マイコバクテリゥム ·イントラセルラーレ検出用プライマー及びプローブ、並 びにこれを用いたマイコバクテリゥム 'イントラセルラーレの検出方法
技術分野
[0001] 本発明は、核酸の増幅及びその検出系を利用した、マイコバクテリゥム 'イントラセ ノレラーレ(Mycobacterium intracellulare,以下、「M.イントラセノレラーレ」と略記する場 合がある。 )を検出及び Z又は同定する方法に関するものである。
背景技術
[0002] 非結核性抗酸菌 (nontuberculous mvcobacterium)は、マイコバクテリゥム (Mvcobac terium.以下、単に と略記する場合がある。)属に分類される抗酸性の性質を持つ グラム陽性桿菌で、結核菌群及び Mvcobacterium leprae以外の抗酸菌の一種である 。喀痰の抗酸菌塗抹検査で陽性となった症例の 15〜20%は、その後の菌種同定検 查で非結核性抗酸菌と診断されて ヽる。
[0003] 非結核性抗酸菌のうち、臨床上問題となる菌種としては、 M.イントラセルラーレ、 Μϊ cobacterium kansasnマイコノヽクァリゥム ·力ンサンィ )、 Mvcobacterium marmunuマイ コノ クテリゥム 'マリナム)、 Mvcobacterium eordonae (マイコノ クテリゥム ·ゴノレドネァ) 、 Mvcobacterium szukai、マイコノヽクァリゥム ·スズ、ノレガイ)、 Mvcobacterium aviunuマ ィコバタテリゥム.アビゥム)、 Mvcobacterium xenopi (マイコバクテリゥム ·ゼノピ)、 Mvc obactenum fortuitum、マイコノヽクァリゥム ·フォ ~~チユイタム)、 Mvcobacterium chelone i (マイコノクテリゥム 'セロネィ)、 Mvcobacterium abscessus (マイコノ クテリゥム,アブ セッサス)等が知られて 、る。
[0004] その中でもよく見られるのが、 M.イントラセルラーレと M^ iumである。 M.イントラセル ラーレ M.aviumは非常によく似ており、区別が付きにくかったことから、 M.イントラセ ノレラーレと M . aviumをあわせて Mvcobacterium avium complex (MAC)と呼ばれる。 非結核性抗酸菌症患者のおよそ 70%は MAC感染症であり、次に多!ヽのが M.kansasii 症で、 20%を占める。そして残る 10%がその他の菌種による感染症である。
[0005] 非結核性抗酸菌は一般には毒力が弱ぐ健常人に対しては無害であるといわれて
いる。しかし、まれにヒトに対して感染性を示す。中でも MACは、結核後遺症 (肺感 染症)を引き起こしたり、 AIDSなどの易感染患者に対して日和見感染を引き起こす ことが知られている。そのため、非結核性抗酸菌を迅速且つ正確に検出することは治 療上、特に重要である。
[0006] また、非結核性抗酸菌症は近年増加傾向にあるため、結核菌と非結核性抗酸菌を 短時間で鑑別する方法の開発が強く望まれている。更に、 M.イントラセルラーレ及び
Μ^ Ϊ Ιを核酸増幅検出法で検出 '診断する方法が健康保険の適用となったことか らも、その診断上の意義は大きい。
[0007] また、非結核性抗酸菌は、多くが抗結核薬に対して抵抗性を示す。そのため、患者 に抗酸菌感染症の疑 ヽがある場合、結核症か非結核性抗酸菌症かを鑑別診断する ことが、治療方針を決定するために重要である。更に、非結核性抗酸菌による病気は 、その菌の種類によって治療法が夫々異なるので、その菌種を決めることも非常に重 要である。しかし、非結核性抗酸菌症には特異的な臨床症状がない。そのため、臨 床的所見、病理組織学的所見から結核症と非結核性抗酸菌症を鑑別し、更に非結 核性抗酸菌の種類を特定することは極めて困難である。そのため、結核症か非結核 性抗酸菌症かの診断は菌の同定によってなさなければならない。
[0008] 非結核性抗酸菌症の診断のために行う一般的な菌の同定法は、喀痰塗沫検査で ある。しかし、この検査では、その病原菌が「抗酸菌陽性」か否かということが判るだけ で、その病原菌が結核菌か非結核性抗酸菌かということは鑑別できない。そこで、通 常、喀痰塗末検査で陽性だった場合は、小川培地等の培地上で菌を分離培養する ことによって菌の培養検査を行い、結核菌か非結核性抗酸菌かを鑑別する。そして、 さらに生化学的試験を行い、菌種の同定をする。しかしながら、一般にマイコバクテリ ゥム属は発育が遅ぐ例えば、菌の分離培養だけで 3〜4週間を要する。そして、菌 種を同定するための各種生化学的試験の結果を得るまでに、更に 2〜3週間を要す る。そのため、従来の基本法である、以上のような塗沫検査や培養検査を行って結核 症か否かの診断結果を得るという方法は、力なり時間が力かる方法である。
[0009] 一方、近年、遺伝子レベルで菌を検出する技術が開発されてきた。例えばポリメラ ーゼ連鎖反応(Polymerare Chain Reaction, PCR)等の核酸増幅技術を利用した診
断技術が、菌を検出するための有用な手段として検討されている。この方法は感度 が高いので、試料中に数個の菌があれば、菌を検出できる。また、短時間(長くても 4 日)で検出できる(菌種を同定できる)という利点がある。しかし、通常の PCR法では、 菌数は判らない。また、生菌でも死菌でも区別無く検出してしまう。更に、試料に菌が あれば、菌数の多少に関わらず陽性と判定される。そのため、 PCR法では感染性の 診断が不確実になる。更にまた、 PCR法には、感度が高すぎるため、偽陽性の判定 が出やすい等の問題点がある。
[0010] PCR法を利用した M.イントラセルラーレの検出方法としては、例えば MacSequevar 遺伝子領域、 M.avium 19キロダルトンタンパク質(MAVl 9k)遺伝子領域、及び M.ィ ントラセルラーレリボソームタンパク質 si遺伝子領域の二つ以上に特異的なオリゴヌ クレオチドプライマ一の多重プライマーセットを用いて、 MAC核酸の存否を検出する 方法 (特許文献 1)がある。し力しながら、この検出方法では M.イントラセルラーレと md lを判別することはできない。また、使用した rpslプライマー(M.イントラセルラー レリボソームタンパク質 si遺伝子領域力も設計されたプライマー)を用いた PCRでは 、試料が M^ ium分離株の場合にも増幅産物が検出されており、 M.イントラセルラー レに対する特異性に問題がある。
[0011] また、遺伝子挿入配列 IS901の挿入部位を挟む DNA塩基配列を増幅するプライマ 一を用いて PCRを行い、得られた増幅産物増幅産物の鎖長によって、トリ結核菌 ( avium)カゝ M.イントラセルラーレかを判定する方法 (特許文献 2)も知られて ヽる。し力し 、該プライマーを用いた PCRでは、試料がトリ結核菌 (Μ^ Ϊ Ι)の場合でも M.イントラ セルラーレの場合でもプライマー伸長産物が得られるので、この判別方法は Μ.イント ラセルラーレに特異的な方法とはいえない。また、プライマー伸長産物の鎖長によつ て両者を判別するという方法は、煩雑であるし、判定者によってその判定結果が異な る場合もあり得、確実な判定方法とは言えない。
[0012] PCR法以外に、鎖置換増幅法(SDA法、 Strand Displacement Amplification Meth od)を利用する検出方法もある。例えば、特開平 10-4984号 (特許文献 3)には、マイ コバクテリアの α抗原の一部分をコードする BCG85— B遺伝子の 63ヌクレオチドセ グメントを標的とする方法が開示されている。この方法は、 Μ.イントラセルラーレと M.a
viumの、両方の菌が持つ BCG85— B遺伝子の標的配列を増幅させるプライマーを 用いて、 SDA法で核酸増幅反応を行い、そして、その結果をもとに MACを検出する 方法である。即ち、該方法に用いられるプライマーは、 M.イントラセルラーレと mの両方を増幅させるプライマーである。し力し、この方法では、当然のことながら、試 料中に M.イントラセルラーレがある場合と Μ^ Ϊ Ιがある場合の両方の場合でプライ マー伸長産物が得られる。そのため、この方法で MACを検出することはできる力 M .イントラセルラーレを特異的に検出することはできない。また、 MACを検出する際で あっても、偽陽性が出現する場合がある。
[0013] 特開 2001-103986号公報(特許文献 4)には、 MACを検出するために用いられるプ ライマー、捕捉プローブ及び検出用プローブとして使用されるオリゴヌクレオチドが開 示されている。し力しながら、該プライマーは M.イントラセルラーレと鳥型結核菌 (M^ idum)の両方の菌が持つ dnaj遺伝子力もの 48bp標的配列を増幅する。即ち、試料 中に M.イントラセルラーレが存在する場合にも、 M^md lが存在する場合にも増幅反 応が起こる。従って、該プライマーを用いて SDA法を行い、補足プローブ及び検出 用プローブを用いてプライマー伸長産物を検出し、その結果に基づいて MACの検 出を行うことはできる。しかし、 M.aviumを枪出せずに、 M.イントラセルラーレを特異的 に検出することはできない。
[0014] その他、 LAMP (Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を利用し、 M.イントラ セルラーレの核酸を増幅する方法 (特許文献 5)等がある。しかし、 LAMP法〖こは増 幅された DNAの塩基配列を決定することができな!/、、効率よく増幅できる DNAの長 さに制限がある、偽陽性が出現する、等の問題がある。
[0015] 以上のことから、 M.イントラセルラーレを特異的に且つ迅速に検出する方法を確立 することが望まれて 、る現状にあった。
[0016] 特許文献 1 :特開平 11-69999号公報
特許文献 2:特許第 3111213号公報
特許文献 3:特開平 10-4984号公報
特許文献 4:特開 2001-103986号公報
特許文献 5:特開 2005-204582号公報
非特許文献 l : F.Poly et al, J. Bacteriology, 2004, 186(14), p.4781-4795 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0017] 本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、診断上の偽陽性を排除した 新規な M.イントラセルラーレ検出用プライマー、及びこれを用いた簡便、迅速且つ精 度の高 、M.イントラセルラーレの検出方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0018] 本発明は上記課題を解決する目的で成されたもので、以下の構成よりなる。
(1)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配 列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列(但し、 Aはアデニン、 Cはシトシン、 G はグァニン、 Tはチミンを表す。また、任意の位置の Tはゥラシル (U)と置換されてい てもよい。以下同じ。)の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基 配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺 伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド。
(2)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配 列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、 配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配 列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含 有する、 M.イントラセルラーレ検出用プライマー。
(3)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配 列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、 配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配 列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含 有する、 M.イントラセルラーレ検出用プローブ。
(4)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配
列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、 配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配 列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプラ イマ一及び/又はプローブとして用いることを特徴とする M.イントラセルラーレの検出 方法。
(5)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配 列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、 配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配 列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプラ イマ一及び/又はプローブとして含んでなる、 M.イントラセルラーレ検出用試薬キット
[0019] 本発明者は、現在までに決定された M.イントラセルラーレとその他の生物の各種遺 伝子について、各種間の各遺伝子配列の相同性についての理論的検証と実験的検 証を重ねた。その結果、マイクロアレイ法を用いた方法により得られた M.イントラセル ラーレ由来の塩基配列の断片中に、 M.イントラセルラーレの遺伝子配列の特定領域 に特異的にハイブリダィズし、 M.イントラセルラーレの検出に有用となる塩基配列が 存在することを見出した。
[0020] そこで、これらの知見をもとに更に鋭意研究の結果、 M.イントラセルラーレに特異的 なオリゴヌクレオチド (配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5 、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列)を得、これらの塩基 配列が M.イントラセルラーレの検出に有用であることを見出した。そして更にこれらの 配列をもとに M.イントラセルラーレ検出用プライマー及びプローブを開発し、これらを 用いた M.イントラセルラーレの検出方法を確立するに到った。
発明の効果
[0021] 本発明のプライマー又は Z及びプローブを用いた M.イントラセルラーレの検出方法 によれば、従来の菌の培養検査等により菌種を同定する方法と比較して、はるかに
迅速且つ高精度に、 M.イントラセルラーレの検出を行うことができる。また、本発明の 検出方法で M.イントラセルラーレの検出を行うことにより、従来のプライマー又は Z及 びプローブを用いた PCR法による診断方法に比較して、診断上の偽陽性が排除可 能となり、より高精度に且つ正確に、し力も特異的に M.イントラセルラーレの検出及び 診断を行うことができる。更に、本発明の検出方法を用いることにより、 M.イントラセル ラーレ菌体の定量を行うこともできる。 図面の簡単な説明
[図 1]候補クローン 1の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 2]候補クローン 2の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 3]候補クローン 3の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 4]候補クローン 4の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 5]候補クローン 5の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 6]候補クローン 6の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 7]候補クローン 7の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 8]候補クローン 8の塩基配列と、プライマーとして設計した塩基配列の存在位置を 矢印で示す。
[図 9]実施例 1で得られた、プライマー 02_Fwl及びプライマー 02_Rvlを用い、 M.イント ラセルラーレ由来の DNA試料を铸型として用いた、インターカレーター法によるリア ルタイム PCRの結果をもとに得られた融解曲線解析の結果である。
[図 10]実施例 2で行ったリアルタイム PCR検出結果を示し、各 PCR用 DNA試料のゲ ノムのコピー数 (X軸、対数値)に対する Ct値 (y軸)をプロットした検量線である。
発明を実施するための最良の形態
[0023] 本発明にお 、て、 M.イントラセルラーレ遺伝子とは、 Mycobacterium intracellulare の持つ全ゲノム配列における任意の塩基配列単位(領域)を 、う。 Mycobacterium int racellulareの全ゲノム配列は、まだ解読されていない。
[0024] 本発明のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番 号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列(但し 、 Aはアデニン、 Cはシトシン、 Gはグァニン、 Tはチミンを表す。また、任意の位置の Tはゥラシル (U)と置換されていてもよい。以下同じ。)の一部若しくは全部、又は配 列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有 し、且つマイコバクテリゥム 'イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズす るオリゴヌクレオチドが挙げられる(以下、「本発明のオリゴヌクレオチド」と略記する場 合がある。)。
[0025] 本発明に係る、配列番号 1で表される塩基配列力 なるオリゴヌクレオチドは 666塩 基、配列番号 2で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 1128塩基、配列番 号 3で表される塩基配列力 なるオリゴヌクレオチドは 1002塩基、配列番号 4で表され る塩基配列力 なるオリゴヌクレオチドは 747塩基、配列番号 5で表される塩基配列か らなるオリゴヌクレオチドは 618塩基、配列番号 6で表される塩基配列からなるオリゴヌ クレオチドは 510塩基、配列番号 7で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 1 005塩基、配列番号 8で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドは 700塩基の大 きさである。
[0026] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部を含有 するオリゴヌクレオチドとしては、例えば、(1)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、 配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配 列と約 70%以上、好ましくは約 80%以上、より好ましくは約 90%以上、更に好ましくは 約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するオリゴヌクレオチド、又は(2)配列 番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7
又は配列番号 8で表される塩基配列中の、連続する 10塩基以上、好ましくは 15塩基 以上、より好ましくは 20塩基以上を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド等が 挙げられる。
[0027] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の全部を含有するオリゴヌク レオチドの具体例としては、例えば配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4 、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列からなる オリゴヌクレオチド、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番 号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列を含有するオリゴ ヌクレオチドが挙げられる。
[0028] 配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列 番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具 体例としては、例えば配列番号 9〜203で表される塩基配列力 選ばれる配列の一 部若しくは全部を含有するものが挙げられる。好ましくは配列番号 9〜203で表され る塩基配列から選ばれる配列中の、連続する 10塩基以上、好ましくは 15塩基以上、 より好ましくは 20塩基以上を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0029] 配列番号 9〜203で表される塩基配列から選ばれる配列の全部を含有するオリゴヌ クレオチドの具体例としては、配列番号 9〜203で表される塩基配列力 選ばれる配 列からなるオリゴヌクレオチド、又は配列番号 9〜203で表される塩基配列力 選ば れる配列を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0030] 配列番号 1で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 9〜22又は配列番号 139〜145で表される塩基配列力も選 ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0031] 配列番号 2で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 23〜40又は配列番号 146〜154で表される塩基配列力も選 ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0032] 配列番号 3で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 41〜58又は配列番号 155〜163で表される塩基配列力も選
ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0033] 配列番号 4で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 59〜78又は配列番号 164〜173で表される塩基配列力も選 ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0034] 配列番号 5で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 79〜92又は配列番号 174〜180で表される塩基配列力も選 ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0035] 配列番号 6で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 93〜104又は配列番号 181〜186で表される塩基配列から 選ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0036] 配列番号 7で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 105〜126又は配列番号 187〜197で表される塩基配列か ら選ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0037] 配列番号 8で表される塩基配列の一部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例とし ては、例えば配列番号 127〜138又は配列番号 198〜203で表される塩基配列か ら選ばれる配列を含有するものが挙げられる。
