明 細 書
光ファイバ補強処理装置及び補強処理方法
技術分野
[0001] 本発明は、光ファイバを融着接続装置で融着接続した後、融着接続部を補強スリ ーブで補強する光ファイバ補強処理装置及び補強処理方法に関する。
背景技術
[0002] 光ファイバの融着接続は、光ファイバの接続端部分のファイバ被覆を除去して、融 着接続装置により露出されたガラスの裸ファイバの端部を突き合わせ、この突き合わ せ端部を加熱溶融して融着することにより行なわれる。そして、融着接続された裸ファ ィバ部分は、ファイバ被覆が除去された状態で機械的な強度が弱 、ため補強部材に より保護される。この補強部材は、通常、径方向に収縮する熱収縮性チューブ内に 抗張力体 (補強棒とも 、う)と熱溶融性の接着榭脂材を収納した補強スリーブが用い られ、この補強スリーブを加熱収縮させて光ファイバの融着部分を保護している。
[0003] 一般的な光ファイバ融着部の補強処理は、加熱ヒータを備えた補強処理装置によ り行われるが、光ファイバの融着作業に要する時間が 10〜20秒であるのに対し、補 強のための加熱処理作業に要する時間は 30〜135秒である。このため、融着作業 が迅速に行われたとしても、次の加熱処理作業で多くの時間を要するため、融着接 続処理トータルとしての作業効率を向上させにくかった。
[0004] これに対して、例えば、特許文献 1では、加熱ヒータの発熱量を普通より高くし、ヒー タの下部に配した送風機で温度上昇を抑制することで加熱時間を短縮し、また前記 の送風機で強制冷却することで冷却時間を短縮し、全体の作業時間を短縮すること が開示されている。
また、特許文献 2には、外気温が低い場合は所定の処理温度までに昇温するのに 時間が長くなることから、ヒータ温度と外気温度を検出して、外気温が低い場合はヒ ータの加熱量を高めることが開示されている。
さらに、特許文献 3には、補強スリーブを補強処理装置で加熱する際に、スリーブの 中央部分から両端部分に向かって加熱し、内部に空隙が残らないようにするとともに
、加熱開始時の加熱をヒータの中央部分に集中して昇温することにより、加熱時間を 短縮することが開示されて ヽる。
特許文献 1:実開平 4 24705号公報
特許文献 2:実開平 2— 73602号公報
特許文献 3:特許第 3293594号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 特許文献 2においては、外気温に応じてヒータの加熱量を変えている力 例えば、 外気温が 10°Cと言うような低 、温度環境では、初期温度が低 、ため加熱ヒータの 加熱量を大きくしたとしても所定の処理温度に昇温するまでには時間がかかる。また 、連続して多数の光ファイバの補強処理を行う場合は、補強処理装置の初期温度が 環境、使用状況で変化して、外気温との差も変動する。このため、ヒータの加熱温度 を常時モニタして、加熱ヒータの加熱量を頻繁に変えたり、加熱時間を変える必要が ある。
[0006] また、特許文献 1に開示のように、送風機により昇温、冷却に要する時間を短縮した り、特許文献 3に開示のように、中央部分の加熱温度を両端部分の加熱温度より高 目に設定することで内部に空隙を残さないようにしている。この場合も、ヒータの中央 部及び両側部の温度をモニタして、所定の加熱制御が行われて 、る。
[0007] 従来の光ファイバ補強処理では、その加熱制御にサーミスタを用いて温度測定を 行っている力 サーミスタは接着等により所定の部位に取り付けられ、外気温などの 外部環境により影響を受けやすぐ取り付け状態や劣化状態等によって検出温度が 変動することがある。このため、加熱制御の精度が低下し補強装置の品質にバラツキ が生じ、検出温度の校正作業に労力を費やしていた。また、ヒータとサーミスタとの間 で熱伝導の時間差が生じ、応答性と言う点で優れな力つた。このことは加熱のオーバ シュートを生じさせ、結果余剰な電力を消費していた。
