JP2008122461A - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の量の表示媒体を各セルに配置できる情報表示用パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板上に充填する表示媒体充填工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体を基板上に転写して充填する表示媒体転写配置工程と、から構成され、表示媒体転写配置工程を、感光体ドラムが基板上の基板ギャップ確保用隔壁またはセルを形成する隔壁と接触し、感光体ドラムあるいは基板のいずれか一方が駆動し、他方が従動することによって、表示媒体を基板上の隔壁で形成されるセル内に充填配置する構成にする。
【選択図】図7
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板上に充填する表示媒体充填工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体を基板上に転写して充填する表示媒体転写配置工程と、から構成され、表示媒体転写配置工程を、感光体ドラムが基板上の基板ギャップ確保用隔壁またはセルを形成する隔壁と接触し、感光体ドラムあるいは基板のいずれか一方が駆動し、他方が従動することによって、表示媒体を基板上の隔壁で形成されるセル内に充填配置する構成にする。
【選択図】図7
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の空間に、少なくとも1種類以上の粒子からなり、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を少なくとも1種類以上封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法に関するものである。
従来、液晶表示装置(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に最近では、分散粒子と溶液から成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、情報表示の繰り返し書き換えの安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、表示安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている(例えば特許文献1)。
国際公開第2003/050606号パンフレット
趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"論文集、p.249-252
上述した情報表示用パネルの製造方法として、表示媒体を基板上に設けられたセル内に配置する表示媒体配置工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体をセル内に転写して配置する表示媒体転写配置工程と、から構成されるものが考えられる。この製造方法では、表示媒体転写配置工程において、感光体ドラムと基板とは接触することなく、その両方を同期させて動かすことによって、表示媒体を基板に配置する。しかし、この製造方法の問題点として、感光体ドラムと基板との両方を同期して動かす際に、感光体ドラムの回転と、基板を搬送するステージ動作の微妙な差のため、転写位置にずれが生ずることが考えられる。その結果、所望の量の表示媒体を各セルに配置できなくなる。
本発明の目的は上述した問題点を解消し、所望の量の表示媒体を各セルに配置できる情報表示用パネルの製造方法を提供することにある。
本発明の情報表示用パネルの製造方法は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板上に配置する表示媒体配置工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体を基板上に転写して配置する表示媒体転写配置工程と、から構成され、表示媒体転写配置工程を、感光体ドラムが基板上の基板ギャップ確保用隔壁またはセルを形成する隔壁と接触し、感光体ドラムあるいは基板のいずれか一方が駆動し、他方が従動することによって、表示媒体を基板上に転写配置する構成にすることを特徴とするものである。
本発明の情報表示用パネルの製造方法によれば、情報表示用パネル基板間に隔壁によって形成されたセル内に表示媒体を充填するにあたって、表示媒体充填量の不足および偏りが発生することがなく、隔壁の頂上部に表示媒体が載ることもなく、基板間の間隔を均一にできるようになり、良好なコントラストを有する表示状態が得られる情報表示用パネルを提供することができる。
まず、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間の空間に封入した光学的反射率と帯電性とを有する表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図7に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(個別電極)と基板2に設けた電極6(個別電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも光学的反射率と帯電性を有する表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させる。そして、図3(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、図3(b)に示すように、黒色板7の色を観察者に視認させて黒色の表示を行っている。なお、図3(a)、(b)に示す例では、手前にある隔壁は省略している。電極は基板内部に埋め込むように設けてもよいが、透明電極6は黒色板の上に配置される。白色表示媒体を黒色表示媒体に代え、黒色板を白色板に代えても同様の表示を行うことができる。
図4(a)〜(d)に示す例では、まず、図4(a)、(c)に示すように、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは表示用白色粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと表示用黒色粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1の外側に設けた外部電界形成手段31と基板2の外側に設けた外部電界形成手段32との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図4(b)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行ったり、図4(d)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行ったりしている。なお、図4(a)〜(d)において、手前にある隔壁は省略している。また、基板1の内側には導電部材33を設けるとともに、基板2の内側には導電部材34を設けている。この導電部材は設けなくてもよい。
