強誘電性液晶パネルの駆動方法及び液晶表示装置
技術分野
本発明は、 強誘電性液晶パネルの駆動方法及び、 強誘電性液晶パ ネルを有する液晶表示装置に明関する。
背景技術
書
強誘電性液晶は、 複数の光学的な状態を有し、 電圧を印加しなく ても特定の状態を保持し続ける特性を有している。 強誘電性液晶分 子は、 電界等の外部からの影響に応じ、 円錐 (液晶コーン) の側面 に沿って安定した 2 ケ所の位置の何れかの位置を取る。 強誘電性液 晶を一対の基板間に挟持し、 液晶表示装置として用いる際には、 強 誘電性液晶に印加する電圧の極性に応じて、 強誘電性液晶分子が前 述した安定した 2 ケ所のいずれか一方に位置するように制御する。 2 ケ所の安定した位置の一方を第 1の強誘電状態、 他方を第 2の強 誘電状態と言う。
図 1 は、 強誘電性液晶 1 0を用いた強誘電性液晶パネル 2 0 の構 成例を示す図である。
図 1 において、 偏光板 1 5 a (偏光軸の方向を a ) 及び 1 5 b ( 偏光軸の方向を b ) をクロスニコルに合わせて配置した。 また、 第 2の強誘電状態における強誘電性液晶 1 0の分子の長軸方向を偏光 軸 aと一致させるように配置した。 したがって、 第 1 の強誘電状態 の場合の液晶分子の長軸方向は、 図 1 に示されるように、 液晶コー ンに沿った他の位置となる。
図 1 に示すように、 偏光板 1 5 a及び 1 5 bと強誘電性液晶 1 0
を配置し、 印加電圧の極性を変化させて、 強誘電性液晶 1 0 を第 2 の強誘電状態とした場合 (強誘電性液晶 1 0の分子の長軸方向が偏 光板 1 5 aの偏光軸 aと一致した場合) 、 光は透過せず、 強誘電性 液晶パネル 2 0は黒表示 (非透過状態) となる。 また、 印加電圧の 極性を変化させて、 強誘電性液晶 1 0 を第 1 の強誘電状態とした場 合 (強誘電性液晶 1 0の分子の長軸方向が、 偏光板 1 5 aの偏光軸 a及び偏光板 5 1 bの偏光軸 bの何れとも一致しない場合) 、 液晶 分子の長軸方向が偏光軸に対してある角度を持って傾くため、 例え ばバックライ トからの光が透過し、 強誘電性液晶パネル 2 0は白表 示 (透過状態) となる。 なお、 表示を行う場合には、 バックライ ト 以外の光源を利用することも可能である。
図 2は、 強誘電性液晶の印加電圧と光透過率との関係を示す図で ある。
図 2に示す様に、 強誘電性液晶 1 0に印加される電圧を増加させ 、 光透過率が増加し始める電圧値を V 1、 さらに電圧を増加させ、 光透過率の増加が飽和する電圧値を V 2 (正の閾値) とする。 逆に 、 強誘電性液晶 1 0に印加される電圧を減少させ、 光透過率が減少 し始める電圧値を V 3, さらに電圧を減少させ、 光透過率の減少が 飽和する電圧値を V 4 (負の閾値) とする。 ここで、 光透過率の高 い状態が第 1の強誘電状態であり、 光透過率の低い状態が第 2の強 誘電状態である。
例えば、 強誘電性液晶 1 0に、 V 2以上の電圧値を印加すると、 強誘電性液晶 1 0は第 1の強誘電性状態にスイッチングし、 その後 電圧を印加せずとも (即ち、 0 V印加) 、 強誘電性液晶 1 0は第 1 の誘電性状態を保持する。 同様に、 強誘電性液晶 1 0 に、 V 4以下 の電圧値を印加すると、 強誘電性液晶 1 0は第 2の強誘電性状態に スイッチングし、 その後電圧を印加せずとも (即ち、 0 V印加) 、
強誘電性液晶 1 0は第 2の誘電性状態を保持する。 このように、 強 誘電性液晶 1 0は、 正の閾値以上又は負の閾値以下の電圧を印加し て、 所定の強誘電性状態にスイッチングさせた後は、 電圧を印加せ ずとも、 そのままの状態を保持することとなる。 このような、 強誘 電性液晶 1 0は、 例えば、 特許文献 1 に記載されている。
また、 強誘電性液晶 1 0を用いた液晶素子では、 白表示と黒表示 をスイッチングさせるための閾値が書き込み直前の画素の状態に大 きく起因していることに鑑み、 画素に電圧を印加する際に、 最初の 第 1の電圧 V I を印加した後に第 2の電圧 V 2 ( V 1 < V 2 ) を印 加することによって、 直前の画素の状態に拘らず画素をスィッチン グさせることを可能とした液晶駆動方法が知られている (例えば、 特許文献 2参照) 。 しかしながら、 特許文献 2には、 強誘電性液晶 1 0の閾値ムラに起因して、 鮮明な画像を得ることができないと言 う問題点及びその解決方法については全く記載されていない。
さらに、 強誘電性液晶 1 0 を用いた液晶表示素子において、 4つ のリセッ トパルス (黒表示レベルのリセッ トパルス中和部分用、 黒 表示レベル用リセッ ト、 白表示レベルのリセッ トパルス中和部分用 、 及び白表示レベル用リセッ ト) を利用して、 前に書き込んだ電圧 による液晶のダイ レク夕を一様に戻すことが知られている (例えば 、 特許文献 3参照) 。 しかしながら、 特許文献 3には、 強誘電性液 晶 1 0の閾値ムラに起因して、 鮮明な画像を得ることができないと 言う問題点及びその解決方法については全く記載されていない。 特許文献 1 : 特開 2 0 0 6 — 2 3 4 8 1号公報 (第 1図、 第 2図
)
特許文献 2 : 特開平 4 一 8 5 5 1 7号公報 (第 1図)
特許文献 3 : 特開平 9 一 5 4 3 0 7号公報 (第 9頁、 第 1図)
発明の開示
図 3は、 強誘電性液晶を用いた表示素子を走査電極および信号電 極を帯状に複数本ずつ形成した単純マトリックス駆動によって駆動 した場合、 それぞれのピクセルに印加される電圧を示す図である。 図 3には、 1本目、 2本目及び n本目の走査電極に印加する駆動 パルスと、 信号電極に印加する駆動パルスが記載されている。
強誘電性液晶を用いた表示素子では、 一度書きこんだ画面表示が 消えずにそのままの状態を保持される。 また、 静止画面を書き換え るためには、 一度だけ全ての走査電極を走査し画面を書き換える必 要がある。 そのため、 強誘電性液晶を用いた表示素子では、 最初の リセッ ト期間と、 全ての走査電極を走査する書き込み期間と、 電圧 を印加しない画面表示保持期間とを有する。 任意の画面表示を行う には書き込み期間にのみ電圧を印加すればよく、 画面表示を維持し 続けるための保持期間では全く電圧を印加する必要はない。
リセッ ト期間 R eでは、 全ての走査電極には、 土 V C O Mの走査 パルスが印加され、 信号電極には土 V S E Gの信号パルスが印加さ れる。 なお、 走查電極に印加される走査パルスと信号電極に印加さ れる信号パルスの和が、 各ピクセルに印加される駆動電圧となる。 書き込み期間では、 走査電極の 1本目から順番に土 V C O Mの走 查パルスが印加され、 信号電極には白表示または黒表示に応じた土 V S E Gの信号パルスが印加される。 図 3の例における信号電極に は、 1本目から (n— 1 ) 本目までは黒表示に応じた土 V S E Gの 信号パルスが印加され、 n本目のみ白表示に応じた ± V S E Gの信 号パルスが印加されている。
図 4は、 1本目の走査電極上にある 1番目のピクセル ( 1 、 m ) 、 2番目のピクセル ( 2 、 m ) 及び n番目のピクセル (n、 m ) に 印加される駆動電圧を示したものである。
