WO2007105303A1 - 水中清掃ロボット - Google Patents

Abstract

　水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニット（３）より高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボット（１）である。前記清掃ノズルユニットは、ロボット本体（２）に回転自在に設けられた回転軸（５）に取り付けられており、清掃対象物表面に対する高圧水の噴射の反力により、この回転軸と一体的に回転するように構成され、上記回転軸には、この回転軸の回転に伴って回転して、ロボット本体を清掃対象物表面に向かって押し付けるための推進力を発生するプロペラ（４）が設けられている。そして、プロペラの羽根（４３）の回転方向の前縁（４３ａ）は、異物の巻き付きを防止する後退角（θ）を有するように形成されている。そして、プロペラに海草、藻等の異物が巻き付き難くしている。

Description

明 細 書

水中清掃ロボット

技術分野

[0001] 本発明は、養殖魚網や船体等の清掃対象物を、高圧水の噴射により清掃する水中 清掃ロボットに関する。 背景技術

[0002] 従来より、例えば養殖魚網に付着した海草、藻や貝類の除去、船体に付着した汚 れの除去等を行うための水中清掃ロボットが知られている（例えば、特許文献 1参照）

[0003] かかる水中清掃ロボットは、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら 、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットより高圧水を噴射して清掃対象 物を清掃するものである。清掃ノズルユニットは、ロボット本体に回転自在に設けられ た回転軸に取り付けられており、清掃対象物表面に対する高圧水の噴射の反力によ り、この回転軸と一体的に回転するようになっている。

[0004] また、回転軸には、この回転軸の回転に伴って回転して、ロボット本体を清掃対象 物表面に向かって押し付けるための推進力を発生するプロペラが取り付けられてい る。

特許文献 1：特許第 3592204号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 前記従来の清掃ノズルユニットは、プロペラの羽根の回転方向の前縁が放射状で 且つ直線状に設けられていたため、養殖魚網に付着していた海草や藻等の異物が、 清掃ノズノレユニットより除去された後に、プロペラに巻き付きやすい問題があった。異 物がプロペラに巻き付くとプロペラの回転力を低下させてしまうため、ロボット本体を 清掃対象物表面に向かって押し付けるための推進力が低下し、安定走行が困難に なる。

[0006] また、清掃ノズノレユニットの回転数も低下するため、所定の範囲に効率よく高圧水 を噴射できなくなるおそれがあった。

[0007] 本発明は、プロペラの形状を工夫することにより、プロペラに海草、藻等の異物が卷 き付き難くすることを課題とする。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、水中に存在する清掃対象 物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに 設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボ ットにおいて、前記清掃ノズルユニットは、ロボット本体に回転自在に設けられた回転 軸に取り付けられており、清掃対象物表面に対する高圧水の噴射の反力により、この 回転軸と一体的に回転するように構成され、上記回転軸には、この回転軸の回転に 伴って回転して、ロボット本体を清掃対象物表面に向かって押し付けるための推進力 を発生するプロペラが設けられ、プロペラの各羽根の回転方向の前縁は、異物の卷 き付きを防止する後退角を有するように形成されてレ、ることにある。

[0009] 本発明の水中清掃ロボットの前記前縁の後退角を有する形状は、羽根の基部から 先端にわたって形成されているのが好ましい。

[0010] 本発明の水中清掃ロボットの前記回転軸は支持筒に揷通され、前記プロペラには

、前記支持筒の端部を被覆する回転軸カバー体が設けられているのが好ましい。

[0011] 本発明の水中清掃ロボットの前記清掃ノズルユニットは、平板状の回転体を備え、 該回転体に前記清掃ノズルが取り付けられ、前記回転体における前記清掃ノズルの 前方位置には、接触防止体が設けられていることにある。

発明の効果

[0012] 本発明は、清掃時にプロペラに海草、藻等の異物が巻き付き難くすることができ、 安定して効率よく清掃対象物を清掃できる。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1]本発明の一実施の形態に係る水中清掃ロボットの平面図である。

[図 2]同水中清掃ロボットの一部断面を含む側面図である。

[図 3]同水中清掃ロボットの斜視図である。

[図 4]同水中清掃ロボットに使用されるプロペラの要部を示す平面図である。 [図 5]プロペラの取り付け構造の要部を示す断面図である。

園 6]本発明の一実施の形態に係る水中清掃ロボットの底面図である。

園 7]清掃ノズノレの斜視図である。

符号の説明

1 水中清掃ロボット

2 ロボッ卜本体

3 清掃ノズルユニット

4 プロペラ (推進力発生用プロペラ)

