JP4471130B2 - エアゾール容器の流量レギュレータユニット,エアゾール容器の流量レギュレータ機構およびエアゾール式製品 - Google Patents

エアゾール容器の流量レギュレータユニット,エアゾール容器の流量レギュレータ機構およびエアゾール式製品 Download PDF

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Description

本発明は、放出用ガス(圧縮ガス,液化ガス)の作用により内容物が外部空間に噴射されるエアゾール容器の流量レギュレータユニットなどに関する。
特に、容器内部の放出用ガスの作用によりエアゾール容器から外部空間に噴射される内容物の流量を安定化させるため、エアゾール容器の、利用者の操作に応じて開閉される内容物通過用孔部およびこれの下流側に続く通路部を備えたステムに対するハウジングと、容器内容物に対する吸上管と、の間に取り付けて使用される流量レギュレータユニットを対象とする。
また、ハウジング内部の内容物通過スペースを変化させる流量安定化部材の移動用エア圧縮域と、外部空間とを、ステムに形成したエア通路などを介して連通させる流量レギュレータ機構も対象とする。
これらの流量レギュレータユニットおよび流量レギュレータ機構は、例えば使用初期における容器本体内部の圧縮ガスの圧力が高いときや、その後の使用によって容器本体内部の当該圧力が低下したときのいずれであっても、外部空間への単位時間あたりの内容物噴射量が著しく変動しないようにするためのものである。
一般に、窒素,炭酸ガスや空気などの圧縮ガスによって内容物噴射用圧力が付与されたエアゾ−ル容器の場合、使用初期のようにそのガス圧が十分に高い(例えば7.5kgw/平方cm)場合と、使用程度に応じた圧縮ガス空間域の拡大(=内容物空間域の減少)によって当該ガス圧が低下(最終的には例えば3.0kgw/平方cmに低下)した場合とでは、単位時間あたりの内容物の噴射量が異なってくる。
なお、内容物に溶解している液化ガスの圧力は、圧縮ガスのように使用の程度に応じて低下するといったことはないものの、使用環境の温度によって変化する。
そこで、この放出用ガス(圧縮ガス,液化ガス)の圧力変化にともなう噴射量の変動を抑え、さらにはそのための流量レギュレータの動作の安定化やコストの低減化を図ることが望ましく、本発明はこのような要請に応えるものである。
エアゾール容器の放出用ガスの圧力低下にともなう内容物噴射量の変化を抑制する流量レギュレータを、操作ボタン自体やハウジング自体に組み込んだものや、吸上管の内容物流入側に取り付けたものがある(特許文献1,2参照)。
特開2004−42980号公報 特開2002−347863号公報
これらの流量レギュレータは、内容物放出用ガスの圧力が変化した場合にも単位時間あたりの内容物噴射量を略一定にできるといった、利便性を有するものである。
本発明は、これをさらに改良すべく、流量レギュレータをエアゾール容器の本来の各構成要素(操作ボタン,ハウジングなど)から独立したユニット構造で、かつ、ハウジング入口側の吸上管取付け用部分に取り付けられるもの、すなわちその後の内容物通路が(吸上管とちがって)変形,屈曲する心配がないいわば剛性通路域となる部分に取り付けられるものとしている。
このように本発明は、ユニット形式の流量レギュレータをハウジングと吸上管との間に取り付けるだけでよいといったレギュレータ組込み作業上の簡便化を図るとともに、流量レギュレータでコントロールされた内容物を、変形,屈曲のおそれがないハウジング,ステムおよび操作ボタンそれぞれの内部通路域により放出孔まで供給して、これにより容器内容物の安定噴射化を図ることを目的とする。
さらには、ハウジング内部の内容物通過スペースを変化させる流量安定化部材の移動用エア圧縮域と、外部空間とを連通させて、これにより当該流量安定化部材の移動にともなうエア圧縮問題を確実に回避し、流量レギュレータ機構自体のコンパクト化を図ることを目的とする。
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)放出用ガスの作用によりエアゾール容器から外部空間に噴射される内容物の流量を安定化させるため、エアゾール容器の、利用者の操作に応じて開閉される内容物通過用孔部およびこれの下流側に続く通路部を備えたステムに対するハウジング(例えば後述のハウジング41)と、容器内容物に対する吸上管(例えば後述の吸上管42)と、の間に取り付けて使用される流量レギュレータユニット(例えば後述の流量レギュレータユニット10,20,30)として、
前記吸上管が取り付けられる内容物流入側筒状部(例えば後述の筒状垂下部11a,21a,37a)と、
前記ハウジングの吸上管対応筒状部(例えば後述の小径部分41a)に取り付けられる内容物流出側筒状部(例えば後述の延伸部分12c,26a,31a)と、
前記内容物流入側筒状部から前記内容物流出側筒状部にいたる通路用空間域(例えば図2の吸上管42−溝部16a同士の間−シリンダ11の内周面と内筒12の外周面との間の空間域−横孔12a−上側入口部分A−溝部12b−流量調整弁14と下蓋16との間の空間域−ピストン13の内部空間13a)と、
