WO2011148475A1 - 隠しスライドファスナー用スライダー - Google Patents

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Abstract

 スライダーをコンパクトに構成し、スライドファスナーの閉鎖時に強い横引き力が加わっても、円滑なスライダーの摺動操作を可能にした隠しスライドファスナー用スライダーを提供する。 下翼板2の前端縁2aから後口17側に向かって延設した一対の第2エレメントガイド部8に、ファスナーエレメント13のエレメント後端部13bを摺接させて、上方に立ち上がった状態のファスナーエレメント13を水平状態となるように傾動させる。このとき、ファスナーエレメント13は、案内柱5の外周部に設けた第1エレメントガイド部7にも摺接して、ファスナーエレメント13は更に水平状態になる。

Description

隠しスライドファスナー用スライダー
 本発明は、スライドファスナーの閉鎖時において、その開閉具であるスライダーの本体が外部に表出しないタイプの隠しスライドファスナー用スライダーに関するものである。そして、隠しスライドファスナーの閉鎖時に強い横引き力がスライダーに作用しても、円滑なスライダー操作を可能にする隠しスライドファスナー用スライダーに関する。
 この種の隠しスライドファスナーは女性用の被服類に多く使われていたが、近年は被服類以外の他分野においても使われている。例えば、自動車や列車の座席シートなどに使用されるようになってきた。
 座席シートは、予めフレームに対して一体に形成されたクッション体を被覆している。このとき、シートカバーの寸法としては、クッション体の外形寸法よりも小さく構成されており、クッション体を圧縮状態で被覆し、外観形状に生じる緩みや変形などの発生を極力抑制するように、座席シートが構成されている。
 また、着座時において乗員からの荷重を均等に分散させて受け止めるため、乗員の着座時にはクッション体は弾性変形を行うが、シートカバーもクッション体の弾性変形に追従して変形できるように構成されている。そして、乗員が座席から離れるとクッション体が原形に戻るのに合わせて、シートカバーも確実に原形に戻るように構成されている。シートカバーをクッション体の変形に対して追従できる構成にしておくことで、座席シートの形崩れを防いでいる。
 シートカバーは、通常、天然皮革や合成皮革、或いは積層一体化されたシートから構成されている。積層一体化されたシートは、表皮層と、薄い弾性中間層と、裏面基布層とをラミネート加工などによって積層一体化した構成になっている。表皮層は、様々な構造をもつ編織物などが用いられており、薄い弾性中間層は、ポリウレタン発泡体シートなどが用いられている。そして、極めて細い糸条を使って編成又は織成して得られる薄手の編織物などが、裏面基布層として用いられている。
 通常は、これらのシートから座席シートのシートカバーを製作するのに、形状に合わせて裁断した複数枚からなるシート片を組み合わせて、立体的形状に縫製している。しかしながら、シートカバーの全体を縫製によって製作すると、複雑な外観形状をもつ座席のクッション体にシートカバーを被覆させることができない場合が多発する。そこで従来においては、予めシートカバーに未縫製部分を作っておき、クッション体にシートカバーを被覆した後に、前記未縫製部分を手縫いによって縫製していた。
 最後の仕上げ作業を手縫いによって仕上げた場合には、縫製作業員の技能の差によって、完成品の品質や完成品を仕上げるまでの縫製時間に差が生じ易い。そこで、近年では、手縫いによる仕上げ作業を排除すべく、シートカバーの縫製部の一部において、例えば玉縁部に沿ってスライドファスナーを用いることが多くなっている。
 また、座席シートに用いるスライドファスナーとしては、外観からの意匠性を向上させるため、スライダー本体が外側に表出しない隠しスライドファスナーが多用されてきている。スライドファスナーを用いた結果、全ての縫製作業をミシンにより行うことができるようになり、技能の差に基づく従来の不具合が大幅に改善され、生産効率も一段と向上することになった。
 隠しスライドファスナーが上述したような自動車などの座席シートに用いられる場合、シートカバーはクッション体の外形寸法よりも小さく構成されているので、スライダーの近傍におけるファスナーストリンガーに対して強い横引き力が作用することになる。その結果、ファスナーテープの相対する側縁部がU字状に屈曲固定され、側縁部の折り曲げ端縁に沿ってファスナーエレメントが取着されているファスナーストリンガーが用いられている場合には、ファスナーストリンガーに対して強い横引き力が作用すると、ファスナーエレメントは、この強い横引き力によって立ち上がった状態になってしまう。即ち、ファスナーエレメントは、噛合頭部を上にしてファスナーテープのテープ面に対して直角に立ち上がった姿勢になってしまう。
 そして、スライダーの肩口近傍において強い横引き力を受けながら肩口へと導入された各ファスナーエレメントは、ファスナーテープのテープ面に対して略直角に立ち上がった状態のまま肩口からスライダー内に導入されることになる。
 各ファスナーエレメントにおいて噛合頭部とは反対側に位置するエレメント後端部が、スライダーの下翼板における上面に載ると僅かに水平状態となる方向に向かって傾倒することはできる。しかし、その傾倒は少ないため、往々にしてファスナーエレメントは立ち上がった状態のまま肩口からスライダー内に導入されることになる。その結果、ファスナーエレメントはファスナーテープを案内するテープ案内路に挟み込まれてしまい、スライダーの摺動を不可能にしてしまう。
 この状態において無理にスライダーを摺動させると、横引き力が作用しているファスナーエレメントを損傷させてしまう。そして、最悪の場合には、ファスナーテープの折曲げ縁を裂断しかねない。また、ファスナーエレメントが完全には水平状態にならない状態で、ファスナーエレメントがスライダー内に導入された場合には、スライドファスナーを閉鎖する際に対向するファスナーエレメント同士が正しく噛合せず、所謂パンク状態が生じてしまうことになる。
 このような強い横引き力が作用する隠しスライドファスナーに用いることのできるスライダーとして、本願出願人は既に隠しスライドファスナー用スライダー(特許文献1、2参照)などを提案している。この隠しスライドファスナーでは、ファスナーテープの相対する側縁部をU字状に屈曲固定し、前記側縁部の折り曲げ端縁に沿ってファスナーエレメントを取着した一対のファスナーストリンガーを備えた構成となっている。
 特許文献1に記載された隠しスライドファスナー用スライダーを本願発明の従来例1として、図9にはこのスライダーの斜視図を示している。図9に示すように、スライダー41の下翼板42の左右両側縁には、各側縁に沿って逆L字断面をもつ左右一対の第1フランジ43,44が立設されている。下翼板42の前端縁における中央部には、略楕円形の水平断面をもつ案内柱45が立設されている。
 一対の第1フランジ43,44の上板部分43a,44a間に形成した楔状空間には、案内柱45の上面に一体に形成された矩形領域46aと楔状領域46bとを備えており、案内柱45の外周に沿って外側に張り出した第2フランジ46が設けられている。そして、第2フランジ46の肩口側端部における下翼板42からの下面高さを、他の領域における下翼板42からの下面高さより高く構成しており、第2フランジ46の外周面には後口側に向けて段階的にテーパ角が漸増するテーパ面46cが形成されている。
