JP3155570B2 - 収束イオンビーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置 - Google Patents

収束イオンビーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置

Info

Publication number
JP3155570B2
JP3155570B2 JP24157891A JP24157891A JP3155570B2 JP 3155570 B2 JP3155570 B2 JP 3155570B2 JP 24157891 A JP24157891 A JP 24157891A JP 24157891 A JP24157891 A JP 24157891A JP 3155570 B2 JP3155570 B2 JP 3155570B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion beam
ion
mass spectrometry
sample
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24157891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0582081A (ja
Inventor
博 広瀬
寛 岩本
義雄 有馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP24157891A priority Critical patent/JP3155570B2/ja
Publication of JPH0582081A publication Critical patent/JPH0582081A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3155570B2 publication Critical patent/JP3155570B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は収束イオンビーム質量分
析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置に係り、
特に、収束イオンビーム技術を用いて高感度な固体質量
の分析等を行うことができる収束イオンビーム質量分析
方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】二次イオン質量分析手法で深さ方向分析
を高精度で行う従来の方法として、特願昭47−107951号
公報に示される如くエレクトリックアパーチャ法と呼ば
れる方法が知られている。この方法は、スパッタリング
によって生じるクレータのエッジ部からの高濃度成分
が、低濃度領域(低濃度領域の深さ)で検出されないよ
うに、一次イオンの走査と連動して検出器のゲートを開
閉する方法である。
【0003】上記方式の応用として特願昭48-143473 号
公報に開示される技術では、エレクトリックアパーチャ
のゲート開閉を任意の形状に設定し、複雑なパターンの
一部から与えられる情報を検出できるようにしている。
しかし、上記エレクトリックアパーチャ法では、一次イ
オンビームの裾の広がりがゲート幅の境界をあいまいに
し、検出限界を悪くすることが知られている。
【0004】上記問題を解決する一つの方法が、特願平
1-273802号公報等に示されている制限視野法である。こ
の方法は、一次イオンビームの広がりに関係なく二次イ
オン放出面をレンズ作用によりスリット上に投射し、こ
のスリットの開口幅を制限することによって、クレータ
エッジからの二次イオンを検出しない方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の制限視野法は、
深さ方向分析に有効な方法であるが、下記の問題点があ
る。 (1)機械的スリットを用いているので、任意形状の制
限視野を行うことは困難である。 (2)レンズ系の収差によって制限視野の範囲がぼけ、
特に、小さい部分の分析の精度が低下する。 (3)試料面から離れた位置でイオン化するポストイオ
ン化では、制限視野の効果が低下する。
【0006】本発明の目的は、前述した各問題点を解決
し、高精度の固体分析を行うことができる収束イオンビ
ーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る収束イオン
ビーム質量分析方法は、試料における分析対象部分の周
縁の非分析部分に対しイオンエッチング又はイオンビー
