WO2008075416A1

WO2008075416A1 - 脱気袋

Info

Publication number: WO2008075416A1
Application number: PCT/JP2006/325347
Authority: WO
Inventors: Mikio Tanaka
Original assignee: Mikio Tanaka
Priority date: 2006-12-20
Filing date: 2006-12-20
Publication date: 2008-06-26

Abstract

　袋本体２が、対向する関係にある袋表側シート２１と袋裏側シート２２、そして各シート２１，２２間に配位された襠シート２３を有するものであり、袋本体２に取り付けられた脱気弁３は、プラスチックフィルムから構成された、対向する関係にある壁面シートを有するものであり、少なくとも上記の袋表側シート２１と袋裏側シート２２との間に配位され、端辺シールＳ１の形成により袋本体２に取り付けられたものであって、かつ、上記の袋表側シート２１と袋裏側シート２２のうち、いずれか一方側のシートの内面に、弁固定用シールＳ２が形成されて接着されており、上記弁固定用シールＳ２のうち少なくとも一部が、上記脱気弁３の、脱気時における気流方向を基準とした上流端３ａ寄りであり、当該上流端３ａから上記の端辺シールＳ１までの距離Ｌ１の１／２の範囲内に形成された脱気袋を提供する。

Description

明細書

脱気袋

技術分野

[0001] 本願発明は、空気を一方向には通過させることができ、逆方向には遮断することができる脱気弁が取り付けられた脱気袋に関するものである。

背景技術

[0002] 特許文献 1 :特開 2003— 34339号公報

[0003] 従来から、食料品などの種々の物品を内部に収納し、その後脱気することで、収納された物品をより長期に保存できるようにしたり、圧縮してコンパクトにできる脱気袋が広く用いられている。

[0004] この脱気袋のうちで、プラスチックフィルム力構成された密封可能な袋である袋本体に、袋内部と外部とを通気するための脱気弁が取り付けられたものが存在している。この脱気袋の袋本体には、物品を袋内に出し入れするためのものであって、気密状態に閉鎖できる構造を有するチャックを備えた開口部が設けられている。ここで、このような脱気袋の一例として、日本国の特開 2003— 34339号公報 (特許文献 1)に記載されたものが挙げられる。

[0005] この脱気弁を用いて脱気を行う際には、ノズルなどを弁内に挿入して吸引することによって行う。そして脱気が終了した後は、大気圧により上記の対向したプラスチックフィルム同士が密着するため、弁内を空気が逆流することがない。

[0006] 上記のような脱気袋において襠付きの袋 (ガゼット袋）が用いられることがある。ここで特許文献 1には、この襠付きの袋であって、襠部分に脱気弁を備えたものが示されている（当該文献の図 10〜図 12参照)。

[0007] ここで、特許文献 1に示されたような襠付きの袋においては、脱気弁のうちで袋本体の内部に配位された部分にっ、て、袋本体に対して特に支持もされてヽな、ため、上記のノズルを脱気弁に挿入して脱気作業を行い、その後ノズルを抜いた際に、ノズルに脱気弁を構成するプラスチックフィルムがくつつ、て裏返ってしま、、脱気弁の機能を果たさなくなる場合があった。 [0008] また、例えば水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、この食料品から生じた水分に、上記のように袋本体に対して支持されて、な、脱気弁の先端部分が直接触れてしま、、この水分が脱気弁力も袋外に吸い出されてしまうと、うことがあつた。

[0009] また、特許文献 1に係る脱気袋においては、襠部分を構成する面が二つであるが、そのうち表側面と裏側面の大きさが等しい。この脱気袋の襠部分に脱気弁を取り付けた場合を模式的に表したものが図 13であるが、図示したように、襠部分に配位されたシートである襠シート 101の折目 101aよりも脱気弁 102の上流端 102aの方が上流側に配位される場合がある。この場合においても、例えば水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、この食料品から生じた水分に脱気弁が直接触れてしまい、この水分が脱気弁力も袋外に吸い出されてしまうということがあった。

[0010] また、脱気作業がまだ終了していないにもかかわらず、袋本体のプラスチックフィルムのうち、特に脱気弁の上流端 (脱気時の気流方向を基準としたもの)よりも更に上流側である部分が先に密着してしまうことにより、脱気作業が不能になる場合があった。

[0011] また、袋本体への脱気弁の取り付けはヒートシールによりなされる力脱気弁を構成するプラスチックフィルム同士も同時にヒートシールされてしまい、脱気弁が機能しなくなる場合があった。

[0012] また、脱気作業中にノズルなどが脱気弁を突き抜けて袋本体にまで入り込んでしまうことがあり、ノズルの先端部分に袋本体を構成するプラスチックフィルムが吸、付き、脱気作業が途中で不能になる場合や、上記のノズルを電気掃除機に接続して使用した際においては、電気掃除機に過負荷力 Sかかる場合があった。

発明の開示

[0013] 本願発明は上記の問題点に鑑み、脱気用のノズルを脱気弁力も抜いた際にも、脱気弁の機能を果たす脱気袋を提供することを課題とする。

[0014] また、例えば水分量の多い食料品を袋内に収納した際においても、この食料品から生じた水分が脱気弁力も袋外に吸い出されてしまうということがない脱気袋を提供することを課題とする。

[0015] また、脱気作業が途中で不能になる場合や、上記のノズルを電気掃除機に接続して使用した際において、電気掃除機に過負荷がカゝかる場合のない脱気袋を提供することを課題とする。

[0016] また、脱気弁を構成するプラスチックフィルム同士も同時にヒートシールされてしま V、、脱気弁が機能しなくなることのな、脱気袋を提供することを課題とする。

[0017] 上記課題を解決するために、本願の請求項 1に記載の発明は、プラスチックフィルムから構成された密封可能な袋である袋本体 2に、この袋本体 2の内部の空気を外部に排出するための脱気弁 3が取り付けられた脱気袋において、上記の袋本体 2は、対向する関係にある袋表側シート 21と袋裏側シート 22、そしてこれら各シート 21, 22間に配位された襠シート 23を有するものであり、上記襠シート 23の配位は、襠シート 23が折目 23aの形成により少なくとも二つ折りされた状態にて、上記袋表側シート 21の端辺のうち少なくとも一つの端辺 21aに上記襠シート 23の一方側端辺 23bl が重ねられ、上記袋裏側シート 22の端辺のうち、上記袋表側シートの端辺 21aと対応する位置にある端辺 22aに上記襠シート 23の他方側端辺 23b2が重ねられてなされたものであり、上記の脱気弁 3は、プラスチックフィルムカゝら構成された、対向する関係にある一方側の壁面シート 31と他方側の壁面シート 32とを有するものであり、上記の各壁面シート 31, 32は、当該各壁面シート 31, 32の各々が接着された仕切りシール S3の形成により、脱気弁 3を通過する気流方向に対して平行に区切られており、これにより、一つ、あるいは複数が連続した、扁平な筒状体が構成されたものであつて、上記の脱気弁 3は、少なくとも上記の袋表側シート 21と袋裏側シート 22との間に配位され、端辺シール S1の形成により袋本体 2に取り付けられたものであって、かつ、上記の袋表側シート 21と袋裏側シート 22のうち、いずれか一方側のシートの内面に、弁固定用シール S2が形成されて接着されており、上記弁固定用シール S2のうち少なくとも一部が、上記脱気弁 3の、脱気時における気流方向を基準とした上流端 3a寄りであり、当該上流端 3aから上記の端辺シール S1までの距離 L1の 1Z2の範囲内に形成されたことを特徴とする脱気袋を提供する。