 特許文献1の発明では、下翼板42に対する高さとして、第2フランジ46の肩口側におけるテーパ面46cの上端稜線部での高さを、後口におけるテーパ面46cの上端稜線部での高さよりも高く構成している。この構成によって、たとえファスナーエレメントが立ち上がった状態から僅かに水平方向に傾倒した状態で、肩口からスライダー41内に導入されたとしても、ファスナーエレメントは第2フランジ46と干渉することなく、第2フランジ46のテーパ面46cに案内されてエレメント案内通路49に導入される。
 ファスナーエレメントがエレメント案内通路49に導入される間に、第2フランジ46のテーパ面46cによる案内と、先行エレメント及びファスナーテープの引張力によるファスナーエレメントを傾倒させようとする力との総合的な影響を受けて、エレメント連結部は第2フランジ46の下面に潜ろうとする姿勢へと徐々に傾いていく。そして、一旦、エレメント案内通路49内に導入されたファスナーエレメントは、一対の第1フランジ43,44の上板部分43a,44aと第2フランジ46とによって傾倒姿勢が確保されることになり、スライダー41のエレメント案内通路49内を円滑に進むようになる。
 そして、ファスナーエレメントが、下翼板42の上板部分43a,44aと第2フランジ46との間に挟まれることがなくなり、ファスナーエレメントの破損やファスナーテープの裂断などの発生を防止できる。そして、スライダー41の円滑な摺動操作を可能にすることができ、隠しスライドファスナー用スライダー1を支障なく閉鎖させることができる。
 特許文献2に記載された隠しスライドファスナー用スライダーを本願発明の従来例2として、図10にはこのスライダーの斜視図を示している。図10に示すように、スライダー51の摺動方向に直交する左右側縁部に沿って設けられた、逆L字形断面からなる一対のフランジ53,54が下翼板52から立設されている。
 下翼板52の前端縁における中央部には、案内柱55が一対の上板部分53a,54aの間に向けて立設されている。案内柱55の外周には、上板部分53a,54aの内側端面56に向けて外側に張り出したエレメントガイド部57が設けられており、上板部分53a,54aにおけるファスナーエレメント59の噛合方向での前端が、エレメントガイド部57の前端よりも前方に延出した構成となっている。
 特許文献2の発明では、上板部分53a,54aにおけるファスナーエレメント59の噛合方向での前端が、エレメントガイド部57の前端よりも前方に延出している構成になっている。この構成によって、ファスナーエレメント59が、スライダー51よりも噛合方向の前方に離間した位置において、噛合頭部59aを上にしてファスナーテープ60に対して直角に立ち上がった姿勢であったとしても、ファスナーエレメント59は、エレメントガイド部57の前端よりも前方に延設されている上板部分53a,54aに接触しながらスライダー51内に案内されることになる。
 そして、上板部分53a,54aに接触しながらスライダー51内に案内されるファスナーエレメント59は、水平状態の姿勢に傾倒させられた先行ファスナーエレメント59からの作用を受けて、水平状態に傾倒させる傾倒力が作用する。また、ファスナーエレメント59には、スライダー51の摺動操作に基づいて、ファスナーテープ60をスライダー51内に引っ張り込む引張力が作用することになる。
 これによって、左右一対のファスナーエレメント59は、スライダー51のエレメント案内通路に進入するまでの間に、直角に立ち上がった姿勢から水平状態に傾倒させられていくことになる。しかも、ファスナーテープ60は上板部分53a,54aに摺接しながら案内柱55に近づいていくので、ファスナーエレメント59の噛合頭部59aをエレメントガイド部57に接触させることができる。
 そして、水平状態へ適度に傾倒した姿勢となった各ファスナーエレメント59は、その噛合頭部59aをエレメントガイド部57に接触させながらスライダー51のエレメント案内通路58内に導入されていくことになる。ファスナーエレメント59の噛合頭部59aは、エレメントガイド部57の下方に潜ろうとする姿勢に向けて徐々に傾きながら、エレメント案内通路58内を後口側に向けて円滑に移動することができる。
 これによって、左右一対のファスナーエレメント59を完全に水平状態に傾倒させた正しい姿勢(噛合姿勢)で噛み合せることができる。そして、従来のようにファスナーエレメン59が、フランジ53,54とエレメントガイド部57との間に形成されるテープ案内通路に噛み込まれることがなくなり、ファスナーエレメント59の破損やファスナーテープ60の裂断などの発生を防止できる。このように特許文献2の発明では、スライダー51の円滑な摺動操作を行うことができ、隠しスライドファスナーを支障なく閉鎖させることができる。
特開2007-54176号公報 特開2007-135722号公報
 特許文献1、2の発明における基本的な構成として、ファスナーテープに対して直角に立ち上がった姿勢のファスナーエレメントに対して、ファスナーエレメントの噛合頭部をガイドすることで、ファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾動させていくことができる構成となっている。
 そのため、特許文献1、2の発明では、直角に立ち上がった姿勢のファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾動させるときに、ファスナーエレメントの噛合頭部に摺接して回転モーメントを与える案内部としては、特許文献1の発明では、案内柱45の外周に沿って外側に張り出した第2フランジ46、特許文献2の発明では、エレメントガイド部57をそれぞれ設けている。
 特許文献1、2の発明のように構成することで、直角に立ち上がった姿勢のファスナーエレメントを噛合姿勢となる水平状態の姿勢に傾動させていくことができる。
 しかしながら、ファスナーテープに作用する横引き力によって傾倒したファスナーエレメントは、横引き力が加わる方向、横引き力の大きさによって色々な角度で傾いてしまう。そのため、回転モーメントを与えることができる案内部に対してファスナーエレメントが当接する角度は安定しなかった。
 また、ファスナーテープに対してより強い横引き力が加わったときには、ファスナーエレメントが案内部に積極的に当接されずにファスナーテープの長手方向に沿って摺動してしまい、ファスナーエレメントがスムーズに水平位置に戻らない場合もあり、そのため、まだ改善の余地があった。
 特に、ファスナーエレメントがファスナーテープの端縁に沿って、縫製糸で縫製されて取着されている場合には、ファスナーエレメントがファスナーテープに対して一体的に固定された状態になっていない。そのため、強い横引き力が作用したファスナーテープは、ファスナーエレメントに対して相対的な移動を生じながら横引き方向に移動してしまう場合も発生する。
 ファスナーテープの横引き方向への移動量に対してファスナーエレメントの移動量が少ない場合には、例えば、特許文献1の発明では、ファスナーエレメントの頭部が第2フランジ46のテーパ面46cに接触或いは強い力で付勢させることができなくなる。また、特許文献2の発明では、ファスナーエレメント59の噛合頭部59aをエレメントガイド部57に接触或いは強い力で付勢させることができなくなる。
 このような状態になると、傾倒姿勢のファスナーエレメントに対して、立ち上がった姿勢を水平状態に傾倒させるための回転モーメントを、第2フランジ46のテーパ面46cやエレメントガイド部57からファスナーエレメントに対して作用させることができなくなる。
 本願発明の発明者は、様々な検討を加えた結果、特許文献1のテーパ面46cや特許文献2のエレメントガイド部57に相当する第1エレメントガイド部に当接或いは当接する前に、ファスナーエレメントのエレメント後端部を第2エレメントガイド部に摺接させることによって、噛合姿勢である水平状態の姿勢にファスナーエレメントを傾動させていくことができるとの考えに至り、本願発明を完成させた。
