WO2012029103A1 - 人体位置検出装置及び人体位置検出方法 - Google Patents

人体位置検出装置及び人体位置検出方法 Download PDF

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    • G01S3/783Systems for determining direction or deviation from predetermined direction using amplitude comparison of signals derived from static detectors or detector systems

Abstract

 人体位置検出装置は、2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置された複数のセンサから、出力信号に対応する出力値を取得する出力値取得手段と、検出範囲がオーバーラップするように配置された2以上のセンサにおける出力値が所定の閾値以上である場合に、複数のセンサにおける出力値を、複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する座標変換手段と、座標値によって形成される線分又は多角形における重心相当位置を求める重心相当位置算出手段と、重心相当位置に基づいて人体位置を求める人体位置算出手段と、を備える。

Description

人体位置検出装置及び人体位置検出方法
 本発明は、センサを用いて人体位置を検出する技術分野に関する。
 従来から、焦電センサなどの人体検知センサを用いた制御システムが知られている。例えば、特許文献1には、空気調和機本体に2個搭載された焦電センサと、焦電センサの生データと移動平均値との差分から人体の有無を判断する絶対値判定部と、過去の生データと移動平均値との差分と、現在の生データと移動平均値との差分との傾きから人体の有無を判断する傾き判定部と、を備える空気調和機が提案されている。具体的には、この技術では、左右ミラー対称に焦電センサを配置することで室内検知エリアを3分割し、絶対値判定部及び傾き判定部の人体有無判断結果に基づいて、3分割したエリアのどのエリアに人体が存在するかを判定している。
特許4286118号公報
 しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、3分割されたエリアのどのエリアに人体が存在するかを判定することはできるが、それ以上の分解能で人体位置を検出することが困難であった。例えば、3分割された各エリアでの詳細な人体位置を検出することができなかった。ここで、センサの数を増やした場合には、人体位置をより細かく検出することができるが、この場合には、コストが増加したり、センサの設置条件や人体位置の判定回路などが複雑になったりする傾向にある。
 本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、簡便な構成にて、人体位置をより細かく検出することが可能な人体位置検出装置及び人体位置検出方法を提供することを目的とする。
 請求項1に記載の発明は、人体の動きを検出して電気的信号を出力する複数のセンサを用いて、人体位置を検出する人体位置検出装置である。前記複数のセンサは、当該複数のセンサのうちの2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置されており、人体位置検出装置は、前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対応する出力値を取得する出力値取得手段と、前記検出範囲がオーバーラップするように配置された前記2以上のセンサにおける前記出力値が所定の閾値以上である場合に、前記複数のセンサにおける前記出力値を、前記複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する座標変換手段と、前記座標値によって形成される線分又は多角形における重心相当位置を求める重心相当位置算出手段と、前記重心相当位置に基づいて前記人体位置を求める人体位置算出手段と、を備える。
 請求項9に記載の発明は、人体の動きを検出して電気的信号を出力する複数のセンサを用いて、人体位置を検出する人体位置検出方法である。前記複数のセンサは、当該複数のセンサのうちの2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置されており、人体位置検出方法は、前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対応する出力値を取得する出力値取得工程と、前記検出範囲がオーバーラップするように配置された前記2以上のセンサにおける前記出力値が所定の閾値以上である場合に、前記複数のセンサにおける前記出力値を、前記複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する座標変換工程と、前記座標値によって形成される線分又は多角形における重心相当位置を求める重心相当位置算出工程と、前記重心相当位置に基づいて前記人体位置を求める人体位置算出工程と、を備える。
第1実施例に係る人体位置検出装置の概略構成を示すブロック図である。 全波整流及び平滑化処理の一例を説明するための図である。 第1実施例におけるセンサ配置例を示す。 人体有無判定部による判定を説明するための図である。 第1実施例における人体位置検出方法を説明するための図である。 第1実施例における人体位置検出方法の一例を示す。 第1実施例における人体位置検出処理を示すフローチャートである。 第1実施例による結果の一例を示す。 第2実施例におけるセンサ配置例を示す。 第2実施例における座標変換の基本概念を説明するための図である。 第2実施例における座標変換の一例を示す。 第2実施例における人体位置検出方法の一例を示す。 変形例に係る人体位置検出装置の概略構成を示すブロック図である。