図 4には、 リセッ ト期間 R e、 書き込み期間及び表示保持期間が 示され、 さらに書き込み期間では、 選択パルスを印加する期間であ る選択期間 1、 及び非選択パルスを印加する非選択期間 2が示され ている。
図 4に図示されるように、 リセッ ト期間 R eでは、 後半に強誘電 性液晶 1 0 8を白表示にスイッチングさせるための閾値 V 2 (図 2 参照) よりも大きな電圧 + (V C OM + V S E G) のリセッ トパル スが印加され (図 4のパルス c 1、 c 2及び c 3参照) 、 画面が白 表示にリセッ 卜される。
選択期間 1で黒表示を行う場合には、 選択期間 1の後半で強誘電 性液晶を黒表示にスイッチングさせるための閾値(V 4 )より も絶対 値として大きな電圧一 (V C OM + V S E G) の選択パルスが印加 され、 黒表示を行う (図 4のパルス c 4及び c 5参照) 。 また、 選 択期間 1で白表示を行う場合には、 リセッ ト期間 R eにおいて白表 示となった状態を維持するために、 土 (V C OM— V S E G) の選 択パルスが印加され (図 4のパルス c 6及び c 7 ) 、 白表示が維持 される。
非選択期間 2では、 各ピクセルに電圧土 (V S E G) が印加され 、 それまでの状態が維持される。
図 5は、 強誘電性液晶パネルにおける画像表示例を示す図である 表示例 3 0及び表示例 3 2はリセッ ト期間 R eにおいて白表示に リセッ トされた状態を示し、 表示例 3 1はリセッ ト期間 R eの次の 書き込み期間において、 各ピクセルを白表示又は黒表示に選択して 表示を行おうと希望する表示画面例を示している。
しかしながら、 図 3及び 4に示すパルスを走査電極及ぴ信号電極 に印加した場合、 表示例 3 3に示すように、 白表示となるべき部分
が、 黒表示となって、 鮮明な画像を表示できないという問題があつ た。
これは、 強誘電性液晶パネルにおいて、 画面全体に渡って強誘電 性液晶の閾値が全て一様に一定とはならず、 閾値ムラが存在するこ とに起因している。 即ち、 白表示から黒表示にスイッチングする閾 値 V 4 (図 2参照) が低い強誘電性液晶が存在すると、 図 4のパル ス c 7によって、 白表示から黒表示にスイッチングしてしまうこと が、 図 5の表示例 3 3のような画像が表示されてしまう原因の一つ であった。
なお、 表示例 3 3の場合には、 リセッ ト画面が白表示であるので (背景が白表示画面) 、 白表示となるべきピクセルが黒表示となる ことが問題であつたが、 リセッ ト画面が黒表示 (背景が黒表示画面 ) の場合には、 黒表示となるべきピクセルが白表示となることが問 題となる。
本発明は上記の問題を解決することを可能とした強誘電性液晶パ ネルの駆動方法及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
また、 本発明は、 閾値ムラに関わらず、 鮮明な画像を得ることを 可能とした強誘電性液晶パネルの駆動方法及び液晶表示装置を提供 することを目的とする。
本発明に係る液晶表示装置は、 一対の基板間に配置された強誘電 性液晶、 強誘電性液晶を駆動するための複数の走査電極及び複数の 信号電極、 及び複数の走査電極と前記複数の信号電極との交点から 構成される複数のピクセルを有する強誘電性液晶パネルと、 複数の 走査電極及び複数の信号電極に駆動パルスを印加する制御回路を有 し、 制御回路は、 第 1のリセッ トパルスと、 複数のピクセルをスィ ツチングするための第 1の選択パルスと、 第 1のリセッ トパルスと 異なる電圧又はパルス幅を有する第 2のリセッ トパルスと、 第 1 の
選択パルスとは異なる電圧又はパルス幅を有し且つ複数のピクセル をスィツチングするための第 2の選択パルスとを、 複数のピクセル に印加することを特徴とする。
さらに、 本発明に係る液晶表示装置では、 第 2のリセッ トパルス は第 1のリセッ トパルスの電圧より低い電圧又は第 1のリセッ トパ ルスのパルス幅より短いパルス幅を有し、 第 2の選択パルスは第 1 の選択パルスの電圧より低い電圧又は第 1の選択パルスのパルス幅 より短いパルス幅を有することが好ましい。
さらに、 本発明に係る液晶表示装置では、 強誘電性液晶パネルは 、 複数の走査電極及び複数の信号電極を有し、 第 1のリセッ トパル ス及び第 2のリセッ 卜パルスは複数の走査電極の全てに同時に印加 されることが好ましい。
さらに、 本発明に係る液晶表示装置では、 強誘電性液晶パネルは 、 複数の走査電極及び複数の信号電極を有し、 第 1のリセッ トパル ス及び第 2のリセッ トパルスは、 複数の走査電極のそれぞれに、 順 番に印加されることが好ましい。
さらに、 本発明に係る液晶表示装置では、 強誘電性液晶パネルは 、 複数の走査電極及び複数の信号電極の交点から構成される複数の ピクセルを有し、 第 1のリセッ トパルス、 第 1の選択パルス、 第 2 のリセッ トパルス及び第 2の選択パルスは、 複数の走查電極に、 順 番に印加されることが好ましい。
さらに、 本発明に係る液晶表示装置では、 温度センサを更に有し 、 制御回路は、 第 1及び第 2のリセッ トパルスと、 第 1及び第 2の 選択パルスの電圧又はパルス幅を、 温度センサの検出出力に基づい て可変することが好ましい。
本発明に係る強誘電性液晶パネルの駆動方法は、 第 1のリセッ ト パルスを電極を介して強誘電性液晶に印加するステップと、 第 1の
リセッ トパルスの印加後に強誘電性液晶をスィツチングするための 第 1の選択パルスを電極を介して強誘電性液晶に印加するステップ と、 第 1の選択パルスの印加後に第 1のリセッ トパルスと異なる電 圧又はパルス幅を有する第 2のリセッ トパルスを電極を介して強誘 電性液晶に印加するステツプと、 第 2のリセッ トパルスの印加後に 第 1の選択パルスとは異なる電圧又はパルス幅を有し且つ強誘電性 液晶をスイッチングするための第 2の選択パルスを電極を介して強 誘電性液晶に印加するステップを有することを特徴とする。
本発明による強誘電性液晶パネルの駆動方法及び液晶表示装置に よれば、 2回目のリセッ トパルスの電圧を 1回目のリセッ トパルス の電圧と異ならせ、 2回目の選択パルスの電圧を 1回目の選択パル スの電圧と異ならせるようにしたので、 閾値ムラがあっても、 良好 な画像を強誘電性液晶パネルに表示させることが可能となった。
また、 本発明による強誘電性液晶パネルの駆動方法及び液晶表示 装置によれば、 2回目リセッ トパルスの電圧を 1回目のリセッ トパ ルスの電圧より αだけ低く (又はパルス幅を ]3だけ短く) し、 2回 目の書き込み期間において白表示を維持するための選択パルスの電 圧を 1回目の選択パルスの電圧より αだけ低く (又はパルス幅を ^ だけ短く) することによって、 スイッチングの閾値が低いピクセル であっても、 黒表示にスイッチングさせることなく、 良好な画像を 強誘電性液晶パネルに表示させることが可能となった。
さらに、 本発明による強誘電性液晶パネルの駆動方法及び液晶表 示装置において、 温度センサの検出出力に基づいて制御を行う場合 には、 環境温度変化による閾値の変化や閾値ムラの変化に拘らず、 さらに良好な画像を強誘電性液晶パネルに表示させることが可能と なった。
