WO2006118116A1

WO2006118116A1 - 情報表示用パネルの製造方法

Info

Publication number: WO2006118116A1
Application number: PCT/JP2006/308659
Authority: WO
Inventors: Yoshitomo Masuda; Taichi Kobayashi; Hirotaka Yamazaki
Original assignee: Bridgestone Corporation
Priority date: 2005-04-26
Filing date: 2006-04-25
Publication date: 2006-11-09
Also published as: KR20070114834A; CN101167014A; KR100926843B1; US20090273826A1; CN101167014B; US7835064B2

Abstract

　少なくとも一方が透明な対向する２枚の基板１、２間の隔壁４で形成されたセル１４内に、少なくとも１種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも１種類以上の表示媒体３を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体をセル内に充填する表示媒体充填工程を、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体をセル内に転写して充填する表示媒体転写充填工程と、から構成する。

Description

明細書

情報表示用パネルの製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、少なくとも一方が透明な対向する 2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも 1種類以上の粒子力構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも 1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによつて、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法に関するものである。

背景技術

[0002] 従来より、液晶（LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクト口クロミック方式、サーマル方式、 2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。

[0003] これら従来技術は、 LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に最近では、分散粒子と着色溶液力成る分散液をマイクロカプセルィ匕し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。

[0004] し力しながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸ィ匕チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなつており、分散状態の安定性維持が難しぐ情報表示の繰り返し書き換えの安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れに《しているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。

[0005] 一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めて、る（例えば、趙国来、外 3名、 "新しいトナーディスプレイデバイス (1) "、 1999年 7月 21日、日本画像学会年次大会（通算 83回）" Japan Hardcopy' 99"論文集、 p.249-252参照）。しかし、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、表示安定性に欠けるという問題もある。

[0006] 上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な対向する 2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも 1種類以上の粒子力も構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも 1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られて、る。

[0007] 上述した情報表示用パネルの製造方法にお!、て、表示媒体 (言!/、換えれば表示媒体を構成する表示媒体用粒子)を基板間に封入する方法としては、例えば、表示媒体をパネル基板上に引き伸ばす塗布法や、表示媒体を撹拌、エアブローなどにより空気中に浮遊させ、その中にパネル基板を通過させることにより表示媒体粒子を基板上に散布する方法などが考えられる。これらの方法のうち、塗布法においては、表示媒体がパネル基板に付着しにくいことから充填量 (塗布量)の不足および偏りが発生しやすいという問題があった。また、散布法においては、基板間に複数のセルを形成するとともに基板間の間隔を均一に確保するために設ける隔壁により、基板間の空間を複数のセルに分けて、各セルに表示媒体を充填し、封入しょうとすると、隔壁の頂上部に表示媒体が載ってしまい、 2枚の基板を重ね合わせる時に、基板と隔壁の重ね合わせ目、あるいは隔壁同士の重ね合わせ目に表示媒体が挟まってしまい、基板間の間隔を均一にできな、と、う問題があった。

[0008] また、上述した隔壁の頂上部に表示媒体が載る問題を解決するために、粒子を充填しょうとする基板の裏側に粒子とは逆極性の電位を与えて、セル内に帯電粒子を導くようにして表示媒体用着色粒子を充填しょうとする試みがあった。

[0009] し力しながら、この方法では、帯電極性の異なる 2種類の表示媒体用着色粒子を充填しょうとすると、最初の 1種類目の粒子の充填は問題なく行うことができるが、 2種類目の粒子の充填の際に、先に充填した粒子がセル内から飛び出してしまう問題があつた o

[0010] また、この方法では、セル内に充填した表示媒体を次の工程へ移動する際に、充填した粒子が振動や風等の外力の影響でセル内から飛び出してしまう問題もあった

[0011] さらに、この方法では、セル内のみならずセルを形成する隔壁上にも表示媒体が付着してしまうと、もう一枚の基板を貼り合わせる際に表示媒体が基板と隔壁頂上との隙間に挟まってしまい、パネル基板間距離が一定でなくなるという問題があった。この問題を解決するために、表示媒体を充填しょうとする基板の上に、セル形状に合わせた開口を有するマスクをセルを形成する隔壁上に載せて、表示媒体が隔壁上に付着するのを防ぐ方法が提案されているが、表示媒体充填後にマスクを外すとセル内に充填された表示媒体までもがマスクと一緒にセル内から出て行ってしまうという問題もあった。

[0012] さらにまた、この方法では、基板の裏側に粒子とは逆極性の電位を与えて、セル内に帯電粒子を導く方法では、基板に電極がない場合にはうまく充填が行えたが、基板に電極が配置されてヽて、電極が基板裏側の逆極性の電位付与手段とセル内の帯電粒子との間に存在する場合は、充填が行えないという問題があった。上記問題は、直接散布する方法であっても、感光体などの帯電媒体上に配置しておいた帯電粒子を移動させる方法であっても、同様に起こり、基板に電極を配置した場合には粒子を精度よく充填することができなかった。

発明の開示

[0013] 本発明の主たる目的は上述した問題点を解消して、対向する基板の間において、隔壁によって形成されたセル内に表示媒体を封入する場合であっても、セル内に所定量の表示媒体を確実に封入できる情報表示用パネルの製造方法を提供しようとするものである。

[0014] 本発明の情報表示用パネルの製造方法は、少なくとも一方が透明な対向する 2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも 1種類以上の粒子カゝら構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも 1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法にぉ、て、表示媒体をセル内に充填する表示媒体充填工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づ!、て配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体をセル内に転写して充填する表示媒体転写充填工程と、から構成されることを特徴とするちのである。

[0015] なお、本発明の主たる情報表示用パネルの製造方法における好適例としては、前記表示媒体帯電担持工程を、表示媒体帯電供給装置から帯電した表示媒体を表示媒体担持ローラへ供給することで実施すること、前記表示媒体配列工程を、静電潜像形成装置により感光体ドラム表面に所定パターンの静電潜像を形成し、感光体ドラム上に静電潜像に基づ！/ヽて表示媒体を配列することで実施すること、前記表示媒体転写充填工程を、配列させた表示媒体と転写装置との間にセルを有する基板を通過させ、セル内に表示媒体を転写して充填することで実施すること、前記表示媒体充填工程が、充填する表示媒体の種類の数だけ連続して設けられていること、前記表示媒体充填工程が、それぞれ 2枚の基板に対して、充填する表示媒体の種類の数だけ設けられ、表示媒体充填工程が並設されていること、がある。

[0016] 本発明の主たる情報表示用パネルの製造方法によれば、情報表示用パネル基板間に隔壁によって形成されたセル内に表示媒体を充填するにあたって、充填量の不足および偏りが発生することがなぐ隔壁の頂上部に表示媒体が載ることもなぐ基板間の間隔を均一にできるようになり、良好なコントラストを有する表示状態が得られる情報表示用パネルを提供することができる。

[0017] また、本発明の好適例の第 1の目的は上述した問題点を解消して、帯電極性の異なる 2種類の表示媒体をセル内に充填する場合でも、先に充填した粒子がセル内から飛び出ることのない情報表示用パネルの製造方法を提供しょうとするものである。

[0018] 本発明の第 1の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法は、前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側から表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する第 1の表示媒体充填工程と、セル内に充填した表示媒体に対し除電を行う除電工程と、一方の極性に帯電した表示媒体を充填したセル上に、他方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側から表示媒体とは逆極性である一方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する第 2の表示媒体充填工程と、から構成されることを特徴とするものである。

[0019] なお、本発明の第 1の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法における更なる好適例としては、前記帯電極性の異なる 2種類の表示媒体が異なる色を有することがある。

[0020] 本発明の第 1の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法によれば、第 1の表示媒体充填工程と第 2の表示媒体充填工程との間に除電工程を行っているため、帯電極性の異なる 2種類目の表示媒体を充填する際に、基板裏側に先に充填した表示媒体と同極性の電位を与えて、セル内に 2種類目の表示媒体を導くようにしても、先に充填した表示媒体がセル内から飛び出すことはない。

