JPH08222176A - 集束イオンビーム加工方法および加工装置 - Google Patents

集束イオンビーム加工方法および加工装置

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JPH08222176A
JPH08222176A JP2894195A JP2894195A JPH08222176A JP H08222176 A JPH08222176 A JP H08222176A JP 2894195 A JP2894195 A JP 2894195A JP 2894195 A JP2894195 A JP 2894195A JP H08222176 A JPH08222176 A JP H08222176A
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JP
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ion
ion beam
secondary ions
electrode
emitted
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JP2894195A
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Michinobu Mizumura
通伸 水村
Yuichi Hamamura
有一 濱村
Akira Shimase
朗 嶋瀬
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体LSIやその製造用マスクのプロセス解
析、不良解析、パターン修正加工のために集束イオンビ
ームを用いて微細加工する際に、電気的絶縁物があって
も、熱電子による自動チャージアップ中和機構と、加工
表面から放出された二次イオンのエネルギーを選択的に
検出する機構とによって、電気的絶縁物の加工を位置ず
れすること無く正確に観察・加工できる集束イオンビー
ム加工方法と加工装置とを提供する。 【構成】集束イオンビーム1の照射された加工対象物1
2の表面のチャージアップを、加熱用ヒータ9と絶縁物
10を介して接続固定された熱電子放出電極11から放
出された中和電子13により自動的に中和し、加工表面
からの二次イオン14を、エネルギー選択メッシュ電極
7、8と、イオン−電子変換電極5と、シンチレータ4
と、ライトガイド3とによってエネルギー的に選択して
検出し、SIM像を観察する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集束イオンビーム加工
方法及び加工装置に係り、特に加工対象が電気的絶縁物
であっても表面が帯電することなく、鮮明にSIM像
(ScaninngIon Microscope像)が観察でき、微細加
工を行うのに好適な集束イオンビーム加工方法及び加工
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体LSIやその製造用マスク
の加工、マスクのプロセス解析、不良解析、パターン修
正加工等のために、イオン源から引き出したイオンビー
ムをイオン光学系により、ミクロンあるいはサブミクロ
ンオーダまでビーム径を集束させ、その集束イオンビー
ムのイオンの物理的衝撃によって直接加工を行ったり、
その衝撃に伴って加工面から放出される二次イオンの走
査像により加工面を観察することが行われている。
【0003】ほとんどの集束イオンビームで用いられて
いるイオンは正の電荷をもつ。加工対象物が電気的絶縁
物である場合には照射された領域に電荷が蓄積され、最
終的にはイオンの加速電圧にまでその領域の電圧が上昇
する(チャージアップ)。この結果、イオンビームはこ
の領域には照射できず、チャージアップのない周囲の領
域に位置ずれして正確な観察や加工ができないという問
題があった。
【0004】観察や加工精度を向上させるためには、こ
のようなチャージアップを防止することが必要であり、
これまでにも種々の提案がなされ、イオンビーム照射領
域に電子シャワーを浴びせて中和させることが行なわれ
ている。その代表的なものとして、フィラメントを直接
熱電子放出電極として用いたものがある。この場合、加
熱のために加熱電流による電位降下により、加工表面と
熱電子放出電極との電位差が数ボルト程度大きくなり、
正確な中和電流を供給することが困難である。
【0005】また、紫外線により電子を照射できる光電
陰極面を、イオン照射と同時に利用することが行われて
いる。イオン照射による加工表面からの二次荷電粒子は
電子とイオンであるが、二次電子の放出率の方がはるか
に高いにもかかわらず、中和のための電子が存在するた
めに二次イオンを検出せざるおえない。従って、二次電
子によるSIM像に比べ鮮明でない二次イオンによるS
IM像を観察せざるを得なかった。なお、この種の技術
に関連するものとして、例えば特開昭63−10454
号公報が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
第1の目的は従来の加熱電流による電位降下の影響を排
除して、正確な中和ができる改良された集束イオンビー
ム加工方法及び加工装置を提供することにある。これに
