７に至る共通案内路を構成している。

　図１２（ｄ）は、特開２００７－２０９６００号公報（特許文献３）に示される薬剤手撒き装置付きの薬剤分包機２０の概略構成を示している。この薬剤分包機２０は、上述したように薬剤分包機１０に薬剤手撒き装置（２１，２２）が組み込まれたものである。

　次に、出願人が特願２０１０－０４９９２４号に記載した、薬剤手撒き装置（２１，２２）に加えて一時貯留構造部３１も筐体内に組み込まれている薬剤分包機３０の構造を図１３を用いて説明する。図１３（ａ）が、薬剤分包機３０の薬剤フィーダ格納ユニット１２及び一時貯留構造部３１を総て筐体１０Ａ内に押し込んだところを左前から見た外観斜視図、図１３（ｂ）が内部構造を示す模式図、図１３（ｃ）が薬剤フィーダ格納ユニット１２を一つと一時貯留機構３１とを筐体から引き出したところを左前から見た外観斜視図である。

　一時貯留構造部３１は、上側の薬剤案内構造体１４及び薬剤手撒き装置（２１，２２）と下側の薬剤収集構造体１５との中間層に設けられて、薬剤フィーダ１３から排出されて構薬剤案内構造体１４に案内されて落下した薬剤（錠剤）１を一旦留め置き、適切な時期に放下して薬剤収集構造体１５へ落下させるものである。一時貯留することで、各薬剤フィーダ１３の排出タイミングの相違、ひいては落下開始時刻のバラツキや，各薬剤案内構造体１４の落下経路長の相違、ひいては落下時間のバラツキなどに起因する薬剤（錠剤）１の収集時刻のバラツキを解消する。その結果、一包分の薬剤１を纏めて一斉に薬剤収集構造体１５へ落下させることが可能になり、包装装置１７の投入待ち時間を短縮し、薬剤分包の高速化に役立っている。

　一時貯留装置３１は、中空を上下方向・鉛直方向に向けた筒体とその中空を開閉する開閉部材とが主要部材である。一時貯留装置３１には、一例として、マトリクス状の平面配置の薬剤案内構造体１４それぞれに対応させて筒体と開閉部材とをマトリクス状に平面配置したものがある。また他の例として、一列分の薬剤案内構造体１４に一つの一時貯留構造部３２を配置したものとがある。図示した薬剤分包機３０の一時貯留装置３１では、後者の一時貯留構造部３２が複数列設されている。また、一時貯留装置３１には、複数の一時貯留構造部３２の開閉機構を同時に開閉動作させるために、各一時貯留構造部３２に一端側から連結された同時駆動機構３３も設けられていて、その同時駆動機構３３が開閉機構の動作駆動を行うようになっている。

　上述した薬剤分包機１０，２０，３０では、薬剤案内構造体１４が薬剤フィーダ格納ユニット１２それぞれに組み込まれている。このため、薬剤案内構造体１４を清掃するときには、先ず薬剤フィーダ格納ユニット１２を薬品庫１１や筐体から前方へ引き出して、薬剤案内構造体１４の上下端を露出させ、その状態で上下の開口から清掃用具を中空に差し込んで薬剤案内構造体１４の内側の薬剤落下経路囲繞面を拭くことで綺麗にしていた。もっとも、このような清掃作業は、作業者に不自然な姿勢を強いるので負担になるばかりか遣りにくいため能率も悪いので、薬剤案内構造体１４の内面を清掃するのが容易な薬剤分包機を実現することが求められていた。

　そして、その要請に応えるために、薬剤案内構造体１４を縦割したうえで薬剤フィーダ格納ユニット１２の引出に随伴して薬剤案内構造体の内側の薬剤落下経路囲繞面が露出するように改良した薬剤分包機が開発されている（例えば特許文献６参照）。図１４は、この改良した薬剤分包機４０の構成を示している。図１４（ａ）は総ての薬剤フィーダ格納ユニット１２を薬品庫１１に押し込んだときの複数の薬剤案内構造体１４等の平面図、図１４（ｂ）は一部の薬剤フィーダ格納ユニット１２を薬品庫１１から前方へ引き出したときの薬剤案内構造体１４等の平面図、図１５（ａ）は薬剤案内構造体１４を右斜め上から見下ろした斜視図、図１５（ｂ）は薬剤案内構造体１４の第２の分割案内構造体１４Ｂを左斜め上から見下ろした斜視図である。

　図１４に示した薬剤分包機４０では、薬剤案内構造体１４が縦割の第１の分割案内構造体１４Ａと第２の分割案内構造体１４Ｂとから構成されている。第１の分割案内構造体１４Ａは、隣り合う一対の薬剤フィーダ格納ユニット１２の一方の側面に装備され、第２の分割案内構造体１４Ｂは一対の薬剤フィーダ格納ユニット１２の他方の側面に装備されている。

特開２００５－１９２７０２号公報 特開２００６－１０９８６０号公報 特開２００７－２０９６００号公報 特開２００１－０８７３５３号公報 特開２０１１－１８２８８９号公報 特開２０１１－１８２８９０号公報

　ところで、そのように薬剤案内構造体１４を縦割りにした場合、取り扱う薬剤が比較的大きければ第１の分割案内構造体１４Ａと第２の分割案内構造体１４Ｂとの合わせ目にある程度の間隙があっても許容される。しかしながら薬剤が比較的小さくなると、その間隙は、あまり大きくすることができない。そのためその場合には、薬剤案内構造体１４の第１の分割案内構造体１４Ａと第２の分割案内構造体１４Ｂとの合わせ目に必要以上の間隙ができないよう、第１の分割案内構造体１４Ａ及び第２の分割案内構造体１４Ｂを密着状態にするか、密着状態に近い状態で当接させることになる。

　しかしながら、薬剤案内構造体１４の第１の分割案内構造体１４Ａ及び第２の分割案内構造体１４Ｂを当接させながら別個に引き出すと、引出時に第１の分割案内構造体１４Ａ及び第２の分割案内構造体１４Ｂが擦れ合うため、第１の分割案内構造体１４Ａ及び第２の分割案内構造体１４Ｂの当接面から磨屑（すりくず）状の粉塵が発生することがある。このような磨屑状粉塵は、薬剤案内構造体１４がステンレススチール等から作られている場合、毒性がないうえ、量も極僅かでしかないので、実害は無い。しかしながら磨屑状粉塵は、見る者の目にとまると違和感を与えるため、発生させないに越したことはない。

　そこで、薬剤案内構造体１４を第１の分割案内構造体１４Ａ及び第２の分割案内構造体１４Ｂに縦割りにして、第１の分割案内構造体１４Ａは、隣り合う一対の薬剤フィーダ格納ユニット１２の一方の側面に装備され、第２の分割案内構造体１４Ｂは一対の薬剤フィーダ格納ユニット１２の他方の側面に装備している。しかしこの場合においても、磨屑状粉塵のほとんど発生しない薬剤分包機を実現することが、基本的な技術課題となる。

　図１３に示した出願人の先願に係わる薬剤分包機３０では、一時貯留構造部３２だけ見れば列毎に分離されている。しかしながら何れの一時貯留構造部３２も、同一の同時駆動機構３３に連結されているので、薬剤フィーダ格納ユニット１２とは設置状況が異なる。そこで、薬剤落下経路の中間に位置する一時貯留機構３１について、全体が連結されていることを前提として、薬剤落下経路を囲む面の清掃作業が容易になるように、薬剤分包機３０（図１３（ｃ）参照）では、一時貯留機構３１を前方へ引き出せるようにしている。そして薬剤落下経路を囲む面を持つ一時貯留構造部３２を手前側に配置し、薬剤落下経路を囲む面を持たない同時駆動機構３３を奥側に配置している。

　しかしながら、図１３（ｃ）に示す程度の改良では、複数の一時貯留構造部３２が並列になっていて、その薬剤落下経路を囲む面が平面状に広がって分布している。そのため、一時貯留機構３１の中央部分や奥寄り部分を清掃するときには、作業者が屈み込むような姿勢を強いられるうえ、意に反して舞い上がってしまった付着物が清掃済み部分に再付着してしまうことも考えられる。このため、清掃作業がやりにくく能率も悪いので、更なる改良が求められる。

　そして、かかる要請に応えるために、出願人は図１３の薬剤分包機３０において、同時駆動機構３３と一時貯留構造部３２との連結部に分離係合可能な伝動機構を設け、同時駆動機構３３を奥側に配置し、その手前側に一時貯留構造部３２を左右に並走状態で配置するとともに一つずつ前方へ引き出せるようにした。また、それに加えて、図１４に示す構造と同様に、薬剤案内構造体１４を縦割りにして左右に分かれた形の第１の分割案内構造体１４Ａと第２の分割案内構造体１４Ｂとを具備する構造とした。そして一時貯留構造部３２を、薬剤案内構造体１４の第１の分割案内構造体１４Ａ及び第２の分割案内構造体１４Ｂの一方の下端部に取り付けている。また一時貯留構造部３２を第１の分割貯留構造部と第２の分割貯留構造部に左右に分割し、薬剤案内構造体１４の第１の分割案内構造体１４Ａの下端部に第１の分割貯留構造部を配置し、第２の分割貯留構造部を薬剤案内構造体１４の第２の分割案内構造体１４Ｂの下端部に配置している。前者の構造では、一時貯留構造部が錠剤を保持したまま引き出されても、引出中に錠剤が落下してしまうという不都合が起こりえないので、安全性に優れているという利点がある。また後者の構造では、一時貯留構造部まで対面状態で清掃作業を行うことができるので、作業性に優れているという利点がある。このように両者には一長一短があり、まだ改善の余地があることが判明したため、双方の長所を兼ね備えた装置を開発し提供することが望まれることとなる。

　そこで、一時貯留構造部を分割案内構造体と一緒に引き出しても引出中は一時貯留錠剤の不所望な落下を防止することができ、しかも引出後は対面状態で清掃できる薬剤分包機を実現することが更なる技術課題となる。

　本発明の目的は、薬剤案内構造体を第１及び第２の分割案内構造体によって構成しても、第１及び第２の分割案内構造体どうしの擦れ合いにより粉塵がほとんど発生しない薬剤分包機を提供することにある。

　上記目的に加えて、本発明の他の目的は、一時貯留構造部を薬剤案内構造体に随伴させて引き出しても引出中は一時貯留錠剤の不所望な落下を防止することができ、引出後は対面状態で清掃できる薬剤分包機を提供することにある。

　本発明の薬剤分包機は、このような課題を解決するために創案されたものであり、筐体と、複数の薬剤フィーダ格納ユニットと、複数の直動案内機構と、複数の薬剤案内構造体と、薬剤収集構造体と、包装装置とを備えている。複数の薬剤フィーダ格納ユニットは、薬剤を収容して薬剤を逐次排出する複数の薬剤フィーダ及び複数の薬剤フィーダが格納された薬剤フィーダ格納ケースを備えて、筐体の内部に引き出し可能に並設されている。直動案内機構は、複数の薬剤フィーダ格納ユニットがそれぞれ直線的に動くように案内するものである。複数の薬剤案内構造体は、複数の薬剤フィーダ格納ユニットのうち隣り合う一対の薬剤フィーダ格納ユニットの間に配置されて、一対の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる複数の薬剤フィーダから排出された薬剤を下方に位置する１つの出口に案内する構造を有している。薬剤収集構造体は、筐体内において、薬剤案内構造体の下方に配置され、薬剤案内構造体から落下した薬剤を収集する。包装装置は、筐体内において、薬剤収集構造体の下方に設けられて、前記収集構造体から排出された薬剤を分けて包装する。そして１つの薬剤案内構造体は、一対の薬剤フィーダ格納ユニットが筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割案内構造体によって構成されている。第１の分割案内構造体は、一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一方の薬剤フィーダ格納ケースに固定され、第２の分割案内構造体は一対の薬剤フィーダ格納ユニットの他方の薬剤フィーダ格納ケースに固定されている。

