JP2005055324A - 人位置検知装置 - Google Patents

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浩司 山本
Kazuyo Ota
和代 太田
Shigeyuki Inoue
茂之 井上
Shinji Tanaka
真司 田中
Eiji Noguchi
栄治 野口
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】 人物が複数の部屋にまたがって存在するような場合であっても、人物の位置検知をすることができる人位置検知装置を提供する。
【解決手段】 各個人より得られる所定の情報と予め登録されている個人識別データとを照合することにより個人を識別する個人識別装置10と、前記個人識別装置10の識別領域を境界とするエリア内に配置され、人に反応する人検知装置20と、前記個人識別装置10が個人を識別した際に、前記個人識別装置10の設置位置から前記個人が存在しているエリアを絞り込むエリア特定部40と、前記エリア特定部40が絞り込んだエリア内に配置された前記人検知装置20の反応量の変化から、前記個人の存在するエリアを推定する人位置推定部50とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人位置検知装置に関し、特に、建物内部において人の存在する場所を検知する人位置検知装置に関する。
病院や老人ホームにおいて、個々の患者や入居者がどの場所にいるのかを知ることは安全の確保のために重要である。例えば、通常立ち入らないエリアや夜間に立ち入らないエリアなどに人がいる場合に施設の管理者や看護婦に対して通報したり、危険物の位置を予め指定しておき、その場所に近づいた時に通報したりする装置があれば安全を確保するのに有効である。
従来、人物を特定し、その位置を検知するシステムとして、人がエリア内に入った際に、前記エリア内に配置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラによって撮影された画像を処理して人物領域を抽出し、その頭頂部の位置関係から撮影されたエリア内での人物の座標値を求めるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−074855号公報
しかしながら、従来のシステムでは、CCDカメラで撮像可能な範囲においてのみ人物の位置を求めることができる。すなわち、屋内においては1つの部屋内でしか人物の位置検知をすることができず、人物が複数の部屋にまたがって存在するような場合には、人物の位置検知をすることができないという問題がある。
また、画像上で人物が重なった場合には、それが一人であるのか二人であるのかの判断が困難であるため、分離が困難であるという問題がある。
さらに、静止している人物の場合には画像上での時間的変化が得られにくいため、人物領域の抽出が困難であるという問題がある。
さらにまた、夜間照明下など十分なコントラストが得られない場合にも人物領域の抽出が困難であり、照明条件によって抽出精度が一定しないという問題がある。
また、従来のシステムでは完全な人位置検知ができないにもかかわらず、計算量が膨大である。このため、複数の部屋で人物の検知を行なうためには、部屋毎にCCDカメラおよび画像処理用のコンピュータが必要であり、コストがかかるという問題がある。
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、人物が複数の部屋にまたがって存在するような場合であっても、人物の位置検知をすることができる人位置検知装置を提供することを目的とする。
また、複数の人物が重なり合う場合であっても、人物の位置検知をすることができる人位置検知装置を提供することも目的とする。
さらに、人物が静止している場合であっても、人物の位置検知をすることができる人位置検知装置を提供することも目的とする。
さらにまた、照明条件が変化した場合であっても、安定して人物の位置検知をすることができる人位置検知装置を提供することも目的とする。
また、低コストで人物の位置検知をすることができる人位置検知装置を提供することも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る人位置検知装置は、各個人より得られる所定の情報と予め登録されている個人識別データとを照合することにより個人を識別する個人識別手段と、前記個人識別手段の識別領域を境界とするエリア内に配置され、人に反応する人検知手段と、前記個人識別手段が個人を識別した際に、前記個人識別手段の設置位置から前記個人が存在しているエリアを絞り込むエリア特定手段と、前記エリア特定手段が絞り込んだエリア内に配置された前記人検知手段の反応量の変化から、前記個人の存在するエリアを推定する人位置推定手段とを備える。
