WO2007004306A1

WO2007004306A1 - フライヤー

Info

Publication number: WO2007004306A1
Application number: PCT/JP2005/012512
Authority: WO
Inventors: Toshiyuki Fukahori; Motohiro Miyajima; Hideki Tsukamoto
Original assignee: Fujimak Corporation; Neosys Corporation
Priority date: 2005-07-06
Filing date: 2005-07-06
Publication date: 2007-01-11
Also published as: CN101217905A; CN100593383C; HK1118428A1

Abstract

　燃焼排気を油槽に十分に接触させた後に排気させることで、熱交換を促進できるフライヤーを提供することを目的とする。　調理油が貯留される油槽２と、前記調理油を燃焼により加熱する燃焼加熱装置３と、該燃焼加熱装置３からの燃焼排気を前記油槽２の外面２ｄ，２ｅ，２ｆに接触させた後に、装置外部に排気させる熱交換用の排気通路４と、を備えるフライヤー１であって、排気通路４内には複数の仕切板２０ａ，２０ｂが配設され、燃焼加熱装置３からの燃焼排気が仕切板２０ａ，２０ｂにより蛇行流動して排気されるようにした。

Description

明細書

フライヤ一

技術分野

[0001] 本発明は、油槽に満たされた調理油を燃焼加熱装置により加熱して食材を調理するフライヤ一に関する。

背景技術

[0002] 従来、この種のフライヤ一としては、例えばポテトやチキン等の食材を揚げるための調理油が貯留される油槽の外面をパーナにて加熱することで調理油を加熱するとともに、油槽の周囲に、バーナカの燃焼排気を油槽外面に接触させた後に装置外部へ排出するための排気通路を設け、パーナによる加熱だけでなぐ燃焼排気を油槽外面に衝突させることにより調理油を効率よく加熱できるようにし、さらにこの排気通路内には、油槽外面に溶接された複数のフィンが配設され、燃焼排気と調理油との熱交換が促進されるようにしたもの等がある（例えば、特許文献 1参照）。

[0003] また、上記パーナ及び排気通路を備えるフライヤ一において、パーナから燃焼後の高温排気を送風機によって高速に噴出させて、加熱面に存在する断熱性の境界空気膜を破壊して効率的に熱伝達が行われるようにしたもの等がある（例えば、特許文献 2参照）。

[0004] 特許文献 1 :特開 2002— 209762号公報 (第 3頁、第 1一 2図参照）

特許文献 2 :特開 2003— 52549号公報

[0005] 特許文献 2における燃焼加熱装置についてより詳細に説明すると、図 7及び図 8において、先ず燃料ガスはガス供給量を制御するためガス遮断弁 101、圧力調整器 1 02、ガス制御弁 103等の制御装置を経て燃焼用空気との混合部 104に供給される。混合部 104にて作られた空気とガスとの混合気体は送風機 105によって供給管 106 を通りパーナ 107に圧送される。パーナ 107は適当な炎口負荷を有するセラミックスまたは金属等の耐熱材料で作成される力均一な炎を形成するため炎口 108の上流側に適当な容積にチャンバ一室 109を設けて、その内部に気流分布板 110, 111を装着するのが望ましい。 [0006] 炎口 108は、多数の小孔ないし細溝又は小孔と細溝を組み合わせた通気部を有する形態とし、点火器 112 (点火用の口火でもよレ、）により燃料と空気の混合気体に点火され、この部にて炎 113が形成される。

[0007] 炎は通常 1000°C前後の高温となり、燃焼後の高温排気はパーナ 107と噴出体 11 4の間に気密的に設けた袋部 115を経て、油槽 116を加熱するための熱交換部 117 の吸熱面 118に対して若干の間隙をもって設置された噴出体 114に設けた多数の噴出口 119から高速にて噴出され、吸熱面に存在する断熱性の境界空気膜を破壊して効果的に熱伝達を行うことができる。

