JPH0582061A - 液体金属イオン源のフラツシング制御装置 - Google Patents

液体金属イオン源のフラツシング制御装置

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JPH0582061A
JPH0582061A JP23930291A JP23930291A JPH0582061A JP H0582061 A JPH0582061 A JP H0582061A JP 23930291 A JP23930291 A JP 23930291A JP 23930291 A JP23930291 A JP 23930291A JP H0582061 A JPH0582061 A JP H0582061A
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JP
Japan
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emitter
current
temperature
heating
ion source
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JP23930291A
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English (en)
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Takeshi Onishi
毅 大西
Toru Ishitani
亨 石谷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】LMIS、該LMISのエミッターを加熱する
手段、該エミッターの温度を半導体のPN接合を利用し
た光素子(例えばフォト・トランジスタ)により非接触
で検出する手段、該温度検出手段からの温度情報をもと
に該加熱手段を制御して加熱温度及び加熱時間を制御す
る手段によりLMISのフラッシング制御装置を構成し
た。 【効果】本発明によれば、LMISの安定動作に必要不
可欠なフラッシングを簡便に確実に行うハードウエア
を、小型で安価に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体デバイスの断面
加工及び観察が可能な集束イオンビーム(Focused Ion
Beam:略してFIB)装置に係り、特に安定なビーム形
成に不可欠な液体金属イオン源(Liquid Meetal Ion Sou
rce:略してLMIS)の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、特開昭60−232651号
「液体金属イオン源」がある。明細書には、LMISのエ
ミッター近傍の温度を測定し、その測定温度と設定基準
温度との比較に基づきイオン化物質を加熱溶融する電源
を制御することにより、安定なイオンビームを発生する
イオン源が記載されている。
【0003】図4は該明細書に記載されている実施例の
説明図である。以下、動作を説明する。ヒーター50に
搭載されたイオン化物質52にエミッター51が挿入さ
れており、ヒーター50に加熱電源からの電流を供給す
るとイオン化物質52が溶融し、溶融状態でエミッター
先端に供給される。この状態で引出し電極55に引出し
電源59から負極性の高電圧を印加するとエミッター先
端からイオン54が放出される。真空壁58に設置され
た測定窓56を介して、エミッター先端近傍53から発
生した光を温度測定器57により検出し、電気信号に変
換する。変換された信号は、演算器63により、設定温
度に対応した基準電圧64と比較され、その差分信号は
光ファイバー62を通じて、加熱電源61に送られる。
この構成によると、エミッター先端近傍53の温度が設
定値になるように自動制御される。
【0004】この従来技術において、融点が高く、蒸気
圧の高いイオン材料「金」が安定にイオン化できたと報
告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術ではエミ
ッターの温度が高精度に設定できる利点がある。これに
より、融点が高く、蒸気圧の高い金のような物質であっ
ても、安定にイオン化できる。しかし、この開示資料に
は温度検出器の種類が明確には記述されていない。高精
度に温度を検出する測定器としては集光レンズとサーモ
パイルを組み合わせたもの(パイロメータ)が考えられ
るが、測定器の体積が大きく、コストも高いという欠点
がある。
【0006】本発明の課題は、ガリウム等の比較的低融
