WO2012066639A1 - ボタンの製造方法及び雄スナップボタン - Google Patents

Abstract

　第１主面１ａ及び第１主面１ａの反対側の第２主面１ｂを有する基材１の第１主面１ａ上にベース部３１及びベース部３１の中央部から突出するポスト部３２を備える取付部材３を配置する工程と、中央部に穴部２１を有する基部２２、基部２２の外縁部から突出する環状の外縁突部２３及び基部２２の中央部から突出し、その先端２４ａが外縁突部２３の先端２３ａよりも高く形成された環状の係合突部２４を有する雄スナップボタン２ａ、２ｅ、２ｇを第２主面１ｂ上に配置する工程と、ポスト部３２を基材１に貫通させ、基材１を貫通したポスト部３２を穴部２１に挿入する工程と、穴部２１に挿入されたポスト部３２の先端３２ａを加締める工程と、雄スナップボタン２ａ、２ｅ、２ｇの係合突部２４を潰し、係合突部２４の先端２４ａに膨出部２４１を形成する工程とを備えるボタンの製造方法である。

Description

ボタンの製造方法及び雄スナップボタン

　本発明は、ボタンの製造方法及び雄スナップボタンに関する。

 スナップボタンは、雄スナップボタンと雌スナップボタンとを有する。例えば、雄スナップボタンは、円盤状の基部の中央に雌スナップボタンと係合する突起部を備え、基部の中央には、表裏に貫通する穴部が設けられる。雄スナップボタンはボタン取付部材によって、生地に取り付けられる。ボタン取付部材は、円盤状のベース部とその中央に突出するポスト部とを備える。雄スナップボタンとボタン取付部材とを生地を挟んで配置し、ボタン取付部材のポスト部へ生地を貫通させ、ポスト部を雄スナップボタンの穴部に挿通させた後、ポスト部を加締めることで、雄スナップボタンが生地上に取り付けられる。雌スナップボタンは円盤状で、雄スナップボタンの突起部が嵌り込み係合する係合部を備え、中央部に表裏に貫通する穴部を設けており、生地への取付は雄スナップボタンと同様である。

　雄スナップボタンは、雌スナップボタンと係合する突起部が基部から突出しているため、その突起部に手が当たるなどして違和感を覚えることがある。そのため、突起部が表面に突出する部分を小さくして、違和感を無くすことが考えられている。例えば、登録実用新案公報第３１５７２６６号では、スナップボタンの突起部と、円盤状基部の周縁に突出する外縁部との差を小さく（０．４～０．６ｍｍ）することが開示されている。

　しかしながら、雄スナップボタンは、ホッパに収容された多数の雄スナップボタンを一定姿勢に整列してシュートに流し、自動取付装置によって取り付けられる。そのため、表面の凹凸を少なくしすぎると表裏の判別が上手くなされず、生地への取り付けがスムーズに行われない場合がある。

登録実用新案公報第３１５７２６６号

　本発明は、生地への取り付けの際にも表裏を容易に判別でき、取付作業効率を向上でき、表面に触れても違和感の少ないボタンの製造方法及びボタンを提供する。

　上記課題を解決するために、本発明は一側面において、第１主面及び第１主面の反対側の第２主面を有する基材の第１主面上にベース部及びベース部の中央部から突出するポスト部を備える取付部材を配置する工程と、中央部に穴部を有する基部、基部の外縁部から突出する外縁突部及び基部の中央部から突出し、その先端が外縁突部の先端よりも高く形成された係合突部を有する雄スナップボタンを第２主面上に配置する工程と、ポスト部を基材に貫通させ、基材を貫通したポスト部を穴部に挿入する工程と、穴部に挿入されたポスト部の先端を加締める工程と、雄スナップボタンの係合突部を潰し、係合突部の先端に膨出部を形成する工程とを備えるボタンの製造方法が提供される。

