WO2006117880A1

WO2006117880A1 - 磁気分離浄化装置および磁気分離浄化方法

Info

Publication number: WO2006117880A1
Application number: PCT/JP2005/008581
Authority: WO
Inventors: Norihide Saho; Hisashi Isogami; Takashi Mizumori; Akira Mochizuki; Susumu Harada
Original assignee: Hitachi, Ltd.
Priority date: 2005-04-28
Filing date: 2005-04-28
Publication date: 2006-11-09
Also published as: US20080029457A1; EP1875967A4; CN1950153A; BRPI0512666A; CA2567693C; EP1875967A1; US7785475B2; CN100553785C; CA2567693A1

Abstract

　磁気分離部の水面の変動に対して、良好に磁気物質を分離し、以って高密度のスラッジを安定的に排出可能な、磁気分離浄化装置を提供する。　円筒状の濾過網を有し、磁気物質を含む被処理流体から汚泥および磁気物質を濾過する回転濾過体と、該回転濾過体に対して水平方向において近接対峙し、回転に伴なって表面上に汚泥および磁気物質を載置して搬送する円筒状の汚泥回収回転体と、該汚泥回収回転体内に軸心を有し、回転体と該回転体の円周上に取り付けた複数の磁石とからなり、少なくとも前記回転濾過体に位置する側を前記汚泥回収回転体の内周面に近接配設され、前記回転濾過体によって濾過された磁気物質を前記汚泥回収回転体の表面上に磁気吸引することによって汚泥を前記汚泥回収回転体の表面上に移送させる磁気回転体と、前記汚泥回収回転体の表面上を搬送される汚泥および磁気物質を掻き取る掻き取り装置とを含んで構成される。

Description

明細書

磁気分離浄化装置および磁気分離浄化方法技術分野

本発明は、水質浄化や固液分離等を目的とした磁気分離浄化装置に関し、特に膜による磁性物質の捕捉および捕捉物の磁気分離を、磁気分離部の水面の変動に対して、良好に磁性物を分離し、高密度のスラッジを安定的に排出可能な、磁気分離浄化装置の構造に関する。背景技術

固液分離等を目的として、細めの金網や高分子繊維で編んだ網や膜を通水分離膜として使用し、汚濁粒子（汚泥という。）を有する原水に凝集剤と磁性粉を添加して磁性フロックを生成し、前記で磁性フロックを膜で分離し、膜で捕集した磁性フロックを磁場発生手段で磁気分離、除去して高濃度スラッジを回収する磁気分離浄化装置がある。本構造は、例えば特開 2 0 0 2 - 2 7 3 2 6 1号公報に記載されている。本膜分離净化装置はステンレス鋼の細線やポリエステル繊維等で網を構成し、例えばその数十ミクロンメートルの目開きの開口部を有する。開口部の投影面積や投影直径よりも小さい微細な汚濁物質を分離するため、予め原水に例えば凝集剤の硫酸バン土やポリ塩化アルミニウムやポリ硫酸鉄と磁性粉を加えて撹紳し、原水中の微細な固形浮遊物や藻類、菌類、微生物を、凝縮剤によつて数百ミクロンメートル程度の大きさに結合させた磁性フロヅクを形成させる。この磁性フロックは数十ミクロンメートルの目開きを有した開口部を通過できず高い除去率で捕捉分離され、膜を透過した水はさらに水質が高い浄化水となる。膜上に捕集された磁性フロックは、洗浄水で膜から洗い流された後、水面近傍に停留する磁性フロックは、前記水面近傍に静止配置された磁石の磁気力で吸引して磁気分離され、スラッジ移送手段でスラッジ回収槽に移送され排除される。スラヅジは最終的には、通常トラックで処分場や焼却場に運搬したり、コンポスト化する。

特許第 3 2 2 8 4 3 0号公報には、汚水処理槽に流入した汚水中の磁性粒子を汚水処理槽内に配置された磁気板で前記汚水中から吸着分離して前記汚水処理槽外に排出する汚水処理装置において、下部に汚水の流入口が設けられると共に上部に処理水の排出口が配設された汚水処理槽と、前記汚水処理槽の汚水中に水没配置されると共に、回転軸に所定の間隔をもって並列装架された複数の円盤状磁性体と、前記各円盤状磁性体の表面に配設され、対向する円盤状磁性体間において対向する磁極が異極となるように配置された複数の永久磁石片と、スクレーバ付の無端状ベルトカら成り、周回して前記永久磁石変の表面に吸着した汚泥を搔取ると共に、搔取った汚泥を前記円盤状磁性体の上方に移動させる搔取装置と、前記汚水処理槽の汚水中に設けられると共に、前記搔取装置を囲んで前記スクレ一パで搔取った汚泥を汚泥排出口に案内する汚泥排出通路と、前記汚泥排出用通路に連通して形成され前記汚泥排出用通路中の処理水が溢流する溢流口と、から成る汚水処理装置が記載されている。