図面の簡単な説明
図 1 は、 強誘電性液晶を用いた強誘電性液晶パネルの構成例を示 す図である。
図 2は、 強誘電性液晶の印加電圧と光透過率との関係を示す図で ある。
図 3は、 走査電極及び信号電極に印加される走査/信号パルスの 一例を示す図である。
図 4は、 ピクセルに印加される駆動パルスの一例を示す図である 図 5は、 強誘電性液晶パネルにおける画像表示例を示す図である 図 6は、 本発明に用いられる強誘電性液晶パネルの概略断面図で ある。
図 7は、 本発明に係る液晶表示装置の概略ブロック図である。 図 8は、 閾値ムラがある場合の強誘電性液晶の印加電圧と光透過 率との関係を示す図である。
図 9は、 走査電極及び信号電極に印加される走査/信号パルスの 一例を示した図である。
図 1 0は、 図 9 に示す走査パルス及び信号パルスが印加された場 合の駆動パルスを示した図である。
図 1 1は、 図 1 0に示す駆動パルスよる画像表示例を示す図であ る。
図 1 2は、 走査電極及ぴ信号電極に印加される他の走査/信号パ ルスの一例を示した図である。 '
図 1 3は、 図 1 2に示す走査パルス及び信号パルスが印加された 場合の駆動パルスを示した図である。
図 1 4は、 走査電極及び信号電極に印加される更に他の走査 Z信
号パルスの一例を示した図である。 ' 図 1 5は、 図 1 4に示す走查パルス及び信号パルスが印加された 場合の駆動パルスを示した図である。
図 1 6は、 走査電極及び信号電極に印加される更に他の走査/信 号パルスの一例を示した図である。
図 1 7は、 図 1 6に示す走查パルス及び信号パルスが印加された 場合の駆動パルスを示した図である。
図 1 8は、 本発明に係る他の液晶表示装置の概略ブロック図であ る。
図 1 9は、 環境温度変化がある場合の強誘電性液晶 1 0 8の印加 電圧と光透過率との関係を示す図である。
図 2 0は、 パルス幅と環境温度との関係を示す図である。 発明を実施するための形態
以下図面を参照して、 本発明に係る強誘電性液晶 1 0 8パネルの 駆動方法及び液晶表示装置について説明する。 但し、 本発明の技術 的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、 特許請求の範囲に記載 された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図 6は本発明に用いられる強誘電性液晶パネル 1 0 0の概略断面 図である。
強誘電性液晶 1 0 8は、 2枚の透明ガラス基板 1 0 1 a及び 1 0 1 bとシール剤 1 0 2との間に挟持されている。 透明ガラス基板 1 0 1 a上には、 複数の走査電極 1 0 4が帯状に配置されている。 透 明ガラス基板 1 0 1 b上には、 複数の信号電極 1 0 5が帯状に配置 されている。
強誘電性液晶 1 0 8は、 前述した図 1及び図 2に記載されるよう な挙動を示す。 また、 図 1 に示した偏光板 1 5 a及び 1 5 b力 、 透
明ガラス基板 1 0 1 a及び 1 0 1 bの外側に、 それぞれ配置されて いる。
強誘電性液晶パネル 1 0 0では、 ガラス基板 1 0 1上に透明電極 によってそれぞれ所定の走査電極 1 0 4と信号電極 1 0 5を形成し 、 それぞれの電極の上に S i O x膜として S i O配向膜 1 0 7 a及 ぴ 1 0 7 bが斜方蒸着により形成される。 一対のガラス基板 1 0 1 はスぺーサ (図示せず) によって 1〜 2 mの厚さに保持され、 シ ―ル剤 1 0 2によって接着されている。 組み上げられた空のセルを 真空中に配置し、 加熱溶融した強誘電性液晶 1 0 8 を注入孔 (図示 せず) に配置することにより、 セル内に強誘電性液晶 1 0 8が注入 される。
図 7は、 本発明に係る液晶表示装置の概略ブロック図である。 液晶表示装置 1 2 0は、 強誘電性液晶パネル 1 0 0、 制御部 1 1 0、 駆動電圧波形制御回路 1 1 1、 各走査電極 1 0 4に電圧波形を 印加するための走査駆動電圧波形発生回路 1 1 2、 各信号電極 1 0 5に電圧波形を印加するための信号駆動電圧波形発生回路 1 1 3、 表示データ記憶部 1 1 4、 RAM I 1 5 > 及び R OM 1 1 6等から 構成される。
制御部 1 1 0は、 RAM I 1 5又は R OM 1 1 6 に予め記憶され たプログラムに従い、 表示デ一夕記憶部 1 1 4に記憶された表示用 データが強誘電性液晶パネル 1 0 0に表示されるように、 駆動電圧 波形制御回路 1 1 1 に制御信号を出力するように構成されている。 また、 駆動電圧波形制御回路 1 1 1は、 入力された制御信号に応じ て、 複数の走查電極 1 0 4及び複数の信号電極 1 0 5に所定の電圧 波形が出力されるように、 走査駆動電圧波形発生回路 1 1 2及び信 号駆動電圧波形発生回路 1 1 3 を制御する。
以下、 本発明に係る液晶表示装置 1 2 0おいて、 強誘電性液晶パ
ネル 1 0 0に印加される駆動パルスについて説明する。
図 8は、 閾値ムラがある場合の強誘電性液晶の印加電圧と光透過 率との関係を示す図である。
強誘電性液晶パネル 1 0 0の各ピクセルには、 閾値ムラによって 、 強誘電性液晶 1 0 8 をスイッチングさせる閾値が高い閾値 V 2及 び V 4と、 低い閾値 V 2 ' 及び V 4 ' のものが混在している。 スィ ツチングさせる閾値が高い閾値 V 2及び V 4と低い閾値 V 2 ' 及び V 4 ' の関係は、 図 8に示す通りである。 以下では強誘電性液晶パ ネル 1 0 0に閾値ムラが存在しているものとして説明を行う。
図 9は、 強誘電性液晶パネルの走査電極及び信号電極に印加され る走査 /信号パルスの一例を示した図である。
図 9では、 1本目及び 2本目の走査電極 1 0 4に印加する走査パ ルスと、 全ての信号電極 1 0 5に印加する信号パルスが記載されて いる。 駆動電圧波形制御回路 1 1 1は、 走査駆動電圧波形発生回路 1 1 2を制御して各走査電極 1 0 4に図 9に示す走査電極用の走査 パルスを印加し、 信号駆動電圧波形発生回路 1 1 3 を制御して各信 号電極 1 0 5へ図 9に示す信号電極用の信号パルスを印加する。
図 9に示す走查ノ信号パルスでは、 第 1 フレーム F 1及び第 2フ レーム F 2 という 2つのフレームを利用して強誘電性液晶パネル 1 0 0へ画像の書き込みを行う。 また、 第 1 フレーム F 1 には第 1 リ セッ ト期間 R e 1及び第 1書き込み期間 W 1が含まれ、 第 2フレー ム F 2は第 2 リセッ ト期間 R e 2及び第 2書き込み期間 W 2が含ま れる。
第 1 リセッ ト期間 R e 1では、 全ての走査電極に、 土 V C O IV [の 走査パルスが印加され、 信号電極には土 V S E Gの信号パルスが印 加される。 なお、 走查電極に印加される走査パルスと信号電極に印 加される信号パルスの和が、 各ピクセルに印加される駆動電圧とな
る。