[0008] ここにおいて、油槽 116の形態と吸熱面 118の構成の関係はフライヤ一の機能上力なり重要である。即ち、図 7及び図 8に示すような油槽を外側から加熱する構成においては、油槽 116の底部位置における加熱量を少なくし、油量が比較的多い箇所つまり底部よりやや上方部分の加熱量を多くすることによって、揚げ滓の油槽内面への固着と油槽での舞い上がりを防止し、より効果的な食品の揚げ加工がなされることとなる。し力も、吸熱部 ·噴出体の形状及び噴出口の配置を上記の効果が得られるように設計することが比較的容易である。

[0009] 図 9及び図 10は、燃焼加熱装置の別の例を示すもので、油槽 116 '内の油面より下の箇所を貫通して設けた管状熱交換部 120の内壁吸熱面 121に高温排気がほぼ直角に当たるよう、管状熱交換部の内部に多数の噴出口を有する筒状噴出体 122を揷入した構成を示すものである。

さらに、主に油槽外壁の吸熱面のみの噴出高温排気による加熱、あるいは主に油槽内に設ける管状熱交換部のみの同様な方式による加熱、ないしは外壁吸熱面と管状熱交換部の両者を併用して加熱する構成など適宜、加熱手段を組合わせて用いることも可肯である。

[0010] なお、図 7,図 8,図 9及び図 10において、吸熱面を加熱して若干温度の低下した燃焼排気は、油槽 116又は油槽 116 'の一部に設けた熱交換用の排気通路 123又は 123 'を通って、余熱による油の加熱を行つた後排気筒 124を経由して外気に放出できるよう構成されている。

[0011] また、噴出口と吸熱面の距離は断熱性境界膜の破壊に効果的であるよう噴出気体の圧力や噴出口の大きさを勘案して、比較的短距離に設定されている。

[0012] 燃料ガスについては電気的に制御されるガス比例電磁弁または複数のガス電磁弁によって空気との混合部への燃料供給量が制御され、燃焼用の空気は、モータによつて駆動される送風機から混合部に供給され、得られた混合気体はパーナに送られて燃焼するよう構成されている。フライヤ一の燃焼制御装置として、該燃料供給量は加熱すべき油の温度を所定の値に維持するため温度センサーからの信号により自動的に制御され、該燃料供給量と連動して該送風機の回転数又は該送風機のインレツト面積等を変化させて所定の風量 ·風圧を得る電子的制御装置を有している。

[0013] 油槽内の油温は前記した燃焼制御装置において供給ガス量を制御することによつて所定の温度に保つことが可能である力上述のように温度センサーの信号によって電子的に制御する装置を付加し、油温の安定化と、食材の投入による油温の低下を急速にリカバリーする機能を持たせることが可能となる。なお、供給ガス量の制御は、無段階の比例制御、段階制御、 ON— OFF制御等がありそのいずれの場合も前記燃焼制御装置においてこの方式で賄い得るものである。

[0014] 図 7〜図 10において、 127は燃焼装置の空燃比制御用センサー、 128は同安全センサ一であり、 129は各種センサーの信号によって制御を司る電子的制御装置を示す。また、 130は燃料ガスの供給ノズルである。また、フライヤ一の実用性をより確かなものとするため、図 7，図 8に示すような着脱自在の金網 125を油槽内に設けて食材の落下防止機能をもたせ、その下方に着脱自在のフィルター 126を必要に応じて配置して揚げ滓の除去に役立てる構成も考えられる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0015] し力ながら、上記特許文献 1に記載のフライヤ一にあっては、油槽の外面に溶接された複数のフィンは、伝熱面積を増すという効果はあるが、排気通路内において、燃焼排気の排気方向に対してほぼ並行な向きに配置されていることから、燃焼排気を複数のフィンの受熱面全体に確実に接触させることはできるものの、燃焼排気が排気通路内をスムーズに流動するため、熱交換が十分に行われないまま排気されてしまうといった問題があった。 [0016] また、上記特許文献 2に記載のフライヤ一のように、パーナによる燃焼後の高温排気を高速に噴出させて加熱する場合等にあっては、燃焼排気は排気通路内を高速で流動して排気されることになるため、同じように熱交換が十分に行われないまま排気されてしまう虞がある。

