WO2012150624A1 - エレベータのドア開閉装置 - Google Patents
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- B66B13/06—Door or gate operation of sliding doors
- B66B13/08—Door or gate operation of sliding doors guided for horizontal movement
Abstract
かご全体の高さ寸法を抑えるために駆動モータがブラケットを介して上部フレームの正面に取り付けられたとしても、エレベータの保守点検にあたり、駆動モータ-ブラケット構造体が足場として利用されるのを好適に防止することができるようにする。かごの出入口にかごドアが開閉自在に設けられ、該かごドアに伝達機構を介して駆動モータが連結されるエレベータのドア開閉装置において、前記駆動モータは、かごの出入口の上方に設けられた上部フレームの正面にブラケットを介して取り付けられ、且つ、駆動モータ-ブラケット構造体の上部が傾斜状となっている。
Description
本発明は、エレベータのかごに設けられたかごドアの開閉を行うエレベータのドア開閉装置に関する。
エレベータは、図8に示す如く、建築物内に昇降路1が設けられ、該昇降路1の所望高さ位置に出入口2が設けられ、該出入口2に臨んで乗場3が設けられると共に、該出入口2に乗場ドア4が設けられ、また、昇降路1内に駆動装置(図示しない)によって昇降自在にかご6が設けられ、該かご6にも出入口7が設けられ、該出入口7にかごドア8が設けられた構造となっている。そして、一般的なエレベータは、乗場ドア4側に突出するようにしてかごドア8に係合部9が設けられる一方、かごドア8側に突出するようにして乗場ドア4に被係合部5が設けられ、かご6が乗場3の位置に到来すると、係合部9と被係合部5とが係合し、かご6側に設けられたドア開閉装置によってかごドア8が開閉されると、これに伴い、乗場ドア4も一緒に開閉する構造となっている。
この種のドア開閉装置は、図9に示す如く、かご6の出入口7の間口方向(図9の左右方向)に沿って延びる上部フレーム10の上面に取り付けられた駆動モータ30と、上部フレーム10の正面の一端側に取り付けられた減速プーリ32であって、駆動モータ30の駆動軸に取り付けられたモータプーリ31よりも径が大きい減速プーリ32と、該減速プーリ32と同軸且つ一体に設けられた駆動プーリ33と、上部フレーム10の正面の他端側に取り付けられた従動プーリ34と、モータプーリ31及び減速プーリ32間に巻き掛けられた無端ベルトからなる減速ベルト35と、駆動プーリ33及び従動プーリ34間に巻き掛けられた無端ベルトからなる駆動ベルト36とを備える。
また、上部フレーム10の正面にドアレール11が取り付けられ、かごドア8は、ドアハンガ12に取り付けられた一対のローラ13,13がドアレール11上に載置されることで、ドアハンガ12を介してドアレール11に吊り下げられており、かかる状態で、かごドア8は、ドアハンガ12及び該ドアハンガ12に取り付けられた連結具37を介して前記ドア開閉装置の駆動ベルト36に連結されている。
従って、駆動モータ30によりモータプーリ31が回転すると、減速ベルト35を介して減速プーリ32に回転が伝達され、減速プーリ32と共に駆動プーリ33が回転し、これに伴い、駆動ベルト36が循環し、連結具37及びドアハンガ12を介してかごドア8がドアレール11に沿って往復動して、かごドア8が開閉される。尚、図9に示すエレベータは、駆動ベルト36の一辺側に一方のかごドア8が連結され、駆動ベルト36の他辺側に他方のかごドア8が連結されているため、一対のかごドア8,8が互いに相反する方向に移動する構成となっている。即ち、図9に示すエレベータは、かご6の出入口7が中央から開く、いわゆるセンターオープンタイプのエレベータである。
ところで、上記従来のドア開閉装置では、駆動モータ30が上部フレーム10の上面に取り付けられているため、かご6全体の高さ寸法が大きくなるという問題がある。かかる問題を解決する手段として、駆動モータ30を上部フレーム10の上面から上方にはみ出さないように配置する、具体的には、駆動モータ30を例えばブラケットを介して上部フレーム10の正面に取り付けることにより、駆動モータ30を上部フレーム10の正面側に配置するといった方法が極めて有効である。
しかしながら、かかる方法によって新たな問題が生じることが予測される。それは、保守員がエレベータの保守点検を行う際における問題である。