より、被加工物が電気的絶縁物であってもチャージアッ
プすることなく、イオンビームの照射位置ずれを防止し
て高精度に加工できる集束イオンビーム加工方法及び加
工装置が実現できる。
【0007】また、第2の目的は従来から検出感度が二
次電子に比べて著しく劣るものとされていた二次イオン
を検出信号としてSIM像を観察する場合においても、
二次電子を検出して観察する場合と実質的に同程度の鮮
明なSIM像が得られ、電気的絶縁物であっても、加工
領域を常に正確に観察しながら加工できる改良された集
束イオンビーム加工方法及び加工装置を提供することに
ある。
【0008】そして第3の目的はこれら第1及び第2の
目的を同時に達成することのできる改良された集束イオ
ンビーム加工方法及び加工装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明においては、加熱用ヒーターと熱電子
放出電極からなる電荷中和電子源を採用し、イオンビー
ムによるチャージアップを防ぐ構成とした。
【0010】さらに具体的にこの目的達成手段について
詳述すると、上記第1の目的は、集束イオンビームを
絶縁物試料に照射することによって照射領域を加工する
パターン形成工程と、集束イオンビームを照射するに
際し、少なくともイオン照射領域に電子シャワーを浴び
せて、イオン照射によって蓄積された電荷を中和する工
程と、イオン照射領域から放出される二次イオンを検
出してSIM像を観察する工程とを有して成る集束イオ
ンビーム加工方法において、のイオン照射によって蓄
積された電荷を中和する工程を、耐熱性と高熱伝導性と
を有する絶縁膜によって電気的に絶縁された加熱ヒータ
ーを加熱することにより、隣接する熱電子放出電極を加
熱して熱電子を放出させ、イオン照射領域に蓄積された
電荷を、試料のイオン照射領域と熱電子放出電極との間
に生じる電位差に応じて自動的に中和する工程として成
る集束イオンビーム加工方法によって、達成される。
【0011】また、上記目的は試料に集束イオンビー
ムを照射するイオンビーム照射光学系と、試料のイオ
ン照射領域に蓄積された電荷を電子シャワーを浴びせて
中和する手段と、イオン照射領域から放出される二次
イオンを検出してSIM像を観察する手段とを有して成
る集束イオンビーム加工装置において、のイオン照射
領域に蓄積された電荷を電子シャワーを浴びせて中和す
る手段を、加熱ヒーターと、この加熱ヒーターとは電気
的に絶縁された熱電子放出電極とを有する電荷中和電子
源で構成し、この電荷中和電子源により、試料のイオン
照射領域と熱電子放出電極との間に生じる電位差に応じ
て、イオン照射領域に蓄積された電荷を自動的に中和し
得る自動チャージアップ中和手段として成る集束イオン
ビーム加工装置によっても達成される。
【0012】自動チャージアップ中和手段の好ましい構
成としては、イオンビーム照射光学系の光路を中心軸と
して、その周囲に表面が絶縁膜によって被覆された環状
の加熱ヒーターと、この加熱ヒーターの絶縁膜を介し
て、試料面に対向し、しかも接地して配設された加熱ヒ
ーターと同心円状の環状の熱電子放出電極とで構成する
ことである。
【0013】次に、上記第2の目的を達成するために、
本発明においては、エネルギー選択メッシュとイオン−
電子変換電極とシンチレータとライトガイドからなる二
次イオン検出器を採用し、二次イオンによるSIM像の
コントラストと輝度を改善して鮮明なSIM像を得られ
る構成とした。すなわち、エネルギー選択メッシュとし
て、第1、第2の両メッシュ電極間の空間領域に二次イ
オンを引き込み、二次イオンの中からイオン照射領域に
おける試料の情報を持った特定エネルギーのイオン種を
選択的に第1のエネルギー選択メッシュ電極を通過させ
る構成とした。
【0014】さらに具体的にこの目的達成手段について
詳述すると、上記第2の目的は、集束イオンビームを
絶縁物試料に照射することによって照射領域を加工する
パターン形成工程と、集束イオンビームを照射するに
際し、少なくともイオン照射領域に電子シャワーを浴び
せて、イオン照射によって蓄積された電荷を中和する工
程と、イオン照射領域から放出される二次イオンを検
出してSIM像を観察する工程とを有して成る集束イオ
ンビーム加工方法において、のイオン照射領域から放
出される二次イオンを検出してSIM像を観察する工程
を、イオン照射領域から放出される荷電粒子の中からエ
ネルギー選択メッシュ電極を介して試料の情報をもった
特定の二次イオンを選択的に通過させる段階と、この選
択された二次イオンを加速し、イオン−電子変換電極に
衝突させて電子を放出させることにより、イオン照射領
域から放出された二次イオンを電子に増幅変換する段階
と、この増幅変換された電子を検出してSIM像として
観察する段階とによって構成して成る集束イオンビーム
加工方法により、達成される。
【0015】また、上記第2の目的は、試料に集束イ
オンビームを照射するイオンビーム照射光学系と、試
料のイオン照射領域に蓄積された電荷を電子シャワーを
浴びせて中和する手段と、イオン照射領域から放出さ
れる二次イオンを検出してSIM像を観察する手段とを
有して成る集束イオンビーム加工装置において、のイ
オン照射領域から放出される二次イオンを検出してSI
M像を観察する手段を、イオン照射領域から放出される