 本発明の1つの観点では、人体の動きを検出して電気的信号を出力する複数のセンサを用いて、人体位置を検出する人体位置検出装置は、前記複数のセンサは、当該複数のセンサのうちの2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置されており、前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対応する出力値を取得する出力値取得手段と、前記検出範囲がオーバーラップするように配置された前記2以上のセンサにおける前記出力値が所定の閾値以上である場合に、前記複数のセンサにおける前記出力値を、前記複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する座標変換手段と、前記座標値によって形成される線分又は多角形における重心相当位置を求める重心相当位置算出手段と、前記重心相当位置に基づいて前記人体位置を求める人体位置算出手段と、を備える。
 上記の人体位置検出装置は、焦電センサなどの人体検知センサを用いて人体位置を検出するために好適に利用される。複数のセンサは、当該複数のセンサのうちの2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置されている。ここで、センサの「検出範囲」は、センサから、閾値以上となる出力値が得られるようなエリアに相当する。座標変換手段は、検出範囲がオーバーラップするように配置された2以上のセンサにおける出力値が所定の閾値以上である場合に、つまり検出範囲がオーバーラップするエリア(オーバーラップエリア)に人体が存在すると判定される場合に、複数のセンサの出力値を座標変換する。具体的には、座標変換手段は、複数のセンサにおける出力値を、複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する。重心相当位置算出手段は、こうして求められた座標値によって形成される線分又は多角形について、その重心相当位置(線分又は多角形の重心に相当する位置を意味する)を求める。人体位置算出手段は、こうして求められた重心相当位置に基づいて人体位置を求める。基本的には、人体位置算出手段は、重心相当位置を人体位置として求める。
 このような人体位置検出装置によれば、簡便な構成にて、検出範囲がオーバーラップするエリア内における人体位置を、より細かく検出することができる。具体的には、前述した特許文献1に係る手法では、3分割エリアのどのエリアに人体が存在するかの判定しかできなかったが、当該人体位置検出装置によれば、分割エリア(具体的にはオーバーラップエリア)内での詳細な人体位置を適切に検出することができる。
 上記の人体位置検出装置の一態様では、前記重心相当位置算出手段は、前記座標値が2つ求められた場合には当該座標値を端点とする線分の重心を前記重心相当位置として求め、前記座標値が3つ以上求められた場合には当該座標値を頂点とする多角形の重心を前記重心相当位置として求める。
 この態様では、人体位置検出装置は、座標値によって形成される線分又は多角形の重心を、重心相当位置として用いる。これにより、人体位置を精度良く検出することが可能となる。
 上記の人体位置検出装置の他の一態様では、前記重心相当位置算出手段は、前記座標値の平均値を前記重心相当位置として求める。
 この態様では、人体位置検出装置は、座標値の平均値を重心相当位置として用いる。これにより、平均値は重心よりも容易に求めることができるため、処理の負荷を軽減することが可能となる。
 上記の人体位置検出装置において好適には、前記座標変換手段は、前記複数のセンサとして2つのセンサが用いられている場合、前記2つのセンサのうちの一方のセンサにおける前記出力値を1次元座標系のマイナス軸上にマッピングした値を前記座標値として求めると共に、前記2つのセンサのうちの他方のセンサにおける前記出力値を前記1次元座標系のプラス軸上にマッピングした値を前記座標値として求め、前記重心相当位置算出手段は、前記マイナス軸上にマッピングされた前記座標値及び前記プラス軸上にマッピングされた前記座標値を端点とする線分の重心を、前記重心相当位置として求める。
 これにより、2つのセンサが用いられている場合において、適切に人体位置を検出することができる。なお、2つの座標値を端点とする線分の重心は、当該2つの座標値の平均値に一致する。よって、線分の重心を求めることは、言い換えると座標値の平均値を求めることに該当する。
 上記の人体位置検出装置の他の一態様では、前記人体位置算出手段は、前記重心相当位置の絶対値が所定値以下である場合、当該重心相当位置を前記人体位置として求め、前記重心相当位置の絶対値が前記所定値よりも大きい場合、当該重心相当位置に関わらずに、前記所定値に対応する位置を前記人体位置として求める。これにより、センサなどの分解能を考慮して、人体位置を求めることが可能となる。
 好適な例では、前記出力値取得手段は、前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対して平滑化処理が行われた後の信号を、前記出力値として取得する。これにより、センサの出力信号に混じっているノイズなどが適切に除去された出力値を、人体位置検出に用いることができる。
 他の好適な例では、上記の人体位置検出装置は、前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対して平滑化処理を行う出力信号処理手段を更に備えており、前記出力値取得手段は、前記出力信号処理手段によって前記平滑化処理が行われた後の信号を前記出力値として取得する。これによっても、センサの出力信号に混じっているノイズなどが適切に除去された出力値を、人体位置検出に用いることができる。
 また、好適な例では、前記複数のセンサにおける前記出力値と前記閾値とを比較することで、前記複数のセンサの前記検出範囲に応じて規定された複数のエリアにおいて前記人体が存在するエリアを判定する人体有無判定手段を更に備えている。これによれば、人体が存在するエリアを適切に特定することができると共に、オーバーラップエリアについては、詳細な人体位置を適切に検出することができる。
 本発明の他の観点では、人体の動きを検出して電気的信号を出力する複数のセンサを用いて、人体位置を検出する人体位置検出方法は、前記複数のセンサは、当該複数のセンサのうちの2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置されており、前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対応する出力値を取得する出力値取得工程と、前記検出範囲がオーバーラップするように配置された前記2以上のセンサにおける前記出力値が所定の閾値以上である場合に、前記複数のセンサにおける前記出力値を、前記複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する座標変換工程と、前記座標値によって形成される線分又は多角形における重心相当位置を求める重心相当位置算出工程と、前記重心相当位置に基づいて前記人体位置を求める人体位置算出工程と、を備える。
