JP2003226382A - エアゾール噴射装置 - Google Patents

エアゾール噴射装置

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JP2003226382A
JP2003226382A JP2002024961A JP2002024961A JP2003226382A JP 2003226382 A JP2003226382 A JP 2003226382A JP 2002024961 A JP2002024961 A JP 2002024961A JP 2002024961 A JP2002024961 A JP 2002024961A JP 2003226382 A JP2003226382 A JP 2003226382A
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liquid
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JP2002024961A
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English (en)
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Haruhisa Uenoyama
晴久 上野山
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Kyowa Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射後のアフタードローをなくし、あるい
は減少させることによって、綺麗な霧を噴射することの
できるエアゾール噴射装置を提供せんとする。 【解決手段】 本願発明は、噴射後に噴射ボタン2の吐
出経路に残留する被噴射液を、噴射ボタン2内に保持す
るようにした内部保持手段を備えたエアゾール噴射装置
にあって、内部保持手段は、上記の吐出経路の一部とし
て吐出経路に対し直列に配設された容量可変室101を
備え、容量可変室101は、噴射ボタン2の押圧の解除
動作に伴い当該吐出経路の一部を被噴射液の移動方向に
ついて伸長してその容量を増大させ、経路に生じた負圧
にて上記の残留被噴射液を噴射ボタン2内に止める。こ
のためノズルの作動に対する吐出経路のシーリングと、
容量可変室の容量の変化に対するシーリングとを一手で
済ませることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、エアゾール噴射
装置、特に、圧縮ガスを噴射ガスとし、そのガス圧によ
って収納容器から被噴射液を噴射するエアゾール装置の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気化ガスを噴射ガスとし、この噴射ガス
のガス圧によって収納容器から被噴射液を噴射するエア
ゾール製品の噴射機構としては、例えば図6に示すもの
が一般的である。このものは、収納容器Aと、噴射ボタ
ンBとを備え、噴射ボタンBを収納容器AのノズルA1
の先端部に嵌合するノズル嵌合孔Cと、噴射孔Dと、ノ
ズル嵌合孔Cと噴射孔Dとの間にこれらを連通する吐出
経路Eとを備え、そして、収納容器AのノズルA1の先
端部に嵌合させた噴射ボタンBを下方に押圧することに
よって収納容器A内の被噴射液がノズルA1から吐出経
路Eを通って噴射孔Dから噴射できるようにしたもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のエアゾール噴
射装置における長年の未解決問題として、アフタードロ
ーの問題がある。このアフタードローとは、噴霧した
後、最後に飛ばなかった液被噴射液)が、大きめの液滴
となって噴射ボタンの噴射孔に残るものであり、噴射ボ
タンBの押圧を停止して噴射を停止した際に、噴射孔D
からの被噴射液の漏洩を言う。このアフタードローが生
じた状態で、もう一度噴射すると、先の残ったアフター
ドロー分の液滴が、霧状にならずに、大きな粒となって
飛んでしまう。この大きな粒は、噴射後の塗面を汚く
し、また、肌に付いた時は霧でなく水滴が飛んでくるの
で、不快感を与えてしまい、被噴射液や噴射ガスの条件
によっては、このアフタードローの問題によって、製品
化を諦めざるを得ない場合も生ずる。このようなアフタ
ードローの問題は、窒素、酸素、炭酸ガスのような圧縮
ガスを噴射用ガスとした場合や、液化ガスを用いても液
化ガスの使用量が極端に少ない製品、例えば、ガラスク
リーナーや洗濯糊や、また、噴射ボタン内に調圧機構や
流量調整機構を内蔵した製品に、顕著に発生する場合が
多いが、何れのエアゾール製品にあっても、多かれ少な
かれ発生する。本願発明は、噴射後のアフタードローを
なくし、あるいは減少させることによって、綺麗な霧を
噴射することのできるエアゾール噴射装置を提供せんと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、被
噴射液を収納した収納容器1と、この収納容器1のバル
ブに設けられたノズル11と、このノズル11先端に設
けられたノズル11作動用の噴射ボタン2とを備え、噴
射ボタン2を押圧することによって、ノズル11から吐
出した収納容器1内の被噴射液が、噴射ボタン2に設け
られた吐出経路を経て噴射孔7から噴射されるようにし
たエアゾール噴射装置において、次の構成を備えたエア
ゾール噴射装置を提供することによって上記課題を解決
する。即ち、噴射後に噴射ボタン2の吐出経路に残留す
る被噴射液を、噴射ボタン2内に保持するようにした内
部保持手段を備える。この内部保持手段は、上記の吐出
経路の一部として当該吐出経路に対し直列に配設された
容量可変室101を備える。容量可変室101は、噴射
ボタン2の上記押圧の解除動作に伴い当該吐出経路の一
部を被噴射液の移動方向について伸長してその容量を増