　特に、本発明の薬剤分包機は、複数の直動案内機構を、一対の薬剤フィーダ格納ユニットを案内する一対の直動案内機構の一対の案内経路間の間隔が、薬剤フィーダ格納ユニットの引き出し方向に向かうに従って広がるように構成している。このようにすると、一対の薬剤フィーダ格納ユニットを相互に平行な状態で筐体から引き出しまたは押し込む場合と比べて、一対の薬剤フィーダ格納ユニットの対向する面同士の擦れ合いを少なくすることができる。すなわち上記のように構成すると、薬剤フィーダ格納ユニットを筐体から引き出すときに、引き出す薬剤フィーダ格納ユニットと隣接する他の薬剤フィーダ格納ユニットとが互いに離れるようになる。その結果、一対の薬剤フィーダ格納ユニット同士が当接し合っている状態は、両者が筐体内に深く押し込まれているときに限られる。そのため案内経路の一端側を除いて擦れ合いにより粉塵が発生し、その粉塵が薬剤に付着する可能性を大幅に低減できる。なおこの引き出し構造は、前述の一時貯留構造部及び落下防止部材を用いる構造と組み合わせずに、単独で使用することができる。

　一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一つの薬剤フィーダ格納ユニットが引き出されるときに、該一つの薬剤フィーダ格納ユニットと隣接するが一対の薬剤フィーダ格納ユニットを構成しない他の薬剤フィーダ格納ユニットが引き出されることを阻止するロック機構を更に設けてもよい。上記引き出し構造を採用すると、引き出される薬剤フィーダ格納ユニットと隣接するが対を構成しない他の薬剤フィーダ格納ユニットとの間の間隔は狭くなる。そのため、複数の薬剤フィーダ格納ユニットを密に並べた場合、複数の薬剤フィーダ格納ユニットを引き出そうとしたときに対を構成しない隣り合う二つの薬剤フィーダ格納ユニット同士が干渉し合って変形や故障といった不所望な事態が発生する可能性がある。しかし干渉し合う可能性のある薬剤フィーダ格納ユニットとなる他の薬剤フィーダ格納ユニットが、ロック機構によって、筐体から前方へ引き出せないようにすれば、不所望な事態の発生が回避される。

　またロック機構は、一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一つの薬剤フィーダ格納ユニットが引き出されるときに、他の薬剤フィーダ格納ユニット全てが引き出されることを阻止する構造にしてもよい。

　本発明の薬剤分包機は、更に、複数の一時貯留構造部と、同時駆動機構とを備えることができる。複数の一時貯留構造部は、複数の薬剤案内構造体から落下した薬剤を一時貯留する貯留部及び閉鎖駆動力が加えられると貯留部を貯留可能状態にし且つ開放駆動力が加えられると貯留部を放出状態として貯留部から薬剤を下方に放出する開閉機構を備えて、筐体内から全体または開閉機構を含む部分が引き出し可能に設けられる構造をそれぞれ有している。同時駆動機構は、複数の一時貯留構造部の複数の開閉機構に、同時に前記閉鎖駆動力または前記開放駆動力を与える。この場合、薬剤収集構造体は、筐体内において、複数の一時貯留構造部の下方に配置され、複数の一時貯留構造部から落下した薬剤を収集する。また一時貯留構造部の全体が、第１及び第２の分割案内構造体の一方に連結されているか、一時貯留構造部の一部が第１及び第２の分割案内構造体の一方に付設され、貯留構造部の残部が前記第１及び第２の分割案内構造体の他方に付設されている。そして同時駆動機構と複数の一時貯留構造部の複数の開閉機構とを連結する複数の連結構造が、それぞれ筐体内から薬剤フィーダ格納ユニットを引き出して、一時貯留構造部の全体または開閉機構を含む部分を引き出す際に連結が解除され、筐体内に薬剤フィーダ格納ユニットを押し入れて一時貯留構造部の全体または開閉機構を含む部分を押し入れる際に連結状態となるように構成されている。そして一時貯留構造部は、第１及び第２の分割案内構造体の一方が筐体から引き出された状態で、貯留部内の薬剤が落下することを防止する落下防止部材を備えている。そして落下防止部材は、取り外すことが可能で、落下防止部材が取り外された状態で、貯留部内の清掃を可能にする位置に設けられている。

　このように一時貯留構造部の全部または開閉機構を含む部分が薬剤案内構造体の第１の分割貯留構造部及び第２の分割貯留構造部の一方に付設すれば、隣接する一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一方を筐体から引き出すと、第１または第２の分割案内構造体と一緒に一時貯留構造部またはその一部も引き出される。そのため、薬剤案内構造体の内側の薬剤落下経路囲繞面の拭き掃除のついでに、一時貯留構造部も一つずつ楽な姿勢で清掃することができる。また、一対の薬剤フィーダ格納ユニットを共に筐体の中に収めれば、一時貯留構造部も薬剤案内構造体と共に筐体内に戻って、一時貯留構造部が同時駆動機構に連結されるので、動作可能状態になる。そのため、本発明の薬剤分包機は、薬剤案内構造体の内面ばかりか一時貯留構造部の内面までも清掃するのが容易なものとなっている。しかも、本発明によれば、第１及び第２の分割案内構造体の一方が筐体から引き出された状態で、貯留部内の薬剤が落下することを防止する落下防止部材を備えているので、引出中あらぬ所に錠剤が落下してしまうことがなく、安全性に優れている。また引出後に、落下防止部材を外すことにより、容易かつ迅速に一時貯留構造部の貯留部内の薬剤落下経路囲繞面を露出させることができる。一時貯留構造部の貯留部内についても拭き掃除等を対面式で行うことができる。したがって、この発明によれば、一時貯留構造部を薬剤案内構造体に随伴させて引き出しても引出中は一時貯留錠剤の不所望な落下を防止することができ、引出後は対面状態で清掃できる薬剤分包機を実現することができる。

　なお一時貯留構造部は、上端開口部及び下端開口部を有する細長い枠体と開閉機構とを組み合わせた構造を有するものとして構成することができる。この場合、枠体は薬剤フィーダ格納ユニットの引き出し方向に延び第１及び第２の分割案内構造体の一方に連結された第１の側壁部と、該第１の側壁部と間隔をあけて対向する第２の側壁部と、引き出し方向と直行する方向に延びて第１の側壁部の一端と第２の側壁部の一端とを連結する第３の側壁部と、引き出し方向と直行する方向に延びて第１の側壁部の他端と第２の側壁部の他端とを連結する第４の側壁部とを有する構造とすることができる。このような枠体を備えた一時貯留構造部は、落下防止部材が、第２の側壁部の少なくとも一部を構成する構造とするのが好ましい。この場合、開閉機構は、閉状態にあるときに、第２の側壁部との間に貯留部を構成する。このように枠体の第２の側壁部の少なくとも一部が落下防止部材により構成されていると、落下防止部材を取り外すことにより、貯留部側に位置する開閉機構の面を露出させることができる。その結果、一時貯留構造部の錠剤が通過する領域の清掃を簡単に行うことができる。

　第１の分割案内構造体は、一方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる複数の薬剤フィーダから排出された薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第１の対向壁を有しているものとして構成することができる。また第２の分割案内構造体は、他方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる複数の薬剤フィーダから排出された薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第２の対向壁と、薬剤フィーダ格納ユニットが引き出される引き出し方向に位置する第２の対向壁の第１の縁部に沿い且つ第２の対向壁から離れる方向に延びる第１の側壁と、引き出し方向とは反対の方向に位置する第２の対向壁の第２の縁部に沿い且つ第２の対向壁から離れる方向に延びる第２の側壁とを有している。一時貯留構造部は、一対の薬剤フィーダ格納ユニットが筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割貯留構造部によって構成されている。一時貯留構造部の第１の分割貯留構造部が薬剤案内構造体の第１の分割案内構造体に付設されており、一時貯留構造部の第２の分割貯留構造部が開閉機構を含む部分として薬剤案内構造体の第２の分割案内構造体に付設されている。第１の分割貯留構造部は、第１の分割案内構造体の第１の対向壁と連結された第１の延長対向壁を有しており、第２の分割貯留構造部は、第２の分割案内構造体の第２の対向壁と連続する第２の延長対向壁と、引き出し方向に位置する第２の対向壁の第１の縁部に沿い且つ第１の側壁と連続して第２の延長対向壁から離れる方向に延びる第１の延長側壁と、引き出し方向とは反対の方向に位置する第２の対向壁の第２の縁部に沿い且つ第２の側壁と連続して第２の延長対向壁から離れる方向に延びる第２の延長側壁とを備えている。落下防止部材は、第２の延長対向壁と対向し且つ第１の延長側壁と第２の延長側壁との間に跨がって配置され、作業者が貯留部の内部に薬剤が残っていることを視認することを可能にする薬剤視認部を形成する形状寸法を有している。一時貯留構造部を、第１及び第２の分割貯留構造部に分割しても、開閉機構を備えた第２の分割貯留構造部に落下防止部材を設ければ、第２の分割案内構造体を備えた薬剤フィーダ格納ユニットが引き出されたときに、貯留部から薬剤が落下することを防止できる。また掃除をする際に、薬剤視認部を通して、貯留部に薬剤が入っているか否かを確認できるので、薬剤が床に散らばることを阻止できる。そして落下防止部材が、薬剤視認部を形成する形状寸法を有していても、第１の分割貯留構造部が存在しているため、分包装置の動作時に、薬剤視認部から薬剤が落下することを防止できる。また薬剤視認部を設けると、一時貯留構造部の内部状態を目視確認して、落下防止部材を取り外して行う清掃の必要性を判断することができる。

　薬剤案内構造体を第１及び第２の分割案内構造体に分割し、一時貯留構造部を第１及び第２の分割貯留構造部に分割する場合には、第１及び第２の分割案内構造体並びに第１及び第２の分割貯留構造部を以下のように構成してもよい。すなわち第１の分割案内構造体は、一方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第１の対向壁を有する構造とする。そして第２の分割案内構造体は、他方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる複数の薬剤フィーダから排出された薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第２の対向壁と、第２の対向壁の薬剤フィーダ格納ユニットが引き出される引き出し方向に位置する第１の縁部に沿い且つ前記第２の対向壁から離れる方向に延びる第１の側壁と、第２の対向壁の引き出し方向とは反対の方向に位置する第２の縁部に沿い且つ第２の対向壁から離れる方向に延びる第２の側壁と、第１の側壁の内壁面と連続し且つ第２の側壁に近づく方向に傾斜する第１の傾斜面を備えた取り外し可能な第１のガイド部材と、第２の側壁の内壁面と連続し且つ第１の側壁に近づく方向に傾斜する第２の傾斜面を備えた取り外し可能な第２のガイド部材とを有する構造とする。そして一時貯留構造部を、一対の薬剤フィーダ格納ユニットが前記筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割貯留構造部によって構成する。そして第１の分割貯留構造部を、薬剤案内構造体の第１の分割案内構造体に付設し、第２の分割貯留構造部を開閉機構を含む部分として第２の分割案内構造体に付設する。第１の分割貯留構造部は、第１の分割案内構造体の第１の対向壁と連結された第１の延長対向壁を有する構造とする。そして第２の分割貯留構造部を、第２の分割案内構造体の第２の対向壁と連続する第２の延長対向壁と、第２の延長対向壁に取り外し可能に設けられた落下防止部材とから構成する。この場合、落下防止部材は、第２の延長対向壁に取り付けられた状態で、第１の傾斜面と連続して下方に延びる第１の延長面を備えた第１の取付部と、第２の延長対向壁に取り付けられた状態で、第２の傾斜面と連続して下方に延びる第２の延長面を備えた第２の取付部と、第２の延長対向壁と対向し且つ第１の取付部と第２の取付部との間に跨がって配置されて、作業者が貯留部の内部に薬剤が残っていることを視認することを可能にする薬剤視認部を形成するように配置された架橋部とを備えている。このような構成にすると、第１及び第２のガイド部材を取り外し、落下防止部材を取り外すと、第２の分割案内構造体とこれに付設された第２の分割貯留構造部の第２の延長対向壁が全面的に露出した状態となり、清掃作業が簡単になる利点が得られる。また落下防止部材の取り外し作業をする前に、貯留部に薬剤が入っていることを確認できるので、薬剤の不要な落下を防止できる。また、第１及び第２のガイド部材の斜め上向き斜面は、錠剤の汚れが強く付着したりして清掃が遣りにくい所であるが、上記構成のように第１及び第２のガイド部材を用いれば、第１及び第２のガイド部材を取り外して清掃ができるので、清掃の遣り難さが軽減される。

