ベンズアルデヒ ド化合物の製造方法
技術分野
本発明は、 例えば脱離性基 (例えばハロゲン原子など) を有する ベンジル化合物とへキサメチレンテトラミ ンとのソムレー (Somme 1
明
et) 反応によりベンズアルデヒ ド化合物を製造する方法に関するも のである。 更に詳しく述べるなら田ば . 、 本発明は脱離性基を有するベ ンジル化合物と、 へキサメチレンテト書ラミ ンとのソムレー反応によ りべンズアルデヒ ド化合物を製造するに際し、 へキサメチレンテト ラミ ンの使用量を、 少なく して、 目的化合物を工業的に満足できる 収率をもって製造し、 しかも反応廃棄物の生成量を削減することを 可能にする、 工業的に有利な方法に関するものである。
本発明方法により製造されるべンズアルデヒ ド化合物は、 医薬及 び農業薬品の合成中間体及び香料として、 有用な化合物である。
背景技術
本発明方法の背景技術は、 下記文献に記載されている。
【特許文献 1】 特開 2002— 193872号公報
【特許文献 2】 特開昭 54— 135770号公報
【非特許文献 1】 R. C. Larock, Comprehensive Organic Trans f ormat ions. Second edi t ion, ppll98〜 1620 (1999) , lohn Wi 1 ey & Sons, Inc.
【非特許文献 2】 Organic React ions, Chapter4, The Somme 1 e t react ion, ppl97〜217 (1954) John Wiley & Sons, Inc.
【非特許文献 3】 Food and Cosmetics Toxicology, Volume 12
, Issues 7-8, December 1974, pp907〜908
これまで芳香族アルデヒ ドの製造方法としては、 ベンジルアルコ ール誘導体を酸化あるいは脱水素する方法、 ベンゾィルハライ ド誘 導体を還元する方法 (Rosenmund還元) 、 ジハロメチルベンゼン誘 導体を加水分解する方法、 芳香族炭化水素に無水塩化銅 ( I ) 及び 塩化アルミニウムを触媒として塩化水素と一酸化炭素を作用させた 後、 加水分解する方法 (Gattermann— Koch反応) 、 芳香族炭化水素 に塩化アルミニウムを触媒としてシアン化水素と塩化水素を作用さ せた後、 加水分解する方法 (Gattermannのアルデヒ ド合成) 及びべ ンジル化合物を酸化する方法等が知られている。
しかし、 これらの方法では、 非特許文献 1 に記載されているよう に、 その原料であるべンジルアルコール化合物、 ベンゾィルハライ ド化合物又はジハロメチルベンゼン化合物を得るまでの合成が煩雑 な場合があること、 また毒性の高い一酸化炭素やシアン化水素など を使用する芳香族アルデヒ ド合成についても安全性の問題があるこ とから、 工業的な製造方法としては十分とはいえなかった。
一方、 前記以外の方法としては、 例えば特許文献 1及び非特許文 献 2 に記載されているように、 ベンジル化合物とへキサメチレンテ トラミ ンとを酢酸水溶液中にて反応させることにより、 前記べンジ ル化合物に対応するべンズアルデヒ ド化合物を得るソムレー ( Somm elet) 反応が知られている。
従来、 このソムレー反応では、 反応収率を向上させるため、 ベン ジル化合物に対して過剰量のへキサメチレンテ トラミンが使用され ており、 例えば、 非特許文献 2では、 ベンジル化合物のモル量に対 して、 その 2倍以上のモル量のへキサメチレンテ トラミ ンを必要と する旨の記載がある。 しかし、 このようにすると、 反応終了後の処 理工程において、 過剰分のへキサメチレンテ トラミ ンに由来する反
応廃棄物を処理する操作が新たに必要となり、 目的化合物の単離、 精製まで考慮すると、 煩雑で効率性の低いこのような製造方法は、 工業的には改善を要する方法であった。
ベンズアルデヒ ド化合物のうち、 ピぺロナ一ルは、 例えば、 非特 許文献 3 に記載されているように、 ヘリオ トロープ花精油の調合主 剤と して用いられ、 さ らに一般香粧品に広く用いられる香料原料で ある。
ソムレー反応により ピぺロナールを製造する方法として、 例えば 、 特許文献 2 には、 塩化ピぺロニルとへキサメチレンテ トラミンと の塩を用いる方法が、 報告されている。
特許文献 2 に記載されている塩化ピぺロ一ルとへキサメチレンテ 卜ラミ ンとの塩の調製には 、 収率を向上させるために、 塩化ピぺロ 一ルと、 へキサメチレンテ 卜ラミ ンとをク □ Dホルムなどの非プ口 卜 ン性溶媒中で反応させ、 生成した塩を一旦濾過などにより単離し
、 次いで、 この塩をソムレ一反応に供して 、 ベンズアルデヒ ド化合 物を製造している。
しかし、 この方法においても、 生成した を一旦単離、 精製して 用いるため、 その操作は煩雑であり、 また、 それに加え、 ソムレー 反応において、 アンモニアを含む酢酸水溶液又はプロピオン酸水溶 液を溶剤として用い、 このときのアンモニアの使用量が、 塩化ピぺ ロニルとへキサメチレンテトラミ ンとの塩 1 モルに対し、 0. 5〜4 モル、 好ましくは 2〜 3. 5モルという大量であるため、 新たにアン モニァ由来の廃棄物が大量に生成し、 そのために環境的負荷が増大 するという問題を生じ、 このためこの方法は、 工業的に優れた方法 とは言い難かった。
また、 引用文献 2 には、 塩の製造に用いられる塩化ピぺロニルと 、 へキサメチレンテ 卜ラミ ンとの使用量比については全く記載がな
い 発明の開示
ソムレー反応を用いるベンズアルデヒ ド化合物の製造方法におい て、 従来、 出発べンジル化合物に対して、 過剰量のへキサメチレン テ トラミ ンが使用されてきた。 しかし、 本発明の発明者らは、 へキ サメチレンテトラミ ンが 1 分子当り 4個のアミン性窒素原子 (> N - ) を有しているから、 へキサメチレンテ トラミ ン 1分子に対し、 1 〜 4分子のベンジル化合物 (例えばベンジルク口ライ ド化合物) が結合して、 複数種の塩が形成される可能性があることに着目して 、 鋭意研究を続け、 その結果、 本発明を完成した。
本発明は、 脱離性基を有するベンジル化合物とへキサメチレンテ トラミ ンとから、 ベンズアルデヒ ド化合物を製造するに際し、 へキ サメチレンテトラミ ンの使用量を従来方法における使用量よりも大 幅に削減し、 しかも、 工業上十分満足できる収率をもって、 目的べ ンズアルデヒ ド化合物を製造する方法を提供しょう とするものであ る。
本発明のベンズアルデヒ ド化合物の製造方法は、 下記一般式 ( I ) により表される脱離性基含有べンジル化合物 :
〔上記式 ( I ) において、 Lはハロゲン原子、 ヒ ドロキシスルホニ ルォキシ基、 置換基を有している又は有していないアルキルスルホ ニルォキシ基、 及び置換基を有している又は有していないァリール
スルホニルォキシ基から選ばれた脱離性基を表し、 x、 y、 zは、 アルコキシ置換基の数であって、 それぞれ 0または 1の整数を表し 、 かつ、 x + y + zが 1〜 3 となる整数の組み合わせであり、 R1 〜R3は、 それぞれ互に独立して、 水素原子、 或いは置換基を有し ている又は有していない炭化水素基を表し、 若しく は、 x + y +z が整数 2または 3 を表す場合、 アルコキシ置換基 : O R 〇 R2、 O R 3のうち、 任意の 2つが、 互に結合してアルキレンジォキシ基 を形成し、 ベンゼン環上の互に隣り合う位置の 2個の炭素原子とと もに環状構造を形成することが出来る。 〕
と、 へキサメチレンテ卜フミ ンとを 、 溶剤中において反応させて、 生成したベンジル化合物ノへキサメチレンテトラ ン塩と、 溶剤と を含む混合液 ( 1 ) 、 又は前記式 ( I ) の脱離性基含有ベンジル化 合物と、 溶剤と 、 へキサメチレンテ hラミ ンとの混合液 ( 2 ) に、 水と酸とを混合して、 混合反応液を 製し、 この fit,合反応液を、 加 熱 · 還流下において反応に供して、 下 ϋ ^ 7ϋΧ ( Π ) で表されるベ ンズアルデヒ ド化合物 :
