WO2011118006A9 - 転写装置及び方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

本発明の転写装置(1)は、モールド(200a)に形成されたパターンを被転写体(300)に転写する転写装置であって、モールドを保持するモールド保持手段(154a、153a)と、被転写体を保持する被転写体保持手段(120a、120b)と、密着させたモールド及び被転写体の離型を行なう離型手段(104、120a)と、離型が完了しない場合に、モールド保持手段及び被転写体保持手段の少なくとも一方に保持を解除するための解除信号を供給する解除制御手段(102)とを備える。

Description

転写装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
 本発明は、凹凸パターンが形成されたモールドを被転写体に押圧することで凹凸パターンを被転写体に転写する転写装置及び転写方法、並びにコンピュータプログラムの技術分野に関する。
 この種の転写装置では、モールドに形成されたパターンなどが被転写体に転写される。このとき、転写後にモールドを被転写体から離型する際には、離型のための圧力(所謂、離型力)がモールドと被転写体との密着面にかかり、該離型力の強さによっては、モールドや被転写体自体、又は、両者に形成したパターンに破損が生じるとの技術的な問題がある。数十nm~数百nmのオーダの微細なパターンの転写が行なわれるナノインプリント技術と呼ばれる一分野においては、特にこのような離型力による負荷の影響は顕著であり、何らかの対策が考慮されるべきである。
 例えば、以下に示す先行技術文献には、離型時にモールドの表面が被転写体の表面に対して傾斜するように弾性変形させ、密着力を弱める技術が開示されている。このように密着面における密着力が低減されることで、離型のための離型力も比較的弱い力で十分となるため、離型力による密着面への負荷を低減出来る。
特開2009-60091号公報 国際公開第2007/067488号公報
 しかしながら、何らかの要因によりモールドと被転写体との間の密着力が増大し、離型のためにより多くの離型力が必要となる場合も存在する。また、パターンの複雑さや細かさに応じて、密着面の密着力が増減することもある。上述の文献に記載の構成は、このような密着力の増大に対して必ずしも有効とは言えず、何らかの要因により密着力が増大する場合、離型時に過大な負荷が密着面にかかる可能性を排除出来ない。
 本発明は、上述した技術的な問題に鑑みて為されたものであり、不測の事態によりモールドと被転写体との密着面の密着力が増大する場合であっても、離型時の過大な負荷によるモールドや被転写体自体、又は、両者に形成したパターンの破損を抑制出来る転写装置及び転写方法を提供することを課題とする。
 上記課題を解決するために、本発明の第1の転写装置は、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置であって、前記モールドを保持するモールド保持手段と、前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型手段とを備え、前記離型が完了しない場合に、前記モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除する。
 上記課題を解決するために、本発明の第2の転写装置は、第1モールドに形成されたパターンを被転写体の第1の面に転写し、且つ第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体の第2の面に転写する転写装置であって、前記第1モールドを保持する第1モールド保持手段と、前記第2モールドを保持する第2モールド保持手段と、前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、密着させた前記第1モールド及び前記被転写体の離型を行なう第1離型手段と、密着させた前記第2モールド及び前記被転写体の離型を行なう第2離型手段とを備え、前記第1モールド及び前記被転写体の離型、又は前記第2モールド及び前記被転写体の離型が完了しない場合に、前記第2モールドの保持を解除する。
 上記課題を解決するために、本発明の第3の転写装置は、制御装置からの指示に応じて動作し、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置であって、前記制御装置からのモールド保持指示に応じて、前記モールドを保持するモールド保持手段と、前記制御装置からの被転写体保持指示に応じて、前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、前記制御装置からの離型指示に応じて、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型手段とを備え、前記離型手段による離型が完了しない場合に、前記制御装置からの解除指示に応じて、前記モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除する。
 上記課題を解決するために、本発明の第1の転写方法は、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置における転写方法であって、前記モールドを保持するモールド保持工程と、前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型工程と、前記離型工程が完了しない場合に、前記モールド及び前記被転写体の少なくとも一方の保持を解除する解除工程とを備える。
 上記課題を解決するために、本発明の第2の転写方法は、第1モールドに形成されたパターンを被転写体の第1の面に転写し、且つ第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体の第2の面に転写する転写装置における転写方法であって、前記第1モールドを保持する第1モールド保持工程と、前記第2モールドを保持する第2モールド保持工程と、前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、密着させた前記第1モールド及び前記被転写体の離型を行なう第1離型工程と、密着させた前記第2モールド及び前記被転写体の離型を行なう第2離型工程と、前記第1離型工程、又は前記第2離型工程が完了しない場合に、前記第2モールドの保持を解除する解除工程とを備える。
 上記課題を解決するために、本発明のコンピュータプログラムは、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置を動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記モールドを保持するモールド保持工程と、前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型工程と、前記離型工程が完了しない場合に、前記モールド及び前記被転写体の少なくとも一方の保持を解除する解除工程とを前記転写装置に実行させる。
 本発明の作用及び他の利得について、以下に示す実施の形態とともに説明する。
インプリント装置の基本的な構成例を示す模式図である モールド保持手段によるモールドの保持の態様を示す模式図である。 インプリント装置の基台の形状を示す模式図である。 インプリント装置による転写動作の一連の流れを示すフローチャートである。 インプリント装置による離型処理の一連の流れを示すフローチャートである。 インプリント装置による上側異常時処理の一連の流れを示すフローチャートである。 インプリント装置による下側異常時処理の一連の流れを示すフローチャートである。 転写動作におけるインプリント装置の各部の動作を示す模式図である。 転写動作におけるインプリント装置の各部の動作を示す模式図である。 上側異常時処理におけるインプリント装置の各部の動作を示す模式図である。 下側異常時処理におけるインプリント装置の各部の動作を示す模式図である。 インプリント装置の第1の変形例の基本的な構成例を示す模式図である。 インプリント装置の第2の変形例の基本的な構成例を示す模式図である。 インプリント装置の第3及び第4の変形例の基本的な構成例を示す模式図である。
 本発明の転写装置に係る第1実施形態は、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置であって、前記モールドを保持するモールド保持手段と、前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型手段とを有し、前記離型が完了しない場合に、前記モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除するものとする。
 本発明の転写装置に係る第1実施形態によれば、モールド保持手段が保持するモールドが、被転写体保持手段に保持される被転写体に押圧されることで、モールドに形成される凹凸などのパターンが被転写体に転写される。
 モールド保持手段は、例えば真空ポンプなどを備える吸着機構や、モールドを狭持するクランプ機構などの構成によってモールドを保持する構成である。
 被転写体保持手段は、モールドとの密着の妨げとならないよう、被転写体を保持し、且つ固定可能に構成される部材である。例えば、被転写体保持手段は、被転写体を2つの相対する方向から保持する構成などであってよい。
 転写装置は、このように保持されるモールド及び被転写体の一方又は両方を移動させて、モールドのパターンが形成された面(以下、パターン面と記載)と被転写体のパターンが転写される面(以下、転写面と記載)とを密着させ、相互に押圧する。転写装置はこのような押圧動作を実現するための押圧手段を備えていてもよい。押圧手段は、例えばモールド保持手段又は被転写体保持手段を移動させるアクチュエータなどである。また、押圧手段の構成及び動作については、公知の転写装置に備えられる押圧手段と同様のものであってもよい。
 離型手段は、転写のために密着されたモールドと被転写体とを離型させるための構成である。離型手段は、具体的には、モールド保持手段及び被転写体保持手段の一方を固定して、他方に対して分離させる方向に力(以下、離型力と記載)を作用させることで、離型を実現する。
 第1実施形態の転写装置においては、離型手段により行なわれるモールド及び被転写体の離型動作が完了したか否かの判断が行われる。そして、モールド及び被転写体の離型が正常に完了しないと判断される場合、モールド保持手段及び被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除する退避動作が行われる。
 モールド又は被転写体が保持から解放されることで、モールドと被転写体との密着面に作用する離型力に対してモールド及び被転写体の一方を固定するための力が解除され、離型手段によるモールド保持手段又は被転写体保持手段の移動に応じて、モールド及び被転写体が一体化して移動することとなり、密着面にかかる負荷が解除される。このため、過負荷により損傷が生じる可能性のある状況から、モールド及び被転写体とを退避させることが出来る。
 退避後のモールドと被転写体とは、離型が完了していないため、互いに密着した状態でモールド保持手段又は被転写体保持手段の保持の解除が行なわれていない方に保持される。この状態では、例えば報知を受けたユーザが、密着した状態のままのモールドと被転写体とを転写装置から取り外した後、手作業などにより離型させることも出来、モールドと被転写体とを無理な離型による破損から守ることが出来る。
 本発明の転写装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記モールド又は前記被転写体に加わる力を検出する検出手段を更に備え、前記解除制御手段は、前記検出手段が前記離型時に前記モールド又は前記被転写体に加わる力が閾値以上となる力を検出する場合、前記離型が完了しないと判断する。
 この態様によれば、検出手段は、モールド又は被転写体にかかる力を検出し、該力に基づいて、適切な離型動作が完了したか否かの判断を行なう。検出手段は、例えば、モールド又は被転写体にかかる力の監視を行なう圧力センサなどであり、モールドと接するモールド保持手段又は被転写体と接する被転写体保持手段に組み込まれ、作用する圧力の検出を行なう。また、検出される圧力を解除制御手段に通知する。