第 1書き込み期間 W 1では、 1本目の走査電極には選択期間 1 ― 1 に、 2本目の走査電極には選択期間 1 一 2に、 というように順番 に全ての走査電極に土 V C〇 Mの走査パルスが印加される。 また、 第 1書き込み期間 W 1では、 全ての信号電極には白表示または黒表 示に応じた土 V S E Gの信号パルスが印加される。 図 9に示す信号 電極への駆動パルスの例では、 1本目の走查電極に対応する選択期 間 1 一 1 の時に黒表示を示す O Nパルスが印加され、 2本目の走査 電極に対応する選択期間 1 一 2の時に白表示を示す O F Fパルスが 印加されている。
第 2 リセッ ト期間 R e 2では、 全ての走査電極に、 土 ( V C〇 M - ) の走査パルスが印加され、 信号電極には土 V S E Gの信号パ ルスが印加される。
第 2書き込み期間 W 2では、 1本目の走査電極には選択期間 2 — 1 に、 2本目の走査電極には選択期間 2 — 2に、 というように順番 に全ての走査電極に土 (V C O M— 0;) の走査パルスが印加される 。 また、 第 2書き込み期間 W 2では、 全ての信号電極には白表示ま たは黒表示に応じた土 V S E Gの信号パルスが印加される。 図 9 に 示す信号電極への駆動パルスの例では、 1本目の走査電極に対応す る選択期間 2 — 1 の時に黒表示を示す O Nパルスが印加され、 2本 目の走査電極に対応する選択期間 2 — 2の時に白表示を示す O F F パルスが印加されている。
図 1 0は、 図 9 に示す走査パルス及び信号パルスが印加された場 合の駆動パルスを示した図である。
図 1 0では、 1本目の走査電極上にある 1番目のピクセル ( 1 、 m ) 及び 2番目のピクセル ( 2、 m ) に印加される駆動パルスが示 されている。 図 1 0に示す各期間は、 全て図 9 に示した期間と同じ
である。
図 1 1は、 図 1 0に示す駆動パルスよる画像表示例を示す図であ る。
第 1 リセッ ト期間 R e 1の後半では、 強誘電性液晶 1 0 8を白表 示にスイッチングさせるための閾値 (V 2 ) よりも大きな電圧 + ( V C OM + V S E G) のリセッ トパルスが印加され (図 1 0のパル ス d l及び d 2参照) 、 画面全体が白表示にリセッ トされる。 この 状態の一例を図 1 1 の表示例 4 0 に示す。
選択期間 1 一 1 の後半では、 ピクセル ( 1、 m ) に強誘電性液晶 1 0 8を黒表示にスィツチングさせるための閾値(V 4)よりも絶対 値として大きな電圧一 ( V C O M + V S E G ) の選択パルスが印加 され、 ピクセル ( 1、 m) は黒表示となる (図 1 0のパルス d 3参 照) 。 なお、 選択期間 1 一 1 において、 非選択のピクセル (例えば 、 ピクセル ( 2、 m ) ) には、 土 ( V S E G ) が印加され (図 1 0 のパルス d 4及び d 5参照) 、 それまでの状態が維持される。
選択期間 1 一 2では、 ピクセル ( 2、 m) に、 第 1 リセッ ト期間 R e 1において白表示となった状態を維持するために、 土 (V C O M - V S E G) の選択パルスが印加される (図 1 0のパルス d 6及 び d 7参照) 。
しかしながら、 閾値ムラによって、 低い閾値 ( V 4 ' ) を有する ピクセルでは、 図 1 0のパルス d 7によって、 白表示から黒表示に スイッチングしてしまう可能性があった。 例えば、 このような低い 閾値 (V 4 ' ) を有するピクセルが黒表示にスイッチングしてしま つた状態の一例を図 1 1の表示例 4 1 に示す。
第 2 リセッ ト期間 R e 2では、 第 1 リセッ ト期間 R e 1の時に印 加した土 (V C OM + V S E G) より も低い電圧土 (V C OM—ひ + V S E G) のリセッ トパルスが印加されることとなる力 S (図 1 0
のパルス d 8及び d 9参照) 、 この電圧は強誘電性液晶 1 0 8 を白 表示にスイッチングさせるための閾値 ( V 2 ) よりも小さいため、 全てのピクセルを白表示にリセッ トすることはできず、 低い閾値 (
V 2 ' ) のピクセルだけが白表示にリセッ トされる。 この.時の状態 の一例を図 1 1の表示例 4 2に示す。
選択期間 2— 1では、 最終的に、 選択期間 1 一 1の時に印加した 土 (V C OM + V S E G) より低い電圧土(V C OM— + V S E G) の選択パルスが印加される (図 1 0のパルス d 1 0参照) 。 選択期間 2— 2では、 ピクセル ( 2、 m) に、 第 2 リセッ ト期間 R e 2において白表示となった状態を維持するために、 電圧土 (V C〇 M— ひ 一 V S E G ) の選択パルスが印加される (図 1 0のパル ス d l l及び d l 2参照) 。
第 1書き込み期間 W 1では、 第 1 リセッ ト期間 R e 1 において白 表示となった状態を維持するために、 電圧土 (V C OM— V S E G ) の選択パルスが印加されたが、 対象となるピクセルが低い閾値 (
V 4 ' ) を有している場合には、 選択パルス (図 1 0のパルス d 7 参照) によって黒表示にスイッチングしてしまった。 しかしながら 、 第 2書き込み期間 W 2の選択パルス (図 1 0のパルス d 1 2参照 ) による電圧は、 土 (V C〇M— a— V S E G) であって、 低い閾 値 (V 4 ' ) よりも更に低い。 したがって、 低い閾値 (V 4 ' ) を 有するピクセルであっても、 選択パルス (図 1 0のパルス d 1 2参 照) によって、 黒表示にスイッチングされることはない。 この状態 の一例を図 1 1 の表示例 4 3に示す。
ピクセル ( 1、 m) において強誘電性液晶 1 0 8の状態をスイツ チングさせるための閾値が高い (V 2 ) 場合には、 第 1 リセッ ト期 間 R e 1のリセッ トパルス (図 1 0のパルス d 1参照) によって白 表示にリセッ トされ、 選択期間 1 一 1の選択パルス (図 1 0のパル
ス d 3参照) で黒表示にスイッチングされるが、 第 2 リセッ ト期間 R e 2のリセッ トパルス (図 1 0のパルス d 8参照) では白表示に リセッ トされない。 したがって、 選択期間 2 — 1 の選択パルス (図 1 0のパルス d 1 0参照) 自体では極性をスィツチングさせるほど 電圧が高くないので、 ピクセル ( 1 、 m ) は選択期間 1 — 1で設定 された黒表示をそのまま保持することとなる。 一方、 ピクセル ( 1 、 m ) において強誘電性液晶 1 0 8の状態をスイッチングさせるた めの閾値が低い (V 2 ' ) の場合には、 第 1 リセッ ト期間 R e 1の リセッ トパルス (図 1 0のパルス d 1参照) によって白表示にリセ ッ 卜され、 選択期間 1 一 1の選択パルス (図 1 0のパルス d 3参照 ) で黒表示にスイッチングされ、 第 2 リセッ ト期間 R e 2のリセッ 卜パルス (図 1 0 のパルス d 8参照) で、 再度白表示にリセッ トさ れる。 しかしながら、 選択期間 2 — 1の選択パルス (図 1 0のパル ス d 1 0参照) で再度黒表示に設定される。 したがって、 黒表示と されるべきピクセルが高い閾値 (V 2 ) を持っていても、 低い閾値 ( V 2 ' ) を持っていても、 図 9に示す走査電極及び信号電極への 走査/信号パルスを利用すれば、 そのピクセルを黒表示とすること ができる。
