WO2011083589A1

WO2011083589A1 - 湯たんぽ

Info

Publication number: WO2011083589A1
Application number: PCT/JP2010/054774
Authority: WO
Inventors: 真吾石崎
Original assignee: 石崎資材株式会社
Priority date: 2010-01-06
Filing date: 2010-03-19
Publication date: 2011-07-14

Abstract

　破裂の危険性がなく、適度な湿気を発生することのできる電子レンジで加熱するタイプの湯たんぽを得る。　不透水性上シート１及び不透水性下シート２と、吸水ポリマーを含むシート状吸水体４と、透水性シート３と、を備えた湯たんぽ。不透水性上シート１と不透水性下シート２とが、シート状吸水体４及び透水性シート３を収容した状態で、縫製されている。透水性シート３の一端Ｄは不透水性下シート２の縁部と縫製されており、かつ、透水性シート３の周縁部は一端Ｄを除いて不透水性上シート１と縫製されており、透水性シート３の一端Ｄ部分が給水口とされている。さらに、不透水性上シート１と不透水性下シート２とシート状吸水体３とがステッチ縫合されている。

Description

湯たんぽ

　本発明は、湯たんぽ、特に、電子レンジで加熱するようにした湯たんぽに関する。

　従来、湯たんぽとしては、熱湯を入れて使用する湯たんぽ、水を入れてコンロで加熱するブリキ製の湯たんぽが知られている。近年では、これらの湯たんぽに代わって、電子レンジで加熱する湯たんぽが手軽で短時間で使用可能となることから普及しだしている。

　しかしながら、電子レンジで加熱する湯たんぽは、合成樹脂フィルム製の袋にジェル状の樹脂を詰めて密封した構造であるため、加熱時間を間違えると（必要以上に加熱すると）破裂事故のおそれがある。また、湯たんぽに限らず電気こたつや電気毛布などは、布団の中を乾燥させるので、乾燥肌の一因となる。

　電子レンジで加熱する保温部材として、特許文献１には温湿布体が開示されており、特許文献２には温度警告手段を設けた蓄熱あんかが開示されており、特許文献３には水蒸気の透過材を設けた蓄熱・放熱材が開示されており、特許文献４には安全弁を用いたヒートクッションが開示されており、特許文献５には管材を利用した温湿布体が開示されている。

登録実用新案第３０３０５３７号公報特開平７－２５５７６７号公報特開２００２－２３８９３７号公報特表２００９－５０５７５７号公報実開平４－１０３１１２号公報

　本発明の目的は、破裂の危険性がなく、適度な湿気を発生させることのできる電子レンジで加熱するタイプの湯たんぽを提供することにある。

　本発明の第１の形態である湯たんぽは、
　不透水性上シート及び不透水性下シートと、
　吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　透水性シートと、
　を備え、
　不透水性上シートと不透水性下シートとが、シート状吸水体及び透水性シートを収容した状態で、縫製されており、
　透水性シートの一端は不透水性下シートの縁部と縫製されており、かつ、透水性シートの周縁部は前記一端を除いて不透水性上シートと縫製されており、透水性シートの前記一端部分が給水口とされ、
　不透水性上シートと不透水性下シートとシート状吸水体とがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする。

　本発明の第２の形態である湯たんぽは、
　互いに嵌合／解除可能な凹部と凸部とからなるファスナを周縁部の一部に設け、該周縁部をファスナの設置部分を除いて溶着した不透水性袋体と、
　不透水性袋体に収容された、吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　を備え、
　前記ファスナの設置部分が給水口とされ、
　不透水性袋体とシート状吸水体とがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする。

　本発明の第３の形態である湯たんぽは、
　周縁部を溶着した不透水性袋体と、
　不透水性袋体に収容された、吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　両端部が開口した扁平な筒状をなし、一端部が不透水性袋体の周縁部から突出した状態で、シート状吸水体と重ねて不透水性袋体に収容されたチューブと、
　を備え、
　前記チューブが給水口とされ、
　不透水性袋体とシート状吸水体とがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする。

　本発明の第４の形態である湯たんぽは、
　不透水性上シート及び不透水性下シートと、
　吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　透水性シートと、
　を備え、
　不透水性上シートと不透水性下シートと透水性シートは略同じ形状を有し、シート状吸水体はそれらよりも一回り小さい形状を有し、
　不透水性上シートと不透水性下シートとの間にシート状吸水体及び透水性シートを挟んだ状態で、これらの周囲がシート状吸水体を除いて、かつ、一隅部の不透水性上シートと透水性シートを除いて縫製されており、
　縫製されていない前記一隅部が給水口とされ、
　不透水性上シートと不透水性下シートとシート状吸水体と透水性シートがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする。

