WO2007034564A1

WO2007034564A1 - 流量レギュレータユニットおよびこの流量レギュレータユニットを備えたエアゾール式製品

Info

Publication number: WO2007034564A1
Application number: PCT/JP2005/017644
Authority: WO
Inventors: Masato Suzuki
Original assignee: Mitani Valve Co., Ltd.
Priority date: 2005-09-26
Filing date: 2005-09-26
Publication date: 2007-03-29
Also published as: EP1949971B1; EP1949971A1; JP4974175B2; US20090250534A1; US8201757B2; JPWO2007034564A1; CN100569382C; EP1949971A4; CN101272864A

Description

明細書

流量レギユレータユニットおよびこの流量レギユレータユニットを備えたェァゾール式製品

技術分野

[0001] 本発明は、内容物噴射用ガスの圧力変化に対応した流量調整機能を持つレギユレータユニットに関し、特にエアゾール容器の操作ボタン用の流量レギユレータユニットおよびノヽウジング用の流量レギユレータユニットに関する。

[0002] エアゾール容器で用いられる内容物噴射用ガスの圧力は、

(11)圧縮ガスの場合、エアゾール容器中の当該ガスの占有容積（容器全体の実容積残留内容物の占有容積）に応じて変化し、

(12)液ィ匕ガスの場合、エアゾール式製品の使用環境の温度によって変化する。

[0003] なお、本明細書では、操作ボタンの内容物噴射孔側を「前」、この噴射孔とは反対側を「後」という。

背景技術

[0004] 本件出願人は、内容物噴射用ガスの圧力変化対応の流量調整機能を備えた操作ボタンをすでに提案している。（後述の特許文献 1,特許文献 2参照）

[0005] この操作ボタンにおける流量調整機構は、概略、

(21)操作ボタンのボディ（筐体）

(22)当該ボディに取り付けられて、ステム力の流入内容物の通路用空間域の大きさ (内容物通過用断面積)を調整するために前後方向の深さを変化させた凹状部や、同じく調整用の孔部を形成したシリンダ

(23)当該シリンダの内部に配置され、この凹状部ゃ孔部に対して前後方向に移動する鞘状のピストン部材

(24)当該ピストン部材を前方向に付勢するため、当該ピストン部材と当該ボディとの間に設定されたコイルスプリング

(25)当該通路用空間域を通過した内容物の噴射用ピース

などの基本的な構成要素からなって、る。 [0006] 流量調整用のピストン部材は、コイルスプリングの弾性力と、自らが受ける噴射用ガス圧力との大小関係に基づいて前後方向に移動することにより、内容物の通路用空間域の流入用断面積を変化させる。

[0007] ピストン部材は流入内容物の噴射用ガス圧力によって全体として後方へのカを受け、当該後方へのガス圧力がコイルスプリングの前方向への付勢力よりも強くなると、ピストン部材は後方に移動する。

[0008] ピストン部材の後方への移動にともない、通路用空間域の内容物流入用断面積が小さくなつてピストン部材への流入内容物の量も少なくなる。すなわちピストン部材に対する後方へのガス圧力が弱くなる。

[0009] その結果、コイルスプリングの付勢力が当該ガス圧力に打ち勝ってピストン部材は前方へと移動する。

[0010] この前方への移動により通路用空間域の内容物流入用断面積が再び大きくなつて、ピストン部材に十分な内容物が流入し、動作開始時と同じように、ピストン部材は噴射用ガスに基づく押圧力で後方へと移動する。

[0011] 操作ボタンを押圧している作動モードではピストン部材のこの前後方向への移動が繰り返される。

[0012] このように作動モードでは内容物噴射用ガスの圧力の変化に応じて、

(31)噴射用ガス圧力が強い場合には、ピストン部材がその前方位置カゝら後方位置への移動所要時間（内容物がピストン部材の内空間部に新たに流入する時間幅）を短くし、

(32)噴射用ガス圧力が弱くなつた場合には、ピストン部材の当該移動所要時間を長くしている。

[0013] すなわち、この噴射用ガス圧力が弱いときには、各時点における通路用空間域の実流入断面積をいわば時間で積分した形の合計流入断面積が大きくなるように設定している。

