WO2007126079A1

WO2007126079A1 - 立体デザインを有する袋

Info

Publication number: WO2007126079A1
Application number: PCT/JP2007/059245
Authority: WO
Inventors: Yukio Nakagawa; Yoshio Iwasaki; Taro Hijikata
Original assignee: Ishida Co., Ltd.
Priority date: 2006-04-28
Filing date: 2007-04-27
Publication date: 2007-11-08
Also published as: EP2014564A1; JPWO2007126079A1; AU2007244228A1; BRPI0710879A2; US20090035496A1

Abstract

　基材層１３およびシーラント層１２を有する積層フィルム１１を、縦方向および横方向にシールして形成された、正面と背面とを設けた袋１０において、前記袋の正面及び背面の少なくともいずれかの面に、成形型により成形された立体デザインが形成されていることを特徴とする。具体的手段としては、積層フィルム１１の内側面に補強シート１４を設けたり、積層フィルム１１の外側面に、立体デザイン用シート１５を設けたりすることで、形状維持性が高まったフィルムに対し、成形型によって立体デザインを付与する方法や、成形型により予め立体デザインが形成されている立体シート１６を、ホットメルト接着剤１６Ａなどで積層フィルム１１の外側面に積層する方法などがある。

Description

明細書

立体デザインを有する袋

技術分野

[0001] 本発明は、立体デザインを有する袋に関する。更に詳細には、包装袋用の積層フィルムによって形成される、ポテトチップスなどのスナック食品やビスケットなどの菓子の包装袋に、立体的デザインを付与する技術に関する。

背景技術

[0002] ポテトチップス等のスナック食品やビスケット等の菓子類は、これらの食品が製造される工場で、縦ピロ一または横ピロ一型の製袋包装機により、プラスチック製の積層フィルム力ゝら袋を形成しながら、この袋に充填されて出荷され、スーパーマーケット等の店舗にぉ、て販売されて、る。

[0003] 包装袋の正面や背面には、商品名、食品の成分表、賞味期限、製造メーカ名等の商品に関する基本的な情報を始め、製造メーカが消費者の購買意欲を喚起するための情報等が印刷されている。消費者は、商品の包装袋、この包装袋に印刷された情報等を見て、購入の可否を判断している。したがって、包装袋の印刷は消費者の購入判断に大きな影響を与えるので、食品製造各社は消費者の目にとまるように、印刷デザインに力を注、で、る。

[0004] 通常、袋を形成する積層フィルムは、基本的には、シーラント層、バリア層、及び基材層が積層されて形成されており、それぞれの層が、袋に必要な異なる機能をそれぞれ分担している。シーラント層は、袋形成のためにヒートシールを可能にする。バリァ層は、一般的に、アルミニウムまたは酸ィ匕アルミニウムまたは酸ィ匕ケィ素等のセラミック蒸着層、エチレン 'ビュルアルコール共重合体榭脂層、還元鉄等を含む酸素吸収層から構成され、水、酸素に対して内部の食品を保護する。最後に基材層は袋に機械的性質を与えている。

[0005] この積層フィルムは、フィルムロール力包装機に供給され、包装袋が形成される。

包装機の一例として、図 10に縦型製袋包装機を示した。縦型製袋包装機 20は、平たい積層フィルム 11を受入れて、筒状に成形するためのフォーマ 23を有し、該フォ一マ 23は、ショルダー部 23aおよび筒状部 23bを有している。

積層フィルム 11は、プルダウンベルト 24cで搬送されながら、フォーマ 23のショルダ一部 23aから筒状部 23bに沿って走行する過程で、筒状に成形され、フィルムの走行方向（縦方向）の両端面が重ねられながら、縦シール機構 21により縦シールが形成される。ついで、フォーマ 23の筒状部 23bの内側空洞を通じて、筒状の積層フィルム 11の中に投入された食品 Cが充填されながら、袋長さに応じた間隔で、走行方向に対して直角方向に、横シール機構 22により横シールが行われ、切断されて袋が形成される。上記のようなプロセスで包装袋が形成されるため、積層フィルム 11のフォ一マ 23側の面には、シーラント層が設けられ、フォーマ 23に対して外側となる面には基材層が設けられている。またシーラント層と基材層との間には、ノリア層が置かれている。

[0006] このような基本構成を有する積層フィルムにおいて、印刷層は、商店で消費者に見られるようにするために、通常、袋の表面、基材層の外側にあるか、基材層（透明）とノリア層（不透明）との間に設けられている。し力しながら、印刷はカラーにより多様ィ匕されていても、あくまでも平面的であり、消費者に与える印象としては不十分であった

[0007] 印刷を立体的に行う例としては、袋に点字表示を行う例 (特許文献 1)があるが、副次的な表示にとどまり、消費者に強い印象を与える立体デザインを行って、商品の差別化を図ることが望まれる。

特許文献 1：特開平 11 292091号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] したがって、本発明の課題は、消費者に商品を訴求することができるように、食品等を包装する、積層フィルムから形成された包装袋に、立体的なデザインを形成することであり、そのような立体的なデザインを有する袋を提供することである。

課題を解決するための手段

[0009] 上記課題を解決するため、基材層およびシーラント層を有する積層フィルムを、縦方向および横方向にシールして形成された、正面と背面とを設けた袋において、本発明では、前記包装袋の正面及び背面の少なくともいずれかの面に、成形型により成形された立体デザインが形成されていることを最も主要な特徴とする。