　なお第１及び第２のガイド部材並びに落下防止部材は、磁石、面ファスナ、係合構造などの着脱可能な取付構造を用いて取り付けられているのが好ましい。このような取付構造を用いると、特別な工具を用いることなく、第１及び第２のガイド部材並びに落下防止部材の取り外し及び取付を行うことができる。

　上記の清掃を容易にするための構造は、一対の薬剤フィーダ格納ユニットを案内する一対の直動案内機構の一対の案内経路間の間隔が薬剤フィーダ格納ユニットの引き出し方向に向かうに従って広がることがない従来構造の薬剤分包機にも適用できるのは勿論である。

（ａ）と（ｂ）が本発明の第１の実施の形態の薬剤分包機の全体構造の平面図であり、（ｃ）が正面図、（ｄ）が右側面図である。 （ａ）～（ｅ）は、本発明の第１の実施の形態の薬剤分包機の要部構造を説明するために用いる図である。 （ａ）～（ｄ）は、いずれも第１の実施の形態の薬剤分包機の薬剤フィーダ格納ユニットとその引出機構の要部構造を説明するために用いる図である。 （ａ）～（ｆ）はいずれも、第１の実施の形態の薬剤分包機の薬剤フィーダ格納ユニットの引出機構のロック機構の構造を説明するために用いる図である。 （ａ）は第１及び第２の分割案内構造体からなる薬剤案内構造体と一時貯留構造部を備えた構造体を右斜め上から見下ろした斜視図、（ｂ）は第１の分割案内構造体を右斜め上から見下ろした斜視図、（ｃ）は一時貯留構造部を備えた第２の分割案内構造体を左斜め上から見下ろした斜視図である。 薬剤分包機の内部構造を示す模式図である。 （ａ）が一時貯留構造部の枠体の斜視図、（ｂ）が開閉機構の斜視図、（ｃ）と（ｄ）が一時貯留構造部の斜視図である。 （ａ）と（ｂ）が一時貯留装置の斜視図、（ｃ）と（ｄ）が一時貯留構造部の縦断図を示し、（ｅ）は落下防止部材を外した状態の一時貯留構造部の断面図である。 （ａ）と（ｂ）が本発明の第２の実施の形態の薬剤分包機の要部の構造を示した平面図である。 （ａ）が薬剤案内構造体と一時貯留構造部とを右斜め上から見下ろした斜視図、（ｂ）が第２の分割案内構造体と第２の分割貯留構造部を左斜め上から見下ろした斜視図である。 本発明の第３の実施の形態について、薬剤分包機のうち薬剤案内構造体と一時貯留機構部との構造を示し、（ａ）と（ｂ）が内部構造を示す模式図、（ｃ）が薬剤案内構造体の第２の分割案内構造体の左側面図、（ｄ）と（ｅ）が薬剤案内構造体の第２の分割案内構造体の正面図、（ｆ）と（ｇ）が落下防止部材の斜視図、（ｈ）が第２のガイド部材の斜視図である。 従来の薬剤分包機の構造を示し、（ａ）が左前から見た薬剤分包機の外観斜視図、（ｂ）が薬剤分包機の内部構造を示す模式図、（ｃ）が左前から見た薬剤分包機の外観斜視図、（ｄ）が薬剤手撒き装置付き薬剤分包機の左側面図である。 一時貯留機構を引出可能にした試作の薬剤分包機の構造を示し、（ａ）が左前から見た薬剤分包機の外観斜視図、（ｂ）が薬剤分包機の内部構造を示す模式図、（ｃ）が左前から見た薬剤分包機の外観斜視図である。 薬剤案内構造体を縦割した薬剤分包機の要部構造を示し、（ａ）と（ｂ）が平面図である。 （ａ）が薬剤案内構造体を右斜め上から見下ろした斜視図、（ｂ）が第２の分割案内構造体を左斜め上から見下ろした斜視図である。

　以下本発明の薬剤分包機の実施の形態を詳細に説明する。

　図１～図８は、本発明の薬剤分包機の第１の実施の形態の構成を示している。図１～図８においては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や、ヒンジ等の連結具，電動モータ等の駆動源，タイミングベルト等の伝動部材，モータドライバ等の電気回路，コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を省略し、発明の説明に必要な部材及びこれらの部材に関連するものを中心に図示した。

　図１～図８には、図１２及び図１３に示した従来の薬剤分包機１０乃至３０及び図１４及び図１５に示した出願人が提案した薬剤分包機４０に示した構成と同様の部分には、図１２乃至図１４に付した符号の数に１００の数を加えた数の符号を付してある。本実施の形態の薬剤分包機は、その典型例である薬剤分包機１１０である。図１（ａ）及び（ｂ）が、本実施の形態の薬剤分包機１１０の平面図、図１（ｃ）が正面図、及び図１（ｄ）が右側面図である。また図２（ａ）は薬剤フィーダ格納ユニット１１２と薬剤案内構造体１１４と直動案内機構１５０の配設状態を示し、図２（ｂ）が総ての薬剤フィーダ格納ユニット１１２を薬品庫１１１に押し込んだときの薬剤フィーダ格納ユニット１１２と薬剤案内構造体１１４とロック機構１６０の配設状態を示し、図２（ｃ）が隣接する一方の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を薬品庫１１１から前方へ引き出したときの状態を示し、図２（ｄ）が隣接する一対の他方の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を薬品庫１１１から前方へ引き出したときの状態を示し、図２（ｅ）が前面パネル延伸部１１２ａを拡大して示している。また、図３（ａ）～（ｄ）は、何れも、薬剤分包機１１０の薬剤フィーダ格納ユニット１１２とその直動案内機構１５０の要部構造を示す平面図である。

　薬剤分包機１１０は、薬剤フィーダ格納ケース１１２Ａ内に複数の薬剤フィーダ１１３を収納した８台の薬剤フィーダ格納ユニット１１２と、４つの薬剤案内構造体１１４と、１つの薬剤収集構造体１１５と、１台の包装装置１１７と、コントローラ１１８と、操作パネル１１９とを備えている。複数の薬剤フィーダ１１３には、玉剤等の錠剤や、カプセル剤など各種の薬剤が、種類ごとに分けられて収容されている。コントローラ１１８は、複数の薬剤フィーダ１１３及び包装装置１１７に制御指令を出力する。

　薬品庫１１１には、個々にスライドしうる８台の薬剤フィーダ格納ユニット１１２が横に並べて配設されている。本実施の形態では、４つの薬剤案内構造体１１４が、８台の薬剤フィーダ格納ユニット１１２のうち隣り合う一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２の間にそれぞれ配置されている。１つの薬剤案内構造体１１４は、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２に含まれる複数の薬剤フィーダ１１３から排出された薬剤を下方に位置する１つの出口に案内する。薬剤案内構造体１１４は、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２が筐体１１０Ａに収納されている状態で組み合わせ状態にあり、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２の１つが筐体１１０Ａから引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割案内構造体１１４Ａ及び１１４Ｂによって構成されている。筐体１１０Ａは、開閉扉を有しており、薬剤フィーダ格納ユニット１１２を筐体１１０Ａから引き出す際に、開閉扉が開かれる。第１の分割案内構造体１１４Ａは、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２の一方の薬剤フィーダ格納ケース１１２Ａに固定される。図５に示すように、第１の分割案内構造体１１４Ａの第１の対向壁には、薬剤フィーダ格納ユニット１１２に含まれる複数の薬剤フィーダ１１３から排出された薬剤がそれぞれ通る複数の連通孔Ｈが形成されている。そして一時貯留構造部１３２を備えた第２の分割案内構造体１１４Ｂは、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２の他方の薬剤フィーダ格納ケース１１２Ｂに固定される。

　図５（ｂ）に示すように、第１の分割案内構造体１１４Ａは、一方の薬剤フィーダ格納ユニット１１２に含まれる複数の薬剤フィーダ１１３の薬剤排出口から排出された薬剤がそれぞれ通る複数の連通孔Ｈが形成された板形状を呈している。また第２の分割案内構造体１１４Ｂは、他方の薬剤フィーダ格納ユニット１１２に含まれる複数の薬剤フィーダ１１３から排出された薬剤がそれぞれ通る複数の連通孔Ｈが形成された第２の対向壁１１４Ｂａと、薬剤フィーダ格納ユニットが引き出される引き出し方向に位置する第２の対向壁１１４Ｂａの第１の縁部に沿い且つ第２の対向壁１１４Ｂａから離れる方向に延びる第１の側壁１１４Ｂｂと、引き出し方向とは反対の方向に位置する第２の対向壁１１４Ｂａの第２の縁部に沿い且つ第２の対向壁１１４Ｂａから離れる方向に延びる第２の側壁１１４Ｂｃとを備えている。位置合わせの許容度を上げるために、板形状の第１の分割案内構造体１１４Ａの幅寸法は第２の分割案内構造体１１４Ｂの第２の対向壁１１４Ｂａよりも少し広めになっている。本実施の形態では、第２の対向壁１１４Ｂａに後に詳しく説明する一時貯留構造部１３２の全体が固定されている。したがって一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２の他方の薬剤フィーダ格納ケース１１２Ｂが引き出されると、第２の分割案内構造体１１４Ｂと一時貯留構造部１３２は一緒に引き出されることになる。

　第１及び第２の分割案内構造体１１４Ａ及び１１４Ｂが対向した状態で構成される薬剤案内構造体１１４は、上端面と下端面が開放されて開口になっている。また、一つの薬剤案内構造体１１４が、隣接対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２に装備された多数の薬剤フィーダ１１３から排出される薬剤を総て落下案内するようになっている。さらに、一時貯留構造部１３２の上部開口の前後幅を狭めることができるよう、この薬剤案内構造体１１４は下端部が絞られた形で下端開口が少し狭くなっている。

　第１及び第２の分割案内構造体１１４Ａ及び１１４Ｂによって構成された薬剤案内構造体を一対の薬剤フィーダ格納ユニットに対して設けると、薬剤フィーダ格納ユニット１１２の数に対して薬剤案内構造体１１４の数を半減できる。したがって従来よりも製品をコンパクトに構成できる。またこのような構造を採用すると、第１または第２の分割案内構造体１１４Ａ及び１１４Ｂの内部を露出した状態で、１つの薬剤フィーダ格納ユニット１１２が筐体１１０Ａから引き出されることになる。そのため第１または第２の分割案内構造体１１４Ａ及び１１４Ｂの内部を個別に清掃することにより、薬剤案内構造体１１４の清掃を作業者に過度の負担をかけることなく行うことができる。

