WO2011001797A1 - ガス電界電離イオン源装置およびこれを搭載した走査荷電粒子顕微鏡 - Google Patents

ガス電界電離イオン源装置およびこれを搭載した走査荷電粒子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

 小型で高性能であり、エミッタ先端位置をほぼ一定に維持した状態で傾斜調整が可能なガス電界電離イオン源装置を実現する。エミッタ(1)はエミッタ室の室壁(4)に囲まれ、エミッタ(1)の先端からイオンが放出される。エミッタ室にはイオン材料であるガスが高電圧の印加される引き出し電極(3)及び配管(15)を通じて導入される。エミッタ(1)は冷凍手段(10)から金属網(11)及びエミッタ基部(12)を介して冷却される。エミッタ基部(12)は傾斜手段(13)の可動部(13a)に固定され、可動部(13a)は非可動部(13b)とすべり面(14)を介して接続される。すべり面(14)はエミッタ(1)の先端を通過し光軸に直交する軸を中心軸とした円筒面の一部となっている。この形状面とし、すべり面(14)のすべり量を制御すればエミッタ(1)の先端を移動させる事無くエミッタ(1)の傾斜制御ができる。

Description

ガス電界電離イオン源装置およびこれを搭載した走査荷電粒子顕微鏡
 本発明は、半導体デバイスや新材料などの試料表面を観察する荷電粒子顕微鏡に搭載され、イオン生成のためのガス電界電離イオン源装置に関する。
 ガス電解電離イオン源(Gas Field Ionization Ion Source、略してGFIS)を搭載し、水素(H2)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などのガスイオンを用いた集束イオンビーム(Focused Ion Beam、略してFIB)装置が記載されている(特許文献1、2参照)。
 これらのガスFIBは、現在よく使われている液体金属イオン源(Liquid Metal Ion Source、略してLMIS)からのガリウム(Ga:金属)FIBのように、試料にGa汚染をもたらさない。また、GFISは、そこから引き出したガスイオンのエネルギー幅が狭いこと、およびイオン発生源サイズが小さいことから、Ga-FIBと比べ、より微細なビームが形成できる。
 特に、GFISにおいては、そのエミッタ先端に微小な突出部を持たせた(あるいは、エミッタ先端の原子数を数個以下に下げた)エミッタ(以下、ナノチップと呼ぶ)の採用によりイオン源の放射角電流密度が高くなるなどイオン源特性が良くなることが知られている。
 また、ナノチップ先端の一原子からのイオン放出角は約1度と狭く、GFISを搭載した顕微鏡では、ナノチップからのイオン放出方向を光軸に合わすためのエミッタにつながった傾斜手段を有するGFISが知られている。
 ナノチップは、タングステン(W)の単結晶<111>の3原子終端エミッタである事が特許文献1に開示されている。また、W単結晶<111>の終端部にイリジュウム(Ir)および白金(Pt)などの異種金属からなるピラミッドを形成したものである事が特許文献2に開示されている。
 また、エミッタ表面の不純物を除くために使用するフラッシング加熱の温度制御に関しては、LMISにおいて、そのエミッタ温度をそこからの放出光を利用して非接触で検出する技術が特許文献3に開示されている。
 また、エミッタの傾斜調整に関しては、GFISにおいて、イオン源室の大気側に設けられたジンバル機構が特許文献1に記載されている。
 また、特許文献4の電子銃において、部品製作・組立に求められる精度をそれほど高くしなくても、十分な高エミッタンス等の性能を得るために、ウェールネルトに対するカソードのセンタリング調整を行うアクチュエータ(ピエゾ素子を使用)を設置する技術が記載されている。
米国特許公開2008/0217555号公報 特開2008-140557号公報 特開平5-82061号公報 特開平10-321174号公報
 ところで、GFISにおいては、イオン放射角電流密度を増大するためにエミッタ先端を囲い込むエミッタ室をイオン源室内に設け、その中に導入するイオン材料ガス圧力を10-4~10Pa程度まで高める。エミッタからのイオン放出方向にあるエミッタ室の壁面にはイオン引き出すための孔が開いている。この壁面はイオン引き出し電極を兼ねている。
 また、エミッタ先端周辺のガス密度を上げるために、エミッタは導入ガスと共に数10度K以下に冷却される。さらに、エミッタの電位はGFISを搭載した走査荷電粒子顕微鏡において試料(通常、接地電位)に対してイオン加速電位に相当し、エミッタをイオン源筐体(接地電位)から数kV-数10kVに高絶縁する必要がある。