荷電粒子の中から試料の情報を持った特定の二次イオン
を選択的に通過させ得るエネルギー選択メッシュ電極
と、このエネルギー選択メッシュ電極により選択された
二次イオンを加速してターゲットに衝突させ電子を放出
させるイオン−電子変換電極と、この放出された電子を
検出してSIM像を観察する手段とにより構成して成る
集束イオンビーム加工装置によっても達成される。
【0016】また、イオン照射領域から放出される荷電
粒子の中から二次イオンを選択的に通過させ得るエネル
ギー選択メッシュ電極の好ましい構成例としては、二次
イオンを選択する第2のエネルギー選択メッシュ電極
と、この第2のエネルギー選択メッシュ電極との間に減
速電界を発生させ、イオン照射領域の試料の情報を持っ
た特定エネルギーのイオン種を選択的に通過させる第1
のエネルギー選択メッシュ電極とで構成することであ
る。
【0017】さらにまた、イオン−電子変換電極から放
出される電子の検出手段の好ましい構成例としては、電
子を光に変換するシンチレータと、光を光検出器まで伝
送するライトガイドとで構成し、試料加工表面の凹凸の
二次イオンの検出信号を増幅してSIM像のコントラス
トと輝度を上げるように構成することである。ライトガ
イドとしては、環状のライトガイドで構成することが好
ましい。
【0018】そして第3の目的は、上記第1と第2の目
的達成手段の組合せ、すなわち、のイオン照射によっ
て蓄積された電荷を中和する工程を、耐熱性と高熱伝導
性とを有する絶縁膜によって電気的に絶縁された加熱ヒ
ーターを加熱することにより、隣接する熱電子放出電極
を加熱して熱電子を放出させ、イオン照射領域に蓄積さ
れた電荷を、試料のイオン照射領域と熱電子放出電極と
の間に生じる電位差に応じて自動的に中和する工程とす
ると共に、のイオン照射領域から放出される二次イオ
ンを検出してSIM像を観察する工程を、イオン照射領
域から放出される荷電粒子の中からエネルギー選択メッ
シュ電極を介して試料の情報をもった特定の二次イオン
を選択的に通過させる段階と、この選択された二次イオ
ンを加速し、イオン−電子変換電極に衝突させて電子を
放出させることにより、イオン照射領域から放出された
二次イオンを電子に増幅変換する段階と、この増幅変換
された電子を検出してSIM像として観察する段階とに
よって構成して成る集束イオンビーム加工方法により、
達成される。
【0019】また、上記第3の目的は、のイオン照射
領域に蓄積された電荷を電子シャワーを浴びせて中和す
る手段を、加熱ヒーターと、この加熱ヒーターとは電気
的に絶縁された熱電子放出電極とを有する電荷中和電子
源で構成し、この電荷中和電子源により、試料のイオン
照射領域と熱電子放出電極との間に生じる電位差に応じ
て、イオン照射領域に蓄積された電荷を自動的に中和し
得る自動チャージアップ中和手段とすると共に、のイ
オン照射領域から放出される二次イオンを検出してSI
M像を観察する手段を、イオン照射領域から放出される
荷電粒子の中から試料の情報を持った特定の二次イオン
を選択的に通過させ得るエネルギー選択メッシュ電極
と、このエネルギー選択メッシュ電極により選択された
二次イオンを加速してターゲットに衝突させ電子を放出
させるイオン−電子変換電極と、この放出された電子を
検出してSIM像を観察する手段とにより構成して成る
集束イオンビーム加工装置によっても、達成される。
【0020】
【作用】電気的絶縁物の加工対象物に照射されたイオン
は電荷の流れる道、すなわち電気回路でいう電線にあた
るものがないために、照射された領域に滞在しつづけ
る。その結果、正の電荷が蓄積されその領域の電圧が上
昇する。加工対象物に対面して設けられた熱電子放出電
極は、電流の流れるヒーターにより加熱されて熱電子を
放出し始める。熱電子は、1eV以下の低いエネルギー
であるため、チャージアップした領域の微小な電圧の上
昇に対しても、敏感に反応して中和を自動的に行うこと
ができる。また、加熱用のヒーターとは電気的に絶縁さ
れた熱電子放出電極を用いることにより、加熱電流によ
る電圧降下の影響を受けないために従来に比べ正確な中
和ができる。
【0021】また、二次イオンの補集には、第1及び第
2の2枚のエネルギー選択メッシュ電極を採用すること
により、二次電子に比べて少ない二次イオンでも加工対
象物の表面の凹凸の検出信号のコントラストを、二次電
子で検出する場合と同程度に上げることができる。
【0022】エネルギー選択メッシュ電極の作用につい
て説明すると、第2のエネルギー選択メッシュ電極に
は、負の電圧V2が印加されており、イオン照射領域か
ら放出される二次荷電粒子の中から二次イオン(陽イオ
ン)だけを選択的に捕集する。そして、第1のエネルギ
ー選択メッシュ電極では、捕集した二次イオンの中から
試料表面の情報を持つ特定の二次イオンのみを選択的に
通過させる。
【0023】この第1のエネルギー選択メッシュ電極に
印加される負の電圧V1は、その絶対値が第2のエネル
ギー選択メッシュ電極に印加される電圧V2よりも小さ
く設定され、これら両メッシュ電極間には電位差ΔV=
(V2−V1)を生じさせ、捕集した二次イオンを減速さ
せる。例えばV2を−1kVとした時、V1を−0.8k
Vに設定する。それによって、これら2枚のエネルギー
選択メッシュ電極間の空間領域に二次イオンは引き込ま