[0008] 本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、サーミスタ等の温度検出素子を 取り付ける必要がなぐし力も、検出温度が変動せず低消費電力で精度のよい加熱 制御が可能な光ファイバ補強処理装置と補強処理方法の提供を目的とする。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明による光ファイバ補強処理装置及び補強処理方法は、光ファイバの融着接 続部に熱収縮性の補強スリーブを被せて補強する光ファイバ補強処理装置及び補 強処理方法で、補強スリーブを加熱するヒータを加熱制御する加熱制御手段と、前 記ヒータの加熱温度をヒータの抵抗値の変化に基づいて検出する温度検出手段を 備えている。そして、補強スリーブを加熱するヒータの温度を、抵抗値の変化に基づ いて検出する温度検出手段によりモニタして、補強スリーブを熱収縮する温度でカロ 熱する。
加熱制御及び温度検出は、ヒータへの給電をオン、オフする時間を制御して行う。 また、温度検出は、第 1の固定抵抗とヒータ抵抗の直列回路と第 2の固定抵抗と第 3 の固定抵抗の直列回路を並列接続したブリッジ回路の中間点の電圧変化を検出し て行う。
なお、ヒータは、両端部分の加熱温度より中央部分の加熱温度が高くなるようにし、 また、補強スリーブを熱収縮する温度で加熱する前に、ヒータの温度をモニタして所 定の温度に予加熱しておくことが望ましい。
発明の効果
[0010] 本発明によれば、補強スリーブを加熱するヒータ自体を温度検出素子として 、るた め、サーミスタ等の温度検出素子を必要とせず、構成部品数を減らすことができる。 また、ヒータ自体が温度検出素子であるため、その取り付け状態や劣化状態による検 出温度の変動が少なく精度の高い加熱制御を行うことが可能であり、検出温度の校 正を容易にすることができる。さらには、温度制御の応答性の改善により無駄な電力 消費の発生を抑えることができる。
また、変動の少ない温度検出で精度の高い加熱制御で、補強スリーブを中央部分 力も両端部分に向けて加熱する処理を安定して行うことができ、さらに予加熱による 加熱処理で、本加熱での加熱時間を効果的に短縮することができる。
図面の簡単な説明
[0011] [図 1]本発明による補強処理装置の加熱制御の概略を説明する回路図である。
[図 2]本発明におけるヒータへの給電状態を説明する図である。
[図 3]本発明における加熱時間と加熱温度の状態を説明する図である。
[図 4]本発明における補強スリーブの熱収縮状態を説明する図である。
[図 5]本発明で用いるヒータの構成例を説明する図である。
符号の説明
[0012] 1 光ファイバ
2 ガラスの裸ファイバ
3 融着部
4 補強スリーブ
5 接着榭脂材
6 補強棒
7 熱収縮性チューブ
10a, 10b, 10c ヒータ
11 ヒータ基板
12, 12a, 12b, 12c カロ熱導体
Rx ヒータ抵抗
R1 第 1の固定抵抗
R2 第 2の固定抵抗
R3 第 3の固定抵抗
SW1 第 1のスイッチング手段
SW2 第 2のスイッチング手段
D 電圧比較器
発明を実施するための最良の形態
[0013] 図により本発明の実施の形態を説明する。図 1は本発明による補強処理装置の加 熱制御の概略を説明する回路図、図 2は本発明におけるヒータのへの給電状態を説 明する図である。
本発明による補強処理装置の加熱体であるヒータの抵抗 Rxは、第 1の固定抵抗 R 1と直列接続され、第 2の固定抵抗 R2と第 3の固定抵抗 R3の直列回路と並列接続し たブリッジ回路の 1つの抵抗素子として組込まれる。全体の制御回路としては、制御
部からの制御信号により第 1の電源 ェのオン'オフを制御する第 1のスイッチング手 段 SW1と、第 2の電源 Vのオン'オフを制御する第 2のスイッチング手段 SW2を有し
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ている。
[0014] 第 1のスイッチング手段 SW1は、温度検出手段としてヒータ抵抗 Rxの変化を検出し てヒータ温度を計測するためのものであり、第 2のスイッチング手段 SW2は、加熱制 御手段としてヒータ抵抗 Rxに電力を供給して発熱量を制御するためのものである。こ れら第 1のスイッチング手段 SW1及び第 2のスイッチング手段 SW2によるオン'オフ 制御は、ハードウェアで実施してもよぐソフトウェアで実施するようにしてもよい。
