JPH0696712A - 集束イオンビーム装置 - Google Patents

集束イオンビーム装置

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JPH0696712A
JPH0696712A JP4244337A JP24433792A JPH0696712A JP H0696712 A JPH0696712 A JP H0696712A JP 4244337 A JP4244337 A JP 4244337A JP 24433792 A JP24433792 A JP 24433792A JP H0696712 A JPH0696712 A JP H0696712A
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ion beam
secondary particles
fib
sample
secondary particle
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JP4244337A
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Fumiko Arakawa
史子 荒川
Hiroshi Doi
紘 土井
Michiro Mamada
道郎 儘田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 FIBにおいて、元素分析及び構造解析を行
なう。加工精度を向上する。 【構成】 FIBにおいて、実質的に2個以上の2次粒
子検出器を設け、2次粒子の放出径路を偏向させる手段
を備える。 【効果】 2種類以上の元素を検出できる。2次粒子を
偏向させることにより、元素の選択性を向上できる。元
素分析及び構成解析により、加工精度を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路装置の
不良解析に使用される装置に関し、特に、集束イオンビ
ーム装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置の高集積化、微細化
に伴い、最小加工寸法は、0.5μm以下になってきて
いる。このため、半導体集積回路装置の不良解析を行な
うために、集束イオンビーム(FIB:ocused on
eam)装置(以下、FIBという)が使用されてい
る。FIBを用いることにより、0.5μm以下の微細
領域の断面加工を行なうことができる。FIB装置に関
しては、例えば、(1)K.Nikawa et al.;New appli
cations of focused ion beam technique to failure a
nalysis and process monitoring of VLSI ; 27th
annual proceedings of International Reliability
Physics Symposium ,P43(1989)、(2)穴
澤 紀道、相原 龍三:応用物理53(1984)19
3、に記載されている。
【0003】前記文献に記載されているように、FIB
では、イオンガン(イオン銃)から発射されるイオンビ
ームを、集束、偏向させて、試料に照射する。イオン源
としては、ガリウムが用いられる。試料にガリウムイオ
ンビームを照射することにより、試料表面がスパッタエ
ッチングされる。イオンビームのビーム径は、50乃至
500nm程度である。このように、試料表面をスパッタ
エッチングすることにより、試料表面から2次粒子が放
出される。前記FIBには、この放出された2次粒子を
検出する2次粒子検出器が実質的に1個組込まれてい
る。この2次粒子検出器を用いて、放出される2次粒子
のうち2次電子と負の2次イオンまたは正の2次イオン
のいずれかを検出できるので、ドーズ量と2次粒子の強
度をグラフ化することにより、素子構造が単純な3次元
構造(例えば照射領域でx方向、y方向が一様でz方向
のみ異なるアルミニウムとケイ素が積層構造)をもつ試
料で、下地を露出させたい時に、加工時の終点判定を行
なうことができる。
【0004】また、このFIBには、走査型イオン顕微
鏡(SIM:canning on icroscope:以下、S
IMという)機能が備えられている。SIM像は、前記
FIBのイオンビームを照射することにより放出される
2次電子を、前記検出器により検出し、この検出された