[0014] 使用初期のように容器本体内部の内容物噴射用ガス圧力が高いとき（8KgZcm²) は、

(41)ピストン部材は当該ガス圧力に基づく後方への大きな力を受け、 (42)ピストン部材の後方への移動速度が速、、

ので、通路用空間域の内容物流入用断面積が「大き、」状態のときの時間割合が小さくなる。

[0015] 一方、エアゾール式製品の使用にともな!/、容器本体内部の内容物噴射用ガス圧力が低くなる（例えば 3KgZcm²)と、上記高ガス圧力のときに比べて、

(51)ピストン部材は当該ガス圧力によって後方へ受ける力も小さぐ

(52)ピストン部材の後方への移動速度が遅くなる、

ので、通路用空間域の内容物流入用断面積が「大き、」状態のときの時間割合が大きくなる。

[0016] なお、コイルスプリングによるピストン部材の前方への移動速度は容器本体内部の内容物噴射用ガス圧力の高低にかかわらず略同一である。

[0017] したがって、通路用空間域における単位時間あたりの内容物流入用断面積が容器本体内部の内容物噴射用ガス圧力の変化によって自動調整されるので、エアゾール式製品の内容物噴射量の安定ィ匕を図ることができる。

特許文献 1 :特開 2004— 136212号公報

特許文献 2：特開 2004 -313841号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0018] 以上の流量調整機能を持つ操作ボタンは、このように、内容物噴射用ガスの圧力が変化しても単位時間あたりの内容物噴射量を略一定にできるといった、利便性を有するものである。

[0019] また、内容物流入量調整部の動作をより十全なものとし、かつ、当該調整部およびこれに対応のシリンダなどの内周面の劣化を防止できるという利点も有している。（特許文献 2参照）

[0020] ただ、構成要素の 1つであるコイルスプリングを操作ボタンのボディ（筐体）の一部で受けているため、当該ボディを必ず取り込んだ形の流量調整機構とならざるを得す、この点で、上述の流量調整機能を備えた操作ボタンは改善の余地を有してヽる。

[0021] 本発明では、コイルスプリングの受け部をピストン部材の収納側（ =上記特許文献におけるシリンダ側）に新たに設けて、流量調整機構の全体を操作ボタンから独立した形のユニット構造とし、これにより異なるタイプの任意の操作ボタン、例えば別々のデザインを表面部分に形成した操作ボタンへ適用できるようにすることを目的とする。

[0022] また、流量レギユレータのユニット形態での取り扱、を可能とし、流量調整機構の管理，試験などにおける利便化を図ることを目的とする。

[0023] また、操作ボタン用の流量レギユレータユニットと共通する構成要素を用いたノヽウジング用の流量レギユレータユニットも提供して、流量調整機構の適用対象の豊富化とともに当該機構の製造コストの低減ィ匕を図ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0024] 本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。

(1)流量レギユレータユニットを、

内容物通路 (例えば後述の孔部 17b, 18b,内部通過域 18c)を備え、エアゾール容器からの内容物噴射用ガスの圧力に基づ!/、て移動するピストン部材 (例えば後述の筒状ピストン部材 17,鞘状ピストン部材 18)と、

前記ピストン部材を収納して当該部材が移動できる内部空間（例えば後述の内側鞘状部 16,筒状案内部 32の内部空間），エアゾール容器の内容物を当該ピストン部材との間の流量調整用空間域に流入させるための孔部（例えば後述の孔部 15a,調整用孔部 16a,32a)および、当該ピストン部材に対する受け部分を備えた保持部（例えば後述の外側鞘状部 15,内側鞘状部 16,筒状案内部 32,鞘状保持部 34)と、前記ピストン部材と前記受け部分との間に設定されて当該ピストン部材を所定方向に付勢する弾性部材 (例えば後述のコイルスプリング 25)と、