ピクセル ( 2 、 m ) において強誘電性液晶 1 0 8の状態をスィッ チングさせるための閾値が高い (V 2 、 V 4 ) 場合には、 第 1 リセ ッ ト期間 R e 1のリセッ トパルス (図 1 0のパルス d 2参照) によ つて白表示にリセッ トされ、 選択期間 1 一 1 の非選択パルス (図 1 0のパルス d 4及び d 5参照) でそのままの状態が維持され、 選択 期間 1 一 2の選択パルス (図 1 0のパルス d 6及び d 7参照) でも そのままの状態が維持される。 また、 第 2 リセッ ト期間 R e 2のリ セッ トパルス (図 1 0のパルス d 9参照) でも、 選択期間 2— 1 の 非選択パルス及び選択期間 2— 2の選択パルス (図 1 0のパルス d
1 1及び 1 1 2参照) でもそのまま白表示が維持される。 一方、 ピ クセル ( 2 、 m ) において強誘電性液晶 1 0 8の状態をスィッチン グさせるための閾値が低い ( V 2 ' 、 V 4 ' ) 場合には、 第 1 リセ ッ ト期間 R e 1のリセッ トパルス (図 1 0のパルス d 2参照) によ つて白表示にリセッ トされ、 選択期間 1 一 2の選択パルス (図 1 0 のパルス d 7参照) で黒表示にスイッチングされる可能性がある。 そのような場合でも、 リセッ ト期間 R e 2のリセッ トパルス (図 1 0のパルス d 9参照) で再度白表示にリセッ トされる。 しかしなが ら、 選択期間 2— 2の選択パルス (図 1 0のパルス d 1 2参照) は 、 選択期間 1 — 1の選択パルス (図 1 0のパルス d 7参照) より電 圧の絶対値が低いので、 黒表示にスイッチングされることが無い。 したがって、 白表示とされるべきピクセルが高い閾値 (V 2 、 V 4 ) を持っていても、 低い閾値 (V 2 ' 、 V 4 ' ) を持っていても 、 図 9に示す走査電極及び信号電極への走査/信号パルスを利用す れば、 そのピクセルを白表示とすることができる。
このように、 2回目のリセッ トパルスの電圧を 1回目のリセッ ト パルスの電圧より αだけ低く し、 2回目の書き込み期間において白 表示を維持するための選択パルスの電圧を 1回目の選択パルスの電 圧より αだけ低くする。 この結果、 低い閾値を有するピクセルであ つても、 黒表示にスィツチングさせることなく、 図 1 1の表示例 4 3に示すような良好な画像を強誘電性液晶パネル 1 0 0に表示させ ることが可能となった。
図 1 2は、 強誘電性液晶パネルの走査電極及び信号電極に印加さ れる他の走査/信号パルス例を示した図である。
図 1 2では、 1本目及び 2本目の走査電極 1 0 4に印加する走査 パルスと、 全ての信号電極 1 0 5に印加する信号パルスが記載され ている。 駆動電圧波形制御回路 1 1 1は、 走査駆動電圧波形発生回
路 1 1 2を制御して各走査電極 1 0 4に図 1 2に示す走査電極用の 走査パルスを印加し、 信号駆動電圧波形発生回路 1 1 3を制御して 各信号電極 1 0 5へ図 1 2に示す信号電極用の信号パルスを印加す る。
図 1 2に示す走査 Z信号パルスでは、 第 1 フレーム F 1及び第 2 フレーム F 2 という 2つのフレームを利用して強誘電性液晶パネル 1 0 0へ画像の書き込みを行う。 また、 第 1 フレーム F 1 には第 1 リセッ ト期間 R e 1及び第 1書き込み期間 W 1が含まれ、 第 2 フレ ーム F 2は第 2 リセッ ト期間 R e 2及び第 2書き込み期間 W 2が含 まれる。
図 1 2に示す走査/信号パルス例と図 9に示した走査ノ信号パル スとの違いは、 図 1 2の例では、 第 1 リセッ ト期間 R e 1及び第 2 リセッ ト期間 R e 2において、 全ての走査電極 1 0 4に同時にリセ ッ ト用の走査パルスが印加されるのではなく、 1本ずつ順番に印加 される点のみである。 その他は、 同一であるので、 説明を省略する 図 1 3は、 図 1 2 に示す走査パルス及び信号パルスが印加された 場合の駆動パルスを示した図である。
図 1 3では、 1本目の走査電極上にある 1番目のピクセル ( 1、 m) 及び 2番目のピクセル ( 2、 m) に印加される駆動パルスが示 されている。 図 1 3に示す各期間は、 全て図 1 2に示した期間と同 じである。
第 1 リセッ ト期間 R e 1では、 順番に、 強誘電性液晶 1 0 8 を白 表示にスイッチングさせるための閾値 (V 2 ) よりも大きな電圧 + (V C OM + V S E G) がリセッ トパルスとして印加され (図 1 3 のパルス e 1及び e 2参照) 、 画面全体が白表示にリセッ トされる
選択期間 1 一 1では、 ピクセル ( 1、 m) に強誘電性液晶 1 0 8 を黒表示にスイッチングさせるための閾値(V 4)よりも絶対値とし て大きな電圧一 (V C OM + V S E G) が選択パルスとして印加さ れ、 ピクセル ( 1、 m ) は黒表示となる (図 1 3のパルス e 3参照 ) 。 なお、 選択期間 1 一 1 において、 非選択のピクセル (例えば、 ピクセル ( 2、 m ) ) には、 土 ( V S E G ) が印加され (図 1 3の パルス e 4及び e 5参照) 、 それまでの状態が維持される。
選択期間 1 — 2では、 ピクセル ( 2、 m) に、 第 1 リセッ ト期間 R e 1 において白表示となった状態を維持するために、 土 ( V C O M - V S E G) の選択パルスが印加される (図 1 3のパルス e 6及 ぴ e 7参照) 。
しかしながら、 閾値ムラによって、 低い閾値 (V 4 ' ) を有する ピクセルでは、 図 1 3のパルス e 7によって、 白表示から黒表示に スイッチングしてしまう可能性がある。
第 2 リセッ ト期間 R e 2では、 第 1 リセッ ト期間 R e 1の時に印 加した土 (V C OM + V S E G) よりも低い電圧土 (V C OM— α + V S E G) のリセッ トパルスが印加されるが (図 1 3のパルス e 8及び e 9参照) 、 この電圧は強誘電性液晶 1 0 8を白表示にスィ ツチングさせるための閾値 ( V 2 ) よりも小さいため、 全てのピク セルを白表示にリセッ トすることはできず、 低い閾値 (V 2 ' ) の ピクセルだけが白表示にリセッ 卜される。
選択期間 2— 1では、 最終的に、 選択期間 1 一 1 の時に印加した 土 (V C OM + V S E G) よ り低い電圧土 (V C OM— a + V S E G) の選択パルスが印加される (図 1 3のパルス e 1 0参照) 。 選択期間 2— 2では、 ピクセル ( 2、 m) に、 第 2 リセッ ト期間 R e 2において白表示となった状態を維持するために、 電圧土 (V C〇 M— — V S E G ) の選択パルスが印加される (図 1 3のパル