れる。つまり、エネルギー選択メッシュ電極の機能は、
試料表面の凹凸情報を持つ特定の二次イオンのみを選択
的に通過させることにある。
【0024】イオン−電子変換電極(イオンを衝突させ
るターゲット電極)の作用は、エネルギー選択メッシュ
電極で選択的に通過した二次イオンが加速されて衝突す
ることにより二次電子を放出すること、すなわち、イオ
ンビーム照射領域から放出された二次イオンを電子に変
換する作用を有する。二次イオンの加速は、イオン−電
子変換電極に第1のエネルギー選択メッシュ電極V1
りもさらに大きな負の電圧V3を印加し、これら両電極
間に電位差ΔV0=(V3−V1)を生じさせることによ
って行なわれる。
【0025】本発明の二次イオン検出手段は、試料面か
ら放出された二次イオンをイオン−電子変換電極によっ
て電子に変換して検出するものであり、電子への変換効
率が高い(1個のイオンで数十個の電子を放出する)こ
とから検出信号強度を増幅する作用を有する。さらにこ
の変換された電子を検出する手段として、シンチレータ
とライトガイドとを採用することにより、この信号レベ
ルを増幅して鮮明なSIM像を得ることができる。
【0026】このようにチャージアップ防止手段として
の中和機構と、高感度の二次イオン検出機構とを採用し
た本発明の集束イオンビーム加工方法及び加工装置によ
り、電気的絶縁物を正確に観察、加工することができる
ようになった。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にしたがって
説明する。 (1)装置構成の説明 図1は、熱電子による自動チャージアップ中和機構(自
動的に電子シャワーを浴びせてイオンビーム照射領域の
プラス電荷を中和する手段の総称)と、エネルギー選択
メッシュおよびイオン−電子変換電極を用いた二次イオ
ン検出機構を採用した集束イオンビーム加工装置の構成
の概略を示した断面図である。
【0028】同図において、1は集束イオンビーム、2
はイオンビームコラム、3は環状のライトガイド、4は
シンチレータ、5はイオン−電子変換電極で、例えばア
ルミ等の金属からなる環状電極、6はテフロン等の耐熱
性有機絶縁物、7は第1エネルギー選択メッシュ電極
(例えば環状のステンレス製メッシュ電極)、8は第2
エネルギー選択メッシュ電極(例えば環状のステンレス
製メッシュ電極)、9は加熱用ヒーター、10は加熱用
ヒーター9の表面を覆う耐熱性、高熱伝導性の絶縁物
(例えば、アルミナAl23、ムライト3Al23・2
SiO2、炭化珪素SiC、窒化ホウ素BN、窒化珪素
Si34、窒化アルミAlN等の無機絶縁物)、11は
熱電子放出電極(例えばタングステン等の仕事関数の小
さな電子放射材)である。また、12は加工対象物(ガ
ラス等の絶縁物)、13は中和電子、14は加工対象物
からの二次イオン、15はイオン−電子変換電極5から
の二次電子である。
【0029】図示のように、装置を構成する各要素は集
束イオンビーム1の光学系を中心軸として、それを取り
巻くように円筒状、もしくは環状構造を有しており、試
料台18に保持された加工対象物12の上方に位置する
イオンビームコラム2の一端に、自動チャージアップ中
和機構を構成する熱電子放出電極11及び絶縁物10を
介して接続、固定された加熱用ヒーター9が配設されて
いる。加熱用ヒーター9の構成については、この後の図
2で詳細に説明する。
【0030】さらに、この中和機構の外周部にイオン−
電子変換電極5を用いた二次イオン検出機構の一部を構
成する第1及び第2エネルギー選択メッシュ電極7、8
が互いに対向し所定の間隔(5mm)を置いて配設され
ている。そしてメッシュ電極7、8には、図示されてい
ない電源に接続されて負の異なる電圧V1(例えば−
0.8kV)、V2(例えば−1kVボルト)がそれぞ
れ印加され、電位差(ΔV=V2−V1=−0.2kV)
が生じるように構成されている。イオン−電子変換電極
5にも、図示されていない電源に接続されて負の電圧V
3(例えば−10kV)が印加され、メッシュ電極7と
の間に電位差(ΔV0=V3−V1=−9.8kV)が生
じるように構成されている。
【0031】(2)装置の動作説明 先ず、図1を用いて本発明装置の動作を説明する。液体
金属イオン源(例えばガリウム金属イオン源)やプラズ
マイオン源(例えばアルゴンガスイオン源)から引き出
されたイオンがイオン光学系により集束され、集束イオ
ンビーム1となって、イオンビームコラム2から加工対
象物12に向かって照射される。
【0032】加工対象物2の表面に達した集束イオンビ
ーム1は、加工対象物12の表面を物理的衝撃によって
加工する。その際、加工部分から二次的な荷電粒子であ
る二次イオン14が放出される(二次電子も放出される
が、ここでは説明を省略)。
【0033】放出された二次イオン14は、負の電圧V
2が印加された第2エネルギー選択メッシュ電極8によ
り加速され、第1エネルギー選択メッシュ電極7および
第2エネルギー選択メッシュ電極8間に引き込まれる。
【0034】この2電極7、8間の領域でエネルギー選
択が行われ、選択された二次イオン14は第1エネルギ
ー選択メッシュ電極7を通過する。通過後、さらにメッ
シュ電極7との間に生じる電位差(ΔV0=V3−V1
に基づく電界により加速された二次イオン14はイオン
−電子変換電極5に衝突して、二次イオン14に対して