5 回転軸

11 支持筒

35 回転体

41 中心部

43 羽根

45 回転車由カバー体

Θ 後退角

発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

[0016] 本実施の形態では、養殖魚網の清掃を行うための自走式の水中清掃ロボットとして 本発明を適用した場合にっレ、て説明する。

一水中清掃ロボットの構成説明

図 1〜図 7は、本一実施形態に係る水中清掃ロボット 1を示す。本実施の形態にか 力る水中清掃ロボット 1は、図 1〜図 3に示すようにロボット本体 2、清掃ノズルユニット 3、推進力発生用プロペラ 4 (以下、単にプロペラという）を備えている。

[0017] ロボット本体 2は、下方のノズル側本体 2Aと、上方のプロペラ側本体 2Bと、これら各 本体同士を連結する一対の板状の連結体 2C, 2Cとを備えている。プロペラ側本体 2 Bは、ノズノレ側本体 2Aとの間に所定距離を有して配設されており、このノズル側本体 2Aとの間に水の導入路として機能する導入空間 Dを形成している。

[0018] プロペラ側本体 2Bは、中央部に比較的大径の開口 21が形成されており、この開口 21の内部にプロペラ 4が収容されている。つまり、このプロペラ 4の回転によって、上 記導入空間 Dからプロペラ 4に向けて水が導入される構成となっている。

[0019] ノズノレ側本体 2Aの左右側面には 4個の車輪（前後左右車輪） 22, 23, 24, 25が 回転可能に取り付けられている。図 1において、矢印 Fで示す方向が水中清掃ロボッ ト 1の前方を示す。また水中清掃ロボット 1の前方に向かって右側を矢印 Rで示し、左 側を矢印 Lで示す。

[0020] ノズノレ側本体 2A内には、図 6に示すように、例えば 4個の水中モータ Ml、 M2、 M 3、 M4が収容されており、各々の水中モータ Ml、 M2、 M3、 M4の駆動軸は、各車 輪 22, 23, 24, 25にそれぞれ接続されている。

[0021] 各水中モータ Ml， M2、 M3、 M4には給電ケーブル Cが接続されている。水中清 掃ロボット 1が水中に沈められた状態では、陸上または船上の図示しない電源装置か ら水中清掃ロボット 1に向けて給電ケーブル Cが延びて、各水中モータ Ml， M2、 M 3、 M4への給電が行われる。これにより、これら水中モータ Ml , M2、 M3、 M4の駆 動に伴って各車輪 22〜25が回転する。

[0022] 例えば、水中清掃ロボット 1が前進走行（図 1の矢印 F方向に走行）している状況で 、右側の水中モータ M2、 M4の回転数を左側の水中モータ Ml、 M3の回転数よりも 高くすれば、水中清掃ロボット 1の走行方向が図 1中左方向（矢印 L方向）へ向くよう になっている。逆に、左側の水中モータ Ml、 M3の回転数を右側の水中モータ M2 、 M4の回転数よりも高くすれば、水中清掃ロボット 1の走行方向が図 1中右方向（矢 印 R方向）へ向くようになつている。

[0023] 水中モータ Ml, M2、 M3、 M4を上記とは逆方向に回転させて水中清掃ロボット 1 を後退走行させている場合も同様にして進行方向を変えることが可能である。更に、 各水中モータ Ml、 M3と、水中モータ M2、 M4を互いに逆方向に回転させれば、水 中清掃ロボット 1を転回させることもできる。

[0024] なお、水中モータは左右の前車輪 22、 23を回転駆動するように 2個の水中モータ Ml、 M2を設け、左側の前後車輪 22、 24をベルト機構またはチヱーン機構で連動 連結し、右側の前後車輪 23、 25を同様に連動連結してもよい。

[0025] 清掃ノズノレユニット 3は、後述する高圧水ホース Hから供給された高圧水を清掃対 象物としての養殖魚網に向かって噴射し、その噴流によって養殖魚網の清掃を行う ものである。清掃ノズノレユニット 3は、図 2に示すようにノズル側本体 2A力 鉛直上向 きに固定された支持筒内 11に挿通された回転軸 5の下部に取り付けられている。こ の回転軸 5は、プロペラ側本体 2Bに形成された前記開口 21の中心部に位置するよう に、ロータリジョイント 51によって回転自在に支持されてレ、る。

