WO2010053133A1

WO2010053133A1 - リードフレーム及びその製造方法及びそれを用いた半導体発光装置

Info

Publication number: WO2010053133A1
Application number: PCT/JP2009/068921
Authority: WO
Inventors: 吉岡　修; 仁本村; 塚本　健人
Original assignee: 凸版印刷株式会社
Priority date: 2008-11-07
Filing date: 2009-11-05
Publication date: 2010-05-14

Abstract

　リードフレームは、ＬＥＤチップを搭載するＬＥＤチップ搭載用表面（Ａ）を有する１乃至複数箇所のパッド部（２）と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリア（Ｃ）を有するリード部（２ａ）とを同一平面に備えている。前記パッド部の前記搭載用表面の面積Ｓ１と、前記搭載用表面と対向する放熱用裏面（Ｂ）の面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２である。リードフレームは、前記搭載用表面と前記放熱用裏面との間における前記パッド部の側面部に、前記搭載用表面から前記放熱用裏面に向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部（Ｅ）を有している。

Description

リードフレーム及びその製造方法及びそれを用いた半導体発光装置

　本発明は、ＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ　Ｅｍｉｔｔｉｎｇ　Ｄｉｏｄｅ）を担持、搭載するリードフレーム及びその製造方法及びそれを用いた半導体発光装置に関する。

　一般的に、半導体集積回路やＬＥＤ発光素子などの電子素子を担持、搭載するためのリードフレームは、銅薄板、鉄－ニッケル等の合金薄板、銅－ニッケル－錫等の合金薄板などからなるリードフレーム用金属薄板から製造される。具体的には、リードフレームは、その金属材料の片面又は両面から塩化第二鉄等のエッチャントを用いてフォトエッチング加工されることで製造される。または、プレス金型を用いた打ち抜き法で製造される。このリードフレームは、半導体集積回路やＬＥＤ素子を搭載するためのパッド部（アイランド部）と、パッド部から絶縁して分離されるインナーリード部及びアウトリード部とを備えている。インナーリード部は、電子素子と電気的に接続されている。また、アウトリード部は、外部と電気的に接続され、インナーリード部から延在している。

　リードフレームは、パッド部の表面側に電子素子を載置するための搭載部（搭載面）を有する。また、リードフレームは、パッドの裏面側にＬＥＤ発光素子などの電子素子本体から発生する駆動熱や、電子素子周囲の環境条件による熱を放散させるための放熱部（放熱板）を有するものが知られている。すなわち、リードフレームは、電子素子側に熱が蓄積されないように、パッド部の裏面側の放熱部または、アウトリード部から外界側に熱が放熱されるようになっている。

　半導体集積回路やＬＥＤ発光素子など電子素子を担持するための基板としては、金属薄板からなるリードフレームを用いたリードフレーム基板以外に、セラミック基板やプリント基板等が使用される。しかし、電子素子を載置するパッド部に形成される放熱部に関しては、その放熱効率の観点から、放熱部の放熱面積がなるべく広いことが望まれている。そして特許文献１～５には、ＬＥＤ等の電子的発光素子の担持体へのマウント技術、及び発光素子に対する蓄熱を防止するための放熱技術が記載されている。

特開２００３－８０７１号公報特開２００３－３４７６００号公報特開２００４－１７２１６０号公報特開２００７－２２０９２５号公報特開２００８－２２７１６６号公報

　ＬＥＤ発光素子を担持、搭載する素子担持体用の基板として、例えば、セラミック基板を用いた場合は、放熱特性は良好であり、信頼性も優秀であるが、価格が高いという欠点があった。また、素子担持体用の基板として、プリント基板を用いた場合は、プリント基板の基材であるエポキシ樹脂が、熱放散性に劣る欠点があった。それを解消するため、基板の内層にＣｕ（銅）、あるいはＡｌ（アルミ）からなる金属板を挿入したプリント基板を採用せざるを得ない。また、ＬＥＤ発光素子から発せられた光を高光反射率で反射し高い光利得を確保するために、発光素子を搭載する基板の光反射表面に光反射性のセラミックインクを塗布する工程を必要としていた。

　また、ＬＥＤ発光素子を担持、搭載する素子担持用の基板として、金属薄板からなるリードフレーム基板を用いる場合、熱放散性に欠けるという欠点の他に、ＬＥＤ発光素子の高い光利得（光照射方向への高い光反射率）を確保する必要があった。このため、発光素子を搭載するリードフレーム基板の光反射面に、特殊な複合樹脂（セラミックインク＋Ｓｉ樹脂）からなる複合材を積層して欠点をカバーする必要がある。また、リードフレーム基板方式を用いているにも関わらず、ＬＥＤ発光素子から実装基板面への放熱面の十分な確保ができず、放熱性能が不足する欠点があった。

　また、セラミック基板以外のプリント基板、あるいはリードフレーム基板方式は、何れも放熱特性が劣るだけでなく、セラミック基板を用いた半導体発光装置の製造方法に比較して、その製法や工程が複雑になる欠点があった。

　本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、ＬＥＤ発光素子（ＬＥＤチップ）を担持、搭載する素子担持用の基板として、高放熱性能と高光利得性を兼ね備えた発光素子用リードフレーム基板、及びその製造方法、及びそれを用いた半導体発光装置を安価に提供することを目的とする。

　本発明の請求項１に係る発明は、少なくともＬＥＤチップ１０を搭載するＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームであって、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、前記搭載用表面Ａと前記放熱用裏面Ｂとの間における前記パッド部２の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有することを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項２に係る発明は、上記請求項１に係るリードフレームにおいて、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、前記電気的接続エリアＣと前記放熱用裏面Ｄとの間における前記リード部２ａの側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有することを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項３に係る発明は、少なくともＬＥＤチップ１０を搭載するＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームであって、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、前記パッド部２は前記搭載用表面Ａを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｂを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｂから前記搭載用表面Ａに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有することを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項４に係る発明は、上記請求項３に係るリードフレームにおいて、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、前記リード部２ａは前記電気的接続エリアＣを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｄを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｄから前記電気的接続エリアＣに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有することを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項５に係る発明は、上記請求項１に係るリードフレームにおいて、前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームであって、前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項６に係る発明は、板状のリードフレーム用金属材料の表面に、パッド部２の面積Ｓ１からなる搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、前記金属材料の裏面に、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａと対向する面積Ｓ２からなる放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であって、前記搭載用表面Ａと前記放熱用裏面Ｂとの間における前記パッド部の側面部に前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成することを特徴とするリードフレームの製造方法である。

　本発明の請求項７に係る発明は、上記請求項６に係るリードフレームの製造方法において、前記搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の表面に、リード部２ａの面積Ｓ３からなる電気的接続エリアＣを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、前記放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の裏面に、前記リード部２ａの電気的接続エリアＣと対向する面積Ｓ４からなる放熱用裏面Ｄを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と前記放熱用裏面Ｃの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であって、前記電気的接続エリアＣと前記放熱用裏面Ｄとの間における前記リード部の側面部に前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成することを特徴とするリードフレームの製造方法である。

　本発明の請求項８に係る発明は、板状のリードフレーム用金属材料の表面に、パッド部２の面積Ｓ１からなる搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、前記金属材料の裏面に、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａと対向する面積Ｓ２からなる放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係を０＜Ｓ１＜Ｓ２とし、かつ、前記パッド部２は、前記搭載用表面Ａを有する上部構造と、前記上部構造と一体であって、前記放熱用裏面Ｂを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成し、前記下部構造の側面部に、放熱用裏面Ｂから搭載用表面Ａに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を形成することを特徴とするリードフレームの製造方法である。

　本発明の請求項９に係る発明は、上記請求項８に係るリードフレームの製造方法において、前記搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の表面に、リード部２ａの面積Ｓ３からなる電気的接続エリアＣを形成するためのフォトレジストをパターン形成し、前記放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の裏面に、前記リード部２ａの電気的接続エリアＣと対向する面積Ｓ４からなる放熱用裏面Ｄを形成するためのフォトレジストをパターン形成し、前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｃの面積Ｓ４との関係をＳ３＜Ｓ４とし、かつ、前記リード部２ａは前記電気的接続エリアＣを有する上部構造と、前記上部構造と一体であって、前記放熱用裏面Ｄを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｄから前記電気的接続エリアＣに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を形成することを特徴とするリードフレームの製造方法である。

　本発明の請求項１０に係る発明は、上記請求項６に係るリードフレームの製造方法において、前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームの製造方法であって、前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とするリードフレームの製造方法である。

　本発明の請求項１１に係る発明は、少なくともＬＥＤチップ１０等のＩＣチップを搭載したＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームを、前記搭載用表面Ａから前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂに亘って、その厚さ方向に充填樹脂によりモールド加工が施され、前記パッド部の前記搭載用表面Ａより上面側に、前記ＬＥＤチップ及び前記電気的接続エリアＣを含めて透明樹脂が被覆された半導体発光装置であって、前記パッド部の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、前記搭載用表面Ａと前記放熱用裏面Ｂとの間における前記パッド部の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、前記充填樹脂は、前記段差状部又はテーパー状部Ｅにて保持されていることを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項１２に係る発明は、少なくともＬＥＤチップ１０等のＩＣチップを搭載したＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームを、前記搭載用表面Ａから前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂに亘って、その厚さ方向に充填樹脂によりモールド加工が施され、前記パッド部の前記搭載用表面Ａより上面側に、前記ＬＥＤチップ及び前記電気的接続エリアＣを含めて透明樹脂が被覆された半導体発光装置であって、前記パッド部の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、前記パッド部は前記搭載用表面Ａを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｂを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記搭載用表面Ａから放前記熱用裏面Ｂに向かって段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｂから前記搭載用表面Ａに向かって段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有し、前記充填樹脂は、それぞれの段差状部、テーパー状部Ｅ，Ｅ１にて保持されていることを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項１３に係る発明は、上記請求項１１に係る半導体発光装置において、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、前記電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間における前記リード部２ａの側面部に、前記電気的接続エリアＣから放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、前記充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、前記充填樹脂は、段差状部又はテーパー状部Ｅにて保持されていることを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項１４に係る発明は、上記請求項１１に係る半導体発光装置において、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、前記リード部２ａは前記電気的接続エリアＣを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｄを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、樹脂モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｄから前記電気的接続エリアＣに向かって拡がる、樹脂モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有し、前記充填樹脂は、それぞれの段差状部又はテーパー状部Ｅ，Ｅ１にて保持されていることを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項１５に係る発明は、上記請求項１１に係る半導体発光装置において、前記充填樹脂の光屈折率ｎ１と前記透明樹脂の光屈折率ｎ２との関係がｎ１＞ｎ２に設定され、前記充填樹脂を高反射率の樹脂としたことを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項１６に係る発明は、上記請求項１１に係る半導体発光装置において、前記充填樹脂に反射率特性が向上する微粒子を添加したことを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項１７に係る発明は、表面側の上部構造と裏面側の下部構造とが一体となり、かつ、互いに離反した複数の構造体で形成されたリードフレームであって、前記リードフレームは、前記複数の構造体の間及び外側に形成され、前記リードフレームと同じ厚さの充填樹脂を有し、前記上部構造は、パッド部２と、前記パッド部２と離反したリード部２ａとを有し、前記下部構造は、前記パッド部２と一体となった放熱部３と、前記リード部２ａと一体となった放熱部３ａとを有し、前記パッド部２の表面の面積Ｓ１と、前記放熱部３の裏面の面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、前記リード部２ａの表面の面積Ｓ３と、前記放熱部３ａの裏面の面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、前記各上部構造の側面部に、前記リードフレームの表面側から裏面側に向かって広がる段差状部又はテーパー状部を有し、前記各下部構造の側面部に、前リードフレームの裏面側から表面側に向かって広がる段差状部又はテーパー状部を有し、前記リードフレームは、前記表面側にあって前記パッド部２及び前記リード部２ａの外側に、前記パッド部に面する斜面の内周面を備え、前記充填樹脂と一体に形成され、前記充填樹脂から突出した光反射用の光反射リング４ａを有することを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項１８に係る発明は、上記請求項１７に係るリードフレームにおいて、前記光反射リング４ａの前記内周面の前記パッド部２の表面に対する傾斜角度が３０度以上８５度以下であることを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項１９に係る発明は、上記請求項１７に係るリードフレームにおいて、前記充填樹脂が樹脂に粉状の添加剤を混合した光拡散性樹脂であり光屈折率が２以上であることを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項２０に係る発明は、上記請求項１７に係るリードフレームにおいて、前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームであって、前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とするリードフレームである。