 解除制御手段は、モールドと被転写体との離型時に、検出手段により検出される力が所定の閾値を越える場合、離型が適切に完了しないと判断し、モールド保持手段によるモールド保持、および被転写体保持手段による被転写体の保持の少なくとも一方を解除するための解除信号を供給する。
 通常、相互に密着させたモールドと被転写体との密着面には、密着状態を維持するように、密着力が作用している。かかる密着力は、モールドと被転写体との間で転写されるパターンの精密度や、モールドのパターン面に形成される離型層の劣化度合いに応じて変化することが知られている。
 このような密着力が作用するモールドと被転写体とを離型するためには、密着面にかかる密着力よりも大きな力で離型のための押圧や牽引を行なう必要がある。このため、離型手段は、密着力に応じて、好適には予め決定される出力範囲内で出力する離型力を決定し、離型動作を行なう。
 しかしながら、より強い力で離型を行なう場合、モールドと被転写体との密着面に大きな負荷がかかり、表面の微細なパターンの破損や、モールド及び被転写体自体の破損に繋がる虞がある。この種の転写装置においては、同一のモールドで複数回の転写動作が期待される。しかしながら、転写回数が増加するにつれて、モールド表面に成形される、被転写体との密着面における密着力を低減させる潤滑作用のある離型層が劣化し、密着力が次第に増大する技術的な問題がある。このため、転写回数の増大に応じて増大する密着力に対して適切な対処が行なわれない場合、離型時にモールド又は被転写体に大きな負荷がかかる。
 本態様の検出手段の動作によれば、離型時にモールド又は被転写体にかかる力を検出しているため、上述のような大きな負荷を好適に検出出来る。そして、解除制御手段は、予め設定される閾値を越える大きな力が検出される場合、モールド及び被転写体に負荷がかかることを抑制するために、モールド保持手段又は被転写体保持手段に解除信号を供給し、モールド又は被転写体を保持から解放する。このため、過負荷により損傷が生じる可能性のある状況から、モールド及び被転写体とを退避させることが出来る。
 尚、上述した検出される力の閾値は、モールド及び被転写体の材質、転写に用いられるモールドのパターンの精密度や、転写装置自身の特性などからの要因に基づき、モールド、被転写体及び転写装置の夫々に損傷を生じる力の出力に対して充分余裕を持って設定されることが望ましい。
 検出手段は、上述の圧力センサ以外の構成であってもよく、例えば、離型手段が実際に出力している力を検出し、検出された力に基づいてモールド又は被転写体にかかる力を取得する構成であってもよい。
 本発明の転写装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記解除制御手段は、前記離型時に、前記検出手段が前記モールド又は前記被転写体に所定の時間以上継続して加わる力を検出する場合、前記離型が完了しないと判断する。
 前記解除制御手段は、前記モールド又は前記被転写体に加わる力が所定の時間以上継続して検出される場合、前記モールド保持手段による前記モールドの保持、及び前記被転写体保持手段による前記被転写体の保持の少なくとも一方を解除するための解除信号を供給する。
 この態様によれば、解除制御手段は、モールド及び被転写体に対して付加される力が上述の閾値を越えない範囲の力であっても、所定の時間以上継続して付加されることが検出される場合、上述したモールド及び被転写体の少なくとも一方の保持手段に解除信号を供給し、保持を解除する。本態様では、例えば上述の検出手段のように、モールド及び被転写体に対して付加される力を検出するとともに、力の検出される時間を計測する手段を有することが好ましい。
 このように構成することで、例えば、過剰な離型力が付加されていない状態であっても、何らかの要因によりモールドと被転写体との離型が適切に完了出来ず、継続的に離型力が作用している状況を好適に検出し、退避動作が可能となる。このため、離型動作を適切に完了させ、モールド、被転写体及び転写装置に対して損傷が生じることを好適に抑制出来る。
 上述のように検出手段が備えられる態様では、例えば、前記検出手段は、前記被転写体保持手段に対して加えられる力を検出し、該検出された力に基づいて、前記モールド又は前記被転写体に加わる力を検出する。
 上述したように、密着させたモールドと被転写体との離型時には、モールドと被転写体とを分離させる方向へ離型力が作用する。このとき、被転写体を保持する(言い換えれば、固定する)被転写体保持手段には、該離型力と略同一の力が付加される。
 具体的には、被転写体保持手段が被転写体を固定し、離型手段がモールドに対して被転写体から離型させる方向へ離型力を付加する場合、モールドと被転写体との密着面を介して被転写体に作用する該離型力に対して、被転写体を固定するための力が被転写体に加えられる。
 他方で、モールド保持手段がモールドを固定し、離型手段が被転写体に対してモールドから離型させる方向へ離型力を付加する場合、該離型手段は、被転写体を保持する被転写体保持手段ごと被転写体を離型させるよう力を付加することから、被転写体を離型させるための力が被転写体に加えられる。
 このため、この態様の検出手段の動作によれば、モールドと被転写体とを離型させるための離型力と略同一の離型力が検出される。このように構成することで、比較的容易に離型時の離型力の検出を行なうことが出来る。
 また、検出手段は、前記被転写体によって前記被転写体保持手段に加えられる力を検出する構成であってもよい。
 上述したように、密着させたモールドと被転写体との離型時には、モールドと被転写体とを分離させる方向へ離型力が作用する。このとき、被転写体を保持する被転写体保持手段に対しては付加される該離型力と略同一の力は、典型的には被転写体より付加されるものである。
 このため、例えば検出手段を、被転写体保持手段における被転写体と接する部位の圧力を検出する圧力センサなどにより構成することで、比較的容易に離型時の離型力の検出を行なうことが出来る。
 本発明の転写装置に係る第1実施形態の他の態様では、前記被転写体は貫通孔を有し、前記モールド保持手段は、前記モールドの外縁部で前記モールドを保持し、前記被転写体保持手段は、前記被転写体の貫通孔を介して前記被転写体を保持する
 この態様によれば、モールド保持手段は、モールドの外縁部においてモールドを保持するよう配置されている。具体的には、例えば、真空ポンプなどの減圧機構による物理的な吸着によりモールドの保持を行なうモールド保持手段が備えられる場合、該吸着のためのノズル部がモールドの外縁部においてモールドと接することで吸着するよう配置される。
 このとき、被転写体保持手段は、被転写体に形成される貫通孔を介して被転写体の保持を行なう。ここに、貫通孔とは、典型的には被転写体の一の表面から反対側の他の表面まで連続的に形成される開口部である。また、「被転写体の貫通孔を介して保持する」とは、被転写体保持手段が、該貫通孔の縁部又はその近傍において被転写体に接触することで、保持を行なう趣旨である。
 また、この態様では、前記被転写体保持手段は、前記貫通孔の外縁部を前記被転写体の両面から挟むことで、前記被転写体を保持する構成であってもよい。
 この態様によれば、被転写体保持手段は、モールドと密着させた被転写体に対して、該モールドと同方向及び反対の方向から押圧する部材により、挟み込む形で保持を行なう。このように保持を行なう被転写体保持手段によれば、モールドと被転写体との離型時において、離型手段により付加される力と同じ軸上で被転写体に保持のための力を付加出来る。
 具体的には、離型手段の動作により、モールドと被転写体とが離型される際には、
付加される離型力と同一の方向及び対向する方向の双方向から被転写体保持手段が被転写体を押圧している。このような構成では、モールド又は被転写体にかかる離型力が閾値を越えた際に被転写体保持手段による保持を解除することで、離型手段により付加される離型力に対して逆向きに作用する狭持のための力が解除される。このため、離型力に起因してモールドと被転写体との密着面に過剰な負荷がかかることを好適に抑制出来る。
 尚、被転写体保持手段による保持が解除される場合、好適には、完全に離型されていないモールドと被転写体とが一体となった状態で、離型力が作用する方向へ押される。より好ましくは、解除制御手段から供給された解除信号による保持の解除の後に、モールド及び被転写体に負荷が生じないよう離型力が適切に制御される。
 本発明の転写装置に係る第2実施形態は、第1モールドに形成されたパターンを被転写体の第1の面に転写し、且つ第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体の第2の面に転写する転写装置であって、前記第1モールドを保持する第1モールド保持手段と、前記第2モールドを保持する第2モールド保持手段と、前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、密着させた前記第1モールド及び前記被転写体の離型を行なう第1離型手段と、密着させた前記第2モールド及び前記被転写体の離型を行なう第2離型手段とを備え、前記第1モールド及び前記被転写体の離型、又は前記第2モールド及び前記被転写体の離型が完了しない場合に、前記第2モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除する。
 本発明の転写装置に係る第2実施形態によれば、第1モールドを保持する第1モールド保持手段と、第2モールドを保持する第2モールド保持手段との二つのモールドを保持する手段を有する。これらの二つのモールドのうち第1モールドは被転写体の第1の面に、第2モールドは被転写体の第2の面に密着して押圧されることで、夫々のモールドに形成されたパターンの転写が被転写体の両面に行なわれる。
 第2実施形態の転写装置においては、第1押圧手段が第1モールド保持手段及び被転写体保持手段の少なくとも一方を動作させて、第1モールドと被転写体の第1の面とを密着させて互いに押圧させる。他方で、第2押圧手段が第2モールド保持手段及び被転写体保持手段の少なくとも一方を動作させて、第2モールドと被転写体の第2の面とを密着させて互いに押圧させる。夫々の押圧は相前後して行なわれてもよく、また同時に行なわれてもよい。例えば、第1の面と第2の面とが互いに反対側に設けられる被転写体を用いる場合、第1押圧手段及び第2押圧手段は、第1モールドと第2モールドとで被転写体を挟み込み、両面から同時に押圧することで転写を行なってもよい。
 第2実施形態の転写装置においては、第1離型手段が第1モールド保持手段及び被転写体保持手段の少なくとも一方を動作させて、第1モールドと被転写体との離型を行なう。他方で、第2離型手段が第2モールド保持手段及び被転写体保持手段の少なくとも一方を動作させて、第2モールドと被転写体との離型を行なう。尚、好ましくは、第1離型手段が第1モールドを被転写体から離型させた後に、第2離型手段が第2モールドを被転写体から離型させる。具体的には、第1離型手段は、典型的には、被転写体に対して第2モールドと共に密着している状態の第1モールドを保持する第1モールド保持手段を、被転写体から離型させる方向へ移動させるよう離型力を加える。このとき、被転写体は被転写体保持手段に、第2モールドは第2モールド保持手段に夫々保持されており、第1モールド保持手段による第1モールドの移動に対して固定するよう力が加えられている。このため、第1モールド保持手段による離型力が第1モールドと被転写体との密着面に作用し、両者の密着が解除され、離型が完了する。同様に、第2離型手段は、第2モールド保持手段により保持される第2モールドから離型する方向へ被転写体を保持している状態の被転写体保持手段を移動させるよう離型力を加える。
 尚、第1離型手段は、固定された被転写体から第1モールドを離型させるよう第1モールド保持手段を移動させる代わりに、第1モールド保持手段により固定される第1モールドから被転写体を離型させるよう被転写体保持手段を移動させる態様であってもよい。同様に、第2離型手段は、固定された第2モールドから被転写体を離型させるよう被転写体保持手段を移動させる代わりに、被転写体保持手段により固定される被転写体から第2モールドを離型させるよう第2モールド保持手段を移動させる態様であってもよい。
 第2実施形態の転写装置においては、第1離型手段により行なわれる第1モールド及び被転写体の離型動作、及び第2離型手段により行なわれる第2モールド及び被転写体の離型動作の夫々が完了したか否かの判断が行われる。そして、第1モールド及び被転写体の離型又は第2モールド及び被転写体の離型が正常に完了しないと判断される場合、第2モールド保持手段による第2モールドの保持を解除する退避動作が行われる。