[0038] 本発明に係る、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配 列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部 若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチドとしては、例えば本発明の配列番号 1、配 列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列 番号 8で表される塩基配列力もなるオリゴヌクレオチドとハイブリダィズする塩基配列 の、一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチド等が挙げられる。
[0039] 上記の、本発明の配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、 配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列力 なるオリゴヌクレオ チドとハイブリダィズする塩基配列の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチド とは、具体的には、本発明の配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配 列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列力 なるオリ ゴヌクレオチドと、ハイストリンジェントな条件又はストリンジェントな条件下でノ、イブリ
ダイズする塩基配列の、一部若しくは全部を有するオリゴヌクレオチド等が挙げられる
[0040] 尚、ここでいう「ハイストリンジェントな条件」とは、具体的には例えば「50%ホルムアミ ド中で 42〜70°Cで、好ましくは 60〜70°Cでのハイブリダィゼーシヨン、その後 0.2〜2 X SSC、 0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)中で 25〜70°Cで洗浄」という条件である。
[0041] また、「ストリンジヱントな条件」とは、具体的には例えば「6 X SSC又はこれと同等の 塩濃度のハイブリダィゼーシヨン溶液中、 50〜70°Cの温度の条件下で 16時間ハイブ リダィゼーシヨンを行い、 6 X SSC又はこれと同等の塩濃度の溶液等で必要に応じて 予備洗浄を行った後、 1 X SSC又はこれと同等の塩濃度の溶液等で洗浄」という条 件である。
[0042] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の、一部 若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチドの例としては、例えば、(1)配列番号 1、配 列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列 番号 8で表される塩基配列に対する相補配列と約 70%以上、好ましくは約 80%以上 、より好ましくは約 90%以上、更に好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列 を含有するオリゴヌクレオチド、又は(2)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列 番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に 対する相補配列中の、連続する 10塩基以上、好ましくは 15以上、より好ましくは 20 塩基以上を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド、等が挙げられる。
[0043] 本発明に係る配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の全部を 含有するオリゴヌクレオチドの具体例としては、例えば配列番号 1、配列番号 2、配列 番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される 塩基配列に対する相補配列力 なるオリゴヌクレオチド、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で 表される塩基配列に対する相補配列を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0044] 配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列
番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部を含有するオリ ゴヌクレオチドの具体例としては、例えば配列番号 9〜203で表される塩基配列から 選ばれる配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチドが 挙げられる。好ましくは、配列番号 9〜203で表される塩基配列力 選ばれる配列に 対する相補配列中の、連続する 10塩基以上、好ましくは 15塩基以上、更に好ましく は 20塩基以上を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0045] 配列番号 9〜配列番号 203で表される塩基配列から選ばれる配列に対する相補配 列の全部を含有するオリゴヌクレオチドの具体例としては、例えば配列番号 9〜203 で表される塩基配列力 選ばれる配列に対する相補配列力 なるオリゴヌクレオチド 、又は配列番号 9〜203で表される塩基配列力 選ばれる配列に対する相補配列を 含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0046] 本発明に係る M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌ クレオチドとは、前記した、 M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイストリンジェ ントな条件又はストリンジヱントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を有するオリゴ ヌクレオチド等が挙げられる。そのノ、イストリンジヱントな条件及びストリンジヱントな条 件は、前記した通りである。
[0047] 尚、本発明のオリゴヌクレオチドはデォキシリボ核酸 (DNA)でもリボ核酸 (RNA)で もよ 、。リボ核酸の場合はチミジン残基 (T)をゥリジン残基 (U)と読み替えることは言 うまでもな ヽ。また合成に際して任意の位置の Tを Uに変えて合成を行なって得られ た、ゥリジン残基を含む DNAであってもよい。同様に任意の位置の Uを Tに変えたチ ミジン残基を含む RNAであってもよい。また、一つ若しくは複数のヌクレオチドが欠 失、挿入或いは置換されていてもよい。一つ若しくは複数のヌクレオチド力イノシン (I )のような修飾ヌクレオチドであってもよ 、。
[0048] 本発明のオリゴヌクレオチドを得る方法としては、特に限定されな!、が、例えば自体 公知の化学合成法により調製する方法が挙げられる。この方法では、ベクター等を用 V、る遺伝子操作法によりオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを得る方法 (クローン 化法)に比べ、容易、大量且つ安価に一定品質のオリゴヌクレオチドを得ることが可 能である。
[0049] 例えば、 DNAの合成に通常行われている、 DNAシンセサイザーを用い、通常の ホスホアミダイト法にてオリゴヌクレオチドを合成し、陰イオン交換カラムクロマトグラフ ィーを用いる常法により精製すれば、 目的とする本発明のオリゴヌクレオチドを得るこ とがでさる。
[0050] また、オリゴヌクレオチドの合成を業者に委託して、業者から購入しても良い。
[0051] 本発明の目的を達成し得るオリゴヌクレオチドを探索 (スクリーニング)する手段とし ては、 FEMS Microbiology Letters 166: 63—70, 1998あるいは Systematic and Applie d Microbiology 24: 109-112, 2001などに示されているサブトラクシヨン法、即ち標的 であるゲノム DNA由来フラグメント群から区別した 、生物種由来のゲノム DNA由来 フラグメント群と反応したものを差し引く事で、候補配列を濃縮する方法等がある。
[0052] また、標的であるゲノム DNA及び区別したい生物種由来のゲノム DNAからの増幅 産物のディファレンシャルディスプレイを作成すると 、つたアプローチ、即ち任意にプ ライムされたポリメラーゼ連鎖反応 (AP— PCR)を利用する方法等が考えられる(特 開平 11-155589号公報)。
[0053] 更に、いわゆるマイクロアレイ法と呼ばれる方法を利用することによつても、本発明 の目的を達成し得るオリゴヌクレオチドを探索することができるし、本発明のオリゴヌク レオチドを得ることができる。その方法の概略は以下の通りである。
[0054] 即ち、例えば M.イントラセルラーレゲノム由来 DNAのショットガン.クローンを作成し 、得られたショットガン 'クローン力も DNAを精製する。次いで、そのヨットガン'クロー ン由来の精製 DNAを、 PCR等により増幅させた後、スライドガラス上に配置させてマ イクロアレイを作成する。別に、標的である M.イントラセルラーレのゲノム DNAから蛍 光標識 (標識 1)した DNAフラグメント群を作成する。一方、区別したい生物種由来の ゲノム DNAからも蛍光標識 (標識 2)した DNAフラグメント群を別途に作成し、対照 実験を行う。即ち、標識 1及び標識 2の各々を同一反応系で用いる競合ハイブリダィ ゼーシヨン法によって、マイクロアレイ上の配列と、標識 1及び標識 2との反応性 (結合 性)を検定する。この検定により、標的である M.イントラセルラーレのゲノム DNA由来 フラグメント (標識 1)と、より特異的に反応する配列候補群を選定できる (例えば非特 許文献 1等)ため、これにより目的のオリゴヌクレオチドを選別することができる。以下
にマイクロアレイ法を用いた、本発明のオリゴヌクレオチドの選定方法の一例につい て詳説する。
[0055] (1) M.イントラセルラーレ由来精製ゲノム DNAの調製
まず、 M.イントラセルラーレ菌株を、常法 (例えばオートクレープ処理とガラスビーズ 等を用いた菌体の粉砕処理)によって破砕処理した後、常法に従って DNAの抽出, 精製を行えばよい。
[0056] (2) Whole Genome Shotgun libraryの作製
M.イントラセルラーレの Whole Genome Shotgun libraryの作製を行う方法の一例とし て、 Venter et al., Science. 2001 Feb 16;291(5507): 1304- 1351に記載の Whole Geno me Shotgun法を改変した方法を、以下に説明する。
まず、前記 (1)で得られた M.イントラセルラーレ由来精製ゲノム DNAを、適当な緩衝 液等で希釈した後、例えば終濃度 20%のグリセロール存在下、 5kPa〜9kPaの圧力下 で、ネビュライザ一を用いて約 1〜5分間処理し、 DNAの断片化処理を行う。この処 理方法により、 目的とする 500〜1000塩基対のサイズ画分を効率よく回収する事がで きる。得られた画分を市販の抽出カラムを利用して精製する。
[0057] その後、得られた画分 (DNA断片。 目的の DNA断片を含む。)を、常法に従いライ ゲーシヨンによってベクター DNAに組み込んだ、組み換え DNA (M.イントラセルラー レの Whole Genome Shotgun library)をネ守る。
[0058] そのために用いられるベクター DNAとしては、後で形質転換する宿主細胞が大腸 菌の場合には、例えば、 pBS [例えば pBSII sk+ベクター (Stratagene社)]、 pQE- TRIプ ラスミド(Qiagen社製)、 pBluescript、 pET、 pGEM- 3Z、 pGEX等のベクターが挙げられ る。用いるベクターの種類によっては、ライゲーシヨンの前に、予め DNA断片を、 DN Aポリメラーゼで処理して、 DNA断片の末端を平滑化処理してもよ ヽ。
[0059] 次 、で、得られた組み換え DNAを用いて、適当な宿主細胞を形質転換して形質 転換体を得る。
[0060] そのために用いられる宿主細胞としては例えば、大腸菌 (E.coli)が挙げられ、好ま しくは JM109、 DH5 a、 TOP10等が挙げられる。この他、よりプラスミドやファージ DN Aの導入効率の高い、 Competent Cell (コンビテントセル)を用いても良い。例えば、 E
. coli TM109 Competent Cells (タカラバイオ社製)等が挙げられる。
[0061] 开質転換は、例えば、 D.M.Morrisonの方法(Method in Enzymology, 68, 326-331, 1979)等により行うことができる。また、市販の Competent Cellを用いる場合には、そ の製品プロトコールに従って、形質転換を行えばよい。
[0062] 目的の DNA断片を組み込んだ組換え DNAが導入された形質転換体を選別する には、例えば、形質転換のために用いたベクターの性質を利用する方法で行えばよ い。例えば、アンピシリン耐性遺伝子を含有するベクターを用いた場合にば、アンピ シリンを含有する培地上で形質転換体を培養し、得られたクローンを選択すること〖こ より、 目的の DNA断片を組み込んだ組換え DNAが導入された、形質転換体 (M.ィ ントラセルラーレのゲノム由来の Whole Genome Shotgun clone library)が容易に得ら れる。
(3)マイクロアレイ作製
続いて、下記の方法でマイクロアレイを作製する。
[0063] 即ち、上記 (2)で得られた形質転換体 (M.イントラセルラーレのゲノム由来の Whole Genome Shotgun clone library)から常法に従い DNAを精製する。精製した DNAを 铸型として用い、適当なプライマー [市販のプライマーでも良い。例えば M13 Primer Ml (タカラバイオ社製)及び M13 Primer RV (タカラバイオ社製)等]を用い、常法に従 つて PCRを行った後、得られた PCR増幅産物を精製する。次いで常法に従って、精 製した PCR増幅産物をマイクロアレイ用スライドガラス上にスポットする。これに UV照 射(60mJ/cm2〜300mJ/cm2、通常 150mJ/cm2)を行ない、スライドガラス上に PCR増幅 産物(ターゲットの M.イントラセルラーレ由来 DNAを含む)を固定することにより、マイ クロアレイを作製する。
[0064] 尚、必要に応じコントロールのマイクロアレイも作製する。例えば rpsl (特許文献 1)等 の M.イントラセルラーレに特異的な配列の DNAフラグメント、区別したい生物種由来 のゲノム DNAのフラグメント〔結核菌特有の挿入配列 IS6110の部分配列(IS6110 ele ment)、 KATS2 sequence (特開平 11-155589号公報)等の MJs ^ に特異的な塩基 配列の DNAフラグメント、 MAV19K (特許文献 1)等の Μ πΐに特異的な塩基配列 の DNAフラグメント、等や、例えば大腸 DNA等のマイコバクテリウム属菌以外の菌
由来の DNA等〕を用い、夫々同様に DN Aの断片化から Whole genome Shotgun clo ne libraryを作成までの一連の処理を行い、同様に PCRを行い、得られた PCR産物 をスライドガラス上に固定して、夫々のマイクロアレイも作製する。
[0065] 尚、コントロールのマイクロアレイについて、あるマイクロアレイをポジティブコント口 ールとして設定した場合、後で行うマイクロアレイ'ハイブリダィゼーシヨンで使用する Cy3標識対照用ゲノム DNAには、該ポジティブコントロールの由来菌体と同じ菌体 由来のゲノム DNAを Cy3標識したものを、用いる。例えば、 M.kansasiiに特異的な塩 基配列の DNAフラグメントを用いてマイクロアレイを作製し、これをポジティブコント口 ールに設定した場合には、マイクロアレイ'ハイブリダィゼーシヨンで使用する Cy3標 識対照用ゲノム DNAの一つとして、 M.kansasiiから柚出,精製したゲノム DNAを Cv3 で標識した標識産物を用いる。
[0066] また、あるマイクロアレイをネガティブコントロールとして設定した場合、後で行うマイ クロアレイ.ハイブリダィゼーシヨンでは、該ネガティブコントロールの由来菌体と同じ 由来菌体ゲノム DNAの Cy3標識産物も Cy5標識産物も使用しな 、。
[0067] (4)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
i)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
へキシルァミノ- UTPを用いた間接標識法により、 M.イントラセルラーレ菌株から常 法により抽出'精製したゲノム DNAを Cy5でラベリングする。また、前記マイクロアレイ のポジティブコントロールの由来菌体力 抽出'精製した対照用ゲノム DNAを Cy3で ラベリングする。例えば DeRisi研究室(www.microarrays.org)が発表したプロトコール を改変した間接標識法を例にとって説明する。この方法は、アミノ基をもつ a UTPを 使い、酵素伸長反応によりこれを分子内に取り込ませた DNA鎖を作成する。そして そのアミノ基に蛍光色素(サクシ-イミド体)をィ匕学的に結合させることによって DNA をラベリングしょうというものである。
[0068] まず、出発材料(M.イントラセルラーレのゲノム DNA、及び対照用ゲノム DNA)を、 常法に従い熱変性処理する。次いで、熱変性処理物に DTT 2 μ dATP/dCTP/dG TPの混合液、 dTTP、 Ha- dUTP、 Klenow酵素を添カ卩し、 37°Cで 3時間程度の伸長反 応を行う。得られた反応産物を限外ろ過カラムにのせ 14000rpmで 4分程度遠心した
後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機等を用いて完全に乾燥 させる。次に、乾燥させた上記反応産物に NaHCO をカ卩えて混合し、 2〜3分常温静
3
置する。
[0069] 別に Cy3 (又は Cy5)を DMSOに溶かしたものを調製(Cy- dye Solution Cy3、 Cy-dy e Solution Cy5)する。この Cy- dye Solution Cy3を、対照用ゲノム DN Aを用いて得ら れた上記反応産物に加え、また Cy-dye Solution Cy5を M.イントラセルラーレゲノム D NAを用いて得られた上記反応産物にカ卩え、夫々 40°Cで 60分程度、遮光下にインキ ュペートする。さらに、夫々の反応産物に 4M NH OHをカ卩え、攪拌後に 15分程度、
2
遮光下にインキュベートして、夫々のゲノム由来 DNAの標識産物を得る。その後、得 られた標識産物を、限外ろ過カラムにのせ 14000rpmで 4分程度遠心した後、濃縮液 をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機で完全に乾燥させる。
[0070] ii)標識産物の断片化工程
前記 (4)0で得られた乾燥状態の各ゲノム由来の DNAフラグメントの標識産物に対 して、終濃度が 0.04M Tris- acetate(pH8.1)、 0.1M酢酸カリウム、 0.03M酢酸マグネシ ゥム四水和物の組成の溶液を調製する。該溶液に乾燥状態のゲノム由来の DNAフ ラグメントの標識産物を懸濁混和させる。 94°Cで 15分間加熱処理し、 100base〜300 baseのゲノム由来 DNAフラグメントの標識産物を得る(Cy3標識産物、 Cy5標識産物
) o
[0071] 得られた Cy3標識産物と Cy5標識産物を混合した後、限外ろ過カラムにのせ 14000r pmで 4分程度遠心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 等で完全に乾燥させる。
[0072] 次いで、このマイクロチューブに、 salmon sperm DNA (10mg/mL) 0.5 μ Lゝ formamid e 5 μ Lを含有し、 ArrayHyb Hybridization buffer (SIGMA社製)で全量を 40〜50 μ L に調整した試薬溶液 (後に使用するマイクロアレイのカバーガラスが 24 X 55mmの大 きさの場合の組成である)を加え、上記で得た乾燥物を同一の溶液中で懸濁混和後 、 95°Cで 5分程度インキュベートし、 Cy3Cy5標識産物混合溶液を調製する。
[0073] (5)マイクロアレイ'ノヽィブリダィゼーシヨン(アレイ上での DNA- DNA hybridization) 前記 (3)の工程で得られたマイクロアレイ (DNAチップ)上に、上記 (4)ii)で調製した
Cy3Cy5標識産物混合溶液をのせ、カバーガラスをかぶせる。これをノヽイブリカセット にセットした後、 65°Cで 8時間以上、遮光下に反応させて、ハイブリダィゼーシヨンを 行う。ハイブリダィゼーシヨン後、マイクロアレイをカバーグラスごと 2 X SSC- 0.1%SDS 溶液に室温で浸し、カバーグラスをはずす。 1 X SSC、 0.03%SDS溶液(60°C)で 10分 間洗浄、 0.2 X SSC溶液 (42°C)で 10分間洗浄、 0.05 X SSC溶液(室温)で 10分間洗 浄後、 800prmで約 5分間遠心を行って乾燥させる。
[0074] (6)蛍光強度の測定;シグナル検出から数量ィヒまで
蛍光読み取りスキャナーを用いて、上記 (5)で得られたマイクロアレイ'ハイブリダィ ゼーシヨン処理したマイクロアレイ上の蛍光強度を測定する。この際、 Cy3及び Cy5の 、 2チャンネルでの蛍光強度を測定して、蛍光検出データを得る。蛍光シグナルの数 量ィ匕は市販の DNAチップ発現イメージ解析ソフトウェア等を用い、ソフトの操作手順 に従って、スポット自動認識、ノックグラウンド計算、蛍光強度比の正規ィ匕を行えば良 い。
[0075] ノ、イブリダィゼーシヨンに用いた Cy5標識産物は、 M.イントラセルラーレ由来ゲノム DNAを材料として標識した DNAフラグメント群であり、 Cy3標識産物は対照用ゲノム DNAを材料として標識した DNAフラグメント群である。そのため、マイクロアレイ上の あるスポットの Cy3と Cy5の夫々の蛍光強度を測定した結果、 Cy5の蛍光の方が強く 検出された場合には、そのスポットの DNA断片(PCR産物)は、 Cy5標識産物、即ち M.イントラセルラーレ由来のゲノム DNAの特定の配列とより強くハイブリダィズした、 ということを意味し、 DNA断片(PCR産物)は M.イントラセルラーレに対する特異性が 高いと判断される。
一方、あるスポットについて Cy5より Cy3の蛍光の方が強く検出された場合には、そ のスポットの DNA断片(PCR産物)は、 Cy3標識産物、即ち対照用ゲノム DNAとハイ ブリダィズした、ということを意味し、 DNA断片(PCR産物)は M.イントラセルラーレに 対する特異性が低いと判断される。また、 Cy3及び Cy5の蛍光の強さが同程度だった 場合と、 Cy3及び Cy5のどちらの蛍光も検出されな力つた場合にも、そのスポットの D NA断片(PCR産物)は、 M.イントラセルラーレに対する特異性が低いと判断される。
[0076] そこで、例えばマイクロアレイ上で検出された Cy3/Cy5の蛍光強度比(Ratio)を基に
、例えば、散布図 (スキヤッタープロット)を作成する等して、結果を解析し、 M.イントラ セルラーレ特異配列の検出のためのスクリーニングを行う。解析においては、用いた ポジティブコントロール配列のうち M.イントラセルラーレに特異的な DNAの Cy3/Cy5 Ratioの数値が特異性評価のための有用な基準値となる。
[0077] 尚、マイクロアレイ上にポジティブコントロール及びネガティブコントロールがスポット されている場合には、夫々の Cy3Cy5蛍光強度を測定して、その蛍光強度の傾向を みれば、蛍光スキャナー測定における 1つのデータ評価基準として利用する事がで きる。
[0078] スクリーニングを行った候補の中から、 Cy3/Cy5 Ratioの数値解析の結果、有意に M.イントラセルラーレ特異的なシグナルが得られ (Cy5の蛍光強度が強い場合)、な おかつ上述の M.イントラセルラーレに特異的なポジティブコントロールのスポットに比 ベて Ratioの数値が大き!/、(Cy5の蛍光強度が強!、)クローンを選択する。
[0079] 次いで、通常この分野で用いられているシークェンサ一、例えば ABI PRISM310キ ャピラリーシーケンサー (アプライドバイォ社)等の機器を利用し、常法に従い、得られ た候補クローンの塩基配列決定を行えばょ 、。
[0080] 尚、選択されたクローンの中から、更に M.イントラセルラーレ特異的検出のための 候補配列をスクリーニングするために、例えば、リアルタイム PCR法による二次スクリ 一二ングを行っても良い。