ムを利用した膜形成のいずれかを行い、その後、分析対
象部分に対しスパッタリングを行い、スパッタリング粒
子の質量分析を行うとともに、前記非分析部分をイオン
エッチング又はイオンビームによる膜形成を行うための
イオン種と前記質量分析を行うための一次イオン種は互
いに異なるイオン種としている。また、試料における分
析対象部分の周縁の非分析部分に対しイオンエッチング
を行った後イオンビームを利用した膜形成を行い、その
後、前記分析対象部分に対しスパッタリングを行い、ス
パッタリング粒子の質量分析を行うことも可能である。
前記の方法において、好ましくは、イオンエッチング
は、一次イオンによるスパッタリング及びイオンビーム
活性化ガスによる化学的エッチングのいずれかである。
前記の方法において、好ましくは、質量分析を行うため
のイオンは、スパッタリング粒子中の二次イオン、又は
スパッタリング粒子中の中性粒子をイオン化して得たイ
オンである。イオン化を行う方法としては、共鳴イオン
化が好ましい。 本発明に係る収束イオンビーム質量分
析複合装置は、分析対象の試料の表面に対しイオンビー
ムを与えるイオンビーム発生装置と、イオンビームが与
えられた試料の表面から発生する二次イオンに基づいて
質量分析を行う質量分析装置を備え、イオンビーム発生
装置は、少なくとも、試料の表面における非分析部分に
イオンエッチング又はイオンビームによる膜形成を行う
ためのイオンビームを発生するイオン源と、質量分析用
のイオンビームを発生するイオン源を備えるものであ
る。前記の構成において、好ましくは、イオンエッチン
グ又はイオンビームによる膜形成を行うためのイオン収
束系と、質量分析をするための一次イオン収束系は共通
の収束系である。前記の構成において、好ましくは、複
数のイオン源によって発生されるそれぞれのイオン種の
試料への照射については、切替手段によってイオン種の
切替が行われる。
【0008】
【作用】本発明に係る収束イオンビーム質量分析方法で
は、上記の如く、試料面における非分析部分、すなわち
分析を行わない部分を、一次イオンビームの走査による
イオンエッチングにより予め除去し、又は予め表面に膜
を付着させ、又はこの両方を行い、その後に質量分析を
行うようにしている。前処理用のイオン源から出射され
たイオンはスパッタリングによって試料の表面の非分析
部分を掘る。この場合、一次イオン偏向器により任意の
形状に掘ることが可能である。かかる前処理により、質
量分析におけるエッジ効果を排除できる。
【0009】更に、この場合イオン照射部に反応性ガス
を導入しておくと、このガスは試料面でイオンビームの
エネルギによって活性ガスに変化し、照射部の局部をエ
ッチングすることもできる。そしてエッチング速度は、
イオンのみによるエッチング速度よりも速くなる。また
活性ガスによるエッチングは、ガスの種類とエッチング
する材料との間に深い関係があり、特定材料のみをエッ
チングし、他はエッチングしないか又はエッチング量が
小さいという選択性エッチングが可能である。次に、導
入ガスの種類としてW(CO) 6 等のガスを用いると、反対
に試料の表面にデポジションが行われ、新しい膜が形成
される。この膜形成も、一次イオン偏向器の走査によ
り、自由にその形状を決めることができる。
【0010】上記のように、エッチング又はデポジショ
ン膜、更にその両方を適用することによって、分析に不
都合な部分を除去又は被覆した後、同じ一次イオンビー
ム又は他の一次イオンビームによって試料表面の分析対
象部をスパッタリングする。スパッタリングされたイオ
ンを、直接に又は中性粒子をレーザ等でイオン化して質
量分析すると、分析に不都合な部分のイオンが表面から
放出されないため、分析の精度が向上する。中性粒子の
イオン化により特定元素のイオン化ポテンシャルに合わ
せて共鳴させるイオン化法では、S/N比が向上する。
上記エッチングでは、一般に、反応部の温度が高いとエ
ッチング速度を増し、逆に、デポジションの場合、温度
を下げて試料面によくガスが吸着するようにすると、効
率が良いことが知られている。
【0011】本発明による収束イオンビーム質量分析複
合装置では、イオンビーム装置と質量分析装置とを複合
させた構成を有し、質量分析を行う前の、分析しない部
分に対するイオンエッチング等の前処理をイオンビーム
を照射することで行う。その後、分析用のイオンビーム
を照射して質量分析を行う。装置の構成としては、前処
理のための収束系と、分析のための収束系を共通とする
ことにより、装置構成を簡略化することができる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は本発明に係る収束イオンビーム質量
分析複合装置のシステム構成図を示す。この装置は、収
