WO2007007638A1 - トリヒドロカルビルボランの製造方法 - Google Patents

トリヒドロカルビルボランの製造方法 Download PDF

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Tadao Nishida
Yoshihiko Kambara
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Nippon Aluminum Alkyls, Ltd.
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds
    • C07F5/027Organoboranes and organoborohydrides

Definitions

  • TRB trihydrocarbylborane
  • TRBO trialkylboroxine
  • reaction (4) trialkylkilled boron oxide
  • TRAL trialkylaluminum
  • trihydrocarbylborane containing trialkylborane is abbreviated as TRB
  • trihydrocarbylaluminum containing trialkylaluminum is abbreviated as TRAL.
  • TRAL is present in an amount of 0.5 moles or more with respect to aluminum oxide and distilled.
  • a 1 L 4-neck flask with a stirrer was charged with 4 mol of triethyl aluminum, and 1 mol of triethylboroxine placed in the dropping funnel was dropped for 3 hours.
  • the reaction solution was cooled with a refrigerant so that the temperature of the reaction solution was maintained at 70 ° C.
  • the flask was heated to 100 ° C. in an oil bath, and 2.93 mol of 95 ° C. triethylborane was obtained from the top of the Dixon packing packed column.
  • a slurry containing aluminum oxide was left.
  • the slurry was 0.98 mol of acid aluminum and 2.04 mol of triethylaluminum.
  • the yield of triethylborane was 97.6% and the purity was 99% or more.
  • Example 1 The slurry residue in the flask of 2 was filtered through a 10 micron filter to recover 1.8 moles of triethyl aluminum. This filtration was successful. The recovered 1.8 moles of triethyl aluminum and 2.2 moles of fresh tricotyl aluminum were combined and charged into a 1 L four-necked flask equipped with a stirrer. 1 mol of triethylboroxine placed in the dropping funnel was dropped for 3 hours. At this time, the refrigerant should be kept at 70 ° C. It was cooled with. Next, the temperature of the flask was raised to 100 ° C with an oil bath, and 2.92 mol of 95 ° C triethylborane was obtained from the top of the Dixon packing packed column.

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Abstract