 上記した人体位置検出方法によっても、簡便な構成にて、人体位置をより細かく検出することが可能となる。
 以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
 [第1実施例]
 まず、第1実施例について説明する。
 (装置構成)
 図1を参照して、第1実施例に係る人体位置検出装置について説明する。図1は、第1実施例に係る人体位置検出装置2の概略構成を示すブロック図である。
 人体位置検出装置2は、2つのセンサ1a、1bの出力信号を取得し、当該出力信号に基づいて人体位置を検出するための装置である。人体位置検出装置2は、主に、増幅回路21a、21bと、センサ出力信号処理部22と、人体有無判定部23と、座標変換部24と、重心算出部25と、人体位置算出部26と、を備える。
 センサ1a、1bは、例えば焦電センサによって構成される。ここで、焦電センサの原理について簡単に説明する。絶対零度以上の物体はその温度に応じた赤外線を放射しており、そのエネルギーの波長分布はプランクの法則によって表される。また、ウィーンの変位則によれば、物体の温度が高くなると分布のピークは短波長側に移動する。焦電素子は通常自発分極しているが電気的に中性の状態にある。この素子が赤外線を熱線として吸収すると、その温度変化を焦電効果によって、電気信号として出力する。焦電センサは入射する赤外線強度が変化したときにのみ出力が得られる。人体について言えば、人が静止している時は焦電センサに入射する赤外線強度が変化しないので、焦電センサから出力は得られないが、人が移動すると焦電センサに入射する赤外線強度が変化するので焦電センサから出力が得られる。
 次に、人体位置検出装置2内の各構成要素について説明する。ここでは、各構成要素について簡単に説明する。
 増幅回路21a、21bは、それぞれ、センサ1a、1bの出力信号を取得し、当該出力信号を増幅する。センサ出力信号処理部22は、増幅回路21a、21bのそれぞれから増幅後の信号を取得し、当該信号に対して所定の処理を行う。具体的には、センサ出力信号処理部22は、増幅後の信号に対して、全波整流を行った後に平滑化処理を行う。以下では、センサ出力信号処理部22による処理後の信号を適宜「平滑化値」と呼ぶ。なお、センサ出力信号処理部22は、本発明における「出力信号処理手段」及び「出力値取得手段」の一例に相当する。
 人体有無判定部23は、センサ出力信号処理部22から平滑化値を取得し、平滑化値に基づいて人体が存在するエリアを判定する。具体的には、人体有無判定部23は、センサ1a、1bの出力信号のそれぞれに対応する平滑化値と所定の閾値(以下、「閾値A」と表記する。)とを比較することで、人体が存在するエリアを判定する。詳しくは、人体有無判定部23は、センサ1a、1bの検出範囲内に人体が存在するか否か、及び、センサ1a、1bの検出範囲に基づいて規定された複数のエリアのうちの、どのエリアに人体が存在するかを判定する(言い換えると、どのエリアで人体が動いたかを判定する)。この複数のエリアは、センサ1a、1bの検出範囲がオーバーラップするエリア(本明細書では、このようなエリアを「オーバーラップエリア」と呼ぶ。)と、センサ1aの検出範囲においてオーバーラップエリアを除いたエリアと、センサ1bの検出範囲においてオーバーラップエリアを除いたエリアとを有する。ここで、「検出範囲」は、センサ1a、1bより、閾値A以上となる平滑化値が得られるようなエリアに相当する。なお、人体有無判定部23は、本発明における「人体有無判定手段」の一例に相当する。
 座標変換部24は、センサ1a、1bの出力信号のそれぞれに対応する平滑化値が共に閾値A以上である場合に、平滑化値を座標変換する処理を行う。具体的には、座標変換部24は、センサ1a、1bにおける平滑化値を、センサ1a、1bの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する。つまり、座標変換部24は、2つの平滑化値を当該座標系にマッピングする。詳しくは、座標変換部24は、2つの平滑化値のそれぞれを、1次元の座標系の座標値に変換する。なお、座標変換部24は、本発明における「座標変換手段」の一例に相当する。
 重心算出部25は、座標変換部24によって変換された2つの座標値を取得し、当該2つの座標値を端点とする線分の重心を算出する。当該線分の重心を算出することは、2つの座標値の平均値を算出することに相当する。これは、線分の重心と座標値の平均値とが一致するからである。なお、重心算出部25は、本発明における「重心相当位置算出手段」の一例に相当する。また、線分の重心及び座標値の平均値は、本発明における「重心相当位置」に相当する。
 人体位置算出部26は、重心算出部25によって算出された重心を取得し、当該重心に基づいて、オーバーラップエリアにおいて人体が存在する位置を求める。基本的には、人体位置算出部26は、重心算出部25によって算出された重心の位置を人体位置として求める。なお、人体位置算出部26は、本発明における「人体位置算出手段」の一例に相当する。
 ここで、図2を参照して、センサ出力信号処理部22が行う全波整流及び平滑化処理の一例について説明する。図2(a)は、センサ1a、1bの出力信号を増幅した後の信号の一例を示しており、図2(b)は、図2(a)に示す信号を全波整流した後の信号の一例を示しており、図2(c)は、図2(b)に示す信号を平滑化した後の信号の一例を示している。
 全波整流は、所定値を下回るデータを、当該所定値を基準にして、所定値を上回る側へ反転させる処理に該当する。平滑化処理は、データの変化を滑らかにするための処理である。例えば、平滑化処理は、データの移動平均を求める処理に該当する。1つの例では、平滑化処理は、注目するデータの近傍にある所定数のデータの平均値を求め、当該平均値を注目するデータの値にする処理に該当する。
 (人体位置検出方法)
 次に、第1実施例に係る人体位置検出方法について具体的に説明する。