図5(a)、(b)に示す例では、三個のセルで表示単位を構成するカラー表示の例を示している。図5(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはすべてのセル21−1〜21−3に白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを充填し、第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22BLを設け、第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の三個のセルで表示単位を構成している。本例では、図5(a)に示すように、観察者側に、すべての第1セル21−1〜第3のセル21−3において白色表示媒体3Wを移動することで、観察者に対し白色表示を行い、各セルにおける表示媒体の移動のさせ方によって多色カラー表示を行うことができる。図5(b)に示すように、観察者側に、すべての第1セル21−1〜第3のセル21−3において黒色表示媒体3Bを移動することで、観察者に対し黒色表示を行っている。なお、図5(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。電極は基板の外側に設けてもよいし、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。粉流体については後述する。
上述した構成の情報表示用パネルを製造するにあたり、本発明の特徴は、表示媒体を基板上に配置する表示媒体配置工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体を基板上に転写して配置する表示媒体転写配置工程と、から構成されることにある。以下、図面を参照して本発明の情報表示用パネルの製造方法をさらに詳しく説明する。
図6は本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。図6に示す例では、表示媒体配置工程とそれに続くパネル貼り合わせ工程を示している。図6に示す例において、まず、表示媒体帯電供給装置11から、帯電した表示媒体3(ここでは白色表示媒体)を、表示媒体担持ローラ12へ供給する(表示媒体帯電担持工程)。
次に、静電潜像形成装置13により感光体ドラム15の表面に所定パターン(例えば、パネルの基板1上に隔壁4により形成されたセル14のセルパターンに対応するパターン)の静電潜像を形成し、感光体ドラム15の表面に表示媒体担持ローラ12で担持された表示媒体3を表示媒体担持ローラ12を回転して供給することで、感光体ドラム15上に静電潜像の所定パターンにそって表示媒体3を配列載置する(表示媒体配列工程)。
感光体ドラム15の下に、パネル基板1が配置され、感光体ドラム15と対向するパネル基板1の裏側には、感光体ドラム15上に配列された表示媒体3をパネル基板1に転写するための転写装置17が設けられている。パネル基板1と感光体ドラム15とは、パネル基板1に設けられた基板ギャップ確保用隔壁またはセルを形成する隔壁頂上において接するように配置され、感光体ドラム15の回転に従動するようにしてパネル基板1が移動するようになっており、パネル基板1が図6の右側方向に移動する過程において、感光体ドラム15上に配列載置された表示媒体3が、パネル基板1上のセル14内に転写され配置される(表示媒体転写配置工程)。
図6に示す例では転写装置17を用いて電圧を印加しているが、基板1または2に電極や導電膜が設けられている場合(図示せず)には、この電極や導電部材に電圧を印加して表示媒体を基板1または2に転写配置してもよい。
図6に示す例では転写装置17を用いて電圧を印加しているが、基板1または2に電極や導電膜が設けられている場合(図示せず)には、この電極や導電部材に電圧を印加して表示媒体を基板1または2に転写配置してもよい。
図7に、表示媒体転写配置工程を説明するための詳細図を示す。感光体ドラム15と基板上の隔壁4または基板ギャップ確保用隔壁(図示せず)は接触しており、感光体ドラム15が軸回転するとともに、基板が従動する構成になっている。基板を従動させる方法としては、搬送ベルトと基板間が滑るようにして行ったり、搬送ベルト側のクラッチを切るなどして行うことができる。また、搬送ベルトと基板間が滑るようにするには、吸着を弱くすることや、基板と搬送ベルト間に紙などを挿入することにより実現できる。図7では感光体を駆動して基板を従動させる構成としたが、基板を動かし、感光体ドラム側を従動させてもよい。この際、感光体ドラムの回転軸は自由回転となる。従動させる方法としては、例えば、感光体ドラムと基板上の隔壁または基板ギャップ確保用隔壁が接触した際に、感光体ドラムの軸の回転を制限しないようにクラッチを切ってやればよい。転写はステージ若しくは基板上の導電膜(図示せず)に電圧を印加することによって行う。
図8に、表示媒体転写配置工程を説明するための他の詳細図を示す。図8では感光体ドラム15は静止している基板上の隔壁4または基板ギャップ確保用隔壁(図示せず)に接触しており、感光体ドラムが基板上を転がるように移動する構成になっている。軸に対して自由回転できるように感光体ドラムを構成し、その軸を横に移動することによって感光体ドラムを転がすこともできる。
上述した表示媒体配置工程が終了した後、基板上に所定の表示媒体3を配置した基板1に対して、もう一方の基板2を貼り合わせることで、情報表示用パネルを得ることができる(パネル貼り合わせ工程)。
なお、上述した例では、表示媒体担持ローラ12上および感光体ドラム15上の表示媒体3を一層として記載したが、一層である必要はなく、セル14内に配置する量に応じて二層以上とすることもできる。また、感光体ドラム15上の静電潜像をセルパターンに対応させる、言い換えると、隔壁4に対応する部分には静電潜像を与えずに表示媒体3を設けないようにした例を示したが、静電潜像のパターンはセルパターンに限定されるものではなく、表面全体に表示媒体3を配置するよう静電潜像を与えてもよい。さらに、静電潜像のパターンは、基板上隔壁4が形成するセル14の開口部に対応し、セル開口部よりも狭い領域とすることもできる。
図9は本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図9に示す例では、図6に示した表示媒体配置工程を2つ連続させて、黒色表示媒体3Bおよび白色表示媒体3Wをパネル基板上に配置し、その後2枚の基板を貼り合わせて情報表示用パネルとする様子を示している。
図10(a)、(b)は、基板ギャップ確保用隔壁を説明するための図である。図10(a)は、セル形成用隔壁4の外周に基板ギャップ確保用隔壁40を設けた基板の上面図であり、図10(b)はA−A間の断面図である。感光体ドラム15あるいは基板41の一方が動き他方が従動する際に、セル形成用隔壁4と基板ギャップ確保用隔壁40の両方が、感光体ドラム15と基板41との接点となる。
図11(a)、(b)は、基板ギャップ確保用隔壁を説明するための他の図である。図11(a)は、基板ギャップ確保用隔壁40のみを設けた基板の上面図であり、図11(b)はA−A間の断面図である。感光体ドラム15あるいは基板41の一方が動き他方が従動する際に、基板ギャップ確保用隔壁40が、感光体ドラム15と基板41との接点となる。
図12(a)、(b)〜図15(a)、(b)はそれぞれセル開口部形状とそれに対応する静電潜像パターンの好適例を説明するための図である。いずれも、上述した好適例として説明した、基板上隔壁4が形成するセル14の開口部(図12(a)、図13(a)、図14(a)、図15(a))に対応し、セル開口部よりも静電潜像のパターン(図12(b)、図13(b)、図14(b)、図15(b))を狭くした例を示している。