　本発明の請求項２１に係る発明は、リードフレーム用金属材料の表面に、パッド部２の面積Ｓ１からなるチップ搭載用表面Ａと、リード部２ａの面積Ｓ３からなる電気接続エリアＣとを形成するフォトレジストのパターンを形成し、前記金属材料の裏面に、前記チップ搭載用表面Ａに対向する面積Ｓ２からなる放熱用裏面Ｂと、前記電気接続エリアＣに対向する面積Ｓ４からなる放熱用裏面Ｄとを形成するフォトレジストのパターンを形成し、前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記パッド部２のチップ搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係を０＜Ｓ１＜Ｓ２とし、前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と前記放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係を０＜Ｓ３＜Ｓ４とした、前記金属材料から成る上部構造と下部構造とを有する一体構造を形成し、前記上部構造の側面部に、前記チップ搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって広がる段差状部又はテーパー状部を形成し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｂから前記チップ搭載用表面Ａに向かって広がる段差状部又はテーパー状部を形成し、前記上部構造の前記チップ搭載用表面Ａを有するパッド部２と前記下部構造の前記放熱用裏面Ｂを有する放熱部３を一体に形成し、前記上部構造の前記電気接続エリアＣを有するリード部２ａと下部構造の前記放熱用裏面Ｄを有する放熱部３ａを一体に形成し、モールド成型用の金型に前記上部構造と前記下部構造とを有する一体構造を設置し、前記金型に樹脂を充填してモールド成型することにより、前記上部構造と前記下部構造の一体構造と同じ厚さの充填樹脂を前記上部構造と前記下部構造の一体構造の周囲に形成し、かつ、前記充填樹脂の形成と同時に、前記チップ搭載用表面Ａ側であって前記パッド部２及びリード部２ａの外側に、前記チップ搭載用表面Ａ側に面する斜面の内周面を有する光反射用の光反射リング４ａを、前記充填樹脂と一体構造として前記充填樹脂から突出させて形成することを特徴とするリードフレームの製造方法である。

　本発明の請求項２２に係る発明は、上記請求項２１に係るリードフレームの製造方法であって、前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームの製造方法であって、前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とするリードフレームの製造方法である。

　本発明の請求項２３に係る発明は、表面側の上部構造と裏面側の下部構造とが一体となり、かつ、互いに離反した複数の構造体で形成されたリードフレームと、前記リードフレームの前記複数の構造体の間及び外側に形成され、前記リードフレームと同じ厚さの充填樹脂とを具備し、前記上部構造は、パッド部２と、前記パッド部２と離反したリード部２ａとを有し、前記下部構造は、前記パッド部２と一体となった放熱部３と、前記リード部２ａと一体となった放熱部３ａを有し、前記各上部構造の側面部に、前記リードフレームの表面側から裏面側の方向に広がる段差状部又はテーパー状部を有し、前記各下部構造の側面部に、前リードフレームの裏面側から表面側の方向に広がる段差状部又はテーパー状部を有し、前記表面側にあって前記パッド部２及び前記リード部２ａの外側に、前記パッド部に面する斜面の内周面を有し、前記充填樹脂と一体に形成され、前記充填樹脂から突出した光反射用の光反射リング４ａを有し、前記パッド部２の表面にＬＥＤチップが搭載され、前記ＬＥＤチップの電極が前記リード部２ａに電気接続され、前記ＬＥＤチップを被覆し、かつ、前記光反射リング４ａの前記内周面と接する透明樹脂が形成されていることを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項２４に係る発明は、上記請求項２３に係る半導体発光装置において、前記パッド部２の表面の面積Ｓ１と、前記放熱部３の裏面の面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、前記リード部２ａの表面の面積Ｓ３と、前記放熱部３ａの裏面の面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であることを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明の請求項２５に係る発明は、上記請求項２３に係る半導体発光装置において、前記充填樹脂が樹脂に粉状の添加剤を混合した光拡散性樹脂であり光屈折率が２以上であり、前記透明樹脂の屈折率より高いことを特徴とする半導体発光装置である。

　本発明によれば、半導体発光装置用リードフレームにおけるパッド部２のＬＥＤチップ搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係を０＜Ｓ１＜Ｓ２、電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、電気的接続エリアＣと対向する放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係を０＜Ｓ３＜Ｓ４に設定し、放熱用裏面Ｂの面積を搭載用表面Ａよりも広く、放熱用裏面Ｄの面積を電気的接続エリアＣよりも広くして製造される。このため、リードフレーム裏面側において高い放熱性能が得られる。

　また、ＬＥＤ用リードフレームの表面側また表裏両面側には、樹脂モールド時の充填樹脂を保持するための段差状部又はテーパー状部が形成される。このため、リードフレームと、リードフレームを固定するためにリードフレームの周囲にモールドされる充填樹脂との確実な密着性が得られ、リードフレームと充填樹脂との分離や、リードフレームからの充填樹脂の離脱などを防止して確実な耐離脱性を向上できる効果がある。

　また、本発明によれば、充填樹脂に高光反射率の樹脂を使用し、充填樹脂又はその表面に高い光反射率を持たせることにより、ＬＥＤチップ１０から発せられた光を効率よく外部に放出させることが可能になる。また、発光素子においては、充填樹脂の光屈折率ｎ１とＬＥＤ発光素子を覆うように形成される透明樹脂の光屈折率ｎ２との関係をｎ１＞ｎ２に設定することにより、充填樹脂４と透明樹脂５との境界面における反射率を増加させることができ、充填樹脂又はその表面において高い光反射率を得ることができる。

　本発明は、光反射リング用凹部を形成した金型を用いて充填樹脂をモールド成型することで、充填樹脂と一体に形成された光反射リングを形成している。充填樹脂上に別体の光反射リングを形成した場合、充填樹脂と光反射リングとの接合面が界面となり、界面での両者の接合強度が弱い場合、光反射リングが充填樹脂から剥離し易かった。特に、充填樹脂や光反射リングから発生した水蒸気が界面に拡散したり、周辺雰囲気中の水蒸気が界面に拡散した場合に剥離が生じ易いものであった。しかし、本発明では、充填樹脂と光反射リングとを一体化した構造としている。このため、光反射リングと充填樹脂との間に界面は存在せず、両者は強固に接続され密着性が高い。このため、界面に水蒸気が拡散して剥離し易くなることも無くなり、接続信頼性の高い光反射リングが得られる。

　また、本発明によれば、充填樹脂及び充填樹脂と一体構造とした光反射リングに高光反射率の樹脂を使用し、充填樹脂及び充填樹脂と一体構造とした光反射リングの光屈折率を発光素子を被覆する透明樹脂の光屈折率よりも大きく設定している。これにより、充填樹脂及び光反射リングと透明樹脂との境界面における光反射率を増加させることができる。そのため、充填樹脂及び光反射リング又はその表面において高い光反射率を得ることができ、発光素子（ＬＥＤチップ）から発せられた光を効率よく反射し外部に放出させることが可能になる。

本発明の第１の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光素子の上面図。本発明の第１の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光素子の裏面図。図１のIII－III線に沿った断面図。図１のIV－IV線に沿った断面図。図１のV－V線に沿った断面図。本発明の第１の実施形態におけるＬＥＤ素子に係わる充填樹脂の機能を説明するための模式断面図。本発明の第２の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光素子を示すものであり、図１のIII－III線に沿った断面図。本発明の第２の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光素子を示すものであり、図１のIV－IV線に沿った断面図。本発明の第２の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光素子を示すものであり、図１のV－V線に沿った断面図。本発明の第３の実施形態におけるタイバーにて連結した多面付け状態のリードフレームを説明する上面図。図１０のモールド前を拡大して示す断面図。図１０を拡大して示す断面図。金型を用いたリードフレームへの樹脂モールドの一例を説明する断面図。本発明の第４の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光装置の上面図。本発明の第４の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光装置を示すものであり、図１３のXIV－XIV線に沿った断面図。本発明の第４の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光装置を示すものであり、図１３のXV－XV線に沿った断面図。本発明の第４の実施形態におけるリードフレームを用いて製造した半導体発光装置を示すものであり、図１３のXVI－XVI線に沿った断面図。金型を用いたリードフレームへの樹脂モールドの一例の断面図。本発明の第４の実施形態における光反射リングの機能を説明する模式断面図。本発明の第５の実施形態におけるタイバーにて連結した多面付け状態のリードフレームの上面図。図１９のモールド前を拡大して示す断面図。図１９を拡大して示す断面図。

＜第１の実施形態＞
　まず、図１乃至図５を参照して、本発明の第１の実施形態について以下に説明する。

　本実施形態におけるリードフレーム１は、金属製の板状の基材にプレス金型を用いた打抜き加工を行うことにより形成される。すなわち、図３及び図５に示すように、リードフレーム１は、金属製の厚さｔ１の板状の基材にプレス金型を用いた打抜き加工を行うことにより形成される。このリードフレーム１は、表面側（発光素子１０の搭載面側）の厚さｔ２の上部構造のパターンと、裏面側の厚さｔ３の下部構造のパターンとからなる。これら上部構造と下部構造とは、同じ金属薄板から作り出されるため一体構造になっている。リードフレーム１には、銅薄板、鉄－ニッケル等の合金薄板又は銅－ニッケル－錫等の金属薄板を材料として用いる。しかし、熱伝導率が高い銅又は銅合金を金属材料として用いる方が、リードフレーム１の放熱性が向上するため好ましい。また、これらに限らず、アルミニウム合金等の金属材料を用いることも可能である。

　図１、図３、図４及び図５に示すように、厚さｔ１の金属薄板より厚みの薄い、リードフレーム１の厚さｔ２の上部構造のパターンは、パッド部２と、１乃至複数のリード部２ａとを備えている。このリード部２ａは、パッド部２から分離され、所定の間隔でパッド部２に隣接して形成されている。また、図２、図３、図４及び図５に示すように、厚さｔ３の下部構造のパターンは、パッド部２の裏面側でパッド部２と一体となった放熱部３（放熱板）と、リード部２ａの裏面側でリード部２ａと一体となった放熱部３ａ（放熱板）とを備えている。なお、図５において、Ｗはワイヤー（金線）の一例を示している。このワイヤーは、パッド部２のチップ搭載用表面Ａに搭載した発光素子（ＬＥＤチップ）１０と、リード部２ａの電気的接続エリアＣとの間にワイヤーボンディングにより結線され、これらを電気的に接続している。

　図１、図３及び図５に示すように、パッド部２の表面（上面）は、ＬＥＤチップ１０を搭載するための面積Ｓ１の搭載用表面Ａとなっている。パッド部２と対向する裏面側の放熱部３の外面（裏面）は、パッド部２の裏面側から外界側に熱を放散させるための面積Ｓ２の放熱用裏面Ｂ（放熱板）となっている。すなわち、この放熱部３は、ＬＥＤチップ１０本体から発生する駆動熱やＬＥＤチップ１０の周囲環境条件による熱を放散させて、ＬＥＤチップ１０に熱が蓄積されないように機能する。

　また、図１、図４及び図５に示すように、リード部２ａは、基材へのプレス金型を用いた打抜き加工時に、パッド部２の形成と同時に形成される。リード部２ａの表面は、銀メッキ等が施された面積Ｓ３の電気的接続エリア（ワイヤーボンディングエリア）Ｃとなっている。これにより、ワイヤーボンディングやチップボンディング等により、ＬＥＤチップ１０とリード部２ａとの電気的接続を行う際に接続性を向上させることができる。リード部２ａと対向する裏面側の放熱部３ａの外面（裏面）は、面積Ｓ４の放熱用裏面Ｄ（放熱板）となっている。

　パッド部２の搭載用表面Ａと、リード部２ａの電気的接続エリアＣとは、同一のリードフレーム用基材（例えば、板状基材）から形成される。また、パッド部２の放熱用裏面Ｂと、リード部２ａの放熱用裏面Ｄとも同一の板状基材から形成される。このため、搭載用表面Ａの面と電気的接続エリアＣの面、及び放熱用裏面Ｂの面と放熱用裏面Ｄの面とはそれぞれ、同一平面内にある。

　また、リード部２ａの電気的接続エリアＣは、パッド部２の搭載用表面Ａ上に実装されるＬＥＤ発光素子１０に対して、ワイヤーボンディングやチップボンディングにより接続される。このように、電気的接続エリアＣは、パッド部２の搭載用表面Ａに搭載したＬＥＤチップ１０と接続するためのワイヤーがボンディングされる領域や、ＬＥＤチップ１０に形成された接続用電極と半田などを介してチップボンディグされる領域などから構成されている。

　なお、前述した、電気的接続エリアＣに形成されるメッキは、銀メッキに変えて、金メッキ、パラジウムメッキを用いることもできる。また、電気的接続エリアＣ面に銀メッキ、金メッキ、パラジウムメッキを行う前に、耐熱拡散性に優れたＮｉ（ニッケル）メッキ等の下地メッキを行うことも可能である。さらに、半導体発光装置ＬＥを外部基板に搭載し、接続させるために、放熱用裏面にも、銀メッキ、金メッキ、パラジウムメッキや、Ｎｉ（ニッケル）メッキ等の下地メッキを行っても構わない。

　本発明において、図３に示すように、パッド部２の搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が、Ｓ１＜Ｓ２となっている。すなわち、搭載用表面Ａの面積よりも放熱用裏面Ｂの面積が大きくなるように設定されている。また、図４に示すように、リード部２ａのワイヤーボンディングエリアＣの面積Ｓ３と、放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が、Ｓ３＜Ｓ４となっている。すなわち、ワイヤーボンディングエリアＣの面積よりも放熱用裏面Ｄの面積が広くなるように設定されている。

　また、図３に示すように、パッド部２の搭載用表面Ａと放熱部３の放熱用裏面Ｂとの間におけるパッド部２の側面部は、搭載用表面Ａから放熱用裏面Ｂの方向（リードフレーム１の表面側から裏面側の方向）に向かって拡がる、段差状部又はテーパー状部Ｅとして形成されている。その側面部の段差状部又はテーパー状部Ｅに対して、表面Ａから裏面Ｂ方向に引く線は、屈曲又は湾曲した形状となっている。この段差状部又はテーパー状部Ｅによって、後にモールド充填加工により充填される樹脂をフレーム表面側から裏面側の方向に脱落しないように保持することができるようになっている。