[0018] また、本願の請求項 2に記載の発明は、袋表側シート 21の方が、袋裏側シート 22 よりも、少なくとも一方向における寸法が大きいものとされており、上記一方向の一端のうち上記の脱気弁 3が取り付けられた側の一端において、上記各シート 21, 22が、上記一方向にお!、てずれて配位されたものであり、上記の脱気弁 3が上記の袋表側シート 21と襠シート 23との間に配位されたものであって、上記の弁固定用シーノレ S2 力脱気弁 3における気流方向に沿う中央線を挟んで一方側と他方側とに各々分離して設けられたことを特徴とする、請求項 1に記載の脱気袋を提供する。

[0019] また、本願の請求項 3に記載の発明は、上記脱気弁 3の上流端 3aが、上記襠シート 23の折目 23aと端辺 23bとの間に配位されたことを特徴とする、請求項 1に記載の脱気袋を提供する。

[0020] また、本願の請求項 4に記載の発明は、上記の袋表側シート 21と袋裏側シート 22 のうち少なくともいずれか一方側の内面に、上記の各シート 21, 22が密着した際にあっても、上記の各シート 21, 22の間において上記の脱気弁 3への通気がなされるための空間を確保する凹凸 25が設けられたものであり、上記の凹凸 25は、上記脱気弁 3の上流端 3aよりも上流側の位置に設けられたことを特徴とする、請求項 1〜3の V、ずれかに記載の脱気袋を提供する。

[0021] また、本願の請求項 5に記載の発明は、上記脱気弁 3の袋本体 2への取り付けの際に形成された、上記の各シール SI, S2力ヒートシールによりなされたものであって、上記脱気弁 3の壁面シート 31, 32のうち、上記のヒートシール SI, S2がなされた部分と表裏方向にぉ、て重なり合う部分であって、ヒートシールされることを避けた！/、部分に塗膜 35が形成されたことを特徴とする、請求項 1〜4のいずれかに記載の脱気袋を提供する。

[0022] また、本願の請求項 6に記載の発明は、上記脱気弁 3のうち、上記の端辺シール S 1に対して表裏方向に重なる部分については、上記の壁面シート 31, 32のうち少なくとも一方側の内面に、上記塗膜 35の一部である弁内第 1塗膜 35aが形成されており、上記の弁固定用シール S2に対して表裏方向に重なる部分については、上記の壁面シート 31, 32のうち少なくとも一方側の内面に、上記塗膜 35の一部である弁内第 2塗膜 35bが形成されたことを特徴とする、請求項 5に記載の脱気袋を提供する。

[0023] また、本願の請求項 7に記載の発明は、上記塗膜 35のうち弁内第 1塗膜 35a及び弁内第 2塗膜 35bについては、上記の仕切りシール S3と表裏方向において重ならないように形成されたことを特徴とする、請求項 6に記載の脱気袋を提供する。 [0024] また、本願の請求項 8に記載の発明は、上記の脱気弁 3が、上流端 3aの側において、上記の各壁面シートの端辺 31a, 32aが上記の気流方向における上流側と下流側とにずれて配位されたものであり、この上流端 3aの側における、上記の各壁面シート 31, 32の間には、気流が通過可能であって、かつ、脱気作業時に弁内に挿入される脱気用ノズルが通過不能である行き止まりシート 34が配位されたことを特徴とする、請求項 1〜7のいずれかに記載の脱気弁を提供する。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]本願発明の実施の形態の一例に係る脱気袋を示す平面図である。

[図 2] (A)〜 (C)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る脱気袋における、襠部の形態を示す斜視の概略図である。

[図 3] (A)は襠部における表側面と裏側面の大きさを変えたものを示し、 (B)は襠部における表側面と裏側面の大きさが等しいものを示す、図 1の A— A矢視における縦断面視の概略図である。

[図 4]袋内の脱気作業を行うに当たり、脱気弁をつまんで上方に持ち上げた際を示す、図 1の A— A矢視における縦断面視の概略図である。

[図 5]本願発明の実施の形態の一例に係る脱気袋に用いられる脱気弁を示すものであり、（A)は平面図、（B)は底面図である。

[図 6]本願発明の実施の形態の他の一例に係る脱気弁を示す平面図である。

[071 (A) (B)とも、脱気弁の各壁面シートの上流端部あるいは下流端部が弁内部側に折り返されたものを示す縦断面視の概略図である。

[081 (A) (B)とも、脱気時における脱気弁の吸気の様子を示す斜視の概略図であり、（A)は本願発明の実施の形態の一例に係る脱気弁におけるものであり、（B)は比較例である。

[図 9] (A)〜 (C)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る脱気袋に用いられる脱気弁における、行き止まりシートの取り付け方を示す、図 5の B— B矢視における要部拡大端面図である。

[0101 (A) (B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る脱気袋に用いられる脱気弁における、壁面シートと行き止まりシートとの位置関係を示す要部拡大端面図である。

[図 11]本願発明の実施の形態の一例に係る脱気袋に脱気弁が取り付けられた様子を示す、図 1の A— A矢視における縦断面視の概略図である。

[図 12]本願発明の実施の形態の一例に係る脱気袋に用いられる脱気弁における、塗膜を形成する様子を示す説明図であり、 (A)は弁内第 1塗膜及び弁内第 2塗膜について、（B)は弁外塗膜についてを示す。

[図 13]従来の脱気袋の襠部分に脱気弁を取り付けた場合を示す縦断面視の概略図である。

発明を実施するための最良の形態

[0026] 以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例をとりあげて説明する。図 1は、本例の脱気袋を示す平面図であり、図 2は襠部の形態を示す斜視の概略図である。また、図 5は脱気弁を示す平面図及び底面図である。

[0027] なお、下記の説明における「上流」及び「下流」の表現は、脱気の際における脱気弁を通過する気流方向を基準としたものであって、説明の都合上、袋本体の位置関係についてもこれを基準として表している。また、図 1において図示された側を「表側」、その反対側を「裏側」と称する。また、脱気袋の周囲部分 (上記「表側」及び「裏側」の各周囲部分を言う）のうち開口部が設けられた部分を「上面」、その反対側を「底面」、これら「上面」と「底面」とを結ぶ部分を「側面」と称する。また、「内面」とは、袋本体にあっては物品が収納される空間に面している面を指し、脱気弁にあっては空気が通過する空間に面している面を指す。

[0028] 本例における脱気袋 1の基本的な構成は従来のものと同様であり、図 1に示すように、プラスチックフィルム力構成された密封可能な袋である袋本体 2に、袋内部と外部とを通気するための脱気弁 3が取り付けられたものである。