を含む態様で構成する。

(2)上記（1)において、前記保持部に、エアゾール容器のステムへの取付け部分 (例えば後述の嵌合保持部分 15b)を設ける。

(3)上記（1)において、前記保持部に、エアゾール容器のハウジングへの取付け部分 (例えば後述の嵌合保持部分 32f)を設ける。

[0025] 本発明は、以上の特徴を持つ流量レギユレータユニットにカ卩えて、このユニットを備えたエアゾール式製品も対象にして、る。発明の効果

[0026] 本発明は、流量調整機構の全体を操作ボタンカゝら独立した形のユニット構造としているので、異なるタイプの任意の操作ボタン、例えば別々のデザインを表面部分に形成した対応サイズの操作ボタンへ適用することができる。

[0027] また、流量レギユレータのユニット形態での取り扱、を可能とし、流量調整機構の管理，試験などを行う上での利便化を図ることができる。

[0028] また、操作ボタン用の流量レギユレータユニットと共通する構成要素を用いたノヽウジング用の流量レギユレータユニットも提供しているので、流量調整機構の適用対象の豊富化とともに当該機構の製造コストの低減ィ匕を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0029] [図 1]図 1は流量レギユレータユニットを備えた操作ボタンの作動モード開始時を示す説明図である。（実施例 1)

[図 2]図 2は図 1の作動モードにおいてピストン部材が後退した状態を示す説明図である。（実施例 1)

[図 3]図 3は図 1の流量レギユレータユニットの内側鞘状部 16を上からみた状態を示す説明図である。（実施例 1)

[図 4]図 4は流量レギユレータユニットを備えたノ、ウジングの作動モード開始時を示す説明図である。（実施例 2)

[図 5]図 5は図 4の作動モードにおいてピストン部材が後退した状態を示す説明図である。（実施例 2)

符号の説明

[0030] 以下の各図において、アルファベット付き参照番号が示す構成要素（例えば図 1, 図 2の内容物通過用の孔部 15a)は、原則としてアルファベットなしの参照番号のそれ (例えば同図の外側鞘状部 15)の一部である。

[0031] 11 操作ボタンを構成する筐体

11a 天井面に形成されて後述の外側鞘状部 15の上側部分を保持するリブ 12 各種の内容物や噴射用ガスを収納した容器本体 (マウンティングキャップ） 13 当該マウンティングキャップに固定されたノヽゥジング 14 当該ハウジングに収容されて周知の弁作用部を構成し、操作ボタンと図示上下方向に連動するステム

15 当該ステムと嵌合して上側部分および後側部分がそれぞれ筐体 11のリブ 11 aおよび後側内周面に位置決めされる外側鞘状部

15a 内容物通過用の孔部

15b ステム 14の嵌合保持部分

16 外側鞘状部 15と嵌合して後述の外側通路用環状空間域 21を形成する内側鞘状部

16a 内容物流入量の調整用孔部

16b 当該調整用孔部の出力側開口部

16c 当該内側鞘状部の前方側の一部であって鞘状ピストン部材 18との間の弁作用を呈する受け部

16d 当該鞘状受け部のいわば基部領域の周方向に間歇的に形成された内容物通過用の貫通部

16e 当該鞘状受け部の周りに形成された環状凹部

16f 当該環状凹部の周面の略前後方向に形成された内容物通過用の溝状部 17 内側鞘状部 16および後述の筒状案内部 32 (図 4,図 5)の内周面にそれぞれ案内されながら図 1の左右方向，図 4の上下方向に移動する筒状ピストン部材 17a 流入量調整用 '被ガイド用の（図 1の左側，図 4の上側の）第 1の環状スカート部

17b 内容物通過用の孔部

17c 被ガイド'シール用の（図 1の右側，図 4の下側の）第 2の環状スカート部

18 筒状ピストン部材 17の内周面と嵌合した態様で、内側鞘状部 16および後述の筒状案内部 32 (図 4,図 5)の内周面にそれぞれ案内されながら図 1の左右方向，図 4の上下方向に移動する鞘状ピストン部材