 例えば、第1離型手段による離型時に、被転写体が保持から解放されることで、第1モールドと被転写体との密着面に作用する離型力に対して被転写体を固定するための力が解除され、被転写体が第1モールドと一体化して移動し、密着面にかかる負荷が解除される。また、第2モールドが保持から解放されることで、第1モールドと被転写体との密着面に作用する離型力に対して、間接的に被転写体を固定している第2モールドを固定するための力が解除され、被転写体及び第2モールドが第1モールドと一体化して移動することとなり、同様に密着面にかかる負荷が解除される。
 また、第2離型手段による離型時にも、第2モールドが保持から解放されることで、第2モールドと被転写体との密着面に作用する離型力に対して第2モールドを固定するための力が解除され、第2モールドが被転写体と一体化して移動し、密着面にかかる負荷が解除される。
 このため、離型動作が正常に完了せず、各モールドと被転写体との密着面に離型力が作用し続けるような場合を好適に検出し、モールドと被転写体とにかかる負荷を排除出来る。
 このとき、第2実施形態の転写装置は、上述した第1実施形態の転写装置の一態様が備える解除制御手段を備えて、該解除制御手段が被転写体保持手段及び第2モールド保持手段に対して解除信号を供給することで、保持の解除を実現してもよい。
 以上、説明した第2実施形態に係る転写装置の各手段の動作によれば、上述した第1実施形態に係る転写装置が享受可能な効果と同様の効果を享受しつつも、同時に又は相前後して被転写体の2つの表面に対して第1モールド及び第2モールドのパターンを転写することが出来る。
 尚、本発明の転写装置に係る第2実施形態においても、上述した本発明の転写装置に係る第1実施形態の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
 本発明の転写装置に係る第2実施形態の一の態様では、前記第1モールドに形成されたパターンを前記被転写体に対して鉛直上方から転写させる第1押圧手段と、前記第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体に対して鉛直下方から転写させる第2押圧手段とを備え、前記被転写体保持手段は、前記被転写体を前記第1の面が鉛直上方、前記第2の面が鉛直下方に夫々面するように保持する
 この態様によれば、第1押圧手段は、第1の面が鉛直上方に面して保持される被転写体に対して、第1モールドをパターン面が該第1の面に対して平行且つ対向する位置関係を維持した状態で、鉛直上方より押圧することで、パターンの転写を行なう。また、第2押圧手段は、第2の面が鉛直下方に面して保持される被転写体に対して、第2モールドをパターン面が該第2の面に対して平行且つ対向する位置関係を維持した状態で、鉛直下方より押圧することで、パターンの転写を行なう。
 このため、典型的には、第1押圧手段及び第1離型手段は、第1モールド保持手段又は被転写体保持手段を鉛直方向に移動させることで、上述の押圧及び離型を実施する。反対に、第2押圧手段及び第2離型手段は、第2モールド保持手段又は被転写体保持手段を鉛直方向に移動させることで、上述の押圧及び離型を実施する。
 このような構成において、上述のように離型動作の第1モールド及び被転写体、又は第2モールド及び被転写体のいずれかの離型が完了しないと判断される場合、解除制御手段は、第2モールド保持手段に解除信号を供給し、被転写体の下方において保持される第2モールドの保持を解除する。
 各モールドと被転写体との離型自体が完了している場合であっても、圧力センサの誤作動や故障などの何らかの要因により閾値を超える力が検出され、解除制御手段が上述の退避動作を行なうことがある。このとき、上述のように第1モールド、被転写体及び第2モールドが鉛直方向に積層される構成では、上側の部材の保持を解除する場合、該部材が落下して予期しない損傷が生じる可能性がある。例えば、第1モールドと被転写体との離型動作時に、実際には離型されているにも関わらず、解除制御手段が第1モールド保持手段に解除信号を供給し、第1モールドの保持を解除するという退避動作を行なった場合、第1モールドは鉛直下方の被転写体及び第2モールドの上に落下してしまう。また、第2モールドと被転写体との離型動作時に、実際には離型されているにも関わらず、解除制御手段が被転写体保持手段に解除信号を供給し、被転写体の保持を解除するという退避動作を行なった場合、被転写体は鉛直下方の第2モールドの上に落下してしまう。
 他方で、本態様の構成によれば、解除制御手段は、退避動作として第2モールドの保持を解除するための解除信号を第2モールド保持手段に供給するため、このような落下に起因する予期しない部材の損傷を好適に回避することが出来る。
 本発明の転写装置に係る第3実施形態は、制御装置からの指示に応じて動作し、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置であって、前記制御装置からのモールド保持指示に応じて、前記モールドを保持するモールド保持手段と、前記制御装置からの被転写体保持指示に応じて、前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、前記制御装置からの離型指示に応じて、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型手段とを備え、前記離型手段による離型が完了しない場合に、前記制御装置からの解除指示に応じて、前記モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除する。
 本発明の転写装置に係る第3実施形態によれば、当該転写装置に接続される制御装置から供給される動作を指示するための制御信号に基づき、上述の本発明の転写装置に係る第1実施形態における各部と同様の動作が実施可能である。
 また、第3実施形態の転写装置では、制御装置に対して、各部の状態などを通知する信号の供給を行っていてもよい。このとき転写装置は具体的には、離型手段による離型動作について、適切に離型が完了したか否かを通知する通知信号を生成し、制御装置に供給する。制御装置は、かかる信号の通知を受け、離型動作が適切に完了していないと判断される場合に、モールド保持手段又は被転写体保持手段、若しくはその両方に保持を解除させるための解除信号を供給する。
 このような構成のため、本発明の転写装置に係る第3実施形態によれば、上述した本発明の転写装置に係る第1実施形態と同様の各種効果を享受することが出来る。
 尚、本発明の転写装置に係る第3実施形態においても、上述した本発明の転写装置に係る第1実施形態の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
 本発明の転写方法に係る第1実施形態は、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置における転写方法であって、前記モールドを保持するモールド保持工程と、前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型工程と、前記離型工程が完了しない場合に、前記モールド及び前記被転写体の少なくとも一方の保持を解除する解除工程とを備える。
 本発明の転写方法に係る第1実施形態によれば、上述した本発明の転写装置に係る第1実施形態と同様の各種効果を享受することが出来る。
 尚、本発明の転写方法に係る第1実施形態においても、上述した本発明の転写装置に係る第1実施形態の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
 本発明の転写方法に係る第2実施形態は、第1モールドに形成されたパターンを被転写体の第1の面に転写し、且つ第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体の第2の面に転写する転写装置における転写方法であって、前記第1モールドを保持する第1モールド保持工程と、前記第2モールドを保持する第2モールド保持工程と、前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、密着させた前記第1モールド及び前記被転写体の離型を行なう第1離型工程と、密着させた前記第2モールド及び前記被転写体の離型を行なう第2離型工程と、前記第1離型工程、又は前記第2離型工程が完了しない場合に、前記第2モールドの保持を解除する解除工程とを備える。
 本発明の転写方法に係る第2実施形態によれば、上述した本発明の転写装置に係る第2実施形態と同様の各種効果を享受することが出来る。
 尚、本発明の転写方法に係る第2実施形態においても、上述した本発明の転写装置に係る第1実施形態の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
 本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態は、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置を動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記モールドを保持するモールド保持工程と、前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型工程と、前記離型工程が完了しない場合に、前記モールド及び前記被転写体の少なくとも一方の保持を解除する解除工程とを前記転写装置に実行させる。
 本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の転写方法に係る実施形態における各種動作を転写装置に比較的簡単に実行させることが出来る。
 尚、本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態においても、上述した本発明の転写方法に係る第1実施形態の各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
 以上説明したように、本発明の転写装置に係る第1の実施形態は、モールド保持手段と、被転写体保持手段と、押圧手段と、離型手段と、検出手段と、解除制御手段とを備える。本発明の転写装置に係る第2の実施形態は、第1モールド保持手段と、第2モールド保持手段と、被転写体保持手段と、第1押圧手段と、第2押圧手段と、第1離型手段と、第2離型手段と、第1検出手段と、第2検出手段と、解除制御手段とを備える。本発明の転写方法に係る第1の実施形態は、モールド保持工程と、被転写体保持工程と、押圧工程と、離型工程と、検出工程と、解除工程とを備える。本発明の転写方法に係る第2の実施形態は、第1モールド保持工程と、第2モールド保持工程と、被転写体保持工程と、第1押圧工程と、第2押圧工程と、第1離型工程と、第2離型工程と、第1検出工程と、第2検出工程と、解除工程とを備える。従って、離型時にモールドと被転写体との間の密着面に閾値を超える負荷が生じる場合に、損傷が生じることを好適に抑制出来る。
 本発明の転写装置及び転写方法に係る各種実施形態の作用及び他の利得について、以下に示す実施例を用いてより詳細に説明する。
 以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
 (1)基本構成例
 先ず、図1を参照して、本発明の転写装置の基本的な構成について説明する。図1は、本発明の転写装置の一実施例であるインプリント装置1の構成を概略的に示す模式図である。
 図1に示すインプリント装置1は、UV照射により硬化する転写層を備える被転写体に対してモールド上のパターンを転写するUV式の転写装置である。また、インプリント装置1は、転写する凹凸などのパターンが形成される下側モールド200a及び上側モールド200bを用いて、被転写体である基板300の下面に形成される下側転写層301a及び上面に形成される上側転写層301bの両方に対して転写を行なう構成である。
 尚、図1には、下側モールド200a、上側モールド200b及び基板300の夫々が設置された状態のインプリント装置1が図示されている。