　本発明に係るボタンの製造方法は一実施形態において、雄スナップボタンの係合突部の潰す工程が、係合突部の先端を基部の中心に向けて膨出させることを含む。

　本発明に係るボタンの製造方法は別の一実施形態において、雄スナップボタンの係合突部を潰し、係合突部の先端に膨出部を形成する工程が、膨出部の先端の基部上面からの高さが外縁突部の先端の基部上面からの高さと同一になるように、雄スナップボタンの係合突部を潰すことを含む。

　本発明に係るボタンの製造方法は更に別の一実施形態において、雄スナップボタンの係合突部を潰し、係合突部の先端に膨出部を形成する工程が、膨出部の先端の基部上面からの高さが外縁突部の先端の基部上面からの高さよりも低くなるように、雄スナップボタンの係合突部を潰すことを含む。

　本発明に係るボタンの製造方法は更に別の一実施形態において、穴部に挿入されたポスト部の先端を加締める工程と、雄スナップボタンの係合突部を潰す工程と、係合突部の外周面の外側に膨出する膨出部を形成する工程とを同時に行うことを含む。

　本発明に係るボタンの製造方法は更に別の一実施形態において、雄スナップボタンを第２主面上に配置する工程が、雄スナップボタンの係合突部を受け入れるための開口部が長手方向に沿って形成された筒状のシュートを用いることを含む。

　本発明は別の一側面において、板状の基部及び基部の中央部から突出する係合突部を有する雄スナップボタンを基材上に配置する工程と、雄スナップボタンを基材上に配置する工程と、雄スナップボタンの係合突部を潰し、係合突部の先端に膨出部を形成する工程とを備えるボタンの製造方法が提供される。

　本発明は更に別の一側面において、基材上に設けられる雄スナップボタンであって、表裏を貫通する穴部を有する板状の基部と、基部の中央部から突出し、基部の中心側に膨出する膨出部を先端に有する係合突部と、基部の外縁に沿って突出する外縁突部とを備える雄スナップボタンが提供される。

　本発明に係る雄スナップボタンは別の一実施形態において、係合突部の基部と接触する部分の内径よりも、係合突部の先端の内径が小さいことを含む。

　本発明に係る雄スナップボタンは更に別の一実施形態において、係合突部の内周面が、係合突部の底部から上方にいくにしたがって、基部の中心側に傾斜又は隆起していることを含む。

　本発明に係る雄スナップボタンは更に別の一実施形態において、膨出部が、係合突部の外周面の基部と接触する部分よりも基部の外側に膨出する第１膨出部と、係合突部の内周面の基部と接触する部分よりも基部の中心側に膨出する第２膨出部とを含む。

　本発明は更に別の一側面において、第１の基材上に設けられる雄スナップボタンであって、表裏を貫通する穴部を有する板状の基部と、基部の外縁に沿って突出する外縁突部と、基部の中央部から突出する係合突部とを備え、係合突部は、係合突部の外周面の基部と接触する部分と、係合突部の内周面の基部と接触する部分の寸法よりも小さく、基部の中心側に向けて折り曲げることが可能な先端を備える雄スナップボタンが提供される。

　本発明によれば、生地への取り付けの際にも表裏を容易に判別でき、取付作業効率を向上でき、表面に触れても違和感の少ないボタンの製造方法及びボタンが提供できる。

図１は、本発明の実施の形態に係るボタンの製造に用いられるボタン取付装置の一例を示す概略図である。 図２は、図１のボタン取付装置のシューターの詳細を示す斜視図である。 図３は、図１のボタン取付装置のシューターとシューター内に収容される雄スナップボタンの位置関係を表す断面図である。 図４は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの製造方法を示す組立工程図である。 図５は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの製造方法を示す組立工程図である。 図６は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの製造方法を示す組立工程図である。 図７は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの製造方法を示す組立工程図である。 図８は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの一例を示す断面図である。 図９は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの製造方法の変形例を示す組立工程図である。 図１０は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの製造方法の変形例を示す組立工程図である。 図１１は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの製造方法の変形例を示す組立工程図である。 図１２は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの第１変形例を示す断面図である。 図１３は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの第２変形例を示す断面図である。 図１４は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの第３変形例を示す断面図である。 図１５は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの第４変形例を示す断面図である。 図１６は、本発明の実施の形態に係る雄スナップボタンの第５変形例を示す断面図である。