 まず、図3を参照して、第1実施例におけるセンサ配置例を説明する。図3に示すように、2つのセンサ1a、1bが1次元配置されている。この場合、ハッチングエリア11aは、センサ1aの検出範囲を示しており、ハッチングエリア11bは、センサ1bの検出範囲を示している。前述したように、これらの検出範囲は、センサ1a、1bから、閾値A以上となる平滑化値が得られるようなエリアに相当する。第1実施例では、図3のハッチングエリア12cに示すように、センサ1a、1bの検出範囲がオーバーラップするように、センサ1a、1bが配置される。このハッチングエリア12cは、上記したオーバーラップエリアに相当する。
 以下では、センサ1aの検出範囲であるハッチングエリア11aにおいて、オーバーラップエリアであるハッチングエリア12cを除いたエリアを「左エリア」と呼ぶ(矢印12a参照)。また、オーバーラップエリアであるハッチングエリア12cを「中央エリア」と呼ぶ。また、センサ1bの検出範囲であるハッチングエリア11bにおいて、オーバーラップエリアであるハッチングエリア12cを除いたエリアを「右エリア」と呼ぶ(矢印12b参照)。
 基本的には、左エリアで人体が動いた場合には、センサ1aにおける平滑化値のみが閾値A以上となり、中央エリアで人体が動いた場合には、センサ1a及びセンサ1bの両方における平滑化値が閾値A以上となり、右エリアで人体が動いた場合には、センサ1bにおける平滑化値のみが閾値A以上となる。このように2つの平滑化値と閾値Aとを比較することで、左エリア、中央エリア、及び右エリアのうちのどのエリアに人体が存在するかを判定することができる。
 本明細書では、センサ1a、1bの配置方向に沿った方向を「水平方向」と定義し(矢印61参照)、センサ1a、1bの配置方向に直行する方向を「鉛直方向」と定義する(矢印62参照)。
 なお、以下の説明においては、図3中の矢印65で示すように、人が、左から右に向かって、概ね水平方向に移動した場合を例に挙げる。
 次に、図4を参照して、このように人が移動した場合における、人体有無判定部23による判定について具体的に説明する。図4(a)は、センサ1a、1bの出力信号を増幅回路21a、21bで増幅した後の信号の一例を示している。具体的には、グラフ71aは、センサ1aの出力信号に対応する信号を示しており、グラフ71bは、センサ1bの出力信号に対応する信号を示している。
 図4(b)は、図4(a)に示す信号を、センサ出力信号処理部22で全波整流した後に平滑化処理を行った後の信号の一例を示している。つまり、平滑化値の一例を示している。具体的には、グラフ72aは、センサ1aの出力信号に対応する平滑化値(以下、適宜「平滑化値(左)」と表記する。)を示しており、グラフ72bは、センサ1bの出力信号に対応する平滑化値(以下、適宜「平滑化値(右)」と表記する。)を示している。
 図4(c)は、図4(b)に示す期間T11~T15での人体有無判定部23による判定結果を示している。期間T11では、平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A未満であるため、人体有無判定部23は、左エリア、中央エリア、及び右エリアのいずれにも人体が存在しないと判定する(以下、このような判定を「非検知判定」とも呼ぶ)。期間T12では、平滑化値(左)のみが閾値A以上であり、平滑化値(右)が閾値A未満であるため、人体有無判定部23は、左エリアに人体が存在すると判定する。期間T13では、平滑化値(左)及び平滑化値(右)の両方が閾値A以上であるため、人体有無判定部23は、中央エリアに人体が存在すると判定する。この場合には、座標変換部24によって、上記した座標変換の処理が行われる。期間T14では、平滑化値(右)のみが閾値A以上であり、平滑化値(左)が閾値A未満であるため、人体有無判定部23は、右エリアに人体が存在すると判定する。期間T15では、期間T11と同様にして、人体有無判定部23は、非検知判定を行う。
 なお、人体が存在するか否かを判定するのに用いられる「閾値A」は、センサ1a、1bの分解能などに基づいて定められる。例えば、「閾値A」は、センサ1a、1bにおける平滑化値が、この値以上であれば、人体が存在する可能性がかなり高いと判断できるような値に設定される。
 次に、図5を参照して、第1実施例における人体位置検出方法について具体的に説明する。つまり、座標変換部24、重心算出部25、及び人体位置算出部26のそれぞれが行う処理について説明する。
 図5中の矢印66で示すように、座標変換部24は、中央エリアの水平方向に延在すると共に、中央エリアの鉛直方向に伸びる中心軸上に位置する点を基準点「0」とする1次元座標系を用いる。この1次元座標系は、マイナス方向(左方向)に平滑化値(左)が規定されると共に、プラス方向(右方向)に平滑化値(右)が規定される。
 座標変換部24は、平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A以上である場合に、つまり中央エリアに人体が存在するような場合に、センサ出力信号処理部22によって算出された平滑化値(左)を1次元座標系のマイナス軸上にマッピングすると共に、センサ出力信号処理部22によって算出された平滑化値(右)を1次元座標系のプラス軸上にマッピングする。座標変換部24は、このようにして平滑化値(左)及び平滑化値(右)をマッピングした値を、それぞれの座標値として求める。基本的には、平滑化値(左)の座標値は、平滑化値(左)の負値(「-平滑化値(左)」)となり、平滑化値(右)の座標値は、平滑化値(右)そのままの値となる。
 この後、重心算出部25は、座標変換部24によって求められた2つの座標値を端点とする1次元座標系上に位置する線分について、その重心を求める。当該線分の重心を求めることは、2つの座標値の平均値を算出することに相当する。
 この後、人体位置算出部26は、重心算出部25によって求められた重心に基づいて、中央エリアにおいて人体が存在する位置を求める。この場合、人体位置算出部26は、重心の絶対値が所定の閾値(以下、「閾値B」と表記する。「閾値B」はプラスの値であるものとする。)以下である場合には、当該重心を人体位置として求める。これに対して、人体位置算出部26は、重心の絶対値が閾値Bよりも大きい場合には、当該重心に関わらずに、閾値Bに対応する位置を人体位置として求める。より具体的には、人体位置算出部26は、重心がマイナスの値である場合(つまり重心が左寄りに位置する場合)には、「-閾値B」に対応する位置を人体位置として求め、重心がプラスの値である場合(つまり重心が右寄りに位置する場合)には、「閾値B」に対応する位置を人体位置として求める。