 そして、隠しスライドファスナー用スライダーの構成を、本願発明のように構成することによって、第2エレメントガイド部からファスナーエレメントに対して作用する力、及び水平状態の姿勢に傾倒させられた先行ファスナーエレメントからファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾倒させようとする捻じれ力、ファスナーテープをスライダー内に引っ張り込む引張力等を、スライダー内に導入されるファスナーエレメントに対して効果的に作用させることができる。
 これらの力をファスナーエレメントに対して作用させることで、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がった姿勢となったファスナーエレメントは、噛合姿勢となる水平状態の姿勢に傾動していくことになる。そして、ファスナーストリンガーは、徐々に傾きながら、スライダー内に形成されているY字状のエレメント案内通路内を後口側に向けて円滑に移動することができる。これによって、ファスナーエレメントは、スライダー内に形成されたY字状のエレメント案内通路内を円滑に移動することになる。
 しかも、ファスナーエレメントは、Y字状のエレメント案内通路間に挟まれてしまう事態が回避できるので、スライダーの摺動操作がスムーズに行えるようになる。
 このように、本願発明は、特許文献1、2の発明に対して更に改良を加えることで、スライドファスナーの閉鎖時に強い横引き力が加わっても、円滑なスライダーの摺動操作を可能にした隠しスライドファスナー用スライダーの提供を目的としている。
 上記目的を達成するために、本願発明の隠しスライドファスナー用スライダーでは、ファスナーテープがU字状に屈曲固定され、折り曲げられた前記ファスナーテープの端縁に沿ってファスナーエレメントが取着された一対のファスナーストリンガーの前記各ファスナーエレメントを係脱する隠しスライドファスナー用スライダーであって、
 前記スライダーは、下翼板と、前記下翼板における前記スライダーの摺動方向に直交する左右方向の両側縁に沿ってそれぞれ立設された一対の側壁と、前記一対の側壁における上端から互いに接近する方向にそれぞれ延設された一対の上板と、前記スライダーの肩口側において前記下翼板から立設された案内柱と、
 前記案内柱の外周部に張り出して形成された第1エレメントガイド部と、前記一対の上板の内側端面と前記第1エレメントガイド部の外側端面とによって、前記U字状に屈曲した前記ファスナーテープの折り曲げ部を案内するY字状のテープ案内通路と、前記下翼板の左右両端部側において、前記下翼板の前端縁から後口側に向かって延設された第2エレメントガイド部と、を備えてなり、
 前記第2エレメントガイド部は、前記案内柱の側面側における前記下翼板から前記上板に向けて隆起してなることを最も主要な特徴としている。
 また、本願発明では、前記第2エレメントガイド部は、前記スライダーの摺動方向において前記案内柱の肩口側先端と同位置或いは肩口側先端を越えて配されてなることを主要な特徴としている。
 更に、本願発明では、前記第1エレメントガイド部は、前記案内柱の側方から後口に向けて形成され、スライダーの摺動方向に平行な面を有する側方ガイド面と、前記側方ガイド面と連続した面であって、肩口側かつ上方へ向けて傾斜した前面ガイド面を有し、前記第1エレメントガイド部は前記第2エレメントガイド部に対峙して構成されてなることを主要な特徴としている。
 更にまた、本願発明では、前記第2エレメントガイド部は、下翼板の内壁から側壁の内壁にかけて形成された隆起部であることを主要な特長としている。
 また、本願発明では、前記隆起部は前記下翼板から前記側壁に向けて傾斜する傾斜面を有してなり、前記傾斜面は前記第1エレメントガイド部側に対向するように面していることを主要な特徴としている。
 更に、本願発明では、前記テープ案内通路のうち、前記スライダーの肩口側に向かって二股に分かれるY字状の肩口側テープ案内通路は、前記スライダーの肩口側に向かって直線に広がりながら拡開し、
 前記第2エレメントガイド部は、前記肩口側テープ案内通路の軸線よりも内側に傾いた軸方向に沿って延設されてなることを主要な特徴としている。
 更にまた、本願発明では、前記エレメント後端部を摺接させてガイドを開始する前記第2エレメントガイド部の開始位置が、前記ファスナーエレメントの噛合頭部を摺接させてガイドを開始する前記第1エレメントガイド部よりも前方に配されてなることを主要な特徴としている。
 また、本願発明では、前記第2エレメントガイド部の肩口側前端は、前記第1エレメントガイド部のうち前記上板の内壁よりも前記下翼板側に位置する傾斜面よりも前方に配されてなることを主要な特徴としている。
 更に、本願発明では、前記ファスナーエレメントが、前記ファスナーテープの端縁に沿って縫製により取着されてなることを主要な特徴としている。
 更にまた、本願発明では、平面視において、前記一対の上板における前記ファスナーエレメントの噛合方向における前端縁は、前記下翼板の前端縁近傍まで延設され、前記各上板の前記前端縁における内側対向隅部には、面取りを施した湾曲部がそれぞれ形成されてなることを主要な特徴としている。
 また、本願発明では、前記一対の側壁における前端部が、前記第2エレメントガイド部における前端部よりも、後口側に配されてなることを主要な特徴としている。
 本願発明は、ファスナーテープの相対する側縁部がU字状に屈曲固定され、前記側縁部の折り曲げ端縁に沿ってファスナーエレメントが取着された一対のファスナーストリンガーを備えた隠しスライドファスナー用スライダーに関するものである。
 ここで、スライダー内に導入されたファスナーテープの折り曲げ部が摺接する一対の上板の先端部を、横引き力によってファスナーテープが湾曲させられる回動支点とした場合について説明を行う。このとき、一対のファスナーストリンガーでは、上述した回動支点から噛合頭部までの距離よりも、回動支点からエレメント後端部までの距離の方が長く構成されている。このため、ファスナーエレメントを傾動させる回転モーメントとしては、噛合頭部を摺接案内するよりもエレメント後端部を摺接案内した方が、ファスナーエレメントに対して大きな回転モーメント力を与えることができる。
 このように、スライダーに導入される直前のファスナーエレメントが、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がった姿勢のまま導入されてきても、最初にガイドするファスナーエレメントの部位として、噛合頭部とは反対側に位置するエレメント後端部を案内することで、効率的にファスナーエレメントに対して水平状態の姿勢にするための回転モーメントを効率的に与えることができる。
 また、ファスナーエレメントがファスナーテープの端縁に沿って、縫製糸で縫製されて取着されている場合には、ファスナーエレメントはファスナーテープに対して一体的に固定されていないので、横引き力によってファスナーテープが移動しても、このファスナーテープの移動に対してファスナーエレメントは一体的に移動せずに取り残されたかたちになる。しかし、ファスナーテープのテープ案内通路に沿った移動方向に対しては、ファスナーエレメントはこの方向において一体的に移動する。
 このため、ファスナーテープのテープ案内通路に沿った移動において、ファスナーエレメントのエレメント後端部は、第2エレメントガイドに摺接しながら移動することになる。しかも、第2エレメントガイドによってファスナーエレメントの噛合頭部は、第1エレメントガイド側に移動させられることになり、噛合頭部は第1エレメントガイドに摺接することができる。