2次電子による画像を作成するものである。前記FIB
では、前記イオンガン、検出器の夫々を、FIB時とS
IM時で切り換えて使用し、2次イオンの強度測定、2
次電子によるSIM像の作成を別々に行なっている。
【0005】以下に、FIBを用いた不良解析の方法を
説明する。
【0006】まず、FIBに内蔵されるSIM機能によ
り、ビームを細く絞って、試料表面の形状を観察する。
この後、電流を多くした(ビームは太くなる)イオンビ
ームを、希望する断面が露出するように、その断面の前
方の領域をX方向、Y方向に走査させて、この領域を除
去する。この際、試料の2次元構造(x方向、y方向)
が一様で、3次元で深さのみ異なるような単純構造の時
には、前述のように、2次粒子を検出することにより、
ドーズ量と2次粒子の強度をグラフ化し、エッチングの
終点判定を行なう。この様に、2次粒子の強度により、
素子構造が簡単な3次元構造の場合には、元素の種類は
判定できないが元素が違うことが検出できる。
【0007】なお、素子構造が複雑な3次元構造の場合
には、後述するように、2次イオン質量分析計(SIM
S:condary on ass pectrometer:以下、
SIMSという)が用いられる。SIMSについては、
例えば、(1)マイクロビームアナリシス第141委員
会、1985年発行「マイクロビームアナリシス」P2
89〜P318、(2)「電子材料」1983年 別冊
P120に記載されている。
【0008】次に所望の断面を露出した試料(断面観察
試料)を再び、イオンビームを細く絞り、SIM像で断
面観察する。この時、試料台ステージを傾斜させて加工
した穴の側面を観察する。すると、断面の凹凸の形状、
凹凸がなくても2次粒子の発生量の差から元素の違い等
の深さ方向の分布が観察できる。ただし、SIM像の分
解能は、前述したように50nmである。
【0009】断面の微細構造の観察が必要な場合には、
次に述べる前記所望の断面を露出させ加工した試料を、
走査型電子顕微鏡(SEM:canning electron
icroscope:以下、SEMという)により断面観察す
る。SEMの分解能は4nm程度なので、SIMよりは非
常に微細な構造を観察できる。SIM、SEMを用いて
も元素の同定はできない。ここで元素分析を行うには、
多く(1%以上)含まれている場合には、EPMA(
lectron robe ass nalysis:X線マイクロアナリ
シス)が微量の場合には、SIMSが用いられる。な
お、EPMAについては、例えば(1)マイクロビーム
アナリシス第141委員会、1985年発行「マイクロ
ビームアナリシス」P207〜P235、(2)S.
M.SZE「VLSI Technology」P53
3、に記載されている。これらの一連の手段により、不
良解析は行なわれる。
【0010】なお、SEMを用いた断面観察用の試料を
作成するには、FIBを用いる他に、機械研磨法、クラ
ッキング法がある。しかし、機械研磨法の場合、試料を
光学顕微鏡を用いて加工しているので、寸法精度は0.
5μm程度であり、0.5μm末満の微小領域を観察で
きないという問題がある。また、クラッキング法の場合
には、寸法精度が0.5μm以上であり、機械研磨法の
場合と同様に、1μm末満の微小領域を観察できないと
いう問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者は、前記従来技術を検討した結果、以下のような問題
点を見出した。
【0012】前述したように、半導体集積回路装置の高
集積化に伴い、素子の構造が3次元的に複雑化してきて
いる。このため、前記FIBを用いて所定の領域をエッ
チングした場合、放出される2次粒子中には、複数種類
の元素がある。しかし、前記従来のFIBでは、2次粒
子検出器は実質的に1個しか設けられていないため、一
種類の元素または2次粒子の総量しか検出できない。素
子構造が単純な2次元構造の場合には、元素分析はでき
ないが2次粒子中には一種類の元素しか含まれていない
ので、実質的に1個の検出器により構造解析を行なうこ
とができる。しかし、2次粒子中に複数種類の元素があ
る場合には、元素分析ができないので構造解析を行なう
ことができなくなるという問題がある。この場合には、
強度分布の境界がはっきりしなくなるので、構造解析を
行なうことができなくなる。この結果、FIBによるエ
ッチングの終点判定が難しくなるので、加工精度が低下
する。
【0013】また、前記FIBでは、検出器は実質的に