前記放出用ガスの圧力に基づいて所定の付勢力に抗しながら移動し、かつ、この移動の程度に応じて前記通路用空間域の一部の内容物通過スペース(例えば後述の上側入口部分A,下側入口部分B,入口部分C)を変化させる流量安定化部材(例えば後述の流量調整弁14,24,34)と、
前記所定の付勢力を前記流量安定化部材に付与するための弾性部材(例えば後述のコイルスプリング15,25,35)と、
を備えたものを用いる。
(2)上記(1)の流量レギュレータユニットの前記内容物流入側筒状部に前記吸上管を取り付けるとともに、前記内容物流出側筒状部を前記ハウジングの前記吸上管対応筒状部に取り付けた、
エアゾール容器の流量レギュレータ機構を用いる。
(3)放出用ガスの作用によりエアゾール容器から外部空間に噴射される内容物の流量を安定化させるため、利用者の操作に応じて開閉される内容物通過用孔部(例えば後述の横孔61a)およびこれの下流側に続く内容物通路部(例えば後述の環状通路61b)を備えたステム(例えば後述のステム61)に対する、ハウジング(例えば後述の下側ハウジング部51,上側ハウジング部52)の内部で使用される流量レギュレータ機構として、
前記ハウジングの内容物流入部(例えば後述の縦孔51a)から前記内容物通過用孔部にいたる通路用空間域(例えば図8の縦孔51a−リブ51bの横の溝状部−横孔53a−入口部分D−流量調整弁56と下側受け部53との間の空間域−横孔54a−上側受け部54と下側ハウジング部51との間の空間域−貫通部52b−バッファ空間63−横孔61a)と、
前記放出用ガスの圧力に基づいて所定の付勢力に抗しながら移動し、かつ、この移動の程度に応じて前記通路用空間域の一部の内容物通過スペース(例えば後述の入口部分D)を変化させる流量安定化部材(例えば後述の流量調整弁56,ピストン55)と、
前記所定の付勢力を前記流量安定化部材に付与するための弾性部材(例えば後述のコイルスプリング57)と、
前記流量安定化部材の移動用エア圧縮空間域(例えば後述のエア用上側空間域58,エア用下側空間域59)と、
前記移動用エア圧縮空間域を外部空間に連通させるため、少なくとも前記ステムに形成したエア通路部(例えば後述の上流側エア通路61c)と、
を備えたものを用いる。
(4)上記(3)において、前記ステムに、前記エア通路部から続く外部空間連通用エア通路部(例えば後述の下流側エア通路60b)を形成した操作ボタン(例えば後述の操作ボタン60)が取り付けられているものを用いる。
本発明は、このような構成からなるエアゾール容器の流量レギュレータユニットおよび流量レギュレータ機構を対象とし、また、この流量レギュレータ機構を備えて容器内部に放出用ガスおよび内容物を収容したエアゾール式製品も対象としている。
本発明は、このように流量レギュレータを、エアゾール容器のハウジング入口側の吸上管取付け用部分と吸上管とに取り付けて固定するユニット構造としているので、当該流量レギュレータの組込み作業自体の簡便化を図ることができ、さらには変形,屈曲のおそれがある吸上管を当該流量レギュレータから放出孔までの通路部分から捨象しているので、容器内容物の安定噴射化を図ることができる。
また、流量レギュレータ機能を備えていないエアゾール容器においても、そのハウジングと吸上管とを分離してその間に本発明の流量レギュレータユニットを取り付けること、すなわち流量レギュレータなしの形で作成されたエアゾール容器に対してもその機能を後付けすることができる。
また、容器内部のガス圧力や所定の弾性力に基づく移動により内容物通過スペースを変化させる流量安定化部材の移動用エア圧縮域と、外部空間とを連通させているので、このエア圧縮域が小容量のものであっても、当該流量安定化部材の移動にともなうエア圧縮問題は確実に回避されて流量レギュレータ機構自体のコンパクト化を図ることができる。
図1は流量レギュレータ機構(その1,静止モード)を示す説明図である。(実施例1) 図2は図1の流量レギュレータ機構における特定のタイミング状態(上側入口部分Aの開放時)を示す説明図である。(実施例1) 図3は流量レギュレータ機構(その2,静止モード)を示す説明図である。(実施例2) 図4は図3の流量レギュレータ機構における特定のタイミング状態(下側入口部分Bの開放時)を示す説明図である。(実施例2) 図5は流量レギュレータ機構(その3,静止モード)を示す説明図である。(実施例3) 図6は図5の流量レギュレータ機構における特定のタイミング状態(入口部分Cの開放時)を示す説明図である。(実施例3) 図5は流量レギュレータ機構(その3,静止モード)を示す説明図である。(実施例4) 図8は図7の流量レギュレータ機構における特定のタイミング状態(入口部分Dの開放時)を示す説明図である。(実施例4)
符号の説明
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば筒状垂下部11a)は、それぞれアルファベットなし参照番号の構成要素(例えばシリンダ11)の一部であることを示している。