[0029] 袋本体 2は、少なくとも、対向する関係にある袋表側シート 21と袋裏側シート 22、そしてこれら各シート 21, 22間に配位された襠シート 23を有する。本例においては、これらの各シート 21〜23に各々長方形であるプラスチックフィルムが用いられており、開口部 11以外の端辺が後述のようにしてヒートシールにより接着され、閉鎖されている。 [0030] ここで、本例における袋本体 2は、図 2 (A)に略示するように襠付きの袋 (ガゼット袋 )とされている。つまり、上記の袋表側シート 21の端辺のうち少なくとも一つの端辺と、上記袋裏側シート 22の上記端辺と対応する位置にある端辺との間に、プラスチックフイルムカゝら構成され、少なくとも二つ折りされた襠シート 23が配位されて襠部 12が形成されたものである。このように襠部 12が形成されたことにより、平面積の等しい平面状の袋に比べて袋本体 2の内容積を拡大することができ、物品をより多く収納することができる。あるいは、より大きな物品を収納することができる。

[0031] なお、本例における袋表側シート 21、袋裏側シート 22、襠シート 23は各々別個のシートとされており、製袋時において袋表側シート 21と袋裏側シート 22との間に、折目 23aにおいて二つ折りにされた襠シート 23が挟み込まれ、その後ヒートシールが施されたことにより上記各シート 21, 22, 23が接着される。

[0032] 具体的に、上記襠シート 23の挟み込みは、図 3に示すように、袋表側シート 21の下流側端辺 21aに襠シート 23の表側端辺 23blが重ねられ、袋裏側シート 22の下流側端辺 22aに襠シート 23の裏側端辺 23b2が重ねられてなされたものである。そして、袋表側シート 21の下流側端辺 21aと襠シート 23の表側端辺 23blとの間、そして、袋裏側シート 22の下流側端辺 22aと襠シート 23の裏側端辺 23b2との間の各々に端辺シール S 1が形成されて接着される。この端辺シール S 1と脱気弁 3との関係につ、ては後述する。

[0033] なお、本例のように上記各シート 21, 22, 23を別個のシートとする他に、上記各シート 21〜23のうち全て、あるいは一部を連続した 1枚のシートからなるものとし、この連続したシートを折り返すことによって袋本体 2を形成しても良い。なお、このように連続したシートを用い、上記のように折り返された部分に脱気弁 3が取り付けられる場合は、その部分のシートを一部切断して脱気弁 3を差し込んだ上で、ヒートシールを施す必要がある。

[0034] 本例の袋本体 2における襠部 12は、襠シート 23が二つ折りにされたことにより、襠シート 23の折目 23aを挟んで表側と裏側とに二つの面を有するものである力図 3 ( A)に示すように、その面のうちで裏側面 12bよりも表側面 12aの方が大きく形成されている。つまり、折目 23aから表側端辺 23blまでの寸法の方が、折目 23aから裏側端辺 23b2までの寸法よりも大きい。そのために、本例においては袋表側シート 21が袋裏側シート 22よりも長手方向寸法の大きいものが用いられている。そして、長手方向の一端のうち脱気弁 3の取り付けられる側の一端において、図示のように、袋表側シート 21が袋裏側シート 22よりも下流側に飛び出て配位されている。

[0035] なお、上記の他に、図 3 (B)に示すように、各面 12a, 12bの大きさを等しく形成したものであっても良い。この場合においては、袋表側シート 21と袋裏側シート 22とは長手方向寸法が同一とされるか、あるいは少なくとも、襠シート 23が取り付けられた側である、袋表側シート 21の下流側端辺 21aと袋裏側シート 22の下流側端辺 22aとが長手方向において揃えられたものとなる。なお、袋表側シート 21と袋裏側シート 22とを長手方向寸法を同一のものとした場合には、各シート 21, 22は全く同一のシートとなり、袋表側シート 21と袋裏側シート 22という名称はあくまでも相対的なものであって、相互に入れ換え得るものとなる。

[0036] 襠部 12が上記のような形状とされたことにより、表側面 12aに脱気弁 3が設けられた場合、つまり、脱気弁 3が袋表側シート 21と襠シート 23との間に配位された場合においては、気流に沿う方向における寸法が同一である脱気弁 3を配位したとすると、図 1 3に示すように、表側面 12aと裏側面 12bの大きさを等しく形成した場合に比べて、襠シート 23の折目 23aよりも脱気弁 3の上流端 3aの方を下流側に配位させることがより容易となる。このように脱気弁 3を配位した場合においては、例えば、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、この食料品から生じた水分 Lと脱気弁 3との間に襠シート 23の一部を介在させることができるため、この襠シート 23の一部があたかも防波堤のような役目を果たし、上記の水分 Lに脱気弁 3が直接触れてしまい、この水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまうということを避けることができる。なお、上記の襠シート 23の折目 23aと脱気弁 3の上流端 3aとの間の位置関係については、襠部 12を折り畳んだ場合、つまり、襠シート 23が折目 23aを境に折り畳まれ、袋表側シート 21と襠シート 23、そして、襠シート 23と袋裏側シート 22との各々が当接した状態での位置関係を基準とする。以下についても同様である。

[0037] 上記のように、本願発明は襠部 12における各面 12a, 12bの大きさを等しく形成したものも含まれるが、上記のように水分 Lに脱気弁 3が直接触れてしまうことを避けるためには、この場合であっても、図 3 (B)に示すように、襠シート 23の折目 23aよりも脱気弁 3の上流端 3aの方を下流側に配位させるべきである。

[0038] また上記に加えて、襠部 12がこのような形状とされたことにより、図 4に示すように、袋内の脱気を行うに当たり、脱気弁 3をつまんで図示上方に持ち上げた際に、図示下側に存在する袋シート (本例においては袋裏側シート 22)を、脱気弁 3の設けられた側を高ぐ脱気弁 3から離れた側を低く傾斜させることができる。このように袋シートを、脱気弁 3の設けられた側から離れるに従い低くなるように傾斜させることにより、上記と同様、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、食料品力生じた水分 Lを上記のように低い側、つまり脱気弁 3から離れた側に溜めることができ、この水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまわな、ようにすることができる。

[0039] なお、襠部 12における両サイド部分（図 1に示された襠部 12の左右端部） 12cに関しては、ヒートシールを施して閉じてしまっても良いし、閉じなくても良い。ただし、この両サイド部分 12cにヒートシールを施す場合にあっては、襠シート 23として、表面にポリエチレンなどのヒートシール性を有する榭脂が積層されたプラスチックフィルムを用いておく必要がある。

[0040] この襠部 12は、本例のように袋本体 2の底面に限られず、例えば、図 2 (B)に示すように、袋表側シート 21及び袋裏側シート 22における、開口部 11を設ける側の端辺を除く三つの端辺、つまり袋本体 2の側面及び底面に設けられたものとすることもできる。また、図 2 (C)に示すように、袋表側シート 21及び袋裏側シート 22における、開口部 11を設ける側の端辺を含む四つの端辺、つまり袋本体 2の側面、底面、上面の各々に設けられたものとすることもできる。その他、この襠部 12については、袋表側シート 21及び袋裏側シート 22の形状に応じて種々に変更して実施できる。

[0041] 本例の袋本体 2のうち、脱気弁 3が設けられる部分以外において、袋表側シート 21 と袋裏側シート 22とが接着されていない部分が開口部 11である。この開口部 11を通じて物品を出し入れすることができる。なお、図 2 (C)に示したように、袋本体 2の上面にも襠部 12が設けられた場合にあっては、袋表側シート 21と袋裏側シート 22とのうちいずれかと襠シート 23との間が接着されず、この部分が開口部 11とされる。