大させ、これにより経路に生じた負圧にて上記の残留被
噴射液を噴射ボタン2内に止めるものである。本願の第
2の発明は、第1の発明に係るエアゾール噴射装置にお
いて、次の構成を備えたものを提供する。即ち、上記内
部保持手段が、ノズル11の先端側に設けられた第1構
成部111と、噴射ボタン2の基端側に設けられた第2
構成部112とを備える。上記容量可変室101は、上
記第1構成部111と第2構成部112とにて他から画
された空間である。第1構成部111は、容量可変室1
01内へ被噴射液を導入する導入孔を備え、第2構成部
112は、容量可変室101外へ被噴射液を排出する排
出孔を備える。噴射ボタン2の上記押圧の解除によるノ
ズル11位置の復元動作によって、第1構成部111に
対し第2構成部112が変位し上記導入孔と排出孔との
間隔を拡大させ、容量可変室101の容量を増大させる
ものである。本願の第3の発明は、第2の発明に係るエ
アゾール噴射装置において、次の構成を備えたものを提
供する。即ち、上記第1構成部111と第2構成部11
2の、何れか一方は受容部を備え、何れか他方は当該受
容部に受容される挿入部を備え、この挿入部の外周面
と、受容部の内部側面との間に、シーリング材104を
備える。上記受容部と挿入部のうち、その一方が上記導
入孔を、その他方が上記排出孔を備える。噴射ボタン2
の上記押圧の解除動作に伴い、受容部に対する挿入部の
挿入を浅くするよう第1構成部111に対し第2構成部
112が変位して、上記導入孔と排出孔との間隔を拡大
させるものである。また、本願第4の発明は、第3の発
明に係るエアゾール噴射装置において、次の構成を備え
たものを提供する。即ち、上記の受容部は、筒状部分と
当該筒状部分の一端を封じる底部とを備えた、有底の円
筒状体であり、底部には、当該円筒状体の内外を連絡す
る通路として吐出経路の一部が設けられている。上記の
挿入部は、受容部の上記筒状部分の開口部から筒状部分
の内部へ挿入される円柱状体であり、当該円柱状体の中
心には挿入端面から他方の端面に通じる通路として吐出
経路の他の一部が形成されている。受容部の上記筒状部
分の内周面と、円柱状体である挿入部の外周面との間
に、上記シーリング材104が配設されている。受容部
が呈する円筒状体の内部と、挿入部が呈する円柱状体の
挿入端面とに画された空間が、上記の容量可変室101
として、吐出経路の一部を構成する上記両通路を連絡す
る。上記の構成を採ることにて、本願第1乃至第4の発
明の夫々は、噴射後のアフタードローの低減を可能とし
た。そして、このようなアフタードローを低減させるた
めの構成を吐出経路の一部に担わせることによって、噴
射装置の構造を複雑化させずに済ませることができる。
特に、吐出経路の一部について、アフタードローを低減
させるための容量可変室101を兼ねさせることにて、
ノズル11の作動に対する吐出経路のシーリングと、容
量可変室101の容量の変化に対するシーリングとを一
手で済ませることができる。このため、シーリング箇所
を低減することができ、シーリング箇所の増加による、
気密性(或いは液密性)確保の困難性や、調整の困難
性、更に各部の変位のための円滑さ確保の困難性を、抑
制し得た。また、本願第2の発明は、アフタードローを
低減させるための構成(容量可変室101)を、吐出経
路の一部に兼ねさせるのに適した、具体的手段を提供し
得た。更に、本願第3の発明は、シーリング箇所を一カ
所とすることにて、上記の作用をより顕著に得ることが
可能な構造を提供し得た。上記の通り、簡便な構造で、
上記の作用を得るものであるため、設計に際して、挿入
部及び受容部の寸法の変更なども容易に行える。特に、
本願第4の発明では、挿入部を、円筒状の受容部に挿入
する円柱状体とし、当該円柱状体の中心に挿入端面から
他方の端面に通じる通路として吐出経路の一部を形成し
たものであるため、この通路を上記の中心以外の位置に
設けた場合に比べて、円柱状体の外径即ち挿入部の外径
を小さくすることができる。このため、挿入部の横断面
の肥大化を抑えることができ、挿入部を小さく形成する
ことにて、噴射ボタン2の押圧抵抗を簡単に低減でき
る。一方、円柱状体の中心に吐出経路の一部(通路)を
配置することにより、当該通路を挿入部の挿入方向に沿
うものとすることができ、挿入部の変位(容量可変室の
伸縮)によっても、吐出経路の導通に影響しない。従っ
て、シーリングを一カ所に形成することと共に、このよ
うな挿入部の横断面の低減にて、より一層円滑な噴射ボ
タン2の押圧操作が行える。勿論円柱状の挿入部の横断
面(或いは外径)が低減すれば(円周も小さくなるの
で)、その外周面に配置されるシーリング材の長さもそ
の分小さくすることができ、この点においても、上記の
作用を顕著にする。尚、本願発明に言う内部保持手段と
は、吐出経路から噴射孔外へ漏れ出さんとする被噴射液
の少なくとも一部に対して、吐出経路又はこれに導通す
る容量可変室内に留めるように作用する、流体の流れを
形成する手段を言う。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本願発明
の実施形態について説明する。図1〜図4に本願発明の
一実施の形態を示す。図1は、本願発明の第1の実施の
形態に係るエアゾール噴射装置の要部拡大断面図であ
り、図2及び図3は、同エアゾール噴射装置の噴射ボタ
ンを押し下げた状態の要部拡大断面図である。また、図
4は、上記実施の形態の要部を示している。説明の便宜
上、各図において、Uは上方を、Sは下方を示す。この
エアゾール噴射装置は、被噴射液を収納した収納容器1
と、この収納容器1のバルブに設けられたノズル11
と、このノズル11先端に設けられたノズル11作動用
の噴射ボタン2とを備え、噴射ボタン2を押圧すること
によって、ノズル11から吐出した収納容器1内の被噴
射液が、噴射ボタン2に設けられた吐出経路を経て噴射
孔7から噴射される。
