WO2007122734A1

WO2007122734A1 - 電力貯蔵装置

Info

Publication number: WO2007122734A1
Application number: PCT/JP2006/308575
Authority: WO
Inventors: Hidetoshi Kitanaka
Original assignee: Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha
Priority date: 2006-04-24
Filing date: 2006-04-24
Publication date: 2007-11-01
Also published as: CN101238611B; EP2012387A1; CN101238611A; EP2012387B1; CA2631379C; HK1119835A1; US7667430B2; KR20080014875A; ES2450931T3; KR100946019B1; US20090256525A1; EP2012387A4; JP4053577B2; CA2631379A1; JPWO2007122734A1

Abstract

　複数個を接続した電力貯蔵モジュールを搭載し、電力を充放電できる電力貯蔵装置において、収納箱を仕切板で仕切って電力貯蔵エリアと制御機器エリアとに分割し、前記電力貯蔵エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを収納し、前記制御機器エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを開閉保護する開閉保護装置部を収納し、電力を充放電するための前記電力貯蔵モジュールからの主回路配線は前記開閉保護装置部を介して前記制御機器エリアから外部に導出され、前記電力貯蔵エリアの開口部は、取り外し可能なカバーで覆われ、前記制御機器エリアの開口部は、前記電力貯蔵エリアの開口部の前記カバーと独立した取り外し可能なカバーで覆われている。

Description

明細書

電力貯蔵装置

技術分野

[0001] この発明は、直流電力を貯蔵し、放電させる電力貯蔵装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来より、電気車の制御装置へ、二次電池や電気二重層キャパシタ等の電力貯蔵モジュールを使用して電力充放電を可能とした電力貯蔵システムを適用し、車両のブレーキ時に発生する余剰回生電力を貯蔵し、また加速時に貯蔵した電力を使用することで、車両の持つ運動エネルギーを有効利用できることが知られている（例えば、特許文献 1)。

[0003] 電気車の制御装置へ電力貯蔵システムを適用する場合、電力貯蔵システムの一構成要素である電力貯蔵装置には、電力を貯蔵する電力貯蔵モジュール、回路を保護あるいは開閉するための開閉保護装置部等の電気部品が配置され、さらに、それらを接続する主回路用の主回路配線、制御回路用の制御回路配線が敷設される。

[0004] 特許文献 1 :特開 2006— 14412号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] このような電力貯蔵装置を構成する上での課題は次のとおりである。

まず、電力貯蔵モジュールは、内部の電解液漏れの有無や、外観上の異常の有無の定期点検が必要であり、また 5年〜 10年程度の寿命を有するものであるから、点検、交換作業の効率を考慮した構成にせねばならない。また、電気車を駆動するためには大きなエネルギーを貯蔵する必要があり、電力貯蔵モジュールを複数直並列接続して使用することになるため、複数直並列接続された電力貯蔵モジュールの両端が高電圧となる。従って、点検、交換作業時の感電を防止する観点での配慮が必要である。

[0006] さらに、大きなエネルギーを有する電力貯蔵モジュールや電力貯蔵装置に短絡や破損等の異常が発生した場合は、被害の拡大を回避するために、速やかに回路を遮断し、電力貯蔵モジュールを確実にシステム力切り離す等の保護動作を確実に機能させることが重要である。このため、開閉保護装置部やその制御部等の電気部品や主回路配線、制御回路配線の配置に関しては、異常時にもこれらの機能を損なわな、ように構成する必要がある。

[0007] 以上のとおり、電力貯蔵装置を構成する主要要素である電力貯蔵モジュール、開閉保護装置部やその制御部等の電気部品、主回路配線、制御回路配線等の各部品を如何に配置する力またその収納箱構造をどのように構成するかは、電力貯蔵モジュールの点検、交換作業がし易ぐまた安定'安全な電力貯蔵装置を得るために極めて重要な課題である。これまでに、電力貯蔵装置の内部配置に関する先行技術としては、特許文献 1に示すように、絶縁方法に関するものが提示されているが、上記に示した課題を解決するような各部品配置、収納箱構造に関しては開示されていない。