 品質とコストに優れるトリヒドロカルビルボランを工業的に製造する方法の提供する。本発明ではトリヒドロカルビルボロキシンとトリヒドロカルビルアルミニウムから、トリヒドロカルビルボランと酸化アルミニウムを合成する反応において、この反応の終点において、反応で生成する酸化アルミニウムに対しトリヒドロカルビルアルミニウムを0.5倍モル以上存在させて反応することを特徴とするトリヒドロカルビルボランの製造である。

Description

明 細 書
トリヒドロカルビルボランの製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、ォレフィン重合触媒や還元剤、アルキル化剤などの有機合成試薬として 有用なトリヒドロカルビルボランの製造方法に関する。
背景技術
[0002] トリヒドロカルビルボラン (以下 TRBと略記する)の製造方法にっ 、て、例えばトリア ルキルボランの製造法を例として説明する。
[0003] TRBの製造方法としてトリアルコキシボランとトリアルキルアルミニウムとを反応させる 方法は、例えば特許文献 1 (特開昭 47-8621号公報)等に示されている。
[0004] B(OR) + AIR → BR + Al(OR) (1) R:アルキル基
3 3 3 3
本反応を工業的生産で実施する場合、副生するトリアルコキシアルミニウムを加水 分解処理して水酸化アルミニウムとして分離してアルコールを回収し、次 、でこれを ホウ酸と反応させて再びトリアルコキシボランに戻す必要がある。それには設備並び に操作工数が多くなり、また目的物の TRBの容積に比べて副生物の容積が大きいこ と力 反応器の容積効率も低ぐ更には有機性の廃液が多く出てその処理も必要と なる、以上の理由から工業的生産に有利な方法ではない。
[0005] TRBの製造方法として、トリハロゲンィ匕ホウ素とトリアルキルアルミニウムとを反応させ る方法も、例えば特許文献 1等に示されている。
[0006] BX + AIR → BR + A1X (2) X=F, CI, Br, I
3 3 3 3
本反応では、原料となるトリハロゲンィ匕ホウ素が高価でまた毒性が大きいので、この 方法での TRBの工業的生産は不可能と思われる。
[0007] 特許文献 2 (米国特許公報第 2,951,093号公報)では、酸化ホウ素とェチルアルミ- ゥムセスキク口ライドとを反応させる方法、特許文献 3 (米国特許第 3,042,723号公報) にはほう砂とェチルアルミニウムセスキク口ライドを反応させることによって TRBを製造 する方法が示されているが、本発明者らの知見によればこれらは何れも反応収率が 低ぐ工業的生産には使えないと思われた。 [0008] 特許文献 4 (特開平 3-258786号公報)では、トリアルコキシボロキシンとトリアルキル アルミニウムを反応させて TRBを得る方法が記されている。
[0009] 3R A1 + (R-0-B-0-)→ 3R B + (R— 0— AHD— ) (3)
3 3 3 3
本反応は、 (1)の反応と同様にアルキル基を含む A1の化合物が副生しその処理が 問題となる。また、トリアルコキシボロキシンの製造に特許文献 5 (特公昭 41-6751号 公報)の方法を挙げているが、それは四塩ィ匕炭素などの有機溶剤を含む溶液として 得る方法であり、有機溶剤の分離などの工程が必要となり工業的な生産には不向き である。
[0010] トリアキルキル酸化ホウ素を反応させて、トリアルキルボロキシン(以下 TRBO)を生 成させ (反応 (4) )、次 、で TRBOとトリアルキルアルミニウム(以下 TRAL)を反応さ せることで、原料に用いた量の 2倍量の新たな TRBを生成させる (反応 (4) ) TRBの 製造方法はよく知られて ヽる。
[0011] BR + B 0→ R B 0 (4)
3 2 3 3 3 3
R B O + 2 A1R → 3BR + A1 0 (5)
3 3 3 3 3 2 3
(4) + (5) BR + B 0 + 2 AIR → 3BR + A1 03
3 2 3 3 3 2
例えば、非特許文献 1 (ORGANIC AND BIOLOGICAL CHEMISTRY, Sept. 20, 4 791(1959))では、トリェチルボロキシン(以下 TEBO) 0.2モルに対し、 0.4モルのトリ ェチルアルミニウム(以下 TEAL)を添加して反応させ、次 、で蒸留することでトリエ チルボラン(以下 TEB)を収率 95.6%で得ている。また、酸化アルミニウムはフラスコ 中で流動性のよい白色結晶となる、と記されている。