【0006】この実施形態におけるノズル11は、この
ノズル11を下方に押圧すると下方に下がってノズル孔
12から被噴射液が排出され、押圧を止めるとノズル1
1に付設されたコイルスプリング16等の付勢手段によ
って押し上げられ被噴射液の送り出しを止めるように形
成されたものである。特に、このエアゾール噴射装置
は、噴射後に噴射ボタン2の吐出経路に残留する被噴射
液を、噴射ボタン2内に保持するようにした内部保持手
段を備えることを特徴とする。この内部保持手段は、上
記の吐出経路の一部として当該吐出経路に対し直列に配
設された容量可変室101を備える。容量可変室101
は、噴射ボタン2の上記押圧の解除動作に伴い当該吐出
経路の一部を被噴射液の移動方向について伸長してその
容量を増大させ、これにより経路に生じた負圧にて上記
の残留被噴射液を噴射ボタン2内に止めるものである。
【0007】この装置の噴射機構は、具体的には、収納
容器1の上端中央部に設けられたノズル11を有するバ
ルブハウジング13と、このノズル11に取り付けられ
た噴射ボタン2とから構成されている。そして、噴射装
置は、内部保持手段として、噴射後に噴射ボタン2の吐
出経路に残留する被噴射液を吸引する吸引手段(100
番台の符号を付した構造)を設けたことが最大の特徴で
ある。吸引手段100は、ノズル11の先端側に設けら
れた第1構成部111と、噴射ボタン2の基端側に設け
られた第2構成部112と、両構成部111,112間
に介された付勢手段160とを備える。第1構成部11
1は受容部113を備える。第2構成部112は、当該
受容部113に受容される挿入部114を備える。上記
容量可変室101は、この受容部113と、挿入部11
4先端面とにて他から画された空間である。挿入部11
4の外周面と、受容部113の内部側面との間に、第1
及び第2構成部111,112間における唯一のシーリ
ング材104を備える。この実施の形態では、シーリン
グ材104は、挿入部114の外周面に固定されてい
る。受容部113の底(最深部)は、容量可変室101
内へ被噴射液を導入する導入孔115を備える。挿入部
114の先端面(下端面)は、容量可変室101外側へ
(上方へ)被噴射液を排出する排出孔116を備える。
上記受容部113の底(最深部)と、上記挿入部114
との間に、両者を遠ざける方向に常時付勢する上記の付
勢手段160が介されている。この付勢手段160に
は、コイルスプリングが適している。噴射ボタン2の上
記押圧の解除によるノズル11位置の復元動作に伴い、
付勢手段160の上記作用にて、受容部に対する挿入部
の挿入を浅くするよう第1構成部111に対し第2構成
部112が変位して、上記導入孔115と排出孔116
との間隔を拡大させ、容量可変室101の容量を増大さ
せる。以下、この装置の各部の構成について、更に詳し
く述べる。
【0008】収納容器1は、従来と同様のもので、内部
には医薬品、医薬部外品、化粧品などの薬剤、芳香剤、
殺虫剤、塗料等の各種の被噴射液とともに、空気、二酸
化炭素、窒素、笑気ガス、酸素又はヘリウム等の圧縮ガ
ス、或いは、LPG、DME又はハロゲン化炭化水素等
の液化ガスが、噴射ガスとして気相及び/又は液相のガ
ス剤が封入されている。この収納容器1の上端中央部に
はバルブハウジング13が設けられ、このバルブハウジ
ング13にノズル孔12を有する筒状の上記ノズル11
が備えられている。バルブハウジング13の下端部に
は、筒状の連結部14が形成され、この連結部14にチ
ューブ15が連結されている。収納容器1内の被噴射液
は、このチューブ15から連結部14を通過してノズル
11のノズル孔12へと被噴射液を送り込むことができ
る。
【0009】ノズル11は、有底の筒状体から形成さ
れ、その壁面の適宜位置に、連通孔17が穿設されてお
り、ノズル11の下端部とバルブハウジング13の内部
底面との間にコイルスプリング16が介装され、ノズル
11が下方に押圧されることにより、連通孔17を介し
てノズル孔12とバルブハウジング13の内部の吐出経
路20とが連通され、これによりチューブ15とノズル
孔12とが連通するように構成されている。尚、図示は
省略するが、バルブハウジング13の壁面に、所謂ベー
パータップと言われる小孔を設けてもよい。ノズル11
の先端(上端)には、前記第1構成部111が設けられ
ている。この第1構成部111の中央には、下方よりノ
ズル11が嵌合されている。ノズル11は、第1構成部
111に固着された状態にあり、第1構成部111に対
して位置を変えるものではない。第1構成部111は、
円柱状体であり、上端面中央に、シリンダ状の前記受容
部113が形成されている。ノズル11の上記ノズル孔
12は、受容部113が備える前記導入孔115と連絡
する。また、第1構成部111の外周面には、複数の鉤
状突起117…117が形成されている。
【0010】噴射ボタン2は、本体部10と、レギュレ
ーター機構部と、噴射孔7を有する噴射部材70と、前
記第2構成部112とにて構成されている。
【0011】レギュレーター機構部は、噴射ボタン2の
中央部に形成された略円筒形の空間部4内に、ノズル1
1の軸方向(図中上下方向)に摺動できるように配設さ
れた摺動部材5と、この摺動部材5を常時ノズル11
(図中下方向)側に付勢する付勢手段6とを備える。こ
の実施形態においては、付勢手段6として円筒コイルバ
ネを使用している。噴射ボタン2の内部において、空間
部4の下方中央には、上下に伸びる中央経路41が形成
されている。8は、上記の空間部4を噴射ボタン2の外
部へ通じさせる空気抜き用孔を示している。摺動部材5
は、その上方部に仕切部51を有する筒形状のものから
なり、この仕切部51が区画壁となる。また摺動部材5
は、その仕切部51の中心部から下方に向かって延長す
る突出片54を有し、この突出片54の先端部に形成さ
れる遮蔽部52と、仕切部51の縁から垂下した状態に
設けられて突出部54を取り囲む筒状外周部53とから