〔上記式 ( Π ) 中、 R '〜R3及び x、 y、 z は、 前記定義のとおり である。 〕
を製造するに際し、 前記混合液 ( 1 ) の調製に用いられたへキサメ チレンテトラミ ンのモル量、 又は前記混合液 ( 2 ) 中に含まれるへ キサメチレンテ トラミ ンのモル量の、 式 ( I ) の脱離性基含有ベン ジル化合物のモル量に対するモル比を 0.25以上、 但し 1.00未満に調
整することを特徴とするものである。
本発明方法において 記式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物 が、 下記一般式 (m )
表される 3 , 4 —アルキレンジォキシベン ジル化合物 :
〔上記式 (m ) 中、 L 前記定義のとおりであり、 R 4はアルキ レン基を表す。 〕
であることが好ましい
本発明方法において . 前記式 (Π ) の 3, 4 —アルキレンジォキ シベンジル化合物が、 3, 4 —メチレンジォキシベンジル化合物で あることが好ましい。
本発明方法において、 刖目己式 ( Π の化合物の製造工程における 前記反応混合液の PHが 6以下に調製 れることが好ましい。
本発明方法において、 前記式 ( Π の化合物の製造工程において 、 前記酸が硫酸、 リ ン酸 、 塩酸、 脂肪族カルポン酸、 ト リ フルォロ 酢酸及び、 脂肪族スルホン酸、 芳香族スルホン酸、 及びフルォロ脂 肪族スルホン酸から選ばれた少なく とも 1種を含むことが好ましい 本発明方法において、 前記式 ( I ) の溶剤が、 脂肪族カルボン酸
、 有機スルホン酸、 脂肪族アルコール、 脂肪族炭化水素、 アミ ド化 合物、 尿素化合物、 エーテル化合物、 芳香族炭化水素、 ハロゲン化 芳香族炭化水素化合物、 ニ トロ化芳香族炭化水素化合物、 八ロゲン 化炭化水素化合物、 脂肪族カルボン酸エステル化合物、 二ト リル化 合物、 スルホキシ ド化合物、 及びスルホン酸化合物から選ばれた 1
種以上を含むことが好ましい。
本発明方法において、 一般式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合 物は、 市販品を用いることもできるが、 下記一般式 (IV) により表 されるベンゼン化合物 :
Vゾ
〔上記式 (IV) 中、 R'〜R3及び x、 y、 zは、 前記定義のとおり である〕
を、 ホルムアルデヒ ド又はその多量体、 及び塩化水素による Blanc 一 Quelet反応によってクロロメチル化して得られ、 かつ下記式 (V ) により表されるベンジルクロライ ド化合物 :
〔上記式 (V) 中、 R'〜R3及び x、 y、 zは、 前記定義のとおり である〕
を使用することもできる。
本発明方法により、 脱離性基を有するベンジル化合物とへキサメ チレンテ トラミ ンとから、 ベンズアルデヒ ド化合物を製造するに際 し、 へキサメチレンテ トラミ ンの使用量を少なく し、 また、 それに 伴って、 溶剤、 例えば酢酸の使用量を少なく して、 しかも、 工業的 に満足できる反応効率をもって、 ベンズアルデヒ ド化合物を製造す ることを可能にするものであり、 それによつて、 反応廃棄物の生成
量を著しく減少させ、 反応廃棄物による環境負荷を少なくすること が可能になる。 発明を実施するための最良の形態
本発明に係るベンズアルデヒ ド化合物の製造方法において、 出発 原料として用いられる脱離性基を有するベンジル化合物は、 下記一 般式 ( I ) により表される。
上記式 ( I ) において Lは、 ハロゲン原子、 ヒ ドロキシスルホニル ォキシ基、 置換基を有している又は有していないアルキルスルホ二 ルォキシ基、 及び置換基を有している又は有していないァリールス ルホニルォキシ基から選ばれた脱離性基を表し、
x、 y、 z は、 アルコキシ置換基の数で、 それぞれ 0または 1の整 数を表し、 かつ 、 X + y + z力 1 〜 3 となるような整数の組み合わ せで 、 R i〜 R 3は、 それぞれ互に独立に 、 水素原子 、 或いは置換基 を有している又は有していない炭化水素基を表し、 若しくは、 X + y + zが整数 2または 3を表す場合、 ァルコキシ置換基 : 〇 R 1、
〇 R 2、 〇 R 3のうち 、 任意の 2つが、 互に A
TO αしてアルキレンジォ キシ基を形成し 、 ベンゼン環上の互に隣 Ό α う ίι'ι Μの 2個の炭素原 子とともに環状構造を形成することが出来る。
前記式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物において、 Lにより 表されるハロゲン原子は、 フッ素、 塩素、 臭素又はヨウ素原子であ る。 また、 Lにより表され、 置換基を有していないアルキルスルホ ニルォキシ基としては、 メタンスルホ二ルォキシ基を例示すること
ができ、 置換基を有するアルキルスルホニルォキシ基としては、 ト リ フルォロメ夕ンスルホニルォキシ基などのような八ロアルキルス ルホニルォキシ基を例示することができる。 さらに、 Lにより表さ れ、 置換基を有していないァリールスルホニルォキシ基として、 ベ ンゼンスルホ二ルォキシ基を例示することができ、 置換基を有する ァリールスルホニルォキシ基としては、 トルエンスルホニルォキシ 基をあげることができる。
本発明方法において、 脱離性基 Lは、 ハロゲン原子であることが 好ましく、 塩素原子又は臭素原子であることがより好ましい。
一般式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物において、 R '〜 R 3 により表され、 置換基を有していない炭化水素基と しては、 例えば 、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基、 ペンチル基、 へキ シル基等の炭素数 1〜 9 の直鎖状アルキル基又は炭素数 3〜 12の分 岐鎖状アルキル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロ ヘプチル基等の炭素数 3〜 12の環状アルキル基、 ビニル基、 ァリル 基、 プロぺニル基等の炭素数 2〜 10の直鎖状アルケニル基、 イソプ 口ぺニル基、 イソプレニル基、 ゲラニル基等の炭素数 3〜 12の分岐 鎖状アルケニル基、 シクロプロぺニル基、 シクロブテニル基、 シク 口ペンテニル基等の炭素数 3〜 12の環状アルケニル基、 フエニル基 、 ビフエ二ル基、 ナフチル基等のァリール基、 ェチニル基、 及びブ 口パルギル基等の炭素数 2〜 9のアルキニル基などが挙げられる。 なお、 これらの基は、 それぞれ各種異性体を包含する。
また、 置換基を有する炭化水素基 (R '〜 R 3 ) は、 前記炭化水素 基に置換基が結合したものであって、 このような置換基としては、 酸素原子含有置換基、 窒素原子含有置換基及び硫黄含有置換基など がある。
酸素原子含有置換基には、 酸素原子を介して前記炭化水素基に結
合する置換基、 例えば、 メ トキシ基、 エ トキシ基、 プロポキシ基、 ブトキシ基、 ペンチルォキシ基、 へキシルォキシ基、 へプチルォキ シ基、 ベンジルォキシ基等のアルコキシ基 ; フエノキシ基、 トルイ ルォキシ基、 ナフチルォキシ基等のァリールォキシ基などがあり、 その他にァセチル基、 プロピオニル基、 ァク リ ロイル基、 ビバロイ ル基、 シクロへキシルカルボニル基、 ベンゾィル基、 ナフ トイル基 等のァシル基、 メ トキシカルボニル基、 エトキシカルボニル基等の 炭素数 1 〜 9 のアルコキシカルポニル基、 フエノキシカルボニル基 等のァリールォキシカルポニル基が包含される。 なお、 これらの基 は、 それぞれ各種異性体を含む。