[0010] 具体的手段としては、積層フィルムの内側面 (シーラント層側）に補強シートを設けたり、積層フィルムの外側面 (基材層側）に、立体デザイン用シートを設けたりすることで、形状維持性を高めたフィルムに対し、成形型によって立体デザインを付与する方法や、成形型により予め立体デザインが形成されている立体シートを、積層フィルムの外側面に積層する方法などがある。また、立体デザインの長期間維持に加え、デザイン性向上の観点から、前記立体デザイン用シートを用いる方法の場合、該立体デザイン用シートの材料としては、微細な凹凸により伸び特性が付与された紙を含むものであることが好ましい。

[0011] また付与された立体デザインを長期間維持するために、前記積層フィルムのうち、前記立体デザインが形成される範囲を含み、かつ前記シールされる範囲を除、た範囲において、前記包装フィルムの内側面に、補強シートを積層することが好ましい。発明の効果

[0012] 本発明にかかる包装袋は、その外側表面の所定位置に、成形型により成形されることで、立体感に富んだ立体形状が保有されて立体的なデザインが形成されて、るので、消費者の目に付きやすぐ商品のアピール効果が大きぐ商品の宣伝効果を高めることができる。

[0013] 更に、本発明において、立体デザインが形成される面における前記積層フィルムの内側面に、補強シートが積層された様態であれば、成形型による立体デザイン形成に際し、ー且型つけした立体デザインは、積層フィルムの復元力に抗して、該立体デザインの付与された状態を長期間維持し続けることができる。また成形型による立体成形時において、積層フィルムに傷がつきに《なり、包装袋としての密閉性に影響を及ぼすことがない。更に、かかる補強シートは、外側表面からは隠れた内側面 (シ一ラント層側）に設けられるので、外側表面のデザインをそのまま維持することができる。また補強シートを横シール部位及び縦シール部位を除、た位置に設けることで、包装袋としての密閉性にも影響を与えない

[0014] 更に、本発明において、微細な凹凸の付与により伸び特性が付与された紙を基材

o

層側に積層し、立体デザインを付与すれば、この紙基材上に、真空成形、圧空成形、プ〇レス成形またはエンボス成形することにより、一層明確な立体的デザインが形成されて、るので、消費者に与える効果は非常に大き!/、。

図面の簡単な説明

015] [図 1A]本発明の袋の構成を示す概略断面図である。

[図 1B]本発明の他の袋の構成を示す概略断面図である。

[図 2]本発明の他の袋の構成を示す概略断面図である。

[図 3]本発明の他の袋の構成を示す概略断面図である。

[図 4A]成形型を組み込んだ製袋包装機の上方向カゝら見た概略断面図である。

[図 4B]成形型を組み込んだ製袋包装機の横方向力見た概略図である。

[図 5]本発明で用いる成形型の一例を示す概略図である。

[図 6]補強シートを貼り付けるヒータプレートの概略図である。

[図 7]立体シートを貼り付ける貼り付け機構の要部概略図である。

[図 8A]貼り付け機構を組み込んだ製袋包装機の横方向カゝら見た概略図である。

[図 8B]図 8Aにおける X— X'断面図である。

[図 9]本発明の包装袋の外観を示す概略図である。

[図 10]包装袋製造に用いられる一般的な縦型製袋包装機の概略図である。

符号の説明

立体デザインを有する袋

11 積層フィルム

12 シーラント層

13 基材層

14 補強シート

15 立体デザイン用シート

16 立体シート

16A ホットメルト接着剤

17 バリア層

18 接着剤 19 印刷層

20 製袋包装機

21 縦シール機構

22 横シール機構

23 フォーマ

23a ショノレダ一部

23b 筒状部

24 プルダウン装置

24a, 24b ローラ

24c ベノレト

25, 25' ヒータプレート

26A 成形型の雄型

26B 成形型の雌型

26C 成形型のブロア

27A 貼り付け装置

27B 移動機構

27C センサー

27D 制御機構

27E 噴霧装置

30 立体デザイン

発明を実施するための最良の形態

(シーラント層）

シーラント層 12は、低融点（160°C以下、好ましくは 120°C以下)で溶融することが好まし、ことから、本発明にお、て用いられる積層フィルム 11のシーラント層 12にも、常法により、無延伸ポリプロピレン (CPP)が用いられるが、ヒートシーラブルニ軸延伸ポリプロピレン（OPH)を用いることもできる。無延伸ポリプロピレンおよびヒートシーラブル 2軸延伸ポリプロピレンのヒートシーラブル層は、低融点で溶融することができるように、プロピレンと他のォレフィン（エチレン、ブテン等）との共重合体で形成されたり、無延伸または二軸延伸ポリプロピレン上に低密度ポリエチレン (メタ口セン触媒で重合した直鎖低密度ポリエチレン等）、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む層が形成されることが好ましい。また、シーラント層 12は、ポリオレフインだけでなぐ低融点ポリェステルで形成されていてもよい。低融点ポリエステルとしては、イーストマンコダック社のエチレンテレフタレートとシクロへキサンジオールとの共重合ポリエステルが挙げられる。

また、シーラント層 12フィルムとして、上述の低融点ポリマーに、高融点ポリマー（二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエステル）をラミネートしたものを用いてもよい。力かるシーラント層 12の厚みとしては、 20〜50 μ mが好まし!/、。