 なお、「閾値B」も、センサ1a、1bの分解能などに基づいて定められる。具体的には、「閾値B」は、座標値より求められる重心の値についての精度を確保する観点から定められる。
 図6は、第1実施例における人体位置検出方法の一例を示す図である。図6(a)は、図4(b)と同様の図を示している。図6(b)は、図6(a)中の時刻t1において人体位置検出を行う例を示している。時刻t1は、人体が中央エリアに存在する期間T13(図4(b)参照)での任意の時刻である。
 時刻t1において、座標変換部24は、平滑化値(左)として「1750」を取得し、平滑化値(右)として「3150」を取得したものとする。座標変換部24は、取得された平滑化値(左)及び平滑化値(右)をそれぞれマイナス軸上及びプラス軸上にマッピングすることで、平滑化値(左)の座標値として「-1750」を求め、平滑化値(右)の座標値として「3150」を求める。次に、重心算出部25は、このような座標値を端点とする線分67における重心68を算出する。具体的には、重心算出部25は、「(-1750+3150)/2」を演算することで、重心68として「700」を求める。次に、人体位置算出部26は、求められた重心68の絶対値が閾値Bを超えていないため、当該重心68を人体位置として求める。これにより、中央エリアの中心よりもやや右寄りの位置に、人体が存在すると判定されることとなる。
 (人体位置検出処理)
 次に、図7を参照して、第1実施例における人体位置検出処理について説明する。図7は、第1実施例における人体位置検出処理を示すフローチャートである。当該処理は、人体位置検出装置2によって所定の周期で繰り返し実行される。
 まず、ステップS101では、人体位置検出装置2は、センサ1a、1bの出力信号を取得する。そして、処理はステップS102に進む。ステップS102では、人体位置検出装置2は、取得されたセンサ1a、1bの出力信号を、ROM、RAM、HDDなどの記憶手段に保存する。そして、処理はステップS103に進む。
 ステップS103では、人体位置検出装置2内のセンサ出力信号処理部22が、ステップS102で保存されたセンサ1a、1bの出力信号に対して、全波整流及び平滑化処理を行う。詳しくは、センサ出力信号処理部22は、センサ1a、1bの出力信号を増幅回路21a、21bで増幅した後の信号に対して、全波整流を行った後に平滑化処理を行うことで、平滑化値(左)及び平滑化値(右)を求める。そして、処理はステップS104に進む。
 ステップS104では、人体位置検出装置2内の人体有無判定部23が、ステップS103で求められた平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A未満であるか否かを判定する。平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A未満である場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS105に進む。ステップS105では、人体有無判定部23は、左エリア、中央エリア、及び右エリアのいずれにも人体が存在しないと判定する(非検知判定)。そして、処理は終了する。
 これに対して、平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A未満でない場合(ステップS104;No)、つまり平滑化値(左)及び平滑化値(右)の一方又は両方が閾値A以上である場合、処理はステップS106に進む。ステップS106では、人体有無判定部23は、平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A以上であるか否かを判定する。平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A以上である場合(ステップS106;Yes)、処理はステップS107に進む。この場合には、人体有無判定部23は、中央エリアに人体が存在するものと判定する。
 ステップS107では、人体位置検出装置2内の座標変換部24が、ステップS103で求められた平滑化値(左)及び平滑化値(右)のそれぞれを座標変換する処理を行う。具体的には、座標変換部24は、平滑化値(左)を1次元座標系のマイナス軸上にマッピングすることで座標値を求めると共に、平滑化値(右)を1次元座標系のプラス軸上にマッピングすることで座標値を求める。そして、処理はステップS108に進む。
 ステップS108では、人体位置検出装置2内の重心算出部25が、ステップS107で求められた2つの座標値を端点とする線分の重心を求める。言い換えると、重心算出部25は、2つの座標値の平均値を算出する。そして、処理はステップS109に進む。
 ステップS109では、人体位置検出装置2内の人体位置算出部26が、ステップS108で求められた重心に基づいて、中央エリアにおいて人体が存在する位置を求める。具体的には、人体位置算出部26は、重心の絶対値が閾値B以下である場合には当該重心を人体位置として求め、重心の絶対値が閾値Bよりも大きい場合には閾値Bに対応する位置を人体位置として求める。そして、処理は終了する。
 一方で、平滑化値(左)及び平滑化値(右)が共に閾値A以上でない場合(ステップS106;No)、つまり平滑化値(左)及び平滑化値(右)のいずれか一方のみが閾値A以上である場合、処理はステップS110に進む。ステップS110では、人体位置検出装置2内の人体有無判定部23が、平滑化値(左)のみが閾値A以上であるか否かを判定する。平滑化値(左)のみが閾値A以上である場合(ステップS110;Yes)、処理はステップS111に進む。この場合には、人体有無判定部23は、左エリアに人体が存在すると判定する(ステップS111)。そして、処理は終了する。これに対して、平滑化値(左)が閾値A以上でない場合(ステップS110;No)、処理はステップS112に進む。この場合には、平滑化値(右)のみが閾値A以上であるため、人体有無判定部23は、右エリアに人体が存在すると判定する(ステップS112)。そして、処理は終了する。
 (第1実施例による効果)
 次に、図8を参照して、第1実施例による結果の一例について説明する。ここでは、図3中の矢印65で示すように人が移動した場合を考える。また、図8では、第1実施例による結果を比較するために、比較例による結果も示す。比較例は、前述した特許文献1に係る手法である。具体的には、比較例は、左右ミラー対称に焦電センサを配置することで室内検知エリアを3分割し、3分割したエリアのどのエリアに人体が存在するかを判定する手法である。