特開 2 0 0 2 - 7 9 3 5 3号公報には、非磁性剤からなる回転ドラム内に磁石を外周面の所要位置に配置した内筒を内蔵し、回転ドラムに当接する絞りローラ —とスクレバ一を備えた構成からなる磁気分離装置において、回転ドラム表面の全部又は所要部が所要深さで磁性体化された回転ドラム型磁気分離装置が記載されている。発明の開示

上記のように、従来例では、膜から洗い流されて水面近傍に停留する磁性フロックを、静止した磁石の静止した磁場分布で磁気吸引するので、前記水面が上下に変動し、前記水面での磁気力が弱い位置にある場合、水面近傍に多数存在する磁性フロヅクの除去性能が低下し、被処理水中の磁性フロック密度が高まり、膜による浄化速度が低下し、浄ィヒ性能が低減する問題が生じる。

一方、スラッジをトラックで処分場や焼却場に運搬する場合やコンポスト化する場合、運搬時にスラッジから水が漏れないように含水率を約 8 5 %に、またコンポスト時の有機物を分解する微生物の活性化を図るように含水率を 7 5 %にするように運搬前、コンポスト処理前にスラッジの含水率を小さくしなければならない。

ここで、膜による浄化速度が低下して被処理水の水面が上昇すると、磁性フロックを有する被処理水が、濾過する水槽に隣接した磁性フロヅクを高濃度のスラッジとして磁気分離、除去、回収するスラッジ回収槽に被処理水が越流し、高濃度で回収されたスラヅジが流入した被処理水で大幅に薄まり、スラヅジが低濃度となり、スラヅジ体積が大幅に増加し、含水率を小さくする際に脱水コストが増加する問題がある。

本発明の目的は、磁気分離部の水面の変動に対して、良好に磁気物質を含む磁気フロックを分離し、高密度のスラッジを安定的に排出可能な磁気分離浄化装置を提供することにある。

また、本発明は被処理水の水面が上昇した場合に、高濃度で回収されたスラッジが被処理水の越流によって薄まってしまうことを防止することを行う。

磁性フロックを磁気分離するために使用する磁石を回転式にすることにより、前記水面が上下に変動しても、前記水面位置での磁気力が周期的に強くなる。これによって、水面近傍に多数存在する磁性フロックを良好に磁気吸引する。このことによって、磁性フロックの除去性能が低下する問題を解決できる。

また、被処理水を濾過する水槽と、スラッジ回収槽の間に、汚水を捕集する汚水回収層を設けることにより、被処理水の水面が上昇した場合に越流する被処理水が汚水回収槽に流れ込みスラッジ回収槽に流入することを防止する。この構造によって、スラヅジ回収槽内の高濃度のスラヅジが被処理水で薄まることを防止できるので、スラヅジ体積の増加を防止でき、回収したスラヅジの含水率をさらに小さくする際に必要となる脱水コストの増加の問題を解決できる。

本発明によって、構成される磁気分離浄化装置は、磁性を持つ被除去物の磁性物質を含む被処理流体、あるいは非磁性の除去物を含む流体に、磁性体と凝集剤、または被除去物と化学反応し、磁性物体を生じる添加物を添加することにより、前記被除去物に磁性を持たせた磁性物質を含む被処理流体を濾過するための、被除去物や磁性物質が通過できない目開きを有する回転できる濾過手段と、前記濾過手段で濾過された磁性物質を、磁気力で磁気吸引させる回転できる磁場発生手段と、磁気吸引した磁性物質が、前記磁場発生手段の方向に空間を移動するときに前記磁性物質および汚泥を含む磁気フロックを表面に載置して回収する回転できる汚泥回収手段と、前記磁場発生手段を回転する磁場回転手段と、を備え、前期汚泥回収手段は前記磁場発生手段の磁場強度の大小の空間の間を移動する構造であり、前記汚泥回収手段上の堆積物を搔き取る搔き取り手段を設けている。さらに、前記被除去物や磁性物質を回収する汚泥捕集手段を有する。