18a 被ガイド'シール用の環状スカート部

18b 内容物通過用の孔部

18c 当該孔部に続く内容物通過用の内部通路域 19 内側鞘状部 16の環状凹部 16eに嵌合して保持される鞘状の噴射用ピース 19a 当該噴射用ピースの底面部分にその径方向に間歇的に形成された内容物通過用の溝状部

19b 当該溝状部の下流側に続く態様で当該底面部分の中央に形成された凹状部

19c 当該凹状部の下流側に続く噴射孔

20 内側鞘状部 16の鞘状受け部 16cと鞘状ピストン部材 18の前端部分との間に設定される弁作用域

21 外側鞘状部 15と内側鞘状部 16との間に設定される外側通路用環状空間域

22 内側鞘状部 16の出力側開口部 16bから筒状ピストン部材 17の孔部 17bに V、たる内側通路用環状空間域

23 内側鞘状部 16の出力側開口部 16bに続く態様で筒状ピストン部材 17および鞘状ピストン部材 18と当該内側鞘状部との間に設定される第 1のバッファ用環状空間域

23a 筒状ピストン部材 17の第 1の環状スカート部 17aの内側部分を形成するポケット域

23b 鞘状ピストン部材 18の環状スカート部 18aの内側部分を形成するポケット域

24 内側通路用環状空間域 22に続く態様で内側鞘状部 16と筒状ピストン部材 1 7との間に設定される第 2のバッファ用環状空間域

25 筒状ピストン部材 17および鞘状ピストン部材 18を図 1の左側，図 4の下側の各方向に付勢するコイルスプリング

以下の符号は図 4および図 5のみで用いる。

31 容器本体 12に固定されたハウジング

31a 下部側の筒状部分

32 当該筒状部分に嵌合し、筒状ピストン部材 17および鞘状ピストン部材 18のガイド部分や内容物の通路として作用する筒状案内部

32a 内容物流入量の調整用孔部

32b 当該調整用孔部の出力側開口部 32c 当該筒状案内部の内周面部分の環状方向に間歇的に形成されて筒状ビストン部材 17および鞘状ピストン部材 18の上動位置を規制する凸状段部

32d 当該凸状段部に囲まれた中央貫通域

32e 当該筒状案内部の外周面部分に形成されたスカート部分

32f ノ、ウジング 31の筒状部分 31aの嵌合保持部分

33 当該スカート部分に嵌合して後述の鞘状保持部 34などを収容する筒状保持部

33a 下部側の筒状部分

33b 当該筒状部分に続く底面に形成された内容物通過用の孔部

33c 当該底面に続く内周面の上下方向に形成されて後述の鞘状保持部 34を挟持するなどのための複数の縦リブ

34 筒状保持部 33の内部に嵌合して筒状ピストン部材 17および鞘状ピストン部材 18などを収容する鞘状保持部

34a 孔部 33bに対応する底面中央部力も放射状に形成された内容物通過用の複数の横溝状部

35 筒状部分 33aに取り付けられた内容物通過用のチューブ

41 筒状保持部 33と筒状案内部 32との間に設定される外側通路用環状空間域 42 筒状案内部 32の出力側開口部 32bから筒状ピストン部材 17の孔部 17bに

V、たる内側通路用環状空間域

43 筒状案内部 32の出力側開口部 32bに続く態様で筒状ピストン部材 17および鞘状ピストン部材 18と当該筒状案内部との間に設定される第 1のバッファ用環状空間域

43a 筒状ピストン部材 17の第 1の環状スカート部 17aの内側部分を形成するポケット域

43b 鞘状ピストン部材 18の環状スカート部 18aの内側部分を形成するポケット域 44 内側通路用環状空間域 42に続く態様で筒状案内部 32と筒状ピストン部材 1 7との間に設定される第 2のバッファ用環状空間域