この構成によると、個人識別手段が個人を特定するとともに、エリア特定手段がその個人が存在するエリアを絞り込んでいる。その後、人位置検知手段が絞り込まれたエリア内の人検知手段の反応量に基づいて検知対象の個人の存在するエリアを推定している。このため、人物が複数のエリアにまたがって存在するような場合であっても、人位置検知を行なうことができる。また、複数の人物が重なり合ったとしても、人検知手段の反応量により同一エリア内に複数の人物が存在することが分かる。このため、このような場合であっても人位置検知を行なうことができる。さらに、人物が静止している場合であっても、人検知手段により人の有無を検知することができるため、人位置検知を行なうことができる。また、エリアごとにCCDカメラや画像処理用のコンピュータを設ける必要がないため、低コストで人位置検知装置を構築することができる。
好ましくは、人位置検知装置は、さらに、検知対象の各個人に割当てられ、当該個人の活動量を計測する活動量センサを備え、前記人位置推定手段は、前記エリア特定手段が絞り込んだエリア内に配置された前記人検知手段の反応量の変化と、当該エリア内に存在する個人の活動量の変化とから、検知対象の個人の存在するエリアを推定する。
この構成によると、検知対象の個人以外の人の活動量が人検知手段の反応量に影響をおよぼすような場合であっても、その活動量を加味して検知対象の個人の存在するエリアを推定している。このため、正確に人物の移動を検知することができる。
さらに好ましくは、前記人検知手段が一つのエリア内に複数配置され、前記人位置推定手段は、前記複数の人検知手段における各々の反応量の変化に基づいて、エリア内での検知対象の個人の存在位置をさらに狭い範囲で推定する。
この構成によると、エリア内で複数の人検知手段の反応量の変化を見ることにより、さらなる位置の絞込みを行なうことができる。
さらに好ましくは、人位置検知装置は、さらに、前記個人識別手段の識別結果と、前記人検知手段の検知結果と、前記人位置推定手段の推定結果とを、時間情報とともに蓄積するデータ収集手段を備え、前記人位置推定手段は、前記人位置推定手段の推定結果と前記個人識別手段の識別結果との間で矛盾が生じるか否かを調べ、矛盾が生じた場合に、矛盾が生じた時点から現在までの前記人位置推定手段の推定結果を修正する。
この構成によると、人位置推定手段が位置推定を行なった場合であっても、その後の個人識別手段による識別結果を調べることにより、位置推定の結果に矛盾が生じると判断される場合には、当該位置推定を修正することができる。
さらに好ましくは、前記人検知手段は焦電センサである。
人検知手段として焦電センサを用いている。このため、照明の影響を受けずに、安定して人位置検知を行なうことができる。
なお、本発明は、このような人位置検知装置として実現するだけではなく、このような人位置検知装置が備える特徴的な手段をステップとする人位置検知方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
本発明に係る人位置検知装置によると、人物が複数の部屋にまたがって存在するような場合であっても、正確に人物の位置検知をすることができる。
また、複数の人物が重なり合う場合であっても、人物の位置検知をすることができる。
さらに、人物が静止している場合であっても、人物の位置検知をすることができる。
さらにまた、照明条件が変化した場合であっても、安定して人物の位置検知をすることができる。
また、低コストで人物の位置検知をすることができる。
本発明の人位置検知装置によると、建物内部での特定の人物の位置を知ることができるシステムを安価に設置することができ、例えば、病院や老人ホームといった施設において患者や入居者の安全を確保する上での情報源となりえる。また、家庭内においては、独居高齢者の看視システムとして利用可能である。例えば、一般の家庭においても、独居高齢者の宅内の行動をカメラ等を使うことなく看視することができ、トイレや浴室での異常の早期発見に役立てることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る人位置検知装置について説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る人位置検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。人位置検知装置は、個人識別装置10、人検知装置20、データ収集装置30、エリア特定部40および人位置推定部50を備えている。
個人識別装置10は、予め登録されている個人データを用いて、その装置に近づいた人が誰であるのかを識別する装置である。ここでは、個人識別装置10は、体重センサを備えており、体重より人物を特定する装置であるものとする。すなわち、床に埋め込まれた体重センサによって、その上を通った人の体重を計測し、予め登録されている個人毎の体重データと照合することで個人を特定する。個人識別装置10は、図2に示すように部屋と部屋の間のドア位置などに設置される。