構成されている。
【0012】前述の第2構成部112は、本体部10に
一体に形成され、本体部10の下部を構成する。第2構
成部112には、本体部10下部中央から下方に突出す
る円柱状の前記挿入部114と、挿入部114を囲むよ
う本体部10から下方に突出する筒状のガイド壁118
とが設けられている。ガイド壁118には、複数の窓1
19…119が形成されている。挿入部114内部に
は、中央経路41と排出孔116とを連絡する連絡路3
が形成されている。連絡路3の内径は中央経路41の内
径より大きく、これにて連絡路3と中央経路41との間
には、段差部46が形成されている。この挿入部114
が、前述の通り、第1構成部111の受容部113に装
着された状態において、第1構成部111の上部周縁
は、上記のガイド壁118と挿入部114の間に挿入さ
れ、第2構成部112に対する第1構成部111の上下
方向への変位時、ガイド壁118にガイドされる。この
装着状態において、ガイド壁118の上記窓119…1
19に、第1構成部111の鉤状突起117…117が
入ることにて上記上下の変位を一定範囲に制限し、第1
構成部111から第2構成部112が脱落することを防
止している。上記受容部113の底(最深部)と、上記
段差部46との間に、両者を遠ざける方向に常時付勢す
る上記の付勢手段160が介されている。この付勢手段
160には、コイルスプリングが適している。ここで容
量可変室101の構成部材という観点から、受容部11
3と挿入部114とについて、具体的に説明する。受容
部113は、筒状部分113aと当該筒状部分113a
の一端を封じる底部113bとを備えた、有底の円筒状
体である。底部113bには、当該円筒状体の内外を連
絡する通路として吐出経路の一部(ノズル11先端から
導入孔115に至る通路)が設けられている。上記の挿
入部114は、受容部113の上記筒状部分113aの
開口部から筒状部分の内部へ挿入される円柱状体であ
り、当該円柱状体の中心には挿入端面114aから他方
の端面側(中央経路41側)に通じる通路として吐出経
路の他の一部(連絡路3)が形成されている。受容部1
13の上記筒状部分の内周面と、円柱状体である挿入部
114の外周面との間に、上記シーリング材104が配
設されている。受容部113が呈する円筒状体の内部
と、挿入部114が呈する円柱状体の挿入端面とに画さ
れた空間が、上記の容量可変室101として、吐出経路
の一部を構成する上記両通路を連絡する。上記の通り、
挿入部113を、円柱状体として、その中心に吐出経路
の一部を形成することにて、この通路を上記の中心以外
の位置に設けた場合に比べて、円柱状体の半径を小さく
することができる。即ち、半径の2乗に円周率を乗じる
ことにて与えられる挿入部3の横断面の面積を、必要最
小限に抑えることができる(勿論、半径の2倍即ち直径
に円周率を乗じることにて与えられる挿入部の円周の長
さも抑制される)。このため、挿入部113の押圧抵抗
を最小限に抑えることができる。また、シーリング材1
04の長さを最小限に止めることができ、シーリング材
104の介在による摩擦抵抗も抑制することができる。
【0013】レギュレーター機構部において、摺動部材
5の仕切部51の下方部には貯溜室44が形成され、こ
れら中央経路41と貯溜室44とを連通する接続孔43
が設けられている。この実施形態では接続孔43を、中
央経路41の上に、本体部10の下方中心部の内壁の内
径を中央経路41の内径よりも小さくすることによって
形成している。これにより中央経路41との境界に段部
が形成されることとなる。摺動部材5の筒状外周部53
の上方外周面には、環状の溝部を設け、この溝部内に密
閉手段としてのリング状の密閉部材51aを備える。こ
の筒状外周部53の上方外周面が摺動部材5の摺動面と
なる。摺動部材5の筒状外周部53の下端部と空間部4
の内壁面との間にも貯溜室45が円環状に形成されてい
る。空間部4については、密閉部材51aが摺動部材5
と空間部4の内壁面との間を機密に塞ぐことによって、
付勢手段配設側42と、被噴射液の吐出経路側とに、完
全に分離される。即ち、上記の摺動部材5と空間部4の
内壁面との間に形成された貯溜室44、45側は、密閉
部材51aが摺動部材5と空間部4の内壁面との間を機
密に塞ぐことによって付勢手段配設側42と完全に分離
され、貯溜室44、45に入った収納容器1内の被噴射
液が付勢手段配設側42に漏れることがなく、収納容器
1のノズル11から適宜圧で送り出される被噴射液を一
時的に貯留できる。又、当然のこととしてこれらの貯溜
室44、45同士の間、及びこの貯溜室45と噴射部材
70との間には両者を連通する連通路が設けられてい
る。
【0014】これらの連通路は、狭い通路から形成され
ており、貯溜室44、45内の内圧が所定の圧力にまで
良好に上昇するように、貯溜室44、45内に被噴射液
及びガスが良好に保持されると共に、その所定内圧で貯
溜室44、45に入り込んだ被噴射液を噴射部材70に
送るためのものである。これらの連通路は、空間部4の
密閉部材51aにて付勢手段配設側42から仕切られた
部位において、空間部4を画する本体部10内面と摺動
部材5との間の、隙間として確保される。この実施の形
態では、摺動部材5と空間部4の内壁面との間隔を狭く
形成することによって、連絡路の上記機能を高めてい
る。貯溜室45から噴射部材70へと連通する吐出経路
は、連通孔73を通過して噴射部材70へと連通する。
【0015】突出片54は、丸棒状のものからなり、そ
の軸径が中央経路41と貯溜室44との間に形成される
上記接続孔43より小径に形成され、先端側が接続孔4
3を貫通して中央経路41内に延長している。突出片5
4の先端の遮蔽部52は、中央経路41内に配設され、
鍔部52aと、遮蔽部材52bとからなる。鍔部52a
は、上面の外周径が接続孔43の径より大きく、中央経
路41の径より小さく形成され、又、下面は平面状に形