以下、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板(前面基板)は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
情報表示用パネルに電極を設ける場合の電極形成材料および導電部材を設ける場合の導電部材形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され適宜選択して用いられる。電極または導電部材の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側であり透明である必要のある表示面側基板2に設ける電極または導電部材は透明である必要があるが、背面側基板1に設ける電極または導電部材は透明である必要はない。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極または導電部材の厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板1に設ける電極または導電部材の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極または導電部材と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
隔壁の高さや幅は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。表示側基板と背面側基板とを重ね合わせて得られる情報表示用パネルにおけるセル形状は隔壁形状によって様々な形状のものが用いられる。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(隔壁の幅によって形成されるセルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示状態の鮮明さが増す。
情報表示用パネルの基板間の空間にセルを形成するための隔壁において、隔壁の高さや幅は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。表示側基板と背面側基板とを重ね合わせて得られる情報表示用パネルにおけるセルは図16に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。隔壁形状によって様々な形状のものが用いられる。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(隔壁の幅によって形成されるセルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示状態の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法も好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法も好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルで表示媒体として例えば用いる粉流体について説明する。なお、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルで用いる粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、粉体の流動性を示す指数である安息角を測定できないほど流動性に富んだ状態を示すものであり、低電圧の印加等で形成される電界でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態を容易に作り出せる表示媒体として用いられる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態を容易に作り出せる表示媒体として用いられる。
次に、本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示用粒子は、そのまま該表示用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、
タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して所望の色の表示用粒子を作製できる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して所望の色の表示用粒子を作製できる。
また、本発明に用いる表示用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
更に本発明に用いる表示用粒子では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、表示媒体としての均一な移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、表示媒体としての均一な移動が可能となる。
さらにまた、各表示用粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記表示用粒子の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
表示用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示用粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示用粒子の帯電量測定を行うことにより、表示用粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
更に、本発明の対象となる、気中空間で表示媒体を駆動する乾式の情報表示用パネルでは、表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、例えば、図1(a)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板内側に設けた場合)、表示媒体3(粒子群あるいは粉流体)の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール剤、シール方法を施すことが肝要である。
この空隙部分とは、例えば、図1(a)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板内側に設けた場合)、表示媒体3(粒子群あるいは粉流体)の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール剤、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の製造方法を用いて作製する情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔(言い換えれば基板ギャップ確保用隔壁の高さ)は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の気中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
対向する基板間の気中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