　図４（ａ）は複数の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を同時に引き出そうとしたときの状態を示し、図４（ｂ）は一つの薬剤フィーダ格納ユニット１１２を引き出したときにロック機構１６０が機能している状態を示し、図４（ｃ）は総ての薬剤フィーダ格納ユニット１１２を薬品庫１１１に押し込んだときのロック機構１６０の拡大図を示し、図４（ｄ）は何れか一つの薬剤フィーダ格納ユニット１１２を引き出したときのロック機構１６０の拡大図、図４（ｅ）及び（ｆ）は他の構成例のロック機構１６０の拡大図である。

　本実施の形態の薬剤分包機１１０は、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を案内する一対の直動案内機構１５０の案内経路間の間隔が、薬剤フィーダ格納ユニット１１２の引き出し方向に向かうに従って広がるように構成されている。直動案内機構１５０は（図２，図３参照）、例えば筐体１１０Ａや薬品庫１１１に固設された固定ガイド部１５１［図３（ｂ）］と薬剤フィーダ格納ユニット１１２に装着された可動スライド部１５２とを具備した直線レール機構などから構成される。固定ガイド部１５１にスライド可能に組み合わされた可動スライド部１５２が固定ガイド部１５１の長手方向に摺動することにより、薬剤フィーダ格納ユニット１１２が進退するようになっている。ここで図示した直動案内機構１５０は、長手方向を前後に向けて薬剤フィーダ格納ユニット１１２の上に配置されているが、薬剤フィーダ格納ユニット１１２の下に配置されていても良く、薬剤フィーダ格納ユニット１１２の上下両方に配置されていても良い。また、図示した直動案内機構１５０では可動スライド部１５２が一本だけになっているが、可動スライド部１５２が２本あってもよく、直動案内機構１５０の構造は任意である。

　また、複数の直動案内機構１５０は何れも長手方向または摺動方向が水平方向に延びる状態で薬剤分包機１１０に装備されている。本実施の形態では、平面視において［図２（ａ），図３参照］、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２に係る一対の直動案内機構１５０，１５０の一対の案内経路（固定ガイド部１５１上を可動スライド部１５２がスライドする経路）の間隔が薬剤フィーダ格納ユニット１１２の引き出し方向に向かうに従って広がっている。すなわち、１つの薬剤案内構造体１１４を挟んで対をなす一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２に対応している一対の直動案内機構１５０，１５０を平面視すると、一対の直動案内機構１５０，１５０の案内経路の間隔が、後方側（奥側）では狭く、前方側（手前側）では広くなっている。

　図２及び図３においては、理解を容易にするために、一対の案内経路の開き角（一対の固定ガイド部１５１，１５１の開き角または一対の可動スライド部１５２，１５３の開き角）θは、多少誇張して図示している。実際のところ、引き出しに伴って、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２の当接状態が速やかに解消されれば良いので、この開き各θは、１゜程度で足りる場合が多い。この角度は、例えば長さまたは奥行きが６０ｃｍの一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を共に筐体１１０Ａ内に押し込んだときには前面パネル延伸部１１２ａ，１１２ａの間に実質的に間隙はできないが、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２を共に筐体１１０Ａから引き出したときには、両者の前面パネル延伸部１１２ａ，１１２ａ間に約１ｃｍの間隙ができる程度の小さな角度である。あまり目立たないけれども、押込時と引出時とで、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２間の間隙がほとんど変わらない場合、すなわち角度が０°となる平行状態とは、摩擦による塵埃の発生割合は明確に異なるものとなっている。

　なお図２（ｅ），図３（ａ）及び図３（ｂ）に示すように、隣接する一対の直動案内機構１５０，１５０の一対の案内経路間の間隔が薬剤フィーダ格納ユニット１１２の引き出し方向に向かうに従って広がるように構成し、複数の薬剤フィーダ格納ユニット１１２は平行配置している（図２（ｅ），図３（ａ），（ｂ）参照）。このようにすると、薬剤フィーダ格納ユニット１１２を前方に引出した時に、薬剤フィーダ格納ユニット１１２が一対の案内経路（１５０，１５０）の開き角θに基づいて、横方向にも若干移動する。その結果、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２のうち左側に位置する薬剤フィーダ格納ユニット１１２には、前面パネル延伸部１１２ａを左側に設け、右側の薬剤フィーダ格納ユニット１１２には、前面パネル延伸部１１２ａを右側に設けておくと、引出時の干渉を避けることができるとともに、薬剤フィーダ格納ユニット１１２を押込んだとき、全面側に大きな間隙が発生することを無くすことができる。

　図３（ｃ），（ｄ）に示すように、一対の直動案内機構１５０，１５０と同様に、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２も両者間の間隔が薬剤フィーダ格納ユニット１１２の引き出し方向に向かうに従って広がるように（開き角θを持つように）、一対の直動案内機構１５０，１５０に取り付けても良い。このようにした場合には、左側の薬剤フィーダ格納ユニット１１２の前面パネル延伸部１１２ａの延伸長さと、右側の薬剤フィーダ格納ユニット１１２の前面パネル延伸部１１２ａの延伸長さを、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を押し込んだときに、前方側に大きな間隙が形成されないように、変えるのが好ましい。図３（ｃ），（ｄ）においては、第２の分割案内構造体１２１４Ｂの形状を、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を押し込んだときに、両者間に薬剤が落下する間隙が形成されないように定めている。

　本実施の形態では、図２（ｂ）～（ｄ）及び図４（ｃ）～（ｆ）に示すように、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２の一つの薬剤フィーダ格納ユニット１１２が引き出されるときに、該一つの薬剤フィーダ格納ユニット１１２と隣接するが一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２を構成しない他の薬剤フィーダ格納ユニット１１２が引き出されることを阻止するロック機構１６０を設けている。すなわち、一対の直動案内機構１５０，１５０の一対の案内経路間の間隔が、薬剤フィーダ格納ユニット１１２の引き出し方向に向かうに従って広がるようにすると、図３（ａ）に示すように、引き出される薬剤フィーダ格納ユニット１１２と隣接するが対を構成しない他の薬剤フィーダ格納ユニット１１２との間の間隔は狭くなる。そのため、対を構成しない隣り合う２つの薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２を同時に引き出そうとしたときに、対を構成しない隣り合う二つの薬剤フィーダ格納ユニット同士が干渉し合って変形や故障といった不所望な事態が発生する可能性がある。そこで干渉し合う可能性のある薬剤フィーダ格納ユニットとなる他の薬剤フィーダ格納ユニットが、ロック機構によって、筐体から前方へ引き出せないようにすれば、不所望な事態の発生が回避される。

　本実施の形態のロック機構１６０は、一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２，１１２のうち一方が薬品庫１１１や筐体から前方へ引き出されると、その引き出された薬剤フィーダ格納ユニット１１２と隣接対をなさないが隣に並んでいる薬剤フィーダ格納ユニット１１２について（図４（ａ）参照）、薬品庫１１１や筐体から前方への引出を阻止するようになっていれば足りる。図４（ｂ）乃至（ｄ）に示した例では、何れか一つの薬剤フィーダ格納ユニット１１２が薬品庫１１１や筐体から引き出されると、他の薬剤フィーダ格納ユニット１１２総てについて、前方への引出を阻止するようになっている。そのようなロック機構１６０の具体例を一つ挙げると（図４（ｂ）～（ｄ）参照）、薬剤フィーダ格納ユニット１１２夫々の後端に付設された複数の錠部１６１と、それら総ての錠部１６１と係合しうる所に設けられた横長の錠前部１６２と、この錠前部１６２を開錠側へ付勢する開錠付勢バネ１６３と、薬剤フィーダ格納ユニット１１２夫々の後端が当接する所に設けられた複数の施錠リンク１６４と、施錠リンク１６４夫々に付設されて対応するものを施錠側へ付勢する複数の施錠付勢バネ１６５とを具えた純機械式のものがある。施錠リンク１６４は、揺動可能に支持されて、錠前部１６２の切欠部にも当接するものである。

　そして、薬剤フィーダ格納ユニット１１２が総て薬品庫１１１や筐体に押し込まれると、施錠付勢バネ１６５の付勢に反して施錠リンク１６４が総て開錠側へ揺動する。その状態では錠前部１６２が開錠付勢バネ１６３の付勢によって開錠側へスライドするため、総ての錠部１６１が、錠前部１６２との係合を解かれて、引出可能状態になる（図４（ｃ）参照）。

　その状態から一つでも薬剤フィーダ格納ユニット１１２が前方へ引き出されると（図４（ｄ）参照）、引き出された薬剤フィーダ格納ユニット１１２に付設されている錠部１６１も前進して錠前部１６２との係合位置を離れる（図４（ｄ）参照）。すると、そこの施錠付勢バネ１６５の付勢が働いて施錠リンク１６４が施錠側へ揺動する。施錠付勢バネ１６５の方が開錠付勢バネ１６３より付勢力が強いので、それに応じて錠前部１６２が施錠側へスライドする。その結果、先に引き出された一つを除いて残り総ての錠部１６１が、錠前部１６２と係合して、引出不可の状態になる。

　なお、引き出された薬剤フィーダ格納ユニット１１２と隣接対をなさないが隣に並んでいる薬剤フィーダ格納ユニット１１２についてだけ薬品庫１１１や筐体から前方への引出を阻止するものの具体例も一つ挙げると、図４（ｅ）及び（ｆ）に示すような、カム機構のものが簡便である。これは、薬剤フィーダ格納ユニット１１２の後端に付設された錠部１６１を原節とし、筐体内の後部で横スライドする錠前部１６２を従節としたものである。そして、薬剤フィーダ格納ユニット１１２が薬品庫１１１や筐体に押し込まれると、その錠部１６１が対応する錠前部１６２をスライドさせて隣の薬剤フィーダ格納ユニット１１２の錠部１６１を開錠する（図４（ｅ）参照）。これに対し図４（ｆ）の構造では、薬剤フィーダ格納ユニット１１２が前方へ引き出されると、その錠部１６１が一緒に前進し（図４（ｆ）参照）、そこへ錠前部１６２がスライドするとともに隣の薬剤フィーダ格納ユニット１１２の錠部１６１を施錠するようになっている。

　図６に示すように、本実施の形態では、４つの一時貯留構造部１３２が、４つの薬剤案内構造体１１４から落下した薬剤を一時貯留するために、４つの薬剤案内構造体１１４の下方にそれぞれ配置されている。４つの一時貯留構造部１３２は、一時貯留構造部１３２を複数同時に動作させて薬剤放下を一斉に行わせる同時駆動機構１３３により駆動される。４つの一時貯留構造部１３２と同時駆動機構１３３とにより一時貯留装置１３１が構成されている。