[0042] この開口部 11には袋閉鎖用チャック 24が設けられている。この袋閉鎖用チャック 2 4は、特許文献 1において開示されているものと基本的に同様のものであるため詳細な説明は省略するが、開口部 11において対向して配位されたシートのうち一方側内面に設けられた凹条と、他方側内面に設けられた凸条とが組とされたものであって、上記の凹条と凸条とが嵌合することにより、開口部 11を気密状態で閉鎖できるものである。

[0043] ただし、開口部 11を、袋本体 2とは別体とされたクリップで挟んで閉鎖したり、物品を袋内に収納した後、開口部 11をヒートシールなどにより接着して閉鎖してしまう場合にあっては、この袋閉鎖用チャック 24を必ずしも設ける必要はない。

[0044] 次に、脱気弁 3について説明する。この脱気弁 3は、図 5に示すように、プラスチックフィルムから構成された、対向する関係にある一方側の壁面シート 31と他方側の壁面シート 32とを有するものである。本例においては、一方側の壁面シート 31が長尺、他方側の壁面シート 32が短尺と、長手方向寸法の異なる一枚ずつの長方形のシートであって、脱気弁 3の内部を通過する気流方向に対して、長手方向が平行に配位される。そして、各壁面シート 31, 32の短手方向における両端辺（図 5上の上下端辺 ) 3b, 3bが仕切りシール S3の形成により接着されて扁平な筒状体が構成されたものである。この仕切りシール S3は本例ではヒートシールにより形成される。なお、以下においては、長尺側の壁面シートに記号 31を付し、短尺側の壁面シートに記号 32を付して説明する。

[0045] 上記の仕切りシール S3の形成により、各壁面シート 31, 32は、この脱気弁内を通過する気流方向に対して平行に区切られる。本例では、上記のように各壁面シート 3 1, 32の短手方向における両端辺 3b, 3bが接着されたことによって一つの扁平な筒状体が構成され、これにより、脱気弁 3の一つ当たりに通気路を一つだけ有するものとされている力例えば、図 6に示すように 3本以上（図示のものは 4本）の仕切りシール S3を形成することで、気流方向に対して交わる方向に複数が連続した扁平な筒状体が構成されたことにより、脱気弁一つ当たりに通気路を複数有するものであっても良い。

[0046] この脱気弁 3は、対向する各壁面シート 31, 32が密着することにより、脱気時における気流とは逆方向の気流を遮断することができるが、図 7 (A)に示すように、各壁面シート 31, 32の上流端部あるいは下流端部が弁内部側に折り返されたことにより形成された、折り返し片 31c, 32c同士が密着することにより逆方向の気流を遮断するものとしても良い。また、各壁面シート 31, 32とは異なるシートを一つあるいは複数弁内部側に配位しておき、上記のシート同士、あるいは上記のシートと壁面シート 31, 3 2とが密着することにより逆方向の気流を遮断するものとしても良い。

[0047] なお、上記のように各壁面シート 31, 32の端部が折り返されて折り返し片 31c, 32 cが形成された場合においては、図 7 (B)に示すように、一方側の折り返し片 31cを大きぐ他方側の折り返し片 32cを小さく形成しても良い。このようにすることで、上記一方側の折り返し片 31cが他方側の折り返し片 32cを覆った状態で、図中の矢印方向に移動して壁面シート 32に密着するものとでき、逆方向の気流を更に効果的に遮断できる。

[0048] 上記のように各壁面シート 31, 32が、それぞれ長手方向寸法の異なるものとされたことにより、脱気弁 3の下流端側（図 5 (A) (B)上の右端側）における、各壁面シート 3 1, 32の端辺 31b, 32bは長手方向に一致して（表裏方向において重なり合うように）配位されているが、脱気弁 3の上流端側（図 5 (A) (B)上の左端側）における、各壁面シート 31, 32の端辺 31a, 32aは長手方向にずれて配位されている。つまり、この端辺 31a, 32aは脱気弁 3の内部を通過する気流方向における上流側と下流側とにずれて配位されたものである。

[0049] 本願発明に係る脱気弁 3においては、上記のように各壁面シート 31, 32の上流端側における端辺 31a, 32aを長手方向にずらせたことにより、図 8 (A)に略示するように、脱気時においては脱気弁 3の端面側に限られず、側面からも空気を吸うことができる。つまり、脱気弁 3の吸気面積を拡大させることができ、各壁面シート 31, 32の上記端辺 31a, 32aを一致させ、図 8 (B)に示すように脱気弁 3の端面側からしか空気を吸うことができない場合に比べると、より効率良く脱気することができる。し力も、脱気時以外においては、各壁面シート 31, 32を密着させることができるため、上記のように吸気面積を拡大させることができたにもかかわらず、脱気弁 3のコンパクトさは全く犠牲にならな、ものであって、大変優れたものである。

[0050] 各壁面シート 31, 32が密着することによる気流の遮断と、上記の吸気面積の拡大とを両立させるために、上記ずれの部分の長手方向寸法、つまり、長尺側の壁面シート 31の長手方向寸法と短尺側の壁面シート 32の長手方向寸法との差については、短尺側の壁面シート 32の長手方向寸法に対する比率を 1Z2以下とすることが望ましい。具体的な寸法でより望ましい例を述べると、長尺側の壁面シート 31の長手方向寸法を 60mmとした場合にあっては、短尺側の壁面シート 32の長手方向寸法を 40〜 55mm,上記ずれの部分の長手方向寸法を 5〜20mmとすることが望まし!/、。

[0051] 本例においては、上記下流端側の端辺 31b, 32bには何も設けられていないが、上記気流方向と交わる方向に弁閉鎖用チャックが設けられたものであっても良い。この弁閉鎖用チャックとしては、上記の袋閉鎖用チャック 24と同じ構造のものが採用でき、これにより、脱気弁 3をより確実に閉鎖することができる。

[0052] そして脱気弁 3の上流端 3aの側における、上記の各壁面シート 31, 32の間には、気流が通過可能であって、脱気作業時に脱気弁 3内に挿入される脱気用ノズルが通過不能である行き止まりシート 34が配位されている。本例では、この行き止まりシート 34として不織布が用いられている力その他に、網状体や多数の穴を有するシートが用いられたものであっても良、。

[0053] 上記のように行き止まりシート 34が配位されたことにより、脱気時にノズルなどを弁内に挿入した場合にあっても、この行き止まりシート 34より上流側には突き抜けることがな、ため、ノズルの先端部分に袋本体 2を構成するプラスチックフィルムが吸、付き、脱気作業が途中で不能になったり、ノズルを電気掃除機に接続して使用した際に、電気掃除機に過負荷が力かることがない。

[0054] なお、本例のように行き止まりシート 34として不織布が用いられた場合には、例えば、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、食料品力生じた水分 Lをこの不織布で吸収し、この水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまわな、ようにすることちでさる。