[0081] 即ち、上記した Cy3/Cy5 Ratioの数値解析の結果選択された候補クローンについて 、塩基配列決定を行う。夫々の候補クローンについて、得られた塩基配列を基に、例 えばプライマー設計のために一般に用いられて 、るソフトや、例えばプライマーデザ イン用の Webツール Primer3 (Whitehead Institute for Biomedical Research.)等を用い て夫々 PCR用の適当なプライマーを設計する。
[0082] 設計されたプライマーカも適当な組合せを選択し、その組合せのプライマーを用い て、 M.イントラセルラーレ由来ゲノム DNAを铸型として、常法に従いリアルタイム PC Rを行う。また、マイコバクテリゥム属の適当な菌体由来ゲノム DNA、更に要すれば 大腸菌等のマイコバクテリゥム属以外の菌体由来ゲノム DNA等 (対照)を铸型として 、同様にリアルタイム PCRを行う。その結果、 M.イントラセルラーレ由来ゲノム DNAを
铸型として用いたリアルタイム PCRでは増幅産物が得られ、その他の菌体由来ゲノム DNA (対照)を铸型として用いたリアルタイム PCRでは増幅産物が得られなかったプ ライマーの組合せを選択する。そして、そのプライマーの組合せを設計した候補クロ ーンを、最終的な M.イントラセルラーレに特異的な候補クローンとして選択すればよ い。
[0083] 本発明の M.イントラセルラーレ検出用プライマーとしては、配列番号 1、配列番号 2 、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表 される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配 列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列 に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の 塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有するプライマーが挙げられる( 以下、本発明のプライマーと記載する場合がある。 ) 0
[0084] また、本発明のプライマーは、 PCR (リアルタイム PCRを含む)等の核酸増幅反応、 核酸ハイブリダィゼーシヨン等の条件に合わせて、配列番号 1、配列番号 2、配列番 号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩 基配列の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチド、又は配列番号 1、配列番 号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8 で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオ チドの中から、解離温度 (Tm値)などを考慮して、適当な領域の適当な長さを選択し て使用すればよい。
[0085] 好ましくは、プライマー配列としての特異性を維持するために必要な塩基数と考え られている 10〜50塩基、より好ましくは 10〜35塩基、更に好ましくは 18〜25塩基の 長さを有して 、るオリゴヌクレオチドがよ 、。
[0086] プライマーの設計方法は、プライマー設計のために一般に用いられて 、るソフトや
、例えばプライマーデザイン用の Webツール Primer3 (Whitehead Institute for Biomed ical Research.)等を用いて設計すればよい。
[0087] 本発明のプライマーに用いられる、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番 号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一
部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5 、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の 一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイプリ ダイズするオリゴヌクレオチド (本発明のオリゴヌクレオチド)の具体例は、前記の本発 明のオリゴヌクレオチドの説明にお 、て記載したものと同じである。
[0088] 本発明のプライマーの具体例としては、例えば配列番号 9〜138で表される塩基配 列から選ばれる配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子 の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド、又は配列番号 9〜 138で表され る塩基配列から選ばれる配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドが挙 げられる。
[0089] 本発明のプライマーの好ましい具体例としては、配列番号 9〜 138で表される塩基 配列から選ばれる配列を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイ ブリダィズするオリゴヌクレオチド、又は配列番号 9〜 138で表される塩基配列から選 ばれる配列に対する相補配列を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配 列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0090] より好まし ヽプライマーとしては、 ί列えば、酉己歹 IJ番号 9、 10、 23、 24、 41、 42、 59、 60 、 79、 80、 93、 94、 105、 106、 127、 128で表される塩基配列力も選ばれる配列を 含有するオリゴヌクレオチド、又は配列番号 9、 10、 23、 24、 41、 42、 59、 60、 79、 80、 93、 94、 105、 106、 127、 128で表される塩基酉己歹 IJ力ら選ば、れる酉己歹 IJに対する 相補配列を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0091] 尚、配列番号 9〜22で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 1で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0092] 配列番号 23〜40で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 2で表さ れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0093] 配列番号 41〜58で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 3で表さ れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0094] 配列番号 59〜78で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 4で表さ
れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0095] 配列番号 79〜92で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 5で表さ れる塩基配列をもとに設計されたものである。
[0096] 配列番号 93〜104で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 6で表 される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0097] 配列番号 105〜126で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 7で 表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0098] 配列番号 127〜138で表される塩基配列を含有するプライマーは、配列番号 8で 表される塩基配列をもとに設計されたものである。
[0099] 図 1に、配列番号 1で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 9 及び配列番号 10で表される塩基配列の存在位置を、 02_Fwl及び 02_Rvlとして、夫 々矢印で示す。
[0100] 図 2に、配列番号 2で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 2 3及び配列番号 24で表される塩基配列の存在位置を、 03_Fwl及び 03_Rvlとして、 夫々矢印で示す。
[0101] 図 3に、配列番号 3で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 4 1及び配列番号 42で表される塩基配列の存在位置を、 04_Fw2及び 04_Rv2として、 夫々矢印で示す。
[0102] 図 4に、配列番号 4で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 5 9及び配列番号 60で表される塩基配列の存在位置を、 06_Fwl及び 06_Rvlとして、 夫々矢印で示す。
[0103] 図 5に、配列番号 5で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 7 9及び配列番号 80で表される塩基配列の存在位置を、 10_Fwl及び 10_Rvlとして、 夫々矢印で示す。
[0104] 図 6に、配列番号 6で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 9 3及び配列番号 94で表される塩基配列の存在位置を、 13_Fw2及び 13_Rv2として、 夫々矢印で示す。
[0105] 図 7に、配列番号 7で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 1
05及び配列番号 106で表される塩基配列の存在位置を、 14_Fwl及び 14_Rvlとし て、夫々矢印で示す。
[0106] 図 8に、配列番号 8で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 1 27及び配列番号 128で表される塩基配列の存在位置を、 15_Fw2及び 15_Rv2とし て、夫々矢印で示す。
[0107] また、配列番号 1で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 11 〜22で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 11 (02— Fw2) :415位' 、434位、
配列番号 12 (02— Fw3) : 91位へ 410位、
配列番号 13 (02_Fw4) : 272位' 、290位、
配列番号 14 (02— Fw5) : 245位' 、264位、
配列番号 15 (02— Fw6) :41 へ '61位、
配列番号 16 (02— Fw7) :423位' 、442位、
配列番号 17 (02— Rv2) 563位 ^582位、
配列番号 18 (02— Rv3) 294位 313位、
配列番号 19 (02_Rv4) 447位 ^466位、
配列番号 20 (02_Rv5) 373位 ^392位、
配列番号 21 (02_Rv6) 175位 、194位、
配列番号 22 (02_Rv7) 641位 、659位。
[0108] 配列番号 2で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 25
で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 25 (03— Fw2): 18位〜 35位、
配列番号 26 (03— Fw3): 111位〜 128位、
配列番号 27 (03_Fw4) : 229位〜 248位、
配列番号 28 (03— Fw5) :412位〜 430位、
配列番号 29 (03— Fw6) : 580位〜 599位、
配列番号 30 (03— Fw7) : 776位〜 796位、
配列番号 31 (03— Fw8) : 873位〜 890位、
配列番号 32 (03_Fw9): 911位〜 930位、
配列番号 33 (03_Rv2): 158位〜 175位、
配列番号 34 (03— Rv3) : 288位〜 306位、
配列番号 35 (03_Rv4) : 362位〜 381位、
配列番号 36 (03— Rv5) : 542位〜 561位、
配列番号 37 (03— Rv6) : 700位〜 719位、
配列番号 38 (03— Rv7) : 955位〜 972位、
配列番号 39 (03— Rv8): 1040位〜 1059位、
配列番号 40 (03_Rv9): 1075位〜 1093位。
[0109] 配列番号 3で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 43 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 43 (04— Fw3) : 4位〜 21位、
配列番号 44 (04_Fw4) : 217位へ 35位、
配列番号 45 (04— Fw5) : 423位へ 440位、
配列番号 46 (04— Fw6) : 476位へ 494位、
配列番号 47 (04_Fw7) : 658位へ 5位、
配列番号 48 (04— Fw8) : 709位へ 728位、
配列番号 49 (04— Fw9) : 772位へ 789位、
配列番号 50 (04— FwlO; : 803位 〜822位、
配列番号 51 (04— Rv3): 134位へ 452位、
配列番号 52 (04_Rv4): 367位へ384位、
配列番号 53 (04— Rv5): 560位へ579位、
配列番号 54 (04— Rv6): 605位へ622位、
配列番号 55 (04_Rv7): 801位へ820位、
配列番号 56 (04— Rv8): 845位へ862位、
配列番号 57 (04— Rv9): 899位へ916位、
配列番号 58 (04— RvlO) : 955位 972位。
[0110] 配列番号 4で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 61〜78
で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 61 (06— Fw2): 153位〜 172位、
配列番号 62 (06_Fw3): 1位〜 19位、
配列番号 63 (06— Fw4) :32位〜 49位、
配列番号 64 (06— Fw5) :268位〜 285位、
配列番号 65 (06— Fw6) :376位〜 395位、
配列番号 66 (06— Fw7) :445位〜 462位、
配列番号 67(06— Fw8) :492位〜 509位、
配列番号 68 (06— Fw9) :556位〜 574位、
配列番号 69 (06_FwlO) :581位〜 600位、
配列番号 70 (06— Rv2) :282位〜 301位、
配列番号 71 (06— Rv3): 100位〜 119位、
配列番号 72 (06_Rv4): 184位〜 203位、
配列番号 73 (06— Rv5) :386位〜 405位、
配列番号 74 (06— Rv6) :516位〜 534位、
配列番号 75 (06_Rv7) :575位〜 594位、
配列番号 76 (06— Rv8) :656位〜 675位、
配列番号 77(06— Rv9) :686位〜 705位、
配列番号 78 (06_RvlO): 703位〜 720位。
また、配列番号 5で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 81 〜92で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 81 (10_Fw2) :388位〜 407位、
配列番号 82(10— Fw3) :2位〜 19、
配列番号 83 (10_Fw4): 122位〜 141位、
配列番号 84(10_Fw5) :207位〜 226位、
配列番号 85(10_Fw6) :298位〜 318位、
配列番号 86(10_Fw7) :459位〜 478位、
配列番号 87(10— Rv2) :541位〜 560位、
配列番号 88 (10_Rv3): 150位〜 169位、
配列番号 89(10_Rv4) :276位〜 294位、
配列番号 90(10— Rv5) :370位〜 389位、
配列番号 91 (10_Rv6) :453位〜 472位、
配列番号 92(10_Rv7) :593位〜 610位。
[0112] 配列番号 6で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 95〜 104 で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 95(13_Fw3) :56位〜 75位、
配列番号 96 (13_Fw4): 129位〜 148位、
配列番号 97(13_Fw5) :200位〜 219位、
配列番号 98(13_Fw6) :333位〜 352位、
配列番号 99(13_Fw7) :286位〜 305位、
配列番号 100 (13— Rv3) :225位〜 244位、
配列番号 101 (13_Rv4) :242位〜 261位、
配列番号 102 (13— Rv5) :325位〜 343位、
配列番号 103 (13— Rv6) :481位〜 500位、
配列番号 104 (13— Rv7) :416位〜 435位。
[0113] 配列番号 7で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 107〜 12
6で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 107 (14— Fw3) :11位〜 29位、
配列番号 108(14_Fw4) :73位〜 92位、
配列番号 109(14_Fw5) :201位〜 220位、
配列番号 110(14_Fw6) :413位〜 431位、
配列番号 111(14— Fw7) :519位〜 538位、
配列番号 112(14_Fw8): 657位〜 674位、
配列番号 113(14_Fw9) :596位〜 613位、
配列番号 114 (14_FwlO): 618位〜 635位、
配列番号 115 (14_Fwll): 864位〜 883位、
配列番号 116 (14_Fwl2) : 806位〜824位、
配列番号 117 (14_Rv3): 158位へ 477位、
配列番号 118 (14_Rv4): 208位へ227位、
配列番号 119 (14_Rv5): 337位へ356位、
配列番号 120 (14_Rv6): 548位へ
配列番号 121 (14_Rv7): 669位へ688位、
配列番号 122 (14_Rv8): 782位へ 0位、
配列番号 123 (14_Rv9): 721位へ 40位、
配列番号 124 〔14— RvlO) : 755位 773位、
配列番号 125 〔14— Rvll) : 978位 997位、
配列番号 126 (14_Rvl2) : 967位 、986位。
[0114] 配列番号 8で表される塩基配列上の、プライマーとして設計した配列番号 129〜 13
8で表される塩基配列の存在位置は、夫々次の通りである。
配列番号 129 (15— Fw3) : 28位〜 45位、
配列番号 130 (15_Fw4) : 64位〜 82位、
配列番号 131 (15— Fw5): 131位〜 148位、
配列番号 132 (15— Fw6) : 348位〜 366位、
配列番号 133 (15— Fw7) :462位〜 481位、
配列番号 134 (15— Rv3) : 182位〜 200位、
配列番号 135 (15_Rv4) : 197位〜 215位、
配列番号 136 (15_Rv5) : 270位〜 287位、
配列番号 137 (15— Rv6) :451位〜 470位、
配列番号 138 (15_Rv7) : 619位〜 636位。
[0115] 尚、上記において、各配列番号の後の( )内に、本発明で命名したプライマーの名 称を示す。
[0116] 本発明のプライマーを得る方法は、前記の本発明のヌクレオチドを得る方法におい て記載した通りである。
[0117] また、本発明のプライマーは、標識物質で標識されていてもよい。
[0118] 本発明のプライマーを標識する方法としては、この分野で通常行われているオリゴ ヌクレオチドの標識方法が挙げられ、標識物質毎に適宜方法を選択すればよ!、。
[0119] 本発明のプライマーを標識物質で標識するために用いられる標識物質としては、放 射性同位体や酵素、蛍光物質、発光物質、ピオチンなど公知の標識物質であれば 何れも用 、ることができる。
[0120] 例えば、放射性同位体としては32 P, 33P, 35S等、酵素としてはアルカリホスファターゼ ,西洋ヮサビペルォキシダーゼ等、蛍光物質としては Cyanine Dye系の Cy3, Cy5 (ァ マシャムバイオサイエンス株式会社)、フルォレセイン等、発光物質としては Acridiniu m Esterを含む化学発光試薬等が挙げられる。
[0121] 本発明のプライマーを放射性同位体により標識する方法としては、プライマーを合 成する際に、放射性同位体で標識されたヌクレオチドを取り込ませることによって、プ ライマーを標識する方法や、プライマーを合成した後、放射性同位体で標識する方 法等が挙げられる。具体的には、一般によく用いられているランダムプライマー法、二 ックトランスレーション法、 T4ポリヌクレオチドキナーゼによる 5 '—末端標識法、ターミ ナルデォキシヌクレオチドトランスフェラーゼを用いた 3 '—末端標識法、 RNAラベリン グ法等が挙げられる。
[0122] 本発明のプライマーを酵素で標識する方法としては、アルカリホスファターゼ,西洋 ヮサビペルォキシダーゼ等の酵素分子を、標識するプライマーに直接共有結合させ る等の、この分野における常法である直接標識法が挙げられる。
[0123] 本発明のプライマーを蛍光物質で標識する方法としては、例えばフルォレセイン標 識したヌクレオチドをこの分野における常法の標識手法によりプライマーに取り込ま せればよい。また、リンカ一アームを有するヌクレオチドを配列のオリゴヌクレオチドの 一員として置換する方法(例えば、 Nucleic Acids Res., 1986年,第 14卷, p.6115参照) でもヌクレオチドを蛍光物質で標識することができる。その場合、 5位にリンカーァー ムを有するゥリジンを特開昭 60-500717号公報に開示された合成法によりデォキシゥ リジン力も化学合成し、上記オリゴヌクレオチド鎖に蛍光物質を導入する方法もある。
[0124] 本発明のプライマーを発光物質又はピオチンで標識するには、通常この分野で行 われて 、るヌクレオチドを発光標識又はピオチン標識する常法に従って行えばょ 、。
[0125] 本発明の M.イントラセルラーレ検出用プローブとしては、配列番号 1、配列番号 2、 配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表 される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配 列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列 に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つマイコバクテリゥム 'イントラセ ルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有するプロ一 ブが挙げられる(以下、本発明のプローブと記載する場合がある。 ) 0
[0126] 本発明のプローブは、 PCR (リアルタイム PCRを含む)等の核酸増幅反応、核酸ノヽ イブリダィゼーシヨン等の条件に合わせて、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配 列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列 の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチド、又は配列番号 1、配列番号 2、配 列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表さ れる塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有するオリゴヌクレオチドか ら、解離温度 (Tm値)などを考慮して、適当な領域の適当な長さを選択して使用す ればよい。但し、プローブに十分な特異性を持たせたいのならば、プローブ配列とし ての特異性を維持するために必要な塩基数を考慮して設計することが望ましい。