束イオンビーム装置と質量分析装置が複合された構成と
なっている。最初に、装置の全体的な構成を説明する。
イオン源として液体金属イオン源1と分析用イオン源3
を備える。これらのイオン源1,3から出射されたイオ
ンは一次イオン偏向器2で選択される。一次イオン偏向
器2で選択されたイオンは、一次イオンビーム6とし
て、コンデンサレンズ4と対物レンズ7により試料11
の表面上に収束される。一次イオンビーム6は必要に応
じて走査され、遮断される。一次イオンビーム6の走査
は偏向電極5によって行われ、一次イオンビーム6の遮
断はブランカ27とイオンコレクタ28によって行われ
る。
【0013】試料11は試料台10の上に設置される。
試料台10は、試料微動装置9によって精密に位置制御
され、微動可能である。試料台10の中にはヒータ29
が設置されており、試料11を加熱することができる。
試料11の表面のイオン照射部の近くには、ガス供給装
置8、レーザ光供給装置12、二次電子検出器30、電
子源31等が配置されている。
【0014】二次イオンを分析するための質量分析計
は、二次イオン引出電極13、投射レンズ14、制限視
野スリット15、扇形電場16、扇形磁場17、イオン
検出器21等から構成されている。質量分析計の光学系
の途中には、イオン電子変換器20が設けられ、ここで
変換された電子はシンチレータ18で更に光に変換され
る。この光はフォトマルチプライア19で増幅され、C
RT24の輝度変調回路に送られる。CRT24にはイ
オン検出器21からの信号も送られ、スイッチ32で切
り替られるようになっている。CRT24の走査は、一
次イオン偏向制御電源23で一次イオンビームの走査と
同期して行われる。制御装置22は装置全体の制御とデ
ータ及び画像の処理を行う。
【0015】次に、上記構成を有する収束イオンビーム
質量分析複合装置の動作を説明をする。液体金属イオン
源1はGaのイオンを電気流体力学的に放射させ、この
イオンを30Kevに加速する。このイオンで形成され
るイオンビーム6はコンデンサレンズ4と対物レンズ7
により試料11の表面上に収束される。液体金属イオン
源1の実効イオン放出部は、100nm以下と小さいた
め、試料11上で実効径100nm以下で電流密度1A/
cm2 以上のビームが得られる。試料11に照射されたイ
オン1個に対しては約2個以上の試料がはじき飛ばされ
る。この作用をミリングという。ミリングされる範囲は
一次イオンビーム6を制御することによって決めること
ができる。
【0016】図2を参照して、一次イオンビーム6の走
査方法の説明をする。図2はA〜Cからなり、それぞれ
において上段(a)が平面図、下段(b)が中心断面図
である。図2Aはシリコン(Si)中にホウ素Bを打ち
込んだ試料11を示している。この試料11において、
Bの深さ方向分析を行うものとする。最初に図2Bに示
す如く、試料11の表面にて内径d、外径D、深さhの
部分25をエッチングで形成する。領域11aが試料1
1の表面における分析対象である部分であり、分析対象
部分11aの周縁領域がエッチングされる。制御装置2
2から一次イオン偏向制御電源23に送られた信号によ
り、偏向電極5の電圧を制御して一次イオンビーム6を
走査する。外径Dの円領域をXY方向の走査で塗りつぶ
すように走査し、内径dの円領域を塗りつぶす位置では
ブランカ27に電圧を印加して、一次イオンビーム6を
遮断する。この走査を繰り返すことにより、エッチング
部25を形成される。このエッチング処理は、分析対象
部分11aの周辺にて、非分析部分を形成するための前
処理である。
【0017】前記エッチング処理において、エッチング
部25が比較的小さいとき、例えば半径Dが30μmで
深さhが2μmであるとき、エッチング速度を1μm3
/sとすれば、エッチングに要する時間は30分とな
る。
【0018】またエッチング時間を短くする場合、又は
更に広い面積をエッチングする場合には、イオンビーム
照射と同時にガス供給装置8からエッチングガスを供給
するように構成される。このエッチングガスは、イオン
照射により分解し、試料11をエッチングする作用を有
する。この場合、ヒータ29により試料11を数百度に
加熱しておくと、エッチング速度は更に速くなる。ガス
供給装置8自体を加熱してガスの温度を上昇させても、
エッチング速度を速くすることができる。エッチングガ
スとして、エッチングされる試料11と反応して気化す
るもの、例えばフッ素や塩素の化合物が用いられる。反
応を促進するため、複数のエッチングガスを混合して用
いることも可能である。エッチングガスとして、例えば
CF4 を用いた場合、一次イオン1個に対して10個程