 下側モールド200aは、図2(a)に示されるように、中心部にセンターホールを有する円盤状又は円盤に準じた形状であり、パターン面のセンターホール近傍に凹凸などのパターンが形成されるパターン領域が構成される。各モールドの少なくともパターン領域に相当する部位は、例えば石英ガラスなど、UV光を透過し、好適にはUV光の照射による形質変化などの影響が生じ難い材質により構成される。尚、便宜上パターン面のパターン領域外を非パターン領域と記載する。尚、上側モールド200bも下側モールド200aと同様の構成である。また、下側モールド200a及び上側モールド200bのパターン面には、後述する離型時においてモールドと基板の離型性向上を目的とした表面処理、例えば、シランカップリング剤等による表面処理を施し、単分子から数分子程度の厚さを有する離型層が形成されている。
 本実施例では、下側モールド200aは、本発明の「モールド」又は「第2モールド」の一具体例であり、上側モールド200bは、本発明の「モールド」又は「第1モールド」の一具体例である。
 基板300は、中心部にモールドのセンターホールより径の小さいセンターホールを有する円盤状の形状であり、下面及び上面にUV照射により硬化する材質より成る下側転写層301a及び上側転写層301bを有する。
 インプリント装置1は、図1に示すように下側基台110aを含む下側機構部Aと、上側基台110bを含む上側機構部Bと、下側基台110a及び上側基台110bを連結するボールネジ101と、該ボールネジを回転させるアクチュエータ104と、下側機構部A及び上側機構部Bの動作を制御する制御部102と、該制御部102に対してユーザの指示を入力可能な操作部103とを備えて構成される。
 下側機構部Aは、下側基台110aの上面に設けられ、下側センターピン120aと、下側UV照射部130aと、下側センターピン駆動部140aと、下側載置台150aと、下側モールド保持部152aと、下側モールドクランプ153aとを備えて構成される。
 下側基台110aは、ボード上の部材であって、下側載置台150aと下側開口部151aとが設けられると共に、ボールネジ101がねじ込まれるネジ溝が切られているネジ穴部が存在する。
 下側センターピン120aは、本発明の「被転写体保持手段」の一具体例を構成する部材であって、夫々径の異なる円柱状の先端部121a、基板支持部122a及びモールド支持部123aを有する部材である。下側センターピン120aは、下端が後述する下側センターピン駆動部140aに連結され、後述する下側載置台150aのセンターホール及び下側開口部151aを貫通する態様で、後述する下側モールド保持面Saに対して垂直となるよう支持されている。
 下側センターピン120aの先端部121aの径は基板支持部122a及び後述する基板300のセンターホールの夫々の径より小さい。また、基板支持部122aの径は、基板300のセンターホールの径より大きく、モールド支持部123a、後述する下側モールド200a及び上側モールド200bのセンターホールの夫々の径より小さい。また、モールド支持部123aの径は、下側モールド200a及び上側モールド200bのセンターホールの径より大きく、且つ下側載置台150aのセンターホール及び下側開口部151aの夫々の径より小さい。
 下側UV照射部130aは、不図示の信号線などを介して制御部102と電気的に接続されており、制御部102から供給される制御信号に応じて基板300の下側転写層301aを硬化させるUV光を下側開口部151a及び後述する下側載置台150aのUV光透過領域を介して、基板300の下側転写層301aに照射する。尚、下側UV照射部130aは、転写動作におけるUV光の照射時など、必要時以外は退避している構成であってもよい。
 下側センターピン駆動部140aは、下側機構部Aにおける本発明の「被転写体保持手段」の一具体例の一部を構成し、制御部102から供給される制御信号に応じて、下側センターピン120aを軸方向、つまり下側載置台150aの下側モールド保持面Saに垂直な方向に移動する。
 また、下側センターピン駆動部140aは、後述する転写動作の後の下側モールド200aと基板300との離型時に、下側センターピン120aを垂直上方向に移動させることで基板300を下側モールド200aから離型させる構成であり、本実施例における「離型手段」又は「第2離型手段」の一具体例でもある。
 本実施例の下側センターピン駆動部140aは、下側圧力センサ141aを備えて構成される。下側圧力センサ141aは、本実施例の下側機構部Aにおける「検出手段」の一具体例であって、下側センターピン駆動部140aに接続される下側センターピン120aにかかる圧力を検出し、検出した圧力情報を制御部102へ送信する。ここで、下側センターピン120aにかかる圧力とは、下側モールド200aに密着させた基板300に接する下側センターピン120aが上方向に移動するのに抵抗する力を一例とし、典型的には、下側モールド200aと基板300の密着面に作用する力により下側センターピン120aにかかる圧力を示す趣旨である。
 下側載置台150aは、下側モールド200aを保持するための平坦な下側モールド保持面Saを有し、該下側モールド保持面Saには、中心部にセンターホールが設けられると共に、下側モールド保持部152aと下側モールドクランプ153aとが設けられる。また、下側載置台150aの下側モールド保持面Saは、典型的には、下側モールド200aのパターン領域より広く構成されている。下側載置台150aは、下側モールド200aと基板300との相対位置を調整するために、下側モールド保持面Sa方向に移動可能な構成とされる。
 下側載置台150aのうち、少なくとも載置される下側モールド200aのパターンが形成される領域に対応する領域は、例えば石英ガラスなどのUV光を透過し、且つUV光の照射により形質変化などの生じ難い材質により構成されるUV光透過領域である。尚、下側基台110aの開口部151aは、下側載置台150aのUV光透過領域に対応する領域に形成されている。
 下側モールド保持部152aは、下側機構部Aにおける本発明の「モールド保持手段」又は「第2モールド保持手段」の一具体例であって、真空吸着などにより下側モールド200aを保持するための吸着溝155aを有する吸着部154aと、該吸着部154aを支持する弾性部材156aとを備える。
 図2(b)は、下側載置台150aを上方(より具体的には、下側モールド保持面Saに対して垂直上方。以降、垂直上方向又は単に上方と記載し、垂直下方については、垂直下方向又は下方と記載する)から見た場合の各部の配置を示す模式図である。
 吸着部154aは、図2(b)に示されるように、載置される下側モールド200aの外周縁部において吸着を行なうように、下側モールド保持面Saの対応する領域に形成される溝内に配置される。吸着部154aは、接触部において下側モールド200aを傷つけないように、例えば、柔軟な樹脂製の部材などで構成されることが好ましい。
 吸着溝155aは、接続される真空ポンプなどの減圧機構(不図示)の動作により、溝内の気圧が低減されることで下側モールド200aを吸着部154aに吸着可能に構成される。
 弾性部材156aは、下側モールド保持面Saに形成される溝内に配置され、吸着部154aを支持する。弾性部材156aは、樹脂などの弾性を有する部材、又はバネなどの機械的な構造により吸着部154aと下側載置台150aとの間に弾性力を付勢可能な構成である。弾性部材156aの存在により、吸着部154aは、例えば後述する下側モールドクランプ153aによって垂直下方に押圧されることで、該押圧のための力と、弾性部材156aからの弾性力とが釣り合う位置まで移動する。
 尚、下側モールド保持部152a及び下側載置台150aの形状は、後述する下側モールド200aの変形に適した形状であることが好ましく、このような形状については、後に詳述する。
 下側モールドクランプ153aは、本発明の「第1モールド保持手段」又は下側機構部Aにおける本発明の「モールド保持手段」の一具体例であって、下側載置台150aにおける下側モールド200aが載置される位置より更に外周縁部に設けられるクランプ機構である。下側モールドクランプ153aは、制御部102からの制御信号に応じた圧力で下側モールド200aの非パターン領域を下方に向けて押圧することで下側モールド200aを保持可能な構成である。また、下側モールドクランプ153aは、制御部102からの制御信号に応じて、下側モールド200aを保持するために必要な押圧力より強い力で下側モールド200aを押圧することで、下側モールド保持部152aの弾性部材156aと共に下側モールド200aを弾性変形させることが可能である。以下、モールドを保持するための押圧力を保持力と記載し、モールドを変形させるための押圧力を変形力と記載する。
 ここで、図2(c)を参照して下側モールドクランプ153aの構造と配置について説明する。図2(c)は、下側モールド200aを押圧している状態の下側モールドクランプ153aを垂直上方向から見た場合の模式図に、更に後述する上側モールドクランプ153bの配置位置を重ねて示した図である。下側モールドクランプ153aは、下側モールド200aを押圧するために、円盤形状に合わせて下側モールド200aと同心円上に配置される複数の円弧状の部材より構成される。
 上側モールドクランプ153bも同様の円上に配置される複数の円弧状の部材より構成される。また、図2(c)に示されるように、下側モールドクランプ153aと上側モールドクランプ153bとは、夫々の円弧状の扇形の部材が互いに入れ違いとなり、両者を下側モールド保持面Saと平行な面上に投影する場合でも、互いに重ならないように配置されている。
 続いて、図1に戻り、上側機構部Bについて説明する。
 上側機構部Bは、上側基台110bの下面に設けられ、上側センターピン120bと、上側UV照射部130bと、上側センターピン駆動部140bと、上側載置台150bと、上側モールド保持部152bと、上側モールドクランプ153bとを備えて構成される。
 上側基台110bは、ボード上の部材であって、上側載置台150bと上側開口部151bとが設けられると共に、ボールネジ101がねじ込まれるネジ溝が切られているネジ穴部が存在する。
 上側センターピン120bは、本発明の「被転写体保持手段」の一具体例を構成する部材であって、下側センターピン120aの基板支持部122aと同程度の径の先端部を有する円柱状の部材である。上側センターピン120bは、上端が後述する上側センターピン駆動部140bに連結され、後述する上側載置台150bのセンターホール及び上側開口部151bを貫通する態様で、下側モールド保持面Sa及び後述する上側モールド保持面Sbに対して垂直となるよう支持されている。
 上側UV照射部130bは、不図示の信号線などを介して制御部102と電気的に接続されており、制御部102から供給される制御信号に応じて基板300の上側転写層301bを硬化させるUV光を上側開口部151b及び後述する上側載置台150bのUV光透過領域を介して、基板300の上側転写層301bに照射する。尚、上側UV照射部130bは、転写動作におけるUV光の照射時など、必要時以外は退避している構成であってもよい。
 上側センターピン駆動部140bは、上側機構部Bにおける本発明の「被転写体保持手段」の一具体例の一部を構成し、制御部102から供給される制御信号に応じて、上側センターピン120bを軸方向、つまり上側載置台150bの上側モールド保持面Sbに垂直な方向に移動する。
 また、上側センターピン駆動部140bは、後述する転写動作の後の上側モールド200bと基板300との離型時に、上側センターピン120bを垂直下方向に押圧することで、基板300の垂直方向の位置を固定する構成であり、本実施例における「離型手段」又は「第1離型手段」の一部を構成する。
 本実施例の上側センターピン駆動部140bは、上側圧力センサ141bを備えて構成される。上側圧力センサ141bは、本実施例の上側機構部Bにおける「検出手段」の一具体例であって、上側センターピン駆動部140bに接続される上側センターピン120bにかかる圧力を検出し、検出した圧力情報を制御部102へ送信する。ここで、上側センターピン120bにかかる圧力とは、上側モールド200bに密着させた基板300に接する上側センターピン120bが下方向に移動するのに抵抗する力を一例とし、典型的には、上側モールド200bと基板300の密着面に作用する力により上側センターピン120bにかかる圧力を示す趣旨である。