また、本発明によって構成される磁気分離浄化装置は、磁性を持つ被除去物の磁性物質を含む被処理流体、あるいは、被磁性の被除去物を含む流体に、磁性体と凝集剤、または被除去物と化学反応し、磁性物体を生じる添加物を添加することにより、前記被除去物に磁性を持たせた磁性物質を含む被処理流体を濾過するための、被除去物や磁性物質が通過できない目開きを有する回転できる濾過手段と、前記濾過手段で濾過された磁性物質を、磁気力で磁気吸引させる磁場発生手段と、磁気吸引した磁性物質が、前記磁場発生手段の方向に空間を移動するときに磁気フロックを表面に載置して回収する汚泥回収手段と、を備え、前記汚泥回収手段は前記磁場発生手段の磁場強度の大きな空間を移動できる構造としてあり、さらに前記汚泥回収手段上の堆積物を搔き取る接き取り手段を設け、前記被除去物や磁性物質を回収する汚泥捕集手段と、前記濾過手段を有する水槽と前記汚泥捕集手段との間に、濾過手段に流入する前の前記非処理流体が越流し流れ込む越流水捕集手段を有する。

前述の磁気分離浄化装置は、前記汚泥回収手段上の前記堆積物を前記搔き取り手段による前記堆積物移送方向に移送する堆積物移送手段を有する。

本発明によれば、濾過網（網 2 1 ) と汚泥回収回転体 3 3との間に形成される磁気分離部の水面変動に対して、良好に磁気フロック（汚泥と磁気物質を含む）を分離し、高密度のスラッジを安定的に生成し、排出可能な磁気分離浄化装置が提供される。

また、本発明によれば、被処理水の水面が上昇した場合にあっても水槽 2 2に越流水捕集装置 6 0を設けているので、高濃度で回収されたスラッジが被処理水の越流によって薄まってしまうということがない。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の一実施例の磁気分離浄化システムの構成図。図 2は、本発明の一実施例の磁気分離浄化装置の断面図。図 3は、図 2の A— A断面図。図 4は、本発明の他の実施例の磁気分離浄化装置の断面図。図 5は、図 4の A— A断面図。図 6は、本発明の他の実施例の磁気分離浄化装置の断面図。発明を実施するための最良の形態

被処理流体に含まれる汚泥を磁気力を利用して分離し、被処理流体を浄化する磁気分離浄化装置は、水槽内に配設され、円筒状の濾過網を有し、磁気物質を含む被処理流体から汚泥および磁気物質を濾過する回転濾過体と、該回転濾過体に対して水平方向において近接対峙し、回転に伴なつて表面上に汚泥および磁気物質を載置して搬送する円筒状の汚泥回収回転体と、該汚泥回収回転体内に軸心を有し、回転体と該回転体の円周上に取り付けた複数の磁石とからなり、少なくとも前記回転濾過体に位置する側を前記汚泥回収回転体の内周面に近接配設され、前記回転濾過体によって濾過された磁気物質を前記汚泥回収回転体の表面上に磁気吸引することによって汚泥を前記汚泥回収回転体の表面上に移送させる磁気回転体と、前記汚泥回収回転体の表面上を搬送される汚泥および磁気物質を搔き取る接き取り装置とを含んで構成される。

さらに、前記磁気回転体は、前記汚泥回収回転体に対して偏心配設される。さらに、前記磁気回転体は、前記汚泥回収回転体に対して同心配設してもよく、この場合には、駆動源によって回転駆動される回転翼を前記汚泥回収回転体の表面に近接して上側に設けている。

さらに、前記汚泥回収回転体と前記磁気回転体とを一体化して回転駆動源を共通とすることができる。

さらに、前記水槽からの被処理流体が越流し流れ込む越流水捕集装置を設けることができる。

また、被処理流体に含まれる汚泥を磁気力を利用して分離し、被処理流体を浄化する磁気分離浄化方法は、水槽内に配設され、円筒状の濾過網を有する回転濾過体によつて磁気物質を含む被処理体から汚泥および磁気物質を濾過し、円筒状の汚泥回収回転体内に軸心を有し、少なくとも前記回転濾過体に位置する側を前記汚泥回収回転体の内周面に近接配設され、円周配設された複数の磁石とから磁気回転体によって、前記回転濾過体によって濾過され、該回転濾過体との間の被処理流体の水面上に停留する磁気物質を前記汚泥回収回転体の表面上に磁気吸引して汚泥を前記汚泥回収回転体の表面上に移送し、前記汚泥回収回転体の表面上を搬送される汚泥および磁気物質を含む磁気プロックを搔き取ることを行う。さらに、前記磁気回転体を前記汚泥回収回転体に対して偏心配設することによつて前記汚泥回収回転体は、磁気強度の大小の空間を回転する。

(実施例 1 )