窒素原子含有置換基としては、 シァノ基及びニ トロ基が例示され 、 窒素原子含有置換基により置換された炭化水素基と しては、 例え ば、 シァノメチル基、 ニ トロメチル基等の炭素原子数が 1 から 8の シァノアルキル基又はニ トロアルキル基 ; シァノ フエニル基、 ニ ト 口フエニル基等のシァノアリール基及び二 トロアリール基が挙げら れる。
硫黄原子含有置換基としては、 硫黄原子を介して、 前記炭化水素 基に結合する置換基、 例えば、 メチルチオ基、 ェチルチオ基、 プロ ピルチオ基等の炭素原子数が 1 から 8 のアルキルチオ基、 フエニル チォ基、 トルイルチオ基、 ナフチルチオ基等のァリールチオ基等が 挙げられる。 なお、 これらの基は、 それぞれ各種異性体を含む。
一般式 ( I ) において、 x 、 y 、 z はアルコキシ置換基の数であ つて、 0 または 1 の整数を表し、 かつ、 x + y + zが 1 〜 3 となる 整数の組み合わせである。 一般式 ( I ) の化合物は、 x + y + zが 整数 2 又は 3である場合、 アルコキシ置換基 : O R 〇 R 2、 O R 3は、 ベンゼン核に結合する位置に格別の制限がない態様と、 及び 任意の 2個のアルコキシ置換基が互に結合してアルキレンジォキシ
基を形成し、 ベンゼン核の互に隣接する位置にある 2個の炭素原子 とともに環状構造を形成する態様とを包含する。 2個のアルコキシ 置換基が結合して形成される—〇 _ R4 —〇一基において、 R4は、 アルキレン基、 例えば、 メチレン及びエチレン基を表す。 好ましい 、 一〇— R4 — O—基としてはメチレンジォキシ基 (一〇 _CH2—〇 -) 及びエチレンジォキシ基 (一〇— C2H4 _ 0— ) などがある。 一般式 ( I ) で表わされる脱離性基含有べンジル化合物としては
、 例えば、 ( 1 ) ピぺロニルフ□り Η 、 ピぺロ一ルクロ リ ド、 ピぺ ロニルブロミ ド 、 ピぺロニルョ一ジ Η 、 3 , 4 ェチレンジォキシ
ヽ
ベンジルフロリ ド、 、 3 , 4 ―ェチレノジォキシベヽ
ノジルクロリ ド、
3, 4—ェチレンン才キシベンジルブ □ミ ド、 3 4一エチレンジ ォキシベンジルョージ ド等のアルキレンジォキシベンジル八ライ ド
ヽ
類 ; ( 2 ) 4 -メ トキシべノジルク D り ド、 4 ―メ 卜キシベンジル プロミ ド、 3, 4一ジメ 卜キシベンシルクロリ 、 3 , 4—ジメ 卜 キシベンジルブ口 ミ ド 、 2 , 5 -ジメ 卜キシべンンルクロリ ド、 2
, 5 —ジメ トキシベンジルブ □ミ ド 、 3 , 4 , 5 ― 卜 リメ 卜キシべ ンジルクロリ ド 、 3 , 4 , 5ー 卜 リ メ 卜キシべンシルブロミ ド、 2
ヽ
, 3, 4— 卜 リ メ 卜キシべノジルク □ U ド、、 2 , 3 , 4一 卜 リメ 卜 キシベンジルブ □ミ ド、 2 , 3, 6 ―卜リ メ 卜キシベンジルクロリ
、■*·
ド、 2 , 3, 6 一 卜 り メ 卜キシベンンルブロミ F 、 2 , 4, 6— 卜 リ メ 卜キシベンジルクロリ 、 2 , 4 , 6 — 卜 Uメ 卜キシベンジル ブロミ ド等のァルコキシべンジル八ライ ド類 ; ( 3 ) 4ーヒ ドロキ シベンジルクロ リ ド、 4—ヒ ドロキシベンジルブ Πミ ド、 3 , 4 - ジヒ ドロキシべンジルクロ ド、、 3 4—ジヒ Η □キシベンジルブ
□ S ド、 2, 5 ージヒ ドロキシベンシルクロ リ ド' 、 2 , 5—ジヒ ド ロキシベンジルブロミ ド、 3 , 4 , 5一 卜 U ヒ ド' キシベンジルク 口リ ド、 3, 4 , 5 — 卜 リ ヒ ドロキシベンジルブ □ミ ド、 2 , 3 ,
4 — ト リ ヒ ドロキシベンジルクロリ ド、 2 3 4 一 卜 り ヒ Fロキ シベンジルブ口ミ ド、 2 , 3 , 6 - 卜 U ヒ ド□キシべンジルク □ U ド、 2 , 3 , 6 - 卜 ' J ヒ ドロキシベンジルブ□ ド'、 2 , 4 6 一 ト リ ヒ ドロキシベンジルクロ U ド、、 2 , 4 , 6 卜 U ヒ ド□キシベ ンジルブロミ ド等のヒ ドロキシベンジル八ラィ 類 ; ( 4 ) 3 一メ 卜キシ一 4 ーヒ ドロキシベンジルクロ リ ド、 3 ヒ ドロキシ ― 4 一 メ 卜キシベンジルクロリ ド、 3 一メ トキシー 4 ヒ ドロキシベンン ルプロミ ド、 3 —ヒ ドロキシ一 4 ーメ 卜キシベンジルブ口ミ 、 3 一エトキシ一 4 ーヒ ドロキシベンジルクロリ 3 一ヒ ド□キシ一 4 —エトキシベンジルクロリ ド、 3 -ェ卜キシ 4 一ヒ ド□キシべ ンジルブロミ ド、 3 —ヒ ドロキシ _ 4 一エトキ ベンジルブ π S F 、 2 —メ トキシ一 5 —ヒ ドロキシベンジルク□ ド、 2 —ヒ Fロキ キシリト
シ一 5 —メ トキシベンジルク P U ド、 2 -メ シ一 5 —ヒ Fロキ シベノジルブロミ ド 、 2 ―ヒ ド口キシー 5—メ キシベンジルブ口 ミ ド 、 2 —エトキシ一 5 ―ヒ ド□キシべンジルク □ U ド、、 2 ―ヒ ド
、、、
ロキシ — 5 -ェ卜キシベンンルク□ U ド、 2 -ェ卜キシー 5 ―ヒ ド ロキシベンジルブ口 、 2 ーヒ ドロキシ一 5 一ェ 卜キシべンジル ブ口 ド等のヒ ドロキシ ―メ 卜キシ一ベンジル八ライ ド類 ; ( 5 ) 卜ルェンスルホン酸一 3 4 一メチレンジォ十シベンジルェステル
、 卜ルエンスルホン酸 ― 3 4 一エチレンジォキシべンジルェステ ル、 卜ルエンスルホン酸 ― 4 一メ トキシベンジルエステル、 卜ルェ ンスルホン酸— 3 , 4 —ジメ 卜キシベンジルエステル 、 トルエンス ルホン酸— 2 , 5 —ジメ トキシべンジルエステル 、 ベンゼンスルホ ン酸一 3 , 4—メチレンジォキシベンジルエステル、 ベンゼンスル ホン酸— 3 , 4—エチレンジォキシベンジルエステル、 ベンゼンス ルホン酸一 4 ーメ トキシベンジルェステル、 ベンゼンスルホン酸一 3 , 4 —ジメ トキシベンジルエス ル、 ベンゼンスルホン酸— 2 ,
5ージメ トキシベンジル: tステル等のベンゼンスルホン酸べンジル エステル類 ; ( 6 ) メタンスルホン酸一 3 , 4—メチレンジォキシ ベンジルエステル、 メタンスルホン酸一 3 , 4—エチレンジォキシ ベンジルェズテル、 メタンスルホン酸— 4ーメ トキシベンジルエス テル、 メタンスルホン酸一 3, 4ージメ トキシベンジルエステル、 メタンスルホン酸一 2 , 5—ジメ トキシベンジルエステル等の タ ンスルホン酸べンジルエステル類 ; ( 7 ) ト リ フルォロメ夕ンスル ホン酸一 3, 4ーメチレンジォキシベンジルエステル、 ト リ フルォ ロメ夕ンスルホン酸一 3 , 4—エチレンジォキシベンジルエステル 、 ト リ フルォロメ夕ンスルホン酸— 4—メ トキシベンジルエステル 、 ト リ フルォロメタンスルホン酸— 3 , 4—ジメ トキシベンジルェ ステル、 ト リ フルォロメ夕ンスルホン酸— 2, 5—ジメ トキシベン ジルエステル、 ト リ フルォロメ夕ンスルホン酸一 3 , 4—メチレン ジォキシベンジルエステル等の ト リ フルォロメタンスルホン酸ベン ジルエステル類が挙げられる。
本発明方法に用いられる一般式 ( I ) の脱離性基含有ベンジル化 合物は、 市販品を用いることができる。 これらの化合物のうちベン ジルクロライ ド化合物は、 例えば、
L. F. F ieser and M. Fieser, Advanced Organic Chemistry, p778 (New York, 1961)
に記載の方法に従って、 下記一般式 (IV) により表されるベンゼン 化合物と、 ホルムアルデヒ ド又はその等価体、 例えばパラホルムァ ルデヒ ドと、 塩化水素とを、 Blanc— Quelet反応に供して、 下記反 、式 :
(IV) (V)
〔上記式中の R'〜R3及び x、 y、 zは前記定義されたとおりであ る〕