[0127] 例えば、核酸ノヽイブリダィゼーシヨン法 (例えばサザン 'ハイブリダィゼーシヨン等) 等に用いるプローブとしては、 10〜700塩基、好ましくは 100〜600塩基、より好まし くは 100〜500塩基、更に好ましくは 200〜500塩基の長さを有しているものが挙げ られる。
[0128] 例えばリアルタイム PCR増幅系(例えば TaqMan™法、 Molecular Beacon法等)等に 用いるプローブとしては、 10〜50塩基、好ましくは 15〜40塩基、更に好ましくは 20 〜30塩基の長さを有して!/、るものが挙げられる。
[0129] 本発明のプローブに用いられる、配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4 、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若 しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配 列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部 若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズ
するオリゴヌクレオチド (本発明のオリゴヌクレオチド)の具体例は、前記の本発明の オリゴヌクレオチドの説明にお 、て記載したものと同じである。
[0130] 本発明のプローブの具体例としては、例えば、配列番号 9〜203で表される塩基配 列から選ばれる配列の一部若しくは全部、又は配列番号 9〜203で表される塩基配 列から選ばれる配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラ セルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドを含有するプロ ーブ力 選ばれるものが挙げられる。
[0131] 本発明のプローブの好ましい具体例としては、配列番号 9〜203で表される塩基配 列から選ばれる配列を含有するもの、又は配列番号 9〜203で表される塩基配列か ら選ばれる配列に対する相補配列を含有するものが挙げられる。中でも配列番号 13 9〜203で表される塩基配列から選ばれる配列を含有するもの、又は配列番号 139 〜203で表される塩基配列から選ばれる配列に対する相補配列を含有するものが挙 げられる。特に好ましいものとしては、酉己歹 IJ番号 139、 146、 155、 164、 174、 181、 187、 198で表される塩基配列から選ばれる配列を含有するもの、又は配列番号 13 9、 146、 155、 164、 174、 181、 187、 198で表される塩基酉己列力ら選ばれる酉己列 に対する相補配列を含有するものが挙げられる。
[0132] 尚、配列番号 139〜203で表される塩基配列又は配列番号 139〜203で表される 塩基配列に対する相補配列は、本発明のプライマーを用いた PCRにより増幅される オリゴヌクレオチドの塩基配列である。フォワードプライマーとリバースプライマーの組 合せと、それを用いた PCRにより増幅される塩基配列の配列番号を表 1に併せて示 す。例えば、配列番号 139で表される塩基配列は、配列番号 9で表される塩基配列 のオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列番号 10で表される塩基配列の オリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして用いた PCRにより増幅されるオリゴヌク レオチドの塩基配列であることを示す。
[0133] [表 1]
フォワード' リハ' 増幅される フォワード リ 増幅される フォワード リハ' 増幅される フライマー プライ 配列 プライ フ。ライマー 配列 フ。ライマー フ。ライマー 配列
9 10 139 48 56 161 96 101 183
1 1 17 140 49 57 162 97 102 184
12 18 141 50 58 163 98 103 185
13 19 142 59 60 164 99 104 186
14 20 143 61 70 165 105 106 187
15 21 144 62 71 166 107 1 17 188
16 22 145 63 72 167 108 1 18 189
23 24 146 64 73 168 109 1 19 190
25 33 147 65 74 169 110 120 191
26 34 148 66 75 170 11 1 121 192
27 35 149 67 76 171 112 122 193
28 36 150 68 77 172 113 123 194
29 37 151 69 78 173 114 124 195
30 38 152 79 80 174 115 125 196
31 39 153 81 87 175 116 126 197
32 40 154 82 88 176 127 128 198
41 42 155 83 89 177 129 134 199
43 51 156 84 90 178 130 135 200
44 52 157 85 91 179 131 136 201
45 53 158 86 92 180 132 137 202
46 54 159 93 94 181 133 138 203
47 55 160 95 100 182
[0134] 本発明のプローブを得る方法は、前記の本発明のヌクレオチドを得る方法において 記載した通りである。
[0135] 本発明のプローブは、標識物質で標識されていてもよい。
[0136] 本発明のプローブを標識物質で標識するために用いられる標識物質としては、放 射性同位体や酵素、蛍光物質、発光物質、ピオチンなど公知の標識物質であれば 何れも用 、ることができる。
[0137] 本発明のプローブを標識するために用いられる標識物質の具体例及び標識方法 は、本発明のプライマーの標識方法の説明にお 、て記載した通りである。
[0138] また、後述するリアルタイム PCRによる検出法において用いられる標識プローブとし ては、本発明のプローブを、リアルタイム PCR法において通常用いられている標識物 質で標識したものが挙げられる。例えば、 5'末端がレポーター蛍光物質 [カルボキシ フルォレセイン(FAM)、 へキサクロ口フルォレセイン(HEX)、テトラクロ口フルォレセィ ン (TET)等]で標識され、 3'末端がクェンチヤ一色素 [例えばカルボキシテトラメチル口
ーダミン(TAMRA)等の蛍光物質、 Black Hole Quencher色素(BHQ) , 4- ((4- (dimeth ylamino) phenyl)azo)benzoic acid (DABCYL)等の非蛍光物質]で標識された本発明 のプローブが挙げられる。
[0139] 後述する TaqMan™リアルタイム PCRによる検出法においても、上記した標識プロ一 ブを用いることができる。
[0140] 本発明に係る M.イントラセルラーレの検出に用いられる試料 (被検試料)としては、 喀痰、血液、咽頭粘液、胃液、気管支洗浄液、経気管支採取物、胸水などの穿刺液 、尿、膿等の各種臨床材料が挙げられる。また、検体から単離、培養された培養菌体 、これらより単離、精製された核酸、又は核酸増幅検出系等で増幅された核酸でもよ い。
[0141] 上記試料カゝら DNAを抽出 ·精製するには、検体からの抗酸菌(結核菌)の DNA抽 出に用いられる常法に従って行えばよい。
[0142] まず、試料中の菌体の細胞壁を破壊する必要がある。その方法としては、例えば菌 体を試料とする場合には、例えば SDS等の界面活性剤や、グァ-ジンチオシァネート (GTC)等の蛋白変性剤で菌体を処理して結核菌等の抗酸菌の膜構造を破壊する 方法、菌体をガラスビーズ等によって物理的に破砕する方法等が用いられる。
[0143] 喀痰を検体として用いる場合には、まず前処理として、米国疾病管理予防センター
(Centers for Disease Control and Preventionゝ略称 CDC)で推奨している NALC (N- acetyト L- cysteine) - NaOH法 (Kent PT, Kubica GP, Pubnc Health Mycobactenolog y, A Guide for the Level III Laboratory, U.S. Department of Health and Human Servi ces, Public Health Service, Center for Disease Control, Atlanta, U.S.A., 1985年, p. 31-55)による検体の均質ィ匕を行うことが望ま 、。
[0144] 菌体の細胞壁を破壊した後、この分野で一般的な DNAの調製法 (フ ノール'クロ 口ホルム抽出、エタノール沈殿法等 Rapid and simple method for purification of nucl eic acids, J. Clin. Microbiol, 1990, Mar;28 (3) , 495-503, Boom R, Sol CJ, Salimans MM, Jansen CL, Wertheim— van Dillen PM, van der Noordaa J)、イソプロノノ一ノレを 用 ヽて沈殿させる方法等により DNAの抽出及び精製を行えばよ!/ヽ。
[0145] 検体から単離、培養された培養菌体を、 M.イントラセルラーレを検出する試料として
用いる場合を例にとって示すと、次の通りである。
[0146] 例えば小川培地上のコロニーを採取し、滅菌蒸留水に懸濁、遠心分離して菌体を 集めた後、蒸留水に再懸濁し、オートクレープ処理した後、菌体の粉砕処理 (ガラス ビーズによる物理的破砕等)を経て、さらに遠心分離して上清を回収する。得られた 上清カゝら DNAを抽出'精製すればよ!ヽ。
[0147] DNAの抽出 '精製には、そのための様々なキットが市販されているので、それを用 いてもよいし、この分野における常法 (例えば、フエノール'クロ口ホルム抽出法、エタ ノールやイソプロパノール等を用いて沈殿させる方法等)に従って行ってもよい。例え ば (株)キアゲン製イオン交換榭脂タイプ DNA抽出精製キット Genomic-tip等を用い て DNAの抽出、精製を行えばよい。
[0148] 本発明に係る M.イントラセルラーレの検出方法としては、配列番号 1、配列番号 2、 配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表 される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配 列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列 に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の 塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプライマー及び Z又はプローブと して用いる方法 (本発明のプライマー及び Z又はプローブを用いる方法)が挙げられ る。
[0149] 例えば、
(A)配列番号 1、配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配 列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1、 配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配 列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド (本発 明のオリゴヌクレオチド)をプライマーとして用いて核酸増幅反応を行 、、得られたプ ライマー伸長産物を検出する方法、
(B)本発明のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識したものを標識プローブとして用 いる方法、
等が挙げられる。以下に、夫々の方法について説明する。
[0150] (A)本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて核酸増幅反応を行い、得ら れたプライマー伸長産物を検出する方法
該方法において (A)の、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて核酸 増幅反応を行う方法としては、例えば、本発明のプライマーを用い、試料中の核酸を 铸型として用いて、 DNAポリメラーゼ等による核酸増幅反応 [例えばポリメラーゼ連鎖 反応(PCR)法(特開昭 60- 281号公報)、 LAMP (Loop-mediated Isothermal Amplifi cation)法(Tsugunori Notomi et al, Nucleic Acid Res., 28, e63, 2000)、 ICANTM (Is othermal and Cnimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法 (臨床病理, 51(11), 1061-1067, 2003, Nov)、 LCR(ligase chain reaction)法(特開平 4- 211399号) 、 SDA(strand displacement amplification)法(特開平 8- 19394号)]を行ってプライマー 伸長させる方法が挙げられる。これにより M.イントラセルラーレの塩基配列の特定の 領域の配列を増幅させることができるので、得られたプライマー伸長産物を測定する ことにより、 M.イントラセルラーレを検出することができる。
[0151] 上記の核酸増幅反応を行う方法の中でも、 PCR法が最も一般的な方法として挙げ られ、 PCR法の例としては、例えばリアルタイム増幅検出系(例えば米国特許第 5210 015号、米国特許第 5538848号の記載参照)を用いることができる。また、リアルタイム 増幅検出系による検出系の例として、例えばリアルタイム PCR検出法が挙げられる。
[0152] リアルタイム PCR検出法の例としては、 TaqMan™リアルタイム PCR法(例えば米国 特許第 5538848号の記載参照)、 MGB Eclipse Probe System法(例えば米国特許第 5 ,801, 155号の記載参照)、 Molecular Beacons Probe Technology法(例えば米国特許 5925517号の己載参照)、 LUX Fluorogenic Primer法 (Invitrogen Corporationノ、 Q uenching probe-PCR (QP)法(例えば米国特許第 6,492,121号の記載参照)等が挙 げられる。
[0153] PCR等の核酸増幅反応において用いられる本発明のプライマーの具体例は、前 記した通りである。
[0154] また、核酸増幅反応に用いられる、好ましいフォワードプライマーとリバースプライマ 一の組合せとしては、前記表 1で示される組合せが挙げられる。
[0155] その中でも好ましいフォワードプライマーとリバースプライマーの組合せとしては、例 えば下記のものが挙げられる。
[0156] (1)フォワードプライマーが配列番号 9で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオ チドで、リバースプライマーが配列番号 10で表される塩基配列を含有するオリゴヌク レオチドである組合せ、
[0157] (2)フォワードプライマーが配列番号 23で表される塩基配列を含有するオリゴヌタレ ォチドで、リバースプライマーが配列番号 24で表される塩基配列を含有するオリゴヌ クレオチドである組合せ、
[0158] (3)フォワードプライマーが配列番号 41で表される塩基配列を含有するオリゴヌタレ ォチドで、リバースプライマーが配列番号 42で表される塩基配列を含有するオリゴヌ クレオチドである組合せ、
[0159] (4)フォワードプライマーが配列番号 59で表される塩基配列を含有するオリゴヌタレ ォチドで、リバースプライマーが配列番号 60で表される塩基配列を含有するオリゴヌ クレオチドである組合せ、
[0160] (5)フォワードプライマーが配列番号 79で表される塩基配列を含有するオリゴヌタレ ォチドで、リバースプライマーが配列番号 80で表される塩基配列を含有するオリゴヌ クレオチドである組合せ、
[0161] (6)フォワードプライマーが配列番号 93で表される塩基配列を含有するオリゴヌタレ ォチドで、リバースプライマーが配列番号 94で表される塩基配列を含有するオリゴヌ クレオチドである組合せ、
[0162] (7)フォワードプライマーが配列番号 105で表される塩基配列を含有するオリゴヌク レオチドで、リバースプライマーが配列番号 106で表される塩基配列を含有するオリ ゴヌクレオチドである組合せ、
[0163] (8)フォワードプライマーが配列番号 127で表される塩基配列を含有するオリゴヌク レオチドで、リバースプライマーが配列番号 128で表される塩基配列を含有するオリ ゴヌクレオチドである組合せ。
[0164] 上記プライマーを用いたリアルタイム PCR等の核酸増幅反応に用いられるその他 のデォキシリボヌクレオシド三リン酸(dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP)、 DNAポリメラー
ゼ等の試薬は、通常この分野で用いられているものを用いればよぐその条件、手法 等は、本発明のプライマー及びプローブを用いる以外は、 PCRの一般的なプロトコ ルに従って行えばよい。
[0165] 核酸増幅反応で得られたプライマー伸長産物を検出する方法は、通常この分野で 行われて 、る常法で良ぐ限定されるものではな 、。
[0166] 例えばインターカレーター法、 TaqMan™リアルタイム PCR法(例えば米国特許第 55 38848号の記載参照)、 MGB Eclipse Probe System法(例えば米国特許第 5,801, 155 号の記載参照)、 Molecular Beacons Probe Technology法(例えば米国特許第 59255 丄 /号の ¾己¾参照)、 LUX Fluorogenic Primer法 (Invitrogen Corporation)、 quenching probe-PCR (QP)法 (例えば米国特許第 6,492,121号の記載参照)、核酸増幅反応 を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、その結果に基 づ 、て行う方法、標識プライマーを用いた核酸増幅反応を行って得られたプライマー 伸長産物の標識を測定する方法等、様々な検出法が挙げられる。
[0167] これらのうち、一般によく用いられる方法としては、例えば、以下の方法が挙げられ る。
[0168] (A—1)インターカレーター法、
(A- 2) TaqMan™リアルタイム PCR法、
(A— 3)核酸増幅反応を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動 を行い、その結果に基づいて行う方法、
(A— 4)標識プライマーを用いた核酸増幅反応を行って得られたプライマー伸長産 物の標識を測定する方法。
[0169] 以下に、夫々の方法について説明する。
(A— 1)インターカレーター法
公知のインターカレーターを利用してリアルタイム PCRを行う、通常のインターカレ 一ター法が利用できる。
[0170] 例えば、本発明のプライマーと、インターカレーターを用い、通常のインターカレー ター法を利用したリアルタイム PCRを行う方法が挙げられる。
[0171] 即ち、インターカレーターは、二本鎖 DNAに特異的に結合して蛍光を発する試薬
であり、励起光を照射すると蛍光を発する。 PCRによって増幅を繰り返して DNAが 増えると、インターカレーターがその DNAに取り込まれるので、プライマー伸長産物 の生成量に比例して、 DNAに取り込まれていくため、インターカレーターに由来する 蛍光強度を検出することにより、プライマー伸長産物の量を知ることができる。
[0172] 但しインターカレーターは全ての二本鎖 DNAに結合するので、得られた蛍光強度 の測定結果を基に、必要に応じ、融解曲線分析を行う。即ち、 PCR後に PCR反応液 の温度を徐々に上げながら、インターカレーター由来の蛍光強度を測定する。最初 は PCR増幅産物は二本鎖を形成して 、るので蛍光を発して 、るが、 PCR反応液の 温度がある一定の温度に達すると一本鎖に解離するので、インターカレーター由来 の蛍光は急激に低下する。この時の温度が融解温度 (Tm値)であり、プライマー伸 長産物の配列に固有の値である。そのピークが、 目的とする特異産物のピーク力 又 は非特異産物のピークかにつ 、ては、この Tm値力も判定することができる。
[0173] このインターカレーター法は、リアルタイム PCRの後に電気泳動を行う必要がない ので、臨床検査の分野等において、迅速に判定を行う必要がある場合には、有効な 方法である。
[0174] 本発明に用いられるインターカレーターとしては、通常この分野で用いられているィ ンタ一力レーターであれば、何でも用いることができる力 例えば SYBR™ Green I (M olecular Probe社商品名)、ェチジゥムブロマイド、フルオレン等がある。
[0175] 本発明に係る「インターカレーター法を利用した M.イントラセルラーレの検出方法」 の例を説明すると、以下の通りである。
[0176] 本発明のプライマーと、インターカレーター(例えば SYBR™ Green I)を用い、 M.ィ ントラセルラーレを検出する試料 (被検試料)から精製した精製 DNA試料を铸型とし て用いて、 Taq DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼを用いたリアルタイム PCRを行う。 そして前記した温度を上げる方法で、プライマー伸長産物に対してインターカレーシ ヨンするインターカレーター(SYBR™ Green I)由来の蛍光量を測定する。
[0177] 次いで、横軸をプライマー伸長産物(二本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光量の 1次微分 (変化量)をとり、プライマー伸長産物の融解曲線解析を行うことによって、ピ ークの検出を行い、単一のピークが得られた場合に、被検試料は M.イントラセルラ
ーレ陽性 (即ち、 M.イントラセルラーレ菌、又はその遺伝子が存在する。以下同じ。 ) と判定される。
[0178] 又は、精製 DNA試料溶液の希釈系列を調製し、各希釈系列毎に、上記と同様にリ アルタイム PCRを行う。次いで、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温 度、縦軸に蛍光量の 1次微分 (変化量)をとり、融解曲線を作成して、増幅産物の融 解曲線解析を行い、ピークの検出を行う。
[0179] この場合の M.イントラセルラーレの検出方法としては、融解曲線解析で各希釈系 列に対する各プライマー伸長産物について、同一の Tm値のピークが検出された場 合に、被検試料は M.イントラセルラーレ陽性と判定すればょ 、。
[0180] また、インターカレーター法を利用した方法で得られた測定値をもとに、リアルタイム PCRにおいて行われる情報に従って、検量線を作成することもできるので、その検量 線を用いて試料中にある M.イントラセルラーレのゲノム DNA量 (コピー数)を得ること ができる。
検量線の作成方法及びそれを用いた M.イントラセルラーレの定量方法は後記する
[0181] 本発明に係るインターカレーターを用いたリアルタイム PCR検出法による M.イントラ セルラーレの検出方法の一例として、前記した「プライマー 02_Fwl」と「プライマー 02— Rvl」を用いて、 M.イントラセルラーレを検出する場合を例にとって説明すると、以下 の通りである。
[0182] まず、公知の方法により、 M.イントラセルラーレを検出する試料 (被検試料)中から 精製 DNA試料を得る。
[0183] 別に、 DNAシンセサイザーを用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号 9で表され る塩基配列力もなるオリゴヌクレオチド (02_Fwl)、及び配列番号 10で表される塩基 配列からなるオリゴヌクレオチド (02_Rvl)を合成する。
[0184] 上記で合成した 02_Fwlをフォワードプライマーとして、 02_Rvlをリバースプライマー として用い、例えば下記の通りリアルタイム PCRを行う。
[0185] 即ち、プライマー 02_Fwlと、プライマー 02_Rvlを各 50〜2000nM、インターカレータ 一 [例えば SYBR™ Green I (Molecular Probe社商品名)]を原液の約 5000〜 100000倍
希釈、 1.0〜4.0mM MgCl、 KC1、 BSA、コール酸ナトリウム、 0.005〜0.2% TritonX- 100