以下、本発明の一実施例を図 1、図 2および図 3により説明する。図 2は図 1 の膜分離装置 1 4の拡大断面図、図 3は図 2の A— A断面図である。

原水貯槽 1内に数ミリメートルの大きなゴミを取り除いた汚泥を含む被処理水である原水 2を貯留し、ポンプ 3でこの原水 2を、配管 4に所定の量を送水する。シーディング剤調整装置 5から四酸酸化鉄等の磁性粉と p H調整剤、ポリ塩化ァルミ二ゥムゃ塩化鉄や硫酸第二鉄等の水溶液等のアルミニユウムィォンゃ鉄ィォンを提供する凝集剤や高分子補強剤等を、導管 6を通じて配管 4内に加え、撹紳槽 7において、モ一夕 8で回転駆動される攪拌翼 9により高速度で撹絆し、数百ミクロンメートルの磁性マイクロフロヅク（磁性フロヅク）を生成する。その後、高分子剤調整装置 1 1から高分子補強剤等を、導管 1 2を通じて配管 1 0内に加え、撹絆槽 1 3のモ一夕 1 4で回転駆動される攪拌翼 1 5で低速度でゆつくりと撹絆し、数ミリメートル程度の大きさの磁性フロヅク 1 6 (図 1には示さず）を含む処理前の被処理水 1 7を生成する。被処理流体は、添加することなく、当初から磁性を持つ被除去物の磁性物質を含む場合もある。

このように生成した被処理水 1 7を、導管 1 8を通じて磁気分離浄化装置 1 9 に通水する。図 2、図 3により膜磁気分離浄化装置 1 9の構造を説明する。駆動源（図示せず）によって回転する回転ドラム 2 0の外周面にステンレス鋼の細線や銅の細線ゃポリエステル繊維等で数ミクロンメートルから数十ミクロンメートルの目開きを有した開口部を有する濾過フィル夕となる網 2 1を設ける。すなわち、円筒状形成の濾過網を設ける。回転ドラム 2 0と網 2 1によって回転濾過体が形成される。

水槽 2 2に流入した被処理水 1 7は、網 2 1を通過しドラム 2 0内に流入する。この時、被処理水中の汚泥および磁性物質を含む磁性フロック 1 6は網 2 1内面に捕捉され、網 2 1を通過し磁性フロック 1 6を分離された水は浄化水となって開口部 2 3から排出され、配管 2 4を通り浄化水槽 2 5に溜り、系外に放流される。被処理水 1 7が網 2 1を通過する動力は、被処理水 1 7とドラム 2 0内の浄ィ匕水との液面位差である。

一方、図 2において、磁性フロヅク 1 6は反時計回りに回転する網 2 1の外面に濾過されて付着し、堆積物となつて液面上の大気部に露出する。

浄化水槽（水槽という。） 2 5内の浄化水をポンプ 2 6で加圧され導管 2 7からシャワー管 2 8に送り、孔からシャワー水を、網 2 1内表面から外面側に吹き付ける。網 2 1の外表面に蓄積した磁性フロヅク 1 6はシャワー水で剥がれ網 2 1 面は再生される。洗い流された磁性フロック 1 6は、後述する汚泥回収体との間で水槽 2 2内の被処理水 1 7の水面上に停留する。

磁気分離の磁場発生手段として使用する回転式の磁石回転体 2 9は、非磁性体の材料で製作した回転体 3 0の円周上に、例えば外面に複数条の溝に永久磁石 3 1を接着剤等で固定し、前記回転体 3 0を、モー夕 3 2で回転数を制御されて回転する構造となっている。永久磁石 3 1は、周方向および円筒面方向において、微小間隙がおかれて規則正しく配置され、しっかりと回転体 3 0に固着されている。

一方、磁気分離した磁性フロックを移送するために使用する非磁性体の材料で製作した汚泥移送用の回転体 3 3は、軸 3 4を介してモ一夕 3 5で回転数を制御されて回転する。端部では、軸 3 4を水密性を有した回転支持体 3 6により水槽 2 2の壁で支持し、他端部では、回転体 3 3外周部を、水密性を有した回転支持体 3 7を介して水槽 2 2の壁で支持し、回転支持体 3 6の内部は大気に開放されている。汚泥回収体 3 3は回転路硬いに対して水平方向において近接配設される。水平方向とは水平状であることを含む。

前記磁石回転体 2 9は、前記汚泥回収回転体 3 3の大気開放面から汚泥回収回転体 3 3の内部に挿入され、洗浄水で洗い流された磁性フロック 1 6群が停留する、すなわち回転ドラム側の位置に接近するように設置される。ここで本実施例では、汚泥回収回転体 3 3の軸心と磁石回転体 2 9の回転体 3 0の軸心とは、ずれて配置されている。すなわち、汚泥回収体の軸心と軸心と磁石回転体 2 9の軸心とは偏心している。図に示していないが、磁石回転体 2 9は所定の場所に位置するように、水槽 2 2の一部にボルト等で固定される。汚泥回収回転体 3 3と回転体 3 0の回転方向は、同一方向で、磁気吸引した磁性フロック 1 6群を大気側に移動させる方向に回転する。両者の回転数は、同一でも、異なっても良い。本実施例の場合は、磁石側の回転体 3 0側の回転数が汚泥回収回転体 3 3の回転数より多い。すなわち回転速度が速い。