 図8は、横軸に時間を示し、縦軸に人体位置を示している。縦軸には、上から順に、右エリア、中央エリア、左エリア、非検知(右エリア、中央エリア、及び左エリアのいずれにも人体が存在していないことを意味している)を示している。この場合、縦軸では、右エリア及び左エリアについては、1つの点でそのエリアを表しており、中央エリアについては、矢印69に示すように、連続的な位置を表している。言い換えると、右エリア及び左エリアについては、右エリア内及び左エリア内での人体位置を示していないが、中央エリアについては、中央エリア内での人体位置を連続的に示している。また、横軸に示す期間T12~T14は、図4(b)に示したものと同様とする。
 図8において、グラフ75は、第1実施例による結果の一例を示しており、グラフ76は、比較例による結果の一例を示している。これより、第1実施例及び比較例ともに、人が、左エリア→中央エリア→右エリアといった具合に移動していることが検出できていることがわかる。一方で、比較例では中央エリアでの詳細な人体位置を検出できていないが、第1実施例では中央エリアでの詳細な人体位置を適切に検出できていることがわかる。つまり、第1実施例によれば、比較例と比較して、中央エリアにおける人体位置をより細かく検出することができる。
 [第2実施例]
 次に、第2実施例について説明する。第1実施例では、2つのセンサ1a、1bを用いて、それぞれから得られた平滑化値を1次元座標系にマッピングすることで座標値を求める例を示した。第2実施例では、4つのセンサを用いて、それぞれから得られた平滑化値を2次元座標系にマッピングすることで座標値を求める点で、第1実施例と異なる。そして、第2実施例では、4つのセンサのそれぞれに対応する4つの座標値から、4つの座標値を頂点とする四角形の重心を求めて、若しくは4つの座標値の平均値を求めて、当該重心若しくは当該平均値を人体位置として検出する。
 なお、第2実施例における人体位置検出方法も、上記した人体位置検出装置2(図1参照)が行うものとする。また、ここで特に説明しない構成や手法などについては、第1実施例と同様であるものとする。
 図9は、第2実施例におけるセンサ配置例を示している。図9に示すように、4つのセンサ1a~1dが2次元配置されている。具体的には、センサ1a~1dによってカバーされる検出範囲(ハッチングで示す)における中心点81から「45°」の方向に放射状に、センサ1a~1dが配置されている。また、第2実施例では、センサ1a~1dの検出範囲がオーバーラップするように、センサ1a~1dが配置される。具体的には、人体の位置を検出すべきエリアに、センサ1a~1dのうちの少なくとも1つのセンサの検出範囲がオーバーラップするように、センサ1a~1dが配置される。なお、センサ1a~1dは、第1実施例で示したセンサ1a、1bと同様の構成を有するものとする。
 なお、以下の説明においては、人が、図9中の矢印82で示すように移動した場合を例に挙げる。
 ここで、図10を参照して、センサを2次元配置した場合の座標変換の基本概念、つまり平滑化値から2次元座標値への変換の基本概念について説明する。第2実施例では、各センサより得られた平滑化値を、それぞれのセンサの配置位置に対応した軸83(中心点81とセンサの位置とを結ぶことで形成される軸であり、以下では「センサ軸」と呼ぶ。)上の2次元座標値に変換する。具体的には、平滑化値を「D」とし、センサの配置位置に対応した2次元座標系のX軸とセンサ軸83とがなす角を「θ」とすると、2次元座標値(Xt、Yt)は式(1)及び式(2)より求められる。なお、式(1)及び式(2)中の「α」は、距離などを加味して設定される定数である。
       Xt=αDcosθ  式(1)
       Yt=αDsinθ  式(2)
 図9に示したようにセンサ1a~1dを配置した場合、「θ」は「45°」、「135°」、「225°」、「315°」となる。この場合において、「α」を「√2」とすると、式(1)及び式(2)より求められる「Xt」、「Yt」の絶対値は、それぞれ平滑化値Dと同じ値となる。
 次に、図11を参照して、第2実施例における座標変換の一例について説明する。ここでは、「α=√2」として、座標変換を行う場合を例示する。また、センサ1aは「θ=135°」であり、センサ1bは「θ=45°」であり、センサ1cは「θ=315°」であり、センサ1dは「θ=225°」であるものとする。
 図11(a)は、センサ1a~1bのそれぞれに対応する平滑化値の一例を示している。これらの平滑化値は、センサ1a~1bの出力信号を増幅した後の信号に対して、人体位置検出装置内のセンサ出力信号処理部22が、全波整流を行った後に平滑化処理を行うことにより生成される。具体的には、グラフ91aはセンサ1aに対応する平滑化値を示しており、グラフ91bはセンサ1bに対応する平滑化値を示しており、グラフ91cはセンサ1cに対応する平滑化値を示しており、グラフ91dはセンサ1dに対応する平滑化値を示している。
 図11(b)は、図11(a)に示す時刻t2での、センサ1a~1dのそれぞれの平滑化値及び座標値(2次元座標値)を示している。座標値は、平滑化値に基づいて、人体位置検出装置2内の座標変換部24によって求められる。この場合、「θ」は「45°」、「135°」、「225°」、「315°」であり、「α」は「√2」であるため、平滑化値と、2次元座標値における「Xt」の絶対値と、2次元座標値における「Yt」の絶対値とが同じ値となる。センサ1a~1dにおける「Xt」、「Yt」の正負は、それぞれのセンサの配置位置に応じて決まる、つまり2次元座標系のX軸とセンサ軸83とがなす角θに応じて決まる。
 図11(c)は、図11(b)に示す座標値を2次元座標系にマッピングした図を示している。当該マッピングも、座標変換部24によって行われる。この場合、センサ1aに対応する座標値は、「Xt」がマイナスで「Yt」がプラスとなる領域(第2象限)にマッピングされる。また、センサ1bに対応する座標値は、「Xt」及び「Yt」が共にプラスとなる領域(第1象限)にマッピングされる。また、センサ1cに対応する座標値は、「Xt」がプラスで「Yt」がマイナスとなる領域(第4象限)にマッピングされる。また、センサ1dに対応する座標値は、「Xt」及び「Yt」が共にマイナスとなる領域(第3象限)にマッピングされる。具体的には、符号84a~84dに示すように、センサ1a~1dにおける平滑化値のそれぞれが、各センサの配置位置に対応したセンサ軸上にマッピングされる。