度までエッチング速度を速くすることが可能である。
【0019】図2Bに示されるように試料11の表面に
おける分析対象部分11aの周囲の部分をエッチングし
て取り除き、その後に、分析対象部分11aに対し分析
用の一次イオンビーム6を照射し、質量分析を行う。
【0020】本実施例の場合には、上記の如く図2Bに
示される状態で分析することも可能であるが、更に、エ
ッチング部25に新たな付着膜26を形成する。図2C
は、膜付けを終了した後の試料11を示す。この試料1
1は、ガス供給装置8から、例えばW(CO) 6 供給しなが
ら、一次イオンビームを図2Bの試料11の全表面に走
査し、内径dを塗りつぶす位置でブランカ27の電圧を
印加し、一次イオンビーム6を試料11に当てないよう
にして形成される。この場合の膜26の成分はタングス
テン(W)であり、不純物としてホウ素Bが含まれてい
ないことが条件である。こうして付着膜26を形成した
後に、質量分析が行われる。
【0021】次に、上記の如く、予め前処理を行って加
工した試料を分析する方法について述べる。分析用イオ
ン源3は、分析するイオンとの電子親和力、又はスパッ
タリング収率等を考えて決められる。ここでは、酸素イ
オン源を用いるとする。酸素イオンはイオン源3で約2
0Kevに加速され、一次イオン偏向器2で偏向された
後,一次イオン収束系で、試料11の表面上に数μmに
収束される。この一次イオンビームは制御装置22から
送られる分析モードの走査信号で走査される。走査範囲
は図2Cのsで特定される範囲であり、sの値は一次イ
オンビーム径の2倍と分析対象部11aの径dの合計よ
り大きな値に設定される。試料11からスパッタリング
で発生された二次イオンは、二次イオン引出電極13で
引き出された後、投射レンズ14で制限視野スリット1
5に投射される。制限視野スリット15は質量分析計の
物点スリットを兼ねており、このスリット15を通過し
たイオンは、扇形電場16と扇形磁場17で質量分析さ
れ、イオン検出器21上にホウ素のイオンビームが流入
するように設定する。これらの設定は全て制御装置22
からの信号で行われる。
【0022】前記の質量分析装置によって得られる分析
の結果を、図3に示す。図3において、質量分析装置の
分析出力を縦軸に、深さを横軸にして記録を行ってい
る。図3で明らかなように、従来の制限視野法では投射
レンズの収差分が無視できず、検出限界を下げていた
(特性41)。本発明による手法では、予め、検出限界
を低下させるエッジ部の信号源を、エッチング処理で除
去した後、膜付けを行った結果、ホウ素の信号は、従来
に比べて表面から深い位置で十分小さくなる(特性4
3)。
【0023】上記実施例では分析前の処理として、エッ
チングと膜付けの両方を行ったが、図3の特性42に示
した如くエッチングのみでも効果は相当大きい。ただ
し、この場合は、非常に大きな一次イオンビームの裾の
影響を除去するために、制限視野法やエレクトリックア
パーチャ法と併用することが理想的である。
【0024】図4及び図5に示した実施例は、エッチン
グを行わず、分析対象部を残して膜付けをした例であ
る。この場合も、測定深さ、試料と付着膜のスパッタリ
ング収率等を考慮して膜厚を決めれば、図3の場合と同
様の結果が得られる。
【0025】次に、図6を参照して他の実施例を説明す
る。図6(a)は試料51の部分平面図、図6(b)は
同試料の部分側面図である。図5で試料51は、約2μ
m×2μmの正方形が並んだもので、この正方形の中の
微量不純物であるアルミニュームについて深さ方向の分
析を行う。図中、点線で囲んだ領域52が分析の範囲で
ある。この場合において、パターンの間の距離Lの範囲
からの情報を除くものとする。本実施例の場合は、前述
した方法で試料51における長さLで決まる範囲のみに
対しエッチングを行ない溝53を掘る。この場合、極微
量分析を目的とし、付着膜中にアルミニュームの不純物
が考えられるため、エッチングのみとする。エッチング
を行う範囲を決める方法は、以下の通りである。エッチ
ング部に予め一次イオンを走査し、この時、試料面から
放出される二次電子を二次電子検出器30で検出し、こ
の検出信号を制御装置22に画像情報として記憶させ、
この画像情報によりエッチング範囲を決める。次に、分
析用イオン源は液体金属イオン源1とし、イオン化法と
してレーザを用いた共鳴イオン化を考える。分析の手法
は前述の実施例と同じであるが、スパッタリングした後
にレーザ光供給装置12からアルミニュームのみをイオ
ン化するように選んだレーザを照射する。レーザを照射
する位置は、試料上2mm程度の位置で、半径1mm程度
の範囲である。アルミニュームをイオン化するために、
309nmのレーザを用いる。イオン化のメカニズム