 上側載置台150bは、上側モールド200bを保持するための平坦な上側モールド保持面Sbを有し、該上側モールド保持面Sbには、中心部にセンターホールが設けられると共に、上側モールド保持部152bと上側モールドクランプ153bとが設けられる。また、上側載置台150bの上側モールド保持面Sbは、典型的には、上側モールド200bのパターン領域より広く構成されている。上側載置台150bは、上側モールド200bと基板300との相対位置を調整するために、上側モールド保持面Sb方向に移動可能な構成とされる。
 上側載置台150bのうち、少なくとも載置される上側モールド200bのパターンが形成される領域に対応する領域は、例えば石英ガラスなどのUV光を透過し、且つUV光の照射により形質変化などの生じ難い材質により構成されるUV光透過領域である。尚、上側基台110bの開口部151bは、上側載置台150bのUV光透過領域に対応する領域に形成されている。
 上側モールド保持部152bは、上側機構部Bにおける本発明の「モールド保持手段」又は「第1モールド保持手段」の一具体例であって、真空吸着などにより上側モールド200bを保持するための吸着溝155bを有する吸着部154bと、該吸着部154bを支持する弾性部材156bとを備える。尚、吸着部154b、吸着溝155b及び弾性部材156bの夫々は、上側機構部Aの吸着部154a、吸着溝155a及び弾性部材156aと同様の構成である。
 上側モールドクランプ153bは、上側機構部Bにおける本発明の「モールド保持手段」又は「第1モールド保持手段」の一具体例であって、上側載置台150bにおける上側モールド200bが載置される位置より更に外周縁部に設けられるクランプ機構である。上側モールドクランプ153bは、制御部102からの制御信号に応じた圧力で上側モールド200bの非パターン領域を上方に向けて押圧することで上側モールド200bを保持可能な構成である。また、上側モールドクランプ153bは、制御部102からの制御信号に応じて、上側モールド200bを保持するために必要な押圧力より強い力で上側モールド200bを押圧することで、上側モールド保持部152bの弾性部材156bと共に上側モールド200bを弾性変形させることが可能である。
 制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの情報処理装置であって、操作部103より供給されるユーザの指示を示す入力信号に応じて、下側機構部Aの下側UV照射部130a、下側センターピン駆動部140a及び下側モールドクランプ153a、上側機構部Bの上側UV照射部130b、上側センターピン駆動部140a及び上側モールドクランプ153b、並びにアクチュエータ104の各部の動作を制御する制御信号を供給する。
 また、制御部102は、本発明の「解除制御手段」の一具体例であって、下側圧力センサ141a及び上側圧力センサ141bの夫々において検出される圧力情報に基づき、後述する異常時処理を実行するための制御信号を各部に供給する。
 操作部103は、ユーザにより指示を入力可能な複数のボタン又はキーボードなどにより構成され、入力されたユーザの指示に応じた入力信号を制御部102に供給する。制御部102では、入力信号に応じて、内部メモリなどに格納される動作処理プログラムなどを読み込むことにより、指示に応じた制御信号を生成し、各部に供給する。
 アクチュエータ104は、制御部102より供給される制御信号に応じて、上側載置台150bを下側載置台150aに対して接近又は離隔方向に移動可能なモータなどの機構である。具体的には、アクチュエータ104は、制御部102から供給される制御信号に応じてボールネジ101を回転させることにより、該ボールネジ101に契合する上側基台110bを、上側載置台150bと下側載置台150aとの平行な位置関係を維持したまま、垂直方向に移動する。このとき、例えばボールネジ101は、下側基台110aと上側基台110bとの四隅を夫々連結するように4本設けられており、アクチュエータ104も夫々対応するボールネジ101を回転させるべく複数設けられている。
 このようなアクチュエータ104の動作によれば、上側基台110bを垂直上方向に移動することで、上側載置台150bが下側載置台150aから離間し、上側基台110bを垂直下方向に移動することで、上側載置台150bが下側載置台150aに近接する。
 アクチュエータ140は、後述する転写動作において、上側載置台150bを垂直下方向に移動させることで、上側モールド200bと基板300とを相互に押圧させ、更に下側モールド200aと基板300とを相互に押圧する。
 また、アクチュエータ104は、本発明の「離型手段」又は「第1離型手段」の一具体例でもあり、後述する転写動作の後の上側モールド200bと基板300との離型時に、上側モールド200bを保持した状態で上側載置台150bを垂直上方向に移動させることで上側モールド200bを基板300から離型させる。
 図3は、下側基台110a、下側機構部A及び周辺の構成を垂直上方向から見た場合の模式透過図である。尚、図3には、下側載置台150aに設けられる下側モールド保持部152a及び下側モールドクランプ153aについては図示していない。
 図3に示されるように、インプリント装置1では、正方形の下側基台110aの四隅にポールネジ101が4本螺合されており、中心部に正方形且つ下側基台110aより面積の小さい下側載置台150aが配置されている。また、下側基台110aの中心部であり、少なくとも下側載置台150aに載置される下側モールド200aのパターン領域に相当する部分には円形の開口部151aが形成されており、該開口部151aの下方には下側UV照射部130aが形成されている。
 下側基台110aの四隅に配されるポールネジ101の夫々には、アクチュエータ104が夫々接続されており、制御部102からの制御信号に基づいて、ポールネジの回転を行う。
 尚、上側基台110b及び上側機構部Bについても、下側基台110a及び下側機構部Aと同様の構成であり、正方形の上側基台110bの四隅に、下側基台110aから垂直上方に伸びる4本のポールネジ101が螺合されている。
 (2)基本動作例
 続いて、図4から図11を参照してインプリント装置1の実施する転写動作の一連の流れについて説明する。図4から図7は、インプリント装置1による転写動作の一連の流れを示すフローチャートであって、インプリント装置1の実施する転写動作及び付随する各動作の流れを示したものである。図8から図11は、転写動作中の各工程におけるインプリント装置1の各部の動作を示す模式図である。ここでは、図8から図11に示されるインプリント装置1の各部の動作を参照しながら、図4から図7の各フローチャートに示される動作の流れを説明する。尚、図8から図11では、図1に示される模式図と同様の構成については同一の番号を付して説明しており、また説明される動作に対して比較的関連の薄い部材については一部図示を省略している。
 (2-1)転写動作
 転写動作の流れにおいて、先ず、上側モールド200b、下側モールド200a及び基板300のいずれも設置されていない初期状態のインプリント装置1(図8[状態1])に対して、上側モールド200bが取り付けられる(ステップS101)。より詳細には、ステップS101において、先ず、不図示のモールド搬送装置などの動作により、上側モールド200bが、下側センターピン120aの先端部121aが上側モールド200bのセンターホールを貫通する形で、下側センターピン120aのモールド支持部123a上に設置される(図8[状態2])。
 続いて、制御部102は、アクチュエータ104を動作させて、上側載置台150bの上側モールド保持面Sbが上側モールド200bの上面(つまり、パターン面の裏面)に接するように、上側載置台150bを垂直下方向に移動させる。上側載置台150bと上側モールド200bとが接触した後に、制御部102は、不図示の減圧手段などを動作させて、上側載置台150bの吸着部154bに上側モールド200bを吸着させ、保持させる。更に、上側モールドクランプ153bに対して制御信号を送信し、上側モールド200bを垂直上方向へ押圧させることで上側載置台150bに固定させる(図8[状態3])。その後、制御部102は、アクチュエータ104を動作させて、上側載置台150bを垂直上方向の初期位置まで移動させる(図8[状態4])。
 続いて、インプリント装置1に対して、下側モールド200aが取り付けられる(ステップS102)。より詳細には、ステップS102において、先ず、不図示のモールド搬送装置などの動作により、下側モールド200aが、下側センターピン120aの先端部121aが下側モールド200aのセンターホールを貫通する形で、下側センターピン120aのモールド支持部123a上に設置される(図8[状態5])。
 続いて、制御部102は、下側センターピン駆動部140aを動作させて、下側載置台150aの下側モールド保持面Saが下側モールド200aの下面(つまり、パターン面の裏面)に接するように、下側センターピン120aを垂直下方向に移動させる。下側載置台150aと下側モールド200aとが接触した後に、制御部102は、不図示の減圧手段などを動作させて、下側載置台150aの吸着部154aに上側モールド200aを吸着させ、保持させる。更に、下側モールドクランプ153aに対して制御信号を送信し、下側モールド200aを垂直下方向へ押圧させることで下側載置台150aに固定させる(図8[状態6])。
 次に、不図示の基板搬送装置などの動作により、基板300が、下側センターピン120aの先端部121aが基板300のセンターホールを貫通する形で、下側センターピン120aの基板支持部122a上に設置される(ステップS103、図8[状態7])。このとき、必要に応じて、制御部102は、下側モールド200a及び上側モールド200bと基板300の位置合わせを行なってもよい。
 続いて制御部102は、下側モールドクランプ153aに対して制御信号を送信し、下側モールド200aを押圧する力を保持力から徐々に変形力まで増大させ、下側モールド200aを変形させる。
 同時に又は相前後して、制御部102は、上側モールドクランプ153bに対して制御信号を送信し、上側モールド200bを押圧する力を押圧力から徐々に変形力まで増大させ、上側モールド200bを変形させる(ステップS104、図8[状態8])。
 続いて、制御部102は、下側センターピン駆動部140aを動作させて下側センターピン120aを垂直下方向に移動させ、支持される基板300の下側転写層301aと下側モールド200aのパターン面とを接触させる(ステップS105、図9[状態9])。更に、制御部102は、アクチュエータ104を動作させて、上側載置台150bを垂直下方向に移動し、上側モールド200bのパターン面と、基板300の上側転写層301bとを接触させる(図9[状態10])。
 上述したように、モールドに撓みなどの変形が生じている場合、モールドが転写層に接触する際には、変形により傾斜が生じているモールドのパターン面のうち、転写層に近い側から順次接触する。例えば、モールドクランプの押圧力によって、モールドのパターン面のうち、中心部が転写層により近づくように撓ませている場合、転写層との接触時にモールドは中心部から周縁部に向けて順次接触する。
 尚、各モールドの変形及び基板300との接触は、上述した順序で行なわれてもよく、また、下側モールド200aの変形、下側モールド200aと基板300との接触、上側モールド200bの変形、上側モールド200bと基板300との接触の順序で片側から行なってもよい。
 各モールドと基板300との接触後に制御部102は、下側モールドクランプ153a及び上側モールドクランプ153bに対して制御信号を送信し、各モールドを押圧する押圧力を変形力から保持力まで徐々に低減させ、各モールドの変形を解除する(ステップS106)。
 次に、制御部102は、アクチュエータ104を動作させて上側載置台150bを垂直下方向に移動させ、上側モールド200bを基板300の上面の上側転写層301bに、下側モールド200aを基板300の下面の下側転写層301aに夫々所定の押圧力で押圧させる(ステップS107)。更に、制御部102は、押圧状態を維持したまま、基板300の下側転写層301a及び上側転写層301bを硬化させるために、下側UV照射部130a及び上側UV照射部130bよりUV光を照射させる(図9、[状態11])。この動作により、各モールドの表面に形成されたパターンに合わせて基板300の下側転写層301a及び上側転写層301bが硬化し、パターンが転写される(ステップS108)。尚、押圧時の圧力や押圧時間、並びにUV照射の強度及び照射時間は、転写層の特性に応じて適宜設定されることが好ましい。
 (2-2)離型処理