 イオン材料ガスの導入に先立ち、エミッタ室およびイオン源室は超高真空にする必要があり、顕微鏡観察時におけるエミッタの振動やドリフトは観察画像障害となるため最大限の低減が要求されている。振動やドリフト低減のためには、エミッタは固く固定する必要がある。
 一方、エミッタからのイオン放出方向を光軸に合わすための、エミッタにつながった傾斜手段も必要である。
 イオンの引き出し調整の観点からは、この傾斜手段は、エミッタ先端位置を傾斜中心位置として、この傾斜中心位置を概ね一定に維持した状態で、エミッタを傾斜させることが可能な構造が必要である。
 しかし、特許文献4に記載された傾き調整用アクチュエータでは、傾斜中心位置(エミッタ先端位置)を一定に維持した状態での傾斜調整は困難であり、イオン放出方向を光軸に高精度に合わせることが困難である。
 エミッタの高絶縁と極低温冷却、イオン源室の超高真空保持、振動やドリフト低減のためのエミッタの固い固定と傾斜制御という相反機能の要求に応えるためにGFISは大型になり易い。大型になるほど真空排気ポンプおよび冷凍機に大きなパワーが要求される。
 特許文献1には、この傾斜手段がイオン源室外に配置されたGFISが開示されている。特許文献1に記載されたGFISでは、その傾斜を実現するすべり面は傾斜中心となるエミッタ先端位置から遠い位置で、かつそのすべり面は大気側にあり、大気圧の力がかかっているため、GFISは大型化する。
 本発明の目的は、小型で高性能であり、エミッタ先端位置を一定に維持した状態で傾斜調整が可能なガス電界電離イオン源装置およびこれを搭載した走査荷電粒子顕微鏡を実現することである。
 上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
 本発明のガス電界電離イオン源装置は、針状の陽極エミッタと、このエミッタの先端部にてガス分子をイオン化して引き出す電界を形成する引き出し電極と、上記エミッタ及び引き出し電極が内部に配置されたイオン源室と、上記エミッタの傾斜角度を調整するための傾斜手段とを有する。
 そして、上記傾斜手段は、上記イオン源室の内部に配置され、上記エミッタの先端部の位置をほぼ一定とした状態で上記エミッタの傾斜角度が、上記傾斜手段により調整される。
 また、本発明の走査荷電粒子顕微鏡は、上記ガス電界電離イオン源装置と、このガス電界電離イオン源装置からのイオンを加速し、集束して試料上に照射するレンズ系と、上記試料から放出される荷電粒子を検出する荷電粒子検出器とを備える。
 小型で高性能であり、エミッタ先端位置をほぼ一定に維持した状態で傾斜調整が可能なガス電界電離イオン源装置およびこれを搭載した走査荷電粒子顕微鏡を実現することができる。
本発明の実施例1であるガス電界電離イオン源(GFIS)の概略構成図である。 本発明の実施例1におけるGFIS内に設置した傾斜手段の概略構成図である。 本発明の実施例2である走査荷電粒子顕微鏡の概略構成図である。 本発明の実施例におけるGFIS内に設置した傾斜手段の駆動機構図である。 本発明の実施例におけるガス電界電離イオン源(GFIS)の概略構成図である。
 以下、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。
 図1は、本発明の実施例1であるGFIS100の概略構成図である。図1において、エミッタ1は、針状のW単結晶<111>の終端部に、IrおよびPtなどの異種金属からなるピラミッドを形成したものであり、V字状フィラメント1aに溶着固定されている。
 エミッタ1は、陽極であり、エミッタ室の室壁4に囲まれており、エミッタ1の先端からのイオン放出方向に対向している室壁部分はイオンの引き出し電極3を兼用している。イオン引き出し電極3にはイオン引き出し用の孔2が形成されている。イオン引き出し電極3は、エミッタ1の先端部にてガス分子をイオン化して引き出す電界を形成する。
 エミッタ室にはイオン材料であるガスが、高電圧が印加され得る引き出し電極3およびエミッタ1とは電気的に絶縁された配管15を通じて導入される。エミッタ1は冷凍手段10から熱伝導性の高い金属網11が接続されたエミッタ基部(絶縁材)12を介して冷却される。