　前記湯たんぽは、不透水性シートないし不透水性袋体で覆われている吸水ポリマーを含むシート状吸水体に水を供給する。シート状吸水体に吸収された水はゼリー状となる。この状態で電子レンジで加熱することにより、湯たんぽとして使用することができる。不透水性シートないし不透水性袋体とシート状吸水体とはステッチ縫合されているため、ステッチ糸やステッチ孔を通じて毛細管現象によって水分が放出される。それゆえ、電子レンジで加熱中に破裂したりすることがなく、また、湯たんぽとして布団の中に入れて使用している場合であっても適度な水分がステッチ糸やステッチ孔から放出され、布団の中が乾燥することがない。また、外側は不透水性シートないし不透水性袋体で覆われているため、水が外部に漏れることはない。

　本発明によれば、電子レンジで加熱するタイプの湯たんぽとして、破裂の危険性がなく、適度な湿気を発生させることができる。

第１実施例である湯たんぽを示す分解斜視図である。第１実施例である湯たんぽを示す斜視図である。第１実施例である湯たんぽの一部を示す平面図である。図３のＰ－Ｐ’断面図である。第２実施例である湯たんぽ示し、（Ａ）は不透水性袋体の平面図、（Ｂ）はシート状吸水体の平面図である。第２実施例である湯たんぽを示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）はＱ－Ｑ’断面図、（Ｃ）は吸水時のＱ－Ｑ'断面図である。第３実施例である湯たんぽを示し、（Ａ）は不透水性袋体を示し、（Ｂ）はシート状吸水体を示し、（Ｃ）はチューブを示す。第３実施例である湯たんぽを示し、（Ａ）製造段階にある湯たんぽの平面図、（Ｂ）は開口部を溶着した段階での湯たんぽの平面図である。第４実施例である湯たんぽを示す斜視図である。第４実施例である湯たんぽを示す分解斜視図である。第４実施例である湯たんぽの給水口を示す、図９のＲ－Ｒ’断面図である。

　以下、本発明に係る湯たんぽの実施例について、添付図面を参照して説明する。

　（第１実施例、図１～図４参照）
　第１実施例である湯たんぽは、図１に示すように、不透水性上シート１及び不透水性下シート２と、吸水ポリマーを含むシート状吸水体４と、透水性シート３と、を備えている。シート１，２は例えばポリエチレンからなり、シート状吸水体４は例えば不織布からなり、透水性シート３は例えば布である。不透水性上シート１と不透水性下シート２とは同じ形状を有し、シート状吸水体４はそれらよりも一回り小さい形状を有し、透水性シート３は短冊状である。

　不透水性上シート１と不透水性下シート２とが、シート状吸水体４及び透水性シート３を収容した状態で、縫製されている。ここでの縫製によるミシン目６は、図２に示すように、シート１，２の４辺に形成される。透水性シート３はその一端Ｄが不透水性下シート２の縁部と縫製されており（図４参照）、かつ、透水性シート３の周縁部Ａ，Ｂ，Ｃは前記一端Ｄを除いて不透水性上シート１と縫製されている（ミシン目６'、図２参照）。そして、透水性シート３の前記一端Ｄ部分が給水口９とされている。

　不透水性上シート１の周縁部であって透水性シート３の一端Ｄに対応する部分は外方に延在するフラップ部８とされている。このフラップ部８と不透水性下シート２には面ファスナ５が貼着されており、フラップ部８を折り曲げて面ファスナ５を結合させることで、給水口９を閉止可能である。

　さらに、不透水性上シート１と不透水性下シート２とシート状吸水体４とをステッチ縫合する。ステッチ縫合されたステッチ糸７は図２に示すとおりであり、４隅から中央部に向かって延在している。

　以上の構成からなる湯たんぽは、フラップ部８を開けた状態で、給水口９から水を供給する。供給された水は、透水性シート３を通じてシート状吸水体４の吸水性ポリマーに吸収され、ゼリー状となる。吸収された水がゼリー状となることから、透水性シート３を浸透して給水口９から逆流することはない。その後、フラップ部８を閉じ、面ファスナ５を結合させる。

　前記のごとく吸水した湯たんぽを電子レンジで加熱する。加熱により発生した水蒸気はステッチ糸７やステッチ孔を通じて放出される。それゆえ、電子レンジで加熱中に破裂したりすることがない。通常、湯たんぽとしては布団の中に入れて使用する。この場合も、適度な水分がステッチ糸７やステッチ孔から放出され、布団の中が乾燥することがない。また、外側は不透水性のシート１，２で覆われているため、水が外部に漏れることはない。なお、水分はステッチ糸７やステッチ孔以外にも、若干であるがミシン目６からも放出される。