 所定の押圧時間及びUV照射などの転写に係る一連の動作が終了した後、下側モールド200a及び上側モールド200bを基板300から離型させる離型処理が実施される(ステップS109)。離型処理における一連の動作の流れについて、図5のフローチャート及び図9の各部の模式図を参照して説明する。
 離型動作において、制御部102は、先ず、上側載置台150bを押圧させているアクチュエータ104の動作を停止させて、各モールドと基板300との間の押圧状態を解除する。同時に又は相前後して、制御部102は、所定の圧力で上側センターピンの先端部が基板300を垂直下方向に押圧するように上側センターピン駆動部140bを動作させる(ステップS201、図9[状態12])。
 このとき、基板300は、下側センターピン120aと上側センターピン120bとの間で狭持される態様となる。尚、制御部102は、下側センターピン120a及び上側センターピン120bに狭持される基板300に対して、過剰な圧力が付加されることのないよう、下側センターピン駆動部140a及び上側センターピン駆動部140bの少なくとも一方に対して、例えばトルク制御などの駆動制御を実施する。
 続いて、制御部102は、上述のステップS104と同様の動作で、下側モールド200a及び上側モールド200bの変形を行なう(ステップS202、図9[状態13])。このとき、各モールドクランプの押圧力は、保持力から徐々に変形力まで増大するよう制御される。
 モールドの変形に応じて、図9[状態13]に示されるように、各モールドと基板300との密着面の一部が剥離し、間隙が生じる。密着面にこのような間隙が存在する場合、該間隙が続く離型における離型開始点となり、モールドと基板の転写層との間に作用する密着力は低減される。
 続いて、制御部102は、上側センターピン120b及びアクチュエータ104を動作させて、上側載置台150bを垂直上方向の初期位置に移動させる。このとき、上側モールド200bは、上側載置台150bに保持された状態で垂直上方向に移動し、一方で基板300は上側センターピン120bにより垂直下方向に押圧される(言い換えれば、固定される)ため、上側モールド200bと基板300の上側転写層301bとが離型する(ステップS203、図9[状態14])。
 かかる上側モールド200bと基板300との離型においては、上側モールド200bと基板300との密着面に離型のための圧力(つまり、所謂離型力)がかかる。該離型力が密着面における上側モールド200bと基板300との間の密着力より強くなければ離型が行なえないため、密着力の強さに応じて制御部102は、アクチュエータ104のトルクを増大させる。
 ステップS203の離型動作中に、上側圧力センサ141bにより検出される上側モールド200bと基板300の上側転写層301bとの密着面にかかる圧力、例えば、上側モールド200bに密着させた基板300に接する上側センターピン120bが下方向に移動する時に上側センターピン120bにかかる圧力が、所定の閾値を越える場合、又は所定の時間以上継続して検出される場合(ステップS204:Yes)、制御部102は、離型が完了しないと判断し、上側異常時処理(ステップS205)を実施する。離型が完了しない要因として、例えば転写動作を繰り返すうちにモールド表面の離型層が劣化してしまうこと、転写パターンの複雑さや細かさ、及び離型開始点となる意図した間隙が生じないことなどがある。これらの要因により、上側モールド200bと基板300との間の密着力が大きくなり、上述した上側モールド200bに密着させた基板300に接する上側センターピン120bが下方向に移動する時に上側センターピン120bにかかる圧力が増大することとなる。
 このため、上側モールド200bに密着させた基板300に接する上側センターピン120bを下方向に移動する時に上側センターピン120bにかかる圧力を検出することで離型が完了するか否かの判断を行なうことが出来る。尚、上述の閾値は、密着面にかかる圧力により上側モールド200b及び基板300のパターン面又はそれ自体に損傷が生じる閾値となる圧力に対して充分低く設定されることが好ましい。また、上述の所定の時間は、通常の離型に要する所要時間などに基づいて決定される。かかる上側異常時処理における具体的な各部の動作については後に詳述する。
 上側モールド200bの離型時(ステップS203)に、上側圧力センサ141bにおいて閾値を越える圧力が検出されない場合(ステップS204:No)、上側モールド200bが基板300より離型され、上側モールド200bが上側載置台150bと一体となって垂直上方向へ移動する(図9[状態14])。
 次に、制御部102は、基板300を狭持する上側センターピン120bと下側センターピン120aとを垂直上方向の下側センターピン120aの初期位置まで移動させ、下側モールド200aと基板300とを離型させる(ステップS206、図9[状態15])。
 このとき、基板300は、下側センターピン120aにより垂直上方向に押圧され、他方で下側モールド200aは、下側モールドクランプ153bにより垂直下方向に押圧されるため、下側モールド200aと基板300との密着面に離型力がかかり、下側モールド200aと基板300の下側転写層301aとが離型する。
 かかる下側モールド200aと基板300との離型においては、下側モールド200aと基板300との密着面に離型のための離型力がかかる。上側モールド200bと同様に、離型力が密着力より強くなければ離型が行なえないため、密着力の強さに応じて制御部102は、例えば下側センターピン駆動部140aのトルクなどを増大させる。
 ステップS206の離型動作中に、下側圧力センサ141aにより検出される下側モールド200aと基板300の下側転写層301aとの密着面にかかる圧力、例えば、下側モールド200aに密着させた基板300に接する下側センターピン120aが上方向に移動する時に下側センターピン120aにかかる圧力が、所定の閾値を越える場合、又は所定の時間以上継続して検出される場合(ステップS207:Yes)、制御部102は、離型が完了しないと判断し、下側異常時処理(ステップS208)を実施する。
 離型が完了しない要因として、例えば、転写動作を繰り返すうちにモールド表面の離型層が劣化してしまうこと、転写パターンの複雑さや細かさ、及び離型開始点となる意図した間隙が生じないことなどがある。これらの要因により、下側モールド200aと基板300との間の密着力が大きくなり、上述した下側モールド200aに密着させた基板300に接する下側センターピン120aが上方向に移動する時に下側センターピン120aにかかる圧力が増大することとなる。
 このため、下側モールド200aに密着させた基板300に接する下側センターピン120aを上方向に移動する時に下側センターピン120aにかかる圧力を検出することで、離型が完了するか否かの判断を行なうことが出来る。尚、上述の閾値及び所定の時間は、密着面にかかる圧力により下側モールド200a及び基板300のパターン面又はそれ自体に損傷が生じる閾値となる圧力に対して充分低く設定されることが好ましい。かかる下側異常時処理における具体的な各部の動作については後に詳述する。
 下側モールド200aの離型時(ステップS206)に、下側圧力センサ141aにおいて閾値を越える圧力が検出されない場合(ステップS207:No)、下側モールド200aが基板300より離型される(図9[状態15])。
 離型後に、制御部102は、上側モールドクランプ153b及び下側モールドクランプ153aの押圧力を、夫々モールドを保持するための保持力に変更し、下側モールド200a及び上側モールド200bの変形を解除する(ステップS209、図9[状態16])。
 図4に戻り、転写動作の説明を続ける。下側モールド200a及び上側モールド200bより離型された基板300は、不図示の基板搬送装置などの動作により、下側センターピン120aから取り外される(ステップS110)。尚、続けて別の基板300に対して同一の下側モールド200a及び上側モールド200bを用いて転写を行なう場合(ステップS111:No)、基板300を配置するステップS103からステップS110までの各工程を繰り返し実行する。全ての転写が終了した後(ステップS111:Yes)、不図示のモールド搬送装置などの動作により、下側モールド200aが取り外され(ステップS112)、上側モールド200bが取り外される(ステップS113)。
 (2-3)上側異常時処理
 ここで、上側異常時処理の動作の流れについて、図6のフローチャート及び図10の各部の模式図を参照して説明する。
 制御部102は、例えば、上側圧力センサ141bが所定の閾値を越える圧力を検出したことにより、上側モールド200bと基板300の離型が完了しないと判断すると、先ず、上側載置台150bの移動を停止する(ステップS301)。
 続いて、制御部102は、保持状態になっている下側モールド200aの保持を解除するための信号を下側モールドクランプ153aおよび下側吸着部152aに供給する。これにより、下側モールドクランプ153aの押圧力が解除され、下側モールド200aの変形及び押圧が解除される。同時に、下側吸着部152aによる下側モールド200aの吸着が解除され、下側載置台150aに保持状態となっていた下側モールド200aが非保持状態となる(ステップS302、図10[状態21])。尚、このとき上側モールドクランプ153bが上側モールド200bを変形力で押圧している場合、制御部102は、上側モールドクランプ153bに変形力から徐々に保持力へと押圧を低減させるよう制御信号を供給し、上側モールド200bの変形を解除する。
 次に、制御部102は、上側センターピン駆動部140bを動作させ、上側センターピン120bを垂直上方向の初期位置まで移動させる(ステップS303、図10[状態22])。これにより、基板300は、垂直下方向に押圧される力から解放される。
 そして、制御部102は、上側載置台150bに上側モールド200bを保持した状態で、上側載置台150bを垂直上方向の上側載置台150bの初期位置へ移動する(ステップS304)。これによって、上側載置台150bに保持される上側モールド200bに、基板300及び下側モールド200が密着した状態のまま垂直上方向へ移動する(図10[状態23a])。
 その後、制御部102は、上側圧力センサ141bが所定の閾値を越える圧力を検出したことにより、離型処理を中断したことを報知し(ステップS305)、上側異常時処理(ステップS205)を終了する。
 上述した上側異常時処理の動作を実施する事によって、報知を受けたユーザが、密着した状態のままの下側モールド200a、上側モールド200b及び基板300とをインプリント装置1から取り外した後、例えば、手作業などにより離型させることも出来、下側モールド200a、上側モールド200b及び基板300とを無理な離型による破損から好適に抑制出来る。
 また、上側モールド200bと基板300との離型が正常に完了しているにも関わらず、圧力センサの不具合などにより、所定の閾値を越える圧力が検出される場合、又は圧力が所定時間以上継続して検出される場合であっても、基板300及び下側モールド200は密着した状態のままで下側センターピン120b上に残り、上側載置台150bに保持されている上側モールド200bのみが垂直上方向へ移動することとなる(図10[状態23b])。これにより、例えば、上側モールド200bの落下などによる意図しない接触が生じることを抑制することが出来、該接触により特に上側モールド200b及び基板300に対して損傷が生じることを好適に抑制出来る。
 尚、上側モールド200bと基板300の離型が完了するか否かの判断は、上述した圧力センサによる検出に限定されるものではなく、例えば、カメラなどにより上側モールド200bと基板300との離型状態を視覚的に観察する手法や、又は取得される映像を画像解析する手法などにより、離型が完了するか否かの判断を行なってもよい。
 (2-4)下側異常時処理
 ここで、下側異常時処理の動作の流れについて、図7のフローチャート及び図11の各部の模式図を参照して説明する。
 制御部102は、例えば、下側圧力センサ141aが所定の閾値を越える圧力を検出したことにより、下側モールド200aと基板300の離型が完了しないと判断すると、先ず、下側センターピン120a及び上側センターピン120bの移動を停止する(ステップS401)。