[0021] さらに、本発明の好適例の第 2の目的は上述した問題点を解消して、セル内に充填した表示媒体を次の工程へ移動する場合でも、充填した粒子がセル内から飛び出ることのない情報表示用パネルの製造方法を提供しょうとするものである。

[0022] 本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法は、前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側から表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程と、基板の裏側に、充填した表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えた状態で、表示媒体をセル内に充填した基板を次ェ程に搬送する充填後パネル搬送工程と、を備えることを特徴とするものである。

[0023] なお、本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法における更なる好適例としては、前記充填後パネル搬送工程を、表示媒体を充填した基板を搬送手段で搬送し、搬送中、搬送手段の基板とは反対側に設けた電圧印加補助手段から所定の電圧を印加することで行うこと、前記電圧印加補助手段が、連続する複数の電圧印加ローラであること、前記電圧印加補助手段が、電圧印加ベルトであること、がある。

[0024] 本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法によれば、セル内に表示媒体を充填した基板を移動する際に、基板の裏側に充填した表示媒体の有する帯電性とは逆極性の電位を与え続けるようにしたため、表示媒体は基板裏側から働く吸引力によってセル内に固定されるので、振動や風等の外力の影響を受けてもセル内力飛び出すことがな！、。

[0025] さらにまた、本発明の好適例の第 3の目的は上述した問題点を解消して、隔壁上にマスクを載せてセル内に表示媒体を充填した後にマスクを隔壁上から外す場合でも、充填した表示媒体がセル内から飛び出すことなぐセル内に充填された表示媒体の量を一定にできる情報表示用パネルの製造方法を提供しょうとするものである。

[0026] 本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法は、前記表示媒体転写充填工程が、一方の極性に帯電した表示媒体を、隔壁上にマスクを載せるとともに基板の裏側カゝら表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程と、基板の裏側に、充填した表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えた状態で、マスクを隔壁から取外すマスク取外し工程と、を備えることを特徴とするものである。

[0027] 本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法によれば、表示媒体を帯電させておき、表示媒体を充填しょうとする基板の裏側に表示媒体とは逆極性の電位を与えて、セル内に帯電粒子を導くようにして表示媒体を充填し、かつ、マスクを用いることで隔壁上に粒子が付着しないようにして表示媒体をセル内に充填するようにした。また、表示媒体が充填されたパネル基板からマスクを外す際にも、パネル基板裏側に充填した粒子の有する帯電性とは逆極性の電位を与え続けるようにした。上記によって、表示媒体が充填されたパネル基板からマスクを外す際にも、表示媒体は基板裏側から働く吸引力によってセル内に固定されるので、外そうとしているマスクに持っていかれることがないので、セル内に充填された表示媒体の量を一定にできる。

[0028] また、本発明の好適例の第 4の目的は上述した問題点を解消して、基板に電極を配置した場合であっても、表示媒体を精度よくセル内に充填することができる情報表示用パネルの製造方法を提供しょうとするものである。

[0029] 本発明の第 4の好適例の第 1実施例に係る情報表示用パネルの製造方法は、前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側力表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えるとともに、基板上に設けた電極に交流電圧を印加して、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程を備えることを特徴とするものである。

[0030] 本発明の第 4の好適例の第 2実施例に係る情報表示用パネルの製造方法は、前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側力表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えるとともに、基板上に設けた電極に電位 VIを印加し、基板の裏側に電位 V2を印加し、両電位の関係を、 I VI I < I V2 Iとして、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程を備えることを特徴とするものである。

[0031] 本発明の第 4の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法によれば、基板裏側の逆極性の電位付与手段とセル内の帯電粒子との間に存在する電極に交流電圧を印カロして、セル内に表示媒体を充填することで (第 1実施例）、または、基板上に設けた電極に電位 VIを印加し、基板の裏側に電位 V2を印加し、両電位の関係を、 I V 1 I < I V2 Iとして、セル内に表示媒体を充填することで (第 2実施例）、帯電媒体上に配置された帯電した表示媒体が基板側に移動しやすくなり、表示媒体を精度よくセル内に充填することができる。

[0032] さらに、いずれの情報表示用パネルの製造方法における更なる好適例としては、前記表示媒体が粒子群または粉流体であることがある。

図面の簡単な説明

[0033] [図 1]図 1 (a)、（b)はそれぞれ本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルの一例の構成を示す図である。

[図 2]図 2 (a)、 (b)はそれぞれ本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルの他の例の構成を示す図である。

[図 3]図 3 (a)、 (b)はそれぞれ本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルのさらに他の例の構成を示す図である。

[図 4]図 4は本発明の主たる発明に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。

[図 5]図 5は本発明の主たる発明に係る情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。

圆 6]図 6は本発明の主たる発明に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。

[図 7]図 7 (a)、 (b)はそれぞれセル開口部形状とそれに対応する静電潜像パターンの好適な一例を説明するための図である。

[図 8]図 8 (a)、 (b)はそれぞれセル開口部形状とそれに対応する静電潜像パターンの好適な他の例を説明するための図である。

[図 9]図 9 (a)、 (b)はそれぞれセル開口部形状とそれに対応する静電潜像パターンの好適なさらに他の例を説明するための図である。

[図 10]図 10 (a)、 (b)はそれぞれセル開口部形状とそれに対応する静電潜像パターンの好適なさらに他の例を説明するための図である。

圆 11]図 11は本発明の第 1の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。

圆 12]図 12は本発明の第 1の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法を実施する装置の一例を説明するための図である。

圆 13]図 13は本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。

圆 14]図 14は本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。

圆 15]図 15は本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。

圆 16]図 16は本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。

圆 17]図 17は本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。

圆 18]図 18は本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。

圆 19]図 19は本発明の第 4の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。

[図 20]図 20は本発明の第 4の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。

[図 21]図 21は本発明の第 4の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。

[図 22]図 22は本発明の第 4の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。

[図 23]図 23は本発明の第 4の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。

[図 24]図 24は本発明の第 4の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。

[図 25]図 25は本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。

[図 26]図 26は本発明の製造方法で用いるマスクの形状の一例を示す図である。発明を実施するための最良の形態

[0034] まず、本発明の製造方法に従って製造した情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の情報表示用パネルでは、対向する基板間に封入された表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、帯電した表示媒体が電界の力やクーロン力などによって引き寄せられ、それら表示媒体が電界方向の変化によって移動方向を変えることにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、表示情報を書換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子に力かる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる

[0035] 本発明の製造方法に従って製造した情報表示用パネルの例を、図 1 (a)、 (b)〜図

3 (a) , (b)に基づき説明する。

[0036] 図 1 (a)、 (b)に示す例では、少なくとも 1種以上の粒子力も構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも 2種類以上の表示媒体 3 (ここでは粒子群からなる白色表示媒体 3Wと粒子群からなる黒色表示媒体 3Bを示す)を、基板 1と基板 2 との間に封入し、基板間に何らかの電圧印加手段を用いることにより発生する電界に応じて、基板 2と垂直に移動させ、黒色表示媒体 3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体 3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図 1 (b)に示す例では、基板 2との間に隔壁 4を形成して複数の四角形セルを格子状に設けている。（図の手前にある隔壁は省略している）

[0037] 図 2 (a)、（b)に示す例では、少なくとも 1種以上の粒子力も構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも 2種類以上の表示媒体 3 (ここでは粒子群からなる白色表示媒体 3Wと粒子群からなる黒色表示媒体 3Bを示す)を、基板 1に設けた電極 5と基板 2に設けた電極 6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板 2と垂直に移動させ、黒色表示媒体 3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体 3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図 2 (b)に示す例では、基板 2との間に隔壁 4を形成して複数の四角形セルを格子状に設けている。（図の手前にある隔壁は省略している）