[0018] (バリア層）

前述のように、本発明において用いられる積層フィルム 11には、アルミ、鉄、マグネシゥムなどの金属、酸ィ匕ケィ素などのセラミックなどを蒸着して形成された通常のバリァ層 17を有するのが好ましい。ノリア層 17の厚みとしては、光線遮断性と酸素'水蒸気遮断性から 300A以上が好ましぐ 300〜1500Aの範囲で選択される。この蒸着などの方法で形成されるノリア層 17は、シーラント層 12の基材層側の面、または基材層 13のシーラント層側の面の、いずれかの面に形成することができる。ノリア層 17 をシーラント層の面に形成する場合、シーラント層 12に用いる材料としては、低融点ポリマーにこれよりも融点の高いポリマー層をラミネートして、前記高融点のポリマー層側に、蒸着などの方法で、ノリア層 17を形成することが好ましい。

また、バリア層 17を上記のような蒸着層ではなぐまた蒸着層と組み合わせて、ェチレンビュルアルコールフィルム、還元鉄やコバルトを含むフィルムで形成してもよ!/、。

[0019] (基材層）

基材層 13は、袋 10を形成する主体となることから、引張強度が高ぐ適度な硬さを有し、袋形成時のヒートシールに耐える耐熱性があることが要求され、また低コストでなければならないから、二軸延伸ポリプロピレンフィルム（OPP)、二軸延伸ポリエステルフィルムにより構成することが好ましい。なお、袋 10の外面にも、ヒートシール性が求められる場合には、前記 OPPフィルムや二軸延伸ポリエステルフィルムの外面に、更にシーラント層を形成する力ヒートシーラブルニ軸延伸ポリプロピレンフィルム（0 PH)、ヒートシーラブルニ軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられる。基材層の厚みとしては、 15〜50 μ mの範囲が好ましい。

[0020] (接着剤）

前記シーラント層 12と前記基材層 13を積層させると積層フィルム 11となる。積層の方法としては、接着剤を介して積層を行なうドライラミネートや、両層の間にポリエチレンを 10〜30 μ m程度の薄さで押出しながら積層を行なうサンドイッチラミネートを挙げることができる。積層に用いる接着剤 18としては、ポリエーテル/ポリウレタンを主成分とする 2液溶液型、芳香族ポリエーテル系、芳香族ポリエステル系、脂肪族ポリエステル系、脂肪族ポリウレタン系、脂肪族ポリエーテル系のポリマーを溶剤に溶かした接着剤、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンメタアタリレート共重合体、ェチレンアタリレート共重合体等の熱溶融型の接着剤 18を用いることができる。

[0021] (積層フィルムの基本構成）

本発明の袋 10を構成する積層フィルム 11に最低具備される基本構成は、前述のとおり、内側面のシーラント層 12と、外側表面の基材層 13である。更に袋 10の密閉性を向上させるには、前記シーラント層 12と基材層 13の間に、前記バリア層 17を設けることが好ましい。

なお、更に商業的には、例えば前記袋 10の最外側層など、袋 10の外側から見える位置に、印刷層 19が設けられる。

[0022] (立体デザインを付与するための構成要素）

しカゝしながら、上記基本構成のみカゝらなる積層フィルム 11を用いて製造された袋 1 0の表面に、成形型による型押しを行って、立体的なデザイン修飾を施そうとした場合、前記積層フィルム 11の厚みが薄いため、型押ししてもこれによる立体的な修飾効果はほとんど期待できない。カロえて袋 10には、その性質上、表面に施される立体的装飾に強い形態維持性が求められる。

そこで本発明の袋 10では、前記積層フィルム 11の基本構成に加え、下記の付カロ的要素の、ずれかが積層などの方法によって付加されることが好まし、。

まず、前記積層フィルム 11のシーラント層 12の更に内側に、補強シート 14を積層した上で、前記補強シート 14とともに積層フィルム 11に、成形型によって立体デザインを付与することが好ましい。

或いは、前記積層フィルム 11の基材層 13側に、立体デザイン用シート 15を積層した上で、前記立体デザイン用シート 15とともに積層フィルム 11に、成形型によって立体デザインを付与してもよ、。

或いは、成形型によって立体デザインが形成された、立体シート 16を前記基材層 1 3の外側表面側に、更に積層させてもよい。

[0023] (補強シート）

本発明の積層フィルム 11は、上記積層フィルム 11の基本構成にカ卩え、更に内側面 (シーラント層側）に補強シート 14が積層されることが好ましい。補強シート 14は、袋 1 0に立体デザイン修飾を施すために、立体的なデザインが施される部分の積層フィルム 11を裏面力も補強する層である。本発明で用いる補強シート 14では、常温では強い形状維持性を有し、かつ軽量である材料として、熱可塑性のある材料を選択する。すなわち、積層フィルム 11の型押しに際し、加熱することで、容易に立体デザイン装飾を付与できる一方、常温まで冷却すれば、その立体デザインは、比較的強い形態維持性を有する。

[0024] 具体的な材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性榭脂を挙げることができる。また、補強シート 14の厚みとしては 30〜200 /ζ πιが好ましい。補強シートが薄すぎると包装袋表面に立体的装飾を付与する効果が十分ではなぐ一方、補強シートが厚すぎると、補強シート 14が積層フィルム 11に部分的に形成されるため、積層フィルム 11を管状に成形しに《なり、工程通過性に支障がでやすい。

