WO2012172896A1

WO2012172896A1 - 冷蔵庫

Info

Publication number: WO2012172896A1
Application number: PCT/JP2012/062166
Authority: WO
Inventors: 及川　誠; 佐伯　友康
Original assignee: 株式会社東芝; 東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社; 東芝ホームアプライアンス株式会社
Priority date: 2011-06-14
Filing date: 2012-05-11
Publication date: 2012-12-20
Also published as: CN103733007B; TWI477728B; CN106871538A; EP2722624B1; EP2722624A1; TW201319495A; JP2013002679A; EP2722624A4; JP5755040B2; CN106871538B; CN103733007A

Abstract

断熱性能に優れるとともに、庫内スペースを十分に確保することができる冷蔵庫を提供する。冷蔵庫は、断熱箱体（１２）と、電線（５２）または配管（５３）と、を備える。断熱箱体（１２）は、箱状に形成され、その箱状の内側に収容空間を有する。断熱箱体（１２）を構成する断熱壁は、外板（１３）と内板（１４）との間に定形性を有する第一断熱部材（１５）を挟んで構成され、または外板と内板との間に第一断熱部材を挟むとともに充填可能な第二断熱部材（１５１）を充填して構成される。前記電線（５２）または前記配管（５３）は、収容空間に設けられている。

Description

冷蔵庫

　本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。

　近年、冷蔵庫は、庫内スペースの大容量化のため、断熱箱体の断熱壁を薄くすることが求められている。そこで、断熱壁の断熱部材として、真空断熱パネルを用いることが考えられる。真空断熱パネルは、従来から用いられている発泡ウレタンよりも断熱性能に優れるため、断熱壁を薄くすることができ、その結果、庫内スペースを大容量化することができる。

　ここで、断熱部材として発泡ウレタンを用いる従来構成において、例えば冷凍サイクルを構成する配管や庫内の電気部品に接続される電線などは、断熱壁の内部にあって発泡ウレタンの中に埋められていた。

　しかし、断熱部材として真空断熱パネルを用いる場合、真空断熱パネルは定形性を有しているため、断熱壁内において真空断熱パネルを避けて配管や電線を配置しようとすると、真空断熱パネルを薄くするか、断熱壁自体を厚くする必要がある。この場合、前者では断熱性能の低下に繋がり、後者では庫内スペースの減少に繋がる。

特開平４－２６０７８０号公報

　そこで、断熱性能に優れるとともに、庫内スペースを十分に確保することができる冷蔵庫を提供する。

　実施形態の冷蔵庫は、断熱箱体と、電線または配管と、を備える。前記断熱箱体は、箱状に形成され、その箱状の内側に収容空間を有する。前記断熱箱体を構成する断熱壁は、外板と内板との間に定形性を有する第一断熱部材を挟んで構成され、または前記外板と前記内板との間に前記第一断熱部材を挟むとともに充填可能な第二断熱部材を充填して構成される。前記電線または前記配管は、前記収容空間に設けられている。

第一実施形態による冷蔵庫の断熱箱体および固定具を示す斜視図冷蔵庫の外観を示す斜視図右前方から見た冷蔵庫の内部を示す斜視図左前方から見た冷蔵庫の内部を示す斜視図断熱箱体の縦断側面図断熱箱体の内部の冷蔵室を概略的に示す横断平面図断熱壁の分解斜視図断熱箱体の前面側の右部を概略的に示す横断平面図断熱箱体の左奥側のコーナー部を概略的に示す横断平面図断熱箱体の左奥側のコーナー部に設けられた固定具の取り付け状態を示す斜視図断熱箱体の左奥側のコーナー部に固定具が取り付られる前の状態を示す斜視図断熱箱体の左奥側のコーナー部に設けられる固定具の斜視図断熱箱体の左奥側のコーナー部に設けられる固定具の正面図断熱箱体の左奥側のコーナー部に設けられる固定具の分解斜視図図１３のＡ－Ａ線に沿う断面図図１３のＢ－Ｂ線に沿う断面図図１３のＣ－Ｃ線に沿う断面図図１３のＤ－Ｄ線に沿う断面図図１３のＥ－Ｅ線に沿う断面図断熱箱体の左奥側のコーナー部に設けられる固定具の取り付け状態を示す横断平面図（その１）断熱箱体の左奥側のコーナー部に設けられる固定具の取り付け状態を示す横断平面図（その２）断熱箱体の右奥側のコーナー部を概略的に示す横断平面図断熱箱体の右奥側のコーナー部に設けられる固定具の取り付け状態を示す斜視図断熱箱体の右奥側のコーナー部に固定具が取り付られる前の状態を示す斜視図断熱箱体の右奥側のコーナー部に設けられる固定具の斜視図断熱箱体の右奥側のコーナー部に設けられる固定具の正面図断熱箱体の右奥側のコーナー部に設けられる固定具の分解斜視図図２６のＦ－Ｆ線に沿う断面図図２６のＧ－Ｇ線に沿う断面図図２６のＨ－Ｈ線に沿う断面図図２６のＩ－Ｉ線に沿う断面図第二仕切り部材の右端部付近を示す縦断正面図左面用断熱壁に固定具を取り付けた状態を示す斜視図第二実施形態の固定具を示す図９相当図第三実施形態の断熱部材を示す図２２相当図

　以下、複数の実施形態による冷蔵庫を、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。

（第一実施形態）
　以下、第一実施形態について、図１～図３３を参照して説明する。
　冷蔵庫１１は、図２に示す断熱箱体１２と、断熱箱体１２内を冷却するための図示しない冷凍サイクルとを備えている。断熱箱体１２は、図３～図６に示すように、一方の面が開口した箱状に形成されている。なお、本明細書中、断熱箱体１２の開口側を冷蔵庫１１の前側とし、図２の紙面の左右方向を冷蔵庫１１の左右方向とする。

　断熱箱体１２は、複数に分割された断熱壁３１を組み合わせることによって、外箱１３、内箱１４、および第一断熱部材１５を有する箱体に構成されている。第一断熱部材１５は、図５に示すように、外箱１３と内箱１４との間に設けられている。第一断熱部材１５は、板状の断熱部材であって定形性を有している。すなわち、第一断熱部材１５は、何らかの加工を加えなければ変形不能に構成されている。

　内箱１４の内側には、例えば貯蔵室などの収容空間や、必要に応じてダクトが設けられる空間などが形成されている。外箱１３は、例えばスチール製であり、前面が開口した箱状に構成されている。外箱１３は、断熱箱体１２の外側面を構成している。外箱１３は、図１および図３～図６に示すように、分割された複数の外板を組み合わせて構成されている。具体的には、外箱１３は、上部外板１６、底部外板１７、右部外板１８、左部外板１９、および背部外板２０から構成されている。

　上部外板１６は、断熱箱体１２の上部外側面を構成している。上部外板１６は、後部が前部よりも下方に位置する段差状に形成されている。底部外板１７は、断熱箱体１２の底部外側面を構成し、上部外板１６に平行なほぼ平板状に形成されている。右部外板１８および左部外板１９は、ほぼ平板状に形成され、断熱箱体１２の左右外側面を構成している。右部外板１８と左部外板１９とは、左右対称に構成されている。背部外板２０は、ほぼ平板状に形成され、断熱箱体１２の背部に設けられている。背部外板２０は、断熱箱体１２の背部外側面を構成している。

　上部外板１６の後部上側には、図３～図５に示すように、機械室２１が形成されている。機械室２１には、図示しない冷凍サイクルを構成する圧縮機などが設けられる。機械室２１の底面に対応する位置には、図５に示すように、上側離間部２１１が形成されている。上側離間部２１１は、隣り合った第一断熱部材１５間に隙間を設けることにより形成された開口である。本実施形態では、断熱箱体１２の上側に位置する第一断熱部材１５と背側に位置する第一断熱部材１５とが離間して配置されることにより、上側離間部２１１が形成されている。

　上側離間部２１１内には、第二断熱部材１５１が設けられている。第二断熱部材１５１は、例えば発泡ウレタンなど真空断熱パネル以外の発泡断熱材である。第二断熱部材１５１は、断熱壁３１の製造時には流動性を有しており、断熱壁３１の内部に充填可能である。そして第二断熱部材１５１は、断熱壁３１の内部に充填されると、発泡して硬化した後に断熱性能を発揮する。上側離間部２１１は、上下方向に延びる連通孔２１１ａを有している。連通孔２１１ａは、第二断熱部材１５１および上部内板２２を上下方向へ貫いて形成されている。なお、連通孔２１１ａはスリットでもよい。

　断熱箱体１２の下部後側には、部品収容室２１２が形成されている。部品収容室２１２には、例えば冷凍サイクルの凝縮器や、冷蔵および冷凍の制御に用いられる部品などが収容される。部品収容室２１２に対応する位置には、下側離間部２１３が形成されている。下側離間部２１３は、断熱箱体１２の底側に位置する第一断熱部材１５と背側に位置する第一断熱部材１５とが離間して配置されることにより形成されている。下側離間部２１３内にも、充填可能な第二断熱部材１５１が設けられている。下側離間部２１３は、詳細は図示しないが、上下方向に延びる連通孔を有している。この貫通孔は、第二断熱部材１５１および底部内板２３を上下方向へ貫いて形成されている。なお、該連通孔はスリットでもよい。

　内箱１４は、樹脂製であり、前側が開口した箱状に形成されている。内箱１４は、外箱１３の内側に設けられ、断熱箱体１２の内側面を構成している。内箱１４は、図１および図３～図６に示すように、分割された複数の内板を組み合わせて構成されている。具体的には、内箱１４は、上部内板２２、底部内板２３、右部内板２４、左部内板２５、および背部内板２６から構成されている。上部内板２２は、断熱箱体１２の上部内側面を構成している。上部内板２２は、上部外板１６と同様に、後部が前部よりも下方に位置する段差状に形成されている。底部内板２３は、断熱箱体１２の底部内側面を構成し、上部内板２２に平行なほぼ平板板に形成されている。右部内板２４および左部内板２５は、ほぼ平板状に形成され、断熱箱体１２の左右内側面を構成している。この場合、右部内板２４と左部内板２５とは、左右対称に構成されている。背部内板２６は、ほぼ平板状に形成され、断熱箱体１２の背部に設けられている。背部内板２６は、断熱箱体１２の背部内側面を構成している。

　右部内板２４、左部内板２５、および背部内板２６には、図１、図１１、および図２４に示すように、それぞれ複数の支持部材２７が設けられている。複数の支持部材２７は、右部内板２４、左部内板２５、および背部内板２６にあって、それぞれ上下方向へ並んでいる。支持部材２７は、例えば樹脂製で構成され、図２０および図２１に示すように、直方体のブロックを主体として構成されている。支持部材２７は、ねじ穴２７１および鍔部２７２を有している。