[0038] 図 3 (a)、 (b)に示す例では、少なくとも 1種以上の粒子力構成される 1種類の光学的反射率と帯電性とを有する表示媒体 3 (ここでは粒子群からなる白色表示媒体 3 Wを示す)を、基板 1に設けた電極 5と電極 6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板 2と平行に移動させ、白色表示媒体 3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極 6もしくは基板 1を観察者に視認させて電極 6もしくは基板 1の色（白色表示媒体 3Wとは異なる光学的反射率により発現される色）の表示を行っている。なお、図 3 (b)に示す例では、基板 2との間に隔壁 4を形成して複数の四角形セルを格子状に設けている。（図の手前にある隔壁は省略している）

電極は基板の外側に設けても基板内に埋め込むように設けてもよい。

[0039] 以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体 3Wを粉流体からなる白色表示媒体に、粒子群力もなる黒色表示媒体 3Bを粉流体力もなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。 [0040] <主たる発明の説明 >

上述した構成の情報表示用パネルを製造するにあたり、本発明の主たる発明の特徴は、表示媒体をセル内に充填する表示媒体充填工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づ!ヽて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体をセル内に転写して充填する表示媒体転写充填工程と、力も構成されることにある。以下、図面を参照して本発明の主たる発明に係る情報表示用パネルの製造方法をさらに詳しく説明する。

[0041] 図 4は本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。

図 4に示す例では、本発明の製造方法の特徴となる表示媒体充填工程とそれに続くパネル貼り合わせ工程を示している。図 4に示す例において、まず、表示媒体帯電供給装置 11から、帯電した表示媒体 3 (ここでは白色表示媒体)を、表示媒体担持ローラ 12へ供給する (表示媒体帯電担持工程)。

[0042] 次に、静電潜像形成装置 13により感光体ドラム 15の表面に所定パターン (例えば、パネルの基板 1上に隔壁 4により形成されたセル 14のセルパターンに対応するパターン)の静電潜像を形成し、感光体ドラム 15の表面に表示媒体担持ローラ 12で担持された表示媒体 3を表示媒体担持ローラ 12を回転して供給することで、感光体ドラム 15上に静電潜像の所定パターンにそって表示媒体 3を配列載置する (表示媒体配列工程)。

[0043] 感光体ドラム 15の下には、パネル基板 1を搬送する搬送ベルト 16が走っていて、その搬送ベルト 16の感光体ドラム 15と対向する裏側には、感光体ドラム 15上に配列された表示媒体 3を基板 1に転写するための転写装置 17が設けられている。搬送ベルト 16で搬送されるパネル基板 1が感光体ドラム 15と転写装置 17との間を通過する際に、感光体ドラム 15上に配列載置された表示媒体 3が、パネル基板 1上のセル 14内に転写され充填される (表示媒体転写充填工程)。

[0044] 上述した表示媒体充填工程が終了した後、セル 14内に所定の表示媒体 3を充填した基板 1に対して、もう一方の基板 2を貼り合わせることで、情報表示用パネルを得ることができる（パネル貼り合わせ工程)。

[0045] なお、上述した例では、表示媒体担持ローラ 12上および感光体ドラム 15上の表示媒体 3を一層として記載したが、一層である必要はなぐセル 14内に充填する量に応じて二層以上とすることもできる。また、感光体ドラム 15上の静電潜像をセルパターンに対応させる、言い換えると、隔壁 4に対応する部分には静電潜像を与えずに表示媒体 3を設けな、ようにした例を示した力静電潜像のパターンはセルパターンに限定されるものではなぐ表面全体に表示媒体 3を配置するよう静電潜像を与えてもよい。さら〖こ、静電潜像のパターンは、基板上隔壁 4が形成するセル 14の位置に対応して、その開口部よりも狭い領域とすることもできる。

[0046] 図 5は本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図 5に示す例では、図 4に示した表示媒体充填工程を 2つ連続させて、黒色表示媒体 3Bおよび白色表示媒体 3Wをパネル基板間に充填し、その後パネルを貼り合わせる様子を示している。また、図 6は本発明の情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。図 6に示す例では、図 4に示した表示媒体充填工程を 2っ並設させて、黒色表示媒体 3Bおよび白色表示媒体 3Wを 2枚のパネル基板に別々に充填させ、その後パネルを貼り合わせる様子を示している。

[0047] 図 7 (a)、（b)〜図 10 (a)、（b)はそれぞれセル開口部形状とそれに対応する静電潜像パターンの好適例を説明するための図である。いずれも、上述した好適例として説明した、基板上隔壁 4が形成するセル 14の開口部（図 7 (a)、図 8 (a)、図 9 (a)、図 10 (a) )に対応し、セル開口部よりも静電潜像のパターン（図 7 (b)、図 8 (b)、図 9 (b) 、図 10 (b) )を狭くした例を示している。

[0048] <第 1の好適例の説明 >

図 11は本発明の第 1の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法における一例を説明するための図である。図 11に示す例では、第 1の表示媒体充填工程を正帯電の表示媒体を充填する正帯電充填工程とし、第 2の表示媒体充填工程を負帯電の表示媒体を充填する負帯電充填工程としている。そして、表示媒体をセル内に充填する表示媒体充填工程を、正帯電充填工程、除電工程、負帯電充填工程、力ゝら構成している。以下、図 11を参照して各工程を説明する。

[0049] 正帯電充填工程では、まず、帯電装置 31を用いて、感光体などの帯電媒体上ここでは感光体ローラ 32上に、正に帯電した表示媒体 23を担持させる。表示媒体 23を充填しょうとする隔壁 24で形成されたセル 33を有する基板 21に対し、セル 33を設けた側と反対側の裏側に転写装置 34を配置する。転写装置 34により、表示媒体 23とは逆極性ここでは負の電位を与えることができるよう構成する。そして、感光体ローラ 32を回転させ、セル 33上に搬送された正帯電の表示媒体 23を、転写装置 34から与えられる負電位により、セル 33内に導いて充填する。

[0050] 次に、除電工程では、正帯電充填工程終了後、セル 33内に充填された正帯電の表示媒体 23に対し、除電装置 35により除電を行う。この除電工程では、除電により表示媒体 23の正帯電の帯電レベルは低くなるが、正帯電の表示媒体 23として必要な帯電量は残るように、除電のレベルを制御する。

[0051] 次に、負帯電充填工程では、セル 33内に先に充填されている正帯電の表示媒体 2 3に重ねて、負帯電の表示媒体 23を充填する。充填の方法は、上述した正帯電充填工程と実質的に同じである。すなわち、まず、帯電装置 31を用いて、感光体などの帯電媒体上ここでは感光体ローラ 32上に、負に帯電した表示媒体 23を担持させる。表示媒体 23を充填しょうとする隔壁 24で形成されたセル 33を有する基板 21に対し、セル 33を設けた側と反対側の裏側に転写装置 34を配置する。転写装置 34により、表示媒体 23とは逆極性ここでは正の電位を与えることができるよう構成する。そして、感光体ローラ 32を回転させ、セル 33上に搬送された負帯電の表示媒体 23を、転写装置 34から与えられる正電位により、セル 33内に導いて、先に充填されている正帯電の表示媒体 23に重ねて充填する。

[0052] 本発明の第 1の好適例では、従来の粒子を散布する方法に代えて、感光体ローラ 3 2上で表示媒体 23を帯電させておき、表示媒体 23を充填しょうとする基板 21の裏側に表示媒体 23とは逆極性の電位を与えて、セル 33内に帯電した表示媒体 23を導くようにして表示媒体 23を充填する方法により、充填する基板 21と、帯電した表示媒体 23が移動を開始する位置とを近づけることで、隔壁 24上に表示媒体 23が付着する問題を解消するとともに、極性の異なる 2種類の表示媒体 23を充填する場合には、 2種類目の表示媒体 23の充填に先立って、充填済みのセル 33内の表示媒体 23に対して除電装置 35により除電を行うようにした。上記によって、極性の異なる 2種類目の表示媒体 23を充填する際に、基板裏側に先に充填した表示媒体 23とは逆極性の電位を与えて、セル 33内に帯電した表示媒体 23を導くようにしても、先に充填した表示媒体 23がセル 33内から飛び出してしまう問題も解消できた。