以下の説明では、必要に応じて、筒状ピストン部材 17と鞘状ピストン部材 18との一体物を単に「ピストン部材 17, 18」と表現する。

発明を実施するための最良の形態

[0034] 本発明の基本的な特徴は、容器内部の内容物噴射用ガスの圧力が変化した場合にも単位時間あたりの内容物噴射量を略一定にするための流量レギユレータをュ- ットイ匕したことである。

[0035] すなわち、流量レギユレータを、エアゾール式製品における操作ボタンの筐体ゃステム収納用のハウジングなど力も独立したユニット構造のものとして、各種デザインの操作ボタン筐体や、ハウジングにいわばアダプタの形でセットできるようにしている。

[0036] なお、以下の説明では上記特許文献 2の流量調整機構タイプが前提となって、る力本発明がこれに限られることなぐ上記特許文献 1などの各種流量調整機構に適用できることは勿論である。

実施例 1

[0037] 図 1〜図 3の操作ボタン用の流量レギユレータユニットの構成要素は、少なくとも、 •外側鞘状部 15

•内側鞘状部 16

•筒状ピストン部材 17

•鞘状ピストン部材 18

•コイルスプリング 25

の 5個である。なお、噴射用ピース 19を当該構成要素に含めてもよい。

[0038] ピストン部材 17, 18の移動態様は、内容物噴射用ガスの圧力とコイルスプリング 25 の弾性力との相対的な大小関係に基づ、て制御される。そのメカニズムの原理自体は、上記公開公報での開示内容と同じである。

[0039] 外側鞘状部 15,内側鞘状部 16,筒状ピストン部材 17,鞘状ピストン部材 18および噴射用ピース 19などの材質は、ナイロン，ポリアセタール，ポリエチレン，ポリプロピレン，ポリエチレンテレフタレート，ポリブエチレンテレフタレートなどである。

[0040] ボタン用の流量レギユレータユニットの組み立て手順は、例えば、

(61)筒状ピストン部材 17と鞘状ピストン部材 18とを嵌合させて第 1の一体物とし、

(62)噴射用ピース 19を内側鞘状部 16に嵌合させて第 2の一体物とし、 (63)第 2の一体物を、第 1の一体物およびコイルスプリング 25を図示のように収納した状態で外側鞘状部 15に嵌合させる、

ようにすればよい。

[0041] なお、噴射用ピース 19は、内側鞘状部 16と外側鞘状部 15とを、第 1の一体物およびコイルスプリング 25を図示のように収納した状態で一体ィ匕してから、最後に当該内側鞘状部に嵌合させてもよい。

[0042] この組み立て後の流量レギユレータユニットを筐体 11にその下方力も挿入して、操作ボタンを作成する。この操作ボタンはステム 14に取り付けられる。

[0043] 図 1〜図 3のエアゾール容器の内容物噴射用通路は、概略、「容器本体 12—ステム 14 孔部 15a 外側通路用環状空間域 21 調整用孔部 16a 出力側開口部 1 6b 内側通路用環状空間域 22 孔部 17b 孔部 18b 内部通路 18c 弁作用域 20 貫通部 16d—環状凹部 16eの後方部分（=噴射用ピース 19が入っていない空間域）—溝状部 16f-溝状部 16fの下流側先端部と溝状部 19aとの間の空間域-溝状部 19a 凹状部 19b 噴射孔 19c」となる。

[0044] 図 1〜図 3の流量レギユレータユニットは操作ボタンの筐体 11からいわば独立した構造になっているので、ユニット単位で管理し、試験することができる。また、このュ- ット構造とのインタフェース部分を持つ各種デザインの筐体に適用可能である。

[0045] 以下、図 1〜図 3の流量レギユレータユニットの動作を説明する。

[0046] 静止モードでは、ピストン部材 17, 18がコイルスプリング 25によって前方に移動して内側鞘状部 16の受け部 16cに当接し、両者間の弁作用域 20は閉状態になっている。