このように、汚泥回収回転体 3 3に近接配置される磁石回転体 2を回転式としているので、被処理水の水面が上下に変動しても水面位置での磁気力が周期的に強くなるので、水面近傍に多数存在する磁性フ口ヅクは良好に磁気吸引されることになる。

洗い落ちて水面近傍に停留する磁性フロック 1 6群は、磁石回転体 2 9の磁場により磁石側に吸引されて移動し、磁石回転体 2 9の外側を回転する汚泥回収回転体 3 3の外表面に付着したのち、汚泥回収回転体 3 3の回転にともなって、大気中に露出する。大気中において、磁性フロック 1 6群中の余分な水分は重力により回転体 3 3面上を流下し、磁性フロック 1 6群は更に濃縮される。ここで、磁性フロックの含水率は 9 7 %程度まで低下する。

汚泥回収回転体 3 3面上の濃縮された磁性フロック 1 6群は、汚泥回収回転体 3 3の回転により移動する。このとき、汚泥回収回転体 3 3の軸心と回転体 3 0 の軸心とは、ずれて配置されているため、すなわち磁場強度の大小の空間を移動するようにされているため、小の空間で磁性フロックは強く吸引され、磁石回転体 2 9から次第に遠ざかると、磁気吸引力は磁石回転体 2 9から離れるに従って急激に低減する。磁性フロック 1 6群は、接き取るように水槽 2 2に一部支持されたへら 3 8によって、汚泥回収回転体 3 3面上でから剥離され、スラッジ回収槽 3 9に重力で落下し、スラヅジとして分離捕集される。

排出されたスラヅジは、配管 4 0を通じて遠心分離機やベルトプレス等の脱水装置 4 1に導入され、運搬時にスラッジから水が漏れないように含水率を約 8 5 %以下に、またコンポスト時の有機物を分解する微生物の活性化を図るれ含水率を約 7 5 %に濃縮された高濃度スラヅジは、配管 4 2の通じてスラヅジ槽地 4 3に貯められる。スラッジはトラックで処分場や焼却場や堆肥処理場に運搬され脱水装置で脱水された処理汚水は、配管 4 4を通じて処理汚水槽 4 5に入り、ポンプ 4 6で加圧された後、配管 4 7を通つて原水槽 1に戻り、再び被処理工程に導入される。

運転制御装置 4 8では、原水の

• 液面

- 濁度

· 温度

■ p

等をセンサー 4 9で計測し、その情報を運転制御装置 4 8に信号線 5 0で送信する。その情報を基に、良好な磁性フロックを生成するに最適な

• 薬剤（P h調整剤、磁性粉、凝集剤）の添加量、

を、前もって入力した最適量算出プログラムで計算し、その制御情報を薬剤槽 5 に信号線 5 1を経由して送信し、最適量を添加する。また、同時に、

· 攪拌モー夕の回転数

• 攪拌槽での停留時間

を運転制御装置 4 8内で算出し、その制御情報をモー夕 8に信号線 5 2を経由して送信し、最適回転数で攪拌翼 9を回転させ、信号線 5 3を経由して送信し、攪拌槽での停留時間を確定するポンプ 3の吐出量を制御する。

また、良好な磁性フロックを生成するに最適な

• 薬剤（高分子ポリマー）の添加量、

を、前もって入力した最適量算出プログラムで計算し、その制御情報を薬剤槽 1 1に信号線 5 4を経由して送信し、最適量を添加する。また、同時に、

• 攪拌モー夕の回転数

を運転制御装置 4 8内で算出し、その制御情報をモー夕 1 4に信号線 5 5を経由して送信し、最適回転数で攪拌翼 1 5を回転させる。

一方、磁気分離浄化装置 1 9では、水槽 2 2内の被処理水 1 7の液面をセンサ一 5 6で計測し、その情報を運転制御装置 4 8に信号線 5 7で送信する。その情報を基に、被処理水の液面位置が、磁石回転体 2 9の設置位置のほぽ中央部、すなわち磁石回転体 2 9が発生する磁場の平均値が最大の位置に来るように、回転ドラム 2 0の最適な回転数および磁性フロック 1 6群の回収速度の適正速度を、前もって入力した最適量算出プログラムで計算し、その制御信号を回転ドラムの回転モ一夕（図示せず）に信号線 5 8を経由して送信し、また、信号線 5 9を経由してモ一夕 3 5に送信し、それそれ最適の回転数に制御する。