[0053] 図 12は本発明の第 1の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法を実施する装置の一例を説明するための図である。図 12に示すように、上述した正帯電充填工程、除電工程、負帯電充填工程を搬送ベルト 41上で行うことができるよう構成した表示媒体充填装置 42を用いて、本発明の情報表示用パネルの製造方法を連続して実施するよう構成することが好まし、。

[0054] <第 2の好適例の説明 >

図 13は本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。図 13に示す例では、表示媒体をセル内に充填する表示媒体充填工程と、表示媒体充填後、表示媒体をセル内に充填した基板を次工程に搬送する充填後パネル搬送工程と、から、本発明の情報表示用パネルの製造方法を構成している。以下、図 13を参照して各工程を説明する。

[0055] 表示媒体充填工程では、まず、帯電装置 61を用いて、感光体などの帯電媒体上ここでは感光体ローラ 62上に、一例として正に帯電した表示媒体 53を担持させる。表示媒体 53を充填しょうとする隔壁 54で形成されたセル 63を有する基板 51に対し、セル 63を設けた側と反対側に転写装置 64を配置する。転写装置 64により、表示媒体 53とは逆極性ここでは負の電位を与えることができるよう構成する。そして、感光体口ーラ 62を回転させ、セル 63上に搬送された正帯電の表示媒体 53を、転写装置 64から与えられる負電位により、セル 63内に導いて充填する。なお、表示媒体 53をセル 6 3内に充填した基板 51は、搬送ベルト 65により搬送されるよう構成して、る。

[0056] 充填後パネル搬送工程では、表示媒体 53をセル 63内に充填した基板 51を、搬送ベルト 65の駆動により次工程に搬送するに際し、基板 51の裏側に、充填した表示媒体 53とは逆極性ここでは負の電位を与えた状態で、表示媒体 53をセル 63内に充填した基板 51を次工程に搬送できるよう構成している。具体的には、図 13に示すように、搬送手段としての搬送ベルト 65の基板 51とは反対側に設けた、負電圧印加装置 6 6を構成する連続する複数の電圧印加ローラ 67から、基板 51に対し所定の負電圧を印加するよう構成している。 [0057] 本発明の第 2の好適例では、従来の粒子を散布する方法に代えて、感光体ローラ 6 2上で表示媒体 53を帯電させておき、表示媒体 53を充填しょうとする基板 51の裏側に表示媒体 53とは逆極性の電位を与えて、セル 63内に帯電した表示媒体 53を導くようにして表示媒体 53を充填する方法により、充填する基板 51と、帯電した表示媒体 53が移動を開始する位置とを近づけることで、隔壁 54上に表示媒体 53が付着する問題を解消し、表示媒体 53をセル 63内に充填するようにした。また、表示媒体 53 が充填されたパネル基板 51を移動する際にも、パネル基板 51の裏側に、充填した表示媒体 53の有する帯電性とは逆極性の電位を与え続けるようにした。上記によつて、表示媒体 53が充填されたパネル基板 51を移動する際、表示媒体 53は基板裏側から働く吸引力によってセル内に固定されるので、振動や風等の外力を受けてもセル 63内力飛び出すことがない。

[0058] 図 14は本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図 14に示す例では、表示媒体 53の極性が負の場合を示しており、そのため、転写装置 64からは正の電位を与えるよう構成し、連続する複数の電圧印加ローラ 67から構成される正電圧印加装置 68を用いている。図 14に示す例でも、正と負とが反対になるだけで、図 13に示す例と同様の作用、効果を得ることができる。

[0059] 図 15は本発明の第 2の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。図 15に示す例では、図 13に示す例における連続する複数の電圧印加ローラ 67から構成される負電圧印加装置 66の代わりに、負電圧印加ベルト 69から構成される負電圧印加装置 66を用いている。図 15に示す例でも、図 13に示す例と同様の作用、効果を得ることができる。

[0060] <第 3の好適例の説明 >

上述した構成の情報表示用パネルを製造するにあたり、本発明の第 3の好適例の特徴は、一方の極性に帯電した表示媒体を、隔壁上にマスクを載せるとともに基板の裏側から表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程と、基板の裏側に、充填した表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えた状態で、マスクを隔壁から取外すマスク取外し工程と、を備えることにある。以下、図面を参照して本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法をさらに詳しく説明する。

[0061] 図 16は本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。図 16に示す例では、まず、表示媒体 73を充填しょうとする基板 71 (または 72)の上に、セル形状に合わせた開口を有するマスク 91をセル 83を形成する隔壁 74上に載せる。以下、表示媒体充填工程、マスク取外し工程、パネル組立工程を行う。

[0062] 表示媒体充填工程では、まず、帯電装置 81を用いて、感光体などの帯電媒体上ここでは感光体ローラ 82上に、一例として正に帯電した表示媒体 73を担持させる。表示媒体 73を充填しょうとするマスク 91を載せた隔壁 74で形成されたセル 83を有する基板 71 (または 72)に対し、セル 83を設けた側と反対側に転写装置 84を配置する。転写装置 84により、表示媒体 73とは逆極性ここでは負の電位を与えることができるよう構成する。そして、感光体ローラ 82を回転させ、セル 83上に搬送された正帯電の表示媒体 73を、転写装置 84から与えられる負電位により、マスク 91を介してセル 83 内に導いて充填する。なお、表示媒体 73をセル 83内に充填した基板 71は、搬送べルト 85により搬送されるよう構成している。

[0063] マスク取外し工程では、表示媒体 73をセル 83内に充填した基板 71を、搬送ベルト 85の駆動により次工程に搬送するに際し、基板 71の裏側に、充填した表示媒体 73 とは逆極性ここでは負の電位を与えた状態で、マスク 91を隔壁 74から取り外す。具体的には、図 16に示すように、搬送ベルト 85の基板 71 (または 72)とは反対側に設けた、ここでは負電位を印加するための吸引用電位印加装置 86を構成する連続する複数の電圧印加ベルト 87から、基板 71に対し所定の負電位を印加するよう構成している。

[0064] パネル組立工程では、上述したマスク取外し工程が終了した後、セル 83内に所定の表示媒体 73を充填した基板 71 (または 72)に対して、もう一方の基板 72 (または 7 1)を貼り合わせることで、情報表示用パネルを得ている。

[0065] 図 17は本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図 17に示す例において、図 16に示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。図 17に示す例では、マスク取外し工程において、吸引用電位印加装置 86を連続する複数の電位印加ローラ 88から構成している。その他の構成は図 12と同じである。

[0066] 図 18は本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例の構成を示す図である。図 18に示す例において、図 16に示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。図 18に示す例では、表示媒体充填ェ程において、帯電した表示媒体 73を表示媒体帯電供給装置 89を用いて散布することで、セル 83内に表示媒体 73を供給している。その他の構成は図 16と同じである。

[0067] なお、上述した例では、表示媒体として正に帯電した表示媒体 73を用いて説明したが、負に帯電した表示媒体 73を用いても、本発明の情報表示用パネルの製造方法を用いることができる。

[0068] 上述した本発明の第 3の好適例に係る情報表示用パネルの製造方法では、表示媒体充填工程において、感光体ローラ 82と転写装置 84とを用いてセル 83内に表示媒体 73を充填するか、あるいは、表示媒体帯電供給装置 89を用いてセル 83内に表示媒体 73を充填する場合に、マスク 91を用いることで、隔壁 74上に残る表示媒体 7 3をなくすことができ、表示媒体 73をセル 83内に好適に充填することができる。また、マスク取外し工程において、吸引用電位印加装置 86を用いることで、充填された表示媒体 73とは逆極性の電位を基板裏側から働カゝせ続けているので、セル 83内に充填された表示媒体 73が取り外すマスク 91とともに持っていかれることがなく一定量の表示媒体 73をセル 83内に充填することができる。