以下の参照番号10〜16a,Aはそれぞれ図1および図2で用いる。
10 流量レギュレータユニット(流量レギュレータ機構:その1)
11 シリンダ
11a 後述の吸上管42を取り付けるための筒状垂下部
12 シリンダ11の内部に固定されて当該シリンダとの間に内容物の通路を形成するための内筒
12a 内容物通過用の横孔
12b 当該内筒の下側内周面の上下方向に間歇的に形成されて流量レギュレータ箇所となる内容物通路用の溝部
12c 内筒12を後述のハウジング41に取り付けるための筒状の延伸部分
13 後述の流量調整弁14に嵌合したピストン
13a 当該ピストン内部の内容物の通路
14 ピストン13と一体化して上下動する流量調整弁
14a 溝部12bに対する上下方向の当接位置が変化して、当該溝部の上流側入口部分の内容物通過用断面積(当該入口部分の図示上下方向の長さ)を容器本体内部の圧縮ガスおよび後述のコイルスプリング15の作用により調整する(断面積=0も含む)ための環状縁部
14b 下面部
15 ピストン13を下方に付勢するコイルスプリング
16 半径方向の複数の周辺溝部とこれに続く中央凹部を有して内筒12の下側開口部に取り付けられる下蓋
16a 当該下蓋の外底面の半径方向に間歇的に形成された内容物通路用の溝部
A 内筒12の溝部12bの上側入口部分
以下の参照番号20〜26b,Bはそれぞれ図3および図4で用いる。
20 流量レギュレータユニット(流量レギュレータ機構:その2)
21 シリンダ
21a 後述の吸上管42を取り付けるための筒状垂下部
22 シリンダ21の内部に固定されて当該シリンダとの間に内容物通路を形成するための鞘状部
22a 内容物通過用の横孔
22b 当該鞘状部の上側内周面の上下方向に間歇的に形成されて流量レギュレータ箇所となる溝部
22c 当該鞘状部の外底面の半径方向に間歇的に形成された内容物通路用の溝部
23 後述の流量調整弁24に嵌合したピストン
23a 当該ピストンの上面(上側凹状部の底面)
24 ピストン23と一体化して上下動する流量調整弁
24a 溝部22bに対する上下方向の当接位置が変化して、当該溝部の上流側入口部分の内容物通過用断面積(当該入口部分の図示上下方向の長さ)を容器本体内部の圧縮ガスおよび後述のコイルスプリング25の作用により調整する(断面積=0も含む)ための環状縁部
24b 当該流量調整弁の上面側部分
25 ピストン23を上方に付勢するコイルスプリング
26 シリンダ21,鞘状部22などを一体化し後述のハウジング41に取り付けるための接続部材
26a 当該接続部材をハウジング41に取り付けるための延伸部分(筒状部)
26b 内容物通過用のスリット
B 鞘状部22の溝部22bの下側入口部分
以下の参照番号30〜37b,Cはそれぞれ図5および図6で用いる。
30 流量レギュレータユニット(流量レギュレータ機構:その3)
31 シリンダ
31a 当該シリンダを後述のハウジング41に取り付けるための筒状の延伸部分
33 後述の流量調整弁34に嵌合したピストン
33a 当該ピストン内部の内容物の通路
33b 圧縮ガスの圧力を受けるピストン33の下面部
34 ピストン33と一体化して上下動する流量調整弁
34a 流量調整弁34の内容物通過用のスリット
34b 後述のブッシュ36の下面部36aに当接・離間することにより内容物の流量を調整するための肩部
34c 内容物通過用の横孔
34d 内容物通路
35 ピストン33を下方に付勢するコイルスプリング
36 後述のジョイント37に固定され流量調整弁34との間で内容物の通路を形成するためのブッシュ
36a 下面部
37 シリンダ31の下端側内周面に嵌合してこれと一体化されるジョイント
37a 後述の吸上管42を取り付けるための筒状垂下部
37b 当該ジョイントの内周面の対向部分間に渡した形の流れ受け部
C 流量調整弁34の肩部34bとブッシュ36の下面部36aとの間の入口部分
以下の参照番号41,41aは図1乃至図6で用い、また、参照番号42は図1乃至図8で用いる。
41 ハウジング
41a 小径部分
42 吸上管
以下の参照番号50〜66,Dはそれぞれ図7および図8で用いる。
50 流量レギュレータ機構(その4)
51 ハウジングを構成する有底筒状の下側ハウジング部
51a 内容物通過用の縦孔
51b 底面部分の半径方向に間歇的に形成されたリブ(凸状部)
51c 吸上管42を取り付けるための筒状垂下部
52 当該下側ハウジング部に嵌合して同じくハウジングを構成する有底筒状の上側ハウジング部
52a 底面の中央開口部
52b 底面縁部分に間歇的に形成された複数の貫通部
53 下側ハウジング部51の内底面(リブ51b)および内周面に保持されて後述のピストン55を収容・案内する鞘状の下側受け部
53a 流量レギュレータ用の横孔
53b 上端側の環状鍔部
54 当該環状鍔部と上側ハウジング部52の外底面との間に保持されて後述の流量調整弁56を収容・案内する有底筒状の上側受け部
54a 内容物通過用の横孔
54b 天井面の中央開口部
55 筒状のピストン
55a 下側受け部53の内周面に密接する逆スカート状部分
55b エア移動用の内部通路