　また、図４に示すように、リード部２ａのエリアＣと放熱用裏面Ｄとの間におけるリード部２ａの側面部は、エリアＣから放熱用裏面Ｄの方向（リードフレーム１の表面側から裏面側の方向）に拡がる、段差状部又はテーパー状部Ｅとして形成されている。その側面部の段差状部又はテーパー状部Ｅに対して、エリアＣから裏面Ｄ方向に引く線は、屈曲又は湾曲した形状となっている。この段差状部又はテーパー状部Ｅによって、後にモールド充填加工により充填される樹脂をフレーム表面側から裏面側の方向に脱落しないように保持することができるようになっている。

（リードフレームの製造方法）
　次に、本実施形態のリードフレームの製造方法を説明する。

　まず、鉄－ニッケル等の合金薄板又は銅－ニッケル－錫等の金属合金製の板状のリードフレーム用金属材料に対して、プレス金型を用いた打抜き加工が行われる。これにより、金属材料に貫通部が形成される。すなわち、図１乃至図５に示すように、搭載用表面Ａの面積Ｓ１と放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係がＳ１＜Ｓ２となるパッド部２及び放熱部３と、電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係がＳ３＜Ｓ４となるリード部２ａ及び放熱部３ａとからなるリードフレーム１が形成される。

　このとき、断面視において側面がテーパー状に形成された凹部もしくは凸部を有する金型を用いることにより、搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂとの間におけるパッド部２の側面部に、その搭載用表面Ａから放熱用裏面Ｂの方向に拡がる段差状部又はテーパー状部Ｅが形成される。同様に、電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間におけるリード部２ａの側面部に、その電気的接続エリアＣから放熱用裏面Ｄの方向に拡がる段差状部又はテーパー状部Ｅが形成される。この段差状部又はテーパー状部Ｅにより、モールド時に充填される樹脂（充填樹脂）を保持することができる。

　なお、本実施形態に係るリードフレーム１は、後述するように、フォトレジストを用いたフォトエッチング法にて形成しても構わない。

　次に、リードフレーム１に以下の例に記す一連の樹脂モールド加工を行い、半導体発光装置用リードフレームを得る。

　まず、所定の内部形状とした凹部（例えば、リードフレーム材の厚みｔ１と同じ深さｔ１を有する凹部）を予め形成している金型の凹部内に、リードフレーム１が装填される。なお、図１２に示すように、金型としては、蓋となる板状の上金型４０と、下金型４１との２枚構成であるものが一般的である。下金型４１には、溶融する樹脂４を注入する注入口４２に連通する凹部４３が内部空間として形成されている。この凹部４３に、リードフレーム１（多面付けリードフレームＭＬ）を装填することが可能である。下金型４１の凹部４３にリードフレーム１を装填後に、上金型４０を下金型４１に合体して型締めする。

　次に、注入口４２から、凹部４３（内部空間）内に加熱溶融した充填樹脂４が注入される。これにより、装填されたリードフレーム１（多面付けリードフレームＭＬ）に充填樹脂４が充填されて成型された樹脂充填リードフレームが得られる。成型後、冷却して上金型を外し、リードフレーム１を下金型から取り出す。これにより、リードフレーム１の厚さｔ１と同じ厚さの充填樹脂４が形成される。また、搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂのそれぞれの面、及び、電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄのそれぞれの面とが各々充填樹脂から外面に露呈される。このようにして、パッド部２とリード部２Ａとの間に充填樹脂が充填された半導体発光装置用リードフレームが形成される。

　なお、図１及び図２に示す吊りリード２０は、プレス金型を用いた打抜き加工後に、パッド部２及びリード部２ａが金属材料から脱落するのを防止するためのものである。このため、吊りリード２０は、必要な期間、パッド部２及びリード部２ａを金属材料に連結保持しておくために形成されている。したがって、吊りリード２０を切断することで、個々のリードフレーム（後述する１単位フレーム）が得られる。なお、各断面図においては、吊りリード２０の図示は省略している。吊りリード２０と金属材料との連結部を切断して、リードフレームが分離できる。吊りリード２０の切断時期は、ＬＥＤチップを搭載した後、または、樹脂モールド後が挙げられるが、適宜設定して構わない。

　次に、本実施形態の半導体発光装置について説明する。図１乃至図５に示すように、半導体発光装置は、ＬＥＤチップ１０を搭載した１乃至複数箇所のパッド部２と、ＬＥＤチップ１０との電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレーム１を有している。

　リードフレーム１は、パッド部２のＬＥＤチップ搭載用表面Ａから搭載用表面Ａと対向する放熱部３の放熱用裏面Ｂに亘って、及びリード部２ａの電気的接続エリアＣからエリアＣと対向する放熱部３ａの放熱用裏面Ｄに亘って、その厚さ方向に、樹脂４によってモールド加工が施されている。

　パッド部２の搭載用表面Ａより上面側、及びリード部２ａの電気的接続エリアＣより上面側に、ＬＥＤチップ１０及び電気的接続エリアＣを含めて、透明樹脂５が層状に被覆されている。なお、図面において、透明材料５は層状としているが、ドーム状であっても構わない。

　リードフレーム１において、パッド部２の搭載用表面Ａの面積Ｓ１と放熱部３の放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係は、０＜Ｓ１＜Ｓ２に設定され、ワイヤーボンディングエリアＣの面積Ｓ３と放熱部３ａの放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係は、０＜Ｓ３＜Ｓ４に設定されている。すなわち、リードフレーム１は、例えば、台座状となった放熱部３から、放熱部３より面積（図１の平面図における面積）が小さいパッド部２が突出された形状を有し、また、台座状となった放熱部３ａから、放熱部３ａより面積が小さいリード部２ａが突出された形状を有している。

　このため、放熱部位が広く設定でき、放熱性に優れたＬＥＤ素子とすることが出来る。また、その搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂとの間、及び電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間におけるパッド部２、及びリード部２ａの側面部には、搭載用表面Ａから放熱用裏面Ｂ、及び電気的接続エリアＣから放熱用裏面Ｄの方向に拡がる段差状部又はテーパー状部Ｅが形成されている。そのため、樹脂４を溶融状態にしてモールド加工する際、及びモールド加工後において、樹脂４が、この段差状部又はテーパー状部Ｅによって保持され、かつ、樹脂４とリードフレームとの接触面積は大きくなる。そのため、充填された樹脂４とリードフレームとは強固に密着することになる。これにより、樹脂４からのリードフレームの脱落、もしくは、リードフレームからの樹脂４の脱落を防止することができる。

　本実施形態の半導体発光装置において、ＬＥＤ素子１０は透明な樹脂５の層内に埋設された状態で発光する。このため、ＬＥＤ素子１０から発せられた光を透明樹脂５から外側に出射する際、高い光利得性を持たせることが重要である。そのために、透明樹脂５として、例えば、アクリル系樹脂（ポリメタメチルアクリレート樹脂）などの透明性の良好な樹脂を選定することは勿論である。さらに、本発明者は特に、充填樹脂４として、充填樹脂４と透明樹脂５との境界面において高い反射性を有する樹脂を使用することを提案する。

　樹脂４として、高い光反射率を有することが望ましいが、その他に、耐熱性、耐光性、熱導電性、高い光拡散性を有することも望ましい。そのため、樹脂４として、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シルセシキオキサン系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂（不飽和ポリエステル樹脂）、ポリアミド系樹脂、ポリフタルアミド（ＰＰＡ）、液晶ポリマ（ＬＣＰ）、シクロオレフィン系樹脂などの有機高分子材料が望ましい。なお、１種の樹脂又は、複数種の樹脂の混合樹脂を用いても構わない。

　充填樹脂４の光屈折率ｎ１と透明樹脂５の光屈折率ｎ２との関係を、ｎ１＞ｎ２に設定することにより、樹脂４と透明樹脂５との境界面において高い光反射率を得ることができる。さらに、樹脂４と透明樹脂５との屈折率の差が大きいほど高い反射を行うことができる。しかし、樹脂の屈折率は概ね２以下であり、樹脂だけで屈折率差を大きくするには限界が有る。そのため、本発明において、樹脂４として、上記の１種の樹脂又は複数種の樹脂の混合樹脂を主体とする樹脂に、粉状物質や粒状物質などの添加剤を混合した光拡散性樹脂を使用することを提案する。これにより、樹脂４の屈折率ｎを２以上にすることができる。したがって、樹脂４と透明樹脂５との境界面における高い反射性を得ることができる。なお、樹脂４に添加する添加剤としては、例えば、ＳｉＯ_２、ＴｉＯ_２、Ａｌ_２Ｏ_３、酸化ジルコニウム、セラミック材、又はそれらの混合物などの微粒子が上げられる。また、主体樹脂に対する添加剤の混合比率は、適宜に設定することができる。例えば１％～２０％、若しくはそれ以上である。

　以下に、充填樹脂４に光反射性を持たせることによる効果を説明する。

　図６に示すように、ＬＥＤチップ１０から発せられた光Ｌは、透明樹脂５中を進行して外部に放出される。しかし、ＬＥＤチップ１０から発せられた光の一部は、外部（空気）と接触する透明樹脂５の境界で反射する（図６中の反射光Ｍ（全反射光や半反射光など））。その後、反射光Ｍは、充填樹脂４の表面に到達する。このとき、樹脂４に高い光反射率を持たせた場合、反射光Ｍを樹脂４の表面で再度反射させることが可能になる（図６中の再反射光Ｎ）。すなわち、再反射光ＮをＬＥＤ素子より放出させることが可能になる。一方、充填樹脂が反射率を持たない場合、反射光Ｍはそのまま充填樹脂中に進入してしまい、ＬＥＤ素子から放出しなくなる。

　このように、樹脂４に高い光反射率を持たせることで、ＬＥＤチップ１０から発せられた光を効率よく外部に放出させることが可能になる。

　なお、ＬＥＤチップ搭載用表面Ａ、電気的接続エリアＣに金属メッキを行った場合、メッキ面にて反射光Ｍを再反射光Ｎとすることが出来る。このため、ＬＥＤチップ１０から発せられた光を効率よく利用する上でより好ましい。

　さらに、樹脂４表面に、光反射率の優れたセラミックインクなどをコーティングすることも、ＬＥＤチップ１０から発せられた光を効率よく利用する上でより好ましい。

＜第２の実施形態＞
　次に、図７乃至図９を参照して、本発明の第２の実施形態について以下に説明する。

　本実施形態におけるリードフレーム１は、金属製の薄板状の基材をフォトエッチング加工することにより形成される。すなわち、図７、図８及び図９に示すように、リードフレーム１は、厚さｔ１の金属薄板の基材を両面からフォトエッチング加工することにより形成される。このリードフレーム１は、表面側（発光素子１０の搭載面側）の厚さｔ２の上部構造のパターンと、裏面側の厚さｔ３の下部構造のパターンとからなる。これら上部構造と下部構造とは、同じ金属薄板から作り出されるため一体構造になっている。リードフレーム１には、板状の銅薄板、鉄－ニッケル等の合金薄板又は銅－ニッケル－錫等の金属薄板を材料として用いる。しかし、熱伝導率が高い銅又は銅合金を金属材料として用いる方が、リードフレーム１の放熱性が向上するため好ましい。また、これらに限らず、アルミニウム合金等の金属材料を用いることも可能である。

　図７、図８及び図９に示すように、厚さｔ１の金属薄板より厚みの薄い、リードフレーム１の厚さｔ２の上部構造のパターンは、パッド部２と、１乃至複数のリード部２ａとを備えている。このリード部２ａは、パッド部２から分離され、所定の間隔でパッド部２に隣接して形成されている。また、図７、図８及び図９に示すように、厚さｔ３の下部構造のパターンは、パッド部２の裏面側でパッド部２と一体となった放熱部３（放熱板）と、リード部２ａの裏面側でリード部２ａと一体となった放熱部３ａ（放熱板）とを備えている。なお、図９において、Ｗはワイヤー（金線）の一例を示している。このワイヤーは、パッド部２のチップ搭載用表面Ａに搭載した発光素子（ＬＥＤチップ）１０と、リード部２ａの電気的接続エリアＣとの間にワイヤーボンディングにより結線され、これらを電気的に接続している。

　図７及び図９に示すように、パッド部２の表面（上面）は、ＬＥＤチップ１０を搭載するための面積Ｓ１の搭載用表面Ａとなっている。パッド部２と対向する裏面側の放熱部３の外面（裏面）は、パッド部２の裏面側から外界側に熱を放散させるための面積Ｓ２の放熱用裏面Ｂ（放熱板）となっている。すなわち、この放熱部３は、ＬＥＤチップ１０本体から発生する駆動熱やＬＥＤチップ１０の周囲環境条件による熱を放散させて、ＬＥＤチップ１０に熱が蓄積されないように機能する。

　また、図８及び図９に示すように、リード部２ａは、リードフレーム用基材へのフォトエッチング加工時に、パッド部２の形成と同時に形成される。リード部２ａの表面は、銀メッキ等が施された面積Ｓ３の電気的接続エリア（ワイヤーボンディングエリア）Ｃとなっている。これにより、ワイヤーボンディングやチップボンディング等により、ＬＥＤチップ１０とリード部２ａとの電気的接続を行う際に接続性を向上させることができる。リード部２ａと対向する裏面側の放熱部３ａの外面（裏面）は、面積Ｓ４の放熱用裏面Ｄ（放熱板）となっている。

　パッド部２の搭載用表面Ａと、リード部２ａの電気的接続エリアＣの面とは、同一のリードフレーム用基材（例えば、板状基材）から形成される。また、パッド部２の放熱用裏面Ｂと、リード部２ａの放熱用裏面Ｄとも同一の板状基材から形成される。このため、搭載用表面Ａの面と電気的接続エリアＣの面、及び放熱用裏面Ｂの面と放熱用裏面Ｄの面とはそれぞれ、同一平面内にある。