[0017] 本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、燃焼排気を油槽に十分に接触させた後に排気させることで熱交換を促進できるフライヤ一を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0018] 上記課題を解決するために、本発明の請求項 1に記載のフライヤ一は、

調理油が貯留される油槽と、前記調理油を燃焼により加熱する燃焼加熱装置と、該燃焼加熱装置からの燃焼排気を前記油槽の外面に接触させた後に装置外部に排気させる熱交換用の排気通路と、を備えるフライヤ一であって、

前記排気通路内には複数の仕切板が配設され、前記燃焼加熱装置からの燃焼排気が前記仕切板により蛇行流動して排気されるようにしたことを特徴としている。この特徴によれば、仕切板との衝突により抵抗を受けて燃焼排気の流動速度が低下するばかりか、排気通路内における燃焼排気の流動距離が長くなり、さらに仕切板に流れが遮られることにより縮流および渦流が発生するため、油槽の外面における熱伝達率が効果的に高まり、熱交換が効果的に促進される。

[0019] 本発明の請求項 2に記載のフライヤ一は、請求項 1に記載のフライヤ一であって、前記仕切板は、前記燃焼排気が前記油槽の外面に対し進退する方向に蛇行流動するように配設されてレ、ることを特徴としてレ、る。

この特徴によれば、燃焼排気が仕切板により油槽の外面に向けて誘導されることで、燃焼排気が外面に衝突することになるため、熱伝達がより効率よく行われる。

[0020] 本発明の請求項 3に記載のフライヤ一は、請求項 1に記載のフライヤ一であって、前記仕切板は、前記燃焼排気が前記油槽の外面に沿ったまま蛇行流動するように配設されてレ、ることを特徴としてレ、る。

この特徴によれば、燃焼排気が蛇行流動しても、油槽の外面から離れることがないので、排気通路内における燃焼排気と油槽の外面との接触時間を極力長くすることができる。

[0021] 本発明の請求項 4に記載のフライヤ一は、請求項 1〜3のいずれかに記載のフライヤーであって、

前記仕切板は、前記油槽の外面に対し非接触状態で配設されていることを特徴としている。

この特徴によれば、油槽の熱が仕切板に直接伝達されることがないので、プレパージゃポストパージの実行時において、仕切板により油槽の放熱が急速に行われることを防止でき、これにより調理油の温度調整が複雑化することを回避できる。

[0022] 本発明の請求項 5に記載のフライヤ一は、請求項 1〜4のいずれかに記載のフライヤーであって、

前記排気通路の外壁を構成する外壁板を前記油槽とは別体に形成するとともに、該外壁板に前記複数の仕切板を一体的に取り付けたことを特徴としている。

この特徴によれば、外壁板を油槽に取り付けることで、仕切板を簡単に排気通路に酉己設すること力 Sできる。

[0023] 本発明の請求項 6に記載のフライヤ一は、請求項 1〜5のいずれかに記載のフライヤーであって、

前記燃焼加熱装置は、燃焼用空気とガス燃料とを混合し、送風機により該混合気体をパーナに供給して燃焼させる予混合強制燃焼式ガス燃焼手段と、該パーナの下流にパーナとは別に設けた多数の噴出口を有する耐熱性の噴出体と、該パーナと該噴出体との間に設けた空間であり、噴出圧を維持し且つ燃焼排気は噴出口以外の外気への洩れがないように構成された袋部と、該噴出体からの高温の排気が油槽外壁の油面以下の吸熱面ないし油槽内の油面以下の箇所を貫通して設けた管状熱交換部の内壁吸熱面に対してほぼ直角に衝突して油槽内の油を加熱するよう、吸熱面と噴出体との間に隙間を設けているものであることを特徴としている。