　以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の構造、配置、材質等を下記のものに特定するものではない。

　本発明の実施の形態に係るボタンの製造に用いられるボタン取付装置１００の一例を図１に示す。ボタン取付装置１００は、ボタンの取付作業を行うためのダイ１０と、ダイ１０の上方において昇降可能に配置されたパンチ部４０と、ダイ１０上に雄スナップボタン２（図２参照）を運ぶためのシュート５と、雄スナップボタン２を収容するホッパ９を備える。図２及び図３に示すように、シュート５はその断面が四角形状の筒形であり、ダイ１０に向けて先端部分がカーブしている。シュート５には、雄スナップボタン２の係合突部２４を受け入れるための開口部５１が長手方向に沿って形成されている。シュート５は、図３に示すように、係合突部２４を開口部５１内に収容し、雄スナップボタン２の基部２２及び外縁突部２３をシュート５の内部に収容することができる程度の幅Ｗを有して形成されている。雄スナップボタン２が、図３に示す状態とは上下逆向きに配置される場合には、雄スナップボタン２がシュート５に入らない。よって、図２及び図３に示すシュート５を用いることにより、雄スナップボタン２の表裏が容易に判別でき、生地への取り付けをスムーズに行うことができる。

　ボタン製造時には、図１～３に示すシュート５から雄スナップボタン２がダイ１０上に運ばれる。ダイ１０上では、図４に示すように、第１主面１ａ及び第１主面１ａの反対側の第２主面１ｂを有する基材１の第１主面１ａ上には取付部材３が配置され、第２主面１ｂ上には雄スナップボタン２ａが配置される。第１主面１ａを表面、第２主面１ｂを裏面としたとき、基材１の面に鉛直な方向を表裏方向と定義し、高さ方向とも言う。取付部材３は、ベース部３１及びベース部３１の中央部から突出するポスト部３２を備える。雄スナップボタン２は、中央部に穴部２１を有する基部２２、基部２２の外縁部から突出する環状の外縁突部２３及び基部２２の中央部から突出し、その先端２４ａが外縁突部２３の先端２３ａよりも（基部２２上面からみて）高く形成された環状の係合突部２４を備える。係合突部２４の先端２４ａが外縁突部２３の先端２３ａよりも高く突出するように形成された雄スナップボタン２ａを用いることにより、図２及び図３に示すシュート５により表裏判別が容易になるため、ボタン取付時の作業効率が向上する。係合突部２４の先端２４ａは、基部２２から先端に向かうに従って、先細状となっている。なお、係合突部２４は、表裏方向に延びるスリットによって、複数に分割されていてもよい。これにより、雌スナップボタン１と係合する際に、係合突部２４が基部２２の中心に向けて変形しやすくなる。スリットの大きさは係合突部２４の先端から基部までであってもよいし、中間まで形成されてもよい。

　図５に示すように、ポスト部３２の先端３２ａを基材１に貫通させ、基材１を貫通したポスト部３２を穴部２１に挿入する。その後、雄スナップボタン２ａの上方からパンチ部４０を下降させて、穴部２１に挿入されたポスト部３２の先端３２ａを加締める。これにより、図６に示すように、雄スナップボタン２ａと取付部材３とが、基材１を挟んで固定される。次に、図７に示すように、雄スナップボタン２ａの上方から図５に示すパンチ部４０とは別の係合突部２４加締め用のパンチ部４１を下降させ、雄スナップボタン２ａの係合突部２４を潰す。これにより、図８に示すように、係合突部２４の先端２４ａに膨出部２４１が形成された雄スナップボタン２ｂが製造される。