通常、保守員が行うエレベータの保守点検の作業手順としては、まず、かご6に乗り込み、かご6内の運転スイッチを手動に切り換え、かごドア8の係合部9と乗場ドア4の被係合部5とが係合しない位置までかご6を下降させる。そして、かごドア8及び乗場ドア4を開いて乗場3に出る。次に、保守運転装置をかご6の上方に設けられた制御装置に接続した後、保守運転装置の短絡スイッチを押して全ての乗場ドア4のスイッチを短絡状態にする。次に、保守運転装置の下降ボタンを押して乗場3からかご6の上に乗り込める位置までかご6を下降させる。かかる状態で、保守運転装置を取り外し、かご6の上に乗り込み、保守運転装置を再度接続した後、かご6の上で保守運転装置を操作しながら昇降路1内の設備機器の保守点検を行っていく。また、かご6の上に乗り込んでの作業が終わるか、あるいはこれに先立ち、乗場ドア4を開いた状態で乗場3からドア開閉装置の保守点検を行う。
そのため、上述の方法に従い、駆動モータ30がブラケットを介して上部フレーム10の正面に取り付けられていると、保守員が乗場3からかご6の上に乗り込む際、駆動モータ30やブラケットが足場にされてしまう。そうなると、ブラケットに過大な荷重が加わってブラケットが曲がり、駆動モータ30が傾いて駆動モータ30の駆動軸(モータプーリ31)の芯がずれ、ドア開閉装置に不具合が生じるおそれがある。
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたもので、かご全体の高さ寸法を抑えるために駆動モータがブラケットを介して上部フレームの正面に取り付けられたとしても、エレベータの保守点検にあたり、駆動モータ-ブラケット構造体が足場として利用されるのを好適に防止することができるエレベータのドア開閉装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係るエレベータのドア開閉装置は、かごの出入口にかごドアが開閉自在に設けられ、該かごドアに伝達機構を介して駆動モータが連結されるエレベータのドア開閉装置において、前記駆動モータは、かごの出入口の上方に設けられた上部フレームの正面にブラケットを介して取り付けられ、且つ、駆動モータ-ブラケット構造体の上部は傾斜状となっていることを特徴とする。
かかる構成によれば、駆動モータ-ブラケット構造体の上部は傾斜状となっているため、エレベータの保守点検にあたり、保守員がかごの上に乗り込む際、駆動モータ-ブラケット構造体の上部に足をかけようとしても、うまく足をかけることができない。保守員はそのような状態を忌避するため、駆動モータ-ブラケット構造体が足場として利用されるのを好適に防止することができる。
ここで、本発明に係るエレベータのドア開閉装置においては、前記ブラケットは、上部フレームの正面に直交する軸回りに傾斜した状態で上部フレームの正面に取り付けられ、前記駆動モータは、該ブラケットの下面に取り付けられるように構成することができる。
かかる構成によれば、ブラケットが上部フレームの正面に直交する軸回りに傾斜し、且つ、駆動モータがブラケットの下側に位置することで、駆動モータ-ブラケット構造体の上部、即ち、ブラケットの上面は傾斜状となる。そのため、エレベータの保守点検にあたり、保守員がかごの上に乗り込む際、ブラケットの上面に足をかけようとしても、うまく足をかけることができない。保守員はそのような状態を忌避するため、ブラケットが足場として利用されるのを好適に防止することができる。
この場合、前記ブラケットは、上部フレームの正面への取付部及び前記駆動モータの取付部がかごの出入口の間口幅を規定するオープニングラインよりも内側に配置されるようにして、上部フレームの正面に取り付けられるのが好ましい。
かかる構成によれば、ブラケットを上部フレームの正面から取り外す作業、あるいは駆動モータをブラケットから取り外す作業は、乗場ドアを開いた状態で乗場から可能となるため、かかる作業の作業効率を高めることができる。
また、本発明に係るエレベータのドア開閉装置においては、前記ブラケットは、上部フレームの正面に直交する軸方向に対して傾斜する傾斜部を有し、前記駆動モータは、該ブラケットの下面に取り付けられるように構成することができる。
かかる構成によれば、ブラケットが上部フレームの正面に直交する軸方向に対して傾斜する傾斜部を有し、且つ、駆動モータがブラケットの下側に位置することで、駆動モータ-ブラケット構造体の上部、即ち、ブラケットの上面は傾斜状となる。そのため、エレベータの保守点検にあたり、保守員がかごの上に乗り込む際、ブラケットの上面に足をかけようとしても、うまく足をかけることができない。保守員はそのような状態を忌避するため、ブラケットが足場として利用されるのを好適に防止することができる。