この特徴によれば、請求項 1乃至 5に係るフライヤ一のように、燃焼排気における熱交換の性能を向上させると共に、油槽内の油を間接加熱するための伝熱面に対して、噴出口から高温度の燃焼排気を高速で衝突させ、表面の断熱性境界空気膜を破壊して極めて高い熱伝達が得られるため、比較的小面積の伝熱面にて高熱効率のフライヤ一も併せて提供することが可能となる。特に、燃焼加熱装置が高速度の燃焼ガスを排気しても、排気通路内において効率的に熱交換が行われるため、燃焼ガスの熱利用効率が高ぐしかも、燃焼排気は十分に熱交換を行った後排気口力外部に放出されるので、燃焼ガス自体、火災予防上から全く心配のない温度となる。なお、燃焼炎は外部空気に触れることなく短期間で燃焼を完結する燃焼方式のため、有害な窒素酸化物の発生が少ない。なお、熱利用効率が優れているため二酸化炭素の発生量が抑制される効果があることは言うまでもない。

[0024] 本発明の請求項 7に記載のフライヤ一は、請求項 6に記載のフライヤ一であって、前記予混合強制燃焼式ガス燃焼手段は、燃料ガスについては電気的に制御されるガス比例電磁弁または複数のガス電磁弁によって空気との混合部への燃料供給量が制御され、燃焼用の空気は、モータによって駆動される送風機から混合部に供給され、得られた混合気体はパーナに送られて燃焼するよう構成されており、該燃料供給量は加熱すべき油の温度を所定の値に維持するため温度センサーからの信号により自動的に制御され、該燃料供給量と連動して該送風機の回転数又は該送風機のインレット面積等を変化させて所定の風量 ·風圧を得る電子的制御装置を設けたことを特徴としている。

この特徴によれば、フライヤ一の油温度を常に所定の温度に自動的に維持することが可能となり、極めて有用なフライヤ一を提供することが可能となる。例えば、食材の油槽への投入による油温の低下に対しても、温度のリカバリーが迅速に行われると共に油温の安定化制御がなされるため、高品質の揚げ物を能率よく揚げることができる図面の簡単な説明

[0025] [図 1]本発明の実施例としてのフライヤ一 1の全体像を示す斜視図である。

[図 2]図 1の A— A断面図である。

[図 3]図 2の B— B断面図である。

[図 4]排気通路を構成する排気ユニットを示す斜視図である。

[図 5]排気通路の要部拡大断面図である。

[図 6] (a) (b)は変形例としての排気通路を示す断面図である。園 7]従来のフライヤ一を示す一部断面立面図である。

[図 8]図 7に示すものの一部断面平面図である。

園 9]従来の別のフライヤ一を示す一部断面立面図である。

[図 10]図 9に示すものの一部断面平面図である。

符号の説明

1 フライヤ一

2 油槽

2a 調理部

2b 加熱部

2c 左側面部

2d 前面部（外面）

2e 右側面部（外面)

2g 底面部

2f 後面部 (外面）

3 燃焼加熱装置

4 排気通路

4a 右通路部

4b 前通路部

4c 後通路部

8 制御装置

10 パーナ

11 送風機

12 チャンノく室

13 噴出体

13a 噴出口

15 熱交換部

20a、 20b 仕切板

21 外壁板流通穴、 29 断熱材

取付板a、 30b 仕切板a、 40b 仕切板

1 ガス遮断弁2 圧力調整器3 ガス制御弁4 混合部

5 送風機

6 供給管

7 パーナ8 炎口

9 チャンバ一室0, 111 気流分布板2 点火器

3 炎

噴出体

5 袋部

, 116' 油槽

7 熱交換部吸熱面噴出口管状熱交換部1 内壁吸熱面管状噴出体 , 123' 排気通路後排気筒 125 金網

126 フイノレター

127 空燃比制御用センサー

128 安全センサー

129 電子的制御装置

130 燃料ガスの供給ノズル

発明を実施するための最良の形態

[0027] 本発明の実施例を以下に説明する。

実施例

[0028] 本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図 1は本発明の実施例としてのフライヤ一 1の全体像を示す斜視図であり、図 2は図 1の A—A断面図であり、図 3 は図 2の B— B断面図であり、図 4は排気通路を構成する排気ユニットを示す斜視図であり、図 5は排気通路の要部拡大断面図であり、図 6 (a) (b)は変形例としての排気通路を示す断面図である。