人検知装置20は、人の存在の有無または人数を検知する装置である。ここでは、人検知装置20は、焦電センサを備えているものとする。焦電センサは、人が出す熱の温度分布を検出し、その大きさや揺らぎの頻度によって反応が変化する仕組みのセンサである。人検知装置20は、焦電センサの反応の強弱をみることによって人の存在の有無や人数を検知する。人検知装置20は、図2に示すように部屋の天井などに設置される。
個人識別装置10および人検知装置20はそれぞれ通信装置を介して、データ収集装置30と接続されている。データ収集装置30は、個人識別装置10から出力される個人識別結果と人検知装置20から出力される人の存在の有無または人数とを受信し、蓄積する装置である。
エリア特定部40は、個人識別装置10の設置場所に関する情報と個人識別装置10での個人識別結果とに基づいて、検知対象人物が存在するエリアを絞り込む装置である。なお、エリア特定部40は、検知対象人物を必ずしも1つのエリアに特定するものではない。
ここで「エリア」とは、個人識別装置10を構成する体重センサの検知位置を境界に含む空間領域と定義する。例えば、病院において各病室の入り口位置に個人識別装置10が配置された時には、病室内と外の廊下とが別々のエリアと定義される。また、病室内であってもベッドとベッドとの間に個人識別装置10が配置された場合には、それぞれのベッドが別々のエリアであると定義される。これらのエリアは、人位置検知装置を使用するユーザーの使用目的によって分けられるべきであり、例えば、病院内での危険防止やセキュリティに使用する場合には、危険な場所や人の目の届かない場所をエリアとして区切るように個人識別装置10を配置すればよい。また、病院内で各患者の居所を管理したいというような場合には、病室や部屋単位でエリアが区切られるように個人識別装置10を配置すればよい。
人位置推定部50は、エリア特定部40が絞り込んだエリアにおける人検知装置20の情報を使って、検知対象人物がどのエリアにいるかを推定する装置である。
次に、以上のように構成された人位置検知装置の動作について具体例を示しながら説明する。
図3は、検知対象となる建物内の配置の模式図である。この建物には、エリアA〜Dの4つのエリアが存在し、4つのエリアの境界には個人識別装置10a〜10dがそれぞれ配置されているものとする。また、各エリアの中央には、そのエリアをカバーするように人検知装置20a〜20dが配置されているものとする。また、個人識別装置10a〜10dは、上述の個人識別装置10と同じ構成を有し、人検知装置20a〜20dは、上述の人検知装置20と同じ構成を有するものとする。
図4は、人位置検知装置が実行する処理のフローチャートである。ここでは、一例として、個人識別装置10aが人物を識別した場合の処理について説明する。
個人識別装置10aが人物Xを検知したとする(S1)。ここで、個人識別装置10aが人物Xを検知した時刻tをt0とする。この場合、個人識別装置10aがエリアAとエリアBとの境界に位置していることから、エリア特定部40は、人物XがエリアAまたはエリアBのいずれかに存在していると特定する(S2)。
次に、人位置推定部50は、人物Xが存在すると特定されたエリア(エリアA、B)の人検知装置20aおよび20bの反応量をデータ収集装置30より読み出し、反応量の変化を計測する(S3)。反応量の変化は、時刻tが(t0−T)<t<(t0+T)となる範囲(Tは所定の正の値)で計測するものとする。
ここで、図5に示すように人物XがエリアAからエリアBに移動した場合には、図6に示すように、人検知装置20aの反応量が減少し、かつ人検知装置20bの反応量が増加する。逆に人物XがエリアBからエリアAに移動した場合には、人検知装置20aの反応量が増加し、かつ人検知装置20bの反応量が減少する。
従って、時刻tが(t0−T)<t<(t0+T)となる範囲で、人検知装置20aの反応量が減少し、かつ人検知装置20bの反応量が増加する場合には(S4でYES)、人位置推定部50は、人物XがエリアAからエリアBへ移動し、現在(t=t0+T)、エリアBにいると推定する(S5)。また、人検知装置20aの反応量が増加し、かつ人検知装置20bの反応量が減少する場合には(S6でYES)、人位置推定部50は、人物XがエリアBからエリアAへ移動し、現在、エリアAにいると推定する(S7)。それ以外の場合には(S6でNO)、人物XがエリアAとエリアBとの境界付近にいると推定する(S8)。人位置推定部50は、人物Xの推定位置結果を出力し(S9)、処理を終了する。
なお、個人識別装置10b、10cまたは10dが人物を識別した場合であっても同様の処理を行ない人物の位置を推定する。