 次に、図12を参照して、第2実施例における人体位置検出方法の一例について説明する。つまり、座標変換部24、重心算出部25、及び人体位置算出部26のそれぞれが行う処理の一例について説明する。ここでも、「θ」を「45°」、「135°」、「225°」、「315°」とし、「α」を「√2」として、座標変換を行う場合を例示する。また、図9中の矢印82で示すように人が移動した場合を考える。
 図12(a)は、図11(a)と同様の図を示している。なお、図12(a)中に「閾値A」を示しているが、その値は、第1実施例で示した「閾値A」と同様の値を用いても良いし、異なる値を用いても良い。
 図12(b)は、図11(c)と同様の図を示している。つまり、時刻t2において、座標変換部24が座標値を求めて、当該座標値を2次元座標系にマッピングした図を示している。このように座標変換が行われた場合、人体位置検出装置2内の重心算出部25は、センサ1a~1dのそれぞれに対応する座標値の平均値を求める。この場合、重心算出部25は、4つの座標値を頂点とする四角形の重心を求めるのではなく、4つの座標値の平均値(以下、「平均座標値」と呼ぶ。)を求めて、当該平均座標値を重心の代わりに用いる。具体的には、重心算出部25は、平均座標値におけるX座標値及びY座標値のそれぞれを「Xμ」及び「Yμ」とすると、式(3)及び式(4)より、平均座標値(Xμ、Yμ)を求める。式(3)及び式(4)において、「N」はセンサの数を示し、「Xn」及び「Yn」は各センサに対応する座標値を示している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 式(3)及び式(4)を用いることで、図12(b)に示す例では、点85が平均座標値として求められる。人体位置検出装置2内の人体位置算出部26は、基本的には、このように求められた平均座標値を人体位置とする。
 図12(c)は、図12(a)に示す期間T2において求められた平均座標値の変化を示している。図12(c)に示す2次元座標は、図12(b)に示す2次元座標と同様に規定されている。この場合、破線領域86内に示すように、平均座標値の変化を矢印で表している。このような平均座標値の変化は、オーバーラップエリア内での人体の移動を表している。
 以上説明したように、第2実施例では、4つのセンサ1a~1dを用いて、それぞれから得られた平滑化値を2次元座標系にマッピングし、マッピングされた2次元座標値から平均座標値を求める。これにより、2次元座標系(言い換えると2次元空間)において、人体が存在する位置を適切に検出することができる。したがって、第2実施例によれば、第1実施例と比較して、オーバーラップエリアにおいて、人体位置をより細かく検出することが可能となる。
 なお、上記では重心算出部25が平均座標値(座標値の平均値)を求める例を示したが、これに限定はされない。他の例では、重心算出部25は、平均座標値の代わりに、各センサに対応する座標値を頂点とする四角形の重心を求めることができる。この例では、人体位置算出部26は、求められた重心を人体位置とする。上記したように平均座標値を求める場合には、平均座標値は重心よりも容易に求めることができるため、処理の負荷を軽減することができるといったメリットがある。これに対して、重心を求める場合には、平均座標値を求める場合よりも、人体位置を精度良く検出することができるといったメリットがある。なお、上記したような平均座標値及び重心は、本発明における「重心相当位置」に相当する。
 また、上記では、閾値A以上である平滑化値だけでなく、閾値A未満である平滑化値についても座標値を求めて、当該座標値を用いて平均座標値を求める例を示したが(例えば図12(a)及び図12(b)参照)、この代わりに、閾値A以上である平滑化値についてのみ座標値を求めて、当該座標値から平均座標値を求めることとしても良い。若しくは、閾値A以上である平滑化値についてのみ座標値を求め、座標値が2つ求められた場合には当該座標値を端点とする線分の重心を求めることとし、座標値が3つ又は4つ求められた場合には当該座標値を頂点とする三角形又は四角形の重心を求めることとしても良い。
 なお、第1実施例では2つのセンサ1a、1bを1次元配置する例を示したが、2つのセンサ1a、1bを2次元配置することも可能性である。2つのセンサ1a、1bを2次元配置した場合には、上記した第2実施例と同様の手法により人体位置を検出することができる。
 [変形例]
 上記では、人体位置検出装置2が、センサ1a、1b(若しくはセンサ1a~1d)の出力信号を取得し、当該出力信号に対して増幅、全波整流、及び平滑化処理を行う例を示したが、人体位置検出装置がこれらの処理を行うことに限定はされない。他の例では、人体位置検出装置は、内部で増幅、全波整流、及び平滑化処理を行わずに、これらの処理が行われた後の信号を取得することができる。
 図13は、変形例に係る人体位置検出装置2xの概略構成を示すブロック図である。なお、図1と同一の符号を付した構成要素は、同様の構成であるものとして、その説明を省略する。
 変形例に係る人体位置検出装置2xは、増幅回路21a、21b及びセンサ出力信号処理部22を具備せずに、信号受信部28を具備する点で、人体位置検出装置2と構成が異なる。信号受信部28は、ネットワーク4を介して、信号処理装置3a、3bから信号を受信する。信号受信部28は、本発明における「出力値取得手段」の一例に相当する。
 信号処理装置3a、3bは、増幅回路3a1、3b1と、センサ出力信号処理部3a2、3b2と、信号送信部3a3、3b3と、を有する。増幅回路3a1、3b1は、センサ1a、1bの出力信号を取得し、当該出力信号を増幅する。センサ出力信号処理部3a2、3b2は、増幅回路3a1、3b1による増幅後の信号を取得し、当該信号に対して全波整流を行った後に平滑化処理を行う。信号送信部3a3、3b3は、センサ出力信号処理部3a2、3b2による処理後の信号を取得し、ネットワーク4を介して、当該信号を人体位置検出装置2x内の信号受信部28に送信する。
 このような変形例に係る人体位置検出装置2xによれば、当該装置を簡便に構成することが可能となる。