ス e 1 1及び e 1 2参照) 。
図 1 2及び図 1 3に示した例においても、 図 9及び図 1 0に示し た場合と同様に、 2回目のリセッ トパルスの電圧を 1回目のリセッ トパルスの電圧より αだけ低く し、 2回目の書き込み期間において 白表示を維持するための選択パルスの電圧を 1 回目の選択パルスの 電圧より Q!だけ低くする。 この結果、 低い閾値を有するピクセルで あっても、 黒表示にスイッチングさせることなく、 図 1 1 の表示例 4 3に示すような良好な画像を強誘電性液晶パネル 1 0 0に表示さ せることが可能となつた。
図 1 4は、 強誘電性液晶パネルの走査電極及び信号電極に印加さ れる更に他の走查 信号パルス例を示した図である。
図 1 4では、 1本目及び 2本目の走査電極 1 0 4に印加する走査 パルスと、 全ての信号電極 1 0 5に印加する信号パルスが記載され ている。 駆動電圧波形制御回路 1 1 1は、 走査駆動電圧波形発生回 路 1 1 2を制御して各走査電極 1 0 4に図 1 4に示す走査電極用の 走査パルスを印加し、 信号駆動電圧波形発生回路 1 1 3 を制御して 各信号電極 1 0 5へ図 1 4に示す信号電極用の信号パルスを印加す る。
図 1 4に示す走査/信号パルスでは、 第 1 フレーム F 1のみを利 用して強誘電性液晶パネル 1 0 0へ画像の書き込みを行う。
図 1 4に示す走査/信号パルス例と図 1 2に示した走査/信号パ ルスとの違いは、 図 1 4の例では、 各走査電極に対して、 図 1 2に 示した第 1 リセッ 卜期間 R e 1のリセッ 卜用のパルス、 第 1書き込 み期間 W 1の選択用のパルス、 第 2 リセッ ト期間 R e 2のリセッ ト 用のパルス及び第 2書き込み期間 W 2の選択用のパルスが、 連続し て 1 フレームで印加される点である。 即ち、 図 1 2の例では、 複数 のフレームの複数の期間に分かれて順番に印加されていた 4つのパ
ルスを、 図 1 4の例では、 一度に連続して印加されるように構成し ている。 なお、 各走査電極に対して印加される走査パルスに応じて 、 全ての信号電極に印加される信号パルスの順番も入れ替わつてい る。
図 1 5は、 図 1 4に示す走査パルス及び信号パルスが印加された 場合の駆動パルスを示した図である。
ピクセル ( 1、 m) に対しては最終的に黒表示となるように、 最 初に、 第 1 リセッ トパルスとして、 強誘電性液晶 1 0 8 を白表示に スイッチングさせるための閾値 (V 2 ) よりも大きな電圧土 (V C OM + V S E G) が印加され (図 1 5のパルス d 1参照) 、 白表示 にリセッ トされる。 次に、 強誘電性液晶 1 0 8 を黒表示にスィッチ ングさせるための閾値(V 4)よりも絶対値として大きな電圧 + ( V C O + V S E G) を有する第 1選択パルスが印加され (図 1 5の パルス d 2参照) 、 ピクセル ( 1、 m) は黒表示となる。 次に、 第 1 リセッ トパルスとして印加した + (V C OM + V S E G) よりも 低い電圧 + (V C OM- a +V S E G) が、 第 2 リセッ トパルスと して印加される (図 1 5のパルス d 3参照) 。 最後に、 第 1選択パ ルスとして印加した一 (V C OM + V S E G) より低い電圧一 (V C OM- a + V S E G) 力 、 第 2選択パルスとして印加される (図 1 5のパルス d 4参照) 。
なお、 上記の 4つの駆動パルスがピクセル ( 1、 m) に印加され ている間は、 弈選択のピクセル (例えば、 ピクセル ( 2、 m) ) に は、 土 (V S E G) が印加され (図 1 5のパルス d 5及び d 6等参 照) 、 それまでの状態が維持される。
ピクセル ( 2、 m) に対しては最終的に白表示となるように、 最 初に、 第 1 リセッ トパルスとして、 強誘電性液晶 1 0 8 を白表示に スイッチングさせるための閾値 (V 2 ) よりも大きな電圧 + ( V C
OM + V S E G) が印加され (図 1 5のパルス d 7参照) 、 白表示 にリセッ トされる。 次に、 白表示をそのまま維持するために、 強誘 電性液晶 1 0 8 を黒表示にスイッチングさせるための閾値(V 4)よ りも小さな電圧一 (V C〇M— V S E G) を有する第 1選択パルス が印加される (図 1 5のパルス d 8参照) 。 次に、 第 1 リセッ トパ ルスとして印加した + (V C OM + V S E G) よりも低い電圧 + ( V C OM- a + V S E G) が、 第 2 リセッ トパルスとして印加され る (図 1 5のパルス d 9参照) 。 最後に、 第 1選択パルスとして印 加した— (V C OM— V S E G) より更に低い電圧一 (V C OM— α - V S E G) 力 、 第 2選択パルスとして印加される (図 1 5のパ ルス d 1 0参照) 。
図 1 4及び図 1 5 に示した例においても、 図 9及び図 1 0に示し た場合と同様に、 2回目のリセッ トパルスの電圧を 1回目のリセッ トパルスの電圧より αだけ低く し、 2回目の書き込み期間において 白表示を維持するための選択パルスの電圧を 1回目の選択パルスの 電圧より αだけ低くすることによって、 低い閾値を有するピクセル であっても、 黒表示にスイッチングさせることなく、 図 1 1の表示 例 4 3に示すような良好な画像を強誘電性液晶パネル 1 0 0に表示 させることが可能となつた。
図 1 6は、 強誘電性液晶パネルの走査電極及び信号電極に印加さ れる更に他の走査/信号パルスの一例を示した図である。
図 1 6では、 1本目及び 2本目の走査電極 1 0 4に印加する走査 パルスと、 全ての信号電極 1 0 5に印加する信号パルスが記載され ている。 駆動電圧波形制御回路 1 1 1は、 走査駆動電圧波形発生回 路 1 1 2を制御して各走査電極 1 0 4に図 1 6に示す走査電極用の 走査パルスを印加し、 信号駆動電圧波形発生回路 1 1 3 を制御して 各信号電極 1 0 5へ図 1 6 に示す信号電極用の信号パルスを印加す
る。
図 1 6に示す駆動パルスでは、 第 1 フレーム F 1及ぴ第 2フレー ム F 2 という 2つのフレームを利用して強誘電性液晶パネル 1 0 0 へ画像の書き込みを行う。 また、 第 1 フレーム F 1 には第 1 リセッ ト期間 R e 1及び第 1書き込み期間 W 1が含まれ、 第 2フレーム F 2は第 2 リセッ ト期間 R e 2及び第 2書き込み期間 W 2が含まれる 図 1 2に示した走査 Z信号パルスの例では、 全てのパルスのパル ス幅 (時間) は一定であって、 パルスの高さ (電圧) を変化させる ことによって各パルスの機能を変化させていた。 しかしながら、 強 誘電性液晶 1 0 8 においては、 印加電圧 X印加時間 (=印加電圧の 積分値) に応じて、 液晶が極性をスイッチングさせている。 そこで 、 図 1 6に示す走査 Z信号の例では、 パルスの高さ (電圧) を一定 とし、 パルス幅 (時間) を変化させることによって、 同様の効果が 得られるように制御している。