　支持部材２７は、内板２４、２５、２６に形成された開口部２８に通されて、貯蔵室側へ突出している。ねじ穴２７１は、貯蔵室側から内板２４、２５、２６側へ向かって形成されている。ねじ穴２７１に内側には雌ねじが形成されている。鍔部２７２は、支持部材２７の主体よりも大きい板状に形成され、内板２４、２５、２６に対して貯蔵室と反対側に設けられている。支持部材２７の基端部となる鍔部２７２は、第一断熱部材１５に接着して固定されるとともに、第一断熱部材１５と内板２４、２５、２６との間に挟まれて固定されている。この場合、鍔部２７２は、支持部材２７が開口部２８から貯蔵室側へ抜け落ちてしまうことを抑制する抜け止め部材として機能する。なお、支持部材２７は、内板２４、２５、２６と一体に構成してもよい。また、支持部材２７は、鍔部２７２を有さずに支持部材２７の基端部が第一断熱部材１５に接着される構成でもよい。

　図５および図６に示すように、上部外板１６と上部内板２２、底部外板１７と底部内板２３、右部外板１８と右部内板２４、左部外板１９と左部内板２５、および背部外板２０と背部内板２６は、それぞれ第一断熱部材１５を介して対向している。すなわち、外箱１３と内箱１４との間には、各壁面に対応して第一断熱部材１５が設けられている。

　第一断熱部材１５は、ウレタンなどの発泡断熱材やソフトテープなどよりも熱伝導率が低く断熱性能に優れた部材、例えば平板状の真空断熱パネルで構成されている。第一断熱部材１５は、詳細は図示しないが、芯材と、芯材を収容する外袋体を有している。芯材は、断熱性の高い材料、例えばグラスウールなどの無機繊維の積層体を、例えばポリエチレンなどの合成樹脂フィルム内袋体に収容した後、矩形板状に圧縮硬化して形成されている。なお、芯材は、例えば抄紙法、加熱圧縮法などで形成してもよい。

　外袋体は、例えばポリエチレンテレフタレートのフィルム、高密度ポリエチレンのフィルム、アルミ蒸着フィルム、アルミ箔シートなどを適宜組み合わせて積層したフィルムによって袋状に形成されている。この外袋体は、ガスバリア性を有している。第一断熱部材１５は、芯材を外袋体に収容した状態で当該外袋体内を減圧し、その減圧を維持したまま外袋体の開口部を熱溶着などによって密閉することにより構成されている。

　第一断熱部材１５は、一方の面が内箱１４すなわち外板の外面に接着され、他方の面が外箱１３すなわち内板の内面に接着されている。このように、断熱箱体１２を構成する壁の内部に設けられた第一断熱部材１５は、それぞれ外板１６～２０と内板２２～２６とに当接している。例えば図７に示すように、断熱箱体１２の左側部分においては、第一断熱部材１５は、左部外板１９と、左部外板１９に対向する左部内板２５との間に挟まれている。第一断熱部材１５と左部外板１９とは、接着剤２９によって接着されている。また、第一断熱部材１５と左部内板２５とは、接着剤３０によって接着されている。接着剤２９、３０は、例えば液体状の接着剤または両面テープなどである。なお、支持部材２７は、接着剤３０によって第一断熱部材１５に接着されている。

　このように、複数の断熱壁３１は、外板１６～２０と、外板１６～２０に対向する内板２２～２６と、これら外板１６～２０および内板２２～２６に対応する第一断熱部材１５とによって構成されている。そして、断熱箱体１２は、この複数の断熱壁３１を組み合わせることによって構成される。なお、断熱壁３１は、分割断熱パネルと称してもよい。この断熱壁３１は、上側断熱壁３１１、底側断熱壁３１２、右側断熱壁３１３、左側断熱壁３１４、背側断熱壁３１５の５枚の断熱壁３１で構成されている。

　上側断熱壁３１１は断熱箱体１２の上側の壁を構成し、底側断熱壁３１２は断熱箱体１２の底側の壁を構成し、右側断熱壁３１３は断熱箱体１２の右側の壁を構成し、左側断熱壁３１４は断熱箱体１２の左側の壁を構成し、そして背側断熱壁３１５は断熱箱体１２の背側の壁を構成している。この場合、右側断熱壁３１３と左側断熱壁３１４とは、左右対称の形状であって対向して配置されている。

　ここで、断熱箱体１２の左右の壁を形成する右側断熱壁３１３および左側断熱壁３１４の前端部について、図３、図４および図８を参照して説明する。なお、右側断熱壁３１３と左側断熱壁３１４とは左右対称に構成されている。そのため、右側断熱壁３１３の説明によって、左側断熱壁３１４の説明を省略する。右側断熱壁３１３は、図３および図４に示すように、前端部にあって上下方向の中央部および下部付近の２箇所に折り曲げ部３２を有している。なお、２箇所の折り曲げ部３２は同様の構成であるため、右側断熱壁３１３の前端部の上下方向の中央部に設けられている折り曲げ部３２について説明する。

　折り曲げ部３２は、図８に示すように、右部外板１８の前端部において左側へ折り曲がり、その後、内箱１４の右部内板２４の前方において、外箱１３の右外側へ折り返された形状に形成されている。すなわち、折り曲げ部３２は、左右方向に延びる２つの平坦部３２１と、２つの平坦部３２１を繋ぐ湾曲部３２２とを有している。２つの平坦部３２１は、互いにほぼ対向しているとともに、第一断熱部材１５の前方に位置している。湾曲部３２２は、折り返すようにしてほぼ１８０°曲げられており、上方から見て外箱１３の右外側へ開放したＵ字状に形成されている。また、湾曲部３２２は、右部内板２４の前方にあって右部内板２４と左右方向にほぼ重なる位置に設けられている。この場合、平坦部３２１の先端部は、断熱箱体１２の外側に位置しないように折り曲げられている。

　湾曲部３２２と、右部内板２４の前端部との間には開口部３３が形成されている。また、折り曲げ部３２と、第一断熱部材１５の前端部との間には、端部差込室３４が形成されている。開口部３３は、右部内板２４の前端部と右部外板１８の折り曲げ部３２とが離間して形成され、端部差込室３４の入口として機能する。端部差込室３４は、右部外板１８の折り曲げ部３２と第一断熱部材１５とが離間して形成された空間である。また、２つの平坦部３２１には、板厚方向に貫通する貫通孔３５が形成されている。

　断熱箱体１２は、図３および図４に示すように、内箱１４の内側において第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８を有している。第一仕切り部材３７は、内箱１４の内側において上下方向の中央部分に設けられている。第二仕切り部材３８は、第一仕切り部材３７の下方に設けられている。これら第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８は、内箱１４内を上下方向に仕切っている。これにより、内箱１４の内側に形成された貯蔵室は、複数に分割されて複数の部屋が形成されている。

　具体的には、冷蔵庫１１は、貯蔵室として、冷蔵室３９、野菜室４０、製氷室４１、第一冷凍室４２、および第二冷凍室４３を備えている。冷蔵室３９は、内箱１４と第一仕切り部材３７とで囲われた空間に設けられている。野菜室４０は、内箱１４と第一仕切り部材３７と第二仕切り部材３８とで囲われた空間に設けられている。製氷室４１、第一冷凍室４２、および第二冷凍室４３は、内箱１４と第二仕切り部材３８とで囲われた内箱１４の下部の空間に設けられている。この場合、製氷室４１は、第二仕切り部材３８の下方左側に設けられ、第二冷凍室４３は、製氷室４１の右隣に設けられている。そして、第一冷凍室４２は、製氷室４１および第二冷凍室４３の下方に設けられている。

　冷蔵庫１１は、図２に示すように、冷蔵室扉３９１、野菜室扉４０１、製氷室扉４１１、第一冷凍室扉４２１、および第二冷凍室扉４３１を備えている。冷蔵室扉３９１は、回動式であって、冷蔵室３９の前面開口部に設けられている。野菜室扉４０１は、引出し式であって、野菜室４０の前面開口部に設けられている。同様に、製氷室扉４１１、第一冷凍室扉４２１、および第二冷凍室扉４３１は、引出し式であって、それぞれ製氷室４１、第一冷凍室４２、および第二冷凍室４３の前面開口部に設けられている。

　次に、第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８について説明する。なお、第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８は、外観上はほぼ同様の構成であるため、第一仕切り部材３７を代表させて図８を参照して説明する。また、第一仕切り部材３７は、左右対称の形状であるため、右側の構成について説明する。

　第一仕切り部材３７は、前仕切り部４４と、面仕切り部４５とから構成されている。前仕切り部４４は、断熱箱体１２の前面の開口側に設けられ、左右方向に延びる直方体状に構成されている。前仕切り部４４は、仕切り板４４１と、仕切り補強板４４２と、仕切りカバー４４３と、仕切り断熱部材４４４とから構成されている。仕切り板４４１は、金属製の板部材であって、前仕切り部４４の前面壁を構成する。仕切り板４４１は、左右両端部がやや後方に折れ曲がっている。仕切り板４４１の左右両端部は、それぞれ左右の断熱壁３１３、３１４の前端部に形成された開口部３３に通されて端部差込室３４の内部差し込まれている。前仕切り部４４の右端部には、貫通孔４４５が３箇所形成されている。

　仕切り補強板４４２は、金属製の板であって、仕切り板４４１の後側の面に沿った板状に形成されている。仕切り補強板４４２は、上下方向の寸法が仕切り板４４１の上下方向の寸法と同等または短く設定されている。また、仕切り補強板４４２は、左右方向の寸法が仕切り板４４１の左右方向の寸法よりも長く設定されている。そして、仕切り補強板４４２は、板厚が仕切り板４４１と同等または厚く設定されている。仕切り補強板４４２は、左右両端部が後側へ折れ曲がり、仕切り板４４１の後側の面すなわち背面に接して設けられている。仕切り補強板４４２は、仕切り板４４１の引張強度が小さい場合などに設けられる。仕切り板４４１の右端部は、右側断熱壁３１３の端部差込室３４内において、仕切り補強板４４２の右端部と、右部外板１８の折り曲げ部３２とで挟まれている。仕切り板４４１の左端部についても同様である。また、仕切り板４４１の前面は、折り曲げ部３２の前面と面一に構成されている。