[0029] 本実施例におけるフライヤ一 1は、図 1及び図 2に示されるように、ポテトやチキン等の食材を揚げる調理油が満たされる油槽 2と、油槽 2の外面に外側から対向して設けられ、調理油を加熱する燃焼加熱装置 3と、燃焼加熱装置 3からの燃焼排気 (燃焼ガス）を筐体外部へ導くとともに、その途中で燃焼排気を油槽 2の外側面に接触させる排気通路 4と、調理時間や調理温度等を制御する図示しないコントローラと、力主に構成される。

[0030] 図 1に示されるように、筐体前面には、調理時間や調理温度等の調整を行うための操作部が配置された操作パネル 5が配設されているとともに、筐体後部には油槽 2の上部よりも上方に突出する突出部 6が形成され、該突出部 6の上端面には、排気通路 4に連通し、燃焼排気が排気される排気口 7が形成されている。なお、以下の説明において、操作パネル 5側をフライヤ一 1の前方、突出部 6側を後方として説明する。

[0031] 筐体内に内設された油槽 2は、特に図 2に示されるように、上面が開口する箱状に形成され、主に食材が調理される上方の調理部 2aと、主に調理油が加熱される加熱部 2bと、力構成され、該加熱部 2bは、調理部 2aの下部から下方に向けて延設されるとともに、調理部 2aよりも左右幅が幅狭に形成されている。

[0032] 図 2、図 3に示されるように、加熱部 2bの断面形状は、左側面部 2c、右側面部 2e、前面部 2d、後面部 2f、底面部 2gと、により、前後幅が左右幅よりも長寸の長方形状に形成されており、左側面部 2cの外側には、前述した燃焼加熱装置 3が設けられてレ、るとともに、右側面部 2e、前面部 2d、後面部 2fの外側には、右通路部 4a、前通路部 4b、後通路部 4cからなる排気通路 4が加熱部 2bの周囲を囲むように形成されてレ、る。なお、後通路部 4cの上部は、図 2に示されるように上方に向けて延設され、突出部 6の上部に設けられた排気口 7に連通している。

[0033] 燃焼加熱装置 3は、特に図 3に示されるように、ガス供給量を制御するためのガス遮断弁、圧力調整器、ガス制御弁等を含む制御装置 8 (図 2参照）と、これら制御装置 8 を経て供給されるガス燃料と燃焼用空気とを混合して作られた空気とガスとの混合気体を、供給管 9を介してパーナ 10に圧送して供給する送風機 11と、パーナ 10の上流側に設けられるチャンバ室 12と、チャンバ室 12の下流側に設けられるパーナ 10と、油槽 2の左側面部 2cに対して若干の間隙をもって設置された噴出体 13と、力主に構成される。

[0034] パーナ 10は、適当な炎口負荷を有するセラミックスまたは金属等の耐熱材料で作成されており、炎口 10aは、多数の小孔ないし細溝又は小孔と細溝を組み合わせた通気部を有する形態とし、図示しない点火器（点火用の口火でもよい）により燃料と空気の混合気体に点火され、パーナ 10と噴出体 13との間に気密的に設けた袋部 14 にて炎が形成される。炎は通常 1000度前後の高温となり、燃焼後の高温の燃焼排気は袋部 14を経て、噴出体 13に設けた多数の噴出口 13aから高速にて噴出され、加熱面となる左側面部 2cの外側に存在する断熱性の境界空気膜を破壊して効果的に熱伝達を行うことができるようになつている。