 このように、エレメント後端部は第2エレメントガイド部に接触しながら案内され、しかも、第1エレメントガイドに摺接することができる。そして、立ち上がった状態のファスナーエレメントを第2エレメントガイド部によって水平状態の姿勢にしていくことができる。
 しかも、第2エレメントガイド部によって支持されたファスナーエレメントの噛合頭部を、第1エレメントガイド部に摺接させることによって、確実に水平状態の姿勢へと傾かせていくことができる。
 本願発明では、エレメント後端部をスライダー内で案内するため、エレメント後端部を案内する第2エレメントガイド部を下翼板の左右両端部側において、下翼板の前端縁から後口側に向かって延設した構成にしている。しかも、第2エレメントガイド部の構成としては、案内柱の側面に対峙して配設し、下翼板から上板に向けて隆起した構成にしている。
 このように構成することによって、スライダーに導入される直前のファスナーエレメントが、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がった姿勢であったとしても、エレメント後端部を案内することで、効率的にファスナーエレメントに対して水平状態の姿勢にするための回転モーメントを効率的に与えることができる。
 また、ファスナーエレメントの噛合頭部が、第1エレメントガイド部に摺接するときのファスナーエレメントの角度、位置が、それぞれ所定の範囲内となるように第2エレメントガイド部によって支持することができる。これによって、ファスナーエレメントの噛合頭部を安定した状態で、第1エレメントガイド部に摺接させることができる。
 本願発明では、第2エレメントガイド部と案内柱との配置関係としては、第2エレメントガイド部をスライダーの摺動方向において、案内柱の肩口側先端と同位置或いは肩口側先端を越えて配した構成にしておくこともできる。このように構成することによって、エレメント案内路にファスナーエレメントが入る手前、或いは入ったときに、ファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾動させることができるので、ファスナーエレメントがスムーズにスライダー内を通過することができる。
 本願発明では、第1エレメントガイド部の構成として、案内柱の側方から後口に向けて形成しておくことができる。そして、スライダーの摺動方向に平行な面を有する側方ガイド面と、側方ガイド面と連続した面であって、肩口側かつ上方へ向けて傾斜した前面ガイド面を有する構成としておくことができる。しかも、第1エレメントガイド部と第2エレメントガイド部とが対峙した配置構成となるように構成しておくことができる。
 このように構成しておくことにより、第1エレメントガイド部と第2エレメントガイド部との共同作用によって、ファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾動させていくことを効率的に行うことができる。また、エレメント後端部が第2エレメントガイド部に摺接した後において、今度は、ファスナーエレメントの噛合頭部を第1エレメントガイド部に摺接させることができる。
 そして、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がった姿勢となっていたファスナーエレメントを、第2エレメントガイド部によって水平状態となる方向に少し傾けた後において、又は、ファスナーエレメントを第2エレメントガイド部に摺接させた後において、第1エレメントガイド部と第2エレメントガイド部との共同作業によって、ファスナーエレメントを水平状態に向けて確実に傾けていくことができる。
 第2エレメントガイド部の構成としては、下翼板の内壁から側壁の内壁にかけて形成した隆起部として構成しておくことができる。このように構成しておくことにより、隆起部に、ガイド面及び/又はガイド段部を構成しておくことができる。またこのとき、ガイド面の構成としては、下翼板から側壁に向けて傾斜する傾斜面として形成しておくことができ、しかも、ガイド面が第1エレメントガイド部側に対向して配された面として構成しておくことができる。
 このように構成することによって、第2エレメントガイド部によって、ファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾動させていくことが、効率的に行える。また、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がった姿勢になっていたファスナーエレメントに対して、水平状態とするための回転モーメントを第2エレメントガイド部のガイド面及び/又はガイド段部からエレメント後端部に対して効率的に与えることができる。しかも、ガイド面を傾斜面として構成しておくことにより、ファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾動させていくときのガイドを傾斜面で効率的に行わせることができる。
 本願発明では、Y字状のテープ案内通路のうち、スライダーの肩口側に向かって二股に分かれた肩口側における構成として、スライダーの肩口側に向かって直線状に広がりながら拡開した構成とし、第2エレメントガイド部が、肩口側におけるテープ案内通路の軸線よりも内側に傾いた軸方向に沿って延設された配置構成としておくことができる。
 このように構成することによって、一対の上板の前端縁に当接したファスナーテープの折り曲げ部が、ファスナーテープの長手方向に対して湾曲するときの曲率半径を大きく構成しておくことができる。これによって、横方向に引張力を受けているファスナーストリンガーをスムーズにテープ案内通路内に導入していくことができる。また、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がるファスナーエレメントの立ち上がり角度を抑えておくことができる。
 また、Y字状のテープ案内通路における形状を直線状に拡開した形状に構成し、この直線状に拡開した軸線に対して第2エレメントガイドの軸線が内側に傾いて配された構成としておくことができる。このように構成することによって、ファスナーエレメントはスライダーの後口側へ移動するにつれて、より確実に第1エレメントガイド側へ寄せていくことができる。従って、ファスナーエレメントをスムーズに第1エレメントガイド面に当接させることができ、水平状態へと傾けることができる。
 特に、使用されるエレメントがファスナーテープに縫製糸によって縫製されるタイプであった場合において、横引き力によってファスナーテープが移動して、ファスナーエレメントが取り残されたかたちでファスナーテープの側縁側方向へずれたとしても、第2エレメントガイドとテープ案内路との間隔が、スライダーの後口側へ向けて狭く構成されているので、ずれたファスナーエレメントを元の位置へ強制的に戻すことができる。
 本願発明では、エレメント後端部を摺接させてガイドを開始する第2エレメントガイド部の開始位置として、ファスナーエレメントの噛合頭部を摺接させてガイドを開始する第1エレメントガイド部よりも前方に配されるように構成しておくことができる。
 このように構成することで、第1エレメントガイドにファスナーエレメントが接触する前に、第2エレメントガイドによってファスナーエレメントの位置や角度などが所定の範囲内となるように支持しておくことができる。そして、位置や角度などを所定の範囲内にすることができるので、第2エレメントガイドによって効率的にファスナーエレメントの傾き角度を水平姿勢方向側にすることができる。
 本発明では、第2エレメントガイド部の肩口側前端位置を、第1エレメントガイド部のうちで前記上板の内壁よりも下翼板側に位置している傾斜面よりも前方に配した構成としておくことができる。