 例えば、Heイオンを放出させる場合は、Heガスおよびエミッタ温度を約20度Kまで冷却することによりイオン放射角電流密度が大きくなり、高いイオン源輝度が得られる。エミッタ基部(絶縁材)12は傾斜手段13の可動部(エミッタ1と共に傾斜する可動部)13aに固定されている。可動部13aは非可動部13bとすべり面14を介して接続されている。このすべり面14はエミッタ1の先端を通過し、光軸に直交する軸(図1の例では、紙面に直交する軸)を中心軸とした円筒面、あるいは、エミッタ1の先端を中心点とする球面の一部を形成する面となっている。このような面形状にすることにより、すべり面14のすべり量を制御すれば、エミッタ1の先端を移動させる事無く、エミッタ1の傾斜制御を行うことができる。
 すべり面14が円筒面の一部となっている場合は、ビーム光軸を中心とした円筒面の回転角制御により傾斜面の方位角制御が実施できる。すべり面14が球面の一部となっている場合は、所望の方位角で傾斜制御をすればよい。GFIS100の走査荷電粒子顕微鏡への搭載時におけるエミッタ1の光軸合わせに必要な傾斜角は、エミッタ1の軸のエミッタベース12に対する固定精度、エミッタ1の軸と所望結晶方位との一致精度などから最大プラスマイナス4度、傾斜角制御分解能は最大0.01度である。
 傾斜手段13のすべり面14は、エミッタ1の先端を通過する軸を中心軸とする円筒面あるいはエミッタ1の先端を中心とする球面の一部であり、平面ではない。そのため、エミッタ1の先端から円筒面あるいは球面までのすべり面半径が大きいほど特定傾斜角をカバーするすべり面の面積は大きくなる。この半径が小さければすべり面も小さくでき(つまり、小型化でき)、精密加工が容易になる。ただし、小さすぎると通常の精密加工は困難になる。
 本発明の実施例1では、傾斜手段13の可動部13a、非可動部13bおよび両部間のすべり面14もイオン源室内にあり、すべり面14の曲率半径はイオン源の真空筐体半径よりも小さい。すべり面14には大気圧力はかかっておらず、可動部13aおよび非可動部13bは小型化かつ軽量化できる。
 また、すべり面14にてすべらす力の下限値は関係部品の重力や摩擦力の総力であり、傾斜するための力発生部のパワーやその発生力を伝える機械部品も小型化かつ軽量化できる。
 本発明の実施例1では、傾斜手段13の作動にピエゾ素子を採用した。これにより、サイズ[mm]は約15x15x10と小さく、重さは約25gと軽くできた。傾斜手段13の小型化は、冷却パワーの低減に非常に重要でもある。約20度Kから室温間にて高精度でかつ安定した、エミッタ1の傾斜制御が可能である。
 小型の傾斜手段13をイオン源室(イオン源の真空筐体8により包囲される室)内に配置したことから、イオン源自体も小型かつ軽量にできた。その結果、走査荷電粒子顕微鏡の対振動の強化および顕微鏡自体の小型化に大いに効果をもたらすことができる。
 また、製作容易性と制御容易性の観点から傾斜手段13の最も有用な構造は、図2に示すように、エミッタ1の先端にその中心軸を置き、すべり面14a(図2の(a))、14b(図2の(b))が各々異なった半径を有する円筒の部分面である傾斜手段17aと、傾斜手段17bとを2個組み合わせた構造である。
 傾斜手段17bにより第1の可動部17dが駆動され、傾斜手段17aによりエミッタ1を支持する第2の可動部17cが駆動される。傾斜手段17a、17bは、図4の非可動部13bであり、第1の可動部17d、第2の可動部17cは、図4の可動部13aである。
 すべり面14a(第2のすべり面)および14b(第1のすべり面)は、ビーム光軸を中心として相対的に90度回転させて上下に組み合わされ、すべり面14a、14bを独立に制御することで、エミッタ1は直交方向の傾斜が可能なため、すべり面14aの傾斜とすべり面14bの傾斜との合成によって任意方向への傾斜が可能となる。ここで、第1のすべり面14bは、エミッタ1の先端を通り、かつ、エミッタ1のイオン放出方向とほぼ直交する第1の直線を中心軸とする円筒面の一部を形成する形状の面であり、第2のすべり面14aは、上記第1の直線とほぼ直交する第2の直線を中心軸とする円筒面の一部を形成する形状の面である。
 この場合、各すべり面14a、14bは、すべり方向に一致したアーチ上のガイドに沿って1次元的にピエゾ素子を配置しておけば良いので、構造および制御が簡便である。
 なお、すべり面14aの傾斜半径Raとすべり面14bの傾斜半径RbはRa<Rbである。また、傾斜手段13の可動面16a、16bは傾斜角度が0度のときには平行を成し、このときの面間隔をWとし、Rb-Ra=Wとすればエミッタ1を中心とした任意方向傾斜が可能である。
 一方、すべり面14を球面とする場合には、すべり面は1つで済むものの球面上に2次元的にピエゾ素子を配置する必要があるため素子の数が増加し、球面に配置する工作精度も非常に高くなる。また、ピエゾ素子の制御も複雑になるため、コストパフォーマンスに乏しい。