次に、建物内に二人の人物(人物Xおよび人物Y)が存在している場合を考える。
例えば、図7に示すように人物Xおよび人物YがエリアAにおり、人物XのみがエリアBへと移動したとする。この場合、個人識別装置10aが人物Xを識別する。エリア特定部40は、個人識別装置10aがエリアAとエリアBとの境界に位置することから、人物XがエリアAまたはエリアBのいずれかに存在していると特定する(図4のS2)。このとき人物Yはいずれの個人識別装置10(個人識別装置10a〜10d)にも反応していない。次に、人物XがエリアAからエリアB移動するに従って、人検知装置20aの反応量が減少し、かつ人検知装置20bの反応量が増加する。人位置推定部50は、この反応量の変化によって(S4でYES)、人物XがエリアAからエリアBに移動したと推定する(S5)。この時の人検知装置20aおよび20bの反応量は図8に示すように変化する。エリアAには人物Yが存在するため人検知装置20aの反応量が無くなるわけではないが、反応量は相対的に減少する。このため、人位置推定部50は人物Xの移動方向を推定することができる。
次に、人物Xと人物Yとが別のエリアから同一のエリアに入ってくる場合を考える。例えば、図9に示すように人物XがエリアAに、人物YがエリアCにそれぞれ存在していたとし、人物XはエリアAからエリアBに、人物YはエリアCからエリアBにほぼ同時に移動するものとする。
この場合、個人識別装置10aが人物Xを識別し、個人識別装置10bが人物Yを識別する。この時点で、エリア特定部40は人物Xの存在エリアをエリアAまたはエリアBと特定し、人物Yの存在エリアをエリアBまたはエリアCと特定する(図4のS2)。ここで、人検知装置20a〜20cの反応量は図10に示すように変化する。人検知装置20aおよび20cの反応量が減少し、かつ人検知装置20bの反応量が増加していることと、人検知装置20bの反応量の増加量が人検知装置20aおよび人検知装置20cの減少量の和とほぼ一致することから、人位置推定部50は、人物XがエリアAからエリアBへ移動し、人物YがエリアCからエリアBへ移動したと推定する。
以上のように、実施の形態1に係る人位置検知装置によると、人物が複数のエリアにまたがって存在するような場合であっても、人位置検知を行なうことができる。
また、複数の人物が重なり合う場合であっても、人検知装置20の反応量を計測することにより同一エリア内に複数の人物が存在することが分かる。このため、このような場合であっても人位置検知を行なうことができる。
さらに、人物が静止している場合であっても、焦電センサなどの人検知装置20で人物の存在の有無を検知することができるため、人位置検知を行なうことができる。
さらにまた、焦電センサなどの人検知装置20を用いて人物の存在の有無を検知しているため、照明の影響を受けずに、安定して人位置検知を行なうことができる。
また、エリアごとにCCDカメラや画像処理用のコンピュータを設ける必要がないため、低コストで人位置検知装置を構築することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る人位置検知装置について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の説明では、実施の形態1における人位置検知装置の部品と同様の部品には同一の参照符号を付す。それらの名称および機能も同一であるため、適宜説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1と異なり、各個人の活動量を計測することにより人位置検知の精度を高めるものである。
図11は本実施の形態に係る人位置検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。人位置検知装置は、個人識別装置10、人検知装置20、データ収集装置30、エリア特定部40、人位置推定部50および活動量センサ60を備えている。
活動量センサ60は、人物の活動量を計測するセンサである。ここでは、活動量センサ60として加速度センサを用いるものとする。活動量センサ60は、位置検知対象となる人物がそれぞれ携帯しているものとする。活動量センサ60で計測された人物の活動量(加速度)は、データ収集装置30に送信され、書き込まれる。
次に、具体例を示しながら本実施の形態に係る人位置検知装置の実行する処理について説明する。
ここでは、図7に示すように人物Xおよび人物Yが、エリアAに存在しており、人物XのみがエリアBに移動した場合を考える。