　図７に示すように、本実施形態のリードフレーム１においては、ＬＥＤチップを搭載するＬＥＤチップ搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、搭載用表面Ａと対向する放熱部３の放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係は、０＜Ｓ１＜Ｓ２となっている。このように、リードフレーム１の裏面に放熱面を設け、かつ、放熱面を大きくすることで、放熱効果が向上する。

　また、リードフレーム１において、パッド部２は、搭載用表面Ａを有する上部構造を構成している。一方、放熱部３（放熱板）は、放熱用裏面Ｂを有する下部構造を構成している。この下部構造は、上部構造と対向する下部（パッド部２の裏面側）に、上部構造と一体として形成されている。この下部構造及び上部構造は、例えば、台座状となった放熱部３から、放熱部３より面積（図１の平面図における面積）の小さいパッド部２が突出した形状となっている。

　搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂとの間におけるパッド部２である上部構造の側面部に、その搭載用表面Ａから放熱用裏面Ｂの方向に拡がる、樹脂モールド時に充填された樹脂を保持するための段差状部又はテーパー状部Ｅが形成されている。一方、放熱部３（放熱板）である下部構造の側面部に、その放熱用裏面Ｂから搭載用表面Ａの方向に拡がる、樹脂モールド時に充填された樹脂を保持するためのテーパー状部Ｅ１が形成されている。

　また、図８に示すように、リードフレーム１のリード部２ａの電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、電気的接続エリアＣと対向する放熱部３ａの放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係は、０＜Ｓ３＜Ｓ４となっている。このように、リード部２ａの裏面に一体となった放熱部３ａを設け、かつ、放熱部３ａの放熱面を大きくすることで、放熱効果が向上する。

　また、電気的接続エリアＣはパッド部２の搭載用表面Ａと同一面に形成され、放熱用裏面Ｄはパッド部２の放熱用裏面Ｂと同一面に形成されている。

　リードフレーム１において、リード部２ａは、電気的接続エリアＣを有する上部構造を構成している。一方、放熱部３ａ（放熱板）は、放熱用裏面Ｄを有する下部構造を構成している。この下部構造は、上部構造と対向する下部（リード部２ａの裏面側）に、上部構造と一体として形成されている。この下部構造及び上部構造は、例えば、台座状となった放熱部３ａから、放熱部３ａより面積（図１の平面図における面積）の小さいリード部２ａが突出した形状となっている。

　また、電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間におけるリード部２ａである上部構造の側面部には、その電気的接続エリアＣから放熱用裏面Ｄの方向に拡がる、樹脂モールド時に充填された樹脂を保持するための段差状部又はテーパー状部Ｅが形成されている。一方、放熱部３（放熱板）である下部構造の側面部には、その放熱用裏面Ｄから電気的接続エリアＣの方向に拡がる、樹脂モールド時に充填された樹脂を保持するためのテーパー状部Ｅ１が形成されている。

　上述した段差状部又はテーパー状部Ｅ、及びテーパー状部Ｅ１によって、後にモールド充填加工により充填される樹脂をフレームから脱落しないように保持する。特に、表面側及び、裏面側の方向に脱落しないように、樹脂をリードフレームに保持することができるようになっている。

　本実施形態に係るリードフレーム１は、後述するように、リードフレーム用金属板の表裏面にフォトレジスト（感光性樹脂）を塗布し、フォトレジストへのパターン露光と現像処理等をすることにより、レジストパターンを形成した後、その両面から塩化第二鉄等のエッチャントを用いてレジスト非形成部をフォトエッチング加工することにより、形成される。このように形成することで、リードフレーム１は、ＬＥＤ素子を搭載するためのパッド部２と、パッド部２とは絶縁状態に離反しているリード部２ａとを備えている。

　まず、鉄－ニッケル等の合金薄板又は銅－ニッケル－錫等の金属薄板からなる、厚さｔ１のリードフレーム用金属材料の表面に、フォトレジスト（感光性樹脂）が塗布されてフォトレジスト層が形成される。次に、所定のパターンを有するパターン露光用フォトマスクを介してフォトレジスト層にパターンが露光される。このパターン露光により、パッド部２の面積Ｓ１からなる搭載用表面Ａ、及びリード部２ａの面積Ｓ３からなる電気的接続エリアＣを形成するためのパターンが露光される。次に、フォトレジスト層に現像、必要に応じて硬膜処理が行われる。これにより、パッド部２の搭載用表面Ａ及びリード部２ａの電気的接続エリアＣとなる部分を残してフォトレジストが除去される。すなわち、金属材料の一方の面側（表面側）のパッド部２の搭載用表面Ａを形成する部位、及び、リード部２ａの電気的接続エリアＣを形成する部位にレジストパターンが形成される。

　同様に、金属材料の他方の面側（裏面）にもフォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形成後、パターン露光、現像等という一連の処理が行われる。パターン露光において、面積Ｓ２（Ｓ１＜Ｓ２）の放熱用裏面Ｂ、及び面積Ｓ４（Ｓ３＜Ｓ４）の放熱用裏面Ｄを形成するためのパターンが露光され、その後、現像、硬膜処理などが行われる。これにより、パッド部２の放熱用裏面Ｂとなる部分、及びリード部２ａの放熱用裏面Ｄとなる部分を残して、フォトレジストが除去される。すなわち、放熱用裏面Ｂを形成する部位、及び、放熱用裏面Ｄを形成する部位にレジストパターンが形成される。これにより、リードフレーム用金属材料の表裏面にそれぞれ、フォトレジスト非形成部の面積の差分（ΔＳＰ＝Ｓ２－Ｓ１、ΔＳＰ＞０、ΔＳＬ＝Ｓ４－Ｓ３、ΔＳＬ＞０、）を有するレジストパターンが形成される。

　次に、金属材料の裏面に耐腐食用の樹脂フィルムが貼着される。次に、金属材料の表面側から塩化第二鉄等のエッチャントを用いてエッチング加工処理（ハーフエッチング処理）が行われる。このとき、金属材料の表面のフォトレジスト非形成部が所定の深度（例えば、図７、図８に示す厚さｔ２）までエッチングされる。その後、洗浄などを行い、金属材料の表面に耐腐食用の樹脂フィルムが貼着される。

　次に、金属材料の裏面の耐腐食用の樹脂フィルムが剥がされ、金属材料の裏面側から、塩化第二鉄等のエッチャントを用いてエッチング加工処理（ハーフエッチング処理）が行われる。このとき、金属材料の裏面のフォトレジスト非形成部が所定の深度（例えば、図７、図８に示す厚さｔ３）までエッチングされる。このようにして、表裏面からのハーフエッチングで形成されるエッチング深度ｔ２、ｔ３の合計の値を、金属薄板の厚みｔ１と同じか、もしくは、大きくする。これにより、金属材料の表面、裏面に各々対応するレジストパターンが形成されていない金属部位に貫通部が形成される。すなわち、図７乃至図９に示すように、搭載用表面Ａの面積Ｓ１と放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係がＳ１＜Ｓ２となるパッド部２及び放熱部３と、電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係がＳ３＜Ｓ４となるリード部２ａ及び放熱部３ａとからなるリードフレーム１が形成される。

　上述した説明では、エッチング加工は、表裏の面に各々１回ずつ行い、計２回行っているが、表裏から同時に行う１回のエッチングで金属材料にエッチング加工をしてもよい。

　レジストパターンから露出した金属材料部位にエッチング処理を行うと、レジストパターンから露出した金属材料部位には等方的にエッチングが行われる。そのため、金属材料の表裏両面側から各々エッチング（ハーフエッチング）を行うと、金属材料の表裏面でテーパー方向が逆となったリードフレーム１を得ることになる。すなわち、テーパー状部Ｅが上面から下面に向かって拡がる場合、テーパー状部Ｅ１は下面から上面に向かって拡がる。なお、図示するように、これらテーパー状部Ｅ及びテーパー状部Ｅ１の側面形状は屈曲又は湾曲した形状となっていても構わない。表裏面で各々逆テーパー状となったリードフレームにおいては、後述するように、板状となったリードフレームからの樹脂の脱落を防止できる。

　なお、図１及び図２に示す吊りリード２０は、パッド部２及びリード部２ａが金属材料から脱落するのを防止するためのものであるため、第２の実施形態のリードフレームを得る際にも形成しておくことが望ましい。吊りリード２０は、必要な期間、パッド部２及びリード部２ａを金属材料に連結保持しておくために形成されている。したがって、吊りリード２０を切断することで、個々のリードフレーム（後述する１単位フレーム）が得られる。なお、第２の実施形態の各断面図においては、吊りリード２０の図示は省略している。吊りリード２０と金属材料との連結部を切断して、リードフレームが分離できる。吊りリード２０の切断時期は、ＬＥＤチップを搭載した後、または、樹脂モールド後が挙げられるが、適宜設定して構わない。

　次に、本実施形態の半導体発光装置について説明する。図９に示すように、半導体発光装置ＬＥは、ＬＥＤチップ１０を搭載した１乃至複数箇所のパッド部２と、ＬＥＤチップ１０との電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレーム１を有している。

　パッド部２の搭載用表面Ａの面積Ｓ１と放熱部３の放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係は、０＜Ｓ１＜Ｓ２に設定され、ワイヤーボンディングエリアＣの面積Ｓ３と放熱部３ａの放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係は、０＜Ｓ３＜Ｓ４に設定されている。また、リードフレーム１の厚さｔ１と同じ厚みとなるよう充填樹脂にてリードフレーム１をモールドすることで、放熱用裏面Ｂ及び放熱用裏面Ｄは各々充填樹脂より露出している。このため、放熱部位が広く設定でき、かつ放熱部位の表面が露出することで、放熱性に優れたＬＥＤ素子とすることが出来る。また、リードフレーム１の側面にテーパー部状Ｅ、及びＥ１が設けられている。このため、樹脂４を溶融状態にしてモールド加工する際、及びモールド加工後において、樹脂４が、この段差状部又はテーパー状部Ｅ、Ｅ１によって保持される。また、樹脂４とリードフレームとの接触面積は大きくなる。そのため、充填された樹脂４とリードフレームとは強固に密着することになる。これにより、樹脂４からのリードフレームの脱落、もしくは、リードフレームからの樹脂４の脱落を防止することができる
　この点につき、更に説明する。本実施形態の構造としたリードフレーム１において、上部構造のテーパー状部Ｅのテーパーは例えば上面から下面に向けて拡がるテーパーとなり、下部構造のテーパー状部Ｅ１のテーパーは例えば下面から上面に向けて拡がるテーパーとなっている。すなわち、上部構造と下部構造の各々のテーパー方向は逆方向となっている。そのため、上部構造のテーパー部と下部構造のテーパー部とが合流する部位は、側面視で凸部となる。モールド後、パッド部２及び放熱部３と、リード部２ａ及び放熱部３ａとで挟まれた部位の充填樹脂４は、上記凸部に対応する部位が窪む。このため、充填樹脂４は、上側の部位（上部構造側の部位）と下側の部位（下部構造側の部位）との間にくびれた部位を有する。言い換えれば、図９に示すように、樹脂４の断面形状は、例えば、くびれた部位を有する砂時計状となる。樹脂４はくびれ部より径が大きい部分を有し、この径が大きな部分では充填樹脂４とリードフレーム１との接触面積が大きくなりリードフレームと充填樹脂との密着性が増す。また、砂時計状となった樹脂４はくびれ部を有し、リードフレームの両テーパー部が合流する部位である凸部は充填樹脂４のくびれ部に噛み合う。すなわち、充填樹脂のくびれ部は凸部により保持される。このため、樹脂４がリードフレーム１から脱落することを防止できる。かかる構造とすることは、樹脂充填後に個々に断裁され板状となったリードフレームから、リードフレームの厚み方向（表面方向及び裏面方向）に樹脂４が脱落することを防止する上で、特に効果的といえる。

　また、本実施形態のリードフレームは、一般的なフォトエッチング法にて安価に形成することが可能なため、安価なリードフレームの供給を可能としている。

　充填樹脂４の光屈折率ｎ１と透明樹脂５の光屈折率ｎ２との関係を、ｎ１＞ｎ２に設定することにより、樹脂４と透明樹脂５との境界面における高い光反射率を得ることができる。さらに、樹脂４と透明樹脂５との屈折率の差が大きいほど高い反射を行うことができる。しかし、樹脂の屈折率は概ね２以下であり、樹脂だけで屈折率差を大きくするには限界が有る。そのため、本発明において、充填樹脂４として、上記の１種の樹脂又は複数種の樹脂の混合樹脂を主体とする樹脂に、粉状物質や粒状物質などの添加剤を混合した光拡散性樹脂を使用することを提案する。これにより、樹脂４の屈折率ｎを２以上にすることができる。したがって、樹脂４と透明樹脂５との境界面における高い反射性を得ることができる。なお、樹脂４に添加する添加剤としては、例えば、ＳｉＯ_２、ＴｉＯ_２、Ａｌ_２Ｏ_３、酸化ジルコニウム、セラミック材、又はそれらの混合物などの微粒子が上げられる。また、主体樹脂に対する添加剤の混合比率は、適宜に設定することができる。例えば１％～２０％、若しくはそれ以上である。