[0035] また、図 3には図示されていなレ、が、図 7に示すような気流分布板 110, 11 1を燃焼加熱装置に組み込むことも可能である。

さらに、図 7又は図 9に示す電子的制御装置 129を、本発明に係るフライヤ一に適用することも可能である。この場合は、燃料ガスについては電気的に制御されるガス比例電磁弁または複数のガス電磁弁によって空気との混合部への燃料供給量が制御され、燃焼用の空気は、モータによって駆動される送風機から混合部に供給され、得られた混合気体はパーナに送られて燃焼するよう構成されてレ、る。電子的制御装置では、燃料供給量は加熱すべき油の温度を所定の値に維持するため温度センサ一（不図示。油槽内外で油温度に比例した温度が測定できる場所に設置される。）からの信号により自動的に制御され、該燃料供給量と連動して該送風機の回転数又は該送風機のインレット面積等を変化させて所定の風量'風圧を得るよう制御される。

[0036] 排気通路 4は、前述した右通路部 4a、前通路部 4b、後通路部 4cとから構成され、前通路部 4bは熱交換部 15に連接されており、パーナ 10からの燃焼後の高温の燃焼排気が流入するようになっている。本実施例における右通路部 4a内には、複数の仕切板 20a、 20bが配設されており、図 3中矢印で示されるように、燃焼排気が油槽 2 の外面である右側面部 2eに対し進退する方向、すなわち、右側面部 2eに対して略垂直な垂線の方向に蛇行流動するように配設されてレ、る。

[0037] ここで、排気通路 4の一部である右通路部 4aの具体的な構造を、図 3〜図 5に基づいて説明すると、右通路部 4aは、鉄板により断面コ字状に形成される外壁板 21により外壁が形成されている。この外壁板 21の両端からは、外向きに延びる取付片 22が形成されており、この取付片 22の長手方向にわたって複数形成された取付穴 23内に、右側面部 2eから突設された取付ネジ 24を挿通し、取付穴 23から突出した取付ネジ 24の先端にナット 25を螺入することで、油槽 2の右側面部 2eに外側から取り付けられている。なお、本実施例において、外壁板 21は、右側面部 2eの表面と取付片 22との間に肉薄の断熱材 27を挟持した状態で取り付けられている。

[0038] 外壁板 21の内側には、左右幅（図 5中における左右方向の幅寸法）が外壁板 21の左右幅とほぼ同寸に形成された仕切板 20aと、左右幅が外壁板 21の左右幅よりも若干小寸に形成された仕切板 20b (本実施例では仕切板 20aが 5つ、仕切板 20bが 6 つ）とが、それぞれ外壁板 21の長手方向（前後方向）にわたつて所定間隔おきに交互に配設されている。

[0039] また、これら仕切板 20a、 20bの上下幅は、外壁板 21の上下幅とほぼ同寸とされており、それぞれの端部に屈曲形成された屈曲片を介して溶接にて取り付けられてレヽる。また、仕切板 20aにおける外壁板 21側寄りには、略楕円形の流通穴 26が、上下方向に向けて所定間隔おきに複数形成されている。

[0040] 外壁板 21の外側には、該外壁板 21の上下の水平片外面に止着された取付板 28 を介して断熱板 29が装着されており、排気通路 4内部を通過する燃焼排気熱が外壁板 21を介して放熱されることが防止されている。

[0041] このように、燃焼排気の排気方向に向けて、左右幅（高さ）の異なる 2種類の仕切板 20a、 20bが、右側面部 2e側と外壁板 21側とに交互に配設されていることで、熱交換部 15から前通路部 4bを通過して右通路部 4aに進入した燃焼排気は、特に図 3に示されるように、油槽 2の右側面部 2eに対し進退する方向に蛇行 (往復）しながら右通路部 4aを通過し、後通路部 4c、排気口 7を介して外部に排気される。

[0042] すなわち、右通路部 4a内においては、燃焼排気の流動通路が、仕切板 20bの左側端部と右側面部 2eの表面との間に形成される隙間と、仕切板 20aの流通穴 26と、により形成され、これらが互いに左右方向に異なる位置にずれて形成されているため、燃焼排気が油槽 2の右側面部 2eに対し進退する方向に蛇行流動することになる。