また、本発明に係るエレベータのドア開閉装置においては、前記駆動モータのハウジングは、円形乃至略円形に形成され、該駆動モータは、前記ブラケットの上面に取り付けられるように構成することができる。
かかる構成によれば、駆動モータのハウジングが円形乃至略円形に形成されて、駆動モータの外形が丸みを帯び、且つ、駆動モータがブラケットの上側に位置することで、駆動モータ-ブラケット構造体の上部、即ち、駆動モータの外面は傾斜状となる。そのため、エレベータの保守点検にあたり、保守員がかごの上に乗り込む際、駆動モータの外面に足をかけようとしても、うまく足をかけることができない。保守員はそのような状態を忌避するため、駆動モータが足場として利用されるのを好適に防止することができる。
そして、本発明に係るエレベータのドア開閉装置においては、前記伝達機構は、上部フレームの正面の一端側に取り付けられる駆動プーリと、上部フレームの正面の他端側に取り付けられる従動プーリと、駆動プーリ及び従動プーリ間に巻き掛けられ、かごドアを係止する無端状の駆動ベルトとを備え、前記駆動モータは、駆動プーリを直結するようにして上部フレームの正面に取り付けられるのが好ましい。
かかる構成によれば、従来のドア開閉装置におけるモータプーリ、減速プーリ及び減速ベルトの各構成を無くすことができ、メンテナンス性を向上すると共に、部品点数を削減して工数低減やコスト低減を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、かご全体の高さ寸法を抑えるために駆動モータがブラケットを介して上部フレームの正面に取り付けられたとしても、駆動モータ-ブラケット構造体の上部は傾斜状となっているため、エレベータの保守点検にあたり、駆動モータ-ブラケット構造体が足場として利用されるのを好適に防止することができる。
以下、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図8及び図9に示す従来技術と同じあるいは相当する構成については、同じ符号を付すものとする。
まず、本実施形態に係るエレベータの概要について、図1~図3を参酌しつつ説明する。本実施形態に係るエレベータは、かご6の出入口7が端から開く、いわゆるサイドオープンタイプのエレベータである。即ち、本実施形態に係るエレベータは、一対のかごドア8,8が同じ方向に移動し、但し、一方のかごドア8が他方のかごドア8よりも多く移動する構造となっている。一方のかごドア8は、移動量が多い、即ち、移動速度が速い、ということで、一般的に“ファーストドア”と呼ばれている。他方のかごドア8は、移動量が少ない、即ち、移動速度が遅い、ということで、一般的に“スロードア”と呼ばれている。以下、便宜上、ファーストドアに係る構成には、符号の後に“f”を付し、スロードアに係る構成には、符号の後に“s”を付するものとする。
かごドア8fは、ドアハンガ12fに取り付けられた一対のローラ13f,13fがドアレール11f上に載置されることで、ドアハンガ12fを介してドアレール11fに吊り下げられている。また、かごドア8sは、ドアハンガ12sに取り付けられた一対のローラ13s,13sがドアレール11s上に載置されることで、ドアハンガ12sを介してドアレール11sに吊り下げられている。ドアレール11sは、上部フレーム10の正面に直接取り付けられている。一方、ドアレール11fは、ブラケット14を介して上部フレーム10の正面に取り付けられている。従って、上部フレーム10の正面には、まずドアレール11sが配置され、その次に、ドアレール11fが配置されている。そのため、かごドア8fは、かごドア8sよりも正面側にオフセットした位置に配置される。従って、かごドア8f,8sが開くと、かごドア8fがかごドア8sを覆うようにして両者が重なる。
かごドア8fは、センターオープンタイプと同様、ドアハンガ12f及び該ドアハンガ12fに取り付けられた連結具37を介してドア開閉装置の駆動ベルト36に連結されている。一方、かごドア8sは、減速機構を介してかごドア8fに連結されている。