[0069] <第 4の好適例の説明 >

図 19は本発明の第 4の好適例の第 1実施例に係る情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。図 19に示す例では、まず、表示媒体 103を充填しょうとする基板 101 (または 102)の上に形成した例えば ITO電極 121 (図 2 (a)、 (b )及び図 3 (a)、 (b)における電極 5または 6に対応する）に補助リード 122を設けて、補助リード 122に交流電圧印加装置 123から交流電圧を印加する。この状態で、以下に説明する表示媒体充填工程を行う。

[0070] 表示媒体充填工程では、まず、帯電装置 111を用いて、感光体などの帯電媒体上ここでは感光体ローラ 112上に、一例として正に帯電した表示媒体 103を担持させる。表示媒体 103を充填しょうとする隔壁 104で形成されたセル 113を有する基板 101 (または 102)に対し、セル 113を設けた側と反対側に転写装置 114を配置する。転写装置 114により、表示媒体 103とは逆極性ここでは負の電位を与えることができるよう構成する。そして、感光体ローラ 112を回転させ、セル 113上に搬送された正帯電の表示媒体 103を、転写装置 114から与えられる負電位により、マスク 121を介してセル 113内に導いて充填する。なお、表示媒体 103をセル 113内に充填した基板 101は、搬送ベルト 115により搬送されるよう構成して、る。

[0071] 図 20は本発明の第 4の好適例の第 1実施例に係る情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図 20に示す例において、図 19に示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。図 20に示す例では、負に帯電した表示媒体 103を充填する例を示しており、転写装置 114からは正の電位を与えている。この場合でも、 ITO電極 121に交流電圧印加装置 123から交流電圧を印加することで、本発明を達成することができる。

[0072] 上述した本発明の第 4の好適例の第 1実施例に係る情報表示用パネルの製造方法によれば、基板裏側の逆極性の電位付与手段である転写装置 114とセル 113内の帯電した表示媒体 103との間に存在する ITO電極 121に交流電圧を印加することで、感光体ローラ 112上に配置された帯電した表示媒体 103が基板側に移動しやすくなり、表示媒体 103を精度よくセル 113内に充填することができる。基板上に電極等の導電性材料があっても移動することになることについて、その理由はまだ明確ではないが、電子写真現像で見られるトナー粒子 (帯電粒子）のジヤンビング現象と同様のメカニズムが働ヽて、ると考えられる。

[0073] 図 21及び図 22はそれぞれ本発明の第 4の好適例の第 2実施例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。図 21は図 19に示した正帯電の表示媒体 103を充填する例を示し、図 22は図 20に示した負帯電の表示媒体 103を充填する例を示している。図 21及び図 22に示す第 4の好適例の第 2実施例では、 ITO電極 121に電位印加装置 124から印加する電位を VIとし、基板 101 (または 102)の裏側に付与する電位を V2とした時の、 VIと V2との関係を I VI Iく I V2 Iとなるよう制御している。

[0074] 上述した本発明の第 4の好適例の第 2実施例に係る情報表示用パネルの製造方法によれば、 ITO電極 121に交流電圧印加装置 123から交流電圧を印加することで、および、 ITO電極 121に電位印加装置 124から印加する電位を VIとし、基板 101 ( または 102)の裏側に付与する電位を V2とした時の、 VIと V2との関係を I VI Iく

I V2 Iとなるよう制御することで、感光体ローラ 112上に配置された表示媒体 103が基板側により移動しやすくなり、表示媒体 103をより精度よくセル 113内に充填することがでさる。

[0075] 図 23及び図 24はそれぞれ本発明の第 4の好適例の第 2実施例に係る情報表示用パネルの製造方法のさらに他の例を説明するための図である。図 23は図 21に示した正帯電の表示媒体 103を充填する例を示し、図 24は図 22に示した負帯電の表示媒体 103を充填する例を示している。図 23に示す例において図 21に示す例と異なる点は、転写装置 114として転写ローラ 116を使用した点であり、また、図 24に示す例において図 22に示す例と異なる点は、転写装置 114として転写ベルト 117を使用した点である。 V、ずれの場合も本発明の情報表示用パネルの製造方法を好適に実施することができる。

[0076] 以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する

[0077] 基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側力表示媒体の色が確認できる透明な基板 2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板 1は透明でも不透明でもカゝまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、 2〜5000 m力 S好ましく、さらに 5〜2000 m力 S好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちに《なり、 5000 /z mより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。

[0078] 情報表示用パネルに電極を設ける場合の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫 (ITO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物 (ΑΤΟ)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリア-リン、ポリピロール、ポリチォフェンなどの導電性高分子類が例示され適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、 CVD (化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側であり透明である必要のある表示面側基板 2に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板 1に設ける電極は透明である必要はな、。 V、ずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良ぐ 3〜： L000nm、好ましくは 5〜400nm力 S 好適である。背面側基板 1に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。

[0079] 基板に設ける隔壁の高さや幅は表示に力かわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は 2〜： L00 m、好ましくは 3〜50 /ζ πι に、隔壁の高さは 10〜500 μ m、好ましくは 10〜200 μ mに調整される。表示側基板と背面側基板とを重ね合わせて得られる情報表示用パネルにおけるセル形状は隔壁形状によって図 25に例示するような様々な形状のものが用いられる。表示面側力見える隔壁断面部分に相当する部分（隔壁の幅によって形成されるセルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良ぐ表示状態の鮮明さが増す。

第 4の好適例における表示媒体充填工程で用いるマスクについて、その開口形状は基板上に形成されたセル形状に合わせるとともに、開口部の大きさはセルよりもやや小さめが好ましい。開口部の大きさがセルよりも大きいと、マスクを隔壁に載せたときに露出した隔壁上に表示媒体が付着する不具合があるためである。マスク形状を例示すると図 26のようなものがある。

[0080] 次に、本発明の情報表示用パネルで表示媒体として例えば用いる粉流体につ!、て説明する。なお、本発明の情報表示用パネルで用いる粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体 (登録商標）：登録番号 4636931」の権利を得てヽる。 [0081] 本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性 (光学的性質)を有するものである（平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている（丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じぐ流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされて、る（平凡社：大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。

[0082] すなわち、本発明における粉流体は、液晶（液体と固体の中間相）の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難ぐ高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。

[0083] 本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、粉体の流動性を示す指数である安息角を形成しないほど流動性に富んだ状態を示すものであり、低電圧の印加等で形成される電界でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態を容易に作り出せる表示媒体として用いられる。

[0084] 次に、本発明の情報表示用パネルにお!、て表示媒体を構成する表示媒体用粒子

(以下、粒子ともいう）について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、榭脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。

[0085] 榭脂の例としては、ウレタン榭脂、ウレァ榭脂、アクリル榭脂、ポリエステル榭脂、ァクリルウレタン榭脂、アクリルウレタンシリコーン榭脂、アクリルウレタンフッ素榭脂、ァクリルフッ素榭脂、シリコーン榭脂、アクリルシリコーン榭脂、エポキシ榭脂、ポリスチレン榭脂、スチレンアクリル榭脂、ポリオレフイン榭脂、プチラール榭脂、塩化ビニリデン榭脂、メラミン榭脂、フエノール榭脂、フッ素榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリスルフォン榭脂、ポリエーテル榭脂、ポリアミド榭脂等が挙げられ、 2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン榭脂、アクリルシリコーン榭脂、アクリルフッ素榭脂、アクリルウレタンシリコーン榭脂、アクリルウレタンフッ素榭脂、フッ素榭脂、シリコーン榭脂が好適である。

[0086] 荷電制御剤としては、特に制限はな、が、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属ァゾ染料、含金属 (金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、 4級アンモ-ゥム塩系化合物、力リックスアレンィ匕合物、含ホウ素化合物（ベンジル酸ホウ素錯体）、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグ口シン染料、トリフエ-ルメタン系化合物、 4級アンモ-ゥム塩系化合物、ポリアミン榭脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ榭脂等も荷電制御剤として用いることもできる。