56 当該ピストンと嵌合して上下方向に移動する流量調整弁
56a 下端側に形成されて横孔53aとの間で流量レギュレータの弁作用を呈するとともに下側受け部53の当該横孔以外の内周面に密接する下側スカート状部分
56b 上側受け部54の内周面に密接する上側スカート状部分
56c 上方向へのガス圧力を受ける環状天井面
57 上側受け部54の天井面と流量調整弁56の上面凹部との間に配されて当該流量調整弁を下方向に付勢する流量レギュレータ用のコイルスプリング
58 当該コイルスプリングが収容されるエア用上側空間域
59 下側受け部53の底面部分とピストン55との間に形成されるエア用下側空間域
60 操作ボタン
60a 前後方向に延びる内容物噴射用の通路
60b 上下方向に延びてコイルスプリング57の収容空間58を外部空間に連通させる下流側エア通路
60c 当該下流側エア通路に続く態様で操作ボタンの上面部分に形成された溝状部(例えばらせん状の溝部,同心円状の溝部同士間に接続溝を設けた形のもの)
61 操作ボタン60に嵌合して内容物噴射の弁作用を呈するステム
61a 内容物通過用の横孔
61b 当該横孔に続いて上下方向に延びる内容物噴射用の環状通路
61c 上端部分が操作ボタン60の下流側エア通路60bに嵌合して下端部分がコイルスプリング57の収容空間58に入っている上下方向の上流側エア通路
62 上側ハウジング部52の底面とステム61の段部との間に配されて当該ステムを上方向に付勢する内容物噴射用のコイルスプリング
63 当該コイルスプリングおよび内容物が収容されるバッファ空間
64 ステム61の横孔61aに対する周知のステムガスケット
65 ステム下側の外周面に密接しながら上側ハウジング部52および上側受け部54に挟持されてエア用空間域58と内容物のバッファ空間63との間のシール作用を呈する環状ラバー
66 上側ハウジング部52およびステムガスケット64を係合保持している周知のマウンティングキャップ
D 下側受け部53の横孔53aと流量調整弁56のスカート状部分56aとの間の入口部分
図1乃至図8を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の第1の主な特徴(図1〜図6参照)は、流量レギュレータを、エアゾール容器の本質的な構成要素である放出ヘッド(操作ボタン),ステム,ハウジング,吸上管などの内部に形成するのではなく、ハウジングと吸上管との間にいわば外付けするユニット態様で設けたことである。
これにより、流量レギュレータ機能を備えていないエアゾール容器(完成品)の場合でも、そのハウジングと吸上管との嵌合部分を外してその間に流量レギュレータユニットを後付けするといった簡単な作業で、当該エアゾール容器に流量レギュレータ機能を付加することができる。
第2の主な特徴(図7,図8参照)は、容器内部のガス圧力や所定の弾性力に基づく移動により内容物通過スペースを変化させる流量安定化部材の移動用エア圧縮域と、外部空間とを連通させたことである。
これにより、大容量の移動用エア圧縮域を設けなくても流量安定化部材のエア圧縮問題が確実に回避され、流量レギュレータ機構のコンパクト化を図ることができる。
なお、流量レギュレータユニット10,20,30および流量レギュレータ機構50の(コイルスプリング15,25,35,57,62およびステムガスケット64,環状ラバー65,マウンティングキャップ66を除く)各構成要素および、ハウジング41,吸上管42などはポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。コイルスプリング15,25,35,57,62はステンレス製やプラスチック製のものである。ステムガスケット64,環状ラバー65の材質はアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),ブチルゴム(IIR),その他ゴム製シール材である。また、マウンティングキャップ66の材質はブリキ又はアルミ材などである。
なお、コイルスプリング15,25,35,57,62に代えて各種タイプのスプリングや板バネなどの任意の弾性部材を用いてもよい。
上述のように、本発明は圧縮ガスおよび液化ガスの双方を内容物放出用ガスの対象としているが、以下の記載では単なる説明の便宜上、圧縮ガスを用いることを前提とする。
図1および図2の流量レギュレータユニット10の内筒12には、既存のハウジング41の小径部分41aに嵌合するための延伸部分12cが形成されている。さらに、当該内筒との間に内容物通路を形成するシリンダ11には既存の吸上管42を取り付けるための筒状垂下部11aが設けられている。
内筒12には、コイルスプリング15で下方に付勢されたピストン13、当該ピストンと嵌合して一体化された流量調整弁14などが収容されている。
図1の静止モードでは、容器本体(図示省略)の内部空間および吸上管42から「溝部16a同士の間−シリンダ11の内周面と内筒12の外周面との間の空間域−横孔12a−上側入口部分A−溝部12b−流量調整弁14と下蓋16との間の空間域−ピストン13の内部空間13a」といったハウジング41への通路用空間域の、当該上側入口部分Aが流量調整弁14により略閉塞状態、または狭状態に設定されている。