1個であり、エッチングによる加工とSIMによる構造
観察を別々の工程で行なう必要がある。または、FIB
による加工後に、SEMを用いて断面観察を行なってい
る。このため、全体としての加工に要する時間が長くな
るという問題があった。
【0014】また、精密な元素分析を行なうためには、
SIMSによる元素分析を行なう必要があるため、不良
解析に要する時間が長くなるという問題があった。
【0015】また、素子構造の3次元化に伴い、配線が
多層構造化し、配線層間の層間絶縁膜の厚さが厚くなっ
てきている。このため、層間絶縁膜を除去して配線の表
面を露出する凹部の縦横比(アスペクト比)が大きくな
ってきている。この場合、凹部の深い領域から放出され
る2次粒子は、凹部の側壁に衝突し、凹部の外まで出て
こなくなるので、凹部の底部の2次粒子を検出できない
という問題があった。
【0016】本発明の目的は、集束イオンビーム装置に
おいて、元素分析及び構造解析を行なうことが可能な技
術を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、集束イオンビーム装
置において、加工精度を向上することが可能な技術を提
供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、集束イオンビーム装
置において、試料表面の縦横比が大きい凹部内の元素分
析及び構造解析を行なうことが可能な技術を提供するこ
とにある。
【0019】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0021】(1)イオンビームを集束、偏向させて試
料表面に照射し、このイオンビームが照射された領域の
試料表面をスパッタエッチングする手段と、このスパッ
タエッチングされた領域から放出される2次粒子を2次
粒子検出器で検出する手段とを備えた集束イオンビーム
装置において、前記2次粒子検出器を実質的に2個以上
設け、かつ、前記2次粒子の放出経路を偏向させる手段
を備える。
【0022】(2)前記2次粒子検出器で検出された2
次粒子のうち、2次電子の情報に基づき画像を作成する
手段を備える。
【0023】(3)前記イオンビームが照射される側と
対向する試料の裏面から、イオンビームの照射方向と一
致する方向に磁界を加える。
【0024】
【作用】前述した手段(1)によれば、2次粒子検出器
を実質的に2個以上設けたことにより、2種類以上の2
次粒子を別個に検出できる。例えば、電子とイオンを別
々に検出できる。これにより、元素分析を行なうことが
できる。更に、2次粒子の放出経路を偏向させる手段を
備えたことにより、重量の軽い2次粒子は、重量の重い
2次粒子より大きく放出経路を偏向させられる。これに
より、元素の選択性を向上できるので、更に、正確な元
素分析を行なうことができる。これらにより、集束イオ
ンビーム装置において、元素分析を行なうことができ
る。また、集束イオンビーム装置において、元素分析を
行なうことにより、構造解析を行なうことができる。
【0025】また、FIBにおいて、元素分析を行なう
ことができるので、SIMSを用いて元素分析を行なう
必要がなくなり、不良解析に要する時間を短縮できる。
【0026】前述した手段(2)によれば、試料表面を
イオンビームで加工する際中に、加工領域の2次電子画
像を得ることができるので、加工状況を確認しながら加
工できる。これにより、集束イオンビーム装置におい
て、加工精度を向上できる。また、加工後に、例えばS
EMを用いて加工状況を観察する必要がなくなるので、
加工に要する時間を短縮できる。
【0027】前述した手段(3)によれば、試料の裏面
から磁界を加えることにより、試料表面の凹部、特に縦
横比(アスペクト比)が大きい凹部内から、2次粒子は
螺旋運動しながら、凹部の側壁に衝突することなく凹部
の外まで出てくるので、2次粒子検出器まで2次粒子を
到達させることができる。これにより、集束イオンビー
ム装置において、縦横比(アスペクト比)が大きい凹部
の底部の元素分析を行なうことができるので、構造解析
を行なうことができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて具体的
に説明する。なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰
り返しの説明は省略する。
【0029】〔実施例1〕本発明の実施例1の集束イオ