[0087] 着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。 [0088] 黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸ィ匕マンガン、ァ-リンブラック、活性炭等がある。

青色着色剤としては、 C. I.ビグメントブルー 15 : 3、 C. I.ビグメントブルー 15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシア-ンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルー BC等がある。

赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド 4R、リノールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッド D、ブリリアントカーミン 6B、ェォシンレーキ、ローダミンレーキ B、ァリザリンレーキ、ブリリアントカーミン 3B、 C. I.ビグメントレッド 2等がある。

[0089] 黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイェロー、黄色酸化鉄、ミネラルファ一ストイェロー、ニッケノレチタンイェロー、ネーブノレイエロー、ナフトーノレイェロー S、ノヽンザイェロー G、ハンザイェロー 10G、ベンジジンイェロー G、ベンジジンイェロー GR、キノリンイェローレーキ、パーマネントイェロー NCG、タートラジンレーキ、 C. I. ビグメントイエロー 12等がある。

緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸ィ匕クロム、ビグメントグリーン B、 C. I.ピグメントグリーン 7、マラカイトグリーンレーキ、フアイナノレイェローグリーン G等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ GTR、ピラゾロン才レンジ、ノノレカン才レンジ、インダンスレンブリリアント才レンジ RK：、ベンジジン才レンジ G、インダンスレンブリリアント才レンジ GK、 C. I.ピグメント才レンジ 3 1等がある。

紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレット B、メチルバイオレットレーキ等がある。

白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫ィ匕亜鉛等がある。

[0090] 体質顔料としては、ノライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグ口シン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイェロー、ウノレトラマリンブルー等がある。 [0091] 無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケィ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムィエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイェロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフエライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラック力白色顔料として酸化チタンが好ましい。

上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。

[0092] また、本発明の粒子は平均粒子径 d(0.5)力 0. 1〜20 μ mの範囲であり、均一で揃って、ることが好ま、。平均粒子径 d(0.5)がこの範囲より大き、と表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。

[0093] 更に本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布 Spanを 5未満、好ましくは 3未満とする。

Span= (d(0.9)-d(0.1)) /d(0.5)

(但し、 d(0.5)は粒子の 50%がこれより大きぐ 50%がこれより小さいという粒子径を mで表した数値、 d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が 10%である粒子径を/ z mで表した数値、 d(0.9)はこれ以下の粒子が 90%である粒子径を/ z mで表した数値である。 ) Spanを 5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、表示媒体としての均一な移動が可能となる。

[0094] さらにまた、各表示媒体用粒子粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子の d(0.5)に対する最小径を有する粒子の d(0.5)の比を 50以下、好ましくは 10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布 Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互、の粒子サイズが近く、互、の粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。

[0095] なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折 Z散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折 z散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径ぉよび粒子径分布が測定できる。

ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、 Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト (Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト）にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。

[0096] 表示媒体用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体用粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となって、ると、うことが分かった。

[0097] 本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示媒体用粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体用粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。

[0098] 更に、本発明で製造した情報表示用パネルを表示媒体を気中空間で駆動する乾式の情報表示用パネルとして用いる場合には、表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、 25°Cにおける相対湿度を 60%RH以下、好ましくは 50%RH以下とすることが重要である。

この空隙部分とは、図 l (a)、（b)〜図 3 (a)、（b)において、対向する基板 1、基板 2 に挟まれる部分から、電極 5、 6 (電極を基板内側に設けた場合)、表示媒体 3 (粒子群あるいは粉流体)の占有部分、隔壁 4の占有部分 (隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除、た、 V、わゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。

空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥へリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外力の湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。

[0099] 本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500 111、好ましくは 10 〜200 μ mに調整される。

乾式の情報表示用パネルとする場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は 5〜70%が好ましぐさらに好ましくは 5〜60%である。 70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、 5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。

実施例

[0100] 以下、本発明の実施例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。なお、実施例および比較例の情報表示用パネルは、下記の方法にて作製したものを、下記の基準に従い、評価した。

[0101] 「表示媒体の準備」

実施例、比較例では表示媒体として、帯電特性の異なる白黒 2色の表示媒体 (粒子群 A、粒子群 B)を用いた。

粒子群 Aは、アクリルウレタン榭脂 EAU53B (亜細亜工業 (株)製) /IPDI系架橋剤エタセルハードナー HX (亜細亜工業 (株)製）にカーボンブラック（MA100三菱ィ匕学 (株)） 4重量部、荷電制御剤ボントロン E89 (オリエント化学 (株)製） 2重量部を添カロし、混練り後、ジェットミルにて粉砕し、さらにハイブリダィザー装置 (奈良機械製作所 (株)製)を用いて機械的衝撃力を加えて略球状として力ゝら分級して作製した。作製された粒子群 Aは、平均粒子径が 9. ： m、略球状で負帯電性の黒色粒子群であつた。

粒子群 Bは、ターシャリーブチルメタクリレートモノマー 80重量部とメタクリル酸 2— ( ジェチルァミノ）ェチルモノマー 20重量部に 0. 5重量部の AIBN (ァゾビスイソブチロ二トリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン 20重量部を分散させて得られた液を、 10倍量の 0. 5%界面活性剤（ラウリル硫酸ナトリウム）水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本-ユーマチック工業）を用いて作製した。作製された粒子群 Bは、平均粒子径が 8. 5 mで正帯電性の球状白色粒子であり、これを粒子群 Bとした。

[0102] 「パネル基板の作製」

ITO電極付きガラス製透明基板 (7cm X 7cm口）を準備し、一方の基板上に高さ 5

O /z mのリブを作り、四角形、格子状配置の隔壁を形成した。

隔壁の形成は次のように行った。感光性フィルムである-チゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジスト NIT250を ITO付ガラス上にラミネートし、露光、現像により、所望とするライン 30 μ m、スペース 320 μ m、ピッチ 350 μ mの隔壁を形成した。もう一方の基板には、 ITO電極付きガラス製透明基板 (7cm X 7cm口）を準備した。

[0103] (主たる発明の実施例）

<実施例 1 >

光学的反射率と帯電特性の異なる 2種類の粒子群 (粒子群 A、粒子群 B)を図 5に示した表示媒体充填工程によって、隔壁が形成された一方の基板のセル内に連続して充填した。粒子群 Aと粒子群 Bの充填配置量は同体積量ずっとし、 2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する双方の粒子群が合わさった体積占有率が 25vol %となるように調整した。次に、粒子群がセル内に充填配置された基板にもう一方の基板を互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして表示媒体 (粒子群 Aおよび粒子群 B)を封入し、情報表示用パネルを作製した。

[0104] <実施例 2>

光学的反射率と帯電特性の異なる 2種類の粒子群 (粒子群 A、粒子群 B)を図 6に示した表示媒体充填工程によって、隔壁が形成された基板のセル内と、隔壁が形成されていないもう一方の基板のセル内と、に別々に充填した。粒子群 Aと粒子群 Bの充填配置量は同体積量ずっとし、 2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する双方の粒子群が合わさった体積占有率が 25vol%となるように調整した。次に、粒子群がセル内に充填配置された 2枚の基板を互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして表示媒体 (粒子群 Aおよび粒子群 B)を封入し、情報表示用パネルを作製した。 [0105] <比較例 1 >

粉体帯電散布装置を用いて、隔壁が形成された基板上に直接粒子群 A、粒子群 B の順番で所定量の表示媒体 (粒子群 Aおよび粒子群 B)を基板のセル内に散布して充填した以外は、実施例 1と同様にして情報表示用パネルを作製した。すなわち、本発明の表示媒体充填工程は用いずに表示媒体の充填を行って情報表示用パネルを作製した。

[0106] 上述した実施例 1、 2および比較例 1につ、て、表示媒体充填後の状況と基板を重ね合わせたパネルの状況とを調べた。結果を以下の表 1に示す。

[0107] [表 1]