 このように構成しておくことにより、スライダーに導入される直前のファスナーエレメントが、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がった姿勢であったとしても、最初に第2エレメントガイド部にファスナーエレメントを摺接させることができる。そして、ファスナーエレメントを水平状態の姿勢とするための回転モーメントを、第2エレメントガイド部よりも先に作用させることができる。
 本願発明では、平面視において、一対の上板におけるファスナーエレメントの噛合方向における前端縁を、下翼板の前端縁近傍まで延設した構成とし、一対の上板の前記前端縁における内側対向隅部には、面取りを施した湾曲部を形成しておくことができる。
 このように構成することによって、スライダーに導入される直前のファスナーエレメントが、ファスナーテープに対して略直角に立ち上がった姿勢であったとしても、上板の前端縁と第2エレメントガイド部との共同作用によって、ファスナーエレメントを水平状態の姿勢に傾動させていくことができる。
 本願発明では、各上板の前端縁における内側対向隅部が、それぞれ面取りを施した湾曲部形状に形成されている。しかも、ファスナーテープがこの内側対向隅部に摺接させることで、ファスナーテープの折り曲げ部に対して横方向の強い引張力が作用したときには、ファスナーテープの折り曲げ部が受ける強い引張力をこの内側対向隅部に形成した湾曲部において受けることができる。そのため、ファスナーテープを湾曲部に対して集中応力が作用するのを弱めておくことができる。
 このように、ファスナーエレメントを噛合姿勢となる水平状態の姿勢に傾動させていく過程においても、ファスナーテープの裂断などの発生を防止できる。
 本願発明では、一対の側壁における前端側の端部位置を、第2エレメントガイド部における前端側の端部位置よりも、後口側に配されるように構成しておくことができる。
 このように構成しておくことにより、一対の上板の前端縁に当接したファスナーテープの折り曲げ部がファスナーテープの長手方向に対して湾曲するときに、第2エレメントガイド部における前端側の端部と一対の側壁における前端側の端部との間が、ファスナーエレメントとの干渉を避ける空間部として機能させることができる。
 そして、一対の上板の前端縁に当接したファスナーテープの折り曲げ部を、面取りを施した一対の上板の前端縁における湾曲部形状に沿って湾曲させるときに、ファスナーエレメントが一対の側壁の前端に当接することがなくなり、スムーズに湾曲させていくことができる。
 本願発明では、ファスナーエレメントの噛合頭部が第1エレメントガイド部によって水平姿勢方向への回動を強制される前の状態において、または、一対の上板の前端縁によってファスナーテープがその長手方向に対して湾曲させられる前の状態において、ファスナーエレメントを水平姿勢方向に回動させる回転モーメントを、第2エレメントガイド部によってファスナーエレメントのエレメント後端部に対して与えることができる。
 そして、ファスナーテープのテープ案内通路への導入をスムーズに行わせることができ、第1エレメントガイド部にファスナーエレメントの噛合頭部が摺接するときの、ファスナーエレメントの傾き角度を水平姿勢方向側にしておくことができる。
図1は、隠しスライドファスナー用スライダーの斜視図である。(実施例) 図2は、スライダーの平面図及び断面図である。(実施例) 図3は、スライダーの正面図である。(実施例) 図4は、スライダーの中心線に沿った断面図である。(実施例) 図5は、スライダーのエレメント案内面から見た噛合エレメントの挙動説明図である。(説明図) 図6は、肩口側から見たファスナーエレメントの挙動を示す要部説明図である。(実施例) 図7は、図5のA-A断面図である。(実施例) 図8は、図5のB-B断面図である。(実施例) 図9は、隠しスライドファスナー用スライダーの斜視図である。(従来例1) 図10は、隠しスライドファスナー用スライダーの斜視図である。(従来例2)
 以下、本願発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本願発明は、以下で説明する実施形態に限定されるものではなく、本願発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏する構成であれば、多様な変更が可能である。
 尚、本願発明において、前後方向とは、スライダーの摺動方向をいい、スライダー肩口側を前方、後口側を後方とする。左右方向とは、平面視においてスライダーの摺動方向に対して直交する方向をいう。また、上下方向とは、スライダーの下翼板の表裏面方向をいい、上板側を表側、下翼板側を裏側とする。
 尚、本発明で使用される隠しスライドファスナー用ファスナーチェンは、ファスナーテープにエレメントとなる合成樹脂或いは金属を一体的に射出したタイプや、金属で成形されたエレメントをファスナーテープに加締めたタイプ、または線状に形成されたコイル状またはジグザク状に成形されたエレメントをファスナーテープに取着したタイプのものなど様々なタイプのファスナーチェンを隠しスライドファスナー用ファスナーチェンとして利用することができる。
 また、本願発明における隠しスライドファスナー用のスライダー1は、図7、図8に示すようにファスナーテープ14の相対する側縁部がU字状に屈曲固定され、この側縁部の折り曲げ端縁に沿ってファスナーエレメント13が取着された一対のファスナーストリンガーを備えた隠しスライドファスナーに対して用いられるスライダーである。
 図1に示すように、スライダー1は、下翼板2と、下翼板2の左右両側縁に沿って立設した一対のフランジ3,4と、下翼板2に立設された案内柱5と、案内柱5の上面に設けた引手取付柱6と、案内柱5の外周に設けた第1エレメントガイド部7と、下翼板2の左右に設けた第2エレメントガイド部8と、引手取付柱6に回動自在に支持される図示せぬ引手と、を備えた構成になっている。
 そして、スライダー1は、スライダー1における左右方向の中心線を通り、下翼板2に対して垂直な平面を鏡面とした左右対称の形状に構成されている。下翼板2の左右方向における幅形状は、下翼板2の前端縁2aから、案内柱5の後端よりも少し後方の位置まで同一幅で形成され、その後漸次縮幅され、更に後口17側の端縁までは同一幅で形成されている。
 図1~図3に示すように、一対のフランジ3,4は、下翼板2の左右両側縁に沿って立設した一対の側壁3a,4aと、各側壁3a,4aの上端から互いに向き合うように屈曲して内側へ延設され、スライダー1の前後方向にも延設された一対の上板3b、4bと、を備えており、断面形状が逆L字形に形成されている。
 図2に示すように、各側壁3a,4aは、平面視において後口17からの平行部23cと、平行部23cに連続し、前方に向かって幅方向が拡開した拡開部23bと、を備えた構成となっている。そして、各側壁3a,4aの前端部20は、上述した下翼板2の左右方向における幅形状が漸次縮幅を開始する位置付近まで延設されている。また、拡開部23bから前方側における下翼板2の左右方向における幅形状は、平行部23aとして構成されている。
 尚、図2では、スライダー1の平面視において、図2の左半分にはスライダー1の平面図を示しており、図2の右半分には、第1エレメントガイド部7及び上板3bを削除した断面図を示している。そして、図2の右半分では、削除した第1エレメントガイド部7及び上板3bは、点線を用いて仮想的な形状として示している。
 図2に示す平面視において、各上板3b,4bの前端縁21は、下翼板2の前端縁2aの周囲まで延設されている。このように構成されているので、各上板3b,4bの前端縁21側における下面側は、各側壁3a,4aによって支持されない空間部として構成されている。