2
、夫々 0.2mM程度の dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP、 10〜80単位/ mLのポリメラーゼ(例 えば Taq DNAポリメラーゼ)を含有する 10mM Tris- HC1緩衝液(pH8.9)を調製し、 P CR用反応液とする。該 PCR用反応液に、 M.イントラセルラーレを検出する試料 (被 検試料)から精製した精製 DNA試料を加え、 PCR用試料とする。この PCR用試料を 96穴反応プレートのゥエルに入れ、リアルタイム PCR検出装置等を用いてリアルタイ ム PCRを行う。反応は 30〜50回サイクル繰り返し、 1サイクル毎にプライマー伸長産 物に対してインターカレーシヨンするインターカレーター(例えば SYBR™ Green I)由 来の蛍光量を測定する。
[0186] 次いで、横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光量の 一次微分 (変化量)をとり、プライマー伸長産物の融解曲線解析を行い、ピークの検出 を行い、単一のピークが得られた場合に、被検試料は M.イントラセルラーレ陽性と判 定される。
[0187] 又は、精製 DNA試料溶液の希釈系列を調製し、各希釈系列毎に、上記と同様にリ アルタイム PCRを行う。次 、で横軸をプライマー伸長産物(2本鎖 DNA)の解離温度 、縦軸に蛍光量の 1次微分 (変化量)をとり、融解曲線を作成して、プライマー伸長産 物の融解曲線解析を行い、検出ピークの解析を行う。
[0188] この場合の M.イントラセルラーレの検出方法としては、融解曲線解析で各希釈系列 に対する各プライマー伸長産物について、同一の Tm値のピークが検出された場合 に、被検試料は M.イントラセルラーレ陽性と判定される。
[0189] また、対照として、 M.イントラセルラーレ以外のマイコバクテリウム属菌由来 DNAを 常法により抽出'精製し、これを铸型として用いる以外は、上記と同様の方法にしてリ アルタイム PCRを行い、同様に SYBR™ Green Iの蛍光量を測定し、融解曲線解析を 行ってもよい。この場合は、試料中に M.イントラセルラーレ由来の配列がないので、 融解曲線解析でピークは出現しないはずである。 M.イントラセルラーレの有無の判定 をより確実にするためには、上記した対照実験を一緒に行うことが望ま 、。
[0190] 更に、検量線を作成することによって、試料中の M.イントラセルラーレのゲノム DN Aの数 (コピー数)を得ることができる。また、その数は M.イントラセルラーレの数に比
例するので、試料 (被検試料)中の M.イントラセルラーレの数も知ることができる。 (A- 2) TaqMan™リアルタイム PCR法(TaqMan™プローブ法)
TaqMan™リアルタイム PCR法は、 5'末端を例えば FAM等の蛍光色素(レポーター) で、 3'末端を例えば TAMRA等のクェンチヤ一色素で標識した標識プローブを用いた リアルタイム PCR法で、 目的の微量な DNAを高感度且つ定量的に検出することがで きる方法である(例えば米国特許第 5,538,848号の記載参照)。
[0191] 具体的には、配列番号 1,配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列 番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配 列番号 1,配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有 し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオ チドをプライマー (本発明のプライマー)として用い、配列番号 1、配列番号 2、配列番 号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩 基配列の一部若しくは全部又は配列番号 1,配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、 配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列に対する 相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の塩基配 列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド (本発明のオリゴヌクレオチド)の 5'末端がレ ポーター蛍光色素で標識され、 3'末端がクェンチヤ一色素で標識されたものを標識 プローブとして用いて、試料中の核酸を铸型として PCRを行い、該標識プローブから 遊離された標識物質の標識を検出する方法である。
[0192] TaqMan™リアルタイム PCR法の原理は以下の通りである。
[0193] この方法には、 5'末端を蛍光色素(レポーター)で、 3'末端をクェンチヤ一色素で標 識した、 目的遺伝子の特定領域にハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプローブが 使用される。該プローブは、通常の状態ではクェンチヤ一色素によってレポーターの 蛍光が抑制されている。この蛍光標識プローブを目的遺伝子に完全にハイブリダィ ズさせた状態で、その外側から DNAポリメラーゼを用いて PCRを行う。 DNAポリメラ ーゼによる伸長反応が進むと、そのェキソヌクレアーゼ活性により蛍光標識プローブ 力 '端力も加水分解され、レポーター色素が遊離し、蛍光を発する。リアルタイム PC
R法は、この蛍光強度をリアルタイムでモニタリングする方法であり、これにより、铸型 DNAの初期量を正確に定量することができる。
[0194] 本発明に係る TaqMan™リアルタイム PCR検出系に用いられるフォワードプライマー 及びリバースプライマーには、本発明のプライマーが用いられる。好ましいプライマー としては、前記した PCR法等の核酸増幅反応において用いられるものが挙げられ、 その好まし!/ヽ具体例及び好ま ヽ組合せも前記した通りである。
[0195] 本発明に係る TaqMan™リアルタイム PCR検出系に用いられる 5'末端を蛍光色素( レポーター)で、 3'末端をクェンチヤ一色素で標識したプローブに用いられるプロ一 ブとしては、前記した本発明のプローブであればよい。実際には、選択したフォワード プライマーとリバースプライマーの組合せでリアルタイム PCRを行った場合に得られ ると予測されるプライマー伸長産物の塩基配列を含有するプローブ、又は更にその 配列から設計される塩基配列を含有するプローブが用いられる。例えば、 02_Fwl (配 列番号 9で表される塩基配列を持つ)と 02_Rvl (配列番号 10で表される塩基配列を 持つ)の二つのプライマーの組み合わせを用いてリアルタイム PCRを行う場合に用い られるプローブは、そのリアルタイム PCRで増幅されると予想される配列暗号 139の 塩基配列を含有するヌクレオチドか、配列番号 139の塩基配列から設計される配列( 例えば配列番号 204で表される配列)を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
[0196] 標識プローブの 5'末端を標識するレポーター蛍光物質としてはカルボキシフルォレ セイン(FAM)、へキサクロ口フルォレセイン(HEX)、テトラクロ口フルォレセイン (TET) 、 Cy5、 VIC等が挙げられる力 中でも FAMがよく用いられる。 3'末端を標識するタエ ンチヤー色素としては、カルボキシテトラメチルローダミン (TAMRA)等の蛍光物質、 B lack Hole Quencher色 (例 は eHw2) , 4- ((4- (dimethylamino) phenyl)azo)benzoic acid (DABCYL)等の非蛍光物質が挙げられる力 中でも TAMRAがよく用いられる。
[0197] リアルタイム PCR検出系に用いられるその他のデォキシリボヌクレオシド三リン酸(d ATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP)、 DNAポリメラーゼ等の試薬は、通常のリアルタイム PC Rで用いられているものを用いればよぐリアルタイム PCRの手法は、本発明のプライ マー及びプローブを用いる以外は、リアルタイム PCRの一般的なプロトコルに従って 行えばよい。
[0198] 本発明に係る TaqMan™リアルタイム PCR検出系による M.イントラセルラーレの検出 方法の一例を説明すると、以下の通りである。
[0199] まず、公知の方法 (例えば前記した方法)に従い、 M.イントラセルラーレを検出する 試料 (被検試料)中から精製 DNA試料を得る。別に、 DNAシンセサイザーを用いて 、ホスホアミダイト法にて、配列番号 9で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド ( 02_Fwl)、及び配列番号 10で表される塩基配列力もなるオリゴヌクレオチド(02_Rvl) を合成する。
[0200] また、 02_Fwl及び 02_Rvlをプライマーとして用いた PCRで増幅されると予想される 配列番号 138の塩基配列から、プローブとして利用するための配列(例えば配列番 号 204で表される配列)を設計し、この塩基配列のオリゴヌクレオチドを合成する。こ のオリゴヌクレオチドの 5'末端にレポーター色素の FAMを、 3'末端にレポーター消光 体の TAMRAを常法により結合し、蛍光標識プローブを得る。
[0201] 上記で調製した 02_Fwlをフォワードプライマーとして、 02_Rvlをリバースプライマー として用い、例えば下記の通りリアルタイム PCRを行う。
[0202] 即ち、各 0.1〜2 μ Μ、好ましくは各 1 μ Μのプライマー 02_Fwl及びプライマー 02_Rvl 、 100〜1000nMの蛍光標識プローブ、 1.0〜4.0mM MgCl 、 KC1、 BSA、コール酸ナト
2
リウム、 0.005〜0.2% TritonX- 100、夫々 0.2mM程度の dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP、 1 0〜80単位/ mLの Taq DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼを含有する lOmM Tris- HC1 緩衝液 (PH8.9)を調製し、 PCR用反応液とする。この PCR用反応液 20 Lに精製 D NA試料 lngをカ卩え、 PCR用試料を得る。この PCR用試料を 96穴反応プレートのゥェ ルに入れ、適当なリアルタイム PCR検出装置等を用いてリアルタイム PCRを行う。反 応は 30〜50回サイクル繰り返し、 1サイクル毎にレポーター色素の発光量を測定する
[0203] この場合の M.イントラセルラーレ検出方法としては、レポーター色素の発光量が測 定された場合に、被検試料は M.イントラセルラーレ陽性と判定される。
[0204] また、リアルタイム PCR法では、検量線を作成することができるので、試料中の M.ィ ントラセルラーレのゲノム DNAの数(コピー数)を得ることがでる。また、その数は M.ィ ントラセルラーレの数に比例するので、試料 (被検試料)中の M.イントラセルラーレの
数ち知ることができる。
[0205] 検量線の作成方法は、リアルタイム PCR法において通常行われている常法に従え ばよい。例えば、標準としてコピー数既知の M.イントラセルラーレのゲノム DNA試料 を用い、希釈系列の濃度 (コピー数)の PCR用 DNA試料を調製する。次いで各希釈 系列の PCR用 DNA試料を用いて上記方法に従!、リアルタイム PCRを行 、、レポ一 ター色素の発光量を測定する。各希釈系列の PCR用 DNA試料毎に、 PCRの各サ イタル数 (X軸)に対する、測定した発光量の測定値 (Rn、 y軸)をプロットした増幅曲線 を作成する。次いで、発光量が指数関数的に増幅している Rn部を選択し、 Threshold line (Th)を引く。 Thと各 PCR用 DNA試料の増幅曲線が交差した点を Threshold eye le (Ct)値とする。次いで用いた各 PCR用 DNA試料のコピー数の対数値 (X軸)に対 する Ct値 (y軸)をプロットし、各 Ctに対して得られた近似曲線を検量線とすればよい。
[0206] インターカレーター法によるリアルタイム PCRを行って、得られた測定値を基に同様 に検量線を作成することができる。例えば、 PCRの各サイクル数 (X軸)に対するイン ターカレーター由来の蛍光量の測定値 (Rn、 y軸)をプロットした増幅曲線を作成する 。次いで、上記と同じ方法で Ct値を得、リアルタイム PCRに用いた各 PCR用 DNA試 料のコピー数の対数値 (X軸)に対する Ct値 (y軸)をプロットし、各 Ctに対して得られた 近似曲線を検量線とすればょ ヽ。
[0207] 試料中の M.イントラセルラーレのゲノム DNAの数(コピー数)を定量するには、先ず M.イントラセルラーレを検出する試料中カゝら DNAを分離精製した後、得られた DNA 試料についてリアルタイム PCRを行い、同様に増幅曲線を作成する。検量線を作成 したときの Thと得られた増幅曲線が交差した Ct値を得る。その Ct値を検量線に当て はめることにより、試料中の M.イントラセルラーレのゲノム DNA量(コピー数)を得るこ とがでさる。
[0208] (A- 3)核酸増幅反応を行った後、得られたプライマー伸長産物にっ 、て電気泳動 を行い、その結果に基づいて行う方法
この方法としては、例えば
「下記工程
(i)配列番号 1,配列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列
番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1,配 列番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列 番号 8で表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M. イントラセルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプライ マー (本発明のプライマー)として用い、試料中の核酸を铸型として核酸増幅反応を 行う、
(ii)上記 (0で得られたプライマー伸長産物にっ 、て電気泳動を行 、、その結果に基 づ!、て M.イントラセルラーレの有無を判定する、
を包含することを特徴とする M.イントラセルラーレの検出方法」が挙げられる。
[0209] 電気泳動を行!、、その結果に基づ 、て、 M.イントラセルラーレの有無を判定する方 法としては、例えば
(A— 3— 1)目的とする大きさ (塩基対数)のプライマー伸長産物画分を確認するこ とにより判定する方法、
(A- 3- 2)標識プローブを用いたノ、イブリダィゼーシヨンにより判定する方法 等が挙げられる。
[0210] 核酸増幅反応の具体例は、前記した通りである。
[0211] 電気泳動法の条件、操作方法等は、この分野で通常行われている常法に従えばよ い。
[0212] 以下に、(A— 3— 1)及び (A— 3— 2)の方法について説明する。
[0213] (A— 3— 1)目的とする大きさ (塩基対数)のプライマー伸長産物画分を確認すること により判定する方法
例えば、まず本発明のプライマーから、適当なフォワードプライマーとリバースプライ マーの組合せを選択し、それを用いて PCR等の核酸増幅反応を行う。次いで、得ら れたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。予め、核酸増幅反応に用いたフ ォワードプライマーとリバースプライマーの組合せから、増幅されるであろうプライマー 伸長産物の大きさ (塩基対数)を予測しておき、得られた電気泳動画分が予測された 大きさのプライマー伸長産物に該当するか否かを、常法により確認すればよい。例え ば、得られた電気泳動画分をェチジゥムブロマイド等で染色して核酸種を視覚化す
るといった方法で、そのプライマー伸長産物の特徴的大きさ (塩基対数)により確認 する等の方法が挙げられる。
[0214] (A— 3— 1)の方法による具体的な判定方法としては、例えば前記した表 1に記載 されたフォワードプライマーとリバースプライマーの組合せを用いて PCRを行った後、 得られたプライマー伸長産物にっ 、て電気泳動を行 、、そのプライマーの組合せで 増幅されると予想される、表 1に記載の配列番号で表される塩基配列のオリゴヌタレ ォチド、又はその塩基対数の大きさの画分が確認された場合に、被検試料は M.イン トラセルラーレ陽性と判定する方法が挙げられる。
[0215] これらの方法の中のより好ましい方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)配列番号 9で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列番 号 10で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 155塩基 対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 139で表される塩基配列を含有するオリゴ ヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0216] (2)配列番号 23で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列 番号 24で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用い て PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 159塩 基対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 146で表される塩基配列を含有するオリ ゴヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0217] (3)配列番号 41で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列 番号 42で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用い て PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 179塩 基対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 155で表される塩基配列を含有するオリ ゴヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0218] (4)配列番号 59で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列 番号 60で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用い て PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 157塩 基対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 164で表される塩基配列を含有するオリ
ゴヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0219] (5)配列番号 79で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列 番号 80で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用い て PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 160塩 基対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 174で表される塩基配列を含有するオリ ゴヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0220] (6)配列番号 93で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配列 番号 94で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用い て PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 172塩 基対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 181で表される塩基配列を含有するオリ ゴヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0221] (7)配列番号 105で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配 列番号 106で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを 用いて PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 18 1塩基対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 187で表される塩基配列を含有する オリゴヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0222] (8)配列番号 127で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーと配 列番号 128で表される塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを 用いて PCRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行い、 15 2塩基対のオリゴヌクレオチド画分又は配列番号 198で表される塩基配列を含有する オリゴヌクレオチドの画分が確認されたものを陽性と判定する方法。
[0223] (A- 3- 2)標識プローブを用いたノヽイブリダィゼーシヨンにより判定する方法
例えば核酸増幅反応を行って得られたプライマー伸長産物にっ 、て、電気泳動を 行う。得られた電気泳動画分について、本発明のプローブを標識物質で標識した標 識プローブに対するハイブリダィゼーシヨンを行う。該標識プローブの標識を検出す ることによって、該標識プローブとハイブリダィズした画分の存在が確認された場合に 、その被検試料は、 M.イントラセルラーレ陽性と判定する方法が挙げられる。
[0224] 用いられるプローブ及びプローブを標識する標識物質の具体例、並びにプローブ
の標識方法は、前記した通りである。
[0225] その一例を示すと、次の通りである。即ち、前記した表 1に記載のフォワードプライ マーとリバースプライマーの組合せを用いて PCRを行った後、得られたプライマー伸 長産物について電気泳動を行う。予め、 PCRに用いたフォワードプライマーとリバ一 スプライマーの組合せで増幅されると予測される、表 1に記載の配列番号の塩基配 列の一部又は全部を含有する塩基配列のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した 標識プローブを調製しておく。電気泳動画分の該標識プローブに対するハイブリダィ ゼーシヨンを行 、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プローブと ハイブリダィズした画分の存在が確認された場合に、その被検試料は M.イントラセル ラーレ陽性である、と判定する方法、が挙げられる。
[0226] これらの方法の好ましい具体例としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