[0008] この発明では、電力貯蔵モジュールの点検、交換作業が容易で、且つ作業時の感電を防止でき、また短絡故障時や電力貯蔵モジュールの破損時においても、開閉保護装置部、制御部等の電気部品又は主回路配線もしくは制御回路配線を損傷せず、回路を遮断する等の保護動作が確実に得られる構成とした電力貯蔵装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] この発明の電力貯蔵装置は、複数個を接続した電力貯蔵モジュールを搭載し、電カを充放電できる電力貯蔵装置にお!ヽて、収納箱を仕切板で仕切って電力貯蔵エリァと制御機器エリアとに分割し、前記電力貯蔵エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを収納し、前記制御機器エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを開閉保護する開閉保護装置部を収納し、電力を充放電するための前記電力貯蔵モジュールからの主回路配線は前記開閉保護装置部を介して前記制御機器エリア力外部に導出され、前記電力貯蔵エリアの開口部は、取り外し可能なカバーで覆われ、前記制御機器エリアの開口部は、前記電力貯蔵エリアの開口部の前記カバーと独立した取り外し可能なカバーで覆われているものである。 [0010] また、この発明の電力貯蔵装置は、複数個を接続した電力貯蔵モジュールを搭載し、電力を充放電できる電力貯蔵装置において、収納箱を仕切板で仕切って電力貯蔵エリアと制御機器エリアとに分割し、前記電力貯蔵エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを収納し、前記制御機器エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを開閉保護する開閉保護装置部と、前記開閉保護装置部を制御する制御部を収納し、電力を充放電するための前記電力貯蔵モジユール力の主回路配線は前記開閉保護装置部を介して前記制御機器エリアから外部に導出され、前記制御部は、前記開閉保護装置部と制御回路配線で接続され、前記制御部は、前記開閉保護装置部を開閉制御し、前記電力貯蔵エリアの開口部は、取り外し可能なカバーで覆われ、前記制御機器エリアの開口部は、前記電力貯蔵エリアの開口部の前記カバーと独立した取り外し可能なカバーで覆われているものである。

[0011] さらに、この発明の電力貯蔵装置は、前記電力貯蔵モジュールは、前記電力貯蔵エリアに設けられたパレット上に搭載されて複数段設け、前記各パレットは前記電力貯蔵エリアに設けられたガイドレールで保持されており、前記電力貯蔵エリアの開口部の前記カバーの取り外し時に、前記電力貯蔵モジュールを搭載した前記各パレツトは、前記ガイドレールに沿ってスライドさせて前記電力貯蔵エリア外に引き出せるようにしたものである。

発明の効果

[0012] 本発明に係る電力貯蔵装置によれば、作業時の感電を防止でき、また短絡故障時や電力貯蔵モジュールの破損時においても、開閉保護装置部や制御部等の電気部品又は主回路配線もしくは制御回路配線を損傷せず、回路を遮断する等の保護動作が得られる。また、電力貯蔵モジュールの点検、交換作業が容易である。図面の簡単な説明