減速機構は、かご6の出入口7の間口方向に沿って延びるアーム15であって、かごドア8sのドアハンガ12sに取り付けられたアーム15と、該アーム15の一端側及び他端側に取り付けられた一対の減速プーリ16,16と、該一対の減速プーリ16,16間に巻き掛けられた無端ワイヤからなる減速ワイヤ17と、該減速ワイヤ17の一部を上部フレーム10に固定すべく、上部フレーム10の正面に取り付けられたブラケット18とを備える。そして、かごドア8fは、ドアハンガ12f及び該ドアハンガ12fに取り付けられた連結具38を介して減速機構の減速ワイヤ17に連結されている。
従って、駆動モータ30により駆動ベルト36が循環すると、ドアハンガ12fを介してかごドア8fがドアレール11fに沿って移動し、この際、減速ワイヤ17が循環し、これに伴い、アーム15及びドアハンガ12sを介してかごドア8sがドアレール11sに沿って且つかごドア8fの半分の速度で移動して、かごドア8f,8sが開閉される。
尚、いずれのかごドア8f,8sも、その下端にガイドシュー19が設けられている。該ガイドシュー19は、かご敷居(かご床面)20に形成された溝に嵌り込み、かごドア8f,8sの開閉に伴って、溝内をスライドするようになっている。
ここで、本実施形態に係るドア開閉装置は、上部フレーム10の正面の一端側に配置された駆動モータ30と、該駆動モータ30の駆動軸に取り付けられた駆動プーリ33と、上部フレーム10の正面の他端側に取り付けられた従動プーリ34と、駆動プーリ33及び従動プーリ34間に巻き掛けられた無端ベルトからなる駆動ベルト36とを備える。
駆動モータ30は、図4及び図5に示す如く、ブラケット39を介して上部フレーム10の正面に取り付けられている。そのため、駆動モータ30が上部フレーム10の上面に取り付けられている上記従来のドア開閉装置に比べて、かご6全体の高さ寸法を小さくすることができる。
また、駆動モータ30は、その駆動軸に駆動プーリ33が直結された、いわゆるダイレクトドライブである。従って、上記従来のドア開閉装置におけるモータプーリ31、減速プーリ32及び減速ベルト35の各構成を無くすことができ、メンテナンス性を向上すると共に、部品点数を削減して工数低減やコスト低減を図ることができる。
ブラケット39は、基部39aと、該基部39aに接続され、該基部39aから延出する延出部39bとを備える。基部39aは、平板状であり、また、延出部39bも平板状である。延出部39bは、その基端が基部39aの先端に(直交するように)接続されることで、断面L字状に形成されている。
基部39aには、適宜箇所に貫通孔が形成されている。そこで、該貫通孔と、上部フレーム10にも形成されている貫通孔とにボルトを通し、ナットを締めることで、ブラケット39は、締結具40によって上部フレーム10の正面に取り付けられる。尚、本実施形態においては、駆動モータ30の駆動軸を中心とした円弧状に間隔を空けて複数の貫通孔が形成されている。
延出部39bにも、適宜箇所に貫通孔が形成されている。そこで、該貫通孔と、延出部39b及び駆動モータ30間に介在させられるカラー41にも形成されている貫通孔とにボルトを通し、駆動モータ30のハウジングに形成された雌ねじにボルトをねじ込むことで、駆動モータ30は、締結具42によってカラー41を介してブラケット39の下面に取り付けられる。尚、カラー41は、平面である延出部39bの下面と、円形である駆動モータ30のハウジングの外面との形状の違いを吸収するために介在させられるもので、対向する一つの面のうち、一方の面が平面、他方の面が凹状の円弧面となっている。また、本実施形態においては、駆動モータ30は、駆動プーリ33が上部フレーム10の正面と対向するようにして、上部フレーム10の正面に取り付けられる。また、本実施形態においては、駆動モータ30の駆動軸方向に間隔を空けて複数の貫通孔が形成されている。
そして、ブラケット39は、上部フレーム10の正面に直交する軸回りに傾斜した状態で上部フレーム10の正面に取り付けられる。より詳しくは、ブラケット39は、上部フレーム10の正面への取付部がかご6の出入口7の間口幅を規定するオープニングラインLよりも内側(出入口7寄り)に配置されるようにして、上部フレーム10の正面に取り付けられる。具体的には、ブラケット39は、ブラケット39を上部フレーム10の正面に固定するための複数の締結具40,…の全てがオープニングラインLよりも内側(出入口7寄り)に配置されるようにして、上部フレーム10の正面に取り付けられる。