一定の割合で数個の二次電子15に変換される。この増
幅作用によって少ない二次イオン14でも鮮明なSIM
像が得られる。
【0035】ところで、加工対象物12が、例えばLS
I、さらにはVLSI製造用の石英ガラスマスクのごと
き絶縁物である場合、ガラス面をイオンビーム照射によ
りエッチング加工した時、照射したイオンビーム1のイ
オンは、正の電荷として加工部(イオン照射領域)に蓄
積され、チャージアップ現象を引き起こす。
【0036】この結果、加工部の電圧が上昇して集束イ
オンビーム1の照射位置がずれを起こしたり、加工対象
物12が絶縁破壊してしまう等の問題が起こる。そこ
で、本発明の装置では加熱用ヒーター9により熱電子放
出電極11を加熱して中和電子13を放出させ、加工対
象物12の表面に蓄積した電荷を自動的に中和して、加
工位置ずれや加工対象物12の電気的破壊を防止する。
【0037】さらに、図2及び図3を用いてチャージア
ップ中和機構の詳細を、図4〜図6を用いてSIM像の
コントラスト改善機構の詳細をそれぞれ説明する。
【0038】(3)チャージアップ中和機構の詳細説明 図2は、図1の要部を模式的に示した部分拡大断面図で
あり、図中の16は加工対象物からの二次電子、17は
集束イオンビームによる蓄積したイオンを示している。
【0039】図2に示したように、集束イオンビーム1
により絶縁物の加工対象物12に流れ込む電流Ii1
は、電気的に閉回路でないために、集束イオンビーム1
の照射後に電荷として照射領域に蓄積され、表面電位の
上昇の結果、流れなくなる。このチャージアップ現象を
防止するためには、蓄積イオンの電荷と逆極性の電荷、
すなわち電子により中和すればよい。基本的な中和する
ための条件は、集束イオンビーム1の電流Ii1の大き
さと、中和電子13による中和熱電子電流Ie1の大き
さが同じになることである。しかし、集束イオンビーム
の照射による二次荷電粒子による電流として、Ii2
(二次イオン)とIe2(二次電子)が加わるので、次
式(1)を満足させる必要がある。
【0040】
【数1】
【0041】Ii2とIe2は照射位置や表面の加工状
態により、常に異なることが問題となる。そこで、本発
明装置では加熱電流によって加熱ヒーター9を駆動し
て、接地した熱電子放出電極11を熱電子(図中に中和
電子13として表示)が放出されるまで加熱する。
【0042】図3は、熱電子放出電極11をタングステ
ンで形成し、1600Kに加熱したときの加工表面と熱
電子放出電極11との電位差を横軸に、熱電子放出電流
密度を縦軸に示した特性曲線図である。図示のように、
リチャードソン・ダッシュマンの式から熱電子放出電流
密度は約7.5×10-7A/cm2となるから、集束イ
オンビーム1の電流Ii1(図2に表示)が1nAであ
れば、直径0.05cmの熱電子放出電極11で熱電子
電流としては十分である。チャージアップによって加工
部分の電圧が上昇し始めると、図の横軸に示した加工対
象物12の加工表面と熱電子放出電極11との電位差が
大きくなり、熱電子放出電流Ie1(図2に表示した中
和熱電子電流)は上昇し始める。そして、式(1)が満
足されるまで、Ie1が上昇して加工表面と熱電子放出
電極との電位差が約0.5V以内で自動的に中和が行わ
れる。
【0043】従来の一般的なフィラメントを直接熱電子
放出電極11に用いると、加熱のための加熱電流による
電位降下により、加工対象物12の加工表面と熱電子放
出電極11との電位差が数ボルト程度大きくなり、正確
な中和電流を供給することができないが、本発明装置で
は加熱ヒーター9と熱電子放出電極11とは耐熱性で高
熱伝導性の絶縁物10により電気的に絶縁されているた
め、加熱電流による電位降下がなく正確に中和電流を供
給することができる。
【0044】(4)SIM像のコントラスト改善機構の
詳細説明 次に、SIM像のコントラスト改善機構について説明す
る。文献:日本電子顕微鏡学会関東支部編、共立出版発
行、第26頁〜第29頁(1976年)の「走査電子顕
微鏡の基礎と応用」によれば、SIM像のコントラスト
の成因は傾斜効果、加速電圧効果、原子番号効果などが
挙げられる。しかし、ほとんどは加工対象物12の表面
の凹凸に関係する傾斜効果と原子番号効果の影響が大き
い。この傾斜効果は、集束イオンビーム1の加工対象物
12の表面への入射角度が直角よりも小さくなるほど、
二次荷電粒子の発生量が多くなることである。
【0045】図4は、加工表面における集束イオンビー
ム1の照射面(加工表面)の凹凸による二次イオン14
の放出の様子を模式的に示した断面図である。図に示す
ように、集束イオンビーム1が照射表面に対して直角に
入射した場合をA、直角でない場合をBとする。また、
図5に照射面の拡大図を示す。集束イオンビーム1の光
軸をZ軸とし、X軸に対して照射面の傾きをθとする。
この時の集束イオンビーム1の進入深さをPとすると、
内部で発生した二次荷電粒子が照射表面に到達する最短
距離はPcosθとなる。従って、この距離が短くなれ
ば、すなわち角度θが90°に近づくほど表面に到達す
るまでに失われる二次荷電粒子が少なり、表面から放出
される二次荷電粒子は多くなる。
【0046】ここでθが0°の時(照射表面に直角にイ
オンビーム1が入射した時、すなわち、図4のAの状態