[0025] 補強シート 14は、一般的な構成の積層フィルム 11に接着剤などで貼付することにより積層させることができる。しかし、積層フィルム 11の全面に渡って補強シートを貼付すると、積層フィルム 11を縦シール及び横シールすることが困難になるため採用できない。すなわち、袋の縦シール及び横シールが行われる部位には、内側の最表面にシーラント層 12が設けられている必要がある。そこで本発明では、補強シート 14 を設ける場合には、前記積層フィルム 11のうち、前記立体デザインが形成される範囲を含み、かつ前記シールされる範囲を除いた範囲において、積層するものとする。言い換えれば、本発明の袋 10に対する立体デザインは、袋 10の外側表面のうち、対応する内側面に補強シート 14が積層されている範囲における所定箇所にて行われることが好ましい。

[0026] 積層フィルム 11に補強シート 14を設けた場合の、本発明の袋の構成の一例の概略断面図を図 1 A及び図 1Bに示す。図 1Aに示された袋 10の層構成では、内側から順に補強シート 14/シーラント層 12/接着剤またはポリエチレン層 18/基材層 13 Zバリア層 17Z接着剤 18Z印刷層 19Z基材層 13とヽぅ構成である。

前記以外の構成例として、図 1Bに示す例では、内側から順に補強シート 14Zシーラント層 12Zバリア層 17Z接着剤またはポリエチレン層 18Z印刷層 19Z基材層 13 にて構成されている。ただし、上述のとおり、前記いずれの構成の場合も、縦シール及び横シールを行う位置においては、内側の最表面の層は、シーラント層 12であり、この部分には、補強シートは積層されて、な!/、。

[0027] (立体デザイン用シート）

本発明においては、立体形状を長期間維持できる材質力なる立体デザイン用シ一ト 15を前記積層フィルム 11の基材層側に積層し、前記立体デザイン用シート 15が積層された前記積層フィルム 11に対し、成形型によって立体デザインを形成することが好ましい。なお、立体デザイン用シート 15を用いる場合、積層フィルム 11を形成する前に、基材層 13と立体デザイン用シート 15を予めラミネートしたラミネート物を作製し、当該ラミネート物の基材層側にシーラント層 12を積層することで、立体デザイン用シート 15が積層した積層フィルム 11を作製してもてもよい。

[0028] 立体デザイン用シート 15の材料としては、紙を用いることができる。なかでも微細な凹凸により伸び特性が付与された紙が好ましい。かかる紙は、積層フィルム 11に積層されて用いられることで、袋 10に、強度、硬さ等の機械的性質を与えるとともに、伸縮性を有する紙の優れた加工性から、袋成形過程において、特有の形状の成形型により、包装袋表面に立体的なデザインを容易に形成することができる。カロえて、微細な凹凸により伸び特性が付与された紙は形状維持性が高いので、成形型によって、一旦立体デザインを型づけられた紙は、長期間当該立体デザインを維持しつづけることがでさる。

[0029] 本発明において用いられる微細な凹凸により伸び特性が付与された紙としては、ゴムベルトの収縮を利用してこれを収縮させることにより製造されるクルパック紙、ドクタ一ブレードを用いてプレスロールまたはドライヤーロール上で湿紙を皺付けすることにより製造されるクレープ紙、 1組ローラ間で凝縮して縦横の伸び特性を同時に付与した紙等が挙げられる。かかる紙の更なる詳細は、特許文献 2および 3に開示されている。

特許文献 2：再公表 WO2004Z028802号公報

特許文献 3：特表平 11― 509276号公報

[0030] 前記の性質を有する紙の具体的な入手手段としては、日本製紙グループが製造販売している商品名「wavywavy」を入手することが簡便である。この紙は、 100g/m²で強度 4kNZm、伸び 15%を有するので、単独で立体デザイン用シート 15兼基材層 1 3としての使用可能性も有する力ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムを基材層 13の材料として、当該基材層 13とラミネートして用いることが好ましい。本発明で用いられる伸び特性が与えられた紙基材の立体デザイン用シート 15と前記基材層 13とのラミネート方法については、公知の方法で行うことができ、例えば特許文献 3にも記載されている。本発明において、用いられる紙の秤量としては、 50〜300 g/m²が好ましい。

[0031] 前記立体デザイン用シート 15を設けた場合の、本発明の袋 10の構成の一例の概略断面図を図 2に示す。図 2に示された袋 10の層構造としては、内側から順に、シーラント層 12Z接着剤 18Zバリア層 17Z基材層 13Z立体デザイン用シート 15Z印刷層 19から構成される。なお、図 2に示した様態では、立体デザイン用シート 15と印刷層 19が別の層である様態について示した力立体デザイン用シート 15として、インクジェットで印刷を施した紙を用いた場合、図示した印刷層 19は、図示した立体デザイン用シート 15と一体になる。

[0032] (立体シート）

立体シート 16とは、予め成形型による型押しによって立体デザインが付与されたシートである。立体シート 16は、袋 10の表面で、多少の衝撃を受けた場合でも、その立体デザインを保持できなければならな、から、立体シート 16に用いる材料はある程度の強度を持つ素材が好ましい。具体的には、ポリプロピレン、ポリエステル等の基材層 13で用いる材料と同様の材料で構成することが好ましい。立体シート 16は、前記立体シート 16のうち、立体デザインが施された周囲の部位である、立体デザインが施されていない部位において、前記積層フィルム 11と接着されることで、積層フィルム 1 1と一体ィ匕になった袋 10とすることができる。また立体シート 16の大きさは、袋サイズと袋表面に形成される立体デザインのサイズにより適宜選択される。