 即ち、上板3b,4bの前端縁21は、各側壁3a,4aの前端部20よりも前方に延出していることが好ましい構成となる。そして、上板3b,4bの前端縁21と各側壁3a,4aの前端部20との間隔は、隠しスライドファスナーに取り付けられたファスナーエレメント13が、各側壁3a,4aの前端部20に干渉しないで通過できるように構成しておくことが望ましい。
 図1に示すように、各上板3b,4bの前端縁21における互いに対向する内側対向隅部は、面取りが施された湾曲部21aとして形成されている。また、各上板3b,4b同士が対向する端面は、内側端面21bとして構成されている。
 案内柱5は、スライダー1の肩口16寄りにおいて、下翼板2の左右方向における中央部から立設されている。そして、案内柱5の上面には、前後方向に延在する門型の引手取付柱6が設けられている。また、案内柱5の外周部には、案内柱5の外周部から前記一対の上板3b,4bの内側端面21bに向けて、外側に張り出して構成された板状の第1エレメントガイド部7が設けられている。
 図示例の引手取付柱6に図示せぬ引手の環状部を挿入した後に、引手取付柱6を加締めることで、引手を引手取付柱6で支持することができる。
 案内柱5の構成としては、本願出願人に係わるPCT/JP2009/64927号出願のように、下翼板2に立設した胴体部19と、胴体部19に被覆嵌合させた被覆上板部材18と、に二分割した構成としておくこともできる。また、特許文献1、2に示したように、案内柱5を下翼板2とともに一体的に成形しておくこともできる。
 図4に示す案内柱5の構成では、胴体部19と被覆上板部材18とに二分割した構成例を示している。胴体部19の外周面には、被覆上板部材18の内部に形成した凹部が嵌入する凸部が形成されている。被覆上板部材18の凹部を胴体部19の外周面に形成した凸部に嵌入した後で、図3に示すように、被覆上板部材18の先端部に形成した脚部18aを加締めることにより、被覆上板部材18を胴体部19に固定することができる。
 被覆上板部材18の凹部としては、被覆上板部材18の凹部における後端側が行き止まり形状となるように構成しておくことができる。このように構成することによって、胴体部19の前後両端面を、行き止まりとした被覆上板部材18の凹部における後端側と脚部18aとの間で挟持することができる。
 図1、図4に示すように、被覆上板部材18の外周面には、被覆上板部材18の前端側を前屈みに傾斜させた前面ガイド面7aが形成されている。また、被覆上板部材18の内壁には、前面ガイド面7aの左右から連続し、案内柱5の側方から後口17に向けて、下翼板2側に向いた側方ガイド面7bが構成されている。
 換言すれば、側方ガイド面7bは、案内柱5から張り出した板状の第1エレメントガイド部7の内壁であって下翼板2の内壁面と平行な面である。一方、前面ガイド面7aは、前記側方ガイド面7bの前端から上側に向けて傾斜した傾斜面であって、板状第1エレメントガイド部7の前端面側に形成されている。
 前面ガイド面7a及び左右一対の側方ガイド面7bによって、第1エレメントガイド部7が構成されている。図3に示すように、第1エレメントガイド部7は、後述する第2エレメントガイド部8に対向する配置構成となるように構成されている。
 尚、図1では、前面ガイド面7aにおける前屈み状態を平面状の傾斜面とした構成例を示しているが、前面ガイド面7aにおける前屈み状態を凹面または凸面の曲面形状に形成しておくこともできる。
 被覆上板部材18の上面には、図示せぬ引手を支持する引手取付柱6が立設されている。案内柱5を下翼板2とともに一体的に成形した場合においても、第1エレメントガイド部7として前面ガイド面7a及び左右一対の側方ガイド面7bとを、案内柱5に構成しておくことが必要である。
 尚、引手取付柱6については、PCT/JP2009/64927号出願に記載されているように、下翼板2に取り付けられた構成としておくこともできる。
 図2に示すように、一対の上板3b,4bの内側端面21bと第1エレメントガイド部7の外側端面とによって、U字状に屈曲したファスナーテープ14の折り曲げ部14aを案内するY字状のテープ案内通路12が構成されている。
 第1エレメントガイド部7の後端部は、各側壁3a,4aの平行部23aと拡開部23bとの接続部近傍まで延設されている。
 一対のフランジ3,4の内壁面、下翼板2の内壁面、案内柱5、及び第1エレメントガイド部7によって囲まれた通路が、ファスナーテープ14に取着されたファスナーエレメント13を案内するエレメント案内通路10として構成されている。
 また、下翼板2の左右両端側の内壁には、第2エレメントガイド部8が形成されている。第2エレメントガイド部8は、下翼板2の内壁よりも上側へ隆起した隆起部であって、その隆起部は前端部22が下翼板2の前端縁2aから後口17に向かって延設されている。
 第2エレメントガイド部8は実質的にスライダーの摺動方向、つまり前後方向に平行に延設されており、第2エレメントガイド部8の後口側は、各側壁3a,4aの拡開部23bの内壁面に当接する部分が終端となる。
 第2エレメントガイド部8は、図1、図3に示すように、各側壁3a,4a側に向かった平面24を有するガイド段部8aと、ガイド段部8aから下翼板2の上面に向かって下り傾斜のガイド面8bとを備えた構成となっている。ガイド段部8aにおける平面24は、下翼板2の上面と平行な面として構成しておくことも、後口17に向かって滑らかな下り傾斜の面として構成しておくこともできる。
 第2エレメントガイド部8におけるガイド面8b又はガイド段部8aの構成としては、前述したように平面視において、スライダー1における左右方向の中心線と平行な軸方向に延設された構成、又はスライダー1の肩口16に向かって、左右方向の中心線側に傾いた軸方向に沿って延設された構成としておくことができる。
 即ち、第2エレメントガイド部8によって摺接案内されるファスナーエレメント13のエレメント後端部13bが、後口17に移動するのに従って、平面視において、スライダー1における左右方向の中心線側に近づくようにガイド面8b及び/又はガイド段部8aを構成しておくことが必要となる。
 また、第2エレメントガイド部8における前端部の位置として、下翼板2の前端縁2a位置、換言すれば、案内柱5の前端よりも前方に延設した構成を例示している。しかし、第2エレメントガイド部8における前端部の位置としては、前後方向における案内柱5の側面の半分以上の長さ範囲に亘って、案内柱5の側面に対峙している位置まで延設した構成としておくこともできる。
 下り傾斜のガイド面8bの下端縁側には、段差部25が構成されている。図5、図6に示すように、この段差部25と案内柱5から後口17にかけて下翼板2の上面に形成した隆起部29とによって、ファスナーエレメント13が水平姿勢状態になったときに、ファスナーエレメント13を下翼板2の上面から持ち上げておくことができる。ガイド面8bとしては、傾斜平面として構成しておくことも、滑らかな凸曲面或いは凹曲面を有する曲面形状として構成しておくこともできる。
 このように構成しておくことによって、ファスナーエレメント13が水平姿勢状態になったときに、ファスナーエレメント13をファスナーテープ14に取着している縫糸27が、下翼板2の上面に接触して擦れないようにしておくことができる。
 図6に示すように、ガイド段部8aからガイド面8bへの接続部は、滑らかな凸曲面として構成されており、ガイド面8bから段差部25への接続部は、滑らかな凸曲面として構成されている。
 尚、本願発明では、ガイド段部8aをなくし、ガイド面8bを下翼板2の左右両側端側に延設させた構成としておくこともできる。