 続いて、制御部102は、保持状態になっている下側モールド200aの保持を解除するための信号を下側モールドクランプ153aおよび下側吸着部152aに供給する。これにより、下側モールドクランプ153aの押圧力が解除され、下側モールド200aの変形及び押圧が解除される。同時に、下側吸着部152aによる下側モールド200aの吸着が解除され、下側載置台150aに保持状態となっていた下側モールド200aが非保持状態となる(ステップS402)。尚、このとき上側モールドクランプ153bが上側モールド200bを変形力で押圧している場合、制御部102は、上側モールドクランプ153bに変形力から徐々に保持力へと押圧力を低減させるよう制御信号を供給し、上側モールド200bの変形を解除する。
 このとき、下側モールド200aと基板300との離型が正常に完了していない場合、下側モールド200aは、下側センターピン120aと上側センターピン120bとの間に狭持される基板300に密着したままの状態で、下側載置台150aより上方に位置することとなる(図11[状態31a])。
 次に、制御部102は、上側センターピン駆動部140bを動作させ、上側センターピン120bを垂直上方向の初期位置まで移動させる(ステップS403、図11[状態32a])。このとき、上側載置台150bが初期位置にない場合、典型的には上昇させることで初期位置まで移動させる。これにより、下側モールド200が密着した状態で基板300は、下側センターピン120aの基板保持部122a上に支持される形となる。
 その後、制御部102は、下側圧力センサ141aが所定の閾値を越える圧力を検出したことにより、離型処理を中断したことを報知し(ステップS404)、下側異常時処理(ステップS208)を終了する。
 上述した下側異常時処理の動作を実施する事によって、報知を受けたユーザが、密着した状態のままの下側モールド200aと基板300とをインプリント装置1から取り外した後、例えば、手作業などにより離型させることも出来、下側モールド200a及び基板300を無理な離型による破損から好適に保護出来る。
[規則91に基づく訂正 12.08.2011] 
 他方で、下側モールド200aと基板300との離型が正常に完了しているにも関わらず、圧力センサ141a、141bの不具合などにより、所定の閾値を越える圧力が検出される場合、又は圧力が所定時間以上継続して検出される場合、ステップS402において下側モールド200aの固定を解除した際には、下側モールド200aは下側載置台150a上に載置される状態となり、基板300のみが下側センターピン120aの基板保持部122aと上側センターピン120bとの間に狭持される形となる(図11[状態31b])。このとき、基板300を狭持する下側センターピン120a及び上側センターピン120bの夫々は、垂直上方向に移動中に動作を停止されるため、基板300は、少なくとも下側モールド200aのパターン面より上方に位置する態様となる。 その後、制御部102は上側センターピン120bを垂直上方向の初期位置まで移動させるため、基板300は、下側センターピン120aの基板保持部122a上に支持される形となる(ステップS403、図11[状態32b])。より具体的には、基板300の下側転写層300aの下面が、下側載置台150a上に載置される下側モールド200aのパターン面より上方の位置で支持され、夫々の面が接触することはない。
これにより、例えば、基板300の落下などによる意図しない接触が生じることを抑制することが出来、該接触により下側モールド200aと基板300に対して損傷が生じることを好適に抑制出来る。
[規則91に基づく訂正 12.08.2011] 
 尚、下側モールド200aと基板300との離型が完了するか否かの判断は、上述した圧力センサ141a、141bによる検出に限定されるものではなく、例えば、カメラなどにより下側モールド200aと基板300との離型状態を視覚的に観察する手法や、又は取得される映像を画像解析する手法などにより、離型が完了するか否かの判断を行なってもよい。
 (2-5)効果
 以上に示した一連の動作により、本発明の転写装置に係る実施例であるインプリント装置1によれば、基板300の転写面301a及び301bに対して下側モールド200a及び上側モールド200bの表面に形成されたパターンが転写される。
 特に、本実施例においては、基板300からの上側モールド200bの離型時に、上側センターピン120bに閾値を越える圧力がかかっていることが検出される場合、制御部102は、離型が完了しないと判断し、上側異常時処理が実施される。
 上側センターピン120bに閾値を越える圧力がかかっている場合、該圧力に対応する強い離型力が上側モールド200bと基板300との密着面にかかる。該圧力及び離型力は、上側モールド200bと基板300との密着面の密着力に基づく。密着力が強く上側モールド200bと基板300とが離型し難い場合は、制御部102の制御の下、離型を実現するためにより強い力で離型が行なわれるため、密着面に強い離型力がかかることとなる。このとき、密着面の離型力が閾値を越えて強くなる場合、上側モールド200bと基板300との密着面におけるパターンの破損や、基板300及び上側モールド200b自体の破損に繋がる可能性がある。また、過負荷によりインプリント装置1にも損壊の虞がある。
 本実施例の上側異常時処理によれば、閾値を越える圧力が検出される場合、制御部102は、上側載置台150bの移動を停止し、上側モールド200bと基板300との密着面にかかる離型力、及び上側センターピン120bによる基板300の押圧を解除する。続いて、下側モールドクランプ153a及び下側吸着部152aに下側モールド200aの保持を解除するための信号を供給し、下側載置台150aにおける下側モールドクランプ153a及び下側吸着部152aによる下側モールド200aの保持を解除した上で、上側モールド200bごと上側載置台150bを垂直上方向に退避させる。
 このため、過剰な離型力の付加により上側モールド200bと基板300との密着面に破損が生じることを好適に抑制することが可能となる。また、上側圧力センサ141bの故障などにより、上側モールド200bと基板300とが離型出来ているにも関わらず、閾値を越える圧力を検出してしまう場合であっても、上側載置台150bが上側モールド200bのみを保持したまま垂直上方向へ退避するため、上側モールド200bが基板300上に落下して、パターンに損傷を及ぼす事態を回避出来る。
 また、上側載置台150bの退避後に、報知を受けたユーザが、密着した状態のままの上側モールド200bと基板300とをインプリント装置1から取り外した後に、手作業などにより上側モールド200bから基板300を離型させることが出来る。
 また、本実施例の下側異常時処理によれば、下側センターピン120aに閾値を越える圧力が検出される場合、制御部102は、離型が完了しないと判断し、下側センターピン120aの移動を停止し、下側モールド200aと基板300との密着面にかかる離型力を解除する。続いて、下側モールドクランプ153a及び下側吸着部152aに下側モールド200aの保持を解除するための信号を供給し、下側載置台150aにおける下側吸着部152a及び下側モールドクランプ153aによる下側モールド200aの保持を解除する。
 このため、過剰な離型力の付加により下側モールド200aと基板300との密着面に破損が生じることを好適に抑制することが可能となる。例えば、下側モールドクランプ153aが下側モールド200aを弾性変形させるよう比較的強い力で垂直下方向に押圧しているにも関わらず、下側モールド200aと基板300との密着面に間隙が生じず、下側モールド200aと基板300との密着面の密着力が低減しない場合、離型を実現するために下側センターピン120aによる過大な押圧力が基板300の内周部に作用し、基板300が損壊することがある。本実施例の下側異常時処理によれば、このような損壊が生じる際の圧力より充分低く設定される閾値に基づいて、下側センターピン120aにかかる圧力を監視しているため、上述のような損壊を好適に回避出来る。
 また、下側圧力センサ141aの故障などにより、下側モールド200aと基板300とが離型出来ているにも関わらず、閾値を越える圧力を検出してしまう場合であっても、基板300のみが、下側センターピン120aの基板保持部122aにより、下側載置台150a上に配置される下側モールド200aのパターン面より上方で支持されるため、基板300が下側モールド200a上に落下して、パターンに損傷を及ぼす事態を回避出来る。
 その後、報知を受けたユーザが、密着した状態のままの下側モールド200aと基板300とをインプリント装置1から取り外した後に、手作業などにより下側モールド200aから基板300を離型させることが出来る。
 (3)第1変形例
 続いて、本発明に係る転写装置の第1変形例であるインプリント装置1’の基本的な構成について、図12を参照して説明する。図12は、本発明の転写装置の第1変形例であるインプリント装置1’の構成を概略的に示す模式図である。
 図12に示すインプリント装置1は、被転写体である基板300’の下面に構成される(言い換えれば、下方に面して配置される)下側転写層301aに対して、下側モールド200aに形成されたパターンを転写する転写装置である。尚、本変形例及び図12において、図1に示されるインプリント装置1と同様の構成については、同一の番号を付して説明を省略している。
 インプリント装置1は、図1に示すように下側基台110aを含む下側機構部Aと、上側基台110bを含む上側機構部B’と、下側基台110a及び上側基台110bを連結するボールネジ101と、該ボールネジを回転させるアクチュエータ104と、下側機構部A及び上側機構部Bの動作を制御する制御部102と、該制御部102に対してユーザの指示を入力可能な操作部103とを備えて構成される。
 尚、図12に示されるインプリント装置1’は、下側モールド200a及び基板300’の夫々が設置された状態が図示されている。下側モールド200aは、パターンが形成される表面が上向きとなるよう下側機構部Aの下側載置台150aに保持されている。また、上側基台110bは、下側載置台150aの下側モールド保持面Saに対して凸部を形成するように押圧部112bを有する。
 下側機構部Aは、図1に示されるインプリント装置1の下側機構部Aと同様の構成を備える。
 他方、本変形例の上側機構部B’は、上側基台110bの下面に設けられ、押圧部112bと、上側センターピン120bと、上側センターピン駆動部140bとを備えて構成される。
 押圧部112bは、上側基台110bの下面において下向きに凸部を形成するように設けられる部位であって、転写動作時には、アクチュエータ104の動作により基板300’を下方に押圧することで、下側モールド200aに対して密着させる。押圧部112bは、上側センターピン120bが配置されるためのセンターホールを有する。また、押圧部112bは平坦であり、好適には少なくとも基板300’の下側転写層301aが形成される領域より広い下面を有する。
 このようなインプリント装置1’によれば、アクチュエータ104が上側基台110bを垂直下方向に移動することで、押圧部112bの下面が基板300’を垂直下方に押圧し、基板300’の下側転写層301aが下側モールド200aのパターン面に密着する。更に、押圧状態を維持したまま、基板300‘の下側転写層301aを硬化させるために、下側UV照射部130aよりUV光を照射させる。この動作により、下側モールド200aの表面に形成されたパターンに合わせて基板300’の下側転写層301aが硬化し、パターンの転写が行なわれる。また、アクチュエータ102が上側基台110bを垂直上方向に移動することで、下側モールド200aと基板300’との相互の押圧のための押圧力が解除される。
 その後、制御部102の制御の下、下側センターピン120aと上側センターピン120bとが基板300’を保持した状態で垂直上方向に移動させることで、基板300’が下側モールド200aより離型する。
 また、インプリント装置1’は、制御部102の制御の下、下側圧力センサ141aにより検出される圧力に基づいて、上述したインプリント装置1が実施する下側異常時処理と同様の処理を実施する。このような下側異常時処理によれば、下側モールド200aと基板300’との離型が適切に完了しないと判断された場合に、制御部102が下側モールドクランプ153a及び下側吸着部152aに下側モールド200aの保持を解除するための信号を供給することによって、下側吸着部152a及び下側モールドクランプ153aによる下側モールド200aの保持が解除される。