　一時貯留構造部１３２は、後で詳しく説明するように、薬剤案内構造体１１４から落下した薬剤を一時貯留する貯留部１３４及び閉鎖駆動力が加えられると貯留部１３４を貯留可能状態にし且つ開放駆動力が加えられると貯留部１３４を放出状態として貯留部１３４から薬剤を下方に放出する開閉機構１３５を備えて、筐体１１０Ａ内から全体が引き出し可能に設けられている。図８に示す同時駆動機構１３３は、４つの一時貯留構造部１３２の開閉機構１３５に、同時に閉鎖駆動力または開放駆動力を与える。同時駆動機構１３３と４つの一時貯留構造部１３２の開閉機構１３５とを連結する連結構造は、それぞれ筐体１１０Ａ内から一時貯留構造部１３２の全体を引き出す際に連結が解除され、筐体１１０Ａ内に全体を押し入れる際に連結状態となるように構成されている
　図７に示すように、本実施の形態で用いる一時貯留構造部１３２は、上端開口部及び下端開口部を有する細長い角筒体または枠体１３６（貯留部１３４を構成）と開閉機構１３５とを組み合わせた構造を有している。枠体１３６は（図７（ａ）参照）、薬剤フィーダ格納ユニット１１２の引き出し方向に延び第２の分割案内構造体１１４Ｂに連結された第１の側壁部１３６Ａと、該第１の側壁部１３６Ａと間隔をあけて対向する第２の側壁部１３６Ｂと、引き出し方向と直行する方向に延びて第１の側壁部１３６Ａの一端と第２の側壁部１３６Ｂの一端とを連結する第３の側壁部１３６Ｃと、引き出し方向と直行する方向に延びて第１の側壁部１３６Ａの他端と第２の側壁部１３６Ｂの他端とを連結する第４の側壁部１３６Ｄとを有している。第１の側壁部１３６Ａは、第２の分割案内構造体１１４Ｂの第２の対向壁１１４Ｂａに、溶接等の適宜の接続手段を用いて連結されている。本実施の形態では、枠体１３６の第２の側壁部１３６Ｂが、一時貯留構造部１３２における着脱自在な落下防止部材になっている。言い換えると、第２の分割案内構造体が筐体から引き出された状態で、貯留部１３４内の薬剤が落下することを防止する落下防止部材が、第２の側壁部１３６Ｂの少なくとも一部を構成している。

　図７に示すように、枠体１３６の第２の側壁部１３６Ｂは、マグネット等の引力部材や，面ファスナ等の係止部材，フック等の掛止部材などの着脱可能な取付構造を利用して、第２及び第３の側壁部１３６Ｃ及び１３６Ｄの端部に着脱自在に装着されている。

　第３及び第４の側壁部１３６Ｃ及び１３６Ｄの右上隅には貫通穴１３７が形成されている。枠体１３６の中空の内部空間は、薬剤落下経路の一部を構成する。また、開閉機構１３５は（図７（ｂ）参照）、平らで前後に細長いシャッタプレート１３８と、シャッタプレート１３８の上辺が連結固定された細長い回動軸１３９と、枠体１３６（貯留部１３４）に対して両端が回動可能に支持された回動軸１３９と、一端が該回動軸１３９に固定されて回動軸１３９を中心にして所定の角度範囲を回動するアーム１４０と該アーム１４０の他端に固定されて回動軸１３９と平行に延びる連結軸１４１とから構成されている。回動軸１３９が、貫通穴１３７を貫通している。そして回動軸１３９と、アーム１４０と連結軸１４１とにより、被連結リンクが構成されている。なお回動軸１３９には、適宜の抜け止めが固定されている。

　なお、本実施の形態では、第２の分割案内構造体１１４Ｂに一時貯留構造部１３２を付設しているが、第１の分割案内構造体１１４Ａに一時貯留構造部１３２を付設してもよいのは勿論である。なおその場合には、枠体１３６の第１の側壁部１３６Ａが落下防止部材を構成するように、着脱自在に第３及び第４の側壁部１３６Ｃ及び１３６Ｄに取り付けられることになる。また開閉機構１３５は、貫通穴１３７が、第２の側壁部１３６Ｂ寄りに位置を変え、シャッタプレート１３８の先端が第１の側壁部１３６Ａと当接するように構成すればよい。

　図８に詳しく示すように、同時駆動機構１３３は、４つの一時貯留構造部１３２を同時に動作させて薬剤放下を一斉に行わせることができるものである。同時駆動機構１３３と４つの一時貯留構造部１３２とを連結する連結構造は、一時貯留構造部１３２を着脱可能に同時駆動機構１３３に連結する構造になっている。そのためこの連結構造は、一時貯留構造部１３２の個々の離脱を許容するとともに、連結された一時貯留構造部１３２に対しては開閉動作の駆動を行うことを可能にする。図８（ａ），（ｂ）に示すように、同時駆動機構１３３は、左右に延びて固定状態にあるガイド１４５と、ガイド１４５に装着された電動回転モータ１４６と、ガイド１４５と同様に左右に延びていてガイド１４５に案内されて左右に往復動し得るスライダ１４７と、スライダ１４７を左方へ付勢する付勢バネ１４８と、ガイド１４５とスライダ１４７との間に配置されて電動回転モータ１４６の回転をスライダ１４７を直線運動させる運動に変換する図示しない運動変換機構が配置されている。なおこの図示しない運動変換機構は、電動回転モータ１４６が非動作状態になると、フリー状態になって、付勢バネ１４８の付勢力で元の状態に戻るものである。

　したがって電動回転モータ１４６が動作していない状態では、付勢バネ１４８の付勢力でスライダ１４７が可動範囲内で最も左方へ移動している（図８（ａ）参照）。電動回転モータ１４６が起動されると、スライダ１４７が可動範囲内で右方へ移動する直線運動をする（図８（ｂ）参照）。その後電動回転モータ１４６の動作を停止すると、再び付勢バネ１４８の付勢力でスライダ１４７は可動範囲内で最も左方へ移動する。このような構造によって、往復直線運動機構１４９が構成されている。

　往復直線運動機構１４９のスライダ１４７には、一時貯留構造部１３２と同じ個数だけ駆動リンク１４３が設けられている。４つの駆動リンク１４３は、一時貯留構造部１３２と同じピッチで左右に並べて配置されている。駆動リンク１４３は、何れも、支点１４４を中心にして揺動（または所定の角度範囲内で回動）し得る状態で固定されている。例えば上端部がスライダ１４７に図示しない回動構造を介して回動可能に固定されている。

　また、駆動リンク１４３の揺動部分、即ちスライダ１４７とは反対側の下端部には長孔状の嵌合孔１４２が形成されている。嵌合孔１４２の幅が一時貯留構造部１３２の連結軸１４１の軸径より僅かに幅が広くなっている。そのため、一時貯留構造部１３２が筐体の中に押し込まれると、連結軸１４１が嵌合孔１４２に挿入されて両者が嵌合する。一時貯留構造部１３２が筐体１１０Ａから前方へ引き出されると、その連結軸１４１が嵌合孔１４２から抜け出て両者が離脱する。従ってこのような駆動リンク１４３は駆動側伝動部材になっており、連結軸１４１は従動側伝動部材となっている。両伝動部材は同時駆動機構１３３と一時貯留構造部１３２との連結部に設けられた分離係合可能な伝動機構になっている。

　電動回転モータ１４６が動作していない状態では、図８（ｃ）に示すように、一時貯留構造部１３２の回動軸１３９が所定の角度範囲を一方の方向に回動してシャッタプレート１３８の先端が枠体１３６の側壁部１３６Ｂに近接した状態になって、シャッタプレートの上方に形成された貯留部１３４が貯留可能状態となる。また電動回転モータ１４６が動作して図８（ｄ）に示すように、回動軸１３９が所定の角度範囲を他方の方向に回動してシャッタプレート１３８が側壁部１３６Ａに近づいた状態で貯留部１３４が放出状態となる。図８（ｅ）に示すように、一時貯留構造部１３２を清掃をする際には、枠体１３６の第２の側壁部（落下防止部材）１３６Ｂを取り外す。永久磁石の磁力や面ファスナを利用して第２の側壁部（落下防止部材）１３６Ｂを第３及び第４の側壁部１３６Ｃ及び１３６Ｄに装着している場合には、図７に示すように、第２の側壁部１３６Ｂの長手方向の両端に設けたタブＴを作業者の手で摘んで、第３及び第４の側壁部１３６Ｃ及び１３６Ｄから引き離す方向の力をタブＴに加えればよい。

　薬剤収集構造体１１５は、筐体内において、４つの一時貯留構造部１３２の下方に配置され、４つの一時貯留構造部１３２から落下した薬剤１を収集する。包装装置１１７は、筐体１１０Ａ内において、薬剤収集構造体１１５の下方に設けられて、薬剤収集構造体１１５から排出された薬剤を分けて包装する。

　一時貯留装置１３１のうち同時駆動機構１３３は薬剤落下経路囲繞面を持たないので、分解修理等の保守作業は別として、通常行う清掃作業では、一時貯留装置１３１については一時貯留構造部１３２を清掃すれば足りる。

　分包時等の定常状態では（図１，図６参照）、薬剤フィーダ格納ユニット１１２が総て薬品庫１１１に押し込まれて筐体に収まっている。どの薬剤案内構造体１１４も、第１の分割案内構造体１１４Ａと第２の分割案内構造体１１４Ｂとが近接対向していて、対向内面が薬剤落下経路を囲繞しており、上端開口から下端開口へ落下薬剤を案内することができる。また、どの一時貯留構造部１３２も、対応する薬剤案内構造体１１４の下端部で薬剤落下経路を囲繞している。同時駆動機構１３３の駆動によって薬剤落下経路を開閉機構１３５のシャッタプレート１３８で開閉する。閉鎖状態では、ばらばら落下して来た薬剤（錠剤）１を一時貯留することができ（図８（ｃ）参照）、開時には貯留薬剤を一斉に放下することができる（図８（ｄ）参照）。

　そして、薬剤案内構造体１１４と一時貯留構造部１３２とを清掃するときには、既述した自動分包の動作を停止させてから、薬剤案内構造体１１４の第１の分割案内構造体１１４Ａと薬剤案内構造体１１４の第２の分割案内構造体１１４Ｂ及び一時貯留構造部１３２とに分けて行う。詳述すると（図２参照）、先ず、隣り合っている一対の薬剤フィーダ格納ユニット１１２のうち片方だけを薬品庫１１１から前方へ引き出す。引き出したのが隣接対のうち左側の薬剤フィーダ格納ユニット１１２であれば、薬剤案内構造体１１４のうち第１の分割案内構造体１１４Ａが筐体１１０Ａの外に出て、その部分の薬剤落下経路囲繞面が全域露出するので、それを拭き掃除等で綺麗にする。

　それから、その清掃済み薬剤フィーダ格納ユニット１１２を薬品庫１１１に押し戻すとともに、それと隣接対をなす右側の薬剤フィーダ格納ユニット１１２を薬品庫１１１から前方へ引き出す。すると、今度は薬剤案内構造体１１４のうち第２の分割案内構造体１１４Ｂとそれに付設されている一時貯留構造部１３２とが筐体１１０Ａの外に出て、その部分の薬剤落下経路囲繞面が全域露出するので、それも拭き掃除等で綺麗にしてから薬品庫１１１に押し戻す。このとき一時貯留構造部１３２の内部も清掃する場合には、第２の側壁部１３６Ｂの長手方向の両端に設けたタブＴを作業者の手で摘んで、第３及び第４の側壁部１３６Ｃ及び１３６Ｄから引き離す方向の力をタブＴに加えて、第２の側壁部１３６Ｂを取り外す。そして枠体１３６の内部、シャッタプレート１３８及び第２の側壁部１３６Ｂを清掃する。こうして薬剤案内構造体１１４と一時貯留構造部１３２の薬剤落下経路囲繞面が総て綺麗になる。しかも、その清掃作業は立った姿勢で内窓の拭き掃除に近い状態で楽に行える。