それは、この通路用空間域に続くステム(図示省略)の内容物通過用孔部が周知のステムガスケットで閉じられて、当該通路用空間域の圧力が容器内部と同様の(大気圧に比べて)高圧になっているからである。すなわち、この高圧力が流量調整弁14の広域下面部14bなどに作用し、当該流量調整弁およびピストン13をコイルスプリング15の付勢力に抗しながら押し上げている。
そして、利用者が操作ボタンを例えば押圧して作動モードに設定すると、ステムの内容物通過用孔部がそれまでの閉塞状態から開放状態に移行する。
このステム孔部の開放により、それまで上側入口部分Aより下流側の経路空間域(≒上記通路用空間域の一部+ハウジング41)に入っていた内容物がステム内の通路部を経て外部空間に放出される。
その結果、流量調整弁14およびピストン13の下面部14bなどを上方向に押していた圧力が下がるので当該流量調整弁などはコイルスプリング15の作用によって下動し、図2のように上側入口部分Aが開いた状態へと移行する。
この上側入口部分Aの開状態への変化によって容器内部と外部空間とが上記経路空間域やステム孔部を介して連通し、容器内容物は外部空間へと放出される。
この放出動作にともなって流量調整弁14の下面部14bの下側空間(上記経路空間域の一部)の圧力も高くなり、当該流量調整弁およびピストン13はこの圧力で押上げられて図1の状態へと戻る。この後は以上の動作を繰り返して図2の状態へと移行し、また図1の状態へ戻るといったことが再帰的に行われる。
以上の作動モードにおいて、図1から図2への移行のタイミング(上側入口部分Aの略閉状態合計時間)は主にコイルスプリング15の付勢力によって決まるいわば定数となり、その逆の図2から図1への移行のタイミング(上側入口部分Aの開状態合計時間)はガス圧力に基づくいわば変数となる。
この動作環境下では、
・容器本体内部のガス圧が高いときには、流量調整弁14を図2から図1へと上昇させるいわば駆動力(=当該ガス圧力)が大きいので当該流量調整弁の単位時間あたりの上下動回数も多く(すなわち上側入口部分Aの略閉状態合計時間が長く)、
・内容物の放出動作により圧縮ガスの圧力が低くなると、上記駆動力も小さくなって流量調整弁14の単位時間あたりの上下動回数は少なく(すなわち上側入口部分Aの略閉状態合計時間が短く)なる。
換言すれば、上側入口部分Aの、上下動一回あたりの略閉状態時間幅t1(図1の継続時間)はコイルスプリング15の付勢力に基づく略一定値であり、一方、同じく一回あたりの開状態時間幅t2(図2の継続時間)は容器本体内部のガス圧が高いほど短い値となる。
すなわち、内容物通路の一部である入口部分Aが開状態となる時間割合は、使用初期の圧縮ガスのようにその圧力が高いときほど小さい。
したがって、流量調整弁14の単位時間あたりの上下動回数が多い(=上記開状態時間幅t2が短い)高圧ガス状態では、低圧ガス状態に比べて、当該単位時間あたりの開状態合計時間が短くなる。
なお、上記説明でガス圧力にかかわらず略一定とした、図1の上側入口部分Aが図2の広状態へと移行するときの略閉状態時間幅t1も、定性的には、流量調整弁14の下面部14bにそれまで作用している圧力がコイルスプリング15の付勢力に対応の所定値まで下がる時間幅に関連するので、当該圧力(容器内部のガス圧力)が高いほど長くなる。
いずれにしても容器内部のガス圧力およびコイルスプリング15の付勢力に応じた、単位時間あたりの、上側入口部分Aの開状態の合計時間の違いにより、外部空間に放出される容器内容物の単位時間あたりの流量変動を抑えている。
図3および図4の流量レギュレータユニット20には、シリンダ21,鞘状部22などを一体化してハウジング41の小径部分41aに嵌合するための接続部材26が設けられている。
さらに、シリンダ21には吸上管42を取り付けるための筒状垂下部21aが設けられ、鞘状部22にはコイルスプリング25によって上方向に付勢されたピストン23やこれと嵌合状態の流量調整弁24などが収容されている。
図3の静止モードでは、容器本体(図示省略)の内部空間および吸上管42から「リブ22c同士の間−シリンダ21と鞘状部22との間の空間域−横孔22a−入口部分B−溝部22b−流量調整弁24の上面側部分24bと接続部材26との間の空間域−接続部材26のスリット26b」といったハウジング41への通路用空間域の、当該入口部分Bが流量調整弁24により略閉塞状態、または狭状態に設定されている。
それは、この通路用空間域に続くステム(図示省略)の内容物通過用孔部が周知のステムガスケットで閉じられて、当該通路用空間域の圧力が容器内部と同様の(大気圧に比べて)高圧になっているからである。すなわち、この高圧力がピストン23の上面23aなどに作用し、当該ピストンおよび流量調整弁24をコイルスプリング25の付勢力に抗しながら押し下げている。
そして、利用者が操作ボタンを例えば押圧して作動モードに設定すると、ステムの内容物通過用孔部がそれまでの閉塞状態から開放状態に移行する。