(1)配列番号 9で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号 1 0で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて PCRを 行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得られた 画分について、配列番号 139で表される塩基配列の一部又は全部を含有する塩基 配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対するハイ ブリダィゼーシヨンを行、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プ ローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0227] (2)配列番号 23で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号 24で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて PCR を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得られ た画分について配列番号 146で表される塩基配列の一部又は全部を含有する塩基 配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対するハイ ブリダィゼーシヨンを行、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プ ローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0228] (3)配列番号 41で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号 42で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて PCR を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得られ
た画分について配列番号 155で表される塩基配列の一部又は全部を含有する塩基 配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対するハイ ブリダィゼーシヨンを行 、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プ ローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0229] (4)配列番号 59で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号 60で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて PCR を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得られ た画分について配列番号 164で表される塩基配列の一部又は全部を含有する塩基 配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対するハイ ブリダィゼーシヨンを行 、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プ ローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0230] (5)配列番号 79で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号 80で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて PCR を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得られ た画分について配列番号 174で表される塩基配列の一部又は全部を含有する塩基 配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対するハイ ブリダィゼーシヨンを行 、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プ ローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0231] (6)配列番号 93で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番号 94で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて PCR を行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得られ た画分について配列番号 181で表される塩基配列の一部又は全部を含有する塩基 配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対するハイ ブリダィゼーシヨンを行 、、該標識プローブの標識を検出することによって該標識プ ローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0232] (7)配列番号 105で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番 号 106で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて P CRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得
られた画分について配列番号 187で表される塩基配列の一部又は全部を含有する 塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対する ノ、イブリダィゼーシヨンを行 、、該標識プローブの標識を検出することによって該標 識プローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法、
[0233] (8)配列番号 127で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーと配列番 号 128で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて P CRを行った後、得られたプライマー伸長産物について電気泳動を行う。次いで、得 られた画分について配列番号 198で表される塩基配列の一部又は全部を含有する 塩基配列を含有するオリゴヌクレオチドを標識物質で標識した標識プローブに対する ノ、イブリダィゼーシヨンを行 、、該標識プローブの標識を検出することによって該標 識プローブとハイブリダィズした画分が確認されたものを陽性と判定する方法。
[0234] (A- 3)の方法による、本発明の M.イントラセルラーレの検出方法の詳細を、例え ば 02_Fwlをフォワードプライマーとしてを用い、 02_Rvlをリバースプライマーとして用 いた PCR、及び電気泳動を行った後、 目的とする塩基対数のプライマー伸長産物画 分を確認する方法によって検出する場合 (上記の (A— 3— 1)の(1)の方法)を例に 挙げて説明すると、以下の通りである。
[0235] まず、公知の方法 (例えば前記した方法)に従!、、 M.イントラセルラーレの有無を検 出する試料 (被検試料)中から精製 DNA試料を得る。別に、前記した方法で、本発 明に係るヌクレオチドから、 DNAシンセサイザーを用いてホスホアミダイト法にて、 02_ Fwl (配列番号 9で表される配列を持つオリゴヌクレオチド)及び 02_Fwl (配列番号 10 で表される塩基配列を持つオリゴヌクレオチド)を合成する。
[0236] 各 0.1〜2 μ Μ、好ましくは各 1 μ Μのプライマー 02_Fwl及びプライマー 02_Rvl、 1.0 〜4.0mM MgCl 、 KC1、 BSA、コール酸ナトリウム、 0.005〜0.2%ポリオキシエチレンォ
2
クチルフエ-ルエーテル、夫々 0.1〜0.6mM程度の dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP及び 1 0〜80単位/ mLの Taq DNAポリメラーゼを含有する lOmM Tris-HCl (pH8.9)緩衝液 を調製し、 PCR用反応液とする。
[0237] PCR用反応液に精製 DNA試料を添カ卩したものを PCR用試料として用い、 DNAサ 一マルサイクラ一にて、 20〜40回 PCRを行う。得られた PCR後の反応液を、 1.5%ァ
ガロースゲル電気泳動する。次いでェチジゥムブロマイド染色した後、紫外線での蛍 光を検出する。また、分子量マーカーも反応液と同時に電気泳動し、相対泳動度の 比較により、検出された DNA断片の長さを算出する。フォワードプライマーとして 02— Fwl、及びリバースプライマーとして 02_Rvlを用いた PCRでは、 M.イントラセルラーレ の塩基配列中の 155塩基対の DNA断片(配列番号 139で表される塩基配列を持つ 。)が複製されると予測される。そこで、 155塩基対の大きさの蛍光バンドが確認された 場合に、被検試料は M.イントラセルラーレ陽性と判定すればょ 、。
[0238] また本発明は、核酸増幅工程において、 RNA転写産物を利用した検出法を適用 する事ができる。例えば、 N AS BA (nucleic acid sequence based amplification)法 (特 許第 2650159号)、 3SR (self- sustained sequence replication)法(特公平 7- 114718号 )、 TAS (transcription based amplification system)法(特表平 2- 500565号:国際公開 WO88/10315号)、 TMA (transcription mediated amplification)法(特開平 11- 46778 号)などが挙げられるが、中でも逆転写酵素及び RNAポリメラーゼの協奏的作用(逆 転写酵素及び RNAポリメラーゼが協奏的に作用するような条件下で反応させる。 )を 利用する一定温度核酸増幅法が測定系の自動化には適する。
[0239] (A— 4)標識プライマーを用いた核酸増幅反応を行って得られたプライマー伸長産物 の標識を測定する方法、
本発明のプライマーを前記した方法で標識した標識プライマーを用い、被検試料 中の核酸を铸型として用いて PCR等の核酸増幅反応を行 、、得られたプライマー伸 長産物の標識を検出'測定し、標識を検出できた場合には、その被検試料 M.イントラ セルラーレ陽性である、と判定する方法が挙げられる。この方法に用いられるフォヮ 一ドプライマ一及びリバースプライマーとしては、前記の PCR法において用いられる ものが挙げられ、その好まし ヽ具体例及び好ま 、組合せも前記した通りである。
[0240] 上記方法の場合、核酸増幅反応を行ったのち、遊離の標識プライマーを除き、ブラ イマ一伸長産物の標識を測定し、標識を検出できた場合に、被検試料は M.イントラ セルラーレ陽性であると判定すればよ 、。
[0241] 遊離の標識プライマーを除く方法としては、核酸増幅反応反応を行って得られた反 応物中のプライマー伸長産物を、核酸を沈殿させる常法 (エタノール沈殿法、イソプ
ロバノールを用いた沈殿法等)により沈殿させた後、沈殿しな力つた遊離の標識ブラ イマ一を含有する上清を除去する方法等が挙げられる。
[0242] また、核酸増幅反応を行って得られた反応物を適当な条件下、ゲルクロマトグラフィ 一で処理して、プライマー伸長産物と遊離の標識プライマーを分離する方法、電気 泳動法により分離する方法等も挙げられる。
[0243] (B)本発明のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識したものを標識プローブとして用 いる方法
更に、本発明の M.イントラセルラーレの検出方法として、配列番号 1,配列番号 2、 配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表 される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1,配列番号 2、配列番号 3、配 列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩基配列 に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺伝子の 塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチド (本発明のオリゴヌクレオチド)を標 識物質で標識したものを標識プローブとして用い、該標識プローブを試料中の核酸 とハイブリダィゼーシヨンさせ、遊離の標識プローブを除いた後、ハイブリダィズした 複合体の標識を検出する方法が挙げられる。
[0244] 具体的には、例えば下記のような方法が挙げられる。
(B— 1)本発明のオリゴヌクレオチドを固相担体に結合させたものを捕捉プローブと して用い、被検試料中の核酸とハイブリダィゼーシヨンさせて、試料中の M.イントラセ ルラーレ由来の核酸を固相上に固定化させる検出法 (例えば、特開昭 62-265999号 の記載参照)。この場合、本発明のオリゴヌクレオチドあるいは固相担体が、標識物 質で標識されていてもよい。
(B- 2)標識されて!ヽな ヽ (B-1)の捕捉プローブと、本発明のプローブを標識した標 識プローブを、被検試料中の核酸とハイブリダィゼーシヨンさせて、固相担体上に補 足プローブと M.イントラセルラーレ由来の核酸と標識プローブの複合体を形成させて 、標識プローブの標識を測定するサンドイッチアツセィ (例えば、特開昭 58-40099号 の記載参照)を行う方法。
(B— 3)ピオチンで標識した本発明のプローブを用い、被検試料中の核酸とハイブ
リダィゼーシヨン後、試料中の M.イントラセルラーレ由来の核酸をアビジン結合担体 で捕捉する方法。
[0245] 尚、本発明の M.イントラセルラーレの検出方法に用いられる試薬中には、通常この 分野で用いられる試薬類、例えば緩衝剤、安定化剤、防腐剤等であって、共存する 試薬等の安定性を阻害せず、 PCR等の核酸増幅反応やハイブリダィゼーシヨン反応 を阻害しないものを用いることができる。また、その濃度も、通常この分野で通常用い られる濃度範囲から適宜選択すればょ ヽ。
[0246] 緩衝液の具体例を挙げると、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝 液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等、通常の PCR等の核酸増幅反応やハイブリダィ ゼーシヨン反応を実施する場合に用いられて ヽる緩衝液は全て挙げられ、その pHも 特に限定されな 、が、通常 5〜9の範囲が好まし 、。
[0247] また、必要に応じて核酸合成酵素(DNAポリメラーゼ、 RNAポリメラーゼ、逆転写 酵素など)、酵素に応じた基質 (dNTP、 rNTPなど)、また二本鎖インターカレーター (ェチジゥムブロマイド、 SYBR™ Greenなど)あるいは FAMや TAMRA等の標識検出 物質などが用いられる。
[0248] 本発明に係る M.イントラセルラーレ検出用試薬キットとしては、「配列番号 1,配列 番号 2、配列番号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番 号 8で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 1,配列番号 2、配列番 号 3、配列番号 4、配列番号 5、配列番号 6、配列番号 7又は配列番号 8で表される塩 基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドをプライマー (本発明のプ ライマー)又は Z及びプローブ (本発明のプローブ)として含んでなる M.イントラセル ラーレ検出用試薬キット。」が挙げられる。プライマーは標識物質で標識されたもので あってもょ 、。その標識物質の具体例は前記した通りである。
[0249] 上記キットを構成する本発明のプライマー及び本発明のプローブの具体例は、前 記した「本発明のプライマー」、「本発明のプローブ」につ 、ての説明に記載した通り である。
[0250] 本発明のプライマーは標識物質で標識されたものであってもよい。その標識物質の
具体例は前記した通りである。
[0251] 本発明のプライマーを含んでなるキットには、フォワードプライマーとリバースプライ マーの一組のプライマーを含む組成も含まれる。その好ましい実施態様としては、前 記表 1に記載のプライマーの組合せを含む組成が挙げられる。
[0252] 例えば下記のものが挙げられる。
(1) (a)配列番号 9で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 9で表さ れる塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラ ーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、(b)配列 番号 10で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 10で表される塩基 配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ遺 伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬とし て含んでなるもの。
[0253] (2) (a)配列番号 23で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 23で表 される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセル ラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、(b)配 列番号 24で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 24で表される塩 基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬と して含んでなるもの。
[0254] (3) (a)配列番号 41で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 41で表 される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセル ラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、(b)配 列番号 42で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 42で表される塩 基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬と して含んでなるもの。
[0255] (4) (a)配列番号 59で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 59で表 される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセル
ラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、(b)配 列番号 60で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 60で表される塩 基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬と して含んでなるもの。
[0256] (5) (a)配列番号 79で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 79で表 される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセル ラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、(b)配 列番号 80で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 80で表される塩 基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬と して含んでなるもの。
[0257] (6) (a)配列番号 93で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 93で表 される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセル ラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、(b)配 列番号 94で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 94で表される塩 基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラーレ 遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬と して含んでなるもの。
[0258] (7) (a)配列番号 105で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 105で 表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセ ルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、 (b) 配列番号 106で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 106で表され る塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラー レ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬 として含んでなるもの。
[0259] (8) (a)配列番号 127で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 127で 表される塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセ
ルラーレ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマーと、 (b) 配列番号 128で表される塩基配列の一部若しくは全部、又は配列番号 128で表され る塩基配列に対する相補配列の一部若しくは全部を含有し、且つ M.イントラセルラー レ遺伝子の塩基配列とハイブリダィズするオリゴヌクレオチドプライマー、を構成試薬 として含んでなるもの。
[0260] 上記キットは、更に、本発明のオリゴヌクレオチドを標識物質で標識したものを標識 プローブとして含んで 、てもよ 、。
[0261] 更に、「本発明のオリゴヌクレオチドをプローブとして含んでなる M.イントラセルラー レ検出用試薬キット。」が挙げられる。該プローブは標識物質で標識されたものであつ てもよい。
[0262] これらのキットを構成する構成試薬の好ま ヽ態様及び具体例は前記した通りであ る。
[0263] 尚、本発明の M.イントラセルラーレの検出用試薬キットには、例えば緩衝剤、安定 ィ匕剤、防腐剤等であって、共存する試薬等の安定性を阻害せず、 PCR等の核酸増 幅反応ゃノヽイブリダィゼーシヨン反応を阻害しな 、ものが含まれて 、てもよ 、。また、 その濃度も、通常この分野で通常用いられる濃度範囲力 適宜選択すればよい。
[0264] 緩衝液の具体例を挙げると、例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、ベロナール緩衝 液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等、通常の PCRゃノヽイブリダィゼーシヨン反応を実 施する場合に用いられて ヽる緩衝液は全て挙げられ、その pHも特に限定されな ヽが 、通常 5〜9の範囲が好ましい。
[0265] また、必要に応じて核酸合成酵素(DNAポリメラーゼ、 RNAポリメラーゼ、逆転写 酵素など)、酵素に応じた基質 (dNTP、 rNTPなど)、また二本鎖インターカレーター (ェチジゥムブロマイド、 SYBR™ Greenなど)あるいは FAMや TAMRA等の標識検出 物質などを含んで ヽてもよ ヽ。
[0266] 以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによ り何等限定されるものではな 、。
[0267] 尚、実施例で用いられる細菌はいずれも臨床分離株であり、培養後、コロニーの形 状や従来の各種生化学的試験などによって菌種がすでに鑑別されているものである
実施例
[0268] 実験例 1. M.イントラセルラーレゲノム由来のクローンの選択
(l) DNA試料の調製
まず、小川培地十.で培着した M.イントラセルラーレ (ATCC13950)のコロニーを精製 水に懸濁し、オートクレープ処理(120°C ' 2気圧、 20分)した後、菌体の粉砕処理( 直径 2mmガラスビーズによる物理的破砕)を経て、遠心分離し、上清を得た。得られ た上清から、(株)キアゲン製のイオン交換榭脂タイプ DNA抽出精製キット Genomic-t ipを用いて DNAの抽出、精製を行った。
[0269] 得られた精製ゲノム DNA断片を、最終 400ngZ μ L (10mM Tris- HC1緩衝液、 pH8.