 ところで、傾斜力の発生手段には、図4(a)に示すように、すべり面14aないしは14bに、一つ以上のピエゾ素子300を配置し、これの伸縮を用いた尺取虫的な移動機構に代わりに、図4(b)に示すモータ301に接続された歯車302による回転機構や、図4(c)に示すリニアアクチュエータ303によるプッシュプル機構を用いることも可能である。
 図4(a)に示したピエゾ素子300は、すべり面14と平行に配置される非可動部13b側の面に沿って配列され、すべり面14はピエゾ素子300に密着されている。ピエゾ素子300にパルス状の電圧を印加することで、ピエゾ素子300は、一方向に伸縮が可能であり、すべり面14を摩擦力によって移動させることが可能である。
 一方、図4(b)に示したモータ301は、傾斜手段の内部或いは外部に配置され、歯車302と同軸ないしは追加の歯車を介して互いに接続される。また、すべり面14には歯車302と噛合うように歯が形成されている。
 さらに、図4(c)に示した傾斜手段の可動部13aには、リニアアクチュエータ303で伸縮させるシャフト304が、ユニバーサルジョイント等、シャフト304に対して角度的にフレキシブルな部品を用いて締結されている。また、傾斜手段13の可動部13aは、すべり面14と平行な非可動部13bの面がガイドとなるように取り付けられている。これにより、シャフト304を伸縮させることで、傾斜手段13の可動部13aのすべり面14に沿った傾斜移動が可能となる。
 ただし、図4(b)及び図4(c)に示した機構では、モータ301やリニアアクチュエータ303の内部を含めて機械的可動部品が多く、複雑となり、部品からのアウトガスも多くなるため、超高真空の実現が困難となる。極低温化での熱収縮や真空中での摩擦抵抗増加の要因によっても機械的動作の信頼性が前者(図4(a)に示す機構)に比べて劣る。また、傾斜制御のバックラッシュ量が大きいことからも前者に比べて劣ることになる。
 なお、ピエゾ素子300、モータ301、リニアアクチュエータ303の駆動指令は、パソコン等の指令手段を用いて操作者がエミッタ1の傾斜角度を確認しながら行うことができる。後述するように、本発明のGFIS100を走査荷電粒子顕微鏡に搭載した場合は、イオンビームの照射位置を検出して、エミッタ1の傾斜角度を調整することができる。この場合、図3に示したPC38により、自動的にエミッタ1の傾斜角度を変更(調整)することも可能である。
 ここで、本発明の実施例1の比較として、公知技術である特許文献1に記載の技術について述べる。特許文献1に記載の技術においては、傾斜手段の可動部および非可動部ともに、イオン源の真空筐体壁の一部をかねている。そのため、両部は、大気圧に対して変形せずに耐えるために強固な厚みのある大型部品となり重量も大きくなる。また、両部間のすべり面は大気圧力で押さえられているため、ここをすべらして傾斜を行うには非常に大きな力が必要になる。そのため、その力を発生する発生部のパワーやその力を伝える機械部品は大型化する。この大型化および大重量化は、イオンエミッタの耐震性および冷却効率の観点では大いに不利に作用する。
 これに対して、本発明の実施例1においては、傾斜手段13は、内部がほぼ真空のイオン源室内に配置されており、大気圧を考慮した機械的強度は要求されないので、小型軽量化することができる。
 さらに、本発明の実施例1においては、エミッタ1の先端位置を一定とした状態で、エミッタ1の傾斜角度を調整可能であるため、エミッタ1からのイオン放出方向を、イオン源装置が取り付けられる荷電粒子顕微鏡の光軸に合わせる調整制御を、容易に、かつ高精度に行うことができる。
 次に、本願発明の実施例1における傾斜手段13が取り付けられ、エミッタ室内に配置されたエミッタの交換について説明する。
 GFIS100の真空を破ってのエミッタの交換は、新たなエミッタ1付きベースをエミッタ基部(絶縁材)12に固定し、イオン源として整える。エミッタ室は、排気バルブ18(図1、図5に示す)を介してエミッタ室につながっており、エミッタ交換時には、この排気バルブ18を開け、エミッタ室およびイオン源室を排気して超高真空にする。その後、V字状フィラメント1aの通電加熱により、エミッタ1を真空中でのフラッシング(短時間高温加熱)やアニーリング(長時間高温加熱)を行なって清浄化する。イオン放出のため、イオン材料ガスをイオン化室に導入する場合は、排気バルブ18は閉じられる。このバルブ開閉は、走査荷電粒子顕微鏡からの操作指令に連動した自動、あるいは、非連動のマニュアルで操作することができる。