このような場合には、実施の形態1で説明したように、人検知装置20aおよび20bの反応量は図8に示すように変化すると考えられる。したがって、実施の形態1と同様の処理を行なうことにより人位置検知を行なうことができる。しかし、人物YがエリアA内で大きく移動し、人物Yの活動量が大きく増加したような場合に合っては、人検知装置20aおよび20bの反応量が図12に示すように変化する場合も考えられる。この場合には、人検知装置20aの反応量の減少量が、人検知装置20bの反応量の増加量と大きく異なる。このため、実施の形態1と同じ処理を行なったのでは、人検知装置20aの反応量が減少していると判断されず、人物Xの位置について誤った検知を行なう場合があると考えられる。
そこで、本実施の形態では、人検知装置20aの反応量からエリアA内に存在する人物、すなわち人物Yの活動量を差し引くことによって、人物Xに対する正味の人検知装置20aの反応量の変化を知る。これにより、人位置推定部50における位置推定精度を向上させることができる。なお、人検知装置20の反応量から活動量センサ60の活動量を差し引きすることができるように、活動量は正規化して考えている。
図13は本実施の形態に係る人位置検知装置が実行する処理のフローチャートである。ただし、このフローチャートは、上述した具体的事例において人位置検知装置が実行する処理について記述されている。
個人識別装置10aによる人物Xの検知処理(S1)から人検知装置20の反応量の変化計測処理(S3)は、図4に示した処理と同様である。
次に、人位置推定部50は、エリアA内に存在する人物Yの活動量の変化を計測する(S11)。なお、活動量の変化は反応量の変化と同様、時刻tが(t0−T)<t<(t0+T)となる範囲において計測するものとする。
次に、人位置推定部50は、時刻tが(t0−T)<t<(t0+T)となる範囲で、人検知装置20aの反応量が減少し、かつ人検知装置20bの反応量が増加するか否かを調べ(S4)、この条件が満たされる場合には(S4でYES)、人物XがエリアAからエリアBへ移動し、現在(t=t0+T)、エリアBにいると推定する(S5)。
上記条件が満たされていない場合には(S4でNO)、人位置推定部50は、人検知装置20aの反応量が増加しているかまたは変化がないかを調べ(S12)、人検知装置20aの反応量が増加しているかまたは変化がない場合には(S12でYES)、人物Yの活動量が増加しているか否かを調べる(S13)。人物Yの活動量が増加している場合には(S13でYES)、人検知装置20aの反応量が人物Yの活動により増加していると考えられるため、人位置推定部50は人物XがエリアBにいると推定する(S14)。人物Yの活動量が増加してない場合には(S13でNO)、人検知装置20aの反応量は人物Yの活動によっては影響を受けていないと考えられるため、人位置推定部50は人物XがエリアAにいると推定する(S16)。
人検知装置20aの反応量が減少している場合には(S12でNO)、人位置推定部50は、人検知装置20bの反応量が増加しているかを調べる(S15)。人検知装置20aの反応量が減少し、かつ人検知装置20bの反応量が増加している場合には(S15でYES)、人位置推定部50は、人物XがエリアAにいると推定する(S16)。人検知装置20aの反応量が減少し、かつ人検知装置20bの反応量が減少しているかまたは変化がない場合には(S15でNO)、人位置推定部50は、人物XがエリアAとエリアBとの境界付近にいると推定する(S17)。人位置推定部50は、人物Xの推定位置結果を出力し(S18)、処理を終了する。
以上のように、本実施の形態に係る人位置検知装置よると、上述の実施の形態に係る人位置検知装置の効果に加え、人物の活動量が人検知装置の反応量に影響をおよぼす場合であっても、人物の移動を検知することができる。
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3に係る人位置検知装置について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る人位置検知装置は、図1に示した実施の形態1または実施の形態2に係る人位置検知装置と同様のハードウェア構成を有する。ただし、人検知装置20の設置箇所および個数が実施の形態1および2とは異なる。それに伴い、人位置推定部50における人位置推定処理が実施の形態1および2とは異なる。
図14は、図3に示したエリアAを拡大した図である。エリアAには、図3とは異なり4つの人検知装置20(人検知装置201〜204)が配置されているものとする。図中の4つの円は人検知装置20のそれぞれの検知範囲を示している。人位置推定部50は実施の形態1および2のような処理を行なうことにより、人物のエリア間での移動方向を推定することが可能であるが、エリア内に存在する人物が一人の場合には、人検知装置201〜204の情報を用いることにより、さらに位置を絞り込むことができる。なお、エリア間での移動の推定の場合には、人検知装置201〜204の反応量の和をエリアAにおける人検知装置20aの反応量として推定が行なわれる。