により式 (IV) のベンゼン化合物をクロロメチル化して上記式 (V
) のべンジルクロライ ド化合物を製造することができる。
上記反応により製造されたべンジルクロライ ド化合物含有反応混 合液を、 そのまま本発明方法に供してもよいし、 ベンジルクロライ ド化合物を精製して本発明方法に供してもよい。
本発明方法に用いられるへキサメチレンテトラミ ンは、 市販のも のを使用することができる。
本発明方法において、 式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物と へキサメチレンテ トラミ ンとを、 溶剤中において塩形成反応させて 得られ、 かつ生成したベンジル化合物 Zへキサメチレンテトラミン 塩と、 前記溶剤とを含む混合液 ( 1 ) 、 又は、 前記式 ( I ) の脱離 性基含有べンジル化合物と、 その溶剤と、 へキサメチレンテ トラミ ンとの混合液 ( 2 ) に、 水と酸とを混合して、 混合反応液を調製し 、 この混合反応液を、 加熱還流下において反応 (ソムレー反応) に 供して、 前記式 ( Π ) のべンズアルデヒ ド化合物を製造する。 本発 明方法においては、 前記混合液 ( 1 ) の調製に用いられたへキサメ チレンテ トラミ ンのモル量、 又は前記混合液 ( 2 ) に含まれるへキ サメチレンテ トラミ ンのモル量の、 式 ( I ) の脱離性基含有べンジ ル化合物のモル量に対するモル比が、 0.25以上、 但し、 1.00未満、 好ましく は 0.30〜0.95、 より好ましく は、 0.35〜0.90に調整される
前記式 ( Π ) のべンズアルデヒ ド化合物生成反応に供される混合 液 ( 1 ) 又は混合液 ( 2 ) は、 いずれも溶剤を含むものであって、 前記べンズアルデヒ ド化合物生成反応 (ソムレー反応) はこの溶剤 の存在下において行われる、 この溶剤は出発原料として用いられる 式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物を溶解する溶剤であり、 か
、 生成する式 ( Π ) のべンズアルデヒ ド化合物に対しても溶剤と して挙動する。 このような本発明方法用溶剤として 、 水 、 蟻酸、 酢 酸 、 プロピオン酸、 ト リ フルォ口酢酸等の脂肪族力ルポン酸類、 メ 夕ンスルホン酸、 トリ フルォロメタンスルホン酸等の有機スルホン 酸類のような有機酸 ; メ夕ノール、 エタノール、 ィソプ Dピルアル コール、 t _ブチルアルコール 、 ェチレングリ コ一ル、 卜 Uェチレ ングリ コール等の脂肪族アルコール類、 n —ペン夕ン、 n ―へキサ ン、 n —ヘプタン、 シクロへキサン等の脂肪族炭化水素類、 N, N ージメチルホルムアミ ド、 N, N —ジメチルァセ トアミ ド、 N —メ チルピロリ ドン等のアミ ド類、 N, N, _ジメチルイ ミダゾリジノ ン等の尿素類、 ジェチルエーテル、 ジイソプロピルエーテル、 テ 卜 ラヒ ドロフラン、 ジォキサン等のエーテル類、 ベンゼン、 トルエン 、 キシレン等の芳香族炭化水素類、 クロ口ベンゼン、 1 , 2 —ジク ロロベンゼン、 1 , 3 —ジクロ口ベンゼン、 1, 4 —ジクロロベン ゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、 ニ トロベンゼン等のニトロ 化芳香族炭化水素類、 塩化メチレン、 クロ口ホルム等のハロゲン化 炭化水素類、 酢酸ェチル、 酢酸プロピル、 酢酸ブチル等のカルボン 酸エステル類、 ァセ 卜二 卜 リル、 プロピオ二 ト リル、 ベンゾニ卜リ ル等の二トリル類、 ジメチルスルホキシ ド等のスルホキシ ド類、 ス ルホラン等のスルホン類のような有機溶媒が挙げられ、 好ましく は
、 芳香族炭化水素類、 アルコール類、 脂肪族カルボン酸類が用いら
れ、 より好ましくは、 トルエン、 メタノール、 エタノール、 蟻酸及 び酢酸 (氷酢酸) が用いられ、 特に好ましくは、 酢酸 (氷酢酸) が 挙げられる。 なお、 これらの溶媒は、 単一種で用いられてもよく 、 又は二種以上を混合して使用してもよい。
尚、 前記溶剤として、 有機酸を用いた場合、 この有機酸は、 式 (
Π ) のべンズアルデヒ ド化合物生成反応 (ソムレー反応) の際に、 酸として挙動することができる。
本発明方法において、 前記溶剤の使用量はその種類、 それを含む 反応液の均一性、 及び撹拌条件などに応じて適宜に設定されるが、 好ましく は、 式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物 1 モルに対し て、 :! 〜 5000m lであり、 より好ましく は、 10〜 1000m lであり、 より 好ましく は、 50〜 500m lである。
混合液 ( 1 ) は、 溶剤の存在において、 式 ( I ) の脱離性基含有 ベンジル化合物と、 へキサメチレンテ トラミンとの反応により、 生 成されたベンジル化合物ノへキサメチレンテトラミ ン塩を含む反応 混合液のままであることが好ましいが、 この反応混合液から、 前記 溶剤に溶解した生成塩の溶液を分離したものであってもよいし、 或 は、 前記反応混合液から、 生成塩を単離し、 これを、 前記溶剤に溶 解した溶液であってもよい。
混合液 ( 1 ) の調製のための、 式 ( I ) の脱離性基含有べンジル 化合物と、 へキサメチレンテ トラミ ンとの溶剤中の塩生成反応は、 好ましくは- 20〜150 、 より好ましく は 0〜 140で、 さ らに好まし く は 10で〜 130でにおいて、 必要により発生する蒸気を冷却液化し て還流しながら行う ことが好ましく、 反応時間は好ましく は 1〜 10 時間であり、 より好ましくは 2〜 5時間である。 反応圧力について は格別の制限はないが常圧下で行う ことが好ましい。 反応雰囲気は 、 空気であってもよく、 或は窒素又はアルゴンなどの不活性ガスを
用いてもよい。
混合液 ( 2 ) は、 式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物と、 そ の溶剤と、 へキサメチレンテトラミ ンを、 任意の順序に、 又は同様 に混合して調製してもよいが、 好ましく は、 式 ( I ) の脱離性基含 有べンジル化合物にその溶剤を混合して、 これを溶解し、 この溶液 にへキサメチレンテ トラミ ンを混合することが好ましい。
本発明方法において、 混合液 ( 1 ) 又は ( 2) と、 水と酸との反 応に使用される酸は、 鉱酸類、 例えば硫酸、 リ ン酸及び塩酸など ; 脂肪族カルボン酸類、 例えば、 蟻酸、 酢酸、 プロピオン酸、 シユウ 酸、 トリ フルォロ酢酸など ; 並びに有機スルホン酸類、 例えば、 メ 夕ンスルホン酸、 ト リ フルォロメタンスルホン酸、 ベンゼンスルホ ン酸、 及びトルエンスルホン酸などであり、 好ましくは、 鉱酸類、 有機スルホン酸類及びト リ フルォロ酢酸が用いられ、 より好ましく は、 硫酸、 リ ン酸、 塩酸が用いられ、 さらに好ましくは、 塩酸水溶 液が用いられる。 上記酸類は単一種で用いられてもよく、 或は 2種 以上の混合物として用いられてもよい。 上記酸と、 水とは、 別々に 混合液 ( 1 ) 又は ( 2) に混合されてもよいし、 予め混合され、 酸 水溶液として、 混合液 ( 1 ) 又は (2 ) に混合されてもよい。 或は 、 酸は予め有機溶剤中に溶解され、 この溶液が、 水とともに、 又は 水とは別に混合液 ( 1 ) 又は ( 2 ) に混合されてもよい。
混合液 ( 1 ) 又は ( 2 ) と、 水及び酸との混合は、 混合液 ( 1 ) 又は ( 2) に、 水及び酸を、 滴下する方法により行われることが好 ましく、 このとき、 混合系を好ましく は 20〜130で、 より好ましく は 40〜120t:に、 さ らに好ましく は 60〜 110でに加熱し、 発生する蒸 気を冷却液化し還流することが好ましい。