 図2に示すように、各側壁3a,4aと下翼板2との境界部に沿ってすみ肉部28が設けられており、すみ肉部28は、各側壁3a,4aと下翼板2との間の取付強度を高め、成形時における成形性を高めるために設けられている。
 次に、スライダー1の摺動操作が円滑に行われることを、図5~図8を用いて詳しく説明する。
 図5に示した隠しスライドファスナー用ファスナーチェンは、図示せぬファスナーテープに線状に形成されたコイル状またはジグザク状に成形されたファスナーエレメント13を取着したタイプを示している。線状のファスナーエレメント13は、図7に示すように、U字状に屈曲したファスナーテープ14の屈曲部に縫製糸27を用いて取着されている。一対のファスナーエレメント13は、図5に示すように、互いの噛合頭部13a同士が向かい合うように配設されており、噛合頭部13aの反対側は反転部によって連結されている。
 図5は、上板3b、4bと第1エレメントガイド部7の図示を省略したスライダー1の断面図であって、下翼板2のエレメント案内通路10内に導入されたファスナーエレメント13を示している。図6はスライダー1内に導入されたファスナーエレメント13が、第2エレメントガイド部8にエレメント後端部13bを摺接させ、更に噛合頭部13aを第1エレメントガイド部7に摺接させることで、立ち姿勢の状態でエレメント案内通路10に導入されたファスナーエレメント13の姿勢が変化していく様子を示す説明図である。
 図7は、図5のA-A断面図であり、図8は、図5のB-B断面図である。
 図5から理解できるように、スライダー1の肩口16側前方にある一対のファスナーストリンガー15は、一対の上板3b、4bの前端縁21を回動支点とした強い横引き力を受けて大きく開いた状態にある。このときファスナーエレメント13は、噛合頭部13aを上方に向けてファスナーテープ14のテープ面に対して直角に近い姿勢で立ち上がっている。
 スライダー1を閉鎖方向(図5の上方方向)に摺動操作することにより、連続するファスナーエレメント13のエレメント後端部13bは、順次スライダー1の第2エレメントガイド部8のガイド段部8a及び/又はガイド面8b上に摺接する。このとき第2エレメントガイド部8に摺接したファスナーエレメント13は、ファスナーテープ14に作用している強い横引き力の影響によって、噛合頭部13aを上方に向けて立ち上がった姿勢になっている。
 そして、スライダー1を閉鎖方向に向かって更に摺動させると、ファスナーエレメント13に対して第2エレメントガイド部8からファスナーエレメント13を水平状態の姿勢に傾倒させようとする回転モーメントが作用する。また、水平状態の姿勢に傾倒させられた先行ファスナーエレメント13からファスナーテープ14を介して、後続のファスナーエレメント13を水平状態の姿勢に傾倒させようとする捻じれ力が作用し、更に、ファスナーテープ14をスライダー1内に引っ張り込む引張力等が作用する。
 これらの力が、スライダー1内に導入されるファスナーエレメント13に対して効果的に作用することになり、立ち上がった姿勢のファスナーエレメント13は第2エレメントガイド部8に摺接することで、水平状態の姿勢に傾倒させられていく。そして、図7に示すように、噛合頭部13aが更に第1エレメントガイド部7の前面ガイド面7aに摺接することで、ファスナーエレメント13は更に水平状態の姿勢に傾倒させられていく。そして、図8に示すように、ファスナーエレメント13は水平状態の姿勢になることができる。
 図6に示すように、立ち上がった姿勢のファスナーエレメント13は時計回り方向に回動しながら、徐々に水平状態の姿勢に傾倒することになる。
 このように、本願発明では、立ち上がった姿勢のファスナーエレメント13がスライダー1内に導入されるとき、最初にエレメント後端部13bに対してファスナーエレメント13を水平状態の姿勢となるように、第2エレメントガイド部8から傾倒作用を与えており、その後、噛合頭部13aに対して第1エレメントガイド部7からファスナーエレメント13を水平状態の姿勢とするための傾倒作用を与えている。
 しかも、第1エレメントガイド部7における一対の側方ガイド面7bは、斜面である前面ガイド面7aと連続的に形成されているので、水平状態に傾倒したファスナーエレメント13をスムーズにファスナーエレメント噛合領域に導入させることができる。
 また、図7に示すように、スライダー1内に導入されたファスナーテープ14の折り曲げ部14aが摺接する一対の上板3b、4bの先端部から、噛合頭部13aまでの距離よりも、エレメント後端部13bまでの距離の方が長い。この配置構成を利用することによって、ファスナーエレメント13を傾動させる回転モーメントとしては、噛合頭部13aを摺接案内するよりもエレメント後端部13bを摺接案内した方が、大きな回転モーメント力を与えることができる。
 また、エレメント後端部13bを摺接させてガイドを開始する第2エレメントガイド部8の開始位置を、噛合頭部13aを摺接させてガイドを開始する第1エレメントガイド部7の開始位置及びファスナーテープ14の折り曲げ部14aを摺接させてガイドを開始するテープ案内通路10の開始位置よりも、前方に配した構成にしている。
 この構成によって、ファスナーエレメント13の噛合頭部13aが第1エレメントガイド部7によって水平姿勢方向への回動を強制される前に、または、一対の上板3b、4bの前端縁によってファスナーテープ14がその長手方向に対して湾曲させられる前に、ファスナーエレメント13を水平姿勢方向に回動させる回転モーメントを、第2エレメントガイド部8からエレメント後端部13bに対して与えることができる。
 また、第2エレメントガイド部8によって、第1エレメントガイド部7(の前面ガイド面7a)の回転モーメントが加わりやすいようにファスナーエレメント13を支持している。
 よって、ファスナーテープ14がテープ案内通路12内に導入されるのをスムーズに行わせることができ、第1エレメントガイド部7にファスナーエレメント13の噛合頭部13aが摺接するときには、ある程度ファスナーエレメント13の傾き角度を水平姿勢方向側にしておくことができる。
 特に、図7に示すように、ファスナーエレメント13がファスナーテープ14の端縁に沿って、縫製糸27で縫製されて取着されている場合には、ファスナーエレメント13はファスナーテープ14に対して一体的に固定された状態にはなっていない。そのため、強い横引き力が作用したファスナーテープ14は、ファスナーエレメント13に対して相対的な移動を生じながら横引き方向に移動してしまう場合が発生する。
 そして、横引き力によってファスナーテープ14がファスナーエレメント13に対して相対的に移動してしまい、このファスナーテープ14の移動方向に対してファスナーエレメント13が取り残されたかたちになったとしても、ファスナーテープ14のテープ案内通路12に沿った移動方向に対して、ファスナーエレメント13は同じ方向に対して一体的に移動する。
 ファスナーテープ14のテープ案内通路12に沿った移動において、ファスナーエレメント13のエレメント後端部13bは、第2エレメントガイド8に摺接しながら移動することになる。そして、第2エレメントガイド8によってファスナーエレメント13の噛合頭部13aは、第1エレメントガイド7側に移動させられることになり、噛合頭部13aは第1エレメントガイド7に摺接することができる。
 そして、ファスナーエレメント13は第2エレメントガイド8と第1エレメントガイド7とによって、立ち上がった姿勢から水平姿勢へと傾動させられることになる。
 このように本願発明では、ファスナーエレメント13をスムーズに水平状態の姿勢に傾倒させることができるので、ファスナーエレメント13がテープ案内通路12に挟み込まれてしまうのを確実に防止することができる。また、エレメント案内通路10内でのファスナーエレメント13の摺動が円滑に行われ、噛合に必要な所要の傾倒姿勢へと確実に移行させることができる。