このステム孔部の開放により、それまで下側入口部分Bより下流側の経路空間域(≒上記通路用空間域の一部+ハウジング41)に入っていた内容物がステムの通路部を経て外部空間に放出される。
その結果、ピストン23の上面23aを下方向に押していた圧力が下がるので当該ピストンはコイルスプリング25の作用によって上動し、図4のように入口部分Bが開いた状態へと移行する。
この入口部分Bの開状態への変化によって容器内部と外部空間とが上記経路空間域やステム孔部を介して連通し、容器内容物は外部空間へと放出される。
この放出動作にともなってピストン23の上面23aの上側空間(上記経路空間域の一部)の圧力も高くなり、当該ピストンはこの圧力で押下げられて図3の状態へと戻る。この後は以上の動作を繰り返して図4の状態へと移行し、また図3の状態へ戻るといったことが再帰的に行われる。
図3,図4の流量レギュレータユニット20の場合も、図1,図2のそれと同じように入口部分Bにおける内容物の実効通過断面の閉塞状態・狭状態と広状態とを繰り返す。
この繰り返し動作において、入口部分Bが開いてから閉まる(または狭状態になる)までの時間幅、すなわちピストン23の上面23aに作用する圧力がステム孔部の開放によっていったん低くなってからコイルスプリング25の付勢力に抗して当該ピストンを下動させる程度まで回復するまでの時間幅は、容器内部のガス圧力が高いときは短く、当該ガス圧力が低くなるに応じて長くなり、これによって容器内部のガス圧力の変化に対する内容物放出量の安定化を図っている。
この関係は図1,図2の場合と同様である。もっともピストン23(および流量調整弁24)やコイルスプリング25の移動方向は、レギュレータユニット10のそれと逆になっている。
また、図3の入口部分Bが図4の広状態へと移行するときの時間幅も、ピストン23の上面23aにそれまで作用している圧力がコイルスプリング25の付勢力に対応の所定値まで下がる時間幅に関連するので、当該圧力が高いほど長くなる。
このように容器内部のガス圧力が高いほど、作動モードにおける入口部分Bの図3から図4への移行時間(≒図3の維持時間幅)は長く、また、これとは逆に図4から図3への移行時間(≒図4の維持時間幅)は短くなる。
すなわち、容器内部の高いガス圧力に対しては、単位時間に入口部分Bが図4の広状態を占める割合(≒内容物の通過可能時間の割合)を低圧力のときよりも小さくすることにより、ガス圧力の変化にかかわらず、外部空間に放出される単位時間あたりの内容物流量が安定するようにしている。
図5および図6の流量レギュレータユニット30のシリンダ31には、ハウジング41の小径部分41aに嵌合するための延伸部分31aが設けられている。
さらに、シリンダ31には、吸上管42を取り付けるためのジョイント37が設けられ、コイルスプリング35によって下方向に付勢されたピストン33や流量調整弁34、当該流量調整弁との間に入口部分Cを形成するブッシュ36などが収容されている。
また、ジョイント37の内部空間には、吸上管42から流入する内容物に対して流量調整弁34の上流側でその勢いを抑えるための流れ受け部37bが形成されている。
図5の静止モードでは、容器本体(図示省略)の内部空間および吸上管42から「流量調整弁34のスリット34a−入口部分C−流量調整弁34とブッシュ36との間の空間域−横孔34c−通路34d−通路33a」といったハウジング41への通路用空間域の、当該入口部分Cが流量調整弁34により略閉塞状態、または狭状態に設定されている。
それは、この通路用空間域に続くステム(図示省略)の内容物通過用孔部が周知のステムガスケットで閉じられて、当該通路用空間域の圧力が容器内部と同様の(大気圧に比べて)高圧になっているからである。すなわち、この高圧力がピストン33の下面部33bなどに作用し、当該ピストンおよび流量調整弁34をコイルスプリング35の付勢力に抗しながら押し上げている。
そして、利用者が操作ボタンを例えば押圧して作動モードに設定すると、ステムの内容物通過用孔部がそれまでの閉塞状態から開放状態に移行する。
このステム孔部の開放により、それまで入口部分Cより下流側の経路空間域(≒上記通路用空間域の一部+ハウジング41)に入っていた内容物がステムの通路部を経て外部空間に放出される。
その結果、ピストン33の下面部33bを上方向に押していた圧力が下がるので当該ピストンはコイルスプリング35の作用によって下動し、図6のように入口部分Cが開いた状態へと移行する。
この入口部分Cの開状態への変化によって容器内部と外部空間とが上記経路空間域やステム孔部を介して連通し、容器内容物は外部空間へと放出される。
この放出動作にともなってピストン33の下面部33bの下側空間(上記経路空間域の一部)の圧力も高くなり、当該ピストンはこの圧力で押上げられて図5の状態へと戻る。この後は以上の動作を繰り返して図6の状態へと移行し、また図5の状態へ戻るといったことが再帰的に行われる。
図5,図6の流量レギュレータユニット30の場合も、図1,図2,図3,図4のそれぞれと同じように入口部分Cにおける内容物の実効通過断面の閉塞状態・狭状態と広状態とを繰り返す。