[0047] このとき、第 1の環状スカート部 17aは調整用孔部 16aの前側縁部に当接し、当該孔部の出力側開口部 16bは筒状ピストン部材 17の孔部 17bに連通している。すなわち、当該出力側開口部との間の内側通路用環状空間域 22の流入用断面積はいわば MAX状態になって!/、る。

[0048] 操作ボタン (筐体 11)を押圧した作動モードでは、ステム 14の弁（図示省略）が開いて容器本体 12の内容物が上記噴射用通路により外部空間に出力される。

[0049] このときの内容物は第 1 ,第 2のバッファ用環状空間域 23, 24にも流入するが、それぞれの空間域は環状スカート部 18a, 17cによってシールされており、この流入内容物が外部に漏れることはない。

[0050] また、調整用孔部 16aに入ってくる内容物は第 1の環状スカート部 17aの外周面に当たるので、当該スカート部がこの流入内容物のエネルギーで内側鞘状部 16の内周面の方に押圧されることはない。

[0051] 作動モードのピストン部材 17, 18は、調整用孔部 16aから流入した内容物の噴射用ガス圧力によって全体として後方（図示右方向）への力を受ける。当該後方への力の主たる作用面は筒状ピストン部材 17,鞘状ピストン部材 18の各底面部分、および第 2のバッファ用環状空間域 24に接する当該筒状ピストン部材の図示上下方向の表面部分である。

[0052] この後方への力がコイルスプリング 25の付勢力よりも強くなると、ピストン部材 17, 1

8は後方に移動して弁作用域 20が開状態となる。

[0053] そして、筒状ピストン部材 17 (第 1の環状スカート部 17a)が後方に移動して出力側開口部 16bの内側通路用環状空間域 22への流入用断面積が小さくなり、さらには当該出力側開口部が閉状態になると、調整用孔部 16aからの流入内容物の量が減つてその噴射用ガス圧力も小さくなり、コイルスプリング 25の付勢力の方が勝ってくる。

[0054] その結果、ピストン部材 17, 18は前方へ戻って当該流入用断面積が広い初期状態に移行しょうとする。このとき、当該ピストン部材が内側鞘状部 16の受け部 16cに当接する (弁作用域 20が閉じる)まで前進するとは限らない。

[0055] 容器本体 21の内容物は、このようなピストン部材 17, 18の前後方向への往復動作を繰り返しながら、上記通路により外部空間に噴射される。

[0056] このときのピストン部材 17, 18の後方への移動所要時間が噴射用ガス圧力に大きさに応じて変化し、これにより内容物の流量調整を行って、る。

[0057] また、図 3に示すように、調整用孔部 16aの出力側開口部 16bは後方向に細長で、かつ後方向に、くほど幅狭となるように形成されて、る。

[0058] そのため、外側通路用環状空間域 21から調整用孔部 16aに流入する内容物はその出力側開口部 16bを通過することにより層流状態となって鞘状ピストン部材 18の孔部 18bへと進み、ピストン部材 17, 18の後方向への移動応答性がよくなる。 [0059] なお、調整用孔部 16aの個数.形成位置、また図 1の静止モードや図 2の作動モード (でピストン部材 17, 18が最も後退した状態）における第 1の環状スカート部 17aの前端部分の設定位置は、作動モードの内容物が当該調整用孔部力ピストン部材 1 7, 18の孔部 17b, 18bに流入できるという条件の下で、任意である。

[0060] 例えば、静止モードや作動モード (でピストン部材 17, 18が最も後退した状態）においても、第 1の環状スカート部 17aの前端部分が内側鞘状部 16の出力側開口部 1 6bに対向するようにしてもよい。

[0061] この実施例 1において、外側鞘状部 15,内側鞘状部 16,筒状ピストン部材 17,鞘状ピストン部材 18,コイルスプリング 25および噴射用ピース 19からなるユニットを (筐体 11に取り付けることなしに）そのままステム 14にセットして、当該ユニット自体を操作ボタンとすることもできる。