[0026] ロータリジョイント 51に高圧水ホース Hの一端が接続されている。高圧水ホース Hの 他端は、陸上または船上の図示しない高圧ポンプに接続され、この高圧ポンプから 圧送される高圧水が清掃ノズノレユニット 3に供給されるようになっている。なお、回転 軸 5の内部には、高圧水ホース Hからロータリジョイント 51を経て供給された高圧水を 、清掃ノズノレユニット 3へ送るための高圧水通路 53が形成されている。

[0027] 清掃ノズノレユニット 3は、前記回転軸 5の下端に固定された円盤状の回転体 35を備 え、この回転体 35の内部には、図 7に示すように高圧水の噴射路 36が、前記回転軸 5の高圧水通路 53に連通し且つ回転体 35の直径方向に形成されている。回転体 3 5の外周部には、噴射路 36に連通する複数個（本実施の形態では一対）の清掃ノズ ノレ 33, 34力 S取り付けられてレヽる。

[0028] これら清掃ノズノレ 33, 34は、高圧水の噴射方向が養殖魚網の表面を向くように所 定角度だけ下方に傾斜するようになっている。具体的には、図 7に示すように、各清 掃ノズノレ 33, 34の向きは、回転体 35を矢印 A方向に回転させる向きで、且つ養殖魚 網の表面に向かって（図中下方に向かって)所定角度（例えば 5〜45° )だけ下向き 傾斜している。

[0029] これにより、清掃ノズル 33, 34から高圧水が噴射された場合、この高圧水が養殖魚 網の表面に吹き付けられることに伴って発生する噴射反力により、清掃ノズルユニット 3が回転軸 5と共に回転するようになっている。換言すると、この清掃ノズルユニット 3 は、回転軸 5の軸心回りに回転しながら養殖魚網の表面に高圧水を噴射することによ つて、養殖魚網に付着している藻や貝類等を広範囲に亘つて除去できるように構成 されている。

[0030] 各清掃ノズル 33, 34は、養殖魚網の表面に接近させた状態で噴出するのが望まし いが、接近過ぎると、養殖魚網の表面に接触し易くなる。そこで、回転体 35の下面で かつ各清掃ノズル 33, 34の前方位置（各清掃ノズル 33, 34の向きと反対位置）には 、接触防止体 37が固定されている。この接触防止体 37の前部には、接触する養殖 魚網を案内する上向きの傾斜面 37aが形成されている。

[0031] 前記プロペラ 4は、回転軸 5と一体的に設けられている。プロペラ 4は、プロペラ側本 体 2Bに形成された開口 21内に収容されており、前記回転軸 5の上端に一体的に取 り付けられた中心部分 41と、この中心部分 41に設けられた複数個（3枚）の羽根 43、 43、 43から構成されている。

[0032] 従って、清掃ノズル 33， 34から高圧水が噴射され、その噴射反力によって清掃ノズ ルユニット 3と共に回転軸 5が回転した場合、このプロペラ 4も一体的に回転し（図 1に 示す矢印 A方向）、水中清掃ロボット 1を下側へ押し付けるための水流を発生させるよ うになつている。これにより、清掃動作時に、水中清掃ロボット 1を養殖魚網に向かう 方向へ押し付ける推進力が発生する構成となっている。

[0033] このように、本実施の形態に係る水中清掃ロボット 1は、清掃ノズルユニット 3とプロ ペラ 4とを回転軸 5を介して回転一体に構成し、清掃ノズル 33, 34から高圧水が噴射 された際の噴射反力によって、これら三者 3, 4, 5を回転させ、プロペラ 4の回転によ つて推進力が得られるようにしている。

[0034] プロペラ 4の各羽根 43の回転方向 Aの前縁 43aは、図 4に示す如く異物 Xの巻き付 きを防止する後退角 Θを有するように、湾曲形成されている。ここで後退角 Θとは、前 縁 43a上の任意の点 Pとプロペラ 4の回転中心〇とを結ぶ直線 L1と、当該点 Pでの前 縁 43aの接線 L2とのなす角度をいう。各羽根 43は、中心部 41側の基部 43bの近傍 力 先端 43cにわたつて後退角 Θが形成されるのが好ましい。かかる後退角 Θは各 羽根 43の先端に向けて次第に大きくなるように設定されている。なお、図 4に各羽根 43の展開形状を 2点鎖線で示す。