[0013] [図 1]この発明の実施の形態 1による電力貯蔵装置で、前面カバーを開いた正面図である。

[図 2]実施の形態 1による電力貯蔵装置で、前面カバーを閉じた正面図である。

[図 3]図 1の電力貯蔵装置で、前面カバーを閉じた A— A線断面図である [図 4]図 1の電力貯蔵装置で、前面カバーを閉じた B— B線断面図である。

[図 5]図 1の電力貯蔵装置で、前面カバーを閉じた C C線断面図である。

[図 6]図 1の電力貯蔵装置で、前面カバーを閉じた D— D線断面図である。

[図 7]実施の形態 2による電力貯蔵装置で、前面カバーを閉じた正面図である。

[図 8]実施の形態 3による電力貯蔵装置で、前面カバーを閉じた構成断面図である。符号の説明

[0014] 1 収納箱 la 制御機器エリア

lb 電力貯蔵エリア 2 仕切板

3a, 3b ガイドレーノレ 4a, 4a 1 ノ《レット

5a, 5b ガイドレーノレ 6a 絶縁プレート

20al— 20a3, 20bl— 20b3， 20cl— 20c3 電力貯蔵モジュール

21 Pa 正極端子 21Na 負極端子

22P 正極側の主回路配線 22N 負極側の主回路配線

22a 貫通部材 22b 貫通部材

23 開閉保護装置部 24 固定部材

30a— 30c 状態監視モニタ 32a, 32b 貫通部材

[0015] 33 制御回路配線 34 固定部材

35 制御部 40a— 40d 取付部材

41a— 41b パッキン 42a, 42b カノ一

43 カバー 43a 防雨部材

44 エアフィルタ 45 エアダクト

46 ブロア 50 車体

51a, 51b, 51c 取付部材 51d、 51e 取付部材

60 床上又は屋根上

発明を実施するための最良の形態

[0016] 実施の形態 1.

図 1はこの発明の実施の形態 1による電力貯蔵装置の正面図（前面カバーを開いた状態)である。図 2は実施の形態 1による電力貯蔵装置の正面図（前面カバーを閉じた状態)である。図 3は図 1の電力貯蔵装置の A— A線断面図（前面カバーを閉じた状態)である。図 4は図 1の電力貯蔵装置の B— B線断面図（前面カバーを閉じた状態)である。図 5は図 1の電力貯蔵装置の C C線断面図（前面カバーを閉じた状態)である。図 6は図 1の電力貯蔵装置の D— D線断面図（前面カバーを閉じた状態）である。

[0017] 図 1一図 6に示すように、電力貯蔵装置に内蔵される主要部品としては、電力貯蔵モジュール 20al—20a3, 20bl— 20b3, 20cl— 20c3 (図 4)、状態監視モニタ 30 a (図 1)、制御回路配線 33、主回路配線 22P, 22N、制御部 35、開閉保護装置部 2 3があり、これらが収納箱 1に収納されて電力貯蔵装置が構成される。電力貯蔵モジユールは、例えば二次電池や電気二重層キャパシタ等を電気的に複数個直並列して構成される。

[0018] この収納箱 1が取付部材 51a, 51b, 51cを介して車体 50 (例えば、車両の床下）に取り付けられている。収納箱 1と取付部材 51a, 51b, 51cは、例えば、金属であるァルミ-ゥム，ステンレス，鉄で形成されている。なお、図示しないが、制御回路配線 33 と主回路配線 22P, 22Nは収納箱 1から外部に導出され、外部の DCDCコンバータ等の電力貯蔵システムを構成する装置へ接続されており、制御信号のやり取りを行いながら、電力の充放電を行う。なお、制御回路配線 33は、複数の制御回路配線から構成される線束を表してヽる。

[0019] 次に、電力貯蔵モジュール 20al— 20a3, 20bl— 20b3, 20cl— 20c3の配置構造【こつ、て説明する。なお、電力貯蔵モジユーノレ ίま 20al— 20a3, 20bl— 20b3, 20cl— 20c3まである力基本的な構成はともに同様であるので、以下の説明は、図 1の最上段に示している電力貯蔵モジュール 20al— 20a3で代表して行うものとする

[0020] 収納箱 1は仕切板 2で仕切られ、電力貯蔵エリア lbと制御機器エリア laに分割されている。電力貯蔵エリア lbには、収納箱 1と仕切板 2に固定されたガイドレール 3a, 3 bで両側を支えられたパレット 4aが設置され、この上に電力貯蔵モジュール 20al— 2 Oa3が搭載されている（図 1,図 4)。パレット 4aの下部には、同様に収納箱 1と仕切板 2に固定されたガイドレール 5a, 5bで両側を支えられた絶縁プレート 6aが設置されている。パレット 4aに搭載された電力貯蔵モジュール 20al— 20a3には、電圧、電流、温度等をモニタする状態監視モニタ 30aが設置されており、ここからの信号は制御回路配線 33に接続される。なお、仕切板 2とガイドレール 3a, 3b, 5a, 5bは、例えば、絶縁板である繊維強化プラスチックや収納箱 1と同様な金属で形成される。