また、ブラケット39がそのように傾斜した状態で取り付けられる結果、駆動モータ30の取付部もオープニングラインLよりも内側(出入口7寄り)に配置される。具体的には、駆動モータ30をブラケット39に固定するための複数の締結具42,…の全てがオープニングラインLよりも内側(出入口7寄り)に配置される。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、ブラケット39が上部フレーム10の正面に直交する軸回りに傾斜し、且つ、駆動モータ30がブラケット39の下側に位置することで、駆動モータ30-ブラケット39構造体の上部、即ち、ブラケット39の上面は傾斜状となる。そのため、エレベータの保守点検にあたり、乗場3からかご6の上に乗り込める位置までかご6を下降させた状態で保守員がかご6の上に乗り込む際、ブラケット39の上面に足をかけようとしても、うまく足をかけることができない。保守員はそのような状態を忌避するため、ブラケット39が足場として利用されるのを好適に防止することができる。
また、そのため、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、ブラケット39に過大な荷重が加わってブラケット39が曲がり、駆動モータ30が傾いて駆動モータ30の駆動軸(駆動プーリ33)の芯がずれ、ドア開閉装置に不具合が生じるのを好適に防止することができる。
また、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、ブラケット39は、上部フレーム10の正面への取付部(締結具40による取付部)及び駆動モータ30の取付部(締結具42による取付部)がオープニングラインLよりも内側に配置されるようにして、上部フレーム10の正面に取り付けられることで、駆動モータ30をブラケット39から取り外す作業、あるいはそれに続く、駆動モータ30が取り外されたブラケット39を上部フレーム10の正面から取り外す作業は、乗場ドア4を開いた状態で乗場3から可能となる。そのため、かかる作業の作業効率を高めることができる。
なお、本発明に係るエレベータのドア開閉装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、ブラケット39全体が傾斜した状態で取り付けられるが、ブラケット39全体は水平状態で取り付けられ、その代わり、延出部39bが基部39aに対して傾斜した状態となるようにしてもよい。具体的には、延出部39bの全体が基部39aに対して傾斜した状態にされる、あるいは、図6に示す如く、延出部39bの少なくとも先端部側39b’が基部39aに対して傾斜した状態にされる。
かかる構成によれば、ブラケット39が上部フレーム10の正面に直交する軸方向に対して傾斜する傾斜部39b’を有し、且つ、駆動モータ30がブラケット39の下側に位置することで、駆動モータ30-ブラケット39構造体の上部、即ち、ブラケット39の上面は傾斜状となる。そのため、エレベータの保守点検にあたり、乗場3からかご6の上に乗り込める位置までかご6を下降させた状態で保守員がかご6の上に乗り込む際、ブラケット39の上面に足をかけようとしても、うまく足をかけることができない。保守員はそのような状態を忌避するため、ブラケット39が足場として利用されるのを好適に防止することができる。また、締結具42が正面側を向くようになるため、締結具42を締める、緩めるといった作業の作業効率を高めることができる。
尚、かかる構成とする場合、傾斜した状態となっている延出部39bに駆動モータ30が正しい姿勢(駆動モータ30の駆動軸が水平となる水平姿勢)で取り付けられるよう、駆動モータ30のハウジングは、該当箇所が傾斜面となるよう形成される、あるいは、駆動モータ30のハウジングは、上記実施形態のままとして、カラー41は、対向する一つの面のうち、一方の面が傾斜面、他方の面が凹状の円弧面となるよう形成される。
また、かかる構成は、上記実施形態の構成と組み合わせて使用することができる。即ち、ブラケット39は、上部フレーム10の正面に直交する軸方向に対して傾斜する傾斜部39b’を有し、且つ、上部フレーム10の正面に直交する軸回りに傾斜した状態で上部フレーム10の正面に取り付けられ、駆動モータ30は、該ブラケット39の(傾斜部39b’の)下面に取り付けられるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ブラケット39全体が傾斜した状態で取り付けられるが、図7に示す如く、ブラケット39全体は水平状態で取り付けられ、該ブラケット39の延出部39bの上面に(カラー41を介して)駆動モータ30が取り付けられるようにしてもよい。