本発明の袋 10においては、印刷が施された立体シート 16を用いることもできる。この場合、積層フィルム 11に印刷層を設けることに代えて、印刷が施された立体シート 16を用いることもできるし、積層フィルム 11に印刷層 19を設けるとともに、立体シート 16に印刷を施すこともできる。

[0033] (ホットメルト接着剤）

前記立体シート 16を積層フィルム 11に貼り付けるための接着剤としては、ホットメルト接着剤 16Aを好適に用いることができる。ホットメルト接着剤 16Aとは、加熱することにより液状となり流動性を示し、冷却すると元の固体に戻る特徴を持つ、室温で固形状をなしている熱可塑性ポリマーをベースにした接着剤である。具体的には、ウレタン系反応型ホットメルト接着剤、共重合ポリエステル系ホットメルト接着剤などを好適に用いることができる。

[0034] ホットメルト接着剤 16Aを用いて、積層フィルム 11に、立体シート 16を設けた場合の、本発明の袋 10の構成の一例の概略断面図を図 3に示す。

図 3に示された袋 10の構成では、内側から順に、シーラント層 12Z接着剤またはポリエチレン層 18Z基材層 13Zバリア層 17Z接着剤 18Z基材層 13Zホットメルト接着剤 16AZ立体シート 16という構成である。なお、図 3の概略断面図は、積層フィルム 11に印刷層を設けずに、印刷が施された立体シート 16を設けた様態を示している。

[0035] (印刷層）

印刷層 19は、包装袋の外側表面に、文字や図柄等を施すための層である。印刷層 19はスクリーン印刷法など公知の印刷方法を用いて形成することができる。印刷層 19は、不透明なノリア層 17よりも外側にあることが必要である。印刷層 19をバリア層 17の外側に配置するには、例えば、基材層 13を二層フィルム構成とし、一のフィルムにスクリーン印刷など公知の方法で印刷を施し、一方、他のフィルムに蒸着法などの方法にてノリア層 17を形成して、前記印刷層が外側になるように、両フィルムを積層して基材層 13を形成する方法により行うことができる。

[0036] なお本発明において、積層フィルム 11に立体デザイン用シート 15を積層し、該立体デザイン用シート 15の材料が紙である場合には、別途印刷層を設けなくても、インクジェット法など公知の方法で、当該立体デザイン用シート 15である紙に、容易に印 Jすることちでさる。

[0037] (製袋包装機）

前記の積層フィルム 11から包装袋を形成するために使用する本発明の製袋包装機の一例として、縦ピロ一包装機を例にとって以下説明する。一般的な縦ピロ一包装機の例は図 8に示した。縦ピロ一包装用の製袋包装機は、一般的に、卷ロール (図示せず)から供給される積層フィルム 11を筒状に成形するためのフォーマ 23、筒状に成形された積層フィルム 11を該フォーマ 23に沿わせながら下方に移送するためのプルダウン装置 24、筒状になった前記積層フィルム 11が長さ方向に重なり合う箇所をフォーマ 23上でシールするための縦シール機構 21、および縦シールされた筒状の前記積層フィルム 11を所定間隔で横シールするための一対の横シール機構 22から基本的に構成されて、る。

[0038] (フォーマ、プルダウン装置）

フォーマ 23は、積層フィルム 11を沿わせるガイドであり、曲面を有するショルダー部 23aと、筒状の筒状部 23bとからなる。プルダウン装置 24は、筒状に成形された積層フィルム 11を該フォーマ 23に沿って下方に送るための装置である。プルダウン装置 2 4は、一般的にベルト 24cと該ベルトを駆動する複数のローラ 24a, 24bと力も構成される。

[0039] (縦シール機構、横シール機構）

縦シール機構 21は、筒状に成形された積層フィルム 11の長さ方向端面を重ねあわせてシールを行なうための機構である。縦シール機構 21は、シールを行うために、加熱ベルトまたは加熱ローラを備えているのが一般的である。一方、横シール機構 2 2は、縦シールされた筒状積層フィルムを所定の間隔で横シールするための機構である。本発明では、積層フィルム 11への立体デザイン形成は、成形型 26によって間歇的に行われるほうが実施容易であるので、そのタイミングに合わせて、縦シール機構 21および横シール機構 22によるシール形成も間歇的に行われるほうが工程上好ましい。前記横シール機構 22の一方は、積層フィルム 11を上下に切断するためのナィフを有し、他方は、ナイフを受入れる溝を備え、積層フィルム 11をシールした後、上下に切断して、形成された袋を下に落下させるとともに、次の袋の底部分を形成する (成形型）

本発明の袋の製造に用いる製袋包装機 20では、前記積層フィルム 11に立体デザインを施すために、前記構成に加えて、成形型 26を設ける。

成形型 26は、積層フィルム 11の所定の表面に立体的なデザイン装飾を形成させるためのものである。成形型 26による成形方法としては、プラスチック成型で用いられている真空成形、圧空成形、プレス成形またはエンボス成形のいずれも適用可能である。なかでも、フォーマ 23のショルダー部 23aと筒状部 23bとの間の隙間の通過性から、積層フィルムへの立体的デザイン形成は、筒状部 23bに成形型 26を形成して行われるのが好ましい。