磁石回転体 2 9の磁界で、洗浄した磁性フロック 1 6群を磁気吸引するためには、水槽 2 2内の被処理水の水面がほぼ磁石回転体 2 9の磁界の中央部、すなわち図 2における A— A断面の位蘆にあることが望ましい。前記水面が記 A— A断面の位置よりも低い場合には、前記水面より低い位置でしか磁性フロック 1 6群を、汚泥回収回転体 3 3の表面に付着できない。ここで、磁石回転体 2 9が静止している場合、磁石回転体 2 9が発生する磁場分布は、並べたそれぞれの永久磁石が、有する磁場分布が磁石面上で不均一であるため、取り付けられた磁石群が発生する磁場分布も不均一となり、磁気吸引力の不均一が生じる。

したがって、洗浄された磁性フロック 1 6群が多数停留する前記水面が、磁気吸引力の弱い部位にある場合には、磁性フロック 1 6群を磁気分離して回収する処理性能が低下する。しかし、磁石回転体 2 9が回転する本実施例では、前記水面部に、必ず磁場分布の強い磁場部分が短い周期で通過させられるので、前記水面部の多数の磁性フロック 1 6群を磁気吸引して汚泥回収回転体 3 3の外表面に付着させ、その磁場を汚泥回収回転体 3 3の移動速度とほぼ同じにすることにより、移動方法に磁気吸引力を保持しながら磁性フロック 1 6群を回転体 3 0で移送できるので、磁性フロックの回収処理性能が低下することを防止できる。また反対に、前記水面が、前記 A— A断面の位置よりも高い場合には、前記水面より高い位置に多数の磁性フロック 1 6群が停留するが、磁場が弱いために汚泥回収回転体 3 3の表面に付着しにくい。ここで、磁石回転体 2 9が静止している場合、前記した場合と同様に、磁石回転体 2 9が発生する磁場分布は不均一となり、磁気吸引力の不均一が生じる。したがって、水面が磁気吸引力の弱い部位にある場合には、磁性フロック 1 6群の回収性能が低下する。しかし、磁石 2 9 が回転する本実施例では、前記水面部に、磁石の形体に対応して、必ず磁場分布の強い磁場部分が短い周期で通過させられるので、高い水面部分の磁性フロック 1 6群を磁気吸引して汚泥回収回転体 3 3の外表面に付着させ、その磁場を汚泥回収回転体 3 3の移動速度とほぼ同じにすることにより、移動方法に磁気吸引力を保持しながら磁性フロック 1 6群を回転体 3 0で移送できるので、磁性フロヅクの回収処理性能が低下することを P方止できる。

また、水槽 2 2内の被処理水の液面が、網 2 1の回転数の不足等により網 2 1 での濾過量が流入量より低下した場合等に生じる、水槽 2 2内の被処理水の液面が上昇した場合、水槽 2 2内の被処理水側からスラヅジ回収槽 3 9内に被処理水が壁 6 0を越えて越流しないように、越流水回収槽 6 1を設け、越流水は配管 6 2を通り、処理汚水槽 4 5に入り、ポンプ 4 6で加圧された後、配管 4 7を通つて原水槽 1に戻る。

本構造により、水槽 2 2内の被処理水の液面が上昇し壁 6 0を越えた被処理水 1 7は、スラヅジ槽 3 9に流入せずに越流水回収槽 6 1に流入する。したがって、スラヅジ槽 3 9に回収した高濃度のスラヅジが被処理水の流入により水の含水率が上昇し、低濃度になりスラヅジ体積が増加し、スラヅジ処理コストの増加を防止することができる。

以上の説明から明らかなように、本実施例によれば、磁石からなる磁性体は、スラッジ回収用の汚泥回収回転体 3 3の内側で、回転できるので磁石の不均一な磁気吸引力をによる、磁性フロック群の回収能力の不均一性を解消して均一化され、回収性能を維持し浄化性能を向上することができる効果がある。特に、この構成によれば、回転濾過体と汚泥回収回転体 3 3との間で生じやすかつたつまり現象を回避するのに有効である。

また、被処理水槽と隣接する高濃度スラッジ回収槽の間に、越流水回収槽を設けることにより、被処理水槽の水位が上昇した場合に、被処理水が越流水回収槽に流入し、越流水が高濃度スラッジ回収槽は流入しないので、高濃度スラヅジ回収槽に回収した高濃度スラヅジが被処理水で薄まり、スラッジ体積が増加し、スラヅジ処理コストの増加を防止することができる効果がある。