は、第一段階で、第一次励起状態にし、続いて同じ波長
の光子のエネルギを吸収してイオン化する。いわゆるモ
ノカラー2光子イオン化法を用いる。この場合のイオン
化効率は、数パーセントに達し、二次イオン生成よりも
10〜100倍の良い効率である。しかも、良く知られ
ているように、共鳴イオン化のため、主成分のシリコン
はイオン化しにくいため、アルミニュームイオンのみ強
調されて出現する利点もある。この手法によって測定し
た結果を図7に示す。本図に示されているように、アル
ミニュームイオンの信号の変化が、良好に測定されてい
る。従来方法による本実施例のような測定は、制限視野
法を用いても困難であった。何故なら、第一に、分析部
の中心に分析しない部分があるためである。第二にポス
トイオン化ではイオンの生成される位置と試料表面の位
置関係が崩れるため、制限視野法が使用できないためで
ある。ここではスパッタリング後のイオン化は共鳴イオ
ン化を用いたが、この手法に限らず、非共鳴レーザイオ
ン化、電子衝撃イオン化など他の手法を使用できる。
【0026】図1に示したの電子源31は、絶縁物試料
をエッチング又は分析する場合、試料表面のチャージア
ップ現象を防止するためのものであるが、上記分析では
用いていない。同様に、CRT24は試料の像をアナロ
グ的に表示するためのものであり、測定準備中や測定中
のモニタとして使用する。シンチレータ18、フォトマ
ルチプライア19、イオン電子変換器20は、質量分離
しない全イオンで試料の像をCRT24に記録するため
のものである。
【0027】上記の各実施例において、イオンエッチン
グ又はイオンビームによる膜形成を行うためのイオン収
束系と、質量分析をするためのイオン収束系は共通であ
る。また、イオン源1,3によって発生されるそれぞれ
のイオン種の試料11への照射については、制御装置2
2によって制御される切替手段(図示せず)によってイ
オン種の切替が行われるように構成される。
【0028】本装置では、以上説明した分析に加えて、
加工断面の分析等にも使用することが可能である。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、次の効果を奏する。質量分析を行う前に分析対象
部分の周縁の非分析部分に前処理を行うように構成した
ため、第1に、微少試料、又は円形や正方形の形状が配
列された任意形状の試料において、エッジ効果がない深
さ方向分析を行うことができる。次に、感度の良いポス
トイオン化法においてもエッジ効果のない深さ方向分析
を行うことができる。
【0030】収束イオンビーム装置と質量分析計を複合
して構成したため、試料の前処理と分析とを一貫して行
うことができ、且つ前処理の精度を非常に高い精度で行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収束イオンビーム質量分析複合装
置の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の方法による第一の試料加工例を示す図
で、A〜Cの3つの態様が示され、A〜Cのそれぞれで
上側(a)が平面図、下側(b)が各平面図に対応して
中心線で切った縦断面図である。
【図3】本発明による方法による分析結果の一例を示す
グラフである。
【図4】本発明の方法による第二の試料加工例を示す縦
断面図である。
【図5】本発明の方法による第三の試料加工例を示す縦
断面図である。
【図6】他の試料を示す図で、(a)が一部平面図、
(b)は要部断面図である。
【図7】本発明の方法による第二の分析結果を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 液体金属イオン源 2 一次イオン偏向器 3 分析用イオン源 4 コンデンサレンズ 5 偏向電極 6 一次イオンビーム 7 対物レンズ 8 ガス供給装置 9 試料微動装置 10 試料台 11 試料 21 イオン検出器 22 制御装置 25 エッチング部 26 付着膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−184846(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/26 G01N 23/225 H01J 49/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料における分析対象部分の周縁の非分
    析部分に対しイオンエッチング又はイオンビームによる
    膜形成のいずれかを行い、その後、前記分析対象部分に
    対しスパッタリングを行い、スパッタリング粒子の質量