　図６に示すように、ＬＥＤチップ１０から発せられた光Ｌは、透明樹脂５中を進行して外部に放出される。しかし、ＬＥＤチップ１０から発せられた光の一部は、外部（空気）と接触する透明樹脂５の境界で反射する（図６中の反射光Ｍ（全反射光や半反射光など））。その後、反射光Ｍは、充填樹脂４の表面に到達する。このとき、樹脂４に高い光反射率を持たせた場合、反射光Ｍを樹脂４の表面で再度反射させることが可能になる（図６中の再反射光Ｎ）。すなわち、再反射光Ｎを半導体発光装置より放出させることが可能になる。一方、充填樹脂が反射率を持たない場合、反射光Ｍはそのまま充填樹脂中に進入してしまい、ＬＥＤ素子から放出しなくなる。

＜第３の実施形態＞
　次に、図１０、図１１Ａ、１１Ｂを参照して、本発明の第３の実施形態における半導体発光装置用リードフレームについて以下に説明する。

　図１０に示すように、本実施形態における半導体発光装置用リードフレームにおいて、リードフレーム１のパッド部２とリード部２ａとを、その表裏面を同一平面とする１単位フレームとする（図１０の点線Ｚ部が１単位フレームを示す）。半導体発光装置用リードフレームは、枚葉状あるいは帯状の金属材料に、複数の１単位フレームを互いに縦横方向に配列した多面付けリードフレームＭＬを用いて製造される。

　図１０に示すように、タイバー３０と呼称される、例えば格子状の枠部が形成されている。このタイバー３０により、エッチング後、もしくは、プレス金型を用いた打ち抜き後にリードフレーム１が金属材料から脱離することを防止することができる。１単位フレームは、枠部であるタイバー３０の開口部の領域内にタイバー３０と連結するように形成されている。なお、本実施形態では、１単位フレームとタイバー３０との連結は、タイバー３０から分岐させた吊りリード２０を介して行っている。しかし、仕様によっては、吊りリード２０を形成せずに、１単位フレームとタイバー３０とを直接に連結させることであっても構わない。

　タイバー３０、吊りリード２０は、エッチング、もしくは、プレス金型を用いた打ち抜きにてパッド部２及びリード部２ａを形成する際に、パッド部２及びリード部２ａを形成するのと同様の手法にて形成される。すなわち、タイバー３０、吊りリード２０が形成される金属材料部位にもフォトレジストを形成することにより形成され、または、プレス金型を用いた打ち抜き時に、タイバー３０、吊りリード２０に相当する部位を残すことで形成される。この吊りリード２０、もしくは、タイバー３０の部位を切断、断裁することで、金属材料から各１単位フレームを切り離す。なお、１単位フレームとするリードフレームは、上述した実施形態１もしくは実施形態２のリードフレームのいずれであっても構わない。

　図１１Ａに示すように、多面付けリードフレームＭＬに形成された各１単位フレームの上部構造のパッド部２及びリード部２ａは、厚さｔ３の下部構造の上に形成されている。このため、下部構造の裏面からパッド部２及びリード部２ａの上面までの高さは金属材料の厚みと同一のｔ１である。本実施形態では、吊りリード２０、タイバー３０の面高さ（厚さ）は、低位（例えば、放熱部３、放熱部３ａの厚さｔ３と同じ厚さ）に設定されている。すなわち、吊りリード２０、タイバー３０の厚さは、金属材料の厚さｔ１より薄く設定されている。このような厚みを薄くした吊りリード２０、タイバー３０は、金属材料にエッチングを行ってパッド部２及びリード部２ａを形成する際に、吊りリード２０、タイバー３０となる金属材料部位にハーフエッチングを行うことで形成されることが可能である。すなわち、吊りリード２０、タイバー３０を形成すべき金属材料部位の一方の面側（例えば、放熱部３，３ａ側の面側）に吊りリード２０形成用フォトレジスト、タイバー３０形成用フォトレジストが形成された後、上述したようにパッド部２及びリード部２ａを形成するためのエッチングを金属材料の両面から行うものである。なお、ハーフエッチングにより厚さを薄くした吊りリード２０、タイバー３０を表面（ＬＥＤチップ搭載用表面、電気的接続エリア）側に形成する場合、吊りリード２０形成用フォトレジスト、タイバー３０形成用フォトレジストは、表面（ＬＥＤチップ搭載用表面、電気的接続エリア）側に形成される。なお、プレス金型を用いた打抜き加工により第１の実施形態のリードフレームを作成する際には、金属材料へのプレス時に、吊りリード２０、タイバー３０に相当する部位の厚みを、厚さｔ３にプレスして構わない。

　図１０、図１１Ａに示すように、複数のリードフレーム１がフォトエッチングにて製造された平板状のリードフレームＭＬは、上述したように、半導体発光装置用リードフレーム製造用の金型内に装填される。その後、樹脂４が金型内の凹部（内部空間）に充填され、成型される。これにより、図１１Ｂに示すように、搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂのそれぞれ、電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄのそれぞれが樹脂４から露呈するよう樹脂４が充填されて多面付けされた半導体発光装置用リードフレームＭＬが形成される。

　その後、半導体発光装置用リードフレームＭＬが切断され、切り離された１単位フレームが得られる。なお、半導体発光装置用リードフレームＭＬの切断時期は、樹脂モールド後に限らず、ＬＥＤチップの搭載後、または、透明樹脂の形成後であっても構わず、適宜設定して構わない。

　多面付けされた半導体発光装置用リードフレームＭＬに樹脂モールド加工を行う際、凹部（内部空間）を有する金型内に樹脂が注入される。樹脂が注入される際、樹脂の注入口の近傍の１単位フレームから、注入口から離れた部位にある１単位フレームへと、順次に樹脂が流れていき、樹脂モールドされていく。

　ここで、本実施形態の半導体発光装置用リードフレームにおいて、表面（ＬＥＤチップ搭載用表面、電気的接続エリア表面）と裏面（放熱用裏面）とは各々充填樹脂から露出されている。そのため、表面と裏面に樹脂が付着しないように、凹部の深さ（内部空間の高さ）はリードフレームの厚みと同一とするものである。すなわち、凹部の深さ（内部空間の高さ）をリードフレームの厚みと同一とすることで、金型内にリードフレームを装填した際に、リードフレームの表面と裏面とは各々、上金型の面と下金型の面とに密着するようになる。これにより、凹部（内部空間）に樹脂を注入した際に、リードフレームの表面と裏面とに樹脂が付着することを防止できる。

　しかし、吊りリード２０、タイバー３０の厚みが、リードフレームの厚みと同じ程度である場合、吊りリード２０、タイバー３０が樹脂の流れを妨げる、あるいは、堰き止めることになる。その結果、多面付けされた半導体発光装置用リードフレームＭＬにおいて、樹脂モールドされなかった部位を生じることになる。樹脂が充填されなかった部位は気泡を有する部位となり、半導体発光装置用リードフレームの品質、ひいては、半導体発光装置の品質が低下することになる。そのため、気泡を有する部位が多い場合は、半導体発光装置用リードフレームは欠陥品として廃棄される。

　一方、本実施形態では、吊りリード２０、タイバー３０の厚みを、例えば、下部構造である放熱部３、放熱部３ａの厚さｔ３と同じになるように薄くしている。そのため、充填樹脂の注入時に、樹脂は吊りリード２０、タイバー３０と金型との間に出来た隙間を流れていくことになる。これにより、樹脂の流れを妨げ、あるいは、堰き止めることが無くなる。その結果、本実施形態の多面付けされた半導体発光装置用リードフレームＭＬにおいて、気泡を有さない充填樹脂をリードフレームに成型することが可能になり、半導体発光装置用リードフレームの品質を良くすることが可能になる。また、欠陥品が無くなるため製造歩留まりが上がり、ひいては、半導体発光装置用リードフレームの製造コストを下げることが可能になる。また、１単位フレームのリードフレーム２を得る際に、吊りリード２０、タイバー３０を切断刃にて切断するが、厚みが薄くなっているため切断時に切断刃に掛かる負荷が少なくなり、切断刃の寿命を長くすることが出来る。さらに、上述したような光反射率の高い充填樹脂を、気泡を有さないように充填させることにより、光の反射率の向上を図ることができる。例えば、充填樹脂４の表面に気泡が存在した場合、充填樹脂４の表面に凹部が形成され、その凹部に入射する光は所望する方向に反射しない。このため、半導体発光装置から射出される光が少なくなる。しかし、気泡を有さないように充填された樹脂の表面は平坦となるため、入射する光は所望する方向に反射する。これにより、発光装置から効率よく反射光を出すことが可能になる。

　なお、本実施形態では、リードフレームの裏面側（下構造部の面側）に放熱部と同じ厚さとした吊りリード２０、タイバー３０を設けているが、リードフレームの表面側（上構造部の面側）に上構造部と同じ厚さとした吊りリード２０、タイバー３０を設けることであっても構わない。

＜第４の実施形態＞
　次に、図１３乃至図１６を参照して、本発明の第４の実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の点については省略する。

　樹脂にてモールドされたリードフレームの金属部分であるリードフレーム１は、金属製の薄板状の基材を表面側と裏面側からフォトエッチング加工することにより形成される。すなわち、図１４及び図１６に示すように、リードフレーム１は、表面側の厚さｔ２の上部構造のパターンと、裏面側の厚さｔ３の下部構造のパターンとからなり、上部構造と下部構造とは一体構造となっている。これら上部構造及び下部構造のパターンは、金属製の厚さｔ１の板状の基材を両面からフォトエッチング加工（前述したハーフエッチング加工）することにより形成されたものである。

　リードフレーム１の厚さｔ２の上部構造のパターンは、パッド部２と、それから分離して所定の間隔で隣接する１乃至複数箇所のリード部２ａとを備えている。また、厚さｔ３の下部構造のパターンは、パッド部２に裏面側で一体である放熱部３と、リード部２ａに裏面側で一体である放熱部３ａとを備えている。なお、図１６において、Ｗはワイヤーの一例を示している。このワイヤーは、パッド部２のチップ搭載用表面Ａに搭載した発光素子１０と、リード部２ａの電気的接続エリアＣとの間をワイヤーボンディングにより設けられている。

　図１３、図１４及び図１６に示すように、本実施形態のリードフレームは、ＬＥＤチップ１０を搭載するために１乃至複数箇所に形成された厚さｔ２の上部構造のパッド部２と、パッド部２と一体の厚さｔ３の下部構造の放熱部３とを備えている。上部構造であるパッド部２にはチップ搭載用表面Ａを有する。パッド部２の裏面と一体の下部構造の放熱部３（放熱板）には放熱用裏面Ｂを有する。図１４に示すように、本実施形態の半導体発光装置ＬＥにおいて、リードフレーム１のパッド部２のＬＥＤチップ搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、チップ搭載用表面Ａと対向する放熱部３の放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係は、０＜Ｓ１＜Ｓ２となっている。すなわち、チップ搭載用表面Ａの面積よりも放熱用裏面Ｂの面積が大きくなるように設定される。例えば、台座状となった放熱部３から、放熱部３より面積（図１３の平面図における面積）の小さいパッド部２が突出した形状となっている。

　上述したように、パッド部２の表面（上面）は、ＬＥＤチップ１０を搭載するための面積Ｓ１のチップ搭載用表面Ａとなっており、上部構造のパッド部２と対向する裏面側の放熱部３の外面は、面積Ｓ２の放熱用裏面Ｂとなっている。この放熱用裏面Ｂを樹脂４から露出するよう形成することで、この放熱用裏面Ｂは、ＬＥＤチップ１０本体から発生する駆動熱やＬＥＤチップ１０の周囲環境条件による熱を放散させて、ＩＣチップ１０に熱が蓄積されないように、パッド部２裏面側から外界側に熱を放散させる。

　また、図１３、図１５及び図１６に示すように、本実施形態のリードフレーム１は、図１４と同様に、上部構造が厚さｔ２のリード部２ａと下部構造が厚さｔ３の放熱部３ａとが一体になった構造を、パッド部２を有する構造と離反させて１乃至複数箇所に備えている。リード部２ａの表面は、パッド部２のチップ搭載用表面Ａと同じ高さである。このリード部２ａの表面は、ＬＥＤチップ１０と接続するためのワイヤーがボンディングされるワイヤーボンディング領域と、ＬＥＤチップ１０に形成された接続用電極と半田などを介してチップボンディグされる領域と、を有する電気的接続エリアＣとなっている。この電気的接続エリアＣは、ワイヤーボンディングやチップボンディング等により、ＬＥＤチップ１０とリード部２ａとの電気的接続を行う際に接続性を向上させるため、銀メッキ等が施され、その面積はＳ３である。

　また、放熱部３ａの表面（裏面）は、電気的接続エリアＣと対向して、パッド部２の放熱用裏面Ｂと同じ高さである放熱用裏面Ｄ（放熱板）となっている。この放熱用裏面Ｄの面積はＳ４である。

　図１６に示すように、パッド部２のチップ搭載用表面Ａと、リード部２ａの電気的接続エリアＣの面とは、同一の板状基材から形成されるため同一平面上にあり高さが同じである。リード部２ａの電気的接エリアＣには、ワイヤーボンディングでワイヤーＷが接続され、あるいは、チップボンディングでチップが接続され、パッド部２のチップ搭載用表面Ａ上に実装されるＬＥＤチップ１０と電気的に接続される。