上述のようにして調製された混合反応液の ρΗは、 前記酸によって 、 6以下に調整されることが好ましく 、 より好ましい ρΗ値は 0.01〜
6. 0であり、 さ らに好ましく は 0. 05〜3. 0である。
また、 上記混合反応液に含まれる水は、 式 ( I ) の脱離性基含有 ベンジル化合物 1 gに対して、 0. l〜 10m lであることが好ましく、 より好ま しくは 0. 3〜 5 m lであり、 さらに好ましく は 0. 5〜 2 m lであ る。
混合反応液の pH値が、 6より高い場合は、 塩の分解により 目的ァ ルデヒ ド化合物を製造する際、 所望の反応中間体が得られないこと があり、 或は反応中間体から目的アルデヒ ド化合物への変換が十分 に進行しないことがある。 またそれが 0. 01より低い場合は、 好まし くない副反応が発生し、 例えばアルコキシ置換基の開裂などを生ず ることがある。
また、 混合反応液中の水の含有量が式 ( I ) の脱離性基含有ベン ジル化合物 l gに対して、 0. 1ml未満であると、 前述と同様に塩の 分解により 目的アルデヒ ド化合物を製造する際、 所望の反応中間体 が得られないことがあり、 或は、 反応中間体から目的アルデヒ ド化 合物への変更が十分に進行しないことがあり、 またそれが、 l Oia lを 超えると、 反応速度が遅くなり、 例えば、 所望反応時間が著しく長 くなることがある。
このように調製された混合反応液は、 好ましく は 20〜 130^、 よ り好ましくは 40〜 120で、 さ らに好ましく は 60〜 1 10でにて、 好まし く は 1 〜 10時間、 より好ましくは 2〜 5時間、 撹拌及び還流下にお いて加熱され、 それによつて式 ( Π ) のべンズアルデヒ ド化合物生 成反応 (ソムレー反応) が進行する。
上記反応における反応圧力については、 格別の制限はないが、 常 圧下において行う ことが好ましく、 反応雰囲気についても格別の制 限はなく 、 空気中において行われてもよく、 或は、 窒素又はアルゴ ンなどの不活性ガス中において行われてもよい。
本発明方法により生成したベンズアルデヒ ド化合物は、 反応終了 後、 適宜の単離 · 精製方法、 例えば、 抽出、 濾過、 濃縮、 蒸留、 精 留、 再結晶、 晶析、 カラムクロマ トグラフィー及び Z又は高速液体 クロマ トグラフィーにより精製することができる。
本発明方法において、 混合液 ( 1 ) 中に含まれるへキサメチレン テ トラミ ンのモル量、 すなわち、 混合液 ( 1 ) の調製に用いられた へキサメチレンテ トラミンのモル量又は混合液 ( 2 ) 中に含まれる へキサメチレンテ トラミンのモル量の、 前記式 ( I ) の脱離性基含 有べンジル化合物のモル量に対するモル比は、 前述のように、 0.25 以上、 但し、 1.00未満、 好ましく は 0.30〜0.95、 より好ましくは 0. 35〜0.90に調製される。
このように前記モル比を調製することによって、 従来方法にく ら ベて、 格段に少ないへキサメチレンテ トラミ ンの使用量及び、 それ に伴って、 低減された溶剤 (例えば酢酸) の使用量において、 工業 的に満足できる反応効率をもって、 目的べンズアルデヒ ド化合物を 製造することができる。 本発明方法において、 その反応効率を、 下 記のようにして、 測定、 算出される相乗平均反応収率によって表す ことができる。
( 1 ) 目的べンズアルデヒ ド化合物の収量 (モル) と、 出発ベン ジル化合物のモル量とから、 目的化合物のモル収率 (%) を算出す る。 このモル収率 (%) を、 出発べンジル化合物基準の収率 a (% ) と記す。
( 2 ) 目的べンズアルデヒ ド化合物の収量 (モル) と、 使用され たへキサメチレンテトラミ ンのモル量とから、 目的化合物のモル収 率 (%) を算出する。 このモル収率 (%) を、 へキサメチレンテ ト ラミ ン基準の収率 b (%) と記す。
( 3 ) 出発べンジル化合物基準の収率 a %と、 へキサメチレンテ
トラミ ン基準の収率 b %とから、 下記式 ( 1 ) により相乗平均反応 収率 ; C (%) を算出する。
C (%) = ( a X b ) 1 / 2 (%) ( 1 )
上記相乗平均反応収率 C (%) は、 式 ( I ) の出発べンジル化合物 基準のモル収率 a と、 へキサメチレンテ トラミ ン基準のモル収率 b との両方に、 依存する目的化合物の製造収率を示すパラメ一夕一で ある。 本発明方法において、 混合液 ( 1 ) 又は ( 2 ) のへキサ チ レンテトラミ ンモル量の、 式 ( I ) の脱離性基含有べンジル化合物 のモル量に対するモル比を、 0.25以上、 1.00未満に調節することに よって、 前記相乗平均反応収率 ; Cの値を、 従来技術において、 モ ル比を 1.0以上にする場合にく らベて、 明瞭に高めることができる 前記モル比が 0.25未満になると、 目的化合物の収率が、 不十分に なり、 かつ相乗平均反応収率 Cも、 不十分になり、 またそれが 1.0 以上になると、 へキサメチレンテ トラミ ン基準のモル収率が不十分 になり、 相乗平均反応収率 ; Cも不十分になり、 反応排出物の量が 増大し、 環境負荷が大きくなる。 実施例
本発明を下記実施例により、 さ らに説明する。
下記実施例及び比較例における反応生成物のガスク ロマ トグラフ ィ 一又は高速液体ク口マ トグラフィ一による分析条件を下記に示す
( 1 ) ガスクロマ トグラフィー分析条件 :
カラム : TC— WAX 0.53mmX30mm, 膜厚 l. O^ m
(GL Science (株) 社製)
カラム温度 : 80で ( 5分保持) → 230で (10分保持)
昇温速度 : 10で min
INJ温度 : 160で
DET温度 : 200で
電流 : 120mV
He流量 : 6.5〜7. Oml/min
内部標準物質 : ビフエニル
( 2 ) 高速液体クロマ トグラフィー分析条件 :
カラム : 0DS— 80TM 4.6mm X 250mm (東ソ一 (株) 製) 溶離液 : 水 Zァセ トニトリル = 2 Z 1 (容量比)
pH: 2.5 ( トリ フルォロ酢酸にて調整)
流速 : 1. Oml/min
カラムオーブン温度 : 40
検出波長 : 260nm
( 3 ) 相乗平均反応収率の算出方法
( 3 — 1 ) 目的化合物の収量 (モル) と、 出発べンジル化合物の モル量とから目的化合物の収率 (%) を算出する。 この収率を、 出 発べンジル化合物基準の収率 (%) と記す。
( 3 — 2 ) 目的化合物の収量 (モル) と、 使用されたへキサメチ レンテトラミ ンのモル量とから、 目的化合物の収率を算出する。 こ の収率をへキサメチレンテトラミ ン基準の収率 (%) と記す。
( 3 — 3 ) 出発べンジル化合物基準の収率 a %と、 へキサメチレ ンテ トラミ ン基準の収率 b %とから、 下記数式 ( 1 ) により、 相乗 平均反応収率 ; C ( ) を算出する。
C ( ) = ( a X b) 1 / 2 (%) ( 1 )
実施例 1 (ヘリオ ト口ピンの合成 : へキサメチレンテ トラミ ンのベ ンジルク ロライ ド化合物に対するモル比 : 0.25)
200mlの 3 ッロフラスコにピぺロニルクロライ ド 17.06 g ( lOOmmo