[0012] 特許文献 6 (米国特許第 3,049,407号公報)では、 TRBOと TRALの反応のモル比 は 2が好ましぐ TRBO中に TRALを添加する反応法が好ましいとされている。また、 酸ィ匕アルミニウムを液状で扱うために 3級ァミンあるいは TEBそのものを分散媒として 用いることを推奨している。更に該特許では、蒸留において縦型の薄膜蒸発器を使 い、上部から TRBの蒸気を、下部から酸ィ匕アルミニウムの固体を排出させる連続蒸 留法を開示している。
特許文献 1:特開昭 47-8621号公報
特許文献 2 :米国特許公報第 2,951,093号公報 特許文献 3:米国特許第 3,042,723号公報
特許文献 4:特開平 3-258786号公報
特許文献 5:特公昭 41-6751号公報
特許文献 6:米国特許第 3,049,407号公報
非特許文献 1 : ORGANIC AND BIOLOGICAL CHEMISTRY, Sept. 20, 4791(1959) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0013] 提案されている TRBの製造方法としては、(4)反応と (5)反応を組み合わせる方法が 、反応収率が優れていること、副生物が無機物である酸ィ匕アルミニウムであり有機性 の廃棄物の発生が少ないことから、工業的に実施するには最も優れた方法と思われ る。し力しながら本発明者等の知見によると、従来の技術のように TRBOに対し理論 量である 2倍モル程度の TRALを用いる方法で反応させると、合成操作の終盤近く カゝら合成液全体にゲルイ匕が起こり、攪拌機のトルクが小さければ攪拌機がトリップして 停止し、次いで合成液全体が固結してしまう。トルクが大きく撹拌が継続できたとして も TRBの蒸留操作の進行と共に撹拌が困難となり、ついには蒸留釜底部にゲルが 固着してその 出操作が困難となる。
[0014] なお、本明細書ではトリアルキルボランを含むトリヒドロカルビルボランを TRB、トリア ルキルアルミニウムを含むトリヒドロカルビルアルミニウムを TRALと略記して以下に説 明する。
[0015] この対策として、米国特許第 3,049,407号公報に記されて 、るように、酸化アルミ- ゥムを 3級ァミンなどを分散媒として添加し流動化させる方法は、添加した 3級ァミン の分離工程が必要となり、あるいは製品純度の低下などを招き、工業的実施には不 利である。 TRBそのものを分散媒とするのも、目的物である高価な TRBのロスを招き 経済合理性に欠ける。また、この様に流動性が無いか著しく小さな混合液を、薄膜蒸 発器に導入して固体である酸ィ匕アルミニウムを分離しつつ TRBを留分として回収す る連続蒸留操作を実施することは、不可能と判断した。
[0016] パラフィンオイルを分散媒として使う方法も考えられるが、本明細書の比較例 2で示 すように酸ィ匕アルミニウムのゲルィ匕は防止できず、ょ 、結果は得られな力つた。 [0017] 本発明は上記の様な問題のない新しい TRBの製造方法を提供しょうとするもので ある。更には、品質、コストに優れた工業的生産に好適な製造方法を提供しょうとす るものである。
課題を解決するための手段
[0018] 本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究を行い、原料の TRALが酸ィ匕 アルミニウムの良好な分散媒となることを見出し、本発明を完成するに至ったものであ る。即ち本発明の TRBの製造方法は、 TRBOと TRALから TRBと酸化アルミニウム を合成する反応において、反応の終点において反応で生成する酸ィヒアルミニウムに 対し TRALを 0. 5倍モル以上存在させて反応することを特徴とする TRBの製造方法 である。
[0019] また、 TRBOと TRALから、 TRBと酸化アルミニウムを合成し、次!、で TRBを蒸留 分離するに際して、酸ィ匕アルミニウムに対し TRALを 0. 5倍モル以上存在させて蒸 留することを特徴とする TRBの製造方法である。
発明の効果
[0020] 原料以外の物質を用いることのな 、合理的なトリヒドロカルビルボラン製造プロセス である本発明の方法により、品質とコストに優れるトリヒドロカルビルボランを工業的に 製造することが可能となった。
図面の簡単な説明
[0021] [図 1]本発明の内 TEB製造の実施態様の一つを示す図である。図 1において、下記 の符号は、以下の意味を有する。
符号の説明
[0022] 1. TEBO合成反応器
2.フイノレター
3. TEB反応器兼蒸留釜
4.精留塔
5.ろ過器
6. TEB受器 7. TEAL受器
発明を実施するための最良の形態
[0023] 本発明において、 TRB及び TRALのトリヒドロカルビル基は、炭素数が 1から 8の範 囲である。