成され、ノズル11の軸方向に対し下面全体が直交する
ように形成され、ノズル孔12から送り出される収納容
器1内の被噴射液及びガスがこの下面に当たるように形
成されている。
【0016】他方、遮蔽部材52bは、弾性力を有する
シーリング用のOリングから成り、鍔部52a上部で突
出片54に巻回されて配設されている。又、この遮蔽部
材52bの外周径は、突出片54に巻回された状態で接
続孔43の径より大きく、接続孔43を密閉することが
できるものである。付勢手段6としては、この実施形態
では円筒コイルバネが使用され、下端が摺動部材5の仕
切部51上面に、上端が空間部4の上方を画する本体部
10上部の下面に夫々当接するように、仕切部51と本
体部10上部間にセットされて、空間部4内で付勢手段
配設側42に配設されている。図1に示すように貯溜室
44、45内にノズル11からの被噴射液及びガスが送
り込まれていない不使用時においては、連通孔73は密
閉部材51aによって封鎖された状態となっている。
尚、密閉部材51aは、上記不使用時において、連通孔
73を塞ぐ位置でなく、連通孔73を開放する位置、即
ち、連通孔73の少し上方位置に設けてもよい。
【0017】噴射孔7は、この実施形態では、本体部1
0と別体のものからなる噴射部材70に設けられ、この
噴射部材70は噴射ボタン2の本体部10の連通孔73
の部位に取り付けられているが、本体部10に直接形成
することもできる。この噴射部材70は、図中左側に噴
射孔7を有する有底筒状のものからなる噴射部本体75
と、この噴射部本体75の内部に配設される筒状のもの
からなる噴射用チップ74とから形成されている。この
噴射用チップ74には、その中心部に小さい貯溜室76
が設けられ、その外周部に導通路71が形成されてい
る。この導通路71は、後に詳説するが、噴射部本体7
5の内周面と噴射用チップ74の外周面に形成された複
数条の溝部によって形成された幅狭の隙間から形成され
ている。
【0018】連通孔73から送り込まれる被噴射液は、
一時この貯溜室76に溜まり、その後幅狭の導通路71
を通過して噴射孔7から外部に噴射されうる。具体的に
は、噴射孔7は、小孔とされ、導通路71から押し出さ
れてくる被噴射液を、この噴射孔7によって噴霧状に噴
射する。そして、この噴射部材70が、噴射ボタン2の
外壁に設けられた噴射部材嵌合孔2aに嵌合されること
によって本体部10の連通孔73と導通路71とが連通
されるが、導通路71が、幅狭に形成されるとともに、
噴射孔7が小孔に形成されているため、連通孔73を通
過して噴射孔7から噴射されるまでの間、貯溜室76内
に送り込まれた被噴射液及びガスの送り出しが制限さ
れ、上述の貯溜室44と貯溜室45との吐出経路、或い
は、貯溜室45と連通孔73との吐出経路と同様の機能
を果たす。
【0019】図4は、上記実施形態に係る噴射機構で使
用された密閉部材51aを図示しており、その(A)が
その平面図、その(B)が前図のS−S断面図である。
この密閉部材51aは、柔軟な弾力性に富む合成ゴム、
エラストマー、或いは合成樹脂等からなるリング状のパ
ッキンである。この断面形状は、図4(B)の断面図か
ら解る通り、逆V字形状又は逆U字形状に形成され、下
方に2本の脚部51bを有し、脚部間に空間部51cを
有するものである。この形状を採用することにより、上
記空間部51cを持たない通常のシーリング用パッキン
に見られるように、膨潤によって円滑性が損なわれると
いう問題が回避されうるのである。またこの密閉部材5
1aを使用することにより、摺動部材5と空間部4の内
壁との密閉度が向上するため、アフタードローの防止に
も効果がある。
【0020】次にこの噴射機構の作動について説明す
る。先ず、図1に示す通り、噴射ボタン2の第1構成部
111に、既述の通り、ノズル11を嵌合させ、収納容
器1のノズル11に噴射ボタン2を取り付ける。噴射ボ
タン2が押圧を受けていない状態即ち未使用の状態にお
いて、図1に示す通りである。上記押圧の如何にかかわ
らず、摺動部材5は、付勢手段6によって下方に常時付
勢された状態にあり、未使用の状態では、摺動部材5
は、本体部10に対して採り得る最も低い位置にある。
このとき、摺動部材5の筒状外周部53の密閉部材51
aが連通孔73を閉鎖した状態であり、遮蔽部52が中
央経路41内にて、接続孔43を開放している。また、
このとき、付勢手段160の付勢を受けて容量可変室1
01は、最大の容量を採る。即ち、挿入部114の受容
部113に対する挿入が最も浅くなっている。
【0021】次に、噴射ボタン2の上面を指で下方に押
圧する。図2に示す通り、この操作により、噴射ボタン
2が収納容器1側に押し下げられて、第2構成部112
が、第1構成部111を押し、ノズル11を押し下げ
る。これに伴い、収納容器1内部の被噴射液が収納容器
1内の気化ガスの圧力によってノズル孔12より噴出さ
れる。上記の操作で、第2構成部112が、第1構成部
111を押した際、挿入部114が受容部113内に深
く入り込み、容量可変室101の容量は小さくなってい
る。ノズル孔12から噴出された被噴射液は、導入孔1
15から容量可変室101内へ導入される。容量可変室
101に入った被噴射液は、排出孔116から連絡路3
に排出され、中央経路41に入り、遮蔽部52の下面に
当たって上方向の圧力W3を負荷するとともに、遮蔽部
52の外周と中央経路41内周との間隙から開口状態の
接続孔43を通って貯溜室44内に流入する。貯溜室4
4内にある程度の量の被噴射液及び気化ガスが入り込む
と、気化ガスによって押し出された被噴射液により、貯
溜室44内の内圧W2が上昇する。その際、貯溜室44
内に入り込んだ被噴射液は、狭い吐出経路を通って2つ
目の貯溜室45内にも流れ込む。このようにして貯溜室
44、45内の内圧W2が更に上昇して、貯溜室44、
45の上方に位置する摺動部材5にかかる内圧W2と上
記遮蔽部52の下面にかかる圧力W3との総和の圧力W