9)になるように調製し、 M.イントラセルラーレ由来 DNA試料として用いた。
[0270] また、ポジティブコントロール用に、 rpsl (配列番号 205で表される配列の DNAフラ グメント、 M.イントラセルラーレに特異的な配列、特許文献 1に記載)、 IS6110 element (配列番号 206で表される配列の DNAフラグメント、 Mycobacterium bovis (ゥシ型結 核菌)が持つ配列)、 M.kansasiiの KATS2 sequence (配列番号 207で表される配列の DNAフラグメント、 M.kansasiiに特異的な配列、特開平 11- 155589号公報)、ネガティ ブコントロールとして ^ Ϊ Ιの MAV19K (配列番号 208で表される配列の DNAフラ グメント、 M.aviumに特異的な配列、特開平 11-06999号公報に記載)及び大腸菌の D NAの抽出方法の常法に従い DNAを抽出,精製した大腸菌由来の DNA、を用いて 夫々同様に DNA試料を調製し、同様に以下の処理を行った。
[0271] (2) Whole Genome Shotgun libraryの作製
上記 (1)で得られた M.イントラセルラーレ由来 DNA試料 24 gを材料として用い、 以下の方法(Science. 2001 Feb 16;291(5507):1304- 1351 Venter et al.に記載の Who le uenome Shotgun法を改変)で、 Whole uenome Shotgun libraryの作:^ 行った。
[0272] まず、終濃度 20%のグリセロール存在下で、 5kPa〜9kPaの圧力下、ネビュライザ一( インビトロジェン社製)を用いてで約 10分間処理して、 M.イントラセルラーレ由来 DN A試料を断片化した。この処理方法により、 目的とする 500〜1000塩基対のサイズ画 分を効率よく回収する事ができた。得られた画分を (株)キアゲン製の抽出カラムを利
用して精製した。
[0273] 次に、タカラバィォ社製の DNA Blunting Kitを用い、 T4 DNA Polymeraseの 5'→3' polymerase活性と 3'→5'exonuclease活性を利用して、得られた DNA断片の末端を 平滑化した。この DNA断片と、平滑末端処理済み pBSII sk+ベクター (Stratagene社) とでライゲーシヨン反応を行い、 DNA断片を pBSII sk+ベクター ( m1)に み込んだ 糸且み換え DNAを作製した。
[0274] タカラバィォ社製 E. coli JM109 Competent Cellsを用い、その製品プロトコ一ノレに 従って、上記で得られた組み換え DNAを用いて JM109 Competent Cellsの形 質転換を行った。得られた形質転換体を 100 g/mLのアンピシリン、 0.2 mM IPTG、 4 0 μ g/mL X- Galを含む LB-寒天培地にプレート培養した。白色コロニーをピックアツ プし、 目的の DNA断片を組み込んだ組み換え DNAが導入された、形質転換体の li brary(M.イントラセノレラーレのケノム由来の Whole Genome Shotgun clone library)を 得た。
[0275] (3)マイクロアレイ作製
上記 (2)で得られた形質転換体の library (M.イントラセルラーレのゲノム由来の Whol e Genome Shotgun clone library)を用い、下記の方法で PCRを行って、スライドガラ ス上に固定するプローブ材料を調製した。
[0276] まず、各 1 μ Μのプライマー M13 Primer Ml (タカラバイオ社製)及びプライマー M13
Primer RV (タカラバイオ社製)、 1.5mM MgCl 、 80mM KC1、 500 μ g/mL BSAゝ 0.1%コ
2
ール酸ナトリウム、 0.1% Triton X-100 (トリトン X-100、ポリオキシエチレンォクチルフエ -ルエーテル、ロームアンドハース社商品名)、夫々 0.2mMの dATP、 dCTP、 dGTP 、 dTTP及び Taq DNAポリメラーゼ((株)二ツボン 'ジーン製) 40単位/ mLを含有する 1 OmM Tris-HCl緩衝液 (pH8.9)を調製し、 PCR用反応液とした。
[0277] 上記 (2)で得られた形質転換体(M.イントラセルラーレのゲノム由来の Whole Geno me Shotgun clone)のそれぞれから、常法に従い DNAを精製した。この精製した DN A (テンプレートとなる)を PCR用反応液 20 Lに懸濁添カ卩したものを調製し、 PCR用 試料とした。この PCR用試料を用い、 MJ Research社の DNAサーマルサイクラ一(D NA Engine PTC200)を使用して、下記の反応条件で 30サイクル PCRを行った。
[0278] PCR反応条件:
熱変性: 94°C、 0. 5分
アニーリング: 55°C、 1分
重合反応: 75°C、0. 5分。
[0279] 得られた PCR増幅産物を精製後、固定化 Buffer (終濃度 3x SSC)と混合した。
[0280] スポットされる PCR産物の終濃度が 300η§/ /ζ Lとなるように調整し、装置内の湿度を 55%に設定したタイピング用装置(GTMAS Stamp II; 日本レーザ電子社製)を使用し 、スライドガラス(CMT GAPS- II; Corning社製)上に、上記で得られた PCR産物をス ポットした (スポット径 150- 250 μ m)。スポットが終了したスライドガラスを UVクロスリン カー(UV Stratalinkerl800; Stratagene社製)に移し、 150mJ/cm2の UV照射を行なつ て、 PCR増幅産物(目的の DNA)をスライドガラス上に固定化し、マイクロアレイ(M. イントラセルラーレゲノム由来 DNAの Whoule Genome Shotgun clone libraryを材料と したマイクロアレイ、合計 1100クローン)を作製した。
[0281] 前記 (1)で得られたポジティブコントロール用 DNA試料 (rpsl、 IS6110 element, KA TS2 sequence)、及びネガティブコントロール用 DNA試料(MAV19K、大腸菌由来 D NA)についても、同様に前記 (2)の Whole Genome Shotgun libraryの作製及び上記 (3 )のマイクロアレイの作製を行い、スライドガラス上に夫々のマイクロアレイを作製した。
[0282] (4)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識とマイクロアレイ'ハイブリダィゼーシヨン
i)標的ゲノム DNAの蛍光色素標識
BioPrime DNA labeling system (インビトロジェン社製)を利用し、標的ゲノム DNAフ ラグメントの蛍光色素標識を行った。
まず、 M.intracellulare (ATCC16950)から常法により柚出'精製したゲノム DNA 2 μ gに、製品中の random primer solution 20 μ Lを混合した後、熱変性(95°C、 5分間) 処理を行い、サンプル溶液を得た。別に、 Mycobacterium bovis (ゥシ型結核菌、 日本 細菌学会力 供与された。)、及び MJS ≤ (ATCC12478)力も常法により夫々ゲノ ム DNAを抽出 '精製し (対照用ゲノム DNA)、各々についても同様に処理を行い、 サンプル溶液を得た。
[0283] 次いで、得られたサンプル溶液夫々に、 0.1M DTT 2 L、 dATP/dCTP/dGTP (各 5
mM)の混合液 2 Lゝ 2.5mM dTTP 0.8 μ Lゝ 5mM Ha- dUTP 1.6 L、 Klenow酵素 (4 OU/ μ L) l μ Lを添加し、 total volume=50 μ Lとなるように脱イオン化滅菌水を加え、 3 7°Cで 3時間の伸長反応を行った。マイクロコン YM-30 (ミリポア社製)の限外ろ過カラ ムを付属の 1.5mLチューブにセットし、上記で得られた反応産物をカラムにのせ、 140 OOrpmで 4分遠心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機( CentriVap concentrator; LABCONCO社製)で完全に乾燥させた。
[0284] 乾燥させた上記反応産物に、 50mM NaHCO を 10 μ L加え混合し、 2〜3分常温
3
で静置した (以下、「反応産物溶液」と称する。 ) o
[0285] 別に、 lmgの Cy3 (アマシャムバイオサイエンス株式会社)又は Cy5 (アマシャムバイ ォサイエンス株式会社)を 105 Lの DMSOに溶かしたものを調製した(Cy-dye Solut ion Cy3、 Cy-dye Solution Cy5)。この Cy- dye Solution Cy3 lO ^ Lを対照用ゲノム D NAフラグメント (M. bovis由来、 M.kansasii由来)を用いて得られたサンプル溶液夫々 にカロえ、 40°Cで 60分インキュベート(遮光)を行った。また、 Cy- dye Solution Cy5 10 /z Lを M.イントラセルラーレ由来ゲノム DNAを用いて得られた上記サンプル溶液に 加え、 40°Cで 60分インキュベート(遮光)を行った。
[0286] さらに、インキュベート後の、夫々の上記反応産物溶液に、 4M NH OH (使う直前に
2
調製する)を 10 μ L加え、攪拌後、 15分インキュベート (遮光)を行 、、夫々の標識産 物、即ち Μ^_ω≤由来の対照用ゲノム DNAを Cy3で標識した標識産物、 M.kansasii 由来の対照用ゲノム DNAを Cy3で標識した標識産物、及び M.イントラセルラーレ由 来ゲノム DNAを Cy5で標識した標識産物を得た。
[0287] マイクロコン YM-30 (ミリポア社製)の限外ろ過カラムを付属の 1.5mLチューブにセッ トし、上記で得られた各ゲノム DNAの標識産物をカラムにのせ、 14000rpmで 4分遠 心した後、濃縮液をマイクロチューブに回収して、真空乾燥遠心機 (CentriVap conce ntrator; LABCONCO社製)で完全に乾燥させた。
[0288] ii)標識産物の断片化工程
上記 (4) 0で得られた乾燥状態のゲノム DNAの標識産物に対して、終濃度が 0.04M Tris- acetate(pH8.1)、 0.1M酢酸カリウム、 0.03M酢酸マグネシウム四水和物の糸且成 の溶液 40 Lを調製したものを加え、懸濁混和させた。次いで 94°Cで 15分間加熱処
理し、 100base〜300 baseの、ゲノム DNAの標識産物を断片化した生成物を得た。
[0289] 尚、 BcaBEST DNA Polymerase (タカラバイオ社製)及び rBst DNA Polymerase (EPI CENTRE社製)を用いてラベル化効率 (baseZdye)を調べた結果、 Cy3標識の実験 結果では M^^exk由来の対照用ゲノム DNA、MJS ≤ 由来の対照用ゲノム DNAと もに、約 20塩基に dye 1分子が取り込まれていることを確認している。また、 Cy5標識 の実験結果では、 M.イントラセルラーレゲノム DNAの約 10塩基に dye 1分子が取り 込まれて 、ることを確認して 、る。
[0290] 得られた Cy3標識産物溶液及び Cy5標識産物溶液を混合し、マイクロコン YM- 10 (ミ リポア社製)の限外ろ過カラムにのせ 14000rpmで 4分遠心した後、濃縮液をマイクロ チューブに回収して、真空乾燥遠心機 (CentriVap concentrator; LABCONCO社製) で完全に乾燥させた。次いで、マイクロチューブに以下の試薬を加え、懸濁混和して 標識産物を溶解させ、
ラセルラーレゲノム由来 DNAの Cy5標識産物の Cy3Cy5標識産物混合溶液と、 MJia Π2 ίί由来の対照用ゲノム DNAの Cy3標識産物と Μ.イントラセルラーレゲノム由来 D NAの Cy5標識産物の Cy3Cy5標識産物混合溶液を得た。
[0291] ArrayHyb Hybridization buffer (SIGMA社製) ; 40 μ L
salmon sperm DNA (10mg/ mL) ; 0.5 μ L
formamide ; 5 μ L
Total 40〜50 μ L
得られた Cy3Cy5標識産物混合溶液を、 95°Cで 5分インキュベートし、ハイブリダィ ゼーシヨンまで 70°Cに保ってぉ 、た。
[0292] iii)マイクロアレイ'ノヽィブリダィゼーシヨン
前記 (3)の工程により、 M.イントラセルラーレの Whole Genome shotgun clone,ポジ ティブコントロール及びネガティブコントロールとして用いる DNAフラグメントの各々の スポットを同一のスライドガラス上に集積したマイクロアレイ (DNAチップ)が作製され る。
上記 (4)ii)で得られた Cy3Cy5標識産物混合溶液をマイクロアレイ上にのせ、気泡が 入らないようにカバーガラスをかぶせた。これをノヽイブリカセットにセットし、タッパーに
蒸留水で湿らせたキムタオルをひいたものの上にのせて密閉し、遮光下に 65°Cで 8 時間以上反応させてハイブリダィゼーシヨンを行った。ハイブリダィゼーシヨン後、 DN Aチップをカバーガラスごと 2 X SSC-0.1%SDS溶液に室温で浸し、溶液中で DNAチ ップを静かに揺らしてカバーグラスをはずした。次いで 1 X SSC、 0.03%SDS溶液(60 °C)で 10分間洗浄、 0.2 X SSC溶液 (42°C)で 10分間洗浄、 0.05 X SSC溶液(室温) で 10分間洗浄した後、新しい乾いたラックに DNAチップをすばやく移し、すぐに 800 prmで 5分間遠心を行って乾燥させた。
[0293] (5)蛍光強度の測定:シグナル検出から数量ィヒまで
蛍光読み取りスキャナー(Protein Array Scanner;日本レーザ電子社製)を用いて、 マイクロアレイ ·ノヽイブリダィゼーシヨン処理したマイクロアレイ(DNAチップ)上の蛍 光強度を測定した。この際、 Cy3標識産物と Cy5標識産物を用いた競合ハイブリダィ ゼーシヨンの結果を解析するため、 2チャンネル、即ち 2ch(Cy3、 Cy5)での蛍光検出 データを得た。
[0294] 蛍光シグナルの数量化は日立ソフト社製の DNASIS™-Array (DNAチップ発現ィメ ージ解析ソフトウェア)を用い、ソフトの操作手順に従って、スポット自動認識、ノ ック グラウンド計算、蛍光強度比の正規化を行った。また、信頼性限界ラインを定め、そ れ以下の領域のデータは扱わない事で正規化され信頼性のある蛍光強度比を求め た。
[0295] マイクロアレイチップ上には、 M.イントラセルラーレの菌体由来の DNA、ポジティブ コントロール(rpsl :M.イントラセルラーレに特異的な配列の DNAフラグメント、 IS6110 element: M. bovisに特異的な配列の DNAフラグメント、 KATS2 sequence: M.kansasii に特異的な配列の DNAフラグメント)及びネガティブコントロール(MAV19K :Μ^ ϋ mに特異的な配列の DNAフラグメント、大腸菌由来ゲノム DNAの断片)がスポットさ れている。
[0296] まず、 Μ^^Λ由来の対照用ゲノム DNAの Cy3標識産物と M.イントラセルラーレ由 来ゲノム DNAの Cy5標識産物の混合物を用いてマイクロアレイ'ハイブリダィゼーショ ンを行い、蛍光強度を測定して、 Cy3/Cy5の蛍光強度比(Ratio)を求めた。即ち、あ るマイクロアレイ上のスポットの Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が高い場合は、そのス
ポットの DNA断片(PCR増幅産物)は、 Cy5標識産物、即ち M.イントラセルラーレ由 来ゲノム DNAとより強くハイブリダィズしたことを示す。他方、あるマイクロアレイ上の スポットの Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が低い場合は、そのスポットの DNA断片は 、 M.イントラセルラーレ由来ゲノム DNAに対する特異性が弱ぐ Cy3標識産物、即ち M^2Xk由来の対照用ゲノム DNAとより強くハイブリダィズしたことを示す。この方法 で、マイクロアレイの全てのスポットの蛍光強度比を算出し、蛍光強度が高ぐ且つ Cy 3に対する Cy5の蛍光強度比が高いスポットの上位 50スポットを選択した。
[0297] 同じマイクロアレイについて、 M.kansasii由来の対照用ゲノム DNAの Cv3標識産物 と M.イントラセルラーレ由来ゲノム DNAの Cy5標識産物の混合物を用いて同様にマ イクロアレイ'ハイブリダィゼーシヨン、蛍光強度の測定及び蛍光強度比を測定した。 この場合は、あるスポットの Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が高い場合は、そのスポッ トの DNA断片(PCR増幅産物)は、 Cy5標識産物、即ち M.イントラセルラーレゲノム 由来 DNAとより強くハイブリダィズしたことを示す。他方、あるスポットの Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が低い場合は、そのスポットの DNA断片は、 M.イントラセルラー レ由来ゲノム DNAに対する特異性が弱ぐ Cy3標識産物、即ち M.kansasi油来の針 照用ゲノム DNAとより強くハイブリダィズしたことを示す。マイクロアレイの全てのスポ ットの蛍光強度比を算出し、蛍光強度が高ぐ且つ Cy3に対する Cy5の蛍光強度比が 高 、スポットの上位 50スポットを選択した。
[0298] Μ^_ω≤由来の対照用ゲノム DNAの Cy3標識産物を用いた場合に選択された上 位 50スポットと、 MJi rf由来の対照用ゲノム DNAの Cy3標識産物を用いた場合 に選択された上位 50スポットを比較し、両方の場合に共通するスポットで、 rpsl (M.ィ ントラセルラーレに特異的な配列)のスポットよりも更に強い Cy5の蛍光が検出された スポット 16個を選択した。このスポットは、 M. bovisよりも、 M.kansasiはりも、更に rpsl よりも M.イントラセルラーレに対する特異性が高いと判断された。そこで、この 16クロ ーンを先ず一次候補クローンとして選定した。
[0299] (6)—次候補クローンの塩基配列決定
次に、選択された一次候補の 16クローンについて、下記の方法で塩基配列決定を 行った。
[0300] 即ち、 Big Dye Terminatorキット(アプライドバイオシステムズ社製)を使用し、製品 プロトコールに従い以下の手順でシークェンス解析を行った。
[0301] 一次候補 DNA (—次候補クローン) ;2 /ζ ΐ ΐ00η§)
Μ 13 Primer Ml ; 1 μ L(5pmoL)
premix ; 8 (し
[0302] 上記の混合物に、総 volume=20 μ Lとなるように脱イオン化滅菌水をカ卩え、 MJ Resea rch社の DNAサーマルサイクラ一(DNA Engine PTC200)を使用して、下記の反応条 件で 30サイクルのシークェンス反応を行った。
[0303] 96°C 2 min→ (96°C 10sec→50°C 5sec→60°C 4min) X 25→4°C
[0304] 得られたシークェンス反応産物を QIAGEN社製ゲルろ過カラムで精製後、 MJ Resea rch社製のシークェンサ一(BaseStation)を用い、機器付属の手順書に従 、候補配列 すべてのシークェンス (塩基配列)解読を完了した。
[0305] 得られた結果をデータベース(NCBI BLAST及び CHEMICAL ABSTRACT)で検索 した結果、 M.イントラセルラーレがゲノム配列未解読の生物種であるにも起因するが
、データベース上では一次候補の 16クローン全てが、未登録の新規な配列であった
[0306] (7)二次候補クローンの選択
1) PCRプライマーの合成
まず、決定された一次候補 16クローンのシークェンスの解析結果に基づき、夫々の 一次候補クローンにつ 、て、プライマーデザイン用の Webツール Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Research.)を用いて PCR増幅検出のためのプライマー配列 を設計し、更にその結果を基に PCRに使用可能と推測されるフォワードプライマーと リバースプライマーの組合せを設計した。
[0307] ABI社 DNAシンセサイザー 392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、設計したオリ ゴヌクレオチドを合成した。合成手法は ABI社マニュアルに従い、各種オリゴヌクレオ チドの脱保護はオリゴヌクレオチドのアンモニア水溶液を 55°Cで一夜加熱することに より実施した。
[0308] 次 、でフアルマシア社製 FPLCを用いた陰イオン交換カラムクロマトグラフィーによ
り、合成オリゴヌクレオチドを精製した。
[0309] 2)プローブの作製
夫々の一次候補クローン毎に設計されたフォワードプライマーとリバースプライマー の組合せを用いた PCRで増幅されると予測される塩基配列から、プローブとして利 用するための配列を設計し、この配列のオリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌク レオチドの 5'末端にレポーター色素の FAMを、 3'末端にレポーター消光体の TAMRA を結合し、標識オリゴヌクレオチドプローブ(TaqMan™フルオレセント 'プローブ、ァプ ライドバイオシステムズジャパン社製)を得た。