図15は、人物の位置を絞り込むために人位置推定部50が実行する処理のフローチャートである。
まず、実施の形態1または2に示した人位置推定部50の推定処理に従い、時刻t0に人物XがエリアAにいると判断されたものとする(S21)。その場合、人位置推定部50は、エリアA内の人検知装置201〜204の各反応量を計測し(S22)、その中で最も大きい反応量を示している人検知装置Pを抽出し(S23)、その検知エリアを人物Xがいる位置と推定する(S24)。人位置推定部50は、人検知装置Pの検知エリアを推定位置結果として出力する(S25)。
人位置推定部50は、次の時刻(t0+T)において、エリアA内の人検知装置201〜204の各反応量の時刻t0から時刻(t0+T)に渡る変化を計測する(S26)。計測結果に基づいて、人位置推定部50は、人検知装置Pの反応量が減少しているか否か調べる(S27)。人検知装置Pの反応量が減少している場合には(S27でYES)、人物Xが人検知装置Pの検知エリアから移動している可能性がある。このため、人位置推定部50は、人検知装置P以外の3つの人検知装置Q、RおよびSの反応量の変化を調べる。人検知装置Qの反応量が増加している場合には(S28でYES)、人位置推定部50は、人物Xが人検知装置Qの検知エリア内にいると推定する。人検知装置Rの反応量が増加している場合には(S28でNO、S30でYES)、人位置推定部50は、人物Xが人検知装置Rの検知エリア内にいると推定する(S31)。人検知装置Sの反応量が増加している場合には(S28でNO、S30でNO、S32でYES)、人位置推定部50は、人物Xが人検知装置Sの検知エリア内にいると推定する。
人検知装置Pの反応量が減少しているにもかかわらず、他の人検知装置Q、RおよびSの反応量が増加していなければ(S28でNO、S30でNO、S32でNO)、人位置推定部50は、人物Xが各人検知装置の境界付近にいると推定する(S34)。また、人検知装置Pの反応量が増加または一定している場合には(S27でNO)、人位置推定部50は、人物Xが人検知装置Pの検知エリア内にいると推定する(S35)。人位置推定部50は、位置推定結果を出力し(S36)、処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係る人位置検知装置よれば、上述の実施の形態に係る人位置検知装置の効果に加え、エリア内で人検知装置の反応量の変化を見ることにより、さらなる位置の絞込みを行なうことができる。
なお、図14では、人検知装置の検知エリアが重ならないように記載しているが、検知エリアが重なるように人検知装置を配置しても良い。また、人検知装置の数は、4つには限られない。
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4に係る人位置検知装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る人位置検知装置は、図1に示した実施の形態1に係る人位置検知装置と同様のハードウェア構成を有する。ただし、本実施の形態に係る人位置推定部50は、推定結果の修正を行なうことができる点が実施の形態1と異なる。なお、個人識別装置10a〜10dによる識別結果、人検知装置20a〜20dの反応量および人位置推定部50による推定結果はデータ収集装置30に時間情報とともに蓄積される。
図16は、本実施の形態に係る人位置検知装置が実行する処理のフローチャートである。本実施の形態においても、図3と同じ建物内を検知対象としており、個人識別装置10および人検知装置20の配置も図3と同じであるものとする。
個人識別装置10aが人物Xを検知したとする場合には、まず、実施の形態1に係る人位置検知装置と同様に人検知装置20aおよび20bの反応量の変化に基づいて、人物Xの位置推定を行ない結果を出力する(S1〜S8、S41、S45、S46)。しかしながら、人検知装置20aおよび20bの反応量の変化は、人物X以外の他の人物の活動量の変化によって影響を受ける可能性があるため、人物Xの位置推定結果が誤っている場合も考えられる。そこで、人物Xの位置推定の後に、個人識別装置10の識別結果に基づいて位置推定が誤っているかの判断を行ない、位置推定が誤っている場合には位置推定結果を変更する。
例えば、図17に示すように、人物XおよびYがエリアAにおり、人物ZがエリアBにいるものとする。また、人物XはエリアAからエリアBに移動するものとする。この場合、人検知装置20aおよび20bの反応量の変化が図6のようになった場合には人物XはエリアBにいると推定され(S5)、人位置推定部50より人物Xの位置推定結果が出力される(S41)。その後、個人識別装置10dで人物Xが検知されるか否かが判断される(S42)。個人識別装置10dで人物Xが検知された場合には(S42でYES)、人物XはエリアAまたはエリアDにいるはずである。このため、人物XがエリアBにいるとした人位置推定部50の推定結果は誤りであることが分かる。このため、人位置推定部50は、人検知装置20aおよび20bの反応量の変化を計測した時刻t1(=t0+T1:T1は正の値)から現在の時刻t2(=t1+T2:T2は正の値)までの人物Xの存在する位置をエリアAに変更する(S44)。すなわち、データ収集装置30に格納されている推定位置結果を修正する。