[0015] また、第 1の電源 Vは、第 2の電源 Vより低い電圧で、例えば、第 2の電源 Vを DC
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12V程度とすると、第 1の電源 Vは DC3.3V程度とされる。第 1の電源 Vが印加され る負荷回路は、第 1の固定抵抗 R1とヒータ抵抗 Rxの直列回路と、第 2の固定抵抗 R 2と第 3の固定抵抗 R3の直列回路を並列接続したブリッジ回路で形成され、温度検 出手段としてブリッジ回路の中間点の電圧 Eoを検出する構成として 、る。
[0016] ブリッジ回路の中間点の電圧 Eoは、ブリッジ回路を構成する各抵抗の抵抗値力 ¾1 •R3=Rx'R2の平衡状態にあればゼロを示す。ヒータ抵抗 Rxが給電により温度上 昇し、その抵抗値が変化することにより電圧 Eoが発生する。本発明においては、この ブリッジ回路の電圧 Eoを検出することにより、ヒータ抵抗 Rxの加熱温度を計測するよ うにしている。ヒータの加熱温度は、サーミスタ等の感温素子を用いても検出すること ができる力 ヒータ抵抗 Rxの変化を簡単なブリッジ回路で検出することにより、サーミ スタ等の温度検出素子を用いることなぐまた、外気温に影響されず、その取り付け 状態や劣化状態による変動のない、正確で確実なヒータ温度を検出することが可能 となる。
[0017] 図 2は、ヒータ抵抗 Rxへの給電をオン'オフ制御し、ヒータの加熱温度の測定とヒー タの発熱量を調整する一例を示す図である。
第 1のスイッチング手段 SW1による第 1の電源 Vからの給電では、ヒータ抵抗 Rxに 固定抵抗 R1で分圧された電圧 Eが印加される。第 1のスイッチング手段 SW1による オン'オフ動作は、例えば、 100ms単位で、 10msをオン、 90msをオフするような設 定がされる。ヒータ抵抗 Rxが加熱により上述の平衡状態力 変化していれば、この給
電によりブリッジ回路の中間点に、ヒータ抵抗 Rxの抵抗値変化に応じた電圧 Eoが発 生し、ヒータ温度が計測される。なお、電圧 Eoの変化は、電圧比較器 Dにより制御部 にフィードバックされる。
[0018] この第 1のスイッチング手段 SW1によるヒータ温度の計測は、補強処理をしていな V、非動作中、及び第 2のスイッチング SW2による加熱処理中にぉ 、ても実施すること ができ、常時又は任意の時点でヒータ温度を計測することが可能である。また、ヒータ 温度の計測は、 100ms単位で、パルス状の 10msの短時間で行われるので、温度測 定に要する消費電力は極めて少ない。
[0019] 第 2のスイッチング手段 SW2による加熱制御は、第 2の電源 V力もヒータ抵抗 Rxに
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給電される時の電圧 Eのオン'オフを制御する。第 2のスイッチング手段 SW2では、
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第 1のスイッチング SW1によるオン'オフ動作の単位を 100msとする場合は、これと 一致する 100ms単位で設定することが望ましい。例えば、 1単位時間でのオン時間 を 90ms、オフ時間を 10msとし、さらに、これらが所定の単位時間毎にオン'オフ動 作させるというような制御を行うことができる。なお、単位時間毎のオン'オフ動作に代 えて、 1単位時間内でのオン時間の 90msを短くし、オフ時間の 10msを長くするなど 1単位時間内でのオン'オフの比率を変えるようにしてもよい。