 なお、上記ではセンサを2つ又は4つ用いる例を示したが、本発明の適用はこれに限定はされない。本発明は、センサを3つ用いる構成やセンサを5つ以上用いる構成にも適用することができる。このような構成を用いる場合にも、人体位置検出装置は、各センサに対応する平滑化値をセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換して、当該座標値を頂点とする多角形の重心又は当該座標値の平均値を、オーバーラップエリア内での人体位置として求めることができる。
 また、上記では、センサの出力信号に対して全波整流及び平滑化処理が行われた後の信号を用いて人体位置を検出する例を示したが、これに限定はされない。全波整流が行われずに平滑化処理のみが行われた信号を用いて人体位置を検出することとしても良いし、全波整流及び平滑化処理の両方が行われていない信号を用いて人体位置を検出することとしても良い。更に、上記では、センサの出力信号を増幅する例を示したが、センサの出力信号を増幅しなくても良い。
 本発明は、音響空間において人体位置に応じた最適な音場を提供することを図った音響機器や、人体位置に応じて制御の調整を行うエアコンなどの家電機器や照明に利用することができる。
 1a、1b センサ
 2、2x 人体位置検出装置
 21a、21b 増幅回路
 22 センサ出力信号処理部
 23 人体有無判定部
 24 座標変換部
 25 重心算出部
 26 人体位置算出部
 28 信号受信部
 3a、3b 信号処理装置
 4 ネットワーク

Claims (9)

  1.  人体の動きを検出して電気的信号を出力する複数のセンサを用いて、人体位置を検出する人体位置検出装置であって、
     前記複数のセンサは、当該複数のセンサのうちの2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置されており、
     前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対応する出力値を取得する出力値取得手段と、
     前記検出範囲がオーバーラップするように配置された前記2以上のセンサにおける前記出力値が所定の閾値以上である場合に、前記複数のセンサにおける前記出力値を、前記複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する座標変換手段と、
     前記座標値によって形成される線分又は多角形における重心相当位置を求める重心相当位置算出手段と、
     前記重心相当位置に基づいて前記人体位置を求める人体位置算出手段と、を備えることを特徴とする人体位置検出装置。
  2.  前記重心相当位置算出手段は、前記座標値が2つ求められた場合には当該座標値を端点とする線分の重心を前記重心相当位置として求め、前記座標値が3つ以上求められた場合には当該座標値を頂点とする多角形の重心を前記重心相当位置として求めることを特徴とする請求項1に記載の人体位置検出装置。
  3.  前記重心相当位置算出手段は、前記座標値の平均値を前記重心相当位置として求めることを特徴とする請求項1に記載の人体位置検出装置。
  4.  前記座標変換手段は、前記複数のセンサとして2つのセンサが用いられている場合、前記2つのセンサのうちの一方のセンサにおける前記出力値を1次元座標系のマイナス軸上にマッピングした値を前記座標値として求めると共に、前記2つのセンサのうちの他方のセンサにおける前記出力値を前記1次元座標系のプラス軸上にマッピングした値を前記座標値として求め、
     前記重心相当位置算出手段は、前記マイナス軸上にマッピングされた前記座標値及び前記プラス軸上にマッピングされた前記座標値を端点とする線分の重心を、前記重心相当位置として求めることを特徴とする請求項1に記載の人体位置検出装置。
  5.  前記人体位置算出手段は、
     前記重心相当位置の絶対値が所定値以下である場合、当該重心相当位置を前記人体位置として求め、
     前記重心相当位置の絶対値が前記所定値よりも大きい場合、当該重心相当位置に関わらずに、前記所定値に対応する位置を前記人体位置として求めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の人体位置検出装置。
  6.  前記出力値取得手段は、前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対して平滑化処理が行われた後の信号を、前記出力値として取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の人体位置検出装置。
  7.  前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対して平滑化処理を行う出力信号処理手段を更に備えており、
     前記出力値取得手段は、前記出力信号処理手段によって前記平滑化処理が行われた後の信号を前記出力値として取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の人体位置検出装置。
  8.  前記複数のセンサにおける前記出力値と前記閾値とを比較することで、前記複数のセンサの前記検出範囲に応じて規定された複数のエリアにおいて前記人体が存在するエリアを判定する人体有無判定手段を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の人体位置検出装置。
  9.  人体の動きを検出して電気的信号を出力する複数のセンサを用いて、人体位置を検出する人体位置検出方法であって、
     前記複数のセンサは、当該複数のセンサのうちの2以上のセンサにおける検出範囲がオーバーラップするように配置されており、
     前記複数のセンサが出力した前記電気的信号に対応する出力値を取得する出力値取得工程と、
     前記検出範囲がオーバーラップするように配置された前記2以上のセンサにおける前記出力値が所定の閾値以上である場合に、前記複数のセンサにおける前記出力値を、前記複数のセンサの配置に応じて規定された座標系の座標値に変換する座標変換工程と、
     前記座標値によって形成される線分又は多角形における重心相当位置を求める重心相当位置算出工程と、
     前記重心相当位置に基づいて前記人体位置を求める人体位置算出工程と、を備えることを特徴とする人体位置検出方法。
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