[0021] それぞれの電力貯蔵モジュールには正極端子 21Paと負極端子 21Na (図 1)が設置され、電力を取り出せる構造となっている。またその質量は数十 kg程度であり、電力貯蔵モジュールを複数搭載したパレット 4aの質量は 100kg程度となる。パレット 4a は、上記質量を支えるために繊維強化プラスチックあるいは収納箱 1と同様な金属で構成されたものであり、軽量ィ匕のためと、電力貯蔵モジュールから内部の電解液が漏れた場合に、それがパレット 4aの下部の絶縁プレート 6aに滴下するように、強度上必要のな、部分は孔が空、た構造となって、る。

[0022] 絶縁プレート 6aは、パレット 4aの直ぐ下に配置された、アクリル、ベークライト、強化プラスチック等の電気的絶縁物で構成された板であり、上部の電力貯蔵モジュールより電解液が漏出した場合に、電解液を通過させないで全て受け止めて、下段の電力貯蔵モジュール等に滴下しないようにするため、全面に渡って穴は設けられておらず、質量は数 kg程度のものである。

[0023] このように構成することで、電力貯蔵モジュール 20a 1— 20a3をパレット 4aごと、ガイドレール 3a, 3bに沿って手前側にスライドさせて引き出すことが可能となる。電力貯蔵モジュールの点検や交換作業時には、電力貯蔵モジュールをパレット 4aごと収納箱 1即ち電力貯蔵エリア lbの手前に引き出して、電力貯蔵モジュールの点検や交換作業を実施し、作業が終了したら再度電力貯蔵モジュールをパレット 4aごと収納箱 1 へ挿入する。このようにして、電力貯蔵モジュールの点検や交換作業が容易に行える。

[0024] また、絶縁プレート 6aにより、下段の電力貯蔵モジュール 20bl— 20b3をパレットごと引き出す場合にその正極、あるいは負極端子が上段のパレット 4aに接触するのを防止できる。また、電力貯蔵モジュールが破損して内部の電解液が漏出した場合において、下段の電力貯蔵モジュールに電解液が滴下し、被害が拡大するのを防止できる。さらに、定期的に絶縁プレート 6aを引き出して、絶縁プレート 6aの表面に電解液が付着していないか点検することで、電力貯蔵モジュール 20a 1— 20a3からの電解液の漏出の有無を、電力貯蔵モジュールをパレット 4aごと引き出すことなく確認できる。

[0025] なお、パレット 4aとガイドレール 3a, 3bが接する箇所には、すべりを良くしてパレット 4aの引き出しを容易にするために、塗油したり、ベアリングを設けたりすることがなお好ましい。また、ガイドレール 3a, 3bは、パレット 4aの下面を支える構造としているが、パレット 4aの上下方向のズレを無くすために、パレット 4aの上面に接する部分にも別のガイドレールを設けてパレット 4aを上下力もガイドする構成としてもよい。

[0026] 同様にして構成された、中段，下段の各パレットに配置された電力貯蔵モジュールとは、互いに直並列に接続され、最も電位の高くなる電力貯蔵モジュールの正極端子が正極側の主回路配線 22Pに、最も電位の低くなる電力貯蔵モジュールの負極端子が負極側の主回路配線 22Nに接続される。上段，中段，下段の各パレットに配置された電力貯蔵モジュール間を直並列接続する配線は、図 1では概略的に示しているが、ノ《レット 4a,絶縁プレート 6aの引き出しに支障のないように、各段間の接続線は、例えば、収納箱 1の後面側に配置している。さらに、収納箱 1の後面側に上段 ,中段，下段ごとに正側と負側の接点を設け、各パレットの引き出しで、両接点が開放され、各パレットの収納で両接点が閉じるようにしてもよい。なお、パレットの電力貯蔵モジュールの構成は、図示のように 3段 1列に限定されるわけではなぐそれ以外の段数で構成しでも良、し、複数の列にして構成しても良、。