　図９及び図１０は本発明の第２の実施の形態の薬剤分包機２００の要部を説明するために用いる図である。図１乃至図８の第１の実施の形態の構成と同様の部分には、図１乃至図８に付した符号の数に１００の数を加えた数の符号を付して説明を省略する。図９（ａ）は、左側に位置する薬剤フィーダ格納ユニット２１２を筐体２１０Ａから前方に引き出したときの薬剤案内構造体２１４等の平面図、（ｂ）が右側の薬剤フィーダ格納ユニット２１２を筐体２１０Ａから前方へ引き出したときの薬剤案内構造体２１４等の平面図である。図１０（ａ）が第１の分割案内構造体２１４Ａ及び第２の分割案内構造体２１４Ｂからなる薬剤案内構造体２１４と第１の分割貯留構造部２３２Ａ及び第２の分割貯留構造部２３２Ｂからなる一時貯留構造部２３２とを右斜め上から見下ろした斜視図、図１０（ｂ）が薬剤案内構造体２１４の第２の分割案内構造体２１４Ｂと一時貯留構造部２３２の第２の分割貯留構造部２３２Ｂとが一体に構成されたものを左斜め上から見下ろした斜視図である。

　この薬剤分包機２１０が上述した第１の実施の形態の薬剤分包機１１０と相違するのは、一体物であった一時貯留構造部１３２が、第１の分割貯留構造部２３２Ａ及び第２の分割貯留構造部２３２Ｂから構成されている点と、具体的に直動案内機構を図示していない点である。一時貯留構造部２３２は、隣り合う一対の薬剤フィーダ格納ユニット２１２，２１２が筐体２１０Ａに収納されている状態で組み合わせ状態にあり、一対の薬剤フィーダ格納ユニット２１２，２１２の１つが筐体２１０Ａから引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割貯留構造部２３２Ａ及び２３２Ｂによって構成されている。一時貯留構造部２３２の第１の分割貯留構造部２３２Ａを構成する第１の延長対向壁２３２Ａａは薬剤案内構造体２１４の第１の分割案内構造体２１４Ａと一体に連結（付設）されており、一時貯留構造部２３２の第２の分割貯留構造部２３２Ｂが開閉機構２３５を含む部分として薬剤案内構造体２１４の第２の分割案内構造体２１４Ｂと連結されている。また第２の分割貯留構造部２３２Ｂは、第２の分割案内構造体２１４Ｂの第２の対向壁２１４Ｂａと一体に形成された第２の延長対向壁２３２Ｂａと、薬剤フィーダ格納ユニット２１２が引き出される引き出し方向に位置する第２の延長対向壁２３２Ｂａの第１の縁部に沿い且つ第２の分割案内構造体２１４Ｂの第１の側壁２１４Ｂｂと連続して第２の延長対向壁２３２Ｂａから離れる方向に延びる第１の延長側壁２３２Ｂｂと、引き出し方向とは反対の方向に位置する第２の延長対向壁２３２Ｂａの第２の縁部に沿い且つ第２の分割案内構造体２１４Ｂの第２の側壁２１４Ｂｃと連続して延長対向壁２３２Ｂａから離れる方向に延びる第２の延長側壁２３２Ｂｃとを備えている。

　なお、第２の分割貯留構造部２３２Ｂが第１の分割貯留構造部２３２Ａから分離されていても、本実施の形態では落下防止部材を構成するプレート２３６Ｂが着脱自在に第１の延長側壁２３２Ｂｂと第２の延長側壁２３２Ｂｃとに跨がるように取り付けられている。プレート２３６Ｂは、永久磁石や面ファスナ等の取り外し可能な取付手段により、第２の分割貯留構造部２３２Ｂの側方開口部を部分的に塞いでいる。プレート２３６Ｂの高さ寸法は、第１の延長側壁２３２Ｂｂ及び第２の延長側壁２３２Ｂｃの高さ寸法よりも短く、プレート２３６Ｂが取り付けられた状態で、プレート２３６Ｂの上方には、作業者が貯留部の内部に薬剤が残っていることを視認することを容易にする薬剤視認部を形成する間隙Ｇが形成されている。このような間隙Ｇが形成されていても、分包動作を行うときには、第１の分割貯留構造部２３２Ａの第１の延長対向壁２３２Ａａによって第２の分割貯留構造部２３２Ｂの側方開口部は完全に塞がれるので、特に問題は生じない。またプレート２３６Ｂは、シャッタプレート２３８が第１及び第２の延長側壁２３２Ｂｂ及び２３２Ｂｃを越えて外へ出ることがないよう、シャッタプレート２３８の揺動範囲を規制するストッパとして機能を有している。

　この場合、隣り合っている二個の薬剤フィーダ格納ユニット２１２，２１２のうち片方だけを筐体２１０Ａから前方へ引き出すと、薬剤案内構造体２１４のうち第１の分割案内構造体２１４Ａ及び第２の分割案内構造体２１４Ｂの何れか一方が筐体２１０Ａから外に出るとともに、随伴して第１の分割案内構造体２１４Ａと一緒になった第１の分割貯留構造部２３２Ａ及び第２の分割案内構造体２１４Ｂと一緒になった第２の分割貯留構造部２３２Ｂの何れか一方も筐体２１０Ａの外に出る。したがって第１の分割案内構造体２１４Ａ及び第１の分割貯留構造部２３２Ａの薬剤落下経路囲繞面並びに第２の分割案内構造体２１４Ｂ及び第２の分割貯留構造部２３２Ｂの薬剤落下経路囲繞面を、同時に拭き掃除等で清掃することができる。また落下防止部材としてのプレート２３６Ｂを外せば、第２の分割貯留構造部２３２Ｂの内部も清掃することができる。この清掃作業は、立った姿勢で内窓の拭き掃除と同じほど楽に行えるので、拭き掃除等が対面式で容易かつ迅速に行える。

　図１１（ａ），（ｂ）は、本発明の薬剤分包機の第３の実施の形態で用いる薬剤案内構造体３１４と一時貯留構造部３３２の内部構造を示す模式図である。図１１（ａ）は薬剤案内構造体３１４の第１の分割案内構造体３１４Ａと第２の分割案内構造体３１４Ｂとが密着した実装状態を示し、図１１（ｂ）は両者を左右に引き離した展開状態を示している。なお図１１には、図３に示した第１の実施の形態に付した符号の数に２００の数を加えた数の符号を付してある。また、図１１（ｃ）は、薬剤案内構造体３１４の第２の分割案内構造体３１４Ｂの左側面図であり、図１１（ｄ），（ｅ）は、薬剤案内構造体３１４の第２の分割案内構造体３１４Ｂの正面図であり、図１１（ｄ）は、落下防止部材３８０と第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２を装着させた状態を示しており、図１１（ｅ）は落下防止部材３８０と第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２を取り外した状態を示している。さらに、図１１（ｆ）は、落下防止部材３８０の外面側の斜視図、図１１（ｇ）は、落下防止部材３８０の内面側・薬剤落下経路囲繞面側の斜視図、図１１（ｈ）は、第１のガイド部材３７０の斜視図である。

　この第３の実施の形態の薬剤分包機は、実用性をより高めるために、上述した第２の実施の形態の薬剤分包機における薬剤案内構造体２１４及び一時貯留構造部２３２を更に改良したものである。

　具体的には、薬剤フィーダ３１３の薬剤排出口への細長い連通穴Ｈから薬剤落下経路へ放出された薬剤１が薬剤落下経路を落下している途中で低位置の連通穴に飛び込んでしまうのを防止できるように、第１の分割案内構造体３１４Ａの第１の対向壁３１４Ａａ及び第２の分割案内構造体３１４Ｂの第２の対向壁３１４Ｂａが、それぞれ構成されている。具体的には、薬剤フィーダ３１３から吐き出された薬剤を案内する傾斜面Ｓとこの傾斜面Ｓと連続して上下方向に延びる垂直面Ｆを備えた複数枚の分割対向壁３１４Ａaaが上下方向に並べられて、第１の対向壁３１４Ａａが構成され、複数枚の分割対向壁３１４Ｂaaが上下方向に並べられて、第２の対向壁３１４Ｂａが構成されている。

　本実施の形態の第１の分割案内構造体３１４Ａの最も下に位置する分割対向壁３１４Ａaaの垂直面Ｆは、第１の分割貯留構造部３３２Ａを構成している。第２の分割案内構造体３１４Ｂは、第２の対向壁３１４Ｂａと、第２の対向壁３１４Ｂａの薬剤フィーダ格納ユニットが引き出される引き出し方向に位置する第１の縁部に沿い且つ第２の対向壁３１４Ｂａから離れる方向に延びる第１の側壁３１４Ｂｂと、第２の対向壁３１４Ｂａの引き出し方向とは反対の方向に位置する第２の縁部に沿い且つ第２の対向壁３１４Ｂａから離れる方向に延びる第２の側壁３１４Ｂｃと、第１の側壁３１４Ｂｂの内壁面と連続し且つ第２の側壁３１４Ｂｃに近づく方向に傾斜する第１の傾斜面３７１を備えた取り外し可能な第１のガイド部材３７０と、第２の側壁３１７Ｂｃの内壁面と連続し且つ第１の側壁３１４Ｂｂに近づく方向に傾斜する第２の傾斜面３７３を備えた取り外し可能な第２のガイド部材３７２とを有している。

　第１の分割貯留構造部３３２Ａは、第１の分割案内構造体３１４Ａの第１の対向壁３１４Ａａと連結された（第１の対向壁３１４Ａａが延長された）第１の延長対向壁３３２Ａａを有する。第２の分割貯留構造部３３２Ｂは、開閉機構３３５を含む部分として第２の分割案内構造体３１４Ｂに付設されている。第２の分割貯留構造部３３２Ｂは、第２の分割案内構造体３１４Ｂの第２の対向壁３１４Ｂａと連続する第２の延長対向壁３３２Ｂａと、第２の延長対向壁３３２Ｂａに取り外し可能に設けられた落下防止部材３８０とから構成されている。本実施の形態では、一番下に位置する分割対向壁３１４Ｂaaが、他の分割対向壁と異なって第２の延長対向壁３３２Ｂａを備えた形状になっている。第２の延長対向壁３３２Ｂａは、引き出し方向の両端に、それぞれ被取付壁３３２Ｂaaを一体に備えている。

　落下防止部材３８０は、第２の延長対向壁３３２Ｂａの被取付壁３３２Ｂaaに取り付けられた状態で、第１のガイド部材３７０の第１の傾斜面３７１と連続して下方に延びる第１の延長面３８１ａを備えた第１の取付部３８１と、第２の延長対向壁の被取付壁３３２Ｂaaに取り付けられた状態で、第２のガイド部材３７２の第２の傾斜面３７３と連続して下方に延びる第２の延長面３８２ａを備えた第２の取付部３８２と、第２の延長対向壁３３２Ｂａと対向し且つ第１の取付部３８１と第２の取付部３８２との間に跨がって配置されて、作業者が貯留部３３４の内部に薬剤が残っていることを視認することを可能にする薬剤視認部を構成する間隙Ｇを形成するように配置された架橋部３８３とを備えている。落下防止部材３８０は、装着時の保持力を確保するために、両端の第１及び第２の取付部３８１及び３８２の高さ寸法Ｂが一時貯留構造部３３２の第２の延長対向壁３３２Ｂａの高さ寸法と同じになっている。しかも、引出時に薬剤が落下するのを防止する機能を損なわない範囲で、大半を占める中間部の背丈Ａを一時貯留構造部３３２の他の部材の高さ寸法より小さくしたことにより、落下防止部材３８０を取り外すまでもなく一時貯留構造部３３２の第２の分割貯留構造部３３２Ｂの内部を目視確認するのが容易に行えるものとなっている。

