明 細 書
医療装置位置検出システム、医療装置誘導システム、医療装置誘導シス テムの位置検出方法および医療装置誘導システムの誘導方法
技術分野
[0001] 本発明は、体腔内に挿入される医療装置を誘導する医療装置位置検出システム、 医療装置誘導システム、医療装置誘導システムの位置検出方法および医療装置誘 導システムの誘導方法に関する。
背景技術
[0002] カプセル内視鏡等の医療装置を体腔内で誘導する方法として、医療装置に磁石を 内蔵させ、外部から磁石に磁界を加えることにより、医療装置の位置および向きを制 御する医療装置の磁気誘導技術が開発されている。
[0003] 上述の磁気誘導技術の 1つとして、回転磁界で医療装置を誘導する誘導システム において、医療装置の画像の回転を補正する方法が開示されている(例えば、特許 文献 1参照。)。
この方法では、 2枚の取得画像を対比して、座標変換の履歴から医療装置の理論 的な回転量が算出されている。連続する画像を用いた画像マッチングによって、体壁 と回転の負荷による医療装置の回転角と、回転磁界の回転角との回転角誤差が算 出されている。このように算出された理論的な回転量と回転角誤差とを足し合わせる ことで、 2枚の取得画像の間における、医療装置の実際の回転量が算出されている。
[0004] 磁気勾配で医療装置を誘導するシステムも開発されている(例えば、特許文献 2参 昭 )
特許文献 1 :特開 2003— 299612号公報
特許文献 2:特開 2005— 103091号公報
発明の開示
[0005] 上述の特許文献 1においては、医療装置の回転量を累積によって求めるため、時 間が経過するとともに回転量の誤差が累積し大きくなる恐れがあった。このように回転 量の誤差が累積した場合、医療装置の回転角と回転磁界の回転角との不一致により
、医療装置を安定して制御できなくなる恐れがあった。
[0006] 上述の特許文献 2においては、医療装置内の磁石の方向と、発生する磁界の方向 の角度差が考慮されていないため、効率的に磁気引力を発生させることができないと いう問題があった。
[0007] 本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、医療装置の方向 を精度良く検出することができる医療装置位置検出システムおよび医療装置誘導シ ステムの位置検出方法、並びに、医療装置を安定して、かつ、効率よく誘導制御する ことができる医療装置誘導システムおよび医療装置誘導システムの誘導方法を提供 することを目白勺とする。
[0008] 上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第 1の態様は、被検体内に導入される医療装置と、該医療装置内に配置 され、磁化方向を有することにより磁界に応答し、前記医療装置を誘導する磁界応答 部と、前記被検体内に磁界を形成する磁界発生部と、前記医療装置の方向を検出 するための方向検出磁界を前記磁界発生部から発生させる方向検出磁界制御部と 、前記方向検出磁界による前記磁界応答部の応答を検出する応答検出部と、前記 方向検出磁界の方向と前記応答検出部の検出結果とに基づいて、前記医療装置の 方向を算出する方向算出部と、が設けられた医療装置位置検出システムを提供する
[0009] 本発明の第 1の態様によれば、被検体内の医療装置は、磁界発生部により形成さ れた方向検出磁界内に位置することから、医療装置内の磁界応答部は方向検出磁 界に応答する。この磁界応答部の応答は応答検出部により検出される。医療装置の 方向は、医療装置の回転量を累積によって求める方法と比較して、方向検出磁界の 方向と検出された磁界応答部の応答とに基づいて算出されることから、より高い精度 で求められる。
[0010] 上記発明の第 1の態様においては、前記医療装置における互いに異なる方向を有 する 3つの軸方向のうち、互いに異なる方向を有する 2つの軸の方向が前記応答検 出部により算出され、前記 2つの軸からなる平面に対して交差する軸の方向が前記 方向算出部により算出されることが望ましい。
このようにすることにより、上記 3つの軸方向のうち、上記 2つの軸方向が方向検出 磁界による磁界応答部の応答から算出されるため、医療装置内に別途検出部を設け る必要がなぐその構成が簡略化される。
[0011] 上記発明の第 1の態様においては、前記応答検出部が前記被検体内の画像を取 得する画像取得部からなることが望ましレ、。
このようにすることにより、画像取得部により取得された画像に基づいて、方向検出 磁界による医療装置の応答が検出される。そのため、医療装置内に別途検出部等を 設ける必要がなく構成が簡略化されることから、医療装置が小型化される。
[0012] 上記発明の第 1の態様においては、前記応答検出部前記磁界応答部に発生する 力を測定する磁気力測定部からなることが望ましい。
このようにすることにより、磁気力測定部により磁界応答部の応答が直接検出される ことから、医療装置の方向検出の精度が高くなる。位置検出計算や、画像処理が不 要となること力、ら、医療装置の位置等を求める際のデータ処理が容易となる。
[0013] 上記発明の第 1の態様においては、前記方向検出磁界制御部が、静磁界を発生 するように前記磁界発生部を制御する構成が望まし!/、。
このようにすることにより、磁界発生部から交番磁界を発生させる方法と比較して、 静磁界を発生させる際における磁界発生部の制御が容易となる。
[0014] 上記構成においては、前記方向検出磁界制御部が、方向または強度が異なる複 数の磁界を順次発生するように前記磁界発生部を制御し、前記方向算出部が、前記 複数の磁界に対する前記応答検出部の各検出結果に基づいて前記医療装置の方 向を算出することが望ましい。
[0015] このようにすることにより、方向検出磁界の磁界方向または磁界強度を変更すること により、医療装置の方向検出に必要な磁界応答部の応答に係る複数の情報が取得 される。そのため、医療装置の位置検出精度を保ったまま、医療装置位置検出シス テムのシステム構成が簡略化される。
[0016] 上記発明の第 1の態様においては、前記方向検出磁界制御部が、勾配磁界を発 生するように前記磁界発生部を制御することが望まし!/、。
このようにすることにより、方向検出磁界として形成された勾配磁界による磁界応答
部の応答から、医療装置の方向が検出されるため、磁界発生部は、勾配磁界である 方向検出磁界と、均一な磁界である他の磁界とを形成する発生部として共有される。
[0017] 上記発明の第 1の態様においては、前記医療装置における互いに異なる方向を有 する 3つの軸方向のうち、互いに異なる方向を有する 2つの軸の方向が前記応答検 出部により算出され、前記 2つの軸からなる平面に対して交差する軸の方向が前記 方向算出部により算出され、前記医療装置が略円筒形状で、前記磁界応答部の磁 化方向が、前記略円筒形状の中心軸に対して略垂直であり、前記応答検出部により 検出される前記 2つの軸からなる面力 前記中心軸に対して略平行であることが望ま しい。
このようにすることにより、方向検出磁界を磁界応答部に作用させることにより、磁界 応答部は略円筒形状の中心軸周りに回転される。応答検出部に検出された磁界応 答部の回転角に基づいて、方向検出磁界の磁界方向と磁界応答部の磁化方向との なす角が算出され、磁界応答部の磁化方向が求められる。
求められた磁化方向は中心軸に対して略垂直であるとともに、上記 2つの軸からな る面に対して交差することから、上記 2つの軸からなる面は中心軸に対して略平行と なる。
[0018] 上記発明の第 1の態様においては、前記医療装置における互いに異なる方向を有 する 3つの軸方向のうち、互いに異なる方向を有する 2つの軸の方向が前記応答検 出部により算出され、前記 2つの軸からなる平面に対して交差する軸の方向が前記 方向算出部により算出され、前記医療装置が略円筒形状で、前記磁界応答部の磁 化方向が、前記略円筒形状の中心軸に対して略垂直であり、前記応答検出部により 検出される前記 2つの軸からなる面力 前記中心軸に対して略垂直であることが望ま しい。
このようにすることにより、方向検出磁界を磁界応答部に作用させることにより、磁界 応答部は略円筒形状の中心軸周りに回転される。回転前の磁界応答部の磁化方向 と回転後の磁界応答部の磁化方向とを含む面を求めることにより、上記 2つの軸から なる面が求められる。回転前および回転後の磁界応答部の磁化方向は、中心軸に 対して略垂直であるから、求められた上記 2つの軸からなる面も中心軸に対して略垂
直となる。
そのため、上記 2つの軸からなる面を求めることにより、医療装置の中心軸の方向 が求められる。
[0019] 上記発明の第 1の態様においては、前記応答検出部前記磁界応答部に発生する 力を測定する磁気力測定部からなり、前記磁気力測定部が、前記磁界応答部に働く 圧力、歪およびトルクの少なくとも一つを測定するセンサであり、前記磁界応答部が 前記センサを介して前記医療装置に固定されることが望ましい。
このようにすることにより、磁気力測定部により磁界応答部の応答が、圧力、歪およ びトルクの少なくとも一つとして直接検出される。
磁界応答部の応答が、センサである磁気力測定部を介して医療装置に伝達される ため、医療装置の誘導に磁界応答部が用いられる。
[0020] 本発明の第 2の態様は、上記本発明の第 1の態様に係る医療装置位置検出システ ムと、前記医療装置を誘導する誘導磁界を前記磁界発生部から発生させる誘導磁 界制御部と、が設けられ、前記方向算出部の算出結果に基づいて、前記誘導磁界 制御部が前記磁界発生部を制御する医療装置誘導システムを提供する。
[0021] 本発明の第 2の態様によれば、医療装置方向算出部の算出結果に基づいて、磁 界発生部から発生された誘導磁界の磁界方向を調整することにより、誘導磁界を効 率よく磁界応答部に作用させることができる。磁界応答部の方向に対して意図した通 りに磁界を作用させることができ、医療装置を安定して制御することができる。
[0022] 上記発明の第 2の態様においては、前記方向検出磁界制御部によって前記磁界 発生部が発生する磁界の強度が、前記誘導磁界制御部によって前記磁界発生部が 発生する磁界の強度よりも小さレ、ことが望まし!/、。
[0023] このようにすることにより、方向検出磁界は誘導磁界より磁界強度が小さいことから、 方向検出磁界により医療装置の位置および方向は変化しにくぐ誘導磁界による医 療装置の誘導に影響を与えにくい。
例えば、磁気力測定部により磁界応答部に発生する力を測定する場合には、方向 検出磁界の強度を、磁気力測定部が上記力を測定できる強度以上であって、医療 装置が動かない強度以下とすることで、医療装置を動かすことなぐ方向検出を高い
精度で fiうことカできる。
[0024] 本発明の第 3の態様は、磁界発生部が、医療装置に備えられた磁界応答部の磁化 方向を検出する方向検出磁界を発生する検出磁界発生ステップと、前記磁界応答 部の応答を検出する応答検出ステップと、前記磁界応答部の応答と、前記方向検出 磁界の方向から、前記医療装置の方向を検出する方向検出ステップと、力 なる医 療装置誘導システムの位置検出方法を提供する。
[0025] 本発明の第 3の態様によれば、医療装置は、磁界発生部により形成された方向検 出磁界内に位置することから、医療装置内の磁界応答部は方向検出磁界に応答す る。この磁界応答部の応答は応答検出部により検出される。医療装置の方向は、方 向検出磁界の方向と、検出された磁界応答部の応答に基づいて算出されるため、医 療装置の回転量を累積によって求める方法と比較して、より高い精度で求められる。
[0026] 本発明の第 4の態様は、上記本発明の第 3の態様に係る医療装置検出システムの 誘導方法における前記方向検出ステップの後に、前記検出された医療装置の方向 に基づ!/、て、前記磁界発生部が前記医療装置を誘導する誘導磁界を発生する誘導 磁界発生ステップを備える医療装置誘導システムの誘導方法を提供する。
本発明の第 4の態様によれば、磁界発生部から発生された誘導磁界の向きを調整 して、誘導磁界を効率よく磁界応答部に作用させることができる。磁界応答部の方向 に対して意図した通りに磁界を作用させることができ、医療装置を安定して制御する こと力 Sでさる。
[0027] 本発明の第 1の態様に係る医療装置位置検出システムおよび第 3の態様に係る医 療装置誘導システムの位置検出方法によれば、方向検出磁界の方向と検出された 磁界応答部の応答とに基づいて、医療装置の方向を算出するため、医療装置の方 向を精度良く検出することができるという効果を奏する。
本発明の第 2の態様に係る医療装置誘導システムおよび第 4の態様に係る医療装 置誘導システムの誘導方法によれば、医療装置方向算出部の算出結果に基づいて 、磁界発生部から発生された誘導磁界の磁界方向を調整するため、医療装置を安 定して、かつ、効率よく誘導制御することができるという効果を奏する。