[0035] プロペラ 4の中心部 41の下面には、図 5に示すように回転軸カバー体 45が取り付 けられている。この回転軸カバー体 45は取付部 46と、この取付部 46に一体的に形 成され且つ下面が開口する筒状部 47とからなる。回転軸カバー体 45は支持筒 11の 上端部（端部） 11aと、プロペラ 4の中心部 41との間を被覆しており、支持筒 11とプロ ペラ 4との間の回転軸 5に、異物が巻き付くのを防止している。また、筒状部 47の下 面には、テーパ面 47aが形成されている。力かるテーパ面 47aを設けることにより、回 転軸カバー体 45に接触する異物を効果的に除去できるようにしている。

[0036] 本水中清掃ロボット 1は、回転軸 5の回転によってロボット本体 2に発生する連れ回 りを防止するための補助ノズノレユニット 6が設けられている。つまり、清掃ノズノレュニッ ト 3及び回転軸 5が回転した際に、上記回転軸 5とロータリジョイント 51との間の摺動 抵抗等により、ロボット本体 2も回転軸 5の回転方向に回転しょうとする力 S、その力を 打ち消すためのものである。

[0037] この補助ノズノレユニット 6は、ノズノレ側本体 2Aの内部に取り付けられた分岐ジョイン ト 61に接続された分岐ホース 62と、この分岐ホース 62に連結され且つノズノレ側本体 2Aに固定されたアーム 63と、このアーム 63の先端に取り付けられた補助ノズノレ 65と を備えている。これら補助ノズル 65の高圧水噴射方向は、ロボット本体 2の回転を阻 止する方向（ロボット本体 2が連れ周りする場合には、プロペラ 4の回転方向）に向け られている。

一水中清掃ロボット 1の動作説明

次に、上述の如く構成された水中清掃ロボット 1による養殖魚網の清掃動作につい て説明する。この清掃時には、図 1に示すように陸上または船上から水中清掃ロボッ ト 1が養殖魚網 Nの内側（養殖用スペース）に沈められる。そして、給電ケーブル Cか らの各水中モータへの給電及び高圧水ホース Hからの清掃ノズルユニット 3及び補 助ノズノレユニット 6への高圧水の供給が行われる。

[0038] これにより、各水中モータ Ml、 M2、 M3、 M4が駆動し、各車輪 22〜25が回転し て水中清掃ロボット 1は養殖魚網 Nに沿って走行する。

[0039] また、清掃ノズノレユニット 3の各清掃ノズノレ 33, 34及び補助ノズノレユニット 6の補助 ノズル 65から高圧水の噴射が行われる。清掃ノズノレ 33, 34からの高圧水の噴射によ り、養殖魚網 Nに付着した藻や貝類等が除去されて養殖用スペースの外に排出され 養殖魚網 Nが清掃される。

[0040] この高圧水の噴射に伴う噴射反力により、清掃ノズノレユニット 3、回転軸 5及びプロ ペラ 4は一体的に回転する。このプロペラ 4の回転によって図 2に破線の矢印で示す ように、導入空間 Dからプロペラ 4に向けて水が導入され、開口 21から吹き出される 水流が発生し、これによつて水中清掃ロボット 1には推進力が得られ、各車輪 22〜2 5が養殖魚網 Nに所定の圧力で当接した状態が維持される。

[0041] このため、各車輪 22〜25が養殖魚網 Nから浮き上がってしまうことがなぐ水中清 掃ロボット 1が養殖魚網 Nに沿って安定して走行しながら養殖魚網 Nの清掃が行われ る。

[0042] 養殖魚網 Nの清掃時には、藻や貝類等を除去すべく清掃ノズルユニット 3の清掃ノ ズル 33, 34から噴射される高圧水の水流と、推進力を得るべくプロペラ 4の周辺を流 れる水流とを、ノズノレ側本体 2Aによって遮断することができ、養殖魚網 Nから剥離除 去された藻や貝類等は、プロペラ 4の導入側に回り込むことはほとんどない。

[0043] 特に、汚れのひどい養殖魚網 Nの清掃を行う場合には、藻等の除去物が水中清掃 ロボット 1の導入空間 Dに流入してしまう場合がある。また、前記除去物以外に養殖魚 網 Nに使用されているロープ等の異物が水中清掃ロボット 1の導入空間 Dに流入して しまう場合もある。力かる異物（除去物を含む）がプロペラ 4の導入側に回り込むと、プ 口ペラ 4に接触する力 プロペラ 4の各羽根 43の回転方向の前縁 43aは、後退角 Θ を有するように形成されているため、異物 Xはこの前縁 43aに巻き付くことなく容易に 摺動することとなり、回転するプロペラ 4から外れてしまう。しかも、プロペラ 4の下部に は、回転軸カバー体 45が設けられているので、異物 Xは回転軸 5に巻き付くこともな レ、。