　このような構成にすると、第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２を取り外し、落下防止部材３８０を取り外すと、第２の分割案内構造体３１４Ｂとこれに付設された第２の分割貯留構造部３３２Ｂの第２の対向壁３１４Ｂａと第２の延長対向壁３３２Ｂａが全面的に露出した状態となり、清掃作業が簡単になる利点が得られる。また落下防止部材３８０の取り外し作業をする前に、貯留部３３４に薬剤が入っていることを確認できるので、薬剤の不要な落下を防止できる。また、第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２の斜め上向き斜面は、錠剤の汚れが強く付着したりして清掃が遣りにくい所である。しかし本実施の形態のように、取り外しできる第１及び第２のガイド部材を用いれば、第１及び第２のガイド部材を取り外して清掃ができるので、清掃のやり難さが軽減される。

　なお第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２並びに落下防止部材３８０は、磁石、面ファスナ、係合構造などの着脱可能な取付構造を用いて第２の分割貯留構造部３３２Ｂに取り付けられているのが好ましい。このような取付構造を用いると、特別な工具を用いることなく、第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２並びに落下防止部材３８０の取り外し及び取付を行うことができる。

　第１及び第２のガイド部材３７０及び３７１は、例えば側面視が直角三角形の厚板や箱状体に形成されている。第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２の傾斜面３７１及び３７２は、落下して来た薬剤１が強く当たるところなので、基材がステンレススチール等の金属の場合、衝撃緩和と粉塵付着防止のため例えばポリ弗化エチレン等で表面がコーティングされている。

　薬剤案内構造体３１４や一時貯留構造部３３２も、例えばステンレススチールの板を加工して作った場合、当接部の材質が共に金属になり、同質の金属同士が引出時に擦れると異音がしたり表面が傷んだりすることもあるので、当接面の少なくとも一方にポリ弗化エチレン等のコーティングを施して当接面の材質の異なるものとなっている。

　この場合、基本的な使い方や動作さらには薬剤案内構造体３１４の第１の分割案内構造体３１４Ａや一時貯留構造部３３２の清掃作業については、図９に示した第２の実施の形態と同様なので、繰り返しとなる説明は割愛する。第２の分割案内構造体３１４Ｂについても、第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２の装着部位は別として、第２の分割案内構造体３１４Ｂの大部分の清掃作業は、上述したのと同様なので、やはりその説明を割愛し、ここでは、第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２の清掃作業と、第２の分割案内構造体３１４Ｂにおける第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２の装着部位に対する清掃作業を説明する。第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２は着脱自在なので簡単に取り外すことができ、取り外したガイド部材３７２は、任意の姿勢で取り扱えるので、その斜め上向き傾斜面３７１及び他の表面も対面状態など作業しやすい状態で清掃することができる。また、第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２を取り去った後の第２の分割案内構造体３１４Ｂは、薬剤落下経路囲繞面に加えて第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２の装着部位までも露出するので、その清掃作業は第１及び第２のガイド部材３７０及び３７２の装着部位をも含めて対面状態で行うことができる。

　なお、上記第１の実施の形態では、ロック機構１６０が機械部品の組み合わせだけで具現化されていたが、ロック機構１６０は、機械部品と電子制御回路等との組み合わせで具現化しても良い。何れを採用するかは、停電時機能維持の重要性や、保守・改修等の容易化，さらには原価低減などを勘案して決めると良い。

　また、上記第１の実施の形態では、図示と説明を割愛したが、一時貯留構造部１３２が同時駆動機構１３３に対して離脱状態から係合状態に戻るときに、連結軸１４１が嵌合孔１４２に円滑に挿入されるよう、更に改良するのも好ましい。例えば連結軸１４１の先端にテーパ加工を施す等のことにより連結軸１４１の先端を尖らせても良く、例えば弱いバネなどの付勢手段を薬剤分包機に付設して一時貯留構造部１３２を外力の無いときには閉状態に強制することにより連結軸１４１を係合に適合した状態に維持するのも良く、駆動リンク１４３や連結軸１４１それぞれに対して個別に可動範囲や停止位置を規制するとともにその範囲や規制を個々に調整しうるようにしても良い。

　上記実施例では、薬剤手撒き装置は従来と同様に一時貯留構造部の下方に配置する。しかし、薬剤手撒き装置は一時貯留構造部の上方に配置しても良い。例えば、何れかの薬剤フィーダ格納ユニットについて、最下段の薬剤フィーダを省き、その代わりに薬剤手撒き装置を組み込めば、薬剤手撒き装置が一時貯留構造部の上方に来るとともに、薬剤フィーダ格納ユニットに随伴して引き出されるので、薬剤手撒き装置の清掃や修理等も容易になる。

　また、上記第３の実施の形態では、薬剤案内構造体３１４の第１の分割案内構造体３１４Ａや第２の分割案内構造体３１４Ｂの具体例として、薬剤フィーダの薬剤排出口への連通穴が縦横に多数形成された単板に対し、複数の分割対向壁３１４Ａaa及び３１４Ｂaaを多段に付設したものを用いる。しかし図１１に示したような複数の分割対向壁３１４Ａaa及び３１４Ｂaaを前後のフレーム等で保持することで第１の分割案内構造体３１４Ａや第２の分割案内構造体３１４Ｂを構成しても良い。その場合、薬剤フィーダの薬剤排出口への連通穴が横長のスリット状になる。

　また本発明の薬剤分包機は、薬剤手撒き装置の付いていない薬剤分包機にも適用することができる。

　本発明のように落下防止部材を用いれば、清掃の際に、薬剤の落下を防止できるだけでなく、一時貯留構造部を含めて薬剤フィーダ格納ユニットの清掃作業が容易になる。また本発明のような直動案内機構を用いれば、一対の薬剤フィーダ格納ユニットを相互に平行な状態で筐体から引き出しまたは押し込む場合と比べて、一対の薬剤フィーダ格納ユニットの対向する面同士の擦れ合いを少なくすることができる。

１　薬剤
１０　薬剤分包機
１２　薬剤フィーダ格納ユニット
３０　薬剤分包機
１１０　　　薬剤分包機
１１０Ａ　　筐体
１１１　　　薬品庫
１１２　　　薬剤フィーダ格納ユニット
１１３　　　薬剤フィーダ
１１４　　　薬剤案内構造体
１１４Ａ　　第１の分割案内構造体
１１４Ｂ　　第２の分割案内構造体
１１５　　　薬剤収集構造体
１１７　　　包装装置
１１８　　　コントローラ
１１９　　　操作パネル
１３１　　　一時貯留装置
１３２　　　一時貯留構造部
１３３　　　同時駆動機構
１３４　　　貯留部
１３５　　　開閉機構
１３６　　　枠体
１３８　　　シャッタプレート
１３９　　　回動軸
１４０　　　アーム
１４１　　　連結軸
１４２　　　嵌合孔
１４３　　　駆動リンク
１４６　　　電動回転モータ
１４７　　　スライダ
１４８　　　付勢バネ
１４９　　　往復直線運動機構
１５０　　　直動案内機構
θ　　　　　開き角

Claims (11)