　上部構造のパッド部２の側面部に、その上部構造の表面（チップ搭載用表面Ａ及び電気的接続エリアＣを含む面）側から下部構造の放熱部３の裏面（放熱用裏面Ｂ及び放熱用裏面Ｄを含む面）側の方向に拡がる、段差状部又はテーパー状部Ｅが形成されている。この段差状部又はテーパー状部Ｅは、樹脂モールド時の充填樹脂４を保持する。一方、下部構造の放熱部３（放熱板）の側面部には、上記テーパー状部Ｅとは逆テーパーとなった、その下部構造の裏面側から上部構造の表面側の方向に拡がるテーパー状部Ｅ１が形成されている。これにより、前述したように、モールド時の充填樹脂４を保持することができる。

　また、図１５に示すように、リードフレーム１のリード部２ａは、パッド部２のチップ搭載用表面Ａと同一面に電気的接続エリアＣを有する。一方、リード部２ａと一体の下部構造の放熱部３ａは、放熱部３の放熱用裏面Ｂと同一面にある放熱用裏面Ｄを有する。電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係は、０＜Ｓ３＜Ｓ４にする。すなわち、ワイヤーボンディングする電気的接続エリアＣの面積よりも放熱用裏面Ｄの面積が大きくなるように設定する。例えば、台座状となった放熱部３ａから、放熱部３より面積（図１３の平面図における面積）の小さいリード部２ａが突出した形状となっている。

　電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間における上部構造のリード部２ａの側面部には、その電気的接続エリアＣから放熱用裏面Ｄの方向に拡がる段差状部又はテーパー状部Ｅが形成され、モールド時の充填樹脂４をフレーム表面側から裏面側の方向に脱落しないように保持するようにしている。一方、下部構造の放熱部３（放熱板）の側面部には、その放熱用裏面Ｄから電気的接続エリアＣの方向に拡がるテーパー状部Ｅ１を形成し、モールド時の充填樹脂４をフレーム裏面側から表面側の方向に脱落しないように保持するようにしている。

　　このような構造としたリードフレーム１において、上部構造のテーパー状部Ｅのテーパーは例えば上面から下面に向けて拡がり、下部構造のテーパー状部Ｅ１のテーパーは例えば下面から上面に向けて拡がっている。すなわち、上部構造と下部構造の各々のテーパー方向は逆方向となっている。

そのため、前述したように、例えば、パッド部２及び放熱部３とリード部２ａ及び放熱部３ａとで挟まれた部位の充填樹脂４は、上側の面（上部構造側の面）と下側の面（下部構造側の面）との間にくびれた部位を有する。言い換えれば、図１６に示すように、断面形状は、例えば砂時計状となる。リードフレーム１は、樹脂４のくびれ部で充填樹脂４を保持する。このため、リードフレーム１から樹脂４が脱落することを防止できる。

　また、パッド部２のＬＥＤチップ搭載用表面Ａの面積Ｓ１とチップ搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係を０＜Ｓ１＜Ｓ２、電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係を０＜Ｓ３＜Ｓ４に設定する。放熱用裏面Ｂの面積をチップ搭載用表面Ａよりも広く、放熱用裏面Ｄの面積を電気的接続エリアＣよりも広くし、かつ、樹脂４から露出させるため、リードフレーム裏面側における高い放熱性能が得られる。

　このリードフレーム１の形成方法は、次の通りである。リードフレーム用金属板の表裏面にフォトレジストを塗布し、フォトレジストへのパターン露光と現像処理等をすることにより、レジストパターンを形成する。この後、塩化第二鉄等のエッチャントを用いて表裏両面のレジストパターンから露出した金属板部位をエッチング加工する所謂フォトエッチング加工（前述したハーフエッチング加工）を行う。このようにしてリードフレーム１が形成される。このため、リードフレーム１は、ＬＥＤ素子を搭載するためのパッド部２と、パッド部２とは絶縁状態に分離されたリード部２ａとを備えている。

（リードフレームの製造方法）
　次に、本実施形態の樹脂にてモールドされたリードフレームの製造方法を説明する。

　ここで、本実施形態におけるリードフレームは、上述した第２に実施形態と同様の製造方法で得られる。すなわち、金属材料に対して、表裏両面からフォトエッチングが行われる。これにより、搭載用表面Ａの面積Ｓ１と放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係がＳ１＜Ｓ２となるパッド部２及び放熱部３と、電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係がＳ３＜Ｓ４となるリード部２ａ及び放熱部３ａとからなるリードフレームが形成される。

　尚、本実施形態のリードフレームにおいては、エッチング後にリード部２ａの電気的接続エリアＣにＮｉ下地メッキを行い、その上に銀メッキ、あるいは、金メッキ、パラジウムメッキを行う。この電気的接続エリアＣへのメッキは、後述する充填樹脂４をリードフレーム１に充填してモールド成型する工程の後に行っても良い。すなわち、充填樹脂４から露出した電気的接続エリアＣにメッキする処理により行っても良い。

　次に、このように形成されたリードフレーム１に対し、以下に説明するように、金型を用いたモールド成型を行うことで樹脂４を成型する。これにより、チップ搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂのそれぞれ、電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄのそれぞれが樹脂４から露呈するように樹脂４が充填された樹脂充填リードフレームを製造する。

　図１７に示すように、モールド成型で用いる金型には、リードフレーム１を収める所定の内部形状とした凹部（例えば、リードフレーム材の厚みｔ１と同じ深さｔ１を有する凹部）が予め形成されている。この金型は、蓋となる板状の上金型４０と下金型４１とで１組の金型として構成されている。下金型４１には、溶融した樹脂４を注入する注入口４２と、内部空間としてリードフレーム１（多面付けリードフレームＭＬ）を装填することが可能な凹部４３とが形成されている。なお、本実施形態において、上金型４０には、充填樹脂４の上部に後述する光反射リング４ａを形成するための型となる光反射リング用凹部４０ａが内部空間として形成されている。

　樹脂モールド成型の手順として、まず、下金型４１の凹部４３にリードフレーム１が装填される。次に、上金型４０で下金型４１上に蓋をして型締めする。

　次に、注入口４２から、凹部４３と光反射リング用凹部４０ａとの内部空間内に加熱溶融した樹脂４が注入される。これにより、装填されたリードフレーム１に樹脂４をモールド成型した樹脂充填リードフレームが得られる。樹脂４をモールド成型後、上金型４０を外し、樹脂充填リードフレームを下金型４１から取り出す。これにより、リードフレーム１のパッド部２とリード部２ａと間に樹脂４が充填される。すなわち、チップ搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂ、及び電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄが樹脂４から外面に露呈した樹脂充填リードフレームが形成される。この樹脂充填リードフレームは、搭載用表面Ａと電気的接続エリアＣの高さから、それに対向する放熱用裏面Ｂと放熱用裏面Ｄの高さまで、リードフレーム１の厚さ方向に、樹脂４が充填される。

　ここで、図１３に示すように、光反射リング４ａは、モールド時に充填樹脂４と一体化した構造として充填樹脂４から突出して形成される。この光反射リング４ａは、樹脂充填リードフレーム上に、パッド部２、リード部２ａの間及び外側に平面視で円環状に形成される。この円環の中心は、ＬＥＤチップ１０の発光部（ＬＥＤ）の近くの位置に設置される。そして、円環の断面形状は、ＬＥＤチップ１０の発光部に対向する表面である内周面を、チップ搭載用表面Ａと電気的接続エリアＣの成す面から３０度から８５度傾斜した斜面として形成される。斜面とした光反射リング４ａの内周面の形状は、光を効率よく反射できるように、円錐面、楕円錐面、球面または放物面の一部としてもよい。また、側面の傾斜の角度は、光反射が効率よく行われるよう適宜設定して構わない。なお、この光反射リング４ａの平面視での形状は、円環に限定されず、その発光部の近くに円の中心がある複数の三日月形や円環の一部分、あるいはＬＥＤチップ１０の発光部を中心にした楕円形の環状に形成しても良い。また、発光部が円環の中心に近ければ、光反射リング４ａである円環の中心は発光部から少しずれていても良い。

　上述したように、上金型４０には光反射リング用凹部４０ａを形成しておき、モールド成型時に注入された充填樹脂４を光反射リング４ａの形に成型する。このため、光反射リング４ａは、チップ搭載用表面Ａと電気的接続エリアＣの高さから放熱用裏面Ｂと放熱用裏面Ｄの高さまでの樹脂４と一体化した構造となって、樹脂４から突出して形成される。すなわち、光反射リング４ａと樹脂４とは一体化し、両者の間に界面は存在しない。このため、光反射リング４ａと樹脂４の本体とは強固に接続され、密着性が高い。また、光反射リング４ａと樹脂４の本体との間に界面が無いので、界面に水蒸気が拡散して剥離し易くなることもない。したがって、接続信頼性の高い光反射リング４ａを得ることができる。更に、光反射リング４ａは、充填樹脂４の他の充填部分と同時に形成されているため、一回の樹脂モールド成型で済む。

　モールド成型時において、加熱溶融した樹脂が金型内に注入される。そのため、仮に、樹脂４を成型後に、別工程により光反射リング４ａをモールド成型で形成した場合、樹脂４は複数回にわたり熱にさらされることになり、熱による劣化が生じる。しかし、本実施形態のリードフレームの製造方法では、モールド成型を複数回繰り返す必要がない。すなわち、１回のモールド成型によりリードフレームを形成することができる。このため、複数回のモールド成型が行われた場合にその都度樹脂４に熱が加わることで生じる充填樹脂４の熱履歴による劣化を防ぐことができる。したがって、樹脂４の熱劣化による光反射特性の低下を防止でき、その光反射率を高く保つことができる。

　このモールド成型で用いる充填樹脂４及び光反射リング４ａには、光反射効率の高い白色樹脂を用いるのが望ましい。また、樹脂４及び光反射リング４ａは、その他に、耐熱性、耐光性、熱導電性、高い光拡散性を有することも望ましい。そのため、樹脂４及び光反射リング４ａとして、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シルセシキオキサン系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂（不飽和ポリエステル樹脂）、ポリアミド系樹脂、ポリフタルアミド（ＰＰＡ）、液晶ポリマ（ＬＣＰ）、シクロオレフィン系樹脂などの有機高分子材料が望ましく、１種の樹脂又は、複数種の樹脂の混合樹脂を用いて構わない。

　また、樹脂４及び光反射リング４ａとして、上記の１種の樹脂又は複数種の樹脂の混合樹脂を主体とする樹脂に、粉状物質の添加剤を混合した光拡散性樹脂を使用するのが望ましい。樹脂４及び光反射リング４ａに添加する添加剤としては、例えば、ＳｉＯ_２、ＴｉＯ_２、Ａｌ_２Ｏ_３、酸化ジルコニウム、酸化鉛、セラミック材などの白色粉末、又はそれらの混合物などの微粒子が上げられる。主体樹脂に対する添加剤の混合比率は、適宜に設定することができる。例えば１％～２０％、若しくはそれ以上である。このような充填樹脂４は、その添加剤により光拡散性を高くできる効果がある。それとともに、充填樹脂４は、その添加剤により屈折率ｎを２以上にすることができる。それにより、後に充填樹脂４上に形成される透明樹脂５よりも屈折率を高くできる。その屈折率差により、充填樹脂４と透明樹脂５との境界面における高い反射性が得られる効果がある。

　なお、図１３に示す吊りリード２０は、エッチング加工処理後、もしくは、プレス金型を用いた打ち抜き後に、パッド部２及びリード部２ａが金属材料から脱落するのを防止するためのものであり、必要な期間、パッド部２及びリード部２ａを金属材料に連結保持しておくために形成されている。したがって、充填樹脂４の形成後に吊りリード２０を切断することで、樹脂充填リードフレームが得られる。なお、断面図においては、吊りリード２０の図示は省略している。吊りリード２０と金属材料との連結部を切断して、樹脂充填リードフレームが分離できる。吊りリード２０の切断時期は、樹脂充填リードフレームにＬＥＤチップ１０を搭載した後、または、透明樹脂５のモールド成型後が挙げられるが、適宜設定して構わない。

　以上の処理で、図１３乃至図１６に示すように、ＬＥＤチップ１０を搭載する１乃至複数箇所のパッド部２と、ＬＥＤチップ１０との電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えた樹脂充填リードフレームを得る。こうして得た樹脂充填リードフレームにＬＥＤチップ１０が搭載されて半導体発光装置ＬＥが製造される。また、樹脂充填リードフレームにＬＥＤチップ１０を搭載した後に、パッド部２のチップ搭載用表面Ａより上面側、及びリード部２ａの電気的接続エリアＣより上面側に、ＬＥＤチップ１０と、電気的接続エリアＣにボンディングしたワイヤーＷとを被覆し、かつ、光反射リング４ａの内周面と接する透明樹脂５が層状又はドーム状に形成される。この透明樹脂５の厚さは、それらを被覆することができる厚さに形成される。透明樹脂５として、例えばアクリル系樹脂などの透明性の良好な樹脂を用いる。それにより、ＬＥＤチップ１０が透明樹脂層５の層内に埋設された状態で発光する際に、ＬＥＤチップ１０から発せられた光が透明樹脂５から外側に出射するにあたり高い光利得性を持たせることができる。

　樹脂充填リードフレームにおいて、パッド部２のチップ搭載用表面Ａの面積Ｓ１と放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係は、Ｓ１＜Ｓ２に設定され、リード部２ａにワイヤーボンディングする電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係は、Ｓ３＜Ｓ４に設定する。これにより、放熱部位が広く設定でき、放熱性に優れた半導体発光装置ＬＥが得られる効果がある。