[0055] 本例における行き止まりシート 34は、図 9 (A)に示すように、折り曲げない状態とされた 1枚の不織布 341から構成されたものであり、上流側端辺 341aを長尺側の壁面シート 31に接着し、下流側端辺 341bを短尺側の壁面シート 32に接着することにより、各壁面シート 31, 32の上流側端辺の間に設けられている。 [0056] 各壁面シート 31, 32と行き止まりシート 34との関係は、上記のものに限られるものではなぐ例えば図 9 (B)に示すように、一枚の不織布 342を折り曲げた上で、折り曲げられた一方側の面を袋表側シート 31に接着し、同他方側の面を袋裏側シート 32 に接着することにより、行き止まりシート 34を袋状に形成しても良い。

[0057] また、上記と同様に行き止まりシート 34を袋状に形成したものである力図 9 (C)に示すように行き止まりシート 34が 2枚の不織布 343, 344から構成されており、各不織布の上流側端辺 343a, 344a力上記の各壁面シート 31, 32の上流側端辺 3 la, 3 2aよりも更に上流側に設けられ、この上流側端辺 343a, 344aにおいて上記 2枚の不織布 343, 344同士力ヒートシールにより接着され、この行き止まりシート 34の下流側端辺 343b, 344bが上記の各壁面シート 31, 32の内面にヒートシールにより取り付けられたものであっても良い。

[0058] なお、各壁面シート 31, 32の上流端側における端辺 31a, 32aを長手方向にずらせた部分における、行き止まりシート 34と長尺側の壁面シート 31との間における、各壁面シート 31, 32の短手方向における両端辺に一致する部分（図 5 (B)に示された上下端） 341cにおけるヒートシールについては、設けても設けなくても、上記のように気流が通過可能であって脱気用ノズルが通過不能とすることができ、実用上差し支えがないため、必ずしも設ける必要はない。

[0059] また、図 9 (B)に示した例や、図 9 (C)に示した例の場合においても上記と同様であつて、不織布 342, 343, 344における、各壁面シート 31, 32の短手方向における両端辺に一致する部分の両端辺におけるヒートシールについては必ずしも設ける必要はない。

[0060] なお、行き止まりシート 34における上流端力図 9 (B)に示したように折目部分である場合、あるいは図 9 (C)に示したように接着された部分である場合、これらの上流端 (図 9 (C)に示したものにあっては、接着された部分以外であって、実質的に通気性が存在している部分での上流端部を指す)の位置は、必ずしも長尺側の壁面シート 3 1の上流端 31aの位置と一致させておく必要はない。例えば、図 10 (A)に示すように、この上流端の位置が短尺側の壁面シート 32の上流端 32aの位置よりも下流側寄りに配位されたものであっても良いし、逆に、図 10 (B)に示すように、長尺側の壁面シート 31の上流端 31 aの位置よりも上流側に配位されたものであっても良い。

[0061] ここで、図 10 (A)に示すように、行き止まりシート 34の上流端の位置の方が短尺側の壁面シート 32の上流端の位置よりも下流側にある場合にあっては、あまりに行き止まりシート 34が下流側に配位されると、脱気弁 3におヽて脱気用ノズルが配位可能な部分が減少してしまうため、行き止まりシート 34の上流端の位置と短尺側の壁面シート 32の上流端の位置との間のずれは最大でも 30mmにとどめることが望ましい。

[0062] 上記のように構成された脱気弁 3は、上記の袋本体 2にヒートシールされて取り付けられる。本例では、図 1に示すように、袋本体 2の底面側に下流端が突出するようにして脱気弁 3が取り付けられているが、これに限られず、袋本体 2の側面側や上面側に突出するようにして脱気弁 3が取り付けられても良、。

[0063] 脱気弁 3の袋本体 2への取り付けは、まず、袋表側シート 21と袋裏側シート 22のうちいずれかの端辺 21a, 22aと、襠シート 23の端辺 23bとの間に脱気弁 3が挟まれて (図 3 (A)参照）、上記の各端辺のうち、少なくとも脱気弁 3に重なり合う部分と脱気弁 3とが端辺シール S1の形成により接着されてなされる。本例においては図 11に示すように、脱気弁 3が袋表側シート 21と襠シート 23との間に挟まれて取り付けられる。この際、脱気弁 3の長尺側の壁面シート 31が袋表側シート 21と表裏方向に重なり合うように配位され、各壁面シート 31, 32の上流端側における端辺 31a, 32aを長手方向にずらせた部分が袋本体 2の物品を収納する空間を向くようになされる。

[0064] そして上記の端辺シール S1以外に弁固定用シール S2の形成により、袋表側シート 21と袋裏側シート 22のうち脱気弁 3と直接対向する側の内面に脱気弁 3が接着されている。本例においては図 11に示すように、袋表側シート 21の内面に接着されている。なお、この弁固定用シール S2は、少なくとも脱気弁 3の上流端 3aの付近に形成されたものとすることが望ましいが、この弁固定用シール S2のうち少なくとも一部が脱気弁 3の上流端 3a寄りであり、当該上流端 3aから上記の端辺シール S1までの距離 L1の 1Z2の範囲内に形成されていれば良い。よって、この弁固定用シール S2は、図 1及び図 5に示したシール S2aのように、脱気弁 3の端辺 3bに沿うように形成された線状（帯状）のシールとして形成されたものであっても良、し、図 5に示したシール S2bのよう〖こ、点状（円状）のシールとして形成されたものであっても良い。また、脱気弁 3の全面にわたって弁固定用シール S2が形成されたものであっても良ぐ弁固定用シール S2の実施形態が限定されるものではない。なお、上記の弁固定用シール S 2が形成された位置の特定は、袋本体 2を折り畳んだ場合、つまり、襠シート 23が折目 23aを境に折り畳まれ、袋表側シート 21と襠シート 23、そして、襠シート 23と袋裏側シート 22との各々が当接した状態を基準とする。

[0065] このようにして脱気弁 3の上流端 3aの付近が袋シート 21, 22のうちいずれかの内面に接着されたことにより、袋内に収納された物品に押されることなどで、脱気弁 3の上流端 3が袋表側シート 21からめくれたり皺が寄ってしまい、脱気弁 3の有する逆止作用などの機能が損なわれることを防止できる。また、物品を袋内に収納する際にめくれた脱気弁 3が邪魔をすることもなヽ。

[0066] また、ノズルを脱気弁 3に挿入して脱気作業を行ヽ、その後ノズルを抜ヽた際に、ノズルに各壁面シート 31, 32がくつついて裏返ってしまい、脱気弁の機能を果たさなくなるということもない。

[0067] そして、このように脱気弁 3の上流端 3aの付近が袋シート 21, 22のうちいずれ力に接着されていることから、図 3 (A)に示すように、例えば、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、脱気弁 3の接着された側の袋シート 21, 22をこの食料品から生じた水分 Lから引き離すことが容易である。し力も、この際に脱気弁 3の上流端 3a が垂れ下がってしまうこともないので、上記の水分 Lに脱気弁 3が直接触れてしまい、この水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまうということを避けることができる。

[0068] また、本例では図 3 (A)に示すように、袋本体 2の襠部 12における裏側面 12bよりも表側面 12aの方が大きく形成されている力このことによる、既に上記で説明した効果とも相まって、水分量の多い食料品力もの水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまうということをより効果的に避けることができる。