 ただし、イオン化室の排気速度を犠牲にし、冷却するイオン化室への熱輻射や熱伝導による熱入力の低減を優先する場合は、排気用の排気穴403を設けず、かつ排気バルブ18を取り付けない場合もある。
 図5を参照して、さらに詳細に真空筐体8内部の構造について説明する。
 イオン源の真空筐体8内部は、真空ポンプ406にて超高真空レベルに排気される。真空筐体8内のエミッタ1は極低温に冷却されるが、室温である筐体8からの熱輻射を防ぐために筐体8よりも低温で、かつ、エミッタ1の温度よりも高温、具体的には、100度K程度とした熱シールド402を設けても良い。
 この場合、エミッタ基部12が保持される傾斜手段13は、断熱部404を介して熱シールド402に保持されるか、熱シールド402で熱アンカーをとりつつ、イオン源の真空筐体8で保持しても良い。断熱部404は熱伝導率の悪い材料であるプラスチックスや薄肉の金属パイプを用いて製作すればよい。
 また、上述したフラッシングやアニーリングはV字状フィラメント1aに接続した電気導線400を真空外に取り出し、加熱電源401に接続することで行なわれる。さらに、エミッタ交換時には、イオン源の真空筐体8内部は、一旦大気圧にするため、エミッタ交換時にはパージガスである大気や窒素を真空ポンプ406で排気する必要がある。
 真空筐体8内はイオン材料ガスの純度が悪くならないように、超高真空レベルに排気するが、大気開放によって真空筐体8内に吸着または吸蔵された不純物ガスをデガス(ガスを取り去る)するために、真空筐体8内外を加熱(ベーキング)する必要がある。
 ベーキング時にはイオン化室内の不純物ガス圧力が高まることから、イオン化室側壁に空けられた排気穴403の開閉が可能な排気バルブ18を後退させる(開く)ことで排気穴403を開放状態として、真空ポンプ406による排気速度を改善してイオン化室内の超高真空化が可能となる。
 真空排気バルブ18は、バルブ駆動機構405にて開閉が可能となっているが、真空排気バルブ18とバルブ駆動機構405が常に繋がった状態であると、冷却するイオン化室への室温からの熱流入が大きく、温度が下がらなくなる。
 よって、真空排気バルブ18は、通常、排気穴403を塞ぐノーマルクローズ状態となっており、バルブ駆動機構405とは保持部品18cにて分離されている。保持部品18cは熱シールド402に接続しており、バルブシール18aと断熱材である薄肉パイプ18bを介して繋がっているため、イオン化室への熱流入は極めて小さく抑えることができる。
 したがって、ベーキングやイオン材料ガスを排気する場合にのみ、バルブ駆動機構405を保持部品18cに連結して、バルブ駆動機構405の動きをバルブシール18aに伝えることで、イオン化室への不必要な熱流入を無くすことができる。
 加えて、重要な考察として、ナノチップの再生に関してイオンエミッタ1にトラブルが生じた際には、フラッシングやアニーリング時のエミッタ1の温度を測定する必要が生じる場合がある。
 エミッタ1は高電圧ラインに接続され、かつ冷却効率の観点からこの近くに温度測定用の熱電対を付けることは難しい。これに応えたのがエミッタ1の放出光を利用した温度測定である。
 GFISを搭載した走査荷電粒子顕微鏡において、ナノチップの再生は、通常、冷却手段のパワーをオフにすることなく(冷却系統の温度ドリフトの長時間化を避けるため)、エミッタのフラッシングや短時間のアニーリングを行う。フラッシングやアニーリングのパワーを一定とする制御にしても、その加熱温度はエミッタ基部12の温度(熱伝導を介して)およびエミッタ1を見込む物体の温度により(熱輻射を介して)大きく影響される。
 エミッタ1を取り付けてあるV字状フィラメント(W線)1aの抵抗も温度の関数となっており、抵抗一定制御で行っていても、やはり、上記の影響を受ける。そのため、所望のエミッタ温度に加熱するには、その温度を測定することが望まれる。
 本発明の実施例1では、図1に示すように、エミッタ1からの放出光6をイオン源室の窓7を通して放出光利用温度測定手段9からにて測定する構成となっている。この放出光6の光路には、エミッタ室側壁4が存在するが、エミッタ室側壁4には、放出光6に対して透明な部材の部品5がエミッタ室側壁4に形成されている。
 この部品5は、エミッタ室の導入ガスに対しては遮断効果があり、エミッタ室側壁4に開口部を設けたような導入ガスの通過・放散はおこらない。これにより、開口部からガスが漏れ出た場合に生じるエミッタ先端へのガス供給効率の低下、および漏れ出たガスがイオン引き出し電極の孔後方の真空度を劣化させ、引き出されたイオンとガス原子(あるいは分子)との衝突確率の増加によるイオンビームの広がりを避ける事ができる。