人検知装置20aおよび20bの反応量の変化により人物XがエリアAにいると推定された場合には(S7、S46)、次に、個人識別装置10bが人物Xを検知したか否かが調べられる(S47)。個人識別装置10bが人物Xを検知した場合には(S47でYES)、人物XはエリアBまたはエリアCにいるはずである。このため、人物XがエリアAにいるとした人位置推定部50の推定結果は誤りであることが分かる。このため、人位置推定部50は、時刻t1から現在の時刻t2までの人物Xの存在する位置をエリアBに変更する(S48)。すなわち、データ収集装置30に格納されている推定位置結果を修正する。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る人位置検知装置によれば、上述の実施の形態に係る人位置検知装置の効果に加え、以下のような効果を奏する。すなわち、人位置推定部50が位置推定を行なった場合であっても、その後の個人識別装置10による識別結果を調べることにより、位置推定の結果に矛盾が生じると判断される場合には、当該位置推定を修正することができる。
以上、本発明に係る人位置検知装置について実施の形態に従って説明を行なったが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では図3の模式図を利用し、2つのエリアが接する場合についてのみ説明をしたが、実際の建物においては、3つ以上のエリアが接する境界も存在する。この様な場合においても、エリアの境界部に個人識別装置が配置されていれば、同様の処理で人位置検知を行なうことができる。
また、個人識別装置10は、身長から個人を識別するものであっても良い。さらに、個人が有する携帯情報端末から無線モジュールを介して個人IDを受信し、当該個人IDより個人を識別するようなものであっても良い。
なお、実施の形態1〜3においては、人検知装置20の反応量の変化を時刻t0から時刻(t0+T)の間で計測するようにすれば、データ収集装置30は必要ない。
本発明によると、病院の病室や老人ホームなど、予め登録された複数の人が移動するような場所での人位置検知装置等として有用である。
本発明の実施の形態1に係る人位置検知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 個人識別装置および人検知装置の配置位置を説明するための図である。 検知対象となる建物内の配置の模式図である。 実施の形態1に係る人位置検知装置が実行する処理のフローチャートである。 人物の移動を説明するための図である。 人検知装置の反応量を示すグラフである。 人物の移動を説明するための図である。 人検知装置の反応量を示すグラフである。 人物の移動を説明するための図である。 人検知装置の反応量を示すグラフである。 実施の形態2に係る人位置検知装置のハードウェア構成を示す図である。 人検知装置の反応量および人物の活動量を示すグラフである。 実施の形態2に係る人位置検知装置が実行する処理のフローチャートである。 図3に示したエリアAを拡大した図である。 人物の推定位置を絞り込むために人位置推定部が実行する処理のフローチャートである。 実施の形態4に係る人位置検知装置が実行する処理のフローチャートである。 人物の移動を説明するための図である。
符号の説明
10、10a、10b、10c、10d 個人識別装置
20、20a、20b、20c、20d 人検知装置
30 データ収集装置
40 エリア特定部
50 人位置推定部
60 活動量センサ

Claims (14)

  1. 各個人より得られる所定の情報と予め登録されている個人識別データとを照合することにより個人を識別する個人識別手段と、
    前記個人識別手段の識別領域を境界とするエリア内に配置され、人に反応する人検知手段と、
    前記個人識別手段が個人を識別した際に、前記個人識別手段の設置位置から前記個人が存在しているエリアを絞り込むエリア特定手段と、
    前記エリア特定手段が絞り込んだエリア内に配置された前記人検知手段の反応量の変化から、前記個人の存在するエリアを推定する人位置推定手段とを備える
    ことを特徴とする人位置検知装置。
  2. さらに、検知対象の各個人に割当てられ、当該個人の活動量を計測する活動量センサを備え、