　図８に示すように、本発明の実施の形態に係るボタンの製造方法によって製造された雄スナップボタン２ｂは、係合突部２４の先端２４ａに、係合突部２４の外周面２４４の基部２２と接触する部分２４ｃよりも（部分２４ｃを通る垂線からみて）基部２２の外側に膨出する第１膨出部２４１ａと、係合突部２４の内周面２４３の基部２２と接触する部分２４ｂよりも（部分２４ｂを通る垂線からみて）基部２２の中心側に膨出する第２膨出部２４１ｂとを含む。第１膨出部２４１ａは、図７に示すように、係合突部２４をパンチ部４１で押し潰す前に予め形成されていても構わないし、パンチ部４１で先端を潰す際に形成されても構わない。また、パンチ部４１で先端を潰す際に、予め形成された第１膨出部２４１ａを更に膨出させるように形成されても構わない。一方、第２膨出部２４１ｂは、係合突部２４をパンチ部４１で圧力を加えて押し潰す際に、係合突部２４が潰れて徐々に内側に入り込むことによって形成された部分であり、図８に示す例では、第２膨出部２４１ｂが第１膨出部２４１ａよりも大きく膨出し、所定の形状に加締められたポスト部３２の先端３２ａの上方に一部覆い被さるように、基部２２の中心側に向けてせり出している。係合突部２４の先端２４ａを潰す前（図７に示す）状態において、係合突部２４の先端の寸法は、その係合突部２４の外周面２４４の基部２２と接触する部分２４ｃと、係合突部２４の内周面２４３の基部２２と接触する部分２４ｂとの間の寸法よりも小さく、基部２２から先端に向かうに従って先細状に形成されている。

　また、係合突部２４の内周面２４３側に着目すると、係合突部２４の基部２２と接触する部分２４ｂの内径Ｄ１（係合突部２４の底部の内径）よりも、係合突部２４の先端にある膨出部２４１の最も隆起した部分の内径Ｄ２（係合突部２４の頂部の内径）の方が小さい。ボタンの大きさによっても異なるが、係合突部２４の底部の内径Ｄ１と係合突部２４の頂部の内径Ｄ２との差は、例えば０．１～０．６ｍｍ程度である。

　従来一般的に知られる雄スナップボタンは、係合突部２４の内周面２４３が、基部２２の上面２２ａに対してほぼ垂直な平面であった（図７の雄スナップボタン２ａの内周面２４３参照）。これに対し、本実施形態に係る雄スナップボタン２ｂでは、図８に示すように、係合突部２４の先端２４ａに膨出部２４１が設けられるため、係合突部２４の内周面２４３は、係合突部２４の基部２２と接触する部分２４ｂ（底部）から先端２４ａにいくにしたがって、基部２２の中心側にやや傾斜（又は隆起）するような構造を有する。このように、本実施形態に係る雄スナップボタン２ｂによれば、手又は肌で接触しやすい係合突部２４の先端２４ａに膨出部２４１が設けられることにより、手又は肌で触れる面積が従来のボタンに比べて広くなるため、従来に比べて使用者が違和感を覚えにくくなる。

　また、図８の雄スナップボタン２ｂでは、係合突部２４の先端２４ａの基部２２の上面２２ａからの高さと外縁突部２３の先端２３ａの基部２２の上面２２ａからの高さの差ｄ１が出来るだけ小さくなるように、図７に示すパンチ部４１によって先端が押し潰されているため、従来の雄スナップボタンに比べて表面の凹凸が小さくなっている。高さの差ｄ１は、使用するボタンの大きさにもよるが、例えば０．1～０．４ｍｍである。なお、上述のように、取付時にシュート５に収容される際には、雄スナップボタン２ｂの高さの差ｄ１はまだ形成されておらずに表裏が判別可能な程度の高さの差を有しているため、高さの差ｄ１が０．１～０．４ｍｍであることにより取付時に表裏の判別が困難になることはない。