かかる構成によれば、駆動モータ30のハウジングが円形乃至略円形に形成されて、駆動モータ30の外形が丸みを帯び、且つ、駆動モータ30がブラケット39の上側に位置することで、駆動モータ30-ブラケット構造体39の上部、即ち、駆動モータ30の外面は傾斜状となる。そのため、エレベータの保守点検にあたり、乗場3からかご6の上に乗り込める位置までかご6を下降させた状態で保守員がかごの上に乗り込む際、駆動モータ30の外面に足をかけようとしても、うまく足をかけることができない。保守員はそのような状態を忌避するため、駆動モータ30が足場として利用されるのを好適に防止することができる。
また、上記実施形態においては、サイドオープンタイプが採用されるが、上記従来のエレベータのように、センターオープンタイプであってもよい。また、サイドオープンタイプも、2枚のかごドア8,8ではなく、3枚あるいはそれ以上のかごドア8,…が取り付けられたエレベータであってもよく、また、センターオープンも、それぞれ片側が2枚のかごドア8,8が設けられるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、駆動ベルト36を回転させる駆動プーリ33に駆動モータ30の駆動軸が直結されるようにしているが、このようなダイレクトドライブ方式ではなく、駆動モータ30が駆動プーリ33から離れた位置に配置され、駆動モータ30の駆動軸にモータプーリが取り付けられ、駆動プーリ33に減速プーリが同軸且つ一体的に取り付けられ、モータプーリ及び減速プーリ間に減速ベルトが巻き掛けられるといった、従来のドア開閉装置のような機構であってもよい。
また、上記実施形態においては、駆動モータ30の駆動力をかごドア8に伝達する伝達機構として、駆動プーリ33、従動プーリ34、駆動ベルト36及び連結具37の組合せが採用されるが、その他、リンク機構等、公知の伝達機構が採用可能である。
また、上記実施形態においては、駆動モータ30のハウジングが円形に形成されているが、厳密に円形でなく、楕円、六角形、八角形等の多角形を含む。
また、上記実施形態においては、上部フレーム10は、垂直部10aと、該垂直部10aの上端から背面側に延出する水平部10bとで構成されているが、水平部10bはなくてもよい。
1…昇降路、2…出入口、3…乗場、4…乗場ドア、5…被係合部、6…かご、7…出入口、8…かごドア、9…係合部、10…上部フレーム、10a…垂直部、10b…水平部、11…ドアレール、12…ドアハンガ、13…ローラ、14…ブラケット、15…アーム、16…減速プーリ、17…減速ワイヤ、18…ブラケット、19…ガイドシュー、20…かご敷居、30…駆動モータ、33…駆動プーリ、34…従動プーリ、36…駆動ベルト、37,38…連結具、39…ブラケット、39a…基部、39b…延出部、40…締結具、41…カラー、42…締結具、L…オープニングライン
Claims (6)
- かごの出入口にかごドアが開閉自在に設けられ、該かごドアに伝達機構を介して駆動モータが連結されるエレベータのドア開閉装置において、
前記駆動モータは、かごの出入口の上方に設けられた上部フレームの正面にブラケットを介して取り付けられ、且つ、駆動モータ-ブラケット構造体の上部は傾斜状となっていることを特徴とするエレベータのドア開閉装置。 - 前記ブラケットは、上部フレームの正面に直交する軸回りに傾斜した状態で上部フレームの正面に取り付けられ、前記駆動モータは、該ブラケットの下面に取り付けられる請求項1に記載のエレベータのドア開閉装置。
- 前記ブラケットは、上部フレームの正面への取付部及び前記駆動モータの取付部がかごの出入口の間口幅を規定するオープニングラインよりも内側に配置されるようにして、上部フレームの正面に取り付けられる請求項2に記載のエレベータのドア開閉装置。
- 前記ブラケットは、上部フレームの正面に直交する軸方向に対して傾斜する傾斜部を有し、前記駆動モータは、該ブラケットの下面に取り付けられる請求項1に記載のエレベータのドア開閉装置。
- 前記駆動モータのハウジングは、円形乃至略円形に形成され、該駆動モータは、前記ブラケットの上面に取り付けられる請求項1に記載のエレベータのドア開閉装置。
- 前記伝達機構は、上部フレームの正面の一端側に取り付けられる駆動プーリと、上部フレームの正面の他端側に取り付けられる従動プーリと、駆動プーリ及び従動プーリ間に巻き掛けられ、かごドアを係止する無端状の駆動ベルトとを備え、前記駆動モータは、駆動プーリを直結するようにして上部フレームの正面に取り付けられる請求項1~5の何れか1項に記載のエレベータのドア開閉装置。
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