    前記人位置推定手段は、前記エリア特定手段が絞り込んだエリア内に配置された前記人検知手段の反応量の変化と、当該エリア内に存在する個人の活動量の変化とから、検知対象の個人の存在するエリアを推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の人位置検知装置。
  3. 前記人検知手段が一つのエリア内に複数配置され、
    前記人位置推定手段は、前記複数の人検知手段における各々の反応量の変化に基づいて、エリア内での検知対象の個人の存在位置をさらに狭い範囲で推定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の人位置検知装置。
  4. さらに、前記個人識別手段の識別結果と、前記人検知手段の検知結果と、前記人位置推定手段の推定結果とを、時間情報とともに蓄積するデータ収集手段を備え、
    前記人位置推定手段は、前記人位置推定手段の推定結果と前記個人識別手段の識別結果との間で矛盾が生じるか否かを調べ、矛盾が生じた場合に、矛盾が生じた時点から現在までの前記人位置推定手段の推定結果を修正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の人位置検知装置。
  5. 前記個人識別手段は、
    人の体重を計測する体重センサと、
    前記体重センサの計測値と個人ごとに予め登録されている体重とを照合し、個人を識別する手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の人位置検知装置。
  6. 前記個人識別手段は、
    人の身長を計測する身長センサと、
    前記身長センサの計測値と個人ごとに予め登録されている身長とを照合し、個人を識別する手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の人位置検知装置。
  7. 前記個人識別手段は、
    検知対象の各個人によって携行され、個人を識別する識別子を送信する端末装置と、
    当該端末装置から前記識別子を受信し、当該識別子より個人を識別する手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の人位置検知装置。
  8. 前記人検知手段は焦電センサである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の人位置検知装置。
  9. 人位置検知装置による人位置検知方法であって、
    前記人位置検知装置は、
    各個人より得られる所定の情報と予め登録されている個人識別データとを照合することにより個人を識別する個人識別手段と、
    前記個人識別手段の識別領域を境界とするエリア内に配置され、人に反応する人検知手段とを備え、
    前記個人識別手段が個人を識別した際に、前記個人識別手段の設置位置から前記個人が存在しているエリアを絞り込む絞り込みステップと、
    絞り込まれたエリア内に配置された前記人検知手段の反応量の変化から、前記個人の存在するエリアを推定する推定ステップとを含む
    ことを特徴とする人位置検知方法。
  10. 前記人位置検知装置は、さらに、検知対象の各個人に割当てられ、当該個人の活動量を計測する活動量センサを備え、
    前記推定ステップでは、前記絞り込みステップで絞り込まれたエリア内に配置された前記人検知手段の反応量の変化と、当該エリア内に存在する個人の活動量の変化とから、検知対象の個人の存在するエリアを推定する
    ことを特徴とする請求項9に記載の人位置検知方法。
  11. 前記人検知手段が一つのエリア内に複数配置され、
    さらに、前記複数の人検知手段における各々の反応量の変化に基づいて、エリア内での検知対象の個人の位置を推定するステップを含む
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の人位置検知方法。
  12. さらに、前記推定ステップでの推定結果と前記個人識別手段の識別結果との間で矛盾が生じるか否かを調べ、矛盾が生じた場合に、矛盾が生じた時点から現在までの検知対象の個人のエリア間の推定結果を修正するステップを含む
    ことを特徴とする請求項9に記載の人位置検知方法。
  13. コンピュータに、請求項9〜12のいずれか1項に記載の各ステップを実行させるプログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012029103A1 (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 パイオニア株式会社 人体位置検出装置及び人体位置検出方法

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