[0069] ここで、図 1に示したシール S 2aは、脱気弁 3の上流端 3a寄りに形成された場合を示しており、上記の効果を発揮するものとできる。一方、図 5に示したシール S2aは、図 1に示したものよりも脱気弁 3の下流端 3c寄りに形成された場合を示して、る。この場合にあっては、上記の効果を有しつつも、これにカ卩えて、脱気弁 3の上流端 3aを袋表側シート 21に対して自由状態とできるため、脱気弁 3に脱気用ノズルが配位された際に上流端 3aを広げることが容易であり、既に述べた、脱気時において脱気弁 3の側面からも空気を吸うことができると、う効果を発揮しやすくできる（図 8 (A)参照)。よつて、この弁固定用シール S2については、これらの効果を考慮しつつ、上記範囲内にお、て最適な位置に形成することができる。

[0070] また本例においては、弁固定用シール S2が脱気弁 3における気流方向に沿う中央線を挟んで一方側と他方側とに離れて設けられている。具体的には、図 1に示すように、弁固定用シール S2が脱気弁 3の図示左右に振り分けて二箇所に設けられており、脱気弁 3の図示左右における端部付近が袋表側シート 21の内面に接着されている。これにより、脱気弁 3の上流端 3a付近のうち図示左右側のいずれか片側が袋表側シート 21からめくれてしまい、脱気弁 3の逆止作用などの機能が損なわれることを防止できる。なお、本例の弁固定用シール S2はこのように図示左右に離れて二箇所に設けられている力脱気弁 3における気流方向に沿う中央線を挟んで一方側と他方側とを結ぶようにして連続した一つのシールとして設けても良い。また、上記一方側と他方側とを結ぶようにして断続的に形成されたシールとして設けても良い。また、脱気袋の使用状態によっては、脱気弁 3の左右いずれか一箇所にのみ設けたものであつても良ぐ種々の形態にて実施し得る。

[0071] 次に、上記のように脱気弁 3を袋本体 2に取り付けるために、端辺シール S1及び弁固定用シール S2の形成がなされる際において、単に袋シート 21, 22あるいは襠シート 23に脱気弁 3を挟み込んで、所望の位置にヒートシールのための熱された金型を当てるだけでは、脱気弁 3の各壁面シート 31, 32間も接着されてしまい、弁内の気流が通過すべき空間が完全に閉鎖されてしまうか、あるいは当該空間が減少してしまつて支障が出る。よって、接着のために必要な部分のみをヒートシールすることを目的として、各壁面シート 31, 32の内面及び外面のうち、少なくとも、取付対象物である袋本体 2に脱気弁 3を取り付けるためのヒートシールがなされる部分と表裏方向に重なり合う部分であって、ヒートシールされることを避けたい部分に塗膜 35が形成されている。この塗膜 35については、溶融温度がヒートシールの施される際の温度よりも高い素材が用いられることを要する。塗膜 35の形成は、上記素材が含まれた塗料を一般的な印刷手段により塗布することが通常行われるが、蒸着や、あらかじめシール状に加工した塗膜 35を各壁面シート 31, 32に貼り付けるなどしても良ぐ種々の手段が採用し得る。

[0072] この塗膜 35の形成により、ヒートシールをする際における金型などの熱によっても、塗膜 35の存在する部分ではプラスチックフィルム同士が直接当接されないために接着がなされず、弁内に気流が通過する空間を確保することができる。

[0073] 脱気弁 3のうちで上記の端辺シール S1と表裏方向に重なる部分については、壁面シート 31, 32のうち少なくとも一方側の内面に上記塗膜 35の一部である弁内第 1塗膜 35aが形成されている。本例においては、図 5 (A)及び図 11に示すように、長尺側の壁面シート 31の内面に弁内第 1塗膜 35aが形成されている。これにより、袋本体 2 の袋表側シート 21と脱気弁 3の長尺側の壁面シート 31との間、及び、襠シート 23と脱気弁の短尺側の壁面シート 32との間の各々の部分にのみ端辺シール S1が形成される。

[0074] また、上記の弁固定用シール S2については、図 1及び図 5に示したように、仕切りシール S3に対して表裏方向に重ねて形成された場合 (シール S2a)は特に問題とならないが、図 5に示したシール S2bのように脱気弁 3の仕切りシール S3よりも内側部分にずらせて弁固定用シール S2を設けた場合は、上記のように弁内空間の減少という問題が発生する。この場合においては、脱気弁 3のうちで上記の弁固定用シール S2と表裏方向に重なる部分につき、壁面シート 31, 32のうち少なくとも一方側の内面に上記塗膜 35の一部である弁内第 2塗膜 35bが形成される。この例では、図 5 ( A)に示すように、長尺側の壁面シート 31の内面に弁内第 2塗膜 35bが形成される。これにより、袋本体 2の袋表側シート 21と脱気弁 3の長尺側の壁面シート 31との間にのみ弁固定用シール S2を形成することができる。そして、収納する物品の種類などによっては、壁面シート 31, 32のうち、上記の弁固定用シール S2が形成されていない側の外面に上記塗膜 35の一部である弁外塗膜 35cが形成される。

[0075] 上記の塗膜 35の形成は、壁面シート 31, 32として切断される前の長尺状態にあるプラスチックフィルムに上記の塗料が印刷されてなされる力上記の弁内第 1塗膜 35 aについて、そして、弁内第 2塗膜 35bを設ける場合については、図 12 (A)に示すように、上記プラスチックフィルムの長手方向にぉ、て所定の間隔を置、てこの印刷がなされる。そして、上記の弁外塗膜 35cを設ける場合においては、図 12 (B)に示すように、長手方向において連続している力あるいは、所定の間隔を置いてこの印刷がなされる。

[0076] 上記のように弁内第 1塗膜 35a及び弁内第 2塗膜 35bを間隔を置いて設けるのは、図 5及び図 6に示すように、壁面シート 31, 32同士を接着するための仕切りシール S 3と重ならずに、当該シールを確実に形成するためである。よって、この位置関係を仕切りシール S3を基準として表現すると、「上記の弁内第 1塗膜 35a及び弁内第 2塗膜 35bにつ、ては、上記の仕切りシール S3と表裏方向にぉ、て重ならな、ように形成される」となる。

[0077] 一方、弁外塗膜 35cについては、上記のように仕切りシール S3との関係を考慮する必要がな、ため、脱気弁 3の気流方向に沿う側の端辺 3bの一方側から他方側まで連続して形成されたものである力、あるいは上記と同様に、仕切りシール S3と表裏方向にお、て重ならな!/、ように形成されたものである力、 V、ずれであっても良!、。

[0078] なお上記のように、本例においては、弁固定用シール S2が図 1に示すように、脱気弁 3の図示左右に振り分けて二箇所に設けられているため、最低限、この弁固定用シール S2を形成するための金型の熱の影響を受ける部分にのみ限定して弁内第 2 塗膜 35b及び弁外塗膜 35cが設けられたものであっても良い。

[0079] また、上記とは逆に、弁固定用シール S2が形成される位置がずれてしまった場合を見越して、上記最低限の部分に加えて余裕を持たせた面積を有する弁内第 2塗膜 35b及び弁外塗膜 35cが設けられたものであっても良い。例えば、図 5 (A)及び (B) に示したような弁内第 2塗膜 35b及び弁外塗膜 35cでは、脱気弁 3の幅方向に弁固定用シール S2が形成される位置ががずれてしまっても対応することができる。