 加えて、本発明の実施例1でエミッタ室側壁4を熱伝導に優れた透明な部材、例えばサファイアで製作すれば、透明部品5を設けることなく、エミッタ1からの放出光を測定することが可能となり、同様な効果を得ることができる。
 なお、本発明の実施例1では、イオン源室壁の窓7から放出光利用温度測定手段9までの光路は直線であるが、その光路の一部、あるいは全部を光ファイバーに置き換えてもよい。これにより、電気的絶縁を保持したまま光路を曲げることが可能になる。
 また、イオン源室の窓7などを光ファイバーの終端面で塞げば、その窓からの導入ガスの通過・放散も防ぐことができる。
 本発明の実施例1の比較例として、公知技術である特許文献3に記載された技術について述べる。特許文献3に開示されているエミッタからの放射光を利用した非接触温度検出においては、エミッタを濡らしている液体金属自体がイオン材料であるLMISである。
 しかし、GFISにおいて、イオン材料はガスであり、エミッタ先端にガス原子(あるいは分子)を効率よく供給するためにエミッタはエミッタ室に入れてある。そのため、加熱時のエミッタの放出光はエミッタ室に設けたイオンの引き出し用の孔(引き出し電極のイオン引き出し用孔を兼用)の方向以外には漏れてこない。
 もし、エミッタ室に放出光検出用の開口部を設ければ、そこからイオン材料ガスが漏れ出て、ガスがエミッタ先端に効率よく供給できなくなると共に、漏れ出たガスがイオン引き出し電極の孔後方の真空度を劣化させ、引き出されたイオンとガス原子(あるいは分子)との衝突確率が増し、ビーム性能が劣化することになる。
 これに対して、本発明の実施例1においては、ビーム性能を劣化させることなく、エミッタ温度を検出することができる。
 次に、本発明の実施例2について説明する。図3は、本発明の実施例2である走査荷電粒子顕微鏡の概略構成図である。
 図3において、本発明の実施例2である走査荷電粒子顕微鏡は、GFIS100のエミッタ1からのイオン25を加速し、集束して試料上に照射するレンズ系200と、試料から放出される荷電粒子35を検出する荷電粒子検出器36とを備えている。GFIS100は、実施例1で説明したGFISと同等の構成を有している。
 レンズ系200の主構成要素である集束レンズ26と対物レンズ32とによりイオン25を試料34上に集束される。両レンズ26、32間にはビーム偏向器/アライナー27、可動ビーム制限絞り28、ブランキング電極29、ブランクビーム停止板30、ビーム偏向器31が配置されている。
 試料34から放出される二次電子35は二次電子検出器36で検出される。ビーム制御部37は、GFIS100、集束レンズ26、対物レンズ32、上段ビーム偏向器/アライナー27、下段ビーム偏向器31、二次電子検出器36などを制御する。
 PC38は、ビーム制御部37を制御し、かつ種々のデータの処理や保存を行う。画像表示手段39は、走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope、略してSIM)像の表示やPC38での制御画面を表示する。
 GFIS100にArガスあるいはNeガスを導入して、ArイオンあるいはNeイオンを放出する場合はエミッタ1を約70度Kに冷却する。また、Heガスを導入してHeイオンを放出する場合は、エミッタ1を約20度Kに冷却し、イオン源の輝度を高めた。
 特に、Heイオン顕微鏡のように約20度Kという低温にエミッタ1を冷却する場合は、冷却効率の良いイオン源構造にする必要があり、本発明の実施例1のようにエミッタ1につながった傾斜手段13をイオン源室内に配置した小型構造が非常に好適である。
 走査Heイオン顕微鏡による観察像は、試料の極表面情報に敏感で、かつ高分解能および大きい焦点深度であることが特長である。Heイオンは軽いために照射による試料損傷は少ない。一方、NeおよびArイオンは重いためにその照射はスッパタリングを引き起こし、微細加工応用に利用できる。
 走査荷電粒子顕微鏡の上部に搭載するGFIS100が大型で重いと、左右に揺れやすく、顕微鏡画像に振動障害が起き易い。
 本発明の実施例2による高分解能の走査荷電粒子顕微鏡においては、GFIS100のイオン源性能を落とすことなく小型化と軽量化が可能であるため、左右に揺れ難く、顕微鏡画像での振動障害の発生を抑制することができる。