図 4A及び図 4Bには、本発明にお、て用いられる成形型 26を組み込んだ製袋包装機 20の一例を示す。図 4Aは、本発明の包装袋製造のために立体デザイン用の成形型を設けたフォーマ筒状部 23bの上方向力も見た概略断面図であり、図 4Bは、横方向から見た概略図である。通常の製袋包装機 20では、フォーマ 23の前面には、縦シール機構 21があり、フォーマ 23の両側面には、プルダウン装置 24があるため、成形型 26は、図 4 (A)に示したように、フォーマ 23の背面に設けられるのが好ましい。このような配置とすれば、積層フィルム 11の縦シールされる位置を避けて、所定箇所に立体デザインを形成することができる。図 4A及び図 4Bで示されて、るように、成形型 26としては、フォーマの筒状部 23bに雄型 26Aが設けられ、該雄型 26Aに対向する位置に、雌型 26Bが設けられる。雌型 26Bには、ヒータ機能が付与されているものが好ましい。また、雌型 26Bには、雄型 26Aに近接離反するための機構が設けられている。成形型 26は、積層フィルム 11のレジマークを検出しながら、雌型 26Bの動きを制御し、積層フィルム 11の所定位置に立体的デザインを形成する。成形時に、雄型 26Aと雌型 26Bとの間に真空圧を適用するために、ブロア一 26Cが設けられている。また、成形は加熱下で行われることが好ましいため、雌型 26Bには、ヒータが内蔵されて、ることが好まし、。

本発明で用いられる成形型 26の一例を図 5に示す。図 4Aに示されてヽるように、成形型が取り付けられるフォーマの筒状部 23bをフラット面として、該フラット面上に、図 5に示したような雄型 26Aが形成されており、この場合、雌型 26Bもまたフラット面状に型が設けることが工程上容易である。ただし、フォーマの曲面に沿って成形型 2 6を形成することちでさる。

[0041] (補強シートの貼り付け機構）

本発明において、補強シート 14を設ける様態の袋を作成する場合、前記製袋包装機 20には、成形型 26によって積層フィルム 11に立体デザインを付与する前の段階において、積層フィルム 11の基材層側に補強シート 14を貼り付ける、貼り付け機構を具備することが好ましい。

[0042] 図 6には、補強シート 14の貼り付け機構の一例について概略を示した。補強シートの貼り付け機構は、積層フィルム 11に対し、断続的に補強シートを貼り付けるため機構である。積層フィルム 11が製袋包装機 20に供給される前に、積層フィルム 11のシ一ラント層面であって、縦シール、横シールが形成される部分を除ぐ所定の箇所に補強シート 14が積層される力図 6に示した例では、補強シート 14の積層フィルム面に積層される面力ヒートシール性を有するものである。図 6に示すように、補強シート 14は連続フィルムとして、積層フィルム 11上に供給され、積層フィルム 11に積層される領域がミシン目で区分けされ、該区分け部分が図 6に示すようなヒータプレート 25, 25 'を備えた熱プレス機により、積層フィルム 11に積層される。熱プレス機のヒータプレート 25, 25'は、図 5に示すように補強シートの周辺部を積層フィルム 11に固定するものであってもよぐまた全面を固定するものであってもよい。

[0043] また、他の実施態様としては、接着剤層または粘着層を有する補強シートを剥離紙に積層し、所定箇所にスリットをいれて、所定領域を区分けし、剥離紙を取り除きながら、積層フィルムに、接着剤または粘着剤を介して積層するようにしてもよい。

補強シート 14の大きさは、袋サイズと袋表面に形成される立体デザインのサイズにより適宜選択される。また、補強シート 14を貼り付ける位置の位置決めは、積層フィルム 11に印刷されているレジマークを検出しながら、補強シート貼り付け機構をコントローノレすること〖こより行うことができる。

[0044] (貼り付け装置）

或いは、上記のように製袋包装機 20に成形型 26を組み込む替わりに、予め成形型 26を用いて立体形状を付与した立体シート 16を貼り付ける機構を、製袋包装機 2 0に組み込んでもよい。図 7には、この貼り付け機構の要部について概略を示した。図 8A,図 8Bには、製袋包装機 20における貼り付け機構の位置関係を示すため、概略側面図（図 8A)及び図 8Aにおける概略 X— X'断面図（図 8B)を示した。貼り付け機構は、貼り付け装置 27A、移動機構 27B、センサー 27C、制御機構 27D、及び噴霧装置 27Eを具備することが好ま、。

[0045] 貼り付け装置 27Aは、製袋包装機 20のフォーマ 23に対向する位置に配することが好まし、。フォーマ 23に導入されるまでの平面状積層フィルム 11に立体シート 16を貼り付けてしまうと、フォーマ 23に沿って積層フィルム 11が筒状に変形する際に、前記立体的デザインが潰れてしまうなどの弊害が生じやすい。

立体シート 16の貼り付けは間断的に行われるので、貼り付け機構には、貼り付け時に貼り付け装置 27Aがフォーマ面に接近し、貼り付け時以外は、貼り付け装置 27A 力 Sフォーマ面力も離反することのできる移動機構 27Bを設けて、ることが好ま、。

[0046] 立体シート 16の裏面に、シーラント層 12またはホットメルト接着剤 16Aを予め形成して、該立体シート 16を加熱して貼り付けを行う製造方法の場合、貼り付け装置 27A には、積層フィルム 11の所定位置に、立体シート 16を押し付けるとともに、立体シート 16を加熱することのできるヒートプレート（図示せず）を設けることが好ましい。かかるヒートプレートには、加熱機構が内蔵されている。ヒートプレートは、立体シート 16と積層フィルム 11とが接触する前段階においても、立体シート 16と該ヒートプレートと接触することで、該立体シート 16を加熱することができる。その後の積層フィルム 11と接触する時点においては、立体シート 16の裏面に設けたシーラント層またはホットメルト接着剤は十分に接着力を有してヽる状態にあるため、積層フィルム 11と立体シート 1 6の接触時間が短時間であっても、両者を十分一体化させることができる。なお、図 7 において、積層フィルム 11上の黒い面は、立体シート 16が貼り付けられる所定の個所を示している。