[0020] なお、第 2のスイッチング手段 SW2による加熱制御で、補強スリーブを熱収縮する 温度で本加熱する前に、ヒータ温度を所定の温度に予加熱しておくことができる。こ の予加熱の温度も、本加熱と同様に、第 1の電源 V力ゝらの給電を所定の単位時間毎 にオン'オフ動作させるというような制御を行うことで実現することができる。予加熱に よる加熱温度は、上述した第 1のスイッチング手段 SW1によるオン'オフ動作で計測 され、補強スリーブが熱収縮する温度以下で、人が手に触れても焼けどをしない程度 の温度とするのが望ましい。補強スリーブ内の接着榭脂材の溶融温度力 例えば、 8 0°C〜90°Cのものを用いるとすれば、その加熱温度が 60°C〜80°Cになるように加熱 する。
[0021] 第 1のスイッチング手段 SW1による給電電圧 Eと、第 2のスイッチング手段 SW2に よる給電電圧 Eは、ヒータ抵抗 Rxには同時に印加されないように制御する。図 2に示
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すように、例えば、 100ms単位の時間内で、 90msを第 2のスイッチング手段 SW2で
電圧 Eを印加し、 10msを第 1のスイッチング手段 SW1で電圧 Eを印加することによ
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り、重なりが生じないように印加する。これにより、電源電圧の安定ィ匕を図ることができ 、安定した電力供給ができる。なお、制御する単位時間を 100msで例示したが、補 強スリーブの大きさ等により、より長い単位時間に設定してもよぐ反対に短い単位時 間でより細か 、制御を行うようにしてもょ 、。
[0022] 図 3は、上述した加熱制御による加熱時間と加熱温度の状態を説明する図で、図 3
(A)は予加熱を行わない加熱制御による場合を示し、図 3 (B)は予加熱を行う加熱 制御による場合を示している。図 3 (A)に示すように、補強スリーブの加熱処理に要 する時間は、 a点を開始点として c点まで昇温のための加熱を行い、次いで、 c点から d点までは一定の加熱温度に維持し、 d点から f点までは冷却される。
[0023] 一方、図 3 (B)の予加熱する場合は、図 3 (A)の a点力 c点に至る昇温の途中の b 点まで予加熱しておく。したがって、補強スリーブの加熱処理に要する時間は、 b点 が開始点となり c点まで昇温のための加熱を行 、、次 、で、 c点から d点までは一定の 加熱温度に維持する。そして、冷却する場合は、図 3 (A)の d点から f点までの途中の e点まで冷却する力 この e点までの冷却で終了とし、以後の冷却は行わずに予加熱 維持状態とし、次の補強処理に備える。この結果、予加熱する加熱制御では、予カロ 熱しな 、a点から f点までの加熱時間に対して、 b点力も e点までの短縮された加熱時 間で効率よく補強処理することができる。
[0024] 図 4〜図 5は、本発明で実施される補強スリーブの加熱形態の一例を説明する図で 、図 4は補強スリーブの熱収縮状態を説明する図、図 5はヒータの構成例を説明する 図である。図中、 1は光ファイバ、 2はガラスの裸ファイノく、 3は融着部、 4は補強スリー ブ、 5は接着榭脂材、 6は補強棒、 7は熱収縮性チューブ、 10a, 10b, 10cはヒータ、 11はヒータ基板、 12, 12a, 12b, 12cは加熱導体を示す。
[0025] 図 4 (A)に示すように、補強スリーブの加熱温度は、ヒータの中央部分の温度が高く 両側の温度が低い山形の温度分布になるように設定される。この加熱形態は、特許 文献 3に開示のものであるが、本加熱の加熱温度を山形の温度分布にすることにカロ えて、予加熱の加熱温度に対しても中央部分の温度を高めた山形の温度分布に設 定することができる。これにより、補強スリーブの中央部分の熱収縮開始を素早くし、
さらなる加熱時間の短縮を図ることができる。