 このため、インプリント装置1’によれば、上述したインプリント装置1が実施する下側異常時処理による効果を享受しつつ、基板300’の転写層301aに対して下側モールド200a表面に形成されたパターンを転写することが出来る。
 (4)その他の変形例
 続いて、本発明に係る転写装置のその他の変形例について、図13及び図14を参照して説明する。
 図13は、本発明の転写装置の第2変形例であるインプリント装置1’’及び制御装置400の構成を概略的に示す模式図である。尚、本変形例及び図13において、図1に示されるインプリント装置1と同様の構成については、同一の番号を付して説明を省略している。
 インプリント装置1’’は、図1に示されるインプリント装置1において、制御部102と操作部103とを備えない構成である。その他の部位については、インプリント装置1と同等であってよい。
 制御装置400は、インプリント装置1の制御部102及び操作部103と同等の構成である制御部102’及び操作部103’を備え、インプリント装置1’’の各部に対して電気的に接続される。この構成では、制御装置400の制御部102’がインプリント装置1’’の各部に対して制御信号を供給することなどにより、動作の制御を行なう。
 本発明の転写装置の第2変形例によれば、インプリント装置1’’と制御装置400とを離隔した位置に夫々配置しながら、上述したインプリント装置1により得られる効果と同等の効果を享受することが出来る。
 また、第3変形例として、1つの制御装置400が複数のインプリント装置に接続され、夫々のインプリント装置の動作の制御を行なう装置構成がある。本変形例では、図14(a)に示されるように、n個のインプリント装置1’’-1、2、…nに対して1つの制御装置400が設けられ、該制御装置400が各インプリント装置1’’-1、2、…nに対して制御信号の供給などを行なうことで、各インプリント装置の動作の制御を行なう。
 また、第4変形例として、複数のインプリント装置に対して夫々接続される複数の制御部に対して、1つの操作部により、動作を制御するためのユーザの指示の入力を行なう装置構成がある。本変形例では、図14(b)に示されるように、n個のインプリント装置1’’-1、2、…nに対して、夫々個別の制御部102’-1、2、…nが接続され、各インプリント装置1''-1、2、…nの動作の制御が行なわれている。また、操作部103’は、各制御部102’-1、2、…nの夫々に対して接続され、ユーザの操作による指示の入力及び各インプリント装置で生じた動作異常等の表示を行なっている。例えば、インプリント装置1’’-5のみに離型時に所定の閾値を超える力が検出される場合、制御部102’-5はインプリント装置1’’-5の離型が完了しないと判断し、装置1’’-5に上述したインプリント装置1が実施する異常時処理と同様の処理を実施する。このような異常時処理によれば、制御部102’-5は装置1’’-5の下側モールド保持を解除するために、装置1’’-5の下側モールドクランプ及び下側吸着部に下側モールドの保持を解除するための信号を供給する。これによって、装置1’’-5の下側モールドクランプ及び下側吸着部による下側モールドの保持が解除される。その後、制御部102’-5は操作部103’に表示や警告音などを鳴らすように信号を供給し、システム管理者に装置1’’-5が離型処理を中断したことを報知する。この時、装置1’’-5以外のインプリント装置1''-1、2、…nは適切に離型が完了すると判断されるため、通常の転写動作及び離型動作などの次の動作を実施することとなる。
 本発明の転写装置の第3及び第4の変形例によれば、複数のインプリント装置1''-1、2、…nの夫々に対して1つの制御装置400、又は操作部103’によりユーザの指示を入力可能となる。このため、多くのインプリント装置が同時に稼働することが要求される工場などにおいて、集中的な管理が可能となる。また、装置構成やコストの面でも有益である。
 本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う転写装置及び方法、並びにコンピュータプログラムなどもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[規則91に基づく訂正 12.08.2011] 
1 インプリント装置、
101 ボールネジ、
102 制御部、
103 操作部、
104 アクチュエータ、
110a 下側基台、
110b 上側基台、
120a 下側センターピン、
120b 上側センターピン、
130a UV照射部、
130b UV照射部、
140a 下側センターピン駆動部、
140b 上側センターピン駆動部、
141a 下側圧力センサ
141b 上側圧力センサ
150a 下側載置台、
150b 上側載置台、
151a 下側開口部、
151b 上側開口部、
152a 下側モールド保持部、
152b 上側モールド保持部、
153a 下側モールドクランプ、
153b 上側モールドクランプ、
154a 吸着部、
154b 吸着部、
155a 吸着溝、
155b 吸着溝、
156a 弾性部材、
156b 弾性部材、
200a 下側モールド、
200b 上側モールド、
300 基板、
301a 下側転写層、
301b 上側転写層。

Claims (14)

  1.  モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置であって、
     前記モールドを保持するモールド保持手段と、
     前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、
     密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型手段と
     を備え、
     前記離型が完了しない場合に、前記モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除することを特徴とする転写装置。
  2.  前記モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方に保持を解除させるための解除信号を供給する解除制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の転写装置。
  3.  前記モールド又は前記被転写体に加わる力を検出する検出手段を更に備え、
     前記解除制御手段は、前記検出手段が前記離型時に前記モールド又は前記被転写体に加わる力が閾値以上となる力を検出する場合、前記離型が完了しないと判断することを特徴とする請求項2に記載の転写手段。
  4.  前記解除制御手段は、前記離型時に、前記検出手段が前記モールド又は前記被転写体に所定の時間以上継続して加わる力を検出する場合、前記離型が完了しないと判断することを特徴とする請求項3に記載の転写手段。
  5.  前記検出手段は、前記被転写体保持手段に対して加えられる力を検出し、該検出された力に基づいて、前記モールド又は前記被転写体に加わる力を検出することを特徴とする請求項3に記載の転写装置。
  6.  前記検出手段は、前記被転写体によって前記被転写体保持手段に加えられる力を検出することを特徴とする請求項5に記載の転写装置。
  7.  前記被転写体は貫通孔を有し、
     前記モールド保持手段は、前記モールドの外縁部で前記モールドを保持し、
     前記被転写体保持手段は、前記被転写体の貫通孔を介して前記被転写体を保持することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の転写装置。
  8.  前記被転写体保持手段は、前記貫通孔の外縁部を前記被転写体の両面から挟むことで、前記被転写体を保持することを特徴とする請求項7に記載の転写装置。
  9.  第1モールドに形成されたパターンを被転写体の第1の面に転写し、且つ第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体の第2の面に転写する転写装置であって、
     前記第1モールドを保持する第1モールド保持手段と、
     前記第2モールドを保持する第2モールド保持手段と、
     前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、
     密着させた前記第1モールド及び前記被転写体の離型を行なう第1離型手段と、
     密着させた前記第2モールド及び前記被転写体の離型を行なう第2離型手段と
     を備え、
     前記第1モールド及び前記被転写体の離型、又は前記第2モールド及び前記被転写体の離型が完了しない場合に、前記第2モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除することを特徴とする転写装置。
  10.  前記第1モールドに形成されたパターンを前記被転写体に対して鉛直上方から転写させる第1押圧手段と、
    前記第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体に対して鉛直下方から転写させる第2押圧手段と
     を備え、
     前記被転写体保持手段は、前記被転写体を前記第1の面が鉛直上方、前記第2の面が鉛直下方に夫々面するように保持することを特徴とする請求項9に記載の転写装置。
  11.  制御装置からの指示に応じて動作し、モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置であって、
     前記制御装置からのモールド保持指示に応じて、前記モールドを保持するモールド保持手段と、
     前記制御装置からの被転写体保持指示に応じて、前記被転写体を保持する被転写体保持手段と、
     前記制御装置からの離型指示に応じて、密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型手段とを備え、
     前記離型手段による離型が完了しない場合に、前記制御装置からの解除指示に応じて、前記モールド保持手段及び前記被転写体保持手段の少なくとも一方の保持を解除することを特徴とする転写装置。
  12.  モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置における転写方法であって、
     前記モールドを保持するモールド保持工程と、
     前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、
     密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型工程と、
     前記離型工程が完了しない場合に、前記モールド及び前記被転写体の少なくとも一方の保持を解除する解除工程と
     を備えることを特徴とする転写方法。
  13.  第1モールドに形成されたパターンを被転写体の第1の面に転写し、且つ第2モールドに形成されたパターンを前記被転写体の第2の面に転写する転写装置における転写方法であって、
     前記第1モールドを保持する第1モールド保持工程と、
     前記第2モールドを保持する第2モールド保持工程と、
     前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、
     密着させた前記第1モールド及び前記被転写体の離型を行なう第1離型工程と、
     密着させた前記第2モールド及び前記被転写体の離型を行なう第2離型工程と、
     前記第1離型工程、又は前記第2離型工程が完了しない場合に、前記第2モールドの保持を解除する解除工程と
     を備えることを特徴とする転写方法。
  14.  モールドに形成されたパターンを被転写体に転写する転写装置を動作させるためのコンピュータプログラムであって、
     前記モールドを保持するモールド保持工程と、
     前記被転写体を保持する被転写体保持工程と、
     密着させた前記モールド及び前記被転写体の離型を行なう離型工程と、
     前記離型工程が完了しない場合に、前記モールド及び前記被転写体の少なくとも一方の保持を解除する解除工程と
     を前記転写装置に実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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