2+W3が、付勢手段6によって摺動部材5を下方に付
勢する付勢力W1より大きくなると、摺動部材5が上方
に押し上げられる(この装置の摺動部材5以外の部材
は、図2の状態にあり、摺動部材5のみ、空間部4内に
て上方に移行する)。
【0022】摺動部材5が上方に押し上げられると連通
孔73が開口して、被噴射液は噴射用チップ74の貯溜
室76内に送り込まれ、この貯溜室76の内圧も上昇し
て、導通路71を通過して噴射孔7から外部に被噴射液
の噴射が開始される。この噴射の状態が維持されて、貯
溜室44、45及び貯溜室76の内圧が所定内圧以上と
なると、即ち、円筒コイルバネとしての付勢手段6の付
勢圧力W1以上になると、摺動部材5は更に上昇する。
摺動部材5が更に押し上げられると、図3へ示すよう
に、遮蔽部52の鍔部52aが、接続孔43を下方から
塞いで閉口状態にしてしまう(図3へ示す通り、この装
置の摺動部材5以外の部材は、図2の状態にあり、空間
部4内の摺動部材5のみ図1へ示す状態に戻る)。従っ
て、貯溜室44、45、76内は、それ以上内圧W2が
上がることなく、その内圧W2で噴射孔7から被噴射液
が噴射される。
【0023】被噴射液がある程度噴射されると、貯溜室
76、45、44内の内圧W2は徐々に下がり始め、上
記総和圧W2+W3が付勢手段6の付勢力W1より小さ
くなる。すると摺動部材5が下方に下降する。摺動部材
5が下降すると、噴射部材70への被噴射液及び気化ガ
スの送りが制限されるとともに、接続孔43が再び開口
状態になる。即ち図2へ示す状態に戻る。そして、再
び、貯溜室44、45内に被噴射液が入り込み、総和圧
W2+W3が上昇して貯溜室44、45内の被噴射液が
連通孔73から噴射部材70に送り込まれ、つまり噴射
部材70の貯溜室76内にも被噴射液が送り込まれ、噴
射が促進されて所定圧力の噴射が継続される。以上の動
作を瞬時に繰り返すことにより、常時内圧W2で被噴射
液が噴射孔7から噴霧状に噴射されるのである。
【0024】従って、使用当初から使用終了まで常時W
2の一定圧で被噴射液を送り出すことができ、一定の噴
射状態及び噴霧状態を維持できることとなる。又、付勢
力の異なる種々の付勢手段6を使用することによって、
必要に応じて容易に所望の噴射圧力に調整することがで
きるのである。
【0025】本願発明は、前述の密閉部材51aと併用
しても、あるいは併用せずに通常のシーリング用パッキ
ンを用いた場合にあっても、より確実にアフタードロー
を防止する手段を提供するものである。以下、アフター
ドローを防止する手段の作動状態を中心として、噴射ボ
タン2の押圧の解除の際の各部の作動について説明す
る。
【0026】本願発明においては、アフタードローを防
止する手段として、噴射後に噴射ボタン2の吐出経路
(この実施の形態では、噴射ボタン2の中央経路41か
ら噴射孔7に至るまでの経路)に残留する被噴射液を吸
引する吸引手段を設けたものであり、この吸引手段は、
噴射ボタン2と収納容器1との間の吐出経路に、当該経
路の構成要素として設けられた上述の容量可変室101
にて実現される。上述の通り、容量可変室101は、噴
射ボタン2を押圧することによって容量が小さくなった
後(図2及び図3参照)、噴射ボタン2の押圧を解除す
ると、第1構成部111と第2構成部112間の付勢手
段160の付勢にて、再び容量が大きくなる方に働く
(図1の状態に復帰する)。ここで容量可変室101は
負圧傾向となるので、これより先の吐出経路に残留する
被噴射液において、容量可変室101側への(後戻り
の)流れを生ずる。この逆流が生じる主な理由は、噴射
ボタン2を押圧した図2に示す状態のとき、噴射ボタン
2の押圧を解除すると、吐出経路に残留する残圧を持っ
た被噴射液が、噴射孔7を通過して外部に噴出する時の
抵抗より、容量可変室101に後戻りする時の抵抗の方
が小さい力で済む為に、吐出経路に残留する被噴射液が
容易に容量可変室101に流し、噴射孔7にアフタード
ローとなる被噴射液を送りこまないこととなるからであ
る。また、噴射ボタン2の押圧を維持して図3に示す状
態に移行しているときに噴射ボタン2の押圧を解除した
としても、容量可変室101の拡大により圧力W3が減
少し、上記総和圧W2+W3が付勢手段6の付勢力W1
より小さくなり、摺動部材5が下方に下降し、噴射部材
70への被噴射液及び気化ガスの送りが制限されるとと
もに、接続孔43が再び開口状態になる。このとき、図
3の状態において、ノズル11は開放された状態にある
ため、圧力W3(連絡路3や中央経路41の内圧)は収
納容器1の内圧と等しく一定している。従って、上記の
図2に示す状態から噴射ボタン2の押圧を解除するのと
同様の作用が生ずる。このような理由により、噴射孔7
からのアフタードローの発生がより確実に防止又は緩和
される。
【0027】即ち、噴射ボタン2を押すのをやめると、
噴射ボタン2及びノズル11がコイルスプリング16に
よって押し戻され、収納容器1からの被噴射剤の流出は
停止する(図1)。ただし、この実施の形態では、摺動
部材5を初めとするレギュレーター機構部の作用によっ
て、被噴射剤が噴射孔7から徐々に排出されており、残
圧を有しつつ噴射を続けようとする。ところが、噴射ボ
タン2の上昇により噴射ボタン2が押圧されていない吐
出前の状態となり、容量可変室101の容量が大きな状
態に戻る。この容量可変室101の容量拡大に伴い、そ
の内部が負圧となる。そして、この負圧により、吐出経
路に残留する被噴射液が、中央経路41及び連絡路3を
経て容量可変室101側に流入・吸引され、これによ
り、アフタードローの発生が防止され、綺麗な噴霧のま
ま、噴射が終わる。
【0028】ここで、再度噴射ボタン2を押圧して噴射
を行う状態を説明する。再度噴射ボタン2を押すと、容
量可変室101の容量が小さくなる。その際、上記のよ
うにして容量可変室101内に流入・吸引保留されてい
た空気や被噴射液等は、中央経路41及び連絡路3を通