に相当)、表面から放射される二次荷電粒子総数を1と
すると、二次荷電粒子総数N(θ)は簡単に次式(2)
になると仮定する。
【0047】
【数2】
【0048】従来、SIM像を得る場合、二次荷電粒子
のうち、電子かイオンのいづれかを電界により選択し
て、放出された全ての電子あるいはイオンを検出してい
た。よって、二次電子あるいは二次イオンの粒子数は式
(2)により、図4のBに示したように直角でない場合
の方が多いことから、照射面の傾きの違いによる粒子数
の差を表面の凹凸情報として用いてきた。しかし、照射
面の傾きが大きく違わない場合は、その凹凸がわかりに
くくコントラストが悪いことになる。ここで、二次荷電
粒子が最短距離Pcosθの延長線と表面との交点Cの
一点から放出され、同じ大きさの運動エネルギ−を持っ
ているとし、各二次荷電粒子の表面との放出角をθ’と
する。文献:「スパタリング現象 基礎と薄膜・コーテ
ィング技術への応用」、金原著、東大出版会発行、第2
7頁〜第29頁(1984年)によれば、交点Cから放
出される二次荷電粒子数の角度分布はsinθ’に比例
する。従って、放出角度θ’に対する二次荷電粒子数
N’(θ’)は次式(3)となる。
【0049】
【数3】
【0050】本発明の装置では、図2に示したように第
2エネルギー選択メッシュ電極8の電圧V2が正極性で
あると二次電子、負極性であると二次イオンを選択して
第1エネルギー選択メッシュ電極7(V2と異なる電圧
1が印加されている)と第2エネルギー選択メッシュ
電極8間に引き込む。ここで二次荷電粒子の速度方向を
X方向とZ方向に分けて考えると、二次荷電粒子の運動
エネルギーの大きさを1とおいた場合、角度θとθ’に
対するZ方向の運動エネルギーE(θ、θ’)は次式
(4)となる。
【0051】
【数4】
【0052】第2エネルギー選択メッシュ電極8で二次
電子あるいは二次イオンに選択された二次荷電粒子は、
Z方向の運動エネルギーとして、選択のための加速エネ
ルギーEacc(メッシュ電極8による加速エネルギ
ー)が加わっているので次式(5)を満足している。
【0053】
【数5】
【0054】さらに第1エネルギー選択メッシュ電極7
と第2エネルギー選択メッシュ電極8と間に引き込まれ
た二次荷電粒子は、この間の減速電界(電位差ΔV=V
2−V1による)によりEdec(メッシュ電極7による
減速エネルギー)が引かれて運動エネルギーは次式
(6)となる。
【0055】
【数6】
【0056】すなわち、式(6)の運動エネルギーE
(θ、θ’)が負になったものは、第1エネルギー選択
メッシュ電極7を通過することができず、正の運動エネ
ルギーの二次荷電粒子のみが通過して検出されることに
なる。
【0057】図6は集束イオンビームの照射面(加工表
面)の傾斜角度0°に対するSIM像のコントラストの
傾斜角依存性を示した特性図である。すなわち、二次荷
電粒子の放出時の運動エネルギーの大きさに対して、放
出時のZ方向の運動エネルギーE(θ、θ’)の大きさ
の40%(曲線で表示)、50%(曲線で表示)、
80%(曲線で表示)、90%以上(曲線で表示)
のもののみ、第1エネルギー選択メッシュ電極7を通過
させた場合の照射面(加工表面)の傾斜角度0°のとき
の通過粒子数と傾斜角度0°以上のときの通過粒子数の
比(コントラスト)を示した。
【0058】図示のように80%、90%を通過させる
と従来のエネルギー選択をしない方式(曲線で表示)
とほぼ同じコントラストしか得られないが、50%(曲
線)では30°で1.4倍、60°で1.8倍のコン
トラストが得られる。このように50%のエネルギー選
択をした場合には、検出される二次荷電粒子数の総数は
減少するが、照射面の傾きに対してコントラストが敏感
に反応して、SIM像により表面の凹凸情報が正確に得
られる。
【0059】さらに本発明ではコントラスト増加に伴う
検出感度減少に対して、図1に示したようにイオン−電
子変換電極5により、選択された二次イオンを二次電子
15に変換する際の増幅作用と、ライトガイド3による
光検出器までの効率の良い光伝送により、感度減少分を
補正してSIM像観察に十分な輝度を得ている。
【0060】なお、熱電子放出電極11と第2エネルギ
ー選択メッシュ電極8との幾何学的配置によっては、加
工対象物12から放出された二次イオンのZ方向の運動
エネルギーのみを独立して、加速することはできない。
そのため、同時にX方向の運動エネルギーをも加速する
可能性があるが、第1エネルギー選択メッシュ電極7と
第2エネルギー選択メッシュ電極8間の減速電界がZ方
向のみに加えられていれば、実施例に記載したエネルギ
ーを選択して検出する方法は問題なく利用することがで
きる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により所期
の目的を達成することができた。すなわち、本発明によ
ればチャージアップにともなう加工表面部の電圧上昇に
より自動的に熱電子を放出して中和する機構(自動チャ
ージアップ中和機構)を採用しているので、加工表面の
チャージアップによる集束イオンビームの照射位置ずれ
を防止して電気的絶縁物のSIM像を常に正確に観察で
き、高精度に加工できるようになった。
【0062】また、本発明によれば二次イオンのエネル
ギー選択検出とイオン−電子変換検出機構(SIM像の