即ち、 第 1 リセッ ト期間 R e 1では、 全ての走査電極にリセッ ト 用のパルスとして、 電圧土 V C O Mが t秒間印加されるのに対じて 、 第 2 リセッ ト機関 R e 2では、 全ての走査電極にリセッ ト用のパ ルスとして電圧土 V C O Mが ( t — jS ) 秒だけ印加されるように設 定されている。 同様に、 第 1書き込み期間 W 1では、 全ての走査電 極に選択用のパルスとして、 電圧土 V C〇Mが t秒間印加されるの に対して、 第 2書き込み期間 W 2では、 全ての走査電極に選択用の パルスとして電圧土 V C O Mが ( t — ]3 ) 秒だけ印加されることと なる。
即ち、 図 1 2の例において第 2 リセッ ト期間 R e 2において印加 される電圧土 (V C O M — ) X単位時間に対応するように、 図 1 6の例において第 2 リセッ ト期間 R e 2における土 V C 0 M X ( t
- β ) を設定し、 図 1 2の例における第 2書き込み期間 W 2におい て印加される電圧土 (V C OM— α) X単位時間に対応するように 、 図 1 6の例において第 2書き込み期間 W 2における土 V C OMX ( t - iS ) が設定されている。
図 1 7は、 図 1 6 に示す走查パルス及び信号パルスが印加された 場合の駆動パルスを示した図である。
図 1 7では、 1本目の走査電極上にある 1番目のピクセル ( 1、 m) 及び 2番目のピクセル ( 2、 m) に印加される駆動電圧が示さ れている。 図 1 7 に示す各期間は、 全て図 1 6 に示した期間と同じ になるようにしている。
第 1 リセッ ト期間 R e 1では、 順番に、 強誘電性液晶 1 0 8 を白 表示にスイッチングさせるための閾値 (V 2 ) よりも大きな電圧の 積分値 + (V C OM + V S E G) X tがリセッ トパルスとして印加 され (図 1 7のパルス ί 1及び f 2参照) 、 画面全体が白表示にリ セッ トされる。
選択期間 1 一 1では、 ピクセル ( 1、 m) に強誘電性液晶 1 0 8 を黒表示にスイッチングさせるための閾値(V 4)よりも大きな電圧 の積分値一 (V C OM + V S E G) X tが選択パルスとして印加さ れ、 ピクセル ( 1、 m ) は黒表示となる (図 1 7のパルス f 3参照 ) 。 なお、 選択期間 1 一 1 において、 非選択のピクセル (例えば、 ピクセル ( 2、 m) ) には、 電圧の積分値土 (V S E G) X tが印 加され (図 1 7のパルス f 4及び f 5参照) 、 それまでの状態が維 持される。
選択期間 1 一 2では、 ピクセル ( 2、 m) に、 第 1 リセッ ト期間 R e 1 において白表示となった状態を維持するために、 電圧の積分 値土 ( V C O M— V S E G ) X tが印加される (図 1 7のパルス f 6及び: f 7参照) 。 しかしながら、 閾値ムラによって、 低い閾値 (
V 4 ' ) を有するピクセルでは、 図 1 7のパルス f 7によって、 白 表示から黒表示にスイッチングしてしまう可能性がある。
第 2 リセッ 卜期間 R e 2では、 第 1 リセッ ト期間 R e 1 の時に印 加した電圧の積分値 + (V C OM+ V S E G) X t より も低い電圧 の積分値 + (V C OM + V S E G) X ( t — ^ ) がリセッ トパルス として印加されるが (図 1 7のパルス : f 8及び: f 9参照) 、 この電 圧は強誘電性液晶 1 0 8 を白表示にスイ ッチングさせるための閾値 ( V 2 ) より も小さいため、 全てのピクセルを白表示にリセッ 卜す ることはできず、 低い閾値 (V 2 ' ) のピクセルだけが白表示にリ セッ トされる。
選択期間 2 — 1では、 選択期間 1 一 1 の時に印加した一 (V C O M + V S E G) X t より低い電圧の積分値一 (V C OM + V S E G ) X ( t - /3 ) が選択パルスとして印加される (図 1 7のパルス f 1 0参照) 。
選択期間 2 — 2では、 ピクセル ( 2、 m) に、 第 2 リセッ ト期間 R e 2において白表示となった状態を維持するために、 電圧の積分 値土 (V C OM— V S E G) X ( t - |6 ) が選択パルスとして印加 される (図 1 7のパルス ; f 1 1及び f 1 2参照) 。
図 1 6及び図 1 7 に示した例では、 2回目のリセッ トパルスのパ ルス幅を 1回目のリセッ トパルスのパルス幅より ;8分だけ短く し、 2回目の書き込み期間において白表示を維持するための選択パルス のパルス幅を 1 回目の選択パルスのパルス幅より ^分だけ短くする 。 この結果、 低い閾値を有するピクセルであっても、 黒表示にスィ ツチングさせることなく、 図 1 1の表示例 4 3に示すような良好な 画像を強誘電性液晶パネル 1 0 0に表示させることが可能となった 図 1 6及び図 1 7の例は、 前述した図 1 2及び図 1 3の例とは異
なり、 パルス高 (電圧) ではなくパルス幅 (時間) によって制御す るように変更したものである。 図 9及び図 1 0に示した例、 及び図 1 4及び図 1 5に示した例についても、 パルス高 (電圧) ではなく パルス幅 (時間) によって制御するよう.に変更することが可能であ る。
上述した 4組の駆動パルスの例において、 V C O M、 V S E G、 a及び iSの値は、 実験と経験則等から求めることができるが、 例え ば、 V C〇M = 4 . 8 v、 V S E G = 1 . 2 v、 a = 0 . 2 vとす ることができる。 また、 上述した 4組の駆動パルスの例では、 又 は の値は 1通りであつたが、 複数設定値を用意して、 制御部 1 0 0が、 外部からの制御信号によって、 複数の設定値の内の 1つの値 を a又は /3 として選択して利用し、 強誘電性液晶 1 0 8パネルに最 適な制御を行えるように構成しても良い。
図 1 8は、 本発明に係る他の液晶表示装置の概略ブロック図であ る。
図 1 8に示す液晶表示装置 2 0 0 と図 7 に示す液晶表示装置 1 2 0 との差異は、 液晶装置 2 0 0が温度センサ 2 0 3を有している点 、 O M 2 0 2が温度に応じたパルス幅データのテーブルを記録し ている点、 制御部 2 0 1が温度センサ 2 0 3の検出出力に基づきテ —ブルを利用してパルス幅制御を行う点のみである。 他の構成は、 液晶表示装置 1 2 0 と同様であるので、 説明を省略する。
図 1 9は、 温度変化による閾値の変化を説明するための図である 図 1 9 に示すように、 強誘電性液晶パネル 1 0 0の閾値は、 環境 温度変化に応じて変化する。 具体的には、 環境温度が上昇すると、 光透過率の増加が飽和する電圧値 V 2 (正の閾値) は低くなり、 光 透過率の減少が飽和する電圧値 V 4 (負の閾値) も低くなる。 また