　図１～図８に示す製造工程では、２種類のパンチ部４０、４１を用いて、ポスト部３２の先端を加締める工程と、雄スナップボタン２ａの係合突部２４を潰す工程とを別々に行う例を示した。しかしながら、図９及び図１０に示すように、ポスト部３２の加工と係合突部２４の加工とを同時に行うことができる１台のパンチ部材（図示せず）を用いて、ポスト部３２の先端を加締める工程と、雄スナップボタン２ａの係合突部２４を潰して係合突部２４の先端に膨出部２４１を形成する工程とを同時に行ってもよい。これにより、作業効率を更に向上させることができる。

　また、図１１に示すように、図７に示す雄スナップボタン２ａの係合突部２４を潰す工程において、膨出部２４１の先端２４ａの基部２２の上面２２ａからの高さが外縁突部２３の先端２３ａの基部２２上面からの高さと同一になるように、雄スナップボタン２ａの係合突部２４を潰すこともできる。これにより、係合突部２４の先端２４ａの高さと外縁突部２３の先端２３ａの高さが等しい雄スナップボタン２ｃが得られる。

　また、図１２に示すように、図７に示す雄スナップボタン２ａの係合突部２４を潰す工程において、膨出部２４１の先端２４ａの基部２２の上面２２ａからの高さが、外縁突部２３の先端２３ａの基部２２上面からの高さよりも低くなるように、雄スナップボタン２ａの係合突部２４を潰すこともできる。これにより、係合突部２４の先端２４ａの高さが外縁突部２３の先端２３ａの高さよりも低い雄スナップボタン２ｄが得られる。係合突部２４の先端２４ａと外縁突部２３の先端２３ａの高さの差ｄ２が、あまり大きすぎると、使用者が外縁突部に触れた場合に違和感を覚える場合があるため、差ｄ２は例えば０．１～０．３ｍｍ程度とすることができる。

　図１３は、基材１（第１の基材）上に配置された図８に示す雄スナップボタン２ｂを、基材６（第２の基材）上に設けられた雌スナップボタン７と係合させて、基材１と基材６とを留めた状態を表す断面図である。雌スナップボタン７は、基材６上に配置され、中央部に穴部７１を有する基部７２と、基部７２の外縁部から突出し、雄スナップボタン２ａの係合突部２４と嵌り込む係合部７３を備える。雌スナップボタン７の穴部７１には、板状のベース部８１とベース部８１の中心部から突出するポスト部８２が挿入されている。ポスト部８２の先端が加締められることにより、雌スナップボタン７と取付部材８とが基材６を挟んで固定されている。なお、雄スナップボタン２ｂおよび雌スナップボタン７は、同一の基材上に設けられてもよく、この場合にも、雄スナップボタン２ｂが設けられる部分の基材を第１の基材１とし、雌スナップボタン７が設けられる部分の基材を第２の基材２とする。

　本実施形態において、雄スナップボタン２ａ～２ｇ、雌スナップボタン７、取付部材３、８は一般に樹脂製であり、具体例としては、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアセタール（ＰＯＭ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、変性ポリフェニレンエーテル（ｍ－ＰＰＥ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート（ＧＦ－ＰＥＴ）、環状ポリオレフィン（ＣＯＰ）等を挙げることができる。真鍮、アルミニウム合金等の金属製であってもよい。基材１、２としては、生地、織物、皮革類、紙、合成樹脂、又はゴム製の薄板など、シート状のものであれば特に限定されない。

（変形例）
　図１４は、本発明の実施の形態に係るボタンの製造方法に好適な雄スナップボタン２ｅを示している。雄スナップボタン２ｅは、表裏を貫通する穴部２１を有する板状の基部２２と、基部２２の外縁に沿って突出する環状の外縁突部２３と、基部２２の中央部から突出する環状の係合突部２４とを備える。係合突部２４には、その先端２４ａに、基部２２の中心側に向けて折り曲げることが可能な余肉部２５とを備える。余肉部２５は、係合突部２４の先端に形成される柱状の突起であり、係合突部２４と一体化して形成されている。余肉部２５を潰す前の（図１４に示す）状態において、係合突部２４の先端の寸法は、その係合突部２４の外周面２４４の基部２２と接触する部分と、係合突部２４の内周面２４３の基部２２と接触する部分との間の寸法よりも小さく、先細状に形成されている。係合突部２４には、係合突部２４の外周面２４４の底部から基部２２の外側方向へ突出する第１膨出部２４１ａを有している。第１膨出部２４１ａは、図１３に示すように雌スナップボタン７の係合部７３と噛み合う。