[0080] 次に、袋本体 2の説明に戻る。図 1に破線で示したように、上記の袋表側シート 21と袋裏側シート 22のうち少なくともいずれか一方側の内面に、上記の各シート 21, 22 が密着した際にあっても、上記の各シート 21, 22間において上記の脱気弁 3への通気がなされるための空間を確保するための凹凸 25が設けられていても良い。図示した例において、この凹凸 25は複数設けられた円形状の突起とされており、上記脱気弁 3の上流端 3aよりも上流側の位置に設けられている。これにより、袋本体 2に脱気弁 3が取り付けられた状態において、脱気作業がまだ終了していないにもかかわらず、袋表側シート 21と袋裏側シート 22のうち、特に脱気弁 3の上流端よりも上流側の位置が先に密着して空間がなくなってしまうことにより、脱気が途中でできなくなるようなことがなぐ確実な脱気が可能である。

[0081] 上記の凹凸 25は、袋シート 21, 22に対しエンボス加工その他の加工が直接なされたものであっても良いし、同様の加工によって凹凸 25が形成された別のシートを、製袋時に袋シート 21, 22に貼り合わせたものであっても良い。

[0082] また、本例では凹凸 25の形状を、図 1に示すような円形状の突起としたが、多角形状や細長い形状の突起であっても良い。また、本例では凹凸 25を複数設けたものとしたが、一つだけ設けたものであっても良い。また、突起とは逆に溝としても良ぐ種々に変更して実施し得る。

[0083] 上記のようにして、袋本体 2と脱気弁 3とが組み合わされて脱気袋 1が構成される。

この脱気袋 1に収納する物品としては、本例では食料品を想定している力衣類、布団、毛布など、その他種々の物品に対応可能であり、用途は一切限定されない。また、脱気袋 1の大きさについても、収納が想定される物品に応じて最適な大きさで実施すれば良い。

[0084] また、この脱気袋 1の袋内を脱気するに当たって、脱気弁 3に挿入されるものとしては、上記に挙げたように電気掃除機に取り付けられたノズルを用いても良いし、この脱気袋 1の専用に製作された脱気ポンプを用いても良い。

[0085] 本願発明は、下記の効果を有する。

[0086] 本願の請求項 1に記載の発明は、袋表側シート 21と袋裏側シート 22のうち、いずれか一方側のシートの内面に、弁固定用シール S2が形成されて接着されており、上記弁固定用シール S2のうち少なくとも一部が、上記脱気弁 3の、脱気時における気流方向を基準とした上流端 3a寄りであり、当該上流端 3aから上記の端辺シール S1 までの距離 L1の 1Z2の範囲内に形成されたことから、脱気弁 3の上流端 3aの付近が袋シート 21, 22のうちいずれかの内面に接着できたものであって、これにより、袋内に収納された物品に押されることなどで、脱気弁 3の上流端 3が袋表側シート 21からめくれたり皺が寄ってしまい、脱気弁 3の有する逆止作用などの機能が損なわれることを防止できる。また、物品を袋内に収納する際にめくれた脱気弁 3が邪魔をすることもない。

[0087] また、ノズルを脱気弁 3に挿入して脱気作業を行ヽ、その後ノズルを抜ヽた際に、ノズルに各壁面シート 31, 32がくつついて裏返ってしまい、脱気弁の機能を果たさなくなるということもない。

[0088] そして、このように脱気弁 3の上流端 3aの付近が袋シート 21, 22のうちいずれかの内面に接着されていることから、例えば、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、脱気弁 3の接着された側の袋シート 21, 22をこの食料品から生じた水分 L 力引き離すことが容易である。し力も、この際に脱気弁 3aの上流端 3aが垂れ下がつてしまうこともないので、上記の水分 Lに脱気弁 3が直接触れてしまい、この水分 L が脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまうということを避けることができる。

[0089] 本願の請求項 2に記載の発明は、上記請求項 1に記載の発明の効果に加えて、袋表側シート 21の方が、袋裏側シート 22よりも、少なくとも一方向における寸法が大きいものとされており、上記一方向の一端のうち上記の脱気弁 3が取り付けられた側の一端において、上記各シート 21, 22が、上記一方向においてずれて配位されたものであり、上記の脱気弁 3が上記の袋表側シート 21と襠シート 23との間に配位されたものであることから、襠シート 23の折目 23aよりも脱気弁 3の上流端 3aの方を下流側に配位させることがより容易となる。この状態で脱気弁 3を配位した場合においては、例えば、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、この食料品から生じた水分 Lと脱気弁 3との間に襠シート 23の一部を介在させることができるため、この襠シート 23の一部があたカゝも防波堤のような役目を果たし、上記の水分 Lに脱気弁 3が直接触れてしま!/、、この水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまうと、うことを避けることができる。

[0090] また、上記の弁固定用シール S2が、脱気弁 3における気流方向に沿う中央線を挟んで一方側と他方側とに各々分離して設けられたことから、脱気弁 3の上流端 3a付近のうち図示左右側のいずれか片側が袋表側シート 21からめくれてしまい、脱気弁 3の逆止作用などの機能が損なわれることを防止できる。

[0091] また、袋内の脱気を行うに当たり、脱気弁 3をつまんで図示上方に持ち上げた際に、図示下側に存在する袋シート (本例においては袋裏側シート 22)を、脱気弁 3の設けられた側を高ぐ脱気弁 3から離れた側を低く傾斜させることができる。このように袋シートを、脱気弁 3の設けられた側力離れるに従い低くなるように傾斜させることにより、上記と同様、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、食料品から生じた水分 Lを上記のように低い側、つまり脱気弁 3から離れた側に溜めることができ、この水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまわないようにすることができたものである。

[0092] 本願の請求項 3に記載の発明は、上記請求項 1に記載の発明の効果に加えて、上記脱気弁 3の上流端 3aが、上記襠シート 23の折目 23aと端辺 23bとの間に配位されたことから、例えば、水分量の多い食料品を袋内に収納した際において、この食料品力も生じた水分 Lと脱気弁 3との間に襠シート 23の一部を介在させることができるため、この襠シート 23の一部があた力も防波堤のような役目を果たし、上記の水分 Lに脱気弁 3が直接触れてしまヽ、この水分 Lが脱気弁 3から袋外に吸い出されてしまうとヽうことを避けることができる。

[0093] 本願の請求項 4に記載の発明は、上記請求項 1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、袋表側シート 21と袋裏側シート 22のうち少なくともいずれか一方側の内面に、上記の各シート 21, 22が密着した際にあっても、上記の各シート 21, 22の間において上記の脱気弁 3への通気がなされるための空間を確保するための凹凸 25 が設けられたものであり、上記の凹凸 25は、上記脱気弁 3の上流端 3aよりも上流側の位置に設けられたことにより、袋本体のプラスチックフィルムのうち、特に脱気弁の上流端よりも上流側の部分が先に密着してしまうことで、脱気作業が不能になること力ヽ脱気袋を提供することができたものである。