　仕切り補強板４４２の右端部は、仕切り板４４１よりも右側の位置において断面Ｌ字状に折れ曲がっている。つまり、仕切り板４４１の右端部は、右部外板１８の右前部分の角の形状に沿って後側へ折れ曲がっている。仕切り板４４１の左端部についても同様である。仕切り補強板４４２は、右端部に３箇所のねじ穴４４６を有している。ねじ穴４４６の内側には雌ねじが形成されている。３箇所のねじ穴４４６は、それぞれ仕切り板４４１に形成された各貫通孔４４５に対応している。３箇所のうちの最も右側に位置するねじ穴４４６には、ねじ４６が設けられている。ねじ４６は、右部外板１８の貫通孔３５および仕切り板４４１の貫通孔４４５に通されている。仕切り補強板４４２の残り２箇所のねじ穴４４６には、ねじ４７が設けられている。ねじ４７は、仕切り板４４１の貫通孔４４５に通されている。これにより、仕切り板４４１の右端部および仕切り補強板４４２の右端部は、右部外板１８の折り曲げ部３２に連結固定されている。

　なお、詳細は図示はしないが、仕切り板４４１の左端部および仕切り補強板４４２の左端部も、上述した右端部と同様に構成されている。つまり、仕切り板４４１の左端部および仕切り補強板４４２の左端部は、左側断熱壁３１４すなわち左部外板１９の図示しない折り曲げ部に連結固定されている。この場合、仕切り板４４１は、右側断熱壁３１３と左側断熱壁３１４とを断熱箱体１２の前面の開口側において連結固定する連結部材として機能する。また、折り曲げ部３２は、被連結部材として機能する。

　仕切りカバー４４３は、金属製であり、前側が開口した横長の箱状に形成されている。仕切りカバー４４３は、仕切り板４４１とともに前仕切り部４４の直方体の外周壁を構成している。仕切りカバー４４３は、支持部材２７によって支持されている。この場合、仕切りカバー４４３は、下部に図示しない取付部を有し、この取付部が図示しないねじによって支持部材２７に固定されている。仕切りカバー４４３と仕切り板４４１とで形成される直方体の空間には、仕切り断熱部材４４４が設けられている。仕切り断熱部材４４４は、発泡スチロールやウレタンなどの断熱部材で構成され、直方体状に形成されている。

　面仕切り部４５は、図３および図４にも示すように、樹脂製の部材によって全体として矩形の板状に形成されている。第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８のうち、第二仕切り部材３８の面仕切り部４５は、内部に真空断熱パネルなどの断熱部材を有している。これにより、第二仕切り部材３８の面仕切り部４５は、断熱性を有している。面仕切り部４５は、支持部材２７上に載置されて保持されている。また、面仕切り部４５は、前端部が前仕切り部４４の背面に接し、左右両端部が右部内板２４および左部内板２５に接して設けられている。

　図４に示すように、第一仕切り部材３７は、面仕切り部４５の後端部と背部内板２６との間に隙間を有して設けられている。これにより、冷蔵室３９と野菜室４０とは連通している。一方、第二仕切り部材３８は、面仕切り部４５の後端部と背部内板２６とが接して設けられている。これにより、冷蔵室３９および野菜室４０は、製氷室４１、第一冷凍室４２、および第二冷凍室４３から断熱されている。

　断熱壁３１は、図１および図３～図６に示すように、固定具５１を介して隣り合う他の断熱壁３１と連結固定されている。この場合、固定具５１は、内箱１４にあって、上部内板２２と右部内板２４とで形成されるコーナー部、上部内板２２と左部内板２５とで形成されるコーナー部、上部内板２２と背部内板２６とで形成されるコーナー部、底部内板２３と右部内板２４とで形成されるコーナー部、底部内板２３と左部内板２５とで形成されるコーナー部、底部内板２３と背部内板２６とで形成されるコーナー部にそれぞれ設けられている。言い換えると、固定具５１は、隣り合って離間している２つの第一断熱部材１５に対向する位置で固定されている。

　内箱１４の後部の一方のコーナー部、例えば左部内板２５と背部内板２６とで形成される左奥側のコーナー部には、図６および図９に示すように、電線５２が配置されている。電線５２は、当該コーナー部に沿って延びている。電線５２は、詳細は図示しないが、送風ファンや各種センサと、制御装置とを繋ぐための電力供給用および信号用の電線である。電線５２は、複数本の電線を束ねて配置されている。なお、図面には、複数本の電線が束ねられて断面が円形の状態となった電線５２を示している。

　内箱１４の後部の他方のコーナー部、すなわち電線５２が設けられているコーナー部とは異なるコーナー部であって左部内板２５と背部内板２６とで形成される右奥側のコーナー部には、図６および図２２に示すように、配管５３が配置されている。配管５３は、当該コーナー部に沿って延びている。配管５３は、図示しない冷蔵用および冷凍用の蒸発器とコンプレッサとを繋ぐサクションパイプなどである。この場合、配管５３は、２本並んで設けられ、一方の配管５３には冷蔵に用いられる冷媒が流れ、他方の配管５３には冷凍に用いられる冷媒が流れる。

　ここで、配管５３は、冷蔵用および冷凍用の冷却器に接続される。また、電線５２は、図示しない送風ファンに接続される。この送風ファンは、蒸発器によって生成された冷気を貯蔵室に供給し循環させる。この送風ファンは、貯蔵室内において左右両側の固定具５１の間に配置することが好ましい。この場合、左右両側の固定具５１の間には、詳細は図示しないが、冷気を循環させるダクトが設けられている。このダクトは、固定具５１の前後方向の厚さと同等または固定具５１よりも薄いことが好ましい。

　内箱１４の各コーナー部に設けられている固定具５１はよく似た構成であるため、以下、左部内板２５と背部内板２６とで形成されるコーナー部に設けられている固定具５１１、および、右部内板２４と背部内板２６とで形成されるコーナー部に設けられている固定具５１２について説明する。なお、固定具５１２の説明においては、固定具５１１と共通する部分についての説明を省略する。

　まず、固定具５１１について図１、図９～図２１を参照して説明する。
　固定具５１１は、図１、図９および図１０に示すように、全体として上下方向へ長い柱状であって、水平方向すなわち短手方向の断面が直角三角形状に形成されている。固定具５１１は、図１０に示すように、左部内板２５と背部内板２６とによって形成されたコーナー部に沿って上下方向へ延びている。固定具５１１は、図１２～図１４に示すように、固定カバー５４、補強部材５５、およびコーナー用断熱部材５６から構成されている。固定具５１１は、固定カバー５４および補強部材５５によって、断面が直角三角形状の筒状に形成されている。コーナー用断熱部材５６は、固定カバー５４および補強部材５５によって形成された筒状の内側に配置されている。

　具体的には、固定カバー５４は、樹脂製の部材によって、上下方向へ長い矩形のほぼ板状に形成されている。固定カバー５４は、固定具５１１の直角三角形の断面を構成する３つの面のうち、斜面を構成している。固定カバー５４は、図１４～図２１に示すように、複数の貫通孔５８、および開口部５９、６０を有している。貫通孔５８は、固定カバー５４の長手方向に直交する幅方向の両端部に設けられている。両端部の貫通孔５８は、図１６および図１９に示すように、それぞれ固定カバー５４を、左側断熱壁３１４または背側断熱壁３１５側へ向かって貫いて形成されている。

　貫通孔５８は、他方側の端部の貫通孔５８から極力離れるように配置されている。すなわち、貫通孔５８は、他方側の端部に位置する貫通孔５８と上下方向が互い違いとなるようにずらして配置されている。この場合、貫通孔５８は、例えば図１３に示すように、固定カバー５４の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。貫通孔５８には、ねじ５７が通される。左側断熱壁３１４側の貫通孔５８に対するねじ５７の挿入方向は、図１９に示すように、左側断熱壁３１４の内側面すなわち左部内板２５の面に直交している。また、背側断熱壁３１５側の貫通孔５８に対するねじ２７の挿入方向は、図１６に示すように、背側断熱壁３１５の内側面すなわち背部内板２６の面に直交している。

　開口部５９は、図１３に示すように、固定カバー５４の長手方向すなわち上下方向の上部寄りに設けられている。開口部６０は、固定カバー５４の上下方向の下部寄りに設けられている。開口部５９、６０は、固定具５１１の筒状の内側へ連通している。

　補強部材５５は、樹脂製の部材によって構成されている。補強部材５５は、図１４に示すように、上下方向へ長い矩形の２つの板の長手方向の辺を互いに直角に突き合わせた形状、いわゆる断面Ｌ字状に形成されている。補強部材５５は、固定具５１１の直角三角形の断面を構成する３つの面のうち、斜面以外の２つの面を構成している。補強部材５５は、固定カバー５４を補強し、固定具５１１の強度を向上させる。補強部材５５は、長手方向の長さが固定カバー５４の長手方向の長さとほぼ同じ寸法に設定されている。

　補強部材５５は、一方の面が左部内板２５すなわち左側断熱壁３１４に対向し、他方の面が背部内板２６すなわち背側断熱壁３１５に対向して配置されている。これにより、補強部材５５は、隣り合う断熱壁３１の端部間、この場合、左側断熱壁３１４の端部と背側断熱壁３１５の端部とを跨いで配置されている。ちなみに、隣り合う断熱壁３１が突き合わされた角部分は、第一断熱部材１５が設けられていないため、断熱壁３１の他の部分に比べて断熱性能が低い。固定具５１１は、このような断熱壁３１の断熱性能が低い部分に配置されている。

　補強部材５５は、図１４、図１６および図１７に示すように、複数のねじ穴６１および複数の貫通孔６２を有している。ねじ穴６１および貫通孔６２は、補強部材５５の長手方向に直交する幅方向の両端部に設けられている。ねじ穴６１および貫通孔６２は、固定カバー５４の貫通孔５８に対応し、補強部材５５の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。

　ねじ穴６１は、補強部材５５にあって固定カバー５４側に突出した円筒の内側に雌ねじを有して構成されている。ねじ穴６１の軸方向は、固定カバー５４が補強部材５５に取り付けられた形態で、固定カバー５４の貫通孔５８の軸方向に一致する。ねじ穴６１には、ねじ５７が設けられる。

　貫通孔６２は、補強部材５５に設けられた膨出部６３を左部内板２５または背部内板２６側へ貫いて形成されている。膨出部６３は、補強部材５５の短手方向の両端部が固定カバー５４側へ膨出するように形成されている。この場合、膨出部６３も補強部材５５の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。貫通孔６２には、ねじ５７が通される。

　コーナー用断熱部材５６は、図９に示すように、隣り合う断熱壁３１の突き合わせ部分を覆うように配置されている。コーナー用断熱部材５６は、図１４に示すように、上下方向へ長いほぼ三角柱に形成された発泡スチロールなどの断熱部材で構成されている。コーナー用断熱部材５６は、複数の切欠き部６４、２つの開口部６５、６６、および収容部６７を有している。

　切欠き部６４は、コーナー用断熱部材５６の長手方向に直交する幅方向の両端部を矩形に切欠いて形成されている。切欠き部６４は、固定カバー５４の貫通孔５８、補強部材５５のねじ穴６１、および貫通孔６２に設けられるねじ５７と干渉しないように、コーナー用断熱部材５６の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。