[0044] また、清掃ノズノレ 33, 34は回転体 35とともに回転する力 清掃ノズル 33, 34の前 方には、接触防止体 37が位置するため、この接触防止体 37が接近する養殖魚網 N を清掃ノズル 33, 34に接触しないように案内する。

[0045] その結果、養殖魚網 Nから剥離除去された除去物等の異物 Xが、プロペラ 4に卷き 付いたり、清掃ノズル 33, 34が養殖魚網 Nに不用意に接触したりして清掃作業に悪 影響を与えるといった不具合を回避することができ、ロボット 1に損傷を招いてしまうと レ、つた状況の発生も回避することができる。

[0046] 以上説明したように、本実施の形態では、養殖魚網 Nに向かって高圧水を噴射さ せた際の噴射反力を利用して清掃ノズルユニット 3を回転させると共に、この回転力 を利用してプロペラ 4を回転させている。そして、このプロペラ 4の回転により、水中清 掃ロボット 1に推進力を得るようにしている力 プロペラ 4の各羽根 43の前縁 43aは、 異物 Xの巻き付きを防止する後退角 Θを有するように、湾曲形成されているため、プ 口ペラ 4の回転力が異物により低下するのを防止する。

[0047] また、清掃ノズル 33, 34の前方に設けられた接触防止体 37が、養殖魚網 Nを清掃 ノズノレ 33, 34に接触しないように案内するため、プロペラ 4の回転力が低下するのを 防止する。この結果、プロペラ 4の形状と接触防止体 37との相乗効果により、プロべ ラ 4で所定の推進力を維持し、安定した清掃作業を行うことができる。

[0048] 本発明は、前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形 態では、養殖魚網 Nの清掃を行うための自走式の水中清掃ロボットとして本発明を適 用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、吊り下げ式水中清掃ロボット (船体等からワイヤロープによって吊り下げた状態で清掃を行うもの）に適用すること も可能である。また、清掃対象物として養殖魚網 Nに限らず、橋脚、船体、プール等 の清掃にも使用可能である。

[0049] また、上記実施形態では、清掃ノズルユニット 3、プロペラ 4、回転軸 5をそれぞれ 1 個ずつ備えていた力 S、この三者 3, 4, 5を一組とするユニットを複数組備えさせるよう にしてもよい。特に、このユニットを偶数個備えさせ、一方向に回転するユニットと、そ れとは反対方向に回転するユニットとの個数を同一にすれば、回転軸 5とロータリジョ イント 51との間の摺動抵抗によりロボット本体 2に生じる回転反力を相殺することが可 能になる。これにより、補助ノズノレユニット 6を不要とすることが可能になる。

[0050] ロボット本体 2は、ノズノレ側本体 2Aとプロペラ側本体 2Bとに分割する必要はなぐこ のロボット本体 2の一部を開口して導入空間 Dを形成したものであってもよい。

産業上の利用可能性

[0051] 以上のように本発明によれば、水中清掃ロボットで養殖魚網や船体等の清掃対象 物を清掃するに際して、推進力発生用プロペラに除去物等の異物が巻き付くのを防 止し、安定した清掃作業を効率よく行なえる。

Claims

請求の範囲

[1] 水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向 力、つて清掃ノズノレユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象 物を清掃する水中清掃ロボットにおレ、て、

前記清掃ノズノレユニットは、ロボット本体に回転自在に設けられた回転軸に取り付 けられており、清掃対象物表面に対する高圧水の噴射の反力により、この回転軸と一 体的に回転するように構成され、上記回転軸には、この回転軸の回転に伴って回転 して、ロボット本体を清掃対象物表面に向かって押し付けるための推進力を発生する プロペラが設けられ、プロペラの各羽根の回転方向の前縁は、異物の巻き付きを防 止する後退角を有するように形成されてレ、ることを特徴とする水中清掃ロボット。

[2] 前記前縁の後退角を有する形状は、羽根の基部近傍から先端にわたって形成され てレ、る請求項 1に記載の水中清掃ロボット。

[3] 前記回転軸は支持筒に挿通され、前記プロペラには、前記支持筒の端部を被覆す る回転軸カバー体が設けられている請求項 1または 2に記載の水中清掃ロボット。

[4] 前記清掃ノズノレユニットは、平板状の回転体を備え、該回転体に前記清掃ノズルが 取り付けられ、前記回転体における前記清掃ノズノレの前方位置には、接触防止体が 設けられている請求項 1〜3の何れかに記載の水中清掃ロボット。