って、吐出経路(この例では貯溜室45)に戻るが、ノ
ズル11から吐出されてきた収納容器1内の被噴射剤等
と混合して、前述の要領で一定圧に達したところで、噴
射孔7から噴霧されるため、綺麗な霧の状態での噴射が
可能である。このように、この噴射装置は、アフタード
ローの発生を防止又は緩和し、綺麗な噴霧を実現するこ
とができるものである。尚、図1〜図4を用いて説明し
てきた本願発明の実施の形態のエアゾール噴射装置に用
いた噴射ボタン2はレギュレーター機構付きのものであ
り、さらに本レギュレーター機構付きの噴射ボタンは前
述してきたように、未使用時(噴射ボタン2を押さない
状態の時)には、図1に示すように摺動部材5が付勢手
段6によって下方に付勢され、摺動部材5の筒状外周部
53の密閉部材51aが連通孔73を閉鎖した状態であ
る。然るに容量可変室101に取り込まれた状態の空気
や被噴射液等は、結果的に次の噴射時まで密閉状態で保
存することとなるので衛生的である。
【0029】本実施形態においては、付勢手段6として
円筒コイルバネを使用しているが、これに限らず、適宜
他の付勢手段を使用することができる。この点、付勢手
段16,160についても同様である。また、付勢手段
160の配設位置についても、容量可変室101の外部
において、第1構成部111と第2構成部112との間
に介するものとしても実施可能である。具体的には、ガ
イド壁118と挿入部114との間に付勢手段160を
配設して実施することが可能である。付勢手段6の配設
位置についても、摺動部材5の仕切部51の上面に限ら
ず、例えば中央経路41内において、遮蔽部52の上面
と、接続孔43の段部との間に配設したり、或いは、貯
溜室44の部分に、即ち摺動部材5の仕切部51の下面
と、本体部10の空間部4の内壁との間に、仕切部51
を下方に引き下げるような付勢手段を配設する等、適宜
変更できるものである。容量可変室101の上記シーリ
ング材104については、挿入部114が、これを保持
している。しかし、受容部113が保持するものとして
も実施可能である。
【0030】また、上記の実施の形態では、第1構成部
111が受容部113を有し、第2構成部112が挿入
部114を有するものとした。これとは逆に、第1構成
部111が挿入部114を備え、第2構成部112が、
受容部113を備えるものとしても実施可能である。こ
の場合も、この他の構成については、図1〜図4へ示す
実施の形態と同様である。尚、上記の吸引手段に加え
て、噴射孔7の近辺、特に、噴射孔7の周辺の外壁に、
アフタードローを吸着する手段、例えば、吸液性を有す
る紙、不織布、多孔質体、細毛状の植毛を設けるように
して実施してもよい。これにより、万が一、アフタード
ローが生じても、次の噴射の前に、これを吸着して、噴
射孔7から除くことによって、霧の状態をよくすること
ができる。
【0031】上記の実施の形態において、噴射ボタン2
は、レギュレーター機構部を備えるものとしたが、備え
ないものとして実施することもできる。例えば、噴射ボ
タン2を、レギュレーター機能を持たない一般のブレー
クアップ式噴射ボタンとしても実施可能である。図5
に、レギュレーター機構部を持たない、一実施の形態を
示す。図示の通り、この噴射ボタン2においては、図1
〜図3に示す噴射ボタン2と異なり、中央経路41が、
直接、連通孔73に連絡しており、これらの間に、上述
の空間部4や摺動部材5といった構成即ちレギュレータ
ー機構部を備えない。また、この図5に示すものは、噴
射孔7付近の噴射部材の構成についても、簡略化したも
のを用いている。この点、及び、レギュレーター機構部
に関する構成を持たないこと以外については、図5に示
すものも、図1〜図4へ示す実施の形態と同様の構成を
採る。アフタードローの抑制は必要とするが、噴射の均
一化については、これを必要としないといった場合、図
5に示す形態にて実施することができる。
【0032】最後に本願発明に係るエアゾール噴射装置
を総括すると、このエアゾール噴射装置は、容量可変室
101の容量はバルブに設けられているノズル11の外
部(上方)に突出するストロークの差によって変わるも
のであり、噴射ボタン2を押圧することによって容量可
変室101の容量が小さくなった後、噴射ボタン2の押
圧を解除することによって容量可変室101の容量が大
きくなる際に、吐出経路に残留する被噴射液が容量可変
室101側に吸引されることにより、被噴射液が内部保
持されるものである。特に、容量可変室101は、ノズ
ル11の先端側に設けられてノズル11と同体に動く第
1構成部111と、噴射ボタン2の基端側に設けられて
噴射ボタン2と同体に動く第2構成部112とにて構成
され、第1構成部111と第2構成部112の何れか一
方は挿入部114を備え、何れか他方は当該挿入部11
4を収容する受容部113を備えるものであり、挿入部
114の受容部113へ挿入する深さによって容量可変
室101の容量が変動するものであり、且つ、当該容量
可変室101が、上記吐出経路の一部を担う。即ち、吐
出経路は、容量可変室101のバイパスとなる経路や、
枝分かれして行き止まりとなる経路或いは部屋を他に持
たない。このため、シーリング箇所を一カ所とすること
ができる。
【0033】
【発明の効果】以上、本願発明は、長年の課題であっ
た、噴射後のアフタードローをなくし、あるいは減少さ
せることによって、連続的に噴射ボタンを押した場合で
も、綺麗な霧を噴射することができる。また、噴射ボタ
ン2が、レギュレーター機能を持ったものであっても或
いはレギュレーター機能を持たないものであっても、何
れの場合も、噴射ボタンを押すと、即噴射を始め、噴射
ボタンを放すと、即噴射を停止する、動作の切れの良
い、且つ、使用感の良いエアゾール噴射装置を提供する
ことができたものであり、エアゾール製品の用途をさら
に広げることも可能とするものである。特に、吐出経路
の一部に、アフタードローを低減させるための容量可変