[0047] (噴霧装置）

立体シート 16を貼り付ける直前の工程で、溶融したホットメルト接着剤を積層フィルム 11の表面に噴霧し、該ホットメルト接着剤が溶融している間に、立体シート 16を貼り付けて両者を一体化させる製造方法の場合、本発明の製袋包装機 20には、更に溶融したホットメルト接着剤を噴霧するための噴霧装置 27Eを設けることができる。図 7には、噴霧装置 27Eの概略が示されている。図 7における積層フィルム 11上の黒い面は、噴霧装置 27Eによりホットメルト接着剤 16Aが噴き付けられた個所を示している。

噴霧装置 27Eには、ホットメルト接着剤を貯蔵する貯蔵部（図示せず)と、ホットメルト接着剤を溶融する加熱機構 (図示せず)と、溶融したホットメルト接着剤を噴霧するノズル（図示せず)を具備することが好ましい。また噴霧時のみにフォーマ 23面上の積層フィルム 11に接近できるように、貼り付け装置 27Aと同様、移動機構 (図示せず )を設けることもできる。移動機構を設けた場合には、正確な噴霧位置を定めるため、貼り付け機構同様、位置決め機構によって噴霧装置 27Eを制御することもできる。この様態による製造方法では、ホットメルト接着剤は、予め前記貯蔵部内で加熱を受けるため、積層フィルム 11と立体シート 16の接触時間が短時間であっても、両者を十分一体化させることができる。

[0048] (位置決め機構）

位置決め機構は、基本的に、積層フィルム 11のレジマークを検出するセンサー 27 Cと、該センサー 27Cからの信号により、貼り付け装置 27Aを移動させる移動機構 27 Bと、当該移動を制御する制御機構 27Dとから構成される。このような位置決め機構を設けることで、貼り付け装置の動きをコントロールでき、立体シート 16は、正確に積層フィルム 11の所定の位置に貼り付けることができる。レジマークの検出は、フォーマ 23に沿って円筒状の積層フィルム 11に対して行う必要はなぐ図 8Aに示したように、フォーマ 23導入前の平面状の積層フィルム 11に対して行うこともできる。

[0049] (立体デザインを有する袋の製造 1) 前記製袋包装機を用いて、成形型で積層フィルム 11に立体デザインが付与された袋を製造する方法は次のとおりである。まず積層フィルム 11は、該積層フィルム 11が巻かれている供給ロールから、該積層フィルム 11を巻きだしながら、製袋包装機 20 に供給される。積層フィルム 11は、製袋包装機 20のプルダウンベルト 24cにより搬送されてフォーマ 23のショルダー部 23aに向かう。補強シート 14を貼り付ける様態の場合、そこまでの過程において、前記積層フィルム 11は、その内側面に、補強シートの貼り付け機構によって一定間隔で所定の位置に、補強シート 14が貼り付けられる。ただし、このとき後の工程で縦シール及び横シールされる位置には補強シート 14は貼付されない。積層フィルム 11は、続いて製袋包装機 20のフォーマのショルダー部 23 aから筒状部 23bに搬送される過程において、管状に成形され、フォーマ面に沿いながら下方向に移行しつつ、フィルム走行方向にフィルム両端は重ねられ、縦シール機構 21により、縦シールが行われる。縦シールの形式としては、封筒貼り、合掌貼り V、ずれの形式でも可能である。

[0050] フォーマ前面で、積層フィルムに縦シールが行われながら、フォーマ背面では、積層フィルム 11に、該成形型 26により、積層フィルム 11に立体デザインが施される。図 4A及び図 4Bで示した装置に、図 5に示した成形型 26 (26A, 26B, 26C)を使用して成形する場合のフローチャートは、表 1の通りである。

[0051] [表 1]

前述のように、本発明の好ましい実施態様としては、フォーマ 23に設けられている成形型 26は雄型 26Aであり、それに対向する成形型は雌型 26Bである。雌型 26B には、積層フィルム 11を加熱するためのヒータ（図示せず）が内蔵され、成形時に成形型内を真空にするためのブロア一 26C、および雄型 26Aに向かって雌型を前進後退させるための移動機構（図示せず）が備えられて、る。積層フィルム 11がフォーマ 23に供給される過程においてセンサー（図示せず)でレジマークが検出され、該センサ一からの情報に基づいて、立体デザインが形成されるべき積層フィルム 11の位置が特定される。特定された位置にて立体デザインが形成されるように、雌型 26Bが前進するとともに、真空ブロア一 26Cの運転が開始されることにより、成形型 26内が真空にされ、成形される。立体デザイン形成後、ブロア一 26Cの運転は停止し、雌型 26Bは後退する。

[0053] 次に積層フィルム 11は、横シール機構 22により適当な間隔で下端がシールされて、積層フィルム 11上端が開口した未完成の袋に形成されるとともに、品物 Cがフォーマの筒状部 23bの内側空洞を通って、前記未完成の袋の中に供給される。最後に横シール機構 22によって、未完成の袋の上端がシールされるとともに、横シール機構 2 2のナイフによって個別の袋に切り取られると、表面に立体デザインの装飾が施され、かつ品物 Cが密閉充填された袋 10ができあがる。