この繰り返し動作に基づき、容器内部のガス圧力の変化に対する内容物放出量の安定化を図っているが、そのときのピストン33(および流量調整弁34)の移動とガス圧力との関連性などの説明は、図1〜図4の流量レギュレータユニット10,20における上記内容と対応する。もっともピストン33(および流量調整弁34)やコイルスプリング35の移動方向は、レギュレータユニット20のそれと逆になっている。
すなわち、容器内部の高いガス圧力に対しては、単位時間に入口部分Cが図6の広状態を占める割合(≒内容物の通過可能時間の割合)を低圧力のときよりも小さくすることにより、ガス圧力の変化に対し、外部空間に放出される単位時間あたりの内容物流量の安定化を図っている。
図7および図8の流量レギュレータ機構50の場合、流量レギュレータ用の「ピストン55+流量調整弁56」の移動に応じて自容積が変化するハウジング内部のエア用上側空間域58およびエア用下側空間域59をそれぞれ、ステム61の上流側エア通路61cと操作ボタン60の下流側エア通路60bにより、外部空間まで連通させている。
そのため、エア用上側空間域58およびエア用下側空間域59をそれぞれ大容量空間にしなくても、「ピストン55+流量調整弁56」の移動にともなうエアの実質的な圧縮問題が生じることはない。すなわち当該ピストンなどは、噴射用のガス圧力の大きさに応じて図示上下方向にスムーズに移動することができる。
なお、上流側エア通路61cを、その出力側が、マウンティングキャップ66と操作ボタン60との間のステム外周面へ開口するように形成してもよい。この場合、操作ボタン60の下流側エア通路60bは不要である。また、当該上流側エア通路は内容物噴射用通路とは別のエア専用通路である。
流量レギュレータ機構50は、概略、
・ハウジング(=有底筒状の下側ハウジング部51+有底筒状の上側ハウジング部52)
・当該ハウジングの内部に固定されて内容物通過用空間域を設定する通路設定用部材(=鞘状の下側受け部53+有底筒状の上側受け部54)
・当該通路設定用部材の内周面に案内されながら上下動する流量レギュレータ部材(=ピストン55+流量調整弁56)
・当該流量レギュレータ部材を下方向に付勢するコイルスプリング57
・内容物噴射用通路60aの他に下流側エア通路60bを備えた操作ボタン60
・バッファ空間63から当該噴射用通路60aにいたる内容物通過用の横孔61aおよび環状通路61bと、エア用上側空間域58から下流側エア通路60bにいたる上流側エア通路61cとを有して、周知の弁作用を呈するステム61
・当該ステムを上方向に付勢するコイルスプリング62
などからなっている。
ここで、ピストン55の逆スカート状部分55aおよび流量調整弁56の下側スカート状部分56aの先端部分はそれぞれ下側受け部53の(流量レギュレータ用の横孔53a以外の)内周面に密接し、流量調整弁56の上側スカート状部分56bの先端部分は上側受け部54の内周面に密接している。
すなわち、エア用上側空間域58,内部通路55bおよびエア用下側空間域59のいわばエア溜り空間は、内容物の噴射用通路(図8参照)からシールされたエア専用の通路態様で、外部空間に連通している。
吸上管42から外部空間にいたる内容物の噴射用通路は、概略、「下側ハウジング部51の縦孔51a−リブ51bの横の溝状部−横孔53a−入口部分D−流量調整弁56と下側受け部53との間の空間域−横孔54a−上側受け部54と下側ハウジング部51との間の空間域−貫通部52b−バッファ空間63−横孔61a−環状通路61b−前後方向通路60a」である。
図7の静止モードでは、この内容物噴射用通路中の入口部分Dが流量調整弁56により略閉塞状態、または狭状態に設定されている。
それは、この噴射用通路を構成するステム61の横孔61aが周知のステムガスケット64で閉じられて、当該横孔よりも下流側の噴射用通路の圧力が容器内部と同様の高圧になっているからである。すなわち、この高圧力が流量調整弁56(およびピストン55)の環状天井面56cなどに作用して、当該流量調整弁はコイルスプリング57の付勢力に抗しながら押し上げられる。なお、流量調整弁56の上方向への移動範囲は上側受け部54の天井面縁部分に形成された凸状部によって制限される。
そして、利用者が操作ボタン60を押圧して作動モード(図8参照)に設定すると、ステム61の内容物通過用の横孔61aがそれまでの閉塞状態から開放状態に移行する。
なお、操作ボタン60の押圧に際し、下流側エア通路60bの真上部分が利用者の手で塞がれたとしても、当該エア通路は操作ボタン上面部分の溝状部60cを介して外部空間に連通する。
このステム横孔の開放により、それまで当該横孔の直上流側の噴射用通路(例えば横孔61aから入口部分Dまでの通路域)に入っていた内容物が環状通路61bおよび前後方向通路60aステムを経て外部空間に放出される。
その結果、流量調整弁56の環状天井面56cを上方向に押していた圧力が下がるので、当該流量調整弁およびピストン55はコイルスプリング57の作用によって下動し、図8のように入口部分Dが開いた状態へと移行する。
この入口部分Dの開状態への変化によって容器内部と外部空間とが上記噴射用通路を介して連通し、容器内容物は外部空間へと放出される。