[0108] 表 1の結果から以下のことがわかる。表示媒体を、本発明の表示媒体帯電担持ェ程と、表示媒体配列工程と、表示媒体転写充填工程とで構成される表示媒体充填ェ程に従って充填して作製した情報表示用パネルを用いた実施例 1、 2の情報表示用パネルでは、表示媒体充填時に隔壁上に表示媒体が載ることがなぐそのまま基板を重ね合わせてパネルとしても全く問題がない状況であった。一方、表示媒体を、本発明の充填工程を用いない粉体帯電散布装置を用いて充填した比較例 1では、表示媒体充填時に隔壁上に表示媒体が載ってしまい、そのまま基板を重ね合わせてパネルとするには問題がある状況であった。

[0109] (第 1の好適例に係る実施例）

<実施例 11 >

帯電特性の異なる白黒 2種類の表示媒体 (粒子群 Aと粒子群 B)を図 11に示した表示媒体充填工程にしたがって、隔壁が形成された一方の基板のセル内に連続して充填した。まず、黒色表示媒体 (黒色粒子群)を充填し、空気イオン式のイオン発生器（ (株)キーエンス製 SJ— F010)で除電後、白色表示媒体（白色粒子群)を重ねて充填した。充填工程終了後の状態を観察評価した結果を、以下の表 2に示す。

[0110] く実施例 12 >

帯電特性の異なる白黒 2種類の表示媒体 (粒子群 Aと粒子群 B)を充填する順序を逆にした以外は実施例 11と同様にして、表示媒体の充填を行った。充填工程終了後の状態を観察評価した結果を、以下の表 2に示す。

[0111] く実施例 13 >

除電工程に、コロナ放電式のイオン発生器 ( (株)キーエンス製 SJ— R036)を用いた以外は実施例 11と同様にして、表示媒体の充填を行った。充填工程終了後の状態を観察評価した結果を、以下の表 2に示す。

[0112] <比較例 11 >

除電工程を設けな力つた以外は実施例 11と同様にして、表示媒体の充填を行った。充填工程終了後の状態を観察評価した結果を、以下の表 2に示す。

[0113] [表 2]

[0114] 表 2の結果から、本発明の実施例 11〜13では所定量の表示媒体充填が行えたのに対し、比較例 11では第 2の表示媒体 (ここでは白色表示媒体)の充填時に第 1の表示媒体 (ここでは黒色表示媒体)が飛び出して所定量の表示媒体の充填が行えな力たことがわ力る。

[0115] (第 2の好適例に係る実施例） <実施例 21 >

帯電特性の異なる白黒 2種類の表示媒体 (粒子群 Aと粒子群 B)を図 13に示した表示媒体充填工程および図 14に示した表示媒体充填工程にそれぞれしたがって、隔壁が形成された一方の基板のセル内および隔壁が形成されてヽなヽもう一方の基板上にそれぞれ充填 (配置)した後、黒色表示媒体 (黒色粒子群)を充填した基板に白色表示媒体（白色粒子群)を充填した基板を重ね合わせて情報表示用パネルとした。 2枚のパネル用基板について充填工程を終了し、基板重ね合わせ工程まで搬送された後の状態を観察評価した結果を、以下の表 3に示す。

[0116] く実施例 22 >

帯電特性の異なる白黒 2種類の表示媒体 (粒子群 Aと粒子群 B)を図 15に示した表示媒体充填工程 (表示媒体の帯電極性に対応してそれぞれ準備した二つの工程）にしたがって、隔壁が形成された一方の基板のセル内および隔壁が形成されて、な V、もう一方の基板上にそれぞれ充填 (配置)した後、黒色表示媒体 (黒色粒子群)を充填した基板に白色表示媒体（白色粒子群)を充填した基板を重ね合わせて情報表示用パネルとした。 2枚のパネル用基板について充填工程を終了し、基板重ね合わせ工程まで搬送された後の状態を観察評価した結果を、以下の表 3に示す。

[0117] <比較例 21 >

充填後パネル搬送工程におヽて、配置した連続する複数のローラに電圧を付与しない状態でパネル基板搬送を行った以外は実施例 21と同様にして、パネル基板搬送工程までを行!ヽ、基板重ね合わせ工程まで搬送された後の状態を観察評価した結果を、以下の表 3に示す。

[0118] [表 3] 実施例 2 1 実施例 2 2 比較例 2 1 パネル基板搬送工程ありありなし

での電圧印加連続した複数の電圧電圧印加ベルト

印加ローラ

パネル基板搬送工程隔壁上に表示媒体付隔壁上に表示媒体付隔壁 hに表示媒体付終了後、基板重ね合わ着がなく、充填した表着がなく、充填した表着があり、充填した表せ前のパネル基板の示媒体の飛散ロスも示媒体の飛散ロスも示媒体の飛散ロスも状況な力つた。なかった。めった。 [0119] 表 3の結果から以下のことがわ力つた。実施例 21、実施例 22では、表示媒体充填後、基板重ね合わせまでのパネル基板搬送工程で、パネル基板の裏側から、充填した表示媒体の有する帯電極性とは逆極性の電圧印加を行ったので、搬送中に基板のセル内から充填した表示媒体が飛び出すことがなぐ隔壁上にも付着することがなぐそのままパネル基板の重ね合わせが行えた。一方、比較例 21では、表示媒体充填後、基板重ね合わせまでのパネル基板搬送工程で、パネル基板の裏側から、充填した表示媒体の有する帯電極性とは逆極性の電圧印加を行わな力つたので、搬送中に基板のセル内から充填した表示媒体が飛び出し、充填した表示媒体量にロスがあり、隔壁上にも表示媒体の付着があつたので、そのままパネル基板の重ね合わせを行うことができな力つた。

[0120] (第 3の好適例に係る実施例）

第 3の好適例では、上述した粒子群 Bからなる白色表示媒体を使用し、その帯電量は + 10 C/g (正帯電)であった。また、パネル基板の作製にあたり、四角形、格子状配置の隔壁の他に、六角形、ハニカム状配置の隔壁も形成した。

[0121] <実施例 31 >

四角形、格子状配置の隔壁が形成された基板に、隔壁形状に対応する形状のマスク（セル開口よりもやや小さな開口のマスク）を載せて、図 16に示した表示媒体充填工程に従って準備した白色表示媒体をセルに充填した。充填配置量は 2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する体積占有率が 25vol%となるように調製した。次に、図 16に示したマスク取外し工程に従って、基板裏側に配置された吸引電位印加装置に電位を印加した状態で、表示媒体が載ったマスクを基板から取り外して表示媒体の充填を終了した。

[0122] <実施例 32 >

六角形、ハニカム状配置の隔壁が形成された基板に、隔壁形状に対応する形状のマスク（セル開口よりもやや小さな開口のマスク）を載せて、図 16に示した表示媒体充填工程に従って準備した白色表示媒体をセルに充填した。充填配置量は 2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する体積占有率が 25vol%となるように調製し次に、図 16に示したマスク取外し工程に従って、基板裏側に配置された吸引電位印加装置に電位を印加した状態で、表示媒体が載ったマスクを基板から取り外して表示媒体の充填を終了した。

[0123] <比較例 31 >

四角形、格子状配置の隔壁が形成された基板に、隔壁形状に対応する形状のマスク（セル開口よりもやや小さな開口のマスク）を載せて、図 16に示した表示媒体充填工程に従って準備した白色表示媒体をセルに充填した。充填配置量は 2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する体積占有率が 25vol%となるように調製した。次に、図 16に示したマスク取外し工程で、基板裏側に配置された吸引電位印加装置に電位を印カロさせな、状態で (すなわち、本発明のマスク取外し工程を用いな!/ヽで）、表示媒体が載ったマスクを基板から取り外して表示媒体の充填を終了した。