1) と、 純度 96%以上の酢酸 8.5mlとを混合し、 これに、 へキサメチ レンテ トラミ ン 3.50g (25mmol) を、 温度 20〜 27でにおいて加え、 115〜 125^の温度において、 還流しながら撹袢して、 反応させて、 ピぺロニルクロライ ド Zへキサメチレンテ トラミ ン塩 ( 1 ) を含む 混合液を調製した。 この混合液 ( 1 ) を 115〜 125での温度で還流し ながら、 これに、 水 8.5mlと、 濃度 35質量%の塩酸水溶液 6.3mlとの 混合液を、 滴下し、 得られた混合反応液 (pH : 0.80) に 90〜100で の温度で、 還流下、 2時間撹拌を施して、 ヘリオ ト口ピンを合成し た。 上記反応の終了後、 得られた反応液を、 室温まで放冷し、 酢酸 ェチル 100mlを用いて、 分液 · 抽出し、 得られた有機層を水洗し、 さ らに飽和重曹水及び飽和食塩水により順次に洗浄した。 上記洗浄 の後、 得られた有機溶液を、 高速液体クロマ トグラフィー (絶対検 量線法) により分析したところ、 ヘリオト口ピンの収量は、 8.66g であった。 ヘリオト口ピンのピぺロニルクロリ ド基準の収率は 58% 、 へキサメチレンテトラミ ン基準の収率は 231%であり、 相乗平均 反応収率は 112 %であった。
引き続き、 前記有機溶液から有機溶剤を留去して、 ヘリオ ト口ピン 8.40 gを取得した。 取得したヘリオ ト口ピンのピぺロニルクロり ド 基準の収率は、 56%であった。
得られたヘリオト口ピンの物性値は下記の通りであった。
'H—NMRスペク トル ( 300MHz, CDC13) δ ppm: 9.81 ( 1 H, s ) , 7.42 ( 1 H , dd, J 1 = 8.0Hz, J 2 = 1.6Hz) , 7.33 ( 1 H, d, J = 1.6Hz) , 6.93 ( 1 H, d , J =8.0Hz) , 6.08 ( 2 H, s ) マススペク トル (CI, m/ z ) : 151 [M + H] +
実施例 2 (ヘリオト口ピンの合成 : へキサメチレンテトラミ ンのベ ンジルクロライ ド化合物に対するモル比 : 0.39)
200mlの 3ッロフラスコに、 濃度 35重量%の塩酸水溶液 114.6g (
1. lOmol) と純度 92重量%のパラホルムアルデヒ ド 9.79g ( 0.300mo 1) とを混合し、 フラスコの内温を 8〜 9でに冷却した。 前記混合 液に 1 , 2—メチレンジォキシベンゼン 12.21 g (0. lOOmol) の 卜 ルェン 20ml中の溶液を緩やかに滴下し、 内温 8〜 9でに維持しなが ら 7時間撹拌し反応させた。 反応終了後、 得られた反応液を分液口 ートに移し、 水層を分離除去した。 得られた有機層を 200mlの 3ッ 口フラスコに移し、 減圧下にて トルエンを留去後、 得られた濃縮物 をガスクロマ トグラフィー (内部標準法) にて定量分析したところ ピぺロニルクロリ ドの反応収率は、 85.0% ( 0.085mol) であった。 次に、 このピぺロニルクロライ ドの トルエン溶液の濃縮物に、 純 度 96%以上の酢酸 5.7mlとぺキサメチレンテ トラミ ン 4.63g (0.033 mol) とを混合し、 115〜 125での温度において還流下、 2時間撹拌 を行って、 ピぺロニルクロライ ド/へキサメチレンテトラミ ン塩を 含む混合液 ( 1 ) を調製した。 次いで混合液 ( 1 ) 中に水 5.7mlと 濃度 35重量%の塩酸水溶液 4.2mlとを 115〜 125での温度において還 流しながら滴下し、 得られた混合反応液の pHが、 pH試験紙により 2 〜 4であることを確認した。 この混合反応液を、 90〜100での温度 において 2時間撹拌して反応させた。 反応終了後、 得られた反応液 を室温まで放冷後、 酢酸ェチル 100mlを用いて分液 , 抽出し、 得ら れた有機層を水、 飽和重曹水、 及び飽和食塩水で順次に洗浄した。 洗浄後、 得られた有機層の溶液を高速液体クロマ トグラフィー (絶 対検量線法) にて定量分析したところ、 ヘリオ ト口ピンの収量は 10 .4gであった。 ピぺロニルク ロリ ド基準の反応収率は 81.5%、 へキ サメチレンテ トラミ ン基準の反応収率は 209%であり、 相乗平均反 応収率は 131 %であった。
実施例 3 (ヘリオト口ピンの合成 : へキサメチレンテ トラミ ンのベ ンジルク 口ライ ド化合物に対するモル比 : 0.62)
6820
200mlの 3 ッロフラスコ中において、 濃度 35重量%の塩酸水溶液 1 14.6g (1. lOmol) と 度 92重量%のパラホルムアルデヒ ド 9.79 g
(0.300mol) とを混合し、 フラスコの内温を 8〜 9 °Cに冷却した。 この混合液に 1 , 2—メチレンジォキシベンゼン 12.21g (0. lOOmo 1) の トルエン 20ml中の溶液を緩やかに滴下し、 内温 8〜 9でに維 持しながら 16時間撹拌した。 反応終了後、 反応液を分液ロー トに移 し、 水層を分離した。 得られた有機層を 200mlの 3 ッロフラスコに 移し、 減圧下にて、 トルエンを留去後、 得られた濃縮物をガスクロ マ トグラフィ一 (内部標準法) にて定量分析したところ、 ピぺロニ ルクロリ ドの収率は、 80.8% (0.081mol) であった。
次に、 この前記ピぺロニルクロライ ドの トルエン溶液の濃縮物に 、 酢酸 (純度 96%以上) 8.7mlと、 へキサメチレンテ トラミ ン 7.01 g (0.050mol) と、 水 8.7mlとを混合し、 90〜 100での温度において 、 還流下、 2時間撹拌を行って、 ピぺロニルクロライ ド Zへキサメ チレンテトラミ ン塩を含む混合液 ( 1 ) を調製した。 この反応混合 液 ( 1 ) に、 90〜 100での温度で還流しながら、 濃度 35重量%の塩 酸水溶液 6.4mlを還流下に滴下した。 得られた混合反応混合液の pH は、 pH試験紙により 2〜 4であることを確認した。 この混合反応液 に、 90〜100での温度において、 還流しながら、 2時間の加熱撹拌 を施して、 ヘリオト口ピンを合成した。 反応終了後、 得られた反応 液を室温まで放冷後に、 酢酸ェチル 100mlで分液 · 抽出を行い、 得 られた有機層を水、 飽和重曹水、 及び飽和食塩水により順次洗浄し た。 洗浄後、 得られた有機層の溶液を高速液体クロマ トグラフィー
(絶対検量線法) にて定量分析したところ、 ヘリオ ト口ピンの収量 は 11.8gであった。 ピぺロニルク πリ ド基準の反応収率は 97.3%、 へキサメチレンテトラミ ン基準の反応収率は 157%であり、 相乗平 均反応収率は 124%であった。
実施例 4 (へリオ卜口ピンの合成 : へキサメチレンテ トラミ ンのベ ンジルクロライ ド化合物 ίこ対するモル比 : 0.50)
200mlの 3ッロフラスコ中において、 ピぺロニルクロ リ ド 17.06 g (lOOmmol) を酢酸 8.5mlに溶解し、 この溶液に、 へキサメチレンテ トラミ ン 7.01g (50mmol) を混合し、 115〜125でにおいて、 還流し ながら、 2時間加熱 · 撹拌を施して、 ピぺロニルクロリ ド Zへキサ メチレンテ トラミ ン塩を含有する混合液 ( 1 ) を調製した。
得られたピぺロニルクロリ ドノへキサメチレンテ トラミ ン塩と、 酢酸とを含有する混合液 ( 1 ) に、 水 8.5mlと、 濃度 35質量%の塩 酸 6.3mlを、 115〜125でにおいて、 還流しながら滴下混合した。 得 られた混合反応液は pH : 2〜4 (pH試験紙) を有していた。 さらに 、 この混合反応液に 90〜 100での温度において 2時間加熱 ' 撹拌を して、 ヘリオト口ピンを製造した。
上記反応の終了後、 得られた反応液を室温まで冷却し、 これに酢 酸ェチル 100mlを混合して、 分液 · 抽出し、 得られた有機層を、 水 、 飽和重曹水、 飽和食塩水で順次洗浄した。 洗浄された有機層中の 溶液を、 高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量線法) に供して定 量分析したところ、 ヘリオ ト口ピンの収量は 12.4gであった。 ピぺ ロニルクロリ ド基準の反応収率は 82.6%、 へキサメチレンテ トラミ ン基準の反応収率は 165%であり、 相乗平均反応収率は 117%であつ た。
実施例 5 (ヘリオト口ピンの合成へキサメチレンテ トラミ ンのベン ジルク口ライ ド化合物に対するモル比 : 0.75)