[0024] 本発明におけるヒドロカルビル基とは炭素数 1から 8のものであり、脂肪族、環式脂 肪族、又は芳香族炭化水素基から選ばれ、具体的にはメチル基、ェチル基、プロピ ル基、ブチル基、へキシル基、ォクチル基、シクロへキシル基、フエ-ル基、ベンジル 基等が挙げられる。また、同一分子内に異なるアルキル基が混在してもよい。
[0025] 原料の TRBOは公知の方法で製造される。例えば、酸化ホウ素と TRBを耐圧反応 器にほぼ等モル比で仕込み、不活性ガス雰囲気下で撹拌しながら反応温度 200〜 300°Cで 4〜30時間程度反応させることで、収率 70〜90%で得られる。未反応の酸 化ホウ素は、ろ過により分離し、ろ液である TRBOは次の TRALとの反応工程に送ら れる。
[0026] なお、 TRBO合成用の耐圧反応器の内部には、未反応の酸化ホウ素をろ過分離 するためのフィルターを内装しておくことは、プロセス操作上合理的である。こうするこ とで、ろ別し反応器内に残った酸ィ匕ホウ素はそのまま次の反応に供することが出来る 。未反応の酸ィ匕ホウ素のろ過特性は良好で、フィルタ一としては種々のものが使用可 能であるが、例えば金属メッシュ製が好適に使用可能である。
[0027] ろ液として得られた TRBO合成反応液は次工程の TRB合成反応器で、 TRALと反 応させ、 TRBと酸ィ匕アルミニウムを生成させる。ここにおいて本発明の方法では、反 応の終点において反応の進行により生成する酸ィ匕アルミニウムに対し TRALが 0. 5 倍モル以上存在することが必須である。これにより、反応液中の酸ィ匕アルミニウムが ゲル化し更には全体が固化する現象が、共存する TRALが安定な分散媒となること で抑制され、反応中並びに続く TRBの蒸留工程を通じて液はゲル化'固化すること なぐ取扱い容易なスラリー状態を維持できる。
[0028] 当該条件を満たす反応操作としては特に限定されるものではないが、その一例とし て、反応器に予め TRALを所要量の全量、即ち TRBOに対し 2. 5倍モル以上、好ま しくは 3〜6倍モル仕込んでおき、撹拌および冷却をしながら、 TRBO合成反応液を 1〜5時間程度かけ少量づっ滴下反応させる方法が挙げられる。これにより収率 95% 以上で TRBが得られる。反応温度としては用いる原料のヒドロカルビル基により異な る力 常温から 150°C程度が好ましい。本反応操作の他の例として、 TRALを TRBO に対し 2. 5倍モル以上を維持しつつ両方の原料を同時に反応器にフィードしながら 反応する方法もあり、この方法でも良好な結果が得られる。なお、反応により生成する 酸ィ匕アルミニウムは、この原料を同時にフィードする方法の方力 得られる結晶の粒 径が大きくなる傾向が認められた。
[0029] また、 TRBOに TRALを添カ卩して反応する場合でも、 TRALZTRBOモル比が約 1 . 1以下、好ましくは 1. 0以下の場合はゲルイ匕した酸ィ匕アルミニウムの析出がないの で、予備的に該範囲のモル比で反応したものを TRAL中に添カ卩して、反応の終点で TRALを 2. 5倍モル以上になるように反応させても良!、。
[0030] 力べして得られた反応液力 蒸留により製品の TRBを回収するが、本発明の方法で は反応液中の酸ィ匕アルミニウムに対し 0. 5倍モル以上の TRALを存在させて蒸留を 行う。 TRALが少ないと釜残液の流動性が不良となり、多いと液の沸点が上昇し TR Bの回収率が低下するので、 0. 5倍モル以上で 6倍モル以下程度が好ましぐ特に 好ましくは 1倍モル以上 3倍モル以下が取扱い性や TRBの蒸留回収率の点で優れ ている。カゝくして、良好な流動性が維持された釜残液からはろ過により容易に酸化ァ ルミ-ゥムが除去可能であり、ろ液である TRALは再度 TRBOとの (5)反応に使うこと が出来る。
[0031] 本発明の TRBを得る方法の別法としては、反応生成物から先ずろ過によって酸ィ匕 アルミニウムを除去した後、ろ液を分離蒸留して製品である TRBを回収し、 TRALを 主成分とする釜残を再度 TRBOとの (5)反応に使うことが出来る。この場合、蒸留工程 には固形物がこないので蒸留釜での酸ィ匕アルミニウムの濃縮によるトラブルも起こら ないで安定的に蒸留することが可能となる。
[0032] なお、酸ィ匕アルミニウムのろ過に際して、酸ィ匕アルミニウムケーキ中に高価な TRO Bや TRBが付着して残ることは、プロセス経済上損であり、相対的に安い TRALで酸 化アルミニウムケーキを洗浄し、その洗浄液も原料に使うことも好まし 、方法である。
[0033] また、反応生成物を後処理する過程において、必要により、後処理の操作性を改 良するために TRALで希釈することも可能である。