    分析を行うとともに、前記非分析部分をイオンエッチン
    グ又はイオンビームによる膜形成を行うためのイオン種
    と前記質量分析を行うための一次イオン種は互いに異な
    るイオン種であることを特徴とする収束イオンビーム質
    量分析方法。
  2. 【請求項2】 試料における分析対象部分の周縁の非分
    析部分に対しイオンエッチングを行った後イオンビーム
    による膜形成を行い、その後、前記分析対象部分に対し
    スパッタリングを行い、スパッタリング粒子の質量分析
    を行うことを特徴とする収束イオンビーム質量分析方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の収束イオンビーム質量分
    析方法において、前記イオンエッチングは、一次イオン
    によるスパッタリング及びイオンビーム活性化ガスによ
    る化学的エッチングのいずれかであることを特徴とする
    収束イオンビーム質量分析方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の収束イオンビーム質量分
    析方法において、前記質量分析を行うためのイオンは、
    前記スパッタリング粒子中の二次イオンであることを特
    徴とする収束イオンビーム質量分析方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の収束イオンビーム質量分
    析方法において、前記質量分析を行うためのイオンは、
    前記スパッタリング粒子中の中性粒子をイオン化して得
    たイオンであるを特徴とする収束イオンビーム質量分析
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の収束イオンビーム質量分
    析方法において、前記イオン化を行う方法は共鳴イオン
    化であることを特徴とする収束イオンビーム質量分析方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の収束イオンビーム質量分
    析方法において、前記非分析部分をイオンエッチング又
    はイオンビームによる膜形成を行うためのイオン種と前
    記質量分析を行うための一次イオン種は互いに異なるイ
    オン種であることを特徴とする収束イオンビーム質量分
    析方法。
  8. 【請求項8】 分析対象の試料の表面に対しイオンビー
    ムを与えるイオンビーム発生装置と、前記イオンビーム
    が与えられた試料の表面から発生する二次イオンに基づ
    いて質量分析を行う質量分析装置を備える収束イオンビ
    ーム質量分析複合装置において、前記イオンビーム発生
    装置は、少なくとも、前記試料の表面における非分析部
    分にイオンエッチング又はイオンビームによる膜形成を
    行うためのイオンビームを発生するイオン源と、質量分
    析用のイオンビームを発生するイオン源を備えることを
    特徴とする収束イオンビーム質量分析複合装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の収束イオンビーム質量分
    析複合装置において、前記イオンエッチング又はイオン
    ビームによる前記膜形成を行うためのイオン収束系と、
    質量分析をするための一次イオン収束系は共通の収束系
    であることを特徴とする収束イオンビーム質量分析複合
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の収束イオンビーム質量
    分析複合装置において、複数の前記イオン源によって発
    生されるそれぞれのイオン種の試料への照射について
    は、切替手段によって前記イオン種の切替が行われるこ
    とを特徴とする収束イオンビーム質量分析複合装置。
JP24157891A 1991-09-20 1991-09-20 収束イオンビーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置 Expired - Fee Related JP3155570B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24157891A JP3155570B2 (ja) 1991-09-20 1991-09-20 収束イオンビーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24157891A JP3155570B2 (ja) 1991-09-20 1991-09-20 収束イオンビーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0582081A JPH0582081A (ja) 1993-04-02