　図１４の雄スナップボタン２ｅを用いてボタンを基材（図示せず）上に取り付ける場合は、雄スナップボタン２ｅの係合突部２４をパンチ部（図示せず）を用いて潰す際に、余肉部２５のやや外側から圧力を与えて余肉部２５を基部２２の中心に向けて折り曲げるようにする。これにより、図１５に示すように、係合突部２４の先端２４ａに、係合突部２４の外周面２４４の基部２２と接触する部分２４ｂよりも基部２２の外側方向に膨出する第１膨出部２４１ａと、係合突部２４の内周面２４３から基部２２の中心方向に突出する第２膨出部２４１ｂとを含む雄スナップボタン２ｆが製造できる。

　図１４に示す余肉部２５は、環状の係合突部２４の全周に渡って形成される必要はない。即ち、図１６に示すように、係合突部２４の先端２４ａに周方向に９０°間隔で４つの余肉部２５ａ、２５ｂ、２５ｃ、２５ｄを配置した雄スナップボタン２ｇであっても構わない。余肉部２５ａ、２５ｂ、２５ｃ、２５ｄの配置は、図１６に示す例には制限されず、例えば６０°間隔で６つ、７２°間隔で５つ、３０°間隔で１２つ、４５°感覚で８つ形成するなど、余肉部２５ａ～２５ｄの個数に制限はないことは勿論である。

　上記のように本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。このように、本発明はここでは明示していない様々な態様を含むことは勿論であり、実施段階においてはその要旨を逸脱しない範囲において変形して具体化され得る。

１…基材（第１の基材）
２ａ～２ｇ…雄スナップボタン
３、８…取付部材
５…シュート
６…基材（第２の基材）
７…雌スナップボタン
９…ホッパ
１０…ダイ
２１…穴部
２２…基部
２３…外縁突部
２４…係合突部
２４１…膨出部（２４１ａ…第１膨出部、２４１ｂ…第２膨出部）
２４３…内周面
２４４…外周面
２５…余肉部
３１…ベース部
３２…ポスト部
４０、４１…パンチ部
５１…開口部
１００…ボタン取付装置

Claims (12)