[0062] なお、コイルスプリング 25に代えて各種タイプのスプリングや板パネなどの任意の弾性部材を用いてもよい。

実施例 2

[0063] 図 4, 図 5のハウジング用の流量レギユレータユニットの構成要素は、

•筒状ピストン部材 17

•鞘状ピストン部材 18

•コイルスプリング 25

•筒状案内部 32

'筒状保持部 33

'鞘状保持部 34

の 6個である。

[0064] ここで、筒状ピストン部材 17,鞘状ピストン部材 18およびコイルスプリング 25はそれぞれ図 1〜図 3の操作ボタン用の流量レギユレータユニットの構成要素と同じものである。

[0065] その他の構成要素は例えば、

(71)筒状案内部 32が内側鞘状部 16に対応し、

(72)凸状段部 32cが受け部 16cに対応し、 (73)「筒状保持部 33 +鞘状保持部 34」または「鞘状保持部 34」が外側鞘状部 15に対応し、

(74)筒状案内部 32の調整用孔部 32aが内側鞘状部 16の調整用孔部 16aに対応し、

(75)筒状保持部 33の内容物通過用孔部 33bが外側鞘状部 15の内容物通過用孔部 15aに対応し、

(76)図 4,図 5の 41〜44の各構成要素が図 1,図 2,図 3の 21〜24の各構成要素に対応している。

[0066] もっとも筒状案内部 32の凸状段部 32cが受け部 16cのような弁作用を呈しないのは勿論である。

[0067] これらの対応関係の下、図 1〜図 3の操作ボタン用の流量レギユレータユニットについての上記動作説明は図 4,図 5のハウジング用のそれにも当てはまる。

[0068] また、ピストン部材 17, 18の移動態様の原理自体も、上述したように上記公開公報での開示内容と同じである。

[0069] 筒状ピストン部材 17,鞘状ピストン部材 18,筒状案内部 32,筒状保持部 33および鞘状保持部 34の材質は、ナイロン，ポリアセタール，ポリエチレン，ポリプロピレン，ポリエチレンテレフタレート，ポリブエチレンテレフタレートなどである。

[0070] 図 4,図 5のハウジング用の流量レギユレータユニットの組み立て手順は、例えば、

(81)筒状ピストン部材 17と鞘状ピストン部材 18とを嵌合させて第 3の一体物とし、

(82)筒状案内部 32と鞘状保持部 34とを、第 3の一体物およびコイルスプリング 25を図示のように収納した状態で嵌合させて、第 4の一体物とし、

(83)この第 4の一体物を筒状保持部 33にその上方カゝら挿入して両者を嵌合させる、ようにすればよい。

[0071] この組み立て後の流量レギユレータユニットは、その筒状案内部 32がハウジング 31 の筒状部分 31aに嵌合状態で取り付けられ、また、その筒状部分 33aにはチューブ 3 5が取り付けられる。

[0072] これにより、チューブ 35とハウジング 31との間に流量レギユレータユニットがセットされる。

[0073] 図 4,図 5における内容物噴射用通路は、概略、「容器本体 12—チューブ 35—孔部 33b—横溝状部 34a—当該横溝状部の下流側先端部と縦リブ 33cとの間の空間域縦リブ 33c間の溝状部一外側通路用環状空間域 41 調整用孔部 32a 出力側開口部 32b 内側通路用環状空間域 42 孔部 17b 孔部 18b 内部通路域 18 c 中央貫通域 32c 筒状部分 3 la」となる。

[0074] ハウジング用の流量レギユレータユニットの場合、図 1〜図 3で用いた弁作用域 20 などは不要である。そのため、流量調整作用が生じないような噴射用ガス圧力においても通常の内容物噴射が可能である。

[0075] また、コイルスプリング 25が入っているエア空間域を大きくすることにより、エア圧縮荷重力 Sスプリング荷重に及ぼす影響を極力小さくしている。すなわち、流量調整作用への影響の減少化を図って、る。