[0027] また、最も電位の高い電力貯蔵モジュールのパレットが収納箱 1の最上段に、最も電位の低い電力貯蔵モジュールのパレットが収納箱 1の最下段になるように配置される。このように配置することで、種々の電位の電力貯蔵モジュールが種々の高さに混在して配置される構成と比較して、電力貯蔵モジュールを点検ある、は交換するとき、点検対象あるいは交換対象の電力貯蔵モジュールがどの程度の電位を有するのかが視覚的に把握できるため、上段に配置されている電力貯蔵モジュールほどその電位の高さ考慮して慎重に作業をする等の工夫が可能になり、作業効率を上げることが可能となる。

[0028] 電力貯蔵モジュールからの正極側の主回路配線 22Pと、負極側の主回路配線 22 Nとは、仕切板 2に設けた貫通部材 22aを通して収納箱 1即ち制御機器エリア laの開閉保護装置部 23に接続され、開閉保護装置部 23から貫通部材 22bを通して、収納箱 1の外部へ引き出され、外部の DCDCコンバータ等に接続される。また、制御回路配線 33は、仕切板 2に設けた貫通部材 32aを通して制御機器エリア laの制御部 35 に接続され、貫通部材 32bを通して、収納箱 1の外部へ引き出され、外部の監視制御部（図示せず）に接続される。なお、監視制御部において、電力貯蔵モジュールの状態が監視され、 DCDCコンバータ等が制御される。さらに、制御回路配線 33は制御部 35から開閉保護装置部 23に接続されて、監視モニタ 30aから得た電力貯蔵モジュールの状態を応じて、開閉保護装置部 23を開閉する。なお、開閉保護装置部 2 3は監視部力の信号によっても開閉される。各貫通部材は電気的絶縁材である例えば、ゴム，ナイロン，ベークライトで形成される。

[0029] 正極側の主回路配線 22P、負極側の主回路配線 22N用の貫通部材 22a, 22bは、制御回路配線 33用の貫通部材 32a, 32bとは別の貫通部材である。これらの貫通部材は、主回路配線 22P, 22N、制御回路配線 33が、収納箱 1や仕切板 2の材料端面に接触して損傷することのないように保護するための部材である。

[0030] ここで、開閉保護装置部 23は、ヒューズや遮断器、開閉スィッチ等で構成された、回路を遮断、開閉する装置で構成される部分であり、制御部 35は、開閉保護装置部 23の遮断器、開閉スィッチ等の動作を制御する部分である。また、仕切板 2は、電力貯蔵モジュールが搭載されたパレット 4aを支持する機能のほか、電力貯蔵モジユールが配置される収納箱 1の電力貯蔵エリア lbと、開閉保護装置部 23、制御部 35が配置される収納箱 1の制御機器エリア laとを分離するために設けられて、る。

[0031] これは、電力貯蔵モジュールが故障して破裂した場合において、その破片や電解液が開閉保護装置部 23、制御部 35に飛散して、これらを損傷することを防止するものであり、このような構成とすることで、電力貯蔵モジュール破損時においても、開閉保護装置部 23、制御部 35を確実に機能させ、回路を遮断することが可能となり、安全'安定な電力貯蔵装置が得られる。