コントラスト改善機構)を採用しているので、加工表面
の傾斜角度に対するコントラストを上げることができて
加工表面の凹凸情報を正確に検出し鮮明なSIM像が得
られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すチャージアップ中和機
構と二次イオン検出機構を用いた集束イオンビーム加工
装置の要部断面図。
【図2】本発明のチャージアップ中和機構の構造を示す
要部断面拡大図。
【図3】タングステンの熱電子放出電極を1600Kに
加熱したときの加工表面と熱電子放出電極との電位差に
対する熱電子放出電流密度を示す特性図。
【図4】加工表面での集束イオンビームの照射面(加工
表面)の凹凸による二次イオン放出の様子を示す断面
図。
【図5】集束イオンビームの照射面(加工表面)から放
出される二次イオンの放出される角度分布を示す図。
【図6】集束イオンビームの照射面(加工表面)の傾斜
角度0°に対するSIM像のコントラストの傾斜角度依
存性を示す特性図。
【符号の説明】
1…集束イオンビーム、 2…イオンビームコラム、 3…ライトガイド、 4…シンチレータ、 5…イオン−電子変換電極、 6…絶縁物、 7…第1エネルギー選択メッシュ電極、 8…第2エネルギー選択メッシュ電極、 9…加熱用ヒーター、 10…耐熱性、高熱伝導性の絶縁物、 11…熱電子放出電極、 12…加工対象物、 13…中和電子、 14…二次イオン、 15、16…二次電子、 17…集束イオンビームによる蓄積イオン、 18…試料台。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集束イオンビームを絶縁物試料に照射す
    ることによって照射領域を加工するパターン形成工程
    と、集束イオンビームを照射するに際し、少なくとも
    イオン照射領域に電子シャワーを浴びせて、イオン照射
    によって蓄積された電荷を中和する工程と、イオン照
    射領域から放出される二次イオンを検出してSIM像を
    観察する工程とを有して成る集束イオンビーム加工方法
    において、のイオン照射によって蓄積された電荷を中
    和する工程を、耐熱性と高熱伝導性とを有する絶縁膜に
    よって電気的に絶縁された加熱ヒーターを加熱すること
    により、隣接する熱電子放出電極を加熱して熱電子を放
    出させ、イオン照射領域に蓄積された電荷を、試料のイ
    オン照射領域と熱電子放出電極との間に生じる電位差に
    応じて自動的に中和する工程として成る集束イオンビー
    ム加工方法。
  2. 【請求項2】集束イオンビームを絶縁物試料に照射す
    ることによって照射領域を加工するパターン形成工程
    と、集束イオンビームを照射するに際し、少なくとも
    イオン照射領域に電子シャワーを浴びせて、イオン照射
    によって蓄積された電荷を中和する工程と、イオン照
    射領域から放出される二次イオンを検出してSIM像を
    観察する工程とを有して成る集束イオンビーム加工方法
    において、のイオン照射領域から放出される二次イオ
    ンを検出してSIM像を観察する工程を、イオン照射領
    域から放出される荷電粒子の中からエネルギー選択メッ
    シュ電極を介して試料の情報をもった特定の二次イオン
    を選択的に通過させる段階と、この選択された二次イオ
    ンを加速し、イオン−電子変換電極に衝突させて電子を
    放出させることにより、イオン照射領域から放出された
    二次イオンを電子に増幅変換する段階と、この増幅変換
    された電子を検出してSIM像として観察する段階とに
    よって構成して成る集束イオンビーム加工方法。
  3. 【請求項3】集束イオンビームを絶縁物試料に照射す
    ることによって照射領域を加工するパターン形成工程
    と、集束イオンビームを照射するに際し、少なくとも
    イオン照射領域に電子シャワーを浴びせて、イオン照射
    によって蓄積された電荷を中和する工程と、イオン照
    射領域から放出される二次イオンを検出してSIM像を
    観察する工程とを有して成る集束イオンビーム加工方法
    において、のイオン照射によって蓄積された電荷を中
    和する工程を、耐熱性と高熱伝導性とを有する絶縁膜に
    よって電気的に絶縁された加熱ヒーターを加熱すること
    により、隣接する熱電子放出電極を加熱して熱電子を放
    出させ、イオン照射領域に蓄積された電荷を、試料のイ
    オン照射領域と熱電子放出電極との間に生じる電位差に
    応じて自動的に中和する工程とすると共に、のイオン
    照射領域から放出される二次イオンを検出してSIM像
    を観察する工程を、イオン照射領域から放出される荷電
    粒子の中からエネルギー選択メッシュ電極を介して試料
    の情報をもった特定の二次イオンを選択的に通過させる
    段階と、この選択された二次イオンを加速し、イオン−
    電子変換電極に衝突させて電子を放出させることによ
    り、イオン照射領域から放出された二次イオンを電子に
    増幅変換する段階と、この増幅変換された電子を検出し
    てSIM像として観察する段階とによって構成して成る
    集束イオンビーム加工方法。