[0034] 蒸留方法としては、反応器をそのまま蒸留釜として用い、その上に精留塔を設けて 、撹拌下加熱する方法が好ましい。精留塔は段塔、充填塔何れも用いることが出来る 力 充填塔の方がサイズを小さくできるので好ましい。例えば TEBの場合には、 TEB と TEALは沸点がそれぞれ 96°C、 194°Cと差が大きぐ分離段数としては 3〜 10段、 還流比は 1〜10、圧力は常圧〜 30kPaの減圧で、温度は 95〜60°C程度で操作す ることで、十分な分離効率と蒸留収率が得られる。
[0035] 蒸留後の釜残液は、酸ィ匕アルミニウムの TRALスラリー液である。該スラリー液は釜 より抜きだし、ろ過器を通して酸ィ匕アルミニウムを分離して、ろ液である TRALを再び (5)反応に供する。この際の酸ィ匕アルミニウム結晶は、前述したとおり原料を同時に フィードする方法で得られた結晶の方が粒径が大きぐよってそのろ過特性はより良 好な傾向にある。ろ過器のフィルターにはセラミック製、布製、金属製など種々のもの が使用可能である。ろ液である TRALは、反応並びに蒸留を経たものであり、組成変 化や品質劣化が懸念されたが、全く問題なく(5)反応に再利用でき、反応成績や得 られる TRBの品質に全く変化はなかった。
[0036] また前記した別の実施態様においては、先ず反応液をろ過器を通して酸化アルミ 二ゥムを分離し、ろ液を蒸留し製品である TRBを回収し、 TRALを主成分とする釜残 を (5)の反応に供する。蒸留条件、ろ過器等は前記したものと同じである。得られた 釜残は(5)反応に再利用でき、反応成績や得られる TRBの品質に全く変化はなかつ た。
実施例
[0037] 実施例 1
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコにトリェチルアルミニウム 3モルを仕込み、滴下ロート に入れたトリェチルボロキシン 1モルを 3時間で滴下反応させた。この時反応液の温 度を 70°Cに保持するように冷媒で冷却した。次にフラスコをオイルバスで 100°Cに昇 温して、ディクソンパッキン充填塔の塔頂から 95°Cのトリェチルボラン 2. 9モルを得た 。フラスコには酸ィ匕アルミニウムを含んだスラリー液が残った。該スラリー液をガラスフ ィルター (25G-4 :細孔直径 5〜 10 μ m)で減圧下( 150Torr) 30分でろ別した。フィ ルター上には白色粉末の酸ィ匕アルミニウムが 0. 98モル、無色透明の濾液はトリェチ ルアルミニウムが 1. 04モルであった。トリェチルボランの収率は 97. 1%であった。 得られたトリェチルボランの NMR分析並びに加水分解後の金属分析の結果、純度 は 99%以上であった。
[0038] 実施例 2
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコに、トリェチルアルミニウム 3モルの入った滴下ロー ト及びトリェチルボロキシン 1モルが入った滴下ロートから各々の内容物を同時に滴 下し、 3時間ほぼ等速度を維持して同時添加反応を完了させた。この時反応液の温 度を 70°Cに保持するように冷媒で冷却した。次にフラスコをオイルバスで昇温して、 ディクソンパッキン充填塔の塔頂力 95°Cのトリェチルボラン 2.85モルを得た。フラス コには白色の酸ィ匕アルミニウムを含んだスラリー液が残った。該スラリー液をガラスフ ィルター(25G— 3 :細孔 20〜30 μ m)で減圧下(150Torr) 10分でろ別した。フィル ター上には酸化アルミニウムが 0.95モル、無色透明の濾液はトリェチルアルミニウム 力 S 1.08モルであった。トリェチルボランの収率は 95.0%で純度は 99%以上であった。
[0039] 実施例 3
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコにトリェチルアルミニウム 4モルを仕込み、滴下ロート に入れたトリェチルボロキシン 1モルを 3時間で滴下反応させた。この時反応液の温 度を 70°Cに保持するように冷媒で冷却した。次にフラスコをオイルバスで 100°Cに昇 温して、ディクソンパッキン充填塔の塔頂から 95°Cのトリェチルボラン 2. 93モルを得 た。フラスコには酸ィ匕アルミニウムを含んだスラリー液が残った。該スラリー液に含ま れる酸ィ匕アルミニウムは 0. 98モル、トリェチルアルミニウムは 2. 04モルであった。トリ ェチルボランの収率は 97. 6%で純度は 99%以上であった。
[0040] 実施例 4
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコにトリブチルアルミニウム 4モルを仕込み、滴下ロート に入れたトリブチルボロキシン 1モルを 2時間で滴下反応させた。この時反応液の温 度を 100°Cに保持するように冷媒で冷却した。次にフラスコをオイルバスで 140°Cに 昇温して 3時間熟成を行った後、 6. 5mmHgの減圧蒸留条件でディクソンパッキン 充填塔の塔頂力も 80°Cのトリブチルボラン 2. 9モルを得た。フラスコには酸ィ匕アルミ -ゥムを含んだスラリー液が残った。該スラリー液に含まれる酸ィ匕アルミニウムは 0.96 モル、はトリブチルアルミニウム 2.07モルであった。トリブチルボランの収率は 96. 7% で純度は 98%以上であった。