[0032] 正極側の主回路配線 22P、負極側の主回路配線 22Nは固定部材 24で収納箱 1の壁面等に固定され、制御回路配線 33は別の固定部材 34で収納箱 1の壁面等に固定されている。固定部材は、絶縁材料例えば、ベークライトや、ビニール，テフロン（登録商標）等の結束バンド又は金属をゴムでコーティングしたもの等で形成され、強度を勘案して適宜選択される。なお、短絡故障時において、正極側の主回路配線 22 P、負極側の主回路配線 22Nには大電流が流れるため、互いに退け合う方向の大きな電磁力が生じる。このような場合は、主回路配線 22P、 22Nを強固に固定しておかないと、これらの位置が大きく動いたり、変形したりして、周囲にある制御回路配線 33 、制御部 35、開閉保護装置部 23を損傷し、これらの正常な機能を阻害する可能性がある。

[0033] このようなことを避けるため、主回路配線 22P、 22Nは、制御回路配線 33の固定と比較して強固な構造で固定される必要があり、固定部材 24は固定部材 34と比較し、強度のある構造のものとし、さらに制御回路配線 33から離して配置されている。なお、正極側の主回路配線 22P、負極側の主回路配線 22N用の貫通部材 22a, 22b力 S 、制御回路配線 33用の貫通部材 32a, 32bとは別の貫通部材であることも、同じ理由である。

[0034] なお、開閉保護装置部 23と制御部 35の下面は、取付部材 40a— 40eにて、収納箱 1即ち制御機器エリア laの内部の底面より高さ HIに位置する開口部の下端より、さらに高さ H2のところまで持ち上げて配置されている。取付部材 40a— 40eは、例えば、仕切板 2と同様な材料でよい。収納箱 1に取り付けられた貫通部材 22b, 32bも、同様に持ち上げて配置されている。収納箱 1の開口部の下端を収納箱 1の内部の底面より高さ HIの部分までとしている理由は、電力貯蔵モジュールが破損し、内部の電解液が流れ出た場合に、収納箱 1の外部へ電解液が流出してしまうのを防止するためである。 HIの値は、電力貯蔵モジュールの電解液の量にもよる力数 cm程度が適当である。

[0035] また、開閉保護装置部 23と制御部 35の下面を開口部の下端より、高さ H2のところに配置することで、電力貯蔵モジュールが破損し、内部の電解液が流れ出た場合に、仕切り板 2と収納箱 1の隙間等を通して電解液が開閉保護装置部 23と制御部 35の制御機器エリア laに侵入した場合においても、開閉保護装置部 23と制御部 35が電解液で損傷することを回避でき、開閉保護装置部 23と制御部 35を確実に機能させて回路を遮断することが可能となると共に、損傷部位の拡大を防止することが可能となる。

[0036] また、貫通部材 22b, 32bを収納箱 1の開口部の下端より高さ H2のところに配置することにより、電力貯蔵モジュールが破損し、内部の電解液が流れ出た場合に、仕切り板 2と収納箱 1の隙間等を通して電解液が制御機器エリア laに侵入した場合においても、正極側の主回路配線 22Pと負極側の主回路配線 22N、制御回路配線 33、貫通部材 22b, 32bとが電解液により損傷することを回避することが可能となり、被害の拡大を防止することが可能となる。

[0037] 開口部の周囲にはパッキン 41a— 41bが配置されており、カバー 42a, 42bにより制御機器エリア laと電力貯蔵エリア lbをそれぞれ独立に開閉することが可能な構成となっている。カバーをカバー 42a, 42bの 2枚に分割して、それぞれ制御機器エリア 1 aと電力貯蔵エリア lbを別々に覆うことができる構成としているため、点検箇所に応じた部位のみのカバーを外すことが可能となる。このように構成することで、例えば、常時充電されており電位を有する電力貯蔵モジュールを配置する電力貯蔵エリア lbのカバー 42bを閉じたまま、開閉保護装置部 23、制御部 35を収納する制御機器エリア laのカバー 42aを開、て点検作業を実施することができるので、点検作業時の感電防止に効果を発揮する。ガバ一はボルトで開口部に固定してもよい。また、開口部の一端に引っ掛け、他端を嵌合するようにしてもよいし、ボルトとの併用でもよい。

実施の形態 2.