  4. 【請求項4】試料に集束イオンビームを照射するイオ
    ンビーム照射光学系と、試料のイオン照射領域に蓄積
    された電荷を電子シャワーを浴びせて中和する手段と、
    イオン照射領域から放出される二次イオンを検出して
    SIM像を観察する手段とを有して成る集束イオンビー
    ム加工装置において、のイオン照射領域に蓄積された
    電荷を電子シャワーを浴びせて中和する手段を、加熱ヒ
    ーターと、この加熱ヒーターとは電気的に絶縁された熱
    電子放出電極とを有する電荷中和電子源で構成し、この
    電荷中和電子源により、試料のイオン照射領域と熱電子
    放出電極との間に生じる電位差に応じて、イオン照射領
    域に蓄積された電荷を自動的に中和し得る自動チャージ
    アップ中和手段として成る集束イオンビーム加工装置。
  5. 【請求項5】試料に集束イオンビームを照射するイオ
    ンビーム照射光学系と、試料のイオン照射領域に蓄積
    された電荷を電子シャワーを浴びせて中和する手段と、
    イオン照射領域から放出される二次イオンを検出して
    SIM像を観察する手段とを有して成る集束イオンビー
    ム加工装置において、のイオン照射領域から放出され
    る二次イオンを検出してSIM像を観察する手段を、イ
    オン照射領域から放出される荷電粒子の中から試料の情
    報を持った特定の二次イオンを選択的に通過させ得るエ
    ネルギー選択メッシュ電極と、このエネルギー選択メッ
    シュ電極により選択された二次イオンを加速してターゲ
    ットに衝突させ電子を放出させるイオン−電子変換電極
    と、この放出された電子を検出してSIM像を観察する
    手段とにより構成して成る集束イオンビーム加工装置。
  6. 【請求項6】試料に集束イオンビームを照射するイオ
    ンビーム照射光学系と、試料のイオン照射領域に蓄積
    された電荷を電子シャワーを浴びせて中和する手段と、
    イオン照射領域から放出される二次イオンを検出して
    SIM像を観察する手段とを有して成る集束イオンビー
    ム加工装置において、のイオン照射領域に蓄積された
    電荷を電子シャワーを浴びせて中和する手段を、加熱ヒ
    ーターと、この加熱ヒーターとは電気的に絶縁された熱
    電子放出電極とを有する電荷中和電子源で構成し、この
    電荷中和電子源により、試料のイオン照射領域と熱電子
    放出電極との間に生じる電位差に応じて、イオン照射領
    域に蓄積された電荷を自動的に中和し得る自動チャージ
    アップ中和手段とすると共に、のイオン照射領域から
    放出される二次イオンを検出してSIM像を観察する手
    段を、イオン照射領域から放出される荷電粒子の中から
    試料の情報を持った特定の二次イオンを選択的に通過さ
    せ得るエネルギー選択メッシュ電極と、このエネルギー
    選択メッシュ電極により選択された二次イオンを加速し
    てターゲットに衝突させ電子を放出させるイオン−電子
    変換電極と、この放出された電子を検出してSIM像を
    観察する手段とにより構成して成る集束イオンビーム加
    工装置。
  7. 【請求項7】自動チャージアップ中和手段を、イオンビ
    ーム照射光学系の光路を中心軸として、その周囲に表面
    が絶縁膜によって被覆された環状の加熱ヒーターと、こ
    の加熱ヒーターの絶縁膜を介して、試料面に対向し、し
    かも接地して配設された加熱ヒーターと同心円状の環状
    の熱電子放出電極とで構成して成る請求項4もしくは6
    記載の集束イオンビーム加工装置。
  8. 【請求項8】イオン照射領域から放出される荷電粒子の
    中から二次イオンを選択的に通過させ得るエネルギー選
    択メッシュ電極を、二次イオンを選択する第2のエネル
    ギー選択メッシュ電極と、この第2のエネルギー選択メ
    ッシュ電極との間に減速電界を発生させ、イオン照射領
    域の試料の情報を持った特定エネルギーのイオン種を選
    択的に通過させる第1のエネルギー選択メッシュ電極と
    で構成して成る請求項5もしくは6記載の集束イオンビ
    ーム加工装置。
  9. 【請求項9】イオン−電子変換電極から放出される電子
    の検出手段を、電子を光に変換するシンチレータと、光
    を光検出器まで伝送するライトガイドとで構成し、試料
    加工表面の凹凸の二次イオンの検出信号を増幅してSI
    M像のコントラストと輝度を上げるように構成して成る
    請求項4乃至8いずれか一つに記載の集束イオンビーム
    加工装置。
  10. 【請求項10】イオン−電子変換電極から放出される電
    子の検出手段を、電子を光に変換するシンチレータと、
    光を光検出器まで伝送する環状のライトガイドとで構成
    し、試料加工表面の凹凸の二次イオンの検出信号を増幅
    してSIM像のコントラストと輝度を上げるように構成
    して成る請求項4乃至8いずれか一つに記載の集束イオ
    ンビーム加工装置。
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