(実施例 2 )

図 4および図 5に本発明になる他の実施例を示す。先の実施例と同一の構成には同一の番号を付し、説明が重複しないようにする。他の実施例についても同じである。これらの図が図 2および図 3と異なる点は、磁石回転体（実施例 1の 2 9に相当） 6 8の回転体 6 6の外面を汚泥回収回転体 3 3の内側いっぱいに大きくし、磁石回転体 6 8と汚泥回収回転体 3 3の軸心をほぼ一致させ、さらに、へら 3 8による汚泥回収回転体 3 3上の磁性フロック 1 6群をスラヅジ回収槽 3 9 側に機械的な排出手段である回転翼 6 3を設けた点にある。フッ化化合物等の付着しにくい材料で製作した回転翼 6 3はスラッジ排出翼 6 4を取り付けた軸 6 5 を駆動源、すなわちモー夕（図示せず）で回転駆動する。汚泥回収回転体 3 3と磁石回転体 6 8の回転方向は、同一方向で、磁気吸引した磁性フロック 1 6群を大気側に移動させる方向に回転する。両者の回転数は、同一でも、異なっても良い。本実施例の場合は、磁石側の磁石回転体 6 8側の回転数が汚泥回収回転体 3 3の回転数より若干多い。すなわち回転速度が若干速くなるようにしている。本実施例によれば、磁石回転体 6 8を構成する磁石 6 7を汚泥回収回転体 3 3 の内側に全周に渡り近づけて配置できるので、実施例 1で述べた水面が、前記 A —A断面の位置よりも高いもしくは低い場合においても、磁石 6 7は汚泥回収回転体 3 3の外面に接する水面の近くに位置し、さらに磁石 6 7が回転するので、磁気吸引力が強く均一に作用する。したがって、前記水面の上下変動に対しても、水面に必ず磁場分布の強い磁場部分が短い周期で通過させられるので、水面部分の多数の磁性フロック 1 6群を磁気吸引して汚泥回収回転体 3 3の外表面に付着させ、その磁場を汚泥回収回転体 3 3の移動速度とほぼ同じ、もしくは磁気力を移動方向に先に進めることにより磁性フロック 1 6群を良好に移動させることができる。

また、搔き取り部のへら 3 8先端の部位と磁石 6 7は近い位置にあるので、へら 3 8でかきとられた汚泥回収回転体 3 3上の磁性フロック 1 6には、大きな磁気吸引力が作用しこのままでは磁性フロック 1 6群が自重でへら 3 8上を移動できないので、スラヅジ排出翼 6 4でスラヅジ回収槽 3 9側に移動させ磁石 3 1から離し、磁気吸引力を小さくして自重で移動できる効果が生じる。

したがって、本実施例では、水槽 2 2内での被処理水の水面が変動する場合においても、磁性フロックを良好に除去し浄化性能の低下を防止できる効果がある。 (実施例 3 )

図 6に本発明になる他の実施例を示す。これらの図が図 4および図 5と異なる点は、円筒状の磁石回転体 6 9を汚泥回収回転体 3 3の内側いっぱいに大きくし、前記汚泥回収回転体 3 3と円筒状の磁石回転体 6 9をボルト Ί 0で一体ィ匕して構成したことにある。

本実施例によれば、円筒状の磁石回転体 6 9を汚泥回収回転体 3 3と一体化することで回転できるので、円筒状の磁石回転体 6 9回転用のモー夕を省略でき、さらに装置コストを低減することができる効果がある。

また、磁場発生手段として永久磁石を使用した場合を示したが、常電導電磁石や冷凍機等で冷却した超電導電磁石を使用しても、同様な効果が生じる。

なお、以上の実施例では網 2 1をドラム状に形成した場合について説明したが、網 2 1をディスク状に構成して、このディスクを縦方向に複数枚配置して装置を構成した場合でも同様な効果が生じる。

(実施例 4 )

先の実施例 1 - 3にあっては回転濾過体を使用していたが、回転濾過体を使用することなく、汚泥回収回転体 3 3の表面上に磁気スラッグ、すなわち汚泥を磁気力に吸引し、載置するようにすることも可能である。

すなわち、この実施例は、被処理流体に含まれる汚泥を磁気力を利用して分離し、被処理流体を浄化する磁気分離浄化装置を、水槽内に配設され、水平方向に配置され、回転に伴なつて表面上に汚泥および磁気物質を吸引、載置して搬送する円筒状の汚泥回収回転体と、該汚泥回収回転体内に軸心を有し、回転体と該回転体の円周上に取り付けた複数の磁石とからなり、少なくとも前記回転濾過体に位置する側を前記汚泥回収回転体の内周面に近接配設され、前記回転濾過体によつて濾過された磁気物質を前記汚泥回収回転体の表面上に磁気吸引することによつて汚泥を前記汚泥回収回転体の表面上に移送させる磁気回転体と、前記汚泥回収回転体の表面上を搬送される汚泥および磁気物質を搔き取る搔き取り装置とで構成する。