 さらに、GFIS100のエミッタ1は、このエミッタ1の先端位置を一定とした状態で、エミッタ1の傾斜角度を調整することが可能であるため、イオン放出方向と走査荷電粒子顕微鏡の光軸との調整を、容易に、かつ、高精度に行うことができる。
 次に、本発明の実施例3について説明する。
 エミッタ1に、超高真空中で引き出し電極3に対して負に高電圧を印加するとエミッタ1の先端から強電界により電子が放出し、GFIS100は電界放出(Field Emission、略してFE)電子源装置としても動作できる。
 本発明の実施例3は、本発明を電子源装置、走査電子顕微鏡にも適用可能とした場合の例である。本発明の実施例3の構成は、図1、図3に示した例と同等となる。
 図3を参照して説明する。レンズ系200は静電系であるので印加するレンズ電位の正負を逆極性にして調整することにより、SIMは走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、略してSEM)にもなる。
 エミッタ1から電子を引き出した場合、原子1個からの放出角は、2~3度とイオン放出の約1度より広い。しかし、エミッタ1からの電子放出軸をSEM光軸に合わせる場合とイオン放出軸をSIM光軸に合わせる場合とのエミッタ軸は必ずしも一致しない場合が多く、SEMおよびSIMのそれぞれにおいて傾斜手段13によりエミッタ1を合わせる必要がある。
 ただし、それぞれの軸合わせによる傾斜角、レンズ系の電位、および軸調整条件とともにPC38内に一度保存しておけば、これらはその後のSEMおよびSIMの操作選択により自動的に切り替えられる。
 本発明の実施例3によれば、小型で高性能であり、エミッタ先端位置を一定に維持した状態で傾斜調整が可能なガス電界電離イオン源装置及びこれを搭載した走査荷電粒子顕微鏡であり、かつ、電子源装置及びこれを搭載した走査電子顕微鏡を兼用することができる。
 1・・・エミッタ、2・・・イオン引き出し用の孔、3・・・引き出し電極、4・・・エミッタ室壁、5・・・透明部品、6・・・エミッタからの放出光、7・・・イオン源室壁の窓、8・・・イオン源の真空筐体、9・・・放出光利用温度測定手段、10・・・冷凍手段、11・・・金属網、12・・・エミッタ基部(絶縁材)、13・・・傾斜手段、13a・・・傾斜手段の可動部、13b・・・傾斜手段の非可動部、14、14a、14b・・・すべり面、15・・・金属製配管、16a、16b・・・傾斜手段の可動面、17a、17b・・・傾斜手段、17c・・・第2の可動部、17d・・・第1の可動部、18・・・排気バルブ、18a・・・バルブシール、18b・・・薄肉パイプ、18c・・・保持部品、25・・・放出イオンビーム、26・・・集束レンズ、27・・・ビーム偏向器/アライナー、28・・・可動ビーム制限絞り、29・・・ブランカー、30・・・ブランクビーム停止板、31・・・ビーム偏向器、32・・・対物レンズ、34・・・試料、35・・・二次電子、36・・・二次電子検出器、37・・・ビーム制御部、38・・・PC、39・・・画像表示手段、100・・・ガス電界電位イオン源(GFIS)、200・・・レンズ系、300・・・ピエゾ素子、301・・・モータ、302・・・歯車、303・・・リニアアクチュエータ、304・・・シャフト、400・・・電気導線、401・・・加熱電源、402・・・熱シールド、403・・・排気穴、404・・・断熱部、405・・・バルブ起動機構、406・・・真空ポンプ

Claims (10)

  1.  針状の陽極エミッタ(1)と、このエミッタ(1)の先端部にてガス分子をイオン化して引き出す電界を形成する引き出し電極(3)と、上記エミッタ(1)及び引き出し電極(3)が内部に配置されたイオン源室と、上記エミッタの傾斜角度を調整するための傾斜手段(13)とを有するガス電界電離イオン源装置であって、
     上記傾斜手段(13)は、上記イオン源室の内部に配置され、上記エミッタ(1)の先端部の位置をほぼ一定とした状態で上記エミッタ(1)の傾斜角度が、上記傾斜手段(13)により調整されることを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  2.  請求項1に記載のガス電界電離イオン源装置において、上記傾斜手段(13)は、上記エミッタ(1)に接続され、エミッタ(1)と共に傾斜する可動部(13a)と、この可動部(13a)をすべり面(14)を介して移動させる非可動部(13b)とを有することを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  3.  