200mlの 3ッロフラスコ中において、 ピぺロニルクロ り ド 17.06 g ( lOOnimol) を酢酸 8.5mlに溶解し、 この溶液に、 へキサメチレンテ トラミ ン 10.51g (75mmol) を混合し、 115〜125でにおいて、 還流 しながら、 2時間加熱 · 撹拌を施して、 ピぺロニルク ロ リ ドノへキ
サメチレンテ トラミ ン塩を含む混合液 ( 1 ) を調製した。
得られたピぺロニルク bリ ド/へキサメチレンテ トラミ ン塩と酢 酸とを含有する混合液 ( 1 ) に、 水 8.5mlと濃度 35質量%の塩酸 6.3 mlを、 115〜125でにおいて、 還流しながら滴下混合した。 得られた 混合反応液は pH : 2〜4 (pH試験紙) を有していた。 さ らに、 この 混合反応液に 90〜 100 の温度において 2時間の加熱及び撹拌を施 して、 ヘリオ ト口ピンを製造した。
上記反応の終了後、 得られた反応液を室温まで冷却し、 これに酢 酸ェチル 100mlを混合して、 分液 · 抽出し、 得られた有機層を、 水 、 飽和重曹水、 飽和食塩水で順次洗浄した。 洗浄された有機層中の 溶液を、 高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量線法) に供して定 量分析したところ、 ヘリオト口ピンの収量は、 11.59 であった。 ピぺロニルクロ リ ド基準の反応収率は 77.2%、 へキサメチレンテト ラミ ン基準の反応収率は 103%であり、 相乗平均反応収率は 89%で あった。
実施例 6 (へリオ卜口ピンの合成 : へキサメチレンテ トラミンのベ ンジルクロライ ド化合物に対するモル比 : 0.85)
200mlの 3ッ ロフラスコ中において、 ピぺロニルクロ リ ド 17· 06 g ( lOOmmol) を酢酸 8.5mlに溶解し、 この溶液に、 へキサメチレンテ トラミ ン 11.92g (85mmol) を混合し、 115〜 125でにおいて、 還流 しながら、 2時間加熱 · 撹拌を施して、 ピぺロニルクロリ ド/ /へキ サメチレンテ トラミ ン塩を含む混合液 ( 1 ) を調製した。
得られたピぺロニルクロリ ド へキサメチレンテトラミ ン塩と酢 酸とを含有する混合液 ( 1 ) に、 水 8.5mlと濃度 35質量%の塩酸 6.3 mlを、 115〜125でにおいて、 還流しながら滴下混合した。 得られた 混合反応液は pH : 2〜4 (pH試験紙) を有していた。 さ らに、 この 混合反応液に、 90〜100 の温度において 2時間の加熱 · 撹拌を施
して、 ヘリオ ト口ピンを製造した。
上記反応の終了後、 得られた反応液を室温まで冷却し、 これに酢 酸ェチル 100mlを混合して、 分液 ' 抽出し、 得られた有機層を、 水 、 飽和重曹水、 飽和食塩水で順次洗浄した。 洗浄された有機層中の 溶液を、 高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量線法) に供して定 量分析したところ、 ヘリオ ト口ピンの収量は、 12.98 であった。 ピぺロニルク ロ リ ド基準の反応収率は 86.4%、 へキサメチレンテ 卜 ラミ ン基準の反応収率は 101.7%、 相乗平均反応収率は 94%であつ た。
実施例 7 (ヘリオト口ピンの合成 : へキサメチレンテ トラミ ンのベ ンジルクロライ ド化合物に対するモル比 : 0.95)
200mlの 3 ッ ロフラスコ中において、 ピぺロニルクロ リ ド 17.06 g ( lOOmmol) と純度 96 %以上の酢酸 8.5mlとを混合し、 これに、 へキ サメチレンテ トラミ ン 13.32 g (95mmol) を加え、 115〜125での温 度において、 還流下、 2時間撹拌を行って、 ピぺロニルクロライ ド へキサメチレンテトラミ ン塩 ( 1 ) を含む混合液 ( 1 ) を調製し た。 次に、 この混合反応液 (pH : 2〜 4 ; pH試験紙) に、 水 8.5ml と濃度 35重量%の塩酸水溶液 6.3mlとを、 115〜 125での温度におい て、 還流下にて滴下後、 さ らに 90〜100での温度において、 2時間 撹拌を行ってヘリオト口ピンを合成した。 反応終了後、 得られた反 応液を室温まで放冷後、 酢酸ェチル 100mlを用いて分液 · 抽出し、 得られた有機層を水、 飽和重曹水、 飽和食塩水で順次洗浄した。 洗 浄後、 得られた有機層の溶液を高速液体クロマ トグラフィー (絶対 検量線法) にて定量分析したところへリオトロピンの収量は、 11.6 lgであった。 ピぺロニルクロリ ド基準の反応収率は 77.3%、 へキ サメチレンテ トラミ ン基準の反応収率は 81.3%であり、 相乗平均反 応収率は 79%であった。
実施例 8 (ヘリオト口ピンの合成 : へキサメチレンテトラミ ンのベ ンジルク ロライ ド化合物に対するモル比 : 0.50)
200mlの 3ッ ロフラスコ中において、 ピぺロニルクロ リ ド 17.06 g ( lOOmmol) 、 へキサメチレンテ トラミ ン 7.01 g (50mmol) 、 純度 9 6%以上の酢酸 8.5mlからなる混合液 ( 2 ) に、 水 8.5ml及び濃度 35 質量%の塩酸水溶液 6.3mlを加え、 得られた混合反応液 (pH : 2〜 4 ; pH試験紙) を 92〜95 の温度において、 4時間還流を行って、 ヘリオ ト口ピンを合成した。 反応終了後、 得られた反応液を室温ま で放冷後、 酢酸ェチル 100mlを用いて分液 ' 抽出し、 得られた有機 層を水、 飽和重曹水、 飽和食塩水で順次洗浄した。 洗浄後、 得られ た有機層の溶液を高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量線法) に て定量分析したところへリオトロピンの収量は 9.5gであった。 ピ ぺロニルクロリ ド基準の反応収率は 63.3%、 へキサメチレンテトラ ミン基準の反応収率は 127%であり、 相乗平均反応収率は 89%であ つた。
実施例 9 (4—メ トキシベンズアルデヒ ドの合成 : へキサメチレン テトラミ ンのベンジルクロライ ド化合物に対するモル比 : 0.33)
50mlの 2ッロフラスコに 4—メ トキシベンジルクロ リ ド 7.99 g ( 50mmol) 、 へキサメチレンテトラミ ン 2.31 g (16.5mniol) 、 純度 96 %以上の酢酸 2.9mlとを混合し、 115〜125での温度において、 還流 下、 3時間撹袢を行って、 4—メ トキシベンジルクロライ ド Zへキ サメチレンテ トラミン塩を含む反応液 ( 1 ) を調製した。 次に、 こ の反応液 ( 1 ) に、 水 2.9mlと濃度 35質量%の塩酸水溶液 2. lmlとを 、 115〜 125での温度において、 還流下にて滴下し、 得られた混合反 応液 (pH : 2〜4 ; pH試験紙) に、 90〜 100 の温度において、 3 時間撹袢を施して、 4—メ トキシベンズアルデヒ ドを合成した。 反 応終了後、 得られた反応液を室温まで放冷後、 酢酸ェチル 100mlを
用いて分液 , 抽出し、 得られた有機層を水洗し、 さ らに飽和重曹水 、 及び飽和食塩水で順次洗浄した。 洗浄後、 得られた有機層の溶液 を高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量線法) にて分析したとこ ろ 4 —メ トキシベンズアルデヒ ドの収量は 6. 1 gであった。 4 —メ トキシベンジルクロリ ド基準の反応収率は 89.6%、 へキサメチレン テ トラミ ン基準の反応収率は 271%であり、 相乗平均反応収率は 156 %であった。
比較例 1 (ヘリオ ト口ピンの合成、 へキサメチレンテ トラミ ンのベ ンジルクロライ ド化合物に対するモル比 : 2.0)