図面の簡単な説明
[図 1]本発明の第 1の実施形態に係る医療装置誘導システムの概略を説明する模式 図である。
[図 2]図 1のカプセル医療装置における座標軸と、外部装置における座標軸とを説明 する図である。
[図 3]図 1のカプセ医療装置の内部構成を説明する模式図である。
[図 4]図 1の位置姿勢検出部の構成を説明する模式図である。
[図 5]図 2のカプセル医療装置における他の駆動方法を説明する図である。
[図 6]図 1のインターフェイスの構成を説明する模式図である。
[図 7]図 6の操作部の構成を説明する概略図である。
[図 8]図 6の操作部の構成を説明する概略図である。
[図 9]図 6の表示部を説明する模式図である。
[図 10]磁界強度 Hの方向検出磁界 Mが働いている際にカプセル医療装置が撮像 した画像を説明する図である。
[図 11]磁界強度 Hの方向検出磁界 Mが働いている際にカプセル医療装置が撮像
2 1
した画像を説明する図である。
[図 12]永久磁石の磁界と、方向検出磁界と、永久磁石に働くトルクとの関係を示す図 である。
[図 13]本発明の第 1の実施形態の第 1変形例における方向検出磁界の磁界方向と 永久磁石の磁化方向との角度ズレの検出方法を説明する図である。
[図 14]本発明の第 1の実施形態の第 1変形例における方向検出磁界の磁界方向と 永久磁石の磁化方向との角度ズレの検出方法を説明する図である。
[図 15]本発明の第 1の実施形態の第 2変形例における永久磁石の磁化方向を求める 際に形成される回転磁界を説明する斜視図である。
[図 16]本発明の第 1の実施形態の第 2変形例における永久磁石の磁化方向を求める 際に形成される回転磁界 M を説明する斜視図である。
R2
[図 17]図 16の回転磁界を Z軸から見た上面視図である。
[図 18]回転磁界 M の発生する磁界の方向と、 XY平面との角度差 Θと、永久磁石と
R1
XY平面との角度差 φと、発生磁界の方向と永久磁石の磁化方向との角度差 Δ Θと
の関係を示す図である。
[図 19]回転磁界 M の発生する磁界の方向と、 XY平面との角度差 Θと、永久磁石と
R2
XY平面との角度差 φと、発生磁界の方向と永久磁石の磁化方向との角度差 Δ Θと の関係を示す図である。
[図 20]回転磁界 M , M の発生する磁界の方向が同じ時に、カプセル医療装置の
Rl R2
イメージセンサにより撮像された画像を比較したものであり、図 20 (a)は回転磁界 M
R
の画像、図 20 (b)は回転磁界 M の画像を示すものである。
1 R2
[図 21]本発明の第 1の実施形態の第 3変形例のカプセル医療装置における永久磁 石の周囲の構成を説明する断面視図である。
園 22]図 21のカプセル医療装置に勾配磁界を作用させた状態を説明する図である 園 23]図 21のカプセル医療装置に他の勾配磁界を作用させた状態を説明する図で ある。
園 24]本発明の第 1の実施形態の第 4変形例のカプセル医療装置における永久磁 石の周囲の構成を説明する断面視図である。
園 25]本発明の医療装置誘導システムに適用する医療装置として、カプセル医療装 置の代わりに内視鏡装置を用いた場合を説明する図である。
園 26]本発明の第 2の実施形態に係る医療装置誘導システムの概略を説明する模 式図である。
園 27]図 26の医療装置誘導システムにおいて、第 1の実施形態と異なる部分を説明 する模式図である。
園 28]図 26のカプセル医療装置に働く静磁界の磁界方向と、永久磁石の磁化方向 と、カプセル医療装置の f軸方向との関係を説明する模式図である。
園 29]図 28の f軸方向から見た、カプセル医療装置に働く静磁界の磁界方向と、永 久磁石の磁化方向の関係を説明する図である。
[図 30]本発明の第 2の実施形態の第 1変形例における方向検出時に発生される磁界 の磁界方向を説明する模式図である。
[図 31]複数の方向検出磁界 Mを発生させる前に撮像された画像を説明する図であ
園 32]複数の方向検出磁界 を発生させた後に撮像された画像を説明する図であ 園 33]本発明の第 2の実施形態の第 2変形例における位置検出に用いる磁界の発 生前および発生後の永久磁石の磁化方向と、位置検出用の磁界の磁界方向との関 係を説明する図である。
園 34]図 33のカプセル医療装置における回転面および旋回面の算出方法を説明す るベクトル線図である。
[図 35]本発明の第 2の実施形態の第 3変形例におけるカプセル医療装置の永久磁 石周辺の構成と、永久磁石に働く方向検出磁界の磁界方向と、を説明する図である
[図 36]図 35の方向検出磁界の磁化方向を説明する斜視図である。
[図 37]図 38の方向検出磁界の磁化方向と Z軸とのなす角を説明する図である。
[図 38]図 36の方向検出磁界の磁化方向と Z軸とのなす角を説明する図である。
[図 39]本発明の第 2実施形態に適用するカプセル医療装置の別の実施例を説明す る模式図である。
園 40]図 39のカプセル医療装置の構成を説明する正面図である。
園 41]本発明の第 3の実施形態におけるカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成 を説明する縦断面視図である。
[図 42]図 41のカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成を説明する正面視図である 園 43]図 41のカプセル医療装置に印加される位置検出磁界について説明するべク トル図である。
園 44]本発明の第 4の実施形態におけるカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成 を説明する縦断面視図である。
[図 45]図 44のカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成を説明する正面視図である 園 46]図 44のカプセル医療装置に印加される位置検出磁界について説明するべク
トル図である。
[図 47]図 44のカプセル医療装置に印加される位置検出磁界の別の印加例を説明す るベクトル図である。
[図 48]図 47のカプセル医療装置における f軸方向の決定方法を説明する図である。
[図 49]本発明の第 4の実施形態における医療装置誘導システムに適用する医療装 置として、カプセル医療装置の代わりに内視鏡装置を用いた場合を説明する図であ
[図 50]図 49の内視鏡装置の構成を説明する正面視図である。
符号の説明
[0029] 1 , 301 , 501 , 601 医療装置誘導システム
3, 103, 203, 303, 403, 503, 603 カプセル医療装置(医療装置)
9 撮像部(画像取得部、応答検出部)
21 , 321 , 521 , 721 永久磁石(磁界応答部)
35 方向算出部
45 磁界発生部
49 方向検出磁界制御部
122 圧力センサ (磁気力測定部)
222,422, 522R,522F,622, 722 力センサ(磁気力測定部)
303,703 内視鏡装置(医療装置)
発明を実施するための最良の形態
[0030] 〔第 1の実施形態〕
以下、本発明の第 1の実施形態に係る医療装置誘導システムについて図 1から図 1 2を参照して説明する。
図 1には、本実施形態に係る医療装置誘導システムの概略を説明する模式図が示 されている。
医療装置誘導システム 1には、図 1に示すように、被検体の体腔内に導入される力 プセル医療装置(医療装置) 3と、カプセル医療装置 3の位置および方向を検出する とともにカプセル医療装置 3を誘導する外部装置 5と、が設けられている。
[0031] 図 2には、図 1のカプセル医療装置における座標軸と、外部装置における座標軸と を説明する図が示されている。
カプセル医療装置 3には、図 2に示すように、 up軸(以後、 u軸と表記する。)、 right 軸(以後、 r軸と表記する)、 front軸(以後、 f軸と表記する。)からなる右手座標軸が 設定されている。具体的には、永久磁石 21の磁化方向に延びるの力 ¾軸、カプセル 医療装置 3の半径方向に延びるの力 軸、カプセル医療装置 3の長手軸線方向に延 びるの力 軸である。一方、外部装置 5には、 X軸、 y軸、 z軸からなる右手座標系が設 定されている。
[0032] 図 3には、図 1のカプセ医療装置の内部構成を説明する模式図が示されている。
カプセル医療装置 3は、図 3に示すように、内部に各種の機器を収納する外装 7と、 被検体の体腔内画像を取得する撮像部 (画像取得部、応答検出部) 9と、外装 7内部 の各種機器に動力を供給する電源部 11と、発振磁界を発生する発振コイル 15と、画 像データ等を体外に向けて送信する無線送信機 17と、電源部 11、撮像部 9、発振コ ィル 15および無線送信機 17を制御する制御部 19と、磁界に対して応答する永久磁 石 (磁界応答部) 21とを備えている。
[0033] 外装 7は、カプセル医療装置 3の f軸を中心軸とする赤外線を透過する円筒形状の カプセル本体 7aと、カプセル本体 7aの前端を覆う透明で半球形状の先端部 7bと、力 プセル本体 7aの後端を覆う半球形状の後端部 7cとから形成され、水密構造で密閉 されたカプセル容器を形成して!/、る。
外装 7のカプセル本体 7aの外周面には、 f軸を中心として断面円形の線材を螺旋 状に巻いた螺旋部 23が備えられている。そのため、カプセル医療装置は、 f軸を中心 として回転されることにより、前進または後進することができる。
[0034] 撮像部 9は、被検者の体腔内を撮影して画像を取得するものである。撮像部 9には 、 f軸方向に対して略垂直に配置された基板 25aの後端部 7c側の面に配置された撮 像素子であるイメージセンサ 27と、被検者の体腔内面の像をイメージセンサ 27に結 像させるレンズ群 29と、体腔内面を照明する LED (Light Emitting Diode) 31と が備えられている。
[0035] イメージセンサ 27は、先端部 7bおよびレンズ群 29を介して結像された光を電気信
号 (画像信号)に変換して制御部 19へ出力している。このイメージセンサ 27としては 、例えば、 CMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor)や CCD ( Charge Coupled Device)などの撮像素子を用いることができる。
LED31は基板 25aに、 f軸を中心として周方向に間隔をあけて複数配置されてい
[0036] 発振コイル 15は発振磁界を発生するものであり、外装 7のカプセル本体 7aの半径 方向内方に円筒状に巻かれて配置されている。
つまり、発振コイル 15は中心軸線力 ¾軸方向と略平行に配置され、発振コイル 15の 開口方向は、永久磁石 21の磁化方向に対して直交する方向に配置されている。
[0037] 制御部 19は、電源部 11と発振コイル 15とイメージセンサ 27と LED31とに電気的 に接続されている。制御部 19は、イメージセンサ 27が取得した画像信号を無線送信 機 17から送信するとともに、発振コイル 15とイメージセンサ 27と LED31とのオン-ォ フを制御している。
[0038] 永久磁石 21は、外部装置 5から受ける方向検出磁界 Mおよび誘導磁界 Mに応じ
1 2 て駆動力を発生するものである。永久磁石 21は、無線送信機 17の後端部 7c側に配 置されている。永久磁石 21は、 f軸方向に対して直交方向(例えば、図における上下 方向)に磁化方向(磁極)を有するように配置または着磁されて!/、る。
[0039] 外部装置 5には、図 1に示すように、位置姿勢検出部 33と、方向算出部 35と、磁界 制御部 37と、電源 39と、インターフェイス 41と、画像データ受信部 43と、磁界発生部 45と力 S設けられている。
[0040] 図 4は、図 1の位置姿勢検出部の構成を説明する模式図である。
位置姿勢検出部 33は、外部装置 5の座標系におけるカプセル医療装置 3の座標 値 (位置)と、カプセル医療装置 3の f軸の方向、つまりカプセル医療装置 3の u軸、 r 軸周りの回転位相と、の 5自由度を検出するものである。これらの座標値および回転 位相の算出方法については、公知の算出方法を用いることができ、特に限定するも のではない。位置姿勢検出部 33には、図 4に示すように、複数の検出コイル 47が設 けられ、検出コイル 47の検出信号が入力されている。
検出コイル 47は、カプセル医療装置 3の発振コイル 15から発振された発振磁界を
検出するものであり、カプセル医療装置 3の作動範囲の周囲に配置されている。
[0041] 方向算出部 35は、図 1に示すように、カプセル医療装置 3の u軸および r軸の方向、 つまりカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相(医療装置の方向)の 1自由度を算 出するものである。回転位相の算出方法の詳細については後述する。方向算出部 3 5には、図 1に示すように、方向算出部 35からインターフェイス 41のデータ処理部 53 にカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相が入力されている。
[0042] 磁界制御部 37は、図 1に示すように、カプセル医療装置 3の作動範囲内に方向検 出磁界 Mとおよび誘導磁界 Mを形成する磁界形成信号を出力するものである。方
1 2
向検出磁界 Mは、カプセル医療装置 3の f軸周りの位相、つまり永久磁石 21の磁化 方向を検出する際に用いられる磁界である。誘導磁界 Mはカプセル医療装置 3を誘
2
導する磁界であり、カプセル医療装置 3における f軸の向きを制御するとともに、 f軸周 りに回転駆動させる回転磁界である。
[0043] 磁界制御部 37には、方向検出磁界 Mの磁界方向および磁界強度を制御する磁 界形成信号を生成する方向検出磁界制御部 49と、誘導磁界 Mの磁界方向および
2
磁界強度を制御する磁界形成信号を出力する誘導磁界制御部 51とが設けられてい 方向検出磁界制御部 49は、カプセル医療装置 3の方向検出時に、磁界発生部 45 が発生する磁界を制御する磁界形成信号を出力する。一方、誘導磁界制御部 51は 、カプセル医療装置 3の誘導時に、磁界発生部 45が発生する磁界を制御する磁界 制御信号を出力する。
磁界制御部 37には、方向算出部 35からカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相 が入力され、インターフェイス 41のデータ処理部 53から操作者が入力した操作情報 が入力されている。
[0044] 図 5は、図 2のカプセル医療装置における他の駆動方法を説明する図である。
なお、上述のように、誘導磁界 Mが回転磁界であって、カプセル医療装置 3が回
2
転磁界により駆動されてもよいし、図 5に示すように、誘導磁界 Mが磁気勾配のある
2
静磁界である勾配磁界であって、カプセル医療装置 3が勾配磁界により駆動されても よぐ特に限定するものではない。図 5においては、右側に向うほど勾配が急となる誘
導磁界が形成され、カプセル医療装置 3を右側に駆動する磁気引力が作用している 状態が示されている。
このように磁界発生部 45から勾配磁界を発生させることにより、交番磁界である回 転磁界を発生させる方法と比較して、磁界発生部 45の制御が容易となる。
[0045] 電源 39は、図 1に示すように、磁界制御部 37の制御信号に基づいて、磁界発生部 45から方向検出磁界 Mおよび誘導磁界 Mを発生させる交流電力を出力するもの
1 2
である。電源 39には、図 1に示すように、磁界制御部 37から制御信号が入力され、 電源 39から磁界発生部 45に交流電力が供給されている。
[0046] 図 6は、図 1のインターフェイスの構成を説明する模式図である。
インターフェイス 41は、操作者からカプセル医療装置 3の操作量が入力されるととも に、カプセル医療装置 3が取得した画像を表示するものである。インターフェイス 41 には、図 6に示すように、データ処理部 53と、操作部 55と、表示部 57とが設けられて いる。
[0047] データ処理部 53は、表示部 57に表示される画像データを算出するとともに、磁界 制御部 37に入力される操作情報を算出するものである。具体的には、データ処理部 53は、画像データ受信部 43から入力されたカプセル医療装置 3の回転とともに回転 する画像データを、カプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相に基づいて、静止した 画像データに変換している。
データ処理部は、操作部 55から入力されたカプセル医療装置の座標系(u軸、 r軸 、 f軸からなる座標系)に基づく操作情報を、カプセル医療装置 3の f軸周りの回転位 相に基づいて、外部装置 5の座標系(X軸、 y軸、 z軸からなる座標系)に変換している
〇
[0048] データ処理部 53には、画像データ受信部 43から画像データが入力されるとともに 、方向算出部 35からカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相が入力され、データ 処理部 53から表示部 57に静止した画像データが出力されている。データ処理部 53 には、操作部 55からカプセル医療装置 3の座標系に基づく進行方向および進行速 度に係る操作情報が入力され、外部装置 5の座標系に基づく操作情報に変換されて から、磁界制御部 37に出力されている。
[0049] 図 7および図 8は、図 6の操作部の構成を説明する概略図である。
操作部 55は、操作者からカプセル医療装置 3の進行方向および進行速度(操作情 報)が入力されるものである。操作部 55には、図 7および図 8に示すように、カプセル 医療装置 3の進行方向が入力される方向制御部 59と、カプセル医療装置 3の前進お よび後進を含む進行速度が入力されるアクセル 61とが設けられている。
[0050] 方向制御部 59は互いに直交する 2つの方向に沿って倒れるように設けられた棒状 の部材である。方向制御部 59を図における up側に倒すと、カプセル医療装置 3は u p軸の正方向に向きを変えるように制御され、方向制御部 59を反対方向に倒すと、力 プセル医療装置 3は up軸の負方向に向きを変えるように制御される。同様に、図に おける right側に方向制御部 59を倒すとカプセル医療装置 3は right軸の正方向に 向きを変え、反対方向に方向制御部 59を倒すと、カプセル医療装置 3は right軸の 負方向に向きを変える。
[0051] アクセル 61は 1つの方向に沿って倒れるように設けられた棒状の部材である。ァク セルを図における front側に倒すとカプセル医療装置 3は前進、つまり f軸の正方向 に進むように制御され、 back側に倒すとカプセル医療装置 3は後進、つまり f軸の負 方向に進むように制御される。アクセル 61の倒した方向にかかわらず、アクセル 61を 倒した角度に応じてカプセル医療装置 3の進行速度が制御される。
[0052] 図 9は、図 6の表示部を説明する模式図である。
表示部 57は、カプセル医療装置 3により撮像された画像データを表示するものであ る。表示部 57には、図 6に示すように、データ処理部 53から静止した画像データが 入力され、静止した画像が表示される。具体的には、図 9に示すように、表示部 57に おける up軸および right軸力 S、カプセル医療装置 3の u軸および r軸と一致するように 静止画像が表示される。
[0053] 画像データ受信部 43は、図 1に示すように、カプセル医療装置 3の無線送信機 17 から送信された画像データを受信するものである。画像データ受信部 43に受信され た画像データは、図 6に示すように、インターフェイス 41のデータ処理部 53に入力さ れている。
[0054] 磁界発生部 45は、電源 39から供給される交流電力に基づいて、方向検出磁界 M
や誘導磁界 Mを形成するものである。磁界発生部 45としては、ヘルムホルツコイル
2
などの公知のコイルを用いることができ、特に限定するものではない。
本実施形態では、同一のコイルにより方向検出磁界 Mと誘導磁界 Mを形成する
1 2
場合に適用して説明するが、方向検出磁界 Mを形成するコイルと、誘導磁界 Mを
1 2 形成するコイルとを別々に設けてもよぐ特に限定するものではない。
[0055] 次に、上記の構成からなる医療装置誘導システム 1におけるカプセル医療装置の 作用について説明する。
まず、カプセル医療装置 3の誘導法の概略および画像の取得方法について説明し 、その後に本実施形態の特徴であるカプセル医療装置 3における f軸周りの回転位 相の検出方法および検出された回転位相に基づいたカプセル医療装置 3の誘導方 法について説明する。
[0056] まず、図 1に示されるように磁界発生部 45により誘導磁界 Mが形成される空間 Sに
2
被験者を配置する。
次いで、カプセル医療装置 3の電源を入れ、カプセル医療装置 3を被検者の口部 または肛門から体腔内に投入する。外部装置 5においても位置姿勢検出部 33等へ の電力を供給開始する。
[0057] 体腔内に投入されたカプセル医療装置 3においては、所定時間後に撮像部 9の作 動が開始され、 LED31からの照明光により照明された体腔内面の画像力 イメージ センサ 27により取得される。取得された画像データは、制御部 19を介して無線送信 機 17に引き渡され、無線送信機 17を介して画像データ受信部 43に送信される。
[0058] 画像データは、画像データ受信部 43からインターフェイス 41のデータ処理部 53に 入力される。データ処理部 53において、カプセル医療装置 3の回転とともに回転する 画像データは、方向算出部 35により算出されたカプセル医療装置 3の f軸周りの回転 位相に基づいて、静止した画像データに変換される。変換された画像データは表示 部 57に出力され、表示部 57に体腔内面の画像が表示される。
[0059] 表示部 57に表示された体腔内面の画像を確認した操作者は、インターフェイス 41 の操作部 55を操作することにより、カプセル医療装置 3の進行方向および進行速度 などの操作情報をデータ処理部 53に入力する。操作部から入力される操作情報は
カプセル医療装置の座標系に基づく操作情報であるので、データ処理部は、方向算 出部 35により算出されたカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相に基づいて、外 部装置 5の座標系に基づく操作情報に変換する。
[0060] 変換された操作情報は磁界制御部 37に入力される。磁界制御部 37は、誘導磁界 制御部 51において、回転磁界である誘導磁界 Mの回転軸方向、回転方向および
2
回転速度等を決定し、誘導磁界 Mを形成する磁界形成信号を電源 39に出力する。
2
電源 39は入力された磁界形成信号に基づいて発生した交流電力を磁界発生部 45 に供給する。これにより、磁界発生部は励磁され、所望の誘導磁界 Mが形成される
2 誘導磁界 Mの回転軸方向は、カプセル医療装置 3の方向(f軸の方向)や進行方
2
向を制御するものであり、回転方向は、カプセル医療装置 3の前進および後進を制 御するものであり、回転速度はカプセル医療装置 3の進行速度を制御するものである
[0061] 次に、本実施形態の特徴であるカプセル医療装置 3における f軸周りの回転位相、 つまり、方向検出磁界の磁界方向と永久磁石の磁化方向との角度ズレの検出方法 について説明する。
まず、磁界制御部 37の方向検出磁界制御部 49は、位置姿勢検出部 33により算出 されたカプセル医療装置 3の f軸の方向に対して、垂直な面 (u— r平面)内で磁界方 向が任意方向で、磁界強度が Hの方向検出磁界 Mを発生する磁界形成信号を磁 界発生部 45に出力する。これにより、磁界発生部 45は方向検出磁界 Mを発生する
[0062] 図 10は、磁界強度 Hの方向検出磁界 Mが働いている際にカプセル医療装置が 撮像した画像を説明する図である。
カプセル医療装置 3の永久磁石 21に対して方向検出磁界 Mが働!/、て!/、る状態で 、イメージセンサ 27により、図 10に示すような、体腔内壁の画像が取得される。ここで 、方向検出磁界 Mの磁界方向と永久磁石 21の磁化方向との角度ズレを検出するの に用いられる検出パターン Pが設定される。
[0063] そして方向検出磁界制御部 49は、方向検出磁界 Mの磁界方向はそのままで、磁
界強度を Hに強くする磁界形成信号を磁界発生部 45に出力する。これにより、磁界
2
発生部 45は磁界強度が Hの方向検出磁界 Mを発生する(検出磁界発生ステップ)
2 1
〇
方向検出磁界 Mの磁界強度が強くなると、永久磁石 21に働くトルク Tが強くなり、 カプセル医療装置 3は f軸周りに回転する。
[0064] 図 11は、磁界強度 Hの方向検出磁界 Mが働!/、て!/、る際にカプセル医療装置が
2 1
撮像した画像を説明する図である。
このようにカプセル医療装置 3に磁界強度が Hの方向検出磁界 Mを作用させた
2 1
後、イメージセンサ 27により、図 11に示すような、体腔内壁の画像が取得される。こ のとき画像に写されている検出パターン Pは、図 10に示す画像と比較して、角度 αだ け回転している。
方向算出部 35は、図 10および図 11に示す画像を比較して、検出パターン Ρの回 転角 αを検出することにより、カプセル医療装置 3の f軸周りの回転角 αを求める (応 答検出ステップ)。検出パターン Ρを複数個設定することで、より正確に αを求めるこ と力 Sできる。
[0065] 図 12は、永久磁石の磁界と、方向検出磁界と、永久磁石に働くトルクとの関係を示 す図である。
方向算出部 35は、方向検出磁界 Μの磁界強度変化の前後における永久磁石 21 に働くトルクの関係式と、方向検出磁界 Μの磁界方向と永久磁石 21の磁化方向と のなす角 Θの変化と回転角 αとの関係式に基づいて、なす角 Θ (角度ズレ)を算出 する(方向検出ステップ)。
ここで、磁界強度 Ηの方向検出磁界 Μにより、磁界強度 Μの永久磁石 21に働くト ルク Τは、図 12に示す図から下記の式(1)により求められることが判る。
T = MHsin Θ · · · (1)
[0066] 方向検出磁界 Mの磁界強度変化の前後において、永久磁石 21に働くトルク Tは 変化しないため、下記の式(2)が導かれる。
MH sin θ =MH sin Θ …(2)
1 1 2 2
ここで、 Θ は、磁界強度 Ηの方向検出磁界 Μが形成されている時の方向検出磁
界 Mの磁界方向と永久磁石 21の磁化方向とのなす角であり、 Θ は、磁界強度 H
1 2 2 の方向検出磁界 Mが形成されている時の方向検出磁界 Mの磁界方向と永久磁石 21の磁化方向とのなす角である。
回転角 αはなす角 Θ と Θ を用いて下記の式(3)のように表される。
1 2
θ - θ = · ' · (3)
1 2
[0067] 方向算出部 35は、上記の式(2)および式(3)に基づいて、方向検出磁界 Μの磁 界方向と永久磁石 21の磁化方向とのなす角 θ , Θ を算出する。
1 2
このように算出されたなす角 θ , Θ および方向検出磁界 Μの磁界方向により、永
1 2 1
久磁石 21の磁化方向、つまりカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相(方向、姿勢 )が求められる。
[0068] 方向算出部 35により求められたカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相は、磁界 制御部 37の誘導磁界制御部に入力される。誘導磁界制御部は、カプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相に基づいて誘導磁界 Mの磁界方向を決定し、磁界発生部か
2
ら誘導磁界 Mを発生させる(誘導磁界発生ステップ)。
2
[0069] カプセル医療装置 3の誘導と方向検出は交互に繰り返して行われ、カプセル医療 装置 3の方向検出の結果は誘導磁界 Mの制御にフィードバックされる。上述のなす
2
角 Θが適切な値になるように誘導磁界 Mの磁界方向を制御することで、カプセル医
2
療装置 3をより効率的かつ安定して制御することができる。
[0070] 上記の構成によれば、方向算出部 35において永久磁石 21の磁化方向と方向検出 磁界 Mの磁界方向とのなす角 Θ (角度差)が算出されるため、カプセル医療装置に おける位置姿勢 ½自由度)の内、 5自由度を検出する位置姿勢検出部を用いて 6自 由度の位置姿勢検出ができる。
なす角 Θは、方向検出磁界 Mの磁界強度を強くした時のカプセル医療装置 3 (永 久磁石 21 )の回転角 αに基づいて、方向算出部 35において算出される。このように
、算出されたなす角 Θを用いることで、方向算出部 35はカプセル医療装置 3の f軸周 りの向き(永久磁石 21の磁化方向の向き)を算出できる。
[0071] 上述のように、カプセル医療装置 3の f軸周りの向きが算出されることにより、データ 処理部 53において、カプセル医療装置の回転と共に回転する画像データを静止し
た画像データに補正する際に、より正確な回転補正を行うことができる。
[0072] 誘導磁界 Mとして回転磁界を発生した後に、続けて誘導磁界 Mとして勾配磁界
2 2
を発生させて、カプセル医療装置に磁気引力を作用させる場合、効率的に磁気引力 を発生させること力 Sできる。つまり、カプセル医療装置 3の f軸周りの向きに合わせて( 永久磁石 21の磁化方向と平行となるように)、勾配磁界の磁界方向を決定することで 、永久磁石に効率的に磁気引力を働かせることができ、効率的に磁気引力を発生す ること力 Sでさる。
[0073] 被検体内のカプセル医療装置 3は、磁界発生部 45により形成された方向検出磁界 M内に位置することから、カプセル医療装置 3内の永久磁石 21は方向検出磁界 M により f軸周りに回転される。この永久磁石 21 (カプセル医療装置 3)の回転角 αは撮 像部 9により撮像された画像から検出される。カプセル医療装置 3の f軸周りの回転位 相は、カプセル医療装置 3の回転量を累積によって求める方法と比較して、方向検 出磁界 Mの磁界方向と検出された永久磁石 21のカプセル医療装置 3の回転角 αと に基づ!/、て算出されることから、より高!/、精度で求められる。
[0074] 言い換えると、方向検出磁界 Μを永久磁石 21に作用させることにより、カプセル医 療装置 3は f軸周りに回転され、カプセル医療装置 3の回転角 αは撮像部 9により撮 像された画像から検出される。 u軸および r軸の方向は、検出された回転角 αに基づ いて算出される。
[0075] カプセル医療装置 3における u軸、 r軸および f軸の軸方向のうち、 r軸および f軸の 軸方向が方向検出磁界 Mによる永久磁石 21の回転角 α力も算出されるため、カブ セル医療装置 3内に別途検出部を設ける必要がなぐその構成を簡略化できる。
[0076] 撮像部 9により取得された少なくとも 2枚の画像を比較することにより、方向検出磁 界 Μによるカプセル医療装置 3の回転角 αが検出されるため、カプセル医療装置 3 内に別途検出部等を設ける必要がなく構成が簡略化されることから、カプセル医療 装置 3を小型化できる。
[0077] 方向検出磁界 Μの磁界強度を Η力 Ηに強くすることにより、カプセル医療装置
1 1 2
3の方向検出に必要な永久磁石 21の回転に係る複数の情報が取得されるため、力 プセル医療装置 3の位置検出精度を保ったまま、医療装置誘導システム 1のシステム
構成を簡略化できる。
[0078] 方向算出部 35により求められたカプセル医療装置 3の f軸周りの回転位相に基づ いて、磁界発生部 45から発生された誘導磁界 Mの磁界方向を、永久磁石 21の磁
2
化方向と平行となるように調整するため、誘導磁界 Mを効率よく永久磁石 21に作用
2
させること力 Sできる。永久磁石 21の磁化方向に対して意図した通りに誘導磁界 Mを
2 作用させることができ、カプセル医療装置 3を安定して制御することができる。
[0079] なお、上述の誘導磁界 Mの制御に、下記に説明する制御を行ってもよぐ特に限
2
定するものではない。
回転磁界である誘導磁界 Mを発生させ、カプセル医療装置 3を f軸周りに回転させ
2
ながら誘導する場合には、誘導磁界 M発生中に磁界発生部 45に供給される電流
2
は変化する。このように、供給される電流が変化する場合には、電源 39に過大な負 荷力 Sかかるのを避けるため、磁界強度の強い誘導磁界 Mの発生は行われない。
2
[0080] かかる状態で誘導磁界 Mの発生を停止させた場合には、永久磁石 21の磁化方向
2
と誘導磁界 Mの磁界方向とのなす角が大きな値のままカプセル医療装置 3は停止
2
する。すると、次に勾配磁界である誘導磁界 Mを発生させた場合、永久磁石 21に働
2
く磁気引力が小さくなる。
[0081] そこで、回転磁界である誘導磁界 Mを停止する直前に、静磁界であって強い磁界
2
を発生させることで、誘導磁界 Mの発生停止時における永久磁石 21の磁化方向と
2
誘導磁界 Mの磁界方向とのなす角(ずれ量)を小さくすることができる。すると、次に
2
カプセル医療装置 3の位置を磁気引力で制御する場合に、永久磁石 21に効率的に 磁気引力を発生させることができ、カプセル医療装置 3の位置を正確に制御すること ができる。
[0082] 〔第 1の実施形態の第 1変形例〕
次に、本発明の第 1の実施形態の第 1変形例について図 13および図 14を参照し て説明する。
本変形例の医療装置誘導システムの基本構成は、第 1の実施形態と同様であるが 、第 1の実施形態とは、永久磁石の磁化方向の算出方法が異なっている。よって、本 変形例においては、図 13および図 14を用いて永久磁石の磁化方向の算出方法の
みを説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を省略する。
図 13および図 14は、本変形例における方向検出磁界の磁界方向と永久磁石の磁 化方向との角度ズレの検出方法を説明する図である。
[0083] なお、第 1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。カプセル医療装置 3の誘導法の概略および画像の取得方法も第 1の実施形 態と同様であるので、その説明を省略する。
[0084] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 3における f軸周りの回転位相、 つまり、誘導磁界 Mの磁界方向と永久磁石の磁化方向との角度ズレの検出方法に
2
ついて説明する。
カプセル医療装置 3の誘導は、第 1の実施形態と同様に、カプセル医療装置 3は回 転磁界である誘導磁界 Mにより回転駆動され、所望の位置に誘導される。かかる場
2
合に、カプセル医療装置 3の誘導が停止、つまり誘導磁界 Mの回転が停止されると
2
、誘導磁界 Mの磁界方向と永久磁石 21の磁化方向とは、図 13に示す関係となる。
2
誘導磁界 Mはカプセル医療装置 3の f軸を中心に回転する磁界である。
2
[0085] 図 13においては、反時計回りに回転する誘導磁界 Mによりカプセル医療装置 3は
2
回転駆動されていた場合を示し、永久磁石 21の磁化方向よりも誘導磁界 Mの磁界
2 方向が反時計回りに進んだ状態となっている。このように、誘導磁界 Mの磁界方向
2
が永久磁石 21の磁化方向よりも進むことにより、永久磁石 21を回転する回転トルク が永久磁石 21に発生する。
[0086] その後、磁界強度を変更することなぐ図 14に示すように、誘導磁界 Mを時計回り
2 に回転させる。このとき、誘導磁界 Mの回転を止めた位相からの回転角の計測を開
2
始する。
そして、カプセル医療装置 3の撮像部 9により撮像された画像を観察し、カプセル医 療装置 3が時計回りに回転開始する誘導磁界 Mの回転角 Θ を計測する。
2 3
[0087] ここで、カプセル医療装置 3を反時計回りに回転させるのに必要な回転トルクと、時 計回りに回転させる回転トルクとは、略同じ大きさであると見なせる。そのため、回転 角 Θ の半分の角度が誘導磁界 Mの磁界方向と永久磁石 21の磁化方向とのなす
3 2
角(角度ズレ)となる。
そこで、方向算出部 35は、誘導磁界 Mが回転停止したときの磁界方向から、時計
2
回りに Θ /2だけ回転した方向を、永久磁石 21の磁化方向、つまりカプセル医療装
3
置 3の f軸周りの回転位相として算出する。
[0088] 上記の構成によれば、回転磁界である誘導磁界 Mの回転方向を逆転させるだけ
2
で、永久磁石 21の磁化方向と誘導磁界 Mの磁界方向とのなす角を算出できる。そ
2
のため、磁界を発生させる制御方法力 第 1の実施形態と比較して簡単となる。 画像処理においては、カプセル医療装置 3が回転を開始することを検出すればよ い。したがって、第 1の実施形態のように画像のパターンマッチングが複雑にならない ので、より短時間で正確な角度検出が可能となる。
[0089] なお、回転磁界は、上述のように誘導磁界 Mであってもよいし、方向検出磁界 M
2 1 であってもよく、特に限定するものではない。
[0090] 〔第 1の実施形態の第 2変形例〕
次に、本発明の第 1の実施形態の第 2変形例について図 15から図 20を参照して説 明する。
本変形例の医療装置誘導システムの基本構成は、第 1の実施形態と同様であるが 、第 1の実施形態とは、永久磁石の磁化方向の算出方法が異なっている。よって、本 変形例においては、図 15から図 20を用いて永久磁石の磁化方向の算出方法のみ を説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を省略する。
図 15は、本変形例における永久磁石の磁化方向を求める際に形成される回転磁 界 M を説明する斜視図である。図 16は、本変形例における永久磁石の磁化方向
R1
を求める際に形成される回転磁界 M を説明する斜視図である。図 17は、図 16の回
R2
転磁界を z軸から見た上面視図である。
[0091] なお、第 1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。カプセル医療装置 3の誘導法の概略および画像の取得方法も第 1の実施形 態と同様であるので、その説明を省略する。
[0092] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 3における Y軸周りの回転位相、 つまり、回転磁界 Mの磁界方向と永久磁石の磁化方向との角度ズレの検出方法に
R
ついて説明する。
まず、図 15に示すように、カプセル医療装置 3における Z— X平面内において Y軸 を中心として回転する回転磁界 M を発生させる。次に、図 16および図 17に示すよ
R1
うに、カプセル医療装置 3における Z— X平面に対して角度 αだけ回転した平面(以 後、回転平面と表記する。)内において、 Υ軸との交点を中心として回転する回転磁 界回転磁界 Μ を発生させる。
R2
ここで、図 16および図 17における X軸、 Υ軸および Ζ軸は、図 2における r軸、 f軸お よび u軸に相当するものである。
[0093] 各回転磁界 M , M でカプセルを回転させ、発生する磁界の方向と XY平面との
Rl R2
角度が Θの時(回転磁界の方向が同じ時)の画像をそれぞれ取得する。
図 18および図 19は、回転磁界 M , M を印加して画像を取得する時の、発生磁
Rl R2
界とカプセル医療装置 3、永久磁石 21の関係をそれぞれ示した図である。
[0094] 図 20は、回転磁界 M , M の発生する磁界の方向が同じ時に、カプセル医療装
Rl R2
置 3のイメージセンサ 27により撮像された画像を比較したものであり、図 20 (a)は回 転磁界 M の画像、図 20 (b)は回転磁界 M の画像を示すものである。
Rl R2
[0095] 取得した 2枚の画像をパターンマッチングによって画像の移動方向(回転磁界の方 向が変化したことによって、カプセル医療装置 3が動いた方向)を検出することができ る。さらに、検出された移動方向と、画像を取得するイメージセンサ 27に対して位置 決めされた永久磁石 21の磁化方向との角度差 φを求める。ここで、検出された移動 方向は XY平面と平行となるので、求められた角度差 φは、永久磁石 21の磁化方向 と XY平面との角度差となる。
[0096] 図 18および図 19に示すように、回転磁界 M , M の発生する磁界の方向と XY
Rl R2
平面との角度差 Θと、永久磁石と XY平面との角度差 φから、発生磁界の方向と永久 磁石 21の磁化方向との角度差 Δ Θが以下の式 (4)で求まる。
Δ θ = θ - …(4)
発生磁界の方向と、発生磁界の方向と永久磁石 21の磁化方向に角度差 Δ Θから 、カプセル医療装置 3の Y軸周りの回転位相を求めることができる。
[0097] なお、回転磁界 M , M を発生した時にカプセル医療装置 3が画像を取得する時
Rl R2
の発生磁界の方向と XY平面との角度差は異なっていても良い。この場合、回転磁
界 M を発生した時の画像と回転磁界 M を発生した時の画像を相対的に回転させ
Rl R2
ることで、画像を取得した時の発生磁界の方向と XY平面との角度差の差分をキャン セし、発生磁界の方向と XY平面との角度差が同じ時に取得した画像と同様の処理 を fiうこと力 Sできる。
[0098] 上記構成によれば、回転磁界 M , M を発生した時に、カプセル医療装置 3のィ
Rl R2
メージセンサ 27で撮像されたそれぞれの画像から、回転磁界の方向と XY平面との 角度差 Θの時の、永久磁石 21の磁界方向と XY平面との角度差 φが求められ、発生 磁界の方向と永久磁石 21の磁化方向との角度差 Δ Θを求めることができる。
[0099] Δ Θを算出する過程に、回転磁界 M , M の成す角 αが含まれない。そのため、
Rl R2
成す各 Δ Θを求める際に、回転磁界 Μ , Μ の面(回転面)の傾き(成す角 α )が
Rl R2
制限されず、回転磁界 Μ , Μ の制御が容易となる。
Rl R2
[0100] なお、上述の永久磁石 21の磁化方向の検出を、カプセル医療装置 3の誘導とは切 り離して単独で行ってもよいし、カプセル医療装置 3を誘導する際に、カプセル医療 装置 3の Υ軸方向を転換させる時に、上述の永久磁石 21の磁化方向の検出を行つ てもよい。
つまり、カプセル医療装置 3の Υ軸方向を転換させる際、カプセル医療装置 3の Υ 軸に垂直な面(Ζ— X面)と、回転磁界である誘導磁界 Μの面との間に角度差が発
2
生する。この角度差を利用して上述の永久磁石 21の磁化方向の検出を行うことがで きる。カプセル医療装置 3の誘導中に、上述の永久磁石 21の磁化方向の検出を行う ことができるため、カプセル医療装置 3の誘導および位置検出の効率がよくなる。
[0101] なお、回転磁界 Μ , Μ は、誘導磁界 Μであってもよいし、方向検出磁界 Μで
Rl R2 2 1 あってもよく、特に限定するものではない。
[0102] 〔第 1の実施形態の第 3変形例〕
次に、本発明の第 1の実施形態の第 3変形例について図 21から図 23を参照して説 明する。
本変形例の医療装置誘導システムの基本構成は、第 1の実施形態と同様であるが 、第 1の実施形態とは、永久磁石の磁化方向の算出方法が異なっている。よって、本 変形例においては、図 21から図 23を用いて永久磁石の磁化方向の算出方法のみ
を説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を省略する。
[0103] 図 21は、本変形例のカプセル医療装置における永久磁石の周囲の構成を説明す る断面視図である。
なお、第 1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。
カプセル医療装置 103には、図 21に示すように、永久磁石 21の周囲に圧力センサ (磁気力測定部) 122が配置されている。圧力センサ 122は、永久磁石 21に作用す る磁気引力を検出するものである。本変形例においては、永久磁石 21の周囲に等 間隔に 4つ配置されている例に適用して説明する。
[0104] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 103における f軸周りの回転位相 、つまり、勾配磁界 Mの磁界方向と永久磁石 21の磁化方向との角度ズレの検出方
S
法について説明する。なお、カプセル医療装置 103の誘導法の概略および画像の 取得方法は第 1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル医療装置 103の誘導は、第 1の実施形態と同様に、カプセル医療装置 10 3は回転磁界である誘導磁界 Mにより回転駆動され、所望の位置に誘導される。そ
2
の後に、誘導磁界 Mの発生が停止される。
2
[0105] 図 22は、図 21のカプセル医療装置に勾配磁界を作用させた状態を説明する図で ある。図 23は、図 21のカプセル医療装置に他の勾配磁界を作用させた状態を説明 する図である。
誘導磁界 Mの停止後、図 22に示すように勾配磁界 Mを発生させ、停止時におけ
2 S
る誘導磁界 Mの磁界方向に働く磁気引力 Fを永久磁石 21に作用させる。ここで、図
2
22に示す勾配磁界は、停止時における誘導磁界 Mの磁界方向に沿って磁力線が
2
延びるとともに、上記磁界方向に向かって磁力線の密度が高くなる勾配磁界である。 永久磁石 21の磁化方向と、停止時における誘導磁界 Mの磁界方向とのなす角は
2
Δ Θである。
[0106] あるいは、図 23に示すように勾配磁界 Mを発生させ、停止時における誘導磁界 M
S
の磁界方向に働く磁気引力 Fを永久磁石 21に作用させる。ここで、図 23に示す勾
2
配磁界は、停止時における誘導磁界 Mの磁界方向に沿って磁力線が延びるととも
に、上記磁界方向に対して直交する方向に向かって磁力線の密度が高くなる勾配磁 界である。
[0107] 永久磁石 21に働く磁気引力 Fは圧力センサ 122に検出される。検出された磁気引 力 Fは、永久磁石 21の磁化方向と、磁気引力の力方向とが同一方向であるときの理 論磁気引力 Fと比較される。具体的には、下記の式(5)に基づいて磁気引力 Fは、
0
理論磁気引力 Fと比較され Δ Θが求められる。
0
F = F cos A θ · ' · (5)
ο
このように求められた Δ Θと、停止時における誘導磁界 Μの磁界方向とに基づい
2
て、永久磁石 21の磁化方向が算出される。
[0108] 上記の構成によれば、磁界発生部 45において、カプセル医療装置 103を誘導する 勾配磁界を発生させる部分を、永久磁石 21の磁化方向検出に用いる勾配磁界 Μ
S
の発生に使用できるため、磁界発生部 45の構成を簡略化できる。
言い換えると、方向検出のために形成された勾配磁界 Μにより永久磁石 21に働く
S
磁気引力 F (応答)から、カプセル医療装置 103の f軸周りの位相が算出される。その ため、磁界発生部 45は、勾配磁界 Mと、カプセル医療装置 103を誘導する他の均
S
一な磁界を形成する発生部として共有することができる。
[0109] 圧力センサ 122により永久磁石 21に働く磁気引力が圧力として直接検出されること から、カプセル医療装置 103の f軸周りの位相の算出精度が高くなる。位置検出演算 や、画像処理が不要となることから、カプセル医療装置 103の位置等を求める際のデ ータ処理が容易となる。
永久磁石 21に働く磁気引力が、圧力センサ 122を介してカプセル医療装置 103に 伝達されるため、カプセル医療装置 103の誘導を継続することができる。
[0110] 〔第 1の実施形態の第 4変形例〕
次に、本発明の第 1の実施形態の第 4変形例について図 24を参照して説明する。 本変形例の医療装置誘導システムの基本構成は、第 1の実施形態と同様であるが 、第 1の実施形態とは、永久磁石の磁化方向の算出方法が異なっている。よって、本 変形例においては、図 24を用いて永久磁石の磁化方向の算出方法のみを説明し、 医療装置誘導システムの構成等の説明を省略する。
[0111] 図 24は、本変形例のカプセル医療装置における永久磁石の周囲の構成を説明す る断面視図である。
なお、第 1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。
カプセル医療装置 203には、図 24に示すように、永久磁石 221の周囲に力センサ (磁気力測定部) 222が配置されている。本実施例においては、磁化方向に平行な 一対の面が形成されている永久磁石に適用して説明する。力センサ 222は、永久磁 石 221に作用する磁気引力を検出するものである。本変形例においては、永久磁石 221の一対の面に合計 4つ配置されている例に適用して説明する。
[0112] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 203における f軸周りの回転位相 、つまり、誘導磁界 Mの磁界方向と永久磁石 221の磁化方向との角度ズレの検出方
2
法について説明する。なお、カプセル医療装置 203の誘導法の概略および画像の 取得方法は第 1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル医療装置 203の誘導は、第 1の実施形態と同様に、カプセル医療装置 20 3は回転磁界である誘導磁界 Mにより回転駆動され、所望の位置に誘導される。
2
[0113] このとき、永久磁石 221には誘導磁界 Mにより回転トルク Tが発生しており、この回
2
転トルク Tによりカプセル医療装置 203は回転駆動される。
力センサ 222は、回転駆動される永久磁石 221により押圧され力 Fを検出する。力 センサ 222の検出信号は、撮像部 9が撮像した画像データに重畳され外部装置 5の 画像データ受信部 43に送信される。
[0114] 力センサ 222により検出された力 Fは、力センサ 222の配置位置に基づいて永久 磁石 221に発生した回転トルク Tを算出するのに用いられる。そして、算出された回 転トルク Tと、永久磁石 221の磁界ベクトル Mと、誘導磁界 Mの磁界ベクトル Hとの
2
間の関係式 (式(6) )に基づいて、永久磁石 221の磁化方向と誘導磁界 Mの磁界方
2 向とのなす角 Θが算出される。
T = MHcos Θ · · · (6)
このように求められた Θと、誘導磁界 Mの磁界方向とに基づいて、永久磁石 221
2
の磁化方向が算出される。
[0115] 上記の構成によれば、カプセル医療装置 203の誘導時に、永久磁石 221の磁化 方向と、誘導磁界 Mの磁界方向とのなす角が算出され、永久磁石 221の磁化方向
2
が算出できる。
[0116] 永久磁石 221に発生する回転トルク Tを力センサ 222により直接測定するので、永 久磁石 221の磁化方向を正確に算出できる。
永久磁石 221の磁化方向の算出の際に行われるデータ処理力 S、位置検出計算や 画像処理が不要なため容易となる。したがって、永久磁石 221の磁化方向の算出の 応答性がよくなり、磁気勾配の発生方向の制御性や、取得した画像データの回転補 正における制御性が向上する。
[0117] 図 25は、本発明の医療装置誘導システムに適用する医療装置として、カプセル医 療装置の代わりに内視鏡装置を用いた場合を説明する図である。
なお、上述の第 1の実施形態から第 1の実施形態の第 4変形例においては、医療 装置としてカプセル医療装置を用いて説明した力 図 25に示すように、内視鏡装置 3
03を用いてもよく、特に限定するものではない。
[0118] 内視鏡装置(医療装置) 303には、図 25に示すように、被験者の体腔内に挿入され る内視鏡 305と、内視鏡 305の先端を誘導する永久磁石 (磁界応答部) 321と、前進 または後進駆動力を発生させる螺旋部 323とが設けられている。
内視鏡 305には、体腔内を撮像するイメージングセンサ 327と、イメージングセンサ
327に体腔内の像を結像させるレンズ群 329と、鉗子を内視鏡 305の先端まで誘導 する鉗子孔 331とが設けられている。
[0119] 永久磁石 321は内部に内視鏡 305が揷通される円筒状に形成され、半径方向(例 えば、図 25において上下方向)に磁化されている。永久磁石 321は、内視鏡 305に 対して中心軸線周りに回転可能に配置されるとともに、中心軸線方向への移動は規 制されている。
螺旋部 323は永久磁石 321の外周面に螺旋状に配置され、内視鏡 305に対して 永久磁石 321とともに回転可能に配置されている。
[0120] このような内視鏡装置 303を、本発明の医療装置誘導システムに対して用いること で、カプセル医療装置を用いた場合と同様に、内視鏡装置 303の位置および方向を
精度良く検出すること力できるとともに、内視鏡装置 303を安定して、かつ、効率よく 誘導制卸すること力でさる。
[0121] 〔第 2の実施形態〕
次に、本発明の第 2の実施形態について図 26から図 29を参照して説明する。 本実施形態の医療装置誘導システムの基本構成は、第 1の実施形態と同様である 1S 第 1の実施形態とは、カプセル医療装置における f軸方向の検出方法が異なって いる。よって、本実施形態においては、図 26から図 29を用いてカプセル医療装置に おける f軸方向の検出方法のみを説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を 省略する。
図 26は、本実施形態に係る医療装置誘導システムの概略を説明する模式図が示 されている。
なお、第 1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。
[0122] 医療装置誘導システム 301には、図 26に示すように、被検体の体腔内に導入され る
カプセル医療装置(医療装置) 303と、カプセル医療装置 303の位置および方向を 検出するとともにカプセル医療装置 303を誘導する外部装置 305と、が設けられてい
[0123] 図 27は、図 26の医療装置誘導システムにおいて、第 1の実施形態と異なる部分を 説明する模式図が示されている。
カプセル医療装置 303には、図 27に示すように、磁化方向がカプセル医療装置 3 03の半径方向と一致する永久磁石 21と、中心軸線が永久磁石 21の磁化方向と一 致する発振コイル 315と、が備えられている。
[0124] 外部装置 305の位置姿勢検出部 333は、外部装置 305の座標系におけるカプセ ル医療装置 303の座標値 (位置)と、カプセル医療装置 303の u軸の方向、つまり力 プセル医療装置 3の f軸、 r軸周りの回転位相と、の 5自由度を検出するものである。こ れらの座標値および回転位相の算出方法については、公知の算出方法を用いること ができ、特に限定するものではない。位置姿勢検出部 333には、複数の検出コイル 4
7が設けられ、検出コイル 47の検出信号が入力されて!/、る。
[0125] 方向算出部 335は、図 26に示すように、カプセル医療装置 303の u軸周りの回転 位相(医療装置の方向)、つまりカプセル医療装置 303の f軸および r軸の方向を算 出するものである。算出方法の詳細については後述する。
[0126] 次に、本実施形態の特徴であるカプセル医療装置 303における f軸方向の検出方 法について説明する。なお、カプセル医療装置 303の誘導法の概略および画像の 取得方法は第 1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図 28は、図 26のカプセル医療装置に働く静磁界の磁界方向と、永久磁石の磁化 方向と、カプセル医療装置の f軸方向との関係を説明する模式図である。図 29は、図 28の f軸方向から見た、カプセル医療装置に働く静磁界の磁界方向と、永久磁石の 磁化方向の関係を説明する図である。
[0127] まず、永久磁石 21の磁化方向 Dに対して、図 28および図 29に示すように、近い 磁界方向を有する静磁界 Mを発生させる。このときの静磁界 Mの磁界強度は、カブ セル医療装置 303が f軸周りに回転するのに必要なトルクを発生させる磁界強度以 上であって、カプセル医療装置 303の f軸方向が移動する(旋回する)のに必要なト ルクを発生させる磁界強度より弱!/、磁界強度であることが望まし!/、。
[0128] このように、静磁界 Mを発生させると永久磁石 21にトルクが作用し、カプセル医療 装置 303は回転する。ここで、カプセル医療装置 303の形状や、不均一性により、力 プセル医療装置 303の f軸周りの回転量は、 u軸や r軸周りの回転量よりはるかに大き くなる。そのため、カプセル医療装置 303は、静磁界 Mにより f軸周りに回転すると見 なせる。
具体的には、永久磁石 21 (カプセル医療装置 303)は静磁界 Mを発生させる前の 方向 Dから、静磁界 Mを発生させることにより方向 Dに回転する。
1 2
[0129] この永久磁石 21の回転は位置姿勢検出部 333により検出され、検出された方向 D 力 方向 Dへの回転により、カプセル医療装置 303の回転面(u— r面)が算出され
1 2
る。算出された回転面に対して f軸は垂直な位置関係を有するため、算出された回転 面に基づいて f軸の方向が求められる。
磁気引力によりカプセル医療装置 303を誘導する場合には、上述のように求められ
た f軸方向に基づいて、効率よく磁気引力を発生させる磁気勾配の方向が決定され
[0130] カプセル医療装置 303を f軸周りに回転させる場合は、上述のように求められた u— r平面内に回転磁界を発生させることができる。
[0131] なお、発生させる静磁界 Mの磁界強度は、誘導磁界 Mの磁界強度よりも小さくても
2
よい。
このようにすることで、カプセル医療装置 303がほとんど旋回せず、正確な f軸方向 を検出できる。
[0132] 上述のように、カプセル医療装置 303の f軸方向を検出するために、静磁界 Mを発 生させてもよいし、カプセル医療装置 303の誘導の際に発生させる誘導磁界 Mを用
2 いて、連続的に f軸方向を検出してもよぐ特に限定するものではない。
このように、回転磁界を発生させながら f軸方向を検出する場合は、誘導を行いなが らカプセル医療装置 303の f軸方向を検出できるので効率がよい。
[0133] 上記の構成によれば、 5自由度を検出する位置姿勢検出部 333を用いる医療装置 誘導システム 301によって、カプセル医療装置 303の 6自由度の位置姿勢検出が可 能となる。つまり、カプセル医療装置 303の f軸方向を求めることができる。
[0134] 1方向の静磁界を発生させることにより、カプセル医療装置 303の f軸方向が求めら れるため、他の方法と比較して効率がよい。
検出用の磁界を一回発生させることで、カプセル医療装置 303の f軸方向を求める ことができるため、求められた f軸方向の情報を、カプセル医療装置 303の誘導制御 へフィードバックするのに効率がよい。
[0135] 〔第 2の実施形態の第 1変形例〕
次に、本発明の第 2の実施形態の第 1変形例について図 30から図 32を参照して説 明する。
本変形例の医療装置誘導システムの基本構成は、第 2の実施形態と同様であるが 、第 2の実施形態とは、カプセル医療装置における f軸方向の検出方法が異なってい る。よって、本変形例においては、図 30から図 32を用いてカプセル医療装置におけ る f軸方向の検出方法のみを説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を省略
する。
図 30は、本変形例における方向検出時に発生される磁界の磁界方向を説明する 模式図である。
なお、第 2の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。カプセル医療装置 303の誘導法の概略および画像の取得方法も第 2の実 施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[0136] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 303における f軸方向の検出方法 について説明する。
まず、位置姿勢検出部 333により予め検出された永久磁石 21の磁化方向 M (発振 コイル 315の中心軸線方向)に対して、同じ角度差を有する複数の方向検出磁界 M を発生させる。
[0137] カプセル医療装置 3は、発生した方向検出磁界 Mにより f軸, u軸, r軸周りに方向 が変化する。この時、カプセル医療装置の形状ゃ不均一性により、カプセル医療装 置の f軸周りの回転は、 u軸や r軸周りの回転よりも応答性が良い。
[0138] 複数の方向検出磁界 Mを印加した時の永久磁石 21の磁化方向 Mを、位置姿勢 検出部 333で求め、予め検出された方向検出磁界 Mを印加する前の永久磁石 21 の磁化方向 Mとの角度差を求める。この角度差が最大となる時の方向検出磁界 M の磁界方向と、予め検出された方向検出磁界 Mを印加する前の永久磁石 21の磁 化方向 Mからなる平面が u— r平面として算出される。算出された回転面に対して f軸 は垂直な位置関係を有するため、算出された回転面に基づいて f軸の方向が求めら れる。
[0139] 磁気引力によりカプセル医療装置 303を誘導する場合には、上述のように求められ た f軸方向に基づいて、効率よく磁気引力を発生させる磁気勾配の方向が決定され 具体的には、カプセル医療装置 303の回転面は、位置姿勢検出部 333により検出 された方向検出磁界 Mの発生前および発生後における永久磁石 21の磁化方向 M に基づいて算出される。
[0140] カプセル医療装置 333を f軸周りに回転させる場合は、上述のように求められた u—
r平面内に回転磁界を発生させることができる。
[0141] 一方、上述のように、カプセル医療装置 303の回転面を、位置姿勢検出部 333を 用いて算出してもよいし、以下に説明するように、画像のパターンマッチングから求め てもよい。
図 31は、複数の方向検出磁界 Mを発生させる前に撮像された画像を説明する図 である。図 32は、複数の方向検出磁界 Mを発生させた後に撮像された画像を説明 する図である。
[0142] まず、複数の方向検出磁界 Mを発生させる前に、被検体の体腔内を撮像部 9によ り撮像し、撮像された画像において、図 31に示すように、特定の検出パターン Pを設 疋 。
そして、複数の方向検出磁界 Mを発生させた状態で、被検体の体腔内を撮像部 9 により撮像する。このようにして撮像された画像において、検出パターン Pは図 32に 示すように位置 P1から P2に移動している。
[0143] この検出パターン Pの移動は、画像の中心を回転中心とする円周上を移動する回 転方向成分 Mと、画像の中心から径方向に移動する径方向成分 M に分離される。
R D
分離された成分のうち、複数の方向検出磁界 Mごとに得られた回転方向成分 Mが
1 R 最大となる方向検出磁界の磁界方向と、複数の方向検出磁界 Mを発生させる前の 位置姿勢検出部 333によって予め検出された永久磁石 21の磁化方向 Mからなる平 面を u— r平面として検出し、 u— r平面に垂直な方向を f軸として検出する。
検出パターン Pは複数個設定することで、より正確な回転方向成分 M ,径方向成
R
分 M を求めることができる。
D
[0144] 上記の構成によれば、 5自由度を検出する位置姿勢検出部 333を用いる医療装置 誘導システム 301によって、カプセル医療装置の 6自由度の位置姿勢検出が可能と なる。つまり、カプセル医療装置の f軸方向を求めることができる。
[0145] 複数の方向検出磁界 Mを用いて、カプセル医療装置 303の f軸方向を算出するた め、 1つの方向検出磁界 Mを用いる方法と比較して、正確な f軸方向を求めることが できる。
[0146] 〔第 2の実施形態の第 2変形例〕
次に、本発明の第 2の実施形態の第 2変形例について図 33から図 35を参照して説 明する。
本変形例の医療装置誘導システムの基本構成は、第 2の実施形態と同様であるが 、第 2の実施形態とは、カプセル医療装置における f軸方向の検出方法が異なってい る。よって、本変形例においては、図 33から図 35を用いてカプセル医療装置におけ る f軸方向の検出方法のみを説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を省略 する。
図 33は、本変形例における位置検出に用いる磁界の発生前および発生後の永久 磁石の磁化方向と、位置検出用の磁界の磁界方向との関係を説明する図である。 なお、第 2の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。カプセル医療装置 303の誘導法の概略および画像の取得方法も第 2の実 施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[0147] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 303における f軸方向の検出方法 について説明する。
まず、位置姿勢検出部 333により予め検出された永久磁石 21の磁化方向 M (発振 コイル 315の中心軸線方向)に対して、近い角度を有する方向検出磁界 Mを発生さ せる。すると、カプセル医療装置 303は方向検出磁界 Mにより回転する。
[0148] 図 33は、方向検出磁界 Mを発生させた後に撮像された画像を説明する図である。
そして、以下に説明するように、画像のパターンマッチングからカプセル医療装置 3 03における回転面における回転角 αを求める。
具体的には、図 33に示すように、撮像部 9により撮像された画像において、検出パ ターン Ρは位置 P1から Ρ2に移動している。
この検出パターン Ρの移動を、画像の中心を回転中心とする円周上を移動する回 転方向成分 Μと、画像の中心から径方向に移動する径方向成分 Μ に分離し、分
R D
離された回転方向成分 Μ力 回転角 αが算出される。
R
[0149] 位置姿勢検出部 333により、方向検出磁界 Μの発生前および発生後における発 振コイル 315の中心軸線方向、つまり永久磁石 21の磁化方向 Ηおよび Ηが検出さ
1 2 れる。
ここで、 は、方向検出磁界 の発生前における永久磁石 21の磁化方向を表す ベクトルであり、 H = (al , b l , c l )である。 Hは、方向検出磁界 Mの発生後におけ
1 2 1
る永久磁石 21の磁化方向を表すベクトルであり、 H = (a2, b2, c2)である。
2
[0150] 図 34は、図 33のカプセル医療装置における回転面および旋回面の算出方法を説 明するベクトル線図である。
図 34において、 Hを含む回転面と Hを含む旋回面との交線に沿った単位ベクトル
1 2
を Vとすると、 V—H平面が回転面 Pであり、 V— H平面が旋回面 Pとなる。ベタト
1 R 2 T
ノレ Vは、ベクトル Hが回転面 P に沿って回転角 αだけ回転したときの方向を示す単
1 R
位ベクトルであり、 V= (X, y, z)と表される。
[0151] 回転面 Pが紙面と一致する平面とすると、旋回面 P は紙面に対して交差する面と
R T
なる。言い換えると、ベクトル Hおよび Vは紙面に沿ったベクトルであり、ベクトル H
1 2 は紙面と交差するベクトルである。
さらに、ベクトル Hとベクトル Vとのなす角が上述の回転角 αとなり、ベクトル Ηとべ
1 2 タトル Vとのなす角が旋回角 βとなる。
[0152] 上述のベクトル Ηとベクトル Ηとベクトル Vとの関係より下記の式(7) ,式(8) ,式(9
1 2
)が導かれる。式(7)は、ベクトル Ηとベクトル Vとのなす角が αであることに基づき導 かれた式である。式(8)は、ベクトル Vが単位ベクトルであることに基づき導かれた式 である。回転面 Ρ と旋回面 Ρ は直交する。このとき、回転面 Ρ に含まれ、回転面 Ρと
R T R R
旋回面 Ρの交線ベクトル(Η )に垂直なベクトル(Η — Vcos a )は、旋回面 Ρ に含ま
T 1 1 T れる任意のベクトル(H )と垂直となる。したがって、式(9)は、ベクトル Hとベクトル H
2 2
-Vcos aとが垂直であることに基づき導かれた式である。
[数 1]
H\ · v = a\ X + bx y + cx z = cosa (7)
V = x 2 + y 2 + z^2 = l (8) a2— x cos a
H2 - (fii -Vcosa) = [a2,b2,c2 ] み 2 - ycosa =0 (9)
c2 - z cos a
[0153] 上述の式(7),式(8),式(9)からなる連立方程式から、 2通りの(X, y, z)が求めら れる。そのうち、画像内の検出パターン Pの回転方向、径方向への移動方向に基づ き、(X, y, z)がー意に決定される。
決定された (X, y, z)=Vにより、回転面 Pおよび旋回面 Pが算出し、磁界発生後
R T
のカプセル医療装置 303の f軸方向が算出される。
[0154] なお、カプセル医療装置 303の f軸方向の算出は、誘導磁界 Mである回転磁界な
2
どが連続的に発生されている間に、連続的行われてもよい。
[0155] 上記の構成によれば、 5自由度を検出する位置姿勢検出部 333を用いる医療装置 誘導システム 301によって、カプセル医療装置の 6自由度の位置姿勢検出が可能と なる。つまり、カプセル医療装置の f軸方向を求めることができる。
[0156] カプセル医療装置の移動量を位置姿勢検出部 333の検出情報と、撮像部 9が撮像 した画像のパターンマッチングから得られた情報とから求めるため、正確なカプセル 医療装置の f軸方向を求めることができる。
1方向の静磁界を発生させることにより、カプセル医療装置 303の f軸方向が求めら れるため、他の方法と比較して効率がよい。
[0157] 回転磁界を発生させながら f軸方向を検出する場合は、誘導を行いながらカプセル 医療装置 303の f軸方向を検出できるので効率がよい。
検出用の磁界を一回発生させることで、カプセル医療装置 303の f軸方向を求める
ことができるため、求められた f軸方向の情報を、カプセル医療装置 303の誘導制御 へフィードバックするのに効率がよい。
[0158] 〔第 2の実施形態の第 3変形例〕
次に、本発明の第 2の実施形態の第 3変形例について図 35から図 38を参照して説 明する。
本変形例の医療装置誘導システムの基本構成は、第 2の実施形態と同様であるが 、第 2の実施形態とは、カプセル医療装置における f軸方向の検出方法が異なってい る。よって、本変形例においては、図 35から図 38を用いてカプセル医療装置におけ る f軸方向の検出方法のみを説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を省略 する。
図 35は、本変形例におけるカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成と、永久磁 石に働く方向検出磁界の磁界方向と、を説明する図である。
なお、第 2の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。
[0159] カプセル医療装置 403には、図 35に示すように、磁化方向がカプセル医療装置 3 03の半径方向と一致する永久磁石 21と、永久磁石 21に働く r軸(紙面に対して垂直 方向の軸)周りの回転トルクを検出する力センサ(磁気力測定部) 422とが備えられて いる。
力センサ 422は、永久磁石 21に作用する回転トルクを検出するものである。本変形 例においては、永久磁石 21の f軸に対して垂直な一対の面に少なくとも 4つの力セン サ 422が配置されている例に適用して説明する。
[0160] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 403における f軸方向の検出方法 について説明する。なお、カプセル医療装置 403の誘導法の概略および画像の取 得方法は、第 2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[0161] 図 36は、図 35の方向検出磁界の磁化方向を説明する斜視図である。図 37は、図
36の方向検出磁界を Z軸方向から見た図である。図 38は、図 36の方向検出磁界の 磁化方向と Z軸とのなす角を説明する図である。
図 36から図 38における X軸, Y軸, Z軸は、それぞれカプセル医療装置の f軸, r軸
, U軸に対応するものである。
[0162] まず、図 35および図 36に示すように、永久磁石 21の磁化方向(Z軸方向)に対して 角度 αをなす方向検出磁界 Mを印加する。方向検出磁界 Μと Ζ軸とを含む平面は 、図 36および図 37に示すように、 X軸(カプセル医療装置 403の f軸)に対して角度 Θだけ Z軸周りに回転している。そして、方向検出磁界 Mは、図 36および図 38に示 すように、 Z軸から角度 αだけ X— Y平面側に回転している。
[0163] このように、永久磁石 21に方向検出磁界 Μが印加されると、永久磁石 21に回転ト ルクが働き、力センサ 422を押圧する。押圧力は力センサ 422に検出され、力センサ 422の検出信号は、画像データに重畳されて外部装置の画像データ受信部 43に送 信される。
力センサ 422の検出信号と、力センサ 422の配置とに基づき、永久磁石 21に働い た回転トルク Τが求められる。一方、永久磁石 21に働く回転トルク Τは、方向検出磁 界 Μの磁界強度 Ηと、永久磁石 21の磁界強度 Μと、上述のなす角 αおよびなす角 Θを用いて、下記の式(10)で表される。
T = HMsin a cos Θ · · · (10)
この式(10)を解くことにより、 Θは 2つの解(±x)として求められる。
[0164] 続けて、上述の方向検出磁界 Mの磁化方向とは異なる方向に磁化方向を有する 方向検出磁界 Mを印加し、再度、なす角 Θを算出する。このように 2度求められた Θ のうち、外部装置 305の座標系において、一致する Θを用いて、カプセル医療装置 4 03の X軸方向が算出される。
[0165] 上述のように異なる磁化方向を有する方向検出磁界 Mを印加することなぐそれま での誘導履歴、例えばカプセル医療装置をどちら側に旋回誘導してきたか等の情報 に基づいて、算出された 2つの Θ力も一方を選択してもよい。
[0166] 上記の構成によれば、 5自由度を検出する位置姿勢検出部 333を用いる医療装置 誘導システム 301によって、カプセル医療装置 403の 6自由度の位置姿勢検出が可 能となる。つまり、カプセル医療装置 403の X軸方向を求めることができる。
[0167] 永久磁石 21に発生する回転トルク Tを力センサ 422により直接測定するので、永久 磁石 21の磁化方向を正確に算出できる。
永久磁石 21の磁化方向の算出の際に行われるデータ処理力 S、位置検出計算や画 像処理が不要なため容易となる。したがって、永久磁石 21の磁化方向の算出の応答 性がよくなり、磁気勾配の発生方向の制御性や、取得した画像データの回転補正に おける制御性が向上する。
[0168] 方向検出磁界 Mの磁界強度を誘導磁界の磁界強度より小さくすることで、カプセ ル医療装置 403の向きが変化しないので、より正確なカプセル医療装置 403の X軸 方向の算出ができる。
[0169] 図 39は、本発明の第 2実施形態に適用するカプセル医療装置の別の実施例を説 明する模式図である。図 40は、図 39のカプセル医療装置の構成を説明する正面図 である。
なお、上述の第 2の実施形態から第 2の実施形態の第 3変形例においては、発振コ ィルの中心軸線力 S、永久磁石の磁化方向と略平行に配置された例に適用して説明 しているが、図 39および図 40に示すように、発振コイルの中心軸線力 永久磁石の 磁化方向とが大きく離れて (例えば略垂直に)配置されて!/、てもよく、特に限定するも のではない。
このように配置することで、永久磁石の磁化方向と、誘導磁界の磁化方向とのズレ 力 S小さい場合には、発振コイルの中心軸線と、誘導磁界の磁化方向とを含む平面に 対して略垂直な方向がカプセル医療装置の f軸方向と算出することができる。
永久磁石の磁化方向と、誘導磁界の磁化方向とのズレが大きい場合には、上述の 第 2の実施形態から第 2の実施形態の第 3変形例を同様な方法で、カプセル医療装 置の f軸方向と算出することが望ましレ、。
[0170] 〔第 3の実施形態〕
次に、本発明の第 3の実施形態について図 41から図 43を参照して説明する。 本実施形態の医療装置誘導システムの基本構成は、第 1の実施形態と同様である 1S 第 1の実施形態とは、カプセル医療装置における f軸方向の検出方法が異なって いる。よって、本実施形態においては、図 41から図 43を用いてカプセル医療装置に おける f軸方向の検出方法のみを説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を 省略する。
図 41は、本実施形態におけるカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成を説明す る縦断面視図である。図 42は、図 41のカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成を 説明する正面視図である。
なお、第 1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。
[0171] 医療装置誘導システム 501のカプセル医療装置(医療装置) 503には、図 41およ び図 42に示すように、磁化方向がカプセル医療装置 503の半径方向と一致する永 久磁石 (磁界応答部) 521と、永久磁石 521に働く回転トルクを検出する力センサ (磁 気力測定部) 522R,522Fとが備えられている。
なお、医療装置誘導システム 501には、位置姿勢検出部 33は設けられていない。
[0172] 永久磁石 521には、カプセル医療装置の f軸に対して略垂直な一対の面と、 r軸に 対して略垂直な一対の面とが形成されて!/、る。
f軸に対して略垂直な一対の面には、永久磁石 521に働く r軸(図 41における紙面 に対して垂直方向の軸)周りの回転トルクを検出する力センサ 522Rが少なくとも 4つ 配置されている。 r軸に対して略垂直な一対の面には、永久磁石 521に働く f軸(図 4 2における紙面に対して垂直方向の軸)周りの回転トルクを検出する力センサ 522F が少なくとも 4つ配置されている。
[0173] ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 503における f軸方向の検出方法 について説明する。なお、カプセル医療装置 503の誘導法の概略および画像の取 得方法は、第 1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[0174] 図 43は、図 41のカプセル医療装置に印加される位置検出磁界について説明する ベクトル図である。
まず、図 43に示されるように、任意の磁界方向を有する位置検出磁界 M カプ
G1 セル医療装置 503の永久磁石 521に印加される。
永久磁石 521に位置検出磁界 M が印加されると、永久磁石 521に回転トルクが
G1
働き、力センサ 522R,522Fを押圧する。押圧力は力センサ 522R,522Fに検出され 、力センサ 522R,522Fの検出信号は、画像データに重畳されて外部装置の画像デ ータ受信部 43に送信される。
[0175] 力センサ 522R,522Fの検出信号と、力センサ 522R,522Fの配置とに基づき、永 久磁石 521に働いた回転トルク Tが求められる。一方、永久磁石 521に働く回転トノレ ク Tは、位置検出磁界 M の磁界強度 Hと、永久磁石 521の磁界強度 Mと、永久磁
G1
石 521の磁化方向と位置検出磁界 M の磁界方向とのなす角 Θ を用いて、下記
Gl G1
の式(11)で表される。
T = HMcos Θ · · · (11)
Gl
[0176] この式(11)を解くことにより、永久磁石 521の磁化方向と位置検出磁界 M の磁界
G1 方向とのなす角 Θ が求められる。このなす角 Θ に基づいて、永久磁石 521の磁
Gl G1
化方向の可能性がある位置検出磁界 M の磁界方向を中心軸線とした円錐面 C1が
G1
求められる。
[0177] 続けて同様に、位置検出磁界 M の磁界方向とは異なる磁化方向を有する位置検
G1
出磁界 M および位置検出磁界 M を永久磁石 521に印加させ、位置検出磁界 M
G2 G3
の磁界方向を中心軸線とした円錐面 C2および位置検出磁界 M の磁界方向を中
G2 G3
心軸線とした円錐面 C3が求められる。
[0178] このようにして求められた円錐面 C1から C3から、これらの共通交線がカプセル医 療装置 503における永久磁石 521の磁化方向として算出される。
さらに、算出された永久磁石 521の磁化方向に対して、カプセル医療装置 503に おける f軸方向が 90° — Θの関係を有することから、カプセル医療装置 503における f軸方向も算出される。
[0179] 上記の構成によれば、力センサ 522R,522Fの検出信号に基づき、方向検出磁界 M , M , M の磁化方向と永久磁石 521の磁化方向とのなす角 Θ , Θ , Θ
Gl G2 G3 Gl G2 G3 をそれぞれ算出することにより、カプセル医療装置 503の f軸方向を算出することがで きる。
[0180] 力センサ 522R,522Fにより、永久磁石 521に発生する回転トルクを直接測定する ため、なす角 θ , θ , Θ を正確に算出することができる。
Gl G2 G3
なす角 θ , θ , Θ を算出するデータ処理が、位置検出計算や画像処理が不
Gl G2 G3
要なため容易となる。したがって、永久磁石 521の磁化方向の算出の応答性がよくな り、磁気勾配の発生方向の制御性や、取得した画像データの回転補正における制御
性が向上する。
[0181] 方向検出磁界 M , M , M の磁界強度を誘導磁界の磁界強度より小さくするこ
Gl G2 G3
とで、カプセル医療装置 503の向きが変化しないので、より正確なカプセル医療装置 503の f軸方向の算出ができる。
[0182] 〔第 4の実施形態〕
次に、本発明の第 4の実施形態について図 44から図 48を参照して説明する。 本実施形態の医療装置誘導システムの基本構成は、第 1の実施形態と同様である 1S 第 1の実施形態とは、カプセル医療装置における f軸方向の検出方法が異なって いる。よって、本実施形態においては、図 44から図 48を用いてカプセル医療装置に おける f軸方向の検出方法のみを説明し、医療装置誘導システムの構成等の説明を 省略する。
図 44は、本実施形態におけるカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成を説明す る縦断面視図である。図 45は、図 44のカプセル医療装置の永久磁石周辺の構成を 説明する正面視図である。
なお、第 1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省 略する。
[0183] 医療装置誘導システム 601のカプセル医療装置(医療装置) 603には、図 44およ び図 45に示すように、磁化方向がカプセル医療装置 603の f軸方向と一致する永久 磁石 (磁界応答部) 621と、永久磁石 621に働く回転トルクを検出する力センサ (磁気 力測定部) 622とが備えられて!/、る。
なお、医療装置誘導システム 601には、位置姿勢検出部 33は設けられていない。
[0184] 永久磁石 621には、カプセル医療装置の f軸に対して略垂直な一対の面が形成さ れている。
f軸に対して略垂直な一対の面には、永久磁石 621に働く r軸および u軸周りの回 転トルクを検出する力センサ 622が少なくとも 8つ配置されている。
[0185] 図 46は、図 44のカプセル医療装置に印加される位置検出磁界について説明する ベクトル図である。
ここで、本変形例の特徴であるカプセル医療装置 603における f軸方向の検出方法
について説明する。
まず、図 46に示されるように、任意の磁界方向を有する位置検出磁界 M カプ
G1 セル医療装置 603の永久磁石 621に印加される。
[0186] 永久磁石 621に位置検出磁界 M が印加されると、永久磁石 621に回転トルクが
G1
働き、力センサ 622を押圧する。押圧力は力センサ 622に検出され、力センサ 622の 検出信号は、画像データに重畳されて外部装置の画像データ受信部 43に送信され 以後、第 3の実施形態と同様に、位置検出磁界 M の磁界方向を中心軸線とした
G1
円錐面 C1と、位置検出磁界 M の磁界方向を中心軸線とした円錐面 C2と、位置検
G2
出磁界 M の磁界方向を中心軸線とした円錐面 C3の共通交線力 カプセル医療装
G3
置 603における f軸方向として算出される。
[0187] 図 47は、図 44のカプセル医療装置に印加される位置検出磁界の別の印加例を説 明するベクトル図である。図 48は、図 47のカプセル医療装置における f軸方向の決 定方法を説明する図である。
なお、上述のように、位置検出磁界 M , M , M を用いてカプセル医療装置 60
Gl G2 G3
3における f軸方向を算出してもよいし、図 47に示すように、位置検出磁界 M , M
Gl G2 のみを用いてカプセル医療装置 603における f軸方向を算出してもよぐ特に限定す るものではない。
このとき、図 48に示すように、カプセル医療装置 603における f軸方向は 2つ求めら れる。そのため、位置検出磁界 M , M に対する永久磁石に働く力の方向と、位置
Gl G2
検出磁界 M , M とカプセル医療装置の f軸方向の位置関係が一致するものを、力
Gl G2
プセル医療装置 603における f軸方向として決定する。
[0188] 図 49は、本実施形態における医療装置誘導システムに適用する医療装置として、 カプセル医療装置の代わりに内視鏡装置を用いた場合を説明する図である。図 50 は、図 49の内視鏡装置の構成を説明する正面視図である。
なお、上述の第 4の実施形態においては、医療装置としてカプセル医療装置を用 いて説明したが、図 49および図 50に示すように、内視鏡装置 703を用いてもよぐ特 に限定するものではない。
[0189] 内視鏡装置(医療装置) 703には、図 49および図 50に示すように、被験者の体腔 内に挿入される内視鏡 705と、内視鏡 705の先端を誘導する永久磁石 (磁界応答部
) 721とが設けられている。
内視鏡 705には、体腔内を撮像するイメージングセンサ 727と、イメージングセンサ
727に体腔内の像を結像させるレンズ群 729と、鉗子を内視鏡 705の先端まで誘導 する鉗子孔 731とが設けられている。
[0190] 永久磁石 721は内部にイメージングセンサ 727やレンズ群 729や鉗子孔 731など が揷通される円筒状に形成され、 f軸方向(図 49において左右方向)に磁化されてい る。永久磁石 721と内視鏡 705との間には、永久磁石 721に働く回転トルクを検出す る力センサ (磁気力測定部) 722が配置されて!/、る。
力センサ 722は、永久磁石 721を r軸や u軸周りに回転させる回転トルクを検出する センサであって、具体的には、永久磁石 721が回転する際に力センサ 722を押圧す る力を検出するものである。
[0191] このような構成を有する内視鏡装置 703の f軸方向の算出方法は、上述の第 4の実 施形態と同様であるので、その説明を省略する。