[0310] 3) PCR用 DNA試料の調製
別に、 M.イントラセルラーレから、常法に従いゲノム DNA試料を調製した。また、対 照 して Escherichia coli、及び 18菌種のマイコバクテリゥム属細菌 (M.tuberculosis、 M.kansasiu M.marinum. M.simiae. M.scrofulaceum. M.gordonae. M.szulgau M.aviu M.gastri. M.xenopi. M.nonchromogenicum. M.terrae. M.tnviale. M.fortuitum. M .chelonei. M.abscessus、 M.peregrinum)から、常法に従い DNA試料(対照用)を調製 した。得られた DNA試料について、吸光度を測定して試料中の DNA量を測定した 。得られた DNA量を、既知の各菌体のゲノム DNA量と比較することにより、試料中 のゲノム DNA量(ゲノムコピー数)を決定した。 108コピー Z β Lのゲノム DNAが得ら れた。
[0311] 次いで 10mM Tris- HC1緩衝液、 pH8.9を用いて DNA試料を 105, 104, 103, 102, 10, 5, 2コピー/ Lの希釈系列に希釈したものを調製し、 PCR用 DNA試料とした。
[0312] 4)リアルタイム PCR
上記 1)で調製したフォワードプライマーとリバースプライマーを用い、下記の通りリ アルタイム PCRを行つた。
[0313] 即ち、一次候補クローンひとつ力 設計されたフォワードプライマー及びリバースプ ライマー各 1 μ Μ、 195ηΜの上記 (2)で調製した蛍光標識プローブ、 1.5mM MgCl 、 80
2 mM KC1、 500 μ g/mL BSAゝ 0.1%コール酸ナトリウム、 0.1%TritonX- 100、夫々 0.2mM の dATP、 dCTP、 dGTP、 dTTP及び Taq DNAポリメラーゼ((株) -ツボン'ジーン製) 40 単位/ mLを含有する 10mM Tris-HCl緩衝液 (pH8.9)を調製し、反応液とした。
[0314] 反応液 20 μ Lに各希釈系列の DNA試料 1 μ Lをカ卩えたものを PCR用試料とし、こ れを 96穴反応プレート(マイクロアンプ'ォプチカル · 96ゥエル'リアクション 'プレー ト、アプライドバイオシステムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 TaqMan™ PCR専用 サーマルサイクラ一.検出器 (ABI7500、アプライドバイォシステムズジャパン社製)を 用いてリアルタイム PCRを行った。反応は、 95°Cで 10分間保温の後、 95°Cで 15秒間 、 60°Cで 1分間の反応を 50サイクル繰り返し、 1サイクル毎にレポーター色素の発光 量を測定した。尚、発光量は、測定に用いたサーマルサイクラ一の、測定に供した 96 穴反応プレート 1プレート毎に相対的な蛍光強度比を数値ィ匕する機能を用いて求め た。
[0315] 尚、ひとつの一次候補クローン毎に、それぞれその塩基配列を本に設計されたフォ ワードプライマー及びリバースプライマーを用い、 M.イントラセノレラーレ由来 DNA試 料、マイコバクテリゥム属菌体由来 DNA試料 18種、及び大腸菌 DNA由来試料を夫 々铸型として 96穴反応プレートを用いて、夫々のリアルタイム PCRを一度に行った。
[0316] 5)二次スクリーニング
上記 4)で得られたリアルタイム PCRの結果から、 M.イントラセルラーレのゲノム由来 DNAを铸型として用いたリアルタイム PCRでは増幅産物が得られ、その他の菌体由 来ゲノム DNA (対照)を铸型として用いたリアルタイム PCRでは増幅産物が得られな 力つたプライマーの組合せを選択した。そして、そのプライマーの組合せを設計した 候補クローンを、最終的な M.イントラセルラーレに特異的な候補クローンとして選択し た。
[0317] 選択された候補クローンは、以下の 8クローンである。尚、特に記載しない限り、以 下、一次スクリーニングで選択された候補クローンを「一次候補クローン」と呼び、二 次スクリーニングで最終的に選択された候補クローンを、単に「候補クローンと」呼ぶ o )
'候補クローン 1:配列番号 1で表されるヌクレオチド配列を持つ 667塩基のオリゴヌ クレオチド
•候補クローン 2:配列番号 2で表されるヌクレオチド配列を持つ 1129塩基のオリゴ ヌクレ才チド
'候補クローン 3:配列番号 3で表されるヌクレオチド配列を持つ 1003塩基のオリゴ ヌクレ才チド
'候補クローン 4:配列番号 4で表されるヌクレオチド配列を持つ 748塩基のオリゴヌ クレオチド
'候補クローン 5:配列番号 5で表されるヌクレオチド配列を持つ 619塩基のオリゴヌ クレオチド
'候補クローン 6:配列番号 6で表されるヌクレオチド配列を持つ 511塩基のオリゴヌ クレオチド
'候補クローン 7:配列番号 7で表されるヌクレオチド配列を持つ 1006塩基のオリゴ ヌクレ才チド
'候補クローン 8:配列番号 8で表されるヌクレオチド配列を持つ 702塩基のオリゴヌ クレオチド
[0318] 実施例 1.候補クローンの M.イントラセルラーレ特異性評価
実験例 1で得られた候補 8クローンについて PCR増幅系を利用した評価実験を実 施し、これらの候補クローン力 遺伝子増幅検出系を用いた M.イントラセルラーレの 特異的検出系に利用できるかどうかを調べた。
(1) PCRプライマーの合成
まず、決定された候補クローン 1のシークェンス (塩基配列)の解析結果に基づき、 プライマーデザイン用の Webツール Primer3(Whitehead Institute for Biomedical Rese arch.)を用いて PCR増幅検出のためのプライマー配列、即ち「5'- GTTCAGCAGATC GTCGTAGG-3'J (配列番号 9)及び「5'- CTCTTGACGAGGCAAAACAT- 3'」(配列 番号 10)のオリゴヌクレオチドを設計した。以下、配列番号 9で表される塩基配列のプ ライマーを「02_Fwl」、配列番号 10で表される塩基配列のプライマーを「02_Rvl」とい
[0319] 次いで、 ABI社 DNAシンセサイザー 392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、設 計したオリゴヌクレオチドを合成した。合成手法は ABI社マニュアルに従い、各種オリ ゴヌクレオチドの脱保護はオリゴヌクレオチドのアンモニア水溶液を 55°Cで一夜加熱 することにより実施した。次 、でフアルマシア社製 FPLCを用いた陰イオン交換カラム
クロマトグラフィーにより、合成オリゴヌクレオチドを精製した。
[0320] (2)試料の調製
Escherichia coli (E. coli、大腸菌)(ATCC11775)、及び 18種のマイコバクテリゥム 属細菌、即ち Mycobacterium tuberculosis (マイコバクテリゥム 'ッベルクローシス、ヒト 型結核菌) (TMC102[H37Rv])、 M.イントラセルラーレ(ATCC13950)、 Mvcobacteriu m kansasii (マイコバクテリゥム.カンサシ) (ATCC12478)、 Mycobacterium marinum (マ ィコバタテリゥム.マリナム)(ATCC927)、 Mycobacterium simiae (マイコバクテリゥム' シミアェ) (ATCC25275) , Mycobacterium scrofiilaceum (マイコバクテリゥム 'スクロフ ラセゥム) (ATCC 19981) , Mycobacterium gordonae (マイコバクテリゥム 'ゴルドネア) ( ATCC 14470) . Mycobacterium szukai (マイコバクテリゥム ·スズルガイ) (ATCC35799 )、 Mycobacterium avium (マイコバクテリゥム ·アビゥム) (ATCC25291)、 Mvcobacteriu m gastri (マイコバクテリゥム ·ガストリ) (ATCC15754)、 Mycobacterium xenoDi (マイコ ノ クテリゥム.ゼノピ) (ATCC19250) , Mycobacterium nonchromogenicum (マイコノ ク テリゥム 'ノンクロモゲ-カム) (ATCC19530)、 Mycobacterium terrae (マイコバクテリウ ム'テレ) (ATCC15755) . Mycobacterium triviale (マイコバクテリゥム 'トリビアレ) (AT CC23292) . Mycobacterium fortuitum (マイコバクテリゥム ·フォーチユイタム) (ATCC6 841)、 Mycobacterium chelonei (マイコバクテリゥム ·セロネィ) (ATCC35752)、 Mvcob acterium abscessus (マイコバクテリゥム ·ァプセッサス) (ATCC 19977)、 Mvcobacteriu m peregrinum (マイコバクテリゥム ·ペレグリナム) (ATCC14467)を用い、下記の方法 で DNAを抽出.精製し、 DNA試料を得た。
[0321] まず、 Mycobacterium tuberculosisは、 Mycos Research, LLCから精製ゲノム DNA を入手し、それを精製 DNAとして用いた。
[0322] それ以外の細菌につ!、ては、 American Type Culture Collection (ATCC)から菌株 を入手し、下記の方法で DNAを抽出 '精製した。細菌はいずれも臨床分離株であり 、培養後、コロニーの形状や従来の各種生化学的試験などによって菌種がすでに鑑 別されているものである。
[0323] すなわち、マイコバクテリゥム(Mycobacterium)属細菌については、まず、小川培地 上のコロニーを精製水に懸濁し、オートクレープ処理(120°C ' 2気圧、 20分)した。
次 ヽで菌体を粉砕処理 (直径 2mmガラスビーズによる物理的破砕)した後、遠心分離 し、上清を得た。得られた上清から、(株)キアゲン製のイオン交換榭脂タイプ DNA抽 出精製キット Genomic-tipを用いて DNAの抽出、精製を行った。
[0324] また、大腸菌については、大腸菌の DNA抽出方法の常法に従い、 DNAを抽出、 精製した。
[0325] 得られたそれぞれの精製 DNAを、最終 IngZ μ L (10mM Tris- HC1緩衝液、 pH8.9
)になるように調製し、 DNA試料とした。
[0326] 得られた精製 DNAを、最終 IngZ μ L (10mM Tris- HC1緩衝液、 pH8.9)になるよう に調製し、 DNA試料とした。
[0327] (3) PCR
候補クローンの塩基配列 (配列番号 1)をもとに、上記 (1)で設計、合成したプライマ 一 02_Fwl及び 02_Rvlを用い、下記の通り PCRを行った。尚、候補クローン 1の塩基 配列上の、各プライマー 02_Fwl及びプライマー 02_Rvlの持つ塩基配列の存在位置 は図 1に示した通りである。
[0328] 1) PCR用反応液の調製
上記 (1)で得られたプライマー 02_Fwl及びプライマー 02_Rvlを各 300nM、発色試薬 として SYBR™ Green I (Molecular Probe社商品名)を原液の 30倍希釈、 1.5mM MgCl
2
、 80mM KC1、 500 μ g/mL BSAゝ 0.1%コール酸ナトリウム、 0.1% TritonX- 100、 dATP 、 dCTP、 dGTP、 dTTPを各 0.2mM、及び Taq DNAポリメラーゼ(-ツボンジーン製) 40 単位/ mLを含有する 10mM Tris- HCl(pH8.9)を調製し、 PCR用反応液とした。
[0329] 2)リアルタイム PCR
PCRにおける増幅ターゲットとなる铸型 DNAとして、上記 (2)で調製したマイコバク テリゥム属細菌由来又は大腸菌由来の DNA試料を用い、以下の方法で、インター力 レーシヨン法での定量モニタリングによる検討評価を行った。
[0330] まず、上記 (3)1)で調製した PCR用反応液 20 L〖こ、前記 (2)で調製した DN A試料 1 1^ ( ^§)を添カ卩して!3じ1^用試料とした。この PCR用試料を、 96穴反応プレート( マイクロアンプ ·ォプチカノレ · 96ウエノレ ·リアクション ·プレート、アプライドバイオシステ ムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 TaqMan™ PCR専用サーマルサイクラ一'検出
器 (ABI 7500、アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いてリアルタイム PCR を行った。反応は、 95°Cで 10分間保温の後、 95°Cで 15秒間、 60°Cで 1分間の反 応を 40サイクル繰り返し、増幅産物に対してインターカレーシヨンする SYBR™ Green Iの蛍光量を測定した。
[0331] (4)融解曲線解析
各 DNA試料に対して各々増幅されてきた産物について、横軸をプライマー伸長産 物(2本鎖 DNA)の解離温度、縦軸に蛍光量の 1次微分 (変化量)をとり、融解曲線を 作成し、ピークの検出を行った。
[0332] (5)結果
各 DNA試料について得られた融解曲線解析の結果を 1つのグラフにまとめて、図 9に示す。
[0333] 図 9の結果から明らかな如ぐ本発明のプライマー 02_Fwl、及びプライマー 02_Rvl を用いて、 SYBR Green I存在下で増幅された核酸の融解曲線解析を行った結果、 M .イントラセルラーレ由来の DNA試料を铸型として用いた場合のみに、核酸増幅の結 果生じる蛍光シグナルが確認でき(図 1 :M.intraccellulare)、陽性と判定できた。
[0334] これに対し、図 9から明らかな如ぐ M.イントラセルラーレ以外のマイコバクテリゥム 属細菌や他の属の細菌である大腸菌由来の DNAを铸型として用いて、同じプライマ 一の組合せを用いて同様にリアルタイム PCRを行った場合には、該当する蛍光シグ ナルが確認できず(図 9 : other species)、すべて陰性と判定できた。
[0335] 更に、図 9から明らかな如ぐ M.イントラセルラーレ由来の DNA試料を铸型として用 いた場合の融解曲線解析の結果、単一の明瞭なピークが得られたことから、行った 検出系は、 M.イントラセルラーレに極めて特異性の高い、検出方法であることが分か る。
[0336] 以上のことから、本発明のオリゴヌクレオチドをプライマーとして PCRに用いることに より、 M.イントラセルラーレを特異的に検出することが出来ることが判る。また、 PCR などの核酸増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する必要がなく 、臨床材料をそのまま検出に用いることが可能であるため、従来の細菌を培養してか ら検出する方法では培養に数週間力かっていた M.イントラセルラーレの検出を、長く
ても 1日以内に終わらせることができる。
[0337] 実施例 2.候補クローンの M.イントラセルラーレの検出感度の検定
( 1) M.イントラセルラーレ検出用 PCRプライマーの合成
実施例 1 (1)と同じ機器を用い、同様の操作でプライマー 02_Fwl、及びプライマー 0 2_Rvlを合成した。
[0338] (2) M.イントラセルラーレ検出用プローブの作製
02_Fwl及び 02_Rvlをプライマーとして用いた PCRで増幅されると予測される配列番 号 139の塩基配列(155塩基)から、プローブとして利用するための配列「5'-ATACG TGCCCAGAAGCTCTACCGAGAT-3'Jを設計し、この配列のオリゴヌクレオチドを合 成した(配列番号 204。この配列を持つオリゴヌクレオチドプローブを、以下、 INT02— F1R1_FAMTAMと記載する。;)。このオリゴヌクレオチドの 5'末端にレポーター色素 FA Mを、 3'末端にレポーター消光体の TAMRAを結合し、標識オリゴヌクレオチドプロ一 ブ(TaqMan™フルオレセント .プローブ、アプライドバイオシステムズジャパン社製)を 得た。
[0339] (3) PCR用 DNA試料の調製
実験例 1(1)で調製した M.イントラセルラーレ力 得られた M.イントラセルラーレ由来 DNA試料について、吸光度を測定して試料中の DNA量を測定した。得られた DN A量を、既知の M.イントラセルラーレのゲノム DNA量と比較することにより、試料中の ゲノム DNA量(ゲノムコピー数)を決定した。 108コピー Z μ Lのゲノム DNAが得られ た。
[0340] 次いで 10mM Tris- HC1緩衝液、 pH8.9を用いて DNA試料を 105, 104, 103, 102, 10, 5, 2コピー/ Lの希釈系列に希釈したものを調製し、 PCR用 DNA試料とした。
[0341] (4)リアルタイム PCR
上記 (1)で調製した 02_Fwlをフォワードプライマーとして、 02_Rvlをリバースプライマ 一として用い、下記の通りリアルタイム PCRを行った。
[0342] 即ち、各 1 μ Μのプライマー 02_Fwl、及びプライマー 02_Rvl、 195nMの上記 (2)で調 製した蛍光標識プローブ INT02 F1R1 FAMTAM, 1.5mM MgCl 、 80mM KC1、 500
2
μ g/mL BSAゝ 0.1%コール酸ナトリウム、 0.1%TritonX- 100、夫々 0.2mMの dATP、 dC
TP、 dGTP、 dTTP及び Taq DNAポリメラーゼ((株)二ツボン'ジーン製) 40単位/ mLを 含有する 10mM Tris-HCl緩衝液 (pH8.9)を調製し、反応液とした。
[0343] 反応液 20 μ Lに各希釈系列の DNA試料 1 μ Lをカ卩えたものを PCR用試料とし、こ れを 96穴反応プレート(マイクロアンプ'ォプチカル · 96ゥエル'リアクション 'プレー ト、アプライドバイオシステムズジャパン社製)のゥエルに入れ、 TaqMan™ PCR専用 サーマルサイクラ一.検出器 (ABI7500、アプライドバイォシステムズジャパン社製)を 用いてリアルタイム PCRを行った。反応は、 95°Cで 10分間保温の後、 95°Cで 15秒間 、 60°Cで 1分間の反応を 50サイクル繰り返し、 1サイクル毎にレポーター色素の発光 量を測定した。尚、発光量は、測定に用いたサーマルサイクラ一の、測定に供した 96 穴反応プレート 1プレート毎に相対的な蛍光強度比を数値ィ匕する機能を用いて求め た。
[0344] (5)結果
得られた実験データから、リアルタイム PCR法にぉ 、て行われて 、る常法に従って 、検量線を作成した。
[0345] 即ち、各 PCR用 DNA試料毎に、 PCRのサイクル数(x軸)に対するレポーター色素 の発光量 (Rn、 y柳をプロットした増幅曲線を作成した。次いで、発光量が指数関数 的に増幅している Rn部を選択し、 Threshold line (Th)を引いた。 Thと各 PCR用 DNA 試料の発光量が交差した点を Threshold cycle (Ct)値とした。次いで用いた各 PCR 用 DNA試料のゲノムのコピー数 (X軸、対数値)に対する Ct値 (y軸)をプロットし、各 C tに対して得られた近似曲線を検量線とした。得られた検量線を図 10に示す。
[0346] y= - 3.825x+ 38.78
R2=0.996
以上のことより、リアルタイム PCRで発光が検出されたことから、本発明のオリゴヌク レオチドをプライマーとして用い、その増幅領域となる配列力 標識プローブを設計 し、リアルタイム PCRを行う事で M.イントラセルラーレが検出できることが判った。
[0347] また、検量線が作成できたことより、本発明のプライマー及びプローブを用いたリア ルタイム PCR法によれば、 M.イントラセルラーレの定量が可能であることが判った。更 に、図 10より、本発明のプライマー及びプローブを用いたリアルタイム PCR法では、
M.イントラセルラーレのゲノム DNAが初期量として 2コピー存在する条件でも M.イント ラセルラーレの検出が可能である事がわかる。
[0348] 更に、リアルタイム PCR法を利用した場合では、この蛍光強度をリアルタイムでモ- タリングするので、铸型 DNAの初期量を正確に定量することができ、 M.イントラセル ラーレの検出に有効である。
産業上の利用可能性
[0349] 本発明のプライマー又は Z及びプローブを用いた M.イントラセルラーレの検出方法 によれば、従来の菌の培養検査等により菌種を同定する方法と比較して、はるかに 迅速且つ高精度に、 M.イントラセルラーレの検出を行うことができる。また、本発明の 検出方法で M.イントラセルラーレの検出を行うことにより、従来のプライマー又は Z及 びプローブを用いた PCR法による診断方法に比較して、診断上の偽陽性が排除可 能となり、より高精度に M.イントラセルラーレの検出及び診断を行うことができる。更に 、本発明の検出方法を用いることにより、 M.イントラセルラーレ菌体の定量も行うことも できるという効果を奏する。