JP3155570B2 true JP3155570B2 (ja) 2001-04-09

Family

ID=17076403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24157891A Expired - Fee Related JP3155570B2 (ja) 1991-09-20 1991-09-20 収束イオンビーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3155570B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5381916B2 (ja) * 2010-07-02 2014-01-08 新日鐵住金株式会社 集束イオンビームを用いる微細部位解析装置および集束イオンビームを用いる微細部位解析方法
JP6024292B2 (ja) * 2012-08-27 2016-11-16 富士通株式会社 二次イオン質量分析装置および二次イオン質量分析方法
JP6367618B2 (ja) * 2014-06-27 2018-08-01 国立研究開発法人物質・材料研究機構 軽元素分析装置及び軽元素分析方法
EP3807922A4 (en) 2018-06-18 2022-03-23 Fluidigm Canada Inc. HIGH RESOLUTION IMAGING APPARATUS AND METHOD
KR102446342B1 (ko) * 2021-03-10 2022-09-22 큐알티 주식회사 2차 이온 질량 분석 장비의 시편 구조체 제조 및 분석 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0582081A (ja) 1993-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3001596B2 (ja) 集束イオンビーム加工装置及び処理方法
US8466415B2 (en) Methods for performing circuit edit operations with low landing energy electron beams
US6926935B2 (en) Proximity deposition
JPH0328017B2 (ja)
US10622187B2 (en) Charged particle beam apparatus and sample processing observation method
US3881108A (en) Ion microprobe analyzer
US20030080292A1 (en) System and method for depth profiling
JP2774878B2 (ja) 多層膜絶縁物試料の二次イオン質量分析方法
JP2926132B1 (ja) 集束イオンビームによる二次イオン像観察方法
JPH07192669A (ja) 電界電離型ガスフェーズイオン源の調整方法
JP3155570B2 (ja) 収束イオンビーム質量分析方法及び収束イオンビーム質量分析複合装置
JPH07272652A (ja) 電界電離型ガスフェーズイオン源の調整方法
JPH06124680A (ja) 2次中性粒子質量分析装置
JPH09274883A (ja) Fib/sem複合装置
JPH07272653A (ja) 電界電離型ガスフェーズイオン源の調整方法およびイオンビーム装置
JPH0696712A (ja) 集束イオンビーム装置
JPH10241588A (ja) 集束イオンビーム加工方法およびその装置
JPH0765776A (ja) イオン発生方法、発生装置およびこれを用いた元素分析方法と分析装置
JP2544034B2 (ja) 二次イオン質量分析法及び二次イオン質量分析装置
JPH076609Y2 (ja) 集束イオンビーム加工装置
JP2887407B2 (ja) 集束イオンビームによる試料観察方法
JP2838177B2 (ja) イオンミリング方法および装置
JPH0682399A (ja) 電子線分析方法と分析装置
JPH0896739A (ja) 二次イオン質量分析装置
JPS6383644A (ja) イオン質量分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees