WO2007066806A1

WO2007066806A1 - 保冷剤組成物

Info

Publication number: WO2007066806A1
Application number: PCT/JP2006/324703
Authority: WO
Inventors: Katsuyoshi Yamashina; Kumi Shimada; Hironobu Konishi
Original assignee: Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd.
Priority date: 2005-12-09
Filing date: 2006-12-11
Publication date: 2007-06-14
Also published as: JP2007161789A; JP4873942B2

Abstract

【課題】本発明の目的は、保冷効果の持続性に優れ、しかも適用部位に対する追従性及び低温下での柔軟性をも備えている保冷剤組成物を提供することである。【解決手段】(i)尿素、(ii)多価アルコール、(iii)水溶性高分子化合物、及び(iv)水を配合し、且つ前記(i)成分１００重量部に対して前記(ii)成分を１３０～１９０重量部の割合で含有するように調整して、保冷剤組成物を調製する。

Description

明細書

保冷剤組成物

技術分野

[0001] 本発明は、冷凍冷蔵庫で予め冷却した後、対象物に対する接触等により使用されるタイプの保冷剤組成物に関する。より具体的には、本発明は、保冷効果の持続性に優れ、しかも低温下で適度な柔軟性を備えており、適用部位に対する追従性 (冷却された状態で、適用部位の形状に対応して変形し密接する特性）に優れている保冷剤組成物に関する。

背景技術

[0002] 従来、種々のタイプの保冷剤が開発されており、発熱時の解熱用、スポーツの後のアイシング用、疲労時の肉体の冷却用、生鮮食品の低温保存用等の用途に使用されている。一般に、保冷剤には、対象物を冷却するという目的から、所望の低温状態を長時間保持すると!ヽぅ特性 (以下、「保冷効果の持続性」と表記する）が要求されている。更に、身体に対して適用する保冷剤の場合には、所望の保冷効果のみならず快適な使用感が得られることが重要であり、適用部位に対して追従性 (冷却された状態で、適用部位の形状に対応して変形し密接する特性)を備えていることが必要とされる。中でも特に、頸部、腕部、脚部等の身体曲面部位に対して適用する保冷剤は、使用時に適用部位と保冷剤との間に隙間が生じ易いため、十分な追従性を兼ね備えていなければ、使用時に違和感が生じて快適さに欠けてしまう。適用部位に対する追従性は、低温時での保冷剤の柔軟性に大きく依存しており、低温時に柔らかすぎたり、硬すぎたりすると、適用部位に対する追従性が不十分になることが分力つている。

[0003] このような事情を背景として、近年、保冷効果の持続性と共に追従性をも備えて!/ヽる保冷剤の開発が精力的に行われ、様々な保冷剤組成が提案されている。

[0004] 例えば、特許文献 1には、柔軟性を備えた保冷剤として、水溶性高分子、多価アルコール、及び多価金属化合物を配合したものが開示されている。しかしながら、特許文献 1の保冷剤では、ゲルが架橋されて一定の形状が形成されているので、頸部等の身体曲面部位に適用する場合には十分な追従性が得られないという欠点がある。

[0005] また、特許文献 2には、保冷効果の持続性があり、適用部位に対する追従性が改善された保冷剤として、水、アルコール、ゲル化剤、及びカリミヨウバンを特定の割合で配合したものが開示されている。しかしながら、特許文献 2の保冷剤でも、頸部等の身体曲面部位に適用する場合には、弾性が高いため柔軟性が十分であるとはいえず、所期の追従性が得られず使用感の点で満足できるものではな、。

特許文献 1：特開平 6 - 25657号公報

特許文献 2 :特開 2002— 173671号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決することを目的とする。具体的には、本発明の目的は、保冷効果の持続性に優れ、しかも低温下で適度な柔軟性を有し、適用部位に対する追従性も良好である保冷剤組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、（0尿素、 GO多価アルコール、（iii)水溶性高分子化合物、及び (iv)水を組み合わせて配合した保冷剤組成物は、保冷効果の持続性、及び適用部位に対する追従性の点で優れていることを見出した。更に、上記 (i)〜(iv)成分を配合した保冷剤組成物において、（0及び GO成分の割合が特定の比率を充足することにより、上記特性が一層良好になり、身体 (特に身体の曲面部位）に適用される保冷剤として特に好適であることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。

[0008] 即ち、本発明は、下記に掲げる保冷剤組成物、及びその利用に関する発明を提供する：

項 1. (0尿素、 GO多価アルコール、（m)水溶性高分子化合物、及び Gv)水を含み、（0 成分 100重量部に対して GO成分を 130〜 190重量部の割合で含有することを特徴とする、保冷剤組成物。

項 2. 更に、（V)水溶性無機塩を含む、項 1に記載の保冷剤組成物。

項 3. (0成分 100重量部に対して、（iii)成分が 8〜12重量部、及び (iv)成分が 690〜 760重量部の割合で含有される、項 1又は 2に記載の保冷剤組成物。項 4. 項 1乃至 3のいずれかに記載の保冷剤組成物が袋体内に封入されてなる、身体用保冷剤。

項 5. 頸部用保冷剤である、項 4に記載の保冷剤。

[0009] 以下、本発明を詳細に説明する。

[ooio] 本発明の保冷剤組成物は、（0尿素、 GO多価アルコール、（m)水溶性高分子化合物

、及び (iv)水を含有する。

[0011] 本発明において使用される多価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは 1種単独で使用してもよぐまた 2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの多価アルコールの中で、（製造時の取り扱いやすさや価格など）という観点から、好ましくはプロピレングリコールである

[0012] また、本発明において使用される水溶性高分子化合物としては、その重量平均分子量については特に制限されない。水溶性高分子化合物として、具体的には、デンプン、ゼラチン、寒天、カラギーナン、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、アラビアゴム、トラガントガム、ぺクチン、キサンタンガム、プノレラン、カードラン、デキストラン、ジュランガム等の天然高分子化合物；メチルセルロース、ェチルセノレロース、ヒドロキシェチノレセノレロース、ェチノレヒドロキシェチノレセノレロース、カノレボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、アルギン酸プロピレンダリコール、及びこれらの塩 (例えば、ナトリウム塩)等の半合成高分子化合物；ポリビュルアルコール、ポリビュルピロリドン、カルボキシビ二ルポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩等の合成高分子化合物が挙げられる。これらの水溶性高分子化合物は、 1種のみを単独で使用してもよぐまた 2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの水溶性高分子化合物の内、好ましくはカルボキシメチルセル口ース、メチノレセノレロース、ェチノレセノレロース、ヒドロキシェチノレセノレロース、ェチノレヒド口キシェチノレセノレロース、カノレボキシメチノレセノレロース、メチノレヒドロキシプロピノレセルロース、及びこれらの塩であり、特に好ましくはカルボキシメチルセルロース及びその塩 (例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩など)である。

[0013] 本発明の保冷剤組成物は、上記の G)〜Gv)成分を組み合わせて含有し、且つ (0成分 100重量部に対して GO成分を 130〜 190重量部の割合で含有するものである。このような配合比で (0及び GO成分を含有することによって、保冷効果の持続性を備えながらも、適用部位に対する追従性及び低温下での柔軟性の双方の点が良好になり、身体の曲面部位に適用しても良好な使用感を得ることが可能になる。このような効果を一層顕著ならしめるという観点から、（0成分 loo重量部に対して、 GO成分が好ましくは 135〜185重量部、特に好ましくは 140〜180重量部となる割合が挙げられる [0014] 本発明の保冷剤組成物にお!ヽて、上記 (iii)及び (iv)成分の配合比にっヽては、特に制限されるものではないが、一例として、（0成分 loo重量部に対して、（m)成分が 4

〜50重量部、及び (iv)成分が 500〜780重量部となる割合が例示される。保冷効果の持続性を良好に保持させながら、頸部等の身体の曲面部に対する追従性を一層向上させるという観点から、好ましくは、（0成分 loo重量部に対して、（m)成分が 8〜ι

2重量部、及び (iv)成分が 690〜760重量部となる割合;更に好ましくは (iii)成分が 9 〜： L 1重量部、及び (iv)成分が 700〜750重量部となる割合が挙げられる。

[0015] 本発明の保冷剤組成物における上記 (i)〜Gv)成分の含有量については、前述する各成分の配合比を充足する限り特に制限されない。保冷効果の持続性、適用部位に対する追従性、及び低温下での柔軟性を一層良好にバランス良く備えさせ、身体の曲面部位に対する適用にお、てより優れた使用感を獲得すると、う観点から、保冷剤組成物の総重量に対する各成分の含有量として、以下の範囲が例示される： (0成分が 8〜12重量％、 GO成分が 13〜19重量％、（iii)成分が 0. 32〜6重量％、及び (iv)成分が 40〜88重量％；

好ましくは、（0成分が 8. 5〜： L 1. 5重量％、 GO成分が 13. 5〜18. 5重量％、（iii)成分が 0. 8〜1. 8重量％、及び (iv)成分が 68〜77重量％;

更に好ましくは、（0成分が 9〜： L 1重量％、 GO成分が 14〜18重量％、（iii)成分が 0. 8 〜1. 2重量％、及び (iv)成分が 70〜75重量％。 [0016] 本発明の保冷剤組成物は、上記 (i)〜(iv)成分に加えて、更に (V)水溶性無機塩を含有していることが望ましい。水溶性無機塩を含有することにより、保冷剤組成物に、一層良好な柔軟性を具備させることが可能になる。本発明に使用される水溶性無機塩としては、具体的には、水酸ィ匕アルミニウム、塩ィ匕アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリミヨウバン等のアルミニウム塩；水酸化マグネシウム、塩化マグネシゥム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩;水酸ィ匕カルシウム、塩ィヒカルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム塩等が例示される。これらの水溶性無機塩は、 1種のみを単独で使用してもよぐまた 2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの水溶性無機塩の中で、好ましくはアルミニウム塩が挙げられ、更に好ましくはカリミヨウバンが挙げられる。

[0017] 本発明の保冷剤組成物に上記 (V)成分を配合する場合、該成分の配合比については、使用する水溶性無機塩の種類に応じて異なる力一例として、（0成分 100重量部に対して、（V)成分が 0. 05-2. 5重量部、好ましくは 0. 1〜2重量部、更に好ましくは 0. 3〜1重量部が例示される。また、保冷剤組成物における (V)成分の含有量としては、上記配合比を充足する範囲内で適宜設定される力例えば、保冷剤組成物の総重量に対して、（V)成分が 0. 004-0. 3重量％、好ましくは 0. 01-0. 2重量％、更に好ましくは 0. 03-0. 10重量％が例示される。（V)成分の比率や含有量が上記範囲の上限を著しく超える場合には、適用部位に対する追従性が損なわれる傾向が現れる。

[0018] 本発明の保冷剤組成物には、本発明の効果を妨げないことを限度として、上記成分以外に、防腐剤、着色剤、吸水性高分子化合物、界面活性剤、着香料、清涼化剤等を適当量配合することができる。

[0019] 本発明の保冷剤組成物は、上記成分を特定割合で含有することにより、低温下でも優れた柔軟性を備えることができる。本発明の保冷剤組成物は、低温下での柔軟性の程度は、各配合成分の種類や配合割合等によって変動するが、通常、以下の測定条件下での WC値 (圧縮エネルギー）が 1. 6〜3. 5gfZcm程度、好ましくは 1. 8〜3. 5gfZcm程度、更に好ましくは 2〜3. 4gfZcm程度のものが挙げられる。このような柔軟性を備えることによって、適用部位に対する追従性が良好になり、頸部等の身体の曲面部に適用しても、良好な使用感を得ることが可能になる。

M^^:保冷剤組成物 75gを 14 X 7cmのポリエチレン製袋 (厚さ 70 μ m)に空気が入らな!/、ように充填し密封したものをサンプルとする。サンプルを— 20°Cで 16時間以上保管した後に、保冷箱 (発泡スチロール製；縦約 35cm X横約 25cm X高さ約 2 5cm)に収容し、 2分後にサンプルの上面中央部に対して 10mm φの加圧棒を接触させ、加圧棒を加圧し、加圧棒に対する反発力が lOOgZcm²になるまで押し込む。加圧棒に対する反発力が lOOgZcm²になるまでに要するエネルギーの総量 (WC値；圧縮エネルギー、 gfZcm)を圧縮試験機により測定する。

[0020] 本発明の保冷剤組成物は、所定形状の袋体に充填して密封することにより、保冷剤として使用される。本発明の保冷剤組成物を充填する袋体は、該保冷剤組成物の特徴である「適用部位に対する追従性」を保冷剤の製品形態で効果的に発現させるために、可とう性乃至柔軟性を有するフィルム又はシートから構成されているものが望ましい。このような袋体を構成するフィルム又はシート材料としては、通常の保冷剤に使用されている高分子材料を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、エチレン酢酸ビュル、ポリ塩化ビニル、ナイロン等が例示される。当該袋体を構成するフィルム又はシートは、単層構造であっても、 2層以上が積層した複層構造であってもよい。

[0021] なお、本発明の保冷剤組成物を袋体に封入した保冷剤は、断熱や袋体の破損を防ぐことを目的として、その全部又は一部分が、人工繊維、天然繊維、織布、不織布、合成樹脂、その他緩衝材等で覆われていてもよい。

[0022] 本発明の保冷剤組成物を袋体内に封入した保冷剤は、その適用対象については、保冷又は冷却が必要とされるものである限り、特に制限されない。例えば、身体の特定部位を保冷又は冷却するためのものであってもよぐまた食材ゃ実験試薬等を保冷又は冷却するものであってもよ!/、。

[0023] 本発明の保冷剤組成物は、適用部位に対する追従性及び柔軟性という点で優れており、身体に適用した場合に良好な使用感が得られる。このような本発明効果に鑑みれば、前記保冷剤は身体用の保冷剤として好適である。身体用の保冷剤は、頸部、腕部、脚部等の皮膚曲面部位用；眼部用（アイマスク状）；額用；後頭部用（枕状)等の身体の適用部位に応じた大きさや形状をとることができる。また、例えば、前記身体用の保冷剤が、頸部、腕部、脚部等に適用されるものである場合には、当該保冷剤は、必要に応じて、適用部位に巻き付けて固定するための固定バンドが設けられていても良い。

[0024] 従来の保冷剤では、「適用部位に対する追従性」及び「柔軟性」の両方を同時に満たすことができないため、身体の曲面部位に適用すると、使用時に違和感が生じて、快適な使用感を得ることができなカゝつた。これに対して、本発明の保冷剤組成物を袋体内に封入した保冷剤は、身体の曲面部位に適用した場合でも快適な使用感を得ることができ、従来の保冷剤では実現し得なカゝつた課題を解決できる。このような本発明効果に鑑みれば、前記保冷剤は、身体曲面部位用の保冷剤、特に頸部用の保冷剤として有用である。

発明の効果

[0025] 本発明の保冷剤組成物は、優れた保冷効果の持続性を有して!/ヽる。また、本発明の保冷剤組成物は、低温に冷却された状態でも、適用部位の形状に応じて変形して適用部位に対して密接することができるので、適用部位が頸部等の身体曲面部位に対しても好適に使用できる。更に、本発明の保冷剤組成物は、低温下でも柔軟性があるため、身体部位に適用しても、異物感ゃ不快感を感じることはなぐ心地よぃ感虫を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0026] 以下、実施例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。

麵

表 1に示す組成の保冷剤組成物 75gを 14 X 7cmのポリエチレン製袋（厚さ 70 m )に充填し、密封して保冷剤を製した。得られた保冷剤について、保冷効果の持続性、低温下での柔軟性、適用部位に対する追従性、及び使用感の総合評価を以下の方法に従って評価した。

[0027] <保冷効果の持続性 >

— 20°Cで 16時間以上保管した保冷剤を保冷箱 (発泡スチロール製;縦約 35cm X 横約 25cm X高さ約 25cm)に収容し、 3分後に出力 0. 4Wに設定した 5 X 5cmの熱板 (装置名サーモラボ II；カトーテック社製)上に静置して、保冷剤と熱板の接面の温度を経時的にモニターし、当該接面温度が 20°Cに到達するまでの時間を測定した。

[0028] <低温下での柔軟性 >

— 20°Cで 16時間以上保管した保冷剤を、保冷箱 (発泡スチロール製;縦約 35cm X横約 25cm X高さ約 25cm)に収容し、 2分後に保冷剤の上面中央部に対して 10 mm φの加圧棒を接触させ、加圧棒を加圧し、加圧棒に対する反発力が lOOgZcm 2になるまで押し込む。加圧棒に対する反発力が lOOgZcm²になるまでに要するェネルギ一の総量 (WC値； gf Zcm)を圧縮試験機 (装置名 KES

G- 5 ;カトーテック社製）により測定した。

[0029] <適用部位に対する追従性 >

19名のモニターにより、以下方法に従って評価した。即ち、— 20°Cで 16時間以上保管した保冷剤を、ファスナー付きのタオル地力バーに入れ、これを頸部に巻き付けることによって、保冷剤を頸部に装着させて頸部の冷却を行った。各モニターが、保冷剤の頸部に対する追従性にっ、て、下記 4段階の評点で評価を行った。

4点:頸部の形状に対応して保冷剤が十分に変形し、頸部に対する密接性が良好になる

3点:頸部の形状に対応して保冷剤が変形し、頸部に対する密接性がやや良好になる

2点:頸部の形状に対応して保冷剤がある程度変形するが、頸部に対する密接性は十分とはいえない

1点：頸部の形状に対応して保冷剤が変形せず、密接性が不十分である

得られた各モニターの評点を合計して、下記基準に従って、保冷剤の頸部に対する追従性について判定した。

[頸部に対する追従性の官能評価基準]

◎:評点の合計 68以上 76以下

〇：評点の合計 60以上 67以下

△：評点の合計 31以上 59以下 X：評点の合計 19以上 30以下

<使用感の総合評価 >

19名のモニターにより、以下方法に従って評価した。即ち、 20°Cで 16時間以上保管した保冷剤を、ファスナー付きのタオル地力バーに入れ、これを頸部に巻き付けることによって、保冷剤を頸部に装着させて頸部の冷却を行った。冷却開始 10及び 3 0分後に、各モニターが、保冷剤の頸部に対する使用感について、下記 4段階の評点で総合的に評価を行った。

4点:使用感が良好である

3点：使用感がやや良好である

2点:使用感が普通である

1点:使用感が悪い

[使用感の総合評価の基準]

◎:評点の合計 68以上 76以下

〇：評点の合計 60以上 67以下

△：評点の合計 31以上 59以下

X：評点の合計 19以上 30以下

[0030] 得られた結果を表 1に示す。この結果から、実施例 1 3の保冷剤組成物によれば

、保冷効果の持続性、適用部位に対する追従性、及び低温下での柔軟性を兼ね備えることができ、頸部に適用しても良好な使用感が得られることが確認された。

[0031] [表 1] 配合成分

(単位：重量％) 実施例

1 2 3 尿素 10 10 10

7°ロピレンク'リコ-ル 18 16 14 カルホ'キシチルセル口 - ¹ 1 1 1 カリミ 3ゥ Λ'ン 0. 06 0. 06 0. 06 防腐剤 0. 03 0. 03 0. 03 着色剤 0. 001 0. 001 0. 001 精製水残余残余残余

D口 T里 100 100 100 保冷効果の持続性

(保冷剤と熱板の接面の温度が 20で 87. 5 88 91. 5 に到達するまでの時間（分)）

低温下での柔軟性 3. 22 ― 2. 22 (W C値、 gf/cm)

適用部位に対する追従性（官能評価

結果） ◎ ◎ ◎ 使用感の総合評 1 0分後

価（官能評価結 ◎ ◎ 〇

3 0分後

果） ◎ ◎ なお、表中の評価項目中に表示する「一」は、未測定を示す。

# 1 カルポキシメチルセルロースは、商品名「セロゲン BSH- 12」（第一工業製薬株式会社製：カルポキシメチルセルロースナトリウム、エーテル化度 0. 7〜0. 85) を使用した。

[0032] 比較試験例 1

表 2に示す組成の保冷剤組成物 75gを 14 X 7cmのポリエチレン製袋（厚さ 70 m

)に充填し、密封して保冷剤を製した。得られた保冷剤について、保冷効果の持続性、低温下での柔軟性、適用部位に対する追従性、及び使用感の総合評価を、上記試験例 1と同様の方法で評価した。

[0033] 得られた結果を表 2に示す。この結果から、尿素に対して多価アルコールが重量比で 1. 2倍又は 2倍量含まれる場合、保冷剤組成物は、低温下での柔軟性が不十分であり、頸部に対する追従性の点で満足することができず、快適な使用感が得られないことが明ら力となった (比較例 1及び 2参照)。また、尿素又は多価アルコールのいずれかを含まない場合には、保冷効果の持続性及び頸部に対する追従性の双方を良好にすることはできず、頸部に適用した際に良好な使用感が得られないことが確認された (比較例 3— 10参照)。

[0034] [表 2] 配合成分比較例

(単位：重量％)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 尿素 10 10 10 0 0 0 0 0 0 10 フ。ロピレンゲリコ-ル 12 10 20 16 26 30 28 28 28 0 カルホ'キシ州セルス " 1 1 1 1 1 1 1 1.4 1.2 1 カリミゥ 0.06 0.06 0.06 0.06 0.06 0.06 0.06 0.21 .021 0.06 防腐剤 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 着色剤 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 精製水残余残余残余残余残余残余残余残余残余残余合計量 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 保冷効果の持続性

(保冷剤と熱板の

接面の温度が 21TC 97 94 77 108 89 82 89 ― - 135 に到達するまでの

時間 (分))

低温下での柔軟

―

性 (WC値, f/cm) 1.30 3.03 1.55 4.00 3.65 0.07 適用部位に対する

追従性（官能評価 Δ

結果） ◎ X Δ Δ Δ Δ ― X 使用感 10分後

の総合 Δ X 〇 X Δ Δ Δ 〇〇 X 評価（官

30分後

能評価〇厶

結果） △ Δ Δ X Δ Δ Δ Δ なお、表中の評価項目中に表示する「一」は、未測定を示す。

# 1 カルボキシメチルセルロースは、商品名「セロゲン BSH-12」（第一工業製薬株式会社製；カルボキシメチルセルロースナトリウム、エーテル化度 0.7~0.85) を使用した。

[0035] 試験例 2

表 3及び 4に示す組成の保冷剤組成物 75gを 14 X 7cmのポリエチレン製袋 (厚さ 7 O^m)に充填し、密封して保冷剤を製した。得られた保冷剤について、適用部位に対する追従性、及び使用感の総合評価を上記試験例 1と同様の方法に従って評価した。

[0036] 得られた結果を表 3及び 4に示す。この結果から、実施例 4— 23の保冷剤組成物は、いずれも、適用部位に対する追従性、及び低温下での柔軟性を兼ね備えており、頸部に適用しても良好な使用感が得られることが確認された。なお、これらの保冷剤組成物は、保冷効果の持続性をも備えていた。

[0037] [表 3] 配合成分実施例

(単位：重量％)

4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 尿素 10 10 10 9 11 10 10 11 9.909 12 フ。ロピレンゲリコ-ル 16 16 16 16 16 16 16 17.909 14 16 カルホ'キシセルス'¹ 1 0.8 1.2 1 1 1 1 1 1 1 カリミヨウン 0.06 0.06 0.06 0.06 0.06 0.03 0.1 0.06 0.06 0.08 防腐剤 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 着色剤 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 精製水残余残余残余残余残余残余残余残余残余残余直 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 適用部位に対する

追従性（官能評価 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ 結果）

使用感 10分後

の総合 ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ 評価（官

能評価 30分後

結果） ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ 〇

# 1 カルボキシメチルセルロースは、商品名「セロゲン BSH- 12」（第一工業製薬株式会社製；カルポキシメチルセルロースナトリウム、エーテル化度 0.7〜0.85) を使用した。 4]

# 1 カルポキシメチルセルロースは，商品名「セロゲン BSH-12」（第一工業製薬株式会社製；カルポキシメチルセルロースナトリウム、エーテル化度 0.7〜0.85) を使用した。

Claims

請求の範囲

[l] (0尿素、 GO多価アルコール、（m)水溶性高分子化合物、及び Gv)水を含み、（0成分 1 00重量部に対して GO成分を 130〜 190重量部の割合で含有することを特徴とする、保冷剤組成物。

[2] 更に、（V)水溶性無機塩を含む、請求項 1に記載の保冷剤組成物。

[3] 請求項 1又は 2に記載の保冷剤組成物が袋体内に封入されてなる、身体用保冷剤

[4] 頸部用保冷剤である、請求項 3に記載の保冷剤。