[0076] 図 4,図 5の流量レギユレータユニットは容器内部のハウジング力いわば独立した構造になっているので、ユニット単位で管理し、試験することができる。また、このュ- ット構造とのインタフェース部分を持つ各種ノヽウジングに適用可能である。

実施例 3

[0077] 以上の流量レギユレータユニットを備えたエアゾール式製品としては、洗浄剤，清掃剤，制汗剤，冷却剤，筋肉消炎剤，ヘアスタイリング剤，ヘアトリートメント剤，染毛剤 ,育毛剤，化粧品，シェービングフォーム，食品，液滴状のもの (ビタミンなど），医薬品，医薬部外品，塗料，園芸用剤，忌避剤 (殺虫剤)，クリーナー，消臭剤，洗濯のり , ウレタンフォーム，消火器，接着剤，潤滑剤などの各種用途のものがある。

[0078] 容器本体に収納する内容物は、例えば、粉状物，油成分，アルコール類，界面活性剤，高分子化合物，各用途に応じた有効成分などである。

[0079] 粉状物としては、金属塩類粉末，無機物粉末ゃ榭脂粉末などを用いる。例えば、タルク，カオリン，アルミニウムヒドロキシクロライド（アルミ塩），アルギン酸カルシウム，金粉，銀粉，雲母，炭酸塩，硫酸バリウム，セルロース，これらの混合物などを用いる

[0080] 油成分としては、シリコーン油，パーム油，ユーカリ油，ツバキ油，ォリーブ油，ホホバ油，パラフィン油，ミリスチン酸，パルミチン酸，ステアリン酸，リノール酸，リノレン酸などを用いる。 [0081] アルコール類としては、エタノールなどの 1価の低級アルコール，ラウリルアルコールなどの 1価の高級アルコール，エチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。

[0082] 界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのァニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンォレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルァミノ酢酸べタインなどの両性界面活性剤、塩ィ匕アルキルトリメチルアンモ -ゥムなどの力チオン性界面活性剤などを用いる。

[0083] 高分子化合物としては、メチルセルロース，ゼラチン，デンプン，カゼインなどを用いる。

[0084] 各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル，インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム，タレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド，ジェチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸ィ匕亜鉛などの制汗剤、カンフル，メントールなどの清涼剤、ェフエドリン，アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース，アスパルテームなどの甘味料、エポキシ榭脂，ウレタンなどの接着剤や塗料、ノラフエ-レンジァミン，アミノフエノールなどの染料，リン酸二水素アンモ-ゥム，炭酸水素ナトリウム ·カリウムなどの消火剤などを用いる。

[0085] さらに、上記内容物以外の、懸濁剤，紫外線吸収剤，乳化剤，保湿剤，酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。

[0086] エアゾール式製品における内容物放出用ガスとしては、炭酸ガス，窒素ガス，圧縮空気，酸素ガス，希ガス，これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液ィ匕石油ガス，ジメチルエーテル，フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。

Claims

請求の範囲

[1] 内容物通路を備え、エアゾール容器力もの内容物噴射用ガスの圧力に基づ、て移動するピストン部材と、

前記ピストン部材を収納して当該部材が移動できる内部空間，エアゾール容器の内容物を当該ピストン部材との間の流量調整用空間域に流入させるための孔部および、当該ピストン部材に対する受け部分を備えた保持部と、

前記ピストン部材と前記受け部分との間に設定されて当該ピストン部材を所定方向に付勢する弾性部材と、

を有して、ることを特徴とする流量レギユレータユニット。

[2] 前記保持部は、エアゾール容器のステムへの取付け部分を備えて、る、

ことを特徴とする請求項 1記載の流量レギユレータユニット。

[3] 前記保持部は、エアゾール容器のハウジングへの取付け部分を備えて、る、ことを特徴とする請求項 1記載の流量レギユレータユニット。

[4] 請求項 1乃至 3記載の流量レギユレータユニットを備え、かつ、噴射用ガスおよび内容物を収容したエアゾール式製品。