 即ち、対向する一対のファスナーエレメント13同士が噛合する前に、一対のファスナーエレメント13は確実に水平状態の姿勢にしておくことができる。これによって、一対のファスナーエレメント13同士は確実に噛合することができ、所謂パンク状態の発生を確実に防止できる。
 尚、上記説明では、隠しスライドファスナーにおけるファスナーエレメントとして、チェーン状のファスナーエレメントを用いた構成について説明を行ったが、本願発明でのファスナーエレメントとしては、チェーン状のファスナーエレメントに限定されるものではなく、特許文献2に記載された発明のように、所定間隔で離間してファスナーテープに取着される所謂務歯を用いた隠しスライドファスナーに対して、好適に適用することができる。
 この場合であっても、強い横引き力が作用したファスナーストリンガーからの影響によって、務歯の噛合頭部側は上方に立ち上がった状態となる。しかし、務歯の後端部側を最初に第2エレメントガイド部で案内して多少水平状態に傾斜させた後に、噛合頭部を第1エレメントガイド部で更に水平姿勢となるように傾倒案内することができる。
 そして、第2エレメントガイド部と第1エレメントガイド部とによって務歯を水平状態に傾斜させていくことができる。このように、務歯がファスナーテープ案内通路に挟み込まれてしまうことや、一対の務歯の噛合時に所謂パンク状態が発生してしまうのを確実に防止しておくことができる。
 本願発明は、座席シートのシートカバーや衣類等の開口部に取着される隠しスライドファスナー用スライダーとして好適に利用することができる。
1・・・隠しスライドファスナー用のスライダー、2・・・下翼板、3a,4a・・・側壁、3b,4b・・・上板、5・・・案内柱、7・・・第1エレメントガイド部、7a・・・前面ガイド面、7b・・・側方ガイド面、8・・・第2エレメントガイド部、8a・・・ガイド段部、8b・・・ガイド面、13・・・ファスナーエレメント、13a・・・噛合頭部、13b・・・エレメント後端部、14・・・ファスナーテープ、18・・・被覆上板部材、19・・・胴体部、41・・・スライダー、42・・・下翼板、43,44・・・第1フランジ、43a,44a・・・上板部分、45・・・案内柱、46・・・第2フランジ、46c・・・テーパ面、51・・・スライダー、52・・・下翼板、53,54・・・フランジ、53a,54a・・・上板部分、55・・・案内柱、56・・・内側端面、57・・・エレメントガイド部、58・・・エレメント案内通路。

Claims (11)

  1.  ファスナーテープ14がU字状に屈曲固定され、折り曲げられた前記ファスナーテープ14の端縁に沿ってファスナーエレメント13が取着された一対のファスナーストリンガー15の前記各ファスナーエレメント13を係脱する隠しスライドファスナー用スライダー1であって、
     前記スライダー1は、下翼板2と、
     前記下翼板2における前記スライダー1の摺動方向に直交する左右方向の両側縁に沿ってそれぞれ立設された一対の側壁3a、4aと、
     前記一対の側壁3a、4aにおける上端から互いに接近する方向にそれぞれ延設された一対の上板3b、4bと、
     前記スライダー1の肩口16側において前記下翼板2から立設された案内柱5と、
     前記案内柱5の外周部に張り出して形成された第1エレメントガイド部7と、
     前記一対の上板3b、4bの内側端面21bと前記第1エレメントガイド部7の外側端面とによって、前記U字状に屈曲した前記ファスナーテープ14の折り曲げ部14aを案内するY字状のテープ案内通路12と、
     前記下翼板2の左右両端部側において、前記下翼板2の前端縁から後口17側に向かって延設された第2エレメントガイド部8と、
    を備えてなり、
     前記第2エレメントガイド部8は、前記案内柱5の側面側における前記下翼板2から前記上板3b、4bに向けて隆起してなることを特徴とする隠しスライドファスナー用スライダー。
  2.  前記第2エレメントガイド部8は、前記スライダー1の摺動方向において前記案内柱5の肩口側先端と同位置或いは肩口側先端を越えて配されてなることを特徴とする請求項1記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  3.  前記第1エレメントガイド部7は、前記案内柱5の側方から後口に向けて形成され、スライダー1の摺動方向に平行な面を有する側方ガイド面7bと、
     前記側方ガイド面7bと連続した面であって、肩口16側かつ上方へ向けて傾斜した前面ガイド面7aを有し、前記第1エレメントガイド部7は前記第2エレメントガイド部8に対峙して構成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  4.  前記第2エレメントガイド部8は、下翼板2の内壁から側壁3a、4aの内壁にかけて形成された隆起部であることを特長とする請求項1~3のいずれかに記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  5.  前記隆起部は前記下翼板2から前記側壁3a、4aに向けて傾斜する傾斜面を有してなり、前記傾斜面は前記第1エレメントガイド部7側に対向するように面していることを特徴とする請求項4記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  6.  前記テープ案内通路のうち、前記スライダー1の肩口16側に向かって二股に分かれるY字状の肩口側テープ案内通路12は、前記スライダー1の肩口16側に向かって直線に広がりながら拡開し、
     前記第2エレメントガイド部8は、前記肩口側テープ案内通路12の軸線よりも内側に傾いた軸方向に沿って延設されてなることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  7.  前記エレメント後端部13bを摺接させてガイドを開始する前記第2エレメントガイド部8の開始位置が、前記ファスナーエレメント13の噛合頭部13aを摺接させてガイドを開始する前記第1エレメントガイド部7よりも前方に配されてなることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  8.  前記第2エレメントガイド部8の肩口側前端は、前記第1エレメントガイド部7の内で、前記上板3b、4bの内壁よりも前記下翼板2側に位置している傾斜面よりも前方に配されてなることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  9.  前記ファスナーエレメント13が、前記ファスナーテープ14の端縁に沿って縫製により取着されてなることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  10.  平面視において、前記一対の上板3b,4bにおける前記ファスナーエレメント13の噛合方向における前端縁21は、前記下翼板2の前端縁2a近傍まで延設され、
     前記各上板3b、4bの前記前端縁における内側対向隅部には、面取りを施した湾曲部21aがそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
  11.  前記一対の側壁3a,4aにおける前端部20が、前記第2エレメントガイド部8における前端部22よりも、後口17側に配されてなることを特徴とする請求項10記載の隠しスライドファスナー用スライダー。
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