200mlの 3 ッ ロフラスコにピぺロニルク ロリ ド 17.06 g ( lOOmniol ) 、 へキサメチレンテトラミン 28.04 g ( 200mmol) 、 酢酸 34ml、 水 34ml、 及び濃度 35重量%の塩酸水溶液 25mlとを記載の順に混合し、 実施例 1 と同様の温度に加熱し、 90〜 100でにおいて、 4時間撹拌 を行って、 ヘリオ ト口ピンを含む反応液を調製した。 この反応液を 室温まで放冷後、 酢酸ェチル 100mlを用いて分液 · 抽出し、 得られ た有機層を水、 飽和重曹水、 飽和食塩水で順次に洗浄した。 洗浄後 、 得られた有機層の溶液を高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量 線法) にて定量分析したところ、 ヘリオ ト口ピンの収量は 12.2gで あった。 ピぺロニルクロリ ド基準の反応収率は 81.4%であったが、 へキサメチレンテ トラミ ン基準の反応収率は 40.6%という低い値で あって、 多量のへキサメチレンテ トラミ ンが消費排出された。 この ため、 相乗平均反応収率は 57%であった。
比較例 2 (ヘリオ ト口ピンの合成、 ベンジルクロライ ドに対するへ キサメチレンテ トラミ ンのモル比 : 0. 1)
200mlの 3 ッ ロフラスコ中においてピぺロニルク ロリ ド 17.06 g ( lOOmmol) と酢酸 8.5mlとを混合し、 さ らに、 へキサメチレンテトラ ミ ン 1.40g (lOmmol) を混合し、 実施例 1 と同様にして、 2時間還
流しながら撹拌して、 ピぺロニルクロライ ド/へキサメチレンテ ト ラミ ン塩含有反応液を調製した。
前記反応液を実施例 1 と同様にして、 還流しながら、 水 8.5ml及 び濃度 35重量%の塩酸水溶液 6.3mlを滴下し、 得られた混合反応液 (pH: 2〜 4 ; pH試験紙) を、 さ らに 2時間撹拌を施して、 へリオ トロピンを合成した。 得られた反応液を、 室温まで放冷後、 これに 酢酸ェチル 100mlを混合して分液 · 抽出し、 得られた有機層を、 水 、 飽和重曹水、 及び飽和食塩水で順次に洗浄した。 洗浄された有機 層中の溶液を、 高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量線法) にて 定量分析したところへリオトロピンの収量は、 1.7gであった。 ピ ぺロニルクロリ ド基準の反応収率は 11.3%、 へキサメチレンテトラ ミ ン基準の反応収率は 113%であり、 相乗平均反応収率は 36%であ つた。
比較例 3 (へリオ卜口ピンの合成、 ベンジルクロライ ド化合物に対 するへキサメチレンテ トラミ ンのモル比 : 0· 15)
200mlの 3'ッロフラスコにピぺロニルクロリ ド 17.06 g ( lOOmmol ) と酢酸 8.5mlとを混合し、 次いで、 へキサメチレンテ トラミ ン 2. 1 0g (15mmol) を加え、 実施例 1 と同様に加熱し、 還流下、 2時間 撹袢を行って、 ピぺロニルクロライ ドノへキサメチレンテトラミ ン 塩を含む反応液を調製した。
上記反応液を、 実施例 1 と同様にして、 還流しながら、 この反応 液に水 8.5mlと濃度 35重量%の塩酸水溶液 6.3mlとを滴下し、 得られ た混合反応液 (pH: 2〜 4 ; pH試験紙) を実施例 1 と同様の温度に おいて、 さ らに 2時間撹拌を行って、 ヘリオト口ピンを合成した。 得られた反応液を室温まで放冷後、 これに酢酸ェチル lOOiiilを混合 して分液 · 抽出し、 得られた有機層を水、 飽和重曹水、 飽和食塩水 で順次洗浄した。
洗浄後、 得られた有機層の溶液を高速液体クロマ トグラフィー ( 絶対検量線法) にて定量分析したところへリオ トロピンの収量は、
3.06gであった。 すなわち、 ピぺロニルクロリ ド基準の反応収率は 20.3% , へキサメチレンテ トラミ ン基準の反応収率は 136%であり 、 相乗平均反応収率は 53%であった。
比較例 4 (ヘリオ ト口ピンの合成、 ベンジルクロライ ドに対するへ キサメチレンテトラミ ンのモル比 : 1.05)
200mlの 3 ッロフラスコ中においてピぺロニルク ロリ ド 17.06 g ( lOOmmol) と酢酸 8.5mlとを混合し、 これにへキサメチレンテ トラミ ン 14.72g (105mmol) を加え、 実施例 1 と同様に加熱し還流下に、 2時間の撹拌を施して、 ピぺロニルクロライ ド Zへキサメチレンテ トラミ ン塩を含む反応液を調製した。 この反応液に、 実施例 1 と同 様にして、 加熱し、 これを還流しながら、 水 8.5mlと濃度 35重量% の塩酸水溶液 6.3mlとを滴下し、 得られた混合反応液 (pH : 2〜 4 ; pH試験紙) に、 実施例 1 と同様に、 2時間の撹拌を施した。 得ら れた反応液を室温まで放冷後、 酢酸ェチル 100mlを混合して分液 · 抽出し、 得られた有機層を、 水、 飽和重曹水、 及び飽和食塩水で順 次に洗浄した。 洗浄後、 得られた有機層の溶液を高速液体クロマ ト グラフィー (絶対検量線法) にて定量分析したところへリオ トロピ ンの収量は、 10.46gであった。 ピぺロニルクロリ ド基準の反応収 率は 69.7%、 へキサメチレンテ トラミ ン基準の反応収率は 64.7%で あり、 相乗平均反応収率は 68%であった。
比較例 5 ( 4 —メ トキシベンズアルデヒ ドの合成、 へキサメチレン テ トラミ ンのベンジルクロライ ド化合物に対するモル比 : 2.0)
100mlの 2 ッロフラスコ中において 4 —メ トキシベンジルクロリ ド 7.99g (50mmol) へキサメチレンテ トラミ ン 14.02 g (100腿 ol) 及び酢酸 17mlを混合し、 この混合液を、 実施例 1 と同様に、 加熱し
ながら還流下、 3時間撹拌を行って、 4 ーメ トキシベンジルクロラ イ ド Zへキサメチレンテ トラミ ン塩を含む混合液を調製した。 この 混合液に、 水 17mlと濃度 35質量%の塩酸水溶液 13mlとを混合し、 得 られた混合反応液 (PH : 2〜 4 ; pH試験紙) を実施例 1 と同様に、 加熱しながら還流下にて、 4 ーメ トキシべンズアルデヒ ドを合成し た。 反応終了後、 得られた反応液を室温まで放冷し、 これに酢酸ェ チル 150mlを添加して分液 · 抽出し、 得られた有機層を水、 飽和重 曹水、 及び飽和食塩水により順次洗浄した。 洗浄後、 得られた有機 層の溶液を高速液体クロマ トグラフィー (絶対検量線法) にて定量 分析したところ 4 ーメ トキシベンズアルデヒ ドの収量は 2.5gであ つた。 4 ーメ トキシベンジルクロリ ド基準の反応収率は 36.7%、 へ キサメチレンテ トラミン基準の反応収率は 18.3%であり、 相乗平均 反応収率は 26%であった。
本発明方法による実施例 1〜 8 において、 その溶剤としての酢酸 の使用量は、 従来技術による比較例 1 の酢酸使用量に対して、 1 Z 4の量であり、 また、 実施例 9 においても比較例 5の酢酸使用量に 対して、 1 5以下の量であった。 すなわち本発明方法において、 溶剤として使用された酢酸の使用量を大幅に削減することが可能に なった。
本発明方法による実施例 1〜 9 において、 目的化合物の相乗平均 反応収率 ; Cは 79〜 156%であった。 これに対して、 モル比が、 0.2 5未満の場合 (比較例 2, 3 ) 、 相乗平均反応収率 ; Cは、 36~53 %であり、 モル比 1.0以上の場合 (比較例 1 , 4 , 5 ) の Cは、 26 〜68%であって、 いずれも、 本発明方法には及ばないことが確認さ れた。 発明の産業上の利用可能性
本発明方法は、 へキサメチレンテトラミンの使用量を少なく し、 しかも工業的反応効率を満足できる水準に保持し、 その上、 反応廃 棄物の発生量を少なく し、 反応廃棄物の処理コス トを低下させるこ とに成功したものであって、 実用上高い効果を有するものである。