この構成にあっても、汚泥回収回転体 3 3とこの中に配設され、回転する磁性体とは一体ではなく、別個として構成されているために磁気物質に作用する磁気力は均一化されるから吸着制御がよりやり易いものとなる。更に、この構成によれば、汚泥回収回転体 3 3と磁性体との回転位相を容易に変えることができ、磁性スラッジの吸引および搔き取りに便利である。

Claims

請求の範囲

1 . 被処理流体に含まれる汚泥を磁気力を利用して分離し、被処理流体を浄化する磁気分離浄化装置において、

水槽内に配設され、円筒状の濾過網を有し、磁気物質を含む被処理流体から汚泥および磁気物質を濾過する回転濾過体と、

該回転濾過体に対して水平方向において近接対峙し、回転に伴なつて表面上に汚泥および磁気物質を載置して搬送する円筒状の汚泥回収回転体と、

該汚泥回収回転体内に軸心を有し、回転体と該回転体の円周上に取り付けた複数の磁石とからなり、少なくとも前記回転濾過体に位置する側を前記汚泥回収回転体の内周面に近接配設され、前記回転濾過体によって濾過された磁気物質を前記汚泥回収回転体の表面上に磁気吸引することによって汚泥を前記汚泥回収回転体の表面上に移送させる磁気回転体と、

前記汚泥回収回転体の表面上を搬送される汚泥および磁気物質を接き取る搔き取り装置と

を含んで構成されることを特徴とする磁気分離浄ィヒ装置。

2 . 請求項 1において、前記磁気回転体は、前記汚泥回収回転体に対して偏心配設されることを特徴とする磁気分離浄化装置。

3 . 請求項 1において、前記磁気回転体は、前記汚泥回収回転体に対して同心配設され、駆動源によって回転駆動される回転翼を前記汚泥回収回転体の表面に近接して上側に設けたことを特徴とする磁気分離浄化装置。

4 . 請求項 3において、前記汚泥回収回転体と前記磁気回転体とを一体化して回転駆動源を共通としたことを特徴とする磁気分離浄化装置。

5 . 請求項 1から 4のいずれかにおいて、前記水槽からの被処理流体が越流し流れ込む越流水捕集装置を設けたことを特徴とする磁気分離浄化装置。

6 . 被処理流体に含まれる汚泥を磁気力を利用して分離し、被処理流体を浄化する磁気分離浄ィヒ装置において、 ' 水槽内に配設され、水平方向に配置され、回転に伴なつて表面上に汚泥および磁気物質を吸引、載置して搬送する円筒状の汚泥回収回転体と、

該汚泥回収回転体内に軸心を有し、回転体と該回転体の円周上に取り付けた複数の磁石とからなり、少なくとも前記回転濾過体に位置する側を前記汚泥回収回転体の内周面に近接配設され、前記回転濾過体によって濾過された磁気物質を前記汚泥回収回体の表面上に磁気吸引することによって汚泥を前記汚泥回収回転体の表面上に移送させる磁気回転体と、

前記汚泥回収回転体の表面上を搬送される汚泥および磁気物質を搔き取る搔き取り装置と

を含んで構成されることを特徴とする磁気分離浄化装置。

7 . 被処理流体に含まれる汚泥を磁気力を利用して分離し、被処理流体を浄ィ匕する磁気分離净化方法において、

水槽内に配設され、円筒状の濾過網を有する回転濾過体によつて磁気物質を含む被処理体から汚泥および磁気物質を濾過し、

円筒状の汚泥回収回転体内に軸心を有し、少なくとも前記回転濾過体に位置する側を前記汚泥回収回転体の内周面に近接配設され、円周配設された複数の磁石とから磁気回転体によって、前記回転濾過体によって濾過され、該回転濾過体との間の被処理流体の水面上に停留する磁気物質を前記汚泥回収回転体の表面上に磁気吸引して汚泥を前記汚泥回収回転体の表面上に移送し、

前記汚泥回収回転体の表面上を搬送される汚泥および磁気物質を含む磁気プロックを搔き取ることを特徴とする磁気分離浄化方法。

8 . 請求項 7において、前記磁気回転体を前記汚泥回収回転体に対して偏心配設することによって前記汚泥回収回転体は、磁気強度の大小の空間を回転することを特徴とする磁気分離浄化方法。