[0043] 従って、右通路部 4a内に進入した燃焼排気は、仕切板 20bにより右側面部 2e側に向けて誘導され、仕切板 20aにより右側面部 2eから離間する方向、すなわち外側に向けて誘導され、これを交互に繰返しながら蛇行流動するため、仕切板 20a、 20bとの衝突により抵抗を受けて流動速度が低下するばかりか、右通路部 4a内における燃焼排気の流動距離が長くなり、燃焼排気を油槽 2の外面である右側面部 2eに十分に接触させた後に排出させることができるため、熱交換が効果的に促進される。

[0044] さらに仕切板 20a、 20bにより燃焼排気の流れが遮られることにより右通路部 4a内において縮流または渦流が発生し、右通路部 4a内における滞留時間が長くなるため、油槽 2の右側面部 2eにおける熱伝達率がより効果的に高まる。また、燃焼排気が仕切板 20bにより右側面部 2e側に向けて誘導されることで、燃焼排気が右側面部 2e に積極的に衝突されることになるため、熱伝達がより効率よく行われる。

[0045] また、仕切板 20a、 20bは、右側面部 2eとの間に僅かな間隙 L1 (図 5参照）が形成されるように非接触状態で配設されていることで、油槽 2の熱が仕切板 20a、 20bに直接伝達されることがないので、例えばパーナ 10による加熱の開始前において、送風機 11にて排気通路 4内に空気を圧送して内部に残留する燃焼排気を強制的に排気させるプレパージの実行時や、パーナ 10による加熱の終了後において、送風機 1 1にて排気通路 4内に空気を圧送して内部に残留する燃焼排気を強制的に排気させるポストパージ時等において、仕切板 20a、 20bにより油槽 2の放熱が急速に行われることが防止され、これにより調理油の温度調整が複雑化することを回避できる。

[0046] さらに、仕切板 20a、 20bの溶接またはろう接による歪みや油槽 2を構成する素材の劣化を防ぎ、かつ、油槽 2の溶接部等の経年劣化を回避できる。さらに製造工程も単純になり、製品品質が向上できる一方で、製造コストを押さえることができる。

[0047] また、外壁板 21が油槽 2とは別体に形成されるとともに、該外壁板 21に複数の仕切板 20a、 20bがー体的に取り付けられていることで、複数の仕切板 20a、 20bを直接右側面部 2eに取り付ける場合に比べて比較的簡単に排気通路 4内に配設することができる。

[0048] 以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追力卩がぁつても本発明に含まれる。

[0049] 例えば、前記実施例における仕切板 20a、 20bは、燃焼排気が油槽 2の外面である右側面部 2eに対し進退する方向、つまり右側面部 2eに近づいたり遠ざかる流動を繰り返しながら蛇行流動するように配設されていた力 S、例えば図 6に示されるように、燃焼排気が油槽 2の外面に沿ったまま蛇行流動するように配設されていてもよい。

[0050] このような例を具体的に説明すると、図 6 (a)には、燃焼排気の流動通路が右通路部 4aの上下部に交互に形成されるように、上下幅が右通路部 4aの上下幅よりも小寸の縦向きの仕切板 30a、 30bが交互に配設された例が示されており、この場合、燃焼排気は図中矢印で示されるように、油槽 2の外面に沿ったまま上下方向に蛇行流動する。また、図 6 (b)には、燃焼排気の流動通路が右通路部 4aの上流側端部及び下流側端部に交互に形成されるように、前後幅が右通路部 4aの前後幅よりも小寸の横向きの仕切板 40a、 40bが交互に配設された例が示されており、この場合、燃焼排気は図中矢印で示されるように、油槽 2の外面に沿ったまま前後方向に蛇行流動する。さらに、特に図示はしなレ、が、例えば図 6 (a)に示される仕切板 30a、 30bを前方または後方に向けて傾斜させることで、燃焼排気を上下及び前後方向に蛇行流動させるようにしてもよレ、。