[0038] 図 7は実施の形態 2による電力貯蔵装置の正面図（前面カバーを閉じた状態)である。なお、各図を通じて、他の実施の形態と同一又は相当する部分には同一符号を付けてその説明を省略する。車両の床上又は屋根上 60への搭載を目的とし、取付部材 51d, 5 leを収納箱 1の下部に設けたものである。このように、収納箱 1を車両床下に設置する場合、屋根上に設置する場合、また車両内の床上に設置する場合の V、ずれにも適用が可能である。

[0039] 以上に示した実施の形態 1, 2の構成により、電力貯蔵モジュールの点検、交換作業が容易で、且つ作業時の感電を防止できる。また短絡故障時や電力貯蔵モジユールの破損時においても、開閉保護装置部、制御部等の電気部品や主回路配線、制御回路配線を損傷せずに、回路を遮断する等の動作が確実に得られる構成とした電力貯蔵装置を得ることが可能となる。

実施の形態 3.

[0040] 図 8は実施の形態 3による電力貯蔵装置を示す構成断面図（前面カバーを閉じた状態)である。図 8は実施の形態 1の B— B線断面である図 4に相当するものである。ここでは、実施の形態 1に示した構成と異なる部分について説明する。実施の形態 3 では電力貯蔵モジュール 20al— 20a3, 20bl— 20b3, 20cl— 20c3を効果的に冷却しょうとするものである。図において、矢印は冷却風の流れを示している。電力貯蔵エリア lbの取り外しできるカバー 43には、防雨部材 43aとエアフィルタ 44を設けている。電力貯蔵エリア lbから引き出しできるパレット 4alには、下流方向に孔の大きさを大きくして、電力貯蔵モジュール 20al— 20a3, 20bl— 20b3, 20cl— 20c3をより均等に冷却するようにしている。収納箱 1の背面には、エアダクト 45を設け、エアダクト 45内には送風用ブロア 46が配置されている。

[0041] パレット 4a 1に空けた孔により、下流に配置された電力貯蔵モジュール (例えば 20a 3)の周隨こも十分に風を流すことが可能となる。パレットは、実施の形態 1と同じく複数段配置されている。矢印で示す冷却風の流れに従って、カバー 43から空気を吸い込み、各段のパレットの孔カも各電力貯蔵モジュールに至って、各電力貯蔵モジュールを冷却し、エアダクト 45を通って収納箱 1の下面より空気を排出する。なお、冷却風の流れはこれに限定されることはなぐ別の箇所力空気を吸い込み、カバー 4 3から排出する構成としてもょ、。

[0042] このように構成することで、実施の形態 1に示した効果に加えて、電力貯蔵モジユールを強制空冷することが可能となり、小形'軽量な電力貯蔵装置を得ることが可能となる。また、もともと収納箱 1に設けられている開口部に装着するカバーに、冷却風を通す構造としているので、冷却風の吸い込みに関しては、収納箱 1の別の位置に新たに吸い込み口を設ける必要がなぐ収納箱 1の強度を損うことがない。なお、電力貯蔵エリアの電力貯蔵モジュールを強制空冷することを示したが，制御機器エリアも強制空冷するようにしてもょ、。

[0043] なお、実施の形態 1, 2, 3とも、電力貯蔵装置を構成する部品（電力貯蔵モジユール、開閉保護装置部、制御部)が、電力貯蔵装置専用の収納箱 1に収納された構成で説明しているが、このような形態に限定されるわけではない。例えば電力貯蔵システムを構成する DCDCコンバータやインバータ等 (何れも図示せず)の収納箱の一部分に、電力貯蔵エリアと制御機器エリアを仕切板で仕切り、それぞれに設けた開口部にカバーを設けて、電力貯蔵装置を構成する部品が収納される構成の場合においても、実施の形態で開示した内容を適用することが可能であることは言うまでもない産業上の利用可能性