、 環境温度が下降すると、 光透過率の増加が飽和する電圧値 V 2 ( 正の閾値) は高くなり、 光透過率の減少が飽和する電圧値 V 4 (負 の閾値) も高くなる。
したがって、 環境温度に応じて、 強誘電性液晶パネル 1 0 0 に印 加する電圧の積分値を可変することが、 より良好な画像表示を行う 上で好ましい。 以下、 図 1 6及び 1 7 に示したパルス高 (電圧) 及 びパルス幅 (時間) によって制御を行う例を用いて温度制御につい て説明を行う。
図 1 6及び図 1 7に示すように、 第 1 リセッ ト期間 R e 1では土 ( V C O M + V S E G) X tが全てのピクセルにリセッ トパルスと して印加され (図 1 7の : f 1、 f 2参照) 、 選択期間 1 一 1では、 黒表示用の選択ピクセルには、 土 (V C OM + V S E G) X tが印 加され (図 1 7の f 3参照) 、 非選択ピクセルには、 土 (V S E G ) X tが印加され (図 1 7の f 4及び f 5参照) 、 選択期間 1 一 2 では、 白表示用の選択ピクセルには、 土 (V C OM— V S E G) X tが印加される (図 1 7の; f 6及び f 7参照) 。 また、 第 2 リセッ ト期間 R e 2では土 (V C OM + V S E G) X ( t - /3 ) が全ての ピクセルにリセッ トパルスとして印加され (図 1 7の f 8及び f 9 参照) 、 選択期間 2— 1では、 黒表示用の選択ピクセルには、 土 ( V C OM + V S E G) X ( t - jS ) が印加され (図 1 7の : f 1 0参 照) 、 非選択ピクセルには、 土 (V S E G) X ( t - j8 ) が印加さ れ、 選択期間 2 — 2では、 白表示用の選択ピクセルには、 土 (V C OM- V S E G) X ( t - j6 ) が印加される (図 1 7の f 1 1及び f 1 2参照) 。
ここで、 パルス高はそのままで、 パルス幅 t を、 温度に応じて可 変すれば、 前述した図 1 9に示すような閾値の温度変化に拘らず、 より良好な画像を表示することが可能となる。 具体的には、 温度が
上昇した場合には、 パルス幅 t を小さく し、 温度が減少した場合に は、 パルス幅 t を大きくするように設定する。 なお、 温度センサ 2 0 3の検出出力と、 パルス幅 t との関係は予めテーブルに設定して R O M 2 0 2に記録することが可能である。 そこで、 制御部 2 0 1 は、 所定のタイミング (例えば、 液晶表示装置 2 0 0の電源 O N時 、 1時間毎等) で、 温度センサ 2 0 3からの検出出力を取得し、 取 得された検出出力に基づき、 R O M 2 0 2に予め記録されているテ —ブルを利用してパルス幅 t を決定する。 制御部 2 0 1 は決定した パルス幅 t を用いて、 図 1 6及び図 1 7に示した制御を行い、 強誘 電性液晶パネル 1 0 0に対する表示制御を駆動電圧波形制御回路 1 1 1等を利用して行う。
ところで、 2回目のリセッ トパルスのパルス幅を短くする /3の値 については、 環境温度変化に拘らず一定としても良い。 しかしなが ら、 j6の値を環境温度変化に応じて可変するようにすることがより 好ましい。
強誘電性液晶パネル 1 0 0のピクセル間における閾値ムラはパネ ルの組立条件によつて発生するものと考えられる。 環境温度が上昇 すると、 強誘電性液晶パネル 1 0 0の強誘電性液晶 1 0 8の粘度が 低くなり、 正の閾値 V 2は小さくなり、 負の閾値 V 4は大きくなる 。 粘度が低くなると、 強誘電性液晶 1 0 8は、 強誘電性液晶パネル 1 0 0の組立条件の影響を受け易くなり、 強誘電性液晶パネル 1 0 0内のピクセル間における閾値ムラが大きくなる。 逆に、 環境温度 が下降すると、 強誘電性液晶パネル 1 0 0の強誘電性液晶 1 0 8の 粘度が高くなる。 粘度が高くなると、 強誘電性液晶 1 0 8は、 強誘 電性液晶パネル 1 0 0の組立条件の影響を受け難くなり、 強誘電性 液晶パネル 1 0 0内のピクセル間における閾値ムラが小さくなる。
したがって、 環境温度が上昇した場合には、 jSの値を大きく し、
環境温度が下降した場合には、 3の値を小さくすることが好ましい 。 具体的には、 0 ^の時の j6の値は、 2 0 °Cの時の j6の値に比べて 数%程度小さくすれば良い。
上記の例では、 図 1 6及ぴ図 1 7に示すように、 強誘電性液晶パ ネル 1 0 0に印加される駆動パルスのパルス幅 (時間) によって制 御する場合に、 環境温度に従って、 パルス幅を変更する例を示した 。 しかしながら、 図 9及び図 1 0に示すように、 強誘電性液晶パネ ル 1 0 0に印加される駆動パルスのパルス高 (電圧) のみによって 制御する場合に (パルス幅一定) 、 環境温度に従って、 パルス高 ( 電圧) のみを変更するように制御しても良い。 さら'に、 強誘電性液 晶パネル 1 0 0に印加される駆動パルスをパルス幅 (時間) 及びパ ルス高 (電圧) によって制御し、 環境温度に従って、 パルス幅 (時 間) 及びパルス高 (電圧) を変更するように制御しても良い。
図 2 0は、 環境温度とパルス幅との関係を示す図である。
図 2 0では、 強誘電性液晶パネル 1 0 0の各ピクセルに印加され る駆動パルスのパルス幅 r ( s e c ) と環境温度 T (°C) の関係を 示すために、 一 8 °Cから 5 5 °Cの範囲で、 5 °C毎に設定した値をプ ロッ 卜したグラフである。
図中におけるパルス幅 rは、 強誘電性液晶パネル 1 0 0に印加さ れる駆動パルスをパルス幅のみによって制御する場合 (電圧値は V S E L ( V ) で一定) のパルス幅であって、 図 1 7の第 1 リセッ ト 期間 R e 1 に全ピクセルに印加するリセッ トパルスに対応する。 即 ち、 (V C OM + V S E G) X t = V S E L X r となるように設定 されている。 例えば、 2 5での場合、 V C OM= 4. 8 v、 V S E G = 1. 2 v、 t = 1 5 0 0 ^ s e c、 i8 = 5 0 i s e c とするこ とが考えられる。
図 2 0に示すように、 パルス幅 rは、 環境温度が上昇すると短く
なり、 環境温度が降下すると長くなるように設定されている。
このように、 環境温度の変化に応じて、 強誘電性液晶パネル 1 0 0に印加される駆動パルスを可変することによって、 さらに良好な 画像を表示させることが可能となる。
上述した駆動パルスの例では、 背景が白表示になるために、 低い 閾値 (V 4 ' ) によって黒表示にスイッチングしてしまうピクセル が問題であつたので (図 1 1 の表示例 4 1参照) 、 白表示を維持す るためにより低い選択パルス (土 (V C OM— a— V S E G) 又は 土 (V C OM— V S E G) X ( t - jS ) ) を印加するようにした。 しかしながら、 背景が黒表示の場合には、 逆に低い閾値 (V 2 ' ) によって白表示にスイッチングしてしまうピクセルが問題となるが 、 その場合でも、 本発明を適用することができる。