　また、そのチップ搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂとの間、及び電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間におけるパッド部２、及びリード部２ａの側面部には、放熱用裏面Ｂ、Ｄの方向に拡がる段差状部又はテーパー状部Ｅを呈している。さらに、チップ搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂとの間、及び電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間における放熱部３、３ａの側面部には、チップ搭載用表面Ａ及び放熱用裏面Ｂの方向に拡がるテーパー状部Ｅ１を呈している。そのため、充填樹脂４を溶融状態にてモールド成型する際、及びモールド成型後は、樹脂４が、この段差状部又はテーパー状部Ｅ、及びテーパー状部Ｅ１によって保持され、かつ、樹脂４とリードフレームとの接触面積は大きくなる。そのため、樹脂４とリードフレームとは強固に密着することになり、樹脂４からのリードフレームの脱落、もしくは、リードフレームからの樹脂４の脱落を防止できる。このリードフレーム１は、一般的なフォトエッチング法にて安価に形成することが可能なため、安価な樹脂充填リードフレームが得られる効果がある。

　また、充填樹脂と一体となった光反射リング４ａの面を、チップ搭載用表面Ａと電気的接続エリアＣの成す面から３０度から８５度傾斜した斜面にして充填樹脂から突出させている。このため、光反射リング４ａが存在せず、充填樹脂４が平面である場合に比べて、充填樹脂４すなわち光反射リング４ａと透明樹脂層５との接触面積が大きくなる。これにより、光反射リング４ａと透明樹脂層５とは強固に密着することになり、透明樹脂層５が剥離することを防止することができる。

　また、充填樹脂４は、その添加剤により屈折率ｎを２以上にすることができるので、充填樹脂４の光屈折率ｎ１と透明樹脂５の光屈折率ｎ２との関係を、ｎ１＞ｎ２にすることができる。その屈折率差により、充填樹脂４と透明樹脂５との境界面における高い反射性が得られる効果がある。屈折率の差が大きいほど高い反射を行える。通常の樹脂の屈折率は概ね２以下であり、樹脂だけで屈折率差を大きくするには限界が有る。しかし、本実施形態の充填樹脂４は、添加剤として、ＳｉＯ_２、ＴｉＯ_２、Ａｌ_２Ｏ_３、酸化ジルコニウム、セラミック材、又はそれらの混合物などの微粒子を添加する。この際、主体樹脂に対する添加剤の混合比率を例えば１％～２０％、若しくはそれ以上添加することで、充填樹脂４の屈折率を２以上にすることができる。これにより、充填樹脂４と透明樹脂５との屈折率差を大きくすることができ、充填樹脂４と透明樹脂５との境界面における高い反射性が得られる効果がある。

　以下に、充填樹脂４及び光反射リング４ａに反射性を持たせることによる効果を説明する。

　図１８に示すように、ＬＥＤチップ１０から発せられた光Ｌは、透明樹脂５中を進行して外部に放出される。しかし、ＬＥＤチップ１０から発せられた光の一部は、外部と接触する透明樹脂５の境界で反射する（図１８中の反射光Ｍ）。その後、反射光Ｍは、充填樹脂４及び充填樹脂４と一体構造であり充填樹脂から突出する光反射リング４ａの表面に到達する。このとき、充填樹脂４及び光反射リング４ａに高い光反射率を持たせた場合、反射光Ｍを充填樹脂４及び光反射リング４ａの表面で再度反射させることが可能になる（図１８中の再反射光Ｎ）。すなわち、再反射光ＮをＬＥＤ素子より放出させることが可能になる。

　また、光反射リング４ａの傾斜面を、チップ搭載用表面Ａと電気的接続エリアＣの成す面から３０度から８５度傾斜した斜面にすることで、光反射リング４ａの傾斜面に入射する反射光を効率よく再反射させることが可能になる。さらに、ＬＥＤチップ１０から発せられた光が直接に光反射リング４ａの傾斜面に入射する場合であっても、入射光を効率よく外部に向け反射させることが可能になる。

　このように、充填樹脂４に高い反射率を持たせることで、ＬＥＤチップ１０から発せられた光を効率よく外部に放出させることが可能となる。また、ＬＥＤチップ１０のチップ搭載用表面Ａ、電気的接続エリアＣに金属メッキを行った場合、メッキ面にて反射光Ｍを再反射光Ｎとすることが出来るので、ＬＥＤチップ１０から発せられた光を効率よく利用するには好ましい。さらに充填樹脂４の表面に、光反射率の優れたセラミックインクなどをコーティングすることも、ＬＥＤチップ１０から発せられた光を効率よく利用する上で好ましいといえる。

　なお、本実施の形態では、図１５に示すように、ＬＥＤチップ１０と、電気的接続エリアＣにボンディングしたワイヤーＷとを被覆し、かつ、光反射リング４ａの内周面と接する部位を光反射面とする透明樹脂５は、光反射リング４ａの全体を被覆するように形成している。しかし、半導体発光装置の仕様によっては、光反射リング４ａの全体を透明樹脂で被覆する必要はない。すなわち、透明樹脂５と光反射リング４ａの内周面とが接する光反射面に所望する反射性を持たせるように、光反射リング４ａの内周面の一部または全部に被覆させて透明樹脂５を形成する。その際、光反射リング４ａの外側を透明樹脂５から露出させても構わない。

　＜第５の実施形態＞
　次に、図１９、図２０Ａ、２０Ｂを参照して、本発明の第５の実施形態における半導体発光装置用リードフレームについて以下に説明する。

　図１９に示すように、本実施形態における樹脂充填リードフレームにおいて、リードフレーム１のパッド部２とリード部２ａとを、点線Ｚ部で示す１単位フレームとする。樹脂充填リードフレームは、枚葉状あるいは帯状の金属材料に、複数の１単位フレームを互いに縦横方向に配列した多面付けリードフレームＭＬを用いて製造される。

　図１９に示すように、タイバー３０と呼称される、例えば格子状の枠部が形成されている。このタイバー３０により、エッチング後にリードフレーム１が金属材料から脱離することを防止することができる。１単位フレームは、枠部であるタイバー３０の開口部の領域内にタイバー３０と連結するように形成されている。なお、本実施形態では、１単位フレームとタイバー３０との連結は、タイバー３０から分岐させた吊りリード２０を介して行っている。しかし、仕様によっては、吊りリード２０を形成せずに、１単位フレームとタイバー３０とを直接に連結させることであっても構わない。

　タイバー３０、吊りリード２０は、エッチングにてパッド部２及びリード部２ａを形成する際に、パッド部２及びリード部２ａを形成するのと同様の手法にて形成される。すなわち、タイバー３０、吊りリード２０が形成される金属材料部位にもフォトレジストを形成することにより形成される。この吊りリード２０、もしくは、タイバー３０の部位を切断、断裁することで、金属材料から各１単位フレームを切り離す。

　図２０Ａに示すように、多面付けリードフレームＭＬに形成された各１単位フレームの上部構造のパッド部２及びリード部２ａは、厚さｔ３の下部構造の上に形成されている。このため、下部構造の裏面からパッド部２及びリード部２ａの上面までの高さは金属材料の厚みと同一のｔ１である。本実施形態では、吊りリード２０、タイバー３０の厚さは、金属材料の厚さｔ１よりも薄い下部構造の厚さｔ３に設定され、放熱部３、放熱部３ａ等と同じ厚さである。すなわち、吊りリード２０、タイバー３０の上面の下部構造の裏面に対する高さはｔ３に設定される。この吊りリード２０、タイバー３０の厚みを薄く形成するには、金属材料にエッチングを行い、パッド部２及びリード部２ａを形成する際に、吊りリード２０、タイバー３０とする金属材料部位にハーフエッチングを行うことで形成することが可能である。すなわち、吊りリード２０、タイバー３０を形成すべき金属材料部位の一方の面側（例えば、放熱部側の面側）に吊りリード２０形成用フォトレジスト、タイバー３０形成用フォトレジストが形成される。この後、上述したようにパッド部２及びリード部２ａを形成するためのエッチングを金属材料の両面からエッチングされる。なお、ハーフエッチングにより厚さを薄くした吊りリード２０、タイバー３０を表面（ＬＥＤチップ搭載用表面Ａ、電気的接続エリア）側に形成する場合、吊りリード２０形成用フォトレジスト、タイバー３０形成用フォトレジストは、表面（ＬＥＤチップ搭載用表面Ａ、電気的接続エリア）側に形成される。

　図１９、図２０Ａに示すように、１単位のリードフレーム１の複数単位を多面付けしてフォトエッチングにより製造された平坦状の多面付けリードフレームＭＬは、図１７で上述したように、樹脂充填リードフレーム１ｂの製造用の上金型４０と下金型４１との間に装填される。そして、樹脂４が金型内の凹部４３と光反射リング用凹部４０ａとの内部空間内に注入、充填されて成型される。これにより、図２０Ｂに示すように、チップ搭載用表面Ａと放熱用裏面Ｂのそれぞれ、電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄのそれぞれが露呈して充填樹脂４が充填された多面付けリードフレームＭＬが形成される。

　その後、多面付けリードフレームＭＬが切断処理され、切り離された１単位フレームが得られる。なお、多面付けリードフレームＭＬの切断時期は、樹脂モールド後に切断処理することに限らず、ＬＥＤチップの搭載後、または、透明樹脂の形成後に切断処理しても構わず、適宜切断時期を設定して構わない。

　多面付けリードフレームＭＬに樹脂モールド成型を行う際、多面付けリードフレームＭＬを設置する凹部４３を有する下金型４１内と、光反射リング用凹部４０ａを有する上金型４０内とに多面付けリードフレームＭＬが設置される。そして、下金型４１に形成した樹脂の注入口４２から上金型４０と下金型４１の間の空間に充填樹脂４が注入される。充填樹脂４が金型に注入される際、多面付けリードフレームＭＬのうち、樹脂の注入口４２の近傍の１単位フレームから、注入口から離れた部位にある１単位フレームへと、順次に樹脂が流れていき、樹脂モールドされていく。

　樹脂モールドの際に多面付けリードフレームＭＬ表面と裏面に充填樹脂４が付着しないよう、下金型４１の凹部４３の深さ（内部空間の高さ）はリードフレームの厚みと同一に形成する。それにより、金型内に多面付けリードフレームＭＬを装填した際に、多面付けリードフレームＭＬの表面は上金型４０の面に密着させ、裏面は下金型４１の面に密着させる。そうすることで、凹部（内部空間）に樹脂を注入した際に、多面付けリードフレームＭＬの表面と裏面とへの樹脂の付着を防止し、多面付けリードフレームＭＬの表面（ＬＥＤチップ搭載用表面Ａ、電気的接続エリア）と裏面（放熱用裏面）とを各々充填樹脂４から露出させる。

　もし、吊りリード２０、タイバー３０の厚みが、リードフレームの厚みと同じ程度に厚い場合、吊りリード２０、タイバー３０が樹脂の流れを妨げる、あるいは、堰き止め、多面付けリードフレームＭＬに樹脂モールドされない部位を生じる問題を生じる。そうなれば、樹脂４が充填されなかった部位は気泡を有する部位となり、樹脂充填リードフレーム１ｂの品質、ひいては、半導体発光装置ＬＥの品質が低下し、はなはだしい場合は欠陥品として廃棄する場合もある問題がある。

　この対策のため、本実施形態では、吊りリード２０、タイバー３０の厚みを、下部構造である放熱部３、放熱部３ａの厚さｔ３と同じ高さとなるまで薄くする。これにより、充填樹脂４の注入時に、樹脂は吊りリード２０、タイバー３０と金型との間に出来た隙間を流れていくことになる。これにより、樹脂の流れを妨げ、あるいは、堰き止めることが無くなる。その結果、多面付けリードフレームＭＬに、充填樹脂４に気泡を入れずにモールド成型することが可能になり、樹脂充填リードフレーム１ｂの品質を良くすることが可能になる。また、欠陥品が無くなるため製造歩留まりを上げることができる効果があり、ひいては、樹脂充填リードフレーム１ｂの製造コストを下げることが可能になる効果がある。また、吊りリード２０、タイバー３０を切断刃にて切断する際に、その厚みが薄いため切断時に切断刃に掛かる負荷を少なくでき、切断刃の寿命を長くすることが出来る効果がある。さらに、上述したような反射率の高い充填樹脂を、気泡を有さないように充填させることにより、光の反射率の向上を図ることができる。例えば、光反射リング４ａを含む充填樹脂の表面に気泡が存在した場合、充填樹脂表面に凹部が形成され、その凹部に入射する光は所望する方向に反射しない。このため、半導体発光装置から出る光が少なくなる。しかし、気泡を有さないように樹脂を充填した樹脂表面は平坦となるため、入射する光は所望する方向に反射する。これにより、発光装置から効率よく反射光を出すことが可能になる。

　なお、本実施形態では、リードフレームの下構造の側（裏面側）に下部構造の厚さと同じ厚さの吊りリード２０とタイバー３０を設けているが、リードフレームの上構造の側（表面側）に上構造部の厚さと同じ厚さの吊りリード２０とタイバー３０を設けるようにしても構わない。

　１…リードフレーム、１ｂ…樹脂充填リードフレーム、２…パッド部、２ａ…リード部、３…放熱部、３ａ…放熱部、４…（充填）樹脂、４ａ…光反射リング、５…透明樹脂、１０…ＬＥＤチップ（発光素子）、２０…吊りリード、３０…タイバー、４０…上金型、４０ａ…光反射リング用凹部、４１…下金型、４２…注入口、４３…凹部、Ａ…チップ搭載用表面、Ｂ…放熱用裏面、Ｃ…電気的接続エリア、Ｄ…放熱用裏面、Ｅ…段差状部又はテーパー状部、Ｅ１…テーパー状部（又は角面取り部）、Ｌ…ＬＥＤ発光光線、ＬＥ…半導体発光装置、Ｍ…反射光、ＭＬ…多面付けリードフレーム、Ｎ…再反射光、Ｗ…ワイヤー、Ｚ…１単位フレーム。