ンビーム装置(以下FIBという)の構成を、図2(ブ
ロック図)を用いて説明する。なお、同図2では、カラ
ム内の構成のみ示し、これ以外の部分については省略す
る。
【0030】図2に示すように、本実施例1のFIBの
カラム内には、イオン源10、バトラー型レンズ12
A,12B、アパーチャ13、偏向電場14A,14B
の夫々が設けられている。
【0031】前記イオン源10からは、ガリウムイオン
ビーム(以下、単にイオンビームという)11が発射さ
れる。なお、同図1では、このイオンビーム11を鎖線
で示す。このイオンビーム11の加速エネルギーは、例
えば、25KeV程度である。このイオンビーム11
は、前記2段のバトラー型レンズ12A,12B及び5
種類あるアパーチャ13により集束される。この集束さ
れたイオンビーム11は、前記偏向電場14A,14B
により、偏向される。この偏向されたイオンビーム11
は、同図1に示すように、試料1上に照射される。この
ように、集束、偏向されたイオンビーム11を試料1の
表面に照射することにより、試料1の表面をスパッタエ
ッチングする。この試料1は、例えば、単結晶珪素を主
体とする半導体ウェーハまたは半導体基板すなわち半導
体デバイスである。このエッチングにより、同図2に示
すように、試料1の表面には凹部2(側面並びに底面)
が形成されている。このように、試料1の表面をイオン
ビーム11でスパッタエッチングした際には、試料1の
表面から叩き出された2次粒子が放出される。
【0032】前記偏向電場14Bと試料1との間には、
2次粒子検出器20が設けられている。この2次粒子検
出器20と試料1との間には、電圧発生器27による電
界が印加されている。この2次粒子検出器20の詳細な
構成は、図1(ブロック図)を用いて後述する。
【0033】また、前記イオンビーム11が照射される
側と対向する試料1の裏面には、前記イオンビーム11
の照射方向と一致する方向から、磁界30が加えられて
いる。更に、前記磁界30と直交する方向には、磁界3
1が加えられている。この磁界31は、前記磁界30よ
りも強度は弱い。
【0034】次に、前記2次粒子検出器20の構成を、
図1を用いて説明する。図1に示すように、2次粒子検
出器20は、検出器(icro hannel late)20
Aを主体に構成されている。なお、検出器については
「収束イオンビームとマルチチャネル並列検出系を用い
たサブミクロンSIMS」応用物理 第56巻 第6号
(1987) P746〜P751に記載されている。
この検出器20A内には、複数のチャネル21が設けら
れている。これらの複数のチャネル21は、夫々異なる
アノード(正電極)23に接続されている。また、これ
らの複数のチャネル21は、共通のカソード(負電極)
に接続されている。この共通のカソードは、試料1で構
成されている。前記アノード23とカソードである試料
1との間に印加される電圧は、バイアス26により印加
されている。なお、バイアス26は、同図1では1個の
み図示しているが、実質的に、複数の夫々異なるバイア
ス26で構成されている。従って、同図1に示す検出器
20は、実質的に、複数の検出器20を設けた場合と同
様に、複数の2粒次子を同時に検出できる。つまり、あ
るチャネル21内で電子を検出し、他のチャネル21内
では負の2次イオンを検出する、または、あるチャネル
21内である正の2次イオンを検出し、他のチャネル2
1内で他の正の2次イオンを検出するような使用方法を
実現できるので、元素分析を行なうことができる。 次
に、前記2次粒子検出器20による2次粒子の検出方法
を説明する。
【0035】まず、イオンビーム11によるスパッタエ
ッチングによって放出された2次粒子3A,3Bは、メ
ッシュスクリーン25を通して、チャネル21内に入
る。同図1では、2次粒子のうちチャネル21内に入っ
た2次粒子3Aの軌跡のみを示す。このように、チャネ
ル21内に2次粒子3Aが入ると、チャネル21の壁面
より、2次粒子3Aの量に比例した電子が出る。このチ
ャネル21の壁面から出た電子は、ゲイン24により雪
崩的に増殖され、矢印22で示すように、アノード23
に吸い上げられる。このアノード23に吸い上げられた
電子は、電気信号として検出される。これらの一連の段
階により、2次粒子3Aの検出は行なわれる。なお、同
図1に示す2次粒子3B及び図示しない他の2次粒子3
も同様に検出される。また、前記バイアス24の正負に
より、検出される2次粒子3を2次電子または負の2次
イオンとするか正の2次イオンとするかを選別する。こ
のようにして検出された2次粒子3のうち2次電子によ
る電気信号は、主に試料表面並びに断面観察用のSIM
像を作成するのに使用される。また、2次粒子3のう
ち、2次イオンによる電気信号は断面観察用試料の加工
中に、その強度の時間的変動(ドーズ量との関係)のプ
ロットを作成するのに使用される。このプロットから、
半導体集積回路装置を作製するためのマスクパターンの
修正の際、下地の基板(特定の膜)が現われたか否かの
終点判定を行なうことができる。
【0036】また、前述したように、前記2次粒子3の
放出径路には、磁界31が加えられているので、2次粒
子3の径路は偏向される。このように、磁界31により
放出径路が偏向されるので、同図1に示すように、2次
粒子3A,3Bは、夫々異なる径路で検出器20のチャ
ネル21内に入る。例えば、2次粒子3Aの方が、2次
粒子3Bよりも重量が軽い場合には、同図1に示すよう
に、2次粒子3Aの方がより大きく偏向される。従っ
て、イオンビーム11の照射領域から遠いチャネル21
内には軽い2次イオン3Aが入り、近いチャネル21内
には重い2次イオン3Bが入るので、2次イオン3A,
3Bを種類毎に分けて検出できる。これにより、2次粒
子3の元素分析を行なうことができる。
【0037】また、例えば、電子の重量は3.1×10
E−31(kg)であり、イオンの重量は一番軽い水素イ
オン場合でも電子の重量の約1800倍、酸素イオンの
場合には水素イオンの約16倍である。従って、前記磁
界31によって、電子の放出径路は大きく偏向される
が、イオンは僅かしか偏向されないので、2次電子と2
次イオンを別々に検出できる。
【0038】以上、説明したように、本実施例1では、
前記2次粒子検出器20を実質的に2個以上設け、か
つ、前記2次粒子の放出経路を偏向させる手段として磁
界31が加えている。この構成によれば、2次粒子検出
器20を実質的に2個以上設けたことにより、2種類以
上の夫々異なる2次粒子3A,3Bを同時に検出でき
る。例えば、電子とイオンを別々に検出できる。これに
より、元素分析を行なうことができる。更に、磁界31
により2次粒子3の放出径路を偏向させることにより、
重量の軽い2次粒子3Aは、重量が重い2次粒子3Bよ
り大きく放出径路を偏向させられる。これにより、元素
の選択性を向上できるので、更に、正確な元素分析を行
なうことができる。これらにより、FIBにおいて、元
素分析を行なうことができる。また、FIBにおいて、
元素分析を行なうことができるので、構造解析を行なう
ことができる。
【0039】更に、FIBにおいて元素分析を行なうこ
とができるので、SIMSを用いた元素分析を行なう必
要がなくなるので、不良解析に要する時間を短縮でき
る。
【0040】更に、前記実質的に2個以上の2次粒子検
出器20を設けたことにより、2次電子によるSIM象
(2次電子画像)を得ながら、イオンビーム11により
スパッタエッチングを行なうことができる。つまり、加
工状況を確認しながら加工できるので、加工精度を向上
できる。また、SEMを用いることなく、加工領域の断
面構造を観察できるので、SEMを用いた断面観察をな
くし、加工に要する時間を短縮できる。
【0041】また、本実施例1では、前記試料1と2次
粒子検出器20との間には電圧発生器27によるバイア
ス26が加えられると共に、試料1に磁界30が加えら
れているので、前記凹部2内からの2次粒子3の放出を
容易にできる。この場合には、前記イオンビーム11の
運動エネルギが25KeVなのに対して、前記2次粒子
3の運動エネルギは数乃至百数十eV程度なので、イオ
ンビーム11は磁界30の影響をほとんど受けないが、
2次粒子3は大きく影響を受ける。凹部2内から2次粒
子検出器20側へ螺旋運動しながら放出される。前記磁
界30を加えない場合、例えば、前記凹部2の縦横比
(アスペクト比)が大きい場合には、凹部2の側壁に放
出された2次粒子3が衝突して、凹部2の外部まで2次
粒子3が放出されない。これに対して、前記磁界30を
加えた場合には、前記凹部2の寸法が5μm角程度、深
さが10μm程度の場合にも、2次粒子3は凹部2の側
壁に衝突せず螺旋動作しながら、凹部2の外まで放出さ
れ、2次粒子検出器20まで到達する。従って、FIB
において、試料1の表面の縦横比が大きい凹部2の底部
の2次粒子3の元素分析を行なうことができる。
【0042】また、図3(実施例1のFIBの変形例を
示すブロック図)に示すように、前記2次粒子検出器2
0を複数個設けても良い。この場合には、前記図1に示
したようにアノード23を複数個に分割せず、2次粒子
検出器20A,20B,20C,20Dのアノード23
を夫々異なる電圧発生器27A,27B,27C,27
Dに接続すれば良い。夫々の電圧発生器27A,27
B,27C,27Dは、V1,V2,V3,V4のバイ
アスを、試料1と2次粒子検出器電圧を20A,20
B,20C,20Dの間に印加する。この構成によれ
ば、前記図1及び図2に示す場合よりも、より多くの2
次粒子3を検出できるので、検出感度を大きくできる。
【0043】また、同図3に示すFIBの場合には、試
料1側から段々と磁界31の強度を大きくすることによ
り、2次粒子検出器20A,20B,20C,20Dの
夫々で、軽い2次イオンから重い2次イオンを順次検出
できる。これは正イオン、負イオンのいずれの場合にも
適用できる。
【0044】〔実施例2〕本発明の実施例2のFIBの
構成を、図4及び図5(ブロック図)を用いて説明す
る。
【0045】図4及び図5に示すように、本実施例2の
FIBは、前記実施例1のFIBにおいて、極微量ノズ
ル40により、イオンビーム11の照射領域にガス42
を吹きつけるようにしたものである。
【0046】前記極微量ノズル40には、試料室外部に
設置されたリザイバからニードルバルブ、制御バルブ4
1の夫々を介して、ガス42が供給される。ガス42の
流量はニードルバルブにより制御され、ガス42の導入
及び遮断は制御バルブ41により行なわれる。この制御
バルブ41は、電気的に制御されている。
【0047】本実施例2では、極微量ノズル40からガ
ス42として例えば酸素ガスが供給される。このよう
に、イオンビーム11の照射領領に酸素ガスを供給する
ことにより、照射領域は酸素雰囲気になる。酸素雰囲気
中では、酸素がプラズマ状態で放出される2次粒子3
A,3Bと衝突するので、反応して2次粒子3A,3B
のイオン化効率が向上される。ガリウムイオンガンまた
はセシウムイオンガンを用いた場合には、炭素、酸素、
窒素、フッ素等の電気陰性度が高い元素以外の元素、例
えば、アルカリ金属、II族元素、III族元素等の電気陰
性度が低い元素のイオン化効率が低いため、これらの元
素を検出することができない。これに対して、イオンビ
ーム11の照射領域を酸素雰囲気にすることにより、炭
素、酸素、窒素、フッ素等以外の元素のイオン化効率を
向上できるので、検出感度が非常に高い酸素イオンガン
を用いた場合と同程度まで検出感度を例えば向上でき
る。例えば、イオンビームの照射領域を酸素雰囲気にす
ることにより、アルカリ金属、II族元素、III族元素等
の検出感度を、104乃至106程度向上できる。
【0048】〔実施例3〕本発明実施例3のFIBの構
成を、図6(ブロック図)を用いて説明する。
【0049】図6に示すように、本実施例3のFIB
は、前記実施例1のFIBにおいて、2次粒子検出器2
0に換えてまたは加えて、光またはエネルギを検出する
検出器28を設けたものである。
【0050】半導体デバイスである試料1が、光、イオ
ン線、電子線等のエネルギを吸収した後には、キャリヤ
が発生し、元の基底状態に遷移して再結合する。この再
結合の際には、同図6に示すように、光4の形でエネル
ギの放出が起こることがある。この放出される光4は、
元素に対応した波長分布を持つので、検出器28で波長
解析を行なうことにより、試料1中の物質を同定でき
る。また、検出器28と試料1との間に、簡単な分光器
を設けても良い。
【0051】または、試料1に、λ(nm)=hc/E=12
39.9/Eで表わされる波長より短い波長の光を照射
すれば、キャリヤが発生するため、試料1の電気抵抗が
低く変化する。ここで、hはプランクの定数、cは光速
度、Eは禁制帯幅に相当するエネルギ(eV単位)であ
る。このように、光導電現象を用いて、試料1のエネル
ギ状態を検出できる。
【0052】また、光の放出の他には、結晶を構成して
いる原子(格子)振動の形をとる場合、すなわち、熱エ
ネルギが放出される場合もある。この場合にも、光を検
出する場合と同様に、熱波を検出器28で検出すること
により、結晶欠陥を検出したり、不純物元素を検出でき
る。
【0053】〔実施例4〕本発明の実施例4のFIBの
構成を、図7(ブロック図)を用いて説明する。
【0054】図7に示すように、本実施例4のFIBで
は、1次粒子にW光源52を用いたものである。
【0055】この場合には、前記イオン源10からのイ
オンビーム11は、ブランキングプレート50により進
路がブランキングアパーチャ51上に曲げられ、試料1
まで到達しない。ブランキングプレート50には、電圧
が印加されている。
【0056】一方、W光源52から照射される適当な波
長の光53は、試料1に照射される。このように、試料
1に光53を照射することにより、光4が発生するの
で、この発生した光4を、前記実施例3と同様に検出器
28で検出する。
【0057】また、W光源52からの電子ビームを、集
束、偏向させ、非点収差レンズと組み合わせることによ
り、SEMのように利用できる。
【0058】なお、前記実施例1乃至本実施例4で示し
たように、2次電子、2次イオン、光を検出して得られ
た電気信号を用いることにより、図8(強度分布図)に
示す強度分布図を得ることができる。
【0059】図8では、酸素60、アルミニウム61、
モリブデン62の夫々の強度分布を示す。ここで、同図
8のエネルギE0以下のエネルギの元素の情報のみをC
RTに写し出すことにより、例えば、アルミニウム61
と酸素60の部分に対する構造解析を行なうことができ
る。
【0060】以上、本発明を実施例にもとづき具体的に
説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能であることは言うまでもない。
【0061】例えば、前記実施例1乃至実施例4では、
イオンビーム11の照射領域のSIM象を主に用いる例
を示したが、本発明は、レーザまたは光学顕微鏡を用い
て照射領域を観察できる。
【0062】また、FIBにSIMS、SEMの機能を
加えることにより、更に正確な元素分析、構造解析を行
なうことができる。
【0063】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0064】FIBにおいて、元素分析及び構造解析を
行なうことができる。
【0065】前記FIBにおいて、加工精度を向上でき
る。
【0066】前記FIBにおいて、試料表面の縦横比が
大きい凹部内の元素分析及び構造解析を行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の2次粒子検出器の構成を示すブロ
ック図。
【図2】 実施例1のFIBの構成を示すブロック図。
【図3】 実施例1のFIBの変形例を示すブロック
図。
【図4】 実施例2のFIBの構成を示すブロック図。
【図5】 実施例2の極微量ノズル部分の構成を示すブ
ロック図。
【図6】 実施例3のFIBの構成を示すブロック図。
【図7】 実施例4のFIBの構成を示すブロック図。
【図8】 強度分布図。
【符号の説明】
1…試料、2…凹部、3A,3B…2次粒子、10…イ
オンガン、11…イオンビーム、12A,12B…バト
ラー型レンズ、13…アパーチャ、14A,14B…偏
向電場、20…2次粒子検出器、20A…検出器、21
…チャネル、23…アノード、24…ゲイン、25…メ
ッシュスクリーン、26…バイアス、27…電圧発生
器、30,31…磁界。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/302 D 9277−4M 21/66 N 7377−4M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームを集束、偏向させて試料表
    面に照射し、該イオンビームが照射された領域の試料表
    面をスパッタエッチングする手段と、該スパッタエッチ
    ングされた領域から放出される2次粒子を2次粒子検出
    器で検出する手段とを備えた集束イオンビーム装置にお
    いて、前記2次粒子検出器を実質的に2個以上設け、か
    つ、前記2次粒子の放出経路を偏向させる手段を備えた
    ことを特徴とする集束イオンビーム装置。
  2. 【請求項2】 前記2次粒子検出器で検出された2次粒
    子のうち、2次電子の情報に基づき画像を作成する手段
    を備えたことを特徴とする前記請求項1に記載の集束イ
    オンビーム装置。
  3. 【請求項3】 前記イオンビームが照射される側と対向
    する試料の裏面から、イオンビームの照射方向と一致す
    る方向に磁界を加えたことを特徴とする前記請求項2に
    記載の集束イオンビーム装置。
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