点で低蒸気圧のLMISに適用する目的で、主にフラッ
シング(後述)に限定してヒーター加熱回路を考え、体
積が小さく低コストの温度測定部を有するLMISの制
御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】LMIS、該LMISの
エミッターを加熱する手段、該エミッターの温度を半導
体のPN接合を利用した光素子(例えばフォト・トラン
ジスタ)により非接触で検出する手段、該温度検出手段
からの温度情報をもとに該加熱手段を制御して加熱温度
及び加熱時間を制御する手段によりLMISのフラッシ
ング制御装置を構成した。
【0008】
【作用】イオン材料として比較的融点が低く、蒸気圧も
低い物質を用いる場合、ビーム放出時のエミッター温度
は従来技術の金の場合のように、温度を必ずしも高精度
に設定する必要は無い。ガリウム(Ga)の場合は加熱し
なくとも常温でLMISの動作が可能である。また、一
度大気に触れたり長時間動作させたGa−LMISは溶融G
a表面の酸化膜等の不純物を除去する目的で、高温に一
定時間加熱するフラッシングという操作を行う必要があ
る。この操作は不純物が除去される温度(ガリウムの場
合600〜700℃)以上でイオン材料が多量に蒸発す
る温度以下にエミッター温度を制御すれば良く、高精度
の温度制御は必要無い。例えばガリウムの場合、700
〜1000℃程度に温度設定できれば十分である。
【0009】エミッター温度をある程度一定にする手法
として、ヒーターを定電流加熱する方法があるが、LM
ISの場合イオン材料の消費と共に電流とエミッター温
度の関係が変化するため、必ずエミッター温度をモニタ
ーして制御する手法が望ましい。従って、LMISのフ
ラッシングに限定してヒーター加熱回路を考えると、温
度をモニターする機能は必要であるが、そのモニター精
度はあまり必要では無いということになる。LMISの
エミッターは通常、後段の光学系で良好な集束特性が得
られるように引出し電極との距離が適正値に調整される
(引出し電圧が適正値になる)。従って、真空窓に固定
した光検出器側から見たエミッターの大きさは常に一定
である。つまり、光検出器に入る光のパワーを計測する
ことで実施例で説明するようにエミッターの温度が推定
できる。
【0010】以上の理由により、半導体のPN接合を利
用した光素子を利用しても十分に目的が達成できる。
【0011】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を説明す
る。図1は実施例のフラッシング制御回路の構成図であ
る。LMIS1のイオン材料にはガリウムを用いた。エ
ミッター2は通電により加熱される。エミッター2は従
来技術と同様、加速電圧となるため、絶縁トランス7に
より接地電位から浮かせる。絶縁トランス7は交流電源
10からスイッチ回路9及び電流制御回路8を介して駆
動される。電流制限回路8により絶縁トランス7の一次
電流が一定値に制御され、二次電流(ヒーター電流)を
定電流制御する。本実施例の場合、ヒーター電流がフラ
ッシング時に約4アンペアとなるようにした。エミッタ
ー2から放出する光はフォト・トランジスタ4により電
流に変換され、プリアンプ5により増幅及び電圧変換さ
れる。フォト・トランジスタは光−電流変換効率が高い
という特徴がある。半導体のPN接合を利用した光素子
としては、この他フォト・ダイオードがあり、変換効率
はフォト・トランジスタに劣るものの、ダイナミックレ
ンジが広いという特徴がある。図2は加熱制御回路6の
構成図である。加熱温度及び加熱時間(ON/OFF)はビ
ーム制御システム20(後述)から設定される。加熱温
度情報はD/Aコンバータ13により電圧信号となり、
プリアンプ5の出力(エミッターの温度情報を持つ)と
コンパレータ11により比較される。この情報をAND
ゲート12を介してスイッチ回路9を駆動する。AND
ゲート12はビーム制御システム20から見て、加熱の
許可機能を受け持っている。このように加熱制御回路6
はエミッター温度が設定値になるようにスイッチ回路9
を制御する。
【0012】ここで、フォト・トランジスタを利用した
温度計測が可能である理論的根拠を述べる。
【0013】表面積S,絶対温度Tの黒体から放射され
るエネルギーEは次式で記述できる。
【0014】 E=ρ(T4−T0 4)S …(数1) 但し、T0 は周囲温度、ρはボルツマン定数(5.67
3×10-12(W・cm-2・K-4))である。実施例で用い
たLMISのエミッタの光放出部は直径0.16mm,長
さ1.5mm のワイヤである。エミッタ温度を1000°
kとし、エミッターが黒体でないための補正係数を0.