　（第２実施例、図５及び図６参照）
　第２実施例である湯たんぽは、図５に示すように、互いに嵌合／解除可能な凹部と凸部とからなるファスナ１２を周縁の突出部１１に設け、周縁部ａ，ｂ，ｃをファスナ１２の設置部分を除いて溶着した（図５（Ａ）で斜線を付した部分）不透水性袋体１０と、吸水ポリマーを含むシート状吸水体１５と、を備えている。不透水性袋体１０は例えばポリエチレンからなり、シート状吸水体１５は例えば不織布からなる。なお、ファスナ１２は周知のものであり、詳細な説明は省略する。

　シート状吸水体１５は不透水性袋体１０の開口した一辺ｄから袋体１０に挿入され、該一辺ｄを溶着することにより封止される。そして、不透水性袋体１０とシート状吸水体１５とをステッチ縫合する。ステッチ縫合されたステッチ糸１７は図６（Ａ）に示すとおりであり、４隅から中央部に向かって延在している。

　以上の構成からなる湯たんぽは、ファスナ１２を開けた状態で、突出部１１から水を供給する。即ち、突出部１１は給水口として機能する。供給された水は、シート状吸水体１５の吸水性ポリマーに吸収され、ゼリー状となる。その後、ファスナ１２を閉じると、水が突出部１１から逆流することはない。図６（Ｂ）は吸水前の断面、図６（Ｃ）は吸水後にシート状吸水体１５が膨張した状態の断面を示している。

　前記のごとく吸水した湯たんぽを電子レンジで加熱する。加熱により発生した水蒸気はステッチ糸１７やステッチ孔を通じて放出される。それゆえ、電子レンジで加熱中に破裂したりすることがない。通常、湯たんぽとしては布団の中に入れて使用する。この場合も、適度な水分がステッチ糸１７やステッチ孔から放出され、布団の中が乾燥することがない。また、外側は不透水性袋体１０で覆われているため、水が外部に漏れることはない。

　（第３実施例、図７及び図８参照）
　第３実施例である湯たんぽは、図７に示すように、周縁部ａ，ｂ，ｄを溶着した（図７（Ａ）で斜線を付した部分）不透水性袋体２０と、吸水ポリマーを含むシート状吸水体２５と、端部３０ａ，３０ｂが開口した扁平な筒状をなすチューブ３０とを備えている。不透水性袋体２０は例えばポリエチレンからなり、シート状吸水体２５は例えば不織布からなり、チューブ３０は例えばポリエチレンからなる。

　シート状吸水体２５は不透水性袋体２０の開口した一辺ｃから袋体２０に挿入され、チューブ３０は一端３０ａが不透水性袋体２０の一辺ｃから突出した状態で、シート状吸水体２５と重ねて不透水性袋体２０に収容される（図８（Ａ）参照）。そして、袋体２０はその一辺ｃを溶着すること（図８（Ｂ）で斜線を付して示す）により封止される。一辺ｃを溶着する際には、チューブ３０の内側が溶着されないように、チューブ３０の内側に剥離紙、グラシン紙などを挟み込む。さらに、不透水性袋体２０とシート状吸水体２５とをステッチ縫合する。ステッチ縫合されたステッチ糸２７は、図８（Ｂ）に示すように、４辺に沿って形成される。

　以上の構成からなる湯たんぽは、チューブ３０の一端３０ａから水を供給する。供給された水は、チューブ３０の他端３０ｂからシート状吸水体２５の吸水性ポリマーに吸収され、ゼリー状となり、膨張する。また、チューブ３０は吸水したシート状吸水体２５の膨張によって自然に閉止され、水の逆流が阻止される。即ち、チューブ３０は給水口として、かつ、逆止弁として機能する。なお、シート状吸水体２５への給水のために、チューブ３０には他端３０ｂ以外に適宜穴を形成してもよい。

　前記のごとく吸水した湯たんぽを電子レンジで加熱する。加熱により発生した水蒸気はステッチ糸２７やステッチ孔を通じて放出される。それゆえ、電子レンジで加熱中に破裂したりすることがない。通常、湯たんぽとしては布団の中に入れて使用する。この場合も、適度な水分がステッチ糸２７やステッチ孔から放出され、布団の中が乾燥することがない。また、外側は不透水性袋体２０で覆われているため、水が外部に漏れることはない。

　本第３実施例を用いた本発明者の実験によると、室温２０℃で１２００ｇの水を吸水した湯たんぽは、６００Ｗの電子レンジで約９分間加熱すると、約６５℃になった。１８分間加熱しても沸騰した水蒸気はステッチ糸２７やステッチ孔から放出され、破裂事故には至らなかった。ちなみに、不透水性袋体２０は外側が１５μｍのポリアミドフィルム、内側が６０μｍのポリエチレンフィルムのラミネート材を使用し、チューブ３０は８０μｍのポリエチレンフィルムを使用し、ステッチ糸２７は綿３０番手を使用した。