Claims

　少なくともＬＥＤチップ１０を搭載するＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームであって、
　前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、
　前記搭載用表面Ａと前記放熱用裏面Ｂとの間における前記パッド部２の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有することを特徴とするリードフレーム。
　前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、
　前記電気的接続エリアＣと前記放熱用裏面Ｄとの間における前記リード部２ａの側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有することを特徴とする請求項１に記載のリードフレーム。
　少なくともＬＥＤチップ１０を搭載するＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームであって、
　前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と、前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、
　前記パッド部２は前記搭載用表面Ａを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｂを有する下部構造とからなり、
　前記上部構造の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、
　前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｂから前記搭載用表面Ａに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有することを特徴とするリードフレーム。
　前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、
　前記リード部２ａは前記電気的接続エリアＣを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｄを有する下部構造とからなり、
　前記上部構造の側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、
　前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｄから前記電気的接続エリアＣに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有することを特徴とする請求項３に記載のリードフレーム。
　前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームであって、
　前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とする請求項１に記載のリードフレーム。
　板状のリードフレーム用金属材料の表面に、パッド部２の面積Ｓ１からなる搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、
　前記金属材料の裏面に、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａと対向する面積Ｓ２からなる放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、
　前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であって、前記搭載用表面Ａと前記放熱用裏面Ｂとの間における前記パッド部の側面部に前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成する
　ことを特徴とするリードフレームの製造方法。
　前記搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の表面に、リード部２ａの面積Ｓ３からなる電気的接続エリアＣを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、
　前記放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の裏面に、前記リード部２ａの電気的接続エリアＣと対向する面積Ｓ４からなる放熱用裏面Ｄを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、
　前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と前記放熱用裏面Ｃの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であって、前記電気的接続エリアＣと前記放熱用裏面Ｄとの間における前記リード部の側面部に前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成する
　ことを特徴とする請求項６に記載のリードフレームの製造方法。
　リードフレーム用金属材料の表面に、パッド部２の面積Ｓ１からなる搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、
　前記金属材料の裏面に、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａと対向する面積Ｓ２からなる放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストのパターンを形成し、
　前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記パッド部２の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係を０＜Ｓ１＜Ｓ２とし、かつ、前記パッド部２は、前記搭載用表面Ａを有する上部構造と、前記上部構造と一体であって、前記放熱用裏面Ｂを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成し、前記下部構造の側面部に、放熱用裏面Ｂから搭載用表面Ａに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
　前記搭載用表面Ａを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の表面に、リード部２ａの面積Ｓ３からなる電気的接続エリアＣを形成するためのフォトレジストをパターン形成し、
　前記放熱用裏面Ｂを形成するためのフォトレジストをパターン形成する際に、前記金属材料の裏面に、前記リード部２ａの電気的接続エリアＣと対向する面積Ｓ４からなる放熱用裏面Ｄを形成するためのフォトレジストをパターン形成し、
　前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と放熱用裏面Ｃの面積Ｓ４との関係をＳ３＜Ｓ４とし、かつ、前記リード部２ａは前記電気的接続エリアＣを有する上部構造と、前記上部構造と一体であって、前記放熱用裏面Ｄを有する下部構造とからなり、前記上部構造の側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを形成し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｄから前記電気的接続エリアＣに向かって拡がる、モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を形成することを特徴とする請求項８に記載のリードフレームの製造方法。
　前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームの製造方法であって、
　前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とする請求項６に記載のリードフレームの製造方法。
　少なくともＬＥＤチップ１０等のＩＣチップを搭載したＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームを、前記搭載用表面Ａから前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂに亘って、その厚さ方向に充填樹脂によりモールド加工が施され、前記パッド部の前記搭載用表面Ａより上面側に、前記ＬＥＤチップ及び前記電気的接続エリアＣを含めて透明樹脂が被覆された半導体発光装置であって、
　前記パッド部の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、
　前記搭載用表面Ａと前記放熱用裏面Ｂとの間における前記パッド部の側面部に、前記搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、
　前記充填樹脂は、前記段差状部又はテーパー状部Ｅにて保持されていることを特徴とする半導体発光装置。
　少なくともＬＥＤチップ１０等のＩＣチップを搭載したＬＥＤチップ搭載用表面Ａを有する１乃至複数箇所のパッド部２と、前記ＬＥＤチップと電気的接続を行う電気的接続エリアＣを有するリード部２ａとを同一平面に備えたリードフレームを、前記搭載用表面Ａから前記搭載用表面Ａと対向する放熱用裏面Ｂに亘って、その厚さ方向に充填樹脂によりモールド加工が施され、前記パッド部の前記搭載用表面Ａより上面側に、前記ＬＥＤチップ及び前記電気的接続エリアＣを含めて透明樹脂が被覆された半導体発光装置であって、
　前記パッド部の前記搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、
　前記パッド部は前記搭載用表面Ａを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｂを有する下部構造とからなり、
　前記上部構造の側面部に、前記搭載用表面Ａから放前記熱用裏面Ｂに向かって段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、
　前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｂから前記搭載用表面Ａに向かって段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有し、
　前記充填樹脂は、それぞれの段差状部、テーパー状部Ｅ，Ｅ１にて保持されていることを特徴とする半導体発光装置。
　前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、
　前記電気的接続エリアＣと放熱用裏面Ｄとの間における前記リード部２ａの側面部に、前記電気的接続エリアＣから放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、前記充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、
　前記充填樹脂は、段差状部又はテーパー状部Ｅにて保持されていることを特徴とする請求項１１に記載の半導体発光装置。
　前記リード部２ａの前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と、前記電気的接続エリアＣと対向し前記パッド部２の前記放熱用裏面Ｂと同一平面にある放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、
　前記リード部２ａは前記電気的接続エリアＣを有する上部構造と、前記上部構造と一体であり、前記放熱用裏面Ｄを有する下部構造とからなり、
　前記上部構造の側面部に、前記電気的接続エリアＣから前記放熱用裏面Ｄに向かって拡がる、樹脂モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅを有し、
　前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｄから前記電気的接続エリアＣに向かって拡がる、樹脂モールド時の充填樹脂を保持する段差状部又はテーパー状部Ｅ１を有し、
　前記充填樹脂は、それぞれの段差状部又はテーパー状部Ｅ，Ｅ１にて保持されていることを特徴とする請求項１１に記載の半導体発光装置。
　前記充填樹脂の光屈折率ｎ１と前記透明樹脂の光屈折率ｎ２との関係がｎ１＞ｎ２に設定され、前記充填樹脂を高反射率の樹脂としたことを特徴とする請求項１１に記載の半導体発光装置。
　前記充填樹脂に反射率特性が向上する微粒子を添加したことを特徴とする請求項１１に記載の半導体発光装置。
　表面側の上部構造と裏面側の下部構造とが一体となり、かつ、互いに離反した複数の構造体で形成されたリードフレームであって、
　前記リードフレームは、前記複数の構造体の間及び外側に形成され、前記リードフレームと同じ厚さの充填樹脂を有し、
　前記上部構造は、パッド部２と、前記パッド部２と離反したリード部２ａとを有し、
　前記下部構造は、前記パッド部２と一体となった放熱部３と、前記リード部２ａと一体となった放熱部３ａとを有し、
　前記パッド部２の表面の面積Ｓ１と、前記放熱部３の裏面の面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、
　前記リード部２ａの表面の面積Ｓ３と、前記放熱部３ａの裏面の面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であり、
　前記各上部構造の側面部に、前記リードフレームの表面側から裏面側に向かって広がる段差状部又はテーパー状部を有し、
　前記各下部構造の側面部に、前リードフレームの裏面側から表面側に向かって広がる段差状部又はテーパー状部を有し、
　前記リードフレームは、前記表面側にあって前記パッド部２及び前記リード部２ａの外側に、前記パッド部に面する斜面の内周面を備え、前記充填樹脂と一体に形成され、前記充填樹脂から突出した光反射用の光反射リング４ａを有することを特徴とするリードフレーム。
　前記光反射リング４ａの前記内周面の前記パッド部２の表面に対する傾斜角度が３０
度以上８５度以下であることを特徴とする請求項１７に記載のリードフレーム。
　前記充填樹脂が樹脂に粉状の添加剤を混合した光拡散性樹脂であり光屈折率が２以上であることを特徴とする請求項１７に記載のリードフレーム。
　前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームであって、
　前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とする請求項１７に記載のリードフレーム。
　リードフレーム用金属材料の表面に、パッド部２の面積Ｓ１からなるチップ搭載用表面Ａと、リード部２ａの面積Ｓ３からなる電気接続エリアＣとを形成するフォトレジストのパターンを形成し、
　前記金属材料の裏面に、前記チップ搭載用表面Ａに対向する面積Ｓ２からなる放熱用裏面Ｂと、前記電気接続エリアＣに対向する面積Ｓ４からなる放熱用裏面Ｄとを形成するフォトレジストのパターンを形成し、
　前記金属材料の表裏両面からエッチング加工することで、前記パッド部２のチップ搭載用表面Ａの面積Ｓ１と前記放熱用裏面Ｂの面積Ｓ２との関係を０＜Ｓ１＜Ｓ２とし、前記電気的接続エリアＣの面積Ｓ３と前記放熱用裏面Ｄの面積Ｓ４との関係を０＜Ｓ３＜Ｓ４とした、前記金属材料から成る上部構造と下部構造とを有する一体構造を形成し、前記上部構造の側面部に、前記チップ搭載用表面Ａから前記放熱用裏面Ｂに向かって広がる段差状部又はテーパー状部を形成し、前記下部構造の側面部に、前記放熱用裏面Ｂから前記チップ搭載用表面Ａに向かって広がる段差状部又はテーパー状部を形成し、前記上部構造の前記チップ搭載用表面Ａを有するパッド部２と前記下部構造の前記放熱用裏面Ｂを有する放熱部３を一体に形成し、前記上部構造の前記電気接続エリアＣを有するリード部２ａと下部構造の前記放熱用裏面Ｄを有する放熱部３ａを一体に形成し、
　モールド成型用の金型に前記上部構造と前記下部構造とを有する一体構造を設置し、
　前記金型に樹脂を充填してモールド成型することにより、前記上部構造と前記下部構造の一体構造と同じ厚さの充填樹脂を前記上部構造と前記下部構造の一体構造の周囲に形成し、かつ、前記充填樹脂の形成と同時に、前記チップ搭載用表面Ａ側であって前記パッド部２及びリード部２ａの外側に、前記チップ搭載用表面Ａ側に面する斜面の内周面を有する光反射用の光反射リング４ａを、前記充填樹脂と一体構造として前記充填樹脂から突出させて形成することを特徴とするリードフレームの製造方法。
　前記パッド部２と前記リード部２ａとをその表裏面を同一平面とする１単位フレームとして、各単位フレームが互いに縦横方向に１乃至複数本のタイバーにて連結されて多面付け配列されたリードフレームの製造方法であって、
　前記パッド部２、前記リード部２ａ及び前記タイバーのそれぞれ表面、裏面又は表裏両面の面高さのうち、前記タイバーの面高さが低位に設定され、前記パッド部２及び前記リード部２ａよりも前記タイバーの厚さが薄く設定されていることを特徴とする請求項２１に記載のリードフレーム製造方法。
　表面側の上部構造と裏面側の下部構造とが一体となり、かつ、互いに離反した複数の構造体で形成されたリードフレームと、前記リードフレームの前記複数の構造体の間及び外側に形成され、前記リードフレームと同じ厚さの充填樹脂とを具備し、
　前記上部構造は、パッド部２と、前記パッド部２と離反したリード部２ａとを有し、
　前記下部構造は、前記パッド部２と一体となった放熱部３と、前記リード部２ａと一体となった放熱部３ａを有し、
　前記各上部構造の側面部に、前記リードフレームの表面側から裏面側の方向に広がる段差状部又はテーパー状部を有し、
　前記各下部構造の側面部に、前リードフレームの裏面側から表面側の方向に広がる段差状部又はテーパー状部を有し、
　前記表面側にあって前記パッド部２及び前記リード部２ａの外側に、前記パッド部に面する斜面の内周面を有し、前記充填樹脂と一体に形成され、前記充填樹脂から突出した光反射用の光反射リング４ａを有し、
　前記パッド部２の表面にＬＥＤチップが搭載され、
　前記ＬＥＤチップの電極が前記リード部２ａに電気接続され、
　前記ＬＥＤチップを被覆し、かつ、前記光反射リング４ａの前記内周面と接する透明樹脂が形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
　前記パッド部２の表面の面積Ｓ１と、前記放熱部３の裏面の面積Ｓ２との関係が０＜Ｓ１＜Ｓ２であり、
　前記リード部２ａの表面の面積Ｓ３と、前記放熱部３ａの裏面の面積Ｓ４との関係が０＜Ｓ３＜Ｓ４であることを特徴とする請求項２３記載の半導体発光装置。
　前記充填樹脂が樹脂に粉状の添加剤を混合した光拡散性樹脂であり光屈折率が２以上であり、前記透明樹脂の屈折率より高いことを特徴とする請求項２３に記載の半導体発光装置。