　開口部６５、６６は、コーナー用断熱部材５６の長手方向に直交する幅方向の両端部を矩形に切欠いて形成されている。開口部６５は、固定カバー５４の開口部５９に対応し、開口部６６は、固定カバー５４の開口部６０に対応している。

　収容部６７は、コーナー用断熱部材５６の長手方向に直交する断面における直角部分、すなわち内箱１４のコーナー部の角に近接する部分にあって、長手方向へ延びる溝状に形成されている。

　電線５２は、収容部６７の内側に収容される。すなわち、固定具５１１は、筒状の内部に電線５２を収容している。電線５２は、保持部となる収容部６７の内側面によって、所定の位置からずれないように保持される。なお、電線５２は、図示しないフックなどによっても保持される。この場合、電線５２のうち、固定具５１１の筒状の内側に設けられる部分は、冷蔵庫１１の開口側から視認されない。

　この固定具５１１は、長手方向すなわち上下方向において第二仕切り部材３８の高さ位置で二分割されたパーツ、この場合、上側の固定具５１１と下側の固定具５１１とを接続して構成されている。そのため、固定カバー５４は、図１、図１２、図１３、および図１４に示すように、固定カバー５４の長手方向に分割された２つのパーツ、この場合、上固定カバー５４１および下固定カバー５４２から構成されている。この構成により、固定カバー５４の取扱いが容易になるとともに、ねじれなどの変形が生じ難くなる。この場合、開口部５９は上固定カバー５４１に設けられ、開口部６０は下固定カバー５４２に設けられている。

　同様に、補強部材５５は、該補強部材５５の長手方向に分割された２つのパーツ、この場合、上補強部材５５１および下補強部材５５２から構成されている。そして、コーナー用断熱部材５６も、該コーナー用断熱部材５６の長手方向に分割された２つのパーツ、この場合、上コーナー用断熱部材５６１および下コーナー用断熱部材５６２から構成されている。そして、開口部６５は上コーナー用断熱部材５６１に設けられ、開口部６６は下コーナー用断熱部材５６２に設けられている。

　この構成において、上固定カバー５４１、上補強部材５５１、および上コーナー用断熱部材５６１は、上側の固定具５１１を構成する。また、下固定カバー５４２、下補強部材５５２、および下コーナー用断熱部材５６２は、下側の固定具５１１を構成する。内箱１４の左側のコーナー部において、上側の固定具５１１は、冷蔵室３９および野菜室４０側に配置され、下側の固定具５１２は、製氷室４１および第一冷凍室４２側に配置されている。

　上補強部材５５１の下端部には、２個のねじ穴４８が設けられている。そして、下補強部材５５２の上端部には、ねじ穴４８に対応する位置に２個の貫通孔４９が設けられている。上補強部材５５１と下補強部材５５２とは、貫通孔４９に通されたねじ５０がねじ穴４８にねじ込まれることによって、固定されている。

　このように、固定具５１１は、全体として、コーナー部に沿って延びる方向すなわち長手方向において二分割可能に構成されている。この場合、図１２および図１３に示すように、上コーナー用断熱部材５６１の下端部は、下コーナー用断熱部材５６２の上端部に接している。また、上固定カバー５４１の下端部は、下固定カバー５４２の上端部から離間している。

　電線５２は、機械室２１から上側離間部２１１を通って冷蔵室３９側へ延び出て、固定具５１１の上端部からコーナー用断熱部材５６の収容部６７内へ入る。そして、電線５２は、収容部６７内で二方向へ分岐する。電線５２の一方は、上コーナー用断熱部材５６１の開口部６５を通り、上固定カバー５４１の開口部５９から冷蔵室３９側へ延び出る。電線５２の他方は、下コーナー用断熱部材５６２の開口部６６を通り、下固定カバー５４２の開口部６０から第一冷凍室４２側へ延び出る。このように、開口部５９、６０は、固定具５１１の内部に収容された電線５２の一部を貯蔵室側に導くためのものである。なお、電線５２の一部を固定具５１１の下端面から、下側離間部２１３を通って部品収容室２１２へ導かれるようにしてもよい。

　電線５２は、図１３および図１４に示すように、各端部に接続部６８を有している。これら接続部６８は、樹脂製であって、プラグ状に構成されている。接続部６８は、固定具５１１の外部において、図示しない電線に接続され、該電線を介して例えば制御装置や送風ファンなどの電気部品に接続される。

　固定カバー５４と補強部材５５との間、具体的には固定カバー５４の幅方向の端部と補強部材５５の幅方向の端部との間には、図１４および図１６～図１９に示すように、第一シール部材７１が設けられている。第一シール部材７１は、固定カバー５４および補強部材５５の長手方向に沿って長く延びるシート状の部材であり、例えばソフトテープで構成されている。第一シール部材７１は、固定カバー５４と補強部材５５との間をシールする。すなわち、第一シール部材７１は、固定カバー５４と補強部材５５との間の気密性を高めている。

　補強部材５５と左側断熱壁３１４との間、および補強部材５５と背側断熱壁３１５との間には、図１４～図１９に示すように、第二シール部材７２が設けられている。第二シール部材７２は、固定カバー５４および補強部材５５の長手方向に沿って長く延びるシート状の部材であり、例えばソフトテープで構成されている。第二シール部材７２は、補強部材５５と左側断熱壁３１４との間、および補強部材５５と背側断熱壁３１５との間をシールする。すなわち、第二シール部材７２は、補強部材５５と左部内板２５との間、および補強部材５５と背部内板２６との間の気密性を高めている。

　図９に示すように、断熱壁３１の端部、例えば左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とが突き合わされている部分には、第三シール部材７３が設けられている。第三シール部材７３は、固定カバー５４および補強部材５５の長手方向に平行に延びる四角柱状の部材であり、例えばソフトテープで構成されている。第三シール部材７３は、左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５との突き合わせ部分に形成された空間における断熱を補助するとともに、当該空間に湿気を含んだ空気等が侵入することを抑制する。なお、図２０および図２１では、第三シール部材の図示を省略している。

　このように、固定具５１１は、固定カバー５４と補強部材５５とがコーナー用断熱部材５６を挟んで構成されている。コーナー用断熱部材５６は、収容部６７に電線５２を収容している。固定カバー５４は、幅方向の端部を、補強部材５５の幅方向の端部に合わせた状態で、貫通孔５８にねじ５７が通される。貫通孔５８に通されたねじ５７は、補強部材５５のねじ穴６１にねじ込まれる。これにより、固定カバー５４は、補強部材５５に固定される。そして、固定カバー５４が補強部材５５に固定されることにより、コーナー用断熱部材５６および電線５２も、固定具５１１の内部に固定される。

　この場合、固定カバー５４、補強部材５５、コーナー用断熱部材５６、および電線５２は、一体化した構成となる。そして、第二仕切り部材３８の左後端部は、上固定カバー５４１と下固定カバー５４２との間に入り込み、上コーナー用断熱部材５６１と下コーナー用断熱部材５６２との接続部分に接触している。このように、固定具５１１の分割部分は、第二仕切り部材３８の左後端部によって覆われている。

　また、左側断熱壁３１４および背側断熱壁３１５は、第二シール部材７２を介して補強部材５５に対向している。これにより、隣り合う左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とが固定具５１１によって連結固定されるとともに、左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とで形成される角度が、補強部材５５の直角部分に対応した９０°に保持される。すなわち、補強部材５５は、隣り合う左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５との角度を９０°に保持する角度保持部として機能している。

　次に、固定具５１２について図２２～図３１を参照して説明する。
　固定具５１２は、図２２、図２３、および図２５に示すように、全体として上下方向へ長い柱状であって、水平方向すなわち短手方向の断面が直角三角形に形成されている。固定具５１２は、図２３に示すように、右部内板２４と背部内板２６とによって形成されたコーナー部に沿って上下方向へ延びている。固定具５１２は、図２５～図２７に示すように、固定カバー８１、補強部材８２、およびコーナー用断熱部材８３から構成されている。固定具５１２は、固定カバー８１および補強部材８２によって、断面が直角三角形状の筒状に形成されている。コーナー用断熱部材８３は、固定カバー８１および補強部材８２によって形成された筒状の内側に配置されている。

　固定カバー８１は、固定カバー５４とほぼ同様に構成されている。具体的には、固定カバー８１は、樹脂製の部材によって、上下方向へ長い矩形のほぼ板状に形成されている。固定カバー８１は、固定具５１２の直角三角形の断面を構成する３つの面のうち、斜面を構成している。固定カバー８１は、図２７に示すように、複数の貫通孔８４を有している。貫通孔８４は、固定カバー５４の貫通孔５８と同様に構成されている。すなわち、貫通孔８４は、固定カバー８１の長手方向に直交する幅方向の両端部に設けられている。両端部の貫通孔８４は、それぞれ固定カバー８１を右側断熱壁３１３または背側断熱壁３１５側へ向かって貫いて形成されている。

　貫通孔８４は、他方側の端部に位置する貫通孔８４と上下方向が互い違いとなるようにずらして配置されている。この場合、貫通孔８４は、例えば図２７に示すように、固定カバー８１の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。貫通孔８４には、ねじ５７が通される。背側断熱壁３１５側の貫通孔８４に対するねじ２７の挿入方向は、図２９に示すように、背側断熱壁３１５の内側面すなわち背部内板２６の面に直交している。また、右側断熱壁３１３側の貫通孔８４に対するねじ２７の挿入方向は、図３１に示すように、右側断熱壁３１３の内側面すなわち右部内板２４の面に直交している。

　また、固定カバー８１は、図２６、２７に示すように、第一突出部８５、開口部８６、第二突出部８７、および開口部８８を有している。第一突出部８５は、固定カバー８１の長手方向の上部寄りにあって、外側へ突出している。すなわち、第一突出部８５は、固定カバー８１の面から背部内板２６に沿って水平方向へ延びている。第一突出部８５は、背部内板２６側が開口した矩形の容器状に形成されている。開口部８６は、第一突出部８５の先端部に設けられ、第一突出部８５の内側と外側とを連通している。

　第二突出部８７は、固定カバー８１の長手方向の下部寄りに設けられている。第二突出部８７も、第一突出部８５と同様に、外側へ突出している。すなわち、第二突出部８７は、固定カバー８１の面から背部内板２６に沿って水平方向に延びている。第二突出部８７も、背部内板２６側が開口した矩形の容器状に形成されている。開口部８８は、第二突出部８７の先端部に設けられ、第二突出部８７の内側と外側とを連通している。

　補強部材８２は、補強部材５５とほぼ同様に構成されている。すなわち、補強部材８２は、樹脂製の部材によって構成されている。補強部材８２の主体部分は、上下方向へ長い矩形の２つの板の長手方向の辺を互いに直角に突き合わせた形状、いわゆる断面Ｌ字状に形成されている。補強部材８２は、固定具５１２の直角三角形の断面を構成する面のうち、斜面以外の２つの面を構成している。補強部材８２は、固定カバー８１を補強し、固定具５１２の強度を向上させる。補強部材５５は、長手方向の長さが固定カバー５４の長手方向の長さとほぼ同じ寸法に設定されている。

　また、補強部材８２は、第一補強用突出部９１および第二補強用突出部９２を有している。第一補強用突出部９１および第二補強用突出部９２は、それぞれ板状であって固定カバー８１の第一突出部８５および第二突出部８７に対応する位置に設けられている。これら第一補強用突出部９１および第二補強用突出部９２は、補強部材８２の主体部分と一体に形成されている。そして、第一突出部８５と第一補強用突出部９１、および第二突出部８７と第二補強用突出部９２は、それぞれ筒状を形成している。

　補強部材８２は、一方の面が右部内板２４すなわち右側断熱壁３１３に対向し、他方の面が背部内板２６すなわち背側断熱壁３１５に対向して配置されている。これにより、補強部材８２は、隣り合う断熱壁３１の端部間、この場合、右側断熱壁３１３の端部と背側断熱壁３１５の端部とを跨いで配置されている。ちなみに、隣り合う断熱壁３１が突き合わされた角部分は、第一断熱部材１５が設けられていないため、断熱壁３１の他の部分に比べて断熱性能が低い。固定具５１２は、このような断熱壁３１の断熱性能が低い部分に配置されている。

　補強部材８２は、図２７に示すように、複数のねじ穴８９および複数の貫通孔９０を有している。ねじ穴８９および貫通孔９０は、補強部材５５のねじ穴６１および貫通孔６２と同様に構成されている。すなわち、ねじ穴８９および貫通孔９０は、補強部材８２の長手方向に直交する幅方向の両端部に設けられている。ねじ穴８９および貫通孔９０は、固定カバー８１の貫通孔８４に対応し、補強部材８２の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。

　ねじ穴８９は、補強部材８２にあって固定カバー８１側に突出した円筒の内側に雌ねじを有して構成されている。ねじ穴８９の軸方向は、固定カバー８１が補強部材８２に取り付けられた形態で、固定カバー８１の貫通孔８４の軸方向に一致する。ねじ穴８９には、ねじ５７が設けられる。

　貫通孔９０は、補強部材８２に設けられた膨出部７７を右部内板２４または背部内板２６側へ貫いて形成されている。膨出部７７は、補強部材８２の短手方向の両端部が固定カバー８１側へ膨出するように形成されている。この場合、膨出部７７も補強部材８２の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。貫通孔９０には、ねじ５７が通される。

　コーナー用断熱部材８３は、コーナー用断熱部材５６とほぼ同様に構成されている。すなわち、コーナー用断熱部材８３も、隣り合う断熱壁３１の突き合わせ部分を覆うように配置されている。コーナー用断熱部材８３は、図２７に示すように、上下方向へ長いほぼ三角柱に形成された発泡スチロールなどの断熱部材で構成されている。コーナー用断熱部材８３は、複数の切欠き部９３、第一断熱用突出部９４、開口部９５、第二断熱用突出部９６、開口部９７、および収容部９８を有している。

　切欠き部９３は、コーナー用断熱部材８３の長手方向に直交する幅方向の両端部を矩形に切欠いて形成されている。切欠き部９３は、固定カバー８１の貫通孔８４、補強部材８２のねじ穴８９、および貫通孔９０に設けられるねじ５７と干渉しないように、コーナー用断熱部材８３の長手方向に沿っていわゆるジグザグ状に配置されている。

　収容部９８は、コーナー用断熱部材５６の収容部６７と同様に構成されている。すなわち、収容部９８は、コーナー用断熱部材８３の長手方向に直交する断面における直角部分、つまり内箱１４のコーナー部の角に近接する部分にあって、長手方向へ延びる溝状に形成されている。

　第一断熱用突出部９４は、図２７に示すように、コーナー用断熱部材８３の上部寄り、すなわち第一突出部８５に対応する位置にあって、外側へ突出している。つまり、第一断熱用突出部９４は、コーナー用断熱部材８３の主体部分から背部内板２６に沿って水平方向に延びている。第一断熱用突出部９４は、四角柱状に形成されている。開口部９５は、第一断熱用突出部９４の先端部に設けられ、収容部９８の内側へ連通している。第一断熱用突出部９４は、第一突出部８５と第一補強用突出部９１とで構成される筒状の内側に収容される。

　第二断熱用突出部９６は、コーナー用断熱部材８３の下部寄り、すなわち第二突出部８７に対応する位置にあって、外側へ突出している。つまり、第二断熱用突出部９６は、コーナー用断熱部材８３の主体部分から背部内板２６に沿って水平方向に延びている。第二断熱用突出部９６も、四角柱状に形成されている。開口部９７は、第二断熱用突出部９６の先端部に設けられ、収容部９８の内側へ連通している。第二断熱用突出部９６は、第二突出部８７と第二補強用突出部９２とで構成される筒状の内側に収容される。

　配管５３は、収容部９８の内側に収容されている。すなわち、固定具５１２は、筒状の内部に配管５３を収容している。配管５３は、保持部となる収容部９８の内側面によって、所定の位置からずれないように保持される。なお、配管５３は、図示しないフックなどによっても保持される。この場合、配管５３のうち、固定具５１２の筒状の内側に設けられる部分は、冷蔵庫１１の開口側から視認されない。なお、コーナー部の部位によっては、複数本の配管５３が収容される。

　この固定具５１２は、長手方向すなわち上下方向において第二仕切り部材３８の高さ位置で二分割されたパーツ、この場合、上側の固定具５１２と、下側の固定具５１２とを接続して構成されている。そのため、固定カバー８１は、図２７などに示すように、固定カバー８１の長手方向に分割された２つのパーツ、この場合、上固定カバー８１１および下固定カバー８１２から構成されている。この構成により、固定カバー８１の取扱いが容易になるとともに、ねじれなどの変形が生じ難くなる。この場合、第一突出部８５および開口部８６は上固定カバー８１１に設けられ、第二突出部８７および開口部８８は下固定カバー８１２に設けられている。

　同様に、補強部材８２は、該補強部材８２の長手方向に分割された２つのパーツ、この場合、上補強部材８２１および下補強部材８２２から構成されている。そして、コーナー用断熱部材８３も、該コーナー用断熱部材８３の長手方向に分割された２つのパーツ、この場合、上コーナー用断熱部材８３１および下コーナー用断熱部材８３２から構成されている。そして、第一断熱用突出部９４および開口部９５は上コーナー用断熱部材８３１に設けられ、第二断熱用突出部９６および開口部９７は下コーナー用断熱部材８３２に設けられている。

　この構成において、上固定カバー８１１、上補強部材８２１、および上コーナー用断熱部材９３１は、上側の固定具５１２を構成する。また、下固定カバー８１２、下補強部材８２２、および下コーナー用断熱部材９３２は、下側の固定具５１２を構成する。内箱１４の右側のコーナー部において、上側の固定具５１２は、冷蔵室３９および野菜室４０側に配置され、下側の固定具５１２は、第二冷凍室４３および第一冷凍室４２側に配置されている。

　上補強部材８２１の下端部には、２個のねじ穴７４が設けられている。そして、下補強部材８２２の上端部には、ねじ穴７４に対応する位置に２個の貫通孔７５が設けられている。上補強部材８２１と下補強部材８２２とは、貫通孔７５に通されたねじ７６がねじ穴７４にねじ込まれることによって、固定されている。

　このように、固定具５１２は、全体として、コーナー部に沿って延びる方向すなわち長手方向において二分割可能に構成されている。この場合、図２４および図２６に示すように、上コーナー用断熱部材８３１の下端部は、下コーナー用断熱部材８３２の上端部に接している。また、上固定カバー８１１の下端部は、下固定カバー８１２の上端部から離間している。

　配管５３は、折り曲げられた２本の配管で構成されている。２本の配管５３は、図５、図２５～図２７に示すように、それぞれ迂回路５３１を有している。迂回路５３１は、配管５３の上部寄りにあって、水平方向に複数回折り曲げられて形成されている。配管５３は、迂回路５３１によって距離を長く確保でき、これにより、配管５３内を通る冷媒の熱交換を良好にすることができる。

　各配管５３は、一方の端部が機械室２１内に設けられたコンプレッサに接続され、他方の端部が冷却器に接続されている。具体的には、各配管５３は、機械室２１側から上側離間部２１１の連通孔２１１ａを通って冷蔵室３９側へ延び出る。この場合、連通孔２１１ａは、固定具５１２の上面上に形成されていることが好ましい。その後、各配管５３は、迂回路５３１を経て、固定具５１２の上端部からコーナー用断熱部材８３の収容部９８内へ入る。この場合、迂回路５３１は、図５に示すように、離間部２１１の第二断熱部材１５１内に収容されている。そして、２本の配管５３のうち一方の配管５３は、上コーナー用断熱部材８３１に設けられた第一断熱用突出部９４の内部を通り、開口部９５および開口部８６から冷蔵室３９側へ延び出る。そして、開口部９５、８６から出た配管５３は、詳細は図示しないが、冷蔵用の冷却器に接続される。

　他方の配管５３は、下コーナー用断熱部材８３２に設けられた第二断熱用突出部９６の内部を通り、開口部９７および開口部８８から第一冷凍室４２側へ延び出る。開口部９７、８８から出た配管５３は、詳細は図示しないが、冷凍用の冷却器に接続される。この場合、開口部８６、８８は、固定具５１２の内部に収容された配管５３の一部を貯蔵室側に導くためのものである。なお、配管５３の一部を固定具５１２の下端面から、下側離間部２１３の図示しない連通孔を通って部品収容室２１２に導かれるようにしてもよい。

　各配管５３は、図２５および図２７に示すように、それぞれの両端部に溶着部９９を有している。溶着部９９は、配管５３の直径が他の配管よりも大きく形成され、これにより他の配管の溶着部と溶着可能になっている。各配管５３は、固定具５１２の外部において他の配管と溶着されて接続される。なお、他の配管とは、例えば冷蔵用の蒸発器、冷凍用の蒸発器、コンプレッサに接続されている配管を示す。

　固定カバー８１と補強部材８２との間、具体的には固定カバー８１の幅方向の端部と補強部材８２の幅方向の端部との間には、図２９～図３１に示すように、第一シール部材１０１が設けられている。第一シール部材１０１は、固定具５１１に設けた第一シール部材７１と同様に構成されている。

　補強部材８２と右側断熱壁３１３との間、および補強部材８２と背側断熱壁３１５との間には、図２９～図３１に示すように、第二シール部材１０２が設けられている。第二シール部材１０２は、固定具５１１側に設けられた第二シール部材７２と同様に構成されている。

　また、図２２に示すように、右側断熱壁３１３と背側断熱壁３１５とが突き合わされている部分には、第三シール部材１０３が設けられている。第三シール部材１０３は、右側断熱壁３１３と背側断熱壁３１５との突き合わせ部分に設けられた第三シール部材７３と同様に構成されている。

　このように、固定具５１２は、固定カバー８１と補強部材８２とがコーナー用断熱部材８３を挟んで構成されている。コーナー用断熱部材８３は、収容部９８に配管５３を収容している。固定カバー８１は、幅方向の端部を、補強部材８２の幅方向の端部に合わせた状態で、貫通孔８４にねじ５７が通される。貫通孔８４に通されたねじ５７は、補強部材８２のねじ穴６１にねじ込まれる。これにより、固定カバー８１は、補強部材８２に固定される。そして、固定カバー８１が補強部材８２に固定されることにより、コーナー用断熱部材８３および配管５３も、固定具５１の内部に固定される。

　この場合、固定カバー８１、補強部材８２、コーナー用断熱部材８３、および配管５３は、一体化した構成となる。そして、第二仕切り部材３８の右後端部は、上固定カバー８１１と下固定カバー８１２との間に入り込み、上コーナー用断熱部材８３１と下コーナー用断熱部材８３２との接続部分に接触している。このように、固定具５１２の分割部分は、第二仕切り部材３８の右後端部によって覆われている。

　また、右側断熱壁３１３および背側断熱壁３１５は、第二シール部材１０２を介して補強部材８２に対向している。これにより、隣り合う右側断熱壁３１３と背側断熱壁３１５とが固定具５１２によって連結固定されるとともに、右側断熱壁３１３と背側断熱壁３１５とで形成される角度が、補強部材８２の直角部分に対応した９０°に保持される。すなわち、補強部材８２は、隣り合う右側断熱壁３１３と背側断熱壁３１５との角度を９０°に保持する角度保持部として機能している。

　配管５３は、図３２に示すように、第二仕切り部材３８の右端縁部と右部内板２４との間を通してもよい。この場合、内箱１４の内部において、第二仕切り部材３８の面仕切り部４５と内箱１４の右部内板２４との間には、仕切り部用断熱部材１０５が設けられている。仕切り部用断熱部材１０５は、例えば発泡スチロールなどで構成され、断熱部材として機能する。仕切り部用断熱部材１０５は、第二仕切り部材３８の右端縁部に沿って前後方向へ長い四角柱状に形成されている。仕切り部用断熱部材１０５は、凹部１０６を有している。凹部１０６は、仕切り部用断熱部材１０５の右部内板２４側が開口した凹形状に形成されている。配管５３の一部は、仕切り部用断熱部材１０５の凹部１０６の内側に設けられる。この場合、詳細は図示しないが、配管５３を次のように配置してもよい。

　例えば、２本の配管５３は、それぞれ固定具５１２の上端部から上コーナー用断熱部材８３１の収容部９８内に入って下方へ延びる。その後、配管５３は、それぞれ上コーナー用断熱部材８３１と下コーナー用断熱部材８３２との接続部分から収容部９８の外側前方へ出る。そして、配管５３は、それぞれ仕切り部用断熱部材１０５の凹部１０６内側を通り、第二仕切り部材３８の右端縁部に沿って前方へ延びる。その後、配管５３は、それぞれ第二仕切り部材３８の前端部で後側へ折り返し、再び凹部１０６内側を第二仕切り部材３８の右端縁部に沿って後方へ延びる。そして、配管５３は、それぞれ上コーナー用断熱部材８３１と下コーナー用断熱部材８３２との接続部分から下コーナー用断熱部材８３２の収容部９８の内側へ入る。その後、配管５３は、開口部８６、８８から出て、冷蔵用冷却器および冷凍用冷却器にそれぞれ接続される。

　なお、図示はしないが、内箱１４の内部において、第二仕切り部材３８の面仕切り部４５と内箱１４の左部内板２５との間にも、仕切り部用断熱部材１０５と同様の構成の部材を設け、上述の配管５３と同様に、電線５２を第二仕切り部材３８の左端縁部に沿って配置してもよい。

　この実施形態による冷蔵庫の断熱箱体１２の組立て手順を図１および図３３を参照して説明する。
　まず、図１に示す断熱壁３１および固定具５１をそれぞれ製作する。次に、図３３に示すように、隣り合う２つの断熱壁３１のうちの一方、例えば左側断熱壁３１４に固定具５１１をねじ５７により取り付ける。次に、左側断熱壁３１４と固定具５１１とが一体化されたものに対し、背側断熱壁３１５を取り付ける。これにより、隣り合う断熱壁３１、この場合、左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とは連結固定され、内箱１４の右奥側のコーナー部が形成される。この場合、左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とで形成される隣り合う壁の角度は、補強部材５５の直角部分に対応して９０°に保持される。内箱１４の他のコーナー部も、断熱壁３１と固定具５１とを連結固定することにより形成される。これにより、隣り合う断熱壁３１の角度が９０°である内箱１４が形成され、直方体の断熱箱体１２が形成される。

　このように、固定具５１は、隣り合う断熱壁３１の角度を所定の値、例えば９０°に規定する。なお、隣り合う断熱壁３１の角度を９０°にするだけではなく、この場合、隣り合う断熱壁３１の角度がほぼ９０°に調整され、断熱箱体１２の各角部がほぼ９０°となっていればよい。すなわち、固定具５１が規定する角度は、厳密である必要はなく、製造過程で生じる一般的な誤差の範囲で許容される。

　このように組立てられた断熱箱体１２に対して、第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８を所定の位置に取り付ける。これにより、断熱箱体１２の内側に、冷蔵室３９、野菜室４０、製氷室４１、第一冷凍室４２、および第二冷凍室４３が形成される。そして、右側断熱壁３１３および左側断熱壁３１４の前端部は、第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８によって連結固定される。

　上記構成によれば、次の効果を奏する。
　上記構成によれば、電線５２および配管５３は、断熱箱体１２の収容空間に設けられている。つまり、電線５２および配管５３は、断熱壁３１の内部には設けられていない。そのため、断熱壁３１の内部において、電線５２および配管５３を収容するための空間の確保を考慮する必要がない。これにより、断熱壁３１は、第二断熱部材１５１よりも断熱性能に優れる第一断熱部材１５の厚さを極力厚くすることができる。その結果、冷蔵庫は、断熱性能に優れるとともに庫内スペースを十分に確保することができる。

　電線５２および配管５３は、内箱１４の後部、この場合、断熱箱体１２の後奥側のコーナー部に設けられている。このため、電線５２および配管５３は、庫内に食品を収容する際の邪魔になり難い。

　固定具５１の直上には、機械室２１へ繋がる上側離間部２１１が設けられている。また、固定具５１の直下には、部品収容室２１２へ繋がる下側離間部２１３が設けられている。このため、固定具５１内を通る電線５２および配管５３を、上下の離間部２１１、２１３を通して機械室２１および部品収容室２１２へ容易に導くことができる。これにより、電線５２および配管５３は、機械室２１および部品収容室２１２内で容易に他の電線および配管と接続することができる。

　また、離間部２１１の第二断熱部材１５１を貫いて機械室２１と連通する連通孔２１１ａは、固定具５１の上方に設けられている。そのため、電線５２および配管５３は、上下方向へ延ばすことができる。その結果、電線５２および配管５３の配置が容易になる。

　第二断熱部材１５１は、充填可能に構成されている。このため、連通孔２１１ａを容易に形成することができる。また、配管５３の迂回路５３１を、第二断熱部材１５１で容易に覆うことができる。

　内箱１４のコーナー部に設けられた電線５２および配管５３は、固定具５１の固定カバー５４、８１によって覆われている。そのため、貯蔵室内の食品が、電線５２や配管５３に接触してしまうことを極力防止することができる。さらに、電線５２および配管５３は、使用者から視認されないため、貯蔵室の内部の意匠性を良好にすることができる。

　冷蔵庫１１の断熱箱体１２は、複数に分割された断熱壁３１を組み合わせて、隣り合う２つの断熱壁３１を固定具５１で連結固定することによって構成される。これによれば、従来のように予め立体的な内箱に断熱部材を設ける構成よりも、冷蔵庫１１の組立て作業が容易となる。

　断熱部材１５は、真空断熱パネルから構成されている。そのため、真空断熱パネルによる高い断熱効果が得られるとともに、断熱箱体１２を構成する断熱壁３１を薄くすることができ、その結果、庫内スペースを大きいものとすることができる。

　固定具５１の補強部材５５、８２は、隣り合う断熱壁３１の角度が９０°に保持する角度保持部として機能する。これにより、内箱１４を直方体に形成することができる。また、断熱箱体１２は、内箱１４の角部が９０°に保持される構成であることから、断熱壁３１の組み合わせが容易となる。

　固定具５１は、隣り合って離間している２つの第一断熱部材１５に対向する位置で固定されている。このため、第一断熱部材１５は、固定具５１を基準にして固定することができる。その結果、隣り合う断熱壁３１の角度を９０°に保持し易い。

　右側断熱壁３１３および左側断熱壁３１４は、上下方向の中央寄り部分において第一仕切り部材３７および第二仕切り部材３８によって連結固定されている。したがって、右側断熱壁３１３の前端部と左側断熱壁３１４の前端部とが強固に固定される。これにより、内箱１４の前側開口部が左右方向に開いてしまうことを抑制できる。さらに、内箱１４のねじれを抑制することができ、内箱１４および断熱箱体１２を直方体に保つことができる。

　内箱１４のコーナー部には、コーナー用断熱部材５６、８３が設けられている。これにより、コーナー部での断熱効果を高めることができる。また、コーナー用断熱部材５６、８３は、固定具５１に覆われているため、上述と同様に、貯蔵室の内部の意匠性を良好にすることができる。

　コーナー用断熱部材５６、８３は、隣り合う断熱壁３１の突き合わせ部分を覆うように配置されている。つまり、断熱性能が比較的低く成り易い２つの断熱壁３１の突き合わせ部分は、コーナー用断熱部材５６、８３によって断熱性能が補われる。これにより、断熱箱体１２全体の断熱性能の向上が図られる。

　固定具５１は、筒状に形成され、筒状の内側に、電線５２または配管５３、およびコーナー用断熱部材５６、８３が収容されている。これにより、電線５２、配管５３およびコーナー用断熱部材５６、８３は、使用者から視認されないため、貯蔵室の内部の意匠性をより一層良好にすることができる。

　固定具５１は、断面がＬ字状に形成された補強部材５５、８２を有している。これにより、固定具５１は、例えばねじれや折れ曲がりなどの変形に対する強度の向上が図られる。また、固定具５１は、断面Ｌ字状の補強部材５５、８２に固定カバー５４、８１が設けられる構成であるため、容易に筒状に形成することができる。

　電線５２および配管５３は、コーナー用断熱部材５６、８３の収容部６７、９８によって保持されているので、電線５２および配管５３が所定の位置からずれてしまうことを抑制することができる。

　固定具５１１の固定カバー５４は、開口部５９、６０を有している。固定具５１１に通された電線５２は、開口部５９、６０を通って貯蔵室側へ導かれる。これにより、電線５２は、開口部５９、６０から貯蔵室側へ出て固定具５１１の外側すなわち貯蔵室側にある電線と接続することができる。特に、電線５２は、固定具５１１の開口部５９、６０から出た端部に、他の電線と接続するための接続部６８を有している。これにより電線５２は、固定具５１１の外側で他の電線と容易に接続することができる。

　固定具５１２の固定カバー８１は、開口部８６、８８を有している。固定具５１２に通された配管５３は、開口部８６、８８を通って貯蔵室側へ導かれる。これにより、配管５３は、開口部８６、８８から貯蔵室側へ出て貯蔵室側にある配管と接続することができる。特に、配管５３は、固定具５１２の開口部８６、８８から出た端部に、他の配管と溶着するための溶着部９９を有している。これにより配管５３は、固定具５１２の外側で他の配管と容易に溶着して接続することができる。

　また、電線５２は固定具５１１に一体化され、配管５３は固定具５１２に一体化されている。この場合、断熱壁３１を固定具５１で連結固定する際に、電線５２および配管５３も断熱壁３１の所定のコーナー部に設けられる。これにより、電線５２および配管５３の組み立て作業を簡素化することができる。

　電線５２は、内箱１４の左奥側のコーナー部に設けられて、固定具５１１に覆われている。配管５３は、内箱１４の右奥側のコーナー部に設けられて、固定具５１２に覆われている。これにより、電線５２は、配管５３によって冷やされることを低減することができる。

　また、配管５３の一部を、第二仕切り部材３８の右縁部に沿って配置した場合、固定具５１を大きくすることなく配管５３を長くすることができる。これにより、配管５３がサクションパイプである場合、貯蔵室の収納スペースを十分に確保しつつ、配管５３の長さを確保して熱交換の効率を向上させることができる。

　固定カバー５４、８１と補強部材５５、８２との間には、それぞれ第一シール部材７１、１０１が設けられている。第一シール部材７１、１０１は、固定具５１１、５１２の内部に冷気が流入してしまうことを抑制する。これにより、固定具５１の内部の部品、例えば電線５２などに結露が生じることを抑制することができる。

　断熱壁３１と固定具５１との間には、第二シール部材７２、１０２が設けられている。第二シール部材７２、１０２は、それぞれ補強部材５５、８２と断熱壁３１との間をシールする。すなわち、第二シール部材７２、１０２は、それぞれ補強部材５５、８２と断熱壁３１との間の気密性を高めている。これにより、隣り合う２つの断熱壁３１の突き合わせ部分を通って、断熱箱体１２の内部すなわち貯蔵室に対して空気が出入りすることを抑制する。したがって、貯蔵室内の冷気が断熱箱体１２の外部へ漏れ出ることが低減できるとともに、断熱箱体１２の外部の暖気が貯蔵室内に流入することを低減することができる。

　隣り合う２つの断熱壁３１の突き合わせ部分、例えば右側断熱壁３１３と背側断熱壁３１５との間、および左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５との間には、第三シール部材７３、１０３が設けられている。これにより、断熱箱体１２の内部と外部とを十分に断熱することができ、その結果、断熱箱体１２の内部を効率よく冷却することができる。

　固定具５１は、コーナー部に沿って延びる方向において複数この場合２つに分割されている。このため、固定具５１の取扱いが容易になる。また、固定具５１の分割部分には、第二仕切り部材３８が配置されている。これにより、貯蔵室内の冷気が第二仕切り部材３８の分割部分から固定具５１の内部に入ることを抑制することができる。

　断熱壁３１は、外板１６～２０と内板２２～２６との間に第一断熱部材１５を挟んで構成されている。第一断熱部材１５は、薄く断熱性能に優れる真空断熱パネルで構成されている。このため、断熱壁３１は、真空断熱パネルによる高い断熱性能が得られるとともに、その厚さを薄くすることができる。このため、断熱箱体１２は、例えばウレタンなどの断熱材を用いたものに比べて外形寸法が同じであれば、内容積を大きなものとすることができる。

　離間部２１１内には、第二断熱部材１５１が充填されている。このため、断熱壁３１の強度を高めることができる。
　そして、断熱箱体が分割されていない従来構成では、例えば内箱または外箱を箱状に組み立てた後、それぞれを組み合わせているので、組立てが大型で大がかりなものとなっていた。本願構成では、断熱箱体１２は、分割された複数の断熱壁３１を組み合わせて構成されるため、組立てを小型化することができる。

（第二実施形態）
　次に、第二実施形態について、図３４を参照して説明する。なお、第二実施形態で説明する内箱１４の左奥側のコーナー部の構成は、他のコーナー部にも適用することができる。
　第二実施形態の固定具１１１は、補強部材を有していない。固定具１１１は、第一実施形態の固定カバー５４とほぼ同様な形状の板部材であって、内箱１４のコーナー部に沿って延びるように形成されている。この実施形態では、隣り合う２つの断熱壁３１、この場合、左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とは、固定具１１１に対して図示しないねじによって固定されている。すなわち、隣り合う２つの断熱壁３１は、固定具１１１によって連結固定されている。

　固定具１１１は、２つの延出部１１２、１１３を有している。延出部１１２、１１３は、それぞれ固定具１１１の短手方向すなわち幅方向の両端部に設けられている。延出部１１２、１１３は、近接する内板２２～２６、この場合、左側断熱壁３１４の左部内板２５、および背側断熱壁３１５の背部内板２６に対向して延びるように形成されている。すなわち、延出部１１２は、左部内板２５に沿って断熱箱体１２の前側へ向かって延びている。延出部１１３は、背部内板２６に沿って断熱箱体１２の右側へ向かって延びている。

　この場合、延出部１１２の左部内板２５側の面を背側断熱壁３１５側へ延長した面は、延出部１１３の背部内板２６側の面を左側断熱壁３１４側へ延長した面に対して直交している。したがって、隣り合う左側断熱壁３１４および背側断熱壁３１５は、固定具１１１によって連結固定されると、左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とで形成される隣り合う壁の角度が９０°に規定される。この場合、固定具１１１の延出部１１２、１１３は、角度保持部として機能する。

　延出部１１２、１１３と、内箱１４の近接する内板２５、２６との間には、第四シール部材１１４が設けられている。第四シール部材１１４は、第二シール部材７２、１１２と同様に構成されている。

　また、内箱１４のコーナー部と固定具１１１とで形成される三角柱状の空間、この場合、左部内板２５と背部内板２６と固定具１１１とによって形成された、水平方向の断面が三角形状の空間には、第二コーナー用断熱部材１１５が設けられている。この場合、固定具１１１は、第二コーナー用断熱部材１１５は、固定具１１１に覆われている。第二コーナー用断熱部材１１５は、発泡スチロールなどの断熱部材で構成され、三角柱状に形成されている。

　第二コーナー用断熱部材１１５は、収容部１１６を有している。収容部１１６は、第二コーナー用断熱部材１１５を左部内板２５側から凹状に窪ませて形成されている。収容部１１６は、第二コーナー用断熱部材１１５の長手方向へ延びている。電線５２は、収容部１１６の内部に設けられ、当該収容部１１６に保持されている。この場合、収容部１１６は、電線５２を保持する保持部として機能する。

　上記構成によれば、補強部材を有さない構成の固定具１１１を用いることによっても隣り合う２つの断熱壁３１を連結固定することができる。
　固定具１１１は、互いの延長面が直交する延出部１１２、１１３を有している。このため、内箱１４の隣り合う内板の角度は９０°に保持される。これにより、内箱１４すなわち断熱箱体１２を直方体に形成することができる。

　延出部１１２、１１３と断熱壁３１との間には、第四シール部材１１４が設けられている。このため、貯蔵室内の冷気が断熱箱体１２の外側に漏れることが抑制できるとともに、断熱箱体１２の外部の暖気が貯蔵室内に流入することが抑制できる。
　電線５２は、第二コーナー用断熱部材１１５の収容部１１６内に収容されている。したがって、電線５２が所定の位置からずれてしまうことを極力防止することができる。

（第三実施形態）
　次に、第三実施形態について、図３５を参照して説明する。なお、第三実施形態で説明する内箱１４の右奥側のコーナー部の構成は、他のコーナー部にも適用することができる。
　第三実施形態では、図３５に示すように、断熱部材１２０は、第一断熱部材１２１と、第二断熱部材１２２とから構成されている。第一断熱部材１２１は、真空断熱パネルで構成されている。第一断熱部材１２１は、内箱１４の内板２２～２６の外面側に接着して配置されている。第二断熱部材１２２は、第一断熱部材１２１よりも熱伝導率が高い部材、換言すれば、第一断熱部材１２１よりも断熱性能が低い部材で構成されている。例えば、第二断熱部材１２２は、ソフトテープまたはウレタンなどの発泡断熱材などである。

　第二断熱部材１２２は、外箱１３と内箱１４との間にあって、第一断熱部材１２１の周囲を覆っている。この場合、第二断熱部材１２２は、断熱部材１２０が収容される空間のうち、第一断熱部材１２１が配置されている以外の空間に配置されている。つまり、第二断熱部材１２２は、断熱箱体１２のコーナー部、すなわち第一実施形態における第三シール部材７３に相当する箇所にも設けられている。この場合、第一断熱部材１２１は、断熱部材１２０が収容される空間の総容積の５０％以上、より好ましくは８０％以上を占めている。

　すなわち、第二断熱部材１２２の体積は、第一断熱部材１２１の体積よりも小さく設定されている。また、図３５に示すように、第一断熱部材１２１の板厚をＴ_１とし、第二断熱部材１２２の板厚をＴ_２とし、配管５３の外径をＴ_３とすると、Ｔ_１＞Ｔ_３＞Ｔ_２となるように設定されている。ここでいう板厚とは、断熱壁３１の水平方向の断面において、外箱１３と内箱１４の断面方向の厚さである。つまり、第二断熱部材１２２の板厚とは、第一断熱部材１２１と、第一断熱部材１２１に対向する外箱１３の内側面、例えば図３５では右部外板１８との距離を示す。また、発泡断熱材においては、固化後の厚さである。

　上記構成によれば、第一断熱部材１２１および第二断熱部材１２２の両方の断熱部材を用いた冷蔵庫を得ることができる。この場合も、電線５２および配管５３は、断熱箱体１２の収容空間の奥側コーナー部に設けられている。そして、第二断熱部材１２２よりも断熱効果の優れる第一断熱部材１２１の体積を大きくしている。これにより、断熱箱体１２の壁を薄くしつつ高い断熱性能を得ることができ、その結果、収納スペースを十分に確保することができる。

　つまり、断熱壁３１の内部において、例えば第一断熱部材１２１と外箱１３との間に配管５３を収容する空間を確保しようとすると、第一断熱部材１２１の板厚Ｔ_１を薄くするか、第二断熱部材１２２の板厚Ｔ_２を大きくする必要がある。前者では断熱箱体１２の断熱性能が低下し、後者では断熱壁３１の厚さ寸法が大きくなって収容スペースの低減に繋がる。そこで本実施形態では、配管５３を、貯蔵室の内部の後方、この場合内箱１４の右奥側のコーナー部に収容している。これにより、断熱箱体１２は、第一断熱部材１２１の板厚Ｔ_１を小さくする必要がないため、良好な断熱性能を得ることができる。さらに、断熱箱体１２は、第二断熱部材１２２の板厚Ｔ_２を大きくする必要がないため、断熱壁３１の厚さ寸法を増大させることなく十分な収容スペースを確保することができる。

　すなわち、本実施形態のように、配管５３の外径Ｔ_３が、第二断熱部材１２２の板厚Ｔ_２よりも大きい場合、配管５３は、断熱壁３１の内部、特には第一断熱部材１２１と外箱１３との間に収容することができない。この場合、配管５３を収容空間例えば貯蔵室の内部に収容し、第一断熱部材１２１の板厚Ｔ_１を第二断熱部材１２２の板厚Ｔ_２よりも大きくすることができ、断熱箱体１２の断熱性能を良好なものとすることができる。

　第一断熱部材１２１として、真空断熱パネルを用いることにより、良好な断熱性能が得られる。また、板厚が小さい真空断熱パネルでも断熱効果が良好であるため、断熱箱体１２の壁を薄くでき、収納スペースを十分に確保することができる。

　第二断熱部材１２２として、発泡断熱材、この場合ウレタンを用いることにより、第一断熱部材１２１同士の間、第一断熱部材１２１と外箱１３との間、第一断熱部材１２１と内箱１４との間を埋めることができる。これにより、断熱箱体１２全体の断熱効果を良好にすることができる。
　なお、上記では配管５３の外径をＴ_３として説明したが、内箱１４の左奥側のコーナー部において、電線５２すなわち複数の電線の束の外径をＴ_３としてもよい。

（その他の実施形態）
　内箱のコーナー部に電線５２および配管５３が設けられる構成としたが、これに限られず、例えばホースなど電線５２および配管５３以外の部品を設け、この部品を固定具５１で覆う構成としてもよい。

　固定具５１は、長手方向に複数に分割される構成とした。しかし、固定具５１は、例えば仕切り部材を有しないコーナー部や、長さの短いコーナー部に設けられる場合、長手方向に複数に分割しなくてもよい。

　第一実施形態の固定具５１は、第二実施形態の固定具１１１の延出部１１２、１１３を有していてもよい。この場合、固定具５１と内箱１４との間には、第二シール部材７２に代えて第四シール部材１１４を設ければよい。

　電線５２の一部および配管５３の一部は、第二仕切り部材３８と背部内板２６との間を、第二仕切り部材３８の後端縁部に沿って左右方向へ配置されていてもよい。また、電線５２の一部および配管５３の一部は、第一仕切り部材３７の縁部に沿って前後方向または左右方向へ延びるように配置されていてもよい。

　面仕切り部４５は、断熱部材として、真空断熱パネルや、ウレタン、発泡スチロールなどを用いることができる。また、面仕切り部４５は、断熱部材を上下から樹脂製または金属製の板で挟む構成とすることができる。

　仕切り補強板４４２は、仕切り板４４１が十分に強度を有するものであれば、省略してもよい。
　隣り合う２つの断熱壁３１は、上記各実施形態における固定具５１、１１１による連結固定に加えて、ねじなどによって連結固定してもよい。

　上記した断熱箱体１２の組立て手順は一例に過ぎず、次のように変更してもよい。例えば、背側断熱壁３１５に固定具５１、１１１を取り付け、その後、右側断熱壁３１３あるいは左側断熱壁３１４を、固定具５１、１１１に取り付ける。

　各シール部材７１、７２、７３、１０１、１０２、１１４は、ソフトテープに限られず、シリコンシーラーなどを用いてもよい。
　内箱１４の右奥側のコーナー部に、第二コーナー用断熱部材１１５を設け、第二コーナー用断熱部材１１５の収容部１１６の内部に配管５３を収容する構成としてもよい。

　冷蔵庫１１は、ミスト放出手段を備えていてもよい。ミスト放出手段は、静電霧化によって生成されたミストを、貯蔵室の内部に噴出する。ミストの直径は１～１０００ｎｍであることが好ましい。この場合、隣り合う２つの断熱壁３１によって形成されるコーナー部に固定具５１、１１１が設けられることにより、隣り合う断熱壁３１の間からミストが庫外に放出されることを抑制することができる。

　固定具５１、１１１は、内箱１４の一の内板に一体に形成してもよい。
　断熱壁３１は、側面あるいは上面などから見て、Ｌ字状、Ｕ字状に形成されていてもよい。すなわち、固定具５１、１１１は、板状の断熱壁３１同士を連結固定するのみではなく、板状以外の断熱壁同士、板状の断熱壁と板状以外の断熱壁とを連結固定するものとしてもよい。

　断熱壁３１の第一断熱部材１５すなわち真空断熱パネルは、必ずしも内箱１４の内板に一体的に設ける必要はなく、外箱１３の外板に一体的に設けてもよい。つまり、第一断熱部材１５は、内箱１４の内板または外箱１３の外板のどちらか一方に接して設けられていればよい。

　断熱箱体１２は、例えば次のように組み立ててもよい。まず、固定具５１によって内板２２～２６を連結固定して箱状の内箱１４を形成する。この内箱１４とは別に、外箱１３に第一断熱部材１５を取り付けておく。そして、内箱１４を、外箱１３と第一断熱部材１５とが一体化されたものに取り付けることで、断熱箱体１２を形成する。この場合、内箱１４を構成する内板は、平板状に限られず、例えば上面から見てＬ字状であってもよい。

　連通孔２１１ａは、上側断熱壁３１１の後端部側が開口したスリットであることが好ましい。これによれば、電線５２および配管５３は、上側断熱壁３１１の後端部後方から連通孔２１１ａの前記開口を通して配置することができる。そのため、電線５２および配管５３は、それぞれの端部を離間部２１１の下方から連通孔２１１ａに通す必要がないため、作業がし易い。また、連通孔２１１ａは、前記スリット形状であれば、連通孔２１１ａの内径を接続部６８および溶着部９９よりも大きくする必要はない。このため、連通孔２１１ａの内径を極力小さいものとすることができる。

　この場合、右側断熱壁３１３と左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とを、固定具５１によって固定した後、電線５２および配管５３を連通孔２１１ａに挿入して上側断熱壁３１１を取り付ける。このとき、連通孔２１１ａは、固定具５１によって一体化された右側断熱壁３１３と左側断熱壁３１４と背側断熱壁３１５とに対して、上側断熱壁３１１の位置を決定する位置決め部として機能する。これにより、断熱箱体１２の組み立てが容易になる。底側断熱壁３１２についても同様である。

　なお、連通孔２１１ａは、固定具５１の真上に位置していなくてもよく、例えば、背側断熱壁３１５の断熱部材１５上に位置してもよい。これによれば、連通孔２１１ａのスリット形状を短くすることができ、発泡ウレタンの充填時に、発泡ウレタンが連通孔２１１ａから漏れ出ることを低減することができる。

　また、この場合、背側断熱壁３１５の上端部、具体的には背側断熱壁３１５の断熱部材１５と、上側断熱壁３１１の上部外板１６との間を離間部２１１とし、電線５２および配管５３を固定具５１から背側断熱壁３１５の背部外板２０側へ屈折させて離間部２１１を通過させる。これにより、電線５２および配管５３を背側断熱壁３１５の断熱部材１５の連通孔２１１ａに挿入させることができる。
　なお、配管５３の迂回路５３１は、機械室２１に収容してもよい。

　以上のように、上記実施形態の冷蔵庫において、電線および配管は、断熱箱体の収容空間に設けられており、断熱壁の内部には設けられていない。そのため、断熱壁の内部において、電線および配管を収容するための空間の確保を考慮する必要がない。これにより、断熱壁は、第二断熱部材よりも断熱性能に優れる第一断熱部材の厚さを極力厚くすることができる。その結果、冷蔵庫は、断熱性能に優れるとともに庫内スペースを十分に確保することができる。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims

　箱状に形成され、その箱状の内側に収容空間を有する断熱箱体と、
　電線または配管と、を備え、
　前記断熱箱体を構成する断熱壁は、外板と内板との間に定形性を有する第一断熱部材を挟んで構成され、または前記外板と前記内板との間に前記第一断熱部材を挟むとともに充填可能な第二断熱部材を充填して構成され、
　前記電線または前記配管は、前記収容空間に設けられている冷蔵庫。
　前記電線または前記配管は、前記収容空間の後部に設けられている請求項１記載の冷蔵庫。
　前記断熱箱体は、
　前記収容空間の外部に設けられた機械室と、
　前記収容空間と前記機械室との間にあって隣り合った前記断熱部材の間に形成された離間部と、を有し、
　前記電線または前記配管は、前記離間部を通して前記機械室から前記収容空間に導かれている請求項１または２記載の冷蔵庫。
　前記電線または前記配管は、前記断熱箱体のコーナー部に設けられている請求項１から３のいずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記電線または前記配管を覆うカバーをさらに備えている請求項１から４のいずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記断熱箱体は、複数の断熱壁を組み合わせて構成され、
　隣り合う前記断熱壁を連結固定する固定具をさらに備えている請求項１から５のいずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記第一断熱部材の体積は、前記第二断熱部材の体積よりも大きい請求項１から６のいずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記第二断熱部材の厚さは、前記電線または前記配管の外径よりも小さい請求項１から７のいずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記第二断熱部材は、発泡断熱材である請求項１から８のいずれか一項記載の冷蔵庫。
　前記第一断熱部材は、真空断熱パネルである請求項１から９のいずれか一項記載の冷蔵庫。