[0094] 本願の請求項 5〜7に記載の各発明は、上記請求項 1〜4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、上記脱気弁 3の袋本体 2への取り付けの際に形成された、上記の各シール SI, S2力ヒートシールによりなされたものであって、上記脱気弁 3の壁面シート 31, 32のうち、上記のヒートシール SI, S2がなされた部分と表裏方向にお V、て重なり合う部分であって、ヒートシールされることを避けた、部分に塗膜 35が形成されたことから、脱気弁を構成するプラスチックフィルム同士が同時にヒートシールされてしまい、脱気弁が機能しなくなることがなぐ弁内に気流が通過する空間を十分に確保することができたものである。

[0095] 本願の請求項 8に記載の発明は、上記請求項 1〜7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、上記の脱気弁 3が、上流端 3aの側において、上記の各壁面シートの端辺 31a, 32aが上記の気流方向における上流側と下流側とにずれて配位されたものであり、この上流端 3aの側における、上記の各壁面シート 31, 32の間には、気流が通過可能であって、かつ、脱気作業時に弁内に挿入される脱気用ノズルが通過不能である行き止まりシート 34が配位されたことから、脱気時にノズルなどを弁内に挿入した場合にあっても、この行き止まりシート 34より上流側には突き抜けることがないため、ノズルの先端部分に袋本体 2を構成するプラスチックフィルムが吸い付き、脱気作業が途中で不能になったり、ノズルを電気掃除機に接続して使用した際に、電気掃除機に過負荷力 Sかかることがないものとできたものである。

[0096] また、脱気時においては脱気弁 3の端面側に限られず、側面からも空気を吸うことができる。つまり、脱気弁 3の吸気面積を拡大させることができ、各壁面シート 31 , 32 の上記端辺 3 la, 32aがー致しており、脱気弁 3の端面側力しか空気を吸うことができない場合に比べると、より効率良く脱気することができる。し力も、脱気時以外においては、各壁面シート 31, 32を密着させることができるため、上記のように吸気面積を拡大させることができたにもかかわらず、脱気弁 3のコンパクトさが全く犠牲にならな V、ものとできたものである。

Claims

請求の範囲

プラスチックフィルム力構成された密封可能な袋である袋本体（2)に、この袋本体 (2)の内部の空気を外部に排出するための脱気弁（3)が取り付けられた脱気袋において、

上記の袋本体 (2)は、対向する関係にある袋表側シート (21)と袋裏側シート (22)、そしてこれら各シート（21, 22)間に配位された襠シート（23)を有するものであり、上記襠シート（23)の配位は、襠シート（23)が折目（23a)の形成により少なくとも二つ折りされた状態にて、

上記袋表側シート (21)の端辺のうち少なくとも一つの端辺（21a)に上記襠シート (2 3)の一方側端辺（23b 1)が重ねられ、

上記袋裏側シート (22)の端辺のうち、上記袋表側シートの端辺（21a)と対応する位置にある端辺（22a)に上記襠シート (23)の他方側端辺（23b2)が重ねられてなされたものであり、

上記の脱気弁（3)は、プラスチックフィルムカゝら構成された、対向する関係にある一方側の壁面シート (31)と他方側の壁面シート (32)とを有するものであり、上記の各壁面シート（31, 32)は、当該各壁面シート（31, 32)の各々が接着された仕切りシール (S3)の形成により、脱気弁（3)を通過する気流方向に対して平行に区切られており、これにより、一つ、あるいは複数が連続した、扁平な筒状体が構成されたものであって、

上記の脱気弁（3)は、少なくとも上記の袋表側シート（21)と袋裏側シート (22)との間に配位され、端辺シール (S1)の形成により袋本体（2)に取り付けられたものであつて、かつ、

上記の袋表側シート（21)と袋裏側シート（22)のうち、いずれか一方側のシートの内面に、弁固定用シール (S2)が形成されて接着されており、

上記弁固定用シール (S2)のうち少なくとも一部が、上記脱気弁（3)の、脱気時における気流方向を基準とした上流端 (3a)寄りであり、当該上流端 (3a)から上記の端辺シール (S1)までの距離 (L1)の 1Z2の範囲内に形成されたことを特徴とする脱気袋 [2] 袋表側シート (21)の方が、袋裏側シート (22)よりも、少なくとも一方向における寸法が大きいものとされており、

上記一方向の一端のうち上記の脱気弁（3)が取り付けられた側の一端において、上記各シート（21, 22)が、上記一方向においてずれて配位されたものであり、上記の脱気弁 (3)が上記の袋表側シート (21)と襠シート (23)との間に配位されたものであって、

上記の弁固定用シール

(S2)力脱気弁（3)における気流方向に沿う中央線を挟んで一方側と他方側とに各々分離して設けられたことを特徴とする、請求項 1に記載の脱気袋。

[3] 上記脱気弁（3)の上流端 (3a)が、上記襠シート (23)の折目（23a)と端辺（23b)との間に配位されたことを特徴とする、請求項 1に記載の脱気袋。

[4] 上記の袋表側シート (21)と袋裏側シート (22)のうち少なくとも、ずれか一方側の内面に、

上記の各シート（21, 22)が密着した際にあっても、上記の各シート（21, 22)の間にぉ、て上記の脱気弁（3)への通気がなされるための空間を確保する凹凸（25)が設けられたものであり、

上記の凹凸（25)は、上記脱気弁（3)の上流端 (3a)よりも上流側の位置に設けられたことを特徴とする、請求項 1〜3のいずれかに記載の脱気袋。

[5] 上記脱気弁（3)の袋本体 (2)への取り付けの際に形成された、上記の各シール (S 1, S2)力ヒートシールによりなされたものであって、

上記脱気弁（3)の壁面シート（31, 32)のうち、上記のヒートシール（SI, S2)がなされた部分と表裏方向において重なり合う部分であって、ヒートシールされることを避けたい部分に塗膜 (35)が形成されたことを特徴とする、請求項 1〜4のいずれかに記載の脱気袋。

[6] 上記脱気弁（3)のうち、

上記の端辺シール (S1)に対して表裏方向に重なる部分につ!、ては、

上記の壁面シート（31, 32)のうち少なくとも一方側の内面に、上記塗膜 (35)の一部である弁内第 1塗膜 (35a)が形成されており、上記の弁固定用シール (S2)に対して表裏方向に重なる部分につ!、ては、上記の壁面シート（31, 32)のうち少なくとも一方側の内面に、上記塗膜 (35)の一部である弁内第 2塗膜 (35b)が形成されたことを特徴とする、請求項 5に記載の脱気袋

[7] 上記塗膜 (35)のうち弁内第 1塗膜 (35a)及び弁内第 2塗膜 (35b)については、上記の仕切りシール (S3)と表裏方向にお!、て重ならな!/、ように形成されたことを特徴とする、請求項 6に記載の脱気袋。

[8] 上記の脱気弁（3)が、上流端（3a)の側において、上記の各壁面シートの端辺（31 a) (32a)が上記の気流方向における上流側と下流側とにずれて配位されたものであり、

この上流端（3a)の側における、上記の各壁面シート（31, 32)の間には、気流が通過可能であって、かつ、脱気作業時に弁内に挿入される脱気用ノズルが通過不能である行き止まりシート（34)が配位されたことを特徴とする、請求項 1〜7のいずれかに記載の脱気弁。