なお、前記製造方法では、積層フィルム 11の縦シール時に、立体デザインを形成する工程を示した力立体デザインの成形を行った前後に、縦シールを行う工程とすることちでさる。

[0054] (立体デザインを有する袋の製造 2)

立体シート 16を用いて、立体デザインを有する袋 10を製造する方法は、前述の方法とは、多少相違する。積層フィルム 11がフォーマ面に沿いながら下方向に移行しつつ、縦シールされる点は、前記製造方法と共通である。

[0055] 積層フィルム 11が縦シールされるのと平行して、フォーマ 23背面では、立体シート 16の貼り付け機構によって一定間隔で所定の位置に、立体シート 16が貼り付けられる。この際、フォーマ 23背面を貼り付け位置を平面にすることで、失敗のない立体シート 16の貼り付けが可能となる。ただし、このとき後の工程で横シールされる位置には立体シート 16は貼付されない。

積層フィルム 11に立体シート 16を貼り付ける方法としては、立体シート 16の裏面、すなわち積層フィルム 11へ貼り付けを行う側の面に、予めシーラント層またはホットメルト接着剤 16Aを設けた立体シート 16を用いて、この立体シート 16を加熱して張り付ける方法と、図 7に示したような立体シート 16を貼り付ける直前の工程において、積層フィルム 11表面、すなわち立体シート 16へ貼付けを行う側の面の所定位置に、溶融させたホットメルト接着剤を噴霧してホットメルト接着剤 16Aを形成し、該ホットメルト接着剤 16Aが溶融している間に、立体シート 16を貼り付ける方法がある。

積層フィルム 11に貼り付けられる前の立体シート 16は、図 7で示したように、連続シートであって、袋に貼り付けられるシート部分をミシン目で区分けしたものとすることができる。該ミシン目で区分けされた部分が、貼り付け装置 27Aにて力が加えられることにより、ミシン目の部位が破断し、積層フィルム 11の表面に貼り付けられる。

[0056] 立体シート 16の裏面に、シーラント層またはホットメルト接着剤を設ける方法の場合、貼り付け装置 27Aが、立体シート 16のミシン目で区分けした位置を加圧するとともに熱を与え、立体シート 16が積層フィルム 11の所定位置まで移動する間に、立体シート 16裏面のシーラント層または、ホットメルト接着剤が接着力を発揮することで立体シート 16が貼り付けられる。

一方、噴霧によりホットメルト接着剤を形成する方法の場合、まず図 7に示したような加熱機構を内蔵する噴霧装置 27Eによって、フォーマ 23によって筒状にされている積層フィルム 11の正面側の所定個所上に、ホットメルト接着剤が噴霧される。次に該ホットメルト接着剤 16Aが溶融状態を維持している間に、貼り付け装置 27Aによって立体シート 16が貼り付けられる。

貼り付け工程終了後、貼り付け装置 27Aは後退する。力かる貼り付け装置 27Aや噴霧装置 27Eの動作は、移動機構 27B、センサー 27C及び制御機構 27Dが協働すること〖こより制御される。

[0057] 最後に未完成の袋に品物 Cが充填された後、横シールにより密封される点は、前述の製造方法法と共通である。

[0058] (製造される袋）

上記製造方法で製造される、立体デザイン 30が形成された袋 10の外観の例を図 9 に示す。立体デザイン 30の内容としては、商品イメージ、商品を提供する企業ィメージを形成する図案、商品の宣伝広告となるキャッチフレーズなどであり、立体デザィン 30としては、 l〜20mm、なかでも 10mm以上の深さをつけることが効果的である。

[0059] (袋の形態）前記製造方法は、縦ピロ一包装機による製造方法を例示したので、上記製造方法によると、立体デザインを有するピロ一型の袋が製造されるが、本発明の包装袋は、該ピロー型に限定されることなぐ角型ガゼット袋や 4辺シール袋とすることも可能である

産業上の利用可能性

本発明の包装袋によれば、包装袋表面に立体的なデザインが形成されることにより、消費者の購買欲を刺激するので、この包装袋を採用することにより、売上が促進される。また、消費者が袋の表示をよく見るようになるので、製造メーカからのメッセージ力く伝わるというメリットもある。したがって、本発明は、食品等を包装する袋およびその製造法に広く適用できる。

Claims

請求の範囲

[1] 基材層およびシーラント層を有する積層フィルムを、縦方向および横方向にシールして形成された、正面と背面とを設けた袋において、

前記袋の正面及び背面の少なくともいずれかの面に、成形型により成形された立体デザインが形成されていることを特徴とする立体デザインを有する袋。

[2] 成形型により成形された立体デザインを形成された立体シートを、前記積層フィルムの基材層側に積層することによって、立体デザインを形成する、請求項 1記載の袋

[3] 前記積層フィルムのうち、前記立体デザインが形成される範囲を含み、かつ前記シールされる範囲を除いた範囲において、前記積層フィルムの内側面に、補強シートが積層されている、請求項 1記載の袋。

[4] 前記積層フィルムに、微細な凹凸により伸び特性が付与された紙を含む立体デザイン用シートを、前記積層フィルムの基材層側に積層し、前記立体デザイン用シートが積層された前記積層フィルムに対し、成形型によって立体デザインを形成することによって、立体デザインを形成する、請求項 1記載の袋。