[0026] 図 4 (B)〜図 4 (D)は、補強スリーブ 4の加熱による光ファイバの補強処理の経過状 態を説明する図である。融着接続された一対の光ファイバ 1は、図 4 (B)に示すように 、その融着部 3及びその近傍は、ファイバ被覆が除去されてガラスの裸ファイバ 2が 露出した状態にあるので、融着後は直ちに補強スリーブ 4が被される。補強スリーブ 4 は、例えば、熱収縮性チューブ 7内にチューブ状で熱溶融性の接着榭脂材 5と補強 棒 6を収納して構成されて 、て、この補強スリーブ 4の中央部分に裸ファイバ 2の部分 が位置するように被せて、補強処理装置の加熱プレート(図示せず)上に載置される
[0027] 補強スリーブ 4は、ヒータの中央部分の温度が高 、ことから、図 4 (C)に示すように、 先ず、中央部分の接着榭脂材 5が溶融しはじめ、次いで、中央部分の熱収縮性チュ ーブ 7が熱収縮し、接着榭脂材 5を中央部分力 両端部分に向けて押出すようにして 熱溶融と熱収縮が進行する。これにより、溶融する接着榭脂材 5内に気泡が残ること なぐ裸ファイバ 2の周囲に接着榭脂材 5が充填される。最終的には、図 4 (D)に示す ように、接着榭脂材 5でファイバ被覆の一部を含めて一体化され、熱収縮性チューブ 7の両端を閉じるようにして補強処理される。
[0028] 上記の中央部分の加熱温度を高くするヒータとしては、例えば、図 5に示すような構 成のものが用いられる。図 5 (A)に示すヒータ 10aは、セラミック等のプレート状のヒー タ基体 11に加熱導体 12を埋設したもので、加熱導体 12の中央部分の導体を両側 の部分より密に形成し、中央部分の発熱量が両側部分より多くなるようにしている。こ のヒータに予加熱及び本加熱のための給電を行ったときに、その加熱温度は図 4 (A )のような山形になる。
[0029] 図 5 (B)に示すヒータ 10bは、セラミック等のプレート状のヒータ基体 11に、中央部 分を加熱する加熱導体 12aと、ヒータ全長部分を加熱する加熱導体 12bの 2組の加 熱導体を電気的に絶縁して重ねるように埋設した例である。加熱導体 12aと加熱導 体 12bはそれぞれ個別に給電制御されるようにし、例えば、予加熱では中央部分の 加熱導体 12aのみに給電し、本加熱で加熱導体 12bを給電して、図 4 (A)のような山 形の温度分布とすることができる。また、本加熱では、途中で中央部分の加熱導体 1
2aをオフとするような加熱制御を行うこともできる。
[0030] 図 5 (C)に示すヒータ 10cは、セラミック等のプレート状のヒータ基体 11に、中央部 分のみを加熱する加熱導体 12aと、両側部分のみを加熱する加熱導体 12cとを直列 状に組み合わせて埋設した例である。加熱導体 12aと加熱導体 12cはそれぞれ個別 に給電制御されるようにし、例えば、予加熱では中央部分の加熱導体 12aのみに給 電し、本加熱で加熱導体 12cに給電する切替え可能な回路構成とする。また、中央 部分の加熱導体 12aの発熱量と加熱導体 12cの発熱量を、加熱導体の密度で変え たり、又は、給電制御で実施することで、図 4 (A)のような山形の温度分布とすること ができる。
[0031] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲 を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明ら かである。
本出願は、 2006年 5月 17日出願の日本特許出願 (特願 2006— 137912)に基づくも のであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
産業上の利用可能性
[0032] 以上のように、本発明に係る光ファイバ補強処理装置及び補強処理方法は、補強 スリーブを加熱するヒータ自体を温度検出素子としているため、サーミスタ等の温度 検出素子を必要とせず、構成部品数を減らすことができる。また、ヒータ自体が温度 検出素子であるため、その取り付け状態や劣化状態による検出温度の変動が少なく 精度の高い加熱制御を行うことが可能であり、検出温度の校正を容易にすることがで きる。さらには、温度制御の応答性の改善により無駄な電力消費の発生を抑えること 力できるという効果を有し、光ファイバを融着接続装置で融着接続した後、融着接続 部を補強スリーブで補強する光ファイバ補強処理装置等として有用である。