この明細書では、電鉄車両へ搭載する電力貯蔵システムに適用する電力貯蔵装置を対象に説明したが、適用分野はこれに限られるものではなぐ電鉄分野の地上設置用の電力貯蔵システム，自動車，エレベータ，電力システム等、種々の関連分野への応用が可能であることは言うまでもない。

Claims

請求の範囲

[1] 複数個を接続した電力貯蔵モジュールを搭載し、電力を充放電できる電力貯蔵装 ¾【こ; i l /、て、

収納箱を仕切板で仕切って電力貯蔵エリアと制御機器エリアとに分割し、前記電力貯蔵エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを収納し、

前記制御機器エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを開閉保護する開閉保護装置部を収納し、

電力を充放電するための前記電力貯蔵モジュールからの主回路配線は前記開閉保護装置部を介して前記制御機器エリア力外部に導出され、

前記電力貯蔵エリアの開口部は、取り外し可能なカバーで覆われ、

前記制御機器エリアの開口部は、前記電力貯蔵エリアの開口部の前記カバーと独立した取り外し可能なカバーで覆われていることを特徴とする電力貯蔵装置。

[2] 複数個を接続した電力貯蔵モジュールを搭載し、電力を充放電できる電力貯蔵装 ¾【こ; i l /、て、

前記制御機器エリアには、開口部を設けると共に、前記電力貯蔵モジュールを開閉保護する開閉保護装置部と、前記開閉保護装置部を制御する制御部を収納し、電力を充放電するための前記電力貯蔵モジュールからの主回路配線は前記開閉保護装置部を介して前記制御機器エリア力外部に導出され、

前記制御部は、前記開閉保護装置部と制御回路配線で接続され、

前記制御部は、前記開閉保護装置部を開閉制御し、

[3] 前記電力貯蔵モジュールは、前記電力貯蔵エリアに設けられたパレット上に搭載されて複数段設け、前記各パレットは前記電力貯蔵エリアに固定されたガイドレールで保持されており、前記電力貯蔵エリアの開口部の前記カバーの取り外し時に、前記電力貯蔵モジュールを搭載した前記各パレットは、前記ガイドレールに沿ってスライドさせて前記電力貯蔵エリア外に引き出せるようにした請求項 1又は請求項 2記載の電力貯蔵装置。

[4] 前記各パレットの下方には、前記電力貯蔵モジュール力漏出する電解液を通過させない絶縁プレートが配置され、前記各絶縁プレートは前記電力貯蔵エリアに固定されたガイドレールで保持されており、前記電力貯蔵エリアの開口部の前記カバーの取り外し時に、前記各絶縁プレートは前記ガイドレールに沿ってスライドさせて前記電力貯蔵エリア外に引き出せるようにした請求項 3記載の電力貯蔵装置。

[5] 前記電力貯蔵モジュールのうち、対地電位の最も高いものが前記電力貯蔵エリアの上部に、対地電位の最も低いものが前記電力貯蔵エリアの下部になるように順に積層配置されるようにした請求項 1記載の電力貯蔵装置。

[6] 前記開口部の下端は、前記収納箱の底面よりも高!、位置とした請求項 1記載の電力貯蔵装置。

[7] 前記開閉保護装置部と前記制御部は、前記開口部の下端より高い位置に配置するようにした請求項 2記載の電力貯蔵装置。

[8] 前記主回路配線を前記制御機器エリアの外部へ導出する位置は、前記開口部の下端より高い位置に配置するようにした請求項 2記載の電力貯蔵装置。

[9] 前記主回路配線と前記制御回路配線は、別々の固定部材を用いて前記収納箱内部にそれぞれ固定されるようにした請求項 2記載の電力貯蔵装置。

[10] 前記主回路配線と前記制御回路配線は、別々の貫通部材を用いて前記仕切板を貫通させるようにした請求項 2記載の電力貯蔵装置。

[11] 前記カバーから冷却用空気が出入りできると共に、前記収納箱の背面に送風用ブロアを配置するようにした請求項 1記載の電力貯蔵装置。