1. 　第１主面（１ａ）及び前記第１主面（１ａ）の反対側の第２主面（１ｂ）を有する基材（１）の前記第１主面（１ａ）上にベース部（３１）及び前記ベース部（３１）の中央部から突出するポスト部（３２）を備える取付部材（３）を配置する工程と、
   　中央部に穴部（２１）を有する基部（２２）、前記基部（２２）の外縁部から突出する外縁突部（２３）及び前記基部（２２）の中央部から突出し、その先端（２４ａ）が前記外縁突部（２３）の先端（２３ａ）よりも高く形成された係合突部（２４）を有する雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）を前記第２主面（１ｂ）上に配置する工程と、
   　前記ポスト部（３２）を前記基材（１）に貫通させ、前記基材（１）を貫通した前記ポスト部（３２）を前記穴部（２１）に挿入する工程と、
   　前記穴部（２１）に挿入された前記ポスト部（３２）の先端（３２ａ）を加締める工程と、
   　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を潰し、前記係合突部（２４）の先端（２４ａ）に膨出部（２４１）を形成する工程と
   　を備えることを特徴とするボタンの製造方法。
2. 　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）の潰す工程が、前記係合突部（２４）の先端（２４ａ）を前記基部（２２）の中心に向けて膨出させることを含む請求項１に記載のボタンの製造方法。
3. 　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を潰し、前記係合突部（２４）の先端に膨出部（２４１）を形成する工程が、前記膨出部（２４１）の先端（２４ａ）の前記基部（２２）上面からの高さが前記外縁突部（２３）の先端（２３ａ）の前記基部（２２）上面からの高さと同一になるように、前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を潰すことを含む請求項１に記載のボタンの製造方法。
4. 　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を潰し、前記係合突部（２４）の先端に膨出部（２４１）を形成する工程が、前記膨出部（２４１）の先端（２４ａ）の前記基部（２２）上面からの高さが前記外縁突部（２３）の先端（２３ａ）の前記基部（２２）上面からの高さよりも低くなるように、前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を潰すことを含む請求項１に記載のボタンの製造方法。
5. 　前記穴部（２１）に挿入された前記ポスト部（３２）の先端を加締める工程と、前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を潰す工程と、前記係合突部（２４）の外周面（２４４）の外側に膨出する膨出部（２４１）を形成する工程とを同時に行うことを含む請求項１～４のいずれか１項に記載のボタンの製造方法。
6. 　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）を前記第２主面（１ｂ）上に配置する工程が、
   　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を受け入れるための開口部（５１）が長手方向に沿って形成された筒状のシュート（５）を用いることを含む請求項１～４のいずれか１項に記載のボタンの製造方法。
7. 　板状の基部（２２）及び前記基部（２２）の中央部から突出する係合突部（２４）を有する雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）を基材（１）上に配置する工程と、
   　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）を前記基材（１）上に取り付ける工程と、
   　前記雄スナップボタン（２ａ、２ｅ、２ｇ）の前記係合突部（２４）を潰し、前記係合突部（２４）の先端（２４ａ）に膨出部（２４１）を形成する工程と
   　を備えることを特徴とするボタンの製造方法。
8. 　基材（１）上に設けられる雄スナップボタン（２ｂ、２ｃ、２ｄ）であって、
   　表裏を貫通する穴部（２１）を有する板状の基部（２２）と、
   　前記基部（２２）の中央部から突出し、前記基部（２２）の中心側に膨出する膨出部（２４１）を先端に有する係合突部（２４）と、
   　前記基部（２２）の外縁に沿って突出する外縁突部（２３）と
   　を備えることを特徴とする雄スナップボタン（２ｂ、２ｃ、２ｄ）。
9. 　前記係合突部（２４）の前記基部（２２）と接触する部分（２４ｂ）の内径（Ｄ１）よりも、前記係合突部（２４）の先端の内径（Ｄ２）が小さいことを含む請求項８に記載の雄スナップボタン（２ｂ、２ｃ、２ｄ）。
10. 　前記係合突部（２４）の内周面（２４３）が、前記係合突部（２４）の底部から上方にいくにしたがって、前記基部（２２）の中心側に傾斜又は隆起していることを含む請求項８又は９に記載の雄スナップボタン（２ｂ、２ｃ、２ｄ）。
11. 　前記膨出部（２４１）が、
    　前記係合突部（２４）の外周面（２４４）の前記基部（２２）と接触する部分（２４ｃ）よりも前記基部（２２）の外側に膨出する第１膨出部（２４１ａ）と、
    　前記係合突部（２４）の内周面（２４３）の前記基部（２２）と接触する部分（２４ｂ）よりも前記基部（２２）の中心側に膨出する第２膨出部（２４１ｂ）と
    　を含む請求項８又は９に記載の雄スナップボタン（２ｂ、２ｃ、２ｄ）。
12. 　第１の基材（１）上に設けられる雄スナップボタン（２ｅ）であって、
    　表裏を貫通する穴部（２１）を有する板状の基部（２２）と、
    　前記基部（２２）の外縁に沿って突出する外縁突部（２３）と、
    　前記基部（２２）の中央部から突出する係合突部（２４）とを備え、
    　前記係合突部（２４）は、
    　前記係合突部（２４）の外周面（２４４）の前記基部（２２）と接触する部分と、前記係合突部（２４）の内周面（２４３）の前記基部（２２）と接触する部分の寸法よりも小さく、前記基部（２２）の中心側に向けて折り曲げることが可能な先端（２４ａ、２５）
    　を備えることを特徴とする雄スナップボタン（２ｅ）。

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