[0124] <比較例 32 >

六角形、ハニカム状配置の隔壁が形成された基板に、隔壁形状に対応する形状のマスク（セル開口よりもやや小さな開口のマスク）を載せて、図 16に示した表示媒体充填工程に従って準備した白色表示媒体をセルに充填した。充填配置量は 2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する体積占有率が 25vol%となるように調製した。

次に、図 16に示したマスク取外し工程で、基板裏側に配置された吸引電位印加装置に電位を印カロさせな、状態で (すなわち、本発明のマスク取外し工程を用いな!/ヽで）、表示媒体が載ったマスクを基板から取り外して表示媒体の充填を終了した。

[0125] 以上の結果を表 4に示す。

[0126] [表 4] 実施例 3 1 実施例 3 2 比較例 3 1 比較例 3 2 吸引用電位印加ありりなしなし装置による印加

の有無

マスク形状四角形六角形四角形六角形マスク取外し時充填した表示媒充填した表示媒充填した表示媒充填した表示媒の観察結果体がマスクに持体がマスクに持体がマスクに持体がマスクに持つていかれるこつていかれるこつて行かれたり、つて行かれたり、とがなかつた。とがなかつた。隔壁上に付着し隔壁上に付着したりすることがたりすることがめつた。めった。

[0127] 表 4の結果から、表示媒体充填後のマスク取外し工程において、基板の裏側に配置した吸引用電位印加装置を印加状態にしてマスクを取り外した実施例 31、実施例 32では、充填した表示媒体がマスクに持っていかれることがなく所定量の表示媒体充填が行えるが、表示媒体充填後のマスク取外し工程において、基板の裏側に配置した吸弓 I用電位印加装置を印加状態にしなヽでマスクを取り外した比較例 31、比較例 32では、充填した表示媒体がマスクに持っていかれたり、マスクに持って行かれた表示媒体が隔壁上に付着したりして所定量の表示媒体充填が行えないことが分かつた。

[0128] (第 4の好適例に係る実施例）

第 4の好適例では、上述したパネル基板の作製において、 ITO電極にはリードを設け外部電源カゝら基板上の ITO電極すべてに同電位を付与できるようにした。

[0129] <実施例 41 >

色と帯電特性の異なる 2種類の表示媒体 (粒子群 Aと粒子群 B)を図 19、図 20に示した表示媒体充填工程を連続して行うことによって、 100Vの交流電圧を ITO電極に印加しながら隔壁が形成された一方の基板のセル内に連続して充填した。

[0130] <実施例 42 >

色と帯電特性の異なる 2種類の表示媒体 (粒子群 Aと粒子群 B)を図 21、図 22に示した表示媒体充填工程を連続して用い、隔壁が形成された一方の基板のセル内に充填 (配置)した。図 21に示した工程では、 Vl =— 150V、 V2=— 200Vとし、図 22 に示した工程では、 V1 = + 150V、 V2= + 200Vとした。

[0131] <比較例 41 > 交流電圧を印加しな力つた以外は、実施例 41と同様にして表示媒体の充填を行つた。すなわち、本発明の表示媒体充填工程は用いずに表示媒体の充填を行った。

[0132] <比較例 42 >

色と帯電特性の異なる 2種類の表示媒体 (粒子群 Aと粒子群 B)を図 21、図 22に示した表示媒体充填工程を連続して用い、隔壁が形成された一方の基板のセル内に充填 (配置)した。図 21に示した工程では、 Vl =— 200V、 V2=— 150Vとし、図 22 に示した工程では、 V1 = + 200V、 V2= + 150Vとした。

[0133] 以上の基板内セルへの表示媒体充填工程で表示媒体充填を行った後の状態を観察評価した結果を表 5に示す。

[0134] [表 5]

[0135] 表 5の結果から、実施例 41、実施例 42では、 ITO電極に交流電圧の印加、もしくは、 ITO電極に印加する電位 VIと基板裏側に印加する電位 V2との関係を I VI Iく I V2 Iとなるようにしたので、感光体ローラ上に配置した表示媒体が飛翔して基板上セル内に精度よく充填できる力比較例 11、比較例 12では、 ITO電極に交流電圧の印加をしな力つた、もしくは、 ITO電極に印加する電位 VIと基板裏側に印加する電位 V2との関係を I VI Iく I V2 Iとなるようにしな力つたので、感光体ローラ上に配置した表示媒体が飛翔せず、基板上セル内に表示媒体を充填することができな力つたことが分かる。

産業上の利用可能性

[0136] 本発明の製造方法で製造される情報表示用パネルは、ノートパソコン、 PDA,携帯電話、ハンディターミナル等のモパイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、 ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子 P OP(Point Of Presence, Point Of Purchase advertising),電子棚札、電子値札、電子楽譜、 RF— ID機器の表示部などに好適に用、られる。

Claims

請求の範囲

[1] 少なくとも一方が透明な対向する 2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも 1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも 1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体をセル内に充填する表示媒体充填工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づ!ヽて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体をセル内に転写して充填する表示媒体転写充填工程と、から構成されることを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。

[2] 前記表示媒体配列工程における静電潜像に基づくパターンが、基板上隔壁が形成するセル開口部に対応し、セル開口部よりも狭い領域となることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[3] 前記表示媒体帯電担持工程を、表示媒体帯電供給装置から帯電した表示媒体を表示媒体担持ローラへ供給することで実施することを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[4] 前記表示媒体配列工程を、静電潜像形成装置により感光体ドラム表面に所定バターンの静電潜像を形成し、感光体ドラム上に静電潜像に基づ、て表示媒体を配列することで実施することを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[5] 前記表示媒体転写充填工程を、配列させた表示媒体と転写装置との間にセルを有する基板を通過させ、セル内に表示媒体を転写して充填することで実施することを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[6] 前記表示媒体充填工程が、充填する表示媒体の種類の数だけ連続して設けられて、ることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[7] 前記表示媒体充填工程が、それぞれ 2枚の基板に対して、充填する表示媒体の種類の数だけ設けられ、表示媒体充填工程が並設されて！/ヽることを特徴とする請求項 1 に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[8] 前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側力表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する第 1の表示媒体充填工程と、セル内に充填した表示媒体に対し除電を行う除電工程と、一方の極性に帯電した表示媒体を充填したセル上に、他方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側から表示媒体とは逆極性である一方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する第 2の表示媒体充填工程と、から構成されることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[9] 前記帯電極性の異なる 2種類の表示媒体が異なる色を有することを特徴とする請求項 8に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[10] 前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側力表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程と、基板の裏側に、充填した表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えた状態で、表示媒体をセル内に充填した基板を次工程に搬送する充填後パネル搬送工程と、を備えることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[11] 前記充填後パネル搬送工程を、表示媒体を充填した基板を搬送手段で搬送し、搬送中、搬送手段の基板とは反対側に設けた電圧印加補助手段から所定の電圧を印加することで行うことを特徴とする請求項 10に記載の情報表示用パネルの製造方法

[12] 前記電圧印加補助手段が、連続する複数の電圧印加ローラであることを特徴とする請求項 11に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[13] 前記電圧印加補助手段が、電圧印加ベルトであることを特徴とする請求項 11に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[14] 前記表示媒体転写充填工程が、一方の極性に帯電した表示媒体を、隔壁上にマスクを載せるとともに基板の裏側から表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えて、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程と、基板の裏側に、充填した表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えた状態で、マスクを隔壁から取外すマスク取外し工程と、を備えることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[15] 前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側から表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えるとともに、基板上に設けた電極に交流電圧を印加して、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程を備えることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。

[16] 前記表示媒体転写充填工程が、基板のセル上に一方の極性に帯電した表示媒体を配置し、基板の裏側から表示媒体とは逆極性である他方の極性の電位を与えるとともに、基板上に設けた電極に電位 VIを印加し、基板の裏側に電位 V2を印加し、両電位の関係を、 I VI I < I V2 Iとして、セル内に表示媒体を充填する表示媒体充填工程を備えることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法

[17] 前記表示媒体が粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項 1に記載の情報表示用パネルの製造方法。