室を兼ねさせることにて、ノズルの作動に対する吐出経
路のシーリングと、容量可変室の容量の変化に対するシ
ーリングとを一手で済ませることができる。このよう
に、シーリング箇所を一カ所とすることにて、複数箇所
シーリングを行う場合に比して、噴射ボタンの操作抵抗
を大幅に減じて、円滑なボタン操作が行える。また、そ
の構造も簡略化でき、シーリングの構成を取付ける手間
も低減して、製造能率も向上し得た。特に、容量可変室
を受容部とこれに対応する挿入部とにて構成した際、挿
入部の中心に、吐出経路の一部を担わせることにて、経
路は挿入部の変位による容量可変室の伸縮に影響される
ことなく、また、中心以外の位置に経路を設けた場合に
比して、挿入部の横断面積を小さくすることができ、こ
の点においても、噴射ボタンの押圧抵抗の低減に効を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係るエアゾール
噴射装置の要部拡大断面図である。
【図2】同エアゾール噴射装置の噴射ボタンを押し下げ
た状態の要部拡大断面図である。
【図3】同エアゾール噴射装置の噴射ボタンを押し下げ
続けた状態を示す要部拡大断面図である。
【図4】本願発明の実施形態に使用された噴射用チップ
を示し、その(A)が平面図、その(B)が前図のS−
S断面図である。
【図5】他の実施の形態の要部拡大断面図である。
【図6】従来例の断面説明図である。
【符号の説明】
1…収納容器、2…噴射ボタン、4…空間部、5…摺動
部材、6…付勢手段、7…噴射孔、11…ノズル、12
…ノズル孔、13…バルブハウジング、17…連通孔、
44、45…貯溜室、51…仕切部、51a…密閉部
材、52…遮蔽部、52b…遮蔽部材、54…突出片、
70…噴射部材、74…噴射用チップ、76…貯溜部、
101…容量可変室、104…シーリング材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被噴射液を収納した収納容器(1) と、こ
    の収納容器(1) のバルブに設けられたノズル(11)と、こ
    のノズル(11)先端に設けられたノズル(11)作動用の噴射
    ボタン(2) とを備え、噴射ボタン(2) を押圧することに
    よって、ノズル(11)から吐出した収納容器(1) 内の被噴
    射液が、噴射ボタン(2) に設けられた吐出経路を経て噴
    射孔(7) から噴射されるようにしたエアゾール噴射装置
    において、 噴射後に噴射ボタン(2) の吐出経路に残留する被噴射液
    を、噴射ボタン(2) 内に保持するようにした内部保持手
    段を備え、 この内部保持手段は、上記の吐出経路の一部として当該
    吐出経路に対し直列に配設された容量可変室(101) を備
    え、 容量可変室(101) は、噴射ボタン(2) の上記押圧の解除
    動作に伴い当該吐出経路の一部を被噴射液の移動方向に
    ついて伸長してその容量を増大させ、これにより経路に
    生じた負圧にて上記の残留被噴射液を噴射ボタン(2) 内
    に止めるものであることを特徴とするエアゾール噴射装
    置。
  2. 【請求項2】 上記内部保持手段は、ノズル(11)の先端
    側に設けられた第1構成部(111) と、噴射ボタン(2) の
    基端側に設けられた第2構成部(112) とを備え、上記容
    量可変室(101) は、上記第1構成部(111) と第2構成部
    (112) とにて他から画された空間であり、 第1構成部(111) は、容量可変室(101) 内へ被噴射液を
    導入する導入孔を備え、第2構成部(112) は、容量可変
    室(101) 外へ被噴射液を排出する排出孔を備え、噴射ボ
    タン(2) の上記押圧の解除によるノズル(11)位置の復元
    動作によって、第1構成部(111) に対し第2構成部(11
    2) が変位し上記導入孔と排出孔との間隔を拡大させ、
    容量可変室(101) の容量を増大させるものであることを
    特徴とする請求項1記載のエアゾール噴射装置。
  3. 【請求項3】 上記第1構成部(111) と第2構成部(11
    2) の、何れか一方は受容部を備え、何れか他方は当該
    受容部に受容される挿入部を備え、この挿入部の外周面
    と、受容部の内部側面との間に、シーリング材(104) を
    備え、 上記受容部と挿入部のうち、その一方が上記導入孔を、
    その他方が上記排出孔を備え、 噴射ボタン(2) の上記押圧の解除動作に伴い、受容部に
    対する挿入部の挿入を浅くするよう第1構成部(111) に
    対し第2構成部(112) が変位して、上記導入孔と排出孔
    との間隔を拡大させるものであることを特徴とする請求
    項2記載のエアゾール噴射装置。
  4. 【請求項4】 上記の受容部は、筒状部分と当該筒状部
    分の一端を封じる底部とを備えた、有底の円筒状体であ
    り、底部には、当該円筒状体の内外を連絡する通路とし
    て吐出経路の一部が設けられ、 上記の挿入部は、受容部の上記筒状部分の開口部から筒
    状部分の内部へ挿入される円柱状体であり、当該円柱状
    体の中心には挿入端面から他方の端面に通じる通路とし
    て吐出経路の他の一部が形成され、 受容部の上記筒状部分の内周面と、円柱状体である挿入
    部の外周面との間に、上記シーリング材(104) が配設さ
    れ、 受容部が呈する円筒状体の内部と、挿入部が呈する円柱
    状体の挿入端面とに画された空間が、上記の容量可変室
    (101) として、吐出経路の上記両部分を連絡するもので
    あることを特徴とする請求項3記載のエアゾール噴射装
    置。
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