JPS595676Y2 - 船舶用プロペラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶用プロペラ、特にプロペラ軸とプロペラハ
ブとの間に緩衝ゴムに配置された船舶用プロペラに関す
る。

小型船舶用プロペラにおいては、プロペラ軸にシャーピ
ンを介して金属製プッシュを取付け、このプッシュの外
周に緩衝ゴムを焼付け等により接着し、この緩衝ゴムを
プロペラハブの軸穴に圧入して固定した構造が広く採用
されているが、緩衝ゴム圧人面および圧入案内部の加工
が必要になり組立てが面倒で時間を要し、金属プッシュ
を用いるため重量が大きく、かつ緩衝ゴム圧人面の寸法
誤差のため緩衝特性およびシャーピンの破かい荷重のバ
ラツキが大きぐなり、特に荷重が大きくなった場合には
プロペラを破損するという欠点があった。

本考案は、このような欠点を防止し、組立てが容易で従
来に比し軽量であり、緩衝ゴムのプロペラハブへの圧入
が不要で緩衝特性も安定したプロペラ構造を提供するこ
とをその目的とするものである。

すなわち、本考案においては、プロペラハブがプロペラ
軸に嵌合させられ、このプロペラハブには緩衝ゴム装入
用の凹部が形或され、この凹部に嵌入された緩衝ゴムの
構部にプロペラ軸上のシャーピンが係合しており、プロ
ペラ軸の回転は、シャーピンから緩衝ゴムを介してプロ
ペラハブに伝えられる。

さらに詳細に述べると、プロペラハブは、プロペラ軸に
回転自在に嵌合する内ボス部と、プロペラ羽根を備える
外ボス部とを有し、前記凹部は、内ボス部と外ボス部と
の間に、直径方向に相対向して形威されるとともに、プ
ロペラハプの軸方向一端面に開口している。

緩衝ゴムは、プロペラハブの内ボス部によってプロペラ
軸とは離されている。

また緩衝ゴムに設けられる溝部は、プロペラハブの一端
面側に位置し、かつプロペラの半型方向内方に向けて開
口する。

このため、プロペラの組立ては、プロペラハブの上記一
端面側から行うことができ緩衝ゴムとプロペラハブと接
着したり、緩衝ゴムをプロペラハブに圧入する必要がな
い上に、プロペラ軸への装着に際しても緩衝ゴムとプロ
ペラ軸とが接触しないのできわめて容易に行うことがで
きる。

また、これにより緩衝特性のバラツキは少なくなり、シ
ャーピンの破かい荷重はほぼ一様になる。

また、従来の構軍のように金属製プッシュを必要としな
いので、重量も軽減できプロペラハブも鋳抜きのまま使
用できるので、製造価格も大巾に低減できる。

以下、本考案の実施例を図について説明するとまず第１
，２図において、プロペラ軸１にはプロペラ羽根２と一
体のプロペラハブ３が嵌合しており、末端のねじ部１ａ
には固定用ナット４が取付けられている。

プロペラハブ３は、プロペラ軸１に回転自在に嵌合する
内ボス部１０と、プロペラ羽根２を備える外ボス部１１
を有し、内ボス部１０と外ボス部１１との間にその軸方
向端面に開口する凹部３ａが形或され、この凹部３ａに
緩衝ゴム５が配置されている。

緩衝ゴム５は、内ボス部１０によってプロペラ軸１とは
離れて配置されている。

すなわちプロペラハブ３のプロペラ軸１への装着に際し
て内ボス部１０は案内作用をなし、緩衝ゴム５とプロペ
ラ軸１とが接触しないようになっている。

また緩衝ゴム５は、その端面に溝５ａを有し、プロペラ
軸１に設けられたシャーピン６がこの溝５ａに係合する
。

プロペラ軸１の回転は、シャーピン６を介して緩衝ゴム
５に伝えられ、此処からプロペラハブ３に伝えられる。

第３図は、本考案の他の実施例を示すもので、緩衝ゴム
５の溝部に巾広の金属板７が接着されている。

この配置によれば、緩衝ゴム５の受圧面積が大きくなり
、局部的な圧縮を避けることができる。

本考案においては、緩衝ゴム５とプロペラハブ３との間
の接着は不要であり、緩衝ゴムをプロペラハブ内に圧入
する必要がなくなり、安定した緩衝特性が得られるとと
もにシャーピンの破かい荷重のバラツキが防止できる。

また、プロペラハブ３の凹部３ａは鋳抜きのまま使用で
き、従来のように加工を必要とせず、また従来の構造に
用いられた金属製プッシュが不要になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すプロペラの断面図、第
２図は第１図のＩＩ − ＩＩ線断面図、第３図は他の
実施例を示すプッシュおよびシャーピンの断面図である
。 １・・・プロペラ軸、３・・・プロペラハブ、５・・・
緩衝ゴム、６・・・シャーピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プロペラ軸と、前記プロペラ軸に嵌合するプロペラハブ
   と、前記プロペラハブに一体に形或されたプロペラ羽根
   とを有し、前記プロペラハブは、前記プロペラハブ軸に
   回転自在に嵌合する内ボス部と、前記プロペラ羽根を備
   える外ボス部とを有するとともに、前記内ボス部と前記
   外ボス部との間にその軸方向一端面に開口する凹部が直
   径方向に相対向して形或され、この凹部に緩衝ゴムが前
   記内ボス部によって前記プロペラ軸とは離れて配置され
   ており、前記プロペラハブの前記一端面側において前記
   緩衝ゴムにはプロペラの半径方向に向けて開口する溝部
   が形或され、プロペラ軸から半径方向に突出するシャー
   ピンが前記緩衝ゴムの溝部に係合していることを特徴と
   する船舶用プロペラ。