本発明を用いて作製する情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディーターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞、電子マニュアル(取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板(ホワイトボード)等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる他、外部電界形成手段を用いて表示媒体駆動を行うリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
なお、本発明を用いて作製する情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式を適用することができる。
1、2、41 基板
3 表示媒体
3W 白色表示媒体
3Wa 表示用白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 表示用黒色粒子
4 隔壁(セル形成用隔壁)
5、6 電極
7 黒色板
11 表示媒体帯電供給装置
12 表示媒体担持ローラ
13 静電潜像形成装置
14 セル
15 感光体ドラム
16 搬送ベルト
17 転写装置
18 帯電ブレード
21−1 第1のセル
21−2 第2のセル
21−3 第3のセル
22R 赤色カラーフィルター
22G 緑色カラーフィルター
22BL 青色カラーフィルター
31、32 外部電界形成手段
33、34 導電部材
40 基板ギャップ確保用隔壁
3 表示媒体
3W 白色表示媒体
3Wa 表示用白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 表示用黒色粒子
4 隔壁(セル形成用隔壁)
5、6 電極
7 黒色板
11 表示媒体帯電供給装置
12 表示媒体担持ローラ
13 静電潜像形成装置
14 セル
15 感光体ドラム
16 搬送ベルト
17 転写装置
18 帯電ブレード
21−1 第1のセル
21−2 第2のセル
21−3 第3のセル
22R 赤色カラーフィルター
22G 緑色カラーフィルター
22BL 青色カラーフィルター
31、32 外部電界形成手段
33、34 導電部材
40 基板ギャップ確保用隔壁
Claims (10)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、
表示媒体を基板上に配置する表示媒体配置工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体を基板上に転写して配置する表示媒体転写配置工程と、から構成され、
前記表示媒体転写配置工程を、感光体ドラムが基板上の基板ギャップ確保用隔壁またはセルを形成する隔壁と接触し、感光体ドラムが駆動し、基板が従動することによって、表示媒体を基板上に転写配置する構成にすることを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、
表示媒体を基板上に配置する表示媒体配置工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体を基板上に転写して配置する表示媒体転写配置工程と、から構成され、
前記表示媒体転写配置工程を、感光体ドラムが基板上の基板ギャップ確保用隔壁またはセルを形成する隔壁と接触し、基板が移動し、感光体ドラムが従動することによって、表示媒体を基板上に転写配置する構成にすることを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、
表示媒体を基板上に配置する表示媒体配置工程が、帯電した表示媒体を担持する表示媒体帯電担持工程と、担持された表示媒体を静電潜像に基づいて配列する表示媒体配列工程と、配列させた表示媒体を基板上に転写して配置する表示媒体転写配置工程と、から構成され、
前記表示媒体転写配置工程を、感光体ドラムが基板上の基板ギャップ確保用隔壁またはセルを形成する隔壁と接触し、感光体ドラムが固定した基板上を転がるように移動することによって、表示媒体を基板上に転写配置する構成にすることを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 前記表示媒体配列工程における静電潜像に基づくパターンが、基板上隔壁が形成するセル開口部に対応し、セル開口部よりも狭い領域となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体帯電担持工程を、表示媒体帯電供給装置から帯電した表示媒体を表示媒体担持ローラへ供給することで実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体配列工程を、静電潜像形成装置により感光体ドラム表面に所定パターンの静電潜像を形成し、感光体ドラム上に静電潜像に基づいて表示媒体を配列することで実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体転写配置工程を、配列させた表示媒体と転写装置との間にセルを有する基板を通過させ、セル内に表示媒体を転写して配置することで実施することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体配置工程が、配置する表示媒体の種類の数だけ連続して設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体配置工程が、それぞれ2枚の基板に対して、総数において少なくとも配置する表示媒体の種類の数だけ設けられ、表示媒体配置工程が並設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体が粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006303059A JP2008122461A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | 情報表示用パネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006303059A JP2008122461A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | 情報表示用パネルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008122461A true JP2008122461A (ja) | 2008-05-29 |
Family
ID=39507310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006303059A Withdrawn JP2008122461A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | 情報表示用パネルの製造方法 |
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JP (1) | JP2008122461A (ja) |
-
2006
- 2006-11-08 JP JP2006303059A patent/JP2008122461A/ja not_active Withdrawn
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