[0041] 実施例 5
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコにトリプロピルアルミニウム 4モルを仕込み、滴下ロート に入れたトリプロピルボロキシン 1モルを 2時間で滴下反応させた。この時反応液の温 度を 100°Cに保持するように冷媒で冷却した。次にフラスコをオイルバスで 140°Cに 昇温して 3時間熟成を行った後、 36mmHgの減圧蒸留条件でディクソンパツキン充 填塔の塔頂から 75°Cのトリプロピルボラン 2. 9モルを得た。フラスコには酸化アルミ- ゥムを含んだスラリー液が残った。該スラリー液に含まれる酸ィ匕アルミニウムは 0. 96 モル、はトリプロピルアルミニウム 2. 07モルであった。トリプロピルボランの収率は 97 . 1%で純度は 98. 5%以上であった。
[0042] 比較例 1
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコにトリェチルアルミニウム 2モルを仕込み、 1モルのトリ ェチルボロキシンを入れた滴下ロートから、 0. 80モルのトリェチルボロキシンを滴下 反応させた時点から合成液の粘度が上がり、 0. 85モルのトリェチルボロキシンを滴 下反応させた時点でフラスコ内容物が固結状態となり、攪拌機が停止した。この時反 応液の温度は 70°Cに保持していた。残りのトリェチルボロキシンを添加後、フラスコを オイルバスで 120°Cから 140°Cに昇温して、ディクソンパッキン充填塔の塔頂から 95 °Cのトリェチルボラン 1. 34モルを得た。フラスコには白色の固形物及び高粘性物が 残った。トリェチルボランの収率は 44. 7%であった。
[0043] 比較例 2
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコにトリェチルアルミニウム 1モルと流動パラフィン 120g を仕込み、 0. 5モルのトリェチルボロキシンを入れた滴下ロートから、 0. 43モルのトリ ェチルボロキシンを滴下反応させた時点で合成液がゲル状から固結状態となった。 流動パラフィン 120gを反応フラスコに追加し固結状態を解消しょうとしたが状態は変 わらなかった。この時反応液の温度は 70°Cに保持していた。残りのトリェチルボロキ シン 0. 1モルを添カ卩後、常圧下でフラスコを 120°Cから 140°Cに昇温して、ディクソン パッキン充填塔の塔頂から 95°Cのトリェチルボラン 0. 95モルを得た。フラスコには流 動パラフィン層とフラスコ底部に固着した白色の固形物が残った。トリェチルボランの 収率は 63. 3%であった。
[0044] 比較例 3
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコに 0. 63モルのトリェチルボロキシンを仕込み、 1. 26 モルのトリェチルアルミニウムを入れた滴下ロートから、 0. 7モルのトリェチルアルミ- ゥムを滴下した時点で合成液は白濁しはじめ、 0. 73モル滴下した時に合成液がゲ ルイ匕し固結状態となった。攪拌の継続が不可能となったので、フラスコにパラフィンォ ィル 200mlを添加して残りのトリェチルアルミニウム 0. 53モルを滴下反応させた。反 応後のフラスコ内容物の状態は、ゲルィ匕固結物がフラスコ内壁下部に付着したまま で分散状態にはならな力つた。このフラスコを常圧下で、 180°Cまで加熱蒸留した結 果、トリェチルボランの収率は 71%であった。
[0045] 比較例 4
攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコにトリブチルボロキシン 0. 5モルを仕込み、 1モルのト リブチルアルミニウムを入れた滴下ロートから、 0. 6モルのトリブチルアルミニウムを滴 下した時点で合成液はゲルイ匕し固結状態となった。攪拌の継続が不可能となったの で、フラスコにパラフィンオイル 200mlを添カ卩して残りのトリブチルアルミニウム 0. 4モ ルを滴下反応させた。この時反応液の温度を 100°Cに保持するように熱媒で加熱し た。次にフラスコを 140°Cに昇温して 3時間熟成を行った後、 6. 5mmHgの減圧蒸 留条件でディクソンパッキン充填塔の塔頂から 80°Cのトリブチルボラン 0. 95モルを 得た。フラスコにはゲルィ匕固結物と高粘性液が残った。トリブチルボランの収率は 63 . 3%であった。