　（第４実施例、図９～図１１参照）
　第４実施例である湯たんぽは、図９及び図１０に示すように、前記第１実施例と同様に、不透水性上シート１及び不透水性下シート２と、吸水ポリマーを含むシート状吸水体４と、透水性シート３と、を備えており、これらの材質は第１実施例で説明したとおりである。不透水性上シート１と不透水性下シート２と透水性シート３は略同じ形状を有し、シート状吸水体４はそれらよりも一回り小さい形状を有している。

　不透水性上シート１と不透水性下シート２との間にシート状吸水体４及び透水性シート３を挟んだ状態で、これらの周囲がシート状吸水体４を除いて、かつ、一隅部１ａ，３ａを除いて縫製（ミシン目６参照）されており、一隅部１ａ，３ａの間が給水口９（図１１参照）とされている。なお、不透水性下シート２と透水性シート３の一隅部２ａ，３ａは縫製されている。そして、不透水性上シート１と不透水性下シート２とシート状吸水体４と透水性シート３がステッチ７にてステッチ縫合されている。

　以上の構成からなる湯たんぽの使用方法は、前記第１実施例と基本的に同様である。即ち、給水口９から給水された水は不透水性上シート１と透水性シート３の間に一旦溜まり、その後は透水性シート３の面からシート状吸水体４に浸透する。吸水性シート４に吸水された水はゼリー状となり、前述したように逆流することはない。電子レンジで加熱後、ステッチ糸７やステッチ孔が水分の放出部として機能する。また、不透水性下シート２の一隅部２ａを不透水性上シート１上に折り返すことによって、第１実施例で示したフラップ部８と同様に給水口を閉止することができる。

　（他の実施例）
　なお、本発明に係る湯たんぽは前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。

　特に、その全体的な形状は４角形状に限定することはなく、曲線を多用したものであってもよい。また、本体外部に水分を保有しないことにより電子レンジでの加熱効果が及ばない布地などを縫い付けてもよい。吸水口の形状や材質などは任意である。

　以上のように、本発明は、電子レンジで加熱する湯たんぽに有用であり、特に、破裂の危険性がなく、適度な湿気を発生させることができる点で優れている。

　　１…不透水性上シート
　　２…不透水性下シート
　　３…透水性シート
　　４…シート状吸水体
　　７…ステッチ糸
　　８…フラップ部
　　１０…不透水性袋体
　　１２…ファスナ
　　１５…シート状吸水体
　　１７…ステッチ糸
　　２０…不透水性袋体
　　２５…シート状吸水体
　　２７…ステッチ糸
　　３０…チューブ

Claims

　不透水性上シート及び不透水性下シートと、
　吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　透水性シートと、
　を備え、
　不透水性上シートと不透水性下シートとが、シート状吸水体及び透水性シートを収容した状態で、縫製されており、
　透水性シートの一端は不透水性下シートの縁部と縫製されており、かつ、透水性シートの周縁部は前記一端を除いて不透水性上シートと縫製されており、透水性シートの前記一端部分が給水口とされ、
　不透水性上シートと不透水性下シートとシート状吸水体とがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする湯たんぽ。
　互いに嵌合／解除可能な凹部と凸部とからなるファスナを周縁部の一部に設け、該周縁部をファスナの設置部分を除いて溶着した不透水性袋体と、
　不透水性袋体に収容された、吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　を備え、
　前記ファスナの設置部分が給水口とされ、
　不透水性袋体とシート状吸水体とがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする湯たんぽ。
　周縁部を溶着した不透水性袋体と、
　不透水性袋体に収容された、吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　両端部が開口した扁平な筒状をなし、一端部が不透水性袋体の周縁部から突出した状態で、シート状吸水体と重ねて不透水性袋体に収容されたチューブと、
　を備え、
　前記チューブが給水口とされ、
　不透水性袋体とシート状吸水体とがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする湯たんぽ。
　不透水性上シート及び不透水性下シートと、
　吸水ポリマーを含むシート状吸水体と、
　透水性シートと、
　を備え、
　不透水性上シートと不透水性下シートと透水性シートは略同じ形状を有し、シート状吸水体はそれらよりも一回り小さい形状を有し、
　不透水性上シートと不透水性下シートとの間にシート状吸水体及び透水性シートを挟んだ状態で、これらの周囲がシート状吸水体を除いて、かつ、一隅部の不透水性上シートと透水性シートを除いて縫製されており、
　縫製されていない前記一隅部が給水口とされ、
　不透水性上シートと不透水性下シートとシート状吸水体と透水性シートがステッチ縫合されていること、
　を特徴とする湯たんぽ。