[0051] このように燃焼排気を油槽 2の外面に沿ったまま蛇行流動させることで、燃焼排気は右通路部 4a内において上下方向または前後方向に蛇行流動しても、油槽 2の外面から離れることがないので、排気通路 4内における燃焼排気と油槽 2の外面との接触時間を極力長くすることができる。

[0052] また、前記実施例におけるパーナ 10は、油槽 2の左側面部 2cの外側に配置されていたが、パーナによる加熱位置は油槽 2の左側面部 2cに限定されるものではなぐ右側面部 2eや前後側面部 2d、 2fであってもよいし、あるいは底面部 2g等に配置されていてもよい。

[0053] また、前記実施例における仕切板 20a、 20bは、右通路部 4aのみに配設されていた力前通路部 4bや後通路部 4c等に配設されてレ、てもよレ、。

[0054] また、前記実施例における仕切板 20aには、燃焼排気の流動通路を形成するための流通穴 26が複数形成されていたが、仕切板 20bと左右幅が同寸の仕切板を左右に交互にずらして配置することにより燃焼排気の流動通路を形成してもよい。

[0055] また、前記実施例における仕切板 20a、 20bは、油槽 2の右側面部 2eの表面に対して間隙 L1分だけ離間配置されていた力右側面部 2eに当接されていてもよい。

Claims

請求の範囲

[1] 調理油が貯留される油槽と、前記調理油を燃焼により加熱する燃焼加熱装置と、該燃焼加熱装置からの燃焼排気を前記油槽の外面に接触させた後に装置外部に排気させる熱交換用の排気通路と、を備えるフライヤ一であって、

前記排気通路内には複数の仕切板が配設され、前記燃焼加熱装置からの燃焼排気が前記仕切板により蛇行流動して排気されるようにしたことを特徴とするフライヤ一

[2] 前記仕切板は、前記燃焼排気が前記油槽の外面に対し進退する方向に蛇行流動するように配設されてレ、る請求項 1に記載のフライヤ一。

[3] 前記仕切板は、前記燃焼排気が前記油槽の外面に沿ったまま蛇行流動するように配設されてレ、る請求項 1に記載のフライヤ一。

[4] 前記仕切板は、前記油槽の外面に対し非接触状態で配設されている請求項:!〜 3 のレ、ずれかに記載のフライヤ一。

[5] 前記排気通路の外壁を構成する外壁板を前記油槽とは別体に形成するとともに、該外壁板に前記複数の仕切板を一体的に取り付けた請求項 1〜4のいずれかに記載のフライヤ一。

[6] 前記燃焼加熱装置は、燃焼用空気とガス燃料とを混合し、送風機により該混合気体をパーナに供給して燃焼させる予混合強制燃焼式ガス燃焼手段と、該パーナの下流にパーナとは別に設けた多数の噴出口を有する耐熱性の噴出体と、該パーナと該噴出体との間に設けた空間であり、噴出圧を維持し且つ燃焼排気は噴出口以外の外気への洩れがないように構成された袋部と、該噴出体からの高温の排気が油槽外壁の油面以下の吸熱面ないし油槽内の油面以下の箇所を貫通して設けた管状熱交換部の内壁吸熱面に対してほぼ直角に衝突して油槽内の油を加熱するよう、吸熱面と噴出体との間に隙間を設けているものであることを特徴とする請求項 1〜5のいずれかに記載のフライヤ一。

[7] 前記予混合強制燃焼式ガス燃焼手段は、燃料ガスについては電気的に制御されるガス比例電磁弁または複数のガス電磁弁によって空気との混合部への燃料供給量が制御され、燃焼用の空気は、モータによって駆動される送風機から混合部に供給され、得られた混合気体はパーナに送られて燃焼するよう構成されており、該燃料供給量は加熱すべき油の温度を所定の値に維持するため温度センサーからの信号により自動的に制御され、該燃料供給量と連動して該送風機の回転数又は該送風機のインレット面積等を変化させて所定の風量 ·風圧を得る電子的制御装置を設けたことを特徴とする請求項 6に記載のフライヤ一。