請求項2に記載のガス電界電離イオン源装置において、上記傾斜手段(13)の上記すべり面は、上記エミッタ(1)の先端を通る直線を中心軸とする円筒面の一部を形成する形状の面であることを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  4.  請求項3に記載のガス電界電離イオン源装置において、上記傾斜手段(13)の上記可動部(13a)は、上記非可動部(13b)により第1のすべり面(14b)を介して駆動される第1の可動部(17d)と、この第1の可動部(17d)と第2のすべり面(14a)を介して上記第1の可動部(17d)に駆動される第2の可動部(17c)とを有し、上記第1のすべり面(14b)は、上記エミッタ(1)の先端を通り、かつ、上記エミッタ(1)のイオン放出方向とほぼ直交する第1の直線を中心軸とする円筒面の一部を形成する形状の面であり、上記第2のすべり面(14a)は、上記第1の直線とほぼ直交する第2の直線を中心軸とする円筒面の一部を形成する形状の面であることを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  5.  請求項4に記載のガス電界電離イオン源装置において、上記傾斜手段(13)の上記非可動部(13b)は、上記第1の可動部(17d)を駆動する第1のピエゾ素子を有し、上記傾斜手段の上記第1の可動部は、上記第2の可動部(17c)を駆動する第2のピエゾ素子を有することを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  6.  針状の陽極エミッタ(1)と、このエミッタ(1)の先端部にてガス分子をイオン化し引き出し、放出させる電界を形成する引き出し電極(3)と、上記エミッタ(1)が内部に配置され、イオン材料であるガスが導入されるエミッタ室とを有するガス電界電離イオン源装置であって、
     上記エミッタ室の少なくとも一部は光を透過する透明部材で形成され、この透明部材を透過した上記エミッタ(1)の放出光に基づいて上記エミッタ(1)の温度を測定する放射光利用温度測定手段(9)を備えることを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  7.  針状の陽極エミッタ(1)と、このエミッタ(1)の先端部にてガス分子をイオン化して引き出す電界を形成する引き出し電極(3)と、上記エミッタ(1)が内部に配置され、イオン材料であるガスが導入されるエミッタ室と、上記エミッタ室及び引き出し電極(3)が内部に配置されたイオン源室と、上記エミッタ(1)の傾斜角度を調整するための傾斜手段(13)とを有するガス電界電離イオン源装置であって、
     上記傾斜手段(13)は、上記イオン源室の内部に配置され、上記エミッタ(1)の先端部の位置をほぼ一定とした状態で上記エミッタ(1)の傾斜角度が、上記傾斜手段(13)により調整され、
     上記エミッタ室の少なくとも一部は光を透過する透明部材で形成され、この透明部材を透過した上記エミッタ(1)の放出光に基づいて上記エミッタ(1)の温度を測定する放射光利用温度測定手段(9)を備えることを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  8.  請求項7に記載のガス電界電離イオン源装置において、上記傾斜手段(13)の可動部(13a)は、非可動部(13b)により第1のすべり面(14b)を介して駆動される第1の可動部(17d)と、この第1の可動部(17d)と第2のすべり面(14a)を介して上記第1の可動部(17d)に駆動される第2の可動部(17c)とを有し、上記第1のすべり面(14b)は、上記エミッタ(1)の先端を通り、かつ、上記エミッタ(1)のイオン放出方向とほぼ直交する第1の直線を中心軸とする円筒面の一部を形成する形状の面であり、上記第2のすべり面(14a)は、上記第1の直線とほぼ直交する第2の直線を中心軸とする円筒面の一部を形成する形状の面であることを特徴とするガス電界電離イオン源装置。
  9.  請求項1から8のうちのいずれか一項に記載されたガス電界電離イオン源装置と、このガス電界電離イオン源装置からのイオンを加速し、集束して試料上に照射するレンズ系と、上記試料から放出される荷電粒子を検出する荷電粒子検出器とを備える走査荷電粒子顕微鏡。
  10.  請求項9に記載の走査荷電粒子顕微鏡において、上記ガス電界電離イオン源装置からのイオンは、ヘリウムイオンであることを特徴とする走査荷電粒子顕微鏡。
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