この放出動作にともなって環状天井面56cの下側空間(上記噴射用通路の一部)の圧力も高くなり、流量調整弁56およびピストンはこの圧力で押上げられて略図7の状態へと戻る。この後は以上の動作を繰り返して図8の状態へと移行し、また略図7の状態へ戻るといったことが再帰的に行われる。
図7,図8の流量レギュレータ機構50の場合も、図1〜図6のそれぞれと同じように入口部分Dにおける内容物の実効通過断面の閉塞状態・狭状態と広状態とを繰り返す。
この繰り返し動作に基づき、容器内部のガス圧力の変化に対する内容物放出量の安定化を図っているが、そのときの流量調整弁56およびピストン55の移動とガス圧力との関連性などの説明は、図1〜6の流量レギュレータユニット10,20,30における上記内容と対応する。もっとも流量調整弁56(およびピストン55)やコイルスプリング57の移動方向は、レギュレータユニット20のそれと逆になっている。
すなわち、容器内部の高いガス圧力に対しては、単位時間に入口部分Dが図8の広状態を占める割合(≒内容物の通過可能時間の割合)を低圧力のときよりも小さくすることにより、ガス圧力の変化に対し、外部空間に放出される単位時間あたりの内容物流量の安定化を図っている。
なお、容器内部のガス圧力変化に対する図1〜図8の各流量レギュレータ(ユニット)の作用が、エアゾール容器の液化ガスの場合にも同様に生じることは勿論である。
容器内容物の対象としては、液状,発泡性(泡状),ペースト状,ジェル状,粉状などの各種性状のものがある。
本発明が適用されるエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
容器本体に収納する内容物は、例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分などである。
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼインなどを用いる。
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
エアゾール式製品における内容物放出用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。

Claims (5)

  1. 放出用ガスの作用によりエアゾール容器から外部空間に噴射される内容物の流量を安定化させるため、エアゾール容器の、利用者の操作に応じて開閉される内容物通過用孔部およびこれの下流側に続く通路部を備えたステムに対するハウジングと、容器内容物に対する吸上管と、の間に取り付けて使用される流量レギュレータユニットであって、
    前記吸上管が取り付けられる内容物流入側筒状部と、
    前記ハウジングの吸上管対応筒状部に取り付けられる内容物流出側筒状部と、
    前記内容物流入側筒状部から前記内容物流出側筒状部にいたる通路用空間域と、
    前記放出用ガスの圧力に基づいて所定の付勢力に抗しながら移動し、かつ、この移動の程度に応じて前記通路用空間域の一部の内容物通過スペースを変化させる流量安定化部材と、
    前記所定の付勢力を前記流量安定化部材に付与するための弾性部材と、
    からなることを特徴とするエアゾール容器の流量レギュレータユニット。
  2. 請求項1記載の流量レギュレータユニットの前記内容物流入側筒状部に前記吸上管を取り付けるとともに、前記内容物流出側筒状部を前記ハウジングの前記吸上管対応筒状部に取り付けた、
    ことを特徴とするエアゾール容器の流量レギュレータ機構。
  3. 放出用ガスの作用によりエアゾール容器から外部空間に噴射される内容物の流量を安定化させるため、利用者の操作に応じて開閉される内容物通過用孔部およびこれの下流側に続く内容物通路部を備えたステムに対する、ハウジングの内部で使用される流量レギュレータ機構において、
    前記ハウジングの内容物流入部から前記内容物通過用孔部にいたる通路用空間域と、
    前記放出用ガスの圧力に基づいて所定の付勢力に抗しながら移動し、かつ、この移動の程度に応じて前記通路用空間域の一部の内容物通過スペースを変化させる流量安定化部材と、
    前記所定の付勢力を前記流量安定化部材に付与するための弾性部材と、
    前記流量安定化部材の移動用エア圧縮空間域と、
    前記移動用エア圧縮空間域を外部空間に連通させるため、少なくとも前記ステムに形成されたエア通路部と、
    からなることを特徴とするエアゾール容器の流量レギュレータ機構。
  4. 前記ステムに、前記エア通路部から続く外部空間連通用エア通路部を形成した操作ボタンが取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項3記載のエアゾール容器の流量レギュレータ機構。
  5. 請求項2乃至4記載の流量レギュレータ機構を備え、かつ、容器内部に放出用ガスおよび内容物を収容した、
    ことを特徴とするエアゾール式製品。
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