1. 　筐体と、
   　薬剤を収容して前記薬剤を逐次排出する複数の薬剤フィーダ及び前記複数の薬剤フィーダが格納された薬剤フィーダ格納ケースを備えて、前記筐体の内部に引き出し可能に並設された複数の薬剤フィーダ格納ユニットと、
   　前記複数の薬剤フィーダ格納ユニットがそれぞれ直線的に動くように案内する複数の直動案内機構と、
   　前記複数の薬剤フィーダ格納ユニットのうち隣り合う一対の前記薬剤フィーダ格納ユニットの間に配置されて、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる前記複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤を下方に位置する１つの出口に案内する複数の薬剤案内構造体と、
   　前記複数の薬剤案内構造体から落下した薬剤を一時貯留する貯留部及び閉鎖駆動力が加えられると前記貯留部を貯留可能状態にし且つ開放駆動力が加えられると前記貯留部を放出状態として前記貯留部から前記薬剤を下方に放出する開閉機構を備えて、前記筐体内から全体または前記開閉機構を含む部分が引き出し可能に設けられた複数の一時貯留構造部と、
   　前記複数の一時貯留構造部の複数の前記開閉機構に、同時に前記閉鎖駆動力または前記開放駆動力を与える同時駆動機構と、
   　前記筐体内において、前記複数の一時貯留構造部の下方に配置され、前記複数の一時貯留構造部から落下した薬剤を収集する薬剤収集構造体と、
   　前記筐体内において、前記薬剤収集構造体の下方に設けられて、前記薬剤収集構造体から排出された薬剤を分けて包装する包装装置とを備え、
   　前記薬剤案内構造体が、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットが前記筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが前記筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割案内構造体によって構成され、
   　前記第１の分割案内構造体が、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一方の前記薬剤フィーダ格納ケースに固定され、前記第２の分割案内構造体が前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの他方の前記薬剤フィーダ格納ケースに固定されており、
   　前記一時貯留構造部の全体が、前記第１及び第２の分割案内構造体の一方に付設されているか、前記一時貯留構造部の一部が前記第１及び第２の分割案内構造体の一方に付設され、前記一時貯留構造部の残部が前記第１及び第２の分割案内構造体の他方に付設されており、
   　前記同時駆動機構と前記複数の一時貯留構造部の前記複数の開閉機構とを連結する複数の連結構造が、それぞれ前記筐体内から前記薬剤フィーダ格納ユニットを引き出して、前記一時貯留構造部の全体または前記開閉機構を含む部分を引き出す際に連結が解除され、前記筐体内に前記薬剤フィーダ格納ユニットを押し入れて前記一時貯留構造部の全体または前記開閉機構を含む部分を前記一時貯留構造部を押し入れる際に連結状態となるように構成されている薬剤分包機であって、
   　前記一時貯留構造部は、前記第１及び第２の分割案内構造体の一方が前記筐体から引き出された状態で、前記貯留部内の前記薬剤が落下することを防止する落下防止部材を備えており、
   　前記落下防止部材は、取り外すことが可能で、前記落下防止部材が取り外された状態で、前記貯留部内の清掃を可能にする位置に設けられており、
   　前記複数の直動案内機構は、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットを案内する一対の前記直動案内機構の一対の案内経路間の間隔が前記薬剤フィーダ格納ユニットの引き出し方向に向かうに従って広がるように構成されていることを特徴とする薬剤分包機。
2. 　筐体と、
   　薬剤を収容して前記薬剤を逐次排出する複数の薬剤フィーダ及び前記複数の薬剤フィーダが格納された薬剤フィーダ格納ケースを備えて、前記筐体の内部に引き出し可能に並設された複数の薬剤フィーダ格納ユニットと、
   　前記複数の薬剤フィーダ格納ユニットがそれぞれ直線的に動くように案内する複数の直動案内機構と、
   　前記複数の薬剤フィーダ格納ユニットのうち隣り合う一対の前記薬剤フィーダ格納ユニットの間に配置されて、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる前記複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤を下方に位置する１つの出口に案内する複数の薬剤案内構造体と、
   　前記筐体内において、前記薬剤案内構造体の下方に配置され、前記薬剤案内構造体から落下した薬剤を収集する薬剤収集構造体と、
   　前記筐体内において、前記薬剤収集構造体の下方に設けられて、前記薬剤収集構造体から排出された薬剤を分けて包装する包装装置とを備え、
   　前記薬剤案内構造体が、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットが前記筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが前記筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割案内構造体によって構成され、
   　前記第１の分割案内構造体が、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一方の前記薬剤フィーダ格納ケースに固定され、前記第２の分割案内構造体が前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの他方の前記薬剤フィーダ格納ケースに固定されている薬剤分包機であって、
   　前記複数の直動案内機構は、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットを案内する一対の前記直動案内機構の一対の案内経路間の間隔が前記薬剤フィーダ格納ユニットの引き出し方向に向かうに従って広がるように構成されていることを特徴とする薬剤分包機。
3. 　前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一つの薬剤フィーダ格納ユニットが引き出されるときに、該一つの薬剤フィーダ格納ユニットと隣接するが前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットを構成しない他の薬剤フィーダ格納ユニットが引き出されることを阻止するロック機構が更に設けられている請求項２に記載の薬剤分包機。
4. 　前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一つの薬剤フィーダ格納ユニットが引き出されるときに、他の薬剤フィーダ格納ユニット全てが引き出されることを阻止するロック機構が更に設けられている請求項２に記載の薬剤分包機。
5. 　前記複数の薬剤案内構造体から落下した薬剤を一時貯留する貯留部及び閉鎖駆動力が加えられると前記貯留部を貯留可能状態にし且つ開放駆動力が加えられると前記貯留部を放出状態として前記貯留部から前記薬剤を下方に放出する開閉機構を備えて、前記筐体内から全体または前記開閉機構を含む部分が引き出し可能に設けられた複数の一時貯留構造部と、
   　前記複数の一時貯留構造部の複数の前記開閉機構に、同時に前記閉鎖駆動力または前記開放駆動力を与える同時駆動機構とを更に備え、
   　前記薬剤収集構造体は、前記複数の一時貯留構造部の下方に配置され、
   　前記一時貯留構造部の全体が、前記第１及び第２の分割案内構造体の一方に付設されているか、前記一時貯留構造部の一部が前記第１及び第２の分割案内構造体の一方に付設され、前記一時貯留構造部の残部が前記第１及び第２の分割案内構造体の他方に付設されており、
   　前記同時駆動機構と前記複数の一時貯留構造部の前記複数の開閉機構とを連結する複数の連結構造が、それぞれ前記筐体内から前記薬剤フィーダ格納ユニットを引き出して、前記一時貯留構造部の全体または前記開閉機構を含む部分を引き出す際に連結が解除され、前記筐体内に前記薬剤フィーダ格納ユニットを押し入れて前記一時貯留構造部の全体または前記開閉機構を含む部分を前記一時貯留構造部を押し入れる際に連結状態となるように構成されており、
   　前記一時貯留構造部は、前記第１及び第２の分割案内構造体の一方が前記筐体から引き出された状態で、前記貯留部内の前記薬剤が落下することを防止する落下防止部材を備えており、
   　前記落下防止部材は、前記落下防止部材が取り外されたときに、前記貯留部内の清掃を可能にする位置に設けられていることを特徴とする請求項２に記載の薬剤分包機。
6. 　筐体と、
   　薬剤を収容して前記薬剤を逐次排出する複数の薬剤フィーダ及び前記複数の薬剤フィーダが格納された薬剤フィーダ格納ケースを備えて、前記筐体の内部に引き出し可能に並設された複数の薬剤フィーダ格納ユニットと、
   　前記複数の薬剤フィーダ格納ユニットのうち隣り合う一対の前記薬剤フィーダ格納ユニットの間に配置されて、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる前記複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤を下方に位置する１つの出口に案内する複数の薬剤案内構造体と、
   　前記複数の薬剤案内構造体から落下した薬剤を一時貯留する貯留部及び閉鎖駆動力が加えられると前記貯留部を貯留可能状態にし且つ開放駆動力が加えられると前記貯留部を放出状態として前記貯留部から前記薬剤を下方に放出する開閉機構を備えて、前記筐体内から全体または前記開閉機構を含む部分が引き出し可能に設けられた複数の一時貯留構造部と、
   　前記複数の一時貯留構造部の複数の前記開閉機構に、同時に前記閉鎖駆動力または前記開放駆動力を与える同時駆動機構と、
   　前記筐体内において、前記複数の一時貯留構造部の下方に配置され、前記複数の一時貯留構造部から落下した薬剤を収集する薬剤収集構造体と、
   　前記筐体内において、前記薬剤収集構造体の下方に設けられて、前記薬剤収集構造体から排出された薬剤を分けて包装する包装装置とを備え、
   　前記薬剤案内構造体が、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットが前記筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが前記筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割案内構造体によって構成され、
   　前記第１の分割案内構造体が、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの一方の前記薬剤フィーダ格納ケースに固定され、前記第２の分割案内構造体が前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの他方の前記薬剤フィーダ格納ケースに固定されており、
   　前記一時貯留構造部の全体が、前記第１及び第２の分割案内構造体の一方に付設されているか、前記一時貯留構造部の一部が前記第１及び第２の分割案内構造体の一方に付設され、前記一時貯留構造部の残部が前記第１及び第２の分割案内構造体の他方に付設されており、
   　前記同時駆動機構と前記複数の一時貯留構造部の前記複数の開閉機構とを連結する複数の連結構造が、それぞれ前記筐体内から前記薬剤フィーダ格納ユニットを引き出して、前記一時貯留構造部の全体または前記開閉機構を含む部分を引き出す際に連結が解除され、前記筐体内に前記薬剤フィーダ格納ユニットを押し入れて前記一時貯留構造部の全体または前記開閉機構を含む部分を前記一時貯留構造部を押し入れる際に連結状態となるように構成されている薬剤分包機であって、
   　前記一時貯留構造部は、前記第１及び第２の分割案内構造体の一方が前記筐体から引き出された状態で、前記貯留部内の前記薬剤が落下することを防止する落下防止部材を備えており、
   　前記落下防止部材は、前記落下防止部材が取り外されたときに、前記貯留部内の清掃を可能にする位置に設けられていることを特徴とする薬剤分包機。
7. 　前記一時貯留構造部は、上端開口部及び下端開口部を有する細長い枠体と前記開閉機構とを組み合わせた構造を有しており、
   　前記枠体は前記薬剤フィーダ格納ユニットの引き出し方向に延び前記第１及び第２の分割案内構造体の一方に連結された第１の側壁部と、該第１の側壁部と間隔をあけて対向する第２の側壁部と、前記引き出し方向と直行する方向に延びて前記第１の側壁部の一端と第２の側壁部の一端とを連結する第３の側壁部と、前記引き出し方向と直行する方向に延びて前記第１の側壁部の他端と前記第２の側壁部の他端とを連結する第４の側壁部とを有しており、
   　前記落下防止部材が、前記第２の側壁部の少なくとも一部を構成しており、
   　前記開閉機構は、閉状態にあるときに、前記第２の側壁部との間に前記貯留部を構成していることを特徴とする請求項５または６記載の薬剤分包機。
8. 　前記一時貯留構造部は、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットが前記筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが前記筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割貯留構造部によって構成され、
   　前記一時貯留構造部の前記第１の分割貯留構造部が前記薬剤案内構造体の第１の分割案内構造体に付設されており、前記一時貯留構造部の前記第２の分割貯留構造部が前記開閉機構を含む部分として前記薬剤案内構造体の前記第２の分割案内構造体に付設されており、
   　前記第２の分割貯留構造部に前記落下防止部材が設けられている請求項５または６に記載の薬剤分包機。
9. 　前記第１の分割案内構造体は、前記一方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる前記複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第１の対向壁を有しており、
   　前記第２の分割案内構造体は、前記他方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる前記複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第２の対向壁と、前記薬剤フィーダ格納ユニットが引き出される引き出し方向に位置する前記第２の対向壁の第１の縁部に沿い且つ前記第２の対向壁から離れる方向に延びる第１の側壁と、前記引き出し方向とは反対の方向に位置する前記第２の対向壁の第２の縁部に沿い且つ前記第２の対向壁から離れる方向に延びる第２の側壁とを有しており、
   　前記一時貯留構造部は、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットが前記筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが前記筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割貯留構造部によって構成され、
   　前記一時貯留構造部の前記第１の分割貯留構造部が前記薬剤案内構造体の第１の分割案内構造体に付設されており、前記一時貯留構造部の前記第２の分割貯留構造部が前記開閉機構を含む部分として前記薬剤案内構造体の前記第２の分割案内構造体に付設されており、
   　前記第１の分割貯留構造部は、前記第１の分割案内構造体の前記第１の対向壁と連結された第１の延長対向壁を有しており、
   　前記第２の分割貯留構造部は、前記第２の分割案内構造体の前記第２の対向壁と連続する第２の延長対向壁と、前記引き出し方向に位置する前記第２の対向壁の第１の縁部に沿い且つ前記第１の側壁と連続して前記第２の対向壁から離れる方向に延びる第１の延長側壁と、前記引き出し方向とは反対の方向に位置する前記第２の延長対向壁の第２の縁部に沿い且つ前記第２の側壁と連続して前記第２の延長対向壁から離れる方向に延びる第２の延長側壁とを備えており、
   　前記落下防止部材は、前記第２の延長対向壁と対向し且つ前記第１の延長側壁と前記第２の延長側壁との間に跨がって配置され、作業者が前記貯留部の内部に前記薬剤が残っていることを視認することを可能にする薬剤視認部を形成する形状寸法を有していることを特徴とする請求項８に記載の薬剤分包機。
10. 　前記第１の分割案内構造体は、前記一方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる前記複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第１の対向壁を有しており、
    　前記第２の分割案内構造体は、前記他方の薬剤フィーダ格納ユニットに含まれる前記複数の薬剤フィーダから排出された前記薬剤がそれぞれ通る複数の排出孔が形成された第２の対向壁と、前記第２の対向壁の前記薬剤フィーダ格納ユニットが引き出される引き出し方向に位置する前記第２の対向壁の第１の縁部に沿い且つ前記第２の対向壁から離れる方向に延びる第１の側壁と、前記第２の対向壁の前記引き出し方向とは反対の方向に位置する第２の縁部に沿い且つ前記第２の対向壁から離れる方向に延びる第２の側壁と、前記第１の側壁の内壁面と連続し且つ前記第２の側壁に近づく方向に傾斜する第１の傾斜面を備えた取り外し可能な第１のガイド部材と、前記第２の側壁の内壁面と連続し且つ前記第１の側壁に近づく方向に傾斜する第２の傾斜面を備えた取り外し可能な第２のガイド部材とを有しており、
    　前記一時貯留構造部は、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットが前記筐体に収納されている状態で組み合わせ状態にあり、前記一対の薬剤フィーダ格納ユニットの１つが前記筐体から引き出された状態で分割状態となる第１及び第２の分割貯留構造部によって構成され、
    　前記一時貯留構造部の前記第１の分割貯留構造部が前記薬剤案内構造体の第１の分割案内構造体に付設されており、前記一時貯留構造部の前記第２の分割貯留構造部が前記開閉機構を含む部分として前記薬剤案内構造体の前記第２の分割案内構造体に付設されており、
    　前記第１の分割貯留構造部は、前記第１の分割案内構造体の前記第１の対向壁と連結された第１の延長対向壁を有しており、
    　前記第２の分割貯留構造部は、前記第２の分割案内構造体の前記第２の対向壁と連続する第２の延長対向壁と、前記第２の延長対向壁に取り外し可能に設けられた前記落下防止部材とからなり、
    　前記落下防止部材は、前記第２の延長対向壁に取り付けられた状態で、前記第１の傾斜面と連続して下方に延びる第１の延長面を備えた第１の取付部と、前記第２の延長対向壁に取り付けられた状態で、前記第２の傾斜面と連続して下方に延びる第２の延長面を備えた第２の取付部と、前記第２の延長対向壁と対向し且つ前記第１の取付部と前記第２の取付部との間に跨がって配置されて、作業者が前記貯留部の内部に前記薬剤が残っていることを視認することを可能にする薬剤視認部を形成するように配置された架橋部とを備えていることを特徴とする請求項８に記載の薬剤分包機。
11. 　前記落下防止部材は、着脱可能な取付構造を用いて前記一時貯留構造部に取り付けられている請求項５、６、９または１０のいずれか１項に記載の薬剤分包機。

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