[0046] 実施例 6
実施例一 2のフラスコのスラリー状残存物を、 10ミクロンのろ過器でろ過し 1. 8モル のトリェチルアルミニウムを回収した。このろ過は順調にろ過することができた。回収し たトリェチルアルミニウム 1. 8モルと新た〖こトリェチルアルミニウム 2. 2モルを合わせ、 攪拌機付 1Lの 4つ口フラスコに仕込んだ。滴下ロートに入れたトリェチルボロキシン 1 モルを 3時間で滴下反応させた。この時反応液の温度を 70°Cに保持するように冷媒 で冷却した。次にフラスコをオイルバスで 100°Cに昇温して、ディクソンパッキン充填 塔の塔頂から 95°Cのトリェチルボラン 2. 92モルを得た。フラスコには酸化アルミ-ゥ ムを含んだスラリー液が残った。該スラリー液に含まれる酸ィ匕アルミニウムは 0. 98モ ル、トリェチルアルミニウムは 2. 04モルであった。トリェチルボランの収率は 97. 3% であった。得られたトリェチルボランの NMR分析並びに加水分解後の金属分析の結 果、純度は 99%以上であった。
[0047] 実施例 7
図― 1に従 、、代表例として TEB製造フローを説明する。
1の TEBO合成反応器は、 10ミクロンの金属メッシュ製フィルター 2を内装し、撹拌並 びに冷却手段を有する 100Lのステンレス鋼製である。 3の TEB合成反応器兼蒸留 釜は撹拌並びに加熱'冷却手段を有する 250Lのステンレス鋼製である。 3には、内 径 100mmで 16mmラシヒリングを 2m充填した蒸留塔 4が接続されている。 5は 10ミ クロンの金属メッシュ製フィルターを内装したろ過器である。
[0048] 1に酸ィ匕ホウ素を 25. 6kg (0. 368kmol)と、 TEBを 36. lkg(0. 368kmol)を仕込 み、窒素雰囲気下反応温度 210°C、圧力 1. 7MPaで 24時間反応させた。 3に TEA Lを 154kg(l. 5kmol)を仕込み、 2を通して未反応の酸化ホウ素を分離したろ液 TE B055. 5kg, TEB 2. 32kgを液温 70°Cを維持しつつ 4時間かけて 3にフィードした 。次いで、液温を上昇させ蒸留操作に移った。温度が 100°Cを超えたところから TEB の留出が始まり、以後還流比 5〜10に調整して留分である TEB99. 5kg(l. 02kmo 1)を 6の受器に得た。 1には、ろ別された釜残の未反応酸化ホウ素 2. 56kg(0. 037k mol)に新たに酸化ホウ素を 23. lkg(0. 33kmol)を仕込み、次いで得られた TEBの 内 35. 9kg(0. 366kmol)を: Uこ仕込んで同様【こ反応させ TEB055. 5kgを得た。蒸 留後の 3の釜残液は酸ィ匕アルミニウム 33. 7kg(0. 33kmol)、 TEAL78. 6kg(0. 68 8kmol)、 TEBl. 01kg(0. Olkmol)、 TEBOl. 13kg(0. 007kmol)力もなり、 5のろ 過器を通して酸ィ匕アルミニウムをろ過した。ろ液は再び 3に戻し TEAL分が全量で 15 4kg(l. 51mol)となるように新たに TEALを追カ卩した。そこへ 2を通して得られたろ液 を同様にフィードし、 TEBの合成反応を行い、次いで同様に蒸留を行った。このサイ クルを 5回繰り返した力 安定して高品質の TEBが 63〜64kg得られ、消費した原料 TEAL当たりの収率は約 96%を維持した。

Claims

請求の範囲
[1] トリヒドロカルビルボロキシンとトリヒドロカルビルアルミニウムから,トリヒドロカルビルポ ランと酸ィ匕アルミニウムを合成する反応において、反応の終点において、反応で生成 する酸化アルミニウムに対しトリヒドロカルビルアルミニウムを 0. 5倍モル以上存在さ せて反応することを特徴とするトリヒドロカルビルボランの製造方法。
[2] トリヒドロカルビルボロキシンとトリヒドロカルビルアルミニウムから、トリヒドロカルビル ボランと酸ィ匕アルミニウムを合成し、次 、でトリヒドロカルビルボランを蒸留分離するに 際して、酸ィ匕アルミニウムに対しトリヒドロカルビルアルミニウムを 0. 5倍モル以上存在 させて蒸留することを特徴とするトリヒドロカルビルボランの製造方法。
[3] トリヒドロカルビルボラン及びトリヒドロカルビルアルミニウムのヒドロカルビル基は、炭 素数が 1から 8の範囲である請求項 1または 2に記載の方法。
[4] トリヒドロカルビルボランがトリェチルボラン及びトリヒドロカルビルアルミニウムがトリ ェチルァアルミニウムである請求項 1または 2に記載の方法。
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