45 とすると、放射エネルギーE(W)は E=5.673×10-12×(1000)4×π×0.016×0.15×0.45 =1.9×10-2(W) …(数2) エミッターから距離L(cm)離れた位置でのエネルギー
密度J(W・cm-2)は J=E/(4πL2) L=12cmとすると J=1.9×10-2/(4×π×122) =1.0×10-5(W・cm-2) 次に、このエネルギー密度で得られる光電流を求める。
【0015】フォト・トランジスタPT350の場合を
考える。このトランジスタの分光感度特性は800nm
にピークを持ち、FWHMは300nm(650nmか
ら950nm)である。これとタングステンからの分光
放射率を合わせて考えると、トランジスタの吸収できる
エネルギーは全エネルギーの約1/8となる。従って、
実質的なエネルギー密度Jeff は Jeff=1.0×10-5×1/8 =1.25×10-6(W・cm-2) …(数3) となる。
【0016】PT350において、放射照度Ee(W/
cm2)と光電流Ic(A)の関係は次式で表現できる。
【0017】 Ic=0.27Ee Ee=Jeff …(数4) とすると、 Ic=0.27×1.25×10-6 =3.4×10-7(A) PT350の暗電流は2nA(2×10-9A)程度である
から、このエミッタ温度は検出可能なレベルであること
が分かる。
【0018】図3は実施例で用いたFIB装置の構成図
である。この装置により、デバイスの断面を加工した
り、その断面が走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Micro
scope:略してSIM)像で観察できる。以下、構成を
簡単に説明する。
【0019】LMIS100 から放出したイオンはコンデンサ
ーレンズ101と対物レンズ107により試料112上
に集束する。ビーム加速電圧は30kVである。レンズ
間には可変アパーチャー102,アライナー・スティグ
マー103,ブランカー104,ブランキング・アパーチ
ャー105,デフレクター106が配置されている。試
料112はステージ108により移動できる。ステージ
はx,y,z,チルト,回転の5軸方向に制御される。
FIB照射により試料112から発生した二次電子は、
二次電子検出器109により検出・増幅され、偏向制御
と同期させることにより、コンピューターのCRT上に
SIM像として表示される。
【0020】このシステムにおいて、LMISの安定性
は加工制度に直接関与するため、前述のフラッシングを
簡便に、かつ確実に行う必要がある。本発明の構成によ
り、それを小型で安価に提供できる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、LMISの安定動作に
必要不可欠なフラッシングを簡便に確実に行うハードウ
エアを、小型で安価に提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のフラッシング制御回路の構成
図である。
【図2】本発明の実施例の加熱制御回路の構成図であ
る。
【図3】本発明の実施例で用いたFIB装置の構成図で
ある。
【図4】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…液体金属イオン源、2,51…エミッター、3…シ
ールド電極、4…フォト・トランジスタ、5…プリアン
プ(電流−電圧変換アンプ)、6…加熱制御回路、7…
絶縁トランス、8…電流制限回路、9…スイッチ回路、
10…交流電源、11…コンパレータ、12…ANDゲ
ート、13…D/Aコンバータ、20…ビーム制御シス
テム、21…イオン源制御部、22…コンピューター、
23…ステージ制御システム、50…ヒーター、52…
イオン化物質、53…エミッター先端近傍、54…イオ
ン、55…引出し電極、56…測定窓、57…温度測定
器、58…真空壁、59…引出し電源、60…加速電
源、61…加熱電源、62…光ファイバー、63…演算
器、64…基準電源。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体金属イオン源、該イオン源のエミッタ
    ーを加熱する手段、該エミッターの温度を半導体のPN
    接合を利用した光素子により非接触で検出する手段、該
    温度検出手段からの温度情報をもとに該加熱手段を制御
    して加熱温度及び加熱時間を制御する手段からなること
    を特徴とする液体金属イオン源のフラッシング制御装
    置。
  2. 【請求項2】該温度検出手段が赤外線領域に検出感度の
    ピーク値を有するフォト・トランジスタであることを特
    徴とする請求項1記載の液体金属イオン源のフラッシン
    グ制御装置。
JP23930291A 1991-09-19 1991-09-19